JP2016152783A - プリンヌクレオシドホスホリラーゼを用いた、オルトリン酸、アルカリホスファターゼ、及びピロリン酸等の新規な測定方法、並びに組成物 - Google Patents

プリンヌクレオシドホスホリラーゼを用いた、オルトリン酸、アルカリホスファターゼ、及びピロリン酸等の新規な測定方法、並びに組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】感度が高くかつ、操作の簡便な、オルトリン酸、アルカリホスファターゼ、及びピロリン酸等の新規な測定法及び組成物を提供する。
【解決手段】オルトリン酸、アルカリホスファターゼ、及びピロリン酸等の測定方法であって、プリンヌクレオシドホスホリラーゼと、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドと、第一のプリンとは別異の第二のプリンと、を試料と接触せしめ、サイクリング反応をせしめる工程と、第一のプリンを有するプリンヌクレオシド、第一のプリン、第二のプリン、及び第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの少なくともいずれかの変化量に対応するシグナルの変化量を検出する工程と、検出されたシグナルの変化量に基づき、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸の量を算出する工程と、を含む測定方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンヌクレオシドホスホリラーゼを用いた酵素サイクリング法による、オルトリン酸、アルカリホスファターゼ、及びピロリン酸等の新規な測定方法、並びにその組成物に関する。
アルカリホスファターゼ(ALP)は、アルカリ性条件下でリン酸エステル化合物を加水分解する酵素である。ALPは、臨床検査において、主に肝機能の重要な指標の一つである。また、ALPはその比活性が高いことから、例えば牛ALPが、酵素免疫測定法の標識酵素として用いられている。従来のアルカリホスファターゼの測定法においては、例えば、p−ニトロフェニルリン酸を基質として用い、水解遊離されたp−ニトロフェノールがアルカリ性下で405nm付近に吸収ピークを有することを利用している。また標識酵素としてのALPを、NADPを基質として、NADサイクリングにより高感度に検出する方法も報告されている(非特許文献1:甲田 雅一 他,機器と試薬,21,633(1998))。また、より高感度な検出法として、化学発光基質、例えば3−(2‘−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3“−ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン(AMPPD)を用いる方法が知られている(非特許文献2:Clin Chem 35:1441−1446(1989))。
ピロリン酸(PPi)は、2リン酸分子であり、多種多様な酵素反応において、基質あるいは産生物として使用される。またピロリン酸は、核酸増幅反応であるPCRにおける副生成物であることから、その測定は核酸を検知、定量するために有用である。従来、ピロリン酸の測定方法としては、ピルビン酸リン酸ジキナーゼ、及びルシフェラーゼを用いる方法(特許文献1:特開2007−097471号公報)、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ、キサンチンデヒドロゲナーゼ/オキシダーゼを使用する方法(特許文献2:特開2003−174900号公報)、キナーゼ、ピロリン酸からATPを生成する酵素及びNAD(P)を補酵素とするデヒドロゲナーゼを用いる方法(特許文献3:特開2006−187251号公報)、あるいはピルビン酸リン酸ジキナーゼ、ニコチンアミドヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、及び脱水素酵素を用いた方法(特許文献4:特開2009−225784号公報)などが知られている。
オルトリン酸(Pi)は、1リン酸分子であり、臨床検査項目においては、無機リンとして、高リン血症の指標等として重要である。従来のオルトリン酸の測定方法としては、化学法としてリンモリブデン酸還元法が知られており、また、酵素を用いる方法として、例えば、シュークロースホスホリラーゼを用いる方法(特許文献5:特開昭63−49100号公報)や、マルトースホスホリラーゼを用いる方法等が知られている。さらに、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNPL)を、キサンチンオキシダーゼと組み合わせて、生じた過酸化水素を定量する方法(非特許文献3:Anal Biochem 222:168−175, 1994)や、同じくキサンチンデヒドロゲナーゼを用い、還元型NADを定量する方法(特許文献6:特開平6−113837号公報)が報告されている。また、高感度な測定法として、酵素サイクリング反応を利用した以下の方法が報告されている。すなわちPNPLとアルカリホスファターゼとを組合せた酵素サイクリング反応による固定化酵素リアクターを用いた方法(非特許文献4:Analytical Chimica Acta 238:339−342,1990)や、グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)(EC 1.2.1.12)を用いた酵素サイクリング法が報告されている(特許文献7:特開平4−349898号公報)。
特開2007−097471号公報 特開2003−174900号公報 特開2006−187251号公報 特開2009−225784号公報 特開昭63−49100号公報 特開平6−113837号公報 特開平4−349898号公報
甲田 雅一 他,機器と試薬,21,633(1998) Clin Chem 35:1441−1446(1989) Anal Biochem 222:168−175, 1994 Analytical Chimica Acta 238:339−342,1990
従来のオルトリン酸、アルカリホスファターゼ、及びピロリン酸等の測定法は、感度の高い方法は操作が煩雑である欠点があり、また操作が簡便な方法は感度が低い欠点がある。そこで、本発明は、従来法に比べて感度が高くかつ、操作の簡便な、オルトリン酸、アルカリホスファターゼ、及びピロリン酸等の測定法、並びに測定のための組成物を提供することを課題とする。
前述のように、オルトリン酸、アルカリホスファターゼ、及びピロリン酸等の測定法は、従来から種々知られている。この中で高感度に測定できる方法としては、例えば非特許文献1、特許文献1、及び非特許文献4に開示された方法が挙げられる。しかしながら、これらの方法はいずれも操作が煩雑であり、蛍光光度計等の専用装置も必要となる場合がある。一方、簡便な測定法としては、非特許文献3や特許文献6に開示された方法が挙げられる。しかしながら、これらの方法はいずれも、高感度に測定することができない。
本発明者らは、これらの状況の中で、プリンヌクレオシドホスホリラーゼの酵素学的性質を利用して、酵素サイクリング法により測定を試みたところ、驚くべきことに、ピロリン酸、アルカリホスファターゼ、及びオルトリン酸等を高感度、且つ簡便に測定できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は以下の構成を有する。
[1]
オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸のいずれか1つの測定方法であって、
(1)プリンヌクレオシドホスホリラーゼであって、プリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、正反応と逆反応において少なくともそれぞれ別異のプリンを利用できるプリンヌクレオシドホスホリラーゼと、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドと、第一のプリンとは別異の第二のプリンと、を試料と接触せしめ、下記式(1)のサイクリング反応をせしめる工程と、
(2)第一のプリンを有するプリンヌクレオシド、第一のプリン、第二のプリン、及び第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの少なくともいずれかの変化量に対応するシグナルの変化量を検出する工程と、
(3)検出されたシグナルの変化量に基づき、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸のいずれか1つの量を算出する工程と、
を含み、
測定対象がアルカリホスファターゼの場合、アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で試料が処理されており、
測定対象がピロリン酸である場合、ピロリン酸が加水分解されてオルトリン酸を生成することができる条件で試料が処理されている、
測定方法。
[1−1]
測定対象がオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つである、[1]に記載の方法。
[1−2]
測定対象がアルカリホスファターゼであり、
試料が、アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で処理されており
検出されたシグナルの変化量に基づき、アルカリホスファターゼの量が算出される、
[1]に記載の方法。
[1−3]
測定対象がピロリン酸であり、試料が、ピロリン酸が加水分解されてオルトリン酸を生成することができる条件で処理されており、
検出されたシグナルの変化量に基づき、ピロリン酸の量が算出される、
[1]に記載の方法。
[2]
プリンヌクレオシドホスホリラーゼがEC2.4.2.1であって、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、正反応と逆反応において少なくともそれぞれ別異のプリンを利用できる酵素である、[1]から[1−3]のいずれかに記載の方法。
[3]
