JP2016163407A - 電磁サスペンション用リニアモータ - Google Patents

電磁サスペンション用リニアモータ Download PDF

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基裕 平尾
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Abstract

【課題】 電機子内の熱伝達を向上させる。
【解決手段】 単一のコア21に6個のスロット溝22A,22B,22C,22D,22E,22Fを一体形成し、これら6個のスロット溝22A,22B,22C,22D,22E,22Fに対し、コイル12A,12B,12Cをそれぞれ直接巻付ける構成とする。これにより、コイル12Aとスロット溝22Aとの間、コイル12Aとスロット溝22Bとの間、コイル12Bとスロット溝22Cとの間、コイル12Bとスロット溝22Dとの間、コイル12Cとスロット溝22Eとの間、コイル12Cとスロット溝22Fとの間に空気層が形成されるのを抑制することができる。この結果、コイル12A,12B,12Cとコア21との間の熱伝達を向上させ、電機子10内の熱伝達を向上させることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、例えば自動車等の車両の振動を緩衝するための電磁サスペンションに用いられる電磁サスペンション用リニアモータに関する。
一般に、自動車等の車両には、車体(ばね上)側と各車輪(ばね下)側との間に緩衝器が設けられている。このような緩衝器として、互いに相対直線運動可能に配置された電機子(固定子)と可動子とからなるリニアモータを用いた電磁サスペンションが知られている。一方、リニアモータのコイルの冷却を確保する技術として、冷却部材を設ける構成が提案されている(特許文献1)。
特開2008−259374号公報
ところで、特許文献1で用いられる冷却部材を、電磁サスペンション用リニアモータのコイルの周囲に設けた場合には、大きな放熱部が必要となり、コイルを含む電機子全体が大型化するおそれがある。このため、大型化を抑制しつつ、電機子の冷却性能を確保することが望まれている。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、電機子内の熱伝達を向上できる電磁サスペンション用リニアモータを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、磁性体の円筒状ヨーク内周に磁石が軸方向に積層されている可動子と、前記可動子と同軸上の内周側に円筒状の電機子があり、前記可動子と前記電機子は軸方向へ相対変位可能である電磁サスペンション用リニアモータにおいて、前記電機子は、単一のコアと、該コアに巻回されるコイルとからなり、前記コアには軸方向に複数のスロット溝を設け、該各スロット溝に対して前記コイルをそれぞれ直接巻回する構成としたことを特徴としている。
本発明によれば、コアのスロット溝にコイルを直接巻くことにより、電機子内の熱伝達を向上できる。
本発明の実施の形態による電磁サスペンションを示す断面図である。 第1の実施の形態によるコアにコイルを巻付けた状態を示す一部が断面の斜視図である。 コアを単体で示す一部が断面の斜視図である。 コアを図3中の矢示IV−IV方向から見た断面図である。 コアを図4中の矢示V−V方向から見た断面図である。 コアにコイルを巻付けた状態を示す断面図である。 第2の実施の形態によるコアを単体で示す一部が断面の斜視図である。 コアを図7中の矢示VIII−VIII方向から見た断面図である。 コアを図8中の矢示IX−IX方向から見た断面図である。 コアにコイルを巻付けた状態を示す断面図である。 第3の実施の形態によるコア、溝形成部材等を示す分解斜視図である。 コアを単体で示す平面図である。 コアを図12中の矢示XIII−XIII方向から見た断面図である。 コアに溝形成部材を取付けた状態を示す平面図である。 コアにコイルを巻付けた状態を示す平面図である。 コアにコイルを巻付けた状態を示す断面図である。 第1の変形例によるコアを示す図6と同様な断面図である。 第2の変形例によるコアを示す図11と同様な断面図である。
以下、本発明の実施の形態による電磁サスペンション用リニアモータについて、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図6は第1の実施の形態を示している。図1において、電磁サスペンション1は、車両を構成する車体(ばね上)と車輪(ばね下)との間に設けられた懸架ばね(図示せず)と、該懸架ばねと並列関係をなして車体と車輪との間に介装されたリニア電磁アクチュエータ2(以下、アクチュエータ2という)と、該アクチュエータ2への通電を制御するインバータ(図示せず)とを備えて構成されている。
アクチュエータ2は、車輪側に配置される可動子3と、車体側に配置される固定子4とを有し、これら可動子3と固定子4とが軸方向に相対変位可能となった3相リニア同期モータを構成している。
車輪側に配置される可動子3は、界磁を構成するもので、ストローク方向となる軸方向への相対変位が可能に固定子4に組み付けられている。可動子3は、固定子4の外周側に配置される円筒状ヨークとしてのアウタチューブ5と、該アウタチューブ5の内周側に位置してストローク方向に延びる案内ロッド6と、アウタチューブ5の内周面に軸方向に積層して設けられた複数の永久磁石7とを含んで構成されている。各永久磁石7は、固定子4のコイル12A,12B,12Cに対し径方向に隙間をもって対向している。
アウタチューブ5は、例えば、磁場の中に置くと磁路を形成する磁性体、例えば機械構造用炭素鋼鋼管(STKM12A)等を用いて有底円筒状に形成され、ストローク方向となる軸方向に延びている。即ち、アウタチューブ5は、磁性体とすることにより、アクチュエータ2の磁気回路を形成すると共に、永久磁石7の磁束を外部に漏らさないためのカバーとしての役目を有している。
ここで、アウタチューブ5は、軸方向に延びる筒部5Aと、該筒部5Aの一端側(図1の右端側)を閉塞する底部5Bと、筒部5Aの開口側(他端側)に位置して固定子4のロッド11側に向けて径方向内側に全周にわたって突出する軸受取付部5Cとにより構成されている。筒部5Aの内周側には、複数の永久磁石7が軸方向に並んで積層されている。
底部5Bには、筒部5Aの内側に位置して底部5Bからロッド11の内側に延びる案内ロッド6が設けられている。案内ロッド6の外周面は、ロッド11内に設けられた後述の第2軸受14に摺動可能に支持されている。なお、案内ロッド6は、アウタチューブ5の底部5Bに該アウタチューブ5と一体に形成する構成や、アウタチューブ5とは別体の案内ロッド6を底部5Bにねじやボルト等を用いて固定する構成を採用することができる。
また、アウタチューブ5の底部5Bのうち案内ロッド6とは反対側には、車両のばね下部材(車輪側)に取付けられる取付ブラケット5Dが設けられている。一方、軸受取付部5Cは、筒部5Aと別体に形成され、筒部5Aに嵌着している。軸受取付部5Cの内周面には、ロッド11の外周面が摺接する軸受、スリーブ等の摺動部材からなる第1軸受8が設けられている。また、軸受取付部5Cの内周側には、第1軸受8に隣接して外部から水や埃が入るのを阻止するシール9が設けられている。
アウタチューブ5の筒部5Aの内周面側には、磁場を生じさせる部材である磁性部材としての円環状の永久磁石7が、軸方向に沿って複数個並んで積層されている。この場合、軸方向に隣合う各永久磁石7は、例えば互いに逆極性になっている。例えば、アウタチューブ5の一端側から数えて奇数個目の永久磁石7を、内周面側がN極で外周面側がS極のものとしたならば、一端側から数えて偶数個目の永久磁石7は、内周面側がS極で外周面側がN極のものとなっている。
