以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図20は、本発明の電力供給装置、画像形成装置及び電力供給方法の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の電力供給装置、画像形成装置及び電力供給方法の一実施例を適用した画像形成装置1の要部概略構成図である。
図1において、画像形成装置1は、図示しない本体筐体内に、給紙部10、転写部20、画像形成部30Y、30C、30M、30K、定着部40及び電力供給部50(図2等参照)等を備えている。画像形成装置1は、上記の他に、図示しないが、モータ及びモータにより駆動される各部に駆動源を伝達する駆動機構部、各種操作や情報の表示を行う操作表示部等を備えている。
給紙部10は、給紙トレイ11、給紙ローラ12、分離ローラ13及び図示しないレジストローラ等を備えている。給紙部10は、給紙トレイ11内の用紙(被記録媒体)Pを、給紙ローラ12と分離ローラ13により1枚ずつ分離して、転写部20の手前に配設されている図示しないレジストローラに送り出す。給紙部10は、レジストローラが、給紙トレイ11から送られてきた用紙Pのタイミング調整を行って、用紙Pを所定のタイミングで転写部20に送り出す。
転写部20は、転写ベルト21、駆動ローラ22、従動ローラ23及び二次転写ローラ24等を備えており、転写ベルト(転写部材)21は、無端リング状のベルトであって、駆動ローラ22と従動ローラ23に張り渡されている。
転写部20は、駆動ローラ22が、主制御部61(図2等参照)の制御下で図外のモータ等の駆動機構によって回転駆動されることにより、図1に矢印で示す反時計方向に回転駆動される。転写部20は、駆動ローラ22が反時計方向に回転駆動されることで、転写ベルト21を、各色の画像形成部30Y、30C、30M、30Kを順次通過する状態で搬送する。転写部20は、搬送される転写ベルト21上に、各色の画像形成部30Y、30C、30M、30Kで、それぞれイエロートナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像及びブラックトナー画像が順次重ね合わされて転写されてカラートナー画像(記録剤像)が形成される。
画像形成部30Y、30C、30M、30Kは、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(K)の各色に対応しており、それぞれ、感光体31Y、31C、31M、31Kが転写ベルト21の搬送方向に沿って所定間隔で配設されている。各色の画像形成部30Y、30C、30M、30Kは、それぞれ感光体31Y、31C、31M、31Kの周囲に、帯電部32Y、32C、32M、32K、露光部33Y、33C、33M、33K、現像部34Y、34C、34M、34K、転写部35Y、35C、35M、35K、クリーニング部36Y、36C、36M、36K及び図示しない除電部等が配設されている。感光体31Y、31C、31M、31Kは、像担持体として機能している。
各画像形成部30Y、30C、30M、30Kは、図外の駆動機構により図1中時計方向に回転駆動される感光体31Y、31C、31M、31Kを、帯電部32Y、32C、32M、32Kで一様に帯電させる。画像形成部30Y、30C、30M、30Kは、露光部33Y、33C、33M、33Kから、各色の画像データで変調された書込光が、一様に帯電されている感光体31Y、31C、31M、31Kに照射されて静電潜像が形成される。画像形成部30Y、30C、30M、30Kは、該静電潜像の形成された感光体31Y、31C、31M、31Kに、現像部34Y、34C、34M、34Kで、それぞれYCMKの各色のトナー(記録剤)を付着させて、各色のトナー画像を形成する。画像形成部30Y、30C、30M、30Kは、感光体31Y、31C、31M、31K上のトナー画像が転写ベルト21に対向する位置に回転してくると、転写ベルト21の背面に配設された転写部35Y、35C、35M、35Kに、転写電位が付与されて、感光体31Y、31C、31M、31K上のYCMK各色のトナー画像を転写ベルト21に順次重ねて転写させる。トナー画像の転写の完了した感光体31Y、31C、31M、31Kは、クリーニング部36Y、36C、36M、36Kで残留トナーがクリーニングされ、除電部で除電された後、再度、帯電部32Y、32C、32M、32Kで帯電されて、次の画像形成動作に供される。
転写部20は、上述のようにしてYCMKの各色のトナー画像が順次重ね合わされて転写されてカラートナー画像の転写された転写ベルト21を、さらに搬送して、駆動ローラ22と二次転写ローラ24との間へと搬送する。この駆動ローラ22と二次転写ローラ24とのニップ部分には、上記給紙部10から用紙Pが、搬送されてくる。
転写部20は、駆動ローラ22と二次転写ローラ(転写電力供給部材)24とのニップ部分で、二次転写ローラ24と、駆動ローラ22との間に、転写ベルト21及び用紙Pを通して、一定の転写電力(転写電圧)を供給する。転写部20は、転写電力が供給されることで、転写ベルト21上のトナー画像を、給紙部10から搬送されてきた用紙Pに転写させる。
画像形成装置1は、駆動ローラ22と二次転写ローラ24とのニップ部分の用紙搬送方向下流側に、転写ベルト21から用紙Pを分離させる分離電力を供給する分離電力供給部(分離電力供給部材)25が配設されている。分離電力供給部25は、例えば、転写ベルト21に近接して配設され、転写ベルト21に分離電力を供給する電極等が用いられている。
