JP2016153835A - 感光性組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、タッチパネル、タッチパネル表示装置、液晶表示装置、及び、有機el表示装置 - Google Patents

感光性組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、タッチパネル、タッチパネル表示装置、液晶表示装置、及び、有機el表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リワーク性及び現像時の裾引き特性に優れ、また、現像時の膜減りが少ない硬化膜を得ることができる感光性組成物を提供すること、並びに、上記感光性組成物を用いた硬化膜の製造方法及び硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いたタッチパネル、タッチパネル表示装置、液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供すること。
【解決手段】分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基と1以上のカルボキシ基とを有する重合性単量体、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつカルボキシ基を有しない重合性単量体、光重合開始剤、リン酸エステル構造とエチレン性不飽和基とを有する化合物(成分D)及び重合禁止剤を含み、組成物中の全固形分に対する重合禁止剤の含有量が、0.01〜0.5質量%であり、組成物中の全有機固形分に対する成分Dの含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とする感光性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、タッチパネル、タッチパネル表示装置、液晶表示装置、及び、有機EL表示装置に関する。
液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネルディスプレイが広く使用されている。また、近年、スマートフォンやタブレット端末の普及と共に静電容量式タッチパネルが注目を浴びている。静電容量式タッチパネルのセンサ基板は、ガラス上にITO(Indium Tin Oxide)や金属(銀、モリブデン、アルミニウムなど)がパターニングされた配線を有し、その他、配線の交差部に絶縁膜、ITO及び金属を保護する保護膜を有する構造が一般的である。
従来のタッチパネル配線用保護膜としては、特許文献1及び2に記載されたものが知られている。
特開2013−200891号公報 特開2010−27033号公報
本発明者は、タッチパネル配線用保護膜に求められる重要な特性として、「リワーク性」と「裾引き特性」とがあることを見いだした。
リワーク性とは、保護膜上に、糊や粘着剤等を用いて偏光板を貼り合わせる時に、位置合わせ不良などの理由により、偏光板をはがし、保護膜表面をきれいにして、再度偏光板を貼りなおすことが可能であるかどうかの特性である。
偏光板をはがす際に、保護膜が電極基板からはがれないよう、高い密着性が求められる。また、保護膜表面を綺麗にする際に、糊や粘着剤等を除去するため、物理的及び/又は化学的洗浄を行うため、高い硬度及び薬品耐性が求められる。
これら、密着性、硬度及び薬品耐性を含む総合的な特性が、リワーク性である。
裾引きとは、ネガ型材料を露光し、フォトリソグラフィーでパターニングする際に、本来活性光線が照射されていない領域まで膜が硬化してしまう現象である。裾引きが発生すると、フォトマスクのパターンを正しく形成できないため、裾引きは発生しないことが好ましい。硬度や薬品耐性に優れたネガ型材料は高反応性であるため、フォトマスクからの漏れ光などによる裾引きが発生しやすく、トレードオフの性能となっている。
本発明が解決しようとする課題は、リワーク性及び現像時の裾引き特性に優れ、また、現像時の膜減りが少ない硬化膜を得ることができる感光性組成物を提供することである。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、上記感光性組成物を用いた硬化膜の製造方法及び硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いたタッチパネル、タッチパネル表示装置、液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<6>、<7>又は<11>〜<14>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<5>及び<8>〜<10>と共に以下に記載する。
<1>成分Aとして、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基と1以上のカルボキシ基とを有する重合性単量体、成分Bとして、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつカルボキシ基を有しない重合性単量体、成分Cとして、光重合開始剤、成分Dとして、リン酸エステル構造とエチレン性不飽和基とを有する化合物、及び、成分Kとして、重合禁止剤、を含み、組成物中の全固形分に対する成分Kの含有量が、0.01〜0.5質量%であり、組成物中の全有機固形分に対する成分Dの含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とする感光性組成物、
<2>成分A及び成分Bの総含有量に対する成分Aの含有量が、10〜50質量%である、<1>に記載の感光性組成物、
<3>組成物中の全有機固形分に対する成分Dの含有量が、0.5〜2質量%である、<1>又は<2>に記載の感光性組成物、
<4>組成物中の全有機固形分に対する成分A及び成分Bの総含有量が、70〜95質量%である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性組成物、
<5>無機粒子を更に含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性組成物、
<6>少なくとも工程1〜工程3をこの順に含む硬化膜の製造方法、
工程1:<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された感光性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程3:露光された感光性組成物を水性現像液により現像する現像工程
<7><1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性組成物を硬化してなる硬化膜、
<8>層間絶縁膜又は保護膜である、<7>に記載の硬化膜、
<9>タッチパネル配線用保護膜である、<7>又は<8>に記載の硬化膜、
<10>オンセル構造タッチパネルにおける配線用保護膜である、<7>〜<9>のいずれか1つに記載の硬化膜、
<11><7>〜<10>のいずれか1つに記載の硬化膜を有するタッチパネル、
<12><7>〜<10>のいずれか1つに記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置、
<13><7>又は<8>に記載の硬化膜を有する液晶表示装置、
<14><7>又は<8>に記載の硬化膜を有する有機EL表示装置。
本発明によれば、リワーク性及び現像時の裾引き特性に優れ、現像時の膜減りが少ない硬化膜を得ることができる感光性組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記感光性組成物を用いた硬化膜の製造方法及び硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いたタッチパネル、有機EL表示装置、液晶表示装置及びタッチパネル表示装置を提供することができる。
有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の他の一例の構成概念図を示す。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本発明では、ポリマー成分については、分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(感光性組成物)
本発明の感光性組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、成分Aとして、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基と1以上のカルボキシ基とを有する重合性単量体、成分Bとして、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつカルボキシ基を有しない重合性単量体、成分Cとして、光重合開始剤、成分Dとして、リン酸エステル構造とエチレン性不飽和基とを有する化合物、及び、成分Kとして、重合禁止剤、を含み、組成物中の全固形分に対する成分Kの含有量が、0.01〜0.5質量%であり、組成物中の全有機固形分に対する成分Dの含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とする。
本発明の感光性組成物は、更に、無機粒子やアルコキシシラン化合物等の他の成分を含んでいてもよい。
本発明の感光性組成物は、アルカリ現像液でのフォトリソグラフィーによるパターニングが可能であることが好ましい。なお、本発明の感光性組成物をアルカリ現像液でのフォトリソグラフィーによるパターニングを行った場合、出来上がるパターンは、感光部がパターンとして残るネガ型のパターンである。
なお、本発明において、感光性組成物における「固形分」とは、溶剤等の揮発性成分を除いた成分を意味する。また、「有機固形分」とは、感光性組成物から溶剤等の揮発性成分及び無機粒子等の無機成分を除いた成分を意味する。
具体的には、以下の成分を含む組成物が、具体的な実施態様として例示される。
本発明者は鋭意検討した結果、上記の成分A〜成分D及び成分Kを含有し、成分Kの含有量が全固形分に対して特定の範囲であり、成分Dの含有量が全有機固形分に対して特定の範囲である感光性組成物は、リワーク性及び現像時の裾引き特性に優れ、現像時の膜減りが少ない硬化膜を得ることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明の作用機構は明確ではないが、以下のように推測される。成分Dを含有することにより、現像時の裾引き特性に優れると推定され、また、成分A〜成分D及び成分Kを含有し、成分Kの含有量が全固形分に対して特定の範囲であり、かつ成分Dの含有量が全有機固形分に対して特定の範囲であることにより、密着性、硬度及び薬品耐性を含む総合的な特性であるリワーク性に優れるものと推定される。
以下、本発明の感光性組成物が含有する、各成分について説明する。
成分A:分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基と1以上のカルボキシ基とを有する重合性単量体
本発明の感光性組成物は、成分Aとして、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基と1以上のカルボキシ基とを有する重合性単量体を含有する。
成分Aは、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基と、1以上のカルボキシ基とを有する化合物である。
成分Aは、低分子の化合物でもよく、オリゴマーであってもよいが、ポリマーではない。すなわち、成分Aは、硬化膜の硬度の観点から、分子量(分子量分布を有する場合には、重量平均分子量)が10,000以下であり、5,000以下であることが好ましく、3,000以下であることが更に好ましい。
成分Aは、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有する。分子内(1分子内)に有する(メタ)アクリロイル基の数は、3〜15であることが好ましく、3〜10であることがより好ましく、3〜7であることが更に好ましい。
(メタ)アクリロイル基の数が上記範囲内であると、硬度及び反応性に優れる。
成分Aは、1分子内にアクリロイル(−C(=O)−CH=CH2)基及びメタクリロイル基(−C(=O)−C(CH3)=CH2)を合計して3つ以上有していればよいが、アクリロイルオキシ基(−O−C(=O)−CH=CH2)及びメタクリロイルオキシ基(−O−C(=O)−C(CH3)=CH2)を合計して3つ以上有することが好ましい。また、アクリロイル基を3以上有することが好ましく、アクリロイルオキシ基を3以上有することがより好ましい。
メタクリロイル基に比べ、アクリロイル基は硬化性(反応性)に優れる点で好ましい。また、(メタ)アクリロイルオキシ基であると、反応性に優れ、合成が容易である点で好ましい。
成分Aは、分子内(1分子内)に1以上のカルボキシ基を有する。1分子内のカルボキシ基の数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましく、1であることが特に好ましい。
