JP2016153766A - 磁石構造体及び回転角度検出器 - Google Patents

磁石構造体及び回転角度検出器 Download PDF

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Naoki Mori
尚樹 森
宏史 伊東
Hiroshi Ito
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Abstract

【課題】 温度変動環境に対する耐久性に優れた磁石構造体、及び、これを用いて得られる回転角度検出器を提供すること。【解決手段】 磁石構造体10は、柱状部材と、上記柱状部材の外周面を周方向に取り囲む環状部を有するボンド磁石成型体とを備え、上記ボンド磁石成型体の熱膨張率が上記柱状部材よりも2.0×10−5/K以上大きい。【選択図】 図1

Description

本発明は、磁石構造体及び回転角度検出器に関する。
近年、自動車のステアリングの回転位置の検出等の種々の用途で、磁気式の回転角度検出装置が広く利用されている。磁気式の回転角度検出器としては、例えば、特許文献1及び2に記載されている回転角度検出器が知られている。
上記回転角度検出器は、回転軸に設けられる磁石と、磁石による磁界を検出する磁気センサとを備え、磁気センサの検出出力に基づいて磁石の回転角度を検出するものである。上記回転角度検出装置では、通常、磁石としてフェライト磁石が用いられ、磁石は例えば樹脂系接着剤でステアリングから延びるシャフト等に固定されている。
特許第4947321号公報 特許第5141780号公報
一般に、自動車等に用いられる回転角度検出器は、過酷な温度変動環境に曝されることが多く、このような温度変動環境に対する耐久性が求められる。しかしながら、特許文献1及び2に開示される回転角度検出装置では温度変動環境に対する耐久性が十分であるとは言えず、曝露後に磁石の一部がシャフト等から剥がれる、又は、磁石がシャフト等から脱落するおそれがあった。磁石の一部がシャフト等から剥がれた場合、回転角度検出装置内で磁石の位置ずれが生じ、検出精度が低下する問題が生じる。また、磁石がシャフト等から脱落すれば、回転角度検出装置の検出機能が失われる問題が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、温度変動環境に対する耐久性に優れた磁石構造体、及び、これを用いて得られる回転角度検出器を提供することを目的とする。
本発明は、柱状部材と、上記柱状部材の外周面を周方向に取り囲む環状部を有するボンド磁石成型体とを備え、上記ボンド磁石成型体の熱膨張率が上記柱状部材よりも2.0×10−5/K以上大きい、磁石構造体を提供する。
本発明に係る磁石構造体は、柱状部材に対して、射出成型など、高温にされた流動性のあるボンド磁石成型体の原料を柱状部材に接触させながら成型し、その後冷却して固化することにより好適に製造できる。この場合、冷却時には、熱膨張率の差によって、柱状部材に比べてボンド磁石成型体の方が大きく収縮する。したがって、磁石構造体において、環状部に対して、柱状部材を締め付ける残留応力を与えることができる。これにより、磁石構造体が温度変動環境におかれても、柱状部材とボンド磁石成型体との間に隙間が生じにくく、ボンド磁石成型体の位置ずれ又は脱落を抑制できる。
上記磁石構造体において、上記柱状部材は上記ボンド磁石成型体と接する表面上に凹部又は凸部を有することができる。柱状部材が凹部又は凸部を有し、これらがボンド磁石成型体と接することにより、充填されたボンド磁石成型体が柱状部材から脱落しにくくなる。
上記磁石構造体において、上記筒状部材は真鍮からなるものであることができる。また、上記ボンド磁石成型体は樹脂と磁石粉末とを含み、上記磁石粉末が希土類磁石粉末であることができる。また、上記ボンド磁石成型体は、さらに、上記柱状部材の端面に対向する板状部を有することができる。また、上記ボンド磁石成型体の2つの磁極は上記柱状部材の軸に垂直な方向に互いに離間していることができる。
本発明はまた、上記磁石構造体と磁気センサとを備える、回転角度検出器を提供する。回転角度検出器が上記磁石構造体を備えることにより、温度変動環境に曝露された場合にも、優れた検出精度を維持することができる。
本発明によれば、長時間の環境変化に対する耐久性に優れた磁石構造体、及び、これを用いて得られる回転角度検出器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る磁石構造体を示す斜視透視図である。 本発明の一実施形態に係る磁石構造体の断面図である。 本発明の一実施形態に係る回転角度検出器を示す斜視透視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[磁石構造体]
