JP5884425B2 - 円柱状ボンド磁石の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸方向にN極とS極が交互に多極磁化されており、1つの極から径方向に放射状の磁力を発生する円柱状ボンド磁石の製造方法に関する。
円柱状の磁石で、軸方向にN極とS極が交互に多極磁化した磁石は、様々な分野で使用されている。例えば、製品粉末の中から鉄粉等を除去する異物除去装置や、リニアモータの固定子や、磁気ネックレスである。
特開2003−303714号公報 特開2008−182873号公報 特開2005−73466号公報 特開2004−320827号公報 特許3421779号公報 特開平8−130862号公報 特開2003−068527号公報 特開2008−173405号公報 特開2009−22341号公報 特許2008−173405号公報
以下に述べる先行技術文献は、大きく分けて、特許文献1乃至3が、複数の焼結磁石を組み立てて円柱状磁石としたものであり、特許文献4乃至5が、ボンド磁石にて円柱状磁石を構成したものである。
特許文献1乃至3は、複数の焼結磁石を、同極同士が向かい合うように配置して、反発させながら円柱状磁石を組み立てている。これにより、円柱状磁石の軸方向にN極とS極が交互に多極磁化した磁石を製造することができる。これらの特許文献による製造方法では、円柱状磁石を焼結磁石で構成することになるため、製造された円柱状磁石の磁力は強力になる。しかし、複数の焼結磁石を並べる組立の作業が必須となり、しかも、その組立作業は、複数の焼結磁石を互いに反発させながら行う作業であるため、組立作業には多大な時間と労力を要することとなる。また、焼結磁石は、機械的な強度がボンド磁石と比較して低いため、組立作業中や使用中に、焼結磁石に割れや欠けが生じることがある。
特許文献4乃至6は、ボンド磁石にて円柱状磁石を構成することにより、上述した焼結磁石の問題を解決しようとしたものである。
特許文献4と5に記載の製造方法では、射出成形または圧縮成形により、磁性粉末を所望のパターンに配向させることにより、1回の成形工程で、円柱状ボンド磁石の軸方向にN極とS極が交互に多極磁化した磁石成形品を得ることができる。しかしながら、射出成形も圧縮成形もバッチ式であるため、成形のし易さを考慮すると、磁石成形品の長さには限界がある。特に、磁性粉末のバインダー樹脂としてゴムを採用したフレキシブルなボンド磁石を成形する場合には、長尺になるほど成形品を金型から取り出す際の突き出し力がその成形品自体に吸収され、突き出し不良が起こりやすくなる。つまり、成形した後、金型から取り出しにくくなる。
特許文献6では、等方性の磁性粉末を材料とした長尺ボンド磁石を、着磁処理により、その軸方向にN極とS極が交互に多極磁化したボンド磁石を作製している。しかし、磁性粉末として等方性の磁性粉末を利用したボンド磁石であるため、その磁気特性は、異方性の磁性粉末を利用した場合と比較して低くなる。
特許文献7は、上述したような円柱状ボンド磁石とは異なり、シート状のボンド磁石に関するものである。本特許文献に開示された配向方法および着磁方法は、シート状ボンド磁石を押出成形で製造する際に、電磁石により押出方向に平行な磁界を発生させ、磁性粉末を押出方向に面内配向させている。その後、永久磁石により面内で反発するように着磁処理することにより、磁力線を外部へ取り出している。この製造方法による場合、押出成形中は、常に電磁石に電流を流す必要があり、莫大な電気代が必要になる。また、このシート状のボンド磁石を切削加工により切り出して円筒状に丸め、円筒状の磁石を製造するとなると、多大な手間がかかるだけでなく、長尺ものになるほど加工精度の面で問題が大きくなる。
特許文献8乃至10は、フレキシブルな長尺円柱状ボンド磁石を屈曲させることにより形成させ、その端部に接合部を設けた磁気ネックレスに関するものである。これらの特許文献に開示される磁気ネックレスは、例えば、特許文献10の図2(本明細書中では図13)に記載されているように、フレキシブルな長尺円柱状ボンド磁石からなる磁石部22と、その磁石部22を覆う被覆部21とから構成されており、その磁力のパターンは、径方向に関してN極となるc点と、そこから180°回転させた位置であるe点に、S極を発生させるようになっている。このような磁極の配置の場合には、N極となるc点から90°回転させた位置であるd点と、N極となるc点から270°回転させた位置であるf点では磁力が殆ど出ていない。従って、磁気ネックレスが、このd点やf点の位置で人の皮膚に接しても、磁気治療の効果が得られないという問題があった。
