JP2014167320A - 電磁サスペンション装置 - Google Patents

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Noriyuki Uchiumi
典之 内海
Tomoyuki Ri
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Abstract

【課題】性能の向上、耐久性の向上を図ることができる電磁サスペンション装置を提供する。
【解決手段】電磁サスペンション装置1は、車体側に配置されコア4とコイル5A,5B,5Cとを有する固定子2と、車輪側に配置されアウタチューブ7と永久磁石8とを有する可動子6と、固定子2および可動子6の内側に位置して車体側と車輪側との間に配置されるシリンダ装置9とを含んで構成する。シリンダ装置9のロッド19とアウタチューブ7は、弾性変形が可能な弾性体として形成された結合部材23を介して揺動可能に結合する。横力が加わると、結合部材23が弾性変形することにより、ロッド19に対してアウタチューブ7が揺動し、コイル5A,5B,5Cと永久磁石8との接触を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車等の車両の振動を緩衝するのに好適に用いられる電磁サスペンション装置に関する。
一般に、自動車等の車両には、車体(ばね上)側と各車輪(ばね下)側との間に緩衝器が設けられている。このような緩衝器として、互いに相対直線運動可能に配置された固定子と可動子とからなるリニアモータ(電磁式アクチュエータ)を用いた電磁サスペンション装置が知られている。
ここで、電磁サスペンション装置は、例えば、車体と車輪との間に介装され、相対変位可能な同軸状の内筒または外筒のうちの一方の部材である外筒に設けられたコイル(コイル部材)と、他方の部材である内筒に設けられコイルと対向する磁石(磁性部材)とからなる筒状リニア電磁式アクチュエータを備えて構成されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2012−131303号公報 特開2004−278783号公報
例えば自動車等の車両に搭載される電磁サスペンション装置には、相対変位の方向(ストローク方向)と直交する方向(横方向)の力、即ち、外筒の軸中心線と内筒の軸中心線とをずらす方向の力となる横力が加わる場合がある。この場合に、径方向に間隔(隙間)をもって対向するコイルと磁石とが接触すると、これらコイルと磁石の耐久性が低下するおそれがある。
これを防止すべく、例えばコイルと磁石との径方向の間隔を大きくすることが考えられる。しかし、この場合は、コイルと磁石との間で発生する力が小さくなり、電磁式アクチュエータの推力の低下、消費電力の増大を招く等、電磁サスペンション装置の性能低下に繋がるおそれもある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、性能の向上、耐久性の向上を図ることができる電磁サスペンション装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、車体と車輪との間に介装され、相対変位可能な同軸状の内筒または外筒の一方の部材に設けられたコイル部材と、他方の部材に設けられ該コイル部材と対向する磁性部材とからなる筒状リニア電磁式アクチュエータを備えた電磁サスペンション装置であって、一端側が前記内筒内に設けられ、他端側が前記車体側に取付けられるシリンダと、一端側が前記シリンダに挿入され、他端側が前記車輪側に取付けられるロッドと、前記シリンダの一端側で前記ロッドを摺動可能に支持するロッドガイドと、該ロッドガイドの車輪側に設けられ、前記シリンダ内に混在させたガスおよび液体をシールするシール部材と、前記ロッドの一端側に設けられ、前記シリンダ内を摺動するガイド部材と、を有し、前記内筒または前記外筒の一方が前記シリンダと結合され、前記内筒または前記外筒の他方が前記ロッドに結合され、前記内筒または前記外筒の一方と前記シリンダとの結合部、または、前記内筒または前記外筒の他方と前記ロッドとの結合部との少なくとも一方は、揺動可能に結合されていることを特徴としている。
本発明の電磁サスペンション装置によれば、性能の向上、耐久性の向上を図ることができる。
第1の実施の形態による電磁サスペンション装置を縮み状態で示す縦断面図である。 電磁サスペンション装置を図1中の矢示II−II方向からみた縦断面図である。 電磁サスペンション装置を図1中の矢示III−III方向からみた横断面図である。 電磁サスペンション装置の取付ロッド等を図1中の矢示IV−IV方向からみた横断面図である。 電磁サスペンション装置を伸び状態で図1と同方向からみた縦断面図である。 第2の実施の形態による電磁サスペンション装置を縮み状態で示す縦断面図である。 第3の実施の形態による電磁サスペンション装置を縮み状態で示す縦断面図である。 第4の実施の形態による電磁サスペンション装置を縮み状態で示す縦断面図である。 第5の実施の形態による外筒、磁性部材、磁性体等を示す要部断面図である。 第1の変形例による電磁サスペンション装置の取付ロッド等を図4と同方向からみた横断面図である。 第2の変形例による電磁サスペンション装置の取付ロッド等を図4と同方向からみた横断面図である。
以下、本発明の実施の形態による電磁サスペンション装置を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。図において、電磁サスペンション装置1は、リニアモータ(リニアアクチュエータ)を用いた電磁サスペンション(電動サスペンション)として構成されている。即ち、電磁サスペンション装置1は、図示しない車体側に配置される固定子2と、図示しない車輪側に配置される可動子6と、固定子2および可動子6の内側(内径側)に位置して車体側と車輪側との間に配置されるシリンダ装置9と、固定子2および可動子6の外側(外径側)に位置して車体側と車輪側との間に配置される図示しないばね(懸架ばね、コイルスプリング)とを含んで構成されている。そして、固定子2(電機子)と可動子6(界磁)とにより、3相リニア同期モータを構成している。
換言すれば、電磁サスペンション装置1は、車体(ばね上)と車輪(ばね下)との間に介装され、相対変位可能な同軸状の内筒と外筒とのうちの内筒に対応するコア4に設けられたコイル5A,5B,5C(コイル部材)と、外筒に対応するアウタチューブ7に設けられ該コイル5A,5B,5Cと対向する永久磁石8(磁性部材)とからなる筒状リニア電磁式アクチュエータ3を備えて構成されている。なお、図示は省略するが、筒状リニア電磁式アクチュエータは、径方向内側に配置される内筒と径方向外側に配置される外筒とのうちの外筒にコイル(コイル部材)を設け、内筒に永久磁石(磁性部材)を設ける構成としてもよい。
車体側に配置される固定子2は、電機子として構成されている。固定子(電機子)2は、内筒としてのコア4と、該コア4に設けられたコイル部材としての複数のコイル5A,5B,5Cとにより構成されている。コア4は、例えば圧粉磁心や積層された電磁鋼板、磁性体片より切削加工等によって形成され、その形状は、全体として略円筒状となっている。コア4は、後述するシリンダ装置9のシリンダ10に結合されている。一方、各コイル5A,5B,5Cは、それぞれ所定の方向に巻かれてコア4の外周面側に収容され、後述する可動子6(の永久磁石8)の内周面と対向して配置されている。
