JP6040624B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ又はそれらの複合機等の画像形成装置に関する。
電子写真方式において、転写バイアスの制御としては大きく分けて定電流制御と定電圧制御がある。定電流制御は転写部材の抵抗に依らず、ニップ中の転写電圧を確保できるところにメリットがあるが、印刷画像の画像面積やプロセス条件(現像ユニットに印加される現像バイアス、感光体表面に印加される帯電バイアス又はドラム電位、トナー帯電量など)の変動時に狙いの転写電圧に制御しにくいというデメリットがある。逆に、定電圧制御では、特に画像面積による転写バイアスの制御においては優れるものの、転写部材の抵抗変動があるとニップ中の転写電圧を狙いの値に制御できなくなるというデメリットがある。
この問題を解決する方法として、定電流制御においては、画像面積に応じた転写電流制御が既に知られている。また、定電圧制御ではATVCが既に知られており、「ATVC」(Active Transfer Voltage Control)は、ある目標電流を印加してそのときの電圧を記録し、その電圧で定電圧制御をして作像する制御方式である。
しかし、今までの転写バイアス制御方式には画像面積やプロセス条件に依らない画像品質を確保しようとすると次の問題があった。
(1)画像面積に応じて目標を変える定電流制御 ⇒ 制御としては複雑で、機械が大型化しやすい。
(2)ATVC ⇒ 定電流を印加したときの電圧を確認して、その電圧に設定をセットする初期設定調整動作が必要であり、シーケンスを煩雑にしている。
特許文献1には、高抵抗紙の転写不良などを抑えつつ、転写バイアスによる感光ドラム端部のドラムメモリを軽減でき、端部かぶりの発生を防止する事ができる画像形成装置を提供するため、転写バイアスの制御を、プリント枚数、転写ローラ抵抗又は温度や湿度などの環境により定電圧と定電流のいずれかに切り替えることが開示されている。しかし、同一ジョブでも枚数管理により定電流と定電圧を切り替えているため、例えば画像面積が階段状に増えているような画像の場合、定電流制御と定電圧制御の際の転写品質が異なってしまう。
特許文献2には、定電圧転写制御を行うとともに、検出電流値が所定の最適範囲から外れた場合には、最適範囲内の中央値付近を代表する適切な電流値を制御電流値とする定電流転写制御に一時的に切り換えてその時の転写電圧値を検出し、さらに、この検出電圧値を新たな制御電圧値として採用する定電圧転写制御に切り換えるように、装置の転写制御を行うことが開示されている。しかし、この制御はやや複雑である。
従来の技術では、依然として制御が煩雑で、画像面積に依らない品質が確保されていない。
そこで、本発明は、複雑な制御を用いずに安価な電源を用いて印刷画像の画像面積に依らない安定した画像品質が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
この目的を解決するため、本発明は、像担持体、該像担持体上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段、該像担持体上の該トナー像を中間転写体に一次転写する一次転写手段を有し、該一次転写手段の転写バイアスは定電流制御により制御され、記録媒体の通紙方向と直交方向における該トナー像の画像面積率及び該像担持体の電位、該現像手段に印加される現像バイアス、トナー帯電量の少なくとも1つのプロセス条件に応じて該一次転写手段の電圧がリミッタ電圧に達すると、該定電流制御は定電圧制御に切り替えられ、温度や湿度などの環境に依らず、前記定電流制御となる前記プロセス条件と前記画像面積率の組み合わせが存在することを特徴とする画像形成装置を提案する。
定電流制御を用いるため、抵抗検知などの初期設定調整動作を行わずに一次転写手段の抵抗を補正することができ、また高画像面積又はドラム電位が低いときなどの過転写になりやすい条件においては電圧を規制することで過転写にならず良好な画像品質を得ることができる。所定の画像面積で定電圧制御に切り替わるため、高画像面積時の電流・電圧過多を防ぐことができ、印刷画像の画像面積による転写効率の違いを軽減して安定した画像品質を得ることができる。
本発明に従う画像形成装置の全体構成を示す概略図である。 定電流制御における印刷画像の画像面積と一次転写ローラの電圧・電流の関係を示す図である。 定電圧制御における印刷画像の画像面積と一次転写ローラの電圧・電流の関係を示す図である。 定電圧制御における負荷の違いによる、中間転写ベルトと感光体ベルト表面の間のニップ部電圧・電流を示す図である。 実施形態1における印刷画像の画像面積と一次転写ローラの電圧・電流の関係を示す図である。 実施形態1におけるドラム電位と画像面積率の組み合わせによる制御方式の区分を示す図である。 ハードによるリミッタ電圧規定の方法を示す図である。 ソフトによるリミッタ電圧の制御フローを示す図である。 一次転写ローラの負荷が変動したときの境界線の変動を示す図である。 異なる画像面積率における転写電流と転写率を示す図である。 異なる画像面積率における転写電圧と転写率を示している。 ドラム電位に応じてリミッタ電圧を変える制御を示す図である。 図10のリミッタ電圧を用いたときの定電圧・定電流の境界を示す図である。 ドラム電位とリミッタ電圧を示す図である。 ドラムの残留電位があるときの制御領域の変化を示す図である。 本実施形態において残留電位がある場合にドラム電位の関数としての境界線を示す図である。 ドラム電位とリミッタ電圧の関係を示す図である。
<実施形態1>
次に、本発明に従う画像形成装置の実施形態を画面を参照して説明する。
