以下、本発明を画像形成装置としてのタンデム型の画像形成部によってカラー画像を形成するカラープリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
なお、本実施形態は一つの例を示すものであり、構成やプロセス条件が変っても、本発明の効果が変らないことを複数の画像形成装置や種々の画像形成環境で確認している。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタは、トナー画像形成手段として、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Bkと記す。)用の4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkを備えている。プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、画像を形成するための画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Bkトナーを用いるが、それ以外は互いに同様の構成になっている。
Yトナー画像を生成するためのプロセスユニット1Yを例にすると、これは、感光体2Y、現像装置3Y、帯電装置、感光体クリーニング装置5Yなどを1つのユニットとして共通の保持体に保持しており、プリンタ本体に対して一体的に着脱される。
帯電装置4Yは、感光体2Yに対して接触あるいは近接するように配設された帯電ローラを有しており、帯電ローラは図示しない駆動手段によって回転駆動される。この帯電ローラに対しては、図示しない帯電電源によって所定の帯電バイアスが印加される。そして、帯電ローラと感光体2Yとの間で放電を発生させることで、感光体2Yの表面をトナーの正規帯電極性と同極性(例えば−500[V]程度)に一様に帯電させる。このような方式の帯電装置に代えて、スコロトロン帯電器などを採用してもよい。
感光体2Yは、表面に有機感光層を被覆した直径30[mm]のドラムからなり、静電容量が9.5×10−7[F/m2]に調整されている。そして、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる。帯電装置4Yによって一様に帯電せしめられた感光体2Yの表面は、後述する光書込ユニット90から発せられるレーザー光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像装置3Yは、ポリエステル系の重合トナーであるYトナーと磁性キャリアとを含有する図示しない現像剤を収容している。現像装置3Yのケーシングには開口が形成されており、この開口からは筒状の現像スリーブにおける周面の一部が露出して感光体2Yの表面に対向している。現像スリーブは、自らと連れ回らないように内部に固定された図示しないマグネットローラの発する磁力により、ケーシング内の現像剤を担持する。そして、自らの回転駆動に伴って、現像剤を自らと感光体2Yとが対向する現像領域に搬送する。現像領域では、現像スリーブに印加される現像バイアスと、感光体2Yの静電潜像との間に、マイナス極性のYトナーをスリーブ側から感光体側に移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2Yの地肌部との間に、マイナス極性のYトナーを感光体側からスリーブ側に移動させる非画像ポテンシャルが作用する。現像剤中のYトナーは、現像領域において、前述した現像ポテンシャルの作用によって感光体2Yの静電潜像に転移する。これにより、感光体2Y上の静電潜像が現像されてYトナー画像になる。
現像装置3Yは、内部の現像剤のトナー濃度を測定する図示しないトナー濃度センサを有している。このトナー濃度センサによる検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。制御部はRAMを備えており、この中にトナー濃度センサからの出力電圧の目標値を記憶している。そして、トナー濃度センサからの出力電圧の値と前記目標値とを比較し、図示しないY用のトナー供給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴うYトナー消費によってYトナー濃度を低下させた現像剤に対し、適量のYトナーが供給される。このため、現像装置3Y内の現像剤のトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用の現像装置3M,3C,3Bkにおける現像剤に対しても、同様のトナー供給制御が実施される。
Y用のプロセスユニット1Yについて詳しく説明したが、他色用のプロセスユニット1M,1C,1Bkも同様の構成になっており、感光体2M,2C,2Bk上にM、C、Bkのトナー画像が形成される。現像装置3Y,3M,3C,3Bkによって現像されてY、M、C、Bkのトナー画像になる。なお、感光体上に全面ベタ画像を形成したときの単位面積あたりのトナー付着量は0.45[mg/cm2]程度である。
プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの下方には、光書込ユニット90が配設されている。潜像形成手段としての光書込ユニット90は、色ごとに用意されたレーザダイオード(LD)方式の4つの光源と、6面のポリゴンミラー及びポリゴンモータから構成される1組のポリゴンスキャナと、各光源の光路に配置されたfθレンズ、長尺シリンドルカルレンズ等のレンズやミラーとを備えている。光書込ユニット90は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを各光源から照射し、感光体2Y,2M,2C,2Bkの一様帯電した表面を走査する。感光体2Y,2M,2C,2Bkにおけるレーザー露光部の電位は減衰して(例えば、全面露光時の残留電位は−30[V]程度まで減衰する。)、周囲の地肌部よりも電位が低い状態になる。このような状態になった箇所がY、M、C、Bkの静電潜像となる。なお、光書込ユニット90は、光源から発したレーザー光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラーによって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体2Y,2M,2C,2Bkに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの上方には、無端状の中間転写ベルト21を図中反時計回りに無端移動せしめながら、その下部張架面を感光体2Y,2M,2C,2Bkに当接させてY、M、C、Bk用の一次転写ニップを形成する転写ユニット20が配設されている。感光体2Y,2M,2C,2Bk上に形成されたY,M,C,Bkトナー画像は、各色の一次転写ニップにおいて中間転写ベルト21上に重ね合わせて一次転写される。
Y、M、C、Bk用の一次転写ニップを通過した後の感光体2Y,2M,2C,2Bkの表面に付着している転写残トナーは、感光体クリーニング装置5Y,5M,5C,5Bkによって感光体表面から除去される。
光書込ユニット90の下方には、給紙カセット95が配設されている。給紙カセット95内には、記録材としての記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、給紙ローラ95aが当接している。給紙ローラ95aが図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動すると、給紙カセット95内の一番上の記録紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路に向けて排出される。給紙路に送り込まれた記録紙Pは、図中下側から上側に向けて搬送される。なお、感光体2Y,2M,2C,2Bkや中間転写ベルト21の線速であるプロセス線速は120[mm/sec]に設定されている。
