JP6460901B2 - 硬化性組成物、硬化膜、有機el表示装置、液晶表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置 - Google Patents

硬化性組成物、硬化膜、有機el表示装置、液晶表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性組成物、硬化膜、有機EL表示装置、液晶表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置に関する。
液晶表示装置、有機EL(Electroluminescence)表示装置等のフラットパネルディスプレイが広く使用されている。従来、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子、有機ELなどの電子部品においては、一般に、電子部品表面の平坦性を付与するための平坦化膜、電子部品の劣化や損傷を防ぐための保護膜や絶縁性を保つための層間絶縁膜を形成する際に硬化性組成物が使用される。例えば、TFT(Thin-Film Transistor、薄膜トランジスタ)型液晶表示素子は、ガラス基板上に偏光板を設け、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電回路層及び薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、層間絶縁膜で被覆して背面板とする一方、ガラス基板上に偏光板を設け、必要に応じてブラックマトリックス層及びカラーフィルタ層のパターンを形成し、更に透明導電回路層、層間絶縁膜を順次形成して上面板とし、この背面板と上面板とをスペーサーを介して対向させて両板間に液晶を封入して製造される。
また、近年、スマートフォンやタブレット端末の普及と共に静電容量式タッチパネルが注目を浴びている。静電容量式タッチパネルのセンサ基板は、ガラスやフィルム上に透明電極(ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)など)や金属電極(銀、銅、モリブデン、チタン、アルミニウムなどやそれらの積層体や合金など)がパターニングされた配線を有し、その他、配線の交差部に絶縁膜、ITO及び金属を保護する保護膜を有する構造が一般的である。
このような絶縁膜や保護膜に用いられる従来の硬化性組成物としては、特許文献1又は2に記載された組成物が知られている。
特開2011−126921号公報 特開2010−39475号公報
最近、これら表示装置等の製造工程において、基板や回路等へのダメージの低減、省エネルギー化等の観点から、製造工程での各種硬化膜の加熱温度の低温化が必要とされている。
本発明が解決しようとする課題は、低温で硬化しても、耐擦傷性に優れ、高い硬度が得られる硬化性組成物を提供することである。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、上記硬化性組成物を硬化した硬化膜、並びに、上記硬化膜を有する液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<10>又は<13>〜<16>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<9>、<11>及び<12>と共に以下に記載する。
<1> 成分Aとして、エチレン性不飽和化合物、成分Bとして、重合開始剤、成分Cとして、メルカプト化合物、及び、成分Dとして、有機溶剤を含有し、成分Aが、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを含み、上記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、成分Aの含有量100質量部に対し、20〜100質量部であり、上記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートが、重量平均分子量10,000以上であるウレタン(メタ)アクリレート、及び、分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする硬化性組成物、
<2> 成分Bが、オキシムエステル化合物を含む、<1>に記載の硬化性組成物、
<3> 成分Aが、上記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物を含む、<1>又は<2>に記載の硬化性組成物、
<4> 上記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物が、多官能エチレン性不飽和化合物である、<3>に記載の硬化性組成物、
<5> 成分Aの含有量が、硬化性組成物の全有機固形分に対して、70質量%以上である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<6> 上記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートが、上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートを2種以上含む、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<7> 成分Cが、2官能以上のメルカプト化合物を含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<8> 成分Eとして、無機粒子を更に含有する、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<9> ブロックイソシアネート化合物、及び/又は、アルコキシシラン化合物を更に含む、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<10> <1>〜<9>のいずれか1つに記載の硬化性組成物より形成した膜を硬化して得られた硬化膜、
<11> 保護膜である、<10>に記載の硬化膜、
<12> JIS K5600:1999に従って測定した荷重750gにおける鉛筆硬度が、2H以上である、<10>又は<11>に記載の硬化膜、
<13> <10>〜<12>のいずれか1つに記載の硬化膜を有する、有機EL表示装置、
<14> <10>〜<12>のいずれか1つに記載の硬化膜を有する、液晶表示装置、
<15> <10>〜<12>のいずれか1つに記載の硬化膜を有するタッチパネル、
<16> <10>〜<12>のいずれか1つに記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
本発明によれば、低温で硬化しても、耐擦傷性に優れ、高い硬度が得られる硬化性組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記硬化性組成物を硬化した硬化膜、並びに、上記硬化膜を有する液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置を提供することができる。
有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の他の一例の構成概念図を示す。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
本発明において、「エチレン性不飽和化合物」等を、単に「成分A」等ともいう。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本発明における化合物の分子量に関し、分子量が特定できる低分子化合物については、ESI−MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析法)により測定した分子量であり、分子量の分布を持つ化合物については、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量であるものとする。
(硬化性組成物)
本発明の硬化性組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、成分Aとして、エチレン性不飽和化合物、成分Bとして、重合開始剤、成分Cとして、メルカプト化合物、及び、成分Dとして、有機溶剤を含有し、成分Aが、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを含み、上記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、成分Aの含有量100質量部に対し、20〜100質量部であり、上記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートが、重量平均分子量10,000以上であるウレタン(メタ)アクリレート、及び、分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする。
本発明の硬化性組成物は、更に、成分Eとして、無機粒子を含有することが好ましい。
これらの成分を含むことにより、十分な膜強度を達成することができる。メカニズムとしては以下のように推定される。分子量の異なる2種のウレタン(メタ)アクリレートを用いることで、塗布後の膜中でのメルカプト化合物との相溶性が向上する。該塗布膜を硬化することで、膜中にメルカプト化合物とウレタン由来のソフトセグメントと(メタ)アクリレート由来のハードセグメントが均一に存在することとなり、鉛筆硬度測定時の傷付き防止と荷重を分散することによる剥れ防止が達成できるものと考えられる。またメルカプト化合物によるラジカルの連鎖移動の効果により、特に膜の表面の強度が増し、スチールウールに対する耐性も向上すると考えられる。よって、本発明の組成物を用いることで上記課題を解決することが可能となる。
また、本発明の硬化性組成物は、更に、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物、アルコキシシラン化合物、及び/又は、ブロックイソシアネート化合物等の他の成分を含んでいてもよい。
成分A:エチレン性不飽和化合物
本発明の硬化性組成物は、成分Aとして、エチレン性不飽和化合物を含有する。
また、本発明の硬化性組成物は、エチレン性不飽和化合物として、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを含有する。
本発明におけるエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和結合を有していればよく、低分子の化合物であっても、オリゴマーであっても、ポリマーであってもよい。
また、エチレン性不飽和化合物の含有量は、硬化性組成物の全有機固形分中、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。上限は特に定めるものではないが、98質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
また、後述する無機粒子を配合する場合、エチレン性不飽和化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分中、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましい。なお、硬化性組成物における「固形分」とは、有機溶剤等の揮発性成分を除いた成分を表し、硬化性組成物における「有機固形分」とは、無機粒子等の無機成分、及び、有機溶剤等の揮発性成分を除いた成分を表す。
なお、本発明において、エチレン性不飽和化合物であって、後述するアルコキシシラン化合物に該当するもの、すなわち、アルコキシシリル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物は、アルコキシシラン化合物とする。
また、本発明において、ウレタン(メタ)アクリレートとは、1以上のウレタン結合及び1以上の(メタ)アクリロキシ基を有する化合物である。
<5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート>
本発明の硬化性組成物は、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、成分Aの含有量100質量部に対し、20〜100質量部であり、20〜69質量部であることが好ましい。上記範囲であると、本発明の効果がより効果的に発揮される。
