JP2016071246A - 表示パネル基板の製造方法、表示パネル基板、及び、タッチパネル表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示装置表面の微細凹凸平坦化性、基板追従性、及び、鉛筆硬度に優れた保護膜を具備する表示パネル基板の製造方法、上記製造方法により製造される表示パネル基板、上記表示パネル基板を備えたタッチパネル表示装置を提供する。
【解決手段】工程1として、感光性組成物を、表示パネルのタッチ検出電極を備える面に塗布する塗布工程と、工程2として、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程と、工程3として、溶剤が除去された感光性組成物を光及び/又は熱により硬化する硬化工程とをこの順で含む。
【選択図】図1
【解決手段】工程1として、感光性組成物を、表示パネルのタッチ検出電極を備える面に塗布する塗布工程と、工程2として、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程と、工程3として、溶剤が除去された感光性組成物を光及び/又は熱により硬化する硬化工程とをこの順で含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、表示パネル基板の製造方法、表示パネル基板、及び、タッチパネル表示装置に関する。
液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネルディスプレイが広く使用されている。
表示パネル基板の製造においては、表示パネルが有するガラス基板の表面に電極が形成された状態で硬化性組成物を塗布し、保護膜を形成することが行われている。
このような保護膜の形成方法としては、特許文献1又は2に記載の方法が知られている。
また近年では、これらディスプレイの軽量化と薄型化の要請に基づき、液晶ディスプレイを構成するガラス基板を研磨することが行われている。
表示パネル基板の製造においては、表示パネルが有するガラス基板の表面に電極が形成された状態で硬化性組成物を塗布し、保護膜を形成することが行われている。
このような保護膜の形成方法としては、特許文献1又は2に記載の方法が知られている。
また近年では、これらディスプレイの軽量化と薄型化の要請に基づき、液晶ディスプレイを構成するガラス基板を研磨することが行われている。
しかしながら、特許文献1又は2に記載の組成物は、表面の微細凹凸平坦化性、基板追従性、及び鉛筆硬度の観点で充分ではなかった。
本発明が解決しようとする課題は、表面の微細凹凸平坦化性、基板追従性、及び、鉛筆硬度に優れた保護膜を具備する表示パネル基板の製造方法、上記製造方法により製造される表示パネル基板、上記表示パネル基板を備えたタッチパネル表示装置を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、表面の微細凹凸平坦化性、基板追従性、及び、鉛筆硬度に優れた保護膜を具備する表示パネル基板の製造方法、上記製造方法により製造される表示パネル基板、上記表示パネル基板を備えたタッチパネル表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<5>又は<6>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である、<2>〜<4>と共に以下に記載する。
<1> 工程1として、感光性組成物を、表示パネルのタッチ検出電極を備える面に塗布する塗布工程と、工程2として、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程と、工程3として、溶剤が除去された感光性組成物を光及び/又は熱により硬化する硬化工程とをこの順で含み、上記感光性組成物が、成分Aとして、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物、成分Bとして、光重合開始剤、成分Cとして、有機又は無機粒子、及び、成分Dとして、溶剤、を含有し、成分Aの含有量が、感光性組成物中の成分C以外の全固形分量に対して50〜98質量%であり、感光性組成物の粘度が3〜30mPa・sであり、感光性組成物の表面張力が20〜30mN/mであり、感光性組成物の全量に対する固形分量が10〜50質量%であり、上記表示パネルが、少なくとも一つの面にタッチ検出電極を備え、タッチ検出電極のある面の少なくとも一部に厚さ0.3mm以下のガラス基板又は厚さ1.0mm以下の樹脂基板を備え、上記タッチ検出電極の厚みが30nm以上であることを特徴とする表示パネル基板の製造方法、
<2> 上記感光性組成物が、成分Eとして、界面活性剤を更に含有する、<1>に記載の表示パネル基板の製造方法、
<3> 塗布工程において、表示パネルを吸着により固定する、<1>又は<2>に記載の表示パネル基板の製造方法、
<4> 上記タッチ検出電極のある面の少なくとも一部に備える基板がガラス基板であり、上記塗布工程の前に、ガラス基板を研磨するスリミング工程を更に含む、<1>〜<3>のいずれかに記載の表示パネル基板の製造方法、
<5> <1>〜<4>のいずれか1つに記載の表示パネル基板の製造方法により製造された、表示パネル基板、
<6> <5>に記載の表示パネル基板を備えるタッチパネル表示装置。
<1> 工程1として、感光性組成物を、表示パネルのタッチ検出電極を備える面に塗布する塗布工程と、工程2として、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程と、工程3として、溶剤が除去された感光性組成物を光及び/又は熱により硬化する硬化工程とをこの順で含み、上記感光性組成物が、成分Aとして、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物、成分Bとして、光重合開始剤、成分Cとして、有機又は無機粒子、及び、成分Dとして、溶剤、を含有し、成分Aの含有量が、感光性組成物中の成分C以外の全固形分量に対して50〜98質量%であり、感光性組成物の粘度が3〜30mPa・sであり、感光性組成物の表面張力が20〜30mN/mであり、感光性組成物の全量に対する固形分量が10〜50質量%であり、上記表示パネルが、少なくとも一つの面にタッチ検出電極を備え、タッチ検出電極のある面の少なくとも一部に厚さ0.3mm以下のガラス基板又は厚さ1.0mm以下の樹脂基板を備え、上記タッチ検出電極の厚みが30nm以上であることを特徴とする表示パネル基板の製造方法、
<2> 上記感光性組成物が、成分Eとして、界面活性剤を更に含有する、<1>に記載の表示パネル基板の製造方法、
<3> 塗布工程において、表示パネルを吸着により固定する、<1>又は<2>に記載の表示パネル基板の製造方法、
<4> 上記タッチ検出電極のある面の少なくとも一部に備える基板がガラス基板であり、上記塗布工程の前に、ガラス基板を研磨するスリミング工程を更に含む、<1>〜<3>のいずれかに記載の表示パネル基板の製造方法、
<5> <1>〜<4>のいずれか1つに記載の表示パネル基板の製造方法により製造された、表示パネル基板、
<6> <5>に記載の表示パネル基板を備えるタッチパネル表示装置。
本発明によれば、表示装置表面の微細凹凸平坦化性、基板追従性、及び、鉛筆硬度に優れた保護膜を具備する表示パネル基板の製造方法、上記製造方法により製造される表示パネル基板、上記表示パネル基板を備えたタッチパネル表示装置を提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい。
本発明では、ポリマー成分については、分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(表示パネル基板の製造方法)
本発明の表示パネル基板の製造方法は、工程1として、感光性組成物を、表示パネルのタッチ検出電極を備える面に塗布する塗布工程と、工程2として、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程と、工程3として、溶剤が除去された感光性組成物を光及び/又は熱により硬化する硬化工程とをこの順で含み、上記感光性組成物が、成分Aとして、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物、成分Bとして、光重合開始剤、成分Cとして、有機又は無機粒子、及び、成分Dとして、溶剤、を含有し、成分Aの含有量が、感光性組成物中の成分C以外の全固形分量に対して50〜98質量%であり、感光性組成物の粘度が3〜30mPa・sであり、感光性組成物の表面張力が20〜30mN/mであり、感光性組成物の全量に対する固形分量が10〜50質量%であり、上記表示パネルが、少なくとも一つの面にタッチ検出電極を備え、タッチ検出電極のある面の少なくとも一部に厚さ0.3mm以下のガラス基板又は厚さ1.0mm以下の樹脂基板を備え、上記タッチ検出電極の厚みが30nm以上であることを特徴とする。
本発明の表示パネル基板の製造方法は、工程1として、感光性組成物を、表示パネルのタッチ検出電極を備える面に塗布する塗布工程と、工程2として、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程と、工程3として、溶剤が除去された感光性組成物を光及び/又は熱により硬化する硬化工程とをこの順で含み、上記感光性組成物が、成分Aとして、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物、成分Bとして、光重合開始剤、成分Cとして、有機又は無機粒子、及び、成分Dとして、溶剤、を含有し、成分Aの含有量が、感光性組成物中の成分C以外の全固形分量に対して50〜98質量%であり、感光性組成物の粘度が3〜30mPa・sであり、感光性組成物の表面張力が20〜30mN/mであり、感光性組成物の全量に対する固形分量が10〜50質量%であり、上記表示パネルが、少なくとも一つの面にタッチ検出電極を備え、タッチ検出電極のある面の少なくとも一部に厚さ0.3mm以下のガラス基板又は厚さ1.0mm以下の樹脂基板を備え、上記タッチ検出電極の厚みが30nm以上であることを特徴とする。
近年、表示パネルの薄型化や軽量化の要求が強く、研磨により薄型化したガラス基板や柔軟な樹脂基板を用いて表示パネルが製造されている。またガラス基板の場合には厚さ0.3mm以下であることが多く、樹脂基板の場合は厚さ1.0mm以下であることが多い。
しかし、厚さが0.3mm以下のガラス基板を有する表示パネル基板はガラス基板の柔軟性が高いため、感光性組成物を塗布する際に基板が変形し、歪みを生じてしまう。また、厚さ1.0mm以下の樹脂基板を有する表示パネル基板も、樹脂基板の柔軟性が高いため同様の問題が生じる。
本発明者等は、そのような変形した基板に感光性組成物を塗布した場合、塗布した組成物が基板の形に追従せず、基板の歪んだ部分に乾燥前の組成物が溜まってしまい、保護膜の厚さが均一にならないという問題点があることを見出した。
また、タッチ検出電極の低抵抗化の要求から、タッチ検出電極の厚みは30nm以上となる場合が多いが、30nm以上の厚みを持つタッチ検出電極が形成されている場合、上記タッチ検出電極により形成される凹凸が保護層の表面にも影響し、表面が平坦化されないという問題があった。
更に、厚さ0.3mm以下のガラス基板を用いる場合は、表示パネルのパネル化工程後である事が多い。パネル化工程後に、表示パネル上に感光性組成物を塗布し硬化させる場合には、下地となる表示パネルの損耗を防ぐため、低温(200℃以下、可能ならば180℃以下)での硬化性も求められる。樹脂基板を用いる際は基板自体の耐熱性が低く、同様の課題がある。
そこで、本発明者等は、感光性組成物中の、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物の含有量、粘度、及び、表面張力を特定の値にすることにより、厚さ0.3mm以下のガラス基板又は厚さ1.0mm以下の樹脂基板を用い、かつタッチ検出電極の厚みが30nm以上であるような表示パネルに塗布した場合でも、微細凹凸平坦化性、基板追従性、及び、鉛筆硬度に優れた保護膜が得られることを見出した。
しかし、厚さが0.3mm以下のガラス基板を有する表示パネル基板はガラス基板の柔軟性が高いため、感光性組成物を塗布する際に基板が変形し、歪みを生じてしまう。また、厚さ1.0mm以下の樹脂基板を有する表示パネル基板も、樹脂基板の柔軟性が高いため同様の問題が生じる。
本発明者等は、そのような変形した基板に感光性組成物を塗布した場合、塗布した組成物が基板の形に追従せず、基板の歪んだ部分に乾燥前の組成物が溜まってしまい、保護膜の厚さが均一にならないという問題点があることを見出した。
また、タッチ検出電極の低抵抗化の要求から、タッチ検出電極の厚みは30nm以上となる場合が多いが、30nm以上の厚みを持つタッチ検出電極が形成されている場合、上記タッチ検出電極により形成される凹凸が保護層の表面にも影響し、表面が平坦化されないという問題があった。
更に、厚さ0.3mm以下のガラス基板を用いる場合は、表示パネルのパネル化工程後である事が多い。パネル化工程後に、表示パネル上に感光性組成物を塗布し硬化させる場合には、下地となる表示パネルの損耗を防ぐため、低温(200℃以下、可能ならば180℃以下)での硬化性も求められる。樹脂基板を用いる際は基板自体の耐熱性が低く、同様の課題がある。
そこで、本発明者等は、感光性組成物中の、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物の含有量、粘度、及び、表面張力を特定の値にすることにより、厚さ0.3mm以下のガラス基板又は厚さ1.0mm以下の樹脂基板を用い、かつタッチ検出電極の厚みが30nm以上であるような表示パネルに塗布した場合でも、微細凹凸平坦化性、基板追従性、及び、鉛筆硬度に優れた保護膜が得られることを見出した。
本発明の内容について、図1を参照して説明する。
図1(a)は本発明の表示パネル基板の製造方法により製造された表示パネル基板であり、ガラス基板34の変形にしたがって保護層32が均一な厚さで形成されている。また、ガラス基板34の表面にはタッチ検出電極30が形成されているが、タッチ検出電極30の上に形成されている保護層32であっても、表面の微細な凹凸は平坦化されている。
図1(b)は、微細凹凸平坦化性、及び、基板追従性が悪い場合の表示パネルであり、保護層32はガラス基板34の変形に追従せず、薄い部分と厚い部分ができてしまっている。また、タッチ検出電極30の上に形成されている保護層32の表面は平坦化されず、微細な凹凸36ができてしまっている。
図1(a)は本発明の表示パネル基板の製造方法により製造された表示パネル基板であり、ガラス基板34の変形にしたがって保護層32が均一な厚さで形成されている。また、ガラス基板34の表面にはタッチ検出電極30が形成されているが、タッチ検出電極30の上に形成されている保護層32であっても、表面の微細な凹凸は平坦化されている。
図1(b)は、微細凹凸平坦化性、及び、基板追従性が悪い場合の表示パネルであり、保護層32はガラス基板34の変形に追従せず、薄い部分と厚い部分ができてしまっている。また、タッチ検出電極30の上に形成されている保護層32の表面は平坦化されず、微細な凹凸36ができてしまっている。
<塗布工程>
発明の表示パネル基板の製造方法は、工程1として、感光性組成物を、表示パネルのタッチ検出電極を備える面に塗布する塗布工程を含む。
本発明に用いられる感光性組成物については後述する。
発明の表示パネル基板の製造方法は、工程1として、感光性組成物を、表示パネルのタッチ検出電極を備える面に塗布する塗布工程を含む。
本発明に用いられる感光性組成物については後述する。
〔表示パネル〕
本発明に用いられる表示パネルは、少なくとも一つの面にタッチ検出電極を備え、タッチ検出電極のある面の少なくとも一部に厚さ0.3mm以下のガラス基板又は厚さ1.0mm以下の樹脂基板を備え、上記タッチ検出電極の厚みが30nm以上である。
上記ガラス基板は、厚さが0.3mm以下であり、0.2mm以下であることが好ましい。ガラス基板の厚さを調整する方法としては、特に限定されないが、後述するスリミング工程により厚さを調整されることが好ましい。
タッチ検出電極の厚さは30nm以上であり、40nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。厚さが上記範囲にあることにより、タッチ検出電極の電気抵抗を低くすることができる。
上限としては特に制限はないが、後工程を経た後の表面平坦性の観点から、2,000nm以下が好ましく、1,000nm以下がより好ましく、300nm以下がより更に好ましく、200nm以下が最も好ましい。
上記タッチ検出電極は、表示特性の観点から透明導電層であることが好ましい。透明導電層としては特に制限なく透光性の導電性金属として公知の材料により形成されていればよく、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)が好ましく挙げられ、ITOがより好ましい。
また、タッチ検出電極としては、透明導電層の他、金属配線を用いることもできる。金属としては、導電性の高い金属が好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、銀、タングステン、白金、金などを例示でき、また、これらの合金であってもよい。中でも、導電性、パターンニング性及び黒化処理容易性の観点から、銀、銅、アルミニウム、チタン、クロム、モリブデン、及び、これらの合金よりなる群から選ばれた金属が好ましく、銀、銅、又は、これらの合金がより好ましく、銀、又は、銅が更に好ましく、銅が特に好ましい。このような金属をもちいることで、高い導電性のタッチ検出電極を形成できる。
また、本発明の表示パネルは、2枚のガラス基板又は樹脂基板を有していることが好ましく、2枚のガラス基板又は樹脂基板の間には表示パネルとして機能するための構造を備えることが好ましい。
本発明の表示パネルは、表示に使用されるパネルであれば特に限定されないが、液晶パネル、又は、有機ELパネルであることが好ましい。
本発明の表示パネルが液晶パネルである場合、カラーフィルタ、配向膜、液晶層を更に有することがより好ましく、ガラス基板又は樹脂基板、カラーフィルタ、配向膜、液晶層、配向膜、ガラス基板又は樹脂基板の順に有することが更に好ましい。
本発明の表示パネルは、最終製品の形態によって、例えばTFT素子のような多層積層構造が形成されていることが好ましい。
また、オンセル構造のタッチパネルなどのような場合には、表示パネルとして一旦完成しているLCDセルやOLEDセルを用い、それらの上に、本発明に用いられる感光性組成物を塗布してもよい。
また、本発明の表示パネルは、ガラス基板又は樹脂基板とタッチ検出電極の間、又は、ガラス基板又は樹脂基板上に、インデックスマッチング層等、その他の層を含んでいてもよい。
本発明に用いられる表示パネルは、少なくとも一つの面にタッチ検出電極を備え、タッチ検出電極のある面の少なくとも一部に厚さ0.3mm以下のガラス基板又は厚さ1.0mm以下の樹脂基板を備え、上記タッチ検出電極の厚みが30nm以上である。
上記ガラス基板は、厚さが0.3mm以下であり、0.2mm以下であることが好ましい。ガラス基板の厚さを調整する方法としては、特に限定されないが、後述するスリミング工程により厚さを調整されることが好ましい。
タッチ検出電極の厚さは30nm以上であり、40nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。厚さが上記範囲にあることにより、タッチ検出電極の電気抵抗を低くすることができる。
上限としては特に制限はないが、後工程を経た後の表面平坦性の観点から、2,000nm以下が好ましく、1,000nm以下がより好ましく、300nm以下がより更に好ましく、200nm以下が最も好ましい。
上記タッチ検出電極は、表示特性の観点から透明導電層であることが好ましい。透明導電層としては特に制限なく透光性の導電性金属として公知の材料により形成されていればよく、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)が好ましく挙げられ、ITOがより好ましい。
また、タッチ検出電極としては、透明導電層の他、金属配線を用いることもできる。金属としては、導電性の高い金属が好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、銀、タングステン、白金、金などを例示でき、また、これらの合金であってもよい。中でも、導電性、パターンニング性及び黒化処理容易性の観点から、銀、銅、アルミニウム、チタン、クロム、モリブデン、及び、これらの合金よりなる群から選ばれた金属が好ましく、銀、銅、又は、これらの合金がより好ましく、銀、又は、銅が更に好ましく、銅が特に好ましい。このような金属をもちいることで、高い導電性のタッチ検出電極を形成できる。
また、本発明の表示パネルは、2枚のガラス基板又は樹脂基板を有していることが好ましく、2枚のガラス基板又は樹脂基板の間には表示パネルとして機能するための構造を備えることが好ましい。
本発明の表示パネルは、表示に使用されるパネルであれば特に限定されないが、液晶パネル、又は、有機ELパネルであることが好ましい。