成分Aが1分子内に有するカルボキシ基の数が上記範囲内であると、現像性及び基材密着性に優れるので好ましい。
なお、成分Aの有するカルボキシ基は、塩を形成していてもよい。塩を形成するカチオンとしては、有機カチオン性化合物、遷移金属配位錯体カチオン、又は、金属カチオンが好ましい。有機カチオン性化合物としては、4級アンモニウムカチオン、4級ピリジニウムカチオン、4級キノリニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、スルホニウムカチオン等が挙げられる。遷移金属カチオンとしては、特許第279143号公報に記載の化合物が例示される。金属カチオンとしては、Na+、K+、Li+、Ag+、Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+、Zn2+、Al3+、Ca2+等が例示される。
なお、成分Aは、上記カルボキシ基以外の酸基を有していないことが好ましい。カルボキシ基以外の酸基としては、スルホン酸基、リン酸基等が例示される。カルボキシ基以外の酸基を有していないことで、基材密着性が向上する。
成分Aとしては、ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、かつ、ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基にカルボン酸無水物を反応させて酸基(カルボキシ基)を持たせた重合性単量体が好ましく、特に好ましくは、ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
成分Aは、例えば、3つ以上の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシ基を有する化合物(以下「ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレート」ともいう。)に酸無水物を付加することで得ることができる。
ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとしては、4つ以上のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とのエステルが例示される。
4つ以上のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物は、脂肪族ポリヒドロキシ化合物であることが好ましく、具体的には、ジグリセロール、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールブタン、ジトリメチロールヘキサン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等が例示される。これらの中でも、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが好ましい。
また、ポリヒドロキシ化合物として、上記の例示したポリヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物を使用してもよく、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が例示される。
ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートの製造方法としては、公知の方法を適宜採用すればよく、特に限定されない。具体的には、酸性触媒下にポリヒドロキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とを加熱・撹拌する方法が例示される。酸性触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸等が挙げられる。また、反応温度は、使用する化合物及び目的に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは70℃〜140℃である。上記の温度範囲内であると、反応が速く、また、安定的に反応が進み、不純物の生成やゲル化が抑制される。
反応に際しては、エステル化反応で生成する水との溶解度が低い有機溶媒を使用し、水を共沸させながら脱水を促進することが好ましい。好ましい有機溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びに、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン等が挙げられる。また、有機溶媒は、反応後に減圧で留去することができる。
また、得られる(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する目的で、反応液に重合禁止剤を添加することができる。このような重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール及びフェノチアジン等が挙げられる。
成分Aは、上記ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートと、酸無水物との反応によって得られる。
酸無水物としては、無水コハク酸、無水1−ドデセニルコハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水テトラブロモフタル酸及び無水トリメリット酸等の同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物、並びに無水ピロメリット酸、無水フタル酸ニ量体、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物及び無水トリメリット酸・エチレングリコールエステル(市販品としては、例えば、新日本理化(株)製、商品名リカシッドTMEG−100が挙げられる。)等の同一分子内に2個の酸無水物基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でも、同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物が好ましい。
成分Aの製造方法としては、常法に従えばよい。
例えば、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとカルボン酸無水物とを、触媒の存在下、60℃〜110℃で1〜20時間反応させる方法等が挙げられる。この場合の触媒としては、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド及び酸化亜鉛等が挙げられる。
成分Aは、式A−1で表される化合物、又は、式A−2で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016153835
式A−1中、X1は、それぞれ独立にアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、W1は、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、又は、フェニレン基を表す。
式A−2中、X2は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、5つあるX2のうち、少なくとも3つはアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、W2は、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、又は、フェニレン基を表す。
式A−1中、X1はアクリロイルオキシ基であることが好ましい。
式A−1中、W1は、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、又は、フェニレン基を表し、炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。上記アルキレン基は、炭素数2〜6であることが好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチル基、ヘキシレン基、シクロへキシレン基が例示される。
式A−1中、W1は炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
式A−2中、5つあるX2のうち、少なくとも3つはアクリロイルオキシ基又はメタクリロイル基を表し、アクリロイルオキシ基であることが好ましい。なお、5つあるX2のうち、3つ〜5つがアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、4つ〜5つがアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることが好ましく、5つがアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることがより好ましい。
また、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基以外のX2は、水素原子、ヒドロキシ基、又は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれのアルキル基であってもよい。これらの中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基以外のX2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
式A−2中、W2は、式1中のW1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
成分Aとして、上市されている製品を使用してもよく、例えば、東亞合成(株)製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、アロニックス(登録商標)シリーズのM−510、M−520、TO−2349、TO−2359、などが挙げられる。
成分Aは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成分Aの含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対して、3〜60質量%であることが好ましく、3〜50質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることが更に好ましく、10〜35質量%であることが最も好ましい。
なお、本発明において、感光性組成物における「固形分」とは、有機溶剤等の揮発性成分を除いた成分を意味する。また、「有機固形分」とは、感光性組成物から有機溶剤等の揮発性成分と、無機粒子等の無機成分を除いた成分を意味する。
また、本発明の感光性組成物において、成分A及び後述の成分Bの総含有量に対する成分Aの含有量は、10〜75質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、15〜40質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、現像時の裾引き特性により優れ、また、現像時の膜減りをより抑制することができる。
成分B:分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつカルボキシ基を有しない重合性単量体
本発明の感光性組成物は、成分Bとして、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつカルボキシ基を有しない重合性単量体を含有する。
成分Bは、分子内(1分子内)に3以上の(メタ)アクリロイル基を有する、成分Aとは異なる重合性単量体である。成分Bは、分子内にカルボキシ基を有しないが、他の酸基も有しないことが好ましく、他の酸基としては、スルホン酸基、リン酸基等が例示される。
成分Bは、低分子の化合物でもよく、オリゴマーであってもよいが、ポリマーではない。すなわち、成分Bは、硬化膜の硬度の観点から、分子量(分子量分布を有する場合には、重量平均分子量)が10,000以下であり、5,000以下であることが好ましく、3,000以下であることが更に好ましい。
成分Bが有する(メタ)アクリロイル基の数は、3以上であり、3〜15であることが好ましく、3〜10であることがより好ましく、3〜6であることが最も好ましい。上記範囲であると、リワーク性とすそ引き抑制性とに優れる。
成分Bとしては、この種の組成物に適用される化合物を適宜選択して用いることができ、例えば、特開2006−23696号公報の段落0011に記載の成分や、特開2006−64921号公報の段落0031〜0047に記載の成分のうち、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するものを挙げることができ、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
