JP2016157925A - 電子部品用積層配線膜および被覆層形成用スパッタリングターゲット材 - Google Patents

電子部品用積層配線膜および被覆層形成用スパッタリングターゲット材 Download PDF

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Abstract

【課題】 密着性、耐候性、耐酸化性を確保するとともに、安定して高精度のウェットエッチングを行なうことが可能となる新規な被覆層を有する電子部品用積層配線膜および被覆層形成用スパッタリングターゲット材を提供する。【解決手段】 AgまたはAg合金からなる導電層と該導電層の少なくとも一方の面を覆う被覆層からなり、該被覆層はMnを1〜25原子%、Moを4〜40原子%含有し、前記Mnと前記Moと、CuまたはFeから選択される一種以上の元素とを合計で60原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなる電子部品用積層配線膜、および前記被覆層はMnを1〜25原子%、Moを4〜40原子%含有し、前記Mnと前記Moと、CuまたはFeから選択される一種以上の元素とを合計で60原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、キュリー点が常温以下であるスパッタリングターゲット材で形成できる。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、タッチパネル等に適用可能な電子部品用積層配線膜、およびこの電子部品用積層配線膜の導電層を覆う被覆層を形成するためのスパッタリングターゲット材に関するものである。
近年、ガラス基板上に薄膜デバイスを形成する液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:以下、「LCD」という)、有機ELディスプレイや電子ペーパー等に利用される電気泳動型ディスプレイ等の平面表示装置(フラットパネルディスプレイ、Flat Panel Display:以下、「FPD」という)に、その画面を見ながら直接的な操作性を付与できるタッチパネルを組み合わせた新たな携帯型端末であるスマートフォンやタブレットPC等の製品化がされている。これらのタッチパネルの位置検出電極としてのセンサー膜には、一般的に透明導電膜であるインジウム−スズ酸化物(Indium Tin Oxide:以下、「ITO」という)が用いられている。そして、そのブリッジ配線や引き出し配線には、より低い電気抵抗値(以下、低抵抗という。)を有する金属配線膜として、例えば、MoやMo合金とAlやAl合金を積層した積層配線膜が用いられている。
近年、スマートフォンやタブレットPC等に用いられるLCDやFPD等は、年々大画面化、高精細化、高速応答化が急速に進んでおり、そのセンサー膜および金属配線膜には、さらなる低抵抗化が要求されている。このため、センサー膜をITOより低抵抗な金属層をメッシュ状にした金属メッシュ膜方式等も提案されている。
この金属メッシュ膜には、Alより低抵抗なCuやAgの適用が検討されているところ、Cuは、耐酸化性や密着性に加え、耐候性の一つである耐湿性に課題があるため取り扱いが難しいという問題がある。一方、Agは、Cuに比べて高価であるところ、Cuよりも耐酸化性や耐湿性に優れるため有望である。ところが、Agは、基板との密着性が低く剥がれやすく、さらに塩素や硫黄と反応しやすいため、耐候性に課題がある。このため、密着性や耐候性というAg特有の課題を解決するために、Agを他の金属からなる被覆層で被覆する提案がなされている。
また、タッチパネルの基板は、スマートフォンやタブレットPC等の薄型化のために、ガラス基板からより薄型化が可能な樹脂フィルム基板を用いた方式も用いられており、上記被覆層には樹脂フィルム基板との密着性も必要となっている。
上述の金属配線膜や被覆層を形成する手法としては、スパッタリングターゲット材を用いたスパッタリング法が最適である。スパッタリング法は、物理蒸着法の一つであり、他の真空蒸着やイオンプレーティングに比較して、大面積を容易に成膜できる方法であるとともに、組成変動が少なく、優れた薄膜層が得られる有効な手法である。また、基板への熱影響も少なく、樹脂フィルム基板にも適用可能な手法である。
本発明者は、ガラス等との密着性の低いCuやAgからなる導電層と、Mo主体としてVおよび/またはNbを含有するMo合金からなる被覆層とを積層した積層配線膜とすることで、CuやAgの持つ低抵抗を維持しつつ、耐食性、耐熱性やガラス基板との密着性を改善できることを提案している。(特許文献1参照)。この技術は、ガラス基板上に形成されるTFTの配線膜として有効な技術である。