上記工程(2)が、第一のプリン、及び/又は第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する工程である、[1]又は[2]の測定方法。
[3−1]
上記工程(2)が、第一のプリンには基質特異性を有するが、第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素、又は第一のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有さないが、第二のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有する検出用酵素を用いて、第一のプリン、及び/又は第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、[1]から[3]のいずれかに記載の方法。
[3−2]
上記工程(2)が、第一のプリンには基質特異性を有するが、第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素を用いて、第一のプリンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、[1]から[3−1]のいずれかに記載の方法。
[4]
第一のプリン及び第一のプリンとは別異の第二のプリンの組み合わせが、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン及びキサンチンのいずれか2種である、[1]から[3−2]のいずれかに記載の方法。
[4−1]
第一のプリンと、第一のプリンとは別異の第二のプリンと、の組み合わせが、ヒポキサンチンとグアニンの組み合わせ、ヒポキサンチンとアデニンの組み合わせ、キサンチンとグアニンの組み合わせ、又はキサンチンとアデニンの組み合わせである、[1]から[4]のいずれかに記載の方法。
[4−2]
第一のプリンがヒポキサンチン又はキサンチンである、[1]から[4−1]のいずれかに記載の方法。
[4−3]
第一のプリンがグアニンである、[1]から[4−1]のいずれかに記載の方法。
[4−4]
第一のプリンがアデニンである、[1]から[4−1]のいずれかに記載の方法。
[5]
上記工程(2)において、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンに基質特異性を有するキサンチンデヒドロゲナーゼを用いて、チオNAD又はNADの存在下、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、[4−2]に記載の方法。
[5−1]
上記工程(2)において、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンに基質特異性を有するキサンチンオキシダーゼを用いて、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、[4−2]に記載の方法。
[5−2]
上記工程(2)において、グアニンに基質特異性を有するグアニンデアミナーゼを用いて、グアニンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、[4−3]に記載の方法。
[5−3]
上記工程(2)において、アデニンに基質特異性を有するアデニンデアミナーゼを用いて、アデニンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、[4−4]に記載の方法。
[6]
アルカリホスファターゼの測定方法であって、
(1)プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.1)であって、イノシンの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、逆反応においてグアニンを利用できるプリンヌクレオシドホスホリラーゼと、イノシンと、グアニンと、を試料と接触せしめ、下記式(2)のサイクリング反応を反応せしめる工程と、
(2)キサンチンデヒドロナーゼを用いて、ヒポキサンチンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する工程と、
(3)検出されたシグナルの変化量に基づき、アルカリホスファターゼの量を算出する工程と、
を含み、
アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で試料が処理されている、
[1]、[1−2]、[2]から[4−2]、及び[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸を測定するための測定用組成物であって、
(a)プリンヌクレオシドホスホリラーゼであって、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、正反応と逆反応において少なくともそれぞれ別異のプリンを利用できるプリンヌクレオシドホスホリラーゼと、
(b)第一のプリンを有するプリンヌクレオシドと、
(c)第一のプリンとは別異の第二のプリンと、
を含む組成物であって、
試料と接触される組成物であり、
測定対象がアルカリホスファターゼの場合、アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で試料が処理されており、
測定対象がピロリン酸である場合、ピロリン酸が加水分解されてオルトリン酸を生成することができる条件で試料が処理されている、
組成物。
[7−1]
測定対象がオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及び/又はデオキシリボース−1−リン酸である、[7]に記載の組成物。
[7−2]
測定対象がアルカリホスファターゼであり、
アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で処理された試料と接触される、[7]に記載の組成物。
[7−3]
測定対象がピロリン酸であって、ピロリン酸が加水分解されてオルトリン酸を生成することができる条件で処理された試料と接触される、[7]に記載の組成物。
[8]
プリンヌクレオシドホスホリラーゼがEC2.4.2.1であって、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、正反応と逆反応において少なくともそれぞれ別異のプリンを利用できる、[7]から[7−3]のいずれかに記載の組成物。
[8−1]
第一のプリンには基質特異性を有するが、第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素、又は第一のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有さないが、第二のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有する検出用酵素をさらに含む、[7]から[8]のいずれかに記載の組成物。
[8−2]
第一のプリンには基質特異性を有するが、第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素を含む、[7]から[8−1]のいずれかに記載の組成物。
[9]
第一のプリンと、第一のプリンとは別異の第二のプリンと、の組み合わせが、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン及びキサンチンのいずれか2種である、[7]から[8−2]のいずれかに記載の組成物。
[9−1]
第一のプリンと、第一のプリンとは別異の第二のプリンと、の組み合わせが、ヒポキサンチンとグアニンの組み合わせ、ヒポキサンチンとアデニンの組み合わせ、キサンチンとグアニンの組み合わせ、又はキサンチンとアデニンの組み合わせである、[7]から[9]のいずれかに記載の組成物。
[9−2]
第一のプリンがヒポキサンチン又はキサンチンである、[7]から[9−1]のいずれかに記載の組成物。
[9−3]
第一のプリンがグアニンである、[7]から[9−1]のいずれかに記載の組成物。
[9−4]
第一のプリンがアデニンである、[7]から[9−1]のいずれかに記載の組成物。
[10]
ヒポキサンチン及び/又はキサンチンに基質特異性を有するキサンチンデヒドロゲナーゼと、
NAD又はチオNADと、
を含む、[9−2]に記載の組成物。
[10−1]
ヒポキサンチン及び/又はキサンチンに基質特異性を有するキサンチンオキシダーゼを含む、[9−2]に記載の組成物。
[10−2]
グアニンに基質特異性を有するグアニンデアミナーゼを含む、[9−3]に記載の組成物。
[10−3]
アデニンに基質特異性を有するアデニンデアミナーゼを含む、[9−4]に記載の組成物。
[11]
アルカリホスファターゼを測定するための測定用組成物であって、
(a)プリンヌクレオシドホスホリラーゼであって、イノシンの存在下、オルトリン酸からリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、逆反応においてグアニンを利用できる酵素と、
(b)イノシンと、
(c)グアニンと、
(d)キサンチンデヒドロゲナーゼと、
(e)NAD又はチオDNAと、
を含む組成物であって、
アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物で処理された試料に用いられる、
[7]、[7−2]、[8]から[9−2]、及び[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]
[7]から[11]のいずれかに記載の組成物を含むキット。
本発明によれば、プリンヌクレオシドホスホリラーゼを利用した酵素サイクリング法により、ピロリン酸、アルカリホスファターゼ、及びオルトリン酸等を、高感度、且つ簡便に測定することが可能な測定方法、測定のための組成物、並びに測定のためのキットが提供される。