本発明の表示パネルが液晶パネルである場合、カラーフィルタ、配向膜、液晶層を更に有することがより好ましく、ガラス基板又は樹脂基板、カラーフィルタ、配向膜、液晶層、配向膜、ガラス基板又は樹脂基板の順に有することが更に好ましい。
本発明の表示パネルは、最終製品の形態によって、例えばTFT素子のような多層積層構造が形成されていることが好ましい。
また、オンセル構造のタッチパネルなどのような場合には、表示パネルとして一旦完成しているLCDセルやOLEDセルを用い、それらの上に、本発明に用いられる感光性組成物を塗布してもよい。
また、本発明の表示パネルは、ガラス基板又は樹脂基板とタッチ検出電極の間、又は、ガラス基板又は樹脂基板上に、インデックスマッチング層等、その他の層を含んでいてもよい。
<ガラス基板又は樹脂基板>
本発明の基板にはガラス基板又は樹脂基板が用いられる。
パネルの軽量化、薄型化の観点から、基板は薄いことが好ましく、ガラス基板の場合には0.3mm以下であり、樹脂基板の場合は1.0mm以下である。
基板の厚さについて特に下限はないが、パネルの強度の観点から、ガラス基板の場合には0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。
樹脂基板の場合には0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル樹脂、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル樹脂、マレイミド−オレフィン樹脂、セルロース、エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
基板としては、寸法精度及び透明性の観点からは、ガラス基板が好ましく、また、軽量性、割れにくさ及び屈曲性の観点からは、樹脂フィルム基板が好ましい。樹脂フィルムは、いわゆる、ロールトゥロールの製造方法を好適に採用することができる。
以下、液晶パネル及び有機ELパネルについて説明する。
本発明の基板にはガラス基板又は樹脂基板が用いられる。
パネルの軽量化、薄型化の観点から、基板は薄いことが好ましく、ガラス基板の場合には0.3mm以下であり、樹脂基板の場合は1.0mm以下である。
基板の厚さについて特に下限はないが、パネルの強度の観点から、ガラス基板の場合には0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。
樹脂基板の場合には0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル樹脂、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル樹脂、マレイミド−オレフィン樹脂、セルロース、エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
基板としては、寸法精度及び透明性の観点からは、ガラス基板が好ましく、また、軽量性、割れにくさ及び屈曲性の観点からは、樹脂フィルム基板が好ましい。樹脂フィルムは、いわゆる、ロールトゥロールの製造方法を好適に採用することができる。
以下、液晶パネル及び有機ELパネルについて説明する。
<液晶パネル>
本発明に用いられる液晶パネルは、特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶パネルを挙げることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向方などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
本発明に用いられる液晶パネルは、特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶パネルを挙げることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向方などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルタ22が設けられている。
本発明においては、上記液晶表示装置のガラス基板14及び15の少なくとも1つの表面にタッチ検出電極を有するものを、表示パネルとして用いることができる。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば、白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のものとしたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。
本発明においては、上記液晶表示装置のガラス基板14及び15の少なくとも1つの表面にタッチ検出電極を有するものを、表示パネルとして用いることができる。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば、白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のものとしたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。
<有機ELパネル>
本発明に用いられる有機ELパネルとしては、上記本発明の感光性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明に用いられる有機ELパネルが有するTFT(Thin−Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコンーTFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
図3は、有機ELパネルの一例の構成概念図である。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi3N4から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間、又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂とを用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
本発明においては、上記有機EL表示装置のガラス基板14及び15の少なくとも1つの表面にタッチ検出電極を有するものを、表示パネルとして用いることができる。
本発明に用いられる有機ELパネルとしては、上記本発明の感光性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明に用いられる有機ELパネルが有するTFT(Thin−Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコンーTFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
図3は、有機ELパネルの一例の構成概念図である。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi3N4から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間、又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂とを用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
本発明においては、上記有機EL表示装置のガラス基板14及び15の少なくとも1つの表面にタッチ検出電極を有するものを、表示パネルとして用いることができる。
〔塗布方法〕
感光性組成物を塗布する方法としては、特に制限なく公知の塗布方法を使用することが可能だが、例えば、インクジェット法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法等の方法を用いることができる。更に、特開2009−145395号公報に記載されているような、所謂プリウェット法を適用することも可能である。
また、塗布時には基板を吸着により固定することが好ましい。
基板を吸着する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができるが、装置のコストや歩留まりの観点から、真空吸着が好ましい。
塗布時の感光性組成物のウエット膜厚は特に限定されないが、通常は0.1〜10μmの範囲で使用される。
また、感光性組成物を表示パネルのタッチ検出電極を備える面へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことができる。更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザン等でタッチ検出電極を備える面を処理することができる。この処理を行うことにより、感光性組成物のタッチ検出電極を備える面への密着性が向上する傾向にある。
感光性組成物を塗布する方法としては、特に制限なく公知の塗布方法を使用することが可能だが、例えば、インクジェット法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法等の方法を用いることができる。更に、特開2009−145395号公報に記載されているような、所謂プリウェット法を適用することも可能である。
また、塗布時には基板を吸着により固定することが好ましい。
基板を吸着する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができるが、装置のコストや歩留まりの観点から、真空吸着が好ましい。
塗布時の感光性組成物のウエット膜厚は特に限定されないが、通常は0.1〜10μmの範囲で使用される。
また、感光性組成物を表示パネルのタッチ検出電極を備える面へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことができる。更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザン等でタッチ検出電極を備える面を処理することができる。この処理を行うことにより、感光性組成物のタッチ検出電極を備える面への密着性が向上する傾向にある。
<溶剤除去工程>
本発明の表示パネル基板の製造方法は、工程2として、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程を含む。
上記溶剤除去工程においては、塗布された感光性組成物から、減圧(バキューム)及び/又は加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させることが好ましい。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。また、上記溶剤除去工程においては、感光性組成物中の溶剤を完全に除去する必要はなく、少なくとも一部が除去されていればよい。
本発明の表示パネル基板の製造方法は、工程2として、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程を含む。
上記溶剤除去工程においては、塗布された感光性組成物から、減圧(バキューム)及び/又は加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させることが好ましい。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。また、上記溶剤除去工程においては、感光性組成物中の溶剤を完全に除去する必要はなく、少なくとも一部が除去されていればよい。
<硬化工程>
本発明の表示パネル基板の製造方法は、工程3として、溶剤が除去された感光性組成物を光及び/又は熱により硬化する硬化工程を含む。
硬化工程においては、光及び/又は熱により硬化すればよいが、光及び熱により硬化することが好ましい。
本発明の表示パネル基板の製造方法は、工程3として、溶剤が除去された感光性組成物を光及び/又は熱により硬化する硬化工程を含む。
硬化工程においては、光及び/又は熱により硬化すればよいが、光及び熱により硬化することが好ましい。
〔光による硬化〕
硬化工程において、光により硬化する場合、感光性組成物を波長300nm以上450nm以下の活性光線により露光することが好ましい。上記活性光線により、感光性組成物中の重合性単量体が、光重合開始剤の作用により重合硬化する。
露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光、など各種方式の露光機を用いることができる。
また、上記露光における露光量としても、特に制限はないが、1〜3,000mJ/cm2であることが好ましく、1〜500mJ/cm2であることがより好ましい。
上記露光は、酸素遮断された状態で行うことが、硬化促進の観点から好ましい。酸素を遮断する手段としては、窒素雰囲気下で露光したり、酸素遮断膜を設けることが例示される。
また、上記露光工程における露光は、溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部に行われればよく、例えば、全面露光であっても、パターン露光であってもよい。
硬化工程において、光により硬化する場合、感光性組成物を波長300nm以上450nm以下の活性光線により露光することが好ましい。上記活性光線により、感光性組成物中の重合性単量体が、光重合開始剤の作用により重合硬化する。
露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光、など各種方式の露光機を用いることができる。
また、上記露光における露光量としても、特に制限はないが、1〜3,000mJ/cm2であることが好ましく、1〜500mJ/cm2であることがより好ましい。
上記露光は、酸素遮断された状態で行うことが、硬化促進の観点から好ましい。酸素を遮断する手段としては、窒素雰囲気下で露光したり、酸素遮断膜を設けることが例示される。
また、上記露光工程における露光は、溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部に行われればよく、例えば、全面露光であっても、パターン露光であってもよい。
〔熱による硬化〕
硬化工程において、熱により硬化する場合、熱処理の温度としては、特に制限なく、メタアクリレート化合物が硬化する温度で熱硬化することができる。
製造適性の観点から、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。下限値としては、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。この範囲で基板、装置へのダメージなく硬化することができる。
また、硬化工程における光及び/又は熱による硬化は、連続して行ってもよいし、逐次行ってもよい。
また、熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより、透明性をより向上させることもできる。
硬化工程において、熱により硬化する場合、熱処理の温度としては、特に制限なく、メタアクリレート化合物が硬化する温度で熱硬化することができる。
製造適性の観点から、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。下限値としては、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。この範囲で基板、装置へのダメージなく硬化することができる。
また、硬化工程における光及び/又は熱による硬化は、連続して行ってもよいし、逐次行ってもよい。
また、熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより、透明性をより向上させることもできる。
<スリミング工程>
本発明の表示パネル基板の製造方法は、基板としてガラス基板を用いる場合、塗布工程の前に、ガラス基板を研磨するスリミング工程を更に含むことが好ましい。
スリミング工程により、ガラス基板の厚さを所定の範囲に調整することができる。
スリミング工程は、表示パネル上にタッチ検出電極を形成する前に行うことが好ましい。スリミング工程後に、公知の方法により、イメージマッチング層等の形成や、タッチ検出電極の形成を行うことができる。
本発明の表示パネル基板の製造方法は、基板としてガラス基板を用いる場合、塗布工程の前に、ガラス基板を研磨するスリミング工程を更に含むことが好ましい。
スリミング工程により、ガラス基板の厚さを所定の範囲に調整することができる。
スリミング工程は、表示パネル上にタッチ検出電極を形成する前に行うことが好ましい。スリミング工程後に、公知の方法により、イメージマッチング層等の形成や、タッチ検出電極の形成を行うことができる。
〔研磨方法〕
スリミング工程における研磨方法としては、特に制限なく公知の方法を使用することができるが、化学研磨により行われることが好ましい。
化学研磨の方法としては、ガラス基板、又は、2枚のガラス基板が張り合わされた基材を、フッ酸を含有する化学研磨液に浸漬する方法が挙げられる。
上記化学研磨液は、フッ酸及び硫酸を含有する水溶液であることが好ましい。フッ酸の濃度は、10〜30質量%が好ましく、15〜28質量%がより好ましく、17〜25質量%が更に好ましい。また、硫酸の濃度は、20〜50質量%が好ましく、30〜45質量%がより好ましく、35〜42質量%が更に好ましい。
化学研磨の方法としては、特に限定されないが、特開2009−210719号公報や、特開2001−100165号公報に記載の方法を好ましく使用することができる。
スリミング工程における研磨方法としては、特に制限なく公知の方法を使用することができるが、化学研磨により行われることが好ましい。
化学研磨の方法としては、ガラス基板、又は、2枚のガラス基板が張り合わされた基材を、フッ酸を含有する化学研磨液に浸漬する方法が挙げられる。
上記化学研磨液は、フッ酸及び硫酸を含有する水溶液であることが好ましい。フッ酸の濃度は、10〜30質量%が好ましく、15〜28質量%がより好ましく、17〜25質量%が更に好ましい。また、硫酸の濃度は、20〜50質量%が好ましく、30〜45質量%がより好ましく、35〜42質量%が更に好ましい。
化学研磨の方法としては、特に限定されないが、特開2009−210719号公報や、特開2001−100165号公報に記載の方法を好ましく使用することができる。
(感光性組成物)
本発明に用いられる感光性組成物(以下、単に「感光性組成物」又は「組成物」ともいう。)は、成分Aとして、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物、成分Bとして、光重合開始剤、成分Cとして、有機又は無機粒子、成分Dとして、溶剤、とを含有し、成分Aの含有量が、感光性組成物中の成分C以外の全固形分量に対して50〜98質量%であり、感光性組成物の粘度が3〜30mPa・sであり、感光性組成物の表面張力が20〜30mN/mであり、感光性組成物の全量に対する固形分量が10〜50質量%である。
感光性組成物の粘度は、3〜30mPa・sであり、5〜25mPa・sであることが好ましく、7〜22mPa・sであることがより好ましい。
粘度は、例えば、東機産業(株)製のRE−80L型回転粘度計を用いて、25±0.2℃で測定することが好ましい。測定時の回転速度は、5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上は10rpmで、それぞれ行うことが好ましい。
感光性組成物の表面張力は、20〜30mN/mであり、22〜30mN/mであることが好ましく、24〜28mN/mであることがより好ましい。
表面張力は、例えば、協和界面科学(株)製のDM−701を用いて、ペンダントドロップ法によって測定することができる。
感光性組成物の溶剤除去工程後の膜厚は、微細凹凸平坦性と基板追従性の観点から、0.2〜20μmが好ましく、0.4〜10μmがより好ましく、0.8〜5.0μmがより更に好ましく、1.2〜4.0μmが最も好ましい。
具体的には、以下の成分を含む組成物が、具体的な実施態様として例示される。
本発明に用いられる感光性組成物(以下、単に「感光性組成物」又は「組成物」ともいう。)は、成分Aとして、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物、成分Bとして、光重合開始剤、成分Cとして、有機又は無機粒子、成分Dとして、溶剤、とを含有し、成分Aの含有量が、感光性組成物中の成分C以外の全固形分量に対して50〜98質量%であり、感光性組成物の粘度が3〜30mPa・sであり、感光性組成物の表面張力が20〜30mN/mであり、感光性組成物の全量に対する固形分量が10〜50質量%である。
感光性組成物の粘度は、3〜30mPa・sであり、5〜25mPa・sであることが好ましく、7〜22mPa・sであることがより好ましい。
粘度は、例えば、東機産業(株)製のRE−80L型回転粘度計を用いて、25±0.2℃で測定することが好ましい。測定時の回転速度は、5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上は10rpmで、それぞれ行うことが好ましい。