具体的には、コイル5A,5B,5Cは、略筒状のコア4の外周面側に位置して該コア4の周方向に配置されると共に、該コア4の軸方向の6箇所位置に軸方向に離間して配置されている。コイル5A,5B,5Cは、3本の動力線5D,5E,5Fを介して、図示しないコントローラ(制御器)および電源に接続され、動力線5D,5E,5Fを通じて電力が供給される。なお、コイル5A,5B,5Cの個数は、図示したものに限らず、設計仕様等に応じて適宜設定することができる。また、軸方向に隣合う6個のコイル5A,5B,5Cは、例えば電気角でそれぞれ120度ずつの位相差をもつように配置される。配線方法は、駆動電源側の電圧や電流仕様に応じて適宜選択することができる。
車輪側に配置される可動子6は、界磁を構成するもので、ストローク方向となる軸方向の相対変位を可能に固定子2に組み付けられている。可動子6は、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)の外周側に配置される外筒としてのアウタチューブ7と、該アウタチューブ7に設けられコイル5A,5B,5Cと径方向に隙間をもって対向する磁性部材としての複数の永久磁石8とにより構成されている。アウタチューブ7は、例えば、磁場の中に置くと磁路を形成する磁性体、例えば機械構造用炭素鋼鋼管(STKM12A)等を用いて円筒状に形成され、ストローク方向となる軸方向に延びている。アウタチューブ7の一端側(図1および図2の右端側)は、後述する結合部材23によりシリンダ装置9のロッド19に対して揺動可能に結合されている。
アウタチューブ7の内周面側には、磁場を生じさせる部材である磁性部材としての複数の円環状の永久磁石8が軸方向に沿って並んで配置されている。この場合、軸方向に隣合う各永久磁石8は、例えば互いに逆極性になっている。例えば、アウタチューブ7の一端側(右側または左側)から数えて奇数個目の永久磁石8を、内周面側がN極で外周面側がS極のものとしたならば、一端側から数えて偶数個目の永久磁石8は、内周面側がS極で外周面側がN極のものとなっている。また、図3に示すように、本実施の形態の場合は、円環状の永久磁石8は、円弧状の複数の磁石素子8Aを周方向に並べることにより円環状に構成した分割型の永久磁石8としている。
固定子2の各コイル5A,5B,5Cに、動力線5D,5E,5Fを通じて電流を流すと、これら各コイル5A,5B,5Cに流れる電流と可動子6の永久磁石8との間に電磁力が生じ、この電磁力によって固定子2(コイル5A,5B,5C)と可動子6(永久磁石8)との間に推力(制御力、減衰力)が発生する。この電磁力を制御し、目標通りの推力を発生させるために、動力線5D,5E,5Fを介して各コイル5A,5B,5Cと接続された図示しないコントローラは、コイル5A,5B,5Cが発生する電流磁束が永久磁石8の1/2個分、即ち、電気角で90度分、永久磁石8の磁束に対してずれるように、U相コイル5A、V相コイル5B、W相コイル5Cに流れる電流値を制御する。
シリンダ装置9は、固定子2および可動子6の内側(内径側)に位置して車体側と車輪側との間に配置されるものである。ここで、シリンダ装置9は、シリンダ10と、ロッド19と、ロッドガイド20と、シール部材21と、ピストン22とにより大略構成されている。そして、シリンダ装置9のシリンダ10内には、空気、窒素ガス等のガス(気体)と、油液、潤滑油等の液体とが封入されている。本実施の形態の場合は、シリンダ装置9は、不可避的な抵抗を除き、実質的に減衰力を発生しないシリンダ装置として構成されている。このために、後述するように、シリンダ10内をロッド側空間(ロッド側油室)Aとボトム側空間(ボトム側油室)Bとに区画するピストン22には、これら両空間(油室)A,Bの間を常時連通する連通孔22Aが設けられている。また、シリンダ10内の液体は、例えば少量のオイル(潤滑油)としている。なお、シリンダ装置9は、減衰力を発生しないものに限らず、減衰力を発生させるものとして構成してもよい。
シリンダ10は、一端側(図1および図2の右端側)が固定子2のコア4内に設けられ、他端側(図1および図2の左端側)が車体側に取付けられるものである。シリンダ10は、コア4の内周面側に嵌着される円筒状の筒部材(チューブ)11と、該筒部材11の他端側に嵌合固定される取付ロッド12とにより大略構成されている。筒部材11の内側には、後述するロッド19が挿入され、筒部材11の内周面には、ロッド19の一端側(図1および図2の左端側)に設けられたピストン22の外周面が摺動する。筒部材11の一端側(図1および図2の右端側)には、後述するロッドガイド20が取付けられている。シリンダ10は、ピストン22が摺動する部分である筒部材11の外径(および内径)を、ロッドガイド20のうち後述するシール部材21が取付けられる部位となる取付部20B(の外径および内径)よりも小径としている。これにより、シリンダ10(筒部材11)の太さを細く(小径に)しつつシール部材21を大径のものにすることができ、シリンダ装置9(延いては電磁サスペンション装置1全体)の小型化とシール性の向上とを両立することができる。
一方、取付ロッド12は、段付き円筒状に形成され、筒部材11の他端側に嵌合固定される固定部12Aと、車両のばね上部材となる車体側に取付けられるねじ部12Bとを有している。取付ロッド12の内周面側には、一端側(図1および図2の右端側)と他端側(図1および図2の左端側)とを仕切る隔壁12Cが設けられ、一端側は、電磁サスペンション装置1の縮み状態で後述するロッド19の先端側が進入する逃げ穴12Dとなり、該逃げ穴12Dと隔壁12Cを挟んで反対側となる他端側は、動力線5D,5E,5F、後述するセンサ線15A,17A,18Aが配設される配線穴12Eとなっている。
ここで、取付ロッド12の他端側で、後述する配線収容ケース14の取付リング14Bよりも一端側には、取付ロッド12の内周面と外周面との間を軸中心線に対して斜め方向に貫通する複数本の貫通孔12F,12G,12Hが設けられている。図4に示すように、各貫通孔12F,12G,12Hは、動力線5D,5E,5Fが配設(挿通)される3本の動力線用貫通孔12Fと、該各動力線用貫通孔12Fの径方向反対側に(周方向に約180゜ずらして)配置され後述する温度センサ線15Aが配設(挿通)される1本の温度センサ線用貫通孔12Gと、該温度センサ線用貫通孔12Gから時計方向と反時計方向とに約90゜ずらしてそれぞれ配置され後述する磁気センサ線17A,18Aが配設(挿通)される一対(2本)の磁気センサ線用貫通孔12Hとの合計6本からなっている。
換言すれば、動力線用貫通孔12Fと、温度センサ線用貫通孔12Gと、一対の磁気センサ線用貫通孔12Hは、それぞれ取付ロッド12の周方向に90゜ずつ離間して配置されている。動力線5D,5E,5Fおよび各センサ線15A,17A,18Aは、車体側から取付ロッド12の配線穴12Eを通り、各貫通孔12F,12G,12Hを通じて取付ロッド12の内径側から外径側に引出され、配線収容ケース14内を車輪側に向けて取付ロッド12の外周面を沿うように軸方向に延びている。この場合、動力線5D,5E,5Fおよび各センサ線15A,17A,18Aの配線の取り回しは、車体側から容易に行うことができる。
また、取付ロッド12の配線穴12Eは、取付ロッド12を車体側に取付けた状態で、車体に搭載されるエンジン(図示せず)を収容するエンジンルーム13内に開口する構成となっている。これにより、エンジンルーム13とアウタチューブ7の内径側の空間7Aとが、配線穴12Eと後述の配線空間14Dとを介して連通される。この結果、電磁サスペンション装置1の伸縮(伸長・縮小)に伴って、アウタチューブ7の内径側の空間7Aの容積が変化すると、該空間7Aには、エンジンルーム13の空気が出入りする。これにより、アウタチューブ7の内径側の空間7Aや配線空間14D等の結露を抑制することができ、性能劣化の防止、耐久性の向上、電気信頼性の向上を図ることができる。
