JP2014127686A - ボンド磁石の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

ボンド磁石の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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慎二 吉間
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Abstract

【課題】電磁石を使用することなく押出成形法を用いて、ラジアル方向に配向させた円筒状の希土類ボンド磁石を得ることを目的とする。
【解決手段】 磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物を円筒状のキャビティに充填する工程と、そのキャビティの内周側又は外周側に配置された配向用磁石14aにより、前記磁性材料を磁気的に配向させるとともに、溶融されたボンド磁石組成物を前記キャビティの軸方向に押し出して成形する工程とを有する円筒状ボンド磁石の製造方法であって、前記配向用磁石14aは、前記軸方向に対して水平方向に磁力がでている第一の永久磁石20と、その第一の永久磁石と同極が向かい合う第二の永久磁石22を配置させてなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、異方性ボンド磁石の押出成形方法及びその製造装置に関する。
従来、異方性ボンド磁石としては、アキシャル異方性磁石、極異方性磁石、及びラジアル異方性磁石が知られている。なかでも、ラジアル異方性磁石は、円筒状磁石の外周面と内周面とにそれぞれN極とS極とが表れているものである。
このようなボンド磁石の製造方法としては、大きく分けて、射出成形、圧縮成形及び押出成形の3種類が知られている。なかでも、押出成形法は、射出成形や圧縮成形のバッチ式に対して連続式となるため、生産性が非常に優れるという特徴がある。さらに、連続して成形することができるため、射出成形や圧縮成形では困難であった長尺品の成形が容易となる。
押出成形法を用いて円筒状のラジアル異方性ボンド磁石を生産する方法として、コイルに電流を流して、磁場を発生させる磁場コイルを成形機及び金型内外に設置する方法が知られている(特許文献1)。
特開平6−98504号公報
しかしながら、特許文献1の押出成形法のように、電磁石を用いてラジアル方向に配向させるには、連続してコイルに電流を流し磁場配向を印加し続けなければならない。そのため押出機及び金型内に設置した磁場コイル自身の発熱及びバンドヒータ等で加熱された金型より伝導してくる熱によりコイルのショート、絶縁不良、磁場配向の低下等の問題が生じる可能性がある。
また、成形品をラジアル配向させるために押出機及び金型内に設置される電源装置及び磁場コイルは非常に高価であるため、押出成形法で生産性を上げて成形品の生産コストを下げた効果を希薄させてしまう。
そこで本発明は、電磁石を使用することなく押出成形法を用いて、ラジアル方向に配向させた円筒状の希土類ボンド磁石を得ることを目的とする。
本発明によれば、上記課題は、次の手段により解決される。
本発明は、磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物を円筒状のキャビティに充填する工程と、そのキャビティの内周側又は外周側に配置された配向用磁石により、前記磁性材料を磁気的に配向させるとともに、溶融されたボンド磁石組成物を前記キャビティの軸方向に押し出して成形する工程とを有する円筒状ボンド磁石の製造方法であって、前記配向用磁石は、前記軸方向に対して水平方向に磁力がでている第一の永久磁石と、その第一の永久磁石と同極が向かい合う第二の永久磁石を配置させてなることを特徴とする円筒状ボンド磁石の製造方法である。
