JP2016069345A - 金属元素含有化合物、硬化性組成物、硬化膜、有機el表示装置、液晶表示装置、及び、タッチパネル表示装置 - Google Patents

金属元素含有化合物、硬化性組成物、硬化膜、有機el表示装置、液晶表示装置、及び、タッチパネル表示装置 Download PDF

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JP2016069345A JP2014202234A JP2014202234A JP2016069345A JP 2016069345 A JP2016069345 A JP 2016069345A JP 2014202234 A JP2014202234 A JP 2014202234A JP 2014202234 A JP2014202234 A JP 2014202234A JP 2016069345 A JP2016069345 A JP 2016069345A
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享平 崎田
Kyohei Sakida
享平 崎田
寛晃 伊藤
Hiroaki Ito
寛晃 伊藤
幹雄 中川
Mikio Nakagawa
幹雄 中川
米澤 裕之
Hiroyuki Yonezawa
裕之 米澤
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Abstract

【課題】安定性に優れ、硬化性組成物に添加した際の硬化膜の基材密着性に優れる金属元素化合物を提供すること、並びに、得られる硬化膜の基材密着性に優れた硬化性組成物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いた有機EL表示装置、液晶表示装置及びタッチパネル表示装置を提供すること。
【解決手段】式1で表されることを特徴とする金属元素含有化合物。式1中、Mは、Ti、Zr又はCeを表し、R〜Rはそれぞれ独立に、アルキル基又は式2で表される基を表し、R〜Rの少なくとも1つは、式2で表される基である。
Figure 2016069345

【選択図】なし

Description

本発明は、金属元素含有化合物、硬化性組成物、硬化膜、有機EL表示装置、液晶表示装置、及び、タッチパネル表示装置に関する。
近年、層間絶縁膜、保護膜、光取り出し層、スペーサー部材、マイクロレンズ部材などを形成するため、硬化性組成物が使用されている。硬化性組成物を使用して得られる硬化物は液晶表示装置や有機EL表示装置などの各種表示装置、タッチパネル、撮像装置、太陽電池等の多くの電子デバイスの部材として使用されている。
また、有機EL表示装置の光取り出し効率の更なる向上やタッチパネルのタッチ検出電極の骨見え防止などを目的として、硬化性組成物の屈折率を調整することが知られている。
従来の硬化性組成物としては、特許文献1に記載の感光性樹脂組成物が知られている。
特許文献1には、親水性樹脂(A)、多官能(メタ)アクリレート(B)、ラジカルトラップ剤(C)、光重合開始剤(D)および金属元素含有化合物(E)を必須成分として含有し、純分の25℃における粘度が4,000mPa・s〜10,000mPa・sであることを特徴とするアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物が記載されている。
また、従来の金属化合物としては、特許文献2に記載の金属塩の製造方法により製造された金属化合物が知られている。
特許文献2には、金属アルコラート化合物を、2位又は3位に二重結合を有する一般式Cn2n-1C(=O)OH[式中、nは2、3、4、5又は6を表す]のカルボン酸および/またはマレイン酸と反応させることにより、短鎖の不飽和カルボン酸の金属塩を製造し、前記金属塩は、式Cn2n-1C(=O)O−および/または−OC(=O)CH=CHC(=O)O−(H)の少なくとも1つのグループと、次のMg、Ca、Al、Si、Sn、La、Ti、Zr、Cuおよび/またはZnの金属又は前記金属の混合物を有する、短鎖の不飽和カルボン酸の金属塩の製造方法が記載されている。
また、特許文献3には、下記式(1)で表される水分捕獲剤が記載されている。
Figure 2016069345
(式(1)中、Mは、ホウ素原子、アルミニウム原子、ケイ素原子、ガリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、インジウム原子又はタリウム原子である。Rは、炭素数6〜30の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜30の不飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜30の脂環式炭化水素基、又は下記式(2)若しくは下記式(3)で表される基である。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2016069345
(式(2)及び式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基又はグリシジル基である。a及びbは、それぞれ独立して、1〜20の整数である。)
特開2014−81456号公報 特表2007−506648号公報 特開2014−140797号公報
本発明が解決しようとする課題は、安定性に優れ、硬化性組成物に添加した際の硬化膜の基材密着性に優れる金属元素化合物を提供することである。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、得られる硬化膜の基材密着性に優れた硬化性組成物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いた有機EL表示装置、液晶表示装置及びタッチパネル表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<7>又は<16>〜<19>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<6>及び<8>〜<15>と共に以下に記載する。
<1>式1で表されることを特徴とする金属元素含有化合物、
Figure 2016069345
式1中、Mは、Ti、Zr又はCeを表し、R〜Rはそれぞれ独立に、アルキル基又は式2で表される基を表し、R〜Rの少なくとも1つは、式2で表される基である。
Figure 2016069345
式2中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R及びRはともに水素原子を表すか、又は、RとRとが結合して炭化水素環を形成しており、また、R及びRが各炭素原子に結合した炭素−炭素結合は、単結合であっても二重結合であってもよく、Rは、水素原子又はメチル基を表し、波線部分は、式1の酸素原子との結合位置を表す。
<2>Mが、Ti又はZrである、<1>に記載の金属元素含有化合物、
<3>Mが、Tiである、<1>又は<2>に記載の金属元素含有化合物、
<4>R〜Rにおけるアルキル基が、炭素数2〜4のアルキル基である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の金属元素含有化合物、
<5>R〜Rにおける式2で表される基の数が、1である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の金属元素含有化合物、
<6>Rが、水素原子である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の金属元素含有化合物、
<7>成分Aとして、式1で表される金属元素含有化合物を含有することを特徴とする硬化性組成物、
Figure 2016069345
式1中、Mは、Ti、Zr又はCeを表し、R〜Rはそれぞれ独立に、アルキル基又は式2で表される基を表し、R〜Rの少なくとも1つは、式2で表される基である。
Figure 2016069345
式2中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R及びRはともに水素原子を表すか、又は、RとRとが結合して炭化水素環を形成しており、また、R及びRが各炭素原子に結合した炭素−炭素結合は、単結合であっても二重結合であってもよく、Rは、水素原子又はメチル基を表し、波線部分は、式1の酸素原子との結合位置を表す。
<8>成分Bとして、成分A以外の重合性化合物を更に含有する、<7>に記載の硬化性組成物、
<9>成分Cとして、光重合開始剤を更に含有する、<7>又は<8>に記載の硬化性組成物、
<10>成分Dとして、バインダーポリマーを更に含有する、<7>〜<9>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<11>Mが、Ti又はZrである、<7>〜<10>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<12>Mが、Tiである、<7>〜<11>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<13>R〜Rにおけるアルキル基が、炭素数2〜4のアルキル基である、<7>〜<12>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<14>R〜Rにおける式2で表される基の数が、1である、<7>〜<13>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<15>Rが、水素原子である、<7>〜<14>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<16><7>〜<15>のいずれか1つに記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化膜、
<17><16>に記載の硬化膜を有する有機EL表示装置、
<18><16>に記載の硬化膜を有する液晶表示装置、
<19><16>に記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
本発明によれば、安定性に優れ、硬化性組成物に添加した際の硬化膜の基材密着性に優れる金属元素化合物を提供することができた。
また、本発明によれば、得られる硬化膜の基材密着性に優れた硬化性組成物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いた有機EL表示装置、液晶表示装置及びタッチパネル表示装置を提供することができた。
有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の他の一例の構成概念図を示す。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
また、本発明において、「式1で表される金属元素含有化合物」等を、単に「成分A」等ともいう。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本発明では、ポリマー成分における重量平均分子量及び数平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(金属元素含有化合物)