配線収容ケース14は、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)と軸方向に離間する位置に設けられている。配線収容ケース14内には、コイル5A,5B,5Cと接続される3本の動力線5D,5E,5Fと、コイル5A,5B,5Cの内周側に位置してコア4に設けられ(貼付され)該コア4の温度を検出する温度センサ15と接続される1本の温度センサ線15Aと、後述する磁気センサ17,18に接続される一対(2本)の磁気センサ線17A,18Aとが収容されている。配線収容ケース14は、電磁サスペンション装置1の縮み状態でも、動力線5D,5E,5Fおよびセンサ線15A,17A,18Aが外部に露出しないようにするものである。
配線収容ケース14は、筒状のケース本体14Aと、該ケース本体14Aの一端側(図1および図2の左端側)に固定され取付ロッド12に取付けられる取付リング14Bと、ケース本体14Aの他端側(図1および図2の右端側)に固定され動力線5D,5E,5Fおよびセンサ線15A,17A,18Aが引出される配線孔14C1が周方向に離間して設けられた塞ぎリング14Cとにより大略構成されている。配線収容ケース14内は、ケース本体14Aの内周面と、取付リング14Bの側面と、塞ぎリング14Cの側面と、取付ロッド12および筒部材11の外周面との、合計4つの面(周面、側面)により画成された円環状の配線空間14Dとなっている。
配線空間14Dには、動力線5D,5E,5Fおよびセンサ線15A,17A,18Aが軸方向に延びるように配設されている。この場合、配線収容ケース14内では、動力線5D,5E,5Fと、磁気センサ線17Aと、温度センサ線15Aと、磁気センサ線18Aとが、それぞれ周方向に90゜ずつ離間して配置されている。
配線収容ケース14と電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)との軸方向の間には、センサ収容ケース16が設けられている。センサ収容ケース16内には、永久磁石8の磁束を互いに異なる原理で検出する一対の磁気センサ17,18、より具体的には、磁気抵抗の変化を利用して磁界を検出する磁気抵抗素子からなる磁気センサ17とホール効果を利用して磁極(極性)を検出するホール素子(ホールIC)からなる磁気センサ18とが収容されている。これら一対の磁気センサ17,18は、それぞれ磁気センサ線17A,18Aを介して図示しないコントローラに接続されている。コントローラでは、一対の磁気センサ17,18により検出される永久磁石8の磁界、極性等に基づいて、電磁サスペンション装置1の制御に用いる永久磁石8の軸方向位置(ストローク位置、伸縮位置)の検出ないし演算等が行われる。なお、磁気センサ17,18は、センサ出力が小さい場合には、増幅回路を内蔵するものとすることができる。
図3に示すように、センサ収容ケース16は、一対の磁気センサ17,18を1つのセンサユニットとして構成するものである。センサ収容ケース16内には、一対の磁気センサ17,18を180°ずらして配置し、かつ、これら一対の磁気センサ17,18に対して動力線5D,5E,5Fを90°ずらして配置している。従って、一対の磁気センサ17,18は、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)の軸方向端部側に位置することで、コイル5A,5B,5Cへの通電により発生する磁石磁束の曲がりや増磁、減磁の影響を受けにくくできる。これに加えて、一対の磁気センサ17,18が同じ軸方向位置となることで、両方のセンサ17,18でほぼ同じ磁石磁束を検出することができる。さらに、各磁気センサ17,18に対して動力線5D,5E,5Fが90°ずれていることで、動力線5D,5E,5Fを流れる電流に基づくノイズの影響を低減することができる。なお、磁気センサ17,18に接続される磁気センサ線17A,18Aは、磁気センサ17,18と同じ取付け角度位置から引き出されている。
ロッド19は、一端側(図1および図2の左端側)がシリンダ10に挿入され、他端側(図1および図2の右端側)が車輪側に取付けられている。ロッド19は、シリンダ10の筒部材11内を軸方向に延び、一端側には、ナット19A等を用いて後述するピストン22が固着して設けられている。一方、ロッド19の他端側は、後述するロッドガイド20を介してシリンダ10の外部に突出すると共に、その突出端側は、軸方向中間部よりも小径の小径部19Bとなっている。
小径部19Bの基端側はロッド19の軸方向中間部と段差部19Cを介して連続し、該段差部19Cと小径部19Bとにわたって後述する結合部材23が嵌着(嵌合固定)されている。また、小径部19Bの先端側には、車両のばね下部材となる車輪側に取付けられる取付アイ19Dが固定されている。さらに、ロッド19の軸方向中間部には、例えば弾性材料等からなるストッパ19Eが取付けられている。図5に示すように、ストッパ19Eは、電磁サスペンション装置1が伸びきったときに、後述するロッドガイド20(の案内筒部20A)と接触して、その衝撃を緩和するものである。
ロッドガイド20は、シリンダ10の一端側(図1および図2の右端側)でロッド19を摺動可能に支持するものである。ロッドガイド20は、全体が段付き円筒状に形成されている。即ち、ロッドガイド20は、外周面側がシリンダ10の一端側に嵌合固定されると共に内周面側がロッド19の外周面を摺動可能に案内(ガイド)する案内筒部20Aと、該案内筒部20Aよりも大径の筒部として形成され内周面側に後述するシール部材21が取付けられる取付部20Bとを有し、これら案内筒部20Aと取付部20Bとは、フランジ状の連続部20Cにより一体的に接続(連結)されている。この場合、取付部20Bの内径および外径は、案内筒部20Aの内径および外径よりも大径となっている。さらに、取付部20Bの外径および内径は、シリンダ10の筒部材11の外径および内径よりも大きくなっている。これにより、シリンダ装置9の小型化とシール部材21のシール性の向上とを両立することができる。
ロッドガイド20の車輪側には、シール部材(オイルシール)21が設けられている。シール部材21は、シリンダ10内に混在させたガスおよび液体をシールするものである。このために、シール部材21は、中心にロッド19が挿通される孔が設けられた金属性で板状の環状部材21Aの内径側(と必要に応じて外径側と)に、弾性材となるゴム21Bを焼き付けることにより形成されている。シール部材21は、外径側がロッドガイド20の取付部20Bに取付けられると共に、内径側が全周にわたってロッド19の外周面に摺接することにより、ロッド19とシリンダ10との間をシールする。これにより、シリンダ10内のロッド側空間Aおよびボトム側空間Bは、シール部材21によりシールされ、鉄粉等の異物が入り込むことによるロッド19、ロッドガイド20、ピストン22等の磨耗劣化や損傷を低減することができる。
ロッド19の一端側(図1および図2の左端側)には、ガイド部材としてのピストン22が設けられている。ピストン22は、シリンダ10内を摺動するもので、ロッド19の一端側にナット19A等を用いて固定され、シリンダ10内に摺動可能に挿嵌されている。この場合、ピストン22は、シリンダ10内をロッド側空間Aとボトム側空間Bとに画成している。ピストン22には、ロッド側空間Aとボトム側空間Bとを連通する連通孔22Aが形成されている。シリンダ10内のガスおよび液体(例えば、少量の潤滑油)は、ピストン22の連通孔22Aをほぼ抵抗なく流通することで、シリンダ10とロッド19との間で実質的に減衰力が発生しないように構成している。
ロッド19の他端側(図1および図2の右端側)は、結合部材23を介してアウタチューブ7と結合されている。結合部材23は、ロッド19とアウタチューブ7とを揺動可能に結合する結合部となるものである。即ち、本実施の形態の場合は、電機子のコア4(内筒)とシリンダ10との結合部と、アウタチューブ7(外筒)とロッド19との結合部とのうち、アウタチューブ7とロッド19との結合部を揺動可能に結合する構成となっている。