本発明を適用した画像形成装置1として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図のプリンタは、トナー像形成手段たる画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)として、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つの画像形成ユニット1Y、C、M、Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY、C、M、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するための画像形成ユニット1Yを例にすると、これは感光体ユニットと現像ユニット7Yとを有している。これら感光体ユニット及び現像ユニット7Yは、画像形成ユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱される。但し、プリンタ本体から取り外した状態では、現像ユニット7Yを図示しない感光体ユニットに対して着脱することができる。
感光体ユニットは、感光体ドラム3Y、ドラムクリーニング装置、図示しない除電装置、帯電装置5Yなどを有している。
帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体3Yの表面を一様帯電せしめる。同図においては、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電ローラを感光体3Yに近接させることで、感光体3Yを一様帯電せしめる方式の帯電装置5Yを示した。帯電ローラの代わりに、帯電ブラシを当接させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体3Yを一様帯電せしめるものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電せしめられた感光体3Yの表面は、後述する光書き込みユニット20から発せられるレーザー光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像手段たる現像ユニット7Yは、第1搬送スクリュー8Yが配設された第1剤収容部を有している。また、透磁率センサからなるトナー濃度センサ(以下、トナー濃度センサという)(図示せず)、第2搬送スクリュー11Y、現像ロール(図示せず)、ドクターブレード(図示せず)などが配設された第2剤収容部も有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュー8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部内のY現像剤を図紙面に直交する方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、Y現像剤は第1剤収容部と第2剤収容部との間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部内に進入する。
第2剤収容部内の第2搬送スクリュー11Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、Y現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1剤収容部の底部に固定されたトナー濃度センサによってそのトナー濃度が検知される。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュー11Yの図中上方には、現像ロール12Yが第2搬送スクリュー11Yと平行な姿勢で配設されている。この現像ロール12Yは、図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる非磁性パイプからなる現像スリーブ(図示せず)内にマグネットローラ(図示せず)を内包している。第2搬送スクリュー11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラの発する磁力によって現像スリーブ表面に汲み上げられる。そして、現像部材たる現像スリーブと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレードによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール12Yの現像スリーブの回転に伴って第2搬送スクリュー11Y上に戻される。そして、図中手前端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第1剤収容部内に戻る。
トナー濃度センサによるY現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。この制御部は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)、データ記憶手段であるRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成され、各種の演算処理や、制御プログラムの実行を行うことができる。Y現像剤の透磁率は、Y現像剤のYトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記制御部はRAMを備えており、この中にトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像ユニットに搭載されたC、M、K用のトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータを格納している。Y用の現像ユニット7Yについては、トナー濃度センサからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、図示しないY用のトナー供給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴うYトナー消費によってYトナー濃度を低下させたY現像剤に対し、第1剤収容部で適量のYトナーが供給される。このため、第2剤収容部内のY現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用の画像形成ユニット1C、M、K内における現像剤についても、同様のトナー供給制御が実施される。
