JP6557971B2 - 界磁ユニット及びそれを構成するボンド磁石並びに当該ボンド磁石の製造方法 - Google Patents

界磁ユニット及びそれを構成するボンド磁石並びに当該ボンド磁石の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、界磁ユニット及びそれを構成するボンド磁石並びに当該ボンド磁石の製造方法に関する。
従来から、磁粉の配向方向に工夫を加えることにより磁気特性を向上させた異方性永久磁石が提案されている(例えば、特許文献1)。また、特許文献2には、磁路長を長くし、作用面に対向する面からの磁力線の放射を少なくした、作用面とこの作用面に隣接する側面を備える側面配向型異方性磁石が提案されている。
特公昭63−59243号公報 特許第3007491号公報 国際公開WO2012/049837号
しかしながら、特許文献1及び2のように磁化容易軸の方向を集束配向させた磁石であっても、十分な表面磁束密度を得るためには磁石の厚みが必要であり、また特許文献3で示されるように、側面配向型の異方性磁石であっても、その磁化容易軸はある点を中心として同心円状に広がりを見せるため、曲率半径Rは一定であり(成形品の高さをa、その直径をb、その磁化容易軸の位置をnとしたとき曲率半径R=a/n=b/2n)、近年小型化・薄型化が求められるアクチュエータ等においては、磁石の作用面以外からの漏れ磁束が増加してしまうという問題があった。また希土類系を原料とする磁石においては、保磁力が高いため、従来の磁気回路を用いた装置では十分な配向磁場が得られず、また透磁率も空気と同等で小さいため、ボンド磁石の成形時にキャビティ内にて自由に配向することが難しく、従来の方法で集束配向させても十分な表面磁束密度が得られなかった。
本開示は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、作用面以外からの漏れ磁束の少ない扁平状の側面配向型ボンド磁石及びそれを用いた界磁ユニットを提供することを目的とする。
また、ボンド磁石の薄型化に対応し、十分な配向磁場が得られるボンド磁石の製造方法を提供することを特徴とする。
本開示に係るボンド磁石によれば、上面と下面と側面を備え、前記下面から前記側面に向かうように磁力線が配向されてなる第1のボンド磁石と、上面と下面と側面を備え、前記側面から前記上面に向かうように磁力線が配向されてなる第2のボンド磁石と、を有し前記第1のボンド磁石の前記下面の磁極と、前記第2のボンド磁石の前記上面の磁極とが異なる極性であり、前記第1のボンド磁石の前記下面と、前記第2のボンド磁石の前記上面とが連結されてなり、その側面に2極の磁極を有することができる。
さらに、他の側面に係るボンド磁石の製造方法によれば、磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物が充填される成形金型のキャビティを用意する工程と、溶融されたボンド磁石組成物を前記キャビティに充填し、磁界を印加して前記磁性材料を配向させてボンド磁石を成形する工程とを含む、ボンド磁石の製造方法であって、前記磁界は、同極同士が向かい合うように印加された、第1及び第2の磁界を有して構成されており、前記キャビティは前記磁界の向かい合う方向において、前記第1及び第2の磁界に挟まれるように、前記第1の磁界側に偏って配置されており、前記磁界の向かい合う方向における前記キャビティの長さと略同じ距離をあけて前記第2の磁界を形成することができる。
さらにまた、他の側面に係るボンド磁石の製造方法によれば、磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物が充填される成形金型のキャビティを用意する工程と、溶融されたボンド磁石組成物を前記キャビティに充填し、前記キャビティに面するように配置された、前記磁性材料を磁気的に配向させるための配向用磁石でもって磁界を印加して前記磁性材料を配向させてボンド磁石を成形する工程とを含む、ボンド磁石の製造方法であって、前記配向用磁石は、同極同士が向かい合うように配置された第1及び第2の配向用磁石を有して構成されており、前記キャビティは前記配向用磁石の軸方向において、前記第1及び第2の配向用磁石の間に挟まれるように、前記第1の配向用磁石の側に偏って配置されており、前記配向用磁石の軸方向における前記キャビティの長さと略同じ距離をあけて前記第2の配向用磁石が配置されている。
さらにまた、他の側面に係るボンド磁石の製造装置によれば、磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物が充填されるキャビティを有する成形金型と、前記磁性材料を磁気的に配向させるための配向用磁石とを備え、溶融されたボンド磁石組成物を前記キャビティに充填してボンド磁石を成形するボンド磁石の製造装置であって、前記配向用磁石は、同極同士が向かい合うように配置された第1及び第2の配向用磁石を有して構成されており、前記キャビティは前記配向用磁石の軸方向において、前記第1及び第2の配向用磁石の間に挟まれるように、前記第1の配向用磁石の側に偏って配置されており、前記配向用磁石の軸方向における前記キャビティの長さと略同じ距離をあけて前記第2の配向用磁石が配置されている。