実施例1における試料中リン酸水素2カリウム濃度と吸光度変化量を示すグラフである。 実施例2における試料中リン酸水素2カリウム濃度と吸光度変化量を示すグラフである。 実施例4における試料中リン酸水素2カリウム濃度と吸光度変化量を示すグラフである。 実施例5における試料中リン酸水素2カリウム濃度と吸光度変化量を示すグラフである。 実施例6における試料中ALP活性と吸光度変化量を示すグラフである。 実施例7における試料中ピロリン酸ナトリウム濃度と吸光度変化量を示すグラフである。 実施例8における試料中リン酸水素2カリウム濃度と吸光度変化量を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施の形態」ともいう。)について具体的に説明する。ただし、以下の実施の形態が本発明を限定するものであると理解するべきではない。本開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。なお、本明細書中のEC番号(Enzyme Commission numbers)は、2014年2月18日現在において確認した番号である。
本実施の形態に係る方法は、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸のいずれか1つの測定方法であって、
(1)プリンヌクレオシドホスホリラーゼであって、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、正反応と逆反応において少なくともそれぞれ別異のプリンを利用できるプリンヌクレオシドホスホリラーゼと、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドと、第一のプリンとは別異の第二のプリンと、を試料と接触せしめ、下記式(3)のサイクリング反応を反応せしめる工程と、
(2)第一のプリンを有するプリンヌクレオシド、第一のプリン、第二のプリン、及び第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの少なくともいずれかの変化量に対応するシグナルの変化量を検出する工程と、
(3)検出されたシグナルの変化量に基づき、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、デオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸のいずれか1つの量を算出する工程と、
を含み、
測定対象がアルカリホスファターゼの場合、アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、前記リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で試料が処理されており、
測定対象がピロリン酸である場合、ピロリン酸が加水分解されてオルトリン酸を生成することができる条件で試料が処理されている、
測定方法である。
本実施の形態に係る方法における測定対象は、オルトリン酸、リボース−1−リン酸及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸のいずれか1つである。好ましい測定対象としては、アルカリホスファターゼ又はピロリン酸が挙げられ、さらに好ましくはアルカリホスファターゼが挙げられる。なおオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸は、それぞれ別々に測定できるし、同時に測定することもできる。試料中にオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及び/又はデオキシリボース−1−リン酸が混在している場合に、1種又は2種だけを定量したい時は、酵素サイクリング反応に先立ち、公知の方法を用いて、非測定対象物を別の物質に変換しておくなどの処理をすればよい。
本実施の形態に係る方法におけるプリンヌクレオシドホスホリラーゼは、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1―リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、正反応と逆反応において少なくともそれぞれ別異のプリンを利用できる酵素であれば特に限定されない。第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒するかどうかを確認する方法としては、例えば公知のプリンヌクレオシドやプリン塩基についての高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法による検出法がいくつか報告されているので、これら方法を使用して反応生成物を確認することで可能である。また、逆反応の生成物のオルトリン酸は、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ以外の酵素を使用して確認することができる。例えば、ヒポキサンチン及びリボース−1−リン酸の存在下、プリンヌクレオシドホスホリラーゼの逆反応によって生成されたオルトリン酸は、マルトースの存在下、マルトースホスホリラーゼによってβ−グルコース−1−リン酸に変換されるので、更にβ−ホスホグルコムターゼとグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼとを組み合わせることで容易に定量できるが、これに限定されない。また正反応と逆反応においてそれぞれ別異のプリンを利用できるかどうかを確認する方法としては、例えば前述したHPLC法による検出法等の方法が挙げられるが、これに限定されない。
本実施の形態に係る方法におけるプリンヌクレオシドホスホリラーゼは特に限定されないが、例えばEC番号(Enzyme Commission numbers)が、EC2.4.2.1で特定される、プリンヌクレオシドホスホリラーゼが挙げられる。本実施の形態に係る方法におけるプリンヌクレオシドホスホリラーゼは、高等動物から微生物まで広く存在しており、その由来は特に限定されないが、例えば、微生物由来酵素としてBacillus stearothermophilusから取得することができる。また、微生物由来の酵素が東洋紡(株)から、またBacillus由来酵素が旭化成ファーマ(株)から市販されており、容易に入手できる。これらの由来細胞、組織を培養し、該酵素を単離精製して取得するには常法によればよい。例えば微生物を培養後、カラムクロマトグラフィ法等の公知の精製法を組み合わせて、実用レベルまで純度を高めたものを取得することができる。また、遺伝子を組み込んだ大腸菌等の形質転換細胞を培養して用いて取得することもできる。更に、本実施の形態に係るプリンヌクレオシドホスホリラーゼは、酵素特性を向上する目的等で遺伝的に改変されたものであってもよい。例えば当該酵素タンパク質をコードする遺伝子を常法により単離し、遺伝子組み換え技術を用いて適当な宿主中で発現させる方法によって取得することができる。
本実施の形態に係る方法における「プリン」とは、天然に存在するプリンにとどまらず、化学的あるいは酵素的に合成されたその誘導物質、類似物質を含むことを意味する。
本実施の形態に係る方法における第一のプリンとしては、例えばアデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、イソグアニン、7−メチルグアニン、7−メチルアデニン、7−メチルヒポキサンチン、2―アミノ−6−メルカプト−7−メチルプリン、8−アザヒポキサンチン、8−グアニン、及びこれらの誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、及びキサンチンが挙げられる。さらに好ましくは、ヒポキサンチン、及びキサンチンが挙げられる。
本実施の形態に係る方法における「プリンヌクレオシド」とは、上記のプリンとリボースとの結合物質、又は上記のプリンとデオキシリボースとの結合物質であり、天然に存在するプリンヌクレオシドにとどまらず、化学的あるいは酵素的に合成されたその誘導物質、及び類似物質を含むことを意味する。第一のプリンを有するプリンヌクレオシドとしては、例えば、アデノシン、グアノシン、イノシン、キサントシン、デオキシアデニン、デオキシグアニン、デオキシイノシン、及びデオキシキサントシン等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、イノシン、及びキサントシンである。
本実施の形態に係る方法における第一のプリンとは別異の第二のプリンとしては、例えばアデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、イソグアニン、7−メチルグアニン、7−メチルアデニン、7−メチルヒポキサンチン、2―アミノ−6−メルカプト−7−メチルプリン、8−アザヒポキサンチン、及び8−グアニン等であって、第一のプリンとして選択されなかったプリンが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、及びキサンチン等が挙げられ、さらに好ましくは、アデニン、及びグアニン等が挙げられる。
第二のプリンを有するプリンヌクレオシドとしては、例えば、アデノシン、グアノシン、イノシン、キサントシン、デオキシアデニン、デオキシグアニン、デオキシイノシン、及びデオキシキサントシン等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アデノシン、及びグアノシンである。
本実施の形態に係る方法において、第一のプリンと第二のプリンの組み合わせは、特に限定されないが、例えばアデニン、グアニン、ヒポキサンチン及びキサンチンのいずれか2種からなる組み合わせであってもよい。好ましくは、ヒポキサンチンとグアニンの組み合わせ、ヒポキサンチンとアデニンの組み合わせ、キサンチンとグアニンの組み合わせ、及びキサンチンとアデニンの組み合わせが挙げられる。ヒポキサンチンとグアニンの組み合わせにおけるサイクリング反応の一例は、下記(4)式で示される。
本実施の形態に係る方法における試料は、特に限定されないが、例えばヒト又は動物の生体試料であり、好ましくはヒト血液、さらに好ましくは、ヒト血清である。なお、試料中に、測定対象であるオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸が入っているか否かは、当該方法を実施する前に未知であってもよく、本実施の形態に係る方法を実施して、試料が、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸を含有していないことが明らかになることもあり得る。
