JP2016160429A - 難燃性ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明におけるジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、鎖状脂肪族カルボン酸、脂環式ジカルボン酸等の種々のジカルボン酸成分を用いることができる。その中でもポリエステル組成物の機械的特性、耐熱性、耐加水分解性の観点から、芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。特には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が重合性、機械的特性から好ましい。
リン化合物飛散率(wt%)=(P1−P2)/P1・・・式1
(P1:リン化合物のリン元素換算での添加量、P2:得られる難燃性ポリエステル中のリン元素換算での含有量)
リン化合物の飛散率が10wt%以下であると、ポリエステル反応系外に排出されるリン化合物が少なくなるので、製造コスト面で優位である。また、重縮合反応工程で排出されるエチレングリコールを回収して再利用する場合には、重縮合反応を阻害するリン元素の残存量が少ないので、より高純度のエチレングリコールとして回収できる利点があるため好ましい。リン化合物飛散率は、さらに好ましくは8wt%以下であり、特に好ましくは6wt%以下である。
試料0.8gをオルソクロロフェノール10mlに完全溶解させ、25℃で測定した。
示差走査熱量計(TAInstruments社製DSC2200(Differential Scanning Calorimeter)を用いて、20℃/分の昇温速度で280℃まで昇温した試料を0℃に冷却した試験管中で急冷し、非晶状態にした試料をさらに20℃/分の昇温速度で昇温し、JIS K7121に準じて融解ピークを測定し、その融解ピークの頂点の温度を融点とした。また、以下の基準で判定した。
230℃以上:合格
230℃未満:不合格 。
試料7gを溶融し板状に成形し、蛍光X線分析(理学電気社製蛍光X線分析装置3270型)により強度を測定して、既知含有量のサンプルで予め作成した検量線を用いて、リン元素含有量とした。
下記式1でリン化合物飛散率を算出し、以下の基準で判定した。
リン化合物飛散率(wt%)=(P1−P2)/P1・・・式1
(P1:リン化合物のリン元素換算での添加量、P2:得られる難燃性ポリエステル中のリン元素換算での含有量)
10wt%以下:合格
10wt%超 :不合格 。
後述する方法にて延伸糸を得た後、タテ25本/インチ、ヨコ20本/インチの密度で布帛を作製し、この筒編み地をJIS L1091 A−1法に従い3秒以上の残炎有無を32回測定し、3秒超残炎率として以下の基準で判定した。
10%未満 :◎ 合格 極めて良好
10以上15%未満:○ 合格
15%以上 :× 不合格 。
試料をモノメタノールアミンで加水分解後、1,6−ヘキサンジオール/メタノールで希釈し、テレフタル酸で中和した後、ガスクロマトグラフィーのピーク面積から求めた。また、ポリエステル組成物中のジエチレングリコール量として以下の基準で判定した。
3.0wt%以下:合格
3.0wt%超 :不合格 。
延伸糸を長さ100m採取して重量(g)を測定し、その重量を100倍し、同様に測定して得た3回の値の平均値を繊度とした。
延伸糸をオリエンテックス社製テンシロン引張試験機を用い、初期試料長20cm、引張速度2cm/分にて破断した際の強度、伸度を測定し、それぞれ連続して5回測定した値の平均値を強度(cN/dtex)、伸度(%)とした。
(重縮合方法)
ビスヒドロキシエチルテレフタレートが1950重量部仕込まれた温度245℃に保持されたエステル化反応槽にテレフタル酸1100重量部とエチレングリコール480重量部のスラリーを3時間かけて供給し、エステル化反応時に発生する水を反応系外に留去しながらエステル化反応を行った。反応の後の低重合体のうち1300重量部を重縮合反応槽に移送した。
得られたペレットをエクストルーダー紡糸機を用い300℃で溶融後ポンプによる計量を行い、紡糸温度300℃を保持したまま口金に流入させた。口金から吐出された糸条は、空冷装置により冷却、油剤付与後、そのまま引取ロールで引き取り、次いで6倍に延伸した後に巻き取り、1840dtex−144フィラメント、強度7.1cN/dtex、伸度20.0%の難燃性ポリエステル延伸糸を得た。難燃性(3秒超残炎率)は10%未満で極めて良好であった。
リン化合物とエチレングリコールのスラリーについて、スラリーに対するリン化合物の濃度を10wt%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で難燃性ポリエステル組成物を得た。リン化合物飛散率は実施例1に比べて低く抑えることができた。一方、エチレングリコールの添加量が多くなったことで、エチレングリコールの副生物であるジエチレングリコールの発生量が実施例1に比べてやや多かった問題なく、また繊維物性や難燃性も良好であった。