本発明の金属元素含有化合物(以下、単に「本発明の化合物」ともいう。)は、式1で表されることを特徴とする。
Figure 2016069345
式1中、Mは、Ti、Zr又はCeを表し、R〜Rはそれぞれ独立に、アルキル基又は式2で表される基を表し、R〜Rの少なくとも1つは、式2で表される基である。
Figure 2016069345
式2中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R及びRはともに水素原子を表すか、又は、RとRとが結合して炭化水素環を形成しており、また、R及びRが各炭素原子に結合した炭素−炭素結合は、単結合であっても二重結合であってもよく、Rは、水素原子又はメチル基を表し、波線部分は、式1の酸素原子との結合位置を表す。
式1におけるMは、安定性、屈折率及び合成容易性の観点から、Ti又はZrであることが好ましく、Tiであることがより好ましい。
式1において、R〜Rのうちの式2で表される基の数は、1〜4であり、安定性の観点からは4>3>2>1の順に好ましく、また、合成容易性及び屈折率の観点からは、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
式1のR〜Rにおけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐を有していても、環構造を有していてもよい。
また、式1のR〜Rにおけるアルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数2〜4のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数3又は4のアルキル基であることが特に好ましい。
〜Rにおけるアルキル基の具体例としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、及び、t−ブチル基が好ましく挙げられる。中でも、イソプロピル基、及び、n−ブチル基が特に好ましく挙げられる。
式2において、Rは、水素原子であることが好ましく、R及びRが水素原子であることがより好ましい。
式2におけるRとRとが結合して形成してもよい炭化水素環は、脂肪族炭化水素環であっても、芳香族炭化水素環であってもよい。また、上記炭化水素環は、5〜7員環であることが好ましく、6員環であることがより好ましい。更に、上記炭化水素環は、単環であっても、2環以上の縮合環であってもよい。
式2におけるRは、得られる硬化膜の基材密着性の観点から、水素原子であることが好ましい。
〜Rの少なくとも1つは、式2で表される基であることが好ましい。
式2で表される基としては、下記式2−1〜式2−6のいずれかで表される基であることが好ましく、下記式2−1〜式2−5のいずれかで表される基であることがより好ましく、下記式2−1〜式2−3のいずれかで表される基であることが更に好ましく、下記式2−1で表される基であることが特に好ましい。
Figure 2016069345
式2−1〜式2−6中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、波線部分は、式1の酸素原子との結合位置を表す。
式2−1〜式2−6におけるRは、得られる硬化膜の基材密着性の観点から、水素原子であることが好ましい。
以下に式1で表される化合物の具体例を例示するが、これらに限定されない。また、下記チタン化合物のTiを、Zr又はCeに置き換えた化合物も例示できる。
Figure 2016069345
Figure 2016069345
Figure 2016069345
Figure 2016069345
Figure 2016069345
Figure 2016069345
Figure 2016069345
Figure 2016069345
Figure 2016069345
Figure 2016069345
Figure 2016069345
本発明の金属元素含有化合物の用途は、特に制限されないが、硬化性組成物や感光性組成物、レジスト組成物の成分として好適に用いることができる。また、後述するような層間絶縁膜(絶縁膜)やオーバーコート膜(保護膜)、屈折率調整膜の原料として好適に用いることができ、これら膜は、後述するような有機EL表示装置、液晶表示装置、及び、タッチパネル表示装置における絶縁層や保護層、屈折率調整層に好適に用いることができる。
(硬化性組成物)
本発明の硬化性組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、成分Aとして、式1で表される金属元素含有化合物を含有する。
また、本発明の硬化性組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、成分Aとして、式1で表される金属元素含有化合物と、成分Bとして、成分A以外の重合性化合物とを含有することが好ましく、成分Aとして、式1で表される金属元素含有化合物と、成分Bとして、成分A以外の重合性化合物と、成分Cとして、光重合開始剤を含有することがより好ましい。
Figure 2016069345
式1中、Mは、Ti、Zr又はCeを表し、R〜Rはそれぞれ独立に、アルキル基又は式2で表される基を表し、R〜Rの少なくとも1つは、式2で表される基又は式3で表される基である。
Figure 2016069345
式2中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R及びRはともに水素原子を表すか、又は、RとRとが結合して炭化水素環を形成しており、また、R及びRが各炭素原子に結合した炭素−炭素結合は、単結合であっても二重結合であってもよく、Rは、水素原子又はメチル基を表し、波線部分は、式1の酸素原子との結合位置を表す。
また、本発明の硬化性組成物は、ポジ型感光性組成物であっても、ネガ型感光性組成物であってもよいが、ネガ型感光性組成物であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、アルカリ現像液でのフォトリソグラフィーによるパターニングが可能であることが好ましい。
本発明者らは検討を行った結果、成分Aを含有することにより、得られる硬化膜の基材密着性に優れることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
また、硬化性組成物が成分Aを含有することにより、理由は不明であるがパターニング性に優れると推定している。
更に、硬化性組成物が成分Aを含有することにより、得られる硬化膜においてM原子そのものの屈折率が高いことや、ゾルゲル反応によりM−O−M結合が形成されることにより、硬化膜の屈折率を向上できると推定している。
以下、本発明の硬化性組成物が含有する、各成分について説明する。
成分A:式1で表される金属元素含有化合物
本発明の硬化性組成物は、式1で表される金属元素含有化合物を含有する。
本発明の硬化性組成物における式1で表される金属元素含有化合物は、上記本発明の金属元素含有化合物と同義であり、好ましい態様も同様である。
本発明の硬化性組成物は、成分Aを1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
本発明の硬化性組成物における成分Aの含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、0.1〜80質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%であることがより好ましく、1〜40質量%であることが更に好ましく、5〜35質量%であることが特に好ましい。
なお、本発明において、硬化性組成物における「固形分」とは、有機溶剤等の揮発性成分を除いた成分を意味する。
成分B:成分A以外の重合性化合物
本発明の硬化性組成物は、成分Bとして、成分A以外の重合性化合物を含有することが好ましい。
本発明に用いられる成分Bの分子量(分子量分布を有する場合には、重量平均分子量)は、硬化膜の硬度の観点から、100〜10,000であり、200〜5,000であることが好ましく、300〜3,000であることがより好ましい。
本発明に用いられる成分Bとしては、特に制限はないが、エチレン性不飽和化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。このような化合物は当該技術分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
成分Bは、少なくとも多官能重合性化合物を含むことが好ましく、硬化性組成物中の成分Bの全質量に対し、50質量%以上が多官能重合性化合物であることが好ましく、80質量%以上が多官能重合性化合物であることがより好ましく、90質量%以上が多官能重合性化合物であることが更に好ましく、90質量%以上が多官能重合性化合物であることが特に好ましい。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類あるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物;更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリス(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸エチレンオキサイド(EO)変性トリアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネート基と水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式Bで表され、水酸基を有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上のビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
C=C(RB1)COOCHCH(RB2)OH (B)
式B中、RB1及びRB2はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた感光性樹脂組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られたたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載されている光硬化性モノマー及びオリゴマーも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、硬化性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりのエチレン性不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、硬化性組成物に含有される他の成分(例えば、重合開始剤、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の他の成分の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