給紙路の末端には、レジストローラ対32が配設されている。レジストローラ対32は、記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの上方に配設された転写ユニット20は、中間転写ベルト21の他、ベルトループ内に配設された一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bk、従動ローラ23、二次転写対向ローラ24などを有している。また、ベルトループ内に配設された二次転写ローラ26、ベルトクリーニング装置28なども有している。
ニップ形成部材としての中間転写ベルト21は、カーボンを分散した導電性ポリアミドイミド樹脂からなるベルト基体を有する厚さ80[μm]の無端状のベルトであり、その体積抵抗率は1×109[Ω・cm]に調整されている(三菱化学製ハイレスターUP MCP HT450にて100Vの電圧印加条件で測定した値)。そして、ベルトループ内に配設された各ローラに掛け回されて張架された状態で、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動せしめられる。
4つの一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bkは、無端移動する中間転写ベルト21を感光体2Y,2M,2C,2Bkに押し付けるようにして配置される。これにより、中間転写ベルト21と感光体2Y,2M,2C,2Bkとが当接するY、M、C、Bk用の一次転写ニップが形成されている。一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bkは、金属製の回転軸部材の周面に、イオン導電剤を分散せしめた樹脂からなる導電性スポンジローラ部を設けたものである。導電性スポンジローラ部の体積抵抗率は5×108[Ω・cm]程度である。金属製の回転軸部材を、感光体の回転軸に対してベルト移動方向の下流側に3[mm]ずらした位置に配設している。
一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bkには、一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkにより、トナーの帯電極性とは逆極性の一次転写バイアスが印加される。これにより、一次転写ニップ内には、感光体上のトナー画像を感光体側からベルト側に引き寄せる転写電界が形成される。中間転写ベルト21は、その無端移動に伴ってY、M、C、Bk用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、その表面(おもて面)に感光体2Y,2M,2C,2Bk上のY,M,C,Bkトナー画像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト21上に4色重ね合わせトナー画像(以下「4色トナー画像」という。)が形成される。
ベルトループ内側に配設された二次転写対向ローラ24は、ベルトループ外側に配設された二次転写ローラ26との間に中間転写ベルト21を挟み込むように配設されている。これにより、中間転写ベルト21のおもて面と、二次転写ローラ26とが当接する二次転写ニップがベルトの図中右側方に形成されている。先に説明したレジストローラ対32は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト21上の4色トナー画像に同期させ得るタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。
二次転写ローラ26には、トナーとは逆極性の二次転写バイアスが印加される。中間転写ベルト21上の4色トナー画像は、二次転写バイアスやニップ圧の作用により、二次転写ニップ内で記録紙Pに一括して二次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー画像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト21には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニング装置28によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニング装置28は、クリーニングローラを中間転写ベルト21のおもて面に当接させており、ベルト上の転写残トナーをクリーニングローラに静電転移させて除去するものである。
二次転写ニップの上方には、定着装置40が配設されている。この定着装置40は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ41と、これに向けて押圧される加圧ローラ42との当接によって定着ニップを形成している。二次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト21から分離した後、定着装置40内に送られる。そして、定着装置40内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ローラ41によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー画像が定着される。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、定着装置40を出た後、図示しない排紙ローラ対を経て機外へと排出される。
図2は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。
同図において、制御手段たる制御部200は,演算手段たるCPU(Central Processing Unit)200a、不揮発性メモリたるRAM(Random Access Memory)200c、一時記憶手段たるROM(Read Only Memory)200b等を有している。制御部200は,装置全体の制御を司るものであり、様々な機器やセンサが接続されているが、同図では、それら機器の一部だけを示している。制御部200は、RAM200cやROM200b内に記憶している制御プログラムに基づいて、各機器の駆動を制御する。また、外部のパーソナルコンピューター等から送られてくる画像情報から生成れる露光時の書き込み信号に基づいて、Y、M、C、Bkの一次転写電流値を決定し、決定した一次転写電流値となるように、Y、M、C、Bk用の一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkを制御する。かかる制御部200は、一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkとともに転写電流制御手段として機能している。なお、一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkからの一次転写電流の出力の目標値は、制御部200からPWM信号として出力されて、一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkに入力される。