図1は本発明の一実施形態に係る磁石構造体10を示す斜視透視図であり、図2は上記磁石構造体10の断面図である。本実施形態の磁石構造体10は、柱状部材2と、ボンド磁石成型体4とを備える。
(柱状部材)
本実施形態において、柱状部材2は円柱形状を有し、軸方向長さ、すなわち、高さhは、例えば、3〜20mmであることができ、5〜15mmであることが好ましい。柱状部材2の直径dは、例えば、1〜15mmであることができ、3〜12mmであることが好ましい。
柱状部材2の材料は、非磁性体であることが好ましい。非磁性体としては、例えば、アルミニウム(2.3×10−6/K)、銅(1.7×10−5/K)、真鍮(1.7×10−5〜2.0×10−6/K)及びステンレス(1.0×10−5〜1.8×10−5/K)等が挙げられる。各材料名の隣の数値は大よその熱膨張係数の値である。柱状部材2の材質は真鍮であることがより好ましい。
(ボンド磁石成型体)
図2に示すように、ボンド磁石成型体4は、柱状部材2の外周面2pを周方向に取り囲む環状部4rと、柱状部材の上面(端面)2eに対向する板状部4eと、を有する一体成型品であり、柱状部材2の上部と同じ形状の凹部を形成している。板状部4eは円柱状の外形を有し、柱状部材2の中心軸Cに垂直な外側の端面4aを有する。また、板状部4eの反対側の端面4bは柱状部材2の端面2eと接している。環状部4rは、柱状部材2の外周面2pの一端部を周方向に取り囲み、当該外周面2pの一端部と接触している。図1に示すように、ボンド磁石成型体4のN極及びS極は、中心軸Cに垂直な方向に離間している。ボンド磁石成型体4は等方性ボンド磁石成型体であってもよく、異方性ボンド磁石成型体であってもよい。生産性の観点からはボンド磁石成型体4は等方性ボンド磁石成型体であることが好ましい。また、コスト低減の観点からは、ボンド磁石成型体4は等方性ボンド磁石成型体であることが好ましい。
図2において、板状部4eの軸方向高さhは、例えば、1〜12mmであることができ、3〜10mmであることが好ましい。柱状部材2とボンド磁石成型体4との一層高い密着性(保持力)を得る観点から、環状部4rが柱状部材2と接触する面4iの軸方向高さhは、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。環状部4r及び板状部4eの直径dは、例えば、5〜25mmであることができ、10〜20mmであることが好ましい。
ボンド磁石成型体4は樹脂と磁石粉末とを含む。上記樹脂は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂であることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、エラストマー、アイオノマー、エチレンプロピレン共重合体(EPM)及びエチレン―エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。また、エラストマーとしては、具体的には、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系及びポリアミド系等が挙げられる。上記樹脂は、成型方法、成型性、耐熱性及び機械的特性等に応じて選択される。ボンド磁石成型体4を圧縮成型により製造する場合、上記樹脂は熱硬化性樹脂であることが好ましく、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂であることがより好ましい。また、ボンド磁石成型体4を射出成型により製造する場合、上記樹脂は熱可塑性樹脂であることが好ましい。ボンド磁石成型体4の製造には、これら樹脂の他に、カップリング剤及びその他の添加剤等を用いる場合がある。上記熱可塑性樹脂の融点は、成型性及び耐久性等の観点から、例えば、100〜350℃であることが好ましく、120〜330℃であることが好ましい。ボンド磁石成型体4は、1種類の樹脂を単独で含んでいてもよく、2種類以上の樹脂を含んでいてもよい。