測定対象がアルカリホスファターゼである場合は、試料にアルカリホスファターゼで加水分解できるリン酸エステル化合物を加え、当該リン酸エステル化合物を加水分解せしめてオルトリン酸を得る処理をした後の試料を用いる。リン酸エステル化合物としては、アルカリホスファターゼが加水分解できる化合物であれば特に限定されないが、例えばβ−グリセロリン酸、α−グリセロリン酸、フェニルリン酸、p−ニトロフェニルリン酸、ホスフォリルコリン、及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)等が挙げられる。好ましくはp−ニトロフェニルリン酸である。リン酸エステル化合物を加水分解せしめる方法は公知の方法を使用すればよい。例えば、基質であるリン酸エステル化合物を一定温度、例えば37℃で一定時間、試料に含まれうるアルカリホスファターゼで処理すればよい。具体的には、アルカリ側に緩衝域を有する緩衝液を用いて、リン酸エステル化合物の存在下、酵素処理をする。なお、試料にアルカリホスファターゼが含まれていなかった場合は、試料にアルカリホスファターゼで加水分解できるリン酸エステル化合物を加えても、試料中にオルトリン酸は生成されない。
また測定対象がピロリン酸である場合は、ピロリン酸を加水分解せしめてオルトリン酸を得る処理をした後の試料を用いる。ピロリン酸をオルトリン酸へと加水分解せしめる処理としては、例えば公知の、酸、アルカリを用いた化学的処理を使用することもできるし、酵素的に加水分解することもできる。酵素的に処理する場合は、例えば公知のピロリン酸をオルトリン酸に変換できる酵素反応を用いればよい。具体的にはピロホスファターゼ(EC 3.6.1.1)によるピロリン酸の水解、またピルビン酸リン酸ジキナーゼ(EC 2.7.9.1)の逆反応などを利用することができる。酵母由来のピロホスファターゼは市販されている。なお、試料にピロリン酸が含まれていなかった場合は、試料に上記のような処理をしても、試料中にオルトリン酸は生成されない。
本実施の形態に係る方法において、サイクリング反応をせしめるには、これに限定されないが、例えば公知の方法を参考にすればよい。具体的には、過剰量、例えば0.1〜12mmol/L、好ましくは0.2〜6mmol/Lの第一のプリンヌクレオシド、及び第二のプリンを反応液中に加え、これにpH緩衝剤を20〜200mmol/L加える。反応液のpHは反応が効率的に進行する条件を適宜選べばよいが、通常はpHを5.5〜8.5に調整する場合がある。このように調整された反応液に、試料及びプリンヌクレオシドホスホリラーゼを加えて、サイクリング反応を開始すればよい。反応温度は特に限定されないが、例えば25〜42℃であり、好ましくは30〜37℃である。
本実施の形態に係る方法において、サイクリング反応をせしめるためには、反応液に加えるプリンヌクレオシドホスホリラーゼの量は、例えば公知の方法を参考にサイクリング率を計算し、反応時間を考慮して、必要な酵素量を決めればよい。プリンヌクレオシドホスホリラーゼの量は、例えば0.5〜1000u/mL、好ましくは2〜250u/mLであるが、これらに限定されない。プリンヌクレオシドホスホリラーゼの量が1000u/mLを超えた場合は、プリンヌクレオシドホスホリラーゼと基質との結合が増え、増幅が頭打ちとなる場合がある。
本実施の形態に係る方法において、第一のプリンを有するプリンヌクレオシド、第一のプリン、第二のプリン、及び第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの少なくともいずれかの変化量に対応するシグナルを検出する工程においては、好ましくは第一のプリン、及び/又は第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの増加量に対応するシグナルの変化量を検出するが、これに限定されない。
シグナルの変化量を検出する工程としては、公知のHPLC法、及び酵素法等を用いることができるが、これらに限定されない。HPLC法を用いる場合は、キレート剤などを反応液に添加して酵素反応を終了させてから、逆相カラム等を適宜選択して、第一のプリン、及び/又は第二のプリンを有するプリンヌクレオシドを定量すればよい。これらHPLC分析法についての情報は、樹脂メーカーから簡単に入手できる。また、例えば酵素的手法によってもシグナルの変化量を検出することができる。具体的には第一のプリンには基質特異性を有するが、第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素、又は第一のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有さないが、第二のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有する検出用酵素を用いて、第一のプリン、及び/又は第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する方法が、酵素的手法として挙げられる。好ましくは、第一のプリンには基質特異性を有するが、第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素を用いて、第一のプリンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する方法が、酵素的手法として挙げられる。
さらに好ましくは、キサンチンデヒドロゲナーゼ(EC1.2.1.37)を用いて、チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(チオNAD)又はニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の存在下、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する方法、キサンチンオキシダーゼ(EC1.17.3.2)を用いて、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する方法、アデニンデアミナーゼ(EC 3.5.4.2)を用いて、アデニンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する方法、及びグアニンデアミナーゼ(EC 3.5.4.3)を用いて、グアニンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する方法等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの検出用酵素の中でキサンチンデヒドロゲナーゼやキサンチンオキシダーゼは、市販されており容易に入手できる。また、アデニンデアミナーゼやグアニンデアミナーゼは細菌等に存在することが知られているので、これらに関する文献を参考に常法に従い培養、精製することにより容易に取得することができる。更に、これらを生産する酵素の遺伝子配列が公知の場合は、cDNAや合成などから遺伝子を取得し組換え体として生産することもできる。例えば大腸菌由来グアニンデアミナーゼの発現に関する論文(J. Bacteriol 182, 4658−4660,2000)が報告されている。
シグナルの変化量を検出する酵素的手法を具体的に実施するには、公知の方法を用いればよい。一例として、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドにイノシン又はキサントシンを選択し、第二のプリンにアデニン又はグアニンを選択した場合、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出するには、キサンチンデヒドロゲナーゼ(旭化成ファーマ(株)、T134)を用いれば、アデニン又はグアニンは検出せず、イノシン又はキサントシンの正反応変化物であるヒポキサンチン又はキサンチンのみを検出することができる。同様に、東洋紡(株)から市販されているキサンチンオキシダーゼは、アデニンに作用しないとされているため、第二のプリンにアデニンを選択した場合はこれを用いることができる。
本実施の形態に係る方法おいて、検出されたシグナルの変化量に基づき、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸の量を算出するには、公知の方法を用いればよい。具体的には以下の方法が挙げられるが、これらに限定されない。
試料中のオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸の量を算出するには次のようにすればよい。すなわち、本実施の形態に係る酵素サイクリング反応において、反応時間を規定し(例えば反応開始後5分目から7分目など)、濃度が既知の基準となる物質(キャリブレーター)を対照において、キャリブレーターの変化物に対応するシグナルの変化量を測定することによって、試料中の被検物質の量を計算することができる。キャリブレーターとしては例えば、オルトリン酸の量を算出する場合にはリン酸水素二ナトリウムやリン酸水素二カリウム溶液などを、リボース−1−リン酸を算出する場合はリボース−1−リン酸溶液を、またピロリン酸の量を算出する場合にはピロリン酸ナトリウムやカリウム溶液を用いることができる。また、アルカリホスファターゼの活性の量を算出する場合であって、酵素サイクリング反応に先だって、アルカリホスファターゼ(ALP)反応を一定時間実施し、反応を停止させたのち酵素サイクリング反応を実施する場合には、既知濃度のリン酸水素二ナトリウムをキャリブレーターに用いて、試料中のALP活性を次式に従って算出できる。
酵素活性(U/mL)
=(ΔAx/ΔAcal)xCal(μmol/mL)xファクター/反応時間(分)
ΔAx:試料を用いた場合の吸光度変化量
ΔAcal:キャリブレーターの吸光度変化量
Cal: キャリブレーター中のリン酸水素二ナトリウム濃度(μmol/mL)