結合部となる結合部材23は、弾性変形が可能な弾性体として形成されたもので、アウタチューブ7の一端側(図1および図2の右端側)が嵌合固定される取付筒部23Aと、該取付筒部23Aの一端部から径方向内側に延びる環状部23Bと、該環状部23Bの内径側から他端側(図1および図2の左端側)に向けて斜めに延び他端側に向かうほど径寸法が小さくなる傾斜筒部23Cと、該傾斜筒部23Cの内径側に設けられロッド19の小径部19Bと段差部19Cとにわたって嵌合固定される嵌着部23Dとにより大略構成されている。結合部材23は、嵌着部23Dが、ロッド19の小径部19Bの基端側に嵌合されると共に段差部19Cと取付アイ19Dとにより軸方向に挟持されることにより、ロッド19に対して不離に結合される。
車体と車輪との間に横力が加わることにより、シリンダ10とロッド19とが、弾性変形等に伴って径方向に変位する(シリンダ10の軸中心線とロッド19の軸中心線とがずれる)傾向となると、これに伴って結合部材23が弾性変形する。より具体的には、例えば、傾斜筒部23Cが、環状部23Bと嵌着部23Dとの間で径方向に弾性変形する。これにより、ロッド19に対してアウタチューブ7が、嵌着部23Dを揺動中心として揺動する。このとき、アウタチューブ7(永久磁石8側)とシリンダ10(電機子側)との径方向の間隔(クリアランス)は、後述するブッシュ24により規制される。これにより、横力が加わっても、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)とアウタチューブ7に設けられた永久磁石8は、径方向に離間した(間隔をもって対向)した状態を維持することができる。
アウタチューブ7と配線収容ケース14との間には、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)と永久磁石8の径方向の位置決めを図る位置決め部材としてのブッシュ24が設けられている。ブッシュ24は、配線収容ケース14を介してシリンダ10に結合された電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)とアウタチューブ7に設けられた永久磁石8との軸方向の相対変位を許容しつつ、両者の径方向の相対変位を規制するものである。即ち、ブッシュ24は、アウタチューブ7の一端側に固定され、内周面側に配線収容ケース14が、軸方向の相対変位を可能に、かつ、コイル5A,5B,5Cと永久磁石8とが接触しない範囲での若干の径方向の変位を可能に摺動する構成となっている。
ブッシュ24は、車体と車輪との間に横力が加わることに伴って、結合部材23が弾性変形したときに、この結合部材23の最大弾性変形量を、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)と永久磁石8とが接触(当接)しないように規制する。また、ブッシュ24には、アウタチューブ7と配線収容ケース14との間をシールする弾性材製のシール部材24Aが設けられている。シール部材24Aは、アウタチューブ7の内径側の空間7Aに、鉄粉等の異物が入り込むことを抑制するものである。
本実施の形態による電磁サスペンション装置1は、上述のような構成を有するもので、次にその作動について説明する。
例えば、電磁サスペンション装置1を、車両のばね上部材(車体側)とばね下部材(車輪側)との間に上,下方向に縦置き状態で(例えば、シリンダ10が上側でロッド19が下側となる倒立型として)介在させた場合には、車両が上,下方向に振動すると、電磁サスペンション装置1にはストローク方向(軸方向)に力が作用する。この力に応じて、固定子2と可動子6とがシリンダ10とロッド19と共に相対移動する。このとき、コイル5A,5B,5Cには、各永久磁石8の磁極位置に応じて所定の電流を流すことにより、電磁サスペンション装置1の減衰力を調整することができ、車両の乗り心地や操縦安定性を向上させることができる。なお、本実施の形態では、シリンダ10とロッド19とが相対移動するときに、これらシリンダ10とロッド19との間では、実質的に減衰力は発生しない。
ここで、電磁サスペンション装置1には、路面状態や走行状態に応じてストローク方向以外にも力が作用する。例えば、路面の突起を乗り越えた場合や車両が曲がるときに、電磁サスペンション装置1には、ストローク方向の力以外に横方向の力(横力)が作用する。この横力により、シリンダ10とロッド19とが、弾性変形等に伴い径方向に変位する(シリンダ10の軸中心線とロッド19の軸中心線とがずれる)傾向となると、結合部材23が弾性変形することにより、ロッド19に対してアウタチューブ7が揺動する。これにより、横力が加わっても、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)と永久磁石8とが径方向に離間した状態を維持することができ、両者が接触することを抑制することができる。
即ち、本実施の形態によれば、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)の内側には、電機子のコア4と結合されるシリンダ10と界磁側となるアウタチューブ7に結合されるロッド19とを設けると共に、このうちのシリンダ10を車体側に取付け、ロッド19を車輪側に取付ける構成としている。このため、車体と車輪との間に横力が加わると、この横力は、シリンダ10とロッド19との間の少なくとも2箇所位置、具体的には、シリンダ10の筒部材11(の内周面)とピストン22(の外周面)との摺動部位、および、ロッドガイド20の案内筒部20A(の内周面)とロッド19(の外周面)との摺動部位の2箇所位置で支承(支持)することができる。
この場合に、アウタチューブ7とロッド19との結合部は、結合部材23により揺動可能に結合されている。このため、横力が加わることにより、シリンダ10とロッド19とが径方向に変位する(シリンダ10の軸中心線とロッド19の軸中心線とがずれる)傾向となると、ロッド19に対してアウタチューブ7が揺動する。これにより、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)と永久磁石8は、径方向に離間した(間隔をもって対向)した状態を維持することができる。
この場合に、アウタチューブ7と配線収容ケース14との間には、両者の軸方向の相対変位を許容しつつ径方向の相対変位を規制(両者が接触しないように規制)するブッシュ24が設けられている。これにより、横力が加わったときに、該横力を結合部材23の弾性変形により逃がしつつ、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)と永久磁石8とを径方向に離間した(隙間をもって対向した)状態のまま維持することができる。
従って、例えば電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)と永久磁石8との径方向の間隔を小さくしても、横力によって電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)と永久磁石8とが接触することを抑制することができる。この結果、電磁サスペンション装置1の小型化、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)と永久磁石8との耐久性を確保することができる。これに加えて、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)と永久磁石8との間で大きな力(推力、制御力)を発生させることができ、電磁サスペンション装置1の性能の向上を図ることができる。