上記磁石粉末としては、例えば、希土類磁石粉末及びフェライト磁石粉末等が挙げられる。高い磁気特性を得る観点から、磁石粉末は希土類磁石粉末であることが好ましい。希土類磁石としては、R−Fe−B系、R−Co系及びR−Fe−N系等が挙げられる。Rは希土類元素を指す。なお、本明細書において、希土類元素は、長周期型周期表の第3族に属するスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイド元素を意味する。ランタノイド元素には、例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビニウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)等が含まれる。また、希土類元素は、軽希土類元素及び重希土類元素に分類することができる。本明細書における「重希土類元素」はGd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuを示し、「軽希土類元素」はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm及びEuを示す。
磁石粉末はR−Fe−B系磁石粉末であることがより好ましい。R−Fe−B系磁石粉末は、R(希土類元素)としてNd及びPrの少なくとも一方を含んだR(Nd、Pr)−Fe−B系磁石粉末であることが好ましい。R−Fe−B系磁石粉末は、R、Fe及びB以外に、必要に応じてCo、Ni、Mn、Al、Cu、Nb、Zr、Ti、W、Mo、V、Ga、Zn及びSi等の他の元素、又は不可避的不純物を含んでいてもよい。
ボンド磁石成型体4が等方性ボンド磁石成型体である場合、磁石粉末の形状は特に制限されず、球状、破砕状、針状及び板状等のいずれであってもよい。一方、ボンド磁石成型体4が異方性ボンド磁石成型体である場合、磁石粉末の形状は針状又は板状等であることが好ましい。磁石粉末の平均粒径は30〜250μmであることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。ボンド磁石成型体4は、1種類の磁石粉末を単独で含んでいてもよく、2種類以上の磁石粉末を含んでいてもよい。なお、平均粒径の定義はレーザー回折式粒度測定法における体積基準の粒度分布のd50である。
本実施形態に係る磁石構造体10において、ボンド磁石成型体4の熱膨張率は柱状部材2より2.0×10−5/K以上大きく、好ましくは、2.5×10−5/K以上大きく、より好ましくは、3.0×10−5/K以上大きい。
したがって、ボンド磁石成型体の樹脂及び磁石粉末の種類(材料、粒径、粒子形状など)、及び、これらの配合比は、柱状部材2とボンド磁石成型体4との熱膨張率の差が上記範囲内に入るように、適宜選択すればよい。
ボンド磁石成型体4の熱膨張率は、具体的には、4.5×10−5/K以上であることが好ましく、5.0×10−5/K以上であることがより好ましい。本明細書において、熱膨張率は線膨張率である。
また、樹脂の含有量は、所望の磁気特性及び成型性を得る観点から、ボンド磁石成型体4の全体積に対して、40〜90体積%であることが好ましく、50〜80体積%であることがより好ましい。また、磁石粉末の含有量は、同様の観点から、ボンド磁石成型体4の全体積に対して、10〜60体積%であることが好ましく、20〜50体積%であることがより好ましい。
本実施形態において、柱状部材2はボンド磁石成型体4が形成された一端と反対側の他端の端面上に凹部Vを有しており、当該凹部Vには柱状部材2の他端側から自動車のハンドルシャフト等の回転軸を挿入し固定することができる。
ボンド磁石成型体4を形成する方法の一例として、射出成型が挙げられる。まず、柱状部材2を、一端(凹部Vが形成されていない端面)が上方を向くように、下部金型内に固定する。下部金型は、柱状部材2を収容する凹部、及びボンド磁石成型体の下部を形成する空間を有する。次に、下部金型に上部金型を取り付けて金型を閉じて、金型内にボンド磁石成型体4を製造可能なキャビティが形成される。続いて、樹脂及び磁石粉末を含む原料組成物を加熱等により流動化し、上記金型内のキャビティに射出し、冷却等により固化することにより、ボンド磁石成型体4が形成される。ボンド磁石成型体4が等方性ボンド磁石成型体である場合、射出成型は無磁場で行われる。一方、ボンド磁石成型体4が異方性ボンド磁石成型体である場合、射出成型は磁場中で行われる。また、柱状部材2内にボンド磁石成型体4を形成する方法としては、この他、圧縮成型及び押出成型等が挙げられる。