感光性組成物の表面張力は、20〜30mN/mであり、22〜30mN/mであることが好ましく、24〜28mN/mであることがより好ましい。
表面張力は、例えば、協和界面科学(株)製のDM−701を用いて、ペンダントドロップ法によって測定することができる。
感光性組成物の溶剤除去工程後の膜厚は、微細凹凸平坦性と基板追従性の観点から、0.2〜20μmが好ましく、0.4〜10μmがより好ましく、0.8〜5.0μmがより更に好ましく、1.2〜4.0μmが最も好ましい。
具体的には、以下の成分を含む組成物が、具体的な実施態様として例示される。
成分A:5官能以上の(メタ)アクリレート化合物
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Aとして、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含有する。
成分Aは、分子内に5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
成分Aは、低分子の化合物でもよく、オリゴマーであってもよいが、ポリマーではない。すなわち、成分Aは、硬化膜の硬度の観点から、分子量(分子量分布を有する場合には、重量平均分子量)が10,000以下であり、5,000以下であることが好ましく、3,000以下であることが更に好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Aとして、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含有する。
成分Aは、分子内に5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
成分Aは、低分子の化合物でもよく、オリゴマーであってもよいが、ポリマーではない。すなわち、成分Aは、硬化膜の硬度の観点から、分子量(分子量分布を有する場合には、重量平均分子量)が10,000以下であり、5,000以下であることが好ましく、3,000以下であることが更に好ましい。
成分Aは、分子内に5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する。分子内(1分子内)に有する(メタ)アクリロイル基の数は、5〜15であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、5〜7であることが更に好ましい。
(メタ)アクリロイル基の数が上記範囲内であると、硬度及び反応性に優れる。
(メタ)アクリロイル基の数が上記範囲内であると、硬度及び反応性に優れる。
成分Aは、1分子内にアクリロイル(−C(=O)−CH=CH2)基及びメタクリロイル基(−C(=O)−C(CH3)=CH2)を合計して5つ以上有していればよいが、アクリロイルオキシ基(−O−C(=O)−CH=CH2)及びメタクリロイルオキシ基(−O−C(=O)−C(CH3)=CH2)を合計して5つ以上有することが好ましい。また、アクリロイル基を5つ以上有することが好ましく、アクリロイルオキシ基を5つ以上有することがより好ましい。
メタクリロイル基に比べ、アクリロイル基は硬化性(反応性)に優れる点で好ましい。また、(メタ)アクリロイルオキシ基であると、反応性に優れ、合成が容易である点で好ましい。
メタクリロイル基に比べ、アクリロイル基は硬化性(反応性)に優れる点で好ましい。また、(メタ)アクリロイルオキシ基であると、反応性に優れ、合成が容易である点で好ましい。
〔成分A−1:カルボキシ基を有する重合性単量体〕
成分Aは、成分A−1として、分子内(1分子内)に1つ以上のカルボキシ基を有することが好ましい。1分子内のカルボキシ基の数は、1つ〜6つであることが好ましく、1つ〜3つであることがより好ましく、1つ又は2つであることが更に好ましく、1つであることが特に好ましい。
成分A−1が1分子内に有するカルボキシ基の数が上記範囲内であると、基材密着性に優れるので好ましい。
なお、成分A−1の有するカルボキシ基は、塩を形成していてもよい。塩を形成するカチオンとしては、有機カチオン性化合物、遷移金属配位錯体カチオン、又は、金属カチオンが好ましい。有機カチオン性化合物としては、4級アンモニウムカチオン、4級ピリジニウムカチオン、4級キノリニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、スルホニウムカチオン等が挙げられる。遷移金属カチオンとしては、特許279143号公報に記載の化合物が例示される。金属カチオンとしては、Na+、K+、Li+、Ag+、Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+、Zn2+、Al3+、Ca2+等が例示される。
成分Aは、成分A−1として、分子内(1分子内)に1つ以上のカルボキシ基を有することが好ましい。1分子内のカルボキシ基の数は、1つ〜6つであることが好ましく、1つ〜3つであることがより好ましく、1つ又は2つであることが更に好ましく、1つであることが特に好ましい。
成分A−1が1分子内に有するカルボキシ基の数が上記範囲内であると、基材密着性に優れるので好ましい。
なお、成分A−1の有するカルボキシ基は、塩を形成していてもよい。塩を形成するカチオンとしては、有機カチオン性化合物、遷移金属配位錯体カチオン、又は、金属カチオンが好ましい。有機カチオン性化合物としては、4級アンモニウムカチオン、4級ピリジニウムカチオン、4級キノリニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、スルホニウムカチオン等が挙げられる。遷移金属カチオンとしては、特許279143号公報に記載の化合物が例示される。金属カチオンとしては、Na+、K+、Li+、Ag+、Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+、Zn2+、Al3+、Ca2+等が例示される。
なお、成分A−1は、上記カルボキシ基以外の酸基を有していないことが好ましい。カルボキシ基以外の酸基としては、スルホン酸基、リン酸基等が例示される。カルボキシ基以外の酸基を有すると、基材密着性が低下する場合がある。
成分A−1としては、ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、かつ、ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基にカルボン酸無水物を反応させて酸基(カルボキシ基)を持たせた重合性単量体が好ましく、特に好ましくは、ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
成分A−1は、例えば、5つ以上の(メタ)アクリロイル基とヒドロキシ基を有する化合物(以下「ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレート」ともいう。)に酸無水物を付加することで得ることができる。
ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとしては、5つ以上のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とのエステルが例示される。
5つ以上のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物は、脂肪族ポリヒドロキシ化合物であることが好ましく、具体的には、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等が例示される。これらの中でも、ジペンタエリスリトールが好ましい。
また、ポリヒドロキシ化合物として、上記の例示したポリヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物を使用してもよく、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が例示される。
ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとしては、5つ以上のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とのエステルが例示される。
5つ以上のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物は、脂肪族ポリヒドロキシ化合物であることが好ましく、具体的には、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等が例示される。これらの中でも、ジペンタエリスリトールが好ましい。
また、ポリヒドロキシ化合物として、上記の例示したポリヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物を使用してもよく、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が例示される。
ヒドロキシ多官能アクリレートの製造方法としては、公知の方法を適宜採用すればよく、特に限定されない。具体的には、酸性触媒下にポリヒドロキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とを加熱・撹拌する方法が例示される。酸性触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸等が挙げられる。また、反応温度は、使用する化合物及び目的に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは70℃〜140℃である。上記の温度範囲内であると、反応が速く、また、安定的に反応が進み、不純物の生成やゲル化が抑制される。
反応に際しては、エステル化反応で生成する水との溶解度が低い有機溶媒を使用し、水を共沸させながら脱水を促進することが好ましい。好ましい有機溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びに、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン等が挙げられる。また、有機溶媒は、反応後に減圧で留去することができる。
また、得られる(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する目的で、反応液に重合禁止剤を添加することができる。このような重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール及びフェノチアジン等が挙げられる。
反応に際しては、エステル化反応で生成する水との溶解度が低い有機溶媒を使用し、水を共沸させながら脱水を促進することが好ましい。好ましい有機溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素、並びに、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン等が挙げられる。また、有機溶媒は、反応後に減圧で留去することができる。
また、得られる(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する目的で、反応液に重合禁止剤を添加することができる。このような重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール及びフェノチアジン等が挙げられる。
成分A−1は、上記ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートと、酸無水物との反応によって得られる。
酸無水物としては、無水コハク酸、無水1−ドデセニルコハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水テトラブロモフタル酸及び無水トリメリット酸等の同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物、並びに無水ピロメリット酸、無水フタル酸ニ量体、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物及び無水トリメリット酸・エチレングリコールエステル(市販品としては、例えば、新日本理化(株)製、商品名リカシッドTMEG−100がある)等の同一分子内に2個の酸無水物基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でも、同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物が好ましい。
酸無水物としては、無水コハク酸、無水1−ドデセニルコハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水テトラブロモフタル酸及び無水トリメリット酸等の同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物、並びに無水ピロメリット酸、無水フタル酸ニ量体、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物及び無水トリメリット酸・エチレングリコールエステル(市販品としては、例えば、新日本理化(株)製、商品名リカシッドTMEG−100がある)等の同一分子内に2個の酸無水物基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でも、同一分子内に1個の酸無水物基を有する化合物が好ましい。
成分A−1の製造方法としては、常法に従えばよい。
例えば、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとカルボン酸無水物とを、触媒の存在下、60〜110℃で1〜20時間反応させる方法等が挙げられる。この場合の触媒としては、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド及び酸化亜鉛等が挙げられる。
例えば、ヒドロキシ多官能(メタ)アクリレートとカルボン酸無水物とを、触媒の存在下、60〜110℃で1〜20時間反応させる方法等が挙げられる。この場合の触媒としては、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド及び酸化亜鉛等が挙げられる。
成分A−1は、式A−1で表される化合物であることが好ましい。
式A−1中、X2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、5つあるX2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、W2は、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、又は、フェニレン基を表す。
式A−1中、5つあるX2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイル基を表し、アクリロイルオキシ基であることが好ましい。
また、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基以外のX2は、水素原子、又は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれのアルキル基であってもよい。これらの中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基以外のX2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
式A−1中、W2は、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、又は、フェニレン基を表し、炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。上記アルキレン基は、炭素数2〜6であることが好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチル基、ヘキシレン基、シクロへキシレン基が例示される。
式A−1中、W2は炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
また、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基以外のX2は、水素原子、又は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれのアルキル基であってもよい。これらの中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基以外のX2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
式A−1中、W2は、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、又は、フェニレン基を表し、炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。上記アルキレン基は、炭素数2〜6であることが好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチル基、ヘキシレン基、シクロへキシレン基が例示される。
式A−1中、W2は炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
成分A−1として、上市されている製品を使用してもよく、例えば、東亞合成(株)製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、アロニックス(登録商標)シリーズのM−510、M−520、TO−2349、TO−2359、などが挙げられる。
成分A−1は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成分A−1の含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対して、3〜49.5質量%であることが好ましく、3〜45質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることが更に好ましく、10〜35質量%であることが最も好ましい。
なお、本発明において、感光性組成物における「固形分」とは、有機溶剤等の揮発性成分を除いた成分を意味する。また、「有機固形分」とは、感光性組成物から有機溶剤等の揮発性成分と、無機粒子等の無機成分を除いた成分を意味する。
成分A−1の含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対して、3〜49.5質量%であることが好ましく、3〜45質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることが更に好ましく、10〜35質量%であることが最も好ましい。
なお、本発明において、感光性組成物における「固形分」とは、有機溶剤等の揮発性成分を除いた成分を意味する。また、「有機固形分」とは、感光性組成物から有機溶剤等の揮発性成分と、無機粒子等の無機成分を除いた成分を意味する。
〔成分A−2:カルボキシ基を有しない重合性単量体〕
本発明に用いられる感光性組成物は、成分A−2として、分子内に5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、カルボキシ基を有しない重合性単量体を含有する。成分A−2は、分子内(1分子内)に5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する、成分A−1とは異なる重合性単量体である。成分A−2は、分子内にカルボキシ基を有しないが、他の酸基も有しないことが好ましく、他の酸基としては、スルホン酸基、リン酸基等が例示される。
成分A−2は、低分子の化合物でもよく、オリゴマーであってもよいが、ポリマーではない。すなわち、成分A−2は、硬化膜の硬度の観点から、分子量(分子量分布を有する場合には、重量平均分子量)が10,000以下であり、5,000以下であることが好ましく、3,000以下であることが更に好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、成分A−2として、分子内に5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、カルボキシ基を有しない重合性単量体を含有する。成分A−2は、分子内(1分子内)に5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する、成分A−1とは異なる重合性単量体である。成分A−2は、分子内にカルボキシ基を有しないが、他の酸基も有しないことが好ましく、他の酸基としては、スルホン酸基、リン酸基等が例示される。