また、本発明は、磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物が充填される円筒状のキャビティと、前記円筒状のキャビティの内周側又は外周側に配置された配向用磁石と、を有する押出成形用の製造装置であって、前記配向用磁石は、押出方向に対して水平方向に磁力がでている第一の永久磁石と、その第一の永久磁石と同極が向かい合う第二の永久磁石を配置させてなることを特徴とする押出成形用の製造装置である。
本発明によれば、電磁石を使用することなく押出成形法を用いて、ラジアル方向に配向させた円筒状のボンド磁石を得ることができる。
本発明の実施形態に係る押出成形用の製造装置の全体断面図である。 図2(a)は本発明の第1実施形態に係る配向用磁石の斜視図、図2(b)は磁化方向を示す断面図、図2(c)は接合面における磁化方向を示した図である。 図3(a)は本発明の第3実施形態に係る配向用磁石の斜視図、図3(b)は磁化方向を示す断面図、図3(c)は接合面における磁化方向を示した図である。 図4(a)は本発明の第2実施形態に係る配向用磁石の斜視図、図4(b)は磁化方向を示す断面図、図4(c)は接合面における磁化方向を示した図である。 図5(a)は本発明の第4実施形態に係る配向用磁石の斜視図、図5(b)は磁化方向を示す断面図、図5(c)は接合面における磁化方向を示した図である。 図6(a)及び図6(b)は外ダイに配向用磁石を配置する場合の一例を示した図である。 各実施例における配向用磁石の長手方向に表面磁束密度を測定した結果を示す図である。 各実施例における着磁後の成形品(ボンド磁石)の周方向に表面磁束密度を測定した結果を示す図である。
以下、本発明に係る押出成形方法及びその製造装置について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
以下、本発明について図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る押出成形装置の全体を示す説明図(断面図)である。押出成形装置は図1に示すように、磁性材料と樹脂とからなるボンド磁石組成物を加熱して溶融させる可塑化部4と、その可塑化部4に連続して設けられ、溶融されたボンド磁石組成物を流動させるスパイダー部3と、そのスパイダー部3に連続して設けられ、流動されてきたボンド磁石組成物を円筒状に成形する金型部2と、その金型部2に連続して設けられ、流動されてきたボンド磁石組成物を円筒状に成形するともに磁性材料を配向させる成形部1とを有する。
以下、本発明の円筒状ボンド磁石の製造方法及び製造装置を説明する。
まず、可塑化部4のホッパー15から異方性磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物を供給し、スクリュー5にて加熱溶融させることにより流動状態とする。次に、スクリュー5の推進力によりスパイダー部3のスパイダー6と外ダイ7の間のボンド磁石組成物の流路8(円筒状キャビティともいう)に充填、通過させ、内ダイ9と外ダイ10より構成される金型部2にて筒状に成形する。そして、配向用磁石14を埋設した内ダイ12と外ダイ13の間のボンド磁石組成物の流路11を、溶融樹脂がキャビティの軸方向に押し出されて通過することにより、磁性材料の粒子は磁化容易軸方向に配向する。磁性材料が配向磁場付近を通過後、樹脂を硬化させて成形品を得る。
本発明の実施形態では、配向用磁石として電磁石(磁場コイル)ではなく、永久磁石を用いる。配向用磁石14は、押出成形用の製造装置の押出方向における先端付近、すなわち成形部1に設置されている。図1では、ボンド磁石組成物の流路8の内周側に、内ダイ9に埋設されている。
また、外周側にはリターンヨークとして透磁率200以上の強磁性体(例えばSS400、S50C、SK、SKDなど)を設置することによる閉磁気回路とする。
なお、本実施形態では内周側に配向用磁石14を配置し、外周側にリターンヨークを配置している例について説明しているが、配向用磁石14は外周側に配置されていてもよく、この場合は外ダイ13に配向用磁石が埋設される(配向用磁石の構成については、後述の第3実施形態及び第4実施形態で説明する)。リターンヨークも内周側に配置されていてもよい。