また、本発明者は、AgやCuからなる導電層に、Cuを1〜25原子%、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wから選択される元素を1〜25原子%、且つ添加量の合計が35原子%以下のNi合金からなる被覆層とを積層した積層配線膜を提案している。(特許文献2参照。)この特許文献2で提案した被覆層は、Ti、V、Cr等の遷移金属を所定量添加したNi合金を採用することで、弱磁性化が達成され、スパッタリングによる成膜が安定的かつ長時間できるという点で有用な技術である。
特開2004−140319号公報 特開2006−310814号公報
上述したように、近年のFPDは、高精細化が急速に進んでいるため、タッチパネルにおいても、より狭い配線幅で精度良くエッチング加工することが望まれている。
しかしながら、Agは、精度の高いエッチング法であるドライエッチングを行なうことが容易ではないため、主にウェットエッチングが用いられている。また、樹脂フィルム基板は、透湿性があるため、Agの導電層と積層する被覆層には、ガラス基板上に形成する際よりも高い耐候性が求められている。
本発明者の検討によると、特許文献1に開示されるAgからなる導電層とMo合金からなる被覆層を積層した積層配線膜では、樹脂フィルム基板上で腐食する場合があることを確認した。本発明者は、導電層のAgの電極電位が高いため、電極電位が低いMoや上述したMo合金と積層すると、透湿性のある樹脂フィルム基板において、電池反応により、MoやMo合金が腐食しやすくなり、長期間での信頼性に課題があることを確認した。
また、本発明者は、被覆層に、Moより電極電位がAgに近いNi合金を用いた積層配線膜をウェットエッチングした場合には、基板面内で被覆層のエッチングが不均一となり、ムラが発生しやすく、配線幅にばらつきが生じる場合や、サイドエッチング量が大きくなる場合があり、今後期待される狭い幅の配線膜を安定的に得ることが難しいという新たな課題があることを確認した。
本発明の目的は、低抵抗なAgまたはAg合金を導電層とし、密着性、耐候性、耐酸化性を確保するとともに、安定して高精度のウェットエッチングを行なうことが可能となる新規な被覆層を有する電子部品用積層配線膜および被覆層形成用スパッタリングターゲット材を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み、低抵抗なAgまたはAg合金からなる導電層と積層する被覆層の合金組成に関して鋭意検討した。その結果、NiにMn、Mo、CuおよびFeという特定の元素を添加し、その添加量を最適化することで、密着性、耐候性、耐酸化性を確保するとともに、安定して高精度のウェットエッチングを行なうことが可能となる新規な被覆層を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、AgまたはAg合金からなる導電層と該導電層の少なくとも一方の面を覆う被覆層からなり、該被覆層はMnを1〜25原子%、Moを4〜40原子%含有し、前記Mnと前記Moと、CuまたはFeから選択される一種以上の元素とを合計で60原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなる電子部品用積層配線膜の発明である。
また、前記被覆層は、前記Moと前記Mnとを合計で20〜50原子%含有することが好ましい。
また、前記被覆層は、前記Moを10〜40原子%、前記Cuと前記Mnとを合計で30原子%以下含有することがより好ましい。
また、前記被覆層は、前記Moを10〜40原子%、前記Cuと前記Mnとを合計で30原子%以下、前記Feを5原子%以下含有することがより好ましい。
また、前記被覆層は、前記Mnを6〜20原子%、前記Moを15〜40原子%、前記Cuを1〜25原子%含有し、且つ前記Mn、前記Mo、前記Cuおよび前記Feを合計で35〜60原子%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることがさらに好ましい。
また、前記被覆層は、前記Mnを6〜20原子%、前記Moを15〜40原子%、前記Cuを1〜25原子%、前記Feを3原子%以下含有し、且つ前記Mn、前記Mo、前記Cuおよび前記Feを合計で35〜60原子%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることがさらに好ましい。
また、本発明は、Mnを1〜25原子%、Moを4〜40原子%を含有し、前記Mnと前記Moと、CuおよびFeから選択される一種以上の元素とを合計で60原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、キュリー点が常温以下である、AgまたはAg合金からなる導電層を覆う前記被覆層を形成するためのスパッタリングターゲット材の発明である。
また、前記スパッタリングターゲット材は、前記Moと前記Mnとを合計で20〜50原子%含有することが好ましい。