この場合、各永久磁石7は、例えば、円筒状に一体に形成されたリング磁石や、円弧状の複数の磁石素子を周方向に並べることにより円環状に構成した分割型のセグメント磁石とすることができる。なお、永久磁石7の個数は、図示の例に限るものではない。即ち、図示の例では、10個ある永久磁石7のうち、コイル12A,12B,12Cと対向する永久磁石7の数が5個あり、5極6スロットを構成しているが、例えば4極6スロット構成や、8極6スロット構成としてもよい。また、コイル12A,12B,12Cとは対向しない磁石の数は、実施例では5個であるが、ストローク量に応じて適宜変更してもよい。
車体側に配置される固定子4は、電機子10とロッド11とにより大略構成されている。電機子10は、略円筒状の磁性体からなる単一のコア21と、該コア21に巻回される複数のコイル12A,12B,12C(W相コイル12A,V相コイル12B,U相コイル12C)とにより構成されている。各コイル12A,12B,12Cは、それぞれ所定の方向に巻かれてコア21の外周面側に収容され、可動子3(の永久磁石7)の内周面と対向して配置されている。
具体的には、コイル12A,12B,12Cは、略円筒状のコア21の外周面側に位置して周方向に巻付けられると共に、該コア21の軸方向の6箇所位置に軸方向に離間して配置されている。各コイル12A,12B,12Cには、動力線13A,13B,13Cを通じて電力が供給される。これにより、各コイル12A,12B,12Cに流れる電流と可動子3の永久磁石7との間に電磁力が生じ、この電磁力によって固定子4(コイル12A,12B,12C)と可動子3(永久磁石7)との間に推力(制御力、減衰力)が発生する。この電磁力を制御し、目標通りの推力を発生させるために、動力線13A,13B,13Cに接続されたコントローラ(図示せず)は、コイル12A,12B,12Cが発生する電流磁束が、永久磁石7の1/2個分、即ち、電気角で90度分、永久磁石7の磁束に対してずれるように、W相コイル12A、V相コイル12B、U相コイル12Cに流れる電流値を制御する。
なお、コイル12A,12B,12Cの個数は、図示したものに限らず、3個や9個、12個等、設計仕様等に応じて適宜設定することができる。また、軸方向に隣合う6個のコイル12A,12B,12Cは、例えば電気角でそれぞれ120°ずつの位相差をもつように配置される。
電機子10と共に固定子4を構成するロッド11は、略円筒状に形成され、ストローク方向となる軸方向(図1の左,右方向)に延びている。ロッド11の基端側(図1の右端側)は、コア21の内側に固定(嵌着)されている。ロッド11の先端側(図1の左端側)は、アウタチューブ5の軸受取付部5Cから外部に突出し、その突出端には、例えば車両のばね上部材(車体側)に取付けられるねじ部(図示せず)が設けられている。ロッド11の内側には、可動子3の案内ロッド6が挿入され、ロッド11の基端側の内周面には、案内ロッド6の外周面と摺接する軸受、スリーブ等の摺動部材からなる第2軸受14が設けられている。一方、ロッド11の先端側内周には、コイル12A,12B,12Cに接続される3本の動力線13A,13B,13Cが収容されている。
ところで、電機子10を、断面L字型をなす複数個の円筒状(ドーナツ状)のコア部材と、円筒状の巻き型を用いて円筒状に形成された複数のコイル部材とを、軸方向に交互に積層することにより構成し、これら各コア部材と各コイル部材とを、接着剤やシリコン等を用いて固定することが考えられる。しかし、この場合には、各コア部材の間、コイル部材とコア部材との間に空気層が存在し、コイルが発生した熱がコア部材を介して外部に伝わり難くなり、電機子10の各部の温度差が大きくなるおそれがある。
しかも、円筒状に形成されたコイル部材は、その内周面、外周面および軸方向の両端面に絶縁材が設けられた状態でコア部材間に配置されるので、コイル部材とコア部材との間に隙間ができ易く、断面積当たりのコイル巻数(占積率)が低下するおそれもある。
一方、電機子10の冷却性能を確保するために、電機子10に冷却部材を設けることが考えられる。しかし、この場合は、電機子10、延いては、アクチュエータ2が大型化するおそれがある。これに対し、実施の形態では、電機子10を構成する単一のコア21に、軸方向に離間して複数のスロット溝22A〜22Fを設け、これらスロット溝22A〜22Fにコイル12A,12B,12Cを直接巻回している。そこで、第1の実施の形態に適用される電機子10のコア21について、図2ないし図6を参照しつつ説明する。
コア21は、磁性体材料に切削加工を施すことにより、全体として単一の円筒状に形成されている。ここで、コア21の内周側には、コア21の中心部を軸方向に貫通する中空部21Aと、コア21の軸中心を挟んで対向しつつ軸方向に延在する一対の配線溝21B,21Cとが設けられている。各配線溝21B,21Cは、コア21の内周面を外周側(外径側)に向けて凹むように切削することにより形成され、各コイル12A,12B,12Cに向けて延びる導線、および各コイル12A,12B,12Cから延びる導線を収容するものである。一方、コア21の外周側には、後述するスロット溝22A〜22F、鍔部23A〜23G、渡り溝24A〜24F、貫通溝25A〜25Fが、切削加工等の手段を用いて形成されている。なお、コア21は、切削加工に限らず、例えば鋳造加工、あるいは圧粉磁心、焼結磁心等のプレス加工によって一体形成してもよい。
コア21の外周側には、軸方向に均等な間隔をもって配置された複数(例えば6個)の環状のスロット溝22A,22B,22C,22D,22E,22Fと、各スロット溝22A〜22Fと隣合う7個の環状の鍔部23A,23B,23C,23D,23E,23F,23Gとが一体に形成されている。
ここで、各スロット溝22A〜22Fは、コア21の外周面を全周に亘って内周側に向けて凹むように切削することにより、環状の凹陥溝(全周溝)として形成され、コア21の軸方向に互いに独立した状態で列状に並べて配置されている。この場合、図3および図4に示すように、各スロット溝22A〜22Fは、一方の配線溝21Bと交わる位置が角孔状の開口部22A1,22B1,22C1,22D1,22E1,22F1となり、これら各開口部22A1〜22F1を通じてスロット溝22A〜22Fと配線溝21Bとが連通している。これと同様に、各スロット溝22A〜22Fは、他方の配線溝21Cと交わる位置が開口部22A2,22B2,22C2,22D2,22E2,22F2となり、これら各開口部22A2〜22F2を通じてスロット溝22A〜22Fと配線溝21Cとが連通している。
各鍔部23A〜23Gのうちコア21の軸方向の一端側に位置する鍔部23Aと、軸方向の他端側に位置する鍔部23Gの軸方向寸法は、他の5個の鍔部23B〜23Fの軸方向寸法よりも小さく設定されている。また、鍔部23Aの端面には、スロット溝22Aに向けて外周面の直径が徐々に大きくなるように傾斜する傾斜面23A1と、中空部21Aを取囲んで軸方向に延びる複数のボルト穴(雌ねじ穴)23A2とが形成されている。これら各ボルト穴23A2を利用してコア21に各種部品を取付けることにより、アクチュエータ2の設計の自由度を高めることができる構成となっている。一方、各鍔部23A〜23Gのうちコア21の軸方向の他端側に位置する鍔部23Gの端面には、鍔部23の傾斜面23A1と同様な傾斜面を有する端面板(図示せず)が取付けられる構成となっている。