成分A−2は、低分子の化合物でもよく、オリゴマーであってもよいが、ポリマーではない。すなわち、成分A−2は、硬化膜の硬度の観点から、分子量(分子量分布を有する場合には、重量平均分子量)が10,000以下であり、5,000以下であることが好ましく、3,000以下であることが更に好ましい。
成分A−2は、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する。(メタ)アクリロイル基を3〜10有することが好ましく、3〜6有することがより好ましい。上記の構成とすることにより、本発明の効果がより発揮される。
成分A−2としては、この種の組成物に適用される化合物を適宜選択して用いることができ、例えば、特開2006−23696号公報の段落0011に記載の成分や、特開2006−64921号公報の段落0031〜0047に記載の成分のうち、分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するものを挙げることができ、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
成分A−2としては、ポリヒドロキシ化合物の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく例示され、具体的には、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートEO変性体などが挙げられる。
成分A−2としては、ポリヒドロキシ化合物の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく例示され、具体的には、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートEO変性体などが挙げられる。
成分A−2としては、上市されている製品を使用してもよく、例えば、アロニックス(登録商標)M−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同TO−1382、同TO−1450(東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(大阪有機化学工業(株)製)などを挙げることができる。
なお、成分A−2に該当する化合物であっても、後述するアルコキシシラン化合物に該当するものは、アルコキシシラン化合物とする。
なお、成分A−2に該当する化合物であっても、後述するアルコキシシラン化合物に該当するものは、アルコキシシラン化合物とする。
〔ウレタン(メタ)アクリレート〕
本発明において、成分A−2として、ウレタン(メタ)アクリレートを使用してもよい。
本発明で用いることができる、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物が例示され、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類が例示され、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
本発明において、成分A−2として、ウレタン(メタ)アクリレートを使用してもよい。
本発明で用いることができる、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物が例示され、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類が例示され、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
ウレタン(メタ)アクリレートの分子量は、硬化膜硬度の観点から、500〜10,000が好ましく、650〜6,000がより好ましく、800〜3,000が更に好ましい。
このような構成とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
このような構成とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
ウレタン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロイルオキシ基は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基のいずれであっても、両方であってもよいが、アクリロイルオキシ基であることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロキシ基の数は、5以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。上記態様であると、本発明の効果がより効果的に発揮される。
また、上記(メタ)アクリロキシ基の数の上限は特に制限はないが、50以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましく、20以下であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
また、上記(メタ)アクリロキシ基の数の上限は特に制限はないが、50以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましく、20以下であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロキシ基は、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のいずれであっても、両方であってもよいが、アクリロキシ基であることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートにおけるウレタン結合の数は、特に制限はないが、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、2〜10であることが更に好ましく、2〜5であることが特に好ましく、2又は3であることが最も好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、イソシアヌル環構造を有することが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、1以上のウレタン結合を有するコア部分と、コア部分に結合し、かつ1以上の(メタ)アクリロキシ基を有する末端部分からなる化合物であることが好ましく、上記コア部分に、2個以上の上記末端部分が結合した化合物であることがより好ましく、上記コア部分に、2〜5個の上記末端部分が結合した化合物であることが更に好ましく、上記コア部分に、2又は3個の上記末端部分が結合した化合物であることが特に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートにおけるウレタン結合の数は、特に制限はないが、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、2〜10であることが更に好ましく、2〜5であることが特に好ましく、2又は3であることが最も好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、イソシアヌル環構造を有することが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、1以上のウレタン結合を有するコア部分と、コア部分に結合し、かつ1以上の(メタ)アクリロキシ基を有する末端部分からなる化合物であることが好ましく、上記コア部分に、2個以上の上記末端部分が結合した化合物であることがより好ましく、上記コア部分に、2〜5個の上記末端部分が結合した化合物であることが更に好ましく、上記コア部分に、2又は3個の上記末端部分が結合した化合物であることが特に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、下記式Ae−1又は式Ae−2で表される基を少なくとも有する化合物であることが好ましく、下記式Ae−1で表される基を少なくとも有する化合物であることがより好ましい。また、ウレタン(メタ)アクリレートは、下記式Ae−1で表される基及び式Ae−2で表される基よりなる群から選ばれた基を2以上有する化合物であることがより好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートにおける上記末端部分は、下記式Ae−1又は式Ae−2で表される基であることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートにおける上記末端部分は、下記式Ae−1又は式Ae−2で表される基であることが好ましい。
式Ae−1及び式Ae−2中、Rはそれぞれ独立に、アクリル基又はメタクリル基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、下記式Ac−1又は式Ac−2で表される基を少なくとも有する化合物であることが好ましく、下記式Ac−1で表される基を少なくとも有する化合物であることがより好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートにおける上記コア部分は、下記式Ac−1又は式Ac−2で表される基であることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートにおける上記コア部分は、下記式Ac−1又は式Ac−2で表される基であることが好ましい。
式Ac−1及び式Ac−2中、L1〜L4はそれぞれ独立に、炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。
L1〜L4はそれぞれ独立に、炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数4〜8のアルキレン基であることが更に好ましい。また、上記アルキレン基は、分岐や環構造を有していてもよいが、直鎖アルキレン基であることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、式Ac−1又は式Ac−2で表される基と、式Ae−1及び式Ae−2で表される基よりなる群から選ばれた2又は3個の基とが結合した化合物であることが特に好ましい。
L1〜L4はそれぞれ独立に、炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数4〜8のアルキレン基であることが更に好ましい。また、上記アルキレン基は、分岐や環構造を有していてもよいが、直鎖アルキレン基であることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、式Ac−1又は式Ac−2で表される基と、式Ae−1及び式Ae−2で表される基よりなる群から選ばれた2又は3個の基とが結合した化合物であることが特に好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられる、ウレタン(メタ)アクリレートを例示するが、本発明はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
また、本発明で用いることができるウレタン(メタ)アクリレートとしては、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物が例示され、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類が例示され、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、新中村化学工業(株)から入手可能なU−6HA、UA−1100H、U−6LPA、U−15HA、U−6H、U−10HA、U−10PA、UA−53H、UA−33H(いずれも登録商標)や、共栄社化学(株)から入手可能なUA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、BASF社から入手可能なLaromer UA−9048、UA−9050、PR9052、ダイセルオルネクス(株)から入手可能なEBECRYL 220、5129、8301、KRM8200、8200AE、8452などが例示される。
成分A−2は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
成分A−2の含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対して、20〜85質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましく、45〜75質量%であることが更に好ましい。
成分A−2の含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対して、20〜85質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましく、45〜75質量%であることが更に好ましい。
本発明において、成分A−1及び成分A−2の総含有量に対する成分A−1の含有量は、10〜50質量%である。成分A−1及び成分A−2の総含有量に対する成分A−1の含有量が10質量未満であると、組成物におけるカルボキシ基の量が少なく、現像性(パターニング性)に劣る。また、50質量%を超えると、耐汗性などの信頼性に劣る。
成分A−1及び成分A−2の総含有量に対する成分A−1の含有量は、12〜40質量%であることが好ましく、15〜35質量%であることがより好ましく、18〜30質量%であることが更に好ましい。
成分A−1及び成分A−2の総含有量に対する成分A−1の含有量は、12〜40質量%であることが好ましく、15〜35質量%であることがより好ましく、18〜30質量%であることが更に好ましい。
また、本発明において、成分A−1及び成分A−2の総含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対し40質量%以上であることが好ましい。成分A−1及び成分A−2の総含有量が上記範囲内であると、現像性及び硬化膜の信頼性に優れる。
成分Aの含有量は、感光性組成物中の成分C以外の全固形分量に対して50〜98質量%であり、60〜95質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることが更に好ましい。
成分Aの含有量は、感光性組成物中の成分C以外の全固形分量に対して50〜98質量%であり、60〜95質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることが更に好ましい。
成分B:光重合開始剤
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Bとして、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤は、ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明に用いることができる光重合開始剤は、光により重合を開始、促進可能な化合物である。中でも、光ラジカル重合開始剤がより好ましい。
「光」とは、その照射により成分Bより開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Bとして、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤は、ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明に用いることができる光重合開始剤は、光により重合を開始、促進可能な化合物である。中でも、光ラジカル重合開始剤がより好ましい。
「光」とは、その照射により成分Bより開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル化合物、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。これらの中でも、感度の点から、オキシムエステル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましい。
オキシムエステル化合物としては、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2007−231000号公報、特開2009−134289号公報に記載の化合物を使用できる。
オキシムエステル化合物は、下記式1又は式2で表される化合物であることが好ましい。
オキシムエステル化合物は、下記式1又は式2で表される化合物であることが好ましい。
式1又は式2中、Arは芳香族基又はヘテロ芳香族基を表し、R1はアルキル基、芳香族基又はアルキルオキシ基を表し、R2は水素原子又はアルキル基を表し、更にR2はAr基と結合し環を形成してもよい。
Arは、芳香族基又はヘテロ芳香族基を表し、ベンゼン環化合物、ナフタレン環化合物又はカルバゾール環化合物から芳香環上の水素原子を1つ除いた基であることが好ましく、R2と共に環を形成したナフタレニル基、カルバゾイル基がより好ましい。ヘテロ芳香族基におけるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、及び、硫黄原子が好ましく挙げられる。
R1は、アルキル基、芳香族基又はアルキルオキシ基を表し、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基又はメトキシ基がより好ましい。
R2は、水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は置換アルキル基が好ましく、水素原子、Arと共に環を形成する置換アルキル基又はトルエンチオアルキル基がより好ましい。
また、Arは、炭素数4〜20の基であることが好ましく、R1は、炭素数1〜30の基であることが好ましく、また、R2は、炭素数1〜50の基であることが好ましい。
R1は、アルキル基、芳香族基又はアルキルオキシ基を表し、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基又はメトキシ基がより好ましい。
R2は、水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は置換アルキル基が好ましく、水素原子、Arと共に環を形成する置換アルキル基又はトルエンチオアルキル基がより好ましい。
また、Arは、炭素数4〜20の基であることが好ましく、R1は、炭素数1〜30の基であることが好ましく、また、R2は、炭素数1〜50の基であることが好ましい。
オキシムエステル化合物は、下記式3、式4又は式5で表される化合物であることが更に好ましい。
式3〜式5中、R1はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、Xは−CH2−、−C2H4−、−O−又はS−を表し、R3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を表し、R4はそれぞれ独立に、アルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、R5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R6はアルキル基を表し、n1及びn2はそれぞれ独立に、0〜6の整数を表し、n3は0〜5の整数を表す。
R1はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、R11−X’−アルキレン基−で表される基(R11はアルキル基又はアリール基を表し、X’は硫黄原子又は酸素原子を表す。)が好ましい。R11はアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R11としての、アルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子)又はアルキル基で置換されていてもよい。
Xは硫黄原子が好ましい。
R3及びR4は、芳香環上の任意の位置で結合することができる。
R4はアルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、アルキル基、フェニル基、アリールチオ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アリールチオ基又はハロゲン原子がより好ましく、アルキル基又はハロゲン原子が更に好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子又はフッ素原子が好ましい。
また、R4の炭素数は、0〜50であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
R5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