そこで、本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、磁気特性と生産性に優れ、長さ方向に加工上の制限が無い押出成形を利用して、軸方向にN極とS極が交互に多極磁化された円柱状ボンド磁石の製造方法を提供することにある。
以上の目的を達成するために本発明に係る円柱状ボンド磁石の製造方法は、異方性の磁性粉末と樹脂とからなるボンド磁石組成物を押出成形することにより得られる円柱状ボンド磁石の製造方法において、軸方向にアキシャル配向された円筒状磁石を、配向用磁石として押出成形用金型に配置することにより、その円筒状磁石の内側の空間に、磁力線が軸方向に沿った配向用磁場を形成する工程と、上記配向用磁場内に上記ボンド磁石組成物を通過させることにより、軸方向に上記磁性粉末を配向させるとともに、上記ボンド磁石組成物を押出成形する工程と、金属細線を正逆方向それぞれ複数回巻回させてなる少なくとも一対の空芯コイルを備えた着磁装置を準備する工程と、上記着磁装置にて、上記押出成形されたボンド磁石組成物を着磁処理する工程と、を有しており、これらの工程により、円柱状ボンド磁石の径方向に放射状に出入りする磁力線を形成することを特徴とする。
上記配向用磁石に接する押出成形用金型が、非磁性鋼により構成されていることが好ましい。上記磁性粉末が、異方性Sm−Fe−N系磁性粉末であることが好ましい。上記樹脂が、シリコーンゴムであることが好ましい。
また、本発明は、上記製造方法を利用した磁気ネックレスの製造方法である。さらに、本発明は、上記製造方法により製造された磁気ネックレスである。
本発明は、その軸方向にN極とS極が交互に多極磁化しており、1つの極からは径方向に放射状の磁力を発生させた円柱状ボンド磁石の製造方法である。押出成形により、本発明にかかる円柱状ボンド磁石の製造方法は、磁気特性と生産性に優れ、長さ方向に加工上の制限を無くすることができる。特に、本発明にかかる円柱状ボンド磁石にて磁気ネックレスを構成した場合、円柱状ボンド磁石径方向に放射状の磁力線がくまなく出ているため、使用者がどのような向きに磁気ネックレスを装着しても磁力線を効果的に体に作用させることができる。
図1は、本発明の製造方法にかかる押出成形機の概略図である。 図2は、図1の金型部のA−A断面における断面図である。 図3は、本発明の製造方法にかかる配向用磁石から出る磁力線の分布の模式図である。 図4は、押出成形後のボンド磁石内における磁性粉末の配向方向を示す模式図である。 図5は、着磁装置を構成するコイルの概略図である。 図6は、着磁処理後のボンド磁石内における磁性粉末の着磁方向と磁力線を示す模式図である。 図7は、図6のB−B断面における磁力線を示す模式図である。 図8は、実施例1の円柱状ボンド磁石の軸方向に表面磁束密度を測定した結果である。 図9は、比較例1の円柱状ボンド磁石の軸方向に表面磁束密度を測定した結果である。 図10は、比較例2の円柱状ボンド磁石の軸方向に表面磁束密度を測定した結果である。 図11は、図8のa点に相当する円柱状ボンド磁石の表面上の点から、その円周方向に一周分の表面磁束密度を測定した結果である。 図12は、図8のb点に相当する円柱状ボンド磁石の表面上の点から、その円周方向に一周分の表面磁束密度を測定した結果である。 図13は、従来の磁気ネックレスの断面図を示す。
上記の課題を解決すべく、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明は、異方性の磁性材料と樹脂とからなるボンド磁石組成物を押出成形することにより得られる円柱状ボンド磁石の製造方法において、押出成形時に長手方向に配向させた後、少なくとも一点で同極が向かい合うように着磁することで径方向に放射状の磁力線を発生させることを特徴とする円柱状ボンド磁石の製造方法である。
すなわち、本発明に係る円柱状ボンド磁石の製造方法は、少なくとも以下の工程を有することを特徴とする。
(1)軸方向にアキシャル配向された円筒状磁石を、配向用磁石として押出成形用金型に配置することにより、その円筒状磁石の内側の空間に、磁力線が軸方向に沿った配向用磁場を形成する工程。