鍔部23Bの外周面のうち配線溝21Cに対応する部位には、隣合うスロット溝22A,22B間を軸方向に連通させる渡り溝24Aが形成されている。これと同様に、鍔部23Cの外周面には、スロット溝22B,22C間を連通させる渡り溝24Bが形成され、鍔部23Dの外周面には、スロット溝22C,22D間を連通させる渡り溝24Cが形成され、鍔部23Eの外周面には、スロット溝22D,22E間を連通させる渡り溝24Dが形成され、鍔部23Fの外周面には、スロット溝22E,22F間を連通させる渡り溝24Eが形成されている。また、鍔部23Gの外周面には、スロット溝22Fとコア21(鍔部23G)の端面とを連通し軸方向に延びる渡り溝24Fが形成されている。これら各渡り溝(軸方向溝)24A〜24Fの溝幅は、コイル12A〜12Cの導線の線径よりも大きく設定されている。
さらに、鍔部23Bのうち配線溝21Cに対応する部位には、渡り溝24Aの端部から径方向内側に延在し、渡り溝24Aと配線溝21Cとの間を連通させる貫通溝25Aが形成されている。これと同様に、鍔部23Cには、渡り溝24Bと配線溝21Cとの間を連通させる貫通溝25Bが形成され、鍔部23Dには、渡り溝24Cと配線溝21Cとの間を連通させる貫通溝25Cが形成され、鍔部23Eには、渡り溝24Dと配線溝21Cとの間を連通させる貫通溝25Dが形成され、鍔部23Fには、渡り溝24Eと配線溝21Cとの間を連通させる貫通溝25Eが形成され、鍔部23Gには、渡り溝24Fと配線溝21Cとの間を連通させる貫通溝25Fが形成されている。これら各貫通溝(径方向溝)25A〜25Fの溝幅は、コイル12A〜12Cの導線の線径よりも大きく設定されている。
ここで、渡り溝24Aと貫通溝25Aとが交わる角隅部には、円弧状(フィレット形状)に屈曲する円弧部26Aが形成され、該円弧部26Aの曲率半径は、例えばコイル12A〜12Cの導線の線径の2倍以上に設定されている。これと同様に、渡り溝24Bと貫通溝25Bとが交わる角隅部には円弧部26Bが形成され、渡り溝24Cと貫通溝25Cとが交わる角隅部には円弧部26Cが形成され、渡り溝24Dと貫通溝25Dとが交わる角隅部には円弧部26Dが形成され、渡り溝24Eと貫通溝25Eとが交わる角隅部には円弧部26Eが形成され、渡り溝24Fと貫通溝25Fとが交わる角隅部には円弧部26Fが形成されている。
次に、コア21の各スロット溝22A〜22Fに対し、各コイル12A〜12C(の導線)を巻付ける手順について、図6を参照して説明する。本実施の形態では、例えばスロット溝22A,22Bに対し、W相コイル12Aをそれぞれ単独に巻付け、スロット溝22C,22Dに対し、V相コイル12Bをそれぞれ単独に巻付け、スロット溝22E,22Fに対し、U相コイル12Cをそれぞれ単独に巻付ける場合を例示している。なお、スロット溝22A,22Dにコイル12Aを巻付け、スロット溝22B,22Eにコイル12Bを巻付け、スロット溝22C,22Fにコイル12Cを巻付ける等、U相、V相、W相の配置は適宜に変更できる。
スロット溝22Aにコイル12Aを巻付ける場合には、まず、コイル12Aとコア21(スロット溝22A)との間を絶縁するために、スロット溝22Aの内周面に、全周に亘って環状の絶縁紙27を貼付ける。なお、スロット溝22Aの内周面に他の絶縁材や絶縁塗料を塗布することにより、コア21とコイル12Aとの間を絶縁してもよい。
この状態で、コイル12Aの巻始め側となる始端側(の導線)を、スロット溝22Aの内周側から開口部22A1を通じてコア21の配線溝21B内に挿通し、配線溝21Bに沿って鍔部23Aの端面から外部に導出する。この場合、コイル12Aの始端側(の導線)のうちスロット溝22Aから鍔部23Aの端面までの領域内に位置する部位は、絶縁チューブ28Aによって被覆され、コイル12Aと配線溝21Bとの間が絶縁されている。
次に、コイル12A(の導線)を、スロット溝22Aに沿って内周側から外周側へと順次巻付けていく。スロット溝22Aに巻付けたコイル12Aの終端側(の導線)は、その最外周から鍔部23Bの渡り溝24A、貫通溝25Aを通じてコア21の配線溝21C内に導出する。配線溝21C内に導出したコイル12Aの終端側は、配線溝21Cに沿って鍔部23Aの端面から外部に導出する。これにより、スロット溝22Aに対してコイル12Aを単独に巻回することができる。この場合、コイル12Aの終端側のうち鍔部23Aの渡り溝24Aから鍔部23Aの端面までの領域内に位置する部位は、絶縁チューブ28Aによって被覆され、コイル12Aと渡り溝24A、貫通溝25Aおよび配線溝21Cとの間が絶縁されている。なお、コイル12Aの始端側と終端側の絶縁は、絶縁チューブ28Aに限らず、例えば絶縁塗料、絶縁紙を用いてもよい。
このように、本実施の形態では、コア21に形成されたスロット溝22Aにコイル12A(を形成する導線)を直接巻付けることにより、コイル12Aとスロット溝22Aとの間に空気層が形成されるのを抑制することができる。また、渡り溝24Aと貫通溝25Aとが交わる角隅部には、コイル12Aの線径の2倍以上の曲率半径を有する円弧部26Aを設けている。これにより、コイル12Aの終端側が、渡り溝24Aと貫通溝25Aとに沿って配線溝21C内に案内されるときに、コイル12Aを被覆する絶縁チューブ28Aが円弧部26Aに擦れて損傷するのを抑えることができ、コイル12Aの絶縁不良を防止することができる。
一方、スロット溝22Bにコイル12Aを巻付ける場合には、スロット溝22Bの内周面に環状の絶縁紙27を貼付けると共に、コイル12Aの始端側を絶縁チューブ28Bによって被覆する。この状態で、コイル12Aの始端側を、スロット溝22Bの内周側から開口部22B1を通じてコア21の配線溝21B内に挿通し、配線溝21Bに沿って鍔部23Aの端面から外部に導出する。一方、コイル12Aを、スロット溝22Bに沿って内周側から外周側へと順次巻付けた後、コイル12Aの終端側を、鍔部23Cの渡り溝24B、貫通溝25B、コア21の配線溝21Cを通じて鍔部23Aの端面から外部に導出し、このコイル12Aの終端側を絶縁チューブ28Bによって被覆する。これにより、スロット溝22Bに対してコイル12Aを単独に巻回することができる。
次に、スロット溝22C,22Dにコイル12B(の導線)を巻付ける場合には、上述したコイル12Aの場合と同様に、スロット溝22C,22Dの内周面に絶縁紙27を貼付けた状態で、スロット溝22C,22Dに対し、それぞれ単独にコイル12Bを巻付ける。この場合、スロット溝22Cに巻付けられるコイル12Bの始端側は、絶縁チューブ28Cで被覆した状態で、スロット溝22Cの開口部22C1、コア21の配線溝21Bを通じて鍔部23Aの端面から外部に導出する。コイル12Bの終端側は、絶縁チューブ28Cで被覆した状態で、鍔部23Dの渡り溝24C、貫通溝25C、コア21の配線溝21Cを通じて鍔部23Aの端面から外部に導出する。
また、スロット溝22Dに巻付けられるコイル12Bの始端側は、絶縁チューブ28Dで被覆した状態で、スロット溝22Dの開口部22D1、コア21の配線溝21Bを通じて鍔部23Aの端面から外部に導出する。コイル12Bの終端側は、絶縁チューブ28Dで被覆した状態で、鍔部23Eの渡り溝24D、貫通溝25D、コア21の配線溝21Cを通じて鍔部23Aの端面から外部に導出する。これにより、スロット溝22C,22Dに対してコイル12Bをそれぞれ単独に巻回することができる。