また、制御部200は、図示しないメイン電源スイッチがONされた直後や、所定枚数のプリントを実施する毎に、位置ズレ量補正処理を実施するようになっている。そして、この位置ズレ量補正処理において、中間転写ベルト21に、図3に示すようなシェブロンパッチPVと呼ばれる複数のトナー画像からなる位置ズレ検知用画像を形成する。図2に示した光学センサユニット86は、その発光手段から発した光を集光レンズに通した後、中間転写ベルト21の表面で反射させ、その反射光を自らの受光手段で受光して受光量に応じた電圧を出力する。中間転写ベルト21に形成されたシェブロンパッチPV内のトナー画像が光学センサユニット86の直下を通過する際には、光学センサユニット86の受光手段による受光量が大きく変化する。これにより、制御部200は、中間転写ベルト21に形成されたシェブロンパッチPV内における各トナー画像を検知することができる。このように、光学センサユニット86は、制御部200との組合せによって像検知手段として機能している。なお、発光手段としては、トナー画像を検出するために必要な反射光を作り得る光量をもつLED等が用いられている。また、受光手段としては,多数の受光素子が直線状に配列されたCCDなどが用いられている。
制御部200は、中間転写ベルト21に形成したシェブロンパッチPV内の各トナー画像を検知することで、各トナー画像における副走査方向(ベルト移動方向)の位置を検出する。シェブロンパッチPVは、図3に示すように、Y、M、C、Bkの各色のトナー画像を主走査方向(レーザ光が感光体表面上で走査する方向)から約45[°]傾けた姿勢で、副走査方向であるベルト移動方向に所定ピッチで並べたラインパターン群である。このようなシェブロンパッチPV内のY、C、Mトナー画像について,Bkトナー画像との検知時間差を読み取っていく。同図では、図紙面上下方向が主走査方向に相当し、左から順に、Y、M、C、Bkトナー画像が並んだ後、これらとは姿勢が90[°]異なっているBk、C、M、Yトナー画像が更に並んでいる。基準色となるBkとの検出時間差tky,tkc,tkmについての実測値と理論値との差に基づいて、各色トナー画像の副走査方向のズレ量、即ち位置ズレ量を求める。そして、その位置ズレ量に基づいて、不図示の光書込ユニットの感光体に対する光書込開始タイミングを補正して、感光体や中間転写ベルト21の速度変動に起因する各色トナー画像の位置ズレを低減する。
中間転写ベルト21に対して、Y、M、C、Bk用の一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bkを介して転写バイアスを印加する一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkは、それぞれ所定の目標値と同じ値の転写電流を出力する。一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkからの出力される転写電流の目標値は、それぞれ、転写ニップ(より詳しくは、本実施形態の構成においては、転写ニップ出口及びその近傍)における感光体上の画像形成領域の主走査方向における画像面積率に基づいて決定される。
具体的には、感光体の表面は、副走査方向(感光体表面移動方向)において、画像形成領域の先端を基準にして、図4に示すように、600画素分ずつの区画に区分け(分割)がなされる。したがって、各区画には、それぞれ主走査方向に一直線上に並ぶ画素の集合からなる画素ラインが600ラインずつ含まれることになる。そして、それぞれの画素ラインについて、全画素数に対する画像部の画素数の割合(各画素ラインの画像面積率)を求め、各区画にそれぞれ含まれる600個の画素ラインの当該割合の平均値(各区画の平均画像面積率)を、各区画の画像面積情報として取得する。
本実施形態では、各区画に対応する画像形成領域部分が一次転写ニップの出口を通過する時に流す一次転写電流の目標値を、対応する区画の画像面積情報(当該区画の平均画像面積率)に応じて決定する。これにより、各区画に対応する画像形成領域部分が一次転写ニップの出口を通過している最中には、その目標値と同じ転写電流が流れるように一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkからの出力電圧値(一次転写バイアス)が調整される。当該区画の最下流端に対応する画像形成領域地点が転写ニップ出口を通過すると、一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkの目標値が、次の区画の画像面積情報(平均画像面積率)に応じたものに変更される。このような制御により、転写電流の波形は図4の下部に示すグラフのような略矩形波で変化する。すなわち、中間転写ベルト21および各感光体2M,2C,2Bkが副走査方向に600画素分移動するたびに、各一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bkに流れる一次転写電流が、その時に一次転写ニップ出口を通る画像形成領域部分に対応した区画の平均画像面積率に応じた最適な一次転写電流値に変化するのである。
図5は、本実施形態における一次転写電流の目標値決定の一制御例を示すフローチャートである。
本制御例では、光書込ユニット30で用いる各色の書き込み信号に基づいて、対応する色の一次転写電流の目標値を設定する際、各画像形成領域(各ページ)の先端を基準にして、画素ラインのカウントを行う。まず、制御部200は、書き込みデータが発生したとき(S1)、副走査方向の画像サイズ情報から、当該画像についての区画数(分割サイズN)を算出する(S2)。この分割サイズNは、例えば、当該画像の副走査方向画素数を、各区画を構成する予め決められた副走査方向画素数(本制御例では600画素)で除算して得られる商の値に1を足すことにより算出する。
次に、区画数Xを示すカウント値をゼロに初期化するとともに(S3)、画素ライン数(副走査方向画素数)Aを示すカウント値をゼロに初期化する(S4)。そして、画素ライン数Aのカウント値を1つカウントアップした後(S5)、A番目の画素ラインについての画像面積率を算出する(S6)。このようにして、1〜600番目の画素ラインについてそれぞれ画像面積率を算出したら(S7のYes)、それらの平均画像面積率を算出する(S8)。本制御例では、この平均画像面積率を、当該1〜600番目の画素ラインを含む区画Xについての画像面積情報として用い、制御部200は、RAM200cに記憶されている転写電流目標値算出アルゴリズムに従って、その区画Xに対応する一次転写電流の目標値I(X)を算出する(S9〜S11)。このアルゴリズムは、平均画像面積率と最適な一次転写電流値との関係を示すものであり、予め実験やシミュレーションによって決定される。
このようにして、1つの画像形成領域についてN個に分割した1番目〜(N−1)番目の各区画について、それぞれの最適な一次転写電流の目標値I(1)〜I(N−1)を設定する。ただし、本制御例において、当該画像形成領域の後端の画素ラインを含むN番目の区画(端部区画)についての一次転写電流の目標値I(N)には、その直前の区画である(N−1)番目の区画のI(N−1)を設定する(S12)。
本実施形態において、一次転写ニップ出口を通る画像形成領域部分の平均画像面積率に基づいてその時点の一次転写電流の目標値を決定するのは、次に説明する理由からである。すなわち、本実施形態の構成においては、各感光体2Y,2M,2C,2Bkと中間転写ベルト21との間で流れる一次転写電流のほとんどが、各感光体2Y,2M,2C,2Bkと中間転写ベルト21とが互いに離れる一次転写ニップ出口における両者間での剥離放電によるものである。一次転写ニップ出口において、一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkからの電流供給量が比較的少ないにもかかわらず、そこを通る画像形成領域部分の画像面積率が比較的低いものであると、一次転写電源から供給される電流の多くが感光体の非画像部(地肌部)と中間転写ベルトとの間の剥離放電に使われてしまう。そのため、感光体の画像部にはほとんど電流が流れず、転写不良が発生してしまう。