(2)先の工程で形成させた配向用磁場内に、ボンド磁石組成物を通過させることにより、軸方向に磁性粉末を配向させるとともに、ボンド磁石組成物を押出成形する工程。
(3)金属細線を正方向と逆方向とに、それぞれ複数回巻回させてなる少なくとも一対の空芯コイルを備えた着磁装置を準備する工程。
(4)その着磁装置にて、押出成形されたボンド磁石組成物を着磁処理する工程。
本発明は、これらの工程により、円柱状ボンド磁石の径方向に放射状に出入りする磁力線を形成させる。
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の製造方法にかかる押出成形機の概略図である。
まず、円柱状ボンド磁石を、図1に示す押出成形機により作製する。原料は、異方性の磁性粉末と樹脂を混ぜ合わせたボンド磁石組成物であり、ペレット形状であることが好ましい。異方性の磁性粉末としては、例えば、フェライト系、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系などが挙げられる。上記の磁性材料は、1種類単独でも、2種類以上の混合物としてもよい。磁力を強くするためには、フェライト系磁性粉末よりも、Sm−Fe−N系磁性粉末を使用することが好ましい。磁性粉末の残留磁束密度Brは、フェライト系磁性粉末で約0.4Tであり、Sm−Fe−N系磁性粉末では、その約3倍の1.3Tである。Sm−Co系やNd−Fe−B系磁性粉末は、磁性粉末の粒子径が大きいものが多いため、特に成形品が小さい場合、磁力のばらつきが大きくなる。磁性粉末の粒子径は、Sm−Co系やNd−Fe−B系磁性粉末で50〜100μm、Sm−Fe−N系磁性粉末は、その10分の1以下の約3μmである。よって、Sm−Fe−N系磁性粉末のほうが、成形品が小さい場合でも、磁力のばらつきを小さくすることができる。
磁性材料に対しては、必要に応じて、耐酸化処理やカップリング処理を施しても良い。本発明において、磁性粉末のバインダーとして利用される樹脂は、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムを利用することができる。
例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂や、エステル系、ポリアミド系、などの熱可塑性エラストマー、または、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジリアルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、または、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、水素化ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、液状ゴムなどのゴム材料を使用することができる。
これらの樹脂のうち、磁気ネックレス用の円柱状ボンド磁石のようなフレキシブルな成形品を得たい場合には、成形性、可撓性および人体に対する化学的安定性を考慮すると、シリコーンゴムを選択することが好ましい。
図1に概略図を示したように、押出成形機に投入されたボンド磁石組成物は、まず、押出成形機の本体部1でスクリュー9により混練される。次いで、溶融されたボンド磁石組成物は、押出成形機の金型部2に入り、ここで円柱状に成形されると共に、金型部2に配置された配向用磁石5によって形成された配向用磁場によって、押し出し方向、すなわち、円柱状ボンド磁石の長手方向に配向される。
図2は、図1に示した金型部2のA−A断面図である。図2に示されるように、ボンド磁石組成物が通過する空間であり、ボンド磁石組成物が円柱状に成形される空間である、流路8と、その流路8の外側の成形用金型に配置された配向用磁石5は、隔壁6によって隔てられている。
図3は、本発明の製造方法にかかる配向用磁石から出る磁力線の分布を示す模式的な断面図である。この配向用磁石5は、図3に示されるように、円筒状であり、その一方の底面がN極、他方の底面がS極となっており、N極から出た磁力線がS極に戻るような配向用磁場が形成されている。ここで、図3中の磁力線10の様に、配向用磁石5の外側を通る磁力線もあれば、磁力線11の様に、円筒状の配向用磁石5の内側を通ってN極から出てS極に入る磁力線もある。ボンド磁石組成物に含まれる磁性材料の配向に利用するのは、この円筒状の配向用磁石5の内側を通る磁力線11である。ボンド磁石組成物が流路8を通過する際に、磁性粉末は、磁力線11の影響を受けて、押し出し方向、すなわち円柱状ボンド磁石の長手方向に配向する。