ファクター:総反応液量/試料添加量
また、既知活性のALP溶液をキャリブレーターに用いることもできる。
さらに、本実施の形態は、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸のいずれか1つを測定するための測定用組成物であって、
(a)プリンヌクレオシドホスホリラーゼであって、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、正反応と前記逆反応において少なくともそれぞれ別異のプリンを利用できるプリンヌクレオシドホスホリラーゼと、
(b)第一のプリンを有するプリンヌクレオシドと、
(c)第一のプリンとは別異の第二のプリンと、
を備える組成物であって、
試料と接触される組成物であり、
測定対象がアルカリホスファターゼの場合、アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物で前記試料が処理されており、
測定対象がピロリン酸である場合、ピロリン酸が加水分解されてオルトリン酸を生成することができる条件で前記試料が処理されている、
組成物である。
本実施の形態に係る組成物の測定対象は、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸のいずれか1つである。好ましい測定対象としては、アルカリホスファターゼ又はピロリン酸が挙げられ、さらに好ましくはアルカリホスファターゼが挙げられる。なおオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸はそれぞれ別々に測定できるし、同時に測定することもできる。試料中にオルトリン酸、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸が混在している場合に、1種又は2種だけを定量したい時は、酵素サイクリング反応に先立ち、公知の方法を用いて、非測定対象物を別の物質に変換しておくなどの処理をすればよい。
本実施の形態に係る組成物におけるプリンヌクレオシドホスホリラーゼは、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1―リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒する酵素であれば特に限定されない。第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、酵素が、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸を生成する正反応を触媒するかどうかの確認は、例えば本実施の形態に係る方法についての上記説明と同様の方法で決定することができるが、これに限定されない。また逆反応を触媒するかどうかの確認は、例えば本実施の形態に係る方法についての上記説明と同様の方法で決定することができるが、これに限定されない。
本実施の形態に係る組成物におけるプリンヌクレオシドホスホリラーゼは特に限定されないが、例えばEC2.4.2.1で特定される、プリンヌクレオシドホスホリラーゼが挙げられる。本実施の形態に係る組成物におけるプリンヌクレオシドホスホリラーゼは、高等動物から微生物まで広く存在しており、その由来は特に限定されないが、例えば微生物由来酵素としてBacillus stearothermophilusから取得することができる。また、微生物由来の酵素が東洋紡(株)から、またBacillus由来酵素が旭化成ファーマ(株)から市販されており、容易に入手できる。これらの由来細胞、又は組織を培養し、該酵素を単離精製して取得するには常法によればよい。例えば微生物を培養後、カラムクロマトグラフィ法等の公知の精製法を組み合わせて、実用レベルまで純度を高めたプリンヌクレオシドホスホリラーゼを取得することができる。また、遺伝子を組み込んだ大腸菌等の形質転換細胞を培養して用いて取得することもできる。更に、本実施の形態の組成物に係るプリンヌクレオシドホスホリラーゼは、酵素特性を向上する目的等で遺伝的に改変されたものであってもよい。遺伝的に改変されたプリンヌクレオシドホスホリラーゼは、例えば当該酵素タンパク質をコードする遺伝子を常法により単離し、遺伝子組み換え技術を用いて適当な宿主中で発現させる方法によって取得することができる。
本実施の形態に係る組成物における「プリン」とは、天然に存在するプリンにとどまらず、化学的あるいは酵素的に合成されたその誘導物質、類似物質を含むことを意味する。
本実施の形態に係る組成物における第一のプリンとしては、例えばアデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、イソグアニン、7−メチルグアニン、7−メチルアデニン、7−メチルヒポキサンチン、2―アミノ−6−メルカプト−7−メチルプリン、8−アザヒポキサンチン、8−グアニン、及びこれらの誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、及びキサンチンが挙げられる。さらに好ましくは、ヒポキサンチン、及びキサンチンが挙げられる。
本実施の形態に係る組成物における「プリンヌクレオシド」とは、プリンとリボースとの結合物質、又はプリンとデオキシリボースとの結合物質であり、天然に存在するプリンヌクレオシドにとどまらず、化学的あるいは酵素的に合成されたその誘導物質、及び類似物質を含むことを意味する。本実施の形態に係る組成物における第一のプリンを有するプリンヌクレオシドとしては、例えば、アデノシン、グアノシン、イノシン、キサントシンデオキシアデニン、デオキシグアニン、デオキシイノシン、及びデオキシキサントシン等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、イノシン、及びキサントシンである。
第二のプリンを有するプリンヌクレオシドとしては、例えば、アデノシン、グアノシン、イノシン、キサントシン、デオキシアデニン、デオキシグアニン、デオキシイノシン、及びデオキシキサントシン等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アデノシン、及びグアノシンである。
本実施の形態に係る組成物における第一のプリンとは別異の第二のプリンとしては、例えばアデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、イソグアニン、7−メチルグアニン、7−メチルアデニン、7−メチルヒポキサンチン、2―アミノ−6−メルカプト−7−メチルプリン、8−アザヒポキサンチン、及び8−グアニン等であって、第一のプリンとして選択されなかったプリンが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、及びキサンチン等が挙げられ、さらに好ましくは、アデニン、及びグアニン等が挙げられる。
本実施の形態に係る組成物において、第一のプリンと第二のプリンとの組み合わせは、特に限定されないが、例えばアデニン、グアニン、ヒポキサンチン及びキサンチンのいずれか2種からなる組み合わせであってもよい。好ましくは、ヒポキサンチンとグアニンの組み合わせ、ヒポキサンチンとアデニンの組み合わせ、キサンチンとグアニンの組み合わせ、及びキサンチンとアデニンの組み合わせが挙げられる。
本実施の形態に係る組成物によれば、例えば本実施形態に係る方法を実施可能であり、上記式(3)のサイクリング反応をせしめることが可能である。
本実施の形態に係る組成物は、測定対象がアルカリホスファターゼである場合は、試料にアルカリホスファターゼが加水分解できるリン酸エステル化合物を加えて、当該リン酸エステル化合物を加水分解せしめてオルトリン酸を得る処理をした後の試料に用いる。リン酸エステル化合物としては、アルカリホスファターゼが加水分解できる化合物であれば特に限定されないが、例えばβ−グリセロリン酸、α−グリセロリン酸、フェニルリン酸、p−ニトロフェニルリン酸、ホスフォリルコリン、及びNADP等が挙げられる。好ましくはp−ニトロフェニルリン酸である。加水分解せしめる方法は公知の方法を使用すればよい。例えば、基質であるリン酸エステル化合物を一定温度、例えば37℃で一定時間、アルカリホスファターゼで処理すればよい。具体的には、アルカリ側に緩衝域を有する緩衝液を用いて、リン酸エステル化合物の存在下、酵素処理をする。
また、本実施の形態に係る組成物は、測定対象がピロリン酸である場合には、ピロリン酸を加水分解せしめてオルトリン酸を得る処理をした後の試料に用いられる。ピロリン酸をオルトリン酸へと加水分解せしめる処理としては、例えば公知の、酸、アルカリを用いた化学的処理を使用することもできるし、酵素的に加水分解することもできる。酵素的に処理する場合は、例えば公知のピロリン酸をオルトリン酸に変換できる酵素反応を用いればよい。具体的にはピロホスファターゼ(EC 3.6.1.1)によるピロリン酸の水解、またピルビン酸リン酸ジキナーゼ(EC 2.7.9.1)の逆反応などを利用することができる。酵母由来のピロホスファターゼは市販されている。
本実施の形態に係る組成物で検査される試料は、特に限定されないが、例えばヒト又は動物の生体試料であり、好ましくはヒト血液、さらに好ましくは、ヒト血清である。なお、試料中に、測定対象であるオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸が入っているか否かは、上記組成物を用いる前に未知であってもよく、本実施の形態に係る組成物を用いた後に、試料がオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸を含有していないことが明らかになることもあり得る。
本実施の形態に係る組成物において、サイクリング反応をせしめるには、これに限定されないが、例えば公知の方法を参考にすればよい。具体的には本実施の形態に係る方法についての上記説明と同様の方法を採用できるが、これに限定されない。