画像形成装置1は、転写部20でトナー画像の転写された用紙Pを、定着部40に搬送する。
定着部40は、定着ローラ41、加圧ローラ42及び図示しないサーミスタ、サーモスタットや定着ヒータ等を備えている。定着ローラ41と加圧ローラ42は、所定の押圧力で押圧されて、一方が回転駆動されることにより、他方が連れ回りする。定着ローラ41は、通電されることでその通電量に応じた温度に定着ローラ41を加熱する定着ヒータが内蔵されていて、該定着ヒータへの通電量が制御されることで、所定の定着温度に加熱制御される。
定着部40は、YCMKの各色が重ね合わされたカラートナー画像が転写された用紙Pを定着ローラ41と加圧ローラ42で加熱・加圧しつつ搬送することで、カラートナー画像を用紙Pに定着させ図示しない排紙トレイ上に排出する。
サーミスタは、定着ローラ41の近傍に配設され、定着ローラ41の表面温度を検出して、アナログの電圧値の検出温度信号を出力する。サーモスタットは、定着ローラ41の近傍であって、定着ヒータへの電力線に接続されており、所定の遮断温度以上に上昇すると、オフとなって、定着ヒータへの通電を遮断する。
上記露光部33Y、33C、33M、33Kは、例えば、それぞれYCMK各色用のLEDアレイヘッドを備えている。各色用のLEDアレイヘッドは、それぞれYCMK各色の画像データに応じてLEDが点灯制御されることで、感光体31Y、31C、31M、31Kに書込光を照射する。
そして、画像形成装置1は、電力供給部(電力供給装置)50の要部が、図2に示すようにブロック構成されている。電力供給部50は、分離電力部51、クリーニング出力抽出部52、二次転写電力部53及び出力フィードバック回路54を備えており、画像形成装置1は、主制御部61を備えている。
分離電力部(分離電力供給手段)51は、分離トランス51aと分離出力制御部51bを備えている。分離出力制御部51bは、図外の電源供給部からの電力を、分離トランス51aの一次巻線へ供給する。分離トランス51aは、二次巻線が、分離出力Pbに接続されており、二次巻線に発生する電力を、分離電力Vbとして、分離出力Pbに出力する。分離出力Pbは、分離トランス51aからの一定の分離電力Vbを、転写ベルト21、用紙P等の負荷へ印加する。また、分離トランス51aは、二次巻線の発生電力を、クリーニング出力抽出部52へ出力する。
分離出力制御部51bは、分離トランス51aの二次巻線に発生する分離電力Vbが、分離出力モニタVbとして入力され、また、主制御部61から分離制御信号が入力される。分離出力制御部51bは、分離出力モニタVbが、主制御部61からの分離制御信号で設定される目標の分離電力となるように、分離トランス51aへの供給電力を制御する。
クリーニング出力抽出部(クリーニング電力供給手段)52は、後述するように、主制御部61が求めて予め設定されている分割比で、分離電力部51の出力電力を分割するように構成されている。クリーニング出力抽出部52は、非作像期間に、分離電力(クリーニング時分離出力電力)を分割比で分割した分割電力を、転写出力Ptへクリーニング電力Vcとして出力する。電力供給部50は、クリーニング電力Vcを、転写出力Ptから分離電力供給部25を通して転写ベルト21へ供給し、転写ベルト21に付着しているトナー等を除去するクリーニング処理を行う。
そして、主制御部61は、上記クリーニング処理時には、クリーニング制御信号を分離出力制御部51bへ出力し、後述するように、クリーニング電力Vcが、目標のクリーニング電力となるように、分離電力部51の出力電力を制御する。
二次転写電力部(転写電力供給手段)53は、二次転写トランス53aと二次転写出力制御部53bを備えている。二次転写出力制御部53bは、図外の電源供給部からの電力を、二次転写トランス53aの一次巻線へ供給する。二次転写トランス53aは、二次巻線が、転写出力Ptに接続されており、二次巻線に発生する電力を、二次転写電力Vtとして、転写出力Ptに出力する。転写出力Ptは、二次転写トランス53aからの二次転写電力(転写電力)Vtを、二次転写ローラ24へ印加する。
二次転写出力制御部53bは、二次転写トランス53aの二次巻線に発生する二次転写電力Vtが、二次転写出力モニタVtとして入力され、二次転写出力モニタVtが目標の二次転写電力となるように、二次転写トランス53aへの供給電力を制御する。
出力フィードバック回路(フィードバック手段)54は、二次転写トランス53aとクリーニング出力抽出部52の接続されている転写出力Ptに接続されている。出力フィードバック回路54は用紙Pへトナー画像を転写する際に負荷Lへ印加する逆特性のバイアス値を電圧値に換算してフィードバック信号として主制御部61へ出力する。ここで、逆特性のバイアス値とは、バイアスが電流の場合は電圧値を意味し、バイアスが電圧の場合は電流値を意味する。また、バイアスとは、転写、クリーニング、分離のために印加される電圧または電流を意味する。