本実施形態では、一次転写ニップ出口を通る画像形成領域部分の平均画像面積率に応じた一次転写電流を流すことができるので、一次転写ニップ出口を通る画像形成領域部分がどのような画像面積率であっても、画像部に対して必要量の一次転写電流を流すことが可能となる。その結果、どのような画像面積率の画像についても、転写不良が生じない安定した転写率を実現することができる。
次に、一次転写電流の制御に用いる各区画Xの画像面積情報である平均画像面積率について、図6(a)及び(b)を用いて説明する。
図6(a)及び(b)は、中間転写ベルト21上に形成されたトナー画像の一例を示す説明図である。
区画の平均画像面積率は、その区画に含まれる600個の画素ラインそれぞれの画像面積率の平均値である。各画素ラインの画像面積率は、主走査方向(図6中左右方向)における中間転写ベルト21の画像形成領域の幅Wにわたる1つの画素ライン(副走査方向1画素分)上の画像部(トナーが付着した部分)を、当該画素ラインの全体面積で割った数値である。
例えば、図6(a)に示したトナー画像は、副走査方向に延びる帯状ベタ画像からなる画像部を1つだけ具備するものであり、その主走査方向の幅が、画像形成領域幅W×0.2[mm]になっている。この場合、その帯状ベタ画像を含む区画の平均画像面積率は20[%]となる。一方、図6(b)に示すように、複数の画像部が副走査方向に分布しているようなトナー画像の場合、これらの画像部の合計面積に基づいて算出されることになる。
次に、本発明者が行った実験について説明する。
本発明者は、図1に示した実施形態に係るプリンタと同様の構成のプリンタ試験機を用意した。そして、このプリンタ試験機において、3種類のテスト画像をそれぞれ出力して一次転写電流と一次転写電圧と一次転写率と逆転写率との関係を調べる実験を行った。具体的には、3種類のテスト画像の1つとして、主走査方向の長さが14.85[mm]であってA4サイズ紙の長さ方向に沿った副走査方向の全域に渡って延在する短冊状のBk5%テスト画像(画像面積率5%)をプリントした。Bk用の一次転写電源81Bkからの出力電圧については、一定電圧を出力する定電圧制御を行った。電圧の制御目標値としては、1000[V]から2300[V]まで、100[V]毎に徐々に上げていき、それぞれの制御目標値でBk5%テスト画像をプリントした。そして、それぞれのプリントにおいて、Bk用の一次転写電源81Bkからの出力電流値を測定した。また、Bk用の一次転写ニップを進入する前のBk用の感光体2BkにおけるBk5%テスト画像に対する単位面積あたりのトナー付着量と、一次転写ニップ通過後の感光体2Bkにおける単位面積あたりのトナー付着量とを測定した。そして、前者のトナー付着量から後者のトナー付着量を差し引いた値の前者に対する割合を一次転写率として求めた。
また、3種類のテスト画像における他の1つとして、A4サイズ紙に対して全面ベタ状に付着するBk100%テスト画像(画像面積率100%)をプリントした。また、もう1つとして、A4サイズ紙に対して全面ベタ状に付着するM100%テスト画像の上に、Bk5%テスト画像を重ねたM100%+Bk5%テスト画像をプリンタした。これらのテスト画像についても、Bk5%テスト画像と同様に、1000[V]から2300[V]まで、100[V]毎に徐々に上げていき、それぞれの条件で一次転写電流値と一次転写率とを測定した。また、M100%+Bk5%テスト画像については、Bk用の一次転写ニップを通過した後における感光体2Bkの地肌部に逆転移したMトナーの付着量を測定して、測定結果のニップ進入時の量に対する割合をMトナー逆転写率として求めた。なおトナー付着量については、反射分光濃度計X−Rite938による分光測定結果に基づいて測定した。
図7は、この実験における一次転写電圧と一次転写電流とテスト画像との関係を示すグラフである。また、図8は、この実験における一次転写率と一次転写電圧とMトナー逆転写率とテスト画像との関係を示すグラフである。また、図9は、この実験における一次転写率と一次転写電流とMトナー逆転写率とテスト画像との関係を示すグラフである。
図8に示すように、テスト画像としてBkだけからなる単色のトナー画像を形成した場合には(Bk5%、Bk100%)、画像面積率にかかわらず、一次転写電圧がある所定の値を超えると、一次転写率が急激に低下し始める。より詳しくは、一次転写電圧が2000[V]を超えると、一次転写率が急激に低下し始める。この2000[V]という条件においては、図7に示すように、一次転写ニップに流れる電流が画像面積率に応じて異なってくる。具体的には、Bk5%テスト画像の場合には一次転写電圧=2000[V]の条件で30[μA]の一次転写電流が一次転写電源81Bkから出力されるのに対し、Bk100%テスト画像の場合には一次転写電圧=2000[V]の条件で21[μA]の一次転写電流が一次転写電源81Bkから出力される。
このように、一次転写バイアスを定電圧制御する場合においては、感光体上の画像面積率が低くなるほど、多くの一次転写電流が流れる。その理由は、一次転写電圧を一定に制御する定電圧制御の条件下では、画像面積率が低くなるほど、感光体の電荷量が多くなってより多くの電流がベルトと感光体との間に流れるからである。例えば、プリンタ試験機においては、帯電装置4BkによってBk用の感光体2Bkを約−500[V]に一様に帯電させている。また、画像部(静電潜像)については、レーザー光Lの照射により、−500[V]であった電位を約−30[V]まで減衰させている。感光体2Bkとして、静電容量が9.5×10−7[F/m2]であるものを用いているので、感光体2Bkの地肌部の面積電荷密度は、約−475[μC/m2]程度である。一方、感光体2Bkの画像部の面積電荷密度は、トナーの電荷量0.45×10−3[g/cm2]×−20[μC/g]=−0.009[μC/cm2]=−90[μC/m2]と、感光体の残留電位(約−30[V])の電荷量(−29[μC/m2])との和であるから、約−119[μC/m2]である。感光体2Bkにおいては、地肌部の電荷量が画像部よりも約4倍多いのである。このため、一次転写ニップにおいては、感光体2Bkの画像部と中間転写ベルト21との間に形成される電界よりも、感光体2Bkの地肌部と中間転写ベルト21との間に形成される電界の方が強くなる。すると、感光体2Bkの画像面積率が小さくなるほど、ベルトと感光体との間に電流が流れ易くなるため、一次転写電源81Bkからの電圧出力値を所定の値にするために出力電流量が多くなるのである。
このように、定電圧制御においては、画像面積率が小さくなるほど、電源からの出力電流値が多くなるが、同じ画像面積率であっても、環境によってその出力電流値が大きく異なってくる。これは、環境が変動すると、それに伴って中間転写ベルト21や一次転写ローラ25Bkの抵抗値が変動するからである。このため、定電圧制御の条件では、たとえ画像面積率に応じて出力電圧の目標値を変化させたとしても、環境によっては一次転写電流が過剰になったり、不足したりして、転写不良を引き起こすことがある。このため、一次転写バイアスについては、定電圧制御ではなく、定電流制御した方が有利である。しかも、単純な定電流制御ではなく、出力電流の目標値を画像面積率に応じて変化させるようにすることが望ましい。