これらの中でも、成分Bとして、トリメチロールプロパントリアクリレート、及び/又は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを少なくとも含むことが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを少なくとも含むことがより好ましい。
成分Bは、1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
本発明の硬化性組成物における成分Bの含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、5〜99質量%であることが好ましく、10〜95質量%であることがより好ましく、30〜92質量%であることが更に好ましく、50〜90質量%であることが特に好ましい。
成分C:光重合開始剤
本発明の硬化性組成物は、成分Cとして、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明に用いることができる光ラジカル重合開始剤は、光により成分Aや成分B等の重合を開始、促進可能な化合物である。
「光」とは、その照射により成分Cより開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル化合物、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。これらの中でも、感度の点から、オキシムエステル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましい。
オキシムエステル化合物としては、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2007−231000号公報、特開2009−134289号公報に記載の化合物を使用できる。
オキシムエステル化合物は、下記式c−1又は式c−2で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016069345
式c−1又は式c−2中、Arは芳香族基又はヘテロ芳香族基を表し、RC1はアルキル基、芳香族基又はアルキルオキシ基を表し、RC2は水素原子又はアルキル基を表し、更にRC2はAr基と結合し環を形成してもよい。
式c−1又は式c−2中、Arは、芳香族基又はヘテロ芳香族基を表し、ベンゼン環化合物、ナフタレン環化合物又はカルバゾール環化合物から水素原子を1つ除いた基であることが好ましく、RC2と共に環を形成したナフタレニル基、カルバゾイル基がより好ましい。ヘテロ芳香族基におけるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、及び、硫黄原子が好ましく挙げられる。
C1は、アルキル基、芳香族基又はアルキルオキシ基を表し、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基又はメトキシ基がより好ましい。
C2は、水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は置換アルキル基が好ましく、水素原子、Arと共に環を形成する置換アルキル基又はトルエンチオアルキル基がより好ましい。
また、Arは、炭素数4〜20の基であることが好ましく、RC1は、炭素数1〜30の基であることが好ましく、また、RC2は、炭素数1〜50の基であることが好ましい。
オキシムエステル化合物は、下記式c−3、式c−4又は式c−5で表される化合物であることが更に好ましい。
Figure 2016069345
式c−3〜式c−5中、RC7はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、XCは−CH2−、−C24−、−O−又は−S−を表し、RC3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を表し、RC4はそれぞれ独立に、アルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、RC5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、RC6はアルキル基を表し、n1及びn2はそれぞれ独立に、0〜6の整数を表し、n3は0〜5の整数を表す。
C7はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、RC11−X’−アルキレン基−で表される基(RC11はアルキル基又はアリール基を表し、X’は硫黄原子又は酸素原子を表す。)が好ましい。RC11はアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R11としての、アルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子)又はアルキル基で置換されていてもよい。
Cは硫黄原子が好ましい。
C3及びRC4は、芳香環上の任意の位置で結合することができる。
C4はアルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、アルキル基、フェニル基、アリールチオ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アリールチオ基又はハロゲン原子がより好ましく、アルキル基又はハロゲン原子が更に好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子又はフッ素原子が好ましい。
また、RC4の炭素数は、0〜50であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
C5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
C6はアルキル基を表し、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
n1及びn2はそれぞれ、式c−3又は式c−4における芳香環上のRC3の置換数を表し、n3は式5における芳香環上のRC4の置換数を表す。
n1〜n3はそれぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられるオキシムエステル化合物の例を示す。しかしながら、本発明で用いられるオキシムエステル化合物がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。なお、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。また、これら化合物におけるオキシムの二重結合のシス−トランス異性は、EZのどちら一方であっても、EZの混合物であってもよい。
Figure 2016069345
Figure 2016069345
有機ハロゲン化化合物の例としては、具体的には、若林等、「Bull Chem. Soc. Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物、及び、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物が例示でき、具体的には例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性組成物における光重合開始剤の総量は、硬化性組成物中の全固形分100質量部に対して、0.05〜30質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部であることがより好ましく、0.5〜10質量部であることが更に好ましく、1〜5質量部であることが特に好ましい。
<増感剤>
本発明の硬化性組成物には、光重合開始剤の他に、増感剤を加えることもできる。
増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して励起状態となる。励起状態となった増感剤は、成分Bとの相互作用により、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じ、重合を開始・促進できる。
本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J. V. Crivello, Adv. in Polymer Sci., 62, 1 (1984)〕に開示しているものが挙げられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファーキノン、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。増感剤は、光重合開始剤に対し、50〜200質量%の割合で添加することが好ましい。
成分D:バインダーポリマー
本発明の硬化性組成物は、解像性及び皮膜特性向上などの観点から、バインダーポリマーを含むことが好ましい。
上記バインダーポリマーは、アルカリ現像性ポリマーであることが好ましい。
アルカリ現像性ポリマーとは、アルカリ現像可能なポリマーのことであり、アルカリ水溶液に接した場合に、溶解性及び/又は膨潤性を示すポリマーである。
アルカリ現像性ポリマーが有するアルカリ現像性基としては、特に制限はないが、カルボキシル基又はヒドロキシ基が好ましく挙げられる。
また、上記バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用でき、アクリル系ポリマーであることが好ましい。好ましくは水現像及び/又は弱アルカリ水現像を可能とするために、水若しくは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等が挙げられる。
酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体が挙げられる。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
本発明において、バインダーポリマーとして、共重合体を用いる場合、共重合させる化合物として、先に挙げたモノマー以外の他のモノマーを用いることもできる。他のモノマーの例としては、下記(1)〜(12)の化合物が挙げられる。
(1)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ビニルメタクリレート、2−フェニルビニルメタクリレート、1−プロペニルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパルギルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特開2002−309057号、特開2002−311569号等の各公報に記載の化合物を挙げることができる。