成分Bとしては、ポリヒドロキシ化合物の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく例示され、具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートエチレンオキサイド(EO)変性体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートEO変性体などが挙げられる。
成分Bとしては、上市されている製品を使用してもよく、例えば、アロニックス(登録商標)M−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同TO−1382、同TO−1450(東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(大阪有機化学工業(株)製)などを挙げることができる。
なお、成分Bに該当する化合物であっても、後述するアルコキシシラン化合物に該当するものは、アルコキシシラン化合物とする。
<ウレタン(メタ)アクリレート>
本発明において、成分Bとして、ウレタン(メタ)アクリレートを使用してもよい。
本発明で用いることができる、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物が例示され、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類が例示され、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
ウレタン(メタ)アクリレートの分子量は、硬化膜硬度の観点から、500〜10,000が好ましく、650〜6,000がより好ましく、800〜3,000が更に好ましい。
このような構成とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
ウレタン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロキシ基は、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のいずれであっても、両方であってもよいが、アクリロキシ基であることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロキシ基の数は、3以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。上記態様であると、本発明の効果がより効果的に発揮される。
また、上記(メタ)アクリロキシ基の数の上限は特に制限はないが、50以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましく、20以下であることが更に好ましい。
本発明の感光性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートにおけるウレタン結合の数は、特に制限はないが、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、2〜10であることが更に好ましく、2〜5であることが特に好ましく、2又は3であることが最も好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、イソシアヌル環構造を有することが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、1以上のウレタン結合を有するコア部分と、コア部分に結合し、かつ1以上の(メタ)アクリロキシ基を有する末端部分からなる化合物であることが好ましく、上記コア部分に、2個以上の上記末端部分が結合した化合物であることがより好ましく、上記コア部分に、2〜5個の上記末端部分が結合した化合物であることが更に好ましく、上記コア部分に、2又は3個の上記末端部分が結合した化合物であることが特に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、下記式Ae−1又は式Ae−2で表される基を少なくとも有する化合物であることが好ましく、下記式Ae−1で表される基を少なくとも有する化合物であることがより好ましい。また、ウレタン(メタ)アクリレートは、下記式Ae−1で表される基及び式Ae−2で表される基よりなる群から選ばれた基を2以上有する化合物であることがより好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートにおける上記末端部分は、下記式Ae−1又は式Ae−2で表される基であることが好ましい。
Figure 2016153835
式Ae−1及び式Ae−2中、Rはそれぞれ独立に、アクリル基又はメタクリル基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、下記式Ac−1又は式Ac−2で表される基を少なくとも有する化合物であることが好ましく、下記式Ac−1で表される基を少なくとも有する化合物であることがより好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートにおける上記コア部分は、下記式Ac−1又は式Ac−2で表される基であることが好ましい。
Figure 2016153835
式Ac−1及び式Ac−2中、L1〜L4はそれぞれ独立に、炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。
1〜L4はそれぞれ独立に、炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数4〜8のアルキレン基であることが更に好ましい。また、上記アルキレン基は、分岐や環構造を有していてもよいが、直鎖アルキレン基であることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、式Ac−1又は式Ac−2で表される基と、式Ae−1及び式Ae−2で表される基よりなる群から選ばれた2又は3個の基とが結合した化合物であることが特に好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられる、ウレタン(メタ)アクリレートを例示するが、本発明はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
Figure 2016153835
Figure 2016153835
Figure 2016153835
また、本発明で用いることができるウレタン(メタ)アクリレートとしては、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物が例示され、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類が例示され、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、新中村化学工業(株)から入手可能なNKエステル U−6HA、UA−1100H、U−6LPA、U−15HA、U−6H、U−10HA、U−10PA、UA−53H、UA−33H(いずれも登録商標)や、共栄社化学(株)から入手可能なUA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、BASF社から入手可能なLaromer UA−9048、UA−9050、PR9052、ダイセルオルネクス(株)から入手可能なEBECRYL 220、5129、8301、KRM8200、8200AE、8452などが例示される。
成分Bは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成分Bの含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対して、10〜90質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることがより好ましく、45〜75質量%であることが更に好ましい。
本発明の感光性組成物において、組成物中の全有機固形分に対する成分A及び成分Bの総含有量は、30〜99質量%であることが好ましく、40〜99質量%であることがより好ましく、70〜95質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、現像時の膜減りをより抑制することができる。
また、本発明の感光性組成物における成分Aの含有量よりも成分Bの含有量が質量換算で多いことが好ましい。上記範囲であると、現像時の膜減りをより抑制することができる。
成分C:光重合開始剤
本発明の感光性組成物は、成分Cとして、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤は、ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明に用いることができる光重合開始剤は、光により重合を開始、促進可能な化合物である。中でも、光ラジカル重合開始剤がより好ましい。
「光」とは、その照射により成分Cより開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル化合物、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。これらの中でも、感度の点から、オキシムエステル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましい。
オキシムエステル化合物としては、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2007−231000号公報、特開2009−134289号公報、及び、国際公開第2012/057165号公報の段落0046〜0059に記載の化合物を使用できる。
有機ハロゲン化化合物の例としては、具体的には、若林等、「Bull Chem. Soc. Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物が挙げられる。
アシルホスフィン(オキサイド)化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物、及び、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物が例示でき、具体的には、例えば、BASF社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の感光性組成物における光重合開始剤の含有量は、組成物中の全固形分100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましく、1.5〜5質量部であることが特に好ましい。
成分D:リン酸エステル構造とエチレン性不飽和基とを有する化合物
本発明の感光性組成物は、成分Dとして、リン酸エステル構造とエチレン性不飽和基とを有する化合物、を含み、組成物中の全有機固形分に対する成分Dの含有量が、0.01〜5質量%である。
成分Dにおけるリン酸エステル構造は、リン酸モノエステル構造であっても、リン酸ジエステル構造であっても、リン酸トリエステル構造であってもよいが、リン酸モノエステル構造又はリン酸ジエステル構造であることが好ましい。すなわち、成分Dは、P−OH構造を有する化合物を含むことが好ましい。
成分Dにおけるエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、スチリル基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基等が挙げられるが、(メタ)アクリロイル基であることが好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基であることがより好ましい。上記態様であると、硬化性及び反応性に優れ、またリワーク性により優れる。
成分Dにおけるエチレン性不飽和基の数は、特に制限はないが、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1又は2であることが特に好ましい。
成分Dの分子量は、1,000未満であることが好ましい。
成分Dとしては、式D−1で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016153835
式D−1中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Lはそれぞれ独立に、二価の連結基を表し、nは1〜3を表す。
は、メチル基であることが好ましい。
はそれぞれ独立に、アルキレン基、又は、2以上のアルキレン基と1以上のエーテル結合及びエステル結合よりなる群から選ばれた結合とを組み合わせた基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。
の炭素数は、2〜40であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜8であることが更に好ましく、2であることが特に好ましい。