しかも、シリンダ10内にガスおよび液体を混在させるため、このうちの液体が潤滑油となってシリンダ10とロッド19との摺動部位を潤滑することができる。これにより、少なくとも2箇所の摺動部位(シリンダ10とピストン22との摺動部位、および、ロッドガイド20とロッド19との摺動部位)の摺動性を高めることができる。この場合、シリンダ10内のガスおよび液体は、ロッドガイド20に設けられたシール部材21によりシールされるため、シリンダ10内に鉄粉等の異物が入り込むことによる磨耗劣化や損傷を低減することができ、耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態で用いる液体の量は、電磁サスペンション装置1を、車両のばね上部材(車体側)とばね下部材(車輪側)との間に上,下方向に縦置き状態で、つまりシリンダ10が上側でロッド19が下側となる倒立型として用い、ロッドガイド20、およびシール部材21が常時液面に浸る程度に少量としている。これは、例えば前記特許文献2のような油圧ダンパに近い状態となるまで液体の量を増やすと、液体によるダンピング力が発生し、電磁サスペンションとしての機能を損なうことになる。詳述すると、応答性に優れる電磁サスペンションの機能を液体によるダンピング機能により遅れを生じさせる原因になる。よって、本実施の形態で用いる液体の量を少量としても摺動部を潤滑できるよう倒立型として用いるよう構成することを特徴としている。
本実施の形態によれば、シリンダ10は、ピストン22が摺動する部分となる筒部材11の外径を、ロッドガイド20のうちシール部材21が取付けられる取付部20Bよりも小径に構成している。これにより、シリンダ10の太さを細く(小径に)しつつシール部材21を大径のものにすることができ、シリンダ装置9(延いては電磁サスペンション装置1全体)の小型化とシール性の向上とを両立することができる。
実施の形態によれば、磁気センサ17,18を収容するセンサ収容ケース16を、配線収容ケース14と電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)との軸方向間に設ける構成としている。これにより、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)の軸方向端部側に位置するセンサ収容ケース16内の磁気センサ17,18(磁気抵抗素子,ホールIC)は、コイル5A,5B,5Cへの通電により発生する磁石磁束の曲がりや増磁、減磁の影響を受けにくくでき、永久磁石8の磁石磁束の検出を精度良く行うことができる。即ち、コイル5A,5B,5Cへの通電、非通電に拘わらず(通電時でも非通電でも)、同じ磁石磁束を検出することができ、永久磁石8の位置、延いてはストローク位置の検出ないしその演算を、精度よく容易に行うことができる。
しかも、センサ収容ケース16内には、磁気センサ17,18を180°ずらして配置している。これにより、磁気抵抗素子とホールICとを同じ軸方向位置に配置することができ、磁気抵抗素子とホールICとの両方で、ほぼ同じ磁石磁束を検出することができる。このため、永久磁石8の位置、延いてはストローク位置の検出ないしその演算を、センサ17,18間の軸方向の取付け位置の差を考慮せずに行うことができ、位置検出ないしその演算の容易化、精度向上を図ることができる。
さらに、センサ収容ケース16内には、コイル5A,5B,5Cに接続される動力線5D,5E,5Fを、磁気センサ17,18である磁気抵抗素子とホールICとに対して90°ずらして配置している。このため、動力線5D,5E,5Fを流れる電流に伴い磁気センサ17,18に発生するノイズの影響を低減することができる。
本実施の形態によれば、電機子(コア4およびコイル5A,5B,5C)が車体側に配置されるため、車体側からコイル5A,5B,5Cへの配線の取り回しを容易に行うことができる。また、永久磁石8がコイル5A,5B,5Cの外周側に配置されるため、永久磁石8の磁石磁束は、外径側から内径側へと断面積が小さくなる方向に流れる。即ち、磁束密度は、距離の2乗に反比例するが、外径側から内径側へと断面積が小さくなる方向に流れるため、磁束密度の低下を緩やかにできる。これにより、コイル5A,5B,5Cと永久磁石8との間の(径方向の)距離が変化しても、発生する力(推力、制御力)の変化を小さく抑えることができる。また、磁気センサ17,18と永久磁石8との間の(径方向の)距離が変化しても、センサ出力の変化を小さく抑えることができ、位置検出ないしその演算の高精度化、容易化を図ることができる。
本実施の形態によれば、揺動可能に結合される結合部であるロッド19とアウタチューブ7との結合部を、弾性変形が可能な(傾斜筒部23Cを有する)弾性体としての結合部材23により構成している。このため、横力が加わったときに、結合部材23が弾性変形することにより、ロッド19に対してアウタチューブ7が揺動し、これにより、コイル5A,5B,5Cと永久磁石8とが径方向に離間した状態を安定して維持することができる。
本実施の形態によれば、アウタチューブ7の内径側の空間7Aをエンジンルーム13に連通させる構成としている。このため、固定子2と可動子6との相対変位(シリンダ10とロッド19と相対変位)に伴ってアウタチューブ7の内径側の空間7Aの容積が変化したときに、該空間7Aには、エンジンルーム13内の空気が出入りする。これにより、アウタチューブ7の内径側の空間7Aの結露を抑制することができ、性能劣化の防止、耐久性の向上、電気信頼性の向上を図ることができる。
次に、図6は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、外筒(アウタチューブ)とロッドとの結合部を弾性変形が可能な弾性体と球面軸受とにより構成したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
ロッド19の他端側(図6の右端側)は、結合部材31と球面軸受32とを介してアウタチューブ7と結合されている。結合部材31および球面軸受32は、ロッド19とアウタチューブ7とを揺動可能に結合する結合部を構成するものである。
結合部材31は、弾性変形が可能な弾性体として形成されたもので、アウタチューブ7の一端側(図6の右端側)が嵌合固定される取付筒部31Aと、該取付筒部31Aの一端部から径方向内側に延びる環状部31Bと、該環状部31Bの内径側から他端側(図6の左端側)に向けて斜めに延び他端側に向かうほど径寸法が小さくなる傾斜筒部31Cと、該傾斜筒部31Cの内径側に設けられ球面軸受32の外輪(ハウジング)32Aを兼ねる嵌着部31Dとにより大略構成されている。
球面軸受32は、結合部材31と一体に形成され内周面側に球状凹面が形成された外輪(ハウジング)32Aと、外周面側が球面凸面となり外輪32Aに揺動可能に嵌合されると共に内径側がロッド19の小径部19Bに嵌合固定される内輪32Bとにより大略構成されている。結合部材31および球面軸受32は、球面軸受32の内輪32Bが、ロッド19の小径部19Bの基端側に嵌合されると共に段差部19Cと取付アイ19Dとにより軸方向に挟持されることによりに、ロッド19に対して不離に結合される。
車体と車輪との間に横力が加わることにより、シリンダ10とロッド19とが、弾性変形等に伴って径方向に変位する(シリンダ10の軸中心線とロッド19の軸中心線とがずれる)傾向となると、球面軸受32の内輪32Bを揺動中心として結合部材31が揺動する(必要な場合には、傾斜筒部31Cが弾性変形する)。これにより、ロッド19に対してアウタチューブ7が揺動し、横力に拘わらず、コイル5A,5B,5Cと永久磁石8とが径方向に離間した(間隔をもって対向)した状態を維持することができる。