これらの中で、側鎖にアリル基やビニルエステル基とカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂及び特開2000−187322号公報、特開2002−62698号公報に記載されている側鎖に二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂や、特開2001−242612号公報に記載されている側鎖にアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂が膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
また、特公平7−12004号公報、特公平7−120041号公報、特公平7−120042号公報、特公平8−12424号公報、特開昭63−287944号公報、特開昭63−287947号公報、特開平1−271741号公報等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーや、特開2002−107918号公報に記載される酸基と二重結合を側鎖に有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、膜強度・低露光適性の点で有利である。
また、欧州特許第993966号、欧州特許第1204000号、特開2001−318463号公報等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、現像性のバランスに優れており、好適である。
更にこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
バインダーポリマーの重量平均分子量としては、5,000以上であることが好ましく、1万以上30万以下であることがより好ましく、数平均分子量については、1,000以上であることが好ましく、2,000以上25万以下であることがより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1以上が好ましく、1.1以上10以下がより好ましい。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明で用いることができるバインダーポリマーは、従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーをラジカル重合によって合成する場合に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
バインダーポリマーは、1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
本発明の硬化性組成物におけるバインダーポリマーの含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し、1〜60質量%であることが好ましく、3〜60質量%であることがより好ましく、4〜40質量%であることが更に好ましい。
成分E:溶剤
本発明の硬化性組成物は、成分Eとして、溶剤を含有することが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、必須成分である成分Aと、任意成分とを、溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
成分Eとしては、有機溶剤が好ましく、本発明の硬化性組成物に使用される有機溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ブチレングリコールジアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコール類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。これらの有機溶剤の具体例としては、特開2009−098616号公報の段落0062を参照できる。
具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、プロピレングリコールジアセテート、テトラヒドロフルフリルアルコールが好ましい。
有機溶剤の沸点は、塗布性の観点から100℃〜300℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種以上を併用することができる。沸点の異なる溶剤を併用することも好ましい。
本発明の硬化性組成物における溶剤の含有量は、塗布に適した粘度に調整するという観点から、硬化性組成物の全固形分100質量部あたり、100〜3,000質量部であることが好ましく、200〜2,000質量部であることがより好ましく、250〜1,000質量部であることが更に好ましい。
硬化性組成物の固形分濃度としては、3〜50質量%が好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
硬化性組成物の粘度は、1〜200mPa・sが好ましく、2〜100mPa・sがより好ましく、3〜80mPa・sが最も好ましい。粘度は、例えば、東機産業(株)製のRE−80L型回転粘度計を用いて、25±0.2℃で測定することが好ましい。測定時の回転速度は、5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上は10rpmで、それぞれ行うことが好ましい。
成分F:界面活性剤
本発明の硬化性組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤としては、下記式Wで表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフランを溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Figure 2016069345
式W中、RW1及びRW3はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、RW2は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、RW4は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、LWは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。
上記LWは、下記式W−2で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式
W−2におけるRW5は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。
式Wにおけるpとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
Figure 2016069345
本発明の硬化性組成物における界面活性剤の含有量は、配合する場合、硬化性組成物の全固形分中100質量部に対して、0.001〜5.0質量部が好ましく、0.01〜2.0質量部がより好ましい。
界面活性剤は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
成分G:重合禁止剤
本発明の硬化性組成物は、成分Gとして、重合禁止剤を含有してもよい。成分Gを含有することにより、漏れ光による重合反応が抑制され、現像性に優れる。
重合禁止剤とは、露光や熱により重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割を果たす物質である。例えば、特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載の化合物などを用いることができる。
本発明の硬化性組成物における成分Dの含有量は、特に制限はないが、硬化性組成物の全固形分に対して、0.005〜0.5質量%であることが好ましく、0.01〜0.5質量%であることがより好ましい。重合禁止剤の配合量を調整することによって、感度を損なわずにパターニング性を向上させることができる。
成分H:無機粒子
本発明の硬化性組成物は、成分Hとして、無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子を含有することにより、硬化膜の硬度がより優れたものとなる。
本発明で用いる無機粒子の平均粒径は、1〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、5〜50nmが最も好ましい。平均粒径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、外径の最大径を粒子の粒子径とする。
また、硬化膜の硬度の観点から、無機粒子の空隙率は、10%未満が好ましく、3%未満がより好ましく、空隙が無いことが最も好ましい。粒子の空隙率は電子顕微鏡による断面画像の空隙部分と粒子全体との面積比の、200個の算術平均である。
無機粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む金属酸化物粒子が好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムがより好ましく、酸化ケイ素又は酸化チタンが、粒子の安定性、入手しやすさ、硬化膜の硬度、透明性、屈折率調整等の観点から特に好ましい。
無機粒子の含有量は、配合する場合、硬度の観点から、硬化性組成物の全固形分に対し1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。また、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
無機粒子は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
成分I:アルコキシシラン化合物
本発明の硬化性組成物は、成分Iとして、アルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。アルコキシシラン化合物を用いると、本発明の硬化性組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できる。
アルコキシシラン化合物としては、アルコキシ基がケイ素原子に直接結合した基を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限はないが、ジアルコキシシリル基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する化合物であることが好ましく、トリアルコキシシリル基を有する化合物であることがより好ましい。
本発明の硬化性組成物に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と硬化膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。エチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシランがより好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
市販品としては、信越化学工業(株)製、KBM−403やKBM−5103が例示される。
