JP2014532417A - 生物試料中のアデノシン一リン酸の検出方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、生物試料中のアデノシン一リン酸(AMP)の量および/または存在を検出かつ/または決定する組成物および方法を提供する。本方法は、AMPをアデノシン二リン酸(ADP)に変換することのできる第1の酵素、好適にはポリリン酸:AMPホスホトランスフェラーゼ(PAP)を使用して、溶液中の実質的に全てのAMPをADPに変換する工程と、ADPをアデノシン三リン酸(ATP)に変換することのできる第2の酵素、好適にはアデニル酸キナーゼ(AK)を使用して、溶液中のADPをATPに変換する工程と、ルシフェラーゼ酵素およびルシフェラーゼ酵素の基質を利用する生物発光反応を使用して、産生されたATPの量を決定する工程と、産生されたATPの量を使用して、元の溶液中に存在するAMPの量を決定する工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、一般的に細胞用ツールに関し、より詳細には、生物試料中のアデノシン一リン酸(AMP)の検出方法に関する。
アデノシン一リン酸(AMP)は、細胞内のエネルギー電荷比を制御するなどといった様々な細胞機能に関与する重要なメディエーターであり、細胞内の同化および異化の過程を調節する重要な指標である。また、ユビキチン化反応、タンパク質の合成および翻訳、核酸連結、ホスホジエステラーゼ活性などの産物でもある。ユビキチン化を介したユビキチン、SUMO化を介した低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)、NEDD化を介したユビキチン様タンパク質Nedd8などによるタンパク質の翻訳後修飾は、細胞周期、転写、核輸送、エンドサイトーシス、およびタンパク質の品質管理の制御機構などの様々な細胞過程の間に機能する重要な調節機構である。ユビキチン−プロテアソーム系(UPS)は、多くの主要な細胞シグナリング分子の分解に関与している。ユビキチン鎖の結合の種類によって、修飾されたタンパク質がプロテアソームにより分解されるか、それとも他のタンパク質を誘引してシグナルカスケードを開始または内部移行されるかが決定される。このユビキチン化の過程は、アデノシン三リン酸(ATP)、ユビキチンもしくはその類似体を使用するユビキチン活性化酵素(UAE、E1としても知られている)、ユビキチン結合酵素(Ube2、E2としても知られている)、ユビキチンリガーゼ(E3)、およびユビキチン化される基質により開始される酵素カスケードにより媒介される。このユビキチン化カスケードの産物は、AMP、ピロリン酸(PP)、およびユビキチン化された(またはポリユビキチン化された)基質である。多発性骨髄腫・再発性マントル細胞リンパ腫患者の治療用としてプロテアソーム阻害剤VELCADE(登録商標)がFDAの承認を取得したことから証明されているように、このユビキチン化(またはポリユビキチン化)および脱ユビキチン化の過程は非常に魅力的な研究領域である。したがって、UPS経路における他の成分を標的とすることで、新規抗癌剤の開発の可能性が得られると考えられる。パーキンソン病の神経変性疾患研究においても同様の関心から、αシヌクレインをユビキチン化してそれをエンドソームのリソソーム経路に差し向けることでαシヌクレインを低減させ、それによりパーキンソン病および他のαシヌクレイン病の発病を予防するE3リガーゼとしてNedd4が同定されている。
タンパク質の翻訳は、基質アミノ酸を同族のtRNAに高いフィデリティーで連結させることを必要とする。この過程は、1つのATP分子の消費を介したアミノアシルアデニル酸へのアミノ酸の活性化およびtRNAの受容体末端への活性化アミノ酸の送達という2つの工程で進行する。この過程のフィデリティーは、アミノアシルtRNAシンテターゼ(ARS)によるアミノ酸およびそれらと同族のtRNAの認識ならびに誤ったtRNAに対する誤ったアミノ酸の連結を防止するプルーフリーディングの各正確性に依存する。プルーフリーディングは、tRNAへのアミノアシル−AMPの送達の前に起こり、結果としてAMPを放出する。したがって、タンパク質の翻訳は、ATPを消費する過程および産物としてAMPを放出することを必要とする。ホスホジエステラーゼ(PDE)は、基質としてサイクリックアデノシン3,5−一リン酸(cAMP)を使用し、反応産物としてAMPを放出する酵素の別の一例である。これらの酵素は、喘息、心血管機能、神経変性疾患などの多様な病的障害に関与する。
DNAリガーゼは、切断された一本鎖の連結を触媒し、DNAの複製を完全なものとし、かつ、ATPを介して破綻したDNAを修復し、DNA中の新規ホスホジエステル結合の形成をもたらす。真核生物のDNAリガーゼは、アデニリル基の供与体としてATPを使用し、細菌のDNAリガーゼは、ATPまたはニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を使用する。DNAリガーゼは、アデニル化5’−リン酸への3’−ヒドロキシルの求核攻撃を触媒して、新規のホスホジエステル結合を形成させ、AMPを放出させる。真核生物のリガーゼや他のDNA結合酵素に影響を与えない細菌のDNAリガーゼの阻害は、新規抗菌剤の開発のための新たな戦略として採用され、成功を収めている。
DNAメチルトランスフェラーゼ(DMT)やタンパク質メチルトランスフェラーゼ(PMT)が関与する他の反応は、エピジェネティクスの分野で有望とされており、現在盛んに研究されている。これらの酵素は、基質としてS−アデノシルメチオニン(SAM)を使用し、生じる産物のS−アデノシルホモシステイン(SAH)は、SAHヒドロラーゼにより、アデノシンへと加水分解することができる。産物のアデノシンは、アデノシンキナーゼを使用してAMPへと変換することができる。したがって、AMPの形成のモニタリングを、DMTおよびPMTの活性の読み取りとして使用することができる。
