JP2010183685A - 異方性永久磁石片とその製造方法 - Google Patents

異方性永久磁石片とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定方向へ磁束を発生させることができる異方性永久磁石片を得ることを目的とする。
【解決手段】電気導体29の外周側に形成されるリング状のキャビティ27内に磁性粉末30を充填し、電気導体29に電流を流してキャビティ27内に円周方向の磁界を発生させることにより磁性粉末30を円周方向に磁気配向させてリング状の異方性永久磁石10を形成する。そして、リング状の異方性永久磁石10を周方向に分割し、異方性永久磁石片1を得る。この異方性永久磁石片1は略リング形状を周方向に分割した形状を有し、配向方向線が略リング形状の外周側に凸の同心円弧状の曲線である。
【選択図】図1

Description

この発明は、異方性を有する永久磁石片とその製造方法に関するものである。
従来の永久磁石型回転子は、扇状の鋼板からなる積層片を所定厚さに積層して磁極片を構成し、複数個の磁極片を放射状に並べ、磁極片の平面部の間に断面が矩形の永久磁石を挟んで接着剤により固定して円筒状の回転子鉄心を形成している(例えば、特許文献1参照)。
また従来の異方性多極プラスチック磁石の製造金型装置は、キャビティの周囲に強磁性部材で形成された複数の磁芯と永久磁石とが、永久磁石の極が磁芯の両側で同極となるように交互に配置されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平03−36945号公報([従来の技術]、図10等) 特許第3839217号公報(段落[0005]、図1等)
従来より、永久磁石型回転子や異方性多極プラスチック磁石の製造金型装置において使用される異方性永久磁石片は、一般的に一軸方向に磁気配向されたものであった。
図27は、従来の一般的な異方性永久磁石片を永久磁石型回転子6に使用した場合の平面図である。回転軸60の外周側に複数の板状の異方性永久磁石片61と複数の扇形の鉄心62が交互に配置され、異方性永久磁石片61と鉄心62とが接着されている。図中実線の矢印は異方性永久磁石片61内部の磁気の配向方向を示し、点線の矢印は異方性永久磁石片61から発生する磁束の流れを示す。図に示すように一軸方向に磁気配向された異方性永久磁石片61は、その極が鉄心62の両側で同極となるように交互に配置されており、異方性永久磁石片61から発生する磁束が鉄心62内で対向して永久磁石型回転子6の外周表面へ磁力を発生させている。しかしながら、このような一軸方向に磁気配向された異方性永久磁石片61では、永久磁石型回転子6の外周方向だけでなく回転軸60方向にも磁束が流れてしまうという問題があった。
図28は、従来の一般的な異方性永久磁石片を異方性多極プラスチック磁石の磁界発生装置7に使用した場合の概念図である。リング状の非磁性部材70と軸部材71とから形成されるリング状キャビティ72の外周側に、複数の磁芯73と複数の異方性永久磁石片74が交互に配置され固定されている。図中実線の矢印は異方性永久磁石片74内部の磁気の配向方向線を示し、点線の矢印は異方性永久磁石片74から発生する磁束の流れを示す。図に示すように一軸方向に磁気配向された異方性永久磁石片74は、その極が磁芯73の両側で同極となるように交互に配置されており、異方性永久磁石片74から発生する磁束がキャビティ72内へ磁界を発生させている。しかしながら、このような一軸方向に磁気配向された異方性永久磁石片74では、キャビティ72方向だけでなく磁界発生装置7の外周方向にも磁束が流れてしまうという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、特定方向へ強く磁束を発生させることができる異方性永久磁石片を得ることを目的とする。
この発明に係る異方性永久磁石片は、略リング形状を周方向に分割した形状を有し、配向方向線が上記略リング形状の外周側に凸の同心円弧状の曲線であることを特徴とする。
また、この発明に係る異方性永久磁石片の製造方法は、円周方向に磁気配向されたリング状の異方性永久磁石を周方向に分割して形成することを特徴とする。
この発明に係る異方性永久磁石片によれば、配向方向線が上記略リング形状の外周側に凸の同心円弧状の曲線としたため、特定方向へ磁束を発生させることができる。従って、特定方向に同じ磁力を発生させるために必要な永久磁石の体積を減らすことができる。また、略リング形状を周方向に分割した形状を有しているため、永久磁石片の製造を容易にすることができる。
また、この発明に係る異方性永久磁石片の製造方法によれば、円周方向に磁気配向されたリング状の異方性永久磁石を周方向に分割して異方性永久磁石片を形成するため、略リング形状を周方向に分割した形状を有し、配向方向線が上記略リング形状の外周側に凸の同心円弧状の曲線である異方性永久磁石片を、効率的に同時に多数個製造できる。