リン化合物とエチレングリコールのスラリーについて、スラリーに対するリン化合物の濃度を50wt%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で難燃性ポリエステル組成物を得た。リン化合物飛散率は実施例1に比べてやや高いものの、エチレングリコールの添加量が少なかった関係で、エチレングリコールの副生物であるジエチレングリコールの発生量は少なく、また繊維物性や難燃性も良好であった。
リン化合物とエチレングリコールのスラリーについて、比較例1はスラリーに対するリン化合物の濃度を5wt%に、比較例2はスラリーに対するリン化合物の濃度を55wt%にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様の方法で難燃性ポリエステル組成物を得た。比較例1はリン化合物飛散率は低いが、エチレングリコールの副生物であるジエチレングリコールの発生量が多く、比較例2はジエチレングリコールの発生量は少ないが、リン化合物飛散率が高く、いずれも不良であった。
リン化合物を添加する際にスラリーではなく、エチレングリコールとの溶液にして添加した以外は実施例1と同様の方法で難燃性ポリエステル組成物を得た。結果は副生物であるジエチレングリコールの発生量が多く、またリン化合物飛散率も高く、不良であった。
実施例4はリン化合物とエチレングリコールのスラリー添加時期を反応開始の80分前、比較例4は110分前にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様の方法で難燃性ポリエステル組成物を得た。実施例4は実施例1に比べてジエチレングリコールの発生量がやや多かったものの、繊維物性や難燃性は良好であった。一方、比較例4はジエチレングリコールの発生量が多く、これによりポリエステルの融点が低下し、不良であった。
リン化合物の共重合量を、実施例5はリン元素換算で0.30wt%、実施例6は0.75wt%、実施例7は1.10wt%にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様の方法で難燃性ポリエステル組成物を得た。実施例5は、3秒超残炎率が実施例1に比べてやや高いものの、難燃性としては満足するものであった。実施例6は、リン化合物飛散率が実施例1に比べてやや高いものの、難燃性は十分であり、繊維物性も良好であった。
リン化合物の共重合量を、比較例5はリン元素換算で0.20wt%、比較例6は1.25wt%にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様の方法で難燃性ポリエステル組成物を得た。比較例5は、リン化合物の共重合量を少なくしたことで難燃性が低下し、不良であった。比較例6は、リン化合物飛散率が高く、また重縮合反応性についても著しく低下し、不良であった。
リン化合物とエチレングリコールとのスラリー調製時期について、実施例8は重縮合反応系内へのスラリー添加を開始する前の90分前にスラリーを調製し、実施例9は120分前にスラリーを調整した以外は実施例1と同様の方法で難燃性ポリエステル組成物を得た。実施例8および実施例9ともに、ジエチレングリコールの発生量が実施例1に比べてやや多かったものの、繊維物性や難燃性は良好であった。
リン化合物の種類を、常温常圧下で液体状態の溶液である2−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−イル)−メチルコハク酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)−エステルに変更し、実施例1に記載のリン化合物とエチレングリコールのスラリーの代わりに重縮合反応系内へ添加した以外は実施例1と同様の方法で難燃性ポリエステル組成物を得た。ポリエステル製造時のリン化合物の飛散率が高く、また難燃性も、不良であった。
Claims (3)
- 式(1)で示されるリン化合物が、2−カルボキシエチル(フェニル)ホスフィン酸であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリエステル組成物の製造方法。
- 式(1)で示されるリン化合物とエチレングリコールのスラリーを重縮合反応系へ添加を開始する前の90分以内に調製することを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性ポリエステル組成物の製造方法。
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