像担持体であり且つ潜像担持体である感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写体たる中間転写ベルトに中間転写される。感光体ユニットのドラムクリーニング装置は、中間転写工程を経た後の感光体3Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Y表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。先に示した図1において、他色用の画像形成ユニット1C、M、Kにおいても、同様にして感光体3C、M、K上にC、M、Kトナー像が形成されて、無端移動体たる中間転写ベルト上に中間転写される。
画像形成ユニット1Y、C、M、Kの図中下方には、光書き込みユニット20が配設されている。潜像形成手段たる光書き込みユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、各画像形成ユニット1Y、C、M、Kの感光体3Y、C、M、Kに照射する。これにより、感光体3Y、C、M、K上にY、C、M、K用の静電潜像が形成される。なお、光書き込みユニット20は、光源から発したレーザー光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y、C、M、Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書き込みユニット20の下方には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体たる記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ31a、第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが、給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、記録紙Pを搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
各画像形成ユニット1Y、C、M、Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット40が配設されている。中間転写ベルト41は、この内部のローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの一次転写ローラ45Y、C、M、Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト41を感光体3Y、C、M、Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。そして、一次転写ローラは中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY、C、M、K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、一次転写ローラの作用によりそのおもて面に感光体3Y、C、M、K上のY、C、M、Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
二次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された二次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで二次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ50と二次転写バックアップローラ46との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で記録紙Pに一括二次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。
二次転写ニップの図中上方には、定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。定着ベルトユニット62は、定着部材たる定着ベルト64、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65及び駆動ローラ66によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト64のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140℃に維持される。
図1において、二次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
転写ユニット40の上方には、Y、C、M、Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y、C、M、Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y、C、M、K内のY、C、M、Kトナーは、画像形成ユニット1Y、C、M、Kの現像ユニット7Y、C、M、Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y、C、M、Kは、画像形成ユニット1Y、C、M、Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