5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロキシ基の数は、6以上が好ましく、10以上がより好ましく、12以上が特に好ましい。このような構成とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
また、上記(メタ)アクリロキシ基の数の上限は特に制限はないが、高分子構造でない場合には、50以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましく、20以下であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明に用いることができる5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートとしては、イソシアネート基と水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物が例示され、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類が例示され、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロキシ基は、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のいずれであっても、両方であってもよいが、アクリロキシ基であることが好ましい。
5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、5官能以上の脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、イソシアヌル環構造を有することが好ましい。
また、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、1以上のウレタン結合を有するコア部分と、コア部分に結合し、かつ1以上の(メタ)アクリロキシ基を有する末端部分からなる化合物であることが好ましく、上記コア部分に、2個以上の上記末端部分が結合した化合物であることがより好ましい。
5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、下記式Ae−1又は式Ae−2で表される基を少なくとも有する化合物であることが好ましく、下記式Ae−1で表される基を少なくとも有する化合物であることがより好ましい。また、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、下記式Ae−1で表される基及び式Ae−2で表される基よりなる群から選ばれた基を2以上有する化合物であることがより好ましい。
また、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートにおける上記末端部分は、下記式Ae−1又は式Ae−2で表される基であることが好ましい。
Figure 0006460901
式Ae−1及び式Ae−2中、Rはそれぞれ独立に、アクリル基又はメタクリル基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。
本発明の硬化性組成物は、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートとして、重量平均分子量10,000以上であるウレタン(メタ)アクリレート、及び、分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートを含有する。
本発明の硬化性組成物において、重量平均分子量10,000以上であるウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートの含有量100質量部に対し、1〜90重量部が好ましく、5〜70重量部がより好ましく、10〜60重量部が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物において、分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートの含有量100質量部に対し、10〜99重量部が好ましく、15〜95重量部がより好ましく、20〜90重量部が特に好ましい。
<<重量平均分子量10,000以上であるウレタン(メタ)アクリレート>>
本発明の硬化性組成物は、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートとして、重量平均分子量10,000以上であるウレタン(メタ)アクリレートを含有する。
すなわち、上記重量平均分子量10,000以上であるウレタン(メタ)アクリレートは、重量平均分子量10,000以上であり、かつ5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートである。
上記重量平均分子量10,000以上であるウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、10,000〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましい。
上記重量平均分子量10,000以上であるウレタン(メタ)アクリレートは、下記式Aa−1又は式Aa−2で表される構成繰り返し単位を有するポリマーであることが好ましい。
Figure 0006460901
式Aa−1及び式Aa−2中、L5〜L8はそれぞれ独立に、二価の連結基を表し、Aは(メタ)アクリロイル基を有する基を表し、Raは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
5〜L8はそれぞれ独立に、炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数4〜8のアルキレン基であることが更に好ましい。また、上記アルキレン基は、分岐や環構造を有していてもよいが、直鎖アルキレン基であることが好ましい。
Aは、上記式Ae−1又は式Ae−2で表される基であることが好ましい。
aは、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
<<分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレート>>
本発明の硬化性組成物は、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートとして、分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートを含有する。
すなわち、上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートは、分子量5,000以下であり、かつ5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートである。
なお、上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートが、分子量に分布を有するオリゴマー又はポリマーである場合、上記分子量は、重量平均分子量であってもよい。
上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートにおけるウレタン結合の数は、特に制限はないが、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、2〜10であることが更に好ましく、2〜5であることが特に好ましい。
上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートの分子量は、硬化膜硬度の観点から、500〜5,000が好ましく、800〜5,000がより好ましく、800〜3,000が特に好ましい。
上記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートは、上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートを2種以上含むことが好ましく、上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートを2〜4種含むことがより好ましく、上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートを2又は3種含むことが特に好ましい。上記態様であると、得られる硬化膜の硬度により優れる。
また、上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロキシ基の数は、5〜30であることが好ましく、8〜25であることがより好ましく、10〜20であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化膜の硬度により優れる。
更に、上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートは、下記式Ac−1又は式Ac−2で表される基を少なくとも有する化合物であることが好ましく、下記式Ac−1で表される基を少なくとも有する化合物であることがより好ましい。
また、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートにおける上記コア部分は、下記式Ac−1又は式Ac−2で表される基であることが好ましい。
Figure 0006460901
式Ac−1及び式Ac−2中、L1〜L4はそれぞれ独立に、炭素数2〜20の二価の炭化水素基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。
1〜L4はそれぞれ独立に、炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数4〜8のアルキレン基であることが更に好ましい。また、上記アルキレン基は、分岐や環構造を有していてもよいが、直鎖アルキレン基であることが好ましい。
また、上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートは、上記式Ac−1又は式Ac−2で表される基と、上記式Ae−1で表される基及び式Ae−2で表される基よりなる群から選ばれた2又は3個の基とが結合した化合物であることが特に好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられる、上記分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートを例示するが、本発明はこれらに限定されるものではないことはいうまでもない。
Figure 0006460901
Figure 0006460901
Figure 0006460901
5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、新中村化学工業(株)から入手可能なU−6HA、UA−1100H、U−6LPA、U−15HA、U−6H、U−10HA、U−10PA、UA−53H、UA−33H(いずれも登録商標)や、共栄社化学(株)から入手可能なUA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、BASF社から入手可能なLaromer UA−9048、UA−9050、PR9052、ダイセルオルネクス(株)から入手可能なEBECRYL 220、5129、8301、KRM8200、8200AE、8452などが例示される。
<その他のエチレン性不飽和化合物>
本発明の硬化性組成物は、成分Aとして、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物(「その他のエチレン性不飽和化合物」ともいう。)を含んでいてもよい。
5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物としては、高分子(例えば、分子量2,000以上)であっても、単量体(例えば、分子量2,000未満、好ましくは、分子量100以上2,000未満)であってもよく、単量体が好ましい。
5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物としては、多官能エチレン性不飽和化合物であることが好ましく、3〜6官能エチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。