さらにまた、他の側面に係るボンド磁石によれば、第一面と、前記第一面と空間的に交差する第二面とを備え、前記第一面から第二面に向かうように内部でカーブされた第一磁力線群が配向されてなる第一ボンド磁石片と、第三面と、前記第三面と空間的に交差する第四面とを備え、前記第四面から第三面に向かうように内部でカーブされた第二磁力線群が配向されてなる第二ボンド磁石片とを有し、前記第一ボンド磁石の第一面は、第二面よりも面積が広く、前記第二ボンド磁石の第三面は、第四面よりも面積が広く、前記第一ボンド磁石の第一面の磁極と、前記第二ボンド磁石の第三面の磁極とが異なる極性であり、前記第一ボンド磁石片の第一面と、前記第二ボンド磁石片の第三面とが連結されて、第二磁力線群と第一磁力線群とが連続されるように構成され、前記第一ボンド磁石片の第二面と、前記第二ボンド磁石片の第四面とで異なる磁極を外部に表出させている。上記構成により、第一ボンド磁石片の第一面の磁束を第二面で収束させ、かつ第二ボンド磁石片の第三面の磁束を第四面で収束させて、作用面において高い磁束密度を実現できる。
さらにまた、他のボンド磁石によれば、第一非作用面と、前記第一非作用面と空間的に交差する第一作用面とを備え、前記第一非作用面から第一作用面に向かうように内部で折曲された第一磁力線群が配向されてなる第一ボンド磁石片と、第二非作用面と、前記第二非作用面と空間的に交差する第二作用面とを備え、前記第二作用面から第二非作用面に向かうように内部でカーブされた第二磁力線群が配向されてなる第二ボンド磁石片とを有し、前記第一ボンド磁石の第一非作用面は、第一作用面よりも面積が広く、前記第一作用面の磁束密度が第一非作用面よりも高く、前記第二ボンド磁石の第二非作用面は、第二作用面よりも面積が広く、前記第二作用面の磁束密度が第二非作用面よりも高く、前記第一ボンド磁石の第一非作用面の磁極と、前記第二ボンド磁石の第二非作用面の磁極とが異なる極性であり、前記第一ボンド磁石片の第一非作用面と、前記第二ボンド磁石片の第二非作用面とが連結されて、第二磁力線群と第一磁力線群とが連続されるように構成され、前記第一ボンド磁石片の第一作用面と、前記第二ボンド磁石片の第二作用面とで異なる磁極を外部に表出させている。上記構成により、第一ボンド磁石片の第一非作用面の磁束を第一作用面で収束させ、かつ第二ボンド磁石片の第二非作用面の磁束を第二作用面で収束させて、作用面において高い磁束密度を実現できる。
さらにまた、他の側面に係るボンド磁石によれば、作用面としてS極とN極を同じ側に表出させたボンド磁石であって、S極及びN極の作用面からボンド磁石内部に連なる磁路群が、ボンド磁石の内部に向かって山形に突出するよう折曲された極配向とされており、さらに該山形の磁路群の対称軸を通る平面を接合面として分割されたボンド磁石片同士を、該接合面で接合して構成できる。
さらにまた、他の側面に係るボンド磁石によれば、第一面と、前記第一面と空間的に交差する第二面とを備え、前記第一面から第二面に向かうように内部で折曲された第一磁力線群が配向されており、前記第一面は、第二面よりも面積が広く、前記第一磁力線の密度が第一面よりも第二面において高く、前記第二面を、作用面とし、前記第一面を、磁力線の方向を逆転させた他のボンド磁石の第一面と接合するための非作用面とすることができる。
本開示によれば、作用面以外からの漏れ磁束の少ない扁平状の側面配向型ボンド磁石及びそれを用いた界磁ユニットを実現することができる。
また、ボンド磁石の薄型化に対応し、十分な配向磁場が得られるボンド磁石の製造方法を実現することができる。
図1Aは本開示の実施形態に係るボンド磁石を示す斜視図、図1Bは図1AのIB−IB線断面における磁粉粒子の磁化容易軸の配向状態を示す図である。 図2A、図2B、図2Cは本開示の実施形態に係るボンド磁石の一例を示す斜視図である。 本開示の実施形態に係る磁気回路装置を示す図である。 本開示の実施形態に係る磁気回路装置を示す図である。 図5A、図5Bは本開示の実施形態に係る配向用磁石を示す図である。 図6Aは本開示の実施形態に係るボンド磁石の分解斜視図である。 図6Bはボンド磁石の斜視図である。 図6Cは図6BのVIC−VIC線断面における磁粉粒子の磁化容易軸の配向状態を示す断面図である。 図6Dは図6Cの磁力線を示す断面図である。 図6Eは他のボンド磁石の磁力線を示す断面図である。 図7Aは本開示の実施形態に係る界磁ユニットを示す斜視図、図7Bは図7AのVIIB−VIIB線断面における磁粉粒子の磁化容易軸の配向状態を示す図である。 本開示の実施形態に係る磁気回路装置を示す図である。 従来の磁気回路装置を示す図である。
以下、本開示の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明するボンド磁石及び装置は、本開示の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示を以下のものに限定しない。また、以下の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。
各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。図中の「x」方向を「横」方向、「y」方向を「縦」方向、「z」方向を「上下」方向または「高さ(厚さ)」方向ともよぶ。
本発明の一実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記ボンド磁石の形状を、平板状、円柱状、円筒状、のいずれかとできる。
また、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記2つのボンド磁石は、その側面同士にそれぞれ異なる極性が向かい合うように空隙を介して配置されている。