本実施形態に係る磁石構造体10によれば、ボンド磁石成型体4の熱膨張率が柱状部材2よりも大きく、ボンド磁石成型体4の環状部4rが柱状部材2の外周面2pを取り囲むように形成されている。このような構造では、ボンド磁石成型体を成型する際の高温状態から常温まで冷却される際に、熱膨張率の差によって、柱状部材に比べてボンド磁石成型体の方が大きく収縮する。したがって、磁石構造体10において、環状部4rに、柱状部材2を締め付ける大きな残留応力を与えることができる。これにより、磁石構造体10が温度変動環境におかれても、柱状部材2とボンド磁石成型体4との間に隙間が生じにくく、磁石の位置ずれ又は脱落を抑制できる。したがって、検出精度が向上する。
[回転角度検出器]
図3は本発明の一実施形態に係る回転角度検出器を示す斜視透視図である。本実施形態に係る回転角度検出器20は、上記磁石構造体10と磁気センサ12とを備える。磁気センサ12は磁石構造体10のボンド磁石成型体4の端面の上方に磁石構造体10と一定の間隙を空けて配置される。磁石構造体10と磁気センサ12との間隙は、磁石構造体10の磁気特性及び磁気センサ12の検出性能等に応じて適宜選択することができる。
磁気センサ12は磁石構造体10から発生する磁界を検出する。磁気センサ12は、例えば、ホイートストンブリッジ回路等で構成される検出回路を有し、上記ホイートストンブリッジ回路の磁気検出素子として、磁気抵抗効果素子(MR素子)を有する。MR素子としては、例えば、トンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)、異方性磁気抵抗効果素子(AMR素子)、及び巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)等が挙げられる。磁気センサ12には、TMR素子が好適に用いられる。磁気センサ12は、2つのMR素子を有する二軸型であることができ、磁石構造体10の中心軸Cに対して直交する面内の磁場の方向を検出する。
上述のとおり、磁石構造体10において、ボンド磁石成型体4のN極及びS極は、中心軸Cに垂直な方向に離間して配置されている。これにより、磁石構造体10のまわりには、図示のMのような静磁界が発生し、柱状部材2の中心軸C上に、中心軸Cに対して垂直な方向の磁界が生ずる。中心軸上の磁界の方向は、磁石構造体10の回転方向Rにおける回転位置に応じて変化するため、磁界の方向を磁気センサ12が検出することにより、磁石構造体10の回転角度を検出することができる。
回転角度検出器20では、自動車のハンドルシャフト等の回転軸14が柱状部材2の他端側から磁石構造体10に挿入され、磁石構造体10に対して固定されている。すると、磁石構造体10は回転軸14の回転に連動して柱状部材2の中心軸を中心として方向Rに回転する。したがって、磁石構造体10の回転角度を検出することにより、回転軸14の回転角度を検出することができる。
特に、本実施形態では、回転角度検出器20が磁石構造体10を備えることにより、長時間の温度変動環境に曝露された場合にも、柱状部材2に対するボンド磁石成型体4の位置ずれが起こりにくくなり、回転位置の検出精度の向上が可能になる。
本発明は上記実施形態に限定されず様々な変形態様をとることが可能である。例えば、上記実施形態では、円柱形状の柱状部材を使用しているが、断面が多角形の柱状部材でもよく、断面が楕円形の柱状部材でもよい。また、柱状部材と接するボンド磁石成型体の外形も、柱状部材の外形に応じて、適宜変形できる。ボンド磁石成型体の外形は、例えば、多角形の環状であってもよく、楕円形の環状であってもよい。
また、上記実施形態では、ボンド磁石成型体4が柱状部材2の中心軸Cに垂直な端面4aを有するが、ボンド磁石成型体4の2つの磁極が中心軸Cに対して垂直な方向に離間していれば、垂直な端面を有さなくても実施は可能である。
また、上記実施形態では、柱状部材2の他端の端面上に凹部Vを有しているが、上記凹部Vを有していなくてもよい。柱状部材2が上記凹部を有しない場合、自動車のハンドルシャフト等の回転軸を柱状部材2の底面に直接接着、固定することができる。
また、上記実施形態では、ボンド磁石成型体4は、円板状の板状部4eを有しているが、板状部4eの形状も特に限定されず、さらに、環状部4rを有していれば板状部4eを有しなくても実施可能である。
また、柱状部材2が筒状部材であってもよい。この場合、ボンド磁石成型体4の一部は、筒状部材内に突出し、その内周面と接触することができる。柱状部材2が筒状部材である場合、筒状部材の一端側から内部空間の一部がボンド磁石成型体4で充填され、充填されていない部分には、柱状部材2の他端側から自動車のハンドルシャフト等の回転軸を挿入し固定してもよい。