主制御部(制御手段)61は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成されている。主制御部61は、ROMに、画像形成装置1の基本プログラム及び本発明の電力供給方法を実行する電力供給プログラムが格納されている。主制御部61は、CPUが、ROM内のプログラムに基づいて、RAMをワークメモリとして利用しつつ、画像形成装置1の各部を制御して、画像形成装置1としての基本処理を実行するとともに、本発明の電力供給方法を実行する。特に、主制御部61は、出力フィードバック回路54から入力されるフィードバック信号に基づいて、負荷Lへ印加されるバイアスを監視し、二次転写出力制御部53bの制御する目標二次転写電力を補正することで、画像品質をフィードバック制御する。さらに、主制御部61は、出力フィードバック回路54を利用して二次転写電力部53からみた負荷Lの抵抗値が、非作像期間の負荷Lの抵抗値と比較して所定値以下の誤差となる条件下において、負荷Lの抵抗値を測定する。主制御部61は、測定した負荷Lの抵抗値とクリーニング出力抽出部52の分割比によって分圧された分離電圧が転写ベルト21のクリーニング時に負荷Lに印加される電圧値を算出する。
なお、この非作像期間は、例えば、転写ベルト21のクリーニング期間等である。
そして、画像形成装置1は、その電力供給部50のクリーニング出力抽出部52の分割比が、主制御部61が算出した電圧値に基づいて設定されている。
上記クリーニング出力抽出部52は、例えば、図3に示すように、分割抵抗Ra、Rbを用いたクリーニング出力抽出部52aであってもよい。クリーニング出力抽出部52aは、分離トランス51aの出力と転写出力Ptとの間に、分割抵抗Raが直列に、分割抵抗Rbが並列に接続され、分割抵抗Raと分割抵抗Rbとの抵抗比に応じた分割比で、分離電圧を分圧(分割)して転写出力Ptへ出力する。
また、クリーニング出力抽出部52は、例えば、図4に示すように、分離トランス51aの一次巻線M1に対向する二次主巻線M2aと二次副巻線M2bを、分離電圧用とクリーニング用として利用してもよい。
すなわち、分離トランス51aは、分離時には、一次巻線M1と二次主巻線M2a及び平滑化回路H1によって、分離電力Vbを生成して、分離出力Pbへ出力する。平滑化回路H1は、例えば、2つのダイオードD11、D12と2つのコンデンサC11、C12等で構成されており、二次主巻線M2aに発生する二次電力を、平滑化して分割電力とする。
クリーニング出力抽出部52bは、分離トランス51aの二次副巻線M2b及び平滑化回路H2によって、クリーニング時に、クリーニング電力Vcを生成して、クリーニング出力(転写出力)Ptへ出力する。平滑化回路H2は、例えば、2つのダイオードD21、D22と2つのコンデンサC21、C22等で構成されており、二次副巻線M2bに発生する二次電力を、平滑化してクリーニング電力Vcとする。
なお、図4のクリーニング出力抽出部52bは、分離出力の出力電力を分離出力制御部51bにより目標値に制御することができるが、二次副巻線M2bの出力であるクリーニング電力が、二次主巻線M2aの出力に対してある一定比の出力となる。そして、このクリーニング電力は、負荷Lの抵抗値に応じて負荷Lに印加される電圧値が変わることから、負荷Lの抵抗値に依存することとなる。ところが、分離出力電力とクリーニング出力電力の出力経路が異なるため、図3に示した分割抵抗Ra、Rbを用いた場合に比較して、分離出力電力またはクリーニング出力電力の急激な出力変動が、他方の出力電力に影響しにくいという利点がある。
さらに、クリーニング出力抽出部52は、例えば、図5に示すように、分離トランス51aの二次主巻線M2に、分離出力用の平滑化回路H1とクリーニング出力用の平滑化回路H2を接続して、クリーニング出力抽出部52cとして利用してもよい。
すなわち、分離トランス51aは、二次主巻線M2に、分割電力とクリーニング電力を生成する。平滑化回路H1は、例えば、2つのダイオードD11、D12と2つのコンデンサC11、C12等で構成されており、二次主巻線M2に発生する二次電力を平滑化して、分離電力Vbとして分離出力Pbへ出力する。平滑化回路H2は、例えば、2つのダイオードD21、D22と2つのコンデンサC21、C22等で構成されており、二次主巻線M2に発生する二次電力を、平滑化してクリーニング電力Vcとする。
そして、上記図3、図4及び図5に示したクリーニング出力抽出部52a、52b、52cにおける分離電力部51、クリーニング出力抽出部52及び二次転写電力部53は、図6に示すような構成パターンを取ることができる。
すなわち、本実施例の画像形成装置1の電力供給部50は、分離電力部51とクリーニング出力抽出部52の出力が、その極性として、同極性と異極性のいずれであってもよい。また、出力フィードバック回路54は、クリーニング時のフィードバック信号として、二次転写電力部53が、二次転写電力を定電圧制御する場合には、出力電流を、二次転写電力を定電流制御する場合には、出力電圧を、それぞれフィードバックする。したがって、二次転写電力部53が定電流制御、定電圧制御のいずれであっても、電圧と電流の関係から負荷Lの抵抗値を、主制御部61が求めることができ、図6に構成1から構成4として示したように、適用することができる。すなわち、図6において、二次転写電力部53が定電流制御、定電圧制御のいずれであってもよいので、構成1と構成2のような構成とすることができる。また、図6において、分離電力部51とクリーニング出力抽出部52が、その極性として、同極性と異極性のいずれであってもよいので、構成3と構成4のような構成とすることができる。
また、クリーニング出力抽出部52は、例えば、図7に示すように、分離トランス51aの一次巻線M1に対向する二次主巻線M2aと二次副巻線M2bを、分離電圧用とクリーニング出力抽出部52d用として利用してもよい。
すなわち、分離トランス51aは、図4と同様に、一次巻線M1と二次主巻線M2a及び平滑化回路H1によって、分離電力Vbを生成して、分離出力Pbへ出力する。平滑化回路H1は、上記同様に、2つのダイオードD11、D12と2つのコンデンサC11、C12等で構成されており、二次主巻線M2aに発生する二次電力を、平滑化して分離電力Vbとする。
