JP2016130830A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016130830A
JP2016130830A JP2015155531A JP2015155531A JP2016130830A JP 2016130830 A JP2016130830 A JP 2016130830A JP 2015155531 A JP2015155531 A JP 2015155531A JP 2015155531 A JP2015155531 A JP 2015155531A JP 2016130830 A JP2016130830 A JP 2016130830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charging
image forming
forming apparatus
image carrier
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015155531A
Other languages
English (en)
Inventor
康仁 久保嶋
Yasuji Kuboshima
康仁 久保嶋
新谷 剛史
Takashi Shintani
剛史 新谷
延雄 桑原
Nobuo Kuwabara
延雄 桑原
賢二 本城
Kenji Honjo
賢二 本城
康広 前畠
Yasuhiro Maehata
康広 前畠
脩之 石塚
Haruyuki Ishizuka
脩之 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Publication of JP2016130830A publication Critical patent/JP2016130830A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】画像形成装置の画像上に生じる帯電ローラ周期の濃度変動を抑制する。
【解決手段】像担持体2Y、2M、2C、2Kと、該像担持体の表面を帯電させる帯電装置3Y、3M、3C、3Kと、像担持体に形成された静電潜像に現像剤中のトナーを供給することで可視像化する現像装置4Y、4M、4C、4Kとを有するプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kを用いた画像形成装置であって、帯電装置に配置され、画像形成動作時に像担持体とともに回転し、像担持体の表面を帯電させる帯電ローラ3aなどのローラ状の帯電部材と、帯電部材における像担持体の回転方向の下流側に配置され、帯電部材によって帯電処理がなされた像担持体の表面の帯電電位を検知する電位センサ18と、帯電部材を加熱可能に配置され、電位センサにより検知された帯電電位に帯電部材周期の電位の変動が検知されたとき、帯電部材を加熱する加熱装置20とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる感光特性を有する像担持体及び現像剤担持体のうち、円筒形状で成型されているもの(例えば、感光体ドラム及び現像ローラ)では、成型の際に生じる部品のばらつきに等により、完全な円筒形状ではなく振れを有している。そのような部品の振れは、画像形成装置内での画像形成時に、画像上でのトナー像の濃度ムラの原因となる。そこで、上記各部品の振れによるトナー像の濃度ムラを補正するために、帯電ローラや現像ローラに印加する各バイアスに、上記各部品の振れの影響を補正するようなバイアスの補正を加え、トナー像の濃度ムラを抑制させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1を含め今までの像担持体及び現像ローラの部品の振れの影響を補正するようなバイアスの補正では、帯電ローラの部品の振れの補正ができておらず、画像上に帯電ローラ周期での濃度変動が生じるという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、画像形成装置の画像上に生じる帯電ローラ周期の濃度変動を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、前記像担持体に形成された静電潜像に現像剤中のトナーを供給することで可視像化する現像装置と、を有するプロセスカートリッジを用いた画像形成装置であって、前記帯電装置に設けられ、画像形成動作時に前記像担持体とともに回転し、前記像担持体の表面を帯電させるローラ状の帯電部材と、前記帯電部材における前記像担持体の回転方向の下流側に配置され、前記帯電部材によって帯電処理がなされた前記像担持体の表面の帯電電位を検知する帯電電位検知手段と、前記帯電部材を加熱可能に配置され、前記帯電電位検知手段により検知された前記帯電電位に帯電部材周期の電位の変動が検知されたとき、前記帯電部材を加熱する加熱装置と、を備える画像形成装置である。
本発明によれば、上記構成により、画像形成装置の画像上に生じる帯電部材周期の濃度変動を抑制することができる。
本発明の実施形態1に係る画像形成装置の概略的な全体構成図である。 実施形態1の主な制御構成を示すとともに、図1のプロセスカートリッジの拡大構成図である。 (a)〜(e)は像担持体と帯電ローラの対向部との関係を帯電ローラの形状ばらつきの点から説明する要部の正面図である。 (a)〜(c)は像担持体と帯電ローラの対向部との関係を帯電ローラの抵抗ばらつきの点から説明する要部の正面図である。 (a)、(b)は帯電ローラの周方向ムラや像担持体の周方向フレにより像担持体における周方向の帯電ムラを説明する線図である。 (a)、(b)は帯電ローラの環境(温度)による形状の変化状態を示す正面図である。 (a)、(b)は帯電ローラの環境(温度)による抵抗値の変化状態を示す正面図である。 実施形態1における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から加熱装置を作動させるまでの動作順序を示すフローチャートである。 実施形態2に係るプロセスカートリッジの拡大構成図である。 実施形態2に係るプロセスカートリッジ内の像担持体及び帯電装置、帯電装置周りの送気装置、吸気装置の配置状態を示す斜視図である。 実施形態2の主な制御構成を示すブロック図である。 実施形態2における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から送気装置及び吸気装置の動作を停止させるまでの動作順序を示すフローチャートである。 実施形態3の主な制御構成を示すとともに、実施形態3に係るプロセスカートリッジの拡大構成図である。 実施形態3における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から帯電ローラの温度上昇動作を行うまでの動作順序を示すフローチャートである。 変形例1の主な制御構成を示すブロック図である。 変形例1における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から帯電ローラの温度上昇動作を行うまでの動作順序を示すフローチャートである。 変形例2の主な制御構成を示すブロック図である。 変形例2における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から帯電ローラの温度上昇動作を行うまでの動作順序を示すフローチャートである。
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能及び形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図及び説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
(実施形態1)
図1を参照して、実施形態1に係る画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る画像形成装置の概略的な全体構成図である。図2は、実施形態1の主な制御構成を示すとともに、図1のプロセスカートリッジの拡大構成図である。
本発明に係る画像形成装置は、ブラック(K)の1色トナーから一画像を形成する装置、又はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色トナーから一画像を形成する装置である。この画像形成装置では、円筒状の像担持体を備えた1色・単一のプロセスカートリッジ、又は2色・2つ以上のプロセスカートリッジを有し、それぞれ像担持体が中間転写体(中間転写ベルト)に接触しながら回転駆動される。本実施形態では、4色・4つのプロセスカートリッジを有した画像形成装置について説明する。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、電子写真方式のカラープリンタである。画像形成装置100は、画像形成部60と、給紙部70と、排紙部80と、を備えている。
画像形成部60は、外部機器であるパーソナルコンピュータ等から送信される画像情報としての画像データに基づいて、シートに画像を記録したり形成したりする作像手段ないしは画像形成手段として機能する。給紙部70は、画像形成装置本体としての装置本体11の最下部に配置され、シート搬送路にシート(コピー用紙、PPC用紙や普通紙あるいはOHPフィルムシートなどが含まれるが、以下、「用紙」で代表する)を供給する。排紙部80は、画像形成部60の上方に設けられ、トナー画像が記録された用紙を排紙する。また、給紙部70と排紙部80との間には、用紙を搬送するための通常搬送路72と両面搬送路73とが配置されている。通常搬送路72の下流側には、未定着のトナー画像が形成された用紙を定着する定着装置40が配置されている。
画像形成部60は、4つのプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kと、潜像形成装置7と、を備えている。各プロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kは、上記4色のトナーに対応してトナー画像を形成すべく、図2に示す像担持体2、帯電装置3、現像装置4、クリーニング装置5及び潤滑剤塗布装置6が2点鎖線で示すユニットフレーム27に一体的に配置されている。各プロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kは、ユニットフレーム27を介して、装置本体11に対して着脱自在に構成されている。
尚、図1では画像形成部60を構成する構成要素にトナーの色を表わす符号Y、M、C、Kを付して示すが、図2ではプロセスカートリッジのみ色を表わす符号Y、M、C、Kを付し、その構成部品については省略する。Y、M、C、Kの色順は、図1に限るものでなく、他の並び順であっても構わない。
潜像形成装置7は、4つのプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kの上方に配置され、像担持体2Y、2M、2C、2Kの表面に潜像を書き込む潜像形成手段ないしは露光手段として機能する。潜像形成装置7は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各像担持体2Y、2M、2C、2Kの表面にレーザ光Lを照射しながら走査する。
プロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kは、それぞれのプロセスカートリッジに対応した色のトナーが供給されてトナー像が形成されることが主として異なり、他の構成は同じであるため、プロセスカートリッジ1Yで代表して説明する。プロセスカートリッジ1Yは、図2において、トナーの色を表わす符号を省略して説明すると、像担持体2と、帯電装置3と、現像装置4と、クリーニング装置5と、潤滑剤塗布装置6とを有する。尚、クリーニング装置5及び潤滑剤塗布装置6は、図1では簡略化して示されている。