R6はアルキル基を表し、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
n1及びn2はそれぞれ、式3又は式4における芳香環上のR3の置換数を表し、n3は式5における芳香環上のR4の置換数を表す。
n1〜n3はそれぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
Xは硫黄原子が好ましい。
R3及びR4は、芳香環上の任意の位置で結合することができる。
R4はアルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、アルキル基、フェニル基、アリールチオ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アリールチオ基又はハロゲン原子がより好ましく、アルキル基又はハロゲン原子が更に好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子又はフッ素原子が好ましい。
また、R4の炭素数は、0〜50であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
R5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
R6はアルキル基を表し、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
n1及びn2はそれぞれ、式3又は式4における芳香環上のR3の置換数を表し、n3は式5における芳香環上のR4の置換数を表す。
n1〜n3はそれぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられるオキシムエステル化合物の例を示す。しかしながら、本発明で用いられるオキシムエステル化合物がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。なお、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。また、これら化合物におけるオキシムの二重結合のシス−トランス異性は、EZのどちら一方であっても、EZの混合物であってもよい。
有機ハロゲン化化合物の例としては、具体的には、若林等、「Bull Chem. Soc. Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物、及び、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物が例示でき、具体的には、例えば、BASF社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられる感光性組成物における光重合開始剤の総量は、組成物中の全固形分100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましく、2〜5質量部であることが特に好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物における光重合開始剤の総量は、組成物中の全固形分100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましく、2〜5質量部であることが特に好ましい。
〔増感剤〕
本発明に用いられる感光性組成物には、光重合開始剤の他に、増感剤を添加することもできる。
増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して励起状態となる。励起状態となった増感剤は、成分Bとの相互作用により、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じ、重合を開始・促進できる。
本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J. V. Crivello, Adv. in Polymer Sci., 62, 1 (1984)〕に開示しているものが挙げられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファーキノン、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。増感剤は、光重合開始剤に対し、50〜200質量%の割合で添加することが好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物には、光重合開始剤の他に、増感剤を添加することもできる。
増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して励起状態となる。励起状態となった増感剤は、成分Bとの相互作用により、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じ、重合を開始・促進できる。
本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J. V. Crivello, Adv. in Polymer Sci., 62, 1 (1984)〕に開示しているものが挙げられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファーキノン、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。増感剤は、光重合開始剤に対し、50〜200質量%の割合で添加することが好ましい。
成分C:有機又は無機粒子
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Cとして、有機又は無機粒子を含有する。有機又は無機粒子を含有することにより、硬化膜の硬度がより優れたものとなる。
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Cとして、有機又は無機粒子を含有する。有機又は無機粒子を含有することにより、硬化膜の硬度がより優れたものとなる。
〔有機粒子〕
本発明で用いる有機粒子としては、特に限定はされず、公知の有機粒子を用いることができる。硬化膜の膜硬度の観点から中空粒子であることが好ましい。中空粒子とは、粒子内部に空隙を有する粒子であればよい。また、中空粒子の外形は略球体でも、略楕円球体でもよく、形状は問わない。
中空の有機粒子としては、特開2004−292596号公報、特開2005−054084号公報、特開2005−215315号公報、特開2006−089648号公報、特開2006−096971号公報、特開2006−241226号公報、特開2006−291090号公報、特開2008−266504号公報、特許第4059912号公報等に記載の中空の有機高分子微粒子を使用することができる。
外殻を構成する高分子としては、疎水性ビニル系モノマーと親水性基を有するビニル系モノマーとの共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリビニルアルコールとメチルアタリレート/トリメチロールプロパンジメタクリレート等との組み合わせ、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアナートからなる親油性反応部分と水、アミン、ポリオール及び/又はポリカルボン酸からなる親水性反応部分とが反応してなる樹脂(ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂)等が、中空の有機高分子粒子として使用できる。この場合、ポリイソシアネートと水及び/又はアミンとが反応することによりポリウレアが生成され、ポリイソシアネートとポリオールとが反応することによりポリウレタンが生成され、ポリイソシアネートとポリカルボン酸とが反応することによりポリアミドが生成される。また、ポリイソシアナートからなる親油性反応部分と水からなる親水性反応部分とが反応してなる樹脂には、ウレア結合だけでなく、ビウレット構造を有していてもよい。
中空粒子の分散性、硬化皮膜の形成プロセスにおける耐性から、スチレン−アクリル共重合体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレア樹脂及びポリウレタン樹脂よりなる群がら選択された少なくとも1種の樹脂を含む外殻を有する中空粒子であるが好ましく、スチレン−アクリル共重合体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレア樹脂及びポリウレタン樹脂よりなる群がら選択された少なくとも1種の樹脂からなる外殻を有する中空粒子であることがより好ましい。
中空粒子は、平均粒子径(外径)が10〜1,000nmであることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましく、20〜100nmであることが更に好ましく、20〜60nmであることが最も好ましい。上記範囲であると、本発明の効果をより発揮できる。なお、中空粒子における平均粒子径は、特に断りがない限り、平均外径である。
中空粒子において、空隙が粒子の体積に占める比率である空隙率は、任意に設計できるが、絶縁安定性の性能からは空隙率が高いものが有利である。
中空粒子の空隙率は、10〜80%が好ましく、20〜60%がより好ましく、40%〜60%が最も好ましい。
また、中空粒子の外殻のシェル厚みは、0.1〜300nmが好ましく、塗布、現像及び熱硬化等の工程での強度が必要なため、1〜30nmがより好ましい。
なお、本発明における中空粒子の平均粒子径(外径)の測定方法は、粒子の電子顕微鏡画像を球(円)相当径に換算し、その200個の算術平均である。
本発明で用いる有機粒子としては、特に限定はされず、公知の有機粒子を用いることができる。硬化膜の膜硬度の観点から中空粒子であることが好ましい。中空粒子とは、粒子内部に空隙を有する粒子であればよい。また、中空粒子の外形は略球体でも、略楕円球体でもよく、形状は問わない。
中空の有機粒子としては、特開2004−292596号公報、特開2005−054084号公報、特開2005−215315号公報、特開2006−089648号公報、特開2006−096971号公報、特開2006−241226号公報、特開2006−291090号公報、特開2008−266504号公報、特許第4059912号公報等に記載の中空の有機高分子微粒子を使用することができる。
外殻を構成する高分子としては、疎水性ビニル系モノマーと親水性基を有するビニル系モノマーとの共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリビニルアルコールとメチルアタリレート/トリメチロールプロパンジメタクリレート等との組み合わせ、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアナートからなる親油性反応部分と水、アミン、ポリオール及び/又はポリカルボン酸からなる親水性反応部分とが反応してなる樹脂(ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂)等が、中空の有機高分子粒子として使用できる。この場合、ポリイソシアネートと水及び/又はアミンとが反応することによりポリウレアが生成され、ポリイソシアネートとポリオールとが反応することによりポリウレタンが生成され、ポリイソシアネートとポリカルボン酸とが反応することによりポリアミドが生成される。また、ポリイソシアナートからなる親油性反応部分と水からなる親水性反応部分とが反応してなる樹脂には、ウレア結合だけでなく、ビウレット構造を有していてもよい。
中空粒子の分散性、硬化皮膜の形成プロセスにおける耐性から、スチレン−アクリル共重合体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレア樹脂及びポリウレタン樹脂よりなる群がら選択された少なくとも1種の樹脂を含む外殻を有する中空粒子であるが好ましく、スチレン−アクリル共重合体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレア樹脂及びポリウレタン樹脂よりなる群がら選択された少なくとも1種の樹脂からなる外殻を有する中空粒子であることがより好ましい。
中空粒子は、平均粒子径(外径)が10〜1,000nmであることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましく、20〜100nmであることが更に好ましく、20〜60nmであることが最も好ましい。上記範囲であると、本発明の効果をより発揮できる。なお、中空粒子における平均粒子径は、特に断りがない限り、平均外径である。
中空粒子において、空隙が粒子の体積に占める比率である空隙率は、任意に設計できるが、絶縁安定性の性能からは空隙率が高いものが有利である。
中空粒子の空隙率は、10〜80%が好ましく、20〜60%がより好ましく、40%〜60%が最も好ましい。
また、中空粒子の外殻のシェル厚みは、0.1〜300nmが好ましく、塗布、現像及び熱硬化等の工程での強度が必要なため、1〜30nmがより好ましい。
なお、本発明における中空粒子の平均粒子径(外径)の測定方法は、粒子の電子顕微鏡画像を球(円)相当径に換算し、その200個の算術平均である。
〔無機粒子〕
本発明で用いる無機粒子の平均粒径は、1〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、5〜50nmが最も好ましい。平均粒径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を径とする。
また、硬化膜の硬度の観点から、無機粒子の空隙率は、10%未満が好ましく、3%未満がより好ましく、空隙がないことが最も好ましい。粒子の空隙率は電子顕微鏡による断面画像の空隙部分と粒子全体との面積比の、200個の算術平均である。
無機粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む金属酸化物粒子が好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化ケイ素又は酸化チタンが、粒子の安定性、入手容易性、硬化膜の硬度、透明性、屈折率調整等の観点から特に好ましい。
本発明で用いる無機粒子の平均粒径は、1〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、5〜50nmが最も好ましい。平均粒径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を径とする。
また、硬化膜の硬度の観点から、無機粒子の空隙率は、10%未満が好ましく、3%未満がより好ましく、空隙がないことが最も好ましい。粒子の空隙率は電子顕微鏡による断面画像の空隙部分と粒子全体との面積比の、200個の算術平均である。
無機粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む金属酸化物粒子が好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化ケイ素又は酸化チタンが、粒子の安定性、入手容易性、硬化膜の硬度、透明性、屈折率調整等の観点から特に好ましい。
酸化ケイ素としては、シリカが好ましく挙げられ、シリカ粒子がより好ましく挙げられる。
シリカ粒子としては、二酸化ケイ素を含む無機酸化物の粒子であれば特に問題はなく、二酸化ケイ素又はその水和物を主成分(好ましくは80質量%以上)として含む粒子が好ましい。上記粒子は、少量成分(例えば、5質量%未満)としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。また、シリカ粒子は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。このような化合物の例として、コロイダルシリカが例示される。
コロイダルシリカの分散媒としては特に制限はなく、水、有機溶剤、及びこれらの混合物のいずれであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
本発明において、粒子は、適当な分散剤及び溶剤中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合・分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。なお、本発明に用いられる感光性組成物において、コロイダルシリカがコロイド状態で存在していることを必須とするものではない。
無機粒子を配合する場合、無機粒子の含有量は、硬度の観点から、感光性組成物の全固形分に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。また、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
無機粒子は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
シリカ粒子としては、二酸化ケイ素を含む無機酸化物の粒子であれば特に問題はなく、二酸化ケイ素又はその水和物を主成分(好ましくは80質量%以上)として含む粒子が好ましい。上記粒子は、少量成分(例えば、5質量%未満)としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。また、シリカ粒子は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。このような化合物の例として、コロイダルシリカが例示される。
コロイダルシリカの分散媒としては特に制限はなく、水、有機溶剤、及びこれらの混合物のいずれであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
本発明において、粒子は、適当な分散剤及び溶剤中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合・分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。なお、本発明に用いられる感光性組成物において、コロイダルシリカがコロイド状態で存在していることを必須とするものではない。
無機粒子を配合する場合、無機粒子の含有量は、硬度の観点から、感光性組成物の全固形分に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。また、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
無機粒子は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
成分D:溶剤
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Dとして、溶剤を含有する。本発明に用いられる感光性組成物は、必須成分である成分A、成分B、成分Cと、後述の任意成分とを、溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
成分Dとして、有機溶剤が好ましく、本発明に用いられる感光性組成物に使用される有機溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ブチレングリコールジアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコール類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。これらの有機溶剤の具体例としては、特開2009−098616号公報の段落0062を参照できる。
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Dとして、溶剤を含有する。本発明に用いられる感光性組成物は、必須成分である成分A、成分B、成分Cと、後述の任意成分とを、溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
成分Dとして、有機溶剤が好ましく、本発明に用いられる感光性組成物に使用される有機溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ブチレングリコールジアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコール類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。これらの有機溶剤の具体例としては、特開2009−098616号公報の段落0062を参照できる。
具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、プロピレングリコールジアセテート、テトラヒドロフルフリルアルコールが好ましい。