5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリロキシ基の数は、2〜15が好ましく、3〜6がより好ましい。このような構成とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートエチレンオキサイド(EO)変性体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートEO変性体などが挙げられる。
また、その他のエチレン性不飽和化合物としては、4官能以下のウレタン(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。
4官能以下のウレタン(メタ)アクリレートとしては、下記化合物が例示される。
Figure 0006460901
Figure 0006460901
本発明の硬化性組成物が5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物を含む場合、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物の含有量は、硬化性組成物の全有機固形分に対し、0.1〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜40質量%の範囲であることがより好ましく、1〜25質量%の範囲であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
成分B:重合開始剤
本発明の硬化性組成物は、成分Bとして、重合開始剤を含有する。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤は、光及び/又は熱によりエチレン性不飽和化合物の重合を開始、促進可能な化合物である。中でも、光重合開始剤が好ましく、光ラジカル重合開始剤がより好ましい。
「光」とは、その照射により成分Bより開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル化合物、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。これらの中でも、感度の点から、オキシムエステル化合物、及び/又は、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましい。
オキシムエステル化合物としては、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2007−231000号公報、又は、特開2009−134289号公報に記載の化合物を使用できる。
オキシムエステル化合物は、下記式1又は式2で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006460901
式1又は式2中、Arは芳香族基又はヘテロ芳香族基を表し、R1はアルキル基、芳香族基又はアルキルオキシ基を表し、R2は水素原子又はアルキル基を表し、更にR2はAr基と結合し環を形成してもよい。
Arは、芳香族基又はヘテロ芳香族基を表し、ベンゼン環、ナフタレン環又はカルバゾール環から水素原子を1つ除いた基であることが好ましく、R2と共に環を形成したナフタレニル基又はカルバゾイル基がより好ましい。
1は、アルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基又はメトキシ基がより好ましい。
2は、水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は置換アルキル基が好ましく、水素原子、Arと共に環を形成する置換アルキル基又はトルエンチオアルキル基がより好ましい。
オキシムエステル化合物は、下記式3、式4又は式5で表される化合物であることが更に好ましい。
Figure 0006460901
式3〜式5中、R1はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、Xは−CH2−、−C24−、−O−又は−S−を表し、R3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を表し、R4はそれぞれ独立に、アルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、R5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R6はアルキル基を表し、n1及びn2はそれぞれ独立に、0〜6の整数を表し、n3は0〜5の整数を表す。
1はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、R11−X’−アルキレン基−で表される基(R11はアルキル基又はアリール基を表し、X’は硫黄原子又は酸素原子を表す。)が好ましい。R11はアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R11としての、アルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子)又はアルキル基で置換されていてもよい。
Xは硫黄原子が好ましい。
3及びR4は、芳香環上の任意の位置で結合することができる。
4はアルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、アルキル基、フェニル基、アリールチオ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アリールチオ基又はハロゲン原子がより好ましく、アルキル基又はハロゲン原子が更に好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子又はフッ素原子が好ましい。
また、R4の炭素数は、0〜50であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
6はアルキル基を表し、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
n1及びn2はそれぞれ、式3又は式4における芳香環上のR3の置換数を表し、n3は式5における芳香環上のR4の置換数を表す。
n1〜n3はそれぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられるオキシムエステル化合物の例を示す。しかしながら、本発明で用いられるオキシムエステル化合物がこれらに限定されるものではないことはいうまでもない。なお、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 0006460901
Figure 0006460901
Figure 0006460901
有機ハロゲン化化合物の例としては、具体的には、若林等、「Bull Chem. Soc. Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物、及び、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物が例示でき、具体的には例えば、BASF社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性組成物における光重合開始剤の総量は、硬化性組成物中の全固形分に対して、0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましく、2〜5質量%であることが特に好ましい。
<増感剤>
本発明の硬化性組成物には、重合開始剤の他に、増感剤を加えることもできる。
本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J. V. Crivello, Adv. in Polymer Sci., 62, 1 (1984)〕に開示しているものが挙げられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファーキノン、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。増感剤は、重合開始剤の含有量100質量部に対し、50〜200質量部の割合で添加することが好ましい。
成分C:メルカプト化合物
本発明の硬化性組成物は、成分Cとして、メルカプト化合物を含有する。メルカプト化合物を含有することにより、得られる硬化膜の膜強度に優れる。
メルカプト化合物としては、単官能メルカプト化合物、多官能メルカプト化合物が好適に用いられる。
単官能メルカプト化合物としては、脂肪族メルカプト化合物、芳香族メルカプト化合物のどちらも用いることができるが、膜強度の観点では、芳香族メルカプト化合物が好ましい。
単官能脂肪族メルカプト化合物としては、具体的には、1−オクタンチオール、1−ドデカンチオール、β−メルカプトプロピオン酸、メチル−3−メルカプトプロピオネート、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
単官能芳香族メルカプト化合物としては、下記式Iで表されるものが好ましい。
Figure 0006460901
式I中、XCは酸素原子、硫黄原子又はN−RCを表し、RCは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Aは、N=C−XCと共にヘテロ環を形成する原子団を表す。
式Iにおいて、RCは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
上記アルキル基としては、炭素数が1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を挙げることができ、炭素数1〜12の直鎖状、炭素数3〜12の分岐状又は炭素数5〜10の環状のアルキル基がより好ましい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。
上記アリール基としては、単環構造のものに加え、1〜3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環とが縮合環を形成したものなどを挙げることができる。具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基等を挙げることができる。これらの中では、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
これらのアルキル基やアリール基は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のカルバモイルオキシ基、炭素数1〜20のカルボンアミド基、炭素数1〜20のスルホンアミド基、炭素数1〜20のカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜20の置換スルファモイル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のN−アシルスルファモイル基、炭素数1〜20のN−スルファモイルカルバモイル基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基、アミノ基、炭素原子数1〜20の置換アミノ基、炭素数1〜20のイミノ基、炭素数3〜20のアンモニオ基、カルボキシル基、スルホ基、オキシ基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜20のアリールスルフィニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数1〜20のウレイド基、炭素数2〜20のヘテロ環基、炭素数1〜20のアシル基、スルファモイルアミノ基、炭素数1〜2の置換スルファモイルアミノ基、炭素数2〜20のシリル基、イソシアネート基、イソシアニド基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、オニウム基、水酸基等が挙げられる。
また、式Iにおいて、Aは、N=C−XCと共にヘテロ環を形成する原子団を表す。
この原子団を構成する原子としては、炭素原子、窒素原子、水素原子、硫黄原子、セレン原子等が挙げられる。
なお、AとN=C−XCとで形成されるヘテロ環は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、上記アルキル基やアリール基に導入可能な置換基と同様のものが挙げられる。