低酸素状態の腫瘍で野生型と比較して有意にAMPの濃度が増加し、それによりATPに対するAMPの比率が増加してホスホフルクトキナーゼ−1(PFK−1)のアロステリック活性が惹起されることも報告されている。したがって、腫瘍は、阻害作用を有するATPの濃度をより低くし、かつ活性化作用を有するAMPの濃度を大幅に高くすることにより、通常の解糖速度を維持することができる。同様に、腫瘍細胞のAMP濃度を高くし、ATP濃度を低くすることにより、AMP活性化タンパク質キナーゼの活性化を誘導し、細胞増殖と炭素源利用能との均衡を図ることができる。上述の例は、生化学的試料および細胞または組織の試料におけるAMP濃度をモニタリングすることの重要性を強調するものである。標的の妥当性の検証、ならびにこの生化学的過程を変化させ得る分子、すなわち細胞生理異常の発現に関与する分子を開発することや特定の病態を誘導することは、確実で迅速な技術が利用できるかどうかに依存する。したがって、技術的研究の品質、費用、およびスピードが必要とされる創薬プログラムの要求を満たすアッセイが必要とされる。このようなニーズは現在使用されているアッセイでは満たされておらず、したがって、本発明のAMP検出方法は、これらの満たされていない需要を満たすものである。
本願は、様々な生化学的用途および細胞学的用途においてAMPをモニタリングするための方法およびキットを提供する。本技術およびキットは、細胞抽出物中に存在する遊離AMPを、ホスホジエステラーゼ(PDE)、ユビキチン化(リガーゼ)に関与する酵素、アミノアシルtRNAシンテターゼ(ARS)、DNAリガーゼ(細菌DNAリガーゼおよび真核生物のDNAリガーゼ)など、生化学反応において産生する他のヌクレオチドおよびAMPの存在下で検出する。
本キットはまた、生化学的反応から間接的に産生されるAMPを、その反応産物をAMPに変換することにより検出することが可能であり、この新規に形成されたAMPは従来のアッセイ形式により検出することも可能である。これらは、DNAおよびタンパク質メチルトランスフェラーゼ、タンパク質イソアスパルチルメチルトランスフェラーゼ(PIMT)などを含む。
一実施形態において、本発明は、元の溶液中のアデノシン一リン酸(AMP)の量を、AMPをアデノシン二リン酸(ADP)に変換することのできる第1の酵素を使用して、溶液中の実質的に全てのAMPをADPに変換させることにより決定する方法を提供する。好適には、元の溶液中の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のAMPが、第1の酵素により変換される。この第1の酵素は、好適には、ポリリン酸:AMPホスホトランスフェラーゼ(ATP)であるが、他の任意の適切な酵素であってもよい。ポリリン酸を、任意にPAPと共に添加してもよい。その後、溶液中のADPが、ADPをアデノシン三リン酸(ATP)に変換することのできる第2の酵素を使用して、ATPに変換される。この第2の酵素は、好適には、アデニル酸キナーゼ(AK)であるが、他の任意の適切な酵素であってもよい。ADPをATPへ変換することは、第1の酵素によるAMPのADPへの変換と同時であってもその後であってもよい。産生されたATPの量を、ルシフェラーゼ酵素およびルシフェラーゼ酵素の基質を利用することにより決定する。好適には、このルシフェラーゼ酵素の基質はルシフェリンであるが、他の任意の適切な基質であってもよい。その後、産生されたATPの量を使用して、元の溶液中に存在したAMPの量を決定することができる。
別の実施形態において、本発明は、まず元の溶液中の実質的に全てのATPを、アデニル酸シクラーゼ(AC)を使用してサイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)およびピロリン酸に変換し、その後、この溶液中の実質的に全てのAMPを、AMPをADPに変換することのできる第1の酵素を使用して、ADPに変換することにより、元の溶液中のAMPの量を決定する方法を提供する。ACは、細菌のアデニル酸シクラーゼの完全長の活性断片であっても細菌のアデニル酸シクラーゼの活性組み換え断片であってもよい。好適には、ACは、百日咳菌(Bortedella pertussis)または炭疽菌(Bacillus anthracis)といった細菌のアデニル酸シクラーゼとすることができる。ある特定の実施形態において、好適には、元の溶液中の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のATPが、ACにより変換される。AMPをADPに変換するために使用される第1の酵素は、好適にはPAPであるが、他の任意の適切な酵素であってもよい。任意にポリリン酸を、PAPと共に添加してもよい。その後、この溶液中のADPは、ADPをATPに変換することのできる第2の酵素を使用してATPに変換される。任意に、ADPがATPに変換される前に、溶液中のACを阻害する工程が、溶液にカルミダゾリウムなどのACを阻害する化合物を供給することにより行われてもよい。ADPをATPに変換する第2の酵素は、好適にはAKであるが、他の任意の適切な酵素であってもよい。ADPのATPへの変換は、第1の酵素によるAMPのADPへの変換と同時であってもその後であってもよい。産生されたATPの量が、ルシフェラーゼ酵素およびルシフェラーゼ酵素の基質を利用することにより決定される。好適には、このルシフェラーゼ酵素の基質はルシフェリンであるが、他の任意の適切な基質とすることができる。次に、産生されるATP量を、元の溶液に存在したAMP量を決定するために使用することができる。任意に、この溶液中の実質的に全ての任意のピロリン酸を除去する工程を、ADPをATPに変換する前、かつ/または生物発光反応を実行する前に、ピロホスファターゼを入れることにより行い、溶液中のATP量を決定することができる。ある特定の実施形態において、好適には、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のピロリン酸が、ピロホスファターゼ(Pyrophospahatase)により除去される。
別の実施形態において、ホスホジエステラーゼ(PDE)を使用して、元の溶液中のcAMPの一部または実質的に全てをAMPに変換し、かつ、AMPをADPに変換することのできる第1の酵素を使用して、溶液中の実質的に全てのAMPをADPに変換することにより、元の溶液中のAMP量を決定する方法を提供する。このcAMPのAMPへの変換は、AMPのADPへの変換の前に行われるか、または同時に行われる。ある特定の実施形態において、好適には、元の溶液中の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のcAMPが、PDEにより変換される。好適には、このPDEは、PDE1、PDE3、PDE4、PDE7、PDE10A、PDE11、または他のいずれかの適切なPDEとすることができる。AMPをADPに変換する第1の酵素は好適にはPAPであるが、他のいずれかの酵素とすることができる。ポリリン酸を、任意にPAPと共に添加してもよい。次に、この溶液中のADPを、ADPをATPに変換することのできる第2の酵素を使用してATPに変換させる。この第2の酵素は好適にはAKであるが、他のいずれかの適切な酵素とすることができる。ADPのATPへの変換は、第1の酵素によるAMPのADPへの変換と同時に、またはその後に行われることができる。産生されるATP量は、ルシフェラーゼ酵素およびルシフェラーゼ酵素の基質を利用することにより決定される。好適には、このルシフェラーゼ酵素の基質はルシフェリンであるが、他のいずれかの基質とすることができる。次に、産生されるATP量を使用して、元の溶液中に存在したAMP量を決定することができる。