有機溶剤の沸点は、塗布性の観点から100℃〜300℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種以上を併用することができる。沸点の異なる溶剤を併用することも好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物における溶剤の含有量は、塗布に適した粘度に調整するという観点から、組成物の全固形分100質量部あたり、100〜3,000質量部であることが好ましく、200〜2,000質量部であることがより好ましく、250〜1,000質量部であることが更に好ましい。
感光性組成物の固形分濃度としては、3〜50質量%が好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種以上を併用することができる。沸点の異なる溶剤を併用することも好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物における溶剤の含有量は、塗布に適した粘度に調整するという観点から、組成物の全固形分100質量部あたり、100〜3,000質量部であることが好ましく、200〜2,000質量部であることがより好ましく、250〜1,000質量部であることが更に好ましい。
感光性組成物の固形分濃度としては、3〜50質量%が好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
成分E:界面活性剤
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Eとして、界面活性剤を含有してもよい。成分Eを含有することにより、感光性組成物の粘度及び表面張力を調整することができる。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Eとして、界面活性剤を含有してもよい。成分Eを含有することにより、感光性組成物の粘度及び表面張力を調整することができる。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤としては、下記式Wで表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフランを溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
式W中、RW1及びRW3はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、RW2は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、RW4は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、LWは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。
上記LWは、下記式W−2で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式W−2におけるRW5は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。
式Wにおけるpとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
式Wにおけるpとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物における界面活性剤の含有量は、配合する場合、組成物の全固形分に対して、0.001〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
界面活性剤は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
界面活性剤は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
成分N:ブロックイソシアネート化合物
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Nとして、ブロックイソシアネート化合物を含有することが好ましい。成分Nを含有することにより、信頼性の高い硬化膜を得ることができる。その作用機構は明確ではないが、光硬化後の加熱処理により成分Nのブロックイソシアネート基は脱保護されると考えられる。硬化膜中で、成分Nに由来するイソシアネート基の働きにより、基板との密着性が向上したり、イソシアネート基が水分、塩類と相互作用することによって、信頼性の高い硬化膜が得られると考えられる。
ブロックイソシアネート化合物としては、ブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。ブロックイソシアネート基の数の上限は、特に定めるものではないが、6以下が好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、並びに、これらの多量体、及び、これらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及び、これらの多量体よりなる群から選ばれた化合物を保護したブロックイソシアネート化合物が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及び、これらの多量体よりなる群から選ばれた化合物を保護したブロックイソシアネート化合物がより好ましい。
イソシアネート化合物の多量体としては、2量体以上の多量体であれば特に制限はなく、ビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体等を例示することができ、ビウレット体が好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Nとして、ブロックイソシアネート化合物を含有することが好ましい。成分Nを含有することにより、信頼性の高い硬化膜を得ることができる。その作用機構は明確ではないが、光硬化後の加熱処理により成分Nのブロックイソシアネート基は脱保護されると考えられる。硬化膜中で、成分Nに由来するイソシアネート基の働きにより、基板との密着性が向上したり、イソシアネート基が水分、塩類と相互作用することによって、信頼性の高い硬化膜が得られると考えられる。
ブロックイソシアネート化合物としては、ブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。ブロックイソシアネート基の数の上限は、特に定めるものではないが、6以下が好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、並びに、これらの多量体、及び、これらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及び、これらの多量体よりなる群から選ばれた化合物を保護したブロックイソシアネート化合物が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及び、これらの多量体よりなる群から選ばれた化合物を保護したブロックイソシアネート化合物がより好ましい。
イソシアネート化合物の多量体としては、2量体以上の多量体であれば特に制限はなく、ビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体等を例示することができ、ビウレット体が好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物におけるブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、又は、ピラゾール化合物が好ましく、オキシム化合物、及び、ラクタム化合物がより好ましく、オキシム化合物が更に好ましく、メチルエチルケトンオキシムが特に好ましい。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、又は、ピラゾール化合物が好ましく、オキシム化合物、及び、ラクタム化合物がより好ましく、オキシム化合物が更に好ましく、メチルエチルケトンオキシムが特に好ましい。
上記オキシム化合物としては、オキシム、及び、ケトオキシムが挙げられ、具体的には、アセトキシム、ホルムアルドキシム、シクロヘキサンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等が例示できる。
上記ラクタム化合物としては、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等が例示できる。
上記フェノール化合物としては、フェノール、ナフトール、クレゾール、キシレノール、ハロゲン置換フェノール等が例示できる。
上記アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が例示できる。
上記アミン化合物としては、第1級アミン及び第2級アミンが挙げられ、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環族アミンいずれでもよく、アニリン、ジフェニルアミン、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が例示できる。
上記活性メチレン化合物としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル等が例示できる。
上記ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、ジメチルピラゾール等が例示できる、
上記メルカプタン化合物としては、アルキルメルカプタン、アリールメルカプタン等が例示できる。
上記ラクタム化合物としては、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等が例示できる。
上記フェノール化合物としては、フェノール、ナフトール、クレゾール、キシレノール、ハロゲン置換フェノール等が例示できる。
上記アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が例示できる。
上記アミン化合物としては、第1級アミン及び第2級アミンが挙げられ、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環族アミンいずれでもよく、アニリン、ジフェニルアミン、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が例示できる。
上記活性メチレン化合物としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル等が例示できる。
上記ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、ジメチルピラゾール等が例示できる、
上記メルカプタン化合物としては、アルキルメルカプタン、アリールメルカプタン等が例示できる。
本発明に用いられる感光性組成物に使用できるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60P、17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
本発明に用いられる感光性組成物におけるブロックイソシアネート化合物の含有量は、感光性組成物の全固形分に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。
また、本発明に用いられる感光性組成物におけるブロックイソシアネート化合物の含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。
成分Nの含有量が上記範囲内であると、信頼性に優れた硬化膜が得られるので、好ましい。
また、本発明に用いられる感光性組成物におけるブロックイソシアネート化合物の含有量は、感光性組成物の全有機固形分に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。
成分Nの含有量が上記範囲内であると、信頼性に優れた硬化膜が得られるので、好ましい。
成分K:重合禁止剤
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Kとして、重合禁止剤を含有することが好ましい。成分Kを含有することにより、漏れ光による重合反応が抑制され、現像性に優れる。重合禁止剤とは、露光や熱により重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割を果たす物質である。例えば、特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載の化合物などを用いることができる。
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Kとして、重合禁止剤を含有することが好ましい。成分Kを含有することにより、漏れ光による重合反応が抑制され、現像性に優れる。重合禁止剤とは、露光や熱により重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割を果たす物質である。例えば、特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載の化合物などを用いることができる。
重合禁止剤の種類としては、硬調で、かつ、感度を下げないものが好ましく採用される。このような重合禁止剤としては、フェノチアジン、クロルプロマジン、レボメプロマジン、フルフェナジン、チオリダジン等のフェノチアジン誘導体、フェノキサジン、3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン−5−イウム・ペルクロラート、5−アミノ−9−(ジメチルアミノ)−10−メチルベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・クロリド、7−(ペンチルオキシ)−3H−フェノキサジン−3−オン、5,9−ジアミノベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・アセタート、7−エトキシ−3H−フェノキサジン−3−オン等のフェノキサジン誘導体、トリ−p−ニトロフェニルメチル、ジフェニルピクリルヒドラジル、カルビノキシル等の安定ラジカル、キノン、ベンゾキノン、クロロベンゾキノン、2,5−ジ−クロロベンゾキノン、2,6−ジ−クロロベンゾキノン、2,3−ジ−メチルベンゾキノン、2,5−ジ−メチルベンゾキノン、メトキシベンゾキノン、メチルベンゾキノン、テトラブロモベンゾキノン、テトラクロロベンゾキノン、テトラメチルベンゾキノン、トリクロロベンゾキノン、トリメチルベンゾキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等のキノン類、α−ナフトール、2−ニトロ−1−ナフトール、β−ナフトール、1−ニトロ−2−ナフトール等のナフトール類、4−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、ヒドロキノン、フェノール、t−ブチルカテコール、メチルヒドロキノン、n−ブチルフェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、t−ブチルクレゾール、p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、カテコールレゾルシン、o−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−p−クレゾール)、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチル)ベンジルマロネート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシエチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2’−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシヒドロ−シンナモイロキシル)エチル]イソシアネート、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]−メタン等のフェノール類、2,4−ジニトロフェノール、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等のニトロフェノール類、没食子酸、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、没食子酸イソアミル等の没食子酸類、メチレンブルー、マラカイトグリーン等の色素類、β−ナフチルアミン、N−ニトロソシクロヘキシルアミン塩、ジ−p−フルオロフェニルアミン等のアミン類、ピロガロール、モノベンジルエーテル、ベンゾキノン、トリフェニルホスフィン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニール、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−トルイジン、ピクリン酸、サリチル酸メチル等が挙げられる。
重合禁止剤として特に好ましくは、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン及びこれらの誘導体から選択される少なくとも1種が例示される。
フェノチアジン及びその誘導体としては、フェノチアジン、ビス(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス(α−ジメチルベンジル)フェノチアジンが例示され、フェノチアジンが好ましい。
フェノキサジン及びその誘導体としては、フェノキサジン、3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン−5−イウム・ペルクロラート、5−アミノ−9−(ジメチルアミノ)−10−メチルベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・クロリド、7−(ペンチルオキシ)−3H−フェノキサジン−3−オン、5,9−ジアミノベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・アセタート、7−エトキシ−3H−フェノキサジン−3−オンが例示され、フェノキサジンが好ましい。
ヒンダードアミン及びその誘導体としては、CHIMASSORB 2020 FDL、TINUVIN 144、765、770(以上、BASF社製)が例示され、TINUVIN 144が好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物における成分Kの含有量は、感光性組成物の全固形分に対し、0.01〜0.5質量%の範囲が好ましく、0.1〜0.5質量%の範囲がより好ましい。重合禁止剤の配合量を調整することによって、感度を損なわずに解像性を向上させることができる。
フェノチアジン及びその誘導体としては、フェノチアジン、ビス(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス(α−ジメチルベンジル)フェノチアジンが例示され、フェノチアジンが好ましい。
フェノキサジン及びその誘導体としては、フェノキサジン、3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン−5−イウム・ペルクロラート、5−アミノ−9−(ジメチルアミノ)−10−メチルベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・クロリド、7−(ペンチルオキシ)−3H−フェノキサジン−3−オン、5,9−ジアミノベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム・アセタート、7−エトキシ−3H−フェノキサジン−3−オンが例示され、フェノキサジンが好ましい。
ヒンダードアミン及びその誘導体としては、CHIMASSORB 2020 FDL、TINUVIN 144、765、770(以上、BASF社製)が例示され、TINUVIN 144が好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物における成分Kの含有量は、感光性組成物の全固形分に対し、0.01〜0.5質量%の範囲が好ましく、0.1〜0.5質量%の範囲がより好ましい。重合禁止剤の配合量を調整することによって、感度を損なわずに解像性を向上させることができる。
成分S:アルコキシシラン化合物
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Sとして、アルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。アルコキシシラン化合物を用いると、本発明に用いられる感光性組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できる。