Y用の一次転写ニップにおいては、次に説明する理由により、一次転写電流の目標値として、できる限り高い転写効率が得られる値を採用することが望ましい。即ち、Yトナー画像は、M、C、Bk用の全ての一次転写ニップを順次通過することになり、その度に、僅かながらではあるが、トナーを感光体に付着させて失っていくため、他色のトナー画像に比べて薄くなりがちだからである。そこで、Y用の一次転写電源81Yからの出力電流の目標値については、出力電圧を最大の転写効率が得られる値まで大きくすることが望ましい。この実験においては、25[℃]の環境下で行っており、一次転写電圧を2000[V]にした条件で最大の転写効率が得られている。この条件では、Bk5%テスト画像では図7に示したように30[μA]の一次転写電流が流れるのに対し、Bk100%テスト画像では21[μA]の一次転写電流が流れる。単純な定電圧制御では、室温が25[℃]から変化して、ベルトやローラの抵抗が変化すると、一次転写電圧を2000[V]に維持していたとしても、一次転写電流が過剰になったり、不足したりする。2000[V]という値は、25[℃]の環境下で最大の転写効率が得られる電圧条件であり、室温が25[℃]から変化すると、最大の転写効率を実現する電圧条件も変化してしまうからである。これに対し、最大の転写効率が得られる電流条件は、環境にかかわらず一定となる。具体的には、画像面積率が5%であるときには、環境にかかわらず、一次転写電流の値を30[μA]に一定に維持することで、最大の転写効率を実現することができる。また、画像面積率が100%であるときには、環境にかかわらず、一次転写電流の値を100=21[μA]に一定に維持することで、最大の転写効率を実現することができる。
このように、Y用の一次転写電源81Yについては、画像面積率に応じて出力電流の目標値を変化させることで、最大の転写効率を維持することができる。ところが、M、C、Bk用の一次転写電源81M,C,Bkでも同様の定電流制御を実施すると、M、C、Bk用の一次転写ニップにおいて、ベルト上のYトナーを感光体2M,C,Bkの地肌部に逆転写させ易くなる。
例えば、先に示した図8に示したように、Bk用の一次転写ニップにおいては、一次転写電圧の値によっては、ベルト上のM100%トナー画像の感光体2Bk地肌部への逆転写率(Mトナー逆転写率)が非常に高くなってしまう。具体的には、一次転写電圧を1000〜1500[V]に設定した条件ではMトナー逆転写率は0.01[%]未満に留まっているが、一次転写電圧を1600[V]よりも大きくすると、Mトナー逆転写率が急激に上昇し始めることがわかる。
一方、一次転写電圧が2000[V]を超えると、転写効率が急激に低下し始める原因は、次のように考えられる。即ち、一次転写電圧が2000[V]を超えると、感光体における−30[V]の画像部と、中間転写ベルト21との電位差が放電開始電圧を超える。すると、一次転写ニップ内において感光体の画像部(−30[V])と中間転写ベルト21との間で放電が盛んに発生するようになり、画像部上のトナーがその放電によって逆帯電してしまう。この逆帯電により、画像部上のトナーが中間転写ベルト21上に静電移動せずに画像部上に留まってしまうことが、転写効率を低下させている原因であると考えられる。
このような転写効率の低下が起こっているときには、一次転写ニップ内において、感光体の−30[V]の画像部とベルトとの間のみならず、感光体の−500[V]の地肌部とベルトとの間でも、放電が発生している。ところが、単色画像をプリントする際には、一次転写ニップ内において、トナー画像が全く存在していない中間転写ベルト21に対して感光体上のトナー画像を転写するので、感光体の地肌部とベルトとの間にはトナーを介在させていない。このため、地肌部とベルトとの間の放電が表立った現象として現れることはない。転写効率の低下という表立った現象が現れる感光体の画像部(−30V)に着目すると、一次転写電源からの出力電圧を2000[V]よりも大きくすると、感光体の画像部とベルトとの間の電位差を放電開始電圧よりも大きくすることになる。ベルトの表面電位を把握することが困難であるため、便宜上、一次転写電源からの出力電圧で考えると、この実験では、出力電圧と感光体との電位差を2030[V]よりも大きくすると、感光体とベルトとの電位差を放電開始電圧よりも大きくしていることになる。
先に述べたように、この実験において、Bk用の一次転写電源81Bkからの出力電圧を1600[V]よりも大きくすると、Mトナー逆転写率が急激に上昇し始めている。このような急激な上昇が認められる原因は次のように考えられる。即ち、単色画像ではなく、2色以上の重ね合わせによる多色画像をプリントする場合には、2色目以降の一次転写ニップにおいて、既にベルト上に転写しているトナー画像を、後段の感光体の地肌部とベルトとの間に介在させる。このとき、感光体の地肌部(−500[V])と、一次転写電源からの出力電圧との電位差が2030[V]よりも大きいと、地肌部と中間転写ベルト21との間で放電が発生する。そして、既に中間転写ベルト21上に転写されていたトナー画像中のトナーがその放電によって逆帯電して、感光体の地肌部に逆転写してしまう。感光体の地肌部の電位は約−500[V]であるため、一次転写電源からの出力電圧を1530[V]よりも大きくすると、かかる逆転写を引き起こすことになる。この実験では、出力電圧を100[V]単位で上昇させているので、1530[V]は1600[V]の条件に相当している。このため、先に図6に示したグラフにおいて、一次転写電圧が1600[V]を超えると、Mトナー逆転写率が急激に上昇し始めていると考えられる。
室温25[℃]の条件では、既に述べたように、5%画像では一次転写電流=30[μA]、100%画像では一次転写電流=21[μA]の条件の場合に、それぞれ一次転写電圧が最大の転写効率を実現し得る約2000[V]になる。このような一次転写電流の制御をY用の一次転写電源81Yだけでなく、M、C、Bk用の一次転写電源81M,81C,81Bkでも採用したとする。すると、M、C、Bk用の一次転写ニップ内にてそれぞれ、感光体の地肌部と中間転写ベルトとの電位差を放電開始電圧よりも大きくしてしまうため、ベルト上のトナーを感光体の地肌部に逆転写してしまうことになる。
上述したように、M、C、Bk用の一次転写ニップ内では、トナー画像の逆転写が発生し易い。一方、Y用の一次転写ニップにおいては、トナー画像の逆転写は発生しない。そこで、Y用の一次転写電源81Yについては、一次転写効率の低下が起こらない電圧範囲内で、転写ニップ出口における区画の平均画像面積率が高くなるほど、一次転写電流の目標値を小さくするようにしている。具体的には、感光体2Yのニップ出口付近における区画の平均画像面積率x1(0≦x1≦100)に基づいて、Y用の一次転写電源81Yの一次転写電流の目標値IY(x1)を、次式(1)に基づいて求めるように、制御部200を構成している。
IY(x1) = −8.00×x1/100+28.0[μA] ・・・(1)
上記式(1)は、図7及び図8を参考にして、感光体のニップ出口付近における平均画像面積率に関わらず、一次転写電圧を1900[V]付近にし、且つYトナーの高転写効率を実現する目標値を求め得る一次関数として、決定したものである。このように平均画像面積率x1に応じて一次転写電流を変化させることで、Y用の一次転写ニップ内において、感光体2Yの画像部と中間転写ベルト21との間に十分量の一次転写電流を流して良好な一次転写効率を実現することができる。
ただし、本実施形態では、画像形成領域の後端部分を含む後端区画(N番目の区画)は、当該画像形成領域よりも副走査方向後端側の非画像形成領域が含まれる。そのため、その後端区画について算出される平均画像面積率は、本来の画像面積率との誤差が大きなものとなる。具体的には、後端区画について算出される平均画像面積率は、通常、実際よりも低く算出されてしまう。よって、このような誤差の大きな平均画像面積率に対応する転写電流目標値I(N)を設定してしまうと、その後端区画に対応する画像形成領域部分の本来の画像面積率には適合しない不適正な転写電流が流れ、画像後端部分の画像濃度や色味が変わってしまう画質悪化が発生する。