また、前記スパッタリングターゲット材は、前記Moを10〜40原子%、前記Cuと前記Mnとを合計で30原子%以下含有することがより好ましい。
また、前記スパッタリングターゲット材は、前記Moを10〜40原子%、前記Cuと前記Mnとを合計で30原子%以下、前記Feを5原子%以下含有することがより好ましい。
また、前記スパッタリングターゲット材は、前記Mnを6〜20原子%、前記Moを15〜40原子%、前記Cuを1〜25原子%含有し、且つ前記Mn、前記Mo、前記Cuおよび前記Feを合計で35〜60原子%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることがさらに好ましい。
また、前記スパッタリングターゲット材は、前記Mnを6〜20原子%、前記Moを15〜40原子%、前記Cuを1〜25原子%、前記Feを3原子%以下含有し、且つ前記Mn、前記Mo、前記Cuおよび前記Feを合計で35〜60原子%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることがさらに好ましい。
本発明は、低抵抗なAgまたはAg合金の導電層と、この導電層の密着性、耐候性を確保するとともに、高い耐酸化性と安定した高精度のウェットエッチングを行なうことが可能な被覆層を積層した新規の電子部品用積層配線膜を得るとともに、その被覆層形成用スパッタリングターゲット材を提供することができる。これにより、種々の電子部品、例えば樹脂フィルム基板上に形成するタッチパネルやフレキシブルなFPDに対して非常に有用な技術となり、電子部品の安定製造や信頼性向上に大きく貢献できる。
本発明の電子部品用積層配線膜の断面模式図の一例。
本発明の電子部品用積層配線膜の断面模式図の一例を図1に示す。本発明の電子部品用積層配線膜は、AgまたはAg合金からなる導電層3と、この導電層3の少なくとも一方の面を覆う被覆層2からなり、基板1上に形成される。図1では導電層3の両面に被覆層2、4を形成しているところ、下地層2またはキャップ層4のいずれか一方の面のみに形成してもよく、適宜選択できる。尚、導電層の一方の面のみを本発明の被覆層で覆う場合には、導電層の他方の面には電子部品の用途に応じて、本発明とは別の組成の被覆層で覆うこともできる。
本発明の重要な特徴は、図1に示す電子部品用積層配線膜の被覆層において、Ni、Mn、Mo、CuおよびFeから選択される元素を特定量添加することで、密着性、耐候性、耐酸化性を確保するとともに、ウェットエッチング時にムラが発生しにくい被覆層とすることを見出した点にある。以下、本発明の電子部品用配線膜について詳細に説明する。
尚、以下の説明において「密着性」とは、ガラス基板、樹脂フィルム基板との剥がれにくさをいい、粘着テープの引き剥がしにより配線膜の剥離の有無で評価することができる。また、「耐候性」とは、高温高湿環境下における表面変質による電気的コンタクト性の劣化のしにくさをいい、配線膜の変色により確認でき、例えば反射率によって定量的に評価することができる。また、「耐酸化性」とは、酸素を含有する雰囲気で加熱した際の表面酸化に伴う電気的コンタクト性の劣化のしにくさをいい、配線膜の変色により確認でき、例えば反射率によって定量的に評価することができる。
本発明の電子部品用積層配線膜における被覆層は、Mnを1〜25原子%、Moを4〜40原子%含有し、前記Mnと前記Moと、CuまたはFeから選択される一種以上の元素とを合計で60原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることに特徴がある。
主元素の一つとなるNiは、Agに比較して、ガラス基板や透明導電膜であるITO、絶縁保護膜である酸化物等との密着性が高く、さらに耐候性、耐酸化性にも優れる元素であり、AgまたはAg合金からなる導電層を被覆することで、密着性や耐候性、耐酸化性の改善効果を得ることが可能となる元素である。その反面、Niは、AgやAg合金に用いるエッチャントではエッチングできないため、エッチング性の改善が必要である。
本発明で被覆層に含まれるNi以外の元素であるMn、Mo、CuおよびFeは、それぞれエッチング速度を改善する効果を有する。その改善効果は、Moが最も高く、次にMn、Fe、Cuとなる。そして、この改善効果は、添加量を増加するとより向上できるところ、添加量の合計が60原子%を越えると、Niが本来有する耐候性が大きく低下する。このため、Mn、Mo、CuおよびFeの合計は、60原子%以下とする。
本発明の被覆層において必須となるMnは、Niより酸化しやすい元素であり、被覆層にMnを1原子%以上添加すると、ガラス基板や透明導電膜であるITO、絶縁保護膜である酸化物等と被覆層の界面で酸化物を形成しやすく、密着性をより改善できる効果を有する。一方、被覆層にMnを25原子%を越えて添加すると、耐酸化性が低下する場合がある。このため、本発明では、被覆層に添加するMnは、1〜25原子%にする。より明確な上記の効果を得るためには、Mnの添加量を、6〜20原子%の範囲にすることが好ましい。