nは、1〜2であることが好ましい。なお、nが整数でない場合は、nが平均値としてその値をとるような2種以上の混合物であることを表す。
成分Dの具体例としては、以下に示すものを挙げるが、これらに限定されないことは言うまでもない。
Figure 2016153835
Figure 2016153835
Figure 2016153835
これら化合物の市販品としては、JPA−514(城北化学工業(株)製)、ライトアクリレートP−1A(N)、P−1M、P−2M(共栄社化学(株)製)、KAYAMER PM−2、PM−21(日本化薬(株)製)、MR−200、MR−260(大八化学工業(株)製)などが挙げられる。
成分Dは、1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
本発明の感光性組成物において、感光性組成物中の全有機固形分に対する成分Dの含有量は、0.01〜5質量%であり、0.05〜4.5質量%であることが好ましく、0.1〜4質量%であることがより好ましく、0.3〜3質量%であることが更に好ましく、0.5〜2質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、現像時の裾引き特性により優れ、また、現像時の膜減りがより少ない硬化膜を得ることができる。
成分K:重合禁止剤
本発明の感光性組成物は、成分Kとして、重合禁止剤を含有し、組成物中の全固形分に対する成分Kの含有量が、0.01〜0.5質量%である。重合禁止剤を上記の範囲で含有すると、現像時の裾引き特性に優れ、また、現像時の膜減りが少ない硬化膜を得ることができる。
重合禁止剤とは、露光や熱により重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割を果たす物質である。例えば、特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載の化合物などを用いることができる。
重合禁止剤の種類としては、硬調で、かつ、感度を下げないものが好ましく採用される。このような重合禁止剤としては、フェノチアジン、クロルプロマジン、レボメプロマジン、フルフェナジン、チオリダジン等のフェノチアジン誘導体、フェノキサジン、3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン−5−イウム・ペルクロラート、5−アミノ−9−(ジメチルアミノ)−10−メチルベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・クロリド、7−(ペンチルオキシ)−3H−フェノキサジン−3−オン、5,9−ジアミノベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・アセタート、7−エトキシ−3H−フェノキサジン−3−オン等のフェノキサジン誘導体、トリ−p−ニトロフェニルメチル、ジフェニルピクリルヒドラジル、カルビノキシル等の安定ラジカル、キノン、ベンゾキノン、クロロベンゾキノン、2,5−ジ−クロロベンゾキノン、2,6−ジ−クロロベンゾキノン、2,3−ジ−メチルベンゾキノン、2,5−ジ−メチルベンゾキノン、メトキシベンゾキノン、メチルベンゾキノン、テトラブロモベンゾキノン、テトラクロロベンゾキノン、テトラメチルベンゾキノン、トリクロロベンゾキノン、トリメチルベンゾキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等のキノン類、α−ナフトール、2−ニトロ−1−ナフトール、β−ナフトール、1−ニトロ−2−ナフトール等のナフトール類、4−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、ヒドロキノン、フェノール、t−ブチルカテコール、メチルヒドロキノン、n−ブチルフェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、t−ブチルクレゾール、p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、カテコールレゾルシン、o−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−p−クレゾール)、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチル)ベンジルマロネート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシエチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,2’−エチリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシヒドロ−シンナモイロキシル)エチル]イソシアネート、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェノール類、2,4−ジニトロフェノール、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等のニトロフェノール類、没食子酸、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、没食子酸イソアミル等の没食子酸類、メチレンブルー、マラカイトグリーン等の色素類、β−ナフチルアミン、N−ニトロソシクロヘキシルアミン塩、ジ−p−フルオロフェニルアミン等のアミン類、ピロガロール、モノベンジルエーテル、ベンゾキノン、トリフェニルホスフィン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニール、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−トルイジン、ピクリン酸、サリチル酸メチル等が挙げられる。
重合禁止剤としては、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン及びこれらの誘導体よりなる群から選択された少なくとも1種が好ましく、フェノチアジン、フェノキサジン及びこれらの誘導体よりなる群から選択された少なくとも1種がより好ましく、フェノチアジン及びフェノキサジンよりなる群から選択された少なくとも1種が特に好ましい。
フェノチアジン及びその誘導体としては、フェノチアジン、ビス(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン、フルフェナジン、チオリダジンが例示され、フェノチアジンが好ましい。
フェノキサジン及びその誘導体としては、フェノキサジン、3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン−5−イウム・ペルクロラート、5−アミノ−9−(ジメチルアミノ)−10−メチルベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・クロリド、7−(ペンチルオキシ)−3H−フェノキサジン−3−オン、5,9−ジアミノベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・アセタート、7−エトキシ−3H−フェノキサジン−3−オンが例示され、フェノキサジンが好ましい。
ヒンダードアミン及びその誘導体としては、CHIMASSORB 2020 FDL、TINUVIN 144、765、770(以上、BASF社製)が例示され、TINUVIN 144が好ましい。
本発明の感光性組成物における重合禁止剤の含有量は、特に制限はないが、感光性組成物の全固形分に対して、0.01〜0.5質量%であり、0.05〜0.5質量%であることが好ましく、0.06〜0.4質量%であることがより好ましく、0.07〜0.25質量%であることが特に好ましい。重合禁止剤の配合量を調整することによって、感度を損なわずにパターニング性を向上させることができる。
成分E:無機粒子
本発明の感光性組成物は、成分Eとして、無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子を含有することにより、硬化膜の硬度がより優れたものとなる。
本発明で用いる無機粒子の平均粒径は、1〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、5〜50nmが更に好ましい。平均粒径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を径とする。
また、硬化膜の硬度の観点から、無機粒子の空隙率は、10%未満が好ましく、3%未満がより好ましく、空隙がないことが最も好ましい。粒子の空隙率は電子顕微鏡による断面画像の空隙部分と粒子全体との面積比の、200個の算術平均である。
無機粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む金属酸化物粒子が好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウムが、粒子の安定性、入手容易性、硬化膜の硬度、透明性、屈折率調整等の観点から特に好ましい。
酸化ケイ素としては、シリカが好ましく挙げられ、シリカ粒子がより好ましく挙げられる。
シリカ粒子としては、二酸化ケイ素を含む無機酸化物の粒子であれば特に問題はなく、二酸化ケイ素又はその水和物を主成分(好ましくは80質量%以上)として含む粒子が好ましい。上記粒子は、少量成分(例えば、5質量%未満)としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。また、シリカ粒子は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。このような化合物の例として、コロイダルシリカが例示される。
コロイダルシリカの分散媒としては特に制限はなく、水、有機溶剤、及びこれらの混合物のいずれであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
本発明において、粒子は、適当な分散剤及び溶剤中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合・分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。なお、本発明の感光性組成物において、コロイダルシリカがコロイド状態で存在していることを必須とするものではない。
無機粒子を配合する場合、無機粒子の含有量は、硬度の観点から、感光性組成物の全固形分に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。また、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
無機粒子は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
成分F:ブロックイソシアネート化合物
本発明の感光性組成物は、成分Fとして、ブロックイソシアネート化合物を含有することが好ましい。成分Fを含有することにより、リワーク性により優れる。その作用機構は明確ではないが、光硬化後の加熱処理により成分Fのブロックイソシアネート基は脱保護されると考えられる。硬化膜中で、成分Fに由来するイソシアネート基の働きにより、基板との密着性が向上したり、イソシアネート基が水分、塩類と相互作用することによって、リワーク性に優れるものと推定される。
ブロックイソシアネート化合物としては、ブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。ブロックイソシアネート基の数の上限は、特に定めるものではないが、6以下が好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、並びに、これらの多量体、及び、これらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及び、これらの多量体よりなる群から選ばれた化合物を保護したブロックイソシアネート化合物が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及び、これらの多量体よりなる群から選ばれた化合物を保護したブロックイソシアネート化合物がより好ましい。
イソシアネート化合物の多量体としては、2量体以上の多量体であれば特に制限はなく、ビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体等を例示することができ、ビウレット体が好ましい。
本発明の感光性組成物におけるブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、又は、ピラゾール化合物が好ましく、オキシム化合物、及び、ラクタム化合物がより好ましく、オキシム化合物が更に好ましく、メチルエチルケトンオキシムが特に好ましい。