この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の斜視図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の平面図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片を形成するためのリング状永久磁石の製造装置の概念図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の製造方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の製造方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の製造方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の製造方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の製造方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の製造方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の製造方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の製造方法の別例を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片を形成するためのリング状永久磁石の別例の製造装置の概念図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片を形成するためのリング状永久磁石の他の別例の製造装置の概念図である。 この発明の実施の形態1における別例の異方性永久磁石片を示す平面図である。 この発明の実施の形態1における別例の異方性永久磁石片の製造方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1における他の別例の異方性永久磁石片を示す平面図である。 この発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の製造方法の他の別例を説明する図である。 この発明の実施の形態2における永久磁石型回転子を示す平面図である。 この発明の実施の形態2における別例の永久磁石型回転子の一部拡大図である。 この発明の実施の形態2における永久磁石型回転子の製造方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態2における他の別例の永久磁石型回転子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2における永久磁石型回転子と、比較例1の永久磁石型回転子とにそれぞれ使用される永久磁石片から発生する磁束の様子を示す概念図である。 この発明の実施の形態2における永久磁石型回転子と、比較例1の永久磁石型回転子と、比較例2の永久磁石型回転子とにそれぞれ使用される永久磁石片の磁束密度のピーク値を測定した結果を示す図である。 この発明の実施の形態2における永久磁石型回転子と、比較例1の永久磁石型回転子と、比較例2の永久磁石型回転子とにそれぞれ使用される永久磁石片の断面形状を示す概念図である。 この発明の実施の形態2における永久磁石型回転子の永久磁石片の回転軸方向の漏れ磁束と、比較例1の永久磁石型回転子の永久磁石片の回転軸方向の漏れ磁束を現した磁界解析結果である。 この発明の実施の形態3における磁界発生装置を示す概念図である。 従来の一般的な異方性永久磁石片を永久磁石型回転子に使用した場合の平面図である。 従来の一般的な異方性永久磁石片を異方性多極プラスチック磁石の磁界発生装置に使用した場合の概念図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における異方性永久磁石片の斜視図、図2は図1の異方性永久磁石片(以下、永久磁石片とする)の概略の平面図である。
図1に示すように、ネオジム焼結磁石等から形成される永久磁石片1は、断面が略リング形状を周方向に分割した形状であり、軸方向に延びる柱状に形成されている。図1、2中の永久磁石片1内の矢印は磁化容易軸の方向(磁化されやすい方向)であり、図に示すように磁化容易軸は連続的に変化して、略リング形状の外周側に凸の同心円弧状の曲線となるように形成されている。磁化容易軸の方向は永久磁石成形時の磁場配向により揃えられるものであり、この磁化容易軸の方向線を以下配向方向線と呼ぶ。図2中点線は永久磁石片1から発生する磁束の流れを示す。図からわかるように、配向方向線が略リング形状の外周側に凸の同心円弧状の曲線であるため、磁束は略リング形状の内周方向に流れる。
本実施の形態1では、永久磁石片1の断面形状は、この配向方向線の曲率が大きいほど幅寸法が小さく配向方向線の曲率が小さいほど幅寸法が大きくなる略扇形状であり、扇形の中心側をこの扇形と同心の円弧により切り落とした形状としている。また配向方向線は、略リング形状の中心と同心の円弧状の曲線である。
