JP2012229332A - フォトクロミック重合性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウレタンプレポリマー(A成分)、オキサゾリジン環含有化合物(B成分)、及びフォトクロミック化合物(C成分)を含むフォトクロミック重合性組成物。
【選択図】なし
Description
分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)、
分子内に少なくとも1つのオキサゾリジン環を有するオキサゾリン環含有化合物(B)、及び
フォトクロミック化合物(C)
とを含んでなることを特徴とするフォトクロミック重合性組成物である。
n:o=0.5〜10:1
となる量比とすることが好ましい。
平滑な基材上に有機溶媒を含む前記フォトクロミック重合性組成物を延展せしめた後に、乾燥して有機溶媒(D)を除去し、前記ウレタンプレポリマー(A)、オキサゾリジン環含有化合物(B)、フォトクロミック化合物(C)とを含むフォトクロミック接着シートを準備する工程、及び
互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルムの間に前記フォトクロミック接着シートを介在させて、少なくとも水分の存在下で該2枚の光学シート又は光学フィルムを接合することにより前記積層構造を作製する工程、
を含んでなることを特徴とする方法である。前記フォトクロミック接着シートを介在させて、水の存在下で光学シート又は光学フィルム同士を接合することにより、前記ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基と、オキサゾリジン環含有化合物(B)のオキサゾリジン環との反応(重付加反応)が進行し、強固に光学シート又は光学フィルムを接合することができる。
本発明で使用されるウレタンプレポリマー(A)は、分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである。
(A1)分子内に2つ以上の水酸基を有する数平均分子量400〜3000のポリオール化合物(以下、単にA1成分ともいう。)と、
(A2)分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(以下、単にA2成分ともいう。)
とを反応させて製造することが好ましい。以下、これらの成分について説明する。
A1成分のポリオール化合物は、ウレタンプレポリマー(A)が高架橋体になり過ぎないという理由から分子中に含まれる水酸基数は2〜6であることが好ましい。更に、有機溶剤への溶解性を考慮すれば、該水酸基数は2〜3であることがより好ましい。
A1成分として使用されるポリエーテルポリオールとしては、“分子中に活性水素含有基を2個以上有する化合物”と“アルキレンオキサイド”との反応により得られるポリエーテルポリオール化合物及び該ポリエーテルポリオール化合物の変性体であるポリマーポリオール、ウレタン変性ポリエーテルジポリオール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール等を挙げることが出来る。
A1成分として使用されるポリカーボネートポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−4−ブチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA のエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種類以上ポリオールのホスゲン化より得られるポリカーボネートポリオール、或いはエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、及びジフェニルカーボネートによるエステル交換法により得られるポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
A1成分として使用されるポリカプロラクトンポリオールとしては、ε−カプロラクトンの開環重合により得られる化合物が使用できる。
A1成分として使用されるポリエステルポリオールとしては、“多価アルコール”と“多塩基酸”との縮合反応により得られるポリエステルポリオールなどを挙げることができる。ここで、前記“多価アルコール”としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても構わない。また、前記“多塩基酸”としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても構わない。
本発明でA2成分として使用される“分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物”としては、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、耐候性の観点から、脂肪族ポリイソシアネート化合物、及び脂環式ポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物を使用することが好ましい。また、特に耐候性を向上させる観点から、A2成分のポリイソシアネート化合物の30質量%以上、特に50質量%以上が、脂肪族ポリイソシアネート化合物、及び脂環式ポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物であることが好ましい。最も好ましい態様としては、A2成分の100質量%が、脂肪族ポリイソシアネート化合物、及び脂環式ポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物である。
ジエチレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、オクタメチレン−1,8−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合物、
シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、2,4−メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2,6−メチルシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物、ヘキサヒドロトルエン−2,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,3−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,4−ジイソシアネート、1,9−ジイソシアナト−5−メチルノナン、1,1−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2−イソシアナト−4−[(4−イソシアナトシクロヘキシル)メチル]−1−メチルシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)シクロヘキシルイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート化合物、
フェニルシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)の異性体混合物、トルエン−2,3−ジイソシアネート、トルエン−2,4−字イソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、フェニレン−1,3−ジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、キシリレンジイシシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトメチルベンゼン、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメトキシ(1,1’−ビフェニル)、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、1,2−ジイソシアナトベンゼン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)−2,3,5,6−テトラクロロベンゼン、2−ドデシル−1,3−ジイソシアナトベンゼン、1−イソシアナト−4−[(2−イソシアナトシクロヘキシル)メチル]2−メチルベンゼン、1−イソシアナト−3−[(4−イソシアナトフェニル)メチル)−2−メチルベンゼン、4−[(2−イソシアナトフェニル)オキシ]フェニルイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、2−イソシアナトエチル(2,6−ジイソシアナト)ヘキサノエート、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、及び前記ジイソシアネート化合物の3量体からなるイソシヌレート化合物などのトリイソシアネート化合物を挙げることができる。
A3成分として使用される鎖延長剤は、分子内に2つ以上のイソシアネート基と反応しうる基を有する分子量50〜300の化合物である。なお、鎖延長剤はポリマーではないため、該分子量は、鎖延長剤そのものの分子量を指す。また、イソシアネート基と反応しうる基とは、アミノ基(−NH2基、及び−NH(R)基、Rは置換基)、水酸基(−OH基)、メルカプト基(−SH基:チオール基)、カルボキシル基〔−C(=O)OH基〕、又は酸クロライド基〔−C(=O)OCl基〕である。
本発明で用いるウレタンプレポリマー(A)を合成する際に、分子内に1つのイソシアネート基と反応しうる基を有する反応停止剤(以下、単にA4成分ともいう。)を併用することも可能である。
これらA1成分、A2成分、さらに必要に応じてA3成分、及びA4成分を反応させてA成分を得る場合には、例えば次のような方法によって好適にA成分を得ることができる。
A1成分とA2成分とを反応させてウレタンプレポリマーを得ることができる。必要に応じて、得られたウレタンプレポリマーに残存する末端イソシアネート基と、A3成分、及びA4を反応させることにより、A成分を製造することもできる。
前記方法において反応に使用するA1成分、A2成分、及び必要に応じて使用するA3成分、さらにはA4成分の量比は、適宜決定すればよい。ただし、A成分は、分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有するため、使用する成分によって、その配合量を変える必要がある。得られるフォトクロミック重合性組成物、及び該重合性組成物から得られるフォトクロミック接着シート(層)の耐熱性、接着強度、フォトクロミック特性(発色濃度、退色速度、耐候性など)のバランスの観点から、次のような量比とすることが好ましい。A成分が、A1、及びA2成分から構成される場合、A1、A2、及びA3成分から形成される場合、A1、A2、及びA4成分から形成される場合、又は、A1、A2、A3、及びA4成分から構成される場合について説明する。
A成分が、A1成分、及びA2成分から構成される場合には、各成分の量比は、以下の量比を満足させることが好ましい。具体的には、
前記(A1)成分に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、
前記(A2)成分に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2、
としたときに、n1:n2=0.4〜0.9:1となる量比とすることが好ましい。特に優れた密着性、耐熱性を発揮するためには、0.5〜0.85:1が好ましい。
A成分が、A1成分、A2、及びA3成分から構成される場合には、各成分の量比は、以下の量比を満足させることが好ましい。具体的には、
前記(A1)成分のn1、前記(A2)成分のn2に加え、前記(A3)成分のイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn3としたときに、