上記オキシム化合物としては、オキシム、及び、ケトオキシムが挙げられ、具体的には、アセトキシム、ホルムアルドキシム、シクロヘキサンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等が例示できる。
上記ラクタム化合物としては、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等が例示できる。
上記フェノール化合物としては、フェノール、ナフトール、クレゾール、キシレノール、ハロゲン置換フェノール等が例示できる。
上記アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が例示できる。
上記アミン化合物としては、第1級アミン及び第2級アミンが挙げられ、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環族アミンいずれでもよく、アニリン、ジフェニルアミン、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が例示できる。
上記活性メチレン化合物としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル等が例示できる。
上記ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、ジメチルピラゾール等が例示できる、
上記メルカプタン化合物としては、アルキルメルカプタン、アリールメルカプタン等が例示できる。
本発明の感光性組成物に使用できるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60P、17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
成分Fは、1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
本発明の感光性組成物におけるブロックイソシアネート化合物の含有量は、感光性組成物の全固形分に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。
また、本発明の感光性組成物におけるブロックイソシアネート化合物の含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。
成分Fの含有量が上記範囲内であると、信頼性に優れた硬化膜が得られるので、好ましい。
−その他の成分−
本発明の感光性組成物は、上述した成分に加え、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、公知の成分を用いることができ、以下に示す各成分を好ましく例示できる。
<溶剤>
本発明の感光性組成物は、溶剤を含有してもよい。本発明の感光性組成物は、必須成分である成分A〜成分D、並びに、前述及び後述の任意成分を、溶剤に溶解及び/又は分散した組成物として調製されることが好ましい。
溶剤としては、有機溶剤が好ましい。本発明の感光性組成物に使用される有機溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ブチレングリコールジアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコール類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。これらの有機溶剤の具体例としては、特開2009−098616号公報の段落0062を参照できる。
具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、プロピレングリコールジアセテート、テトラヒドロフルフリルアルコールが好ましい。
有機溶剤の沸点は、塗布性の観点から100℃〜300℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種以上を併用することができる。沸点の異なる溶剤を併用することも好ましい。
本発明の感光性組成物における溶剤の含有量は、塗布に適した粘度に調整するという観点から、組成物の全固形分100質量部あたり、100〜3,000質量部であることが好ましく、200〜2,000質量部であることがより好ましく、250〜1,000質量部であることが更に好ましい。
感光性組成物の固形分濃度としては、3〜50質量%が好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
感光性組成物の粘度は、1〜200mPa・sが好ましく、2〜100mPa・sがより好ましく、3〜80mPa・sが更に好ましい。粘度は、例えば、東機産業(株)製のRE−80L型回転粘度計を用いて、25±0.2℃で測定することが好ましい。測定時の回転速度は、5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上は10rpmで、それぞれ行うことが好ましい。
<バインダーポリマー>
本発明の感光性組成物は、解像性及び皮膜特性向上などの観点から、バインダーポリマーを含むことが好ましい。
上記バインダーポリマーは、アルカリ現像性ポリマーであることが好ましい。
アルカリ現像性ポリマーとは、アルカリ現像可能なポリマーのことであり、アルカリ水溶液に接した場合に、溶解性及び/又は膨潤性を示すポリマーである。
アルカリ現像性ポリマーが有するアルカリ現像性基としては、特に制限はないが、カルボキシル基又はヒドロキシ基が好ましく挙げられ、カルボキシル基がより好ましく挙げられる。
また、上記バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用でき、アクリル樹脂であることが好ましい。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等が挙げられる。
酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体が挙げられる。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
また、バインダーポリマーとしては、架橋性基を有することが好ましく、架橋性基を有する構成単位を含むことがより好ましい。
上記架橋性基は、加熱処理で硬化反応を起こす基であれば特に限定はされない。
架橋性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基又はエチレン性不飽和基が好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基がより好ましい。
エポキシ基を有する構成単位を形成するために用いられるモノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、α−エチルアクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられる。
オキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるモノマーの具体例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
また、バインダーポリマーの重合に用いるモノマーとして、具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどによる構成単位を挙げることができる。この他、特開2004−264623号公報の段落0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる。
また、バインダーポリマーは、電気特性の観点から、スチレン類又は脂肪族環式骨格を有するモノマー由来の構成単位を含むことが好ましく、脂肪族環式骨格を有するモノマー由来の構成単位を含むことがより好ましい。これらモノマーとして、具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更に、バインダーポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位が、密着性の観点で好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等が挙げられ、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。
バインダーポリマーは、1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
本発明の感光性組成物中におけるバインダーポリマーの含有量は、特に制限はないが、感光性組成物の全固形分に対して、1〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、10〜55質量%であることが更に好ましく、20〜50質量%であることが特に好ましい。
<アルコキシシラン化合物>
本発明の感光性組成物は、アルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。アルコキシシラン化合物を用いると、本発明の感光性組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できる。
アルコキシシラン化合物としては、アルコキシ基がケイ素原子に直接結合した基を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限はないが、ジアルコキシシリル基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する化合物であることが好ましく、トリアルコキシシリル基を有する化合物であることがより好ましい。
本発明に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と硬化膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。エチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシランがより好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
市販品としては、信越化学工業(株)製、KBM−403やKBM−5103が例示される。
本発明の感光性組成物におけるアルコキシシラン化合物の含有量は、感光性組成物の全固形分対し、0.1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましい。アルコキシシラン化合物は、1種類のみ使用してもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<界面活性剤>
本発明の感光性組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤としては、特開2014−238438号公報の段落0119〜0123に記載された化合物も好ましい例として挙げることができる。
本発明の感光性組成物における界面活性剤の含有量は、配合する場合、組成物の全固形分に対して、0.001〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
界面活性剤は、1種類のみ含んでもよいし、2種類以上含んでもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の感光性組成物は、上記の成分の他に、酸化防止剤を含有してもよい。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1098(以上、BASF社製)を挙げることができる。
酸化防止剤の含有量は、特に制限はないが、感光性組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが更に好ましい。
本発明の感光性組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記以外の他の化合物(例えば、アルコキシメチル基含有化合物等)を含んでいてもよい。アルコキシメチル基含有化合物としては、特開2011−221494号公報の段落0192〜0194に記載のものを挙げることができる。
〔その他の成分〕
本発明の感光性組成物には、必要に応じて、上述した以外にも、増感剤、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、可塑剤、熱酸発生剤、及び、酸増殖剤等のその他の成分を添加することができる。これらの成分については、例えば、特開2014−235216号公報の段落0102〜0104、特開2014−235216号公報の段落0106〜0108、特開2009−98616号公報、特開2009−244801号公報に記載のもの、その他公知のものを用いることができる。また、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の硬化性組成物に添加してもよい。
<硬化膜、硬化物及びその製造方法>