また、導電層を形成するAgは、Ni、Mo、Feと固溶域を持たず、化合物も生成しない相分離元素である。ここで、Mnを含まないNi−Mo−Fe合金からなる被覆層では、導電層のAgとの密着性が低下する場合がある。これに対して、Mnは、Agと固溶域を有する元素であり、導電層のAgとの密着性を改善させる効果も有する重要な元素である。
Moは、Niに対して高温域で固溶域を有し、Niと容易に合金化することが可能な元素である。被覆層にMoを添加すると、エッチング速度を高める効果とともに、その均一性の改善にも大きく寄与する。さらに、Moは、Niの耐酸化性も改善する効果を有する元素であり、本発明の被覆層にとって必須な元素である。その改善効果は、被覆層にMoを4原子%以上添加すると現れる。一方、被覆層にMoを40原子%を超えて添加すると、耐候性が低下してしまう。このため、本発明では、被覆層にMoを4〜40原子%の範囲で添加する。
また、Moによる耐酸化性の向上効果は、10原子%以上の添加でより明確となり、エッチングの均一性の改善効果は、15原子%以上の添加で顕著となる。このため、本発明の被覆層に添加するMoは、10原子%以上がより好ましく、15原子%以上がさらに好ましい。
本発明の被覆層にCuを添加すると、エッチング速度の改善効果が得られる。その改善効果は、被覆層にCuを1原子%以上添加することで現れるところ、25原子%を越えて添加すると、密着性が低下することに加え、耐酸化性も低下するとともに、エッチング時にムラが発生しやすくなりエッチングの均一性が低下する。また、被覆層にCuを25原子%を越えて添加すると、かえってエッチング速度が低下することがある。このため、本発明では、被覆層にCuを1〜25原子%の範囲で添加することが好ましい。
また、本発明で被覆層にFeを添加すると、エッチング性の改善効果が得られる反面、耐候性は低下する。このため、本発明では、被覆層にFeを5原子%以下添加することが好ましく、3原子%以下がより好ましい。尚、本発明では、耐候性をより向上させる場合には、被覆層にFeを添加しなくてもよい。
また、被覆層に添加するMoとMnは、エッチング性に大きく関与する元素であり、AgやAg合金用のエッチャントで積層膜をより精度よく均一かつ安定したエッチングを行なうには、MoとMnを合計で20原子%以上含有することが好ましい。また、MoとMnの合計が50原子%を越えると、耐候性が低下する場合がある。このため、本発明の被覆層は、MoとMnの合計を20〜50原子%の範囲で添加することが好ましい。
また、MnとCuは、ともに耐酸化性を低下させる元素でもあり、MnとCuの合計が30原子%を越えると、耐酸化性が低下する場合がある。このため、本発明の被覆層は、MnとCuの合計を30原子%以下の範囲で添加することが好ましい。
本発明の電子部品用積層配線膜は、低抵抗と耐候性や耐酸化性を安定的に得るために、AgまたはAg合金からなる導電層の膜厚を100〜1000nmにすることが好ましい。導電層の膜厚が100nmより薄くなると、薄膜特有の電子の散乱の影響で電気抵抗値が増加しやすくなる。一方、導電層の膜厚が1000nmより厚くなると、膜を形成するために時間が掛かったり、膜応力により基板に反りが発生しやすくなったりする。導電層の膜厚のより好ましい範囲は、200〜500nmである。
本発明の導電層には、低い電気抵抗値を得ることができる純Agが好適であるところ、上述した耐候性や耐酸化性に加え、さらに耐熱性や耐食性等の信頼性を考慮して、Agに遷移金属や半金属等を添加したAg合金を用いてもよい。このとき、できる限り低抵抗が得られるように、Agへの添加元素は、合計で5原子%以下の範囲で添加することが好ましい。
本発明の電子部品用積層配線膜は、低抵抗と耐候性や耐酸化性を安定的に得るために、被覆層の膜厚を10〜100nmにすることが好ましい。被覆層を下地層として適用する場合には、膜厚を10nm以上とすることで、基板との密着性を改善することができる。また、被覆層をキャップ層として適用する場合は、膜厚を20nm以上とすることで、被覆層の欠陥等の消失が十分になされ、耐候性や耐酸化性を向上させることができる。
一方、被覆層の膜厚が100nmを越えると、被覆層の電気抵抗値が高くなってしまい、導電層と積層した際に、電子部品用積層配線膜として低抵抗を得にくくなる。このため、被覆層の膜厚は20〜100nmとすることがより好ましい。
本発明の電子部品用積層配線膜の各層を形成するには、スパッタリングターゲット材を用いたスパッタリング法が最適である。被覆層を形成する際には、例えば被覆層の組成と同一組成のスパッタリングターゲット材を使用して成膜する方法や、各々の元素のスパッタリングターゲット材を使用してコスパッタリングによって成膜する方法が適用できる。また、Ni−Mo合金やNi−Mn合金等のスパッタリングターゲット材を使用してコスパッタリングによって成膜する方法も適用できる。