さらに、配向用磁石14は、内周側及び外周側の両方に配置されていてもよい。この場合は、内周側と外周側とで向かい合わせる極を異ならせる。すなわち、内周側にN極同士が向かい合う配向用磁石を用いる場合は、外周側ではS極同士が向かい合うような配向用磁石を用いる。
なお、加熱した金型内の溶融した磁性材料と樹脂とからなるボンド磁石組成物が流動状態にあるうちに印加した磁場配向により配向させ、配向後は直ちに空冷若しくは水冷により冷却固化することにより磁性粉末の配向状態を保つことが好ましい。
図2(a)は、本実施形態に用いる配向用磁石14aの斜視図であり、図2(b)は配向用磁石14aを図2(a)中に点線で示される個所で切断した断面図を磁化方向に表す矢印とともに示したものである。配向用磁石14aは、押出方向に対して水平に磁力が出る向きに配置された第一の永久磁石20と、その第一の永久磁石20と同極同士が向かい合うように第二の永久磁石22が配置されてなる。図2(c)は第一の永久磁石20及び第二の永久磁石22の接合面における磁化方向を矢印で示したものである。本実施形態においては、1つの極に対して、長手方向(押出方向)に対して同じ極(ここではN極)同士の2つの磁石を反発させて放射状の強力な磁場を取り出している。第一の永久磁石20及び第二の永久磁石22は円柱状であり、円柱の上面及び底面が磁極とされている。
第一の永久磁石20及び第二の永久磁石22は、接着剤により接合されていることが好ましい。特に、使用する樹脂が溶融される温度(金型の使用温度)における耐熱性を有する材料で接合されていることが好ましく、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂により接合される。
本実施形態によれば、従来のように電磁石を用いて連続してコイルに電流を流し磁場配向を印加し続けることなく、従来と同等の磁気特性の成形品を得ることができる。
なお、図2に示されるような配向用磁石14aを射出成形や圧縮成形に適用することは事実上不可能である。なぜなら、長手方向の1点だけから強力な磁力を発するボンド磁石になってしまい、均一に高い割合で配向した高い表面磁束密度を得ることができないからである。これは、後述する配向用磁石14b、14c、14dでも同様である。
配向用磁石として用いる永久磁石に使用する磁石の材料は、Brが1T以上のものが好ましく、例えばNd−Fe−B焼結磁石を用いることができる。磁力の大きい磁石を使うと、配向磁場が強くなり、ボンド磁石の表面磁束密度も高く出来る。
また、上述のようにして押出成形で得られたボンド磁石は、任意に着磁工程を行って外周及び内周に磁力を発する成形品を得ることができる。
本発明で用いられる磁性材料は、異方性の磁性材料が適用可能である。異方性の磁性材料としては、フェライト系、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系などが挙げられる。粉末状であることが好ましい。
フェライト系は、歴史が古く安価であることから最も普及しているが、希土類系よりも磁力が弱く、成形品が小さくなると磁力が不足することがある。そのため、磁力の強いボンド磁石を作製する必要がある場合には、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系の希土類系磁性粉末を用いることが好ましい。これは、希土類系の異方性磁性粉末は、配向の際に印加される磁場によって、磁化の方向が非常に揃い易く、結果的にボンド磁石の磁力が強くなるためである。また、粒子径が約3μで略球形であるため押出成形性が優れることから、Sm−Fe−N系であることが好ましい。
上記の磁性材料は1種類単独でも、2種類以上を混合物としても使用可能である。また必要に応じて、耐酸化処理やカップリング処理を施しても良い。
本発明で用いられる樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂や、エステル系、ポリアミド系、などの熱可塑性エラストマー、または、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、アリル樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。