本発明の硬化性組成物におけるアルコキシシラン化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し、0.1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、2〜15質量%が更に好ましい。アルコキシシラン化合物は、1種類のみでもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
なお、アルコキシシラン化合物は有機固形分と見なす。
<その他の成分>
<<エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物>>
本発明の硬化性組成物は、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、及び、ブロックイソシアネート化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。上記態様であると、得られる硬化膜の硬度により優れる。
−エポキシ基を有する化合物−
本発明の硬化性組成物は、エポキシ基を有する化合物を含んでいてもよい。エポキシ基を有する化合物は、エポキシ基を分子中に1個であってもよいが、2個以上が好ましい。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等である。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。
また、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物類も好適に用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の硬化性組成物は、エポキシ基を有する化合物を含む場合、組成物の全固形分の0.1〜20質量%の範囲で含むことが好ましく、0.5〜10質量%の範囲で含むことがより好ましく、1〜5質量%の範囲で含むことが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、エポキシ基を有する化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
−オキセタニル基を有する化合物−
本発明の硬化性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を含んでいてもよい。オキセタニル基を有する化合物は、オキセタニル基を分子中に1個のみ有していてもよいが、2個以上有することが好ましい。
オキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を含む場合、組成物の全固形分の0.1〜20質量%の範囲で含むことが好ましく、0.5〜10質量%の範囲で含むことがより好ましく、1〜5質量%の範囲で含むことが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、オキセタニル基を有する化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
−ブロックイソシアネート化合物−
本発明の硬化性組成物は、ブロックイソシアネート化合物を含んでいてもよい。
ブロックイソシアネート化合物としては、ブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。ブロックイソシアネート基の数の上限は特に定めるものではないが、6個以下が好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよい。例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物及びこれらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が特に好ましい。
本発明の組成物におけるブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。
本発明の組成物に使用できるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60P、17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、ブロックイソシアネート化合物を含む場合、組成物の全固形分の0.1〜20質量%の範囲で含むことが好ましく、0.5〜10質量%の範囲で含むことがより好ましく、1〜5質量%の範囲で含むことが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、ブロックイソシアネート化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の硬化性組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記以外の他の化合物(例えば、アルコキシメチル基含有化合物等)を含んでいてもよい。アルコキシメチル基含有化合物としては、特開2011−221494号公報の段落0192〜0194に記載のものを挙げることができる。
<酸化防止剤>
本発明の硬化性組成物は、上記の成分の他に、酸化防止剤を含有してもよい。なお、酸化防止剤は、上述した成分K以外の化合物である。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1098(以上、BASF社製)を挙げることができる。
酸化防止剤の含有量は、特に制限はないが、硬化性組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、上述した以外にも、可塑剤、熱酸発生剤、酸増殖剤等のその他の成分を添加することができる。これらの成分については、例えば、特開2009−98616号公報、特開2009−244801号公報に記載のもの、その他公知のものを用いることができる。また、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の硬化性組成物に添加してもよい。
<硬化性組成物の調製方法>
本発明の硬化性組成物の調製方法としては、特に制限はなく、公知の方法により調製することができ、例えば、各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解及び/又は分散して硬化性組成物を調製することができる。また、例えば、各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して硬化性組成物を調製することもできる。以上のように調製した硬化性組成物は、例えば、孔径0.2μmのフィルタ等を用いてろ過した後に、使用することもできる。
(硬化膜、硬化物及びその製造方法)
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物を硬化させた硬化物である。上記硬化物としては、硬化膜であることが好ましい。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜の製造方法は、本発明の硬化性組成物を硬化させ硬化膜を製造する方法であれば、特に制限はないが、本発明の硬化性組成物が、成分A〜成分C及び溶剤を少なくとも含有し、かつ以下の工程1〜工程5をこの順で含むことが好ましい。
工程1:本発明の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程4:露光された硬化性組成物を水性現像液により現像する現像工程
工程5:現像された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程
また、本発明の硬化物の製造方法は、工程4と工程5との間に以下の工程4’を更に含むことがより好ましい。
工程4’:現像された硬化性組成物に更に光を照射するポスト露光工程
上記塗布工程においては、本発明の硬化性組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。硬化性組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことができる。更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザン等で基板表面を処理することができる。この処理を行うことにより、硬化性組成物の基板への密着性が向上する傾向にある。
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料などが挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス、石英、シリコン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル、マレイミド−オレフィン共重合体、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。
これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、通常、最終製品の形態によって、例えばTFT素子のような多層積層構造が形成されている。
また、オンセル構造のタッチパネルなどのような場合には、パネルとして一旦完成しているLCDセルやOLEDセルの上に、本発明の硬化性組成物を適用することもできる。
本発明の硬化性組成物は、スパッタリングにより製膜された金属膜や金属酸化物に対する密着がよいため、基板としてはスパッタリングにより製膜された金属膜を含むことが好ましい。金属としては、チタン、銅、アルミニウム、インジウム、スズ、マンガン、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、クロム、銀、ネオジウム、及びこれらの酸化物又は合金であることが好ましく、モリブデン、チタン、アルミニウム、銅及びこれらの合金であることが更に好ましい。なお、金属や金属酸化物は1種単独で用いても、複数種を併用してもよい。
基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、インクジェット法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法、印刷法等の方法を用いることができる。
溶剤除去工程では、塗布された上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させることが好ましい。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。また、上記溶剤除去工程においては、硬化性組成物中の溶剤を完全に除去する必要はなく、少なくとも一部が除去されていればよい。
なお、上記塗布工程と上記溶剤除去工程とは、この順に行っても、同時に行っても、交互に繰り返してもよい。例えば、上記塗布工程におけるインクジェット塗布が全て終了した後、上記溶剤除去工程を行ってもよいし、基板を加熱しておき、上記塗布工程におけるインクジェット塗布方式による硬化性組成物の吐出を行いながら溶剤除去を行ってもよい。