さらに、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記2つのボンド磁石の形状は、円柱状及び円筒状である。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記空隙が0.5〜4.0mmである。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石の製造方法によれば、前記配向用磁石の磁化方向は、前記配向用磁石の軸方向に対して、10度以上70度以下の角度で内側方向に傾斜されている。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、外形を、底面を略円形とする円柱状に形成しており、前記山形の磁路群を、該円柱状の側面から、円柱の中心軸に向かって突出させることができる。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記第一ボンド磁石片は、外形を平板状とし、該平板状の主面を前記第一面とし、前記第一面と交差し該平板状の厚さ方向の側面を前記第二面とし、前記第一ボンド磁石の内部において、前記第一面から側面側に向かって対称に磁力線が折曲されるよう構成できる。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記第一ボンド磁石と第二ボンド磁石の外形を略対称とできる。
上記構成により、各第一ボンド磁石、第二ボンド磁石の成形を容易に行うことが可能となる。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記第一ボンド磁石と第二ボンド磁石のそれぞれの内部における磁力線の分布を略対称とできる。
さらにまた、他のボンド磁石の製造方法によれば、第一非作用面と、前記第一非作用面と空間的に交差する第一作用面とを備え、内部において前記第一非作用面と第一作用面との間に生成される第一磁力線群が折曲されるように配向されたボンド磁石の製造方法であって、磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物が充填される成形金型のキャビティと、前記キャビティの内、前記第一作用面及び第一非作用面と対応する面にそれぞれ、前記磁性材料を磁気的に配向させるための第一作用面配向用磁石及び第一非作用面配向用磁石であって、該第一作用面の磁束密度が第一非作用面よりも高くなるように配置された第一作用面配向用磁石及び第一非作用面配向用磁石を用意する工程と、溶融されたボンド磁石組成物を前記キャビティに充填し、磁界を印加して前記磁性材料を配向させてボンド磁石を成形する工程とを含むことができる。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石の製造方法によれば、前記第一非作用面と第一作用面とが交差する角度を90°以下とできる。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記第一ボンド磁石と第二ボンド磁石の外形をそれぞれ、円板状又は平面視矩形状の板材とできる。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記第一ボンド磁石片と前記第二ボンド磁石片の接合面を接着することができる。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、ボンド磁石片同士の接合面を非作用面とし、作用面における磁化容易軸の密度を、非作用面における磁化容易軸の密度よりも高くすることができる。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石片によれば、上述したボンド磁石を構成するボンド磁石片である。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記ボンド磁石は、外形を平板状とし、該平板状の主面を前記第一面とし、前記第一面と交差し該平板状の厚さ方向の側面を前記第二面とし、前記ボンド磁石の内部において、前記第一面から側面側に向かって対称に磁力線が折曲させることができる。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記ボンド磁石の外形を、円板状又は平面視矩形状の板材とすることができる。
さらにまた、本発明の他の実施の形態に係るボンド磁石によれば、前記ボンド磁石の外形が円柱状であって、非作用面の線分を、円柱状の底面の半径よりも短くできる。
<第1の実施形態>
図1A、図1Bは、本実施形態のボンド磁石の一例を示す図であり、図1Aは斜視図、図1Bは図1AのIB−IB線断面における磁粉粒子の磁化容易軸の配向状態を示す図である。
図1Aに示すように、本実施形態のボンド磁石100は、上面11と下面12と側面13を備え、図1Bに示すように幅寸法bよりも厚み寸法aが小さい、円柱状かつ扁平形状のボンド磁石である。ここで、ボンド磁石100の上面11または下面12の面積(つまり、上面と下面のどちらか一方の面積)をSbとし、側面13の面積をSaとしたとき、SbとSaの面積比(Sb/Sa)が0.75倍以上となるよう形成されている。
また、ボンド磁石の磁力線の曲率半径Rが上面または下面(本実施形態においては下面)の中心から側面13に向かって連続的に変化し、側面ではその曲率半径Rが限りなく∞に近付くよう形成されている。
なお、磁化容易軸の配向方向は、例えば図1AのIB−IB線断面に試料を1mm厚にスライスしたものを、さらに1mm角に細切れにし、磁気振動計を用いてその方向を測定することができる。
本実施形態のボンド磁石100は、側面13が作用面とされており、非作用面である下面12と作用面である側面13とを結ぶように磁力線が形成されてなる。本実施形態のボンド磁石は、扁平形状の側面方向に向かって磁力線が集束しながら作用面である側面13に配向されているため、表面磁束密度を向上させることができる。