像担持体2は、円筒状の像担持体ないしは潜像担持体としての感光体であり、具体的には円筒状・ドラム状の導電性支持体の外周部に感光層が設けられたものである。像担持体2は、図1及び図2に示すように、モータ等の像担持体駆動手段によって図中矢印方向(反時計回り方向)に回転駆動される。
帯電装置3は、像担持体2の外周表面を一様に帯電させる帯電手段として機能する。帯電装置3には、図2に示すように、画像形成動作時に像担持体2とともに回転し、像担持体2の外周表面を一様に帯電させるローラ状の帯電部材としての帯電ローラ3aが配置されている。帯電装置3では、帯電ローラ3aが像担持体2の外周表面に接触するか、又は図2に示すように近接して配設(配置して設けること、又は位置を決めて設けることを意味する)されて構成されている。
帯電ローラ3aが像担持体2の外周表面に接触する接触帯電方式の場合(例えば図1参照)、像担持体2の回転に従動、連れ回り回転する。
帯電ローラ3aが像担持体2に近接して配設されている非接触帯電方式の場合(例えば図2参照)、特許文献1の図3に示されている構成が挙げられる。即ち、感光体(1)外周面とのギャップ形成のために、帯電ローラ(11)の軸方向両端部に設けられたスペーサ部材(15)が感光体(1)における静電潜像形成領域を外れた感光体(1)の両端部に当接するようにした構成を採用している。加えて、像担持体2における非静電潜像形成領域の軸方向外側に形成された像担持体側ギヤと、帯電ローラ3aの軸方向外側に形成された帯電ローラ側ギヤとが噛み合うように構成する。これにより、像担持体2の外周面と帯電ローラ3aの外周面とが所定のギャップを保持しつつ像担持体2の回転に従動回転することができる。接触帯電方式及び非接触帯電方式の何れの方式においても、像担持体2の回転に従動させる上述の従動駆動手段を有している。
現像装置4は、潜像形成装置7により像担持体2上に形成された静電潜像に対応する色の現像剤としてトナーを供給することで可視像化する現像手段として機能する。現像装置4で用いる現像剤は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤である。現像装置4は、図2に示すように、現像ケーシング30、トナー濃度センサ31、現像剤担持体としての現像ローラ32、第1攪拌搬送スクリュ38a、第2攪拌搬送スクリュ38b等を有する。現像ローラ32、第1攪拌搬送スクリュ38a、第2攪拌搬送スクリュ38b及び上記現像剤は、現像ケーシング30内に収容されている。現像ローラ32は、現像ケーシング30の開口から部分的に露出していて、像担持体2と対向する現像ニップ部を形成している。
第1攪拌搬送スクリュ38aを備える現像剤攪拌部と、第2攪拌搬送スクリュ38bを備える現像剤攪拌部とは、現像剤を通過可能な開口部を形成された仕切り壁39により仕切られている。第1攪拌搬送スクリュ38aと第2攪拌搬送スクリュ38bとはその回転により互いに反対・逆方向に現像剤を搬送するよう構成されている。
トナー濃度センサ31は、トナー濃度検知手段として機能し、磁性体であるキャリアに起因する透磁率を検出し、一定体積中に含まれるキャリア量からトナーの濃度を算出している。後述するように、トナー濃度センサ31によって現像装置4内のトナー濃度を検知し、現像装置4内のトナー濃度を一定範囲内に保つように制御する。現像装置4に対しては、その色に対応したトナー補給装置により、図1の潜像形成装置7の上方に配置された現像剤収納容器としてのトナーボトル61Y、61M、61C、61K内のトナーが適宜補給される。
クリーニング装置5は、トナー像転写後の像担持体2の外周表面に残留する転写残トナー等をクリーニングして回収するクリーニング手段として機能する。クリーニング装置5は、図2に示すように、先端部が像担持体2の外周表面にカウンター方向で当接するクリーニングブレード33等を有している。
潤滑剤塗布装置6は、像担持体2の外周表面を保護するために潤滑剤を塗布する機能を有し、クリーニング装置5よりも像担持体2の回転方向下流側に設けられている。潤滑剤塗布装置6は、図2に示すように、像担持体保護剤としての固形状潤滑剤34と、像担持体保護剤を供給する供給部材としての潤滑剤塗布部材35と、潤滑剤塗布部材35に固形状潤滑剤34を押し付ける潤滑剤加圧部材36と、塗布ブレード37とを有する。潤滑剤塗布装置6により像担持体2の外周表面に潤滑剤が塗布され、像担持体2の外周表面に保護層が形成される。
帯電装置3における像担持体2の回転方向下流側の、帯電装置3と現像装置4との間の像担持体2の外周面近傍には、帯電ローラ3aによって帯電処理された像担持体2の外周表面の帯電電位を検知する帯電電位検知手段としての電位センサ18が配置されている。
図1に示すように、画像形成部60の下方に配置されている転写ユニット17について説明する。転写ユニット17は、各プロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kで形成されたトナー像を一旦中間転写ベルト13に転写する1次転写ローラ8を有する1次転写装置と、中間転写ベルト13に転写されたトナー像を用紙に転写する2次転写装置10とを有する。
中間転写ベルト13は、支持ローラ15、16及び2次転写バックアップローラ14に支持・張架(張力がかかった状態で掛け渡すことを意味する)されている。中間転写ベルト13は、各プロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kで形成されたトナー像を重ね合わせて転写するように搬送する無端状ベルトであり、中間転写体として機能する。支持ローラ15近傍における中間転写ベルト13の移動方向下流側には、中間転写ベルト13のトナー像形成面に対向して、テストパターン検知手段としてのトナー付着量センサ19が配置されている。
2次転写装置10は、図1中破線で囲んで示すように、2次転写バックアップローラ14と、中間転写ベルト13を挟んで2次転写バックアップローラ14に対向配置された2次転写ローラ12とを有している。支持ローラ15は、駆動手段に接続された駆動ローラとなっており、図中矢印方向に中間転写ベルト13を回転駆動させる機能を有している。2次転写バックアップローラ14の近傍には、図1中破線で囲んで示すように、中間転写ベルト13の外周表面に付着する残留トナーや異物を掻き取ってクリーニングする中間転写クリーニング装置9が設けられている。中間転写クリーニング装置9は、ブラシローラとクリーニングブレードとを有し、これらが中間転写ベルト13の外周表面に接触するように配置されている。
各1次転写ローラ8は、各像担持体2Y、2M、2C、2Kと中間転写ベルト13を挟んで中心間距離が最短距離で当接する正対位置から中間転写ベルト13の搬送方向下流側に少しずらした位置に配設された接触印加方式のものである。各1次転写ローラ8は、バイアス電源に接続され、1次転写バイアスを中間転写ベルト13の裏面(内周面)から印加可能に構成されている。
2次転写ローラ12は、加圧手段により加圧されて2次転写バックアップローラ14の外周において中間転写ベルト13に圧接され、2次転写バックアップローラ14との間に2次転写ニップを形成するよう構成されている。そして、2次転写ローラ12がバイアス電源に接続された接触方式の転写バイアス印加手段となっていて、2次転写バックアップローラ14は接地されている。
2次転写ニップの図1中右側方には、レジストローラ対78が配設されている。レジストローラ対78では、同ローラ間に挟み込んだ用紙を中間転写ベルト13上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出すようになっている。
2次転写装置10の通常搬送路72の下流側には、通常搬送路72を搬送されてくる未定着のトナー画像が形成された用紙Pを熱定着する定着手段としての定着装置40が配置されている。この定着装置40は、無端状の定着ベルト41等を具備するベルト方式の定着装置である。尚、定着装置40は、これに限らず、定着ローラと加圧ローラとを具備する熱ローラ方式のものでもよい。
給紙部70は、シートとしてそれぞれサイズの異なる所定の用紙Pを収容積載し、装置本体11から引き出し可能な上下段の給紙カセット74a、74bを備えている。また、給紙部70は、給紙カセット74a、74bにそれぞれ積載された用紙Pに上方から所定圧で圧接して送り出す給紙ローラ75と、送り出された用紙Pを1枚ずつに分離する分離ローラ対76と、分離された用紙Pを搬送する給紙搬送ローラ対77とを備えている。
また、給紙部70には、搬送可能な所定サイズの範囲内の任意の用紙を載置する手差トレイ46と、この用紙を送り出す送出ローラとが設けられている。給紙部70では、手差トレイ46に載置された用紙を、上記送出ローラを回転駆動させることにより、手差給紙路45を経由して通常搬送路72に送り出せるようになっている。
排紙部80は、排紙トレイ56と、定着装置40を通過した用紙を排紙路54を経由し排紙トレイ56に排紙・排出する複数の排紙ローラ対55等とを有する。
用紙搬送路及び搬送手段の構成及び動作を補説する。用紙搬送路は、大別して、給紙部70から給送された用紙Pを、装置本体11のレジストローラ対78、2次転写ニップを通過して、搬送ベルトユニット48に搬送する通常搬送路72と、両面印刷のために用紙を反転させる両面搬送路73とからなる。
2次転写ニップを通過した用紙Pは、中間転写ベルト13から離間して、搬送ベルトユニット48に受け渡される。この搬送ベルトユニット48は、無端状の搬送ベルト49を駆動ローラ50と従動ローラ51とによって張架しながら、駆動ローラ50の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動される。そして、2次転写ニップから受け渡された用紙Pを搬送ベルト49の上部張架面に保持しながら、搬送ベルト49の無端移動に伴って搬送して定着装置40に受け渡す。
上述した2次転写ニップを通過した用紙Pは、定着装置40内に送られて定着ベルト41と加圧ローラ42とが圧接して形成される定着ニップに挟み込まれる。そして、加圧及び加熱などの作用により、トナー像の定着処理が施される。2次転写ニップで第1面にトナー像が転写され、且つ定着装置40でその第1面にトナー像が定着された用紙Pは、搬送切替装置53に向けて送り出される。
搬送切替装置53は、定着装置40から受け取った用紙Pのその後の搬送先を、排紙路54又は再送路57に切り替える第1切替爪59aを有している。そして、用紙Pの第1面だけに対して画像を形成する片面モードのプリントジョブの実行時には、搬送先を排紙路54に設定する。これにより、第1面だけに画像が形成された用紙Pを、排紙路54経由で排紙ローラ対55に送って、機外の排紙トレイ56上に排紙する。また、用紙Pの両面に対してそれぞれ画像を形成する両面モードのプリントジョブの実行時において、両面にそれぞれ画像が定着された用紙Pを定着装置40から受け取ったときにも、搬送先を排紙路54に設定する。これにより、両面に画像が形成された用紙Pを、機外の排紙トレイ56上に排紙する。
一方、パーソナルコンピュータの指示に応じて、両面モードのプリントジョブの実行時において、第1面だけに画像が定着された用紙Pを定着装置40から受け取ったときには、搬送先を再送路57に設定する。再送路57には、スイッチバック路58が繋がっており、再送路57に送られた用紙Pは第2切替爪59bにより案内されてスイッチバック路58に進入する。そして、用紙Pの搬送方向の全領域がスイッチバック路58に進入すると、用紙Pの搬送方向が逆転されて、用紙Pがスイッチバックする。スイッチバック路58には、再送路57の他に、両面搬送路73が繋がっており、スイッチバックした用紙Pは、第2切替爪59bにより案内されて両面搬送路73に進入する。このとき、用紙Pの上下が反転する。そして、上下反転した用紙Pは、両面搬送路73と、上記した給紙路43とを経由して、2次転写ニップに再送される。2次転写ニップで第2面にもトナー像が転写された用紙Pは、定着装置40を経由して第2面にトナー像が定着された後、搬送切替装置53と、排紙路54と排紙ローラ対55とを経由して、排紙トレイ56上に排紙される。