上記露光工程は、活性光線を用いて光重合開始剤より重合開始種を発生させ、エチレン性不飽和基を有する化合物の重合を行い、溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部を硬化する工程である。
上記露光工程では、得られた塗膜に波長300nm以上450nm以下の活性光線を所定のパターン状に照射することが好ましい。
上記露光工程に用いることができる露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。露光量は好ましくは1〜500mJ/cmである。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光、など各種方式の露光機を用いることができる。
上記露光工程における露光は、酸素遮断された状態で行うことが、硬化促進の観点から好ましい。酸素を遮断する手段としては、窒素雰囲気下での露光や、酸素遮断膜を設けての露光が例示される。
また、上記露光工程における露光は、溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部に行われればよく、例えば、全面露光であっても、パターン露光であってもよい。
また、上記露光工程後に、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。
加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。上記温度範囲であれば、基板、装置へのダメージを抑えて加熱することができる。
現像工程においては、未硬化の硬化性組成物を、水性現像液を用いて現像除去し、ネガ画像を形成する。現像工程で使用する現像液は、アルカリ性の水性現像液であることが好ましい。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類:コリン等の(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩類;エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の脂環式アミン類を使用することができる。
これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が好ましい。
また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.4〜2.5質量%水溶液を挙げることができる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等のいずれでもよい。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
パターン露光及び現像については、公知の方法や公知の現像液を用いることができる。例えば、特開2011−186398号公報、特開2013−83937号公報に記載のパターン露光方法及び現像方法を好適に用いることができる。
本発明の硬化膜の製造方法は、上記現像工程後、現像された硬化性組成物を熱処理する工程(ポストベーク)を含むことが好ましい。本発明の硬化性組成物を現像した後に熱処理を行うことにより、より強度に優れた硬化膜を得ることができる。
上記熱処理工程における熱処理温度としては、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。下限値としては、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。上記温度範囲であれば、基板、装置へのダメージを抑えて硬化することができる。
また、熱処理工程(ポストベーク)の前に、比較的低温でベークを行った後に熱処理工程を行うこともできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、100℃以上の温度で熱処理することが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンの形状を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
また、現像工程後、熱処理工程前に、膜硬度向上の観点から、現像された硬化性組成物に更に光を照射するポスト露光工程を含むことが好ましい。
上記ポスト露光工程においては、現像された硬化性組成物の全面に露光することが好ましい。ポスト露光後にポストベークすることにより、露光部分に残存する光重合開始剤から開始種を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることができ、膜の硬化反応を促進することができる。また、ポスト露光工程においては、水銀灯やLEDランプなどで50〜3,000mJ/cm程度のエネルギー露光することが好ましい。
本発明の硬化膜は、本発明の硬化性組成物を硬化して得られた硬化膜である。
本発明の硬化膜は、層間絶縁膜(絶縁膜)やオーバーコート膜(保護膜)として好適に用いることができ、タッチパネル用オーバーコート膜としてより好適に用いられ、オンセル構造タッチパネル用オーバーコート膜として更に好適に用いられる。オンセル構造タッチパネルとは、後述するオンセル型のタッチパネル表示装置と同義である。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物により、低温で硬化しても充分な硬度のある硬化膜が得られる。例えば、硬度が4H以上である硬化膜が得られる。本発明の硬化性組成物を硬化して形成される保護膜は、硬化膜物性に優れるため、有機EL表示装置や液晶表示装置の用途に有用である。
本発明の硬化性組成物は、硬化性及び硬化膜特性に優れるため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)用デバイスの構造部材として、本発明の硬化性組成物を硬化した硬化物やレジストパターンを隔壁としたり、機械駆動部品の一部として組み込んで使用される。このようなMEMS用デバイスとしては、例えばSAWフィルタ、BAWフィルタ、ジャイロセンサー、ディスプレイ用マイクロシャッター、イメージセンサー、電子ペーパー、インクジェットヘッド、バイオチップ、封止剤等の部品が挙げられる。より具体的な例は、特表2007−522531号公報、特開2008−250200号公報、特開2009−263544号公報等に例示されている。
本発明の硬化性組成物は、平坦性や透明性に優れるため、例えば、特開2011−107476号公報の図2に記載のバンク層(16)及び平坦化膜(57)、特開2010−9793号公報の図4(a)に記載の隔壁(12)及び平坦化膜(102)、特開2010−27591号公報の図10に記載のバンク層(221)及び第3層間絶縁膜(216b)、特開2009−128577号公報の図4(a)に記載の第2層間絶縁膜(125)及び第3層間絶縁膜(126)、特開2010−182638号公報の図3に記載の平坦化膜(12)及び画素分離絶縁膜(14)などの形成に用いることもできる。この他、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー、液晶表示装置のカラーフィルタやカラーフィルタ保護膜、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルタの結像光学系あるいは光ファイバコネクタのマイクロレンズにも好適に用いることができる。
(有機EL表示装置)
本発明の有機EL表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置としては、本発明の硬化性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が有するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
図1は、有機EL表示装置の一例の構成概念図である。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂とを用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置としては、本発明の硬化性組成物を用いて形成されるオーバーコート膜(保護膜)、平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の液晶表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT(例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物、いわゆる、IGZO)等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向法などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明の硬化性組成物及び本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルタ上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルタ22が設けられている。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば、白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のもの(タッチパネル表示装置)としたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。
(タッチパネル及びタッチパネル表示装置)
本発明のタッチパネルは、絶縁層及び/又は保護層の、全部又は一部が本発明の硬化性組成物の硬化物からなるタッチパネルである。また、本発明のタッチパネルは、透明基板、電極及び絶縁層及び/又は保護層を少なくとも有することが好ましい。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。
タッチパネル表示装置としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2012−43394号公報の図14、国際公開第2012/141148号の図2(b))、OGS型、TOL型、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6)を挙げることができる。
また、図3は、タッチパネル表示装置の一例の構成概念図を示す。
例えば、本発明の硬化膜は、図3における、各層の間の保護膜に適用することが好適であり、また、タッチパネルの検出電極間を隔てる層間絶縁膜に適用することも好適である。なお、タッチパネルの検出電極としては、銀、銅、アルミニウム、チタン、モリブデン、これらの合金であることが好ましい。