なお、本実施の形態1では、希土類焼結磁石であるネオジム焼結磁石を永久磁石片1として使用しているが、これに限られるものではなく、フェライト磁石、プラスチック磁石を用いてもよい。
次に本実施の形態1の永久磁石片1の製造方法について説明する。永久磁石片1は、リング状の異方性永久磁石(以下、リング状永久磁石とする。)を形成し、これを周方向に分割して形成する。従って、まずリング状永久磁石を製造するための製造装置について説明する。
図3は本実施の形態1における永久磁石片1を形成するためのリング状永久磁石10の製造装置2の概念図である。
図3に示すように、この製造装置2は、金型20と大電流コネクタ21とパルス電源22とを有している。金型20は、強磁性部材または非磁性部材からなるダイ23と、非磁性部材からなる下パンチ24と、非磁性部材からなる上パンチ25と、芯棒26とにより形成されるリング状のキャビティ27を備えている。芯棒26は、金属またはセラミックなどの円筒からなる外殻28と、その内部に軸方向に延在して配置される電気導体29とにより構成されている。電気導体29は芯棒26の軸方向へ電流を流すためのもので、本実施の形態1では円柱状の銅部材29aから形成されている。そして、銅部材29aの両端はパルス電源22に接続されている。なお、銅部材29aの一方の端部には取り外し可能な大電流コネクタ21が取り付けられ、この大電流コネクタ21を介して銅部材29aとパルス電源22とが接続されている。
次に、上記製造装置2を使用して本実施の形態1における永久磁石片1を製造する方法について詳述する。
図4から図10は本実施の形態1における永久磁石片1の製造方法を説明するための説明図である。まず、図4に示すように、ダイ23、下パンチ24、上パンチ25、芯棒26を所定位置にセットし、芯棒26内の銅部材29aに大電流コネクタ21を取り付けてパルス電源22に接続する。
次に図5に示すように、金型20に形成されるリング状のキャビティ27内に磁性粉末30を充填する。
次に図6に示すように、磁性粉末30をリング状のキャビティ27の円周方向に配向させるため、パルス電源22のスイッチをONにして芯棒26に内蔵された銅部材29aに電流を流す。銅部材29aに電流を流すことにより芯棒26の周りには磁界が発生し、キャビティ27内の磁性粉末30を円周方向に磁気配向させることができる。図6中の白抜きの矢印は電流の方向を示し、黒矢印は白抜き矢印の方向に電流を流した場合の磁界の向きを示している。なお、発生させる電流は、瞬間的に1回流してもよいし、複数回流してもよい。また電流の方向も図中の方向に限られるものではない。また、直流電流だけでなく、電流の方向が交互に反転する交流電流を使用してもよく、時間と共に電流の大きさが減衰する交流電流を使用してもよい。
次に図7に示すように、上パンチ25を下降させて配向された磁性粉末30を軸方向へ加圧し、リング状の圧粉体31を形成する。
次に図8に示すように、芯棒26内部の銅部材29aに接続されている大電流コネクタ21を取り外し、その後下パンチ24を上昇させる。
次に図9に示すように、さらに下パンチ24を上昇させて圧粉体31を金型20から取り出す。その後熱処理することで圧粉体31を焼結させリング状永久磁石10を形成する。
次に図10(A)に示すように、焼結したリング状永久磁石10の内外周および端面を機械加工により形状仕上げを行い、図10(B)に示すように、リング状永久磁石10をその中心軸から放射状に等分割し永久磁石片1を形成する。
上記のように、リング状永久磁石10の分割片として形成された永久磁石片1は、軸方向で断面形状が一定であり、その断面形状は扇形の中心側をこの扇形と同心の円弧により切り落とした略扇形状である。また永久磁石片1の配向方向線は略扇形状の扇中心(リング状永久磁石10の中心)と同心円弧状の曲線となる。
例えば、必要な永久磁石片1の略扇形状の開き角度(中心角)が20度であった場合、1個のリング状永久磁石10から18個の永久磁石片1を切り出すことができる。
なお、1個のリング状永久磁石10を等分割して同じ開き角度の永久磁石片1を切り出すだけでなく、1個のリング状永久磁石10から異なる開き角度の永久磁石片を切りだしてもよく、これにより複数の形状の永久磁石片を一度に製造することができる。
ここで、一般に、永久磁石を焼結する際の収縮率は、永久磁石片の配向方向に平行な方向と配向方向に垂直な方向で異なり、配向方向に平行な方向はよく縮み、配向方向に垂直な方向はあまり縮まない。このような特性のため、同心円弧状の配向方向を有する永久磁石の焼結前の形状が例えば断面長方形の永久磁石であれば、焼結後に配向方向の曲率が大きいほどその幅寸法が大きくなるような断面略台形に歪んでしまう。このような断面略台形の永久磁石から本実施の形態1の永久磁石片1の形状のような永久磁石片を切り出すとすれば、機械加工時の削り代が非常に多くなる。
これに対し、上述の本実施の形態1の製造方法のように円周方向に磁気配向したリング状の永久磁石を形成すれば、焼結後もリング状を維持できるため、永久磁石の焼結時の形状歪の発生を抑制できる。そして、焼結後のリング状永久磁石10を分割して永久磁石片1を形成すれば、削り代が小さく材料歩留まりが良い低コストな永久磁石片1を得ることができる。