以上の基本的な構成を備える本プリンタにおいては、各色の画像形成ユニット1Y、C、M、Kや光書き込みユニット20が、像担持体たる各色の感光体3Y、C、M、Kに可視像たるY、C、M、Kトナー像を形成する可視像形成手段として機能している。
ここで、一次転写ローラとしてスポンジローラを使用し、一次転写ローラをベルトを挟んで感光体に突き当てる直接一次転写方式と、一次転写ローラとして金属ローラを使用し、これを感光体に突き当てずに使用する間接一次転写方式が主に知られている。
このとき、一次転写部においては一次転写ローラにトナーと逆極性のバイアスを印加し、トナーをベルト側に引き付けて転写を行うが、この転写バイアス制御方式としては主に定電流制御と定電圧制御が知られている。
図2は、定電流制御における印刷画像の画像面積と一次転写ローラの電圧・電流の関係を示す図である。
定電流制御は、作像中に一定の電流が流れるように一次転写ローラ45の転写バイアスをコントロールする制御方式である(図2(b),(c))。定電流制御の利点は、転写部負荷の抵抗が変動したとしても転写ニップ中にかかる電圧が一定になることである。転写部負荷(以下、「転写部の抵抗」、「転写部の負荷」などとも言う)とは、一次転写ローラ・中間転写ベルト・感光体を含めた転写部分のバルクの抵抗のことである。転写電流Iに対して、電圧Vであるとき、転写部負荷R=V/Iである。一般的にこの転写部負荷は転写ローラと転写ベルトの種類・構成により最も影響される。構成とは、例えばローラのドラム軸に対する水平方向のオフセット量や、ローラを突き当てる加圧力などが典型的なものとして挙げられる。この転写部負荷は、例えばスポンジローラを用いる直接一次転写方式では、ローラ抵抗・レイアウトが支配的であり、金属ローラを用いる間接一次転写方式では、ベルト抵抗・レイアウトが支配的であることが一般的である。一方で、図2(a)に示すように、記録紙P上の主走査方向の画像面積率が副走査方向(通紙方向)において異なる場合、図2(c)に示すように電圧が画像面積率により変動してしまい、高画像面積部では過転写になりやすく、低画像面積部では転写不良になりやすいという欠点がある。
ここで、画像面積率は、画像領域における印字部分の割合であって、基本的に副走査方向と直交する主走査方向での画像面積率を指す。図2(a)の階段状の画像(以下、「帯」とも言う)の画像面積率は、左から例えば95%、80%、65%、50%、25%、10%である。転写の際は、主走査方向には一括で転写され、副走査方向には順次転写されるので、主走査方向の画像面積率が問題となる。画像面積率は、画像処理情報から得たり、レーザー光を感光体に照射した際に画像処理部から得たりすればよい。
また、過転写とは、転写電流(転写電圧)が大きすぎてトナー部に放電が生じ、放電によりトナーが本来の極性と逆に帯電して転写率が低下することを言う。また、電流値、電圧値は、一次転写用電源の電源出力値であって、通常、一次転写ローラを流れる電流、一次転写ローラ芯金部の電圧に一致する。
なお、図2(a)はベタ画像を表しており、例えばデジタル複写機の場合、1インチ当たり600ドット書き込む(600dpi)。このとき、1インチ中に300ドット書き込んだ場合、その領域の画像面積率は50%になる。結局、主走査方向幅のうち何ドット書き込んだかで画像面積が決まり、画像面積率=(書き込んだドット数)/(その幅で書ける最大ドット数)となる。
図3は、定電圧制御における印刷画像の画像面積と一次転写ローラの電圧・電流の関係を示す図である。
定電圧制御の利点は、画像面積に依らず電圧が一定であるため(図3(c))、画像パターンに依らない転写性が得られる点である。
一方で、定電圧制御には、転写部負荷に応じて転写ニップ中の電圧が変動してしまい、図4(a)に示すように転写部負荷が低いときには中間転写ベルトと感光体ドラム表面の間の転写ニップでの電圧が過剰になり、図4(b)に示すように転写部負荷が高いときには転写ニップでの電圧が不足してしまうという欠点がある。ここで、転写部材(一次転写ローラや中間転写ベルト)の抵抗変動は、部品単体の製造公差による初期抵抗のばらつき、温湿度による変化、メカ的な公差による変動、経時的な変化などに起因する。なお、抵抗は、電源から出力される電流・電圧からオームの法則により求められる抵抗であって、抵抗R=電圧V/電流Iとなる。
そこで、これらの欠点を補うために、例えば定電圧制御ではATVCなどの制御が提案されている。ATVCでは、作像前に転写部の負荷を測定し、その結果に応じた電圧を用いて定電圧制御を行う。従って、転写部の負荷を測定するための回路が必要となる。典型的なATVCの目標電圧検知方法としては、定電流電源にて一定電流を印加し、そのときの電圧をFB回路で読み取り、この読み取った値を用いて定電圧制御を行う。このため、負荷測定のための電源及びFB回路と、測定のためのシーケンス制御が必要となる。ここで、FB回路とは、例えば40kΩの抵抗素子を有し、回路を流れる電流を測定し、デジタル信号化して出力する回路である。
そこで、本発明では、より簡単で安価な電源を用いてこのような制御を実施することを狙いとする。具体的には、本発明に係る制御は、一次転写ローラの転写バイアスの制御として定電流制御を用いているが、画像面積とプロセス条件(現像バイアスや帯電バイアスなど)に応じて、これを定電圧制御に切り替えるというものである。より具体的には、印刷画像の画像面積が高いときや感光体ドラムの帯電バイアスが低いときに、定電流制御を定電圧制御に切り替える。このためにリミッタ電圧が存在し、画像面積が高いときやドラム電位が低いときに電圧をリミッタにかかり易くする。一方、本制御は温度や湿度などの環境には依らず、標準環境でも高画像面積であれば定電圧制御に変わる。
図5は、実施形態1における印刷画像の画像面積と一次転写ローラの電圧・電流の関係を示す図である。