図3において、110は画素基板を、140は液晶層を、120は対向基板を、130はセンサ部をそれぞれ示している。画素基板110は、図3の下側から順に、偏光板111、透明基板112、共通電極113、絶縁層114、画素電極115、配向膜116を有している。対向基板120は、図3の下側から順に、配向膜121、カラーフィルタ122、透明基板123を有している。センサ部130は、位相差フィルム124、接着層126、偏光板127をそれぞれ有している。また、図3中、125は、センサ用検出電極である。本発明の硬化膜は、画素基板部分の絶縁層(114)(層間絶縁膜ともいう。)や各種保護膜(図示せず)、画素基板部分の各種保護膜(図示せず)、対向基板部分の各種保護膜(図示せず)、センサ部分の各種保護膜(図示せず)等に使用できる。
更に、スタティック駆動方式の液晶表示装置でも、本発明を適用することで意匠性の高いパターンを表示させることも可能である。例として、特開2001−125086号公報に記載されているようなポリマーネットワーク型液晶の絶縁膜として本発明を適用することができる。
また、図4は、タッチパネル表示装置の他の一例の構成概念図である。
薄膜トランジスタ(TFT)440が具備された薄膜トランジスタ表示板に相当する下部表示板200、下部表示板200と対向して下部表示板200と対向する面に複数のカラーフィルタ330が具備されたカラーフィルタ表示板に相当する上部表示板300、及び下部表示板200と上部表示板300の間に形成された液晶層400を含む。液晶層400は液晶分子(図示せず)を含む。
下部表示板200は、第1絶縁基板210、第1絶縁基板210の上に配置する薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜トランジスタ(TFT)の上面に形成された絶縁膜280、及び絶縁膜280の上に配置する画素電極290を含む。薄膜トランジスタ(TFT)は、ゲート電極220、ゲート電極220を覆うゲート絶縁膜240、半導体層250、オーミックコンタクト層260、262、ソース電極270、及び、ドレイン電極272を含むことができる。絶縁膜280には薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極272が露出するようにコンタクトホール282が形成されている。
上部表示板300は、第2絶縁基板310の一面の上に配置して、マトリックス状に配列された遮光部材320、第2絶縁基板310の上に配置する配向膜350、配向膜の上に配置するカラーフィルタ330、及びカラーフィルタ330の上に配置し、下部表示板200の画素電極290と対応して、液晶層400に電圧を印加する共通電極370を含む。
図4に示すタッチパネル表示装置において、第2絶縁基板310の他の一面にはセンシング電極410、絶縁膜420、駆動電極430、及び、保護膜280を配置する。このように、図4に示す液晶表示装置の製造においては、上部表示板300を形成する時に、タッチスクリーンの構成要素であるセンシング電極410、絶縁膜420、及び、駆動電極430などを共に形成することができる。特に、本発明の硬化性組成物を硬化した硬化膜は、絶縁膜280や絶縁膜420に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<化合物の合成例>
Figure 2016069345
〔合成例1:A−1の合成〕
チタニウムテトライソプロポキシド(20.0g、70.0mmol)に対して、ライトエステルHO−MS(2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、共栄社化学(株)製、16.0g、70.0mmol)を、反応系の温度が室温(25℃、以下同様)〜45℃に保持されるよう冷却しながら滴下した。滴下終了後、30分間室温で撹拌した。続いて発生したアルコールをロータリーエバポレーターで減圧留去することで、黄色の油状物質A−1を得た(31.8g、収率100%)。
なお、得られたA−1のH−NMRスペクトル(400MHz,CDCl溶媒中)は、δ=1.24(18H,br),1.95(3H,br),2.64(4H,m),4.34(4H,m),5.00(3H,sept,J=6.2Hz),5.59(1H,br),6.13(1H,br)であった。
〔合成例2:A−2の合成〕
チタニウムテトラブトキシド(20.0g、58.8mmol)に対して、ライトエステルHO−MS(13.5g、58.8mmol)を、反応系の温度が室温〜45℃に保持されるよう冷却しながら滴下した。滴下終了後、30分間室温で撹拌した。続いて発生したアルコールをロータリーエバポレーターで減圧留去することで、黄色の油状物質A−2を得た(29.2g、収率100%)。
なお、得られたA−2のH−NMRスペクトル(400MHz,CDCl溶媒中)は、δ=0.92(9H,t,J=7.3Hz),1.33−1.60(12H,m),1.95(3H,brs),3.72−4.41(10H,m),5.59(1H,dq,J=1.6,1.6Hz),6.13(1H,br)であった。
(実施例1及び2、並びに、比較例1及び2)
<化合物の安定性評価>
化合物A−1 5.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート((株)ダイセル製)10.0gと混合し、調製直後の組成物の粘度(初期粘度)と、30℃で2週間保管後の組成物の粘度(経時粘度)とを、E型粘度計(東機産業(株)製)にて測定した。化合物A−2、並びに、下記比較化合物A’−1及びA’−2についても同様にして組成物を調製し、経時安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
評価基準は以下の通りであり、4以上が好ましい。
1:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として30%以上変化する
2:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として20%以上30%未満変化する
3:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として10%以上20%未満変化する
4:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として5%以上10%未満変化する
5:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として5%未満しか変化しない
Figure 2016069345
Figure 2016069345
<硬化性組成物の調製>
下記に記載のように各成分を配合・撹拌して有機溶剤の溶液及び/又は分散液とし、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタで濾過して、固形分濃度35%の硬化性組成物を得た。下記各成分の単位は、固形分換算の質量部を示す。
〔配合例1〕
・A−1:10質量部
・B−1(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製、5〜6官能、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物):60質量部
・B−2(トリメチロールプロパントリアクリレート、アロニックスM−309、東亞合成(株)製、3官能):26質量部
・C−1(下記構造のオキシムエステル化合物、光重合開始剤):3質量部
・W−1(メガファックF554、DIC(株)製、フッ素系界面活性剤):1質量部
Figure 2016069345
<化合物C−1の合成>
−化合物Aの合成−
エチルカルバゾール(100.0g、0.512mol)をクロロベンゼン260mlに溶解し、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(70.3g、0.527mol)を加えた。続いてo−トルオイルクロリド(81.5g、0.527mol)を40分かけて滴下し、室温(25℃、以下同様)に昇温して3時間撹拌した。次に、0℃に冷却後、塩化アルミニウム(75.1g、0.563mol)を加えた。4−クロロブチリルクロリド(79.4g、0.563mol)を40分かけて滴下し、室温に昇温して3時間撹拌した。35質量%塩酸水溶液156mlと蒸留水392mlとの混合溶液を0℃に冷却し、反応溶液を滴下した。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水とメタノールとで洗浄し、アセトニトリルで再結晶後、下記構造の化合物A(収量164.4g、収率77%)を得た。
Figure 2016069345
−化合物Bの合成−
上記で得られた化合物A(20.0g、47.9mmol)をテトラヒドロフラン(THF)64mlに溶解し、4−クロロベンゼンチオール(7.27g、50.2mmol)とヨウ化ナトリウム(0.7g、4.79mmol)とを加えた。続いて反応液に水酸化ナトリウム(2.0g、50.2mmol)を加え、2時間還流した。次に、0℃に冷却後、SM−28(11.1g、57.4mmol、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液、和光純薬工業(株)製)を20分かけて滴下し、室温に昇温して2時間撹拌した。次に、0℃に冷却後、亜硝酸イソペンチル(6.73g、57.4mmol)を20分かけて滴下し、室温に昇温して3時間撹拌した。反応液をアセトン120mlに希釈し、0℃に冷却した0.1N塩酸水溶液に滴下した。析出した固体を吸引濾過後、蒸留水で洗浄した。続いてアセトニトリルで再結晶し、下記構造の化合物B(収量17.0g、収率64%)を得た。
Figure 2016069345
−化合物C−1の合成−
化合物B(18.0g、32.4mmol)を90mlのN−メチルピロリドン(NMP)に溶解し、トリエチルアミン(Et3N、3.94g、38.9mmol)を加えた。次に、0℃に冷却後、アセチルクロライド(AcCl、3.05g、38.9mmol)を20分かけて滴下後、室温に昇温して2時間撹拌した。反応液を0℃に冷却した蒸留水150mlに滴下し、析出した固体を吸引濾過後、0℃に冷却したイソプロピルアルコール200mlで洗浄し、乾燥後、化合物C−1(収量19.5g、収率99%)を得た。
Figure 2016069345
また、得られた化合物C−1の構造はNMRにて同定した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=8.86(s,1H),8.60(s,1H),8.31(d,1H,J=8.0Hz),8.81(d,1H,J=8.0Hz),7.51−7.24(m,10H),7.36(q,2H,7.4Hz),3.24−3.13(m,4H),2.36(s,3H),2.21(s,3H),1.50(t,3H,7.4Hz)。
〔配合例2〜5〕
配合例1のA−1をA−2、A’−1又はA’−2にそれぞれ代えた以外は、配合例1と同様にして、配合例2〜4の硬化性組成物をそれぞれ得た。
また、配合例5については、配合例1において、A−1を添加しないものを配合例5として調製した。
(実施例3及び4、並びに、比較例3〜5)
<基板密着性の評価>