n1:n2:n3=0.4〜0.85:1:0.05〜0.5となる量比とすることが好ましい。特に、優れた密着性、耐熱性を発揮するためには、0.45〜0.8:1:0.05〜0.3が好ましい。
A成分が、A1成分、A2、及びA4成分から構成される場合には、各成分の量比は、以下の量比を満足させることが好ましい。具体的には、
前記(A1)成分のn1、前記(A2)成分のn2に加え、前記(A4)成分のイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn4としたときに、
n1:n2:n4=0.4〜0.90:1:0.01〜0.09となる量比とすることが好ましい。特に、優れた密着性、耐熱性、フォトクロミック特性を発揮するためには、0.45〜0.85:1:0.01〜0.07が好ましい。得られるA成分は、分子内に1つのイソシアネート基を有するものであるから、A4成分は、上記範囲内でそれを満足する配合量としなければならない。そのため、A1、A2成分から得られる反応物にA4成分を反応させてA成分を製造する際、該反応物には、少なくともイソシアネート基が分子内に1.5個以上、好ましくは2個以上4個以下存在しなければならない。
n1:n2:n4=0.6〜0.85:1:0.01〜0.07を満足し、かつ
(n2−n1)/5 ≦ n4 ≦(n2−n1)/2
を満足することが好ましい。なお、A4成分を使用した場合、A成分の分子内に含まれるイソシアネート基の数は、各成分の仕込み比、A成分の数平均分子量、イソシアネート基の滴定結果から求めることができる。この場合、イソシアネート基の数は、平均値となる。
A成分が、A1成分、A2、A3及びA4成分から構成される場合には、各成分の量比は、以下の量比を満足させることが好ましい。具体的には、n1:n2:n3:n4=0.3〜0.8:1:0.05〜0.5:0.01〜0.1となる量比とすることが好ましい。特に、優れた密着性、耐熱性、フォトクロミック特性を発揮するためには、n1:n2:n3:n4=0.35〜0.75:1:0.05〜0.3:0.01〜0.08となることが好ましい。この場合も、A4成分を使用するため、A1、A2、及びA3成分から得られる反応物にA4成分を反応させてA成分を製造する際、該反応物には、少なくともイソシアネート基が分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上4以下存在しなければならない。つまり、n4は、残存するイソシアネート基のモル数(n2−n1−n3)の半分以下でなくてはならない。(n4≦(n2−n1−n3)/2 を満足しなければならない)。中でも、耐熱性、密着性、フォトクロミック特性を考慮すると、
n1:n2::n3:n4=0.4〜0.65:1:0.1〜0.3:0.01〜0.08を満足し、かつ、
(n2−n1−n3)/5 ≦ n4 ≦(n2−n1−n3)/2
を満足することが好ましい。この場合も、得られるA成分中のイソシアネート基の数は、平均値で求めることができる。
前記の方法で得られるA成分は、形成される接着層の耐熱性、接着強度、フォトクロミック特性(発色濃度、退色速度、耐候性など)などの観点から、その数平均分子量は、1千〜5万であることが好ましく、さらに1千〜2万であることが好ましく、特に2千〜1万であることが最も好ましい。なお、前記ウレタンポリマーの数平均分子量は、ポリエチレンオキシド換算によるゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)を用いて、カラム:Shodex KD−805、KD−804(昭和電工株式会社製)、溶離液:LiBr(10mmol/L)/DMF溶液、流速:1ml/min、検出器:RI検出器、ウレタンポリマー試料溶液:0.5%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液の条件により測定した数平均分子量である。
B成分は、分子内に1つ以上のオキサゾリジン環を有する化合物(オキサゾリジン環含有化合物)である。該オキサゾリジン環含有化合物は、酸素と窒素を含む飽和5員環の複素環を有する化合物であって、湿気(水)の存在下で開環し、イソシアネート基と反応して硬化するオキサゾリジン環を有する化合物である。具体的には、下記式
分子内に2つ以上のオキサゾリジン環を有する化合物(多環化合物)としては、下記一般式(2)で示されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンと、ポリイソシアネート化合物との反応生成物であることが好ましい。
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ、水素原子、または炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、
R5、R6は、それぞれ単独に、水素または炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、
R7は、炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。)
前記一般式(2)において、R1、R2、R3、及びR4は、水素原子、または炭素数1〜12の1価の炭化水素基である。炭化水素基としては、直鎖状あるいは分岐鎖を有する脂肪族炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基が挙げられる。中でも、原料の入手の容易さ、硬化性のよさから、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
R5、及びR6は、水素原子、または炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。炭化水素基としては、直鎖状あるいは分岐鎖を有する脂肪族炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基が挙げられる。