磁性材料と樹脂の配合比率は、樹脂の種類にもよるが、ボンド磁石組成物全体に対する磁性材料の割合が45〜65Vol%とすることが望ましい。また、酸化防止剤、滑剤等をさらに混合することもできる。
また、上述のように押出成形で得られたボンド磁石は、二次硬化を行うことが好ましい。
また、必要であれば着磁工程を行ってもよい。着磁を行うことで、表面磁束密度はより高くなる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では配向用磁石として図4に示すような配向用磁石14bを用いる。
図4(a)は、本実施形態に用いる配向用磁石14bの斜視図であり、図4(b)は配向用磁石14aを図4(a)中に点線で示される個所で切断した断面図を磁化方向に表す矢印とともに示したものである。配向用磁石14bは、押出方向に対して水平に配向させた第一の永久磁石20と第二の永久磁石22の間に透磁率200以上の強磁性体24(例えばSS400など)を間に挟みこみ、第一の永久磁石20と第二の永久磁石22の同極同士(ここではN極)が向かい合うようにそれぞれ強磁性体24と接着されている。図4(c)は第一の永久磁石20及び第二の永久磁石22のそれぞれと、強磁性体24との接合面における磁化方向を矢印で示したものである。これにより、配向磁場の最大値こそ低くなるが、金型内の水平方向での配向磁場面積が広がり、成形性の面において有利である。
本発明では押出方向の少なくとも1点で磁場配向させ、その後、押し出しながら樹脂を硬化させるという特徴を有する。磁場配向後は直ちに樹脂を硬化させることが好ましいが、押出方向における磁場配向させる区間が短ければ短いほど、磁場配向後直ちに樹脂を硬化させることは困難となる。本実施形態によれば、磁場配向区間が長くなるため、磁場配向区間の最後のほうでは磁場配向させながら硬化することが可能となる。これにより、成形性が向上する。
その他の点については第1実施形態と同様であり、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では配向用磁石として図3に示すような配向用磁石14cを用いる。
図3(a)は、本実施形態に用いる配向用磁石14cの斜視図であり、図3(b)は配向用磁石14cを図3(a)中に点線で示される個所で切断した断面図を磁化方向に表す矢印とともに示したものである。押出方向に対して水平に配向させた第一の永久磁石20と第二の永久磁石22は、それぞれ円筒状とされており、同極同士(ここではN極)が接着されている。配向用磁石14cは円筒状であり、外ダイ13に埋設される。また、内ダイ12は強磁性体とする。
外ダイ13に配向用磁石を配置する例として、図6(a)に示す。外ダイ13は非磁性体(例えばSUS304。透磁率1.05)で形成されており、その中に円筒状の配向用磁石が配置される。図示するとおり、第一の永久磁石20と第二の永久磁石が接合されており、第一の永久磁石より外側(押出口側)に、強磁性体24が配置される。
このように、配向用磁石を外ダイに配置させることにより、大きさの制限のある内ダイに配置させるよりも大きい配向用磁石を用いることができることから、配向磁場を大きくすることが容易となる。図3(c)は第一の永久磁石20及び第二の永久磁石22の接合面における磁化方向を矢印で示したものである。
その他の点については第1実施形態と同様であり、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では配向用磁石として図5に示すような配向用磁石14dを用いる。
図5(a)は、本実施形態に用いる配向用磁石14dの斜視図であり、図5(b)は配向用磁石14dを図5(a)中に点線で示される個所で切断した断面図を磁化方向に表す矢印とともに示したものである。