本実施の形態における組成物によれば、第一のプリンを有するプリンヌクレオシド、第一のプリン、第二のプリン、及び第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの少なくともいずれかの変化量に対応するシグナルを検出することができる。好ましくは第一のプリン、及び/又は第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの増加量に対応するシグナルの変化量を検出することができるが、これに限定されない。
前記変化量を検出する方法としては、公知のHPLC法、及び酵素法等を用いることができるが、これらに限定されない。HPLC法を用いる場合はキレート剤などを反応液に添加して酵素反応を終了させてから、逆相カラム等を適宜選択して定量すればよい。これらHPLC分析法についての情報は、樹脂メーカーから簡単に入手できる。
また、酵素的手法によっても検出することができる。この場合、本実施の形態に係る組成物は、更に、例えば第一のプリンには基質特異性を有するが、第二のプリンには基質特性を有さない検出酵素、又は第一のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有さないが第二のプリンには基質特異性を有する検出用酵素を含んでいてもよい。検出用酵素は、好ましくは第一のプリンには基質特異性を有するが、第二のプリンには基質特異性を有さない酵素であるが、これに限定されない。酵素的な方法としては、例えば第一のプリンには基質特異性を有するが、第二のプリンには基質特性を有さない検出酵素、又は第一のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有さないが第二のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有する検出用酵素を用いて、第一のプリン、及び/又は第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する方法が挙げられる。第一のプリンには基質特異性を有するが、第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素を用いて、第一のプリンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する方法が好ましい方法として挙げられる。
本実施の形態に係る組成物の検出酵素は、例えば、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンに基質特異性を有するキサンチンデヒドロゲナーゼ(EC 1.2.1.37)、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンに基質特異性を有するキサンチンオキシダーゼ(EC 1.17.3.2)、アデニンに基質特異性を有するアデニンデアミナーゼ(EC 3.5.4.4)、及びグアニンに基質特異性を有するグアニンデアミナーゼ(EC 3.5.4.3)等が挙げられるが、これらに限定されない。キサンチンデヒドロゲナーゼ(EC 1.2.1.37)を検出酵素として用いる場合は、さらに、NAD又はチオNADを本実施の形態に係る組成物に含む場合がある。これらの方法を具体的に実施する際、例えば第一のプリンを有するプリンヌクレオシドにイノシン又はキサントシンを選択し、第二のプリンにアデニン又はグアニンを選択した場合、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出するためには、キサンチンデヒドロゲナーゼ(旭化成ファーマ(株)、T134)を用いれば、アデニン又はグアニンは検出せず、イノシン又はキサントシンの正反応変化物であるヒポキサンチン又はキサンチンのみを検出することができる。同様に、東洋紡(株)から市販されているキサンチンオキシダーゼは、アデニンに作用しないといわれているため、第二のプリンにアデニンを選択した場合はこれを用いることもできる。
これらの検出用酵素は、上記のように市販されており容易に入手できる。また、アデニンデアミナーゼやグアニンデアミナーゼは細菌等に存在することが知られているので、これらに関する文献を参考に常法に従い培養、精製することにより容易に取得することができる。更に、これらを生産する酵素の遺伝子配列が公知の場合は、cDNAや合成などから遺伝子を取得し組換え体として生産することもできる。例えば大腸菌由来グアニンデアミナーゼの発現に関する論文(J. Bacteriol 182, 4658−4660,2000)が報告されている。
本実施の形態に係る組成物を用いれば、上記検出されたシグナルの変化量に基づき、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸の量を算出することができる。算出方法は例えば前述したような公知の方法を用いればよい。具体的には、本実施の形態に係る方法についての上記説明と同様の方法で決定することができるが、これに限定されない。
本実施の形態に係る組成物は、試薬キットであってもよい。本実施の形態における「試薬キット」は、複数の試薬に分けられていてもよいが、一つにまとまっていてもよい。例えば、本実施形態に係る組成物を適宜二つ又は三つ以上に分けた試薬キットに振り分けてもよい。例えば、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つを定量するための組成物の場合、イノシン、グアニン、及びNADを一方の試薬に、キサンチンデヒドロゲナーゼ、及びプリンヌクレオシドホスホリラーゼを他方の試薬に振り分けることができる。これらの成分はいずれも、それぞれ分けられた試薬キットに重複して含むこともできる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1 イノシン、グアニン存在下、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNPL)による無機リンの定量
(反応液)
50mmol/L Tris−HCl(pH8.0)
2.5mmol/L NAD
2 mmol/L イノシン
0.5mmol/L グアニン
1u/mL又は5u/mL PNPL(PNPLII、旭化成ファーマ製)
1u/mL キサンチンデヒドロゲナーゼ(XDHII、旭化成ファーマ製)
上記反応液1mLに対し、0、0.1、0.2、0.4、1mmol/Lのリン酸水素2カリウム水溶液を0.01mL加えて、37℃にて反応をさせた。リン酸水素2カリウム水溶液添加後、3分目から4目までの340nmの吸光度変化量を測定した。PNPLが1u/mLと5u/mLそれぞれの場合につき、リン酸水素2カリウム水溶液を添加しなかった反応液を試薬ブランクとして、それぞれの吸光度変化量に対して差し引いた。結果を図1に示す。図1より、プリンヌクレオシドホスホリラーゼの量が増えるほど、サイクリング反応の産物であり、キサンチンデヒドロゲナーゼの基質であるヒポキサンチンの量が増えること、及びリン酸水素2カリウムが増えるほどサイクリング反応産物であるヒポキサンチンの量が増えることが示された。
実施例2 イノシン、アデニン存在下、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNPL)による無機リンの定量
(反応液)
50mmol/L Tris−HCl(pH8.0)
2.5mmol/L NAD
1mmol/L イノシン
0.5mmol/L アデニン
1u/mL PNPL(PNPLII,旭化成ファーマ製)
1u/mL キサンチンデヒドロゲナーゼ(XDHII、旭化成ファーマ製)
上記反応液1mLに対し、0、10、20、30、40、50umol/Lのリン酸2カリウム水溶液を0.05mL加えて、37℃にて反応をさせた。リン酸水素2カリウム水溶液添加後、3分目から4目までの340nmの吸光度変化量を測定した。リン酸水素2カリウム水溶液を添加しなかった反応液を試薬ブランクとし、試薬ブランクの吸光度変化量をそれぞれの吸光度変化量から差し引いた。結果を図2に示す。図2より、リン酸水素2カリウムが増えるほど、ヒポキサンチンの量が増えることが示された。
実施例3 起源の異なるプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNPL)を用いた場合の比較
(反応液)
50mmol/L Tris−HCl(pH8.0)
2.5mmol/L NAD
1mmol/L イノシン
0.5mmol/L アデニン
5u/mL PNPL(PNP−301,東洋紡)
1u/mL キサンチンデヒドロゲナーゼ(XDHII、旭化成ファーマ製)
実施例2とは起源の異なるプリンヌクレオシドホスホリラーゼとして、東洋紡PNP−301を入手した。カタログによれば、イノシンを100%としたときのグアノシンに対する相対活性は60%である。表示活性で5u/mLを反応液に添加したところ、実施例2とほぼ同じシグナルが得られた。
実施例4 イノシン、アデニン存在下、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNPL)による無機リンの定量(キサンチンオキシダーゼによる検出反応)
(反応液)
50mmol/L Tris−HCl(pH8.0)
2mmol/L イノシン
3mmol/L 4−アミノアンチピリン
1.5mmol/L N,N−ビス(4−スルホブチル)−3−メチルアニリン二ナトリウム(N,N−Bis(4−sulfobutyl)−3−methylaniline, disodium salt、TODB、同仁化学製)
5u/mL パーオキシダーゼ(Sigma製)
1u/mL PNPL(PNPLII,旭化成ファーマ製)
1u/mL キサンチンオキシダーゼ(XOD:東洋紡製)
上記反応液1mLに対し、0、40、80、120、160、200umol/Lのリン酸水素2カリウム水溶液を0.05mL加えて、37℃にて3分間予備加温した。次いで、アデニンを反応液中で0.5mmol/Lになるように加えて反応を開始した。PNPL反応により生成したキサンチンから、キサンチンオキシダーゼにより過酸化水素を生成させ、パーオキシダーゼの存在下で、N−ビス(4−スルホブチル)−3−メチルアニリン二ナトリウムと、4−アミノアンチピリンと、を酸化的に縮合させて、赤色のキノン色素を生成させ、555nmの吸光度をモニターした。アデニン添加後、3分目から5分目までの吸光度変化量を測定した。リン酸水素2カリウム水溶液を添加しなかった反応液を試薬ブランクとし、試薬ブランクの吸光度変化量をそれぞれの吸光度変化量から差し引いた。結果を図3に示す。図3より、キサンチンオキシダーゼによる検出反応によっても、サイクリング反応の産物の変化量を検出可能であることが示された。