図5(b)の右側に示すように、図5(a)の記録紙上の画像面積が小さい場合には定電流制御を行う。これにより、一次転写ローラの抵抗変動に対して強い制御となる。一方で、図5(c)に示すように、図5(a)の記録紙上の画像面積が大きい場合には、電流過多による過転写を防ぐために定電流制御から定電圧制御に切り替える。言い換えれば、本制御は定電流制御であるが、図5(c)において点線で示すリミッタ電圧を有しており、リミッタ電圧に到達すると定電圧制御に切り替わるものである。ここで、リミッタ電圧に到達するかどうかは、後述するように画像面積とドラム電位(帯電バイアス)の組み合わせによって決まる。このとき、定電圧制御で設定する電圧値は定電流制御時に印加している電圧値以上とする。
なお、定電流制御でありながらリミッタ電圧を有する制御方式自体は従来から知られているが、本発明は従来例とは以下の点で大きく異なる。すなわち、従来では通常の環境ではリミッタ電圧に到達することはなく、極低温環境等においてリミッタ制御される。つまり、転写部材の抵抗変動によりリミッタ電圧に到達する場合があり、このときに回路の保護やリーク防止の観点からリミッタをかける。この場合、画像面積の依存性は環境による差異よりも遥かに小さい。例えば特許文献1は、そのような意図から転写バイアス制御を、プリント枚数、ローラ抵抗又は環境により、定電圧又は定電流に切り替えている。
これに対して、本発明では環境による転写部材の抵抗変動によりリミッタ電圧に到達するわけではなく、プロセス条件と画像面積の組み合わせに応じてリミッタ電圧に到る。以下では、本発明のリミッタ電圧についてさらに詳細に説明する。
図6は、実施形態1におけるドラム電位と画像面積率の組み合わせによる制御方式の区分を示す図である。
図示のように、本実施形態では画像面積率が高いほど、またドラム電位の絶対値が小さいほど、定電圧制御になりやすく、画像面積率が低いほど、またドラム電位の絶対値が大きいほど、定電流制御になりやすい。定電流制御と定電圧制御を区分している境界線は、ある共通のリミッタ電圧となる条件を示す。この境界線は必ずしも直線にはならず、装置によって異なる。
図5を参照して、右から3本目の画像面積率50%の帯までは定電流制御であり、4本目の画像面積率65%の帯から定電圧制御に変わっている。この定電流制御から定電圧制御への切り替えを図6に則して説明すると、ドラム電位が−700V、画像面積率が60%の点は境界線上にあり、ドラム電位が−700Vのときに、画像面積率60%未満では定電流制御となるが、画像面積率60%以上では定電圧制御となることに相当する。また、このときのリミッタ電圧値は定電流制御時の電圧値以上である。
このように構成することで、定電流制御時の狙いの電流として、画像面積率0%〜60%の間でバランスがとれる電流を設定すればよいことになる。従って、画像面積率0%〜100%の間で適切な電流を設定しなければいけない従来の単純な定電流制御に比べて、設定精度が向上し、定電流制御領域においても画像品質が向上する。さらに、高画像面積の印刷画像形成時は定電圧制御となるため、定電圧制御領域においても従来の装置より画像品質が良好となる。
次に、本発明に係る制御の具体的な実施方法を説明する。
最も簡単な方法は、ハードによりリミッタ電圧を予め決めておき(電源の規格としてある電圧以上は出ないようにしておき)、リミッタ電圧に到達した時に定電流制御を定電圧制御に切り替えるものであり、実施形態1はこの方法を採用している。この場合、ハードによりリミッタ電圧が予め決まっているため、制御により変更できないが、構成的に最も簡単であり、電源制御方法も定電流制御と同じように行えばよい。つまり、所定電圧に到達すると回路が自動的に切り替わり、擬似的に定電圧になる。
次に、図7を用いてこのハードによるリミッタ電圧規定の方法についてさらに説明する。
まず高圧電源(HVP)内部では、出力を増減するオペアンプに対し、目標値(電圧換算)と出力電流(電圧換算)を入力する。つまり、目標値に対し出力電流が足りない場合はオペアンプが出力電流を上げる方向に動作し、逆の場合は下げる方向に動作する。この目標値と出力値の差がなくなった場合に、狙い通りの出力ができることになる。
ここで、HVPの出力段に出力電圧をモニターする回路を並列に接続する。電圧値は抵抗などで分圧し、もともとの出力を1/1000などにするなどして低圧でモニターする。出力電圧値がある値(リミッタ電圧)を超えた場合にツェナーダイオード(ある一定電圧以上で導通するダイオード)が動作し、その先の制御回路を動作させ、目標電流を今の出力電流値と同じにするなどして、これ以上電流を流さない仕組みとする。
また、ソフトによるリミッタ電圧の制御についても後述するが、この制御フローについて図8を用いて先に説明する。前述のハードによるリミッタ制御ではツェナーダイオードを用いて、ある一定以上の電圧では制御回路が働くような回路構成としていた。
一方、ソフトによるリミッタ制御では、分圧して電圧をモニターしている電圧値から、ソフト的にある設定電圧(リミッタ電圧)以上かどうかを判断する。図8において、まずHVPは目標PWM=標準設定で出力を開始する。このとき、出力電圧がリミッタ電圧より大きいか否かを先の電圧モニター値から判断する。仮に電圧がリミッタ電圧未満であれば、そのまま出力してよい。なお、そのまま出力した場合でも一定間隔(例えば10msec)毎に出力電圧とリミッタ電圧の大小関係を判定し、出力電圧がリミッタ電圧を超えていないか常に監視する。
一方、出力電圧がリミッタ電圧より大きい場合、リミッタ制御にてリミッタ電圧に張り付かせる(抑える)必要があるため、目標PWMを(現在PWM×リミッタ電圧/出力電圧)に変更する。この後、出力電圧が過度に低くなっていないか(出力電圧<リミッタ電圧×95%となっているか否か)を判定する。
ここで、出力電圧が低くなりすぎている場合、目標を上げる必要があるため、「標準設定」と現在PWM×110%のうち、小さい方を新しいPWM目標として、再度リミッタ電圧×95%と比較する。このループは出力電圧がリミッタ電圧×95%を超えるまで続く。このリミッタ電圧×95%を再度超えた場合、今度は最初の判定である出力電圧>リミッタ電圧に戻り、再度最初から制御を行う。