次に、後述する画像濃度制御及び図2に示す加熱装置20の動作を除く、画像形成装置100の一般的な動作について説明する。
図1の画像形成装置において、プリントする場合には、パーソナルコンピュータの指示に応じて、フルカラーモード、または白黒モードで画像形成動作が開始される。
フルカラーモードが選択されて、カラー画像を形成する場合を説明する。上述したようにプロセスカートリッジ1Yで代表して説明する。先ず、プロセスカートリッジ1Yにおいて、画像形成動作が開始されると、像担持体2Yが図1の装置本体11の正面から見て反時計回りの方向に回転駆動される。そして、所定のタイミングで、電源装置及び帯電機構により所定の直流の帯電バイアス、又は直流と交流とを重畳させた帯電バイアスが帯電ローラ3aの芯金部に印加される。これにより、対向する像担持体2Yの外周表面が所定の極性(例えば、マイナス)に一様に帯電される。所定の電位に帯電した像担持体2Y表面には、引き続いて潜像形成装置7からトナー色に対応するよう色分解された画像情報に基づいてレーザ光Lが照射・走査されることで露光して、像担持体2Yの外周表面上に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像を担持した像担持体2Yが現像装置4Yに到達すると、像担持体2Yと対向する現像ローラ32により、各色のトナーが供給されて、単色のトナー像として可視像化される。この際には、イエローのトナーが充填されたトナーボトル61Yから所定の補給量だけ補給された現像装置4Yによってトナー像に可視化現像される。
上記の動作は各プロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1K全てで同様にして所定のタイミングで行われる。即ち、像担持体2Yと同様にして、像担持体2M、2C、2K上と対向する現像ローラ32により、像担持体2M、2C、2K上に対応する各色のトナーが供給されて、単色のトナー像として可視像化される。
次いで、像担持体2Y、2M、2C、2Kの外周面上の各色のトナー像は対応する1次転写ローラ8に、電源により像担持体2Y、2M、2C、2K上のトナー像と逆極性の電圧である1次転写バイアスが印加される。これにより、像担持体2Y、2M、2C、2K上のトナー像が図1中矢印方向に走行する中間転写ベルト13上に順次重ねて転写されてゆき、フルカラーのトナー像が形成される。
尚、単色の画像を形成する場合は、ブラックのプロセスカートリッジ1Kで前記動作が行われる。像担持体2Y、2M、2C、2K上の残留トナーは、対応する各クリーニング装置5Y、5M、5C、5Kによりクリーニング・回収され、クリーニング装置内のトナー搬送経路を通り、装置本体11に設置されている廃トナーボトルに搬送されていく。また、中間転写ベルト13上の残留トナーは、中間転写クリーニング装置9によってクリーニングされて、次の画像形成動作に備えられる。クリーニング装置により残留したトナーを回収された後、潤滑剤塗布装置6Y、6M、6C、6Kにより像担持体2Y、2M、2C、2K表面に潤滑剤が塗布され、表面の保護層が形成される。
一方、給紙部70の給紙カセット74a、74b又は手差トレイ46に収納されている何れかの用紙Pが、給紙ローラ75、分離ローラ対76又は送出ローラにより1枚ずつに分離されて通常搬送路72に送り出される。そして、用紙Pが通常搬送路72又は両面搬送路73の下湾曲部を上昇していき、その先端がレジストローラ対78のニップ部に突き当たって一旦停止する。突き当たることによって用紙Pの先端が整えられ、前述の画像形成動作タイミングに合せて、レジストローラ対78を回転させ、2次転写ニップに向けて用紙Pが搬送される。
次に、2次転写装置10の2次転写ニップで、2次転写バイアスが印加され中間転写ベルト13上のフルカラーのトナー像が用紙Pに一括転写された上、定着装置40の定着ニップに送られる。2次転写装置10の2次転写ニップでのトナー像の転写は、2次転写ローラ12に電源より中間転写ベルト13上のトナーと逆極性の電圧が印加されることで行われる。
用紙Pは2次転写ニップ及び搬送ベルトユニット48により定着装置40へ搬送される。そこで、定着ベルト41を介して定着ローラと加圧ローラ42によって熱と圧力が加えられ、用紙Pに担持された未定着のトナー画像が用紙Pに加熱定着される。このように、用紙Pにトナー画像が定着された後、第1切替爪59aによって排紙トレイ56に向かう排紙路54に切り替えられた状態で、排紙ローラ対55が回転することによって排紙トレイ56に排紙・積載される。
本実施形態の画像形成装置100では、図1及び図2の制御構成において画像濃度制御を行っている。画像濃度制御(電位制御)では、まず、1又は2以上のプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kを用いて、トナー付着量が互いに異なる複数のトナーパターンを作像する。そして、そのトナーパターンの静電潜像の電位を電位センサ18で検知するとともに、中間転写ベルト13上に転写されたトナーパターンのトナー付着量をトナー付着量センサ19で検知する。さらに、そのときの当該1又は2以上のプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kにおける現像装置4内のトナー濃度をトナー濃度センサ31で検知する。そして、画像形成装置100内に配置されている画像濃度制御部は、上記各検知結果に基づいて、予め決められた特定画像濃度のトナー付着量が所定の目標付着量になるように、帯電バイアス、現像バイアス、露光量及びトナー濃度それぞれの制御目標値を算出する。ここで、露光量は印加電圧又は印加電流で制御され、制御目標値は画像濃度条件でもある。
即ち、画像濃度制御部は、トナー付着量センサ19で検知されたトナーパターンのトナー付着量の検出値と、トナー濃度センサ31によって検出されたトナー濃度の検出値と、電位センサ18によって検出された像担持体2の露光後表面電位の検出値と、現在の現像バイアスの値と、目標付着量の値とが入力されると、画像濃度条件として、帯電装置3の帯電バイアス、現像装置4の現像バイアス及び潜像形成装置7の露光量(潜像形成装置の印加電圧又は印加電流)それぞれの制御目標値と、現像装置4におけるトナー濃度の制御目標値とを出力する。この最適な画像濃度条件(制御目標値)に従って、その後の画像形成動作時における各装置の印加バイアスやトナー補給を制御することで、安定的な画像濃度を提供している。
本実施形態の画像形成装置100には、図2に示すように、帯電装置3内に配置された帯電ローラ3aの近傍に四角黒模様で示す加熱装置20が配置されている。加熱装置20は、帯電ローラ3aを加熱可能な位置に配置され、電位センサ18により検知された帯電電位に帯電ローラ周期の電位の変動が検知されたとき、帯電ローラ3aを加熱する機能を有する。加熱装置20は、図1の装置本体11側に配設されている。
加熱装置20は、帯電装置3の帯電ローラ3aを覆う図2の正面視で概略ハット形状をなす遮蔽部材21内に配置されている。加熱装置20は、例えば、帯電ローラ3aの長手方向(図2の紙面に直交する方向)に延びて設けられたニクロム線等からなるヒータ線と、このヒータ線に電力を供給する電源とで構成されている。遮蔽部材21はヒータ線とともに帯電ローラ3aの長手方向に延びて設けられている。遮蔽部材21の内面には、発熱したヒータ線からの熱を遮蔽するとともにその熱を反射させる熱反射面が形成されている。
また、本実施形態の画像形成装置100は、加熱装置20の加熱オン・オフ動作を制御する制御手段としての制御部90を有するが、これら制御構成の詳細は図3〜図7に示す技術内容を説明した後で説明する。
図3〜図5を用いて、像担持体と帯電ローラの対向部との関係、像担持体及び帯電ローラにおける周方向での帯電ムラの例を説明する。図3(a)〜図3(e)は像担持体と帯電ローラの対向部との関係を帯電ローラの形状ばらつきの点から説明する要部の正面図である。図4(a)〜図4(c)は像担持体と帯電ローラの対向部との関係を帯電ローラの電気抵抗(以下、単に抵抗ともいう)ばらつきの点から説明する要部の正面図である。図5(a)、図5(b)は帯電ローラの周方向ムラや像担持体の周方向フレにより像担持体における周方向の帯電ムラを説明する線図である。
図2に示したような帯電装置3は、画像形成動作時に回転する帯電ローラ3aの構成としている。このような帯電ローラ方式では、帯電チャージャ等に比べ、放電生成物の発生が少なく、シンプルで安価な構成とすることができる。
像担持体2自体、帯電ローラ3a自体は、それぞれの周方向でばらつきをもっており、その影響で、像担持体外周表面(以下、単に像担持体表面ともいう)の帯電ムラが生じてしまう。像担持体表面の帯電ムラが生じると、露光後表面電位にも帯電ムラと同じ周期のムラが生じてしまい、それを現像装置によりトナー像化するため、画像上でトナー像の濃度ムラとなってしまう。前記の周方向でのばらつきの種類としては2つあり、一つは形状のばらつき、もう一つは抵抗のばらつきである。
形状のばらつき、抵抗のばらつき、それぞれが帯電ムラとなる理由について説明する。図3(a)に示すように、帯電ローラ3aの形状のばらつきを示す一例として、楕円形(一方向の長さがLa(いわゆる長径)、もう一方の長さがLb(いわゆる短径)で、La>Lbの構成を示している。符号3bは、帯電ローラ3aの軸部を表わしている。
接触帯電方式の場合、図3(b)、図3(c)に示すように、像担持体2の軸部2aと帯電ローラ3aの軸部3bとが固定されて、即ち像担持体2の軸部2a中心と帯電ローラ3aの軸部3b中心とを結ぶ距離L1が同じ状態で回転駆動されている。そのため、像担持体2、帯電ローラ3aそれぞれの外周面が周方向で振れていると、帯電ローラ3a表面と像担持体2表面で形成するニップ幅WNが変動してしまい、その結果、像担持体2表面で帯電ムラが生じてしまう。
一方、非接触帯電方式の場合、図3(d)、図3(e)に示すように、像担持体2の軸部2aと帯電ローラ3aの軸部3bとが固定されて、即ち像担持体2の軸部2a中心と帯電ローラ3aの軸部3b中心とを結ぶ距離L2が同じ状態で回転駆動されている。
そのため、像担持体2、帯電ローラ3aそれぞれの外周面が周方向で振れていると、帯電ローラ3a表面と像担持体2表面との間に形成される空隙GP1、GP2が周方向で変動してしまい、その結果、像担持体2表面で帯電ムラが生じてしまう。また、帯電ローラ3aに空隙を形成するための部材を有して、像担持体2表面に直接当接させている非接触帯電方式においても、その空隙を形成するための部材の周方向のフレと、像担持体を帯電させるための胴部のフレの組み合わせにより、像担持体表面に対して、周方向で空隙の変動が生じてしまい、像担持体表面で帯電ムラが生じてしまう。
図4(a)では、抵抗のばらつきの一例として、帯電ローラ3aの外周部を形成している導電性材料部3cの抵抗値が半周ずつで異なっている場合を示している。具体的には、半周の抵抗値がRc、もう半周の抵抗値がRdである場合で、抵抗値Rcが抵抗値Rdよりも大きいとき、即ちRc>Rdである状態を示している。
接触帯電方式及び非接触帯電方式の両方式とも、帯電ローラ3aは回転駆動されているため、像担持体2に対向する帯電ローラ3aの面が変化することで、抵抗値が変動することとなり、像担持体2表面で帯電ムラが発生する可能性がある。このように、帯電ローラ3aの導電性材料部3cが周方向で振れていると、像担持体2に対向する位置での帯電ローラ3aの抵抗値が変動してしまい、その結果、像担持体2表面で帯電ムラが生じてしまう。
前述の帯電ローラ3aの形状のばらつき、抵抗のばらつきによって、図5(a)に示すように帯電ローラ3aの周方向ムラや、図5(b)に示すように像担持体2の周方向のフレとなる。これにより、像担持体2の帯電電位がそれにならった変動となり、周方向における帯電ムラとなる。この帯電ムラは、帯電ローラ3aの径又は抵抗、及び像担持体2の径により、それぞれの周期性を持っている。像担持体2表面で生じた帯電ムラにならって、現像装置4によりトナー像として可視化されるため、最終的にトナー濃度ムラが生じた画像となってしまう。