本発明の硬化物は、本発明の感光性組成物を硬化させた硬化物である。上記硬化物としては、硬化膜であることが好ましい。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜の製造方法は、本発明の感光性組成物を硬化させ硬化膜を製造する方法であれば、特に制限はないが、以下の工程1〜工程3をこの順で含むことが好ましい。
工程1:本発明の感光性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された感光性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程3:露光された感光性組成物を水性現像液により現像する現像工程
また、本発明の硬化膜の製造方法は、以下の工程3に続き、以下の工程4を含むことがより好ましい。
工程4:現像された感光性組成物を熱処理する熱処理工程
更に、本発明の硬化膜の製造方法は、以下の工程3に続き、工程4の前に、以下の工程3’を含むことが更に好ましい。
工程3’:現像された感光性組成物に更に活性光線を照射する工程
上記塗布工程では、本発明の感光性組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。感光性組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことができる。更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザン等で基板表面を処理することができる。この処理を行うことにより、感光性組成物の基板への密着性が向上する傾向にある。
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料などが挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス、石英、シリコン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族ポリエーテル樹脂、マレイミド−オレフィン共重合体、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。
これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、通常、最終製品の形態によって、例えばTFT素子のような多層積層構造が形成されている。
また、オンセル構造のタッチパネルなどのような場合には、パネルとして一旦完成しているLCDセルやOLEDセルの上に、本発明の感光性組成物を適用することもできる。
本発明の感光性組成物は、スパッタリングにより製膜された金属膜や金属酸化物に対する密着がよいため、基板としてはスパッタリングにより製膜された金属膜を含むことが好ましい。金属としては、チタン、銅、アルミニウム、インジウム、スズ、マンガン、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、クロム、銀、ネオジウム、及びこれらの酸化物又は合金であることが好ましく、モリブデン、チタン、アルミニウム、銅、及びこれらの合金であることが更に好ましい。なお、金属や金属酸化物は1種単独で用いても、複数種を併用してもよい。
基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、インクジェット法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法、印刷法等の方法を用いることができる。
また、本発明の感光性組成物が溶剤を含有する場合、本発明の硬化膜の製造方法は、工程1の後、工程2の前に、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程を含むことが好ましい。
上記溶剤除去工程では、塗布された上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させることが好ましい。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。また、上記溶剤除去工程においては、感光性組成物中の溶剤を完全に除去する必要はなく、少なくとも一部が除去されていればよい。
上記露光工程では、得られた塗膜に波長300nm以上450nm以下の活性光線を所定のパターン状に照射することが好ましい。この工程では、重合性単量体が、光重合開始剤の作用により重合硬化する。
露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光、など各種方式の露光機を用いることができる。
また、上記露光工程における露光量としても、特に制限はないが、1〜3,000mJ/cm2であることが好ましく、1〜500mJ/cm2であることがより好ましい。
上記露光工程における露光は、酸素遮断された状態で行うことが、硬化促進の観点から好ましい。酸素を遮断する手段としては、窒素雰囲気下で露光したり、酸素遮断膜を設けることが例示される。
また、上記露光工程における露光は、溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部に行われればよく、例えば、全面露光であっても、パターン露光であってもよい。本発明において、露光工程はパターン露光であることが好ましく、フォトマスクを介して露光する工程であることがより好ましい。
また、上記露光工程後に、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上120℃以下がより好ましく、50℃以上110℃以下が特に好ましい。
加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。この範囲で基板、装置へのダメージなく加熱することができる。
現像工程では、パターン状に露光された感光性組成物の未硬化部を水性現像液を用いて現像除去しネガ画像を形成する。現像工程で使用する現像液は、アルカリ性の水性現像液であることが好ましい。
現像工程で使用する現像液は、塩基性化合物の水溶液であることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類:コリン等の(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩類;エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の脂環式アミン類を使用することができる。
これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が好ましい。
また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.4〜2.5質量%水溶液を挙げることができる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等のいずれでもよい。
現像工程の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
パターン露光及び現像については、公知の方法や公知の現像液を用いることができる。例えば、特開2011−186398号公報、特開2013−83937号公報に記載のパターン露光方法及び現像方法を好適に用いることができる。
また、現像工程後、熱処理工程前に、膜硬度向上の観点から、現像された感光性組成物に更に活性光線を照射する工程(ポスト露光)を含むことが好ましい。
この場合、水銀灯やLEDランプなどで50〜3,000mJ/cm2程度のエネルギー露光することが好ましい。また、ポスト露光は、全面露光することが好ましい。
ポスト露光することにより、膜の硬化反応を更に促進することができ、膜硬度が向上する。
本発明の硬化膜の製造方法は、上記現像工程後、現像された感光性組成物を熱処理する工程(ポストベーク)を含むことが好ましい。本発明の感光性組成物を現像した後に熱処理を行うことにより、より強度に優れた硬化膜を得ることができる。
熱処理の温度としては、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。下限値としては、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。この範囲で基板、装置へのダメージなく硬化することができる。
また、上記本発明の硬化膜の製造方法における光及び/又は熱による硬化は、連続して行ってもよいし、逐次行ってもよい。
また、熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより、透明性をより向上させることもできる。
加熱後の形状調整の観点から、熱処理工程(ポストベーク)の前に、比較的低温でベークを行った後に熱処理工程を行うこともできる(ミドルベーク工程の追加)。例えば初めに90℃30分加熱し(ミドルベーク)、後に120℃30分加熱する(ポストベーク)方法等が例示できる。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
本発明の硬化膜は、本発明の感光性組成物を硬化して得られた硬化膜である。
本発明の硬化膜は、オーバーコート膜(保護膜)や層間絶縁膜として好適に用いることができる。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の感光性組成物により、低温で硬化しても充分な硬度のある硬化膜が得られる。例えば、鉛筆硬度が2H以上である硬化膜が得られる。本発明の感光性組成物を硬化して形成される保護膜は、硬化膜物性に優れるため、タッチパネル、タッチパネル表示装置、有機EL表示装置、液晶表示装置等の用途に有用である。中でも、本発明の硬化膜はタッチパネル配線用保護膜であることが好ましく、オンセル構造タッチパネルにおける配線用保護膜であることが特に好ましい。
本発明の感光性組成物は、硬化性及び硬化膜特性に優れるため、MEMSデバイスの構造部材として、本発明の感光性組成物を硬化した硬化物やレジストパターンを隔壁としたり、機械駆動部品の一部として組み込んで使用される。このようなMEMS用デバイスとしては、例えばSAWフィルター、BAWフィルター、ジャイロセンサー、ディスプレイ用マイクロシャッター、イメージセンサー、電子ペーパー、インクジェットヘッド、バイオチップ、封止剤等の部品が挙げられる。より具体的な例は、特表2007−522531号公報、特開2008−250200号公報、特開2009−263544号公報等に例示されている。
本発明の感光性組成物は、平坦性や透明性に優れるため、例えば、特開2011−107476号公報の図2に記載のバンク層(16)及び平坦化膜(57)、特開2010−9793号公報の図4(a)に記載の隔壁(12)及び平坦化膜(102)、特開2010−27591号公報の図10に記載のバンク層(221)及び第3層間絶縁膜(216b)、特開2009−128577号公報の図4(a)に記載の第2層間絶縁膜(125)及び第3層間絶縁膜(126)、特開2010−182638号公報の図3に記載の平坦化膜(12)及び画素分離絶縁膜(14)などの形成に用いることもできる。この他、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー、液晶表示装置のカラーフィルタやカラーフィルタ保護膜、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルタの結像光学系あるいは光ファイバコネクタのマイクロレンズにも好適に用いることができる。
<有機EL表示装置>
本発明の有機EL表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置としては、上記本発明の感光性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が有するTFT(Thin−Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコンーTFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
図1は、有機EL表示装置の一例の構成概念図である。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間、又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂とを用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置としては、上記本発明の感光性組成物を用いて形成される保護膜、平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Plane−Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向法などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明の感光性組成物及び本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルタ上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルタ22が設けられている。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば、白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のものとしたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。