クリーニング出力抽出部52dは、分離トランス51aの二次副巻線M2b及び平滑化回路H4によって、図4の場合とは極性を反転させたクリーニング電力Vcを生成して、クリーニング出力Ptへ出力する。平滑化回路H4は、例えば、2つのダイオードD41、D42と、上記同様の2つのコンデンサC21、C22等で構成されており、二次副巻線M2bに発生する二次電力を、図4の場合とは極性を反転させるとともに、平滑化してクリーニング電力とする。ただし、二次転写出力とクリーニング出力は、常に逆極性の関係にあるため、二次転写出力と分離出力が、同じ極性となる。
したがって、この場合にも、主制御部61は、出力フィードバック回路54による二次転写出力のフィードバック信号を利用してクリーニング時における負荷Lの抵抗値を算出することができる。その結果、図7のクリーニング出力抽出部52dのように、二次転写出力とクリーニング出力の極性が逆極性の関係にあれば、二次転写出力と分離出力の極性が同じ、または、逆であってもよい。
さらに、クリーニング出力抽出部52は、例えば、図8に示すように、分離トランス51aの二次主巻線M2に、分離出力用の平滑化回路H1とクリーニング出力用の平滑化回路H4を接続して、クリーニング出力抽出部52eとして利用してもよい。
すなわち、分離トランス51aは、二次主巻線M2に、分離電力Vbとクリーニング電力Vcを生成する。平滑化回路H1は、上記同様に、2つのダイオードD11、D12と2つのコンデンサC11、C12等で構成されており、二次主巻線M2に発生する二次電力を平滑化して、分離電力Vbとして分離出力Pbへ出力する。平滑化回路H4は、図7と同様に、2つのダイオードD41、D42と2つのコンデンサC21、C22等で構成されており、二次主巻線M2に発生する二次電力を、図5の場合とは極性を反転させるとともに、平滑化してクリーニング電力Vcとする。
そして、上記図7及び図8に示したクリーニング出力抽出部52d、52eにおける分離電力部51、クリーニング出力抽出部52及び二次転写電力部53は、図9に示すような構成パターンを取ることができる。
すなわち、図9に示す場合においても、図6の場合と同様に、二次転写電力部53は、二次転写電力Vtを、定電流制御、定電圧制御のいずれでも制御できるため、構成5及び構成6のような構成とすることができる。また、二次転写電力Vtと分離電力Vbを同極性、一方で、クリーニング出力が異極性となるようにダイオードD41、D42の向きを、図4、図5の場合とは逆向きに調整しているので、構成7及び構成8のような構成とすることができる。なお、クリーニング電力と二次転写電力は、同一出力端子である転写出力Ptから二次転写ローラ24へ出力されるため、同極性にすることはできない。
そして、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の電力供給方法を実行する電力供給プログラムを読み込んで主制御部61のROM等に導入することで、後述する電力供給部の数を削減しつつ、転写部材をクリーニングする際のクリーニング電力を適切に制御する電力供給方法を実行する電力供給部50を搭載する画像形成装置として構築されている。この電力供給プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、電力供給部50の高圧電力発生部であるトランスの数を削減しつつ、転写部材である二次転写ローラ24をクリーニングする際のクリーニング電力を適切に制御する。
すなわち、画像形成装置1は、転写ベルト21上に転写されたトナー画像を、転写ベルト21と二次転写ローラ24との間に搬送されてくる用紙Pに、二次転写ローラ24に二次転写電力部53から供給される二次転写電力Vtによって、用紙Pへ二次転写させる。
画像形成装置1は、主制御部61の制御下で、二次転写の前後に、分離電力部51からの電力を、クリーニング出力抽出部52で、予め設定されている分割比で分割した分割電力を、クリーニング電力Vcとして、転写出力Ptへ出力する。
転写出力Ptは、二次転写ローラ24に接続されており、二次転写ローラ24は、クリーニング電力Vcが供給されることで、二次転写ローラ24上に残留する残留トナー等の異物を除去する。
画像形成装置1は、二次転写のタイミングに、分離電力部51から所定の目標分割電力に、電力調整した分離電力Vbを分離出力Pbへ出力する。
分離出力Pbは、分離電力供給部25に接続されており、分離電力供給部25は、分離電力Vbを転写ベルト21へ供給して、トナー画像の転写の完了した用紙Pを転写ベルト21から分離させる。
そして、画像形成装置1は、分離出力、転写出力、クリーニング出力が、従来のように、それぞれ分かれているときには、図10に示すように、分離出力、クリーニング出力及び転写出力は、それぞれ分離した状態で出力される。
ところが、本実施例の画像形成装置1は、二次転写時(作像時)に、二次転写電力Vtを二次転写電力部53から転写出力Ptを介して二次転写ローラ24へ供給するとともに、分離電力部51から分離電力Vbを分離出力Pbを介して分離電力供給部25へ出力する。
そして、クリーニング出力抽出部52は、作像時においても、分離電力部51の出力する電力が入力され、この電力を上記分割比で分割した分割電力Vbtを転写出力Ptから転写ベルト21へ出力する。