実施例5 プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNPL)反応:イノシンとグアニンの組み合わせと、デオキシイノシンとグアニンの組み合せと、の比較
(反応液)
50mmol/L Tris−HCl(pH8.0)
2.5mmol/L NAD
2mmol/L イノシン又はデオキシイノシン
5u/mL PNPL(東洋紡製)
1u/mL キサンチンデヒドロゲナーゼ(XDHII、旭化成ファーマ製)
上記反応液1mLに対し、0、10、20、30、40umol/Lのリン酸水素2カリウム水溶液を0.05mL加えて、37℃にて3分間予備加温した。次いで、グアニンを反応液中で0.5mmol/Lになるように加えて反応を開始した。PNPL反応により生成したヒポキサンチンをキサンチンデヒドロゲナーゼと組み合わせ、還元型NADの増加に伴う340nmの吸光度変化をモニターした。ここで、グアニン添加後、3分目から5分目までの吸光度変化量を測定した。リン酸水素2カリウム水溶液を添加しなかった反応液を試薬ブランクとし、試薬ブランクの吸光度変化量をそれぞれの吸光度変化量から差し引いた。イノシンをデオキシイノシンに変更したものについても、同様に操作を行った。結果を図4に示す。イノシンとグアニンの組み合わせ、及びデオキシイノシンとグアニンの組み合わせ共に、ほぼ同等の反応性を示した。
実施例6 アルカリホスファターゼ(ALP)活性の測定
(実施例6に係る反応液)
(R−1)
1mol/L EAE塩酸緩衝液(pH9.9)
15mmol/L p−ニトロフェニルリン酸
0.5mmol/L MgCl2
2mmol/L イノシン
(R−2)
1 mol/L PIPES−NaOH(pH6.2)
10mmol/L EDTA
10u/mL PNPL(旭化成ファーマ(株)製)
0.5mmol/L グアニン
2.5u/mL キサンチンデヒドロゲナーゼ(XDHII、旭化成ファーマ製)
2mmol/L NAD
(比較対照法)
(R−1)
上に同じ
(R−2)
1mol/L PIPES−NaOH(pH6.2)
10mmol/L EDTA
1u/mL PNPL
2.5u/mL キサンチンデヒドロゲナーゼ(XDHII、旭化成ファーマ製)
2mmol/L NAD
0.5u/mLのアルカリホスファターゼ(ALP、ヒト肝由来、旭化成ファーマ製)溶液(20mmol/L Tris−HCl(pH8.5), 0.01% BSA)を調製した。まず、以下のように活性を測定して、表示通りの活性があることを確認した。
R−1 0.5mLを37℃にて予備加温後、ALP酵素溶液0.01mLを加えて正確に5分間反応させた。次いで、比較対照法のR−2 0.5mLを加えALP反応により遊離した無機リンを還元型NADの量として340nmにて定量した。理論吸光度0.315に対して、0.304の吸光度が得られた。
次に、ALP酵素溶液を更に1000、2000、5000倍に同じ希釈液にて希釈した。この3種類の酵素溶液それぞれに対して、同様に37℃5分間R−1と反応させた。その後、実施例6に係るR−2を0.5mL添加し、340nmの吸光度をモニターし、R−2添加後3分目から8分目までの吸光度変化量を測定した。酵素の代わりに生理食塩水を用いたものを試薬ブランクとし、それぞれの測定値から差し引き、酵素濃度(X軸)に対してプロットした。また、従来法である比較対照法で測定した場合の理論吸光度を併せてプロットした。結果を図5に示す。
実施例6に係る5分間の吸光度変化量は、従来法に係る理論吸光度の約250倍であった。このことは、5分間の実施例6に係るサイクリング反応によって、従来法の250倍にシグナルが増強されたことが示された。実施例6において、少なくとも100mU/LのALP活性の定量が可能であった。
実施例7 ピロリン酸の測定
(反応液)
100mmol/L Tris−HCl(pH7.5)
1mmol/L アデノシン一リン酸(AMP)
0.5mmol/L ホスホエノールピルビン酸(PEP)
5u/mL ピルベートオルトホスフェートジキナーゼ(PPDK)
1mmol/L イノシン
1 u/mL キサンチンデヒドロゲナーゼ(XDHII、旭化成ファーマ製)
2.5mmol/L NAD
ピロリン酸を無機リンに変換する酵素としてThermotoga Maritima DSM 3109株由来のピルベートオルトホスフェートジキナーゼ(PPDK)(EC 2.7.9.1)(特許第5352788号公報)を用いた。PPDKは、アデノシン5’一リン酸、ホスホエノールピルビン酸及びピロリン酸に作用して、アデノシン5’三リン酸、ピルビン酸、及びリン酸を生ずる反応及びその逆反応を触媒する。ピルベートオルトホスフェートジキナーゼの酵素作用は、マグネシウムイオン等の存在下で下記式に示す通りである(酵素ハンドブック、朝倉書店、1984年参照)。
ATP+ピルビン酸+オルトリン酸<=>AMP+PEP+ピロリン酸
上記反応液1mLに対し、0、0.5、1、2、4、10umol/Lのピロリン酸ナトリウム水溶液を0.05mL加えて、37℃にて3分間予備加温した。次いで、グアニンを反応液中で0.5mmol/Lになるように加えて反応を開始した。グアニン添加後、3分目から5分目までの吸光度変化量を測定した。ピロリン酸水溶液を添加しなかった反応液を試薬ブランクとし、試薬ブランクの吸光度変化量をそれぞれの吸光度変化量から差し引いた。結果を図6に示す。
実施例8 グアノシン、ヒポキサンチンの存在下、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNPL)による無機リンの定量(グアニンデアミナーゼによる検出反応)
(反応液)
50mmol/L Tris−HCl(pH7.5)
2mmol/L ヒポキサンチン
1mmol/L ATP
0.5mmol/L デアミドNAD(旭化成ファーマ製)
2mmol/L MgCl2
1mmol/L コール酸ナトリウム
2u/mL プリンヌクレオシドホスホリラーゼ
2u/mL NADシンセターゼ (NADSII、旭化成ファーマ製)
2u/mL 12α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(12α−HSDII,旭化成ファーマ製)
2u/mL グアニンデアミナーゼ(ウサギ肝由来、和光純薬工業製)
グアノシン、及びヒポキサンチンの存在下、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ酵素サイクリング反応を実施した。生成したグアニンは、グアニンデアミナーゼでキサンチンとアンモニアに変換し、アンモニアをNADSIIと12α−HSDIIの共存下、還元型NADとして340nmの吸光度の増加速度を測定した。まず、上記反応液1mLに対し、0、20、40、60,80、100mol/Lのリン酸水素2カリウム水溶液を0.02m加え予備加温後、20mmol/Lグアノシン水溶液を0.1mL添加し、37度にて反応を開始させた。グアノシン添加後、3分目から4目までの340nmの吸光度変化量を測定した。リン酸水素2カリウム水溶液を添加しないものを試薬ブランクとしてそれぞれの吸光度変化量に対して差し引いた。結果を図7に示す。

Claims (33)

  1. オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸のいずれか1つの測定方法であって、
    (1)プリンヌクレオシドホスホリラーゼであって、プリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、前記正反応と前記逆反応において少なくともそれぞれ別異のプリンを利用できるプリンヌクレオシドホスホリラーゼと、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドと、前記第一のプリンとは別異の第二のプリンと、を試料と接触せしめ、下記式(1)のサイクリング反応をせしめる工程と、
    (2)前記第一のプリンを有するプリンヌクレオシド、前記第一のプリン、前記第二のプリン、及び前記第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの少なくともいずれかの変化量に対応するシグナルの変化量を検出する工程と、
    (3)検出されたシグナルの変化量に基づき、オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸のいずれか1つの量を算出する工程と、
    を含み、
    測定対象がアルカリホスファターゼの場合、アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、前記リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で前記試料が処理されており、
    測定対象がピロリン酸である場合、ピロリン酸が加水分解されてオルトリン酸を生成することができる条件で前記試料が処理されている、
    測定方法。
  2. 測定対象がオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
  3. 測定対象がアルカリホスファターゼであり、
    前記試料が、アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、前記リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で処理されており
    検出されたシグナルの変化量に基づき、アルカリホスファターゼの量が算出される、
    請求項1に記載の方法。
  4. 測定対象がピロリン酸であり、前記試料が、ピロリン酸が加水分解されてオルトリン酸を生成することができる条件で処理されており、
    検出されたシグナルの変化量に基づき、ピロリン酸の量が算出される、
    請求項1に記載の方法。