この円筒状の配向用磁石5の内側を通る磁力線11を強くするため、配向用磁石5の一方の底面に接して配置させたスペーサー3と、配向用磁石の外側に配置させた保持部材4と、隔壁6と、配向用磁石の他方の底面に配置させた固定蓋7は、非磁性の鋼材とすることが好ましい。押出成形機の本体部1は、通常、磁性鋼が使用されている。そのため、本体部1に配向用磁石を近づけると磁力線が押出成形機の本体部1に奪われ、その結果、磁力線11は弱くなる。そこで、スペーサー3を入れることにより、磁力線が押出成形機の本体部1に奪われることがなくなり、磁力線の喪失を回避できる。
配向用磁石の保持部材4と、隔壁6と、配向用磁石の固定蓋7とを磁性鋼にすると、同様に磁力線11が弱くなるため、これらの部材は、非磁性鋼で作製することが好ましい。図4は、押出成形後の円柱状ボンド磁石内における磁性粉末の配向方向を模式的に示す断面図である。この様にして得られた円柱状ボンド磁石成形品12の内部では、図4に符号13で示すように、軸方向に沿って磁性粉末が配向している。
配向用磁石5は、希土類焼結磁石を使用することが好ましい。例えば、Sm−Co系やNd−Fe−B系焼結磁石が挙げられる。その磁力は、25MGOe以上であることが好ましい。
押出成形により得られた成形品は、ボンド磁石組成物を構成する樹脂が熱硬化樹脂やゴム材料である場合には、必要に応じて加熱して硬化させることが好ましい。その加熱温度や加熱時間は、樹脂の種類や磁性粉末の充填率によって決定される。
次いで、着磁装置にて、着磁処理を行う。図5は、着磁装置を構成する空芯コイルの概略図である。図5に示されたように、一定方向にコイル14を巻いた後、それとは反対方向にコイル14´を巻き、これを一対として複数回の巻回を繰り返す。このコイル14、14´に電源を接続して着磁装置を構成した後、コイルに電流を流すと、そのコイルの内部に、図5に矢印で示すような磁力線15が形成される。なお、矢印の先をN極、その反対をS極とする。
図6は、着磁処理後の円柱状ボンド磁石の内部における磁性粉末の配向方向と磁力線を示す模式図である。着磁装置のコイルの内側に、成形された円柱状ボンド磁石を挿入した後、コイルに電流を流すと、円柱状ボンド磁石が先に説明したような磁力線の影響を受けて、図6に示されるように着磁される。ここで、図6中の矢印の先をN極、その反対をS極とすると、N極同士及びS極同士が向かい合う点ができている。そのN極が向かい合った点で、磁力線18は円柱状ボンド磁石16の径方向に放射状に放出され、S極が向かい合った点で、磁力線18は円柱状ボンド磁石16の径方向に放射状に入っていく。この磁力線を、円柱状ボンド磁石の外側に示したのが、図6の破線矢印である。図7は、図6のB−B断面における磁力線の放出される様子を示す。図7に示されるように、径方向に放射状の磁力が、略360度くまなく放出されていることがわかる。
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
異方性Sm−Fe−N系磁性粉末をエチルシリケート及びシランカップリング剤で表面処理する。表面処理を行ったSm−Fe−N系磁性材料を100重量部、シリコーンゴムを20重量部、加硫剤を0.2重量部、ラボプラストミルで混練して押出成形用の原料を得る。
本実施例に用いた配向用磁石は、寸法が外径Φ16mm×内径Φ4mm×高さ20mmで、高さ方向に配向している。材質は、市販のNdFeB焼結磁石(35MGOe)である。隔壁6は、寸法が外径Φ4mm×内径Φ3mmで、材質はSUS304(非磁性鋼)である。スペーサー3と、配向用磁石の保持部材4、配向用磁石の固定蓋7もSUS304(非磁性鋼)で作成した。
押出成形機のスクリュー部の温度は40℃、金型部の温度は40℃、スクリュー回転数は10rpmである。
得られた成形品は、φ3mm、長さ10000mmの長手方向に配向した円柱状ボンド磁石である。さらに、この円柱状ボンド磁石を、150℃の電気炉に1時間入れて硬化させた。