上記で調合された配合例1〜5の各組成物について、ITOが蒸着された100mm×100mmのガラス基板上にスピンコートし、90℃、120秒のプリベークを行い、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。次に高圧水銀灯により500mJ/cm(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで150℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作製した。得られた硬化膜について、JIS K5600に準拠した方法で100マスのクロスカット試験を行い、密着性を評価した。
以下の評価は、評価レベル5及び4が好ましい範囲である。評価結果を表2に示す。
5:全くはがれが見られない。
4:わずかにはがれるが、はがれる割合が5%未満である。
3:はがれる割合が5%以上10%未満である。
2:はがれる割合が10%以上20%未満である。
1:はがれる割合が20%以上である。
Figure 2016069345
<アルカリ現像性ポリマーの合成例1>
三つ口フラスコにPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)(89g)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。その溶液にメタクリル酸(全単量体成分中の20mol%となる量)、メタクリル酸メチル(全単量体成分中の80mol%となる量)、V−601(全単量体成分の合計100mol%に対して4mol%に相当)をPGMEA(89g)に室温で溶解させた溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後2時間攪拌し、反応を終了させた。それにより重合体D−1を得た。なお、溶剤以外の成分(固形分と称する。)の濃度が40質量%になるよう調整した。
<パターニング性の評価>
下記に記載のように各成分をPGMEAに配合・撹拌し、固形分35%のPGMEAの溶液及び/又は分散液として、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタで濾過して、硬化性組成物を得た。また、有機溶剤以外は、固形分換算の質量部を示す。
・A−1:10質量部
・B−1(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製、5〜6官能、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物):60質量部
・C−1(上記構造のオキシムエステル化合物):3質量部
・D−1(上記アルカリ現像性ポリマーの合成例1のポリマー):26質量部
・W−1(メガファックF554、DIC(株)製、フッ素系界面活性剤):1質量部
(実施例5)
得られた硬化性組成物をガラス基板(100mm×100mm、EAGLE XG、0.7mm厚(コーニング社製))にスピンコート塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚2.0μmの硬化性組成物層を形成した。
次に、得られた硬化性組成物層を、高圧水銀灯を用いて、ラインアンドスペース1:1の50μmラインがあるマスクを介して100mJ/cmの露光(照度は24mW/cm)をした。そして、露光後の硬化性組成物層を、アルカリ現像液(2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスした。
得られたパターンについて、スペース部の残膜とラインパターン/スペースパターンの線幅を測定し、パターニング性を評価したところ、スペース部に残膜は見られず、ラインパターン/スペースパターンの線幅比が±10%以内であり、良好なパターン形成性を示した。
(実施例6、及び、比較例6)
<硬化膜の屈折率評価>
下記に記載のように各成分を配合・撹拌して有機溶剤の溶液及び/又は分散液とし、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタで濾過して、固形分濃度35%の硬化性組成物を得た。下記各成分の単位は、固形分換算の質量部を示す。
〔配合例6〕
・A−1:35質量部
・B−1(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製、5〜6官能、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物):35質量部
・B−2(トリメチロールプロパントリアクリレート、アロニックスM−309、東亞合成(株)製、3官能):26質量部
・C−1(上記構造のオキシムエステル化合物):3質量部
・W−1(メガファックF554、DIC(株)製、フッ素系界面活性剤):1質量部
〔配合例7〕
配合例6において、A−1を添加しないものを配合例7として調製した。
上記配合例6及び7の組成物について、ガラス基板(100mm×100mm、EAGLE XG、0.7mm厚(コーニング社製))にスピンコート塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚2.0μmの組成物層をそれぞれ形成した。次に高圧水銀灯により500mJ/cm(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで200℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作製した。エリプソメーターVUV−VASE(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン(株)製)を用いて、550nmでの硬化膜の屈折率を測定した。
Figure 2016069345
1:TFT(薄膜トランジスタ)、2:配線、3:絶縁膜、4:平坦化膜、5:第一電極、6:ガラス基板、7:コンタクトホール、8:絶縁膜、10:液晶表示装置、12:バックライトユニット、14,15:ガラス基板、16:TFT、17:硬化膜、18:コンタクトホール、19:ITO透明電極、20:液晶、22:カラーフィルタ、110:画素基板、111:偏光板、112:透明基板、113:共通電極、114:絶縁層、115:画素電極、116:配向膜、120:対向基板、121:配向膜、122:カラーフィルタ、123:透明基板、124:位相差フィルム、125:センサ用検出電極、126:接着層、127:偏光板、130:センサ部、140:液晶層、200:下部表示板、210:第1絶縁基板、220:ゲート電極、240:ゲート絶縁膜、250:半導体層、260,262:オーミックコンタクト層、270:ソース電極、272:ドレイン電極、280:絶縁膜、282:コンタクトホール、290:画像電極、300:上部表示板、310:第2絶縁基板、320:遮光部材、330:カラーフィルタ、350:配向膜、370:共通電極、400:液晶層、410:センシング電極、420:絶縁膜、430:駆動電極、440:TFT

Claims (19)

  1. 式1で表されることを特徴とする
    金属元素含有化合物。
    Figure 2016069345
    式1中、Mは、Ti、Zr又はCeを表し、R〜Rはそれぞれ独立に、アルキル基又は式2で表される基を表し、R〜Rの少なくとも1つは、式2で表される基である。
    Figure 2016069345
    式2中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R及びRはともに水素原子を表すか、又は、RとRとが結合して炭化水素環を形成しており、また、R及びRが各炭素原子に結合した炭素−炭素結合は、単結合であっても二重結合であってもよく、Rは、水素原子又はメチル基を表し、波線部分は、式1の酸素原子との結合位置を表す。
  2. Mが、Ti又はZrである、請求項1に記載の金属元素含有化合物。
  3. Mが、Tiである、請求項1又は2に記載の金属元素含有化合物。
  4. 〜Rにおけるアルキル基が、炭素数2〜4のアルキル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属元素含有化合物。
  5. 〜Rにおける式2で表される基の数が、1である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属元素含有化合物。
  6. が、水素原子である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属元素含有化合物。
  7. 成分Aとして、式1で表される金属元素含有化合物を含有することを特徴とする
    硬化性組成物。
    Figure 2016069345
    式1中、Mは、Ti、Zr又はCeを表し、R〜Rはそれぞれ独立に、アルキル基又は式2で表される基を表し、R〜Rの少なくとも1つは、式2で表される基である。
    Figure 2016069345
    式2中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R及びRはともに水素原子を表すか、又は、RとRとが結合して炭化水素環を形成しており、また、R及びRが各炭素原子に結合した炭素−炭素結合は、単結合であっても二重結合であってもよく、Rは、水素原子又はメチル基を表し、波線部分は、式1の酸素原子との結合位置を表す。
  8. 成分Bとして、成分A以外の重合性化合物を更に含有する、請求項7に記載の硬化性組成物。
  9. 成分Cとして、光重合開始剤を更に含有する、請求項7又は8に記載の硬化性組成物。
  10. 成分Dとして、バインダーポリマーを更に含有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. Mが、Ti又はZrである、請求項7〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  12. Mが、Tiである、請求項7〜11のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  13. 〜Rにおけるアルキル基が、炭素数2〜4のアルキル基である、請求項7〜12のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  14. 〜Rにおける式2で表される基の数が、1である、請求項7〜13のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  15. が、水素原子である、請求項7〜14のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  16. 請求項7〜15のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化膜。
  17. 請求項16に記載の硬化膜を有する有機EL表示装置。
  18. 請求項16に記載の硬化膜を有する液晶表示装置。
  19. 請求項16に記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022168613A1 (ja) * 2021-02-02 2022-08-11 信越化学工業株式会社 新規有機チタン化合物及び硬化触媒

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