さらに、スロット溝22E,22Fにコイル12C(の導線)を巻付ける場合には、スロット溝22E,22Fの内周面に絶縁紙27を貼付けた状態で、各スロット溝22E,22Fに対し、それぞれ単独にコイル12Cを巻付ける。この場合、スロット溝22Eに巻付けられるコイル12Cの始端側は、絶縁チューブ28Eで被覆した状態で、スロット溝22Eの開口部22E1、コア21の配線溝21Bを通じて鍔部23Aの端面から外部に導出する。コイル12Cの終端側は、絶縁チューブ28Eで被覆した状態で、鍔部23Fの渡り溝24E、貫通溝25E、コア21の配線溝21Cを通じて鍔部23Aの端面から外部に導出する。
また、スロット溝22Fに巻付けられるコイル12Cの始端側は、絶縁チューブ28Fで被覆した状態で、スロット溝22Fの開口部22F1、コア21の配線溝21Bを通じて鍔部23Aの端面から外部に導出する。コイル12Cの終端側は、絶縁チューブ28Fで被覆した状態で、鍔部23Gの渡り溝24F、貫通溝25F、コア21の配線溝21Cを通じて鍔部23Aの端面から外部に導出する。これにより、スロット溝22E,22Fに対してコイル12Cをそれぞれ単独に巻回することができる。
かくして、本実施の形態によれば、6個のスロット溝22A〜22Fを有する単一のコア21を一体形成し、該コア21の6個のスロット溝22A〜22Fに対し、コイル12A〜12C(の導線)を直接巻付けることができる。このため、コイル12Aとスロット溝22Aとの間、コイル12Aとスロット溝22Bとの間、コイル12Bとスロット溝22Cとの間、コイル12Bとスロット溝22Dとの間、コイル12Cとスロット溝22Eとの間、コイル12Cとスロット溝22Fとの間に空気層が形成されるのを抑制することができる。従って、コイル12A〜12Cとコア21との間の熱伝達を向上させることができ、電機子10の各部の温度差を小さくすることができる。また、各コイル12A〜12Cを各スロット溝22A〜22Fに直接巻付けることにより、断面積あたりのコイル巻数(占積率)が増加するので、発熱量を低下させることができる。この結果、電機子10に放熱部や冷却部材を設ける必要がなく、電機子10の小型化と冷却性能(放熱性能)の確保とを両立することができる。
さらに、鍔部23Bの渡り溝24Aと貫通溝25Aとが交わる角隅部、鍔部23Cの渡り溝24Bと貫通溝25Bとが交わる角隅部、鍔部23Dの渡り溝24Cと貫通溝25Cとが交わる角隅部、鍔部23Eの渡り溝24Dと貫通溝25Dとが交わる角隅部、鍔部23Fの渡り溝24Eと貫通溝25Eとが交わる角隅部、鍔部23Gの渡り溝24Fと貫通溝25Fとが交わる角隅部には、それぞれ円弧部26A,26B,26C,26D,26E,26Fを設けている。これにより、コイル12A〜12Cの終端側を被覆する絶縁チューブ28A〜28Fが、円弧部26A〜26Fに擦れて損傷するのを抑えることができ、コイル12A〜12Cの絶縁不良を防止することができる。
さらに、上述の如くコア21に各コイル12A〜12Cを巻付けた後には、各コイル12A〜12Cを、接着剤、シリコン材等を用いてコア21の各渡り溝24A〜24F内に固定する。この状態で、コア21に対し、例えばワニス真空含浸装置(図示せず)を用いて真空引きによるワニス含浸処理を施すことにより、各コイル12A〜12Cをコア21に対して絶縁した状態で固定する。
各コイル12A〜12Cに対する固定・絶縁処理を行った後には、例えばコア21の軸方向の端部において、スロット溝22A,22Bに巻付けられたコイル12Aを動力線13Aに結線し、スロット溝22C,22Dに巻付けられたコイル12Bを動力線13Bに結線し、スロット溝22E,22Fに巻付けられたコイル12Cを動力線13Cに結線すると共に、各コイル12A〜12Cを中性点に結線する。そして、コア21にロッド11を取付けることにより電機子10が組立てられ、コア21をアウタチューブ5の筒部5A内に挿通すると共に、コア21の中空部21A内に案内ロッド6を挿通することにより、アクチュエータ2を形成することができる。
この場合、コア21を構成する鍔部23Aには、複数個のボルト穴23A2が設けられているので、コア21に対して各種部品を取付けるときの取付性を向上させることができる。また、鍔部23Aに傾斜面23A1を設けることにより、電磁サスペンション1の推力脈動特性を改善することができる。
次に、図7ないし図10は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、コアに形成された複数のスロット溝のうち隣接する複数のスロット溝を1つの単位とし、この1つの単位となる各スロット溝にコイルを直列に連続巻きしたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第2の実施の形態によるコア31は、第1の実施の形態によるコア21とほぼ同様に、磁性体材料を用いて単一の円筒状に形成されている。コア31の内周側には、コア31の中心部を軸方向に貫通する中空部31Aと、コア31の軸中心を挟んで対向しつつ軸方向に延在する一対の配線溝31B,31Cとが設けられている。
コア31の外周側には、軸方向に均等な間隔をもって配置された複数(例えば6個)の環状のスロット溝32A,32B,32C,32D,32E,32Fと、各スロット溝32A〜32Fと隣合う7個の環状の鍔部33A,33B,33C,33D,33E,33F,33Gとが一体に形成されている。
各スロット溝32A〜32Fは、コア31の外周面に全周に亘って凹設された環状の凹陥溝(全周溝)として形成され、コア31の軸方向に互いに独立した状態で列状に並べて配置されている。ここで、各スロット溝32A〜32Fは、一方の配線溝31Bと交わる位置が角孔状の開口部32A1,32B1,32C1,32D1,32E1,32F1となり、これら各開口部32A1〜32F1を通じてスロット溝32A〜32Fと配線溝31Bとが連通している。これと同様に、各スロット溝32A〜32Fは、他方の配線溝31Cと交わる位置が開口部32A2,32B2,32C2,32D2,32E2,32F2となり、これら各開口部32A2〜32F2を通じてスロット溝32A〜32Fと配線溝31Cとが連通している。
一方、各鍔部33A〜33Gのうちコア31の軸方向の一端側に位置する鍔部33Aと、軸方向の他端側に位置する鍔部33Gの軸方向寸法は、他の5個の鍔部33B〜33Fの軸方向寸法よりも小さく設定されている。また、鍔部33Aの端面には、スロット溝32Aに向けて外周面の直径が徐々に大きくなるように傾斜する傾斜面33A1と、複数のボルト穴33A2が形成されている。
鍔部33Bの外周面のうち配線溝31Cに対応する部位には、隣合うスロット溝32A,32B間を軸方向に連通させる渡り溝34Aが形成されている。これと同様に、鍔部33Dの外周面のうち配線溝31Cに対応する部位には、隣合うスロット溝32C,32D間を軸方向に連通させる渡り溝34Cが形成され、鍔部33Fの外周面のうち配線溝31Cに対応する部位には、隣合うスロット溝32E,32F間を軸方向に連通させる渡り溝34Eが形成されている。
一方、鍔部33Cの外周面のうち配線溝31Bに対応する部位には、隣合うスロット溝32B,32C間を軸方向に連通させる渡り溝34Bが形成されている。これと同様に、鍔部33Eの外周面のうち配線溝31Bに対応する部位には、隣合うスロット溝32D,32E間を軸方向に連通させる渡り溝34Dが形成され、鍔部33Gの外周面のうち配線溝31Bに対応する部位には、スロット溝32Fとコア31(鍔部33G)の端面とを連通し軸方向に延びる渡り溝34Fが形成されている。即ち、本実施の形態によるコア31は、鍔部33B,33D,33Fに設けられる渡り溝34A,34C,34Eと、鍔部33C,33E,33Gに設けられる渡り溝34B,34D,34Fとが、コア31の軸中心を挟んで(180°)反対側に配置されている。