また、柱状部材の一端は複数に、例えば、2〜10程度に分岐していてもよい。このとき、ボンド磁石成型体4は複数の分岐部分の少なくとも1つを取り囲む環状部を有するように形成される。ボンド磁石成型体4は分岐部分の全てと接していてもよく、一部と接していてもよい。
また、上記実施形態の柱状部材2では、中心軸C方向に沿って外径が変化しないが、中心軸C方向に沿って外径(柱状部材が筒状である場合には内径も)が変化してもよい。このような例としては、例えば、柱状部材2の外径がテーパー状及び半球形状等であることができる。また、上記実施形態において、ボンド磁石成型体4の環状部4rが接する部分と、接しない部分とで、柱状部材2の外径、あるいは、テーパーの有無や程度を変えることもできる。さらに、ボンド磁石成型体4の外径も同様に、中心軸Cの方向に沿って変化してよい。
種々の形状の内でも、軸周りに回転することを考慮すると、磁石構造体10は、柱状部材2の中心軸Cを含む任意の断面形状は、上記中心軸Cに対して線対称であることが好ましい。
また、柱状部材2は、柱状部材2のボンド磁石成型体4と接する表面上に、凹部又は凸部を有し、ボンド磁石成型体4がこれに対応する凸部及び凹部を有してもよい。これにより、充填されたボンド磁石成型体4が柱状部材2からより脱落しにくくなる。
凹部又は凸部の数は、例えば、1〜20程度であり、2〜10程度であってもよい。凹部又は凸部の高さは、例えば、0.1〜2.0mm程度であり、0.2〜1.5mm程度であってもよい。凹部又は凸部の幅は、例えば、0.1〜2.0mm程度であり、0.2〜1.5mm程度であってもよい。なお、上記凹部又は凸部及び柱状部材2の中心軸Cに対して対称に設けられていてもよく、対称に設けられていなくてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[評価方法]
(熱膨張率)
下記実施例及び比較例で得られた磁石構造体から、ボンド磁石成型体を3×3×15mmにカットして、熱膨張率測定用のサンプルを作製した。作製したサンプルを、熱膨張計(アルバック理工株式会社製、商品名:DL−7000)内に設置し、昇温速度5℃/分にて、20℃から150℃まで加熱して、サンプルの熱膨張率を測定した。また、筒状部材については、実施例及び比較例に用いた筒状部材と同材質のブロック(3×3×15mm)を準備し、上記ボンド磁石成型体と同様に熱膨張率を測定した。
(耐久性)
下記実施例及び比較例で得られた磁石構造体を手動にて振動させ、柱状部材とボンド磁石成型体との間の衝突音の有無を確認した。続いて、上記磁石構造体を、熱衝撃試験装置(ESPEC社製、商品名:TSA−103EL)中に載置し、−40から150℃までの昇温工程、150℃での30分の保持工程、150℃から−40℃までの降温工程、及び−40℃での30分の保持工程を1サイクルとして、2000サイクルの間上記工程に曝露した。曝露後の磁石構造体を手動にて振動させ、柱状部材とボンド磁石成型体との間の衝突音の有無を確認した。磁石構造体の耐久性を下記基準に基づいて判断した。
A:曝露後の振動で衝突音が発生せず、耐久性に優れる。
B:曝露後の振動で衝突音が発生し、耐久性にやや劣る。
C:曝露後の振動でボンド磁石成型体が柱状部材から脱落し、耐久性に劣る。
[磁石構造体の作製]
(実施例1)
R−Fe−B系磁性合金(原料合金)を準備した。原料合金の組成は、RとしてNdを30質量%、Bを1質量%とし、Feを残部とした。なお、原料合金中に不可避的に含まれる不純物は1質量%よりも十分小さかった。この合金を、急冷固化法により加工して、NdFe14B磁石粉末(平均粒径:150μm)を得た。
磁石粉末としてNdFe14B 45体積部と、熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂(融点:約176℃)55体積部とを混合した。キャビティ内を窒素置換した加圧加熱ニーダーに得られた混合物を投入して、200℃で混練することにより、磁石組成物を得た。磁石組成物をペレタイザを用いてペレット化した。
次に、真鍮製の円柱状部材(直径d:10mm、高さh:14mm、熱膨張率:2.0×10−5(1/K))及び成型用金型を準備した。上記成型用金型は上部金型と下部金型からなり、下部金型は上記柱状部材の下部を収容する凹部及びボンド磁石成型体に対応する空間を有し、上部金型は下部金型と合わせて円柱状のキャビティ(直径d:18mm、高さh+h:10mm)を形成する。上記柱状部材をその一端が上方に4mm突き出るように上記下部金型の凹部に挿入した。下部金型を上部金型で閉じ、80℃にまで金型を加熱した。得られたペレットを射出成型装置に投入し、装置内部で加熱溶融させた。加熱溶融したペレットを、スクリューにより、射出温度220℃で、上記金型のキャビティ内に射出した。冷却した金型から、一端にボンド磁石成型体が形成された柱状部材を取り出した。ボンド磁石成型体のh、h、dは、それぞれ、6mm、4mm、18mmとした。
