JP2016161838A - フォトクロミック積層シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
該フォトクロミック積層シートを形成後に、フォトクロミック積層シート中の気泡を除去する脱泡工程、
脱泡工程後の積層シートを90〜130℃の雰囲気下にて加熱する加熱工程、
加熱工程後の積層シートを、40〜90℃、60〜90%RHの雰囲気下にて加湿する加湿工程、及び
加湿工程後の積層シートを、常圧もしくは真空下、40〜100℃の雰囲気下にて乾燥する乾燥工程を有し、
脱気工程、加熱工程、加湿工程、及び乾燥工程における雰囲気温度80℃以上の処理時間を20時間未満とするフォトクロミック積層シートの製造方法である。
(温度)×(時間)=100〜230℃・hの範囲で行うことが好ましい。
本発明の製造方法に使用される光学シート又は光学フィルムとしては、光透過性を有する樹脂製シートが特に制限なく使用できる。光学シート又は光学フィルムの原料として好適な樹脂を例示すれば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。その中でも、接着性が良好で射出成形法に対する適用性が高いという理由からポリカーボネート樹脂が特に好ましい。また、偏光シート(ポリビニルアルコール偏光フィルムをトリアセチルセルロース樹脂フィルム、またはポリカーボネートシートではさんだもの)も、本発明の光学シート又は光学フィルムとして使用することが可能である。さらには、着色されたシートも、本発明の光学シート又は光学フィルムとして使用することが可能である。また、着色に関しては、本発明の積層シートを作製した後に光学シート又は光学フィルムを染色することも可能である。また、光学シート又は光学フィルムは、異なる樹脂からなるシートであってもよいし、同じ樹脂からなるシートであってもよい。
R1〜R4 は、それぞれ独立に、炭素数1〜20アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基または炭素数6〜20のアリールオキシ基であり、
Aは、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基、スルホン基、カルボニル基、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキリデン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキリデン基、炭素数6〜20のアリーレン基、または炭素数6〜20のアルキレンアリーレンアルキレン基である。)
R5〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のシクロアルキル基、または、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表し、
Bは、置換若しくは無置換の炭素数2〜10のアルキレン基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のシクロアルキレン基、または、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基を表し、
m及びnは、それぞれ独立に0〜5の整数である。)
R9は、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、
R10は、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基であり、
pは、1〜3の整数である。)
Yは、炭素数2〜10のアルキレン基、または炭素数2〜10のオキシアルキレン基であり、
qは、1〜10の整数である。)
本発明の製造方法に使用される接着層(以下「フォトクロミック接着層」とも言う)は、(A)ポリウレタン樹脂(以下、単に(A)成分ともいう。)、(B)ポリイソシアネート化合物(以下、単にB成分ともいう。)、及び(C)フォトクロミック化合物(以下、単にC成分ともいう。)を含んでなる。以下、これら各成分について説明する。
上記フォトクロミック接着層の構成成分である(A)ポリウレタン樹脂は、1対の光学シート又は光学フィルムを貼り合わせるための接着層の主成分として使用される。該(A)ポリウレタン樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
前記ジイソシアネート化合物は、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物であり、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物、及びこれらの混合物が使用される。これらの中でも、耐候性の観点から脂肪族ジイソシアネート化合物及び/又は脂環式ジイソシアネート化合物を使用することが好ましい。また、同様の理由からジイソシアネート化合物の30〜100質量%、特に50〜100質量%が脂肪族ジイソシアネート化合物であることが好ましい。
シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、2,4−メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2,6−メチルシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物、ヘキサヒドロトルエン−2,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,3−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,4−ジイソシアネート、1,9−ジイソシアナト−5−メチルノナン、1,1−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2−イソシアナト−4−[(4−イソシアナトシクロヘキシル)メチル]−1−メチルシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)シクロヘキシルイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート化合物;
フェニルシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)の異性体混合物、トルエン−2,3−ジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、フェニレン−1,3−ジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトメチルベンゼン、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメトキシ(1,1’−ビフェニル)、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、1,2−ジイソシアナトベンゼン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)−2,3,5,6−テトラクロロベンゼン、2−ドデシル−1,3−ジイソシアナトベンゼン、1−イソシアナト−4−[(2−イソシアナトシクロヘキシル)メチル]2−メチルベンゼン、1−イソシアナト−3−[(4−イソシアナトフェニル)メチル)−2−メチルベンゼン、4−[(2−イソシアナトフェニル)オキシ]フェニルイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物
などを挙げることができる。
上記(A)ポリウレタン樹脂の構成成分の一つであるポリオール化合物としては、生成するポリウレタン樹脂が高架橋体になり過ぎないという理由から分子中に含まれる水酸基数が2〜6であることが好ましく、有機溶剤への溶解性を考慮すれば、分子中に含まれる水酸基数は2〜3であることがより好ましい。ポリオール化合物として具体的には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリカプロラクトンポリオール、及びこれらの混合物が使用される。これらのポリオール化合物は、単独で使用しても良く、2種類以上を併用しても構わないが、耐熱性、接着性、耐候性、耐加水分解性などの観点から、特にポリカーボネートポリオール、及びポリカプロラクトンポリオールを使用することが好ましい。
前記鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する基を分子内に2つ以上有する化合物であり、前記ジイソシアネート基と反応する基としては水酸基、またはアミノ基であることが好ましい。具体的には、
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ビス(ヒドロキシエチル)−シクロヘキサン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール;
イソホロンジアミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−及び1,4−ジアミノシクロヘキサン、ノルボルナンジアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジン、フェニレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジブチルエチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,2,5−ペンタントリアミン等のアミノ化合物;
を挙げることができる。
接着層に軟化点が80℃以上200℃以下の(A)ポリウレタン樹脂を使用することにより、積層シート又は光学物品の表面にハードコート層を形成する場合、熱曲げ加工を実施する場合、射出成型を行い光学物品とする場合において、優れた耐熱特性を発揮する。
上記フォトクロミック接着層の構成成分として用いられる(B)ポリイソシアネート化合物は、分子内に少なくとも2つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物であり、このB成分を用いることによって、本発明の積層シートの密着強度をより向上させることができる。
テトライソシアナトシラン、[メチレンビス(2,1−フェニレン)]ビスイソシアネート等の分子内に4つのイソシアネート基を有する化合物;
を挙げることができる。
上記フォトクロミック接着層の構成成分として用いられる(C)フォトクロミッ化合物としては、クロメン化合物、フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、スピロピラン化合物などの公知のフォトクロミック化合物を何ら制限なく使用することが出来る。これらは、単独使用でもよく、2種類以上を併用しても良い。