なお、出力電圧がリミッタ電圧×95%より小さいままループを抜けられない場合は、標準設定値が目標PWMとして最終的に設定されているため、リミッタ制御なしと同じ状態になる。
以上のような制御フローにて、リミッタ電圧値に常に張り付くように制御するのがソフトリミッタの例である。なお、ソフト的なリミッタ制御については、より細かい間隔で判定したり、制御フローをより複雑にしてリミッタ電圧への収束時間、収束までのリップルを低減したりすることでさらに効果を上げることもできる。
ハードによりリミッタ電圧を規定する場合、図9に示すように、一次転写ローラ45の負荷によって図6における定電圧と定電流の境界線は変動する。負荷が小さいとき境界線は上方に位置し、定電流制御領域が大きくなる。負荷が大きいとき境界線は下方に位置し、定電圧制御領域が大きくなる。本方法の場合、図6の境界線が存在するように、転写部の負荷(抵抗)を選択することが好ましい。例えば、製造公差や環境によって一次転写ローラの負荷が変動する場合、負荷が高い場合にも定電流制御となる領域が存在しないと、定電圧制御のみになってしまい、電流不足になり得る。逆に負荷が低い場合に定電圧制御領域が存在しないと、通常の定電流制御にしかならない。
ただし、定電流制御と定電圧制御の両方の領域がいずれのプロセス条件でも存在することは好ましいものの、制御範囲内でいずれのプロセス条件でも必ず定電流制御となるような画像面積率が存在することが重要である。このような領域さえ存在すれば、単に定電圧に移行する画像面積閾値がプロセス条件により変動するだけであり、電流不足にはならない。定電流制御領域があるということは、トナーを転写するのに必要な電圧が確保されていることを意味する。一方で、定電圧になる領域が存在しない場合は通常の定電流制御になるだけなので、従来の装置と同等の画像品質を得ることができる点で不都合はない。
前述のように、本制御は定電流制御を基本としており、いずれのプロセス条件であっても定電流制御で動作する画像条件が存在することが必要である。一方で、リミッタ電圧により定電圧制御になる領域もいずれのプロセス条件でも存在することが望ましいが、プロセス条件と転写部負荷の組み合わせによっては存在しなくてもかまわない。
また、このことは装置の動作環境についても同様である。環境によって定電流と定電圧の境界線が変動してもよいが、いずれの環境においても必ず定電流制御となるプロセス条件と画像面積率が存在しなくてはならない。環境によっては定電圧制御となる領域は存在しなくてもよいが、どんな環境においても両方の領域があることが画像品質の点から好ましい。
本方法によれば、画像面積率とプロセス条件に応じてリミッタ電圧に到達すると自動的に回路が切り替わるため、特にFB回路なども不要となり、装置はより安価に構成される。また、ATVCのような特別なシーケンス制御も必要なく、電源仕様と転写仕様の組み合わせによって簡単に制御を実現することができる。
次に、本発明の効果について説明する。
図10は、異なる画像面積率における転写電流と転写率を示している。画像面積率20%、50%、100%となるに連れてグラフは左に移動しており、高画像面積率になるほど必要な電流は低く、低画像面積率では必要な電流が高くなることが分かる。これは、図2〜5に示したように画像面積によって電流・電圧が変わるためである。
図11は、異なる画像面積率における転写電圧と転写率を示している。
各画像面積率のグラフは重なっており、必要な電圧は画像面積率に依らず一定であることが分かる。従って、定電流制御では高画像面積において電圧が高くなりすぎるため、過転写になる。また、図10を参照して、例えば画像面積率20%、50%、100%の全てである程度の転写率を得ようとすると、定電流制御での狙いと記した設定電流になり、低画像面積率側ではやや電流不足、高画像面積率側では過転写となる。しかし、図5に示したように、本実施形態では高画像面積率においては電圧リミッタが働くことで電流が低くなるので、図10に示すように、定電流制御における狙い電流としては画像面積率20%と50%のグラフのほぼピークとなる転写電流に設定すればよい。従って、従来の定電流制御に比べて低画像面積側と高画像面積側の両方の転写率が向上する。また、図10から分かるように、本制御でも十分な転写率を確保することができるため、抵抗検知と定電圧による制御を行わなくてもよい。
以上のように、本実施形態では簡単かつ安価な装置により十分な画像安定性を得ることができる。さらに、リミッタ電圧として一次転写ローラ用の電源容量(出力可能な電流又は電圧の大きさ)の上限を用いているため、そもそも従来の装置に比べて電源容量が小さくなる。通常、定電流制御で用いる電圧域を可変領域としているが、本発明では、定電流制御でも高画像面積の電圧域は上限にかかるようにしている。これにより、電源の大幅なコストダウンを実現しながら、従来の装置よりも良好な画質が得られる。
なお、本実施形態では、温度や湿度などの環境に依らずリミッタ電圧が電源容量の上限であることから、一次転写方式としては、環境による抵抗変動が小さい、一次転写ローラに金属ローラを用いた間接一次転写方式を用いている。しかし、直接転写方式を用いても同様の効果を得ることができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2を説明する。同一画像であってもプロセス条件が変わると色彩が変わることがあるため、本実施形態では実施形態1と異なり、同一装置における同一画像の色彩再現性のために、ドラム電位に応じてリミッタ電圧を変えている。
具体的には、図6に示すような境界線を持つ装置を用いて、例えば画像面積率50%程度の画像を出力するとき、ドラム電位が−300Vのときでは既にリミッタ電圧がかかった低電圧での作像であるのに対し、ドラム電位が−800Vのときではまだリミッタ電圧に到達していない。そのため、ドラム電位が−800Vのときの方が転写バイアスは不足気味であり、この2つの条件のときに画像は同一にならない。なお、従来の定電流制御では、ドラム電位が−300Vのときに過転写になり、−800Vでは転写不良となる。