別の実施形態において、本発明は、ユビキチン化酵素系(E1、E2、およびE3リガーゼ)およびユビキチンを使用して、元の溶液中に存在するATPの一部または実質的に全てをAMPに変換し、その後、AMPをADPに変換することのできる第1の酵素を使用して、溶液中の実質的に全てのAMPをADPに変換することにより、元の溶液中のAMPを決定する方法を提供する。ある特定の実施形態において、好適には、この元の溶液中の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のATPが、ユビキチンン化酵素により変換される。このユビキチン化酵素は、好適には、Ube1(E1)、UbcH5c(E2)、CARP2(E3)、または他のいずれかの適切なユビキチン化酵素である。AMPをADPに変換するための第1の酵素は、好適にはPAPであるが、他のいずれかの適切な酵素とすることができる。ポリリン酸を、任意にPAPと共に添加してもよい。AMPをADPに変換すると同時に、またはその前に、元の溶液中の実質的に全てのATPを、アデニル酸シクラーゼ(AC)を使用して、cAMPおよびピロリン酸に変換することができる。次に、この溶液中の第1の酵素により形成されるADPを、ADPをATPに変換することのできる第2の酵素を使用して、ATPに変換させる。この第2の酵素は、好適にはAKであるが、他のいずれかの適切な酵素とすることができる。ADPのATPへの変換は、第1の酵素によるAMPのADPへの変換と同時またはその後とすることができる。産生されるATP量は、ルシフェラーゼ酵素およびルシフェラーゼ酵素の基質を利用することにより決定される。好適には、このルシフェラーゼ酵素の基質はルシフェリンであるが、他のいずれかの適切な基質とすることができる。次に、産生されるATP量を使用して、元の溶液中に存在したAMP量を決定することができる。任意に、溶液中の実質的に全てのいずれかのピロリン酸を除去する工程を、ADPをATPに変換する前および/または溶液中のATP量を決定するための生物蛍光反応を実行する前に、ピロホスファターゼを入れることにより行うことができる。
別の実施形態において、本発明は、DNAリガーゼを使用して、元の溶液中にATPが存在すればその一部または実質的に全てをAMPに変換し、その後、AMPをADPに変換することのできる第1の酵素を使用して、この溶液中の実質的に全てのAMPをADPに変換することにより、元の溶液中のAMP量を決定する方法を提供する。ある特定の実施形態において、好適には、この元の溶液中の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のATPが、DNAリガーゼを使用して変換される。任意に、この溶液は、DNAリガーゼによりAMPに変換されるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を含んでいても、そのNAD+が添加されていてもよい。このNAD+の変換は、AMPのADPへの変換の前であってもそれと同時であってもよい。好適には、このDNAリガーゼは、真核生物またはウイルスのDNAリガーゼである。NAD+が存在する場合、好適なDNAリガーゼとしては、大腸菌NAD+依存型DNAリガーゼまたは他の適切なリガーゼが考えられる。AMPのADPへの変換のための第1の酵素は、好適にはPAPであるが、他の任意の適切な酵素であってもよい。ポリリン酸を、任意にPAPと共に添加してもよい。AMPのADPへの変換と同時に、またはその前に、元の溶液中の実質的に全てのATPを、アデニル酸シクラーゼ(AC)を使用して、cAMPおよびピロリン酸に変換することができる。その後、この溶液中の第1の酵素により形成されるADPが、ADPをATPに変換することのできる第2の酵素を使用して、ATPに変換される。この溶液中のADPは、ADPをATPに変換することのできる第2の酵素を使用してATPに変換される。この第2の酵素は、好適にはAKであるが、他の任意の適切な酵素であってもよい。ADPのATPへの変換は、第1の酵素によるAMPのADPへの変換と同時であってもその後であってもよい。産生されたATPの量が、ルシフェラーゼ酵素およびルシフェラーゼ酵素の基質を利用することにより決定される。好適には、このルシフェラーゼの酵素の基質はルシフェリンであるが、他の任意の適切な基質であってもよい。産生されたATPの量を使用して、元の溶液中に存在したAMPの量を決定することができる。任意に、この溶液中にピロリン酸があれば実質的にその全てを除去する工程を、ADPのATPへの変換の前および/または溶液中のATPの量を決定するための生物発光反応を実行する前に、ピロホスファターゼを入れることにより行うことができる。
別の実施形態において、本発明は、メチルトランスフェラーゼを使用して、溶液中に存在するS−アデノシルメチオニン(SAM)をS−アデノシルホモシステイン(SAH)に変換し、SAHヒドロラーゼを使用してSAHをアデノシンに変換し、アデノシンキナーゼを使用してアデノシンをAMPに変換し、AMPをADPに変換することのできる第1の酵素を使用してこの溶液中の実質的に全てのAMPをADPに変換することにより、元の溶液中のAMP量を決定する方法を提供する。SAMのSAHへの変換、SAHのアデノシンへの変換、およびアデノシンのAMPへの変換は、AMPのADPへの変換の前であってもよく、それと同時であってもよい。メチルトランスフェラーゼは、好適には、ヒストン−リジン N−メチルトランスフェラーゼ、(DNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼ、タンパク質イソアスパラギン酸メチルトランスフェラーゼ、およびタンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ、または他の任意の適切なメチルトランスフェラーゼとすることができる。AMPのADPへの変換のための第1の酵素は、好適にはPAPであるが、他の任意の適切な酵素であってもよい。任意にポリリン酸を、PAPと共に添加してもよい。次に、この溶液中のADPが、ADPをATPに変換することのできる第2の酵素を使用して、ATPに変換される。この第2の酵素は、好適にはAKであるが、他の任意の適切な酵素であってもよい。ADPのATPへの変換は、第1の酵素によるAMPのADPへの変換と同時であってもその後であってもよい。産生されたATPの量が、ルシフェラーゼ酵素およびルシフェラーゼ酵素の基質を利用することにより決定される。好適には、このルシフェラーゼ酵素の基質はルシフェリンであるが、他の任意の適切な基質であってもよい。その後、産生されたATPの量を使用して、元の溶液中に存在したAMPの量を決定することができる。