(フォトクロミック積層シート形成)
本発明のフォトクロミック積層シートの製造方法では、先ず最初に1対の光学シート又は光学フィルムの間に、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート化合物、及びフォトクロミック化合物を含む接着層を介在させてフォトクロミック積層シートを形成する。
フォトクロミック接着層を単層(以下、第一接着層とする場合もある)とする場合には、(A)ポリウレタン樹脂、(B)ポリイソシアネート化合物、及び(C)フォトクロミック化合物とを混合し、直接シート状に成形してもよいが、中でも、A成分、B成分、及びC成分に加えて、必要により配合される添加剤、有機溶媒を混合した第一接着層用塗工液を準備し、本発明の光学シート又はフィルム、または、それ以外の基材上に該塗工液を塗布した後、乾燥させることにより、接着層を形成することが好ましい。
また、フォトクロミック接着層を複数層とする場合には、フォトクロミック化合物が配合された上記第一の接着層の両面に、第二の接着層を積層した、第二接着層/第一接着層/第二接着層とからなる3層構造とすることが好ましい。この場合、第二接着層と本発明の光学シート又はフィルムが接することになる。そして、第一接着層に、フォトクロミック化合物を配合することにより、接着性をより向上することができる。
この第一接着層は、前記の単層の接着層と同じ構成からなることが好ましい。
上記方法にて形成されたフォトクロミック積層シートは、次いで、
積層シート中の気泡を除去する脱気工程、
脱泡工程後の積層シートを90〜130℃の雰囲気下にて加熱する加熱工程、
加熱工程後の積層シートを、40〜90℃、60〜90%RHの雰囲気下にて加湿する加湿工程、及び
加湿工程後の積層シートを、常圧もしくは真空下、40〜100℃の雰囲気下にて乾燥する乾燥工程
を実施する。本発明の製造方法では、脱気工程、加熱工程、加湿工程、及び乾燥工程における雰囲気温度80℃以上の処理時間を20時間未満とすることが特徴である。
以下、各後処理工程の条件について詳述する。
本発明の製造方法における脱気工程は、接合したばかりのフォトクロミック積層シート、特にフォトクロミック接着層に含有する空気、更には水分を除去することを目的に実施する。該脱気工程を実施しせずに、次の加熱工程を実施した場合には、フォトクロミック積層シート中に気泡が発生し、外観不良となってしまう。
本発明の製造方法における加熱工程は、前述の脱気工程後に実施される。該加熱工程を実施することにより、B成分のイソシアネート基の一部が、反応に供されるものと考える。その結果、このイソシアネート基がA成分のウレタン結合、又はウレア結合に結合し、アロファネート結合、又はビュレット結合を形成することを推進するものと考えられる。そして、この加熱処理して得られたフォトクロミック積層シートは、その状態が非常に安定なものとなる。
本発明の製造方法における加湿工程は、前述の加熱工程後に実施される。該加湿工程を実施することにより、B成分によるA成分どうしの橋架け構造を完結させるとともに、フォトクロミック積層シート中に存在するB成分由来のイソシアネート基を完全に消失させることができ、フォトクロミック特性、及び接着性をより安定化させることが可能となると考えている。
本発明の製造方法における乾燥工程は、前述の加湿工程後に実施される。該乾燥工程を実施することにより、前述の加湿工程でフォトクロミック積層シートが吸収した水を除去することができる。該乾燥工程を実施しない場合には、本発明のフォトクロミック積層シートが、過剰の水分を含有することになり、フォトクロミック積層シートの2次加工(熱曲げ加工、射出成形)を行う際に、気泡が発生し不良となってしまう。
本発明の製造方法によって得られるフォトクロミック積層シートは、必要に応じて、下記の2次加工(熱曲げ加工、射出成型)を実施することも可能である。
本発明の製造方法によって得られるフォトクロミック積層シートは、熱曲げ加工を実施することにより、レンズ状の球面形状に加工(加工シートを製造)することもできる。フォトクロミック積層シートを球面形状に熱曲げ加工する方法は、例えば、熱プレス加工、加圧加工、減圧吸引加工などが挙げられる。
熱曲げ加工したフォトクロミック積層シート(加工シート)は、射出成型機の金型内に取り付けられ、曲げ加工した加工シートの凹面側に、熱可塑性樹脂を射出成型することにより、熱可塑性樹脂からなる光学基材と該加工シートとを一体化して、光学物品、例えば、プラスチックレンズとすればよい。
上記の方法によって得られるプラスチックレンズは、そのまま研磨や縁取りなどの加工工程を経て使用に供することができるが、着用時の傷の発生を防止することを目的として、さらにハードコート層で被覆して使用することもできる。
PC1:下記式で示される化合物