<タッチパネル及びタッチパネル表示装置>
本発明のタッチパネルは、絶縁層及び/又は保護層の、全部又は一部が本発明の硬化性組成物の硬化物からなるタッチパネルである。また、本発明のタッチパネルは、透明基板、電極及び絶縁層及び/又は保護層を少なくとも有することが好ましい。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。その他のタッチパネルとしては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8に記載のもの)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2013−168125号公報の図19に記載のもの、特開2012−89102号公報の図1や図5に記載のもの)、OGS型、TOL型(例えば、特開2013−54727号公報の図2に記載のもの、特開2015−15042号公報の図2、図3、図4、図5に記載のもの)、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6に記載のもの)、各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1、G1Fなど)を挙げることができる。
また、図3は、タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。
例えば、本発明の硬化膜は、図3における、各層の間に保護膜に適用することが好適であり、また、タッチパネルの検出電極間を隔てる層間絶縁膜に適用することも好適である。なお、タッチパネルの検出電極としては、銀、銅、アルミニウム、チタン、モリブデン、これらの合金であることが好ましい。
図3において、110は画素基板を、140は液晶層を、120は対向基板を、130はセンサ部をそれぞれ示している。画素基板110は、図3の下側から順に、偏光板111、透明基板112、共通電極113、絶縁層114、画素電極115、配向膜116を有している。対向基板120は、図3の下側から順に、配向膜121、カラーフィルタ122、透明基板123を有している。センサ部130は、位相差フィルム124、接着層126、偏光板127をそれぞれ有している。また、図3中、125は、センサ用検出電極である。本発明の硬化膜は、画素基板部分の絶縁層(114)(層間絶縁膜ともいう。)や各種保護膜(図示せず)、画素基板部分の各種保護膜(図示せず)、対向基板部分の各種保護膜(図示せず)、センサ部分の各種保護膜(図示せず)等に使用できる。
接着層126や偏光板127には、公知の接着層組成物を使用することができる。
偏光板や接着層の具体例として、特開2014−152319号公報の実施例1、実施例7又は実施例13に記載の接着層つき偏光板、特開2014−191005号公報の実施例1、実施例3又は実施例6に記載の接着層つき偏光板、特開2013−100386号公報の実施例1、実施例3、実施例6、実施例11又は実施例14に記載の接着層つき偏光板、特開2013−163783号公報の実施例1、実施例2、実施例3又は実施例4に記載の接着層を挙げることができる。
接着層には、帯電防止のために、帯電防止剤が含まれていることが好ましい。
帯電防止剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、金属粒子、金属酸化物、導電性ポリマー、第四級アンモニウム塩やリチウム塩等のイオン性化合物を用いることができる。
帯電防止剤の具体例としては、特開2014−191005号公報の段落0107〜0115に記載のもの、特開2013−100386号公報の段落0046〜0054に記載のもの、及び、特表2014−515046号公報の段落0027〜0047に記載のものを挙げることができる。
更に、スタティック駆動方式の液晶表示装置でも、本発明を適用することで意匠性の高いパターンを表示させることも可能である。例として、特開2001−125086号公報に記載されているようなポリマーネットワーク型液晶の絶縁膜として本発明を適用することができる。
また、図4は、タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の他の一例の構成概念図である。
薄膜トランジスタ(TFT)440が具備された薄膜トランジスタ表示板に相当する下部表示板200、下部表示板200と対向して下部表示板200と対向する面に複数のカラーフィルタ330が具備されたカラーフィルタ表示板に相当する上部表示板300、及び下部表示板200と上部表示板300の間に形成された液晶層400を含む。液晶層400は液晶分子(図示せず)を含む。
下部表示板200は、第1絶縁基板210、第1絶縁基板210の上に配置する薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜トランジスタ(TFT)の上面に形成された絶縁膜280、及び絶縁膜280の上に配置する画素電極290を含む。薄膜トランジスタ(TFT)
は、ゲート電極220、ゲート電極220を覆うゲート絶縁膜240、半導体層250、オーミックコンタクト層260、262、ソース電極270、及び、ドレイン電極272を含むことができる。
絶縁膜280には薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極272が露出するようにコンタクトホール282が形成されている。
上部表示板300は、第2絶縁基板310の一面の上に配置して、マトリックス状に配列された遮光部材320、第2絶縁基板310の上に配置する配向膜350、配向膜の上に配置するカラーフィルタ330、及び、カラーフィルタ330の上に配置し、下部表示板200の画素電極290と対応して、液晶層400に電圧を印加する共通電極370を含む。
図4に示す液晶表示装置において、第2絶縁基板310の他の一面にはセンシング電極410、絶縁膜420、駆動電極430、及び、保護膜280を配置する。このように、図4に示す液晶表示装置の製造においては、上部表示板300を形成する時に、タッチスクリーンの構成要素であるセンシング電極410、絶縁膜420、及び、駆動電極430などを共に形成することができる。特に、本発明の感光性組成物を硬化した硬化膜は、絶縁膜280や絶縁膜420に好適に用いることができる。
保護膜280に、上記接着層126や偏光板127で例示した接着層つき偏光板における接着層を貼り合せることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<化合物1(C−1)の合成>
〔化合物Aの合成〕
エチルカルバゾール(100.0g、0.512mol)をクロロベンゼン260mlに溶解し、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(70.3g、0.527mol)を加えた。続いてo−トルオイルクロリド(81.5g、0.527mol)を40分かけて滴下し、室温(25℃、以下同様)に昇温して3時間撹拌した。次に、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(75.1g、0.563mol)を加えた。4−クロロブチリルクロリド(79.4g、0.563mol)を40分かけて滴下し、室温に昇温して3時間撹拌した。35質量%塩酸水溶液156mlと蒸留水392mlとの混合溶液を0℃に冷却し、反応溶液を滴下した。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水とメタノールとで洗浄し、アセトニトリルで再結晶後、下記構造の化合物A(収量164.4g、収率77%)を得た。
Figure 2016153835
〔化合物Bの合成〕
上記で得られた化合物A(20.0g、47.9mmol)をテトラヒドロフラン(THF)64mlに溶解し、4−クロロベンゼンチオール(7.27g、50.2mmol)とヨウ化ナトリウム(0.7g、4.79mmol)とを加えた。続いて反応液に水酸化ナトリウム(2.0g、50.2mmol)を加え、2時間還流した。次に、0℃に冷却後、SM−28(11.1g、57.4mmol、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液、和光純薬工業(株)製)を20分かけて滴下し、室温に昇温して2時間撹拌した。次に、0℃に冷却後、亜硝酸イソペンチル(6.73g、57.4mmol)を20分かけて滴下し、室温に昇温して3時間撹拌した。反応液をアセトン120mlに希釈し、0℃に冷却した0.1N塩酸水溶液に滴下した。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水で洗浄した。続いてアセトニトリルで再結晶し、下記構造の化合物B(収量17.0g、収率64%)を得た。
Figure 2016153835
〔化合物1の合成〕
化合物B(18.0g、32.4mmol)を90mlのN−メチルピロリドン(NMP)に溶解し、トリエチルアミン(Et3N、3.94g、38.9mmol)を加えた。次に、0℃に冷却後、アセチルクロライド(AcCl、3.05g、38.9mmol)を20分かけて滴下後、室温に昇温して2時間撹拌した。反応液を0℃に冷却した蒸留水150mlに滴下し、析出した固体を吸引濾過後、0℃に冷却したイソプロピルアルコール200mlで洗浄し、乾燥後、化合物1(収量19.5g、収率99%)を得た。
Figure 2016153835
また、得られた化合物1の構造はNMRにて同定した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=8.86(s,1H),8.60(s,1H),8.31(d,1H,J=8.0Hz),8.81(d,1H,J=8.0Hz),7.51−7.24(m,10H),7.36(q,2H,7.4Hz),3.24−3.13(m,4H),2.36(s,3H),2.21(s,3H),1.50(t,3H,7.4Hz)。
<P−1の合成>
フラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を1部、PGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)を200部仕込んだ。その後、メチルメタクリレートを30部、メタクリル酸を20部、グリシジルメタクリレートを30部、スチレンを20部仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌し、共重合体P−1を得た。
<P−2及びP−3の合成>
使用するモノマーの種類及び/又は添加量を変更した以外は、P−1の合成と同様にして、共重合体P−2及びP−3をそれぞれ合成した。
実施例及び比較例で使用した各成分は、以下の通りである。
<成分A>
A−1:アロニックス TO−2359(東亞合成(株)製)、カルボキシ基を有する5官能アクリレート化合物、下記化合物a−1
A−2:アロニックス M−510(東亞合成(株)製)、カルボキシ基を有する3官能アクリレート化合物、下記化合物a−2
A−3:カルボキシ基を有する7官能アクリレート化合物、下記化合物a−3
A’−1:アロニックス M−5300(東亞合成(株)製)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、1官能
Figure 2016153835
<成分B>
B−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)、6官能
B−2:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(NKエステル A−TMMT、新中村化学工業(株)製)、4官能
B−3:トリメチロールプロパントリアクリレート(M309、東亞合成(株)製)、3官能
B−4:NKオリゴ U−15HA(新中村化学工業(株)製)、15官能
B−5:UA−306H(共栄社化学(株)製)、6官能
B’−1:1,9−ノナンジオールジアクリレート(NKエステル A−NOD−N、新中村化学工業(株)製)、2官能
<成分C>
C−1:化合物1(合成品、上記参照)、オキシムエステル化合物
C−2:IRGACURE OXE−01(BASF社製)、オキシムエステル化合物、下記構造
C−3:IRGACURE OXE−02(BASF社製)、オキシムエステル化合物、下記構造
Figure 2016153835
<成分D>
D−1:ライトエステル P−1M(共栄社化学(株)製、主成分が下記化合物であるリン酸エステル化合物)
D−2:ライトエステル P−2M(共栄社化学(株)製、主成分が下記化合物であるリン酸エステル化合物)
D−3:KAYAMER PM−21(日本化薬(株)製、下記組成を満たす混合物)