別の実施形態において、本発明は、アミノアシルtRNAシンテターゼを使用して、溶液中にATPがあればその一部または実質的に全てをAMPに変換し、その後、AMPをADPに変換することのできる第1の酵素を使用して、この溶液中の実質的に全てのAMPをADPに変換することにより、元の溶液中のAMP量を決定する方法を提供する。ある特定の実施形態において、元の溶液中の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のATPが、アミノアシルtRNAシンテターゼを使用して変換される。AMPのADPへの変換のための第1の酵素は、好適にはPAPであるが、他の任意の適切な酵素であってもよい。ポリリン酸を、任意にPAPと共に添加してもよい。次に、本溶液中のADPを、ADPをATPに変換することのできる第2の酵素を使用してATPに変換する。この第2の酵素は、好適にはAKであるが、他の任意の適切な酵素であってもよい。ADPのATPへの変換は、第1の酵素によるAMPのADPへの変換と同時であってもその後であってもよい。産生されたATPの量が、ルシフェラーゼ酵素およびルシフェラーゼ酵素の基質を利用することにより決定される。好適には、ルシフェラーゼ酵素の基質はルシフェリンであるが、他の任意の適切な基質であってもよい。次に、産生されたATPの量を使用して、元の溶液中に存在したAMPの量を決定することができる。任意に、この溶液中にピロリン酸があれば実質的にその全てを除去する工程を、ADPのATPへの変換の前および/または溶液中のATP量を決定するための生物蛍光反応を実行する前に、ピロホスファターゼを入れることにより行うことができる。
別の実施形態において、本発明は、ポリリン酸:AMPホスホトランスフェラーゼ(PAP)、ポリリン酸、アデニル酸キナーゼ(AK)、ルシフェラーゼ酵素、およびルシフェラーゼ酵素の基質を含む、溶液中のAMP量を測定するキットを提供する。任意に、本キットは、以下の成分のいずれかまたは全てを含むことができる:アデニル酸シクラーゼ(AC)、ピロホスファターゼ(PPase)、塩化マグネシウム、カルモジュリン、ATP、AMP、イソブチルメチルキサンチン(IBMX)、またはアミノアシルtRNAシンテターゼ。本キットはまた、ホスホジエステラーゼ(PDE)を含んでもよい。一実施形態において、PDEとしては、PDE1、PDE3、PDE4、PDE7、PDE10AまたはPDE11が考えられる。本キットはまた、ユビキチン化酵素およびユビキチンを含んでもよい。一実施形態において、ユビキチン化酵素としては、Ube1(E1)、UbcH5c(E2)またはCARP2(E3)が考えられる。本キットはまた、DNAリガーゼを含んでもよい。一実施形態において、DNAリガーゼは大腸菌DNAリガーゼである。本キットはまた、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を含んでもよく、任意に大腸菌NAD+依存型DNAリガーゼを含んでもよい。本キットはまた、SAHヒドロラーゼ(dydrolase)、アデノシンキナーゼ、およびメチルトランスフェラーゼを含んでもよい。一実施形態において、メチルトランスフェラーゼとしては、ヒストン−リジン N−メチルトランスフェラーゼ、(DNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼ、タンパク質イソアスパラギン酸メチルトランスフェラーゼまたはタンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼが考えられる。
本発明において記載されるAMP検出アッセイのスキームを示す。 実施例1において記載されるように本発明の方法および組成物を使用して行う、ATPの存在下または非存在下におけるAMP検出の直線性を示す。 150nMのE1および600nMのE2の存在下における100μMのATPおよび40μMのユビキチンを使用したE3リガーゼCARP2の滴定を示す。E3リガーゼの活性は実施例2において記載されるように本発明の方法および組成物を使用して決定した。 多様なcAMPホスホジエステラーゼの滴定を示す。実施例3において記載されるように1工程または2工程のアッセイで本発明の方法および組成を使用して、cAMP、PDE活性の検出を実行した。 実施例3において記載されるように本発明の方法および組成物を使用して行った、PDE 3Bに対する多様な阻害剤の滴定を示す。 実施例4において記載されるように本発明の方法および組成物を使用して検出したT4 DNAリガーゼ滴定を示す。 実施例4において記載されるように本発明の方法および組成物を使用して実証した、多様なニコチンアミドの基質に対する大腸菌DNAリガーゼの特異性を示す。 本発明において記載されるAMP検出アッセイを、異なるメチルトランスフェラーゼ活性の定量のためのSAH検出に対して適用した場合のスキームを示す。 実施例6において記載されるように本発明の方法および組成物を使用して行った、多様なメチルトランスフェラーゼ酵素活性の定量を示す。本発明は、A)リジンメチルトランスフェラーゼ(EHMT2−G9a)、B)アルギニンメチルトランスフェラーゼ(PRMT5)、およびC)DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT1)の活性を検出するために使用された。 実施例6において記載されるように各種基質ならびに本発明の方法および組成物を使用して行った、リジンメチルトランスフェラーゼ、EHMT2−G9aの滴定を示す。