また、単官能芳香族メルカプト化合物は、下記式II〜式Vで表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0006460901
式II〜式V中、RC1は、水素原子又はアリール基を表し、XC1はそれぞれ独立に、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキル基又はアリール基を表し、RC2は、アルキル基又はアリール基を表し、nは0〜4の整数を表し、mは0〜5の整数を表す。
式II〜式Vにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
式II〜式Vにおけるアルコキシ基及びアリーロキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、クメチルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
式II〜式Vにおけるアルキル基は、式IのRCで表されるアルキル基と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
また、式II〜式Vにおけるアリール基は、式IのRCで表されるアリール基と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
式II〜式Vにおける各基は、更に置換基を有していてもよく、その置換基としては、式IのRCで表されるアルキル基やアリール基に導入可能な置換基として挙げられているものと同様である。
式II〜式V中、n及びmが0であることが、有機溶剤への溶解性の観点でより好ましい。
式II〜式Vの化合物のうち、より好ましいのは以下の化合物である。これらの化合物を用いると膜強度が高まり、更に保存安定性も良好である。
Figure 0006460901
成分Cは、基板に対する密着性の観点では、多官能メルカプト化合物が好ましい。
本発明において多官能メルカプト化合物とは、メルカプト基(チオール基)を分子内に2個以上有する化合物を意味する。多官能メルカプト化合物としては、分子量100以上の低分子化合物が好ましく、具体的には、分子量100〜1,500であることがより好ましく、150〜1,000が更に好ましい。
多官能メルカプト化合物の官能基数としては、2〜10官能が好ましく、2〜8官能がより好ましく、2〜4官能が更に好ましい。官能基数が大きくなると膜強度に優れる一方、官能基数が小さいと保存安定性に優れる。上記範囲の場合、これらを両立することができる。
脂肪族多官能メルカプト化合物としては、下記式C−1で表される基を2個以上有する化合物が好ましい。
Figure 0006460901
式C−1中、R1Cは水素原子又はアルキル基を表し、A1Cは−CO−又は−CH2−を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。
多官能メルカプト化合物としては、式C−1で表される基を2以上6以下有する化合物が好ましく、式C−1で表される基を2以上4以下有する化合物が更に好ましい。
式C−1中のR1Cにおけるアルキル基としては、直鎖、分岐、及び環状のアルキル基であり、炭素数の範囲としては1〜16が好ましく、1〜10がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、2−エチルへキシル基等であり、メチル基、エチル基、プロピル基又はi−プロピル基が好ましい。
1Cとしては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基が特に好ましく、メチル基又はエチル基が最も好ましい。
本発明において、多官能メルカプト化合物としては、上記式C−1で表される基を複数個有する下記式C−2で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 0006460901
式C−2中、R1Cはそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、A1Cはそれぞれ独立に、−CO−又は−CH2−を表し、L1CはnC価の連結基を表し、nCは2〜6の整数を表す。合成上の観点からは、R1Cは全て同じ基であることが好ましく、また、A1Cは全て同じ基であることが好ましい。
式C−2中のR1Cは、上記式C−1中のR1Cと同義であり、好ましい範囲も同様である。nCは2〜4の整数が好ましい。
式C−2中のnC価の連結基であるL1Cとしては、例えば−(CH2mC−(mCは2〜6の整数を表す。)などの二価の連結基、トリメチロールプロパン残基、−(CH2pC−(pCは2〜6の整数を表す。)を3個有するイソシアヌル環などの三価の連結基、ペンタエリスリトール残基などの四価の連結基又は五価の連結基、ジペンタエリスリトール残基などの六価の連結基が挙げられる。
更に、多官能メルカプト化合物としては、第二級チオールがより好ましい。
多官能メルカプト化合物として具体的には、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサメチレンジチオール、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、meso−2,3−ジメルカプトコハク酸、p−キシレンジチオール、m−キシレンジチオール、ジ(メルカプトエチル)エーテル等を例示することができる。
多官能メルカプト化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンが好ましく挙げられ、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)がより好ましく挙げられる。
本発明において、メルカプト化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、メルカプト化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、1〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましく、1.2〜10質量%であることが更に好ましく、1.5〜5質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、膜強度と保存安定性との両立の点で優れる。
成分D:有機溶剤
本発明の硬化性組成物は、成分Dとして、有機溶剤を含有する。本発明の硬化性組成物は、必須成分である成分A、成分B、及び、成分Cと、後述の任意成分とを、有機溶剤に溶解又は分散した液として調製されることが好ましい。
本発明の硬化性組成物に使用される有機溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ブチレングリコールジアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコール類、エステル類、ケトン類、アミド類及びラクトン類等が例示できる。これらの有機溶剤の具体例としては、特開2009−098616号公報の段落0062を参照できる。
具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、プロピレングリコールジアセテート、テトラヒドロフルフリルアルコールが好ましい。
有機溶剤の沸点は、塗布性の観点から、100℃〜300℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。
本発明に用いることができる有機溶剤は、1種単独、又は、2種以上を併用することができる。沸点の異なる溶剤を併用することも好ましい。
本発明の硬化性組成物における有機溶剤の含有量は、塗布に適した粘度に調整するという観点から、硬化性組成物の全固形分100質量部あたり、100〜3,000質量部であることが好ましく、200〜2,000質量部であることがより好ましく、250〜1,000質量部であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物の固形分量としては、3〜50質量%が好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
本発明の硬化性組成物の粘度は、1〜200mPa・sが好ましく、2〜100mPa・sがより好ましく、3〜80mPa・sが最も好ましい。粘度は、例えば、東機産業(株)製のRE−80L型回転粘度計を用いて、25±0.2℃で測定することが好ましい。測定時の回転速度は、5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上は10rpmで、それぞれ行うことが好ましい。
成分E:無機粒子
本発明の硬化性組成物は、成分Eとして、無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子を含有することにより、硬化膜の硬度がより優れたものとなる。また、基板への密着性を向上させることができる。
本発明で用いる無機粒子の平均粒径は、1〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、5〜50nmが更に好ましい。平均粒径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を径とする。
また、硬化膜の硬度の観点から、無機粒子の空隙率は、10%未満が好ましく、3%未満がより好ましく、空隙がないことが更に好ましい。粒子の空隙率は電子顕微鏡による断面画像の空隙部分と粒子全体との面積比の、200個の算術平均である。
無機粒子としては、金属酸化物粒子が好ましい。
なお、本発明における金属酸化物の金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれるものとする。
金属酸化物粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む金属酸化物粒子が好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、及び、アンチモン/スズ酸化物よりなる群から選ばれた金属酸化物の粒子がより好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、及び、酸化ジルコニウムよりなる群から選ばれた金属酸化物の粒子が更に好ましく、酸化ケイ素粒子又は酸化チタン粒子が、粒子の安定性、入手しやすさ、硬化膜の硬度、透明性、及び、屈折率調整等の観点から特に好ましい。
酸化ケイ素粒子としては、二酸化ケイ素(シリカ)粒子が好ましく挙げられる。
シリカ粒子としては、二酸化ケイ素を含む無機酸化物の粒子であれば特に問題はなく、二酸化ケイ素又はその水和物を主成分(好ましくは80質量%以上)として含む粒子が好ましい。上記粒子は、少量成分(例えば、5質量%未満)としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。また、シリカ粒子は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。このような化合物の例として、コロイダルシリカが例示される。
コロイダルシリカの分散媒としては、特に制限はなく、水、有機溶剤及びこれらの混合物のいずれであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
本発明において、粒子は、適当な分散剤及び溶剤中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合・分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。なお、本発明の硬化性組成物において、コロイダルシリカがコロイド状態で存在していることを必須とするものではない。
本発明の硬化性組成物における無機粒子の含有量は、硬度の観点から、硬化性組成物の全固形分100質量部あたり、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましい。また、80質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下が更に好ましく、30質量部以下が特に好ましい。
無機粒子は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物、アルコキシシラン化合物等の成分A〜成分C以外の硬化性化合物>