さらに、鍔部33Bには、渡り溝34Aの端部から径方向内側に延在し渡り溝34Aと配線溝31Cとの間を連通させる貫通溝35Aが形成されている。これと同様に、鍔部33Dには、渡り溝34Cと配線溝31Cとの間を連通させる貫通溝35Cが形成され、鍔部33Fには、渡り溝34Eと配線溝31Cとの間を連通させる貫通溝35Eが形成されている。一方、鍔部33Cには、渡り溝34Bと配線溝31Bとの間を連通させる貫通溝35Bが形成されている。これと同様に、鍔部33Eには、渡り溝34Dと配線溝31Bとの間を連通させる貫通溝35Dが形成され、鍔部33Gには、渡り溝34Fと配線溝31Bとの間を連通させる貫通溝35Fが形成されている。
ここで、渡り溝34Aと貫通溝35Aとが交わる角隅部には、コイル12A〜12Cの線径の2倍以上の曲率半径を有する円弧部36Aが形成されている。これと同様に、渡り溝34Bと貫通溝35Bとが交わる角隅部には円弧部36Bが形成され、渡り溝34Cと貫通溝35Cとが交わる角隅部には円弧部36Cが形成され、渡り溝34Dと貫通溝35Dとが交わる角隅部には円弧部36Dが形成され、渡り溝34Eと貫通溝35Eとが交わる角隅部には円弧部36Eが形成され、渡り溝34Fと貫通溝35Fとが交わる角隅部には円弧部36Fが形成されている。
第2の実施の形態によるコア31は上述の如き構成を有するもので、次に、コア31の各スロット溝32A〜32Fに各コイル12A〜12Cを巻付ける手順について、図10を参照して説明する。本実施の形態では、例えばスロット溝32A,32Bを1つの単位とし、これらスロット溝32A,32BにW相コイル12Aを直列に連続巻きし、スロット溝32C,32Dを1つの単位とし、これらスロット溝32C,32DにV相コイル12Bを直列に連続巻きし、スロット溝32E,32Fを1つの単位とし、これらスロット溝32E,32FにW相コイル12Cを直列に連続巻きする場合を例示している。なお、各スロット溝32A〜32FのどこをU相とするか、V相とするか、W相とするかは、図示の例に限定されるものではない。
隣接するスロット溝32A,32Bにコイル12Aを巻付ける場合には、スロット溝32A,32Bの内周面に全周に亘って環状の絶縁紙27を貼付ける。この状態で、コイル12Aの巻始め側となる始端側を、スロット溝32Aの内周側から開口部32A2を通じてコア31の配線溝31C内に挿通し、配線溝31Cに沿って鍔部33Aの端面から外部に導出する。この場合、コイル12Aの始端側のうちスロット溝32Aから鍔部33Aの端面までの領域内に位置する部位は、絶縁チューブ37Aによって被覆されている。
次に、コイル12Aを、スロット溝32Aに沿って内周側から外周側へと順次巻付けていく。スロット溝32Aに巻付けたコイル12Aは、その最外周から鍔部33Bの渡り溝34A、貫通溝35Aを通じてスロット溝32Bの内周側に導出する。そして、コイル12Aを、スロット溝32Bに沿って内周側から外周側へと順次巻付ける。このとき、スロット溝32Bに対するコイル12Aの巻線方向は、スロット溝32Aに対するコイル12Aの巻線方向とは逆方向にすることができる。例えばスロット溝32Aに対する巻線方向が時計方向であれば、スロット溝32Bに対する巻線方向は反時計方向とすることができる。
コイル12Aの導線がスロット溝32Bの最外周に達したら、その最外周から鍔部33Cの渡り溝34B、貫通溝35Bを通じてコア31の配線溝31B内に導出する。配線溝31B内に導出したコイル12Aの終端側は、配線溝31Bに沿って鍔部33Aの端面から外部に導出する。この場合、コイル12Aの終端側のうち鍔部33Cの渡り溝34Bから鍔部33Aの端面までの領域内に位置する部位は、絶縁チューブ37Aによって被覆されている。
このように、鍔部33Bに設けられる渡り溝34A、貫通溝35Aと、鍔部33Cに設けられる渡り溝34B、貫通溝35Bとを、コア31の軸中心を挟んで反対側に配置することにより、1つの単位となるスロット溝32A,32Bに対し、1本のコイル12Aを直列に連続巻きすることができる。
隣接するスロット溝32C,32Dにコイル12Bを巻付ける場合には、スロット溝32C,32Dの内周面に絶縁紙27を貼付けた状態で、コイル12Bの始端側を、スロット溝32Cの内周側から開口部32C2を通じてコア31の配線溝31C内に挿通し、配線溝31Cに沿って鍔部33Aの端面から外部に導出する。コイル12Bの始端側のうちスロット溝32Cから鍔部33Aの端面までの領域内に位置する部位は、絶縁チューブ37Bによって被覆される。
次に、コイル12Bを、スロット溝32Cに沿って内周側から外周側へと順次巻付けた後、その最外周から鍔部33Dの渡り溝34C、貫通溝35Cを通じてスロット溝32Dの内周側に導出する。そして、コイル12Bを、スロット溝32Dに沿って内周側から外周側へと(スロット溝32Cへの巻方向とは逆方向に)順次巻付けた後、その最外周から鍔部33Eの渡り溝34D、貫通溝35Dを通じてコア31の配線溝31B内に導出する。配線溝31B内に導出したコイル12Bの終端側は、絶縁チューブ37Bによって被覆した状態で、配線溝31Bに沿って鍔部33Aの端面から外部に導出する。これにより、1つの単位となるスロット溝32C,32Dに対し、1本のコイル12Bを直列に連続巻きすることができる。
隣接するスロット溝32E,32Fにコイル12Cを巻付ける場合には、スロット溝32E,32Fの内周面に絶縁紙27を貼付け、コイル12Cの始端側を絶縁チューブ37Cで被覆した状態で、コイル12Cの始端側を、スロット溝32Eの内周側から開口部32E2を通じてコア31の配線溝31C内に挿通し、配線溝31Cに沿って鍔部33Aの端面から外部に導出する。
次に、コイル12Cを、スロット溝32Eに沿って内周側から外周側へと順次巻付けた後、その最外周から鍔部33Fの渡り溝34E、貫通溝35Eを通じてスロット溝32Fの内周側に導出する。そして、コイル12Cを、スロット溝32Fに沿って内周側から外周側へと(スロット溝32Eへの巻方向とは逆方向に)順次巻付けた後、その最外周から鍔部33Gの渡り溝34F、貫通溝35Fを通じてコア31の配線溝31B内に導出する。配線溝31B内に導出したコイル12Cの終端側は、絶縁チューブ37Cで被覆した状態で、配線溝31Bに沿って鍔部33Aの端面から外部に導出する。これにより、1つの単位となるスロット溝32E,32Fに対し、1本のコイル12Cを直列に連続巻きすることができる。
かくして、本実施の形態によるコア31は、鍔部33B,33D,33Fに設けられる渡り溝34A,34C,34Eおよび貫通溝35A,35C,35Eと、鍔部33C,33E,33Gに設けられる渡り溝34B,34D,34Fおよび貫通溝35B,35D,35Fとを、コア31の軸中心を挟んで反対側に配置している。これにより、隣接するスロット溝32A,32Bに対してコイル12Aを直列に連続巻きすることができる。また、隣接するスロット溝32C,32Dに対してコイル12Bを直列に連続巻きすることができ、隣接するスロット溝32E,32Fに対してコイル12Cを直列に連続巻きすることができる。この結果、同相となるコイル12A間の結線、コイル12B間の結線、コイル12C間の結線を不要とすることができ、結線作業のミスを低減して生産性を高めることができる。
次に、図11ないし図16は本発明の第3の実施の形態を示している。第3の実施の形態の特徴は、コイル(の導線)が通る溝の一部(渡り溝、貫通溝)を別部品によって形成したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第3の実施の形態によるコア41は、コア本体42と、このコア本体42とは別部品によって形成された第1の溝形成体45、第2の溝形成体46、第3の溝形成体47と、第1の蓋体49と、第2の蓋体50とにより構成されている。