前記一般式(2)で示されるN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンは、相当するアルデヒドまたはケトンと、N−ヒドロキシアルキルアミンを反応させることにより得られる。
多環化合物(B成分)は、前記N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンとポリイソシアネートを反応することで得られる。
本発明のフォトクロミック重合性組成物において、B成分は、得られるフォトクロミック接着層が、優れた密着性、耐熱性、フォトクロミック特性を発揮するためには、
前記ウレタンプレポリマー(A)に含まれるイソシアネート基の総モル数をnとし、
前記オキサゾリジン環含有化合物(B)に含まれるオキサゾリジン環の総モル数をoとしたときに、
n:o=0.5〜10:1
を満足するように配合されることが好ましい。
n:o=1〜8:1 とすることが好ましく、さらに、
n:o=1.5〜5:1 とすることが最も好ましい。
本発明のフォトクロミック重合性組成物でC成分として用いるフォトクロミック化合物としては、クロメン化合物、フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、スピロピラン化合物などの公知のフォトクロミック化合物を何ら制限なく使用することが出来る。これらは、単独使用でもよく、2種類以上を併用しても良い。
本発明のフォトクロミック重合性組成物におけるC成分の配合量は、フォトクロミック特性の観点から、A成分、及びB成分の合計100質量部に対して0.01〜20質量部とすることが好適である。前記配合量が少なすぎる場合には、十分な発色濃度や耐久性が得られない傾向があり、多すぎる場合には、フォトクロミック化合物の種類にもよるが、A成分とB成分に対しフォトクロミック重合性組成物が溶解しにくくなり、組成物の均一性が低下する傾向があるばかりでなく、接着力(密着力)が低下する傾向もある。発色濃度や耐久性といったフォトクロミック特性を維持したまま、プラスチックフィルムなどの光学基材との密着性を十分に保持するためには、C成分の添加量はA成分、及びB成分の合計100質量部に対して、0.5〜10質量部、特に1〜5質量部とすることがより好ましい。
本発明のフォトクロミック重合性組成物に有機溶媒を配合することにより、ウレタンプレポリマー(A)、オキサゾリジン環含有化合物(B成分)、フォトクロミック化合物(C成分)、及びその他の成分が混合しやすくなる。その結果、フォトクロミック重合性組成物の均一性を向上させることができる。さらに、有機溶媒を使用することにより、フォトクロミック重合性組成物の粘度を適度に調製することができる。そして、光学シート又はフィルムに本発明のフォトクロミック重合性組成物を塗布するときの操作性および塗布膜の厚みの均一性を高くすることもできる。
本発明のフォトクロミック重合性組成物に水を配合することにより、オキサゾリジン環含有化合物(B)を開環させ、塗膜時のウレタンプレポリマー(A)とオキサゾリジン環含有化合物(B)との反応を容易に進行させることができる。
本発明のフォトクロミック重合性組成物には、分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を配合することも可能である。該イソシアネート化合物としては、公知のイソシアネート化合物を何ら制限なく使用することができる。これらは、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
さらに、本発明で使用するフォトクロミック重合性組成物には、フォトクロミック化合物の耐久性の向上、発色速度の向上、退色速度の向上や製膜性のために、界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料、可塑剤等の添加剤を添加しても良い。添加するこれら添加剤としては、公知の化合物が何ら制限なく使用される。
本発明のフォトクロミック重合性組成物は、前記A成分、B成分、C成分、及びその他の成分を混合することにより製造できる。各成分を混合する順序は、特に制限されるものではない。
本発明の光学物品は、互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルムが本発明のフォトクロミック重合性組成物からなる接着層を介して接合されてなる積層構造を含んでなる。このような光学物品としては、
前記積層構造のみからなるフォトクロミック積層シート又はフィルム(以下、単に、本発明の積層体ともいう。);
これら積層体に光学シート又はフィルムを更に積層したり、表面にハードコート層などのコート層を形成したりした複合積層体;
これら積層体、及び複合積層体をプラスチックレンズ本体などの光学基材と一体化した光学物品
などを挙げることができる。プラスチックレンズ本体などの光学基材と一体化する方法としては、たとえば、前記本発明の積層体を金型内に装着した後にポリカーボネート樹脂などの光学基材(たとえばレンズ本体)を構成するための熱可塑性樹脂を射出成形する方法(以下、単に射出成形法ともいう。)、光学基材の表面に接着剤などにより前記本発明の積層体等を貼付する方法、積層体を重合性モノマー中に埋設し、重合性モノマーを重合する方法などを挙げることができる。以下、本発明の光学物品を構成するこれら材料或いは部材について説明する。
本発明において、光学シート、及び光学フィルムとしては、光透過性を有するシート、及びフィルムが特に制限なく使用できるが、入手の容易性および加工のし易さなどの観点から樹脂製のものを使用することが好適である。光学シート、及び光学フィルムの原料として好適な樹脂を例示すれば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。その中でも、密着性が良好で射出成形法に対する適用性が高いという理由からポリカーボネート樹脂が特に好ましい。また、偏光フィルム(例えば、ポリビニルアルコール製の偏光フィルムをトリアセチルセルロース樹脂フィルムではさんだもの)も、本発明の光学フィルムとして使用することが可能である。