本発明の硬化性組成物は、成分A〜成分C以外の熱又は光によって硬化する成分である硬化性化合物を含むことが好ましく、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物、及び、アルコキシシラン化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことがより好ましい。上記態様であると、得られる硬化物の硬度により優れる。
<<エポキシ基を有する化合物>>
本発明の硬化性組成物は、エポキシ基を有する化合物を含んでいてもよい。エポキシ基を有する化合物は、エポキシ基を分子中に1個であってもよいが、2個以上が好ましい。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等である。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。
また、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、又は、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物類も好適に用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の硬化性組成物がエポキシ基を有する化合物を含む場合、エポキシ基を有する化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し、0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜10質量%の範囲であることがより好ましく、1〜5質量%の範囲であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、エポキシ基を有する化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<オキセタニル基を有する化合物>>
本発明の硬化性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を含んでいてもよい。オキセタニル基を有する化合物は、オキセタニル基を分子中に1個であってもよいが、2個以上が好ましい。
オキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
本発明の硬化性組成物がオキセタニル基を有する化合物を含む場合、オキセタニル基を有する化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し、0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜10質量%の範囲であることがより好ましく、1〜5質量%の範囲であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<ブロックイソシアネート化合物>>
本発明の硬化性組成物は、ブロックイソシアネート化合物を含んでいてもよい。
ブロックイソシアネート化合物としては、ブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。ブロックイソシアネート基の数の上限は特に定めるものではないが、6以下が好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよい。例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物及びこれらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物におけるブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物に使用できるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60P、17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
本発明の硬化性組成物がブロックイソシアネート化合物を含む場合、ブロックイソシアネート化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し、0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜10質量%の範囲であることがより好ましく、1〜5質量%の範囲であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、ブロックイソシアネート化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<アルコキシシラン化合物>>
本発明の硬化性組成物は、アルコキシシラン化合物を含有してもよい。
アルコキシシラン化合物を用いると、塗布性及び得られる硬化膜の硬度により優れ、本発明の硬化性組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できる。
アルコキシシラン化合物としては、アルコキシ基がケイ素原子に直接結合した基を少なくとも有する化合物であれば、特に制限はないが、ジアルコキシシリル基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する化合物であることが好ましく、トリアルコキシシリル基を有する化合物であることがより好ましい。
また、アルコキシシラン化合物としては、後述するシランカップリング剤のような、エチレン性不飽和基及び/又はエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物が好ましい。
本発明の硬化性組成物に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。エチレン性不飽和基を有するシランカップリング剤を用いると、特にITOとの密着性に優れるため好ましい。また、エポキシ基を有するシランカップリング剤を用いると信頼性に優れる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランやγ−アクリロキシプロピルトリアルコキシシランやビニルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシランがより好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
市販品としては、信越化学工業(株)製、KBM−403、KBM−5103、KBM−303、KBM−503、KBE−503、KBM−3103、及び、KBE−403等が例示される。
本発明の硬化性組成物におけるアルコキシシラン化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%が更に好ましい。アルコキシシラン化合物は、1種類のみでもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<ポリスルフィド化合物>>
また、本発明の硬化性組成物は、ポリスルフィド化合物を含んでいてもよい。ポリスルフィド化合物を含有することにより、基材密着性及び耐湿性に優れる硬化膜が得られる。
ポリスルフィド化合物は、ポリスルフィド結合を有していれば特に限定されないが、ジスルフィド結合、トリスルフィド結合、テトラスルフィド結合、ペンタスルフィド結合、ヘキサスルフィド結合を有する化合物であることが好ましく、ジスルフィド結合、トリスルフィド結合、テトラスルフィド結合を有する化合物であることがより好ましく、ジスルフィド結合又はテトラスルフィド結合を有する化合物であることがより好ましい。ジスルフィド結合又はテトラスルフィド結合を有する化合物を使用すると、耐湿性により優れる。
なお、ポリスルフィド結合は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよいが、直鎖状のポリスルフィド結合であることが好ましい。
また、ポリスルフィド化合物としては、ポリスルフィド結合の両側にそれぞれ脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、これらを2以上組み合わせた一価の基が結合した化合物が好ましく、ポリスルフィド結合の両側にそれぞれ脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又は、これらを2以上組み合わせた一価の基が結合した化合物がより好ましい。上記脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、特に制限はなく、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基、ハロゲン原子、カルボキシ基、アミド基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シリル基等が挙げられる。中でも、トリアルコキシシリル基を置換基として有することが特に好ましい。すなわち、ポリスルフィド化合物としては、ポリスルフィド結合の両側にそれぞれトリアルコキシシリル基を有する脂肪族炭化水素基が結合した化合物が特に好ましい。
ポリスルフィド化合物の具体例を以下に示すが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。なお、下記式中、Phはフェニル基を表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
Figure 0006460901
本発明において、ポリスルフィド化合物は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、ポリスルフィド化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、0.5〜5質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、基材密着性及び耐湿性に優れる硬化膜が得られる。
本発明の硬化性組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記以外の他の化合物(例えば、アルコキシメチル基含有化合物等)を含んでいてもよい。
アルコキシメチル基含有化合物としては、特開2011−221494号公報の段落0192〜0194に記載のものを挙げることができる。
本発明では、エチレン性不飽和化合物、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物及び多官能メルカプト化合物の総含有量が、硬化性組成物中に含まれる熱又は光によって硬化する成分の合計量の90質量%以上(より好ましくは、95質量%以上)を占めることが好ましく、エチレン性不飽和化合物及びブロックイソシアネート化合物の総含有量が、硬化性組成物中に含まれる熱又は光によって硬化する成分の合計量の90質量%以上(更に好ましくは、95質量%以上)を占めることがより好ましい。
また、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物及び多官能メルカプト化合物の少なくとも1種を含む場合、これらの合計で、硬化性組成物中に含まれる熱又は光によって硬化する成分の合計量の0.1〜20質量%を占めることが好ましく、1〜10質量%を占めることが更に好ましい。このような構成とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
<界面活性剤>
本発明の硬化性組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤としては、特開2014−238438号公報の段落0119〜0123に記載された化合物も好ましい例として挙げることができる。
本発明の硬化性組成物における界面活性剤の含有量は、配合する場合、硬化性組成物の全固形分に対して、0.001〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
界面活性剤は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の硬化性組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