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三つ口フラスコに、数平均分子量800のポリカーボネートジオール251.9g、イソホロンジイソシアネート100gを仕込み、窒素雰囲気下、110℃で7時間反応させ、プレポリマーを合成した。反応終了後、反応液を30℃付近まで冷却し、THF1515gに溶解させ、次いで、鎖延長剤であるビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン23.6gを滴下し、25℃で1時間反応させた。その後さらに、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジン7.7gを滴下し、25℃で1時間反応させることにより、ウレタン系樹脂のTHF溶液を得た。ここに、下記フォトクロミック化合物(PC1)11.5g、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物40g、さらに酸化防止剤としてエチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]4g、界面活性剤としてDOW CORNING TORAY L−7001 0.6gを添加し、室温で攪拌・混合を行い、第一接着層用塗工液を得た。この第一接着層用塗工液に含まれるポリウレタン樹脂は、軟化点が105℃であった。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三つ口フラスコに、数平均分子量1000のポリカーボネートジオール220g、イソホロンジイソシアネート100gを仕込み、窒素雰囲気下、110℃で7時間反応させ、プレポリマーを合成した。反応終了後、反応液を30℃付近まで冷却し、プロピレングリコール−モノメチルエーテル1550gに溶解させ、次いで、鎖延長剤であるイソホロンジアミン36gを滴下し、25℃で1時間反応させた。その後さらに、n−ブチルアミン2gを滴下し、25℃で1時間反応させることにより、ウレタン系樹脂のプロピレングリコール−モノメチルエーテル溶液を得た。ここに、界面活性剤としてDOW CORNING TORAY L−7001 2.0gを添加し、室温で攪拌・混合を行い、第二接着層用塗工液を得た。この第二接着層用塗工液に含まれるポリウレタン樹脂は、軟化点が150℃であった。
第一工業製薬株式会社製のウレタン樹脂水分散体;スーパーフレックス420 100g、プロピレングリコールモノメチルエーテル 110g、t−ブタノール 200g、水 300g及びシリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「L−7001」) 0.2gを混合し、1時間室温にて撹拌し、プライマー組成物を得た。
γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン104.0g、テトラエトキシシラン41.0g、t−ブチルアルコール100.0g、アセチルアセトン22.5g、メタノール75.8g、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル17.0g、シリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「L−7001」 0.5gを混合した。この液を十分に撹拌しながら、水45.0gとスノーテックスO−40 90.0gの混合物を添加し、添加終了後から20時間撹拌を継続した。次いで、トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III) 4.2gを混合し、1時間撹拌させてハードコート組成物を得た。
コーター(テスター産業製)を用いて、第一接着層用塗工液を、50μmのOPPフィルム(延伸ポリプロピレンフィルム)上に塗工速度0.3m/minで塗工し、乾燥温度100℃で5分間乾燥させた後、第一接着層側を厚み400μmのポリカーボネートシート(反対側にオレフィン系の保護フィルム付き)上に配置し、ラミネートロールで張り合わせた。第一接着層の厚みは40μmであった。
次いで、得られた積層シートを40℃、真空下(500Pa)で12時間静置(脱気工程)した後、110℃で1時間加熱処理(加熱工程)し、次いで60℃、80%RHで20時間の加湿処理(加湿工程)を行い、最後に80℃、真空下(500Pa)で5時間静置(乾燥工程)することにより、目的のフォトクロミック積層シートを得た。得られたフォトクロミック積層シートは、外観の評価結果がA、剥離強度は初期140N/25mm、煮沸試験後が110N/25mmであり、またフォトクロミック特性に関しては最大吸収波長585nm、発色濃度1.0、退色速度45秒、耐久性93%であり、ハードコート密着性は初期が100で、煮沸試験5時間まで密着性を保持した。外観、剥離強度、フォトクロミック特性、及びハードコート密着性の評価は、以下の方法により実施した。
(外観)
得られたフォトクロミック積層シートに、気泡が存在するかどうかを目視にて確認した。評価は、フォトクロミック積層シート10cm×10cmのサイズあたりに、気泡が0個の場合にはA、1〜2個存在する場合にはB、3個以上存在する場合にはCとした。
得られたフォトクロミック積層シートを、25×100mmの接着部分を有する試験片とし、試験機(オートグラフAGS−500NX、島津製作所製)に装着し、クロスヘッドスピード100mm/minで引張り試験を行い、それぞれ下記1)、及び2)の剥離強度を測定した。
1)初期の剥離強度は、上記の通り試験を実施した。
2)煮沸試験後の剥離強度は、上記にサイズに切り出した試験片を、沸騰した蒸留水中に1時間浸漬させた後、上記のようにして測定した。
得られたフォトクロミック積層シートを試料とし、これに、(株)浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100を、エアロマスフィルター(コーニング社製)を介して23℃、積層シート表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm2、245nm=24μW/cm2で120秒間照射して発色させ、フォトクロミック積層シートのフォトクロミック特性を測定した。