本発明の積層体は、互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルムを本発明のフォトクロミック重合性組成物からなる接着層(シート)を介して接合させることにより製造される。なお、前記接着層の厚さは、フォトクロミック化合物の発色濃度、耐候性および接着強度などの観点から、5〜100μm、特に10〜50μmとすることが好ましい。
前記フォトクロミック積層シートは、少なくともその一方の面に、光学基材を接合して使用することが好ましい。該光学基材としては、上述のようなポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。この場合、射出成型・熱圧着により、熱可塑性樹脂をフォトクロミック積層体上に積層することができる。本発明のフォトクロミック重合性組成物よりなる接着シートは、密着性、耐熱性が向上しているため、このような方法でフォトクロミックレンズを製造する場合に好適に使用できる。
PL1:旭化成ケミカルズ株式会社製デュラノール(1,5−ペンタンジオールとヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートジオール、数平均分子量800)。
PL2:旭硝子株式会社製ポリプロピレンジオール(数平均分子量700)
(A2成分;ポリイソシアネート化合物)
NCO1:イソホロンジイソシアネート。
NCO2:4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)。
NCO3:トルエン−2,4−ジイソシアネート。
CE1:イソホロンジアミン。
S1;1−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン。
OX1;N−ヒドロキシエチル−2−エチルオキサゾリジン2モルとイソホロンジイソシアネート1モルの反応により得られた多環化合物。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、N−ヒドロキシエチル−2−エチルオキサゾリジン2モル(262g)、イソホロンジイソシアネート1モル(222g)を仕込み、窒素雰囲気下、80℃で8時間反応させ、下記式で示されるOX1を得た。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、N−ヒドロキシエチル−2−フェニルオキサゾリジン2モル(358g)、イソホロンジイソシアネート1モル(222g)を仕込み、窒素雰囲気下、80℃で8時間反応させ、下記式で示されるOX2を得た。
PC1:下記式で示される化合物。
D1:THF(テトラヒドロフラン)。
D2:トルエン。
D3:酢酸エチル。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、数平均分子量800のポリカーボネートポリオール(PL1)216g、イソホロンジイソシアネート(NCO1)100gを仕込み、窒素雰囲気下、80℃で6時間反応させ、ウレタンプレポリマー(U1)を得た。得られたウレタンプレポリマー(U1)の数平均分子量は、ポリオキシエチレン換算で1,800(理論値;1,700)であった。ここで言う数平均分子量の理論値とは、原料に用いたA1成分、A2成分が、架橋することなく理論的に直線状にウレタンプレポリマーを生成した場合の分子量のことである。また、得られた(U1)のイソシアネート基を定量したところ、1分子内に平均2個のイソシアネート基を有するものであることを確認した。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、数平均分子量800のポリカーボネートポリオール(PL1)216g、イソホロンジイソシアネート(NCO1)100gを仕込み、窒素雰囲気下、80℃で6時間反応させた。その後、THF500mlを加えた後、窒素雰囲気下でイソホロンジアミン(CE1)7.7gを滴下しながら加え、滴下終了後25℃で1時間反応させ、溶媒を減圧留去することで、ウレタンプレポリマー(U2)を合成した。得られたウレタンプレポリマー(U2)の数平均分子量は、ポリオキシエチレン換算で3千(理論値;2千)であった。また、分子内のイソシアネート基の数は、平均2個であった。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、数平均分子量800のポリカーボネートポリオール(PL1)216g、イソホロンジイソシアネート(NCO1)100gを仕込み、窒素雰囲気下、80℃で6時間反応させた。その後、THF500mlを加えた後、窒素雰囲気下で、イソホロンジアミン(CE1)7.7gを滴下しながら加え、滴下終了後25℃で1時間反応させ、その後1−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン(S1)7.7gを加え、25℃にて1時間反応させ、溶媒を減圧留去することで、ウレタンプレポリマー(U3)を得た。得られたウレタンプレポリマー(U3)の数平均分子量は、ポリオキシエチレン換算で4千(理論値;3千)であった。また、分子内のイソシアネート基の数は、平均1.3であった。
表1に示すポリオール化合物(A1成分)、ポリイソシアネート化合物(A2成分)、鎖延長剤(A3成分)、反応停止剤、及び反応溶媒を用い、表1に示す反応条件を用いた以外は、前述のU1〜U3の合成方法と同様にして、U4〜U11の合成を実施した。得られたウレタンプレポリマーの配合割合、合成条件、数平均分子量、及びイソシアネート基の数の結果を表1、及び表2にまとめた
(フォトクロミック重合性組成物の調製)
ウレタンプレポリマー(U1)4.35gに、有機溶剤としてTHF11.5gを添加し、攪拌して溶解した。ウレタンプレポリマー(U1)が溶解したのを確認後、室温まで冷却し、フォトクロミック化合物(PC1)0.25g、オキサゾリジン含有化合物(OX1)0.65gを加え、攪拌混合してフォトクロミック重合性組成物を得た。このフォトクロミック重合性組成物の保存安定性を評価したところ、下記評価方法の1であった。