この配向用磁石14bは、押出方向に対して水平に配向させた円筒状の第一の永久磁石20と円筒状の第二の永久磁石22の間に透磁率200以上の円筒状の強磁性体24(例えばSS400など)を挟みこみ、第一の永久磁石20と第二の永久磁石22の同極同士(ここではN極)が向かい合うようにそれぞれ強磁性体24と接着されている。これにより、第2実施形態と同様に配向磁場の最大値こそ若干低くなるが、金型内の水平方向での配向磁場面積が広がり、成形性の面において有利となる。図5(c)は第一の永久磁石20及び第二の永久磁石22の接合面における磁化方向を矢印で示したものである。図5(c)は第一の永久磁石20及び第二の永久磁石22のそれぞれと、強磁性体24との接合面における磁化方向を矢印で示したものである。配向用磁石14dは円筒状であり、図6(b)に示すように外ダイ13に埋設される。外ダイ13は非磁性体(例えばSUS304。透磁率1.05)からなる。内ダイ12は強磁性体とする。
その他の点については第1実施形態と同様であり、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
(磁性材料の準備)
磁性材料には、異方性のSm−Fe−N系磁性材料(平均粒子径3μm)を用いる。
(磁石組成物の作製)
Sm−Fe−N系磁性材料をエチルシリケートおよびシランカップリング剤で表面処理する。表面処理を行ったSm−Fe−N系磁性材料9137gと12ナイロン863gをミキサーで混合する。得られた混合粉を、2軸混練機を用いて220℃で混練し、冷却後、適当な大きさに切断しボンド磁石組成物を得る。
(押出成形)
図1は、本実施例1で使用する押出成形用の製造装置を示す図である。外ダイの内径は19mm、内ダイの外径は17mmである。図2に示すように配向用磁石14aは、押出方向に配向させた第一の永久磁石20と第二の永久磁石22の同極同士を耐熱性の熱硬化エポキシ樹脂を用いて接着する。第一及び第二の永久磁石のサイズは各々直径16mm、長さは10mmの円柱状で、これを内12に埋設する。外ダイ13には透過率200以上の強磁性体(SS400)を使用し、リターンヨークとして使用する。また配向用磁石14とボンド磁石組成物の流路11を隔てる隔壁は0.5mmである。押出成形時の金型温度は200℃に設定し、圧縮空気を使った空冷もしくは金型内に水を流す水冷などで出口温度を150〜160℃付近まで冷却する。この様にして、外径19mm、内径17mm、長さ1000mm、ラジアル配向の異方性円筒状ボンド磁石を得る。切断機を用いて長さ20mmに切断する。
(着磁工程)
得られた成形品を着磁ヨークにより着磁を行う。着磁条件は、静電容量1000μF、電圧2.5KVであり、そのとき流れる電流は18.0KAである。
<実施例2>
(磁性材料の準備)
実施例1と同じ磁性材料を使用する。
(磁石組成物の作製)
実施例1と同じ磁性材料を用いて、実施例1と同じ磁石組成物を作製する。
(押出成形)
実施例1と異なる点として、配向用磁石が挙げられる。図3は、実施例2で使用する配向用磁石14cを示す図である。図3に示すように配向用磁石14cは、押出方向に配向させた第一の永久磁石20と第二の永久磁石22の同極同士を耐熱性の熱硬化エポキシ樹脂を用いて接着する。第一及び第二の永久磁石のサイズは各々外径30mm、内径20mmの円筒状の配向磁石であり、長さは10mmで、これを外ダイ13に埋設する。内ダイ12はリターンヨークとして使用するため、透磁率200以上の強磁性体(SS400など)を用いる。外ダイの内径は19mm、内ダイの外径は17mmである。
配向用磁石14とボンド磁石組成物の流路11を隔てる隔壁は0.5mmである。押出成形時の金型温度は200℃に設定し、圧縮空気を使った空冷もしく金型内に水を流す水冷などで出口温度を150〜160℃付近まで冷却する。この様にして、外径19mm、内径17mm、長さ1000mm、ラジアル配向の異方性円筒状ボンド磁石を得る。切断機を用いて長さ20mmに切断する。
(着磁工程)
得られた成形品を着磁ヨークにより着磁を行う。着磁条件は、静電容量1000μF、電圧2.5KVであり、そのとき流れる電流は18.0KAである。
<実施例3>
(磁性材料の準備)
実施例1と同じ磁性材料を使用する。
(磁石組成物の作製)
実施例1と同じ磁性材料を用いて、実施例1と同じ磁石組成物を作製する。
(押出成形)