特に、本実施形態では、図1Bに示すようにSbからSaに向かって磁力線が形成されているが、SbとSaの面積比(Sb/Sa)が0.75以上とされている。表面磁束密度は単位面積当たりの磁束線を表したものであり、漏れ磁束が発生しなければ、SbとSaの面積比(Sb/Sa)が1以上であるとき、作用面から発生する磁力線は大きくなる。しかしながら、本発明者らが鋭意研究した結果、実際には0.75以上あれば扁平状の磁石であっても十分な集束効果が認められることが分かった。この結果は、本実施形態に示す磁気回路装置を用いれば、作用面以外の面からの漏れ磁束が極力抑制することが出来ることが要因と思われる。また0.75未満の場合は従来の磁気回路装置を用いたものと差が得られなかった。これはボンド磁石成形用金型のキャビティが小さいと十分な配向磁場が得られないこと、また厚さが十分なキャビティの場合、作用面以外の面からの漏れ磁束自体が少なくなることによると思われる。
なお、ボンド磁石の形状は、円柱状に限られず、例えば図2Aに示すような、上面11及び下面12が正方形の平板状のボンド磁石100aや、図2Bに示すような、上面及び下面12が長方形の平板状のボンド磁石100bや、図2Cに示すような、上面11及び下面12がドーナツ状の、円筒状のボンド磁石100cなどの形状とすることもできる。なお、本明細書において「幅寸法」とは厚さ方向(z方向)に略垂直な方向におけるボンド磁石の外形の最大寸法のことをいうものとする。
本実施形態のボンド磁石は、少なくとも磁性材料と樹脂とを含む。
(磁性材料)
磁性材料には、異方性材料を採用する。異方性の磁性材料としては、フェライト系、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系などが挙げられる。異方化により所定の磁気性能が得られる素材であり、等方性材料と比べてBHmaxが大きく、界磁ユニットとして使用した際でも、その空隙に有効な磁束密度を提供することができる。
フェライト系は、歴史が古く安価であることから最も普及しているが、希土類系よりも磁力が弱く、成形品が小さくなると磁力が不足するため、磁力の強いボンド磁石を作製する必要がある場合には、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系の希土類系磁性粉末を用いることが好ましい。上記の磁性材料は1種類単独でも、2種類以上を混合物としても使用可能である。また必要に応じて、耐酸化処理やカップリング処理を施しても良い。
(樹脂)
本実施形態で用いられる樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂や、エステル系、ポリアミド系、などの熱可塑性エラストマー、または、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、アリル樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。
(ボンド磁石の製造方法)
以下に、本実施形態のボンド磁石100の製造装置及び製造方法について説明する。
図3は、ボンド磁石を製造するための装置であり、本実施形態に係る磁気回路装置120である。磁気回路装置120は、磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物が充填されるキャビティ20を備えており、キャビティ20を上下方向に挟むように配向用磁石14が配置されている。配向用磁石14は磁性材料を磁気的に配向させるために、ボンド磁石の成形中にキャビティ20に磁場を印加するものである。
配向用磁石14a、14bは、成形品のボンド磁石のSb面に対して垂直に磁力が出る向きに配向された永久磁石である。
配向用磁石14a、14bは、同極同士(ここではN極同士)が向かい合うように配置された第1の配向用磁石14a及び第2の配向用磁石14bを有して構成されており、これにより、同極同士が向かい合うように印加された、第1及び第2の磁界を有して構成されている。ここで、配向用磁石14a、14bの軸方向をZ方向としたとき、キャビティ20はZ方向において、第1及び第2の配向用磁石14a、14bの間に挟まれるように、第1の配向用磁石14aの側に偏って配置されている。
第1の配向用磁石14aは、非磁性鋼材の隔壁を挟んでキャビティ20であって成形品のSb面と対向するように配置されている。
第2の配向用磁石14bは、z方向においてキャビティ20の長さ(T2)と略同じ距離(T1)をあけて配置されている。このキャビティが存在しない領域には、非磁性鋼18が配置されている。
キャビティ20であって、成形品の側面13と対向する面側には、比透磁率が100〜1000000のヨーク16を設置する。
このように配向用磁石14a、14bを配置することで、キャビティ20内部には、図中の破線に示すように、N−Sの磁力線が形成される。
このように配置されたキャビティ20に、溶融した磁性材料と樹脂とからなるボンド磁石組成物を充填する。ボンド磁石組成物が流動状態にあるうちに印加した磁場配向により配向させ、配向後は直ちに空冷若しくは水冷により冷却固化することにより磁性粉末の配向状態を保つことが好ましい。
本実施形態においては、2つの配向用磁石14a、14bを反発させて放射状の強力な磁場を取り出している。第2の配向用磁石14bをキャビティ20から離して形成しているため、上面11には磁力線が出ないように、下面12から側面13に向かって磁力線を形成することができる。上面11に磁力線が出にくくなるため、作用面である側面13に磁力線が集束し、単位面積当たりの磁束線が増える。
(配向用磁石)
配向用磁石14a、14bとして用いる永久磁石に使用する磁石の材料は、Brが1T以上のものが好ましく、例えばNd−Fe−B焼結磁石を用いることができる。磁力の大きい磁石を使うと、配向磁場が強くなり、ボンド磁石の表面磁束密度も高く出来る。なお、磁場配向は、磁粉の保磁力の2〜3倍の磁場を印加することが好ましい。