本発明は、生物試料中のアデノシン一リン酸(AMP)の量および/または存在を検出かつ/または決定する組成物および方法を提供する。本発明はまた、生物試料中のAMP量を検出かつ/または決定することにより、たとえば、ホスホジエステラーゼ(PDE)、ユビキチンおよびユビキチン様活性化酵素(E1)、ユビキチンおよびユビキチン様結合酵素(E2)、ユビキチンおよびユビキチン様リガーゼ(E3)、DNAリガーゼ、アミノアシルtRNAシンテターゼ(ARS)、DNAメチルトランスフェラーゼ(DMT)およびタンパク質メチルトランスフェラーゼ(PMT)、タンパク質イソアスパラギン酸メチルトランスフェラーゼなどの様々な酵素の活性を検出または決定する組成物および方法を提供する。本発明はまた、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン三リン酸(GTP)といった他のヌクレオチドを含む混合物中のAMPを検出するために使用されてもよい。本発明の方法を、純粋な生化学的酵素反応中または細胞もしくは組織の抽出物の試料中のAMP量を検出または決定するために使用することができる。
本発明はまた、細胞もしくは組織の抽出物、尿もしくは血液などの液体試料、またはPDE、ARS、ユビキチン、もしくはDNAリガーゼなどの精製酵素が関与する生化学酵素反応など、AMPを含み得る任意の試料中のAMPを検出するために使用される組成物およびキットを提供する。本発明の組成物およびキットは、試料中に存在する実質的にすべてのATPを除去もしくは枯渇させるかまたは酵素反応が完了した後残存する酵素を含む。いくつかの実施形態において、本発明の組成物およびキットは、アデニル酸シクラーゼ(AC)、ポリリン酸:AMPホスホトランスフェラーゼ(PAP)、ピロホスファターゼ(PPase)、アデニル酸キナーゼ(AK)、ポリリン酸、ルシフェリン、およびルシフェラーゼ(Luc)を含む。他の実施形態において、本発明の組成物およびキットは、AMPをADPに変換する酵素およびこの酵素の基質をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、本発明の組成物およびキットは、ADPをATPに変換する酵素、および、ATPをルシフェリン−ルシフェラーゼ反応を介して発光シグナル、すなわち発光に変換する酵素をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、本発明の組成物およびキットは、酵素の存在の活性に必要であり得るポリリン酸、マグネシウム、およびカルモジュリンなどの緩衝成分および基質をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、本発明の組成物およびキットは、アデニル酸シクラーゼ(AC)などの酵素から産生されるピロリン酸を切断するピロホスファターゼをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、ADPをATPに変換する成分およびATPの検出(たとえばルシフェリン−ルシフェラーゼ反応)のための成分を、別々または同時に添加することができる。いくつかの実施形態において、ATPを除去または枯渇させる成分およびAMPをADPに変換するための成分を、別々または同時に添加することができる。
DNA、タンパク質、および小分子メチルトランスフェラーゼなどのメチルトランスフェラーゼの活性が検出または決定され、共通の基質がS−アデノシルメチオニン(SAM)であり共通の産物がS−アデノシルホモシステイン(SAH)である、いくつかの実施形態において、この産物SAHは、S−アデノシルホモシステインヒドロラーゼ(SAHH)およびアデノシンキナーゼ(AdK)などの酵素によりAMPに変換され、この基質は、GTPまたはdGTPである。いくつかの実施形態において、メチルトランスフェラーゼの活性を検出または決定する成分およびキットは、SAHH、AdK、およびGTPまたはdGTPをさらに含む。いくつかの実施形態において、本キットは、基質S−アデノシルメチオニンなど、メチルトランスフェラーゼの標準物質、および/または産物の形成をモニタリングするための標準物質としてのSAHをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、AMPのADPへの変換、ADPのATPへの変換のための成分、およびATPの検出(たとえばルシフェリン−ルシフェラーゼ反応)のための成分を、別々および同時に添加することができる。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、2工程の方法を提供し、第1の工程において、ATPを、アデニス酸シクラーゼ(AC)を使用して除去し(ATPは完全またはほとんどが除去され)、同時に、ポリリン酸:AMPリン酸トランスフェラーゼ(PAP)およびポリリン酸を使用して、試料中のAMPをADPに変換する。第2の工程において、産生されたADPを、アデニル酸キナーゼ(AK)を使用してATPに変換し、同時に、形成されたATPをルシフェリンおよびルシフェラーゼを含むATP検出試薬で検出し、発光シグナル、すなわち発光を生成させる。生成される発光の量は、第1の反応において産生されるAMPの量に比例する。いくつかの実施形態において、AMPの検出量は、試料中のPDE、ARS、DNAリガーゼ、DNAもしくはタンパク質メチルトランスフェラーゼ、タンパク質イソアスパラギン酸メチルトランスフェラーゼ、またはユビキチンリガーゼなどの酵素の酵素活性に相関する。
他の実施形態において、本発明の方法を、ATPおよび他のヌクレオチド三リン酸を含む試料中に存在するAMPをモニタリングするために使用することもできる。注目すべきことに、ATPを基質として使用するAC反応において、産生されるcAMPがAKおよびルシフェラーゼを使用する後続の反応に及ぼす影響はほとんどないかまたは皆無である。GTPおよびCTPは細胞もしくは組織の抽出物および生物試料中の主要なヌクレオチド三リン酸であり、それらのいずれもがホタルルシフェラーゼの基質としては弱いため、これらが試料中に存在する場合に起こる発光への干渉はごくわずかである。基質のホスホエノールピルビン酸とピルビン酸キナーゼ、基質のホスホクレアチンとクレアチンキナーゼ、およびポリリン酸キナーゼ(PPK)など、ADPをATPに変換する他の酵素を使用した場合も、同様の結果を得ることができる。いくつかの実施形態において、ピルビン酸ジキナーゼ(PPDK)などの酵素を使用してAMPをATPに1つの工程で直接変換することができる。ただしこの反応は、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、リン酸塩、界面活性剤、消泡剤などを含むルシフェラーゼ反応試薬にとって耐容し得るものではないことが示されている。