(保存安定性)
得られたフォトクロミック重合性組成物を、ガラス製の容器に窒素を封入して密閉し、25℃で1ヶ月間放置した後の分子量を測定することで、保存安定性の評価を行った。評価基準は、以下に示す1〜3段階の評価で実施した。
1;保存開始時の分子量と比較して、1.0〜1.2倍以下の分子量である。
2;保存開始時の分子量と比較して、1.3〜2.0倍以下の分子量である。
3;保存開始時の分子量と比較して、2.1倍以上の分子量である。
得られたフォトクロミック重合性組成物を、PET製フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製ピューレックスフィルム、シリコン塗膜付)に塗布し、湿気の存在下(23℃、湿度50%)の実験室において、50℃で30分乾燥させ、厚み約40μmのフォトクロミック接着シートを得た。次いで、得られたフォトクロミック接着シートを、厚み400μmのポリカーボネートシート2枚の間に挟み、40℃で24時間静置した後、さらに110℃で60分加熱処理することにより、目的のフォトクロミック特性を有する積層体を得た。
(剥離強度)
得られた積層体を、25×100mmの接着部分を有する試験片とし、試験機(オートグラフAG5000D、島津製作所製)に装着し、クロスヘッドスピード100mm/minで引張り試験を行い、剥離強度を測定した。試験片として用いたフォトクロミック積層体は、煮沸試験前後のものである。なお、煮沸試験のフォトクロミック積層体とは、フォトクロミック積層体を煮沸した湯の中に1時間放置したものを指す。
得られたフォトクロミック積層体を、直径65mmの円形に切断し、下記に示す各種重合性モノマー組成物中に12時間室温で浸漬させた後、フォトクロミック積層体の外観を目視により評価した。さらに、フォトクロミック化合物の溶出量に関しては、高速液体クロマトグラフィーを用いて定量した。評価基準は、下記に示す通り、1〜4の4段階評価で実施した。
1;フォトクロミック積層体の端から0.2mm以下の部分で、少なくとも一部にウレタン樹脂、及びフォトクロミック化合物の溶出が見られるが、光学シートとフォトクロミック接着剤層間の剥離は見られない。フォトクロミック化合物の溶出量は、フォトクロミック積層体全体含まれる量のうち、0.5wt%以下であった。
2;フォトクロミック積層体の端から0.5mm以下の部分で、少なくとも一部にウレタン樹脂、及びフォトクロミック化合物の溶出が見られるが、光学シートとフォトクロミック接着剤層間の剥離は見られない。フォトクロミック化合物の溶出量は、フォトクロミック積層体全体含まれる量のうち、1.0wt%以下であった。
3;フォトクロミック積層体の端から1.0mm未満の部分で、少なくとも一部にウレタン樹脂、及びフォトクロミック化合物の溶出が見られるが、光学シートとフォトクロミック接着剤層間の剥離は見られない。フォトクロミック化合物の溶出量は、フォトクロミック積層体全体含まれる量のうち、2.0wt%未満であった。
4;フォトクロミック積層体の端から1.0mm以上の部分で、少なくとも一部にウレタン樹脂、及びフォトクロミック化合物の溶出が見られ、さらに光学シートとフォトクロミック接着剤層間の剥離が見られる。フォトクロミック化合物の溶出量は、フォトクロミック積層体全体含まれる量のうち、2.0wt%以上であった。
Z1(アクリレートモノマー組成物);トリメチロールプロパントリメタクリレート20質量部、平均分子量522のポリエチレングリコールジアクリレート40質量部、及びウレタンアクリレート(ダイセル化学工業製EBECRYL4858)40質量部の混合物。
Z2(アリルモノマー組成物);ジエチレングリコールビスアリルカーボネート。
Z3(チオウレタン系モノマー組成物);ジシクロヘキシルメタン−4 ,4 ’−ジイソシアネート100質量部、及び1,2−ビス〔(2−メルカプトエチル)チオ〕−3−メルカプトプロパン63.0質量部の混合物。
Z4(ウレタン系モノマー組成物);アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールからなる数平均分子量1000のポリエステルポリオール 100質量部、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物78質量部、及び芳香族ジアミン硬化剤としての2,4−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン/2,6−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン17質量部の混合物。
Z5(チオエポキシ系モノマー組成);ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン95質量部、2−メルカプトエタノール5質量部の混合物。
次いで、得られたフォトクロミック積層体を、直径65mmの円形に裁断し、ガスケットを有するガラスモールド内(0.00D、レンズ径70mm、肉厚3.0mmに設定)に設置し、該ガラスモールド内に設置した積層体の上下に、熱硬化性組成物として準備した、重合開始剤としてのジイソプロピルパーオキシジカーボネート3重量部とジエチレングリコールビスアリルカーボネート100重量部の混合物を充填した。
(フォトクロミック特性)
得られたフォトクロミックレンズを試料とし、これに、(株)浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100を、エアロマスフィルター(コーニング社製)を介して23℃、積層体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm2、245nm=24μW/cm2で120秒間照射して発色させ、フォトクロミックレンズのフォトクロミック特性を測定した。
得られたフォトクロミックレンズを目視により評価した。評価基準は、下記に示す通り、1〜4の4段階評価で実施した。