スパッタリングの条件設定の簡易さや、所望組成の被覆層を得やすいという点からは、被覆層の組成と同一組成のスパッタリングターゲット材を使用してスパッタリング成膜することがより好ましい。
また、スパッタリング法において、効率よく安定したスパッタリングを行なうには、スパッタリングターゲット材を使用する常温において、非磁性すなわちキュリー点を常温以下にする必要がある。尚、本発明で「キュリー点が常温以下」とは、スパッタリングターゲット材の磁気特性を常温(25℃)で測定したときに、非磁性であることをいう。
本発明の被覆層形成用スパッタリングターゲット材の主成分の一つであるNiは、磁性体であるため、効率よく安定したスパッタリングを行なうには、キュリー点が常温以下となるように添加元素の種類と添加量を調整する必要がある。
NiにMnのみを添加すると、キュリー点は、MnがNiに固溶する領域である約15原子%までは低下する。一方、NiへのMnの添加量が約20原子%を越えると、キュリー点は高くなり、25原子%を越えると、相変態により化合物相が生成し、キュリー点は純Niより高くなることに加え、スパッタリングターゲット材が脆くなり、安定した加工が行ないにくくなるという課題も顕著となる。このため、本発明では、Mnの添加量の上限を25原子%とする。
また、NiにMnを添加するのみでは、キュリー点を常温以下にすることはできず、安定したスパッタを行なうためには、スパッタリングターゲット材の厚みを薄くする必要があり、生産効率が低下するという新たな課題が生じる。このため、本発明では、キュリー点を常温以下にするために、非磁性化に効果のあるMoやCuといった元素とMnを組み合わせて添加する。
本発明の被覆層形成用スパッタリングターゲット材において、磁性体であるNiのキュリー点を低下させる効果は、非磁性元素であるMoが最も高く、NiにMoを4原子%添加すると、キュリー点は常温以下となる。また、Niは、高温域でMoを約30原子%固溶し、低温域で固溶量は低下する。そして、Moの添加量が30原子%を越えると、化合物相が生成し、Moの添加量が約40原子%を越えると、化合物相がさらに増加してしまい、スパッタリングターゲット材が脆くなり、安定した加工が行ないにくくなる。また、上述した被覆層の特性においても、Moの添加量が40原子%を越えると、耐候性は低下しやすくなる。このため、本発明では、Moの添加量の上限を40原子%とする。
Cuは、Niと全率固溶する元素であり、キュリー点を低下させる効果がMoより低く、約30原子%添加することでキュリー点が常温以下となるところ、上述した被覆層の特性において、耐酸化性が低下するため、Cuの添加範囲は1〜25原子%が好ましい。
磁性体であるFeを添加するとキュリー点が大きく上昇する。また、FeはMo、Mnと化合物が生成しやすく、スパッタリングターゲット材を脆化させるため、電子部品用積層配線膜のエッチング性を満たすことが可能な範囲で添加することが好ましい。このため、本発明では、スパッタリングターゲット材に添加するFeを5原子%以下にすることが好ましく、3原子%以下がより好ましい。尚、本発明では、スパッタリングターゲット材の機械加工やハンドリングによる割れや欠けを抑制する場合には、Feを含有させなくてもよい。
以上のことから、本発明の被覆層形成用スパッタリングターゲット材は、Mnを1〜25原子%、Moを4〜40原子%を含有し、前記Mnと前記Moと、CuおよびFeから選択される一種以上の元素とを合計で60原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、キュリー点を常温以下にする。これにより、本発明の被覆層形成用スパッタリングターゲット材は、被覆層を安定してスパッタリングすることができる。
また、添加元素の種類と添加が多いほど、スパッタリングターゲット材中の化合物相の生成量が増加してしまい、FPD用途で要求される大型のスパッタリングターゲット材を製造する際の機械加工やボンディングで割れが生じやすくなる。このため、本発明では、MnとMoの合計量が20〜50原子%であることが好ましい。中でも、上記と同様の理由から、Moを10〜40原子%、CuとMnの合計量が30原子%以下、Feを5原子%以下の範囲がより好ましい。また、上記と同様の理由から、且つ前記Mn、前記Mo、前記Cuおよび前記Feを合計で35〜60原子%の範囲がさらに好ましい。
本発明の被覆層形成用スパッタリングターゲット材の製造方法としては、例えば所定の組成に調整した原料を溶解して作製したインゴットを塑性加工して板状とし、機械加工を施してスパッタリングターゲット材を製造する方法や粉末焼結法も適用可能である。粉末焼結法では、例えばガスアトマイズ法で合金粉末を製造して原料粉末とすることや、本発明の最終組成となるように複数の合金粉末や純金属粉末を混合した混合粉末を原料粉末に用いることが可能である。