例えば、図15でも示したように、A4横サイズ(副走査方向長さが210[mm])を副走査方向に600画素(=25.4[mm])ずつの区画に分割すると、その分割数は9となる。この場合、後端部分を含む後端区画の画像面積率は、当該画像形成領域に全ベタ画像(画像面積率=100%)が形成されているとき、これを画像面積率が27%であると算出してしまい、その誤差は73%にも及ぶ。そうすると、実際には全ベタ画像であっても、上記式(1)より、一次転写電流IYは、IY=−8.00×0.27+28.0≒25.8[μA]に設定され、本来の最適な一次転写電流であるIY=−8.00×1.00+28.0=20.0[μA]から大きく外れた一次転写電流が流れてしまう。その結果、転写率が10%近くも下がる結果を招く。
そこで、本実施形態においては、上述したように、後端区画(N番目の区画)についての一次転写電流の目標値I(N)については、その直前の(N−1)番目の区画について設定した一次転写電流の目標値I(N−1)と同じ値を用いることにしている。通常、画像形成領域の後端部分付近において急激に画像面積率が変化するような画像パターンが形成されるケースはほとんどなく、また、画像形成領域の後端部分付近で画像面積率が多少変化しても、同じ転写電流を印加するので、色味の変化の小さい良好な画像が得られる。
なお、どんな画像で対しても画像形成領域の後端部分については、常に、予め決められた一定の転写電流値を用いるという方法も考えられる。しかしながら、このような方法では、その画像後端部分の画像面積率が極端に高い場合や極端に低い場合の画像パターンに対して、画像濃度や色味について大きな違いが生じてしまうという不具合がある。
また、後端区画(N番目の区画)についての一次転写電流の目標値I(N)を、その直後である(N+1)番目の区画(非画像形成領域)の画像面積率に基づいて決定する方法も考えられる。しかしながら、多くの画像形成装置では、現像器内のトナー濃度の調整や、そのほかのプロセス条件の調整のために、非画像形成領域に、さまざまなトナーパターンを形成する場合があるため、そのような非画像形成領域の平均画像面積率から転写電流を決定することはできない。
以上は、Y色のプロセスユニットに関する説明であったが、M、C、Bk色のプロセスユニットについても同様の制御を行うことにより、高画質画像を得ることが可能となる。具体的には、例えば、各色のトナー画像に対して設定される平均画像面積率と一次転写電流との関係が図10に示すような関係となるように、最適な一次転写電流を設定する。
次に、本実施形態における一次転写電流の目標値決定制御の他の制御例について説明する。
上述の図5に示した制御例では、画像形成領域の書き込み信号発生タイミングに基づいて、その画像形成領域の先端から当該画像形成領域の画素ライン数Aをカウントし、その画素ライン数Aが600個に達するたびに当該600個分の画素ラインを含む区画Xの平均画像面積率を算出して、当該区画の一次転写電流の目標値I(X)を算出していた。そのため、当該画像形成領域の先端を含む先端区画は、その画像先端から始まるので、非画像形成領域を含まない。
しかしながら、上述したように、非画像形成領域であっても、プロセス条件の調整やトナー濃度の調整のため、様々なトナーパターンが形成される。そのため、例えば画像情報に基づいてタイムリーかつ正確に現像器へのトナー補給を実現するなどの目的のために、トナー画像が形成される画像形成領域だけでなく、その前後の非画像形成領域についての画像部の画素数も取得する必要がある場合がある。このようにして取得される画像部の画素数から画像形成領域の各区画の平均画像面積率を算出するのが好ましいが、当該画像形成領域の先端区画は、その画像形成領域の先端から始まらず、非画像形成領域を含むものとなる場合がある。このような場合、画像形成領域の先端部分においても不適正な一次転写電流の目標値が設定されて画質悪化を生じさせるおそれがある。
本制御例では、このような場合でも、画像形成領域の先端部分に画質悪化が生じないようにする制御を実現するものである。
図11は、本制御例における一次転写電流の目標値決定制御の流れを示すフローチャートである。
本制御例では、印刷ジョブが発生すると(S21)、画像形成領域の書き込み信号が発生する前から、画素ラインBを示すカウント値をゼロに初期化するとともに(S22)、画素ラインBのカウントアップを開始し(S23)、そのB番目の画素ラインの画像面積率を算出する(S24)。これにより、画像形成領域の副走査方向直前の非画像形成領域にトナーパターンが形成される場合にも、その非画像形成領域における画像面積率を取得することができ、その画像面積率も考慮してタイムリーかつ正確に現像器へのトナー補給を実現するなどの目的を実現することが可能となる。
その後、しばらくして、画像形成領域の書き込み信号が発生すると(S25)、上記処理ステップS2の場合と同様に、副走査方向の画像サイズ情報から、当該画像についての区画数(分割サイズN)を算出する(S26)。次に、区画数Xを示すカウント値をゼロに初期化した後(S27)、画素ライン数Bが600画素に達したか否かを判断し(S28)、画素ライン数Bが600画素に達するまで、画素ライン数Bのカウントアップ(S29)、及び、B番目の画素ラインについての画像面積率の算出を繰り返し行う(S30)。
このようにして、1〜600番目の画素ラインについてそれぞれ画像面積率を算出したら(S28のYes)、それらの平均画像面積率を算出する(S31)。本制御例では、この平均画像面積率を、当該1〜600番目の画素ラインを含む区画Xについての画像面積情報として用い、制御部200は、RAM200cに記憶されている転写電流目標値算出アルゴリズムに従って、その区画Xに対応する一次転写電流の目標値I(X)を算出する。具体的には、1つの画像形成領域についてN個に分割した2番目〜(N−1)番目の各区画については、上記転写電流目標値算出アルゴリズムに従って、それぞれの最適な一次転写電流の目標値I(2)〜I(N−1)を設定する(S35,S38,S40)。
ただし、本制御例においては、当該画像形成領域の先端の画素ラインを含む1番目の区画(端部区画)すなわち先端区画については、上記転写電流目標値算出アルゴリズムに従って平均画像面積率から転写電流目標値を算出することはしない(S33のYes,S40)。代わりに、先端区画の一次転写電流の目標値I(1)は、その直後の2番目の区画の転写電流目標値I(2)を上記転写電流目標値算出アルゴリズムに従って平均画像面積率から算出した後(S35)、その転写電流目標値I(2)と同じ値に設定される(S36)。
なお、先端区画内における画像形成領域と非画像形成領域との比率は、毎回変わる可能性がある。そのため、本制御例では、書き込み信号の発生後、分割数Nを算出する際に、副走査方向位置情報(画素数)C0をRAM200cに記憶し、転写電流I(1)〜I(N)を制御するタイミングや時間の長さを当該副走査方向位置情報C0によって補正する。例えば、先端区画に対応する一次転写電流I(1)を印加する副走査方向長さを、先端区画の長さ(600画素)から当該副走査方向位置情報C0の画素数を差し引いた画素数分の長さに補正する。
また、本制御例においても、当該画像形成領域の後端の画素ラインを含むN番目の区画(端部区画)すなわち後端区画については、上記転写電流目標値算出アルゴリズムに従って平均画像面積率から転写電流目標値を算出することはしない(S37のYes)。代わりに、後端区画の一次転写電流の目標値I(N)は、その直前の(N−1)番目の区画の転写電流目標値I(N−1)に設定される(S39)。なお、後端区画に対応する一次転写電流I(N)を印加する副走査方向長さも、上述した副走査方向位置情報C0に基づいて補正してもよい。