同一画像である以上、どのような条件で出しても同一画像が出力されることが好ましいため、本実施形態では、図6の定電流と定電圧の境界をなるべく画像面積率だけで決め、ドラム電位に依らないようにしている。そもそも図6のように境界線が傾くのは、リミッタ電圧に到達する画像面積がドラム電位によって異なるからである。従って、リミッタ電圧をドラム電位に応じて変えることで、境界線の傾きを0にすることができる。
具体的には、図12に示すようにドラム電位とリミッタ電圧の直線の傾きを約−1(正確には−1未満)とすることで、図13に示すように境界線の傾きは0となり、画像面積に依らず境界は一定となる。イメージとしては、図14(a)に示すように例えばドラム電位−900V、画像面積50%でリミッタ電圧に到達すると仮定する。このとき、図14(b)に示すようにドラム電位が−400Vになっても画像面積が50%になるようにしたければ、大まかに言って非画像部が500Vスライドした分、リミッタ電圧も500Vスライドさせれば(変えれば)、どちらの場合でも非画像部を流れる電流は同じになり、閾値となる画像面積も等しくなる。ただし、図14(b)では正確には画像部に流れる電流が増えてしまっているため、実際には500Vスライドした値よりやや小さい電圧をリミッタとすることで、閾値が画像面積に依らなくなる。そのため、図12では直線の傾きが約−1(正確には−1未満)と表現した。正確な直線の傾きはトナーの帯電量などによるため、装置毎に調整するのが好ましい。ただし、傾きが正確な値でなくても十分な効果が得られるため、−1としてよい。
なお、図14に関して補足説明する。ドラムをまず−900V又は−400Vに帯電させ、画像部を露光する。露光した画像部の箇所は電位が落ちるが、画像部電位が何ボルトになるかは装置にも依り、例えば0Vになったり、0V〜−100Vの間になったりする。このとき、ある転写バイアスをかける。図14(a)の場合、−900V帯電後に1.5kVの電圧をかけている。このとき、非画像部の電位差は2.4kVとなり、その電位差分だけ非画像部の電流が流れる。画像部では{1.5kV−(画像部電位)}分だけ電流が流れる。全体の電流は非画像部と画像部の電流の和である。図14(b)の場合でも、リミッタ電圧を500Vスライドさせたことで、非画像部の電位差は2.4kVになり、非画像部を流れる電流は図14(a)の場合と同じになる。一方、画像部電位は装置によって変わるので必ずしも一致せず、従って画像部を流れる電流も必ずしも一致しない。しかしながら、その分は装置に応じて補正すればよい。
なお、本実施形態はプロセス条件に応じた制御切り替えであるため、定電流回路にFB回路を有する電源を用いており、FB回路から電圧を読み取り、リミッタ電圧まで到達した場合にはソフトによりPWMDutyを下げて電圧がリミッタ電圧になるように制御した。実施形態1に比べてFB回路が設けられており、部品数が増加しているが、電源容量としては、最大リミッタの最大を電源容量の最大と合わせることで、同程度の安価な物を使用した。ただし、全てのリミッタをソフトリミッタにしても良い。
<実施形態3>
次に、実施形態3を説明する。本実施形態は、実施形態2と同様にプロセス条件に応じてリミッタ電圧を変動させるものであるが、その目的が異なる。実施形態1及び2では、感光体ドラムの画像部電位がほぼ0Vになっていると仮定していた。ところが、実際には感光体ドラムの感光層の構成によっては感光体ドラムは光書き込み後も電位を有する場合がある。例えば、感光体ドラムの電位が−600Vであるときに、光書き込みを行った静電潜像部分では−250Vになり、現像ユニットに印加される現像バイアスとして−480Vを使用する装置がある。
このとき、感光体ドラムの画像部電位(以下では「残留電位」と言う)の大きさは、主に元々のドラム電位と書き込みに用いる光のパワーに依る。すなわち、ドラム電位が高いほど残留電位も高くなり易く、書き込みに用いる光のパワーが低い方がやはり残留電位は高くなり易い。
このとき、トナーが一次転写ニップで受ける転写電圧は、転写部負荷が固定であれば一次転写ローラの軸電位と感光体ドラムの残留電位の差で決まる。実際には転写部負荷は公差を有しているため、正確には転写ニップ中の電圧は、軸電位と残留電位の電位差からその画像形成装置に入っている転写部の負荷で消費される電位差を除いた分であり、これを便宜的に転写バイアスと呼ぶ。
従って、実施形態1は単なる定電流制御より優れているものの、このような感光体特性を持つ装置では、実施形態1のような固定のリミッタ電圧では転写バイアスが不十分になったり、過剰になったりする可能性がある。そこで、本実施形態ではリミッタ電圧をプロセス条件に応じて変動させるように構成した。
本実施形態を説明する前に、固定のリミッタ電圧を用いたときの定電流制御と定電圧制御を区分する境界線の挙動について説明する。
図15は、ドラムの残留電位があるときの制御領域の変化を示す図であって、固定のリミッタ電圧を用いて残留電位の絶対値をドラム電位−300Vとしたときの制御の閾値を示す図である。基本的に、高電位側では画像面積が高くても感光体ドラム上の総電荷量があまり変わらないため、電圧リミッタにかかりにくい。従って、一点鎖線で示す図6での境界線は左に移動して実線で示す位置となり、図示のように定電流制御領域が多くなり、定電圧制御領域が少なくなる。
これは、非常に単純な例として残留電位が−300Vであることを前提としているが、基本的に残留電位が存在すると図15の実線で示すように定電流制御領域が多くなる。なお、境界線は残留電位に加えて書き込みに用いる光のパワーなどにも依るため、境界線の形状も変わる。