コア本体42は、磁性体材料に切削加工を施すことにより、全体として単一の円筒状に形成されている。ここで、コア本体42の内周側には、コア本体42の中心部を軸方向に貫通する中空部42Aと、コア本体42の軸中心を挟んで対向しつつ軸方向に延在する配線溝42B,42Cとが設けられている。中空部42Aと配線溝42Bとが交わる部位には、後述する第1の蓋体49が取付けられる蓋体取付部42Dが設けられている。
コア本体42の外周側には、軸方向に均等な間隔をもって配置された複数(例えば6個)の環状のスロット溝43A,43B,43C,43D,43E,43Fと、各スロット溝43A〜43Fと隣合う7個の環状の鍔部44A,44B,44C,44D,44E,44F,44Gとが形成されている。
各スロット溝43A〜43Fは、コア本体42の外周面に全周に亘って凹設された環状の凹陥溝(全周溝)として形成され、コア本体42の軸方向に互いに独立した状態で列状に並べて配置されている。ここで、各スロット溝43A〜43Fは、一方の配線溝42Bと交わる位置が開口部43A1,43B1,43C1,43D1,43E1,43F1となり、これら各開口部43A1〜43F1を通じてスロット溝43A〜43Fと配線溝42Bとが連通している。これと同様に、各スロット溝43A〜43Fは、他方の配線溝42Cと交わる位置が開口部43A2,43B2,43C2,43D2,43E2,43F2となり、これら各開口部43A2〜43F2を通じてスロット溝43A〜43Fと配線溝42Cとが連通している。
一方、各鍔部44A〜44Gのうちコア本体42の軸方向の一端側に位置する鍔部44Aと、軸方向の他端側に位置する鍔部44Gの軸方向寸法は、他の5個の鍔部44B〜44Fの軸方向寸法よりも小さく設定されている。また、鍔部44Aの端面には、スロット溝43Aに向けて外周面の直径が徐々に大きくなるように傾斜する傾斜面44A1が形成されている。一方、鍔部44Gの端面には、後述する第2の蓋体50を取付けるための雌ねじ穴42Eが、配線溝42Cを挟んで2個設けられている。
鍔部44Bのうち配線溝42Bに対応する部位には、隣合うスロット溝43A,43B間を連通させる通路部44B1が設けられ、該通路部44B1を形成する一側面44B2と他側面44B3との間には、第1の溝形成体45を取付けるための取付座44B4が設けられている。鍔部44Cのうち配線溝42Bに対応する部位には、隣合うスロット溝43B,43C間を連通させる通路部44C1が設けられ、該通路部44C1を形成する一側面44C2と他側面44C3との間には、第2の溝形成体46を取付けるための取付座44C4が設けられている。鍔部44Dのうち配線溝42Bに対応する部位には、隣合うスロット溝43C,43D間を連通させる通路部44D1が設けられ、該通路部44D1を形成する一側面44D2と他側面44D3との間には、第2の溝形成体46を取付けるための取付座44D4が設けられている。
鍔部44Eのうち配線溝42Bに対応する部位には、隣合うスロット溝43D,43E間を連通させる通路部44E1が設けられ、該通路部44E1を形成する一側面44E2と他側面44E3との間には、第1の溝形成体45を取付けるための取付座44E4が設けられている。鍔部44Fのうち配線溝42Bに対応する部位には、隣合うスロット溝43E,43F間を連通させる通路部44F1が設けられ、該通路部44F1を形成する一側面44F2と他側面44F3との間には、第1の溝形成体45を取付けるための取付座44F4が設けられている。鍔部44Gのうち配線溝42Bに対応する部位には、スロット溝43Fとコア本体42(鍔部44G)の端面とを連通する通路部44G1が設けられ、該通路部44G1を形成する一側面44G2と他側面44G3との間には、第3の溝形成体47を取付けるための取付座44G4が設けられている。
第1の溝形成体45は、磁性体材料を用いてコア本体42とは別部品として形成され、鍔部44Bの取付座44B4、鍔部44Eの取付座44E4、鍔部44Fの取付座44F4にボルト48を用いて取付けられるものである。第1の溝形成体45は、鍔部44B,44E,44Fの取付座44B4,44E4,44F4に取付けられる取付部45Aと、スロット溝43A,43B間、スロット溝43D,43E間、スロット溝43E,43F間を連通させる渡り溝部45Bと、渡り溝部45Bとコア本体42の配線溝42Bとの間を連通させる貫通溝部45Cとを備えている。即ち、第1の溝形成体45の渡り溝部45B、貫通溝部45Cは、コイル(の導線)が通る溝の一部、即ち、スロット溝43A,43D,43Eから延びる溝の一部(渡り溝、貫通溝)を構成している。
ここで、取付部45Aのうち渡り溝部45B側の角隅部には、例えばスロット溝43Aから渡り溝部45Bへと案内されるコイル12Aの曲げを和らげる外側円弧部45Dが設けられ、貫通溝部45Cの表面には、貫通溝部45Cに沿ってコア本体42の配線溝42Bに案内されるコイル12A等の曲げを和らげる内側円弧部45Eが設けられている。これら外側円弧部45Dと内側円弧部45Eとは、それぞれコイル12A(の導線)の線径の2倍以上の曲率半径を有している。
第2の溝形成体46は、磁性体材料を用いてコア本体42とは別部品として形成され、鍔部44Cの取付座44C4、鍔部44Dの取付座44D4にボルト48を用いて取付けられるものである。第2の溝形成体46は、鍔部44C,44Dの取付座44C4,44D4に取付けられる取付部46Aと、スロット溝43B,43C間、スロット溝43C,43D間を連通させる渡り溝部46Bと、渡り溝部46Bとコア本体42の配線溝42Bとの間を連通させる貫通溝部46Cとを備えている。即ち、第2の溝形成体46の渡り溝部46B、貫通溝部46Cは、コイル(の導線)が通る溝の一部、即ち、スロット溝43B,43Cから延びる溝の一部(渡り溝、貫通溝)を構成している。また、取付部46Aのうち渡り溝部46B側の角隅部には、外側円弧部46Dが設けられ、貫通溝部46Cの表面には、内側円弧部46Eが設けられている。
第3の溝形成体47は、磁性体材料を用いてコア本体42とは別部品として形成され、鍔部44Gの取付座44G4にボルト48を用いて取付けられるものである。第3の溝形成体47は、鍔部44Gの取付座44G4に取付けられる薄板状の取付部47Aと、スロット溝43Fに連通する渡り溝部47Bと、渡り溝部47Bとコア本体42の配線溝42Bとの間を連通させる貫通溝部47Cとを備えている。即ち、第3の溝形成体47の渡り溝部47B、貫通溝部47Cは、コイル(の導線)が通る溝の一部、即ち、スロット溝43Fから延びる溝の一部(渡り溝、貫通溝)を構成している。また、渡り溝部47Bを挟んで取付部47Aと反対側には、外側円弧部47Dが設けられ、貫通溝部47Cの表面には、内側円弧部47Eが設けられている。
第1の蓋体49は、コア本体42に設けられた配線溝42Bを施蓋するものである。ここで、第1の蓋体49は、磁性体材料を用いて長方形の板体として形成され、コア本体42の軸方向に延在している。第1の蓋体49は、コア本体42の蓋体取付部42Dにワニス等を用いて固着されることにより、配線溝42B内に収容されたコイル12A,12B,12Cから延びる導線を保護する。
第2の蓋体50は、コア本体42に設けられた配線溝42Cを施蓋するものである。ここで、第2の蓋体50は、磁性体材料を用いて逆U字型の断面形状を有する板体として形成され、コア本体42の軸方向に延在している。第2の蓋体50には、コア本体42の配線溝42Cと各スロット溝43A〜43Fとが交わる位置に形成された6個の開口部43A2,43B2,43C2,43D2,43E2,43F2に対応する6個の切欠部50A,50B,50C,50D,50E,50Fが設けられると共に、コア本体42の鍔部44Gに対面するブラケット50Gが設けられている。そして、第2の蓋体50は、ブラケット50Gに挿通したボルト51をコア本体42の雌ねじ穴42Eに螺入することによりコア本体42に固定され、各切欠部50A〜50Fを各開口部43A2〜43F2に一致させた状態で配線溝42Cを施蓋する。