具体例としては、特開2005−29515号公報の段落0026〜0031に記載の化合物、特開2011−227106号公報の段落0106〜0116に記載の化合物を挙げることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−412S(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1035、イルガノックス1098(以上、BASF社製)を挙げることができる。
酸化防止剤の含有量は、特に制限はないが、硬化性組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが更に好ましい。
<重合禁止剤>
本発明の硬化性組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤とは、露光や熱により重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割をはたす物質である。例えば、特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載の化合物などを用いることができる。
好ましい化合物として、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒドロキノン、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエンを挙げることができる。
重合禁止剤の含有量は、特に制限はないが、硬化性組成物の全固形分に対して、0.0001〜5質量%であることが好ましい。
<バインダーポリマー>
本発明の硬化性組成物は、解像性及び皮膜特性向上などの観点から、バインダーポリマーを含有していてもよい。
バインダーポリマーとしては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等が挙げられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
バインダーポリマーとしては、(メタ)アクリル酸とその他の(メタ)アクリル酸エステルとを共重合したアクリル樹脂が好ましい。
本発明の硬化性組成物中におけるバインダーポリマーの含有量は、特に制限はないが、硬化性組成物の全固形分に対して、1〜40質量%であることが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましく、4〜20質量%であることが更に好ましい。
<その他の成分>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、上述した以外にも、可塑剤、熱酸発生剤、酸増殖剤等のその他の成分を添加することができる。これらの成分については、例えば、特開2009−98616号公報又は特開2009−244801号公報に記載のもの、及び、その他公知のものを用いることができる。また、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の硬化性組成物に添加してもよい。
(硬化物、硬化膜及びこれらの製造方法)
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物を硬化して得られた硬化物であり、本発明の硬化性組成物における有機溶剤の少なくとも一部を除去し硬化して得られた硬化物であることが好ましい。である。上記硬化物としては、硬化膜であることが好ましい。また、本発明の硬化物は、本発明の硬化物の製造方法により得られた硬化物であることが好ましい。
本発明の硬化物の製造方法は、本発明の硬化性組成物を硬化させ硬化物を製造する方法であれば、特に制限はないが、以下の(1)〜(3)の工程を含むことが好ましい。
(1)本発明の硬化性組成物を基板上に塗布する工程
(2)塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する工程
(3)熱硬化する工程
また、本発明の硬化物の製造方法は、以下の(1)、(2)、(2’)及び(3)の工程を含むことがより好ましい。
(1)本発明の硬化性組成物を基板上に塗布する工程
(2)塗布された硬化性組成物から有機溶剤を除去する工程
(2’)有機溶剤が除去された硬化性組成物を光により硬化する工程
(3)光により硬化した硬化物を熱により更に硬化する工程
また、上記本発明の硬化物の製造方法は、硬化膜の製造方法であることが好ましい。
(1)の塗布する工程では、本発明の硬化性組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。硬化性組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことができる。更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザン等で基板表面を処理することができる。この処理を行うことにより、硬化性組成物の基板への密着性が向上する傾向にある。
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料などが挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス、石英、シリコン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル、マレイミド−オレフィン共重合体、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、通常、最終製品の形態によって、例えばTFT(Thin-Film Transistor、薄膜トランジスタ)素子のような多層積層構造が形成されている。
本発明の硬化性組成物は、スパッタリングにより製膜された金属膜や金属酸化物に対する密着がよいため、基板としてはスパッタリングにより製膜された金属膜を含むことが好ましい。金属としては、チタン、銅、アルミニウム、インジウム、スズ、マンガン、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、クロム、銀、ネオジウム、及びこれらの酸化物又は合金であることが好ましく、モリブデン、チタン、アルミニウム、銅及びこれらの合金であることが更に好ましい。なお、金属や金属酸化物は1種単独で用いても、複数種を併用してもよい。
基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、インクジェット法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法、印刷法等の方法を用いることができる。
(2)の溶剤を除去する工程では、塗布された上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させることが好ましい。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。また、上記溶剤除去工程においては、硬化性組成物中の有機溶剤を完全に除去する必要はなく、少なくとも一部が除去されていればよい。
更に本発明では、(2)溶剤を除去する工程後、(3)熱硬化する工程前に、膜硬度向上の観点から、全面露光する工程を含んでいてもよい。
また、(2)溶剤を除去する工程後、(3)熱硬化する工程前に、膜硬度向上の観点から、(2’)有機溶剤が除去された硬化性組成物を光により硬化する工程を含むことが好ましく、有機溶剤が除去された硬化性組成物を全面露光により硬化する工程する工程を含むことがより好ましい。また、上記態様のように、光により硬化する場合、本発明の硬化性組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
この場合、水銀灯やLED(Light emitting diode、発光ダイオード)ランプなどで50〜3,000mJ/cm2程度のエネルギー露光することが好ましい。
また、パターン形成のために、(2)の溶剤除去工程後にパターン露光、現像の工程を行うこともできる。パターン露光の方法はマスクを用いる方法や、レーザーなどによる直接描画などの方法が好ましい。これら全面露光やパターン露光を酸素遮断された状態で行うことが、硬化促進の観点から好ましい。酸素を遮断する手段としては、窒素雰囲気下で露光したり、酸素遮断膜を設けることが例示される。
パターン露光及び現像については、公知の方法や公知の現像液を用いることができる。例えば、特開2011−186398号公報、特開2013−83937号公報に記載のパターン露光方法及び現像方法を好適に用いることができる。
(3)熱硬化する工程では、加熱によりエチレン性不飽和化合物等を重合し硬化膜を形成してもよいし、硬化した硬化物を更に硬化してもよい。加熱により重合を行う場合、本発明の硬化性組成物は、熱重合開始剤を含有することが好ましい。
加熱温度としては、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。下限値は、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。この範囲で基板、装置へのダメージなく硬化することができる。加熱後の形状調整の観点から、加熱を初めはより低温で、後により高温で行うこともできる(ミドルベーク工程の追加。例えば初めに90℃30分加熱し、後に120℃30分加熱)。
本発明の硬化膜は、本発明の硬化性組成物より形成した膜を硬化して得られた硬化膜であり、本発明の硬化性組成物より有機溶剤の少なくとも一部を除去して形成した膜を硬化して得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜は、保護膜や層間絶縁膜として好適に用いることができる。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物により、低温で硬化しても充分な硬度のある硬化膜が得られる。例えば、JIS K5600:1999に従って測定した荷重750gにおける鉛筆硬度が2H以上である硬化膜が得られる。本発明の硬化性組成物を硬化して形成される保護膜は、硬化膜物性に優れるため、有機EL表示装置や液晶表示装置、タッチパネル、タッチパネル表示装置の用途に有用である。
本発明の硬化性組成物は、硬化性及び硬化膜特性に優れるため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの構造部材として、本発明の硬化性組成物を硬化した硬化物やレジストパターンを隔壁としたり、機械駆動部品の一部として組み込んで使用される。このようなMEMS用デバイスとしては、例えばSAW(Surface Acoustic Wave、表面弾性波)フィルター、BAW(Bulk Acoustic Wave、バルク波)フィルター、ジャイロセンサー、ディスプレイ用マイクロシャッター、イメージセンサー、電子ペーパー、インクジェットヘッド、バイオチップ、封止剤等の部品が挙げられる。より具体的な例は、特表2007−522531号公報、特開2008−250200号公報、及び、特開2009−263544号公報等に例示されている。
本発明の硬化性組成物は、平坦性や透明性に優れるため、例えば、特開2011−107476号公報の図2に記載のバンク層(16)及び平坦化膜(57)、特開2010−9793号公報の図4(a)に記載の隔壁(12)及び平坦化膜(102)、特開2010−27591号公報の図10に記載のバンク層(221)及び第3層間絶縁膜(216b)、特開2009−128577号公報の図4(a)に記載の第2層間絶縁膜(125)及び第3層間絶縁膜(126)、特開2010−182638号公報の図3に記載の平坦化膜(12)及び画素分離絶縁膜(14)などの形成に用いることもできる。この他、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー、液晶表示装置のカラーフィルタやカラーフィルタ保護膜、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルタの結像光学系あるいは光ファイバコネクタのマイクロレンズにも好適に用いることができる。
(有機EL表示装置)
本発明の有機EL表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置としては、上記本発明の硬化性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が有するTFTの具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