アルコキシシラン化合物としては、アルコキシ基がケイ素原子に直接結合した基を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限はないが、ジアルコキシシリル基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する化合物であることが好ましく、トリアルコキシシリル基を有する化合物であることがより好ましい。
本発明に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と硬化膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。エチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤が好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、成分Sとして、アルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。アルコキシシラン化合物を用いると、本発明に用いられる感光性組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できる。
アルコキシシラン化合物としては、アルコキシ基がケイ素原子に直接結合した基を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限はないが、ジアルコキシシリル基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する化合物であることが好ましく、トリアルコキシシリル基を有する化合物であることがより好ましい。
本発明に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と硬化膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。エチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシランがより好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
市販品としては、信越化学工業(株)製、KBM−403やKBM−5103が例示される。
市販品としては、信越化学工業(株)製、KBM−403やKBM−5103が例示される。
本発明に用いられる感光性組成物におけるアルコキシシラン化合物の含有量は、感光性組成物の全固形分対し、0.1〜30質量%が好ましく、2〜27質量%がより好ましく、3〜24質量%が更に好ましい。アルコキシシラン化合物は、1種類のみ使用してもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
(その他の成分)
本発明に用いられる感光性組成物は、上述した成分に加え、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物が例示される。
本発明に用いられる感光性組成物は、上述した成分に加え、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物が例示される。
<エポキシ基を有する化合物、及び、オキセタニル基を有する化合物>
本発明に用いられる感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物、及び、オキセタニル基を有する化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。上記態様であると、得られる硬化物の硬度により優れる。
本発明に用いられる感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物、及び、オキセタニル基を有する化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。上記態様であると、得られる硬化物の硬度により優れる。
〔エポキシ基を有する化合物〕
本発明に用いられる感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物を含んでいてもよい。エポキシ基を有する化合物は、エポキシ基を分子中に1個のみ有していてもよいが、2個以上有することが好ましい。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
本発明に用いられる感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物を含んでいてもよい。エポキシ基を有する化合物は、エポキシ基を分子中に1個のみ有していてもよいが、2個以上有することが好ましい。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON
N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等である。その他にも、ADEKA
RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。
また、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物類も好適に用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等である。その他にも、ADEKA
RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。
また、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物類も好適に用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明に用いられる感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物を含む場合、組成物の全固形分の0.1〜20質量%の範囲で含むことが好ましく、0.5〜10質量%の範囲で含むことがより好ましく、1〜5質量%の範囲で含むことが更に好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、エポキシ基を有する化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
〔オキセタニル基を有する化合物〕
本発明に用いられる感光性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を含んでいてもよい。オキセタニル基を有する化合物は、オキセタニル基を分子中に1個のみ有していてもよいが、2個以上有することが好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を含んでいてもよい。オキセタニル基を有する化合物は、オキセタニル基を分子中に1個のみ有していてもよいが、2個以上有することが好ましい。
オキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を含む場合、組成物の全固形分の0.1〜20質量%の範囲で含むことが好ましく、0.5〜10質量%の範囲で含むことがより好ましく、1〜5質量%の範囲で含むことが更に好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記以外の他の化合物(例えば、アルコキシメチル基含有化合物等)を含んでいてもよい。アルコキシメチル基含有化合物としては、特開2011−221494号公報の段落0192〜0194に記載のものを挙げることができる。
<酸化防止剤>
本発明に用いられる感光性組成物は、上記の成分の他に、酸化防止剤を含有してもよい。なお、酸化防止剤は、上述した成分K以外の化合物である。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1098(以上、BASF社製)を挙げることができる。
酸化防止剤の含有量は、特に制限はないが、感光性組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが更に好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、上記の成分の他に、酸化防止剤を含有してもよい。なお、酸化防止剤は、上述した成分K以外の化合物である。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1098(以上、BASF社製)を挙げることができる。
酸化防止剤の含有量は、特に制限はないが、感光性組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが更に好ましい。
<バインダーポリマー>
本発明に用いられる感光性組成物は、解像性及び皮膜特性向上などの観点から、バインダーポリマーを含有していてもよい。
バインダーポリマーとしては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等が挙げられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
中でも側鎖に酸基を有するアクリル樹脂が好ましい。なお、アクリル樹脂とは(メタ)アクリル酸エステルモノマー又はビニルモノマーを共重合したポリマーであり、スチレン等のメタアクリル酸エステル以外の構成単位が20モル%以下含有してもよい。酸基としてはカルボン酸又はフェノールが好ましい。酸基を導入するためのモノマーとしては、(メタ)アクリル酸が好ましい。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
本発明に用いられる感光性組成物中におけるバインダーポリマーの含有量は、特に制限はないが、感光性組成物の全固形分に対して、0〜40質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましく、0〜20質量%であることが更に好ましく、0〜10質量%であることが特に好ましく、0〜5質量%であることが最も好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、解像性及び皮膜特性向上などの観点から、バインダーポリマーを含有していてもよい。
バインダーポリマーとしては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等が挙げられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
中でも側鎖に酸基を有するアクリル樹脂が好ましい。なお、アクリル樹脂とは(メタ)アクリル酸エステルモノマー又はビニルモノマーを共重合したポリマーであり、スチレン等のメタアクリル酸エステル以外の構成単位が20モル%以下含有してもよい。酸基としてはカルボン酸又はフェノールが好ましい。酸基を導入するためのモノマーとしては、(メタ)アクリル酸が好ましい。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
本発明に用いられる感光性組成物中におけるバインダーポリマーの含有量は、特に制限はないが、感光性組成物の全固形分に対して、0〜40質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましく、0〜20質量%であることが更に好ましく、0〜10質量%であることが特に好ましく、0〜5質量%であることが最も好ましい。
本発明に用いられる感光性組成物は、重量平均分子量が、10,000を超えるポリマー成分の含有量が、感光性組成物の全固形分に対して0〜40質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましく、0〜20質量%であることが更に好ましく、0〜10質量%であることが特に好ましく、0〜5質量%であることが最も好ましい。
ポリマー成分の含有量が上記範囲内であると、現像性及び硬化性に優れる。
ポリマー成分の含有量が上記範囲内であると、現像性及び硬化性に優れる。
〔その他の成分〕
本発明に用いられる感光性組成物には、必要に応じて、上述した以外にも、可塑剤、熱酸発生剤、酸増殖剤等のその他の成分を添加することができる。これらの成分については、例えば、特開2009−98616号公報、特開2009−244801号公報に記載のもの、その他公知のものを用いることができる。また、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明に用いられる感光性組成物に添加してもよい。
本発明に用いられる感光性組成物には、必要に応じて、上述した以外にも、可塑剤、熱酸発生剤、酸増殖剤等のその他の成分を添加することができる。これらの成分については、例えば、特開2009−98616号公報、特開2009−244801号公報に記載のもの、その他公知のものを用いることができる。また、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明に用いられる感光性組成物に添加してもよい。
(表示パネル基板)
本発明の表示パネル基板は、本発明の表示パネル基板の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明の表示パネル基板には、液晶表示装置、及び、有機EL表示装置が含まれる。
本発明の表示パネル基板は、本発明の表示パネル基板の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明の表示パネル基板には、液晶表示装置、及び、有機EL表示装置が含まれる。
(タッチパネル表示装置)
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明の表示パネル基板を備えることを特徴とする。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。この他のタッチパネルとしては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2013−168125の図19、OGS型、TOL型、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6)を挙げることができる。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明の表示パネル基板を備えることを特徴とする。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。この他のタッチパネルとしては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2013−168125の図19、OGS型、TOL型、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6)を挙げることができる。
また、図4は、タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。
なお、タッチパネルの検出電極としては、銀、銅、アルミニウム、チタン、モリブデン、これらの合金であることが好ましい。
図4において、110は画素基板を、140は液晶層を、120は対向基板を、130はセンサ部をそれぞれ示している。画素基板110は、図4の下側から順に、偏光板111、透明基板112、共通電極113、絶縁層114、画素電極115、配向膜116を有している。対向基板120は、図3の下側から順に、配向膜121、カラーフィルタ122、透明基板123を有している。センサ部130は、位相差フィルム124、保護層126、接着層127、偏光板128をそれぞれ有している。また、図4中、125は、センサ用検出電極である。
本発明の液晶パネル基板の製造方法において硬化された感光性組成物は、保護層126として使用される。
なお、タッチパネルの検出電極としては、銀、銅、アルミニウム、チタン、モリブデン、これらの合金であることが好ましい。
図4において、110は画素基板を、140は液晶層を、120は対向基板を、130はセンサ部をそれぞれ示している。画素基板110は、図4の下側から順に、偏光板111、透明基板112、共通電極113、絶縁層114、画素電極115、配向膜116を有している。対向基板120は、図3の下側から順に、配向膜121、カラーフィルタ122、透明基板123を有している。センサ部130は、位相差フィルム124、保護層126、接着層127、偏光板128をそれぞれ有している。また、図4中、125は、センサ用検出電極である。
本発明の液晶パネル基板の製造方法において硬化された感光性組成物は、保護層126として使用される。
更に、スタティック駆動方式の液晶表示装置でも、本発明を適用することで意匠性の高いパターンを表示させることも可能である。例として、特開2001−125086号公報に記載されているようなポリマーネットワーク型液晶の絶縁膜として本発明を適用することができる。
また、図5は、タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の他の一例の構成概念図である。
薄膜トランジスタ(TFT)440が具備された薄膜トランジスタ表示板に相当する下部表示板200、下部表示板200と対向して下部表示板200と対向する面に複数のカラーフィルタ330が具備されたカラーフィルタ表示板に相当する上部表示板300、及び下部表示板200と上部表示板300の間に形成された液晶層400を含む。液晶層400は液晶分子(図示せず)を含む。
薄膜トランジスタ(TFT)440が具備された薄膜トランジスタ表示板に相当する下部表示板200、下部表示板200と対向して下部表示板200と対向する面に複数のカラーフィルタ330が具備されたカラーフィルタ表示板に相当する上部表示板300、及び下部表示板200と上部表示板300の間に形成された液晶層400を含む。液晶層400は液晶分子(図示せず)を含む。
下部表示板200は、第1絶縁基板210、第1絶縁基板210の上に配置する薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜トランジスタ(TFT)の上面に形成された絶縁膜280、及び絶縁膜280の上に配置する画素電極290を含む。薄膜トランジスタ(TFT)は、ゲート電極220、ゲート電極220を覆うゲート絶縁膜240、半導体層250、オーミックコンタクト層260、262、ソース電極270、及び、ドレイン電極272を含むことができる。
絶縁膜280には薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極272が露出するようにコンタクトホール282が形成されている。
絶縁膜280には薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極272が露出するようにコンタクトホール282が形成されている。
上部表示板300は、第2絶縁基板310の一面の上に配置して、マトリックス状に配列された遮光部材320、第2絶縁基板310の上に配置する配向膜350、配向膜の上に配置するカラーフィルタ330、及び、カラーフィルタ330の上に配置し、下部表示板200の画素電極290と対応して、液晶層400に電圧を印加する共通電極370を含む。
図4に示す液晶表示装置において、第2絶縁基板310の他の一面にはセンシング電極410、保護層膜420、駆動電極430、及び、保護膜280を配置する。このように、図4に示す液晶表示装置の製造においては、上部表示板300を形成する時に、タッチスクリーンの構成要素であるセンシング電極410、保護層420、及び、駆動電極430などを共に形成することができる。
本発明の液晶パネル基板の製造方法において硬化された感光性組成物は、保護層420として使用される。
本発明の液晶パネル基板の製造方法において硬化された感光性組成物は、保護層420として使用される。
その他、本発明のタッチパネル表示装置としては、特開2012−230657号公報に記載の、いわゆるインオンセル型のタッチパネルの製造方法において、本発明の表示パネル基板を本文中のタッチ検出機能付き表示デバイスとして用いた態様や、特開2013−168125号公報に記載の、いわゆるオンセル型のタッチパネルの製造方法において、本発明の表示パネル基板を、本文中の液晶表示装置として用いた態様が好ましく挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
実施例及び比較例で使用した各成分は、以下の通りである。
(成分A)
A−1:5官能以上のウレタンアクリレート(U−15HA、新中村化学工業(株)製)
A−2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)
A−3:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(A−TMMT、新中村化学工業(株)製)