かくして、このように構成される第2の実施の形態においても、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態では、ロッド19とアウタチューブ7との結合部を、弾性変形が可能な弾性体としての結合部材31と内輪32Bに対して外輪32Aが揺動する球面軸受32とにより構成している。このため、横力が加わったときに、球面軸受32の揺動(必要な場合は、結合部材31の弾性変形))により、コイル5A,5B,5Cと永久磁石8とが径方向に離間した状態をより安定して維持することができる。しかも、球面軸受32を用いた場合は、球面軸受32の外輪32Aが内輪32Bに対して揺動変位するため、アウタチューブ7には、結合部材31が弾性変形するときのような弾性変形に伴う反力は加わらないようにできる。これにより、ブッシュ24に加わる力を低減することができ、該ブッシュ24の耐久性を向上することができる。なお、結合部材31は、弾性変形しないものとして構成することもできる。
次に、図7は、本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、外筒の内径側の空間をドライヤに接続(連通)させる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
アウタチューブ7とロッド19とを揺動可能に結合する結合部材41は、上述した第1の実施の形態の結合部材23と同様に、取付筒部41Aと、環状部41Bと、傾斜筒部41Cと、嵌着部41Dとにより大略構成されている。そして、取付筒部41Aには、内周面と外周面との間を貫通する貫通孔41A1が設けられている。そして、貫通孔41A1にはドライヤ42に通じる通気管42Aを接続することにより、アウタチューブ7の内径側の空間7Aをドライヤ42に接続(連通)させている。ドライヤ42は、アウタチューブ7の内径側の空間7A内に出入りする気体を乾燥させるものである。
かくして、このように構成される第3の実施の形態においても、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態では、電磁サスペンション装置1の伸縮(伸長・縮小)に伴って、アウタチューブ7の内径側の空間7Aの容積が変化すると、該空間7Aには、ドライヤ42によって乾燥した空気が出入りする。これにより、アウタチューブ7の内径側の空間7Aの結露を抑制することができ、性能劣化の防止、耐久性の向上、電気信頼性の向上を図ることができる。
次に、図8は、本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、磁性部材が設けられる外筒の軸方向の両端部の肉厚を軸方向の中間部の肉厚よりも薄く(中間部の肉厚を両端部の肉厚よりも厚く)したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
外筒となるアウタチューブ51は、円筒状に形成され、ストローク方向となる軸方向に延びている。ここで、アウタチューブ51は、軸方向の一端部51Aおよび他端部51Bの肉厚を軸方向の中間部51Cの肉厚よりも薄くしている。逆にいえば、アウタチューブ51の中間部51Cの肉厚を両端部51A,51Bの肉厚よりも厚くしている。
このように構成される第4の実施の形態においても、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第4の実施の形態では、永久磁石8が設けられるアウタチューブ51の軸方向の中間部51Cの肉厚を厚くすることができる。これにより、走安制御等の大きな制御力を必要とする軸方向中間部51C(ストローク中央付近)で磁気的飽和を抑制することができ、大きな発生力を得ることができる。一方、大きな制御力を必要としない軸方向の一端部51Aおよび他端部51Bでは、肉厚を薄くすることで、全てのストロークで必要な制御力の発生を可能としつつ軽量化を図ることができる。しかも、車体側と車輪側との取付部位にそれぞれ近接するアウタチューブ51の一端部51Aおよび他端部51Bを小型化(小径化)できるため、車体側および車輪側との干渉を抑制することもできる。
次に、図9は、本発明の第5の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、磁性部材とコイル部材との間に磁性体を配置した構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
永久磁石8とコイル5A,5B,5Cとの間となる永久磁石8の内周面側には、磁性体としての環状部材61が配置されている。環状部材61は、磁場の中に置くと磁路を形成する磁性体(磁性材)、例えば、機械構造用炭素鋼鋼管(STKM12A)等を用いて円筒状に形成され、その外周面側には、永久磁石8の端部と嵌合する小径部61Aが設けられている。環状部材61は、アウタチューブ7の内径側に、軸方向に隣合う永久磁石8の間を架け渡すように配設されている。
このように構成される第5の実施の形態においても、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第5の実施の形態では、永久磁石8とコイル5A,5B,5Cとの間に磁性体製の環状部材61を配置する構成としている。このため、磁路の磁気抵抗を低減することができ、高価な永久磁石8の小型化を図りつつ、大きな力(推力、制御力)を発生させることができる。また、環状部材61により永久磁石8の保護を図ることもできる。
なお、上述した第1の実施の形態では、取付ロッド12に動力線用貫通孔12Fと温度センサ線用貫通孔12Gと一対の磁気センサ線用貫通孔12Hとをそれぞれ90゜ずつ離間して配置する(周方向に関して等間隔に配置する)構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、図10に示す第1の変形例のように、一対の磁気センサ線用貫通孔12Hを温度センサ線用貫通孔12G側に偏らして(動力線用貫通孔12Fから遠ざかるように)配置する(周方向に関して不等間隔に配置する)構成としてもよい。この場合には、動力線5D,5E,5Fに対するセンサ線15A,17A,18Aの間隔を広くでき、大電流を流す動力線5D,5E,5Fによるセンサ線15A,17A,18Aへのノイズの影響を低減することができる。
上述した第1の実施の形態では、一対の磁気センサ17,18からそれぞれ磁気センサ線17A,18Aを引き出す構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、図11に示す第2の変形例のように、一対の磁気センサ17,18から共用の(例えば、電源やGND線を共通とした)磁気センサ線71を引き出す構成としてもよい。この場合には、磁気センサ線用貫通孔12Hを1つとすることができることに加えて、配線数が減ることによる配線の取り回しの向上、断線や短絡のリスクの低減等を図ることができる。
上述した第1の実施の形態では、アウタチューブ7(外筒)の内径側の空間7Aをエンジンルーム13に連通する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、外筒の内径側の空間を乗員が搭乗する車室内に連通する構成としてもよい。この場合も、外筒の内径側の空間の結露を抑制することができ、性能劣化の防止、耐久性の向上、電気信頼性の向上を図ることができる。
上述した第2の実施の形態では、アウタチューブ7とロッド19とを結合部材31と球面軸受32との両方を介して結合する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、揺動可能な結合部を球面軸受のみにより構成してもよい。また、揺動可能な結合部は、結合部材を傾斜筒部を有するものとすることにより弾性変形可能な弾性体として構成したり、結合部に球面軸受を用いる構成とする他、例えば、結合部材の一部の肉厚を薄くして当該部位を弾性変形可能な部位として構成する等、結合対象となる一対の部材間を揺動可能に結合できるものであれば、各種の結合構成を採用することができる。