  5. 上記工程(2)が、前記第一のプリン、及び/又は前記第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する工程である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 上記工程(2)が、前記第一のプリンには基質特異性を有するが、前記第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素、又は前記第一のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有さないが、前記第二のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有する検出用酵素を用いて、前記第一のプリン、及び/又は前記第二のプリンを有するプリンヌクレオシドの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 上記工程(2)が、前記第一のプリンには基質特異性を有するが、前記第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素を用いて、前記第一のプリンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記第一のプリンと、前記第一のプリンとは別異の前記第二のプリンと、の組み合わせが、ヒポキサンチンとグアニンの組み合わせ、ヒポキサンチンとアデニンの組み合わせ、キサンチンとグアニンの組み合わせ、又はキサンチンとアデニンの組み合わせである、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記第一のプリンがヒポキサンチン又はキサンチンである、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記第一のプリンがグアニンである、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記第一のプリンがアデニンである、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  12. 上記工程(2)において、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンに基質特異性を有するキサンチンデヒドロゲナーゼを用いて、チオNAD又はNADの存在下、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、請求項9に記載の方法。
  13. 上記工程(2)において、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンに基質特異性を有するキサンチンオキシダーゼを用いて、ヒポキサンチン及び/又はキサンチンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、請求項9に記載の方法。
  14. 上記工程(2)において、グアニンに基質特異性を有するグアニンデアミナーゼを用いて、グアニンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、請求項10に記載の方法。
  15. 上記工程(2)において、アデニンに基質特異性を有するアデニンデアミナーゼを用いて、アデニンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する、請求項11に記載の方法。
  16. アルカリホスファターゼの測定方法であって、
    (1)プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.1)であって、イノシンの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、前記逆反応においてグアニンを利用できるプリンヌクレオシドホスホリラーゼと、イノシンと、グアニンと、を試料と接触せしめ、下記式(2)のサイクリング反応を反応せしめる工程と、
    (2)キサンチンデヒドロナーゼを用いて、ヒポキサンチンの増加量に対応するシグナルの変化量を検出する工程と、
    (3)検出されたシグナルの変化量に基づき、アルカリホスファターゼの量を算出する工程と、
    を含み、
    アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、前記リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で前記試料が処理されている、
    請求項1、3、5から9、及び12のいずれか1項に記載の方法。
  17. オルトリン酸、リボース−1−リン酸、及びデオキシリボース−1−リン酸の少なくとも1つ;アルカリホスファターゼ;又はピロリン酸を測定するための測定用組成物であって、
    (a)プリンヌクレオシドホスホリラーゼであって、第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、前記正反応と前記逆反応において少なくともそれぞれ別異のプリンを利用できるプリンヌクレオシドホスホリラーゼと、
    (b)第一のプリンを有するプリンヌクレオシドと、
    (c)前記第一のプリンとは別異の第二のプリンと、
    を含む組成物であって、
    試料と接触される組成物であり、
    測定対象がアルカリホスファターゼの場合、アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、前記リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で前記試料が処理されており、
    測定対象がピロリン酸である場合、ピロリン酸が加水分解されてオルトリン酸を生成することができる条件で前記試料が処理されている、
    組成物。
  18. 測定対象がオルトリン酸、リボース−1−リン酸、及び/又はデオキシリボース−1−リン酸である、請求項17に記載の組成物。
  19. 測定対象がアルカリホスファターゼであり、
    アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物の存在下、前記リン酸エステル化合物が加水分解されてリン酸を生成することができる条件で処理された前記試料と接触される、請求項17に記載の組成物。
  20. 測定対象がピロリン酸であって、ピロリン酸が加水分解されてオルトリン酸を生成することができる条件で処理された前記試料と接触される、請求項17に記載の組成物。
  21. 前記プリンヌクレオシドホスホリラーゼがEC2.4.2.1であって、前記第一のプリンを有するプリンヌクレオシドの存在下、オルトリン酸から、リボース−1−リン酸及び/又はデオキシリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、前記正反応と前記逆反応において少なくともそれぞれ別異のプリンを利用できる、請求項17から20のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 前記第一のプリンには基質特異性を有するが、前記第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素、又は前記第一のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有さないが、前記第二のプリンを有するプリンヌクレオシドには基質特異性を有する検出用酵素をさらに含む、請求項17から21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 前記第一のプリンには基質特異性を有するが、前記第二のプリンには基質特異性を有さない検出用酵素を含む、請求項17から22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 前記第一のプリンと、前記第一のプリンとは別異の前記第二のプリンと、の組み合わせが、ヒポキサンチンとグアニンの組み合わせ、ヒポキサンチンとアデニンの組み合わせ、キサンチンとグアニンの組み合わせ、又はキサンチンとアデニンの組み合わせである、請求項17から23のいずれか1項に記載の組成物。
  25. 前記第一のプリンがヒポキサンチン又はキサンチンである、請求項17から24のいずれか1項に記載の組成物。
  26. 前記第一のプリンがグアニンである、請求項17から24のいずれか1項に記載の組成物。
  27. 前記第一のプリンがアデニンである、請求項17から24のいずれか1項に記載の組成物。
  28. ヒポキサンチン及び/又はキサンチンに基質特異性を有するキサンチンデヒドロゲナーゼと、
    NAD又はチオNADと、
    を含む、請求項25に記載の組成物。
  29. ヒポキサンチン及び/又はキサンチンに基質特異性を有するキサンチンオキシダーゼを含む、請求項25に記載の組成物。
  30. グアニンに基質特異性を有するグアニンデアミナーゼを含む、請求項26に記載の組成物。
  31. アデニンに基質特異性を有するアデニンデアミナーゼを含む、請求項27に記載の組成物。
  32. アルカリホスファターゼを測定するための測定用組成物であって、
    (a)プリンヌクレオシドホスホリラーゼであって、イノシンの存在下、オルトリン酸からリボース−1−リン酸を生成する正反応、及びその逆反応を触媒し、前記逆反応においてグアニンを利用できる酵素と、
    (b)イノシンと、
    (c)グアニンと、
    (d)キサンチンデヒドロゲナーゼと、
    (e)NAD又はチオDNAと、
    を含む組成物であって、
    アルカリホスファターゼで加水分解されてオルトリン酸を生成することができるリン酸エステル化合物で処理された試料に用いられる、
    請求項17、19、21から25、及び28のいずれか1項に記載の組成物。
  33. 請求項17から32のいずれか1項に記載の組成物を含むキット。
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