なお、上記のリング状永久磁石10の分割はリング状永久磁石10の中心軸から放射状に分割していたが、分割方法は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、リング状永久磁石10の中心軸とは異なる位置を中心とする所望の形状の永久磁石片を必要に応じて切りだしてもよい。ただし、このような分割方法の場合、リング状永久磁石10の全てを永久磁石片として利用することができず不要部分が発生するため、歩留まりを考慮すると、リング状永久磁石10の中心軸から放射状に分割することが望ましい。
図11は、上記製造装置2を使用して本実施の形態1における永久磁石片1を製造する方法の別例を示す説明図である。図11に示すように、永久磁石片1の製造方法の別例として、軸方向に長い長軸リング状永久磁石10aを形成してもよい。これにより、長軸リング状永久磁石10aを軸方向で複数個のリング状永久磁石10に分割することができ、一度の成形でより多くの永久磁石片1を製造することができる。
なお、本実施の形態1における永久磁石片1を製造するために使用される製造装置は、上記の製造装置2の構成に限られるものではなく、製造装置の構成は例えば以下のようなものであってもよい。
図12は本実施の形態1における別例の製造装置であり、本実施の形態1における上記製造装置2とは芯棒を構成する電気導体の構成が異なっている。なお、上記製造装置2におけるものと同様の部分については同一符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、本実施の形態1における別例の製造装置2bの芯棒26bは、金属またはセラミックなどの円筒からなる外殻28と、その内部に軸方向に延在して配置される電気導体29とにより構成されている。本実施の形態1の別例の製造装置ではこの電気導体29が複数の導線(互いに絶縁された銅線)を軸方向両端部分で束ねた縒り線29bで形成されている。外殻28と縒り線29bとの間の空間および各導線間の隙間にはエポキシ樹脂などの樹脂32が充填され、縒り線29bが樹脂モールドされている。
磁界を発生させるための電流がパルス電流や交流電流である場合には、表皮効果により電気導体の表面にしか電流が流れない。従って、例えば上記実施の形態1の製造装置2に使用されている銅部材29aでは、見かけ上銅部材29aの断面積が小さくなる。
これに対し、電気導体29を複数の導線を束ねた縒り線29bとすることで、各導線の全ての表面において電流が流れるため、電流が流れる断面積が多くなる。従って電気抵抗を小さくすることができ、芯棒26の発熱を抑えることができる。
図13は本実施の形態1における他の別例の製造装置であり、本実施の形態1における上記製造装置2とは芯棒を構成する電気導体の構成が異なっている。なお、上記製造装置2におけるものと同様の部分については同一符号を付して説明を省略する。
図13に示すように、本実施の形態1における他の別例の製造装置2cの芯棒26cは、金属またはセラミックなどの円筒からなる外殻28と、その内部に軸方向に延在して配置される電気導体29とにより構成されている。本実施の形態1の他の別例の製造装置ではこの電気導体29が複数本の導線29cで形成されている。各導線29cはそれぞれ絶縁されており、軸方向端部で着脱可能な大電流コネクタ21に一本一本接続されている。
このような構成により、芯棒26c内部の導線のターン数を稼ぐことができ、より強い磁界を発生させることができる。
なお、製造装置2、2b、2cにおいて、下パンチ24および上パンチ25に強磁性部材を使用すると、キャビティ27に充填される磁性粉末30の配向を乱してしまう。従って、下パンチ24および上パンチ25には非磁性部材を使用しているが、さらに、セラミックなどの絶縁体を使用すると、パルス磁界により発生する渦電流の影響による磁界の乱れを低減することができる。
また、製造装置2、2b、2cにおいて、ダイ23には、セラミックなどの非磁性かつ絶縁部材を使用してもよく、また鉄、非晶質合金、粉体鉄心、積層鉄心などの強磁性部材を使用してもよい。これらを使用することにより、パルス磁界により発生する渦電流を小さくでき、キャビティ27内の磁界の乱れを低減することができる。
また、上記各例の製造装置2、2b、2cにおいて、リング状のキャビティ27の断面形状は必ずしも円形のリング状のものに限られず、多角形のリング状であってもよい。例えば、外周側も内周側も多角形(例えば正12角形)で形成されるようなリング状のキャビティを使用して略リング状永久磁石を形成し、それを分割することにより図14(A)に示すような台形様の略扇形状の永久磁石片1aを形成してもよい。また、外周側の形状が円形で内周側の形状が多角形(例えば正12角形)となるようなリング状のキャビティを使用して略リング状永久磁石を形成し、図14(B)に示すような略扇形状の永久磁石片1bを形成してもよい。なお、図14中矢印は配向方向線を示す。
図14に示す永久磁石片1a、1bの他の形成の方法を図15に示す。