本発明の方法の長所は、簡単であり、高感度であり、堅牢であり、抗体の必要がなく、そして使用しやすいという点にある。本発明の別の利点として、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応試薬の組成は、ルシフェリンの類似体の影響が最小限となるよう高濃度のルシフェリンを含有しているため、蛍光化合物および/または他の化学物質からの干渉への懸念が最小限に抑えられることが挙げられる。さらに、本発明は、PAPおよびAKのリン酸の供与体として、ATPではなくポリリン酸を利用する。このことにより、リン酸の供与体としてATPを使用した場合に、ATPがルシフェラーゼの基質であるため、ATPがルシフェリンールシフェラーゼ反応に干渉することに起因する問題が回避される。したがって、唯一の発光源が、PAP/AKの組み合わせを介してATPへ変換される試料中のAMPから生成される。いくつかの実施形態において、ADPのATPへの変換およびルシフェリン−ルシフェラーゼ反応に必要な成分を、組み合わせる代わりに別々に添加することができる。
いくつかの実施形態において、ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応において使用されるルシフェラーゼ酵素は、たとえばPhotinus pyralis、Photuris pennsylvanicaなどのホタルルシフェラーゼなどのビートルルシフェラーゼ、ビートルルシフェラーゼの組み換え体、たとえば耐熱性および/もしくは耐薬品性としたビートルルシフェラーゼの変異体、またはATP、ルシフェリン、分子状酸素、マグネシウムもしくは他の任意の2価陽イオンを使用して発光を生成する任意のルシフェラーゼを本発明の方法において使用することができる。
いくつかの実施形態において、アデニル酸シクラーゼ(AC)は、百日咳菌(Bortedella pertussis)由来の百日咳毒素の組み換え活性断片とすることができる。他の実施形態において、例えば炭素毒素(cya,B. anthracis)といったコレラ菌(V.cholerae)、哺乳類のアデニル酸シクラーゼ、および他の供給源等の由来の他のAC供給源を、本発明の方法において使用することができる。他の実施形態において、カルモジュリンおよび2価の陽イオンなどのAC活性化剤が本発明の組成物および方法にさらに含まれてもよい。
本発明の組成物
本発明のいくつかの実施形態において、たとえば、PAPおよびポリリン酸といった、AMPをADPに変換する成分を含む組成物が提供される。他の実施形態において、AMPをADPに変換する組成物は、たとえば、ACおよびピロホスファターゼといった、試料中に存在するATPを除去または枯渇させる成分をさらに含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態において、たとえば、AKおよびポリリン酸といった、ADPをATPに変換する成分を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態において、ADPをATPに変換する組成物は、たとえば、ルシフェリンおよびルシフェラーゼといった、産生されるATPを検出するための成分をさらに含んでもよい。他の実施形態において、本発明の組成物は、1)ルシフェラーゼ、および2)ADPをATPに変換する1つ以上の酵素を含む。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、任意に、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、ADP変換酵素の基質、ルシフェラーゼの基質、AMPをADPに変換する酵素、AMPをADPに変換する酵素の阻害剤、および/またはAMPをADPに変換する酵素の基質を含む。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、1)アデニル酸シクラーゼ、2)ピロホスファターゼ、3)アミノアシルtRNAシンテターゼ(ARS)、DNAメチルトランスフェラーゼ、タンパク質メチルトランスフェラーゼ、小分子メチルトランスフェラーゼ、DNAリガーゼ、ホスホジエステラーゼ(PDE)、ユビキチンリガーゼ、ユビキチン活性化酵素およびユビキチン結合酵素などの酵素が関与する酵素反応の1つ以上の阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、本組成物は、S−アデノシルホモシステインヒドロラーゼ、アデノシンキナーゼ、PAP、AK、ルシフェラーゼなどの酵素を含む。いくつかの実施形態において、本組成物は、任意にアデニル酸シクラーゼの活性化剤を含む。いくつかの実施形態において、たとえば、ルシフェラーゼおよびルシフェリンを含む試薬といった、ATP検出試薬が提供される。いくつかの実施形態において、ルシフェラーゼおよびルシフェリンは凍結乾燥される。いくつかの実施形態において、ATP検出試薬は、凍結乾燥のための賦形剤、ルシフェラーゼといったタンパク質、安定剤、マグネシウムまたは代替的な陽イオン、およびマグネシウムキレート剤または代替的な陽イオンキレート剤をさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、アデニル酸キナーゼ(AK)/ルシフェリン−ルシフェラーゼ試薬といった、ADPをATPに変換する試薬およびATP検出試薬の添加の前に添加され得るPAPまたはACを阻害する化合物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、本組成物は、ルシフェリン−ルシフェラーゼ中のルシフェラーゼ活性に影響を与え得るピロリン酸を分解するピロホスファターゼをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、たとえば、ホモジニアスアッセイといった、単一の溶液、組成物、または試薬中に全ての成分を含む。いくつかの実施形態において、本組成物を、AMPが存在しているか、またはAMP生成反応が生じているかについて、AMPの存在しない対照を使用して検定することができる。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、緩衝物質、2価陽イオン金属キレート剤、マグネシウムまたは代替的な陽イオン、消泡剤、およびTHESITといった酵素安定剤をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、本発明の組成物の成分を、使用する直前に混合される別々の成分として供給してもよい。他の実施形態において、これら別々の成分は、成分のサブセットを含んでもよく、本発明の使用を支援するかまたは本発明の組成物の保存期間を延長させる任意の方法で組み合わせてもよい。