D−4:JPA−514(城北化学工業(株)製、下記2種の混合物)
D−5:MR−260(大八化学工業(株)製、下記化合物)
Figure 2016153835
<成分K>
K−1:フェノチアジン(東京化成工業(株)製)
K−2:フェノキサジン(東京化成工業(株)製)
<成分E>
E−1:PMA−ST(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子、平均粒径10〜15nm
E−2:MIBK−ST−L(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子、平均粒径40〜50nm
<成分F>
F−1:タケネートB870N(三井化学(株)製)
F−2:デスモジュールBL3575/1 PMA/SN(住化バイエルウレタン(株)製)
F−3:デスモジュールBL4265(住化バイエルウレタン(株)製)
F−4:デュラネートSBN−70D(三井化学(株)製)
<バインダーポリマー>
P−1:メチルメタクリレート(MMA)/メタクリル酸(MAA)/グリシジルメタクリレート(GMA)/スチレン(St)=30/20/30/20(質量比)の共重合体、重量平均分子量(Mw)=12,000、数平均分子量(Mn)=8,000、合成品、上記参照
P−2:MMA/MAA/GMA/St/ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)=30/20/30/10/10(質量比)の共重合体、Mw=13,000、Mn=8,500、合成品、上記参照
P−3:MMA/MAA/(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレート(OXE−10)/St=30/20/30/20(質量比)の共重合体、Mw=11,000、Mn=7,500、合成品、上記参照
<アルコキシシラン化合物>
SC−1:KBM−403(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、信越化学工業(株)製)
SC−2:KBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
<界面活性剤>
W−1:メガファックF554((株)DIC製)、フッ素系界面活性剤)
<添加剤>
J−1:アデカスタブAO−60(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、(株)ADEKA製)
J−2:Irganox 1035(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、BASF社製)
J−3:カレンズMT−PE−1(チオール化合物、昭和電工(株)製)
<溶剤>
Y−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート((株)ダイセル製)
Y−2:メチルエチルジグリコール((株)ダイセル製)
Y−3:1,3−ブチレングリコールジアセテート
(実施例1〜93、及び、比較例1〜13)
<感光性組成物の調製>
下記表2〜表5に記載のように各成分を配合・撹拌して溶剤の溶液及び/又は分散液とし、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、実施例1〜93、及び、比較例1〜13の各感光性組成物を得た。下記表2〜表5の各成分の添加量の単位は、質量部である。
得られた各感光性組成物を用い、以下の評価を行った。評価結果を表2〜表5に示す。
<リワーク性の評価>
上記で調製された各感光性組成物を、ガラス基板上にスピンコートし、90℃、120秒のプリベークを行い、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。次に高圧水銀灯により500mJ/cm(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作製した。
次に、特開平7−331210号公報の実施例1に従い作製した、アクリル系粘着剤つき偏光板を、幅20mm、長さ100mmに切断し、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、偏光板の粘着剤層面を硬化膜に、2kgローラー1往復により貼り付けた。
更に、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で30分間養生した後、評価者の手で評価用サンプルの端部をつまみ、長さ100mmの方向に剥離角度100〜120°、引っ張り速度100mm/min〜500mm/minで剥離した。
最後に、硬化膜表面を清浄にするため、アセトンを含んだ不織布を用いて、評価者の手で表面をふき取った。
ふき取り後の硬化膜を観察し、以下のように判定した。
5:硬化膜に傷が無く、膜厚変化も発生しない。
4:硬化膜に、表示品質に影響しない軽微な傷が発生する、又は、1%未満の膜厚変化が生じる。
3:硬化膜に、表示品質に僅かに影響する傷が発生する、又は、1%以上3%未満の膜厚変化が生じる。
2:硬化膜に、表示品質に大きく影響する目立った傷が発生する、又は、3%以上の膜厚変化が生じる。
1:硬化膜が基材から剥がれてしまう。
<裾引きの評価>
ガラス基板(EAGLE XG、0.7mm厚(コーニング社製))を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)蒸気下に30秒曝し、各感光性組成物をスピンコート塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚3.0μmの感光性組成物層を形成した。
次に、得られた感光性組成物層を、キヤノン(株)製MPA 5500CF(高圧水銀灯)を用いて、マスク径が50μmのホールパターンを有するマスクを介して露光した。そして、露光後の感光性組成物層を、アルカリ現像液(2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスした。これらの操作により基板側から膜厚方向に1.5μmの点で10μmのホール径を解像する時の最適i線露光量(Eopt)を感度とした。
マスク径が50μmのホールパターンについて、上記最適i線露光量にて露光し、パターンを作成した際のホール径について評価した。以降の評価において、実ホールパターン径は、レジストのボトム(底面)のサイズで規定した。ホール径とマスク径との差が小さい、すなわち、裾引きが少ないほど、パネル設計が容易となり、好ましい。
−評価基準−
5:マスク径と実ホールパターン径の比が±10%以内のもの
4:マスク径と実ホールパターン径の比が±10%を超え、かつ±20%以内のもの
3:マスク径と実ホールパターン径の比が±20%を超え、かつ±30%以内のもの
2:マスク径と実ホールパターン径の比が±30%を超え、かつ±40%以内のもの
1:マスク径と実ホールパターン径の比が±40%を超えるもの、又は、残膜があり底部が解像しないもの
<現像膜減りの評価>
ガラス基板(EAGLE XG、0.7mm厚(コーニング社製))を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)蒸気下に30秒曝し、各感光性組成物をスピンコート塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚3.0μmの感光性組成物層を形成した。
次に、得られた感光性組成物層を、高圧水銀灯を用いて、100mJ/cm(i線換算)の光照射を行った。そして、露光後の感光性組成物層を、アルカリ現像液(2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスした。
現像処理前後の膜厚を測定し、現像膜減り率を評価した。
−評価基準−
5:膜減り率が3%未満
4:膜減り率が3%以上8%未満
3:膜減り率が8%以上15%未満
2:膜減り率が15%以上30%未満
1:膜減り率が30%以上
Figure 2016153835
Figure 2016153835
Figure 2016153835
Figure 2016153835
<表示装置の作製>
図4に示す表示装置において、本発明の各実施例で得られた感光性組成物をタッチ検出電極保護膜(絶縁膜、420)に用いて、表示装置をそれぞれ作製した。具体的には、保護膜(420)は、各実施例で得られた感光性組成物をスリットコート塗布し、90℃、120秒のプリベークを行い、高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより形成した。表示装置のその他の部分は、特開2013−168125号公報に図19として記載された製造方法に従って作製した。作製した表示装置は、表示性能、タッチ検出性能とも優れていた。
1:TFT(薄膜トランジスタ)、2:配線、3:絶縁膜、4:平坦化膜、5:第一電極、6:ガラス基板、7:コンタクトホール、8:絶縁膜、10:液晶表示装置、12:バックライトユニット、14,15:ガラス基板、16:TFT、17:硬化膜、18:コンタクトホール、19:ITO透明電極、20:液晶、22:カラーフィルタ、110:画素基板、111:偏光板、112:透明基板、113:共通電極、114:絶縁層、115:画素電極、116:配向膜、120:対向基板、121:配向膜、122:カラーフィルタ、123:透明基板、124:位相差フィルム、125:センサ用検出電極、126:接着層、127:偏光板、130:センサ部、140:液晶層、200:下部表示板、210:第1絶縁基板、220:ゲート電極、240:ゲート絶縁膜、250:半導体層、260,262:オーミックコンタクト層、270:ソース電極、272:ドレイン電極、280:絶縁膜、282:コンタクトホール、290:画像電極、300:上部表示板、310:第2絶縁基板、320:遮光部材、330:カラーフィルタ、350:配向膜、370:共通電極、400:液晶層、410:センシング電極、420:絶縁膜、430:駆動電極、440:TFT

Claims (14)

  1. 成分Aとして、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基と1以上のカルボキシ基とを有する重合性単量体、
    成分Bとして、分子内に3以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつカルボキシ基を有しない重合性単量体、
    成分Cとして、光重合開始剤、
    成分Dとして、リン酸エステル構造とエチレン性不飽和基とを有する化合物、及び、
    成分Kとして、重合禁止剤、を含み、
    組成物中の全固形分に対する成分Kの含有量が、0.01〜0.5質量%であり、
    組成物中の全有機固形分に対する成分Dの含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とする
    感光性組成物。
  2. 成分A及び成分Bの総含有量に対する成分Aの含有量が、10〜50質量%である、請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 組成物中の全有機固形分に対する成分Dの含有量が、0.5〜2質量%である、請求項1又は2に記載の感光性組成物。
  4. 組成物中の全有機固形分に対する成分A及び成分Bの総含有量が、70〜95質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  5. 無機粒子を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  6. 少なくとも工程1〜工程3をこの順に含む硬化膜の製造方法。
    工程1:請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性組成物を基板上に塗布する塗布工程
    工程2:塗布された感光性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
    工程3:露光された感光性組成物を水性現像液により現像する現像工程
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性組成物を硬化してなる硬化膜。
  8. 層間絶縁膜又は保護膜である、請求項7に記載の硬化膜。
  9. タッチパネル配線用保護膜である、請求項7又は8に記載の硬化膜。
  10. オンセル構造タッチパネルにおける配線用保護膜である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の硬化膜。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の硬化膜を有するタッチパネル。
  12. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
  13. 請求項7又は8に記載の硬化膜を有する液晶表示装置。
  14. 請求項7又は8に記載の硬化膜を有する有機EL表示装置。
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