なお、本実施形態では配向用磁石として永久磁石を用いる製法について説明したが、金型外部より通電コイルによって磁場を作用させてもよい。また、N極同士を向かい合わせとする例について説明したが、S極同士を向かい合わせにしてもよい。
<第2の実施形態>
本実施形態では、第1の実施形態で用いた配向用磁石14a、14bを、図5Aに示す配向用磁石15に替えて、第1の実施形態と同様にボンド磁石を形成する。
配向用磁石15は、径方向に45度ずつ8等分に分割されてなる。図5Bは8等分された磁石ピース15cの1つを示している。
図5Aに示すように、8等分されたそれぞれの磁石は、複数の磁石ピース(ここでは8つ)を組み合わせて円柱状の配向用磁石15としたときに、下面の一点に向かって磁力が出るように配向されてなる。つまり、配向用磁石15の磁化方向は、配向用磁石の軸方向に対して内側方向に傾斜されている。このとき、各磁石の軸方向に対する配向方向θは配向用磁石の軸に対して34度とされている。このように形成された配向用磁石を、図4に示すようにキャビティ20の方向に向かって磁力が集中するように、同極が向かい合せになるように鏡面状に配置する。第1の実施形態と同様に、第2の配向用磁石15bは、z方向においてキャビティ20の長さ(T2)と略同じ距離(T1)をあけて配置されている。このように配向用磁石15a、15bを配置することで、キャビティ20内部には、図中の破線に示すように、N−Sの磁力線が形成される。
このように、配向用磁石15aを分割したものを用いることにより、磁石を反発させた際にキャビティの中心近くになるほど磁力が打ち消し合い、配向に必要な十分な磁場が得られにくくなるという問題が解消され、成形品磁石の幅(直径)が大きくなっても、内部まで十分に配向された磁石を得ることが出来る。
なお、ここでは円柱状の磁石を8分割した例で説明したが、15a、15bの分割数はいくつであってもよい。
ここで、表1として、Sb面の中心から1mm内側のキャビティ内配向磁場とSa面のキャビティ内配向磁場と、各磁石の軸方向に対する配向方向θとの関係を示す。
Figure 0006557971
表1より、各配向用磁石の軸方向に対する配向方向(磁化方向)θは10度以上70度以下とすることが好ましい。θが80〜90度となると側面13の配向磁場が小さくなる。
<第3の実施形態>
本実施形態は、図6A、図6Bに示すような、第1の実施形態のボンド磁石100を2つ組み合わせたボンド磁石200である。2つのボンド磁石の上面と下面が連結されることにより、図6C、図6Dに示すように、その側面に2極の異なる磁極を有するボンド磁石となる。組み合わせるボンド磁石は、互いに配向が逆になるように形成されている。つまり、図6Dに示すように、一方の磁石(第1のボンド磁石100A)は下面12にS極、側面13にN極が出るように内部の第一磁力線群を形成した場合、他方の磁石(第2のボンド磁石100B)は上面11にN極、側面13にS極が出るように内部の第二磁力線群を形成する。そして、第1のボンド磁石100Aの下面のS極と、第2のボンド磁石100Bの上面のN極を吸引力によって連結させる。これによって、第一磁力線群と第二磁力線群とが結合されて、互いの磁路が連続し、結果としてボンド磁石200の内部の磁路を延長させて磁束を向上できる。
それぞれのボンド磁石100A、100Bは、上述した第1の実施形態で説明した方法で形成することができる。すなわち、第1のボンド磁石100Aは、図3、図4等に基づいて説明した方法で製造できる。一方、配向用磁石の極性を逆にすることで、配向を逆にすることができる。つまり、配向用磁石のN極同士が向かい合うようにして形成したものと、S極同士が向かい合うようにして形成したものを用いれば、第2のボンド磁石100Bを製造できる。
このときのボンド磁石200のVIC−VIC線断面における磁粉粒子の磁化容易軸の配向状態を図6Cに示す。側面の作用面(Sa)に隣接する面(上面及び下面:Sb)を組み合わせることにより、作用面(Sa)に2極の磁極を持つ磁石が得られる。また、Sb面においては磁極の異なる成形品同士を組み合わせるだけなので容易に組み合わせることができる。このように組み合わせることにより、2つの磁石の間で磁路が伸び、表面磁束密度が大幅に向上することに加え、作用面以外からの漏れ磁束密度も小さくすることができる。
さらに、図6Eに示すボンド磁石200’のように、2つのボンド磁石を結合させたボンド磁石の磁束線の方向を、図6Dとは逆向きに構成することもできる。この例では、図6Dの上下を反転させて、上側に第2のボンド磁石100Bを、下側に第1のボンド磁石100Aを配置し、第2のボンド磁石100Bの結合面であるN極面と第1のボンド磁石100Aの結合面であるS極面とが向かい合うように配置することで、結合面において互いの磁路を結合して延長し、その結果側面側に表出された磁極の表面磁束密度を向上できる。
特に、以上のような結合面を平板状とし、側面を磁極面とする構成では、面積の相対的に大きい平面状の結合面の磁束を、面積の相対的に小さい側面側の磁極に集中させることで、磁束を収束させた収束配向を実現し、磁極の磁束密度を効果的に向上できる。すなわち図1Bや図6Dに示すように、作用面における磁力線同士の間隔a’を、非作用面における同じ磁力線同士の間隔b’よりも狭くすることで、収束配向が実現される。ここでa’<b’は、磁束密度の大小にも繋がり、磁路を直線状から折曲させることで長くして磁力を向上させる極配向を採用したことと相俟って、高い表面磁束密度を実現できる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態は、図7A、図7Bに示すように、第3の実施形態のボンド磁石200の周囲に円筒状(リング状)ボンド磁石700を配置し、界磁ユニット800とするものである。