上述した第4の実施の形態では、アウタチューブ51の軸方向の両端部51A,51Bの肉厚を軸方向の中間部51Cの肉厚よりも薄くした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、磁性部材が設けられる外筒または内筒の軸方向一端部と他端部とのうちのいずれか一方の端部の肉厚を中間部の肉厚よりも薄くしてもよい。
上述した各実施の形態では、電機子のコア4(内筒)とシリンダ10との結合部と、界磁側のアウタチューブ7(外筒)とロッド19との結合部とのうち、アウタチューブ7とロッド19との結合部を揺動可能に結合する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、内筒とシリンダとの結合部と外筒とロッドとの結合部とのうちの内筒とシリンダとの結合部を揺動可能に結合する構成としてもよい。また、内筒とシリンダとの結合部と外筒とロッドとの結合部との両方の結合部を揺動可能に結合する構成としてもよい。さらに、内筒とロッドとを結合すると共に、外筒とシリンダとを結合する構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、筒状リニア電磁式アクチュエータを、内筒に対応するコア4に設けられたコイル5A,5B,5C(コイル部材)と、外筒に対応するアウタチューブ7に設けられた永久磁石8(磁性部材)とにより構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、外筒に設けられたコイル(コイル部材)と、内筒に設けられた永久磁石(磁性部材)とにより筒状リニア電磁式アクチュエータを構成してもよい。
上述した各実施の形態では、固定子2を車両のばね上部材(例えば車体側)に取付けると共に、可動子6を車両のばね下部材(例えば車輪側)に取付ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、固定子を車両のばね下部材に取付けると共に、可動子を車両のばね上部材に取付ける構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、電磁サスペンション装置1を縦置き状態で自動車等の車両に取付ける構成とした場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、電磁サスペンションを横置き状態で鉄道車両等の車両に取付ける構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、電磁サスペンション装置1を車両に取付ける構成とした場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、振動源となる種々の機械、建築物等に用いる電磁サスペンション装置として用いてもよい。
さらに、上述した各実施の形態では、横断面形状が円形のリニアモータ、即ち、固定子2および可動子6を円筒状に形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、横断面形状がI字状(平板状)や矩形状、H字状のリニアモータ等、横断面形状が円形以外の筒状のリニアモータにより構成してもよい。
以上の実施の形態によれば、電磁サスペンション装置の小型化、性能の向上、耐久性の向上を図ることができる。
即ち、実施の形態によれば、内筒の内側には、内筒と外筒とのうちの一方と結合されるシリンダと他方に結合されるロッドとを設けると共に、このうちのシリンダを車体側に取付け、ロッドを車輪側に取付ける構成としている。このため、車体と車輪との間に横力が加わると、この横力は、シリンダとロッドとの間の少なくとも2箇所位置、具体的には、シリンダ(の内周面)とピストン(の外周面)との摺動部位、および、ロッドガイド(の内周面)とロッド(の外周面)との摺動部位の2箇所位置で支承(支持)することができる。
この場合に、内筒または外筒の一方とシリンダとの結合部、および/または、他方とロッドとの結合部は、揺動可能に結合されている。このため、横力が加わることにより、シリンダとロッドとが、弾性変形等に伴って径方向に変位する(シリンダの軸中心線とロッドの軸中心線とがずれる)傾向となると、シリンダまたはロッドに対して外筒および/または内筒が揺動可能な結合部で揺動する。これにより、内筒または外筒の一方の部材に設けられたコイル部材と他方の部材に設けられた磁性部材は、径方向に離間した(間隔をもって対向)した状態を維持することができる。
この場合に、揺動可能な結合部は、例えば、最も揺動した状態でもコイル部材と磁性部材との位置関係が接触(当接)しないように規制(設定)する、および/または、内筒と外筒との間(コイル部材と磁性部材との間)には、両者の軸方向の相対変位を許容しつつ径方向の相対変位を規制(両者が接触しないように規制)するブッシュ等の位置決め部材を設ける。これにより、横力が加わったときに、該横力を揺動可能な結合部で逃がしつつ、内筒と外筒(コイル部材と磁性部材)とを径方向に離間した(隙間をもって対向した)状態のまま維持することができる。
従って、例えばコイル部材と磁性部材との径方向の間隔を小さくしても、横力によってコイル部材と磁性部材とが接触することを抑制することができる。この結果、電磁サスペンション装置の小型化、コイル部材と磁性部材との耐久性を確保することができる。これに加えて、コイル部材と磁性部材との間で大きな力(推力、制御力)を発生させることができ、電磁サスペンション装置の性能の向上を図ることができる。
しかも、シリンダ内にガスおよび液体を混在させるため、このうちの液体が潤滑油となってシリンダとロッドとの摺動部位を潤滑することができる。これにより、少なくとも2箇所の摺動部位(シリンダとピストンとの摺動部位、および、ロッドガイドとロッドとの摺動部位)の摺動性を高めることができる。この場合、シリンダ内のガスおよび液体は、ロッドガイドに設けられたシール部材によりシールされるため、シリンダ内に鉄粉等の異物が入り込むことによる磨耗劣化や損傷を低減することができ、耐久性の向上を図ることができる。
実施の形態によれば、シリンダは、ガイド部材が摺動する部分の外径を、ロッドガイドのうちシール部材が取付けられる取付部よりも小径に構成している。これにより、シリンダの太さを細く(小径に)しつつシール部材を大径のものにすることができ、装置全体としての小型化とシール性の向上とを両立することができる。
実施の形態によれば、磁性部材の位置検出を行うための磁気センサ、即ち、磁気抵抗素子とホールICとをセンサ収容ケースに収容すると共に、センサ収容ケースを配線収容ケースとコイル部材との軸方向間に設ける構成としている。これにより、コイル部材の軸方向端部側に位置するセンサ収容ケース内の磁気抵抗素子とホールICは、コイル部材への通電により発生する磁石磁束の曲がりや増磁、減磁の影響を受けにくくでき、磁性部材の磁石磁束の検出を精度良く行うことができる。即ち、コイル部材への通電、非通電に拘わらず(通電時でも非通電でも)、同じ磁石磁束を検出することができ、磁性部材の位置、延いてはストローク位置の検出ないしその演算を、精度よく容易に行うことができる。
しかも、センサ収容ケース内には、磁気抵抗素子とホールICとを180°ずらして配置している。これにより、磁気抵抗素子とホールICとを同じ軸方向位置に配置することができ、磁気抵抗素子とホールICとの両方で、ほぼ同じ磁石磁束を検出することができる。このため、磁性部材の位置、延いてはストローク位置の検出ないしその演算を、センサ間の軸方向の取付け位置の差を考慮せずに行うことができ、位置検出ないしその演算の容易化、精度向上を図ることができる。
さらに、センサ収容ケース内には、コイル部材に接続される動力線を、磁気センサである磁気抵抗素子とホールICとに対して90°ずらして配置している。このため、動力線を流れる電流に伴い磁気センサに発生するノイズの影響を低減することができる。