ボンド磁石成型体が形成された柱状部材を空芯コイル内部に配置した。空芯コイルに2200Vの電圧を印加して、ボンド磁石成型体を着磁することにより、実施例1の磁石構造体を得た。ボンド磁石成型体の熱膨張率を測定したところ、5.1×10−5(1/K)であった。磁石組成物の組成、並びに、熱膨張率及び耐久性の評価結果を表1に示す。なお、表1中のPA12はポリアミド12(又は、ナイロン12)と呼ばれ、熱可塑性樹脂としてのポリアミド樹脂を示す。PA12は、ポリアミド樹脂の中で吸水性が低いことから、寸法変化が小さく、ボンド磁石の特徴である複雑成形、薄肉成形又は射出成形に適している。また、磁石粉末が希土類元素を含む場合、樹脂が水分を含むことは好ましくないので、熱可塑性樹脂が吸水性の低いPA12を含むことが好ましい。
(実施例2〜3及び比較例1〜2)
磁石組成物の組成を表1に記載したように変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2〜3及び比較例1〜2の磁石構造体を得た。磁石組成物の組成、並びに、熱膨張率及び耐久性の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
組成を表1に記載したように変更したこと以外は、実施例1と同様にして磁石組成物を得た。得られた磁石組成物を用いて、射出温度300℃、金型温度140℃で射出成型したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の磁石構造体を得た。磁石組成物の組成、並びに、熱膨張率及び耐久性の評価結果を表1に示す。なお、表1中のPPSは熱可塑性樹脂としてのポリフェニレンサルファイド樹脂(融点:約280℃)を示す。
Figure 2016153766
実施例1〜4では、ボンド磁石成型体の熱膨張率が柱状部材よりも2.0×10−5(1/K)以上大きく、磁石構造体が優れた耐久性を有することを確認することができた。一方、比較例1〜2では、ボンド磁石成型体の熱膨張率が柱状部材よりも2.0×10−5(1/K)以上大きくならず、実施例1〜4の磁石構造体ほど優れた耐久性が得られないことが確認できた。
なお、上記実施例及び比較例ではR−Fe−B系磁石粉末を急冷固化法により作製したが、作製方法はこれに限定されない。インゴット鋳造法又はストリップキャスト法にて作製した合金を粉砕して、磁石粉末を作製してもよい。また、原料合金の組成は、各元素の歩留まり等を考慮して決定されるが、例えば、R:25質量%以上40質量%以下、Fe:58質量%以上74質量%以下、B:1質量%以上2質量%以下であればよい。
2…柱状部材、4…ボンド磁石成型体、10…磁石構造体、12…磁気センサ、20…回転角度検出器。

Claims (7)

  1. 柱状部材と、
    前記柱状部材の外周面を周方向に取り囲む環状部を有するボンド磁石成型体と
    を備え、前記ボンド磁石成型体の熱膨張率が前記柱状部材よりも2.0×10−5/K以上大きい、磁石構造体。
  2. 前記柱状部材は前記ボンド磁石成型体と接する表面上に凹部又は凸部を有する、請求項1に記載の磁石構造体。
  3. 前記柱状部材は真鍮からなるものである、請求項1又は2に記載の磁石構造体。
  4. 前記ボンド磁石成型体は樹脂と磁石粉末とを含み、前記磁石粉末が希土類磁石粉末である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁石構造体。
  5. 前記ボンド磁石成型体は、さらに、前記柱状部材の端面に対向する板状部を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁石構造体。
  6. 前記ボンド磁石成型体の2つの磁極は前記柱状部材の軸に垂直な方向に互いに離間している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁石構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁石構造体と磁気センサとを備える、回転角度検出器。
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