図1は、有機EL表示装置の一例の構成概念図である。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂とを用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置としては、上記本発明の硬化性組成物を用いて形成される保護膜、平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向法などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明の硬化性組成物及び本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルタ上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルタ22が設けられている。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば、白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のものとしたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。
(タッチパネル及びタッチパネル表示装置)
本発明のタッチパネルは、本発明の硬化膜を有するタッチパネルである。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明の硬化膜を有するタッチパネル表示装置であり、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。
本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
タッチパネル型としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7及び図8に記載のもの)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2013−168125号公報の図19に記載のもの、特開2012−89102号公報の図1や図5に記載のもの)、OGS(One Glass Solution)型やTOL(Touch on lens)型(例えば、特開2013−54727号公報の図2に記載のもの、並びに、特開2015−15042号公報の図2、図3、図4及び図5に記載のもの)、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6に記載のもの)各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1、G1Fなど)を挙げることができる。
また、図3は、タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。
例えば、本発明の硬化膜は、図3における、各層の間における保護膜に適用することが好適であり、また、タッチパネルの検出電極間を隔てる層間絶縁膜に適用することも好適である。なお、タッチパネルの検出電極としては、透明電極(ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Tin Oxide)など)や金属電極(銀、銅、モリブデン、チタン、アルミニウムなどやそれらの積層体や合金など)、又は、更にこれらの積層体であることが好ましい。
図3において、110は画素基板を、140は液晶層を、120は対向基板を、130はセンサ部をそれぞれ示している。画素基板110は、図3の下側から順に、偏光板111、透明基板112、共通電極113、絶縁層114、画素電極115、配向膜116を有している。対向基板120は、図3の下側から順に、配向膜121、カラーフィルタ122、透明基板123を有している。センサ部130は、位相差フィルム124、接着層126、偏光板127をそれぞれ有している。また、図3中、125は、センサ用検出電極である。本発明の硬化膜は、画素基板部分の絶縁層(114)(層間絶縁膜ともいう。)や各種保護膜(図示せず)、画素基板部分の各種保護膜(図示せず)、対向基板部分の各種保護膜(図示せず)、センサ部分の各種保護膜(図示せず)等に使用できる。
接着層126や偏光板127には、公知の接着層組成物を使用することができる。
偏光板や接着層の具体例として、特開2014−152319号公報の実施例1、実施例7、実施例13に記載の接着層つき偏光板、特開2014−191005号公報の実施例1、実施例3及び実施例6に記載の接着層つき偏光板、特開2013−100386号公報の実施例1、実施例3、実施例6、実施例11及び実施例14に記載の接着層つき偏光板、並びに、特開2013−163783号公報の実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4に記載の接着層を挙げることができる。
接着層には、帯電防止のために帯電防止剤が含まれていることが好ましい。
帯電防止剤としては公知のものを使用することができる。例えば、金属粒子、金属酸化物、導電性ポリマー、及び、第四級アンモニウム塩やリチウム塩等のイオン性化合物を用いることができる。
帯電防止剤の具体例としては、特開2014−191005号公報の段落0107〜0115に記載のもの、特開2013−100386号公報の段落0046〜0054に記載のもの、及び、特表2014−515046号公報の段落0027〜0047に記載のものを挙げることができる。
更に、スタティック駆動方式の液晶表示装置でも、本発明を適用することで意匠性の高いパターンを表示させることも可能である。例として、特開2001−125086号公報に記載されているようなポリマーネットワーク型液晶の絶縁膜として本発明を適用することができる。
また、図4は、タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の他の一例の構成概念図である。
薄膜トランジスタ(TFT)440が具備された薄膜トランジスタ表示板に相当する下部表示板200、下部表示板200と対向して下部表示板200と対向する面に複数のカラーフィルタ330が具備されたカラーフィルタ表示板に相当する上部表示板300、及び、下部表示板200と上部表示板300の間に形成された液晶層400を含む。液晶層400は液晶分子(図示せず)を含む。
下部表示板200は、第1絶縁基板210、第1絶縁基板210の上に配置する薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜トランジスタ(TFT)の上面に形成された絶縁膜280、及び絶縁膜280の上に配置する画素電極290を含む。薄膜トランジスタ(TFT)は、ゲート電極220、ゲート電極220を覆うゲート絶縁膜240、半導体層250、オーミックコンタクト層260、262、ソース電極270、及び、ドレイン電極272を含むことができる。
絶縁膜280には薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極272が露出するようにコンタクトホール282が形成されている。
上部表示板300は、第2絶縁基板310の一面の上に配置して、マトリックス状に配列された遮光部材320、第2絶縁基板310の上に配置する配向膜350、配向膜350の上に配置するカラーフィルタ330、及び、カラーフィルタ330の上に配置し、下部表示板200の画素電極290と対応して、液晶層400に電圧を印加する共通電極370を含む。
図4に示す液晶表示装置において、第2絶縁基板310の他の一面にはセンシング電極410、絶縁膜420、駆動電極430、及び、保護膜280を配置する。このように、図4に示す液晶表示装置の製造においては、上部表示板300を形成する時に、タッチスクリーンの構成要素であるセンシング電極410、絶縁膜420、及び、駆動電極430などを共に形成することができる。特に、本発明の硬化性組成物を硬化した硬化膜は、絶縁膜420に好適に用いることができる。
保護膜280に、上記接着層126及び偏光板127で例示した接着層つき偏光板又は接着層を貼り合せることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<合成例1:(a−1)−1の合成>
ヘキサメチレンジイソシアネート三量体(旭化成(株)製、TPA−100)50.4部をトルエン溶媒中で混合し、硬化触媒としてU−CAT SA 102(ジアザビシクロウンデセン(DBU)−オクチル酸塩、サンアプロ(株)製)0.15部を添加して、窒素雰囲気下60℃で1時間加熱した。そこに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(Aldrich社製をカラム精製して使用した。)157.4部をトルエン溶媒に溶解させた溶液を滴下混合し、窒素雰囲気下60℃で5時間加熱した。
放冷後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製、分取して(a−1)−1を得た。得られた(a−1)−1のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、15,300であった。
<合成例2:(a−1)−2の合成>
Figure 0006460901
メタクリル酸2−イソシアナトエチル(116.4部)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、135.8部)の混合溶液を窒素気流下、70℃に加熱した。この混合溶液を撹拌しながら、ラジカル重合開始剤V−65(商品名、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光純薬工業(株)製、4部)及びPGMEA(135.8部)の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下が終了してから、70℃で4時間反応させた。
得られた重合体に2−ヒドロキエチルアクリレート(東京化成工業(株)製)87.1部を添加し、p−メトキシフェノール(和光純薬工業(株)製)0.3部、U−CAT SA 102(サンアプロ(株)製)0.2部を添加して、60℃で6時間加熱して(a−1)−2を得た。
得られた(a−1)−2のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、30,000であった。
<合成例3:(a−1)’−3の合成>
Figure 0006460901
合成例2において、重合開始剤V−65の添加量を8部に変更し、PGMEAの添加量をどちらも232.7部にした以外は、合成例2と同様にして、重合体(a−1)’−3を得た。
得られた(a−1)’−3のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、8,000であった。
<合成例4:(a−2)−1の合成>
Figure 0006460901
ヘキサメチレンジイソシアネート三量体(旭化成(株)製、TPA−100)50.4部とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(Aldrich社製をカラム精製して使用した。)157.4部とをトルエン溶媒中で混合し、硬化触媒としてU−CAT SA 102(サンアプロ(株)製)0.2部を添加して、窒素雰囲気下60℃で6時間加熱した。
放冷後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製、分取して及び(a−2)−1をそれぞれ得た。
<合成例5:(a−2)−2の合成>
Figure 0006460901
合成例4におけるヘキサメチレンジイソシアネート三量体をヘキサメチレンジイソシアネート(東京化成工業(株)製)に変更した以外は、合成例4と同様に合成、精製して(a−2)−2を得た。
<合成例6:(a−2)−3の合成>
Figure 0006460901
合成例5におけるジペンタエリスリトールペンタアクリレートをペンタエリスリトールトリアクリレート(Aldrich社製をカラム精製して使用した。)に変更した以外は、合成例5と同様に合成、精製して(a−2)−3を得た。
<合成例7:(a−2)’−4の合成>
Figure 0006460901
合成例4におけるジペンタエリスリトールペンタアクリレートを2−ヒドロキエチルアクリレート(東京化成工業(株)製)に変更した以外は、合成例4と同様に合成、精製して(a−2)’−4を得た。
<ウレタン(メタ)アクリレート>
(a−1)−1:合成例1で作製したウレタンアクリレート、Mw:15,300、官能基数:多数、上記式Aa−1で表される構成繰り返し単位を有する。