粉末焼結法としては、例えば、熱間静水圧プレス、ホットプレス、放電プラズマ焼結、押し出しプレス焼結等の加圧焼結を用いることが可能である。本発明の被覆層形成用スパッタリングターゲット材は、上述したようにMnやMoの添加量が多く、塑性加工性が低下するために、FPD用の大型スパッタリングターゲット材を安定して製造するためには、最終組成を有する合金粉末を加圧焼結する方法が好適である。
また、磁性体であるNiを含有するために、添加する元素を選定し、キュリー点が常温以下となる合金粉末を加圧焼結することが好ましい。キュリー点が常温以下の合金粉末は、最終組成に調整した合金を用いたアトマイズ法により容易に得ることができる。また、溶解したインゴットを粉砕して合金粉末を作製することも可能である。また、種々の合金粉末を製造し、最終組成となるように混合する方法も適用できる。
また、合金粉末の平均粒径が5μm未満であると、得られるスパッタリングターゲット材中の不純物が増加してしまう。一方、合金粉末の平均粒径が300μmを超えると高密度の焼結体を得にくくなる。したがって、合金粉末の平均粒径は、5〜300μmにすることが好ましい。尚、本発明でいう平均粒径は、JIS Z 8901で規定される、レーザー光を用いた光散乱法による球相当径で表わす。
本発明の被覆層形成用スパッタリングターゲット材は、必須元素のNi、Mn、Moに加え、添加元素であるCu、Fe以外の不可避的不純物の含有量は少ないことが好ましく、本発明の作用を損なわない範囲で、酸素、窒素、炭素、Cr、Ti、Al、Si等の不可避的不純物を含んでもよい。例えば、酸素、窒素は各々1000質量ppm以下、炭素は200質量ppm以下、Cr、Tiは200質量ppm以下、Al、Siは100質量ppm以下等であり、ガス成分を除いた純度として99.9質量%以上であることが好ましい。
先ず、表1に示す試料No.1〜12、試料No.14組成の被覆層形成用スパッタリングターゲット材を準備した。真空溶解法にて、各組成となるように原料を秤量して、真空溶解炉にて溶解鋳造法によりインゴットを作製した。塑性加工は行なわず、インゴットを機械加工して、直径100mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲット材を作製した。また、同様の手法でNi−16原子%Mnのスパッタリングターゲット材も作製した。
また、純度99.99%、平均粒径6μmのMo粉末と、平均粒径70μmのNiの粉末を秤量し、クロスロータリー混合機により混合して混合粉末を得た後、内径133mm、外径139mm、高さ30mmの軟鋼製容器に充填した。そして、この軟鋼製容器を、450℃で10時間加熱して脱ガス処理を行なった後に封止し、熱間静水圧プレス(HIP)装置により、1180℃、148MPa、3時間の条件で焼結した。これを冷却した後、HIP装置から取り出し、機械加工により軟鋼製容器を外し、直径100mm、厚さ5mmのMo−20原子%Niのスパッタリングターゲット材を作製した。
また、純Agのスパッタリングターゲット材は、三菱マテリアル株式会社製の純度が4Nのものを用意した。
上記で得た各スパッタリングターゲット材にSmCo磁石を近づけたところ、Ni−16原子%MnとMo−20原子%Niのスパッタリングターゲット材以外は、磁石には付着せず、非磁性であることを確認した。さらに、上記で得たNo.1〜No.12、No.14のインゴットの一部を磁気特性測定用のケースに入れて、理研電子株式会社製の振動試料型磁力計(型式番号:VSM−5)を用いて、常温(25℃)で磁気特性を測定したところ、非磁性であることを確認した。
次に、上述の各スパッタリングターゲット材を銅製のバッキングプレートにろう付けした。尚、試料No.14の組成のインゴットは、機械加工時に割れが発生したが、割れた部分を貼り合わせてバッキングプレート上にろう付けして使用した。
アルバック株式会社製のスパッタ装置(型式番号:CS−200)に、上記の各スパッタリングターゲット材を取り付け、Ar雰囲気、圧力0.5Pa、電力500Wの条件でスパッタテストを実施した。ここで、No.14のスパッタリングターゲット材では異常放電が発生したが、他のいずれのスパッタリングターゲット材も安定してスパッタすることが可能であることを確認した。
コーニング社製の25mm×50mmのガラス基板(製品番号:EagleXG)を上記スパッタ装置の基板ホルダーに取り付けて、厚さ100nmの被覆層を形成し、密着性およびエッチング性を評価した。また、試料No.13は、Ni−16原子%MnとMo−20原子%Niのスパッタリングターゲット材をコスパッタして被覆層を形成した。