帯電ローラ3aの外周部は、導電性材料等を用いて形成されているため、環境(温湿度)の変化により、その周方向の傾向(振れ、抵抗の傾向)が変わってしまい、帯電ムラが顕著に現れる。
図6は、帯電ローラ3aの環境による形状の変化状態を示している。図6(a)、図6(b)等において、符号3b1は帯電ローラ3aの軸部3bと実質的に一体の部材である芯金部を示している。例えば、図6(a)に示すように、常温環境では周方向で形状の振れが小さく、真円に近い帯電ローラ3aであったとしても、図6(b)に示すように低温環境へと変化した際には、その導電性材料部3cにおける収縮が生じる。図6(a)に示すように、常温環境では帯電ローラ3aの互いに直交する方向の外径La0と外径Lb0とが同じ、即ちLa0=Lb0である。また、図6(b)に示すように、低温環境では帯電ローラ3aの外径La0に対して外径Lb0が収縮することで外径Lb1(Lb0>Lb1)となる。
このような場合、帯電ローラ3aは、楕円形状や一方向にのみ縮んだ形状になってしまう。その結果、接触帯電式の帯電ローラ3aでは像担持体2とのニップ部が周方向でばらついたり、非接触式の帯電ローラ3aでは像担持体2と形成している空隙(ギャップ)が周方向でばらついたりして、周方向における帯電ムラが生じる可能性がある。
図7は、帯電ローラ3aの環境による抵抗値の変化状態を示している。例えば、図7(a)に示すように、常温環境では周方向で抵抗値の振れが小さく、略均質な帯電ローラ3aであったとしても、図7(b)に示すように低温環境へと変化した際には、その導電性材料部3cの常温から低温にかけての抵抗値の変化度の違いにより、周方向での抵抗値が大きな箇所と小さな箇所が現れてしまう。図7(b)では、その導電性材料部3cの常温から低温にかけての抵抗値の変化度の違いにより、帯電ローラ3aの上半分の抵抗が高い抵抗値Rcであり、下半分の抵抗が低い抵抗値Rdである状態を示している。その結果、帯電ローラ3aの周方向で抵抗値がばらつき、周方向における帯電ムラが生じる可能性がある。
上記の低温環境下での形状ばらつきと、抵抗値ばらつきとが合わさることにより、低温環境下では帯電ムラが顕著に現れる。この周方向の変動による帯電ムラを防止するには、帯電ローラ3aの周方向精度における部品特性として、形状及び抵抗値の高精度な管理が必要となり、非常な困難を伴う。
そこで、本発明の実施形態1では、低温環境下にて顕著な帯電ムラが生じた場合に、帯電ローラ3aの温度を上昇させる機能を、加熱装置20に持たせている。図2に示したように、帯電ローラ3a下流側には電位センサ18が配置されている。この電位センサ18は、上記したように画像濃度制御に用いているが、本発明の実施形態1においては帯電電位のムラの検知に使用する。
図2に示した本実施形態の制御部90を含む要部の制御構成について説明する。図2において、制御部90の入力側には電位センサ18が、出力側には加熱装置20の電源回路が、それぞれ電気的に接続されている。制御部90は、例えば、演算手段及び制御手段の機能を有するCPUと、情報記憶部と、電池等でバックアップされた計時手段としてのタイマとを備えたマイクロコンピュータを具備している。情報記憶部は、データを記憶するフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含むRAM、EEPROM等の不揮発性メモリを含むROM、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。不揮発性メモリを含むRAMやEEPROMは、装置の電源をオフしてもデータを保持しておくことのできる不揮発性メモリである。制御部90は、制御に必要な各種制御プログラム(例えば図8のフローチャート)、固定データ(帯電ローラ周期の信号の変動成分に係る閾値等)、システムの初期設定値等を納めたROMと、ワークメモリ用のRAM、上記タイマ等とで構成されている。
制御部90のCPUは、画像形成装置100に配設されている電位センサ18からの時系列信号を信号記憶手段でもある不揮発性RAMに記憶させる。そして、制御部90のCPUは、不揮発性RAMに記憶された時系列信号から帯電ローラ周期の信号の変動成分を抽出する。帯電ローラ周期の信号の変動成分、即ち、帯電ローラ周期の帯電ムラが、予め設定された閾値を超えた場合、帯電ローラ3aの低温環境下での帯電ムラが現れていると判断し、帯電ムラを抑制させる機能を発動させる。その機能としては、帯電ローラ3a近傍に配置された加熱装置20に電力を加えて発熱させ、帯電ローラ3aを加熱する。加熱された帯電ローラ3aは、図6に示したように導電性材料部3cに生じていた収縮が緩和され、形状が真円に近い形状に戻る。さらに、図7に示したように導電性材料部3cに生じていた抵抗の不均一が緩和され、ほぼ均質な抵抗値に戻る。その結果、帯電ローラ周期の帯電ムラが抑制され、トナー像の濃度ムラが抑制されることとなる。
上述のとおり、制御部90は、電位センサ18からの帯電電位に係る信号を不揮発性RAMに記憶させ、この記憶された時系列信号から帯電ローラ周期の信号の変動成分を抽出し、帯電ローラ周期の帯電ムラが閾値を超えた場合、加熱装置20を発熱させる。言い換えれば、制御部90は、電位センサ18により検知された帯電電位に帯電ローラ周期の電位の変動が検知されたと判断したとき、帯電ローラ3aを加熱するように加熱装置20の発熱動作を制御する制御手段として機能する。
なお、加熱装置20の発熱動作を断接する断接手段としての例えばトランジスタ等を含むスイッチング回路を設け、このスイッチング回路のオン/オフ動作を介して加熱装置20の発熱動作のオン/オフを制御するようにしてもよい。
図8を用いて、本実施形態における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から加熱装置20を作動させるまでの、制御部90のCPUの指令の下に実行される動作処理を説明する。図8は、本実施形態における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から加熱装置を作動させるまでの動作順序を示すフローチャートである。
まず、像担持体2と帯電ローラ3aを回転させるとともに、帯電ローラ3aに帯電バイアスを印加し、像担持体2の表面を帯電させる。そして、帯電ローラ3aの下流側に配置された電位センサ18で帯電電位の信号を検知し、画像形成装置100内に備えた制御部90の信号記憶手段である不揮発性RAMに、帯電電位の時系列の推移データを一時保存する(ステップS1)。
一時保存された帯電電位の信号には、帯電ローラ周期の帯電ムラ以外にも、像担持体周期の帯電ムラや、そのほか像担持体周りに配置された作像に関わる部品による影響で、さまざまな周期の帯電ムラが生じる。帯電ローラ3aのみの影響による帯電ムラを算出するために、前述の帯電電位の信号から、帯電ローラ周期の帯電電位の時系列の信号を抽出する処理を行う(ステップS2)。
次いで、帯電ローラ周期の帯電電位の信号を抽出後、帯電ローラ周期の帯電電位の変動量ΔVd(帯電ムラ)を算出する(ステップS3)。ΔVd(帯電ムラ)を算出後、このΔVd(帯電ムラ)と予め設定された閾値Hとの比較を行う。閾値Hは、帯電ムラが、画像上に帯電ローラ周期で顕在化するか否かの閾値である。画像形成装置の開発段階において、帯電ムラが画像上に帯電ローラ周期で顕在化することが予め確認されて設定されている値となっている(ステップS4)。
ΔVd(帯電ムラ)が閾値Hよりも大きいと判断された場合は、帯電ローラ周期での帯電ムラが増大している状態であると判断し、帯電ローラ3a近傍に配置された加熱装置20をオン作動させる。これにより、帯電ローラ3aを加熱し、帯電ローラ3aに生じている周方向の形状のばらつき、抵抗のばらつきを抑制させる(ステップS5)。一方、ステップS4において、ΔVd(帯電ムラ)が閾値H以内である場合には、ステップS5の動作処理を行わずに終了する。
本実施形態の画像形成装置100では、4つのプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kを有する画像形成部60を備えた構成であったが、これに限定されない。即ち、4つのプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kのうちの2つ以上のプロセスカートリッジや、2つ以上のプロセスカートリッジを有する構成であってもよいことは無論である。
以上説明したとおり、実施形態1によれば、次の第1の技術構成により以下の効果を奏する。本実施形態に係る第1の技術構成は、像担持体2Y、2M、2C、2Kなどの像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電装置3Y、3M、3C、3Kなどの帯電装置と、像担持体に形成された静電潜像に現像剤中のトナーを供給することで可視像化する現像装置4Y、4M、4C、4Kなどの現像装置と、を有するプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kなどのプロセスカートリッジを用いた画像形成装置であって、帯電装置に配置され、画像形成動作時に像担持体とともに回転し、像担持体の表面を帯電させる帯電ローラ3aなどのローラ状の帯電部材と、帯電部材における像担持体の回転方向の下流側に配置され、帯電部材によって帯電処理がなされた像担持体の表面の帯電電位を検知する電位センサ18などの帯電電位検知手段と、帯電部材を加熱可能に配置(帯電部材を加熱可能な位置に)配置され、帯電電位検知手段により検知された帯電電位に帯電部材周期の電位の変動が検知されたとき、帯電部材を加熱する加熱装置20と、を備える画像形成装置100などの画像形成装置であった。
かかる第1の技術構成により、帯電部材を加熱することによって、帯電部材の温度を上昇させ、帯電部材の周方向のムラを抑制し、帯電部材の周方向の帯電能力を均一化させ、帯電電位の電位変動を抑制する。従って、画像形成装置の画像上に生じる帯電部材周期の濃度変動を抑制することができる、という基本的な作用効果を奏する。
本実施形態に係る第2の技術構成は、第1の技術構成において、前記プロセスカートリッジを2つ以上有する。
かかる第2の技術構成により、2つ以上のプロセスカートリッジを有する画像形成装置にも適用でき、帯電部材周期の帯電ムラ抑制の効果を得られる。
本実施形態に係る第3の技術構成は、第1又は第2の技術構成において、加熱装置による帯電部材の加熱は、帯電部材周期の帯電ムラが検知されたプロセスカートリッジのみで行う。
かかる第3の技術構成により、帯電部材周期の帯電ムラが検知されたプロセスカートリッジのみ加熱を行うことにより、消費電力を抑制できる。
本実施形態に係る第4の技術構成は、第1ないし第3の何れか1つの技術構成において、加熱装置は、画像形成装置本体に配置されている。
かかる第4の技術構成により、像担持体や帯電部材はプロセスカートリッジとして画像形成装置に対して着脱可能であり、また寿命等で交換する交換部品である。そのプロセスカートリッジに加熱装置を設けた場合、プロセスカートリッジのメンテナンスとともに交換されることとなるため、画像形成装置本体に配置しておいた方が望ましい。
本実施形態に係る第5の技術構成は、第1ないし第4の何れか1つの技術構成において、帯電部材を像担持体の回転に従動させる従動駆動手段を有し、像担持体の回転動作に連動して回転動作する構成とした。
かかる第5の技術構成により、帯電装置として、独立した駆動手段を有する場合、部品点数が増加するとともに、画像形成装置本体スペースも必要となる。像担持体の回転動作に連動して帯電部材を回転させることができる従動の駆動手段を有することで、駆動構成としてシンプルとなる。
本実施形態に係る第6の技術構成は、第1ないし第5の何れか1つの技術構成において、
帯電電位検知手段で検知した帯電電位の時系列の信号から、帯電部材周期の成分を抽出し、帯電部材周期の変動を算出する。