実施例1と異なる点として、配向用磁石を内ダイ12及び外ダイ13の双方に埋設する。内ダイ12には実施例1と同様の配向用磁石14aを、外ダイ13には実施例2と同様の配向用磁石14c(ただし、本実施例ではN極ではなく、S極同士が向かい合うようにして配置させる)を埋設する。この様にして、外径19mm、内径17mm、長さ1000mm、ラジアル配向の異方性円筒状ボンド磁石を得る。切断機を用いて長さ20mmに切断する。
(着磁工程)
得られた成形品を着磁ヨークにより着磁を行う。着磁条件は、静電容量1000μF、電圧2.5KVであり、そのとき流れる電流は18.0KAである。
<実施例4>
(磁性材料の準備)
実施例1と同じ磁性材料を使用する。
(磁石組成物の作製)
実施例1と同じ磁性材料を用いて、実施例1と同じ磁石組成物を作製する。
(押出成形)
図4は、本実施例で使用した配向用磁石14bを示す図である。実施例1の配向用磁石を図4の配向用磁石14bに変更する以外は、実施例1と同様に押出成形を行う。
配向用磁石14bは、押出方向に対して水平に配向させた円柱状の第一の永久磁石20と円柱状の第二の永久磁石22の間に透過率200以上の円柱状の強磁性体24(SS400)を間に挟みこみ、第一の永久磁石20と第二の永久磁石22の同極同士(ここではN極)が向かい合うようにそれぞれ強磁性体24と耐熱性の熱硬化エポキシ樹脂を用いて接着されている。強磁性体24の長さは10mmとする。また、外ダイ13はリターンヨークとして使用するため、透磁率200以上の強磁性体(例えばSS400など)を使用する。その他は実施例1と同様である。
この様にして、外径19mm、内径17mm、長さ1000mm、ラジアル配向の異方性円筒状ボンド磁石を得る。切断機を用いて長さ20mmに切断する。
(着磁工程)
得られた成形品を着磁ヨークにより着磁を行う。着磁条件は、静電容量1000μF、電圧2.5KVであり、そのとき流れる電流は18.0KAである。
<実施例5>
(磁性材料の準備)
実施例1と同じ磁性材料を使用する。
(磁石組成物の作製)
実施例1と同じ磁性材料を用いて、実施例1と同じ磁石組成物を作製する。
(押出成形)
図5は、本実施例で使用した配向用磁石14dを示す図である。実施例2の配向用磁石を図5の配向用磁石14dに変更する以外は、実施例2と同様に押出成形を行う。
配向用磁石14dは、押出方向に対して水平に配向させた円筒状の第一の永久磁石20と円筒状の第二の永久磁石22の間に透磁率200以上の強磁性体24(SS400)を間に挟みこみ、第一の永久磁石20と第二の永久磁石22の同極同士(ここではN極)が向かい合うようにそれぞれ円筒状の強磁性体24と耐熱性のエポキシ樹脂を用いて接着されている。強磁性体24の長さは10mmとする。その他は実施例2と同様である。
この様にして、外径19mm、内径17mm、長さ1000mm、ラジアル配向の異方性円筒状ボンド磁石を得る。切断機を用いて長さ20mmに切断する。
(着磁工程)
得られた成形品を着磁ヨークにより着磁を行う。着磁条件は、静電容量1000μF、電圧2.5KVであり、そのとき流れる電流は18.0KAである。
<実施例6>
(磁性材料の準備)
実施例1と同じ磁性材料を使用する。
(磁石組成物の作製)
実施例1と同じ磁性材料を用いて、実施例1と同じ磁石組成物を作製する。
(押出成形)
実施例3の配向用磁石において、内ダイ12には実施例4と同様の配向用磁石14bを、外ダイ13には実施例5と同様の配向用磁石14d(ただし、本実施例ではN極ではなく、S極同士が向かい合うようにして配置させる)を両方埋設する以外は実施例3と同様にして、外径19mm、内径17mm、長さ1000mm、ラジアル配向の異方性円筒状ボンド磁石を得る。切断機を用いて長さ20mmに切断する。
(着磁工程)
得られた成形品を着磁ヨークにより着磁を行う。着磁条件は、静電容量1000μF、電圧2.5KVであり、そのとき流れる電流は18.0KAである。
<評価>
(配向磁場の測定)
上記実施例における配向用磁石の配向磁場を、ガウスメーターにより測定した。測定は、配向用磁石を金型に埋設し、一つのN極のピークに対して、配向用磁石の長手方向にプローブを移動させて行った。図7は、各実施例における配向用磁石の長手方向に表面磁束密度を測定した結果を示す図である。