1;フォトクロミック積層体の端から0.2mm以下の部分で、少なくとも一部にウレタン樹脂、及びフォトクロミック化合物の溶出が見られるが、「光学シートとフォトクロミック接着剤層間」、及び「光学シートと熱硬化性樹脂間」のいずれにおいても剥離は見られない。
2;フォトクロミック積層体の端から0.5mm以下の部分で、少なくとも一部にウレタン樹脂、及びフォトクロミック化合物の溶出が見られるが、「光学シートとフォトクロミック接着剤層間」、及び「光学シートと熱硬化性樹脂間」のいずれにおいても剥離は見られない。
3;フォトクロミック積層体の端から1.0mm未満の部分で、少なくとも一部にウレタン樹脂、及びフォトクロミック化合物の溶出が見られるが、「光学シートとフォトクロミック接着剤層間」、及び「光学シートと熱硬化性樹脂間」のいずれにおいても剥離は見られない。
4;フォトクロミック積層体の端から1.0mm以上の部分で、少なくとも一部にウレタン樹脂、及びフォトクロミック化合物の溶出が見られ、さらに「光学シートとフォトクロミック接着剤層間」、及び「光学シートと熱硬化性樹脂間」のいずれかにおいて剥離が見られる。
表3に示すウレタンプレポリマー(A)、オキサゾリジン環含有化合物(B成分)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でフォトクロミック重合性組成物を調製した。なお、実施例1と同じく、フォトクロミック化合物(PC1)をウレタンプレポリマー(A)とオキサゾリジン環含有化合物(B成分)の総質量に対して5質量部(実使用量0.25g)、及び有機溶剤(D成分)を配合した。また、得られたフォトクロミック重合性組成物を使用して、実施例1と同様の方法でフォトクロミック積層体を作製し、さらにフォトクロミックレンズを作製した。それらの得られた各種フォトクロミック積層体、及びフォトクロミックレンズの評価結果を表3、及び表4に示した。
表1に示すウレタンポリマーを用いた以外は、実施例1と同様の方法でフォトクロミック重合性組成物を調製した。なお、なお、実施例1と同じく、フォトクロミック化合物(PC1)を、ウレタンプレポリマー(A)とオキサゾリジン環含有化合物(B成分)との総質量に対して5質量部(実使用量0.25g)、及び有機溶剤(D成分)を配合した。また、得られたフォトクロミック重合性組成物を使用して、実施例1と同様の方法でフォトクロミック積層体を作製し、さらにフォトクロミックレンズを作製した。それらの得られた各種フォトクロミック積層体、及びフォトクロミックレンズの評価結果を表3、及び表4に示した。
以下の方法により、分子鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(U13−a)、及び分子鎖の末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(U13−b)を合成した。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、数平均分子量700のポリオール化合物(PL2:ポリプロピレングリコール)211g、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(NCO2)118gを仕込み、窒素雰囲気下、80℃で9時間反応させ、末端にNCO基を有するウレタンプレポリマー(U13−a)を得た。ウレタンプレポリマー(U13−a)の数平均分子量は、ポリオキシエチレン換算で2,200(理論値;2,200)であった。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、数平均分子量700のポリオール化合物(PL2:ポリプロピレングリコール)241g、トルエン−2,4−ジイソシアネート(NCO3)30gを仕込み、窒素雰囲気下、80℃で9時間反応させ、末端にOH基を有するウレタンプレポリマー(U13−b)を得た。ウレタンプレポリマー(U13−b)の数平均分子量は、ポリオキシエチレン換算で1,600(理論値;1,600)であった。
以下の方法により、分子鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(U14−a)、及び分子鎖の末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(U14−b)を合成した。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、数平均分子量800のポリオール化合物(PL1:ポリカーボネートジオール)289g、イソホロンジイソシアネート(NCO1)120gを仕込み、窒素雰囲気下、80℃で9時間反応させ、末端にNCO基を有するウレタンプレポリマー(U14−a)を得た。ウレタンプレポリマー(U14−a)の数平均分子量は、ポリオキシエチレン換算で2,300(理論値;2,300)であった。
撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、数平均分子量800のポリオール化合物(PL1:ポリカーボネートジオール)276g、トルエン−2,4−ジイソシアネート(NCO3)30gを仕込み、窒素雰囲気下、80℃で9時間反応させ、末端にOH基を有するウレタンプレポリマー(U14−b)を得た。ウレタンプレポリマー(U14−b)の数平均分子量は、ポリオキシエチレン換算で1,800(理論値;1,800)であった。
Claims (11)
- 分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)、
分子内に少なくとも1つのオキサゾリジン環を有するオキサゾリン環含有化合物(B)、及び
フォトクロミック化合物(C)
とを含んでなることを特徴とするフォトクロミック重合性組成物。 - 前記ウレタンプレポリマー(A)に含まれるイソシアネート基の総モル数をnとし、
前記オキサゾリジン環含有化合物(B)に含まれるオキサゾリジン環の総モル数をoとしたときに、
n:o=0.5〜10:1