(a−1)−2:合成例2で作製したウレタンアクリレート、Mw:30,000、官能基数:多数、上記式Aa−2で表される構成繰り返し単位を有する。
(a−1)’−3:合成例3で作製したウレタンアクリレート、Mw:8,000、官能基数:多数、上記式Aa−2で表される構成繰り返し単位を有する。
(a−2)−1:合成例4で作製したウレタンアクリレート、分子量:2,078、官能基数:15
(a−2)−2:合成例5で作製したウレタンアクリレート、分子量:1,218、官能基数:10
(a−2)−3:合成例6で作製したウレタンアクリレート、分子量:764、官能基数:6
(a−2)’−4:合成例7で作製したウレタンアクリレート、分子量:853、官能基数:3
<ウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物>
A−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
A−2:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
A−3:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
なお、A−1〜A−3はいずれも、Aldrich社製のものをカラム精製して使用した。
<成分B:ラジカル重合開始剤>
B−1:下記化合物1、オキシムエステル化合物
Figure 0006460901
B−2:IRGACURE OXE01(BASF社製)、オキシムエステル化合物、下記構造
B−3:IRGACURE OXE02(BASF社製)、オキシムエステル化合物、下記構造
B−4:IRGACURE 907(BASF社製)、アミノアルキルフェノン化合物、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン
Figure 0006460901
Figure 0006460901
<成分C:メルカプト化合物>
C−1:カレンズMT−PE−1(ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、昭和電工(株)製)
C−2:カレンズMT−BD−1(1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、昭和電工(株)製)
C−3:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
C−4:ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)
C−5:下記化合物
C−6:1−ドデカンチオール
C−7:下記化合物
Figure 0006460901
<成分D:有機溶剤>
D−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート((株)ダイセル製)
D−2:メチルエチルジグリコール(日本乳化剤(株)製)
D−3:1,3−ブチレングリコールジアセテート
D−4:テトラヒドロフルフリルアルコール
<成分E:無機粒子>
E−1:PMA−ST(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子、平均粒径10〜15nm、固形分濃度30%)
E−2:MIBK−ST−L(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子、平均粒径40〜50nm、固形分濃度30%)
E−3:ナノユースOZ−S30K−AC(酸化ジルコニウム粒子、日産化学工業(株)製、固形分濃度30%)
<アルコキシシラン化合物>
S−1:KBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
S−2:KBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
<ブロックイソシアネート化合物>
S−3:タケネートB870N(イソホロンジイソシアネートのオキシムブロック体、固形分濃度60%、三井化学(株)製)
S−4:デュラネート 17B−60P(母構造がビウレット構造を有し、かつブロック構造がオキシムエステル構造であるブロックイソシアネート化合物、固形分濃度60%、旭化成ケミカルズ(株)製)
<エポキシ化合物>
S−5:JER157S65((株)三菱ケミカルホールディングス製)
<ポリスルフィド化合物>
S−6:KBE−846(ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、信越化学工業(株)製)
<増感剤>
I−1:DBA(下記構造のジブトキシアントラセン)(川崎化成工業(株)製)
Figure 0006460901
(式中、Buはブチル基を表す。)
<酸化防止剤>
J−1:アデカスタブAO−60(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、(株)ADEKA製)
<重合禁止剤>
K−1:4−メトキシフェノール
<界面活性剤>
W−1:メガファックF554((株)DIC製)、フッ素系界面活性剤
W−2:FTX−218((株)ネオス製)、フッ素系界面活性剤
(実施例1〜29、及び、比較例1〜5)
<硬化性組成物の調製>
下記表1〜表3に記載のように各成分を配合・撹拌して有機溶剤の溶液及び/又は分散液とし、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、本発明の硬化性組成物を得た。下記表1〜表3の各成分の単位は質量部である。また、ブロックイソシアネート化合物、無機粒子、及び、有機溶剤以外は、固形分換算の質量部を示す。ブロックイソシアネート化合物、及び、無機粒子については、上記固形分濃度の溶液の質量部を示す。なお、表中の「−」は、該当する化合物を含有していないことを示している。
<膜強度の評価>
各硬化性組成物を、ガラス基板上にスピンコートし、90℃、120秒のプリベークを行い、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。次に高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作製した。
得られた硬化膜に対して、スチールウール#0000、荷重500gにて10往復擦り、目視で評価した。
また、同様にして得られた硬化膜に対して、JIS K5600:1999に準拠した方法(荷重750g)で鉛筆硬度試験を行い、膜強度を評価した。
スチールウール耐擦傷性と鉛筆硬度とを試験した結果をまとめ、以下のように評価した。4点以上が実用範囲である。
8:スチールウールの傷が全く見えず、鉛筆硬度が5H以上である。
7:スチールウールの傷が全く見えず、鉛筆硬度が3H以上5H未満である。
6:スチールウールの傷が数本あり、鉛筆硬度が3H以上5H未満である。
5:スチールウールの傷が数本あり、鉛筆硬度が2H以上3H未満である。
4:スチールウールの傷はあるが裏面は透けていて、鉛筆硬度が2H以上3H未満である。
3:スチールウールの傷はあるが裏面は透けていて、鉛筆硬度が2H未満である。
2:スチールウールの傷が多く膜が白濁し裏面まで透けていない。鉛筆硬度が2H未満である。
1:スチールウールで膜が削り取られて剥がれている。鉛筆硬度が2H未満である。
Figure 0006460901
Figure 0006460901
Figure 0006460901
上記表1〜表3から明らかなとおり、本発明の硬化性組成物は、低温で硬化させても、高い硬度を有しており、また、耐傷性に優れるものであった。
(実施例30)
<表示装置の作製>
図4に示す表示装置において、各実施例1〜29で得られた硬化性組成物をタッチ検出電極保護膜(絶縁膜、420)の形成にそれぞれ用いて、表示装置をそれぞれ作製した。具体的には、保護膜(420)は、各実施例で得られた硬化性組成物をインクジェット塗布し、90℃、120秒のプリベークを行い、高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより形成した。表示装置のその他の部分は、特開2013−168125号公報に図19として記載された製造方法に従って作製した。作製した表示装置はいずれも、表示性能、タッチ検出性能とも優れていた。
1:TFT(薄膜トランジスタ)、2:配線、3:絶縁膜、4:平坦化膜、5:第一電極、6:ガラス基板、7:コンタクトホール、8:絶縁膜、10:液晶表示装置、12:バックライトユニット、14,15:ガラス基板、16:TFT、17:硬化膜、18:コンタクトホール、19:ITO透明電極、20:液晶、22:カラーフィルタ、110:画素基板、111:偏光板、112:透明基板、113:共通電極、114:絶縁層、115:画素電極、116:配向膜、120:対向基板、121:配向膜、122:カラーフィルタ、123:透明基板、124:位相差フィルム、126:接着層、127:偏光板、130:センサ部、140:液晶層、200:下部表示板、210:第1絶縁基板、220:ゲート電極、240:ゲート絶縁膜、250:半導体層、260,262:オーミックコンタクト層、270:ソース電極、272:ドレイン電極、280:絶縁膜、282:コンタクトホール、290:画像電極、300:上部表示板、310:第2絶縁基板、320:遮光部材、330:カラーフィルタ、370:共通電極、400:液晶層、410:センシング電極、420:絶縁膜、430:駆動電極、440:TFT

Claims (15)

  1. 成分Aとして、エチレン性不飽和化合物、
    成分Bとして、重合開始剤、
    成分Cとして、メルカプト化合物、及び、
    成分Dとして、有機溶剤を含有し、
    成分Aが、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを含み、
    前記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、成分Aの含有量100質量部に対し、20〜100質量部であり、
    前記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートが、重量平均分子量10,000以上であるウレタン(メタ)アクリレート、及び、分子量5,000以下であるウレタン(メタ)アクリレートを2種以上含むことを特徴とする
    硬化性組成物。
  2. 成分Bが、オキシムエステル化合物を含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 成分Aが、前記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物を含む、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和化合物が、多官能エチレン性不飽和化合物である、請求項3に記載の硬化性組成物。
  5. 成分Aの含有量が、硬化性組成物の全有機固形分に対して、70質量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 成分Cが、2官能以上のメルカプト化合物を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 成分Eとして、無機粒子を更に含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物、及び/又は、アルコキシシラン化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を更に含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性組成物より形成した膜を硬化して得られた硬化膜。
  10. 保護膜である、請求項に記載の硬化膜。
  11. JIS K5600:1999に従って測定した荷重750gにおける鉛筆硬度が、2H以上である、請求項又は10に記載の硬化膜。
  12. 請求項11のいずれか1項に記載の硬化膜を有する、有機EL表示装置。
  13. 請求項11のいずれか1項に記載の硬化膜を有する、液晶表示装置。
  14. 請求項11のいずれか1項に記載の硬化膜を有するタッチパネル。
  15. 請求項11のいずれか1項に記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
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