密着性の評価は、JIS K 5400で規定された方法で行なった。先ず、上記で形成した被覆層の表面に、住友スリーエム株式会社製の透明粘着テープ(製品名:透明美色)を貼り、2mm角のマス目をカッターナイフで入れ、透明粘着テープを引き剥がして、被覆層の残存の有無で評価をした。被覆層が1マスも剥がれなかったものを○、1〜10マス剥がれたものを△、11マス以上剥がれたものを×として評価した。
エッチング性の評価は、Ag用のエッチャントとして硝酸、リン酸、酢酸と水を混合したものを用いた。少ないサイドエッチングの被覆層とするには、エッチング時間のムラを抑制し、オーバーエッチング時間を少なくするとともに、エッチャントに対する濡れ性を適度に抑制することが必要である。各試料を上記エッチャントに浸漬して、被覆層全面が完全に透過するまでに掛かる時間をジャストエッチング時間として測定した。また、同時にエッチングムラは目視で確認しながら、より明確な差とするために、被覆層の一部が透過した時間とジャストエッチング時間との時間差を測定した。これは、時間差が小さいほどエッチングムラは少ないことを意味する。また、被覆層表面に上記エッチャントを20μl滴下し、2分後の広がり径を測定した。これは、広がり径が小さいほどサイドエッチングを抑制可能であり、精度の高いエッチングを行なうことができることを意味する。評価した結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例となる試料No.1、試料No.2の被覆層および試料No.17のAg層は、密着性が低くかった。また、比較例となる試料No.3は、Mnを3%含有することで密着性が改善しているが、まだ十分ではないことがわかった。
これに対し、本発明の被覆層は、密着性が大きく改善されていることが確認できた。
また、エッチング性については、比較例となる試料No.17のAg層は、43秒で広がりも少なくに均一エッチングされた。また、比較例となる試料No.1〜No.3、No.15のNi−Cuを主体とする合金や、試料No.16のNi−Mo系合金の被覆層は、Ag用のエッチャントでは、エッチング完了までに100秒以上の時間かかった。その上、比較例となる試料No.1〜No.3、No.15のNi−Cuを主体とする合金や、試料No.16のNi−Mo系合金の被覆層は、エッチングの早い部分と遅い部分でアイランド状にエッチングされ、ムラが発生するため時間差も大きく、エッチャントが広がり易いことがわかる。このため、均一なエッチングが行ないにくく、さらにサイドエッチングが大きくなり、精度の高いエッチングには適さないことがわかった。
これに対して、本発明の被覆層は、60秒以下で均一にエッチングされ、エッチング時の膜透過開始と終了の時間差が少なく、エッチャントの広がり径も小さく、エッチングムラとサイドエッチングが少ない、精度の高いエッチングを行なうことが可能であることが確認できた。
以上のことから、本発明の被覆層は、高い密着性を有しながら導電層のAg薄膜層と積層とした場合にも、Agのエッチャントを用いて、狭ピッチで均一なエッチングが可能であると推定できる。
実施例1で作製した各スパッタリングターゲット材を用いて、ガラス基板上に膜厚50nmの下地層、膜厚200nmのAgからなる導電層、膜厚50nmのキャップ層を順に成膜した積層配線膜の試料を作製した。そして、各試料の密着性、耐候性の一つとして耐湿性を評価した。尚、上記の下地層とキャップ層とは、表2の被覆層材質組成のものである。
密着性の評価は、実施例1と同様の方法で行なった。そして、1マスも剥がれなかったものを○、1〜10マス剥がれたものを△、11マス以上剥がれたものを×として評価した。
また、耐湿性の評価は、作製した積層配線膜を温度85℃、相対湿度85%の雰囲気に100、200、300時間放置し、反射率を測定した。尚、反射率はコニカミノルタ株式会社製の分光測色計(型式番号:CM2500d)を用いた。評価結果を表2に示す。
表2に示すように、比較例となる試料No.1および試料No.2は、ガラス基板面と被覆層、被覆層と導電層のAg層の界面の両方から膜剥がれが生じた。また、比較例となる試料No.3は、Mnを含むため、被覆層と導電層のAg層との密着性は改善されているが、被覆層とガラス基板面から剥がれが生じていた。
これに対して、本発明の電子部品用積層配線膜は、ガラス基板および導電層のAg層の両者とも高い密着性を有することが確認できた。
また、耐湿性は、比較例となる試料No.1、No.14および試料No.16は、時間の経過に伴い反射率は低下することを確認した。
以上から、本発明の電子部品用積層配線膜は、導電層のAg層と積層することで、高い密着性と耐候性の一つである耐湿性を兼ね備えていることを確認できた。
実施例2で作製した積層配線膜の試料を用いて、耐酸化性の評価を行なった。各試料を大気雰囲気において200℃〜300℃の温度で30分間の加熱処理を行ない、実施例2同様に反射率を測定した。評価結果を表3に示す。