このように、第3の実施の形態によるコア41は、コア本体42に、該コア本体42とは別部品によって形成された第1,第2,第3の溝形成体45,46,47、第1,第2の蓋体49,50を取付けることにより形成される。次に、コア41の各スロット溝43A〜43Fに各コイル12A〜12Cを巻付ける手順について、図16を参照して説明する。本実施の形態では、例えばスロット溝43A,43BにW相コイル12Aを巻付け、スロット溝43C,43DにV相コイル12Bを巻付け、スロット溝43E,43FにU相コイル12Cを巻付ける場合を例示している。なお、コア本体42には、第1,第2,第3の溝形成体45,46,47、第1,第2の蓋体49,50を予め取付けておくことができる。
スロット溝43Aにコイル12Aを巻付ける場合には、スロット溝43Aの内周面に絶縁紙27を貼付けた状態で、コイル12Aの始端側を、スロット溝43Aの内周側から第2の蓋体50の切欠部50Aを通じてコア本体42の配線溝42C内に挿通し、配線溝42Cに沿って鍔部44Aの端面から外部に導出する。コイル12Aの始端側のうちスロット溝43Aから鍔部44Aの端面までの領域内に位置する部位は、絶縁チューブ52Aによって被覆する。
次に、コイル12Aを、スロット溝43Aに沿って内周側から外周側へと順次巻付けていく。スロット溝43Aに巻付けたコイル12Aは、鍔部44Bに取付けた第1の溝形成体45の渡り溝部45B、貫通溝部45Cを通じてコア本体42の配線溝42B内に導出する。配線溝42B内に導出したコイル12Aの終端側は、配線溝42Bに沿って鍔部44Aの端面から外部に導出する。この場合、コイル12Aの終端側のうち第1の溝形成体45の渡り溝部45Bから鍔部44Aの端面までの領域内に位置する部位は、絶縁チューブ52Aによって被覆する。
ここで、本実施の形態では、第1の溝形成体45の取付部45Aに外側円弧部45Dを形成すると共に、貫通溝部45Cの表面に内側円弧部45Eを形成し、この第1の溝形成体45を鍔部44Bの取付座44B4に取付ける。この場合、コア本体42とは別部品(別部材)である第1の溝形成体45に対し、外側円弧部45Dと内側円弧部45Eとを容易に形成することができる。このため、コア41の外周側に外側円弧部45Dを配置すると共に、コア41の内周側に内側円弧部45Eを配置することが容易になる。これにより、スロット溝43Aから第1の溝形成体45の渡り溝部45Bへと案内されるコイル12Aの曲げを、外側円弧部45Dによって和らげることができ、かつ、コイル12Aの終端側が、第1の溝形成体45の渡り溝部45B、貫通溝部45Cに沿ってコア本体42の配線溝42Bに案内されるときに、内側円弧部45Eによってコイル12Aの曲げを和らげることができる。
この結果、コイル12Aを被覆する絶縁チューブ52Aが外側円弧部45D、内側円弧部45Eに擦れて損傷するのを抑えることができ、コイル12Aの絶縁不良を防止することができる。また、本実施の形態では、コア本体42の配線溝42Cを施蓋する第2の蓋体50に、コイル12Aの始端側が通過する切欠部50Aが設けられているので、この切欠部50Aの周縁部を円弧状とすることにより、コイル12Aの始端側を被覆する絶縁チューブ52Aの損傷を抑えることができる。
さらに、本実施の形態では、コア本体42に形成された第1,第2の配線溝42B,42Cを、第1,第2の蓋体49,50によって施蓋することにより、コイル12Aの始端側を第2の配線溝42C内に確実に収容すると共に、コイル12Aの終端側を第1の配線溝42B内に確実に収容することができる。このため、例えばコイル巻線機(図示せず)を用いてスロット溝43Aにコイル12Aを巻付ける場合に、コア本体42の中空部42Aにコイル巻線機の回転軸(図示せず)を取付けたとしても、この回転軸にコイル12Aの始端側または終端側が接触するのを抑えることができ、絶縁チューブ52Aの損傷を防ぐことができる。
次に、スロット溝43Bにコイル12Aを巻付ける場合には、スロット溝43Bの内周面に絶縁紙27を貼付けると共に、コイル12Aの始端側を絶縁チューブ52Bによって被覆する。この状態で、コイル12Aの始端側を、スロット溝43Bの内周側から第2の蓋体50の切欠部50Bを通じてコア本体42の配線溝42C内に挿通し、配線溝42Cに沿って鍔部44Aの端面から外部に導出する。一方、コイル12Aの終端側を、スロット溝43Bに沿って内周側から外周側へと順次巻付けた後、鍔部44Cに取付けた第2の溝形成体46の渡り溝部46B、貫通溝部46Cを通じてコア本体42の配線溝42B内に導出する。配線溝42B内に導出したコイル12Aの終端側は、配線溝42Bに沿って鍔部44Aの端面から外部に導出し、このコイル12Aの終端側を絶縁チューブ52Bによって被覆する。
次に、スロット溝43C,43Dにコイル12Bを巻付ける場合には、上述したコイル12Aの場合と同様に、スロット溝43C,43Dの内周面に絶縁紙27を貼付けた状態で、各コイル12Bをスロット溝43C,43Dに巻付ける。この場合、スロット溝43Cに巻付けられるコイル12Bの始端側は、絶縁チューブ52Cで被覆した状態で、スロット溝43Cの内周側から第2の蓋体50の切欠部50C、コア本体42の配線溝42Cを通じて鍔部44Aの端面から外部に導出する。コイル12Bの終端側は、絶縁チューブ52Cで被覆した状態で、鍔部44Dに取付けた第2の溝形成体46の渡り溝部46B、貫通溝部46C、コア本体42の配線溝42Bを通じて鍔部44Aの端面から外部に導出する。
また、スロット溝43Dに巻付けられるコイル12Bの始端側は、絶縁チューブ52Dで被覆した状態で、スロット溝43Dの内周側から第2の蓋体50の切欠部50D、コア本体42の配線溝42Cを通じて鍔部44Aの端面から外部に導出する。コイル12Bの終端側は、絶縁チューブ52Dで被覆した状態で、鍔部44Eに取付けた第1の溝形成体45の渡り溝部45B、貫通溝部45C、コア本体42の配線溝42Bを通じて鍔部44Aの端面から外部に導出する。
さらに、スロット溝43E,43Fにコイル12Cを巻付ける場合には、スロット溝43E,43Fの内周面に絶縁紙27を貼付けた状態で、各コイル12Cをスロット溝43E,スロット溝43Fに巻付ける。この場合、スロット溝43Eに巻付けられるコイル12Cの始端側は、絶縁チューブ52Eで被覆した状態で、スロット溝43Eの内周側から第2の蓋体50の切欠部50D、コア本体42の配線溝42Cを通じて鍔部44Aの端面から外部に導出する。コイル12Cの終端側は、絶縁チューブ52Eで被覆した状態で、鍔部44Eに取付けた第1の溝形成体45の渡り溝部45B、貫通溝部45C、コア本体42の配線溝42Bを通じて鍔部44Aの端面から外部に導出する。
また、スロット溝43Fに巻付けられるコイル12Cの始端側は、絶縁チューブ52Fで被覆した状態で、スロット溝43Fの内周側から第2の蓋体50の切欠部50F、コア本体42の配線溝42Cを通じて鍔部44Aの端面から外部に導出する。コイル12Cの終端側は、絶縁チューブ52Fで被覆した状態で、鍔部44Gに取付けた第3の溝形成体47の渡り溝部47B、貫通溝部47C、コア本体42の配線溝42Bを通じて鍔部44Aの端面から外部に導出する。