キット成分
いくつかの実施形態において、本発明のキットは、1)PAPおよびポリリン酸を含む、AMPをADPへ変換する組成物、ならびに2)AKおよびポリリン酸を含む、ADPをATPへ変換する組成物を含む。いくつかの実施形態において、AMPをADPに変換する試薬は、たとえば、ATPおよびAC産生型ピロリン酸を除去または枯渇させるためのACおよびピロホスファターゼといった成分をさらに含む。いくつかの実施形態において、本キットは、たとえば、ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含む試薬といったATP検出試薬をさらに含む。いくつかの実施形態において、本発明のキットは、生存率、細胞毒性、または細胞増殖を決定するといった、さらなるアッセイ試験の実行を支援する、個別の容器に入った試薬をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、ATPおよび/またはAMPが、検量線を決定できるようまたは内部標準として利用できるよう、本キット内に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、AMPを産生する反応の阻害剤または活性化剤であると知られている物質を、さらなる対照として含むことができる。他の実施形態において、本キットは、マルチウェルプレートならびに/またはPDE、リガーゼ、ARS、メチルトランスフェラーゼ、タンパク質イソアスパラギン酸メチルトランスフェラーゼ、アデニル酸シクラーゼといったAMP産生酵素、および/またはAMPをADPに変換する酵素、およびADPをATPに変換する酵素を含んでもよい。いくつかの実施形態において、本発明のキットは、リガーゼ、メチルトランスフェラーゼ、PDE、ARSなどの基質、緩衝物質、ならびに/またはアデニル酸シクラーゼの阻害剤および/または活性化剤を任意に含んでもよい。
いくつかの実施形態において、本発明のキットは、1)SAM(S−アデノシル−メチオニン)と、2)SAH(S−アデノシル−ホモシステイン)と、3)PAP、SAH−ヒドロラーゼおよびアデノシンキナーゼを含む、(AMPを介して)SAHをADPへと変換する組成物と、4)アデニル酸キナーゼ(ミオキナーゼ)を含む、ADPをATPへと変換する組成物と、5)たとえば、ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含むATP検出試薬とを含む。いくつかの実施形態において、本発明のキットは、アデニル酸キナーゼ(AK)/ルシフェリン−ルシフェラーゼ試薬といった、ADPをATPに変換する試薬およびATP検出試薬の添加前に添加し得る、アデノシンキナーゼ、PAP、またはACを阻害するための化合物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、本キットは、ルシフェリン−ルシフェラーゼのルシフェラーゼ活性に影響を与え得るピロリン酸を分解するピロホスファターゼをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、本発明のキットは、ホモジニアスアッセイキットといった、単一の溶液、組成物、または試薬中にすべての成分、組成物、または試薬を含む。いくつかの実施形態において、本キットの組成物を、AMPが存在しているか、またはAMP生成反応が生じているかについて、AMPの存在しない対照を使用して検定することができる。
いくつかの実施形態において、本発明のキットに含まれる試薬は、個々の成分を保存できかつそれ自体の材料によって成分を吸着したり変質させたりしないような任意の容器に入っていてもよい。
多くの生化学反応の共通産物としてのAMPの濃度を決定し、かつ/またはAMP形成をモニタリングするための堅牢なアッセイを作製するため、産生されるAMPを、PAPを使用してADPに変換すると同時に、AMPに産生するために利用する基質がATPである場合はそれを枯渇させる。ATPの枯渇は、アデニル酸シクラーゼおよびピロホスファターゼを組み合わせて使用することにより実行される。PAPの添加により産生されるADPを、アデニル酸キナーゼ(AK)を使用してATPに変換すると同時に、産生されるATPを、ATP検出試薬、たとえばルシフェリン−ルシフェラーゼ反応を使用して発光シグナル、すなわち、発光に変換する。この生物発光反応は、大量のプレートを用いた場合でも十分な感度を有し、安定したシグナルを発する。
材料
ウサギの骨格筋由来のミオキナーゼ(AK)(シグマ社カタログ番号 M3003)
ウサギの骨格筋由来のピルビン酸キナーゼ(シグマ社カタログ番号 P9136)
ホスホエノールピルビン酸(シグマ社 Cat#7127)
ウシ心臓由来のクレアチンホスホキナーゼ(シグマ社カタログ番号 C7886)
ウサギの筋肉由来のクレアチンホスホキナーゼ(シグマ社カタログ番号 C3755)
アデニル酸シクラーゼ(AC)は、活性AC部分を含むB.pertussisの毒素の組み換え断片であり、基質としてATPを使用した場合に活性を示した。ACはプロメガ社から入手した。
AMP 10mM(シグマ社 cat# A1752)
ヘキサメタリン酸ナトリウム。以下、ポリリン酸と称する。(シグマ社 Cat# P8510)
AMP Glo試薬I(ATP枯渇用/AMPからのADPへの変換用試薬):80mM トリス pH7.5、10U/ml カルモジュリン、2U/ml ピロホスファターゼ、0.1mg/ml Prionex、60U/ml HQタグAC、10mM MgCl2、8μg/ml HQタグ−PAPおよび40μM ポリリン酸
AMP Glo試薬II(ADPからATPへの変換用試薬):2KU/mlのAK、4mMのポリリン酸、3.2mMの硫酸アンモニウム pH6.0、および1mMのEDTA
AMP検出試薬:10μlのAMP Glo試薬IIを含む1mlのKinase−Glo(登録商標)試薬