図16は、本実施形態において残留電位がある場合にドラム電位の関数としての境界線を示す図である。図16では、いずれのプロセス条件においても定電圧制御領域が存在するため、リミッタ電圧を一定とする実施形態1における制御も有効である。しかしながら、残留電位がいずれのプロセス条件でも存在し、かつ高電位側ほど大きいため、リミッタ電圧一定の実施形態1では、高画像面積で定電圧制御に切り替わったときの転写バイアス値がドラム電位によって変化してしまい、画像の色彩が変わってしまった。
そこで、本実施形態では、リミッタ電圧をプロセス条件に応じて変動させることで、リミッタ電圧における最終的な画像部の転写バイアスが一定となるように制御した。
具体的には、図17に示すように、ドラム電位が高いときほどリミッタ電圧が低くなるように制御を行い、転写バイアスの差が縮まるように調整した。このときの直線の傾きは残留電位の特性に応じて変えればよく、{(リミッタ電圧)−(残留電位)}の値が一定となるようにするのが好ましい。ただし、この値が一定にならなくても小さくなるように調整すれば、画質自体は安定する。
以上のように、本発明は、ある電圧でリミッタをかけることで定電流制御から定電圧制御に切り替えることを基本としている。従来から二次転写部ではソフトによるリミッタをかけているのに対して、本発明は一次転写部を対象とし、温度・湿度などの環境によらずリミッタがかかって一次転写部は適切に制御される。一次転写部の負荷は環境による変化がないため、リミッタにかかり易い環境は特にない。
一次転写部のリミッタ電圧は電源容量の最大値で決まる。電源によってリミッタ電圧は異なる値となり、具体的にはおよそ1.6kV〜2kVの範囲にある。電圧が上がるような作像条件で電圧上限に達し易いので、高画像面積のチャートの画像形成時やドラム電位が低い場合(現像γが高い場合≒トナーの帯電量が低い場合)に電圧上限に達し易い。
定電流制御のみでは生じてしまう高画像面積における不必要な電圧上昇を防ぐことができるため、容量の小さい電源を使用してコストダウンを図りつつ、容量が大きい電源と同等以上の画像品質が得られる。
一次転写の標準チャート(画像面積率5%程度)では、定電流制御として振舞うものの、高画像チャート(ベタ画像に近いもの)では電圧が電源の出力上限に達してしまうため、定電流制御から定電圧制御に変わることにより、高画像チャートでの品質が安定する。従来は一次転写部の負荷が環境によって変るため、このように画像面積によって出力上限に達するような電源は使用できなかった。従来機で同じ程度の電源容量を使用すると、低温低湿環境で必要な電圧が得られなくなり転写不良を起こしていた。
1 画像形成装置
3Y、C、M、K 感光体ドラム(像担持体)
7Y、C、M、K 現像ユニット(現像手段)
41 中間転写ベルト(中間転写体)
45Y、C、M、K 一次転写ローラ(一次転写手段)
P 記録紙(記録媒体)
特開2006−91481号公報 特開平10−301399号公報

Claims (9)

  1. 像担持体、該像担持体上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段、該像担持体上の該トナー像を中間転写体に一次転写する一次転写手段を有し、
    該一次転写手段の転写バイアスは定電流制御により制御され、記録媒体の通紙方向と直交方向における該トナー像の画像面積率及び該像担持体の電位、該現像手段に印加される現像バイアス、トナー帯電量の少なくとも1つのプロセス条件に応じて該一次転写手段の電圧がリミッタ電圧に達すると、該定電流制御は定電圧制御に切り替えられ
    温度や湿度などの環境に依らず、前記定電流制御となる前記プロセス条件と前記画像面積率の組み合わせが存在することを特徴とする画像形成装置。
  2. 像担持体、該像担持体上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段、該像担持体上の該トナー像を中間転写体に一次転写する一次転写手段を有し、
    該一次転写手段の転写バイアスは定電流制御により制御され、記録媒体の通紙方向と直交方向における該トナー像の画像面積率及び該像担持体の電位、該現像手段に印加される現像バイアス、トナー帯電量の少なくとも1つのプロセス条件に応じて該一次転写手段の電圧がリミッタ電圧に達すると、該定電流制御は定電圧制御に切り替えられ、
    前記画像面積率又は前記プロセス条件に応じて前記リミッタ電圧が変えられることを特徴とする画像形成装置。
  3. いずれの前記プロセス条件においても前記定電流制御となる前記画像面積率が存在することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記定電圧制御で設定する電圧値は前記定電流制御において印加している電圧値以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記リミッタ電圧は前記一次転写手段用の電源の出力上限値であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 低画像面積率の画像形成時に前記転写バイアスは前記定電流制御にて制御され、高画像面積率の画像形成時に前記転写バイアスは前記定電圧制御にて制御されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記一次転写手段は金属ローラであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記定電流制御と前記定電圧制御の切り替えが前記画像面積率だけに依存し、前記像担持体の電位に依らないように、前記リミッタ電圧は変えられることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  9. 前記像担持体の電位が高くなるほど前記リミッタ電圧が低くなるように、前記リミッタ電圧は変えられることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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