したがって、画像形成装置1においては、図11に破線で示す示すように、クリーニング時に、分離電力部51からクリーニング用電力を出力して、クリーニング出力抽出部52で分割したクリーニング出力Vcを転写出力Ptから出力する。画像形成装置1は、このクリーニング出力Vcにより、二次転写ローラ24をクリーニングする。また、作像時に、二次転写電力部53から、通常は、二次転写電力Vtを転写出力Ptに出力し、分離電力Vbを分離電力部51から分離出力Pbへ出力するが、分離電力部51の出力電力がクリーニング出力抽出部52で分割された分割電力Vbtが転写出力Ptへ出力される。そこで、主制御部61は、二次転写電力部53に、二次転写電力として、通常の二次電力Vtに、分割電力Vbtを上乗せした電力(Vt+Vbt)を、転写出力Ptへ出力させる。
そして、クリーニング出力抽出部52は、図2から図5及び図7、図8に示したように、分離電力部51の出力する電力を、予め設定された分割比で分割した分割電力を、クリーニング電力Vcとして出力する。
クリーニング電力Vcは、クリーニング時に分離電力部51の出力する電力とクリーニング時の負荷Lの抵抗値(クリーニング時負荷抵抗値)及び内部の抵抗値によって決定される。
そこで、画像形成装置1は、クリーニング時負荷抵抗値Rtを測定して、クリーニング時にクリーニング電力Vcを出力するために分離電力部51が出力するべきクリーニング時分離出力電力を算出する。ところが、このクリーニング時負荷抵抗値を測定する際に、上記回路条件以外の負荷が存在すると、誤った負荷抵抗値を測定することとなる。
したがって、画像形成装置1は、クリーニング時負荷抵抗値を、出力フィードバック回路54を通して二次転写電力部53からみた負荷抵抗値が、クリーニング出力抽出部52からクリーニング電力を供給する際の負荷抵抗値と比較して所定値以下の誤差となる特定条件下において、主制御部61が、該出力フィードバック回路54の出力するフィードバック信号に基づいて特定条件下負荷抵抗値Rtとして算出する。
そして、クリーニング時負荷抵抗値Rtは、画像形成装置1の負荷Lの材料、稼働状況、設置環境等によって変化し、クリーニング時の負荷Lは、転写ベルト21と用紙Pによるものである。さらに、抵抗値は、後述するように、温度によって変動する。
そこで、本実施例の画像形成装置1は、クリーニング時と同様の条件を特定条件として、該特定条件において、出力フィードバック回路54が出力するフィードバック信号に基づいて、主制御部61が、該特定条件下における負荷抵抗値Rtを算出する。
すなわち、負荷Lは、簡易モデルとして、作像時には、図12(a)に示すように示され、転写ベルト21及び二次転写ローラ24の負荷分に加えて、用紙P及びトナーの電荷が重畳された負荷となっている。ところが、クリーニング時には、負荷Lは、図12(b)に示すように、転写ベルト21及び二次転写ローラ24の負荷分のみである。
また、クリーニング時の負荷Lは、図12に示したように、抵抗分を有しており、転写ベルト21の抵抗は、図13に示すように、温度に依存して変化し、例えば、画像形成装置1の電源がオンになってからの機内温度によって変動する。そして、画像形成装置1は、図14に示すように、電源がオンになってからの時間の経過に対して、負荷Lが、作像時と非作像時では、大きく異る。すなわち、負荷Lは、作像時には、作像動作によって機内温度が変化するのに伴って、大きく変化するが、非作像時には、機内温度変化が少ないことから、滑らかに変化する。
そして、上述のように、特定条件下の負荷Lの抵抗値Rtは、可能な限りクリーニング時と同じ条件で測定する必要がある。すなわち、図15に示すように、一次転写による残留電荷が転写ベルト21上に存在したまま二次転写ローラ24に移動してくると、主制御部61は、図12に示したように、この電荷の影響を受けて、特定条件下での負荷抵抗値の測定を行うことができない。すなわち、作像時は、電荷を持ったトナーや用紙Pが介在しているため、上述のように、特定条件下にあるとはいえず、特定条件下の負荷抵抗値の測定タイミングとしては適していない。また、調整モード等の非作像時であっても、転写部35Y〜35Kが存在するため、図15に示すように、転写ベルト21上に一次転写バイアスによる残留電荷が残っている場合がある。この場合も、特定条件下とはいえず、出力フィードバック回路54を用いて測定した負荷抵抗値が、クリーニング時の負荷抵抗値と一致しない。すなわち、クリーニング時の負荷Lを測定する特定条件としては、転写ベルト21上に残留電荷が存在しない状態であることが必要となる。
ところが、クリーニング負荷測定モードを特別に設けると、印刷時間に影響を与え、生産性に影響することとなるため、上記特定条件を回避できる別の調整モード時に、クリーニング負荷の測定を行う必要がある。
一方、転写ベルト21は、電荷を帯びたトナーが存在しないときには、図16に示すように、転写ベルト21上の残留電位は、時間の経過とともに減衰する。そして、転写ベルト21の材質にもよるが、図16に示すように、転写ベルト21が、500Vに帯電している場合であっても、0.1s後には、残留電位は、30V以下となる。
いま、クリーニング時の負荷測定を行う際の転写出力(定電流制御の場合)を50uAとした場合、抵抗値の誤差は、0.6MΩとなる。一般的に、クリーニング時の負荷抵抗値は、数十MΩであるため、誤差の許容値を±1MΩ以下とすると、0.6MΩの誤差は、許容範囲内に収まる。そこで、例えば、図17に示すように、転写ベルト21の移動速度を、150mm/s、二次転写上流50mmに一次転写が存在するものとする。この場合、一次転写で印加された転写ベルト21上の電荷は、0.33s後に、二次転写に到達するため、クリーニング負荷測定の特定条件を満たす。