かかる第6の技術構成により、帯電部材周期で帯電電位が変動した場合のみ、加熱装置を作動させることで、不必要に加熱装置を作動させることを防ぐことができ、消費電力を抑制することができる。
(実施形態2)
図9〜図12を参照して、実施形態2について説明する。図9は実施形態2に係るプロセスカートリッジの拡大構成図、図10は実施形態2に係るプロセスカートリッジ内の像担持体及び帯電装置、帯電装置周りの送気装置、吸気装置の配置状態を示す斜視図である。図11は実施形態2の主な制御構成を示すブロック図、図12は実施形態2における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から送気装置、吸気装置を作動させるまでの動作順序を示すフローチャートである。
実施形態2は、図1、図2、図8に示した実施形態1と比較して、加熱装置20に代えて、送気装置65及び吸気装置67を用いる点、制御部90に代えた制御部90Aを用いる点、図8の動作フローに代えて、図12の動作フローを行う点が主に相違する。これら相違点以外の実施形態2の構成及び動作は、実施形態1の画像形成装置100と同様である。以下、実施形態1と相違する点を中心に実施形態2について詳述する。
実施形態2の帯電装置3は、実施形態1のそれと比較して、遮蔽部材21に代えて、気体としての空気の通路を形成する機能を併せ持つ導風遮蔽部材21Aを用いる点のみ相違する。即ち、図9に示す実施形態2に係るプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kは、遮蔽部材21に代えた導風遮蔽部材21Aを用いる点を除き、上述した実施形態1に係るプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kと実質的に同じである。
図9、図10に示すように、送気装置65は、帯電ローラ3a近傍に送気可能な位置に配置され、電位センサ18により検知された帯電電位に帯電ローラ周期の電位の変動が検知されたとき、送気動作を停止する機能を有する。また、吸気装置67は、帯電ローラ3a近傍に吸気可能な位置に配置され、電位センサ18により検知された帯電電位に帯電ローラ周期の電位の変動が検知されたとき、吸気動作を停止する機能を有する。
送気装置65は、図10に示すように、送気流A1を発生する送気ファン66を有する。また、吸気装置67は、吸気流A2を発生する吸気ファン68を有する。
尚、本実施形態では送気装置65及び吸気装置67の両方を有しているが、これに限定されない。即ち、本発明では、帯電電位検知手段により検知された帯電電位に帯電部材周期の電位の変動が検知されたとき、帯電部材近傍に送気する動作を停止する送気装置及び帯電部材近傍を吸気する動作を停止する吸気装置のうちの少なくとも一方の装置を備えていればよい。
実施形態1において、図3〜図7を参照して述べたように、低温環境下での帯電ローラ3aの形状ばらつきと、抵抗値ばらつきとが合わさることにより、低温環境下では帯電ムラが顕著に現れる。この周方向の変動による帯電ムラを防止するには、帯電ローラ3aの周方向精度における部品特性として、形状及び抵抗値の高精度な管理が必要となり、非常な困難を伴う。
そこで、本発明の実施形態2では、低温環境下にて顕著な帯電ムラが生じた場合に、帯電ローラ3aの温度を上昇させる機能を、送気装置65及び吸気装置67を停止させることに持たせている。これらの送気装置65及び吸気装置67は、帯電装置3周辺の温度調整及び帯電装置3にて像担持体2表面を帯電させる際に生じる放電生成物を排気することがその機能である。
図9に示したように、帯電ローラ3a下流側には電位センサ18が配置されている。この電位センサ18は、上記実施形態1で説明したように画像濃度制御に用いているが、本発明の実施形態2においては帯電電位のムラの検知に使用する。
図11を用いて、実施形態2の制御部90Aを含む要部の制御構成について説明する。実施形態2の制御部90Aは、図2の実施形態1の制御部90と比較して、制御部90Aの出力側には、加熱装置20の電源回路に代えて、送気装置65の送気ファン66、吸気装置67の吸気ファン68がそれぞれ電気的に接続されている点のみ相違する。制御部90Aのハードウェア上の構成は、実施形態1の制御部90と実質的に同じである。本実施形態の制御部90AのROMには、後述する制御に必要な各種制御プログラム(例えば図12のフローチャート参照)、固定データ(帯電ローラ周期の信号の変動成分に係る閾値等)、システムの初期設定値等が記憶されている。
制御部90AのCPUは、画像形成装置100に配設されている電位センサ18からの時系列信号を信号記憶手段でもある不揮発性RAMに記憶させる。そして、制御部90AのCPUは、不揮発性RAMに記憶された時系列信号から帯電ローラ周期の信号の変動成分を抽出する。帯電ローラ周期の信号の変動成分、即ち、帯電ローラ周期の帯電ムラが、予め設定された閾値を超えた場合、帯電ローラ3aの低温環境下での帯電ムラが現れていると判断し、帯電ムラを抑制させる機能を発動させる。
その機能としては、送気装置65の送気ファン66及び吸気装置67の吸気ファン68の駆動動作を停止させることにより、帯電ローラ3aの温度を上昇させる。前述したように、送気装置65及び吸気装置67は、帯電装置3である帯電ローラ3a周辺の温度調整のために備えられている。さらには、送気装置65及び吸気装置67は、帯電ローラ3aから像担持体2への放電時に発生する熱や、画像形成装置100の帯電ローラ3a以外の作像に関わる装置から発生する熱を、画像形成装置100の外側へ排熱することも担っている。従って、送気装置65及び吸気装置67の動作を停止させることによって、帯電ローラ3a周辺の排熱を止め、帯電ローラ3aの温度を上昇させることができる。温度が上昇した帯電ローラ3aは、図6に示したように導電性材料部3cに生じていた収縮が緩和され、形状が真円に近い形状に戻る。さらに、図7に示したように導電性材料部に生じていた抵抗の不均一が緩和され、ほぼ均質な抵抗値に戻る。その結果、帯電ローラ周期の帯電ムラが抑制され、トナー像の濃度ムラが抑制されることとなる。
上記したように、送気装置65及び吸気装置67の動作を停止させることによって、帯電ローラ3a周辺の排熱が行われなくなり、不具合が生じる虞がある。そのため、送気装置65及び吸気装置67の停止は、画像形成装置100の作像状態のときのみや、画像形成装置100が作像をしていない停止中のときのみなど、限定的に行うことによって、送気装置65及び吸気装置67の動作停止による不具合を抑制することができる。
また、送気装置65及び吸気装置67の動作・作動を停止させることによって、帯電ローラ3aにて像担持体2表面を帯電させる際に生じる放電生成物を排気することができなくなる虞がある。しかしながら、帯電ローラ3aの周方向に生じる形状のばらつき及び抵抗のばらつきは、低温環境下で生じる現象であり、低温環境下では放電生成物が生じにくい。従って、送気装置65及び吸気装置67の動作を停止させることにより、放電生成物が排気されないことで生じる弊害は少ない。
上述のとおり、制御部90Aは、電位センサ18からの帯電電位に係る信号を不揮発性RAMに記憶させ、この記憶された時系列信号から帯電ローラ周期の信号の変動成分を抽出する。そして、帯電ローラ周期の帯電ムラが予め設定された閾値を超えた場合、送気装置65及び吸気装置67の動作を一時的に停止させる機能を有する。言い換えれば、制御部90Aは、電位センサ18により検知された帯電電位に帯電ローラ周期の電位の変動が検知されたと判断したとき、送気装置65及び吸気装置67の動作を一時的に停止させるよう制御する制御手段として機能する。
なお、送気装置65及び吸気装置67の動作を断接する断接手段としての例えばトランジスタ等を含むスイッチング回路を設け、このスイッチング回路のオン/オフ動作を介して送気装置65及び吸気装置67の起動・停止動作を制御するようにしてもよい。
図12を用いて、本実施形態における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から送気装置65及び吸気装置67の動作を停止させるまでの、制御部90AのCPUの指令の下に実行される動作処理を説明する。図12は、実施形態2における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から送気装置及び吸気装置の動作を停止させるまでの動作順序を示すフローチャートである。
まず、像担持体2と帯電ローラ3aを回転させるとともに、帯電ローラ3aに帯電バイアスを印加し、像担持体2の表面を帯電させる。そして、帯電ローラ3aの下流側に配置された電位センサ18で帯電電位の信号を検知し、画像形成装置100内に備えた制御部90Aの信号記憶手段である不揮発性RAMに、帯電電位の時系列の推移データを一時保存する(ステップS10)。
一時保存された帯電電位の信号には、帯電ローラ周期の帯電ムラ以外にも、像担持体周期の帯電ムラや、そのほか像担持体周りに配置された作像に関わる部品による影響で、さまざまな周期の帯電ムラが生じる。帯電ローラ3aのみの影響による帯電ムラを算出するために、前述の帯電電位の信号から、帯電ローラ周期の帯電電位の時系列の信号を抽出する処理を行う(ステップS11)。
次いで、帯電ローラ周期の帯電電位の信号を抽出後、帯電ローラ周期の帯電電位の変動量ΔVd(帯電ムラ)を算出する(ステップS12)。ΔVd(帯電ムラ)を算出後、このΔVd(帯電ムラ)と予め設定された閾値Hとの比較を行う。閾値Hは、帯電ムラが、画像上に帯電ローラ周期で顕在化するか否かの閾値である。画像形成装置の開発段階において、帯電ムラが画像上に帯電ローラ周期で顕在化することが予め確認されて設定されている値となっている(ステップS13)。
ΔVd(帯電ムラ)が閾値Hよりも大きいと判断された場合は、帯電ローラ周期での帯電ムラが増大している状態であると判断し、帯電ローラ3a周辺に備えられた送気装置65及び吸気装置67の動作を停止させる。これにより、帯電ローラ3aの温度を上昇させ、帯電ローラ3aに生じている周方向の形状のばらつき、抵抗のばらつきを抑制させる(ステップS14)。一方、ステップS13において、ΔVd(帯電ムラ)が閾値H以内である場合には、そのまま送気装置65及び吸気装置67の作動を継続する(ステップS15)。
実施形態1と同様に、実施形態2の画像形成装置100でも、4つのプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kを有する構成に限らず、4つのプロセスカートリッジのうちの2つ以上のプロセスカートリッジを有する構成であってもよいことは無論である。
以上説明したとおり、実施形態2によれば、次の第7の技術構成により以下の効果を奏する。本実施形態に係る第7の技術構成は、像担持体2Y、2M、2C、2Kなどの像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電装置3Y、3M、3C、3Kなどの帯電装置と、像担持体に形成された静電潜像に現像剤中のトナーを供給することで可視像化する現像装置4Y、4M、4C、4Kなどの現像装置と、を有するプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kなどのプロセスカートリッジを用いた画像形成装置であって、帯電装置に配置され、画像形成動作時に像担持体とともに回転し、像担持体の表面を帯電させる帯電ローラ3aなどのローラ状の帯電部材と、帯電部材における像担持体の回転方向の下流側に配置され、帯電部材によって帯電処理がなされた像担持体の表面の帯電電位を検知する電位センサ18などの帯電電位検知手段と、帯電電位検知手段により検知された帯電電位に帯電部材周期の電位の変動が検知されたとき、帯電部材近傍に送気する動作を停止する送気装置65などの送気装置及び帯電部材近傍を吸気する動作を停止する吸気装置67などの吸気装置のうちの少なくとも一方の装置と、を備える画像形成装置100などの画像形成装置であった。