上記実施の形態1の永久磁石辺1と同様、断面形状が外周側も内周側も円形のリング状のキャビティ27を使用して、リング状永久磁石10を配向、成形後(図15(A))、リング状永久磁石10を中心軸から放射状に分割する(図15(B))。さらにこの分割片を並べて固定し、リング状永久磁石10の内周と外周にあたる面を平面研削することにより、図14(A)に示す断面が台形様の略扇形状の永久磁石片1aが得られる(図15(C))。
また、同様の方法でリング状永久磁石10の内周にあたる面のみを平面研削することによって、図14(B)に示す断面が略扇形状の永久磁石片1bが得られる。
さらに永久磁石片の形状は、上述の永久磁石片1、1a、1bのような形状に限られず、必要に応じてさまざまに加工してもよく、その加工例を図16に示す。例えば図16(A)の永久磁石片1cのように周方向の2辺に凹み部を設けたり、図16(B)の永久磁石片1dのように周方向の2辺が内側に反るような形状に加工したり、図16(C)の永久磁石片1eのように周方向の2辺が平行になるように切りだしたりしてもよい。なお、永久磁石片の周方向の辺とは、分割前のリング状にした際に周方向に位置する辺のことで、図中矢印は配向方向線を示す。
以上のように、本実施の形態1における永久磁石片は、配向方向線が略リング形状の外周側に凸の同心円弧状の曲線としたため、特定方向へ磁束を発生させることができる。従って、特定方向に同じ磁力を発生させるために必要な永久磁石の体積を減らすことができる。
また、円周方向に磁気配向されたリング状永久磁石を周方向に分割して形成されているため、配向方向線が略リング形状の外周側に凸の同心円弧状の曲線である永久磁石片を一つ一つ製造する必要がなく、一度に多数の永久磁石片を効率的に製造することができる。
また、円弧状の配向方向を有する永久磁石をリング状にして形成することにより、永久磁石の焼結時の形状歪の発生を防止でき、これを分割して永久磁石片を形成することにより、機械加工時の削り代が少なく材料歩留まりの良い低コストな永久磁石片を得ることができる。
なお、円弧状の配向方向を有する永久磁石片を製造する方法の別例として以下のようなものも考えられる。
上記実施の形態1で示した永久磁石片の製造方法は、円周方向に磁気配向されたリング状永久磁石を形成してそれを分割するものであるが、別例の方法は、円周方向に磁気配向されたリング状永久磁石ではなく、図17に示すような極異方性リング磁石100を形成し、これを極数に合わせて分割するものである。なお、極異方性リング磁石100では、各磁極の内周側と、隣接する磁極間の外周側(図17中点線で囲んだ領域)の配向が弱い。従って極異方性リング磁石100を分割して得られた永久磁石片は、上記実施の形態1で示した方法で製造された永久磁石片に比べ配向領域が少なくなる。また、別例の方法では、磁極の境界位置とずれた位置で分割してしまうと、永久磁石片内部に異なる配向方向が混在してしまうため、正確な位置での分割が必要である。なお、図17中矢印は極異方性リング磁石100内部の配向方向線を示す。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、本発明の永久磁石片の形状や、その製造方法について説明したが、本実施の形態2では、上記の永久磁石片を利用した永久磁石型回転子について説明する。
図18はこの発明の実施の形態2における永久磁石型回転子の平面図(以下、回転子とする)である。
図18に示すように、本実施の形態2の回転子4は極数が6極の回転子であり、回転軸40と鉄心片41と永久磁石片42とから構成されている。複数個の鉄心片41は各々電磁鋼板を軸方向に積層してカシメなどで鋼板同士を連結して形成されている。鉄心片41の断面形状は扇形の中心側が切り落とされた略扇形状であり、6個の鉄心片41の略扇形状の外周側円弧が回転子4の外周方向に向くように回転軸40の外周側に周方向等間隔に配置されている。
6個の永久磁石片42は、鉄心片41間に鉄心片41と円周方向交互になるように配置され、また周方向に隣り合って配置される永久磁石片42の対向する面の極性が同極となるように配置される。すなわち、各鉄心片41の両隣の永久磁石片42の極性が同極となっている。このため、永久磁石片42のN極に挟まれる鉄心片41の外周面はN極に磁化され、永久磁石片42のS極に挟まれる鉄心片41の外周面はS極に磁化され、鉄心片41は円周方向に交互にN極、S極に磁化される。永久磁石片42は上記実施の形態1の図1で記載した永久磁石片1と同様のものを使用している。すなわち、上記実施の形態1に記載の通り、永久磁石片42の断面形状は、配向方向線の曲率が大きいほど幅寸法が小さく、配向方向線の曲率が小さいほど幅寸法が大きい略扇形状であり、扇形の中心側をこの扇形と同心の円弧により切り落とした形状である。そして回転子4の略扇形状の外周側円弧が回転軸40の方向に向くように配置される。従って永久磁石片42の配向方向線は回転子4の回転軸40方向に凸状の円弧状となる。なお、図18中永久磁石片42内部の矢印は配向方向線を示し、鉄心片41内を通る矢印は永久磁石片42から発生する磁束の様子を示す。