実施の形態によれば、コイル部材が設けられる内筒が車体側に配置されるため、車体側からコイル部材への配線の取り回しを容易に行うことができる。また、磁性部材がコイル部材の外周側に配置されるため、磁性部材の磁石磁束は、外径側から内径側へと断面積が小さくなる方向に流れる。即ち、磁束密度は、距離の2乗に反比例するが、外径側から内径側へと断面積が小さくなる方向に流れるため、磁束密度の低下を緩やかにできる。これにより、コイル部材と磁性部材との間の径方向の距離が変化しても、発生する力(推力、制御力)の変化を小さく抑えることができる。また、磁性部材の内周側に磁気センサを配置した場合は、磁気センサと磁性部材との間の径方向の距離が変化しても、センサ出力の変化を小さく抑えることができ、位置検出ないしその演算の高精度化、容易化を図ることができる。
実施の形態によれば、揺動可能に結合される結合部を、弾性変形が可能な弾性体および/または球面軸受により構成している。このため、横力が加わったときに、結合部が弾性変形することにより、および/または、球面軸受が球面に沿って変位することにより、シリンダまたはロッドに対して外筒および/または内筒が揺動する。これにより、横力が加わっても、内筒と外筒(コイル部材と磁性部材)とが径方向に離間した状態を安定して維持することができる。
実施の形態によれば、外筒の内径側の空間をエンジンルームまたは車室内に連通させる構成としている。このため、外筒と内筒との相対変位に伴って外筒の内径側の空間の容積が変化したときに、外筒の内径側の空間には、エンジンルームまたは車室内の空気が出入りする。これにより、外筒の内径側の空間の結露を抑制することができ、性能劣化の防止、耐久性の向上、電気信頼性の向上を図ることができる。
実施の形態によれば、外筒の内径側の空間をドライヤに接続させる構成としている。このため、外筒と内筒との相対変位に伴って外筒の内径側の空間の容積が変化したときに、外筒の内径側の空間には、ドライヤより乾燥した空気が出入りする。これにより、外筒の内径側の空間の結露を抑制することができ、性能劣化の防止、耐久性の向上、電気信頼性の向上を図ることができる。
実施の形態によれば、磁性部材が設けられる外筒または内筒の軸方向の中間部の肉厚を厚くすることができる。これにより、走安制御等の大きな制御力を必要とする軸方向中間部(ストローク中央付近)で磁気的飽和を抑制することができ、大きな発生力を得ることができる。一方、大きな制御力を必要としない軸方向の一端部および/または他端部では、肉厚を薄くすることで、全てのストロークで必要な制御力の発生を可能としつつ軽量化を図ることができる。しかも、車体側または車輪側との取付部位と近接する外筒または内筒の軸方向端部を小型化できるため、車体側および/または車輪側との干渉を抑制することもできる。
実施の形態によれば、磁性部材とコイル部材との間に磁性体を配置する構成としている。このため、磁路の磁気抵抗を低減することができ、高価な磁性部材の小型化を図りつつ、大きな力(推力、制御力)を発生させることができる。また、磁性体により磁性部材の保護を図ることもできる。
1 電磁サスペンション装置
3 筒状リニア電磁式アクチュエータ
4 コア(内筒)
5A,5B,5C コイル(コイル部材)
5D,5E,5F 動力線
7 アウタチューブ(外筒)
7A 空間
8 永久磁石(磁性部材)
10 シリンダ
11 筒部材
13 エンジンルーム
14 配線収容ケース
16 センサ収容ケース
17 磁気センサ(磁気抵抗素子)
18 磁気センサ(ホールIC)
19 ロッド
20 ロッドガイド
20B 取付部
21 シール部材
21A 環状部材
21B ゴム
22 ピストン(ガイド部材)
23,31,41 結合部材(結合部)
32 球面軸受(結合部)
42 ドライヤ
51 アウタチューブ(外筒)
51A 一端部
51B 他端部
51C 中間部
61 環状部材(磁性体)

Claims (9)

  1. 車体と車輪との間に介装され、相対変位可能な同軸状の内筒または外筒の一方の部材に設けられたコイル部材と、他方の部材に設けられ該コイル部材と対向する磁性部材とからなる筒状リニア電磁式アクチュエータを備えた電磁サスペンション装置であって、
    一端側が前記内筒内に設けられ、他端側が前記車体側に取付けられるシリンダと、
    一端側が前記シリンダに挿入され、他端側が前記車輪側に取付けられるロッドと、
    前記シリンダの一端側で前記ロッドを摺動可能に支持するロッドガイドと、
    該ロッドガイドの車輪側に設けられ、前記シリンダ内に混在させたガスおよび液体をシールするシール部材と、
    前記ロッドの一端側に設けられ、前記シリンダ内を摺動するガイド部材と、を有し、
    前記内筒または前記外筒の一方が前記シリンダと結合され、前記内筒または前記外筒の他方が前記ロッドに結合され、
    前記内筒または前記外筒の一方と前記シリンダとの結合部、または、前記内筒または前記外筒の他方と前記ロッドとの結合部との少なくとも一方は、揺動可能に結合されていることを特徴とする電磁サスペンション装置。
  2. 前記シール部材は、板状の環状部材の内径側にゴムを焼き付けたものであり、
    前記ロッドガイドは、前記シール部材が取付けられる取付部を有し、
    前記シリンダは、前記ガイド部材が摺動する部分の外径を、前記ロッドガイドの取付部よりも小径としたことを特徴とする請求項1に記載の電磁サスペンション装置。
  3. 前記コイル部材と軸方向に離間する位置には、該コイル部材と接続される動力線を収容する配線収容ケースを設け、
    該配線収容ケースと前記コイル部材との軸方向間には、磁気抵抗素子とホールICとを180°ずらして配置し、かつ、これら磁気抵抗素子とホールICとに対して前記動力線を90°ずらして配置したセンサ収容ケースを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁サスペンション装置。
  4. 前記コイル部材は、前記内筒に設け、
    前記磁性部材は、前記コイル部材の外周側となる前記外筒に設け、
    前記内筒を前記車体側に配置すると共に前記外筒を前記車輪側に配置したことを特徴とする請求項1,2または3に記載の電磁サスペンション装置。
  5. 前記揺動可能に結合される結合部は、弾性変形が可能な弾性体および/または球面軸受により構成したことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の電磁サスペンション装置。
  6. 前記外筒の内径側の空間は、前記車体に搭載されるエンジンを収容するエンジンルームまたは乗員が搭乗する車室内に連通させたことを特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載の電磁サスペンション装置。
  7. 前記外筒の内径側の空間は、該空間内に出入りする気体を乾燥させるドライヤに接続させたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6に記載の電磁サスペンション装置。
  8. 前記磁性部材が設けられる外筒または内筒は、軸方向の一端部および/または他端部の肉厚を軸方向の中間部の肉厚よりも薄くしたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の電磁サスペンション装置。
  9. 前記磁性部材とコイル部材との間には、磁性体を配置したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記載の電磁サスペンション装置。
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