すなわち、主制御部61は、転写ベルト21から用紙Pへのトナー画像(記録剤像)の転写動作が非動作であることを、特定条件として、前記フィードバック信号に基づく特定条件下負荷抵抗値の算出を行ってもよい。
また、主制御部61は、転写ベルト21の残留電荷減衰特性に基づいて、該転写ベルト21上の残留電荷がフィードバック信号に基づく特定条件下負荷抵抗値の算出に対する影響を無視可能な電荷量に減衰するタイミングを求めて、該タイミングを特定条件を満たしたタイミングとして、該フィードバック信号に基づく特定条件下負荷抵抗値の算出を行ってもよい。
さらに、主制御部61は、感光体(像担持体)31Y、31C、31M、31Kから転写ベルト(転写部材)21へのトナー(記録剤像)の転写から該転写ベルト21の二次転写ローラ(転写電力供給部材)24との対向位置への搬送速度及び転写ベルト21の残留電荷減衰特性に基づいて、転写ベルト21上の残留電荷がフィードバック信号に基づく特定条件下負荷抵抗値の算出に対する影響を無視可能な電荷量に減衰するタイミングを求めて、該タイミングを特定条件を満たしたタイミングとして、該フィードバック信号に基づく該特定条件下負荷抵抗値の算出を行ってもよい。
そこで、主制御部61は、上記特定条件を満たしたタイミングに、図18に示すように、特定条件下負荷抵抗値に基づくクリーニング時に、分離電力部51が出力すべきクリーニング時分離出力電力(クリーニング時分離出力電圧)を求める処理を行う。
すなわち、クリーニング時分離出力電力算出モードへ移行すると、主制御部61は、図18に示すように、転写出力Ptに、クリーニング時分離出力電力算出モード用の設定電流Itを設定し、二次転写電力部53から出力させる(ステップS101)。なお、クリーニング時分離出力電力算出モードを、適宜、調整モードともいう。
主制御部61は、設定電流Itを転写出力Ptへ流しているときに、電圧値に換算したフィードバック信号である出力電圧Vtを出力フィードバック回路54から取得する(ステップS102)。
主制御部61は、設定電流Itと出力電圧Vtからクリーニング負荷抵抗値(特定条件下負荷抵抗値)Rtを算出する(ステップS103)。
主制御部61は、クリーニング時の負荷Lが、この特定条件下負荷抵抗値Rtであるとして、クリーニング時に、意図するクリーニング電圧Vcを、転写出力Ptへ出力するのに必要な分離電力部51が出力すべきクリーニング時分離出力電力Vc+を算出する。主制御部61は、このクリーニング時分離出力電力(クリーニング時分離出力電圧)Vc+を、上記特定条件下負荷抵抗値Rtとクリーニング出力抽出部52の分割比に基づいて、算出する。主制御部61は、算出したクリーニング時分離出力電力Vc+を、内部メモリに保存して、クリーニング時分離出力電力算出処理を終了する(ステップS104)。
そして、主制御部61は、クリーニング時分離出力電力算出処理を伴う印刷処理を、図19に示すように実行する。すなわち、主制御部61は、画像形成装置1の電源がオン(ON)、スリープ状態からの復帰が発生すると(ステップS201)、まず、上記クリーニング時分離出力電力算出処理を行う(ステップS202)。
主制御部61は、予め設定されている所定枚数印刷したか、または、所定温度変化したかチェックする(ステップS203)。この所定枚数の印刷は、上記クリーニング負荷抵抗値の変化が、クリーニング時分離出力電力Vc+の算出をやり直すのに必要な印刷枚数として、予め設定されている。また、所定温度変化は、上記クリーニング負荷抵抗値の温度による変化が、クリーニング時分離出力電力Vc+の算出をやり直すのに必要な温度変化として、予め設定されている。
ステップS203で、所定枚数の印刷と温度変化の双方が発生していないとき(ステップS203で、NOのとき)、主制御部61は、印刷を実行し(ステップS204)、印刷が終了したかチェックする(ステップS205)。
ステップS205で、印刷が終了していないときには(ステップS205で、NOのとき)、主制御部61は、ステップS203に戻って、所定枚数の印刷と温度変化のチェックから上記同様に処理する(ステップS203〜S205)。
ステップS205で、印刷が終了すると(ステップS205で、YESのとき)、主制御部61は、電源がオフ(OFF)かチェックする(ステップS206)。ステップS206で、電源がOFFでないと(ステップS206で、NOのとき)、主制御部61は、ステップS203に戻って、上記同様に処理する(ステップS203〜S206)。
ステップS203で、所定枚数の印刷と所定温度の変化のうち、少なくともいずれかが発生すると(ステップS203で、YESのとき)、主制御部61は、ステップS202に戻って、クリーニング時分離出力電力算出処理から上記同様に処理する(ステップS202〜S206)。
ステップS206で、電源がオフの時(ステップS206で、YES)、主制御部61は、電源をオフにして、処理を終了する(ステップS207)。
そして、主制御部61は、印刷時において、図20に示すように、分離電力部51の出力電力(電圧制御の場合、出力電圧)を、分離時出力電力とクリーニング時出力電力とに制御する電力制御処理を行う。
すなわち、主制御部61は、印刷を開始すると、クリーニング出力開始要求があるか、すなわち、クリーニングタイミングになるのを待つ(ステップS301)。