回転軸40と鉄心片41および永久磁石片42との間の隙間にはPPC(ポリフェニレンサルファイド)、ナイロン、エポキシなどの樹脂43が充填され、回転軸40と複数個の鉄心片41と複数個の永久磁石片42とが一体に固定されている。鉄心片41の回転軸40に対向する面には突起410が設けられ、これにより回転子4の固定強度を高めている。なお、鉄心片41の回転軸40に対向する面には突起410でなく、例えば凹形状の切り欠きを設けてもよく、同様に回転子4の固定強度を高めることができる。
なお、本実施の形態2では、鉄心片41は電磁鋼板を積層して形成されるものに限られず、例えば塊状の強磁性部材を機械加工したものを用いてもよく、また、粉体鉄心を用いてもよい。
また、回転子4の極数は6極に限られるものではなく、4、6、8、10、12極等の回転子にも適用することができ、極数が少ないほど永久磁石片に形成される配向方向線の方向による効果を発揮することができる。
図19は本実施の形態2における別例の回転子4aの一部拡大図である。図19に示すように、回転子4aの最外周面を形成する鉄心片41aの円弧は、必ずしも回転子4aの最外周面の仮想的な円(図中点線で示す)と重なる必要はない。例えば回転子4aの最外周面の仮想的な円より小さい径の円弧であってもよく、必要に応じて形状を変更することができる。
図20は本実施の形態2による回転子4の製造方法を説明するための説明図である。図20を参照して回転子4の製造方法を説明する。
まず図20(A)に示すように、例えば射出成形用の金型(図示せず)などの中に、回転軸40の外周側に略扇形状の鉄心片41と略扇形状の永久磁石片42とが円周方向交互になるように隙間を空けて配置する。
次に図20(B)に示すように、回転子4の外周側から回転子4の中心方向へ鉄心片41を押すことによって鉄心片41と永久磁石片42とを当接させる。この時、複数の鉄心片41により形成される回転子4の最外周面の仮想的な円の中心と回転軸40の回転中心とが同一となることが望ましい。
次に図20(C)に示すように、回転軸40と鉄心片41および永久磁石片42とにより形成される空間に、軸方向からPPSなどの樹脂43を射出成形し、回転軸40と鉄心片41と永久磁石片42とが一体となるように固定する。
このように製造された回転子4の外周側から円周方向に交互にN極とS極を形成するための磁界を印加して永久磁石片42を着磁し(図示せず)、本実施の形態2の回転子4が完成する。永久磁石片42の着磁により、鉄心片41は永久磁石片42に吸引され、回転子4の固定強度が高まる。さらに、永久磁石片42の略扇形状の外周側円弧が回転子4の回転軸40方向に向くように配置されることにより永久磁石片42が径方向でテーパ状となるため、鉄心片41が抜け止めとなって、鉄心片41と永久磁石片42との隣接面間を接着しなくても、永久磁石片1が外周方向に抜けることを防止できる。
なお、永久磁石片42とその両隣の鉄心片41の隣接面間にわずかな空隙をもうけ、この空隙を樹脂で満たすことにより、より強固に永久磁石片42と鉄心片41とを固定することができる。
固定方法は樹脂43によるものに限られず、例えば軸方向の両端部に環状の固定板等を設け、リベットなどにより鉄心片41を挟み込んで固定することとしてもよい。
回転子の構成は、本実施の形態2の回転子4の構成に限られず、例えば鉄心片が軸方向の一部で円周方向につながっていてもよい。このような回転子を本実施の形態2の他の別例として図21に示す。
図21は本実施の形態2の他の別例による回転子を示す斜視図であり、図21(A)は他の別例の回転子4bを示す斜視図、図21(B)は回転子4bを構成する鉄心板41bの斜視図、図21(C)は回転子4bを構成する鉄心板41cの斜視図である。なお、この別例の回転子4bの鉄心片以外の構成は上述した本実施の形態2の回転子4の構成と同じであり、同様の部分については同一符号を付して説明を省略する。
図21に示すように、回転子4bの鉄心片41dは電磁鋼板からなる略扇形状の鉄心板41bと、環状の鉄心板41cとを積層してカシメやリベットなどで鋼板同士を連結して形成される。環状の鉄心板41cには永久磁石片42を挿入するための溝41eが設けられており、永久磁石片42は、鉄心片41dの軸方向から挿入することができる。
このように、軸方向の一部に環状の鉄心板41cを挟むことで、鉄心片41dは軸方向の一部において環状に結合されることとなり、鉄心片41dを一体で取り扱うことができる。従って、鉄心片が個々ばらばらの場合に比べ、各鉄心片を別々にハンドリングしたり整列させたりする必要がなく生産性が向上する。
図22(A)は、本実施の形態2の回転子4において、永久磁石片42から発生する磁束の様子を示す概念図である。また比較のため、配向方向が一軸方向である板状の永久磁石片42cを用いた回転子4c(以下比較例1の回転子とする)における磁束の様子の概念図を図22(B)に示す。図22中各永久磁石片42、42c内の矢印は永久磁石片42、42cの配向方向線を示し、各鉄心41、41c内を通る矢印は磁束を示し、図22(B)中の点線矢印は漏れ磁束を示す。