以上の説明においては、画像形成領域の先端部分や後端部分が転写ニップを通過するときに流れる転写電流の目標値を、これらの部分に対応する端部区画の画像面積情報(平均画像面積率)ではなく、これに隣接する同じ画像形成領域中の他の区画の画像面積情報を用いて決定する例であった。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、特定区画に対応する画像形成領域部分が転写ニップを通過するときに流れる転写電流の目標値を、その特定区画の画像面積情報に応じて決定してしまうと、逆に不適切な転写電流目標位置が設定されてしまうような場合に、その特定区画に隣接する同じ画像形成領域中の他の区画の画像面積情報を用いて決定してもよい。具体的には、電気的なノイズが発生して特定の画像部分に対応する画像情報が局所的に取得できなかった場合に、当該特定の画像部分が転写ニップを通過するときに流れる転写電流の目標値を、当該特定の画像部分に対応する特定区画に近接した他の区画の画像面積情報に応じて決定してもよい。また、他のプロセスの制御にCPUのリソースがとられて特定区画の画像面積率の算出が遅れてしまった場合に、その特定区画に対応する画像形成領域部分が転写領域を通過する際の転写電流の目標値を、当該特定区画に近接した他の区画の画像面積情報に応じて決定してもよい。
また、以上の説明では、潜像担持体である感光体から中間転写ベルトや記録紙などの被転写体へ転写する際の転写電流を制御する場合について説明したが、中間転写ベルト等の中間転写体から更に別の中間転写体や記録材などの被転写体へ転写する際の転写電流を制御する場合にも適用可能である。ただし、この場合、潜像担持体から転写する場合とは逆に、平均画像面積率が高くなるほど転写電流を大きくするような制御になる。具体例を挙げると、各区画に対応する画像形成領域部分が転写領域を通過するときの転写電流の目標値I2は、対応する区画におけるY、M、C、Kの各色トナー画像の平均画像面積率ηy,ηm,ηc,ηkから、下記の式(2)に基づいて求めることができる。
I2 = −15.0−8.00×(ηy+ηm+ηc+ηk) ・・・(2)
また、上記式(2)では、各色トナー画像の平均画像面積率ηy,ηm,ηc,ηkの係数が一律に「−8.00」としているが、この係数を色ごとに異ならせて、重み付けを行ってもよい。その具体例を、下記の式(3)に示す。
I2 = −15.0−(10.00×ηy+10.00×ηm+7.4×ηc
+4.2×ηk) ・・・(3)
次に、実施形態に係るプリンタの各変形例について説明する。
なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
〔第1変形例〕
図12は、第1変形例に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタは、装置内で記録紙Pを水平方向に搬送しながら、その記録紙Pに画像を形成する点が、記録紙Pを鉛直方向に搬送する実施形態に係るプリンタと異なっている。
タンデムトナー画像形成部10は、Y、M、C、Bkの各色トナー画像を形成するための4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkを有している。転写手段である転写ユニット20は、ニップ形成部材たる無端状の中間転写ベルト21、駆動ローラ22、従動ローラ23、二次転写対向ローラ24、4つの一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bk、二次転写ローラ26などを有している。
無端状の中間転写ベルト21は、側方からの眺めが逆三角形状の形状になる姿勢で、駆動ローラ22、従動ローラ23及び二次転写対向ローラ24に掛け回されている。中間転写ベルト21は、カーボン分散ポリイミドベルトであり、厚さ60[μm]、体積抵抗率は、約1×109[Ω・cm](三菱化学製ハイレスターUP(MCP−HT450を用い印加電圧100[V]での測定値)、引張り弾性率は、2.6[GPa]である。そして、図示しない駆動装置によって駆動ローラ22を回転駆動せしめ、中間転写ベルト21が、図中時計回り方向に無端移動せしめられる。中間転写ベルト21のループ内側には、駆動ローラ22、従動ローラ23、及び二次転写対向ローラ24の他に、4つの一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bkも配設されている。
タンデムトナー画像形成部10は、4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkを中間転写ベルト21の上張架面に沿って水平方向に並べる姿勢で、転写ユニット20の上方に配設されている。画像形成部たるプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、図中反時計回り方向に回転駆動されるドラム状の感光体2Y,2M,2C,2Bkと、現像装置3Y,3M,3C,3Bkと、帯電装置4Y,4M,4C,4Bkとを有している。潜像担持体たる感光体2Y,2M,2C,2Bkは、それぞれ中間転写ベルト21の上張架面に当接してY、M、C、Bk用の一次転写ニップを形成しながら、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。
感光体2Y,2M,2C,2Bkは、直径が60[mm]のドラム状の有機感光体であり、感光層静電容量が、約9.5×10−7[F/m2]程度になっている。帯電装置4Y,4M,4C,4Bkは、帯電電源80Y,80M,80C,80Bkにより帯電バイアスが印加され、感光体2Y,2M,2C,2Bkの表面をトナーの帯電極性と同じ極性に一様帯電せしめるものである。
現像手段たる現像装置3Y,3M,3C,3Bkは、磁性キャリアとポリエステル系の材料からなる粉砕トナーとを収容しており、それぞれ現像剤担持体たる現像ローラを有している。現像ローラは不図示の駆動モータにより図中時計回りの方向に回転させて、必要量の現像剤を表面に保持して感光体との対向位置へ搬送する。現像ローラ内部には、複数の磁石が設けられており、現像ローラ表面に保持されている現像剤は、現像領域で現像領域と対向する磁石による磁力で穂立ちし、現像ローラ表面上の磁気穂が感光体と接触する。現像ローラには、不図示の電源から現像バイアスが印加されている。この現像バイアスと感光体上の静電潜像とによって形成される潜像電界により、現像ローラ上で穂立ちした現像剤からトナーが感光体表面に移動して静電潜像を現像する。
Y、M、C、Bk用の一次転写ニップの下方では、中間転写ベルト21のループ内で、一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bkが中間転写ベルト21を感光体2Y,2M,2C,2Bkに向けて押圧している。4つの一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bkは、金属製の芯金にスポンジ等の弾性体が被覆されたローラであり、芯金を除く体積抵抗値は、1×109[Ω・cm]である。これら一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bkには、一次転写電源81Y,81M,81C,81Bkによって定電流制御されるトナー帯電極性と逆極性の一次転写電流が印加される。
タンデムトナー画像形成部10の上方には、図示しない潜像形成手段たる光書込ユニットが配設されている。この光書込ユニットは、帯電装置4Y,4M,4C,4Bkによって−650[V]に一様帯電せしめられた感光体2Y,2M,2C,2Bkの表面に対し、走査光Lによる光書込処理を施して静電潜像を形成するものである。なお、ベタ画像時における静電潜像の電位Vlは、約−100[V]である。感光体2Y,2M,2C,2Bkに形成された静電潜像は、現像装置3Y,3M,3C,3Bkによって負極性(帯電量約−20[μc/g])のトナーで反転現像され、Y、M、C、Bkのトナー画像(ベタ画像時におけるトナー付着量が約0.6[mg/cm2])になる。これらY、M、C、Bkのトナー画像は、上述したY、M、C、Bk用の一次転写ニップにて、中間転写ベルト21のおもて面に重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト21のおもて面には、4色重ね合わせトナー画像が形成される。