本実施形態に用いる円筒状ボンド磁石700は、円柱状のボンド磁石200と同じように、2つの円筒状ボンド磁石600A、600Bを連結させてその側面(リングの内周面)に2極の異なる磁極を有している。このような円柱状のボンド磁石200と、円筒状のボンド磁石700を作用面となる側面が空隙を介して向かい合うように配置する。このとき、円柱状ボンド磁石と円筒状ボンド磁石の側面の磁極は、異なる磁極同士が向かい合うように配置される。この空隙は、例えば0.5〜4.0mmとすることができる。
このように形成された磁気回路は、界磁ユニット内の閉磁気回路を永久磁石のみで形成しており、磁気回路で得られる磁気空隙の磁束密度を向上できる。さらに、本実施形態では扁平形状で厚みの薄い側面に磁束線を集束させて作用面に配向させているので、薄型であっても磁束密度の高い界磁ユニットを形成することができる。
次に、円筒状ボンド磁石700の製造方法について説明する。
図8は、本実施形態に係る円筒状ボンド磁石700を形成する一方の円筒状のボンド磁石600Aの磁気回路装置400である。磁気回路装置400は、第1の実施形態と同様に反発磁界を利用したものであり、ヨーク16a、16bを挟んで配向用磁石14a、14bが同極同士向かい合うように配置されている。
円筒状のキャビティ20(なお、キャビティを画定するボンド磁石成形用金型の図示は省略している。)であって、成形品の作用面となる円筒の内周側には、円柱状の比透磁率が100〜1000000のヨーク16cが設置されており、その上方に配向用磁石14bが配置されている。そして、ヨーク16cを挟んで配向用磁石14bと反対側に配向用磁石14aが配置されている。さらに、円筒状ボンド磁石の下面となる位置にも、配向用磁石14cが配置されている。これによりキャビティ20内部には、図中の破線に示すように、N−Sの磁力線が形成される。また、配向用磁石14a、14bの向きを変え、上述した第3の実施形態と同様に配向が逆となった組み合わせ用のボンド磁石600Bを作成し、得られた円筒状ボンド磁石600Bの上面と円筒状ボンド磁石600Aの下面を連結させることで、側面に2つの異なる磁極を有する円筒状ボンド磁石700を形成する。
なお、本実施形態では円筒状のボンド磁石700に替えてヨークを用いて界磁ユニットを形成することもできる。
本実施形態のような円筒状ボンド磁石700を用いることにより、空隙の磁束密度が高くなることに加え、ヨークと永久磁石にて構成する界磁ユニットに比べると、空隙部における磁束密度のバラつきを抑制することができる。これは、ヨークと空気の透磁率の差が大きいのに比べ、磁石と空気の透磁率がほぼ同じであることによる。
以下、実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
第1の実施形態で説明した図3の磁気回路装置120を用い、射出成形で円柱状ボンド磁石を形成する。ヨーク16として、比透磁率が380のヨークを設置し、キャビティの高さ(すなわち作用面である側面13の高さ)T2を3mmとし、上面及び下面(Sb)の直径を9mmとして、(Sb/Sa)が0.75となるように設定する。
配向用磁石14a、14bとして円柱状の焼結Nd−Fe−B磁石を使用し、磁性材料として粒径約3μmのSm−Fe−NとNd−Fe−Bの混合粉、樹脂としてポリアミド12を使用する。配向用磁石14a、14bは、円柱の高さを15mmとし、直径をそれぞれ6.9mm、12.9mm、18.9mm、27.9mmとする。
射出成形時のバレル温度は260℃、ノズル温度は280℃、金型温度は90℃に設定して射出成形で実施例1の円柱状ボンド磁石を得る。
<実施例2〜4>
実施例1において、Sb面の直径をそれぞれ15mm、21mm、30mmとする以外は同様にしてボンド磁石を射出成形する。
<実施例5〜8>
図3の磁気回路装置120に替えて図4の磁気回路装置130を用いる。配向用磁石は、円柱状の焼結Nd−Fe−B磁石を用い、径方向に45度ずつ8等分に分割されてなる。各磁石の軸方向に対する配向方向θは34度とされている。
キャビティの高さ(すなわち作用面である側面13の高さ)T2を3mmに固定し、Sbの直径をそれぞれ9mm、15mm、21mm、30mmとする。
配向用磁石15a、15bは、円柱の高さを15mmとし、直径をそれぞれ6.9mm、12.9mm、18.9mm、27.9mmとする。
それ以外は実施例1と同様にしてボンド磁石を射出成形する。
<比較例1〜5>
比較例1〜5として、実施例1の図3の磁気回路装置120に替えて図9に示す従来の磁気回路装置500を用い、Sbの直径をそれぞれ3mm、9mm、15mm、21mm、30mmとする。配向用磁石14は円柱状の焼結Nd−Fe−B磁石を用い、円柱の高さを15mmとし、直径をそれぞれ0.9mm、6.9mm、12.9mm、18.9mm、27.9mmとする。
それ以外は実施例1と同様にしてボンド磁石を射出成形する。
<比較例6>
実施例1〜4で用いた磁気回路装置120を用い、Sbの直径を3mmとし、配向用磁石14の直径を0.9mmとする以外は実施例1と同様にしてボンド磁石を射出成型する。
<比較例7>
実施例5〜8で用いた磁気回路装置130を用い、Sbの直径を3mmとし、配向用磁石15の直径を0.9mmとする以外は実施例5と同様にしてボンド磁石を射出成型する。
以上の実施例1〜8及び比較例1〜7の磁粉粒子の磁化容易軸の配向状態を示す図(Fluxライン)及び側面13(作用面)の表面磁束密度を表2に示す。
Figure 0006557971
表2より明らかなように、実施例に係るボンド磁石は、ボンド磁石の下面から側面に向かって磁力線が集束して配向しているので、表面磁束密度が向上している。特に、(Sb/Sa)の面積比が大きい磁石においては、表面磁束密度の大幅な向上が認められる。