図に示すように、本実施の形態2では永久磁石片42の配向方向線が回転子4の回転軸(回転中心)方向に凸形状の円弧状であるため、発生する磁束の多くは回転子4の外周方向へ向かって流れている。これに対し比較例1の回転子4cでは、永久磁石片42cの配向方向線が一軸方向であるため、発生する磁束は回転子4c外周方向へ流れるとともに、回転軸(回転中心)方向へも流れて漏れ磁束となっている。このように、永久磁石片の配向方向線を回転子の回転軸方向に凸形状の円弧状とすることにより、回転軸方向への漏れ磁束を低減させ、外周表面の磁束密度を増加させることができる。
なお、本実施の形態2の永久磁石片42のように、配向方向線が永久磁石片42の周方向に対向する2辺に対して直交するようにすれば、永久磁石片42から発生する磁束が鉄心片41との接辺に対して直交するように流れるため、より強い磁力を回転子4外周表面へ発生させることができる。
また、比較例1は板状の永久磁石片42cを使用しているため、鉄心片41cに永久磁石片42c抜け止め用の突起410cを設ける必要がある。突起410cが存在する場合、永久磁石片42cから鉄心片41cを通って回転子4cの外周側に流れる磁束の一部が、円周方向隣の突起410cに漏れてしまい、回転子4cの外周表面に発生する磁束密度が減少してしまう。従って、永久磁石片の断面形状を本実施の形態2で使用する永久磁石片42のように略扇形状とすることにより、永久磁石片42が径方向でテーパ状となって抜け止めとしての効果を有すると共に、回転子外周側の漏れ磁束を低減させることができ外周表面の磁束密度を増加させる効果も得られる。
なお、本実施の形態2の略扇形状の永久磁石片42を使用する場合にも、永久磁石片42の位置決め用に鉄心片41に比較例1の突起410cのような突起を設けてもよく、永久磁石片42の配向方向線が円弧状であることにより、外周表面の磁束密度を増加させる効果を得ることができる。
図23は、本実施の形態2の回転子4の外周表面に発生する磁束密度のピーク値を測定した結果である。比較のため、配向方向が一軸方向である板状の永久磁石片42cを用いた比較例1の回転子4cと、配向方向が一軸方向であり断面形状が略扇形状の永久磁石片42dを用いた回転子4d(以下比較例2の回転子とする)についての外周表面に発生する磁束密度のピーク値も測定した。この結果も合わせて図23に示す。図24は本実施の形態2、比較例1、比較例2の各回転子に使用される永久磁石片42、42c、42dの断面形状を示す概念図である。本実施の形態2と比較例2の永久磁石片42、42dについては断面略扇形状の開き角度2θが20度、30度、40度の3種類を用意する。各開き角度について、本実施の形態2、比較例1、比較例2の永久磁石片42、42c、42dの体積が同じとなるようにし、開き角度別に磁束密度のピーク値を測定している。
図23の棒グラフは、比較例1の回転子の外周表面に発生する磁束密度のピーク値を1とした時の比較例2と本実施の形態2との回転子の外周表面に発生する磁束密度のピーク値の比率を開き角度ごとに表している。図に示すように、配向方向線が一軸方向の板状の永久磁石42c(比較例1)を配向方向線が一軸方向の略扇形状の永久磁石42d(比較例2)とすることで、回転子の外周表面に発生する磁束密度のピーク値が、開き角度20度では0.7%、30度では1.4%、40度では2.4%上昇する。さらに略扇形状で配向方向線が円弧状の永久磁石片42(本実施の形態2)とすることで、回転子の外周表面に発生する磁束密度のピーク値が、比較例1に比べて、開き角度20度では1.2%、30度では2.8%、40度では4.5%上昇する。
このように、永久磁石片の形状を板状から断面略扇形状とすること、また配向方向線を一軸方向から円弧状とすることで、回転子の外周表面に発生する磁力を増大させることができる。
次に、本実施の形態2と比較例1の回転子について、磁界解析により永久磁石片周辺に発生する磁束分布を調べ比較した。
図25(A)は、本実施の形態2の永久磁石片42の回転軸40方向の漏れ磁束を現した磁界解析結果であり、図中右側に示す回転子4の点線内の領域の解析結果を図中左側に拡大して示している。図25(B)は、比較例1の永久磁石片42cの回転軸40c方向の漏れ磁束を現した磁界解析結果であり、図中右側に示す回転子4cの点線内の領域の解析結果を図中左側に拡大して示している。解析結果中の矢印は漏れ磁束を示し、図からわかるように、本実施の形態2の永久磁石片42の回転軸40方向の漏れ磁束が比較例1に比べて大幅に減少している。
以上のように、本実施の形態2における回転子では、配向方向線が凸の円弧状の曲線である永久磁石片を、配向方向線が回転子の回転軸方向に凸形状となるように配置しているため、回転子の回転軸方向へ流れる磁束を低減するとともに回転子の外周方向へ流れる磁束を増大させ、回転子の外周表面で発生する磁力を増加させることができる。従って、回転機のトルク向上や高効率を実現でき、エネルギー消費量の削減をすることができる。また、同じ磁力を発生するのに必要な永久磁石片の体積を減らすことができるため、回転機を小型化することができる。
なお、永久磁石片の形状は実施の形態2で使用した形状に限られるものではなく、永久磁石片の配向方向線が回転子の回転軸方向に凸の円弧状の曲線であれば、回転子の外周表面で発生する磁力を増加させることができる。