かかる第7の技術構成により、帯電部材近傍の雰囲気の温度を上昇させることによって、帯電部材の温度を上昇させ、帯電部材の周方向のムラを抑制し、帯電部材の周方向の帯電能力を均一化させ、帯電電位の電位変動を抑制する。従って、画像形成装置の画像上に生じる帯電部材周期の濃度変動を抑制することができる、という基本的な作用効果を奏する。
本実施形態に係る第8の技術構成は、第7の技術構成において、前記プロセスカートリッジを2つ以上有する。
かかる第8の技術構成により、2つ以上のプロセスカートリッジを有する画像形成装置にも適用でき、帯電部材周期の帯電ムラ抑制の効果を得られる。
本実施形態に係る第9の技術構成は、第7又は第8の技術構成において、送気装置及び吸気装置のうちの少なくとも一方の装置の停止は、前記帯電部材周期の帯電ムラが検知されたプロセスカートリッジのみで行う。
かかる第9の技術構成により、帯電部材周期の帯電ムラが検知されたプロセスカートリッジのみ、送気装置及び吸気装置のうちの少なくとも一方の装置の停止を行うことにより、消費電力を抑制できる。
本実施形態に係る第10の技術構成は、第7ないし第9の何れか1つの技術構成において、送気装置及び吸気装置のうちの少なくとも一方の装置は、画像形成装置本体に配置されている。
かかる第10の技術構成により、像担持体や帯電部材はプロセスカートリッジとして画像形成装置に対して着脱可能であり、また寿命等で交換する交換部品である。そのプロセスカートリッジに送気装置及び吸気装置のうちの少なくとも一方の装置を設けた場合、プロセスカートリッジのメンテナンスとともに交換されることとなるため、画像形成装置本体に配置しておいた方が望ましい。
本実施形態に係る第11の技術構成は、第7ないし第10の何れか1つの技術構成において、帯電部材を像担持体の回転に従動させる従動駆動手段を有し、像担持体の回転動作に連動して回転動作する構成とした。
かかる第11の技術構成により、帯電装置として、独立した駆動手段を有する場合、部品点数が増加するとともに、画像形成装置本体スペースも必要となる。像担持体の回転動作に連動して帯電部材を回転させることができる従動の駆動手段を有することで、駆動構成としてシンプルとなる。
本実施形態に係る第12の技術構成は、第7ないし第11の何れか1つの技術構成において、帯電電位検知手段で検知した帯電電位の時系列の信号から、帯電部材周期の成分を抽出し、帯電部材周期の変動を算出する。
かかる第12の技術構成により、帯電部材周期で帯電電位が変動した場合のみ、送気装置及び吸気装置のうちの少なくとも一方の装置の動作を停止させることで、不必要に送気装置及び吸気装置のうちの少なくとも一方の装置を作動させることを防ぐことができ、消費電力を抑制することができる。
(実施形態3)
図13、図14を参照して、実施形態3について説明する。図13は実施形態3の主な制御構成を示すとともに、実施形態3に係るプロセスカートリッジの拡大構成図である。図14は実施形態3における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から帯電ローラの温度上昇動作を行うまでの動作順序を示すフローチャートである。
実施形態3の課題・目的は、実施形態1のそれと同じである。実施形態3は、図1、図2、図8に示した実施形態1と比較して、加熱装置20に代えて、電源装置25を用いることを明示した点、制御部90に代えた制御部90Bを用いる点、図8の動作フローに代えて、図14の動作フローを行う点が主に相違する。これら相違点以外の実施形態3の構成及び動作は、実施形態1の画像形成装置100と同様である。以下、実施形態1と相違する点を中心に実施形態3について詳述する。
実施形態3の帯電装置3は、実施形態1と同様に、帯電ローラ3aに帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加手段としての電源装置25を用いている。電源装置25は、実施形態1と同様に、帯電ローラ3aにより像担持体2の表面を帯電させているとき、帯電ローラ3aの芯金部3b1に直流の帯電バイアス、又は直流と交流とを重畳させた帯電バイアスを印加している。この帯電バイアスの電流が、帯電ローラ3aの導電性材料部3cと、帯電ローラ3aと像担持体2との空隙部と、を流れることにより、像担持体2の表面を帯電させている。上記のとおり、電源装置25は従来と同様のものを用いている。
即ち、図13に示す実施形態3に係るプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kは、上述した実施形態1に係るプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kと実質的に同じである。
実施形態1において、図3〜図7を参照して述べたと同様に、低温環境下での帯電ローラ3aの形状ばらつきと、抵抗値ばらつきとが合わさることにより、低温環境下では帯電ムラが顕著に現れる。この周方向の変動による帯電ムラを防止するには、帯電ローラ3aの周方向精度における部品特性として、形状及び抵抗値の高精度な管理が必要となり、非常な困難を伴う。
そこで、実施形態3では、低温環境下にて顕著な帯電ムラが生じた場合に、帯電ローラ3aの温度を上昇させる機能を、帯電ローラ3aに帯電バイアスを印加する電源装置25に持たせている。電源装置25の帯電バイアスによる電流が、帯電ローラ3aの導電性材料部3cを流れると、帯電ローラ3aの温度は上昇する。これは、帯電ローラ3aの導電性材料部3cは、完全な導体ではなく、10〜10Ωcmの中抵抗の特性を有しており、帯電ローラ3aに電流が流れると、その抵抗によって発熱することによるものである。
発熱により温度が上昇した帯電ローラ3aは、図6に示したように導電性材料部3cに生じていた収縮が緩和され、形状が真円に近い形状に戻る。さらに、図7に示したように導電性材料部3cに生じていた抵抗の不均一が緩和され、ほぼ均質な抵抗値に戻る。その結果、帯電ローラ周期の帯電ムラが抑制され、トナー像の濃度ムラが抑制されることとなる。
図13に示したように、帯電ローラ3a下流側には電位センサ18が配置されている。この電位センサ18は、実施形態1で説明したように画像濃度制御に用いているが、実施形態3においては帯電電位のムラの検知に使用する。
図13を用いて、実施形態3の制御部90Bを含む要部の制御構成について説明する。制御部90Bは、図2に示した実施形態1の制御部90と比較して、制御部90Bの出力側には、加熱装置20の電源回路に代えて、電源装置25が電気的に接続されている点のみ相違する。制御部90Bのハードウェア上の構成は、実施形態1の制御部90とほぼ同じである。制御部90BのROMには、後述する制御に必要な各種制御プログラム(例えば図14に示すフローチャート参照)、固定データ(帯電ローラ周期の信号の変動成分に係る閾値等)、システムの初期設定値等が記憶されている。
制御部90BのCPUは、画像形成装置100に配設されている電位センサ18からの時系列信号を信号記憶手段でもある不揮発性RAMに記憶させる。そして、制御部90BのCPUは、不揮発性RAMに記憶された時系列信号から帯電ローラ周期の信号の変動成分を抽出する。帯電ローラ周期の信号の変動成分、即ち、帯電ローラ周期の帯電ムラが、予め設定された閾値を超えた場合、帯電ローラ3aの低温環境下での帯電ムラが現れていると判断し、帯電ムラを抑制させる機能を発動させる。
その具体的な機能としては、トナー像を像担持体2上に可視化現像させる画像形成動作を行う前に、帯電ローラ3aによる帯電処理を像担持体2上に行い、電位センサ18により帯電電位を測定する。帯電ローラ周期の帯電ムラが閾値を超えない場合は、画像形成動作に移行する。帯電ローラ周期の帯電ムラが閾値を超えた場合は、画像形成動作に移行せずに、帯電ローラ3aと像担持体2とを回転駆動させながら一定時間帯電ローラ3aに通電し、帯電ローラ3aを発熱させ、帯電ローラ3aの温度を上昇させ、再び帯電電位を測定する。帯電電位上の帯電ローラ周期の帯電ムラが閾値を下回るまで、帯電ローラ3aの温度を上昇させる動作を続ける。
上述のとおり、制御部90Bは、電位センサ18からの帯電電位に係る信号を不揮発性RAMに記憶させ、この記憶された時系列信号から帯電ローラ周期の信号の変動成分を抽出し、帯電ローラ周期の帯電ムラが閾値を超えた場合、次の制御手段として機能する。即ち、制御部90Bは、帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加しながら帯電ローラ3aと像担持体2とを回転させ,帯電ローラ3aを発熱させて帯電ローラ3aの温度を上昇させるよう電源装置25を制御する制御手段として機能する。
なお、例えばトランジスタ等を含むスイッチング回路を設け、このスイッチング回路のオン/オフ動作を介して、電源装置25の直流の帯電バイアス、又は直流と交流とを重畳させた帯電バイアスのオンオフを行うようにしてもよい。
図14を用いて、本実施形態における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から帯電ローラ3aの温度上昇動作を行うまでの、制御部90BのCPUの指令の下に実行される動作処理を説明する。
まず、像担持体2と帯電ローラ3aを回転させるとともに、帯電ローラ3aに帯電バイアスを印加し、像担持体2の表面を帯電させる。そして、帯電ローラ3aの下流側に配置された電位センサ18で帯電電位の信号を検知し、画像形成装置100内に備えた制御部90Bの信号記憶手段である不揮発性RAMに、帯電電位の時系列の推移データを一時保存する(ステップS21)。
一時保存された帯電電位の信号には、帯電ローラ周期の帯電ムラ以外にも、像担持体周期の帯電ムラや、そのほか像担持体周りに配置された作像に関わる部品による影響で、さまざまな周期の帯電ムラが生じる。帯電ローラ3aのみの影響による帯電ムラを算出するために、前述の帯電電位の信号から、帯電ローラ周期の帯電電位の時系列の信号を抽出する処理を行う(ステップS22)。
次いで、帯電ローラ周期の帯電電位の信号を抽出後、帯電ローラ周期の帯電電位の変動量ΔVd(帯電ムラ)を算出する(ステップS23)。ΔVd(帯電ムラ)を算出後、このΔVd(帯電ムラ)と予め設定された閾値Hとの比較を行う。閾値Hは、帯電ムラが、画像上に帯電ローラ周期で顕在化するか否かの閾値である。画像形成装置の開発段階において、帯電ムラが画像上に帯電ローラ周期で顕在化することが予め確認されて設定されている値となっている(ステップS24)。
ΔVd(帯電ムラ)が閾値Hよりも大きいと判断された場合は、帯電ローラ周期での帯電ムラが増大している状態であると判断し、帯電ローラ3aの芯金部3a1に帯電バイアス(直流、又は直流と交流とを重畳させた帯電バイアス)を印加する通電を行う。これと同時に、像担持体2と帯電ローラ3aとを回転駆動させ、帯電ローラ3aを発熱させて、帯電ローラ3aの温度上昇動作を行い、帯電ローラ3aに生じている周方向の形状のばらつき、抵抗のばらつきを抑制させる(ステップS25)。ステップS24において、ΔVd(帯電ムラ)が閾値H以内である場合には、動作を終了する。
(変形例1)
図15、図16を参照して、実施形態3の変形例1について説明する。図15は変形例1の主な制御構成を示すブロック図である。図16は変形例1における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から帯電ローラの温度上昇動作を行うまでの動作順序を示すフローチャートである。
図15に示すように、変形例1の制御構成は、実施形態3のそれと比較して、制御部90Bに代えて制御部90Cを用いる点、制御部90Cの入力側に温度センサ28が電気的に接続されている点が相違する。温度センサ28は、画像形成装置100が低温環境下で使用されているか否かを検知するために、画像形成装置100の内部又は画像形成装置100近傍の温度を検知する環境温度検知手段として機能する。