<実施例9〜11>
比較例2、実施例1、実施例5の磁石を第3の実施形態で説明したように、それぞれ2つ組み合わせたものを実施例9〜11とし、作用面(Sa)の表面磁束密度とSb面と逆面の漏れ磁束密度を表3に示す。これらの磁束密度はマグネットアナライザーにて測定する。
Figure 0006557971
扁平状の2つの磁石を組み合わせることで、表面磁束密度が大幅に向上し、作用面以外からの漏れ磁束密度も小さくなっていることがわかる。
また、上記磁石に用いた磁化容易軸の配向方向の測定結果を下記表4に示す。磁化容易軸の配向方向は、図1AのIB−IB線断面に試料を1mm厚にスライスしたものを、さらに1mm角に細切れにし、磁気振動計を用いてその方向を測定する。表4に示すように、比較例4では曲率半径Rが一定のため、上面へ漏れ磁束が発生してしまうが、実施例3及び7では下面の中心から曲率半径Rが連続的に変化し、側面(作用面)付近では曲率半径Rが∞に近付いている。そのため、作用面での表面磁束密度が飛躍的に増加する。
Figure 0006557971
<実施例12〜14>
実施例9〜11の磁石と、円筒状の磁石を組み合わせて界磁ユニットとする。円筒状ボンド磁石は、第4の実施形態で説明したように形成し、同様に円柱状ボンド磁石と組み合わせる。
円筒状のボンド磁石600を成形する際に用いる配向用磁石の寸法は、配向用磁石14aが円柱の高さ15mm、直径が19.2mm、配向用磁石14bが円柱の高さ15mm、直径が23mm、配向用磁石14cが円筒の高さ20mm、外周の直径が35mm、内周の直径が23mmである。配向用磁石14aと14bに挟まれたヨーク16の寸法は円柱の高さが3mm、直径が23mmである。このような金型で作成されたボンド磁石は、円筒状(リング状)であり、その寸法が外周の直径29mm、内周の直径23mm、円筒の高さが3mmである。
図7Bに示すように、円筒状のボンド磁石600についても、極性を逆にして作成したものと組み合わせて、ボンド磁石700とし、円柱状ボンド磁石200と組み合わせて界磁ユニット800とする。ボンド磁石200の外側面とボンド磁石700の内側面との間隙が1mmとなるようにする。
ボンド磁石200とボンド磁石700とは、その側面(作用面)同士にそれぞれ異なる極性が向かい合うように空隙を介して配置される。
なお、配向用磁石14a、14b、14cとしては焼結Nd−Fe−B磁石を使用し、磁性材料として粒径約3μmのSm−Fe−NとNd−Fe−Bの混合粉、樹脂としてポリアミド12を使用する。
この円筒状磁石を、それぞれ実施例9、10、11の円柱状磁石と組み合わせ界磁ユニットを作成し、それぞれ実施例12、13、14とした。間隙中心(図7Bの位置D)における最大磁束密度を表5に示す。
Figure 0006557971
本実施形態のボンド磁石及び装置は、表面磁束密度及び界磁磁場が必要とされる用途に普遍的に適用することが出来る。例えば、種々の形状に応用することによって、精密モータ用セグメント磁石、HDD用VCM磁石、紙幣センサー用など磁気信号を利用する各種センサー用磁石、健康器具用磁石、異物除去用装置やリニアモータ用磁石、とりわけ薄型TVなどに使用するスピーカー用磁石に代表される薄型アクチュエータ用の磁石として好適に利用できる。
100、100a、100b、100c、100A、100B、200、200’、600A、600B、700 ボンド磁石
800 界磁ユニット
11 上面
12 下面
13 側面
20 キャビティ
120、130、400、500 磁気回路装置
14a、14b、14c、15、15a、15b 配向用磁石
15c 磁石ピース
16、16a、16b、16c ヨーク
18 非磁性鋼

Claims (16)

  1. 上面と下面と側面を備え、前記下面から前記側面に向かうように磁力線が配向されてなる第1のボンド磁石と、
    上面と下面と側面を備え、前記側面から前記上面に向かうように磁力線が配向されてなる第2のボンド磁石と、を有し
    前記第1のボンド磁石の前記下面の磁極と、前記第2のボンド磁石の前記上面の磁極とが異なる極性であり、
    前記第1のボンド磁石の前記下面と、前記第2のボンド磁石の前記上面とが連結されてなり、その側面に2極の磁極を有するボンド磁石。
  2. 請求項に記載のボンド磁石を2つ用いた界磁ユニットであって、
    前記2つのボンド磁石は、その側面同士にそれぞれ異なる極性が向かい合うように空隙を介して配置されている、界磁ユニット。
  3. 前記2つのボンド磁石の形状は、円柱状及び円筒状である、請求項に記載の界磁ユニット。
  4. 前記空隙が0.5〜4.0mmである請求項またはに記載の界磁ユニット。
  5. 磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物が充填される成形金型のキャビティを用意する工程と、
    溶融されたボンド磁石組成物を前記キャビティに充填し、磁界を印加して前記磁性材料を配向させてボンド磁石を成形する工程と
    を含む、ボンド磁石の製造方法であって、
    前記磁界は、同極同士が向かい合うように印加された、第1及び第2の磁界を有して構成されており、
    前記キャビティは前記磁界の向かい合う方向において、前記第1及び第2の磁界に挟まれるように、前記第1の磁界側に偏って配置されており、
    前記磁界の向かい合う方向における前記キャビティの長さと略同じ距離をあけて前記第2の磁界が形成されていることを特徴とするボンド磁石の製造方法。
  6. 磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物が充填される成形金型のキャビティを用意する工程と、