ステップS301で、クリーニング出力開始要求があると(ステップS301で、YES)、主制御部61は、分離電力部51の出力を、クリーニング時出力電力に設定して、分離電力部51の出力をオン(ON)にする(ステップS302)。電力供給部50は、この状態で、分離電力部51からのクリーニング時出力電力を、クリーニング出力抽出部52で分割して、クリーニング出力Vcを、転写出力Ptから二次転写ローラ24へ出力して、二次転写ローラ24の作像前クリーニングを行う。
主制御部61は、分離電力部51の出力をオンすると、クリーニング出力停止要求があるか、すなわち、クリーニング終了タイミングになるのを待つ(ステップS303)。
ステップS303で、クリーニング出力停止要求があると(ステップS303で、YESのとき)、主制御部61は、分離電力部51の出力をオフ(OFF)にして、作像前クリーニングを完了する(ステップS304)。
主制御部61は、作像前クリーニングを完了すると、分離出力開始要求があるか、すなわち、作像タイミング(分離タイミング)になるのを待つ(ステップS305)。
ステップS305で、分離出力開始要求があると(ステップS305で、YESのとき)、主制御部61は、分離電力部51の出力を、分離時出力電力に設定して、分離電力部51の出力をオン(ON)にする(ステップS306)。
電力供給部50は、この状態で、分離電力部51からの分離時出力電力を、分離出力Ptから分離電力Vbとして出力し、作像の完了した用紙Pを転写ベルト21から分離させる。このとき、電力供給部50は、分離時出力電力をクリーニング出力抽出部52で分割した分割電力Vbtが、図11に示したように、転写出力Ptから二次転写ローラ24へ出力される。そこで、主制御部61は、上述のように、この分割電力Vbtを上乗せした電力(Vt+Vbt)を、二次転写電力部53に転写出力Ptへ出力させる。
このようにすることで、二次転写電力Vtを、二次転写ローラ24へ供給して、転写ベルト21から用紙Pへのトナー画像の転写を適切に行うことができる。
主制御部61は、分離時出力電力の出力をオンにすると、分離出力停止要求があるか、すなわち、分離終了タイミングになるのを待つ(ステップS307)。
ステップS307で、分離出力停止要求があると(ステップS307で、YESのとき)、主制御部61は、分離電力部51の出力を、オフにして、分離処理、すなわち、二次転写処理を終了する(ステップS308)。
主制御部61は、分離処理を終了すると、クリーニング出力開始要求があるか、すなわち、作像後のクリーニングタイミングになるのを待つ(ステップS309)。
ステップS309で、クリーニング出力開始要求があると(ステップS309で、YESのとき)、主制御部61は、分離電力部51の出力を、クリーニング時出力電力に設定して、分離電力部51の出力をオン(ON)にする(ステップS310)。電力供給部50は、この状態で、分離電力部51からのクリーニング時出力電力を、クリーニング出力抽出部52で分割して、クリーニング出力Vcを、転写出力Ptから二次転写ローラ24へ出力して、二次転写ローラ24の作像後クリーニングを行う。
主制御部61は、分離電力部51の出力をオンすると、クリーニング出力停止要求があるか、すなわち、クリーニング終了タイミングになるのを待つ(ステップS311)。
ステップS311で、クリーニング出力停止要求があると(ステップS311で、YESのとき)、主制御部61は、分離電力部51の出力をオフ(OFF)にして、作像後クリーニングを終了して、電力制御処理を終了する(ステップS312)。
したがって、電力供給部50は、画像形成装置1における画像形成動作におけるクリーニング電力Vc、二次転写電力Vt及び分離電力Vbとして、適切な電力を供給することができる。さらに、電力供給部50は、クリーニング電力Vcを、分離電力Vbから正確に分割して、生成することができる。
なお、本発明は、電力供給部50が、電力制御を主に電圧制御する場合について、説明したが、電流制御する場合にも同様に適用することができる。
このように、本実施例の画像形成装置1は、その電力供給部(電力供給装置)50が、感光体(像担持体)31Y、31C、31M、31K上から転写ベルト(転写部材)21に転写されているトナー画像(記録剤像)を、該転写ベルト21と二次転写ローラ(転写電力供給部材)24との間に搬送されてくる用紙(被記録媒体)Pに、転写させる転写電力を該二次転写ローラ24へ供給する二次転写電力部(転写電力供給手段)53と、前記二次転写電力部53から前記転写電力を前記二次転写ローラ24へ供給する際に、負荷へ印加する該転写電力とは逆特性のバイアス値を電力に換算してフィードバック信号として出力する出力フィードバック回路(フィードバック手段)54と、前記フィードバック信号に基づいて、前記二次転写電力部53の供給する前記転写電力を制御する主制御部(制御手段)61と、前記トナー画像の転写された前記用紙Pを前記転写ベルト21から分離させる分離電力を分離電力供給部(分離電力供給部材)25へ供給する分離電力部(分離電力供給手段)51と、前記分離電力部51の出力する電力を所定の分割比で分割した分割電力を、少なくとも前記転写ベルト21から前記用紙Pへ前記トナー画像を転写する作像期間以外の適宜の期間をクリーニング期間として、前記二次転写ローラ24上のトナー(記録剤)を除去するクリーニング電力として該二次転写ローラ24に供給するクリーニング出力抽出部(クリーニング電力供給手段)52と、を備え、前記主制御部61は、前記出力フィードバック回路54を通して前記二次転写電力部53からみた負荷抵抗値が、前記クリーニング出力抽出部52から前記クリーニング電力を供給する際の負荷抵抗値と比較して所定値以下の誤差となる特定条件下において、該出力フィードバック回路54の出力する前記フィードバック信号に基づいて特定条件下負荷抵抗値Rtを算出し、該特定条件下負荷抵抗値Rtと前記分割比に基づいて、前記クリーニング期間に、前記分離電力部51の供給する前記電力を制御する。