となる量比である請求項1に記載のフォトクロミック重合性組成物。 - 前記ウレタンプレポリマー(A)が、
分子内に2つ以上の水酸基を有する数平均分子量400〜3000のポリオール化合物(A1)と、
分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A2)とを反応して得られるウレタンプレポリマーであって、
前記(A1)成分に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、
前記(A2)成分に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2、
としたときに、
n1:n2=0.4〜0.9:1となる量比で反応させたものである請求項1に記載のフォトクロミック重合性組成物。 - 前記ウレタンプレポリマー(A)が、
分子内に2つ以上の水酸基を有する数平均分子量400〜3000のポリオール化合物(A1)と、
分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A2)と、
分子内に2つ以上のイソシアネート基と反応しうる基を有する分子量50〜300の鎖延長剤(A3)とを反応して得られるウレタンプレポリマーであって、
前記(A1)成分に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、
前記(A2)成分に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2、
前記(A3)成分に含まれるイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn3としたときに、
n1:n2:n3=0.4〜0.85:1:0.05〜0.5となる量比で反応させたものである請求項1に記載のフォトクロミック重合性組成物。 - 前記ウレタンプレポリマー(A)が、
分子内に2つ以上の水酸基を有する数平均分子量400〜3000のポリオール化合物(A1)と、
分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A2)と、
分子内にピペリジン構造を有し、かつ1つのイソシアネート基と反応しうる基を有する反応停止剤(A4)とを反応して得られるウレタンプレポリマーであって、
前記(A1)成分に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、
前記(A2)成分に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2、
前記(A4)成分に含まれるイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn4としたときに、
n1:n2:n4=0.4〜0.90:1:0.01〜0.09となる量比で反応させたものである請求項1に記載のフォトクロミック重合性組成物。 - 前記ウレタンプレポリマー(A)が、
分子内に2つ以上の水酸基を有する数平均分子量400〜3000のポリオール化合物(A1)と、
分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A2)と、
分子内に2つ以上のイソシアネート基と反応しうる基を有する分子量50〜300の鎖延長剤(A3)と、
分子内にピペリジン構造を有し、かつ1つのイソシアネート基と反応しうる基を有する反応停止剤(A4)とを反応して得られるウレタンプレポリマーであって、
前記(A1)成分に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、
前記(A2)成分に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2、
前記(A3)成分に含まれるイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn3、
前記(A4)成分に含まれるイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn4としたときに、
n1:n2:n3:n4=0.3〜0.8:1:0.05〜0.5:0.01〜0.1となる量比で反応させたものである請求項1に記載のフォトクロミック重合性組成物。 - 前記ウレタンプレポリマー(A)、及び前記オキサゾリジン環含有化合物(B)の合計100質量部に対して、
前記フォトクロミック化合物(C)を0.1〜20質量部含む請求項1に記載のフォトクロミック重合性組成物。 - 前記ウレタンプレポリマー(A)、及び前記オキサゾリジン環含有化合物(B)の合計100質量部に対して、さらに有機溶媒(D)を5〜900質量部含む請求項7に記載のフォトクロミック重合性組成物。
- 互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルムが請求項1に記載のフォトクロミック重合性組成物から得られる接着層を介して接合されてなる積層構造を含んでなる光学物品。
- 前記積層構造における、互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルムの少なくとも一方が、ポリカーボネート樹脂よりなることを特徴とする請求項9に記載の光学物品。
- 請求項9に記載の光学物品を製造する方法であって、
平滑な基材上に請求項8に記載のフォトクロミック重合性組成物を延展せしめた後に、乾燥して有機溶媒(D)を除去し、ウレタンプレポリマー(A)と、オキサゾリジン環含有化合物(B)と、フォトクロミック化合物(C)とを含むフォトクロミック性接着シートを準備する工程、及び
互いに対向する2枚の光学シート又は光学フィルムの間に前記フォトクロミック接着性シートを介在させて、水の存在下で該2枚の光学シート又は光学フィルムを接合することにより前記積層構造を作製する工程、
を含んでなることを特徴とする方法。
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