図7に示すように、第一の永久磁石と第二の永久磁石を直接接合した実施例1〜3では長手方向の一点でピークを持つような配向磁場が形成されているのに対し、間に強磁性体を挟んだ実施例4〜6では長手方向の一定の範囲で配向磁場がフラットになるような形となっている。
(各ボンド磁石成形品の径方向の表面磁束密度測定)
上記実施例で得られたボンド磁石について、マグネットアナライザーにより円柱状ボンド磁石の外周、若しくは円筒状ボンド磁石の内周における表面磁束密度を測定した。測定は、マグネットアナライザーの360°回転ステージに円柱状又は円筒状ボンド磁石を固定し、プローブを円柱状ボンド磁石の外周又は円筒状ボンド磁石の内周面に接触させ、ステージを360°回転させることで行った。図8は各実施例における円柱状又は円筒状ボンド磁石の周方向に沿って表面磁束密度を測定した結果を示す図である。これを表に示すと以下のようになる。
Figure 2014127686
なお、実施例1〜6を見ると、磁場配向が上がるにつれて、成形品の表面磁束密度も高くなっている。しかし、実施例1〜3では成形品の表面磁束密度は同等であることから、ある一定の磁場配向(図7参照)以上では磁性材料の配向状態は飽和し、表面磁束密度はこれ以上高くならなかったのではないかと考えられる。
本発明は、容易な装置で電磁石使用の成形品と同等の磁気特性の成形品ができ、ラジアル方向に磁力を発する円筒状ボンド磁石を提供することができる。ラジアル方向に磁力を発する円筒状ボンド磁石は、ハードディスクドライブや光メディア、ファンモーター等に利用可能である。
1 成形部
2 金型部
3 スパイダー部
4 可塑化部
5 スクリュー
6 スパイダー
7、10、13 外ダイ
9、12 内ダイ
8、11 ボンド磁石組成物の流路
14、14a、14b、14c、14d 配向用磁石
20 第一の永久磁石
22 第二の永久磁石
24 強磁性体
15 ホッパー

Claims (6)

  1. 磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物を円筒状のキャビティに充填する工程と、
    そのキャビティの内周側又は外周側に配置された配向用磁石により、前記磁性材料を磁気的に配向させるとともに、溶融されたボンド磁石組成物を前記キャビティの軸方向に押し出して成形する工程とを有する円筒状ボンド磁石の製造方法であって、
    前記配向用磁石は、前記軸方向に対して水平方向に磁力がでている第一の永久磁石と、その第一の永久磁石と同極が向かい合う第二の永久磁石を配置させてなることを特徴とする円筒状ボンド磁石の製造方法。
  2. 前記第一の永久磁石の軸方向に、その両側から前記第一の永久磁石と前記第二の永久磁石により挟まれるように強磁性体を配置することにより前記配向用磁石を構成する請求項1に記載の円筒状ボンド磁石の製造方法。
  3. 前記磁性材料が、Sm−Fe−N系の磁性材料である請求項1又は請求項2に記載の円筒状ボンド磁石の製造方法。
  4. 磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物が充填される円筒状のキャビティと、
    前記円筒状のキャビティの内周側又は外周側に配置された配向用磁石と、を有する押出成形用の製造装置であって、
    前記配向用磁石は、押出方向に対して水平方向に磁力がでている第一の永久磁石と、その第一の永久磁石と同極が向かい合う第二の永久磁石を配置させてなることを特徴とする押出成形用の製造装置。
  5. 前記第一の永久磁石の軸方向に、その両側から前記第一の永久磁石と前記第二の永久磁石により挟まれるように強磁性体を配置することにより前記配向用磁石が構成される請求項4に記載の製造装置。
  6. 前記磁性材料が、Sm−Fe−N系の磁性材料である請求項4乃至請求項5のいずれか一項に記載の製造装置。
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