また、永久磁石片の断面形状を、配向方向線の曲率が大きいほど幅寸法が小さく、配向方向線の曲率が小さいほど幅寸法が大きい略扇形状とすれば、特定方向への磁束の発生をより増大させることができ、回転子の外周表面で発生する磁力をさらに増加させることができる。従って、特定方向に同じ磁力を発生させるために必要な永久磁石の体積をさらに減らすことができる。さらに、永久磁石片が径方向でテーパ状となるため永久磁石片を鉄心片に接着剤等で固定しなくても永久磁石片が回転子の外周方向へ抜け出ることを防止することができる。従って、回転機の高効率を実現できるとともに、製造工程においても容易化をはかることができる。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、本発明の永久磁石片を利用した回転子について説明したが、永久磁石片の利用はこれに限られるものではない。本実施の形態3では本発明の永久磁石片を利用した磁界発生装置5について説明する。図26はこの発明の実施の形態3における磁界発生装置5の概念図である。
磁界発生装置5はキャビティ50内に成形材料を射出成形してリング型の異方性多極プラスチック磁石を製造するための装置であり、図26のように構成されている。リング型プラスチック磁石となる成形材料を注入するためのキャビティ50はステンレス鋼などから成るリング状非磁性部材51とその中心部に配置され鉄などから成る軸部材52とにより構成されている。リング状非磁性部材51の外周側には8本の磁芯53が円周方向に一定の間隔をおいて放射線状に配置されている。各磁芯53の間には永久磁石片54が配置され、また周方向に隣り合って配置される永久磁石片54の対向する面の極性が同極となるように配置される。すなわち、各磁芯53の両隣の永久磁石片54の極性が同極となっている。このため、永久磁石片54のN極同士に挟まれる磁芯53はN極に磁化され、永久磁石片54のS極同士に挟まれる磁芯53はS極に磁化され、磁芯53は円周方向に交互にN極、S極に磁化される。
永久磁石片54は上記実施の形態1の図14(A)で記載した永久磁石片1aと同様のものを使用している。すなわち、永久磁石片54の形状は、配向方向線の曲率が大きいほど幅寸法が小さく、配向方向線の曲率が小さいほど幅寸法が大きい略台形状である。そして、永久磁石片54は磁界発生装置5の外周方向に略台形の底辺が向くように配置され、配向方向線は磁界発生装置5の外周側に凸状の円弧状となる。なお、図26中永久磁石片54内部の矢印は配向方向線を示す。
このように構成された磁界発生装置5では、永久磁石片54から磁束が発生し磁界が図23中点線矢印で示す磁力線のように分布する。この磁界によりキャビティ50内に充填された成形材料が配向され、N極に磁化された磁芯53の先端と対向する部位はS極に、S極に磁化された磁芯53の先端と対向する部位はN極にそれぞれ磁化され、点線矢印の磁力線の方向に成形材料の磁化容易軸が揃えられる。このように、磁芯53と同数の極数を有するリング型の異方性多極プラスチック磁石が形成される。
以上のように、本実施の形態3による磁界発生装置では、配向方向線が円弧状の曲線である永久磁石片を、配向方向線が磁界発生装置の外周側に凸形状となるように配置しているため、磁界発生装置の外周方向へ流れる磁束を低減するとともに磁界発生装置の回転軸52方向へ流れる磁束を増大させる。従ってキャビティ内に発生する磁力を増大させ、キャビティ内に充填される成形材料を強く配向させることができる。
なお、永久磁石片の形状は上記実施の形態3で使用した形状に限られるものではなく、永久磁石片の配向方向線が磁界発生装置の外周側に凸の円弧状の曲線であれば、磁界発生装置のキャビティ内に発生する磁力を増大させることができる。
1,1a,1b,1c,1d,1e 永久磁石片、10 リング状永久磁石、
27 キャビティ、29,29a,29b,29c 電気導体、30 磁性粉末、
42 永久磁石片、54 永久磁石片。

Claims (5)

  1. 略リング形状を周方向に分割した形状を有し、配向方向線が上記略リング形状の外周側に凸の同心円弧状の曲線であることを特徴とする異方性永久磁石片。
  2. 上記永久磁石片の断面形状は、配向方向線の曲率が大きいほど幅寸法が小さく、配向方向線の曲率が小さいほど幅寸法が大きい形状であることを特徴とする請求項1に記載の異方性永久磁石片。
  3. 上記永久磁石片の配向方向線は、上記永久磁石片の周方向に対向する2辺に対して直交することを特徴とする請求項1または2に記載の異方性永久磁石片。
  4. 円周方向に磁気配向されたリング状の異方性永久磁石を周方向に分割して形成することを特徴とする異方性永久磁石片の製造方法。
  5. 電気導体の外周側に形成されるリング状のキャビティ内に磁性粉末を充填する工程と、上記電気導体に電流を流して上記キャビティ内に円周方向の磁界を発生させることにより上記磁性粉末を円周方向に磁気配向させてリング状の異方性永久磁石を形成する工程と、上記リング状の異方性永久磁石を周方向に分割する工程とを備えたことを特徴とする異方性永久磁石片の製造方法。
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