したがって、クリーニング時における負荷抵抗を特定条件下負荷抵抗値Rtとして正確に測定して、該特定条件下負荷抵抗値Rtに基づいて、クリーニング時に、クリーニング出力抽出部52がクリーニング電力を出力できる分離電力部51の出力電力を算出して、制御している。その結果、電力供給部50のトランスの数を削減しつつ、転写ベルト21をクリーニングする際のクリーニング電力を適切に制御することができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、その電力供給部(電力供給装置)50が、感光体31Y、31C、31M、31K上から転写ベルト21に転写されているトナー画像を、該転写ベルト21と二次転写ローラ24との間に搬送されてくる用紙Pに、転写させる転写電力を該二次転写ローラ24へ二次転写電力部53から供給する転写電力供給処理ステップと、前記二次転写電力部53から前記転写電力を前記二次転写ローラ24へ供給する際に、出力フィードバック回路54によって、負荷Lへ印加する該転写電力とは逆特性のバイアス値を電力に換算してフィードバック信号を出力するフィードバック処理ステップと、前記フィードバック信号に基づいて、前記二次転写電力部53の供給する前記転写電力を主制御部61によって制御する制御処理ステップと、前記トナー画像の転写された前記用紙Pを前記転写ベルト21から分離させる分離電力を分離電力部51から分離電力供給部25へ供給する分離電力供給処理ステップと、前記分離電力供給部25の出力する電力を所定の分割比で分割した分割電力を、クリーニング出力抽出部52で生成し、少なくとも前記転写ベルト21から前記用紙Pへ前記トナー画像を転写する作像期間以外の適宜の期間をクリーニング期間として、前記二次転写ローラ24上のトナーを除去するクリーニング電力として該二次転写ローラ24へ供給するクリーニング電力供給処理ステップと、を有し、前記制御処理ステップは、前記出力フィードバック回路54を通して前記二次転写電力部53からみた負荷抵抗値が、前記クリーニング出力抽出部52から前記クリーニング電力を供給する際の負荷抵抗値と比較して所定値以下の誤差となる特定条件下において、該出力フィードバック回路54の出力する前記フィードバック信号に基づいて特定条件下負荷抵抗値Rtを算出し、該特定条件下負荷抵抗値Rtと前記分割比に基づいて、前記クリーニング期間に前記分離電力部51の供給する前記電力を制御する。
したがって、クリーニング時における負荷抵抗を特定条件下負荷抵抗値Rtとして正確に測定して、該特定条件下負荷抵抗値Rtに基づいて、クリーニング時に、クリーニング出力抽出部52がクリーニング電力を出力できる分離電力部51の出力電力を算出して、制御している。その結果、電力供給部50のトランスの数を削減しつつ、転写ベルト21をクリーニングする際のクリーニング電力を適切に制御することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1の電力供給部50は、前記主制御部61が、前記転写ベルト21から前記用紙Pへの前記トナー画像の転写動作が非動作であることを、前記特定条件として、前記フィードバック信号に基づく前記特定条件下負荷抵抗値Rtの算出を行う。
したがって、正確に特定条件下負荷抵抗値Rtを算出することができ、電力供給部50のトランスの数を削減しつつ、転写ベルト21をクリーニングする際のクリーニング電力をより一層適切に制御することができる。
また、本実施例の画像形成装置1の電力供給部50は、前記主制御部61が、前記転写ベルト21の残留電荷減衰特性に基づいて、該転写ベルト21上の残留電荷が前記フィードバック信号に基づく前記特定条件下負荷抵抗値の算出に対する影響を無視可能な電荷量に減衰するタイミングを求めて、該タイミングを前記特定条件を満たしたタイミングとして、該フィードバック信号に基づく該特定条件下負荷抵抗値Rtの算出を行う。
したがって、より正確に特定条件下負荷抵抗値Rtを算出することができ、電力供給部50のトランスの数を削減しつつ、転写ベルト21をクリーニングする際のクリーニング電力をより一層適切に制御することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1の電力供給部50は、前記主制御部61が、前記感光体31Y、31C、31M、31Kからのトナー画像の転写から前記二次転写ローラ24との対向位置への前記転写ベルト21の搬送速度及び該転写ベルト21の残留電荷減衰特性に基づいて、該転写ベルト21上の残留電荷が前記フィードバック信号に基づく前記特定条件下負荷抵抗値Rtの算出に対する影響を無視可能な電荷量に減衰するタイミングを求めて、該タイミングを前記特定条件を満たしたタイミングとして、該フィードバック信号に基づく該特定条件下負荷抵抗値Rtの算出を行う。
したがって、より一層正確に特定条件下負荷抵抗値Rtを算出することができ、電力供給部50のトランスの数を削減しつつ、転写ベルト21をクリーニングする際のクリーニング電力をより一層適切に制御することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。