着磁処理は、径Φ2mmの二重ガラス巻平角銅線を、ピッチ10mmで左巻きと右巻きを交互に25個配列し、全長250mm、磁石挿入孔のサイズはΦ4mmのコイルを備えた着磁装置により行った。この磁石挿入孔に、円柱状ボンド磁石を挿入した後、4kAのパルス電流を通電して着磁処理を行った。着磁処理は、250mm毎に40回にわけて行った。
次いで、500mm毎にサンプルを切断し、一方の端に凸状留め具、もう一方の端に凹状留め具を取り付け、磁気ネックレスを作製した。
この円柱状ボンド磁石部分の長さ方向に250mmにわたって、表面磁束密度を測定した。その結果を図8に示す。図8に示されるように、約150mTの表面磁束密度を得た。図11は、表面磁束密度の極大である、図8中のa点に相当する円柱状ボンド磁石の表面上の点から、その円周方向に一周分の表面磁束密度を測定した結果を示す。また、図12は、表面磁束密度の極小である、図8のb点に相当する円柱状ボンド磁石の表面上の点から、その円周方向に一周分の表面磁束密度を測定した結果を示す。これらの結果より、1つの極からは径方向に放射状の磁力が、略360度くまなく出ていることが分かる。
<比較例1>
実施例1に使用した押出成形機を構成する、スペーサー3と、配向用磁石の保持部材4と、配向用磁石の固定蓋7とをSS400(磁性鋼)で作製した以外は、実施例1と同様の方法で円柱状ボンド磁石を製造した。実施例1と同様に、表面磁束密度を測定し、その測定結果を図9に示す。
<比較例2>
実施例1に使用した金型から、配向用磁石を取り外した以外は、実施例1と同様の方法で円柱状ボンド磁石を製造した。金型から配向用磁石を取り外しているため、磁性粉末は配向していない。実施例1と同様に、表面磁束密度を測定し、その測定結果を図10に示す。以下の表1に実施例1および各比較例の結果を纏める。
Figure 0005884425
表1によると、配向用磁石有りの方が、配向用磁石なしよりも、表面磁束密度が高くなり、金型の材質を非磁性鋼にしたほうが、磁性鋼にしたよりも、表面磁束密度が高くなることがわかる。
本発明の円柱状ボンド磁石は、製品粉末の中から鉄粉等を除去する異物除去装置や、リニアモータの固定子や、磁気ネックレスに使用可能である。
1・・・押出成形機の本体部、2・・・金型部、3・・・スペーサー、4・・・配向用磁石保持部材、5・・・配向用磁石、6・・・隔壁、7・・・配向用磁石固定蓋、8・・・ボンド磁石組成物の流路、9・・・スクリュー、10・・・配向用磁石外側の磁力線、11・・・配向用磁石内側の磁力線、12・・・着磁前の円柱状ボンド磁石成形品、13・・・磁性粉末の配向方向、14、14´・・・コイル、15・・・着磁コイルによる磁力線、16・・・着磁後の円柱状ボンド磁石成形品、17・・・着磁方向、18・・・円柱状ボンド磁石の磁力線、20・・・従来の磁気ネックレス、21・・・被覆部、22・・・磁石部。

Claims (5)

  1. 異方性の磁性粉末と樹脂とからなるボンド磁石組成物を押出成形することにより得られる円柱状ボンド磁石の製造方法において、
    軸方向にアキシャル配向された円筒状磁石を、配向用磁石として押出成形用金型に配置することにより、その円筒状磁石の内側の空間に、軸方向に沿った磁力線を有する配向用磁場を形成する工程と、
    前記配向用磁場内に前記ボンド磁石組成物を通過させることにより、軸方向に前記磁性粉末を一様に配向させるとともに、前記ボンド磁石組成物を押出成形する工程と、
    金属細線を正逆それぞれの方向に複数回巻回させてなる少なくとも一対の空芯コイルを備えた着磁装置を準備する工程と、
    前記着磁装置にて、前記押出成形されたボンド磁石組成物を着磁処理する工程と、を有しており、これらの工程により、円柱状ボンド磁石の径方向に放射状に出入りする磁力線を形成することを特徴とする円柱状ボンド磁石の製造方法。
  2. 前記配向用磁石に接する押出成形用金型が、非磁性鋼により構成されている請求項1に記載の円柱状ボンド磁石の製造方法。
  3. 前記磁性粉末が、異方性Sm−Fe−N系磁性粉末である請求項1または2に記載の円柱状ボンド磁石の製造方法。
  4. 前記樹脂が、シリコーンゴムである請求項1から3のいずれか一項に記載の円柱状ボンド磁石の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項の製造方法を利用した磁気ネックレスの製造方法。
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