制御部90Cのハードウェア上の構成は、実施形態3の制御部90Bとほぼ同じである。制御部90CのROMには、後述する制御に必要な各種制御プログラム(例えば図16に示すフローチャート参照)、固定データ(帯電ローラ周期の信号の変動成分に係る閾値、低温環境下にあるか否かを判断するための温度データ等)、システムの初期設定値等が記憶されている。
制御部90CのCPUは、帯電ローラ周期の帯電ムラが閾値を超えた場合であって、且つ画像形成装置100が低温環境下で使用されたときに、帯電ローラ3aの温度上昇動作を実行させる機能を有する。
即ち、図14に示した実施形態3のスタートから終了までの帯電ローラ3aの温度上昇動作は、画像形成装置100が低温環境下で使用されたときに動作するものとしてもよい。前述のように、帯電ローラ周期の帯電ムラが発生するのは、低温環境下のみのときであり、常温環境下及び高温環境下では、帯電ムラは発生しないからである。
帯電ローラ3aの温度上昇動作は、画像形成動作の前に行うため、画像形成装置100から画像形成された最初の用紙が排出されるまでに多少時間を要することから、必要なときのみ温度上昇動作をすることが望ましい。それ故に、画像形成装置100が低温環境下で使用されたときに動作するものとしてもよい。
ここで、低温環境とは、上述のような画像形成装置100の場合、画像形成装置100の内部又は画像形成装置100近傍の温度が例えば15℃以下の環境温度に設定されている。尚、低温環境の具体的な温度は、画像形成装置に配設されている帯電装置の帯電ローラ仕様等により若干異なるものであり、上記した具体的な温度はあくまでも一例である。
図16を用いて、変形例1における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から帯電ローラ3aの温度上昇動作を行うまでの、制御部90CのCPUの指令の下に実行される動作処理を説明する。
図16のステップS30からステップS33までのフローは、図14に示した実施形態3のステップS21からステップS24までのフロー(ΔVd(帯電ムラ)を算出後、このΔVd(帯電ムラ)と予め設定された閾値Hとの比較を行う)と同じである。
ΔVd(帯電ムラ)が閾値Hよりも大きいと判断された場合は、直ちに帯電ローラ3aの温度上昇動作を行わずに、画像形成装置100が低温環境下にあるか否かをチェックする(ステップS34)。具体的には、制御部90CのCPUが温度センサ28からの画像形成装置100の環境温度Tに係る信号に基づいて、環境温度Tが15℃以下(T≦15℃)のときのみ画像形成装置100が低温環境下にあると判断し、実施形態3と同様に、帯電ローラ3aの温度上昇動作を行う。これにより、帯電ローラ3aに生じている周方向の形状のばらつき、抵抗のばらつきを抑制させる(ステップS35)。ステップS33において、ΔVd(帯電ムラ)が閾値H以内である場合、及びステップS34において、画像形成装置100が低温環境下にない場合には、動作を終了する。
(変形例2)
図17、図18を参照して、実施形態3の変形例2について説明する。図17は変形例2の主な制御構成を示すブロック図である。図18は変形例2における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から帯電ローラの温度上昇動作を行うまでの動作順序を示すフローチャートである。
図17に示すように、変形例2の制御構成は、実施形態3のそれと比較して、制御部90Bに代えて制御部90Dを用いる点、制御部90Dの入力側に電源スイッチ29が電気的に接続されている点が相違する。画像形成装置100には、画像形成装置100へ電力を供給する電力供給手段としてのメイン電源が接続されている。そして、画像形成装置100は、メイン電源による画像形成装置100への電力供給を断接する電力断接手段としての電源スイッチ29を備えている。
制御部90Dのハードウェア上の構成は、実施形態3の制御部90Bとほぼ同じである。制御部90DのROMには、後述する制御に必要な各種制御プログラム(例えば図18に示すフローチャート参照)、固定データ(帯電ローラ周期の信号の変動成分に係る閾値、画像形成装置100の長時間放置状態を示す時間データ等)、システムの初期設定値等が記憶されている。
制御部90DのCPUは、帯電ローラ周期の帯電ムラが閾値を超えた場合であって、且つ画像形成装置100が長時間放置された後に、電源スイッチ29を介してメイン電源がオンされたときに、帯電ローラ3aの温度上昇動作を実行させる機能を有する。
即ち、図14に示した実施形態3のスタートから終了までの帯電ローラ3aの温度上昇動作は、画像形成装置100が長時間放置された後に、電源スイッチ29を介してメイン電源がオンされたときに動作するものとしてもよい。前述のように、帯電ローラ周期の帯電ムラが発生するのは、低温環境下で帯電ローラ3aの温度が低い状態のときのみであり、帯電ローラ3aの温度が低下せず、断続的に画像形成動作が続いている状態での帯電ローラ3aでは、帯電ムラは発生しない。帯電ローラの3a温度上昇動作は、画像形成動作の前に行うため、画像形成装置100から画像形成された最初の用紙が排出されるまでに多少時間を要することから、必要なときのみ温度上昇動作をすることが望ましい。それ故に、画像形成装置100が長時間放置された後に、メイン電源がオンされたときのみとしてもよい。
ここで、画像形成装置100の長時間放置状態は、例えば制御部90Dに配設され、電池等でバックアップされた計時手段としてのタイマにより、電源スイッチ29のオフから次にオンされるまでの時間を計時することで判断される。タイマにより計時された放置時間は、逐次不揮発性RAMに記憶される。画像形成装置100の長時間放置状態とは、電源スイッチ29のオフから次にオンされるまでの時間として、例えば12時間以上に設定されている。尚、画像形成装置の長時間放置状態の具体的な放置時間は、画像形成装置に配設されている帯電装置の帯電ローラ仕様等により若干異なるものであり、上記した具体的な放置時間はあくまでも一例である。
図18を用いて、変形例2における帯電ローラ周期での帯電ムラの検知から帯電ローラ3aの温度上昇動作を行うまでの、制御部90DのCPUの指令の下に実行される動作処理を説明する。
図18のステップS40からステップS43までのフローは、図14に示した実施形態3のステップS21からステップS24までのフロー(ΔVd(帯電ムラ)を算出後、このΔVd(帯電ムラ)と予め設定された閾値Hとの比較を行う)と同じである。
ΔVd(帯電ムラ)が閾値Hよりも大きいと判断された場合は、直ちに帯電ローラ3aの温度上昇動作を行わずに、画像形成装置100が長時間放置状態にあるか否かをチェックする(ステップS44)。具体的には、制御部90DのCPUが電源スイッチ29からの画像形成装置100の長時間放置状態の時間tに係る信号に基づいて、時間tが12時間(t≧12H)以上のときのみ画像形成装置100が長時間放置状態にあると判断し、実施形態3と同様に、帯電ローラ3aの温度上昇動作を行う。これにより、帯電ローラ3aに生じている周方向の形状のばらつき、抵抗のばらつきを抑制させる(ステップS45)。ステップS43において、ΔVd(帯電ムラ)が閾値H以内である場合、及びステップS44において、画像形成装置100が長時間放置状態にない場合には、動作を終了する。
実施形態1と同様に、実施形態3の画像形成装置100でも、4つのプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kを有する構成に限らず、4つのプロセスカートリッジのうちの2つ以上のプロセスカートリッジを有する構成であってもよいことは無論である。
以上説明したとおり、実施形態3によれば、次の第13の技術構成により以下の効果を奏する。実施形態3に係る第13の技術構成は、像担持体2Y、2M、2C、2Kなどの像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電装置3Y、3M、3C、3Kなどの帯電装置と、像担持体に形成された静電潜像に現像剤中のトナーを供給することで可視像化する現像装置4Y、4M、4C、4Kなどの現像装置と、を有するプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Kなどのプロセスカートリッジを用いた画像形成装置であって、帯電装置に配置され、画像形成動作時に像担持体とともに回転し、像担持体の表面を帯電させる帯電ローラ3aなどのローラ状の帯電部材と、帯電部材における像担持体の回転方向の下流側に配置され、帯電部材によって帯電処理がなされた像担持体の表面の帯電電位を検知する電位センサ18などの帯電電位検知手段と、帯電部材に帯電バイアスを印加する電源装置25などの帯電バイアス印加手段と、帯電電位検知手段により検知された帯電電位に帯電部材周期の電位の変動が検知されたとき、帯電バイアスを帯電部材に印加しながら帯電部材と像担持体とを回転させ、帯電部材を発熱させて帯電部材の温度を上昇させるよう帯電バイアス印加手段を制御する制御部90Bなどの制御手段と、を備える画像形成装置100などの画像形成装置であった。
かかる第13の技術構成により、帯電バイアスを帯電部材に印加しながら帯電部材と像担持体とを回転させ、帯電部材を発熱させて帯電部材の温度を上昇させ、帯電部材の周方向のムラを抑制し、帯電部材の周方向の帯電能力を均一化させ、帯電電位の電位変動を抑制する。従って、画像形成装置の画像上に生じる帯電部材周期の濃度変動を抑制することができる、という基本的な作用効果を奏する。
実施形態3は、上述の構成のとおり、帯電ローラ3a及び電源装置25は従来と同様の構成である。実施形態3は、制御部90Bの一部機能(帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加しながら帯電ローラ3aと像担持体2とを回転させ、帯電ローラ3aを発熱させて帯電ローラ3aの温度を上昇させるタイミング)を変えるだけで済む簡素な構成となっている。
実施形態3に係る第14の技術構成は、第13の技術構成において、前記プロセスカートリッジを2つ以上有する。
かかる第14の技術構成により、2つ以上のプロセスカートリッジを有する画像形成装置にも適用でき、帯電部材周期の帯電ムラ抑制の効果を得られる。
実施形態3の変形例1に係る第15の技術構成は、第13の技術構成において、帯電部材の温度上昇動作は、画像形成装置が低温環境下で使用されたときのみ実行される。
かかる第15の技術構成により、帯電部材周期の帯電ムラが発生する「低温環境下」のみで温度上昇動作を行うことにより、画像形成装置のユーザに対し、必要のないお待たせ時間を強いることが回避できる。
実施形態3の変形例2に係る第16の技術構成は、第13又は第15の技術構成において、画像形成装置が長時間放置された後に、画像形成装置へ電力を供給するメイン電源などの電源が投入されたときのみ実行される。
かかる第16の技術構成により、帯電部材周期の帯電ムラが発生する「画像形成装置が長時間放置された後に、画像形成装置へ電力を供給する電源が投入されたとき」のみで温度上昇動作を行う。これにより、画像形成装置のユーザに対し、必要のないお待たせ時間を強いることが回避できる。
実施形態3、変形例1や2に係る第17の技術構成は、第13ないし第16の何れか1つの技術構成において、帯電部材を像担持体の回転に従動させる従動駆動手段を有し、像担持体の回転動作に連動して回転動作する構成とした。
かかる第17の技術構成により、帯電装置として、独立した駆動手段を有する場合、部品点数が増加するとともに、画像形成装置本体スペースも必要となる。像担持体の回転動作に連動して帯電部材を回転させることができる従動の駆動手段を有することで、駆動構成としてシンプルとなる。
実施形態3、変形例1や2に係る第18の技術構成は、第13ないし第17の何れか1つの技術構成において、帯電電位検知手段で検知した帯電電位の時系列の信号から、帯電部材周期の成分を抽出し、帯電部材周期の変動を算出する。
かかる第18の技術構成により、帯電部材周期で帯電電位が変動した場合のみ、帯電部材の温度上昇動作を行うことで、不必要に温度上昇動作を行うことを防げ、画像形成装置のユーザに対し、必要のないお待たせ時間を強いることが回避できる。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態や実施例等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