[第2変形例]
図13は、第2変形例に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタは、ニップ形成部材として、中間転写ベルトの代わりに、無端状の紙搬送ベルト121を各色の感光体2Y,2M,2C,2Bkに当接させている点が、実施形態に係るプリンタと異なっている。紙搬送ベルト121は、その表面に保持した被転写体である記録紙を、自らの無端移動に伴ってY、M、C、Bk用の一次転写ニップに順次通していく。この過程で、感光体2Y,2M,2C,2Bk上のY,M,C,Bkトナー画像が、記録紙の表面に重ね合わせて転写されていく。
[第3変形例]
図14は、第3変形例に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタは、1つの感光体2の周囲に、Y、M、C、Bk用の現像装置3Y,3M,3C,3Bkを有している。画像形成を行う場合、まず、感光体2の表面を帯電装置4によって一様に帯電させた後、感光体2の表面に対してY用の画像データに基づいて変調されたレーザー光Lを照射して、感光体2の表面にY用の静電潜像を形成する。そして、このY用の静電潜像を現像装置3Yによって現像してYトナー画像を得た後、これを中間転写ベルト21上に一次転写する。その後、感光体2の表面上の転写残トナーを感光体クリーニング装置5によって除去した後、感光体2の表面を帯電装置4によって再び一様に帯電させる。次に、感光体2の表面に対して、M用の画像データに基づいて変調されたレーザー光Lを照射して、感光体2の表面にM用の静電潜像を形成した後、これを現像装置3Mによって現像してMトナー画像を得る。そして、このMトナー画像を中間転写ベルト21上のYトナー画像に重ね合わせて一次転写する。以降、同様にして、感光体2上でCトナー画像、Bkトナー画像を順次現像して、ベルト上のYMトナー画像上に順次重ね合わせて一次転写していく。これにより、中間転写ベルト21上に4色トナー画像を形成する。その後、中間転写ベルト21上の4色トナー画像を、二次転写ニップで記録紙の表面に一括で二次転写して、記録紙上にフルカラー画像を形成する。そして、定着装置40によって記録紙にフルカラー画像を定着せしめた後、記録紙を機外に排出する。
このような1ドラム型のプリンタに本発明を適用することによって、中間転写ベルト上に一旦転写された転写済みトナー像のトナーが、感光体2に逆転写するのを抑制することができるとともに、中間転写ベルト21上に所望量のトナーを転写することができる。これにより、画像濃度の低下のない良好な画像を得ることができる。
このような、周回方式による重ね合わせ転写を行う構成において、1色目(1周目)の転写工程では、実施形態におけるY用と同様のアルゴリズムを用いる。これに対し、2色目以降(2〜4周目)の転写工程では、実施形態におけるM用と同様のアルゴリズムを用いる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
表面移動する感光体2Y,2M,2C,2Bkの像担持体と、画像情報に基づいて上記像担持体の表面にトナー画像を形成する帯電装置4Y,4M,4C,4Bk、現像装置3Y,3M,3C,3Bk、光書込ユニット90等のトナー画像形成手段と、上記像担持体と中間転写ベルト21等の被転写体との間の一次転写ニップ出口等の転写領域に一次転写電流等の転写電流を流すことによって該像担持体上に形成されたトナー画像を該被転写体へ転写させる一次転写ローラ25Y,25M,25C,25Bk等の転写手段と、上記画像情報に対応するトナー画像が形成される画像形成領域を像担持体表面移動方向に区分けした各区画の平均画像面積率等の画像面積情報を取得し、各区画に対応する画像形成領域部分が上記転写領域を通過する時に流す転写電流を、対応する区画の画像面積情報に応じて制御する制御部200等の転写電流制御手段とを有する画像形成装置において、上記転写電流制御手段は、所定の不使用条件を満たす先端区画や後端区画等の特定区画についての画像面積情報として、同じ画像形成領域における該特定区画に近接した他の区画の画像面積情報を用いることを特徴とする。
これによれば、取得した画像面積情報に基づいて転写電流を制御する場合に不適切な転写電流が設定されて特定の画像部分で画質が悪化することを抑制することが可能となる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、上記所定の不使用条件を満たす特定区画は、画像形成領域の像担持体表面移動方向先端又は後端を含んだ端部区画であるという条件であることを特徴とする。
これによれば、取得した画像面積情報に基づいて転写電流を制御する場合に、画像の先端部分や後端部分で画像濃度や色味が変わってしまう画質悪化を抑制できる。
(態様C)
上記態様Bにおいて、上記区画は、像担持体表面移動方向における画素数が2以上であることを特徴とする。
区画の像担持体表面移動方向における画素数が多いほど転写電流の制御を簡素化することができるが、画像形成領域の先端又は後端を含んだ端部区画における画像面積情報の誤差が大きくなり、この画像面積情報に応じた転写電流制御を行うと、画像の先端部分や後端部分で画像濃度や色味が変わってしまう。本態様によれば、端部区画における画像面積情報を用いずに転写電流を制御するので、転写電流の制御を簡素化しつつ、画像の先端部分や後端部分で画像濃度や色味が変わってしまう画質悪化を抑制できる。
(態様D)
上記態様A〜Cのいずれかの態様において、上記他の区画は、上記特定区画に隣接する区画であることを特徴とする。
これによれば、特定区画に対応する画像形成領域部分が転写領域を通過する際に流れる転写電流を、より適切な値に設定することができる。
(態様E)
上記態様A〜Dのいずれかの態様において、上記転写電流制御手段は、非画像形成領域を挟んで複数の画像形成領域に形成されるトナー画像を連続して上記被転写体へ転写する際の各画像形成領域における区画として、該複数の画像形成領域及び該非画像形成領域を含む全領域を像担持体表面移動方向に一定の間隔で区分けしたものを用いることを特徴とする。
これによれば、上述したように、例えば非画像形成領域にトナーパターンを形成する制御を行う場合の適切なトナー補給を実現するために取得する画像面積情報を利用して、転写電流制御を行うことができる。
(態様F)
上記態様A〜Eのいずれかの態様において、上記画像面積情報から転写電流の目標値を求めるためのアルゴリズムを記憶するRAM200c等の記憶手段を有し、上記転写電流制御手段は、取得した各区画の画像面積情報と、上記記憶手段に記憶されているアルゴリズムとに基づいて、各区画に対応する画像形成領域部分が上記転写領域を通過する時に流す転写電流量の目標値を決定し、決定した目標値に従って上記転写手段が流す転写電流を制御することを特徴とする。
これによれば、画像面積情報に応じた適切な転写電流制御を実現することができる。
(態様G)
上記態様A〜Fのいずれかの態様において、上記像担持体は、感光体2Y,2M,2C,2Bk等の潜像担持体であることを特徴とする。
これによれば、潜像担持体から被転写体へ転写するときの転写電流を適切に制御することができる。
(態様H)
上記態様A〜Fのいずれかの態様において、上記像担持体は、中間転写ベルト21等の中間転写体であることを特徴とする。
これによれば、中間転写体から被転写体へ転写するときの転写電流を適切に制御することができる。