フィルム基板上では、250℃までの耐酸化性が必要である。表3に示すように、比較例となる試料No.1〜試料No.3およびNo.14では、250℃以上で反射率は低下し始めることを確認した。
これに対し、本発明の電子部品用積層配線膜は、250℃まで50%以上の高い反射率を維持しており、高い耐酸化性を有していることがわかる。さらに、高温の300℃ではMnとCuの合計量が30%を越える試料No.6、試料No.10では、反射率が低下するため、より高い耐酸化性を得るにはMnとCuの合計量が30%以下が好ましいことがわかる。
以上のことから、本発明の積層配線膜は、導電層のAg層との密着性、耐候性、耐酸化性を確保するとともに、安定したウェットエッチングができる被覆層を安定的に形成可能であることが確認できた。
1. 基板
2. 下地層
3. 導電層
4. キャップ層

Claims (12)

  1. AgまたはAg合金からなる導電層と該導電層の少なくとも一方の面を覆う被覆層からなり、該被覆層はMnを1〜25原子%、Moを4〜40原子%含有し、前記Mnと前記Moと、CuまたはFeから選択される一種以上の元素とを合計で60原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする電子部品用積層配線膜。
  2. 前記被覆層は、前記Moと前記Mnとを合計で20〜50原子%含有することを特徴とする請求項1に記載の電子部品用積層配線膜。
  3. 前記被覆層は、前記Moを10〜40原子%、前記Cuと前記Mnとを合計で30原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品用積層配線膜。
  4. 前記被覆層は、前記Moを10〜40原子%、前記Cuと前記Mnとを合計で30原子%以下、前記Feを5原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品用積層配線膜。
  5. 前記被覆層は、前記Mnを6〜20原子%、前記Moを15〜40原子%、前記Cuを1〜25原子%、且つ前記Mn、前記Mo、前記Cuおよび前記Feを合計で35〜60原子%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品用積層配線膜。
  6. 前記被覆層は、前記Mnを6〜20原子%、前記Moを15〜40原子%、前記Cuを1〜25原子%、前記Feを3原子%以下含有し、且つ前記Mn、前記Mo、前記Cuおよび前記Feを合計で35〜60原子%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品用積層配線膜。
  7. AgまたはAg合金からなる導電層を覆う被覆層を形成するためのスパッタリングターゲット材であって、Mnを1〜25原子%、Moを4〜40原子%を含有し、前記Mnと前記Moと、CuおよびFeから選択される一種以上の元素とを合計で60原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、キュリー点が常温以下であることを特徴とする被覆層形成用スパッタリングターゲット材。
  8. 前記Moと前記Mnとを合計で20〜50原子%含有することを特徴とする請求項7に記載の被覆層形成用スパッタリングターゲット材。
  9. 前記Moを10〜40原子%、前記Cuと前記Mnとを合計で30原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項7に記載の被覆層形成用スパッタリングターゲット材。
  10. 前記Moを10〜40原子%、前記Cuと前記Mnとを合計で30原子%以下、前記Feを5原子%以下含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項7に記載の被覆層形成用スパッタリングターゲット材。
  11. 前記Mnを6〜20原子%、前記Moを15〜40原子%、前記Cuを1〜25原子%含有し、且つ前記Mn、前記Mo、前記Cuおよび前記Feを合計で35〜60原子%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項7に記載の被覆層形成用スパッタリングターゲット材。
  12. 前記Mnを6〜20原子%、前記Moを15〜40原子%、前記Cuを1〜25原子%、前記Feを3原子%以下含有し、且つ前記Mn、前記Mo、前記Cuおよび前記Feを合計で35〜60原子%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項7に記載の被覆層形成用スパッタリングターゲット材。
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