得られたフォトクロミック積層シートをメタノールで十分に脱脂し、プライマー組成物を、ディップコーティングし、80℃で10分間乾燥させることにより、0.5μmの膜厚を有するプライマーコート層を形成した。このフォトクロミック積層シートを室温まで冷却した後、ハードコート組成物を、ディップコーティングし、110℃で2時間硬化させることにより、0.5μmの膜厚を有するプライマーコート層と2μmの膜厚を有するハードコート層からなるフォトクロミック積層シートを得た。
沸騰した蒸留水中に、試験片であるプライマーコート層及びハードコート層を塗布した積層シートを1時間毎に浸漬した後、該フォトクロミック積層シートを取り出し、水滴を拭き取り、室温で1時間放置した後に、前記密着性と同様にして密着性を評価した。密着性を保持しているフォトクロミック積層シートに関しては、煮沸時間が合計5時間になるまで試験を実施した。評価結果は、ハードコート層の密着性が98/100以上保持している時間で表した。
コーター(テスター産業製)を用いて、ポリカーボネートシート(片面にオレフィン系の保護フィルム付き)上に第二接着層を作製した。第二接着層用塗工液を厚み400μmのポリカーボネートシート上に、塗工速度0.5m/minで塗工し、乾燥温度110℃で3分間乾燥させることにより、膜厚5μmの第二接着層を有するポリカーボネートシートを得た。
表1に示す後処理条件を採用した以外は、実施例1と同様の方法でフォトクロミック積層シートを作製した。その結果を、表2に示す。
表1に示す後処理条件を採用した以外は、実施例2と同様の方法でフォトクロミック積層シートを作製した。その結果を、表2に示す。
Claims (8)
- 1対の光学シート又は光学フィルムの間に、(A)ポリウレタン樹脂、(B)ポリイソシアネート化合物、及び(C)フォトクロミック化合物を含んでなる接着層が接合されてなるフォトクロミック積層シートの製造方法であって、
該フォトクロミック積層シートを形成後に、積フォトクロミック層シート中の気泡を除去する脱気工程、
脱泡工程後の積層シートを90〜130℃の雰囲気下にて加熱する加熱工程、
加熱工程後の積層シートを、40〜90℃、60〜90%RHの雰囲気下にて加湿する加湿工程、及び
加湿工程後の積層シートを、常圧もしくは真空下、40〜100℃の雰囲気下にて乾燥する乾燥工程を有し、
脱気工程、加熱工程、加湿工程、及び乾燥工程における雰囲気温度80℃以上の処理時間を20時間未満とするフォトクロミック積層シートの製造方法。 - 加熱工程における、雰囲気温度、及び処理時間を、
(温度)×(時間)=100〜230℃・hの範囲で行う請求項1記載のフォトクロミック積層シートの製造方法。 - 前記(A)ポリウレタン樹脂が、分子鎖中にウレア結合を有するポリウレタン−ウレア樹脂である、請求項1記載のフォトクロミック積層シートの製造方法。
- 前記(A)ポリウレタン樹脂が、
ピペリジン構造を有するものである請求項3記載のフォトクロミック積層シートの製造方法。 - 前記(A)ポリウレタン樹脂が、
(A1)ポリカーボネートポリオール、及びポリカプロラクトンポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール化合物と、
(A2)分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物と、
(A3)分子内に2つ以上のアミノ基を有するアミノ基含有化合物と、
(A4)分子内に1または2つのイソシアネート基と反応しうる基を有し、かつ、分子内にピペリジン構造を有する機能性付与化合物と、
を反応して得られる樹脂である請求項3記載のフォトクロミック積層シートの製造方法。 - 前記(A)ポリウレタン樹脂を得るに際して使用する成分(A1)、(A2)、(A3)、及び(A4)の量比が、前記成分(A1)に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、前記成分(A2)に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2とし、前記成分(A3)に含まれるアミノ基の総モル数をn3とし、前記成分(A4)に含まれるイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn4としたときに、n1:n2:n3:n4=0.3〜0.89/1.0/0.1〜0.69/0.01〜0.2となる量比である請求項3記載のフォトクロミック積層シートの製造方法。
- 前記(C)フォトクロミック化合物の含有量が、前記(A)ポリウレタン樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部である請求項3記載のフォトクロミック積層シートの製造方法。
- 前記(A)ポリウレタン樹脂100質量部、
前記(B)ポリイソシアネート化合物4〜20質量部、
前記(C)フォトクロミック化合物0.1〜20質量部、および(D)有機溶媒100〜900質量部
を混合した後、乾燥して有機溶媒を除去することを特徴とする請求項1記載のフォトクロミック積層シートの製造方法。
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