    溶融されたボンド磁石組成物を前記キャビティに充填し、前記キャビティに面するように配置された、前記磁性材料を磁気的に配向させるための配向用磁石でもって磁界を印加して前記磁性材料を配向させてボンド磁石を成形する工程と
    を含むボンド磁石の製造方法であって、
    前記配向用磁石は、同極同士が向かい合うように配置された第1及び第2の配向用磁石を有して構成されており、
    前記キャビティは前記配向用磁石の軸方向において、前記第1及び第2の配向用磁石の間に挟まれるように、前記第1の配向用磁石の側に偏って配置されており、
    前記配向用磁石の軸方向における前記キャビティの長さと略同じ距離をあけて前記第2の配向用磁石が配置されていることを特徴とするボンド磁石の製造方法。
  7. 前記配向用磁石の磁化方向は、前記配向用磁石の軸方向に対して、10度以上70度以下の角度で内側方向に傾斜されている請求項に記載のボンド磁石の製造方法。
  8. 磁性材料と樹脂とを含むボンド磁石組成物が充填されるキャビティを有する成形金型と、
    前記磁性材料を磁気的に配向させるための配向用磁石と
    を備え、溶融されたボンド磁石組成物を前記キャビティに充填してボンド磁石を成形するボンド磁石の製造装置であって、
    前記配向用磁石は、同極同士が向かい合うように配置された第1及び第2の配向用磁石を有して構成されており、
    前記キャビティは前記配向用磁石の軸方向において、前記第1及び第2の配向用磁石の間に挟まれるように、前記第1の配向用磁石の側に偏って配置されており、
    前記配向用磁石の軸方向における前記キャビティの長さと略同じ距離をあけて前記第2の配向用磁石が配置されていることを特徴とするボンド磁石の製造装置。
  9. 第一面と、前記第一面と空間的に交差する第二面とを備え、前記第一面から第二面に向かうように内部でカーブされた第一磁力線群が配向されてなる第一ボンド磁石片と、
    第三面と、前記第三面と空間的に交差する第四面とを備え、前記第四面から第三面に向かうように内部でカーブされた第二磁力線群が配向されてなる第二ボンド磁石片と
    を有し、
    前記第一ボンド磁石の第一面は、第二面よりも面積が広く、
    前記第二ボンド磁石の第三面は、第四面よりも面積が広く、
    前記第一ボンド磁石の第一面の磁極と、前記第二ボンド磁石の第三面の磁極とが異なる極性であり、
    前記第一ボンド磁石片の第一面と、前記第二ボンド磁石片の第三面とが連結されて、第二磁力線群と第一磁力線群とが連続されるように構成され、
    前記第一ボンド磁石片の第二面と、前記第二ボンド磁石片の第四面とで異なる磁極を外部に表出させてなるボンド磁石。
  10. 前記第一ボンド磁石片は、外形を平板状とし、
    該平板状の主面を前記第一面とし、前記第一面と交差し該平板状の厚さ方向の側面を前記第二面とし、
    前記第一ボンド磁石の内部において、前記第一面から側面側に向かって対称に磁力線が折曲されてなる請求項に記載のボンド磁石。
  11. 第一非作用面と、前記第一非作用面と空間的に交差する第一作用面とを備え、前記第一非作用面から第一作用面に向かうように内部で折曲された第一磁力線群が配向されてなる第一ボンド磁石片と、
    第二非作用面と、前記第二非作用面と空間的に交差する第二作用面とを備え、前記第二作用面から第二非作用面に向かうように内部でカーブされた第二磁力線群が配向されてなる第二ボンド磁石片と
    を有し、
    前記第一ボンド磁石の第一非作用面は、第一作用面よりも面積が広く、前記第一作用面の磁束密度が第一非作用面よりも高く、
    前記第二ボンド磁石の第二非作用面は、第二作用面よりも面積が広く、前記第二作用面の磁束密度が第二非作用面よりも高く、
    前記第一ボンド磁石の第一非作用面の磁極と、前記第二ボンド磁石の第二非作用面の磁極とが異なる極性であり、
    前記第一ボンド磁石片の第一非作用面と、前記第二ボンド磁石片の第二非作用面とが連結されて、第二磁力線群と第一磁力線群とが連続されるように構成され、
    前記第一ボンド磁石片の第一作用面と、前記第二ボンド磁石片の第二作用面とで異なる磁極を外部に表出させてなるボンド磁石。
  12. 前記第一ボンド磁石と第二ボンド磁石の外形が略対称である請求項11のいずれか一に記載のボンド磁石。
  13. 前記第一ボンド磁石と第二ボンド磁石のそれぞれの内部における磁力線の分布が略対称である請求項12のいずれか一に記載のボンド磁石。
  14. 作用面としてS極とN極を同じ側に表出させたボンド磁石であって、
    S極及びN極の作用面からボンド磁石内部に連なる磁路群が、ボンド磁石の内部に向かって山形に突出するよう折曲された極配向とされており、
    さらに該山形の磁路群の対称軸を通る平面を接合面として分割されたボンド磁石片同士を、該接合面で接合して構成されてなるボンド磁石。
  15. 外形を、底面を略円形とする円柱状に形成しており、
    前記山形の磁路群が、該円柱状の側面から、円柱の中心軸に向かって突出されてなる請求項14に記載のボンド磁石。
  16. 第一面と、前記第一面と空間的に交差する第二面とを備え、前記第一面から第二面に向かうように内部で折曲された第一磁力線群が配向されており、
    前記第一面は、第二面よりも面積が広く、前記第一磁力線の密度が第一面よりも第二面において高く、
    前記第二面を、作用面とし、
    前記第一面を、磁力線の方向を逆転させた他のボンド磁石の第一面と接合するための非作用面としてなるボンド磁石。
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