かくして、本実施の形態によれば、コア41を、コア本体42と、コア本体42に取付けられる第1,第2,第3の溝形成体45,46,47と、第1,第2の蓋体49,50とにより構成している。この場合、第1,第2,第3の溝形成体45,46,47には、それぞれ外側円弧部45D,46D,47Dと内側円弧部45E,46E,47Eとが形成されている。これにより、各コイル12A〜12Cの終端側が、各スロット溝43A〜43Fからコア本体42の配線溝42Bを通じて外部に導出されるときに、各コイル12A〜12Cを被覆する絶縁チューブ52A〜52Fが損傷するのを抑えることができ、コイル12A〜12Cの絶縁不良を防止することができる。
しかも、第1,第2,第3の溝形成体45,46,47は、コア本体42とは別部品として形成されるので、これら第1,第2,第3の溝形成体45,46,47をコア本体42に取付けることにより、コア41に対し、複雑な形状を有する渡り溝部45B,46B,47B、貫通溝部45C,46C,47C、外側円弧部45D,46D,47D、内側円弧部45E,46E,47Eを容易に設けることができる。従って、本実施の形態によるコア41は、例えばコアに渡り溝部、貫通溝部、外側円弧部、内側円弧部等を一体形成(直接形成)する場合に比較して、加工コストを低減することができる。
また、本実施の形態では、コア本体42の配線溝42Cを施蓋する第2の蓋体50に、コイル12A〜12Cの始端側が通過する切欠部50A〜50Fが設けられているので、これら各切欠部50A〜50Fの周縁を円弧状とすることにより、コイル12A〜12Cの始端側を被覆する絶縁チューブ52A〜52Fの損傷を抑えることができる。
なお、第1の実施の形態では、コア21に2個の配線溝21B,21Cを形成し、各コイル12A,12B,12Cの始端側を配線溝21B内に配置すると共に終端側を配線溝21C内に配置した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図17に示す第1の変形例のように、コア21′に1個の配線溝21Cのみを形成し、この配線溝21C内に各コイル12A,12B,12Cの始端側と終端側とを配置する構成としてもよい。この場合には、コア21′の磁気特性を向上させることができる。また、第1の実施の形態では、鍔部23Aと鍔部23Gの軸方向寸法は鍔部23B〜23Fの軸方向寸法よりも小さく設定され、鍔部23Aの端面に傾斜面23A1とボルト穴23A2とが形成された場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、鍔部23Aと鍔部23Gの寸法および形状を適宜変更しても良い。
また、第2の実施の形態では、コア31の鍔部33Bに、コア31の径方向に延びて渡り溝34Aと配線溝31Cとの間を連通させる貫通溝35Aを形成し、スロット溝32Aに巻付けたコイル12Aを、渡り溝34Aと貫通溝35Aとを通じてスロット溝32Bに案内する構成を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図18に示す第2の変形例のコア21″のように、貫通溝35Aに代えて、渡り溝34Aからスロット溝32Bの接線方向へと延びる接線溝53を形成する構成としてもよい。これにより、コイル12Aをスロット溝32Aからスロット溝32Bに巻付けるときに、コイル12Aの曲率半径を大きくすることができ、コイル12Aの絶縁材が損傷することによる絶縁不良を低減できると共に、コイル12Aの占積率を向上させることができる。このことは、鍔部34Cに形成された貫通溝35C、鍔部33Fに形成された貫通溝35Eについても同様である。
また、第2の実施の形態では、鍔部33Aと鍔部33Gの軸方向寸法は鍔部33B〜33Fの軸方向寸法よりも小さく設定され、鍔部33Aの端面に傾斜面33A1とボルト穴33A2とが形成された場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、鍔部33Aと鍔部33Gの寸法および形状を適宜変更しても良い。
また、第2の実施の形態では、渡り溝34A,34C,34Eと、渡り溝34B,34D,34Fが、コア31の軸中心を挟んで(180°)反対側に配置された場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、渡り溝34A〜34Fが軸中心に対して同位置に配置されても良い。
さらに、第3の実施の形態では、コア41の磁気特性が低下するのを緩和するため、第1,第2,第3の溝形成体45,46,47、および第1,第2の蓋体49,50を磁性体材料によって形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、第1,第2,第3の溝形成体45,46,47、および第1,第2の蓋体49,50を絶縁性材料を用いて形成してもよい。この場合には、各コイル12A,12B,12Cの始端側と終端側を絶縁チューブ52A〜52Fによって被覆する必要がなく、各スロット溝43A〜43Fに対する各コイル12A〜12Cの占積率を向上させることができる。また、各スロット溝43A〜43Fの内部を絶縁体からなる別部品とすることにより、絶縁性能を向上させることができる。
また、第3の実施の形態では、鍔部44Aと鍔部44Gの軸方向寸法は鍔部44B〜44Fの軸方向寸法よりも小さく設定され、鍔部44Aの端面に傾斜面44A1と雌ねじ穴42Eが形成された場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、鍔部23Aと鍔部23Gの寸法および形状を適宜変更しても良く、蓋体50は、例えば、テープや接着剤等を用いて仮止めした後にワニス含浸処理等によって固定しても良い。
3 可動子
4 固定子
5 アウタチューブ(ヨーク)
7 永久磁石(磁石)
10 電機子
12A,12B,12C コイル
21,31,41,21′,21″ コア
22A,22B,22C,22D,22E,22F,32A,32B,32C,32D,32E,32F,43A,43B,43C,43D,43E,43F スロット溝
42 コア本体
45 第1の溝形成体(別部品)
46 第2の溝形成体(別部品)
47 第3の溝形成体(別部品)
45B,46B,47B 渡り溝部(溝)
45C,46C,47C 貫通溝部(溝)

Claims (5)

  1. 磁性体の円筒状ヨーク内周に磁石が軸方向に積層されている可動子と、
    前記可動子と同軸上の内周側に円筒状の電機子があり、前記可動子と前記電機子は軸方向へ相対変位可能である電磁サスペンション用リニアモータにおいて、
    前記電機子は、単一のコアと、該コアに巻回されるコイルとからなり、
    前記コアには軸方向に複数のスロット溝を設け、該各スロット溝に対して前記コイルをそれぞれ直接巻回する構成としたことを特徴とする電磁サスペンション用リニアモータ。
  2. 前記スロット溝は、前記コアの軸方向に互いに独立した状態で列状に並べて複数個設ける構成としてなる請求項1に記載の電磁サスペンション用リニアモータ。
  3. 前記各スロット溝に対し前記コイルをそれぞれ単独に巻回する構成としてなる請求項1または2に記載の電磁サスペンション用リニアモータ。
  4. 前記各スロット溝のうち隣接する複数のスロット溝を1つの単位とし、前記1つの単位となる各スロット溝に前記コイルを直列に連続巻きしてなる請求項1または2に記載の電磁サスペンション用リニアモータ。
  5. 前記コアは、前記コイルが通る溝の一部を別部品によって形成してなる請求項1,2,3または4に記載の電磁サスペンション用リニアモータ。
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