(成分A)
A−1:5官能以上のウレタンアクリレート(U−15HA、新中村化学工業(株)製)
A−2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)
A−3:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(A−TMMT、新中村化学工業(株)製)
(成分B)
B−1:化合物1(合成品、下記参照)、オキシムエステル化合物
B−2:IRGACURE OXE02(BASF社製)、オキシムエステル化合物、下記構造
B−1:化合物1(合成品、下記参照)、オキシムエステル化合物
B−2:IRGACURE OXE02(BASF社製)、オキシムエステル化合物、下記構造
(成分C)
C−1:PMA−ST(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子、平均粒径10〜15nm
C−2:MIBK−ST−L(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子、平均粒径40〜50nm
C−3:SX866、(JSR(株)製)、スチレン−アクリル中空粒子(粉体)
C−1:PMA−ST(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子、平均粒径10〜15nm
C−2:MIBK−ST−L(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子、平均粒径40〜50nm
C−3:SX866、(JSR(株)製)、スチレン−アクリル中空粒子(粉体)
(成分D)
D−1:ハイソルブEDM(東邦化学工業(株)製)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
D−2:PGMEA(ダイセル化学工業(株)製)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
D−1:ハイソルブEDM(東邦化学工業(株)製)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
D−2:PGMEA(ダイセル化学工業(株)製)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(成分E)
E−1:メガファックF554((株)DIC製)、フッ素系界面活性剤
E−1:メガファックF554((株)DIC製)、フッ素系界面活性剤
(バインダーポリマー)
F−1:ベンジルメタクリレート(BzMA)/メタクリル酸(MAA)共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45%溶液(BZMA:MAA(質量比)=70:30、重量平均分子量=30,000)(藤倉化成(株)製)
F−1:ベンジルメタクリレート(BzMA)/メタクリル酸(MAA)共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45%溶液(BZMA:MAA(質量比)=70:30、重量平均分子量=30,000)(藤倉化成(株)製)
<化合物1(B−1)の合成>
〔化合物Aの合成〕
エチルカルバゾール(100.0g、0.512mol)をクロロベンゼン260mlに溶解し、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(70.3g、0.527mol)を加えた。続いてo−トルオイルクロリド(81.5g、0.527mol)を40分かけて滴下し、室温(25℃、以下同様)に昇温して3時間撹拌した。次に、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(75.1g、0.563mol)を加えた。4−クロロブチリルクロリド(79.4g、0.563mol)を40分かけて滴下し、室温に昇温して3時間撹拌した。35質量%塩酸水溶液156mlと蒸留水392mlとの混合溶液を0℃に冷却し、反応溶液を滴下した。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水とメタノールとで洗浄し、アセトニトリルで再結晶後、下記構造の化合物A(収量164.4g、収率77%)を得た。
〔化合物Aの合成〕
エチルカルバゾール(100.0g、0.512mol)をクロロベンゼン260mlに溶解し、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(70.3g、0.527mol)を加えた。続いてo−トルオイルクロリド(81.5g、0.527mol)を40分かけて滴下し、室温(25℃、以下同様)に昇温して3時間撹拌した。次に、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(75.1g、0.563mol)を加えた。4−クロロブチリルクロリド(79.4g、0.563mol)を40分かけて滴下し、室温に昇温して3時間撹拌した。35質量%塩酸水溶液156mlと蒸留水392mlとの混合溶液を0℃に冷却し、反応溶液を滴下した。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水とメタノールとで洗浄し、アセトニトリルで再結晶後、下記構造の化合物A(収量164.4g、収率77%)を得た。
〔化合物Bの合成〕
上記で得られた化合物A(20.0g、47.9mmol)をテトラヒドロフラン(THF)64mlに溶解し、4−クロロベンゼンチオール(7.27g、50.2mmol)とヨウ化ナトリウム(0.7g、4.79mmol)とを加えた。続いて反応液に水酸化ナトリウム(2.0g、50.2mmol)を加え、2時間還流した。次に、0℃に冷却後、SM−28(11.1g、57.4mmol、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液、和光純薬工業(株)製)を20分かけて滴下し、室温に昇温して2時間撹拌した。次に、0℃に冷却後、亜硝酸イソペンチル(6.73g、57.4mmol)を20分かけて滴下し、室温に昇温して3時間撹拌した。反応液をアセトン120mlに希釈し、0℃に冷却した0.1N塩酸水溶液に滴下した。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水で洗浄した。続いてアセトニトリルで再結晶し、下記構造の化合物B(収量17.0g、収率64%)を得た。
上記で得られた化合物A(20.0g、47.9mmol)をテトラヒドロフラン(THF)64mlに溶解し、4−クロロベンゼンチオール(7.27g、50.2mmol)とヨウ化ナトリウム(0.7g、4.79mmol)とを加えた。続いて反応液に水酸化ナトリウム(2.0g、50.2mmol)を加え、2時間還流した。次に、0℃に冷却後、SM−28(11.1g、57.4mmol、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液、和光純薬工業(株)製)を20分かけて滴下し、室温に昇温して2時間撹拌した。次に、0℃に冷却後、亜硝酸イソペンチル(6.73g、57.4mmol)を20分かけて滴下し、室温に昇温して3時間撹拌した。反応液をアセトン120mlに希釈し、0℃に冷却した0.1N塩酸水溶液に滴下した。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水で洗浄した。続いてアセトニトリルで再結晶し、下記構造の化合物B(収量17.0g、収率64%)を得た。
〔化合物1の合成〕
化合物B(18.0g、32.4mmol)を90mlのN−メチルピロリドン(NMP)に溶解し、トリエチルアミン(Et3N、3.94g、38.9mmol)を加えた。次に、0℃に冷却後、アセチルクロライド(AcCl、3.05g、38.9mmol)を20分かけて滴下後、室温に昇温して2時間撹拌した。反応液を0℃に冷却した蒸留水150mlに滴下し、析出した固体を吸引濾過後、0℃に冷却したイソプロピルアルコール200mlで洗浄し、乾燥後、化合物1(収量19.5g、収率99%)を得た。
化合物B(18.0g、32.4mmol)を90mlのN−メチルピロリドン(NMP)に溶解し、トリエチルアミン(Et3N、3.94g、38.9mmol)を加えた。次に、0℃に冷却後、アセチルクロライド(AcCl、3.05g、38.9mmol)を20分かけて滴下後、室温に昇温して2時間撹拌した。反応液を0℃に冷却した蒸留水150mlに滴下し、析出した固体を吸引濾過後、0℃に冷却したイソプロピルアルコール200mlで洗浄し、乾燥後、化合物1(収量19.5g、収率99%)を得た。
また、得られた化合物1の構造はNMRにて同定した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=8.86(s,1H),8.60(s,1H),8.31(d,1H,J=8.0Hz),8.81(d,1H,J=8.0Hz),7.51−7.24(m,10H),7.36(q,2H,7.4Hz),3.24−3.13(m,4H),2.36(s,3H),2.21(s,3H),1.50(t,3H,7.4Hz)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=8.86(s,1H),8.60(s,1H),8.31(d,1H,J=8.0Hz),8.81(d,1H,J=8.0Hz),7.51−7.24(m,10H),7.36(q,2H,7.4Hz),3.24−3.13(m,4H),2.36(s,3H),2.21(s,3H),1.50(t,3H,7.4Hz)。
(実施例1〜11、及び、比較例1〜7)
<感光性組成物の調製>
下記表1に記載のように各成分を配合・撹拌して有機溶剤の溶液及び/又は分散液とし、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、本発明の感光性組成物を得た。下記表の各成分の単位は、固形分濃度を除き、質量部である。また、表中の「−」は、その成分が含まれていないことを示す。
<感光性組成物の調製>
下記表1に記載のように各成分を配合・撹拌して有機溶剤の溶液及び/又は分散液とし、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、本発明の感光性組成物を得た。下記表の各成分の単位は、固形分濃度を除き、質量部である。また、表中の「−」は、その成分が含まれていないことを示す。
<塗布膜厚均一性の評価>
(実施例1〜11及び比較例1〜7)
液晶封入、貼り合わせ、スリミング処理、表面へITOスパッタリング後、タッチ検出電極のパターニングまで完了した液晶セルマザー基板(基板サイズG5)を用意した。液晶セルマザー基板上へ本感光性組成物をスリットコーター(東京応化工業(株)製スリットコーター)を使用して塗布、ホットプレートにて90℃/120秒プリベークして溶剤を揮発させ、膜厚2.2μmの感光性組成物の溶剤除去後の膜を得た。次に高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより表面に保護膜を備える表示パネル基板を作成した。表示パネル作成後にパネルを切り出し、各測定を行った。
なお、タッチ検出電極の膜厚は、下記のように測定した。タッチ検出電極パターンニングまで完了した上記液晶セルマザー基板上について、ET200((株)小坂研究所製 段差/膜厚計)を用いて、触針式により、上記タッチ検出電極配線の高さを測定した。得られたガラス面からタッチ検出電極表面との高さの差をタッチ検出電極膜厚とした。
(実施例1〜11及び比較例1〜7)
液晶封入、貼り合わせ、スリミング処理、表面へITOスパッタリング後、タッチ検出電極のパターニングまで完了した液晶セルマザー基板(基板サイズG5)を用意した。液晶セルマザー基板上へ本感光性組成物をスリットコーター(東京応化工業(株)製スリットコーター)を使用して塗布、ホットプレートにて90℃/120秒プリベークして溶剤を揮発させ、膜厚2.2μmの感光性組成物の溶剤除去後の膜を得た。次に高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより表面に保護膜を備える表示パネル基板を作成した。表示パネル作成後にパネルを切り出し、各測定を行った。
なお、タッチ検出電極の膜厚は、下記のように測定した。タッチ検出電極パターンニングまで完了した上記液晶セルマザー基板上について、ET200((株)小坂研究所製 段差/膜厚計)を用いて、触針式により、上記タッチ検出電極配線の高さを測定した。得られたガラス面からタッチ検出電極表面との高さの差をタッチ検出電極膜厚とした。
(実施例12〜14)
基板の素材及び厚みを表に記載の内容とした以外は全て実施例2と同様の処理を行った。表中の基板素材、PCはポリカーボネート、PIはポリイミド、PETはポリエチレンテレフタラートを意味する。
基板の素材及び厚みを表に記載の内容とした以外は全て実施例2と同様の処理を行った。表中の基板素材、PCはポリカーボネート、PIはポリイミド、PETはポリエチレンテレフタラートを意味する。
(実施例15)
タッチ検出電極の厚みを51nmとしたこと以外は実施例2と同様の処理を行った。
タッチ検出電極の厚みを51nmとしたこと以外は実施例2と同様の処理を行った。
(実施例16)
タッチ検出電極の厚みを153nmとしたこと以外は実施例2と同様の処理を行った。
タッチ検出電極の厚みを153nmとしたこと以外は実施例2と同様の処理を行った。
(実施例17)
タッチ検出電極の材料を銅とし、厚みを153nmとしたこと以外は実施例2と同様の処理を行った。
タッチ検出電極の材料を銅とし、厚みを153nmとしたこと以外は実施例2と同様の処理を行った。
(実施例18)
感光性組成物の溶剤除去後の膜厚を3.0μmとしたこと以外は実施例2と同様の処理を行った。
感光性組成物の溶剤除去後の膜厚を3.0μmとしたこと以外は実施例2と同様の処理を行った。
(実施例19)
感光性組成物の溶剤除去後の膜厚を1.8μmとしたこと以外は実施例2と同様の処理を行った。
感光性組成物の溶剤除去後の膜厚を1.8μmとしたこと以外は実施例2と同様の処理を行った。
〔微細凹凸平坦化性評価〕
得られた表示パネル基板上の保護膜について、ET200((株)小坂研究所製 段差/膜厚計)を用いてITO配線上とITO配線が無い部分の高低差を測定した。1、2が実用範囲である。
1 塗膜上段差 10nm未満
2 塗膜上段差 10nm以上 20nm未満
3 塗膜上段差 20nm以上 30nm未満
4 塗膜上段差 30nm以上 40nm未満
5 塗膜上段差 40nm以上
得られた表示パネル基板上の保護膜について、ET200((株)小坂研究所製 段差/膜厚計)を用いてITO配線上とITO配線が無い部分の高低差を測定した。1、2が実用範囲である。
1 塗膜上段差 10nm未満
2 塗膜上段差 10nm以上 20nm未満
3 塗膜上段差 20nm以上 30nm未満
4 塗膜上段差 30nm以上 40nm未満
5 塗膜上段差 40nm以上
〔基板追従性評価〕
得られた表示パネル基板上の保護膜の膜厚分布(配線無し部分)を、ET200((株)小坂研究所製 段差/膜厚計)を用いて測定し、(最大値−最小値)/平均値を算出することで、基板上塗膜の膜厚均一性を測定した。1、2が実用範囲である。
1 膜厚分布 2%未満
2 膜厚分布 3%未満
3 膜厚分布 4%未満
4 膜厚分布 5%未満
5 膜厚分布 5%以上
得られた表示パネル基板上の保護膜の膜厚分布(配線無し部分)を、ET200((株)小坂研究所製 段差/膜厚計)を用いて測定し、(最大値−最小値)/平均値を算出することで、基板上塗膜の膜厚均一性を測定した。1、2が実用範囲である。
1 膜厚分布 2%未満
2 膜厚分布 3%未満
3 膜厚分布 4%未満
4 膜厚分布 5%未満
5 膜厚分布 5%以上
〔鉛筆硬度の評価〕
上記で調製された各硬化性組成物を、ガラス基板(100mm×100mm)上にスピンコートし、90℃、120秒のプリベークを行い、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。次に高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作製した。
得られた硬化膜に対して、JIS K5600に準拠した方法(荷重750g)で鉛筆硬度試験を行い、膜強度を評価した。2H以上が実用範囲である。
上記で調製された各硬化性組成物を、ガラス基板(100mm×100mm)上にスピンコートし、90℃、120秒のプリベークを行い、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。次に高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作製した。
得られた硬化膜に対して、JIS K5600に準拠した方法(荷重750g)で鉛筆硬度試験を行い、膜強度を評価した。2H以上が実用範囲である。
上記表2から明らかなとおり、本発明の表示パネル基板の製造方法によれば、保護膜の微細凹凸平坦化性、基板追従性、及び、鉛筆硬度に優れた表示パネル基板を製造することができた。
(タッチパネル表示装置の作製)
本発明の各実施例で得られた表示パネル基板を用い、タッチパネル表示装置を作成した。表示装置のその他の部分は、特開2013−164871号公報に図6として記載された製造方法に従って作製した。作製した表示装置は、表示性能、タッチ検出性能とも優れていた。
本発明の各実施例で得られた表示パネル基板を用い、タッチパネル表示装置を作成した。表示装置のその他の部分は、特開2013−164871号公報に図6として記載された製造方法に従って作製した。作製した表示装置は、表示性能、タッチ検出性能とも優れていた。
1:TFT(薄膜トランジスタ)、2:配線、3:絶縁膜、4:平坦化膜、5:第一電極、6:ガラス基板、7:コンタクトホール、8:絶縁膜、10:液晶表示装置、12:バックライトユニット、14,15:ガラス基板、16:TFT、17:硬化膜、18:コンタクトホール、19:ITO透明電極、20:液晶、22:カラーフィルタ、30:タッチ検出電極、32:保護層、34:ガラス基板、36:微細な凹凸、110:画素基板、111:偏光板、112:透明基板、113:共通電極、114:絶縁層、115:画素電極、116:配向膜、120:対向基板、121:配向膜、122:カラーフィルタ、123:透明基板、124:位相差フィルム、125:センサ用検出電極、126:保護層、127:接着層、128:偏光板、130:センサ部、140:液晶層、200:下部表示板、210:第1絶縁基板、220:ゲート電極、240:ゲート絶縁膜、250:半導体層、260,262:オーミックコンタクト層、270:ソース電極、272:ドレイン電極、280:絶縁膜、282:コンタクトホール、290:画像電極、300:上部表示板、310:第2絶縁基板、320:遮光部材、330:カラーフィルタ、350:配向膜、370:共通電極、400:液晶層、410:センシング電極、420:保護層、430:駆動電極、440:TFT
Claims (6)
- 工程1として、感光性組成物を、表示パネルのタッチ検出電極を備える面に塗布する塗布工程と、
工程2として、塗布された感光性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程と、
工程3として、溶剤が除去された感光性組成物を光及び/又は熱により硬化する硬化工程とをこの順で含み、
前記感光性組成物が、成分Aとして、5官能以上の(メタ)アクリレート化合物、成分Bとして、光重合開始剤、成分Cとして、有機又は無機粒子、及び、成分Dとして、溶剤、を含有し、成分Aの含有量が、感光性組成物中の成分C以外の全固形分量に対して50〜98質量%であり、感光性組成物の粘度が3〜30mPa・sであり、感光性組成物の表面張力が20〜30mN/mであり、感光性組成物の全量に対する固形分量が10〜50質量%であり、
前記表示パネルが、少なくとも一つの面にタッチ検出電極を備え、タッチ検出電極のある面の少なくとも一部に厚さ0.3mm以下のガラス基板又は厚さ1.0mm以下の樹脂基板を備え、前記タッチ検出電極の厚みが30nm以上であることを特徴とする
表示パネル基板の製造方法。 - 前記感光性組成物が、成分Eとして、界面活性剤を更に含有する、請求項1に記載の表示パネル基板の製造方法。
- 塗布工程において、表示パネルを吸着により固定する、請求項1又は2に記載の表示パネル基板の製造方法。
- 前記タッチ検出電極のある面の少なくとも一部に備える基板がガラス基板であり、前記塗布工程の前に、ガラス基板を研磨するスリミング工程を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示パネル基板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示パネル基板の製造方法により製造された、表示パネル基板。
- 請求項5に記載の表示パネル基板を備えるタッチパネル表示装置。
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