例えば、本発明を適用する画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能なカラーデジタル複合機、その他、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の組み合わせの複合機であってもよい。
更には、図1は、本発明の実施形態1に係る電子写真式の画像形成装置として、4連タンデム型中間転写方式のフルカラー機の構成例を示している。本発明は、図1に例示されたフルカラー機に限らず、4連タンデム型直接転写方式のフルカラー機や2連以上のタンデム型中間転写方式の直接転写方式のカラー機、あるいは2連以上のタンデム型直接転写方式のカラー機にも適用可能である。
かかる画像形成装置は、一般にコピー等に用いられる普通紙のみならず、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状記録媒体(シート)としてこれに画像形成を行うことが可能であることが望ましい。かかる画像形成装置は、シートとしての転写紙の片面、あるいは両面に画像形成可能な画像形成装置であってもよい。このような画像形成装置に用いる現像剤は、2成分現像剤に限らず、1成分現像剤であってもよい。
本発明の実施の形態に適宜記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1Y、1M、1C、1K プロセスカートリッジ
2、2Y、2M、2C、2K 像担持体
3、3Y、3M、3C、3K 帯電装置(帯電手段)
3a 帯電ローラ(ローラ状の帯電部材の一例、帯電手段)
4、4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段)
5、5Y、5M、5C、5K クリーニング装置
6、6Y、6M、6C、6K 潤滑剤塗布装置
7 潜像形成装置(潜像形成手段)
11 装置本体(画像形成装置本体)
18 電位センサ(帯電電位検知手段の一例)
19 トナー付着量センサ
20 加熱装置
25 電源装置(帯電バイアス印加手段の一例)
28 温度センサ(環境温度検知手段の一例)
29 電源スイッチ(電力断接手段の一例)
31 トナー濃度センサ
40 定着装置
60 画像形成部
65 送気装置
66 送気ファン
67 吸気装置
68 吸気ファン
70 給紙部
80 排紙部
90、90A、90B、90C、90D 制御部(制御手段の一例)
100 画像形成装置
P 用紙(シート、シート状記録媒体の一例)
特開2007−065485号公報

Claims (12)

  1. 像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、前記像担持体に形成された静電潜像に現像剤中のトナーを供給することで可視像化する現像装置と、を有するプロセスカートリッジを用いた画像形成装置であって、
    前記帯電装置に配置され、画像形成動作時に前記像担持体とともに回転し、前記像担持体の表面を帯電させるローラ状の帯電部材と、
    前記帯電部材における前記像担持体の回転方向の下流側に配置され、前記帯電部材によって帯電処理がなされた前記像担持体の表面の帯電電位を検知する帯電電位検知手段と、
    前記帯電部材を加熱可能に配置され、前記帯電電位検知手段により検知された前記帯電電位に帯電部材周期の電位の変動が検知されたとき、前記帯電部材を加熱する加熱装置と、
    を備える画像形成装置。
  2. 像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、前記像担持体に形成された静電潜像に現像剤中のトナーを供給することで可視像化する現像装置と、を有するプロセスカートリッジを用いた画像形成装置であって、
    前記帯電装置に配置され、画像形成動作時に前記像担持体とともに回転し、前記像担持体の表面を帯電させるローラ状の帯電部材と、
    前記帯電部材における前記像担持体の回転方向の下流側に配置され、前記帯電部材によって帯電処理がなされた前記像担持体の表面の帯電電位を検知する帯電電位検知手段と、
    前記帯電電位検知手段により検知された前記帯電電位に帯電部材周期の電位の変動が検知されたとき、前記帯電部材近傍に送気する動作を停止する送気装置及び前記帯電部材近傍を吸気する動作を停止する吸気装置のうちの少なくとも一方の装置と、
    を備える画像形成装置。
  3. 像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、前記像担持体に形成された静電潜像に現像剤中のトナーを供給することで可視像化する現像装置と、を有するプロセスカートリッジを用いた画像形成装置であって、
    前記帯電装置に配置され、画像形成動作時に前記像担持体とともに回転し、前記像担持体の表面を帯電させるローラ状の帯電部材と、
    前記帯電部材における前記像担持体の回転方向の下流側に配置され、前記帯電部材によって帯電処理がなされた前記像担持体の表面の帯電電位を検知する帯電電位検知手段と、
    前記帯電部材に帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加手段と、
    前記帯電電位検知手段により検知された前記帯電電位に帯電部材周期の電位の変動が検知されたとき、前記帯電バイアスを前記帯電部材に印加しながら該帯電部材と前記像担持体とを回転させ、前記帯電部材を発熱させて該帯電部材の温度を上昇させるよう前記帯電バイアス印加手段を制御する制御手段と、
    を備える画像形成装置。
  4. 前記プロセスカートリッジを2つ以上有することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1つに記載の画像形成装置。
  5. 前記加熱装置による帯電部材の加熱は、前記帯電部材周期の帯電ムラが検知されたプロセスカートリッジのみで行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記加熱装置は、画像形成装置本体に配置されていることを特徴とする請求項1又は5記載の画像形成装置。
  7. 前記送気装置及び前記吸気装置のうちの少なくとも一方の装置の停止は、前記帯電部材周期の帯電ムラが検知されたプロセスカートリッジのみで行うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  8. 前記送気装置及び前記吸気装置のうちの少なくとも一方の装置は、画像形成装置本体に配置されていることを特徴とする請求項2又は7記載の画像形成装置。
  9. 前記帯電部材の温度上昇動作は、前記画像形成装置が低温環境下で使用されたときのみ実行されることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  10. 前記帯電部材の温度上昇動作は、前記画像形成装置が長時間放置された後に、前記画像形成装置へ電力を供給する電源が投入されたときのみ実行されることを特徴とする請求項3又は9記載の画像形成装置。
  11. 前記帯電部材を前記像担持体の回転に従動させる従動駆動手段を有し、前記像担持体の回転動作に連動して回転動作する構成としたことを特徴とする請求項1ないし10の何れか1つに記載の画像形成装置。
  12. 前記帯電電位検知手段で検知した帯電電位の時系列の信号から、帯電部材周期の成分を抽出し、帯電部材周期の変動を算出することを特徴とする請求項1ないし11の何れか1つに記載の画像形成装置。
JP2015155531A 2015-01-13 2015-08-05 画像形成装置 Pending JP2016130830A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015004485 2015-01-13
JP2015004485 2015-01-13

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016130830A true JP2016130830A (ja) 2016-07-21

Family

ID=56415491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015155531A Pending JP2016130830A (ja) 2015-01-13 2015-08-05 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016130830A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019049634A (ja) * 2017-09-08 2019-03-28 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP7347036B2 (ja) 2019-09-06 2023-09-20 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 帯電装置及びこれを用いた画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019049634A (ja) * 2017-09-08 2019-03-28 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP7347036B2 (ja) 2019-09-06 2023-09-20 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 帯電装置及びこれを用いた画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5472791B2 (ja) 画像形成装置
JP5794470B2 (ja) 画像形成装置
JP5516219B2 (ja) 画像形成装置
JP2009163030A (ja) 画像形成装置及びその駆動制御方法
JP2017068191A (ja) 画像形成装置
JP2004021101A (ja) 画像形成装置および方法
JP2015187723A (ja) 画像形成装置
JP2016130830A (ja) 画像形成装置
JP2014092766A (ja) 画像形成装置
JP2004101838A (ja) 画像形成装置、および画像形成装置の制御方法
JP6747166B2 (ja) 画像形成装置
JP5233876B2 (ja) 画像形成装置
JP4780201B2 (ja) 画像形成装置
JP2014228714A (ja) カートリッジ、現像カートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP7400439B2 (ja) 画像形成装置
JP2006251531A (ja) 画像形成装置
JP2013167853A (ja) 画像形成装置
US9025994B2 (en) Image forming apparatus
JP2011191504A (ja) 画像形成装置
JP2008026521A (ja) 画像形成装置
JP6064334B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成プログラム
JP7000751B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2017026969A (ja) 画像形成装置
JP2016130770A (ja) 定着装置及びこれを用いた画像形成装置
JP6055759B2 (ja) 画像形成機構、トナー補給時における画像形成機構の駆動制御方法、及び画像形成装置