Kinase−Glo試薬(プロメガ社):Kinase−Glo基質およびKinase−Glo(登録商標)緩衝液、DNAまたはタンパク質メチルトランスフェラーゼの基質(S−アデノシルメチオニン)(プロメガ社)の混合物
S−アデノシルホモシステインヒドロラーゼ(プロメガ社)
酵素反応産物であるS−アデノシルホモシステイン(SAH)をアデノシンに変換し、アデノシンをAMPに変換するアデノシンキナーゼ(プロメガ社)
方法
ポリリン酸−AMPホスホトランスフェラーゼ(PAP)のクローニングおよび発現
Acinetobacter johnsonii 210AのゲノムDNAを、細菌培養物から単離し、精製し、滅菌蒸留水中に溶解させた。プライマー5’−AAGTTTAAACTTAACGCCCGCTTTGGTTTA−3’(配列番号1)および5’−AAGCGATCGCACGGAACTCGCTATCACAAA−3’(配列番号2)、核酸混合物、ならびにTaq DNAポリメラーゼを含む反応において、単離したゲノムDNAをテンプレートとしてPCRを実行した。PCR断片を精製し、pGEM−T(登録商標)ベクター(プロメガ社)内にクローン化し、この組み換えプラスミドを、JM109細胞に形質転換し、適切な抗生剤を含むLBプレート上で増殖させた。良好に増殖した細菌コロニーを選択して、プラスミドの単離および精製のために培養物中で増殖させた。プラスミドDNAの検証は、制限酵素での消化により行った。正しいPAP配列がクローン化されたことを確認するため、アイオワ大学の設備を利用してDNAの配列を決定した。その後、PAPのDNAをpFN6K(HQ)Flexi(登録商標)発現ベクター(プロメガ社)内にサブクローニングし、カナマイシンを含むLB培地中で増殖中のJM109に形質転換した。プラスミドを単離し、制限酵素を使用して消化して、DNAの正確なサイズを検証した。BL21(DE3)細胞を、発現ベクターを使用して形質転換させ、OD600が0.4となるまでカナマイシンを含むLB培養液中で増殖させた。その後、この細菌培養物を、IPTG(0.1mM)で誘導し、さらに2時間培養した後、Fast Break溶解緩衝液(プロメガ社)を使用して溶解し、サイズ(55kDa)を検証した。大規模の細菌培養物を作製し、小規模の培養物について上に述べた方法で細菌を誘導し、溶解させた。PAP酵素を、HisLink樹脂(プロメガ社)を使用して細胞溶解液から精製し、350mMのイミダゾールで洗浄した後に、500mMのイミダゾールを使用して溶出し、外来性タンパク質を除去した。精製した酵素のサイズを、SDS−PAGEを介して検証した。AMPのADPへの変換により活性を確認し、HPLCを使用してADPの産生およびAMPの基質の消費を検証した。
PAPの活性アッセイ
pH8.0のトリス−HCl、40mMの(NH(SO)、4mMのMgCl、10μMのAMPおよび鎖の平均長が約750のリン酸残基である30μMのポリリン酸を含む標準反応混合物を作製した。この反応を、PAPの添加により開始し、37℃で実行した。形成されたADPを、HPLCならびに既知のAMP、ADP、およびATPの標準物質を使用して定量化した。産物のADPおよび残存するAMPのみが、クロマトグラム上で特定された。1分間に1マイクロモルのADPを産生する酵素量を1単位のPAPと定義する。
アデニル酸シクラーゼアッセイ
様々なアデニル酸シクラーゼ(AC)の活性を、pH7.5、60mMのトリス、10mMのMgCl、125nMのカルモジュリンおよび様々な濃度のATPの存在下で、30℃で30分間測定した。AC滴定に関連する実験を除いて、100ngのACを使用した。カルモジュリンのアンタゴニストを使用する場合は製造者の推奨事項にしたがって調製し、直接阻害の評価時にはAC反応に直接添加、ATP形成の間のAC阻害の評価時にはADPをATPに変換する反応に添加した。
AMP検出アッセイ
AMPを含む試料の試験によるAMP濃度の決定は、この試料がATPを含むか否かによって左右される。この試料がATPを含む場合、反応系の規模およびATPの濃度にもよるが、この試料を、たとえば、AMPをADPに変換する試薬(AMP Glo試薬I)といった、アデニル酸シクラーゼ、ピロホスファターゼ、マグネシウム、カルモジュリン、pH7.5のトリスまたはHEPES緩衝液、十分な量のPAP酵素(25ng/反応系25μL)、およびポリリン酸(40μM)を含む十分な量および濃度の試薬で処理する必要がある。室温、または25、30、37、40℃といった他の任意の適温で、ATPのcAMPへの変換、それと同時にAMPのADPへの変換を確実に完了させるのに十分な時間、この反応を実行する。好適には、この元の溶液中の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のATPが、ACにより変換される。さらに、好適には、元の溶液中の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%のAMPが、PAPにより変換される。ADPをATPに変換すると同時にATPを発光に変換する場合、ミオキナーゼ(AK、1U/検出試薬50μl)、ポリリン酸(40μM)、塩化マグネシウム(10mM)または他の2価陽イオン、ルシフェリンおよびルシフェラーゼ、ならびに他の成分を含むAMP検出試薬を添加することができる。生じる発光の量は、試料中に存在するAMPの量に比例する。あるいは、たとえば、ADPをATPに変換する試薬(AMP Glo試薬II)といったミオキナーゼ(AK、1U/検出試薬50μl)、ポリリン酸(40μM)、塩化マグネシウム(10mM)または他の2価の陽イオンを含む試薬を別途使用して、ADPのATPへの変換を実行することができる。その後、たとえば、ルシフェリン−ルシフェラーゼアッセイ試薬、たとえば、キナーゼ−Gloアッセイ試薬(プロメガ社)といったATP検出試薬を添加することによりATPを測定することができる。PDEアッセイなどの場合のようにATPが第1の反応中に存在しない場合、ATPの除去は重要ではなく、したがって、AMPのADPへの変換は、PAP、ポリリン酸、MgClといったマグネシウム、およびpH7.5のトリスまたはHEPESなどの緩衝液を含む試薬を使用して直接実行する。7.0、8.0、および9.0といった他のpHまたはこれらの値の間の任意のpHも、本発明の組成物において使用することができる。最後の工程において形成されるADPを、上述のようにATPに変換し、上述のようにルシフェリン−ルシフェラーゼ試薬、たとえばキナーゼ−Gloアッセイ試薬(プロメガ社)を使用してATPを発光に変換する。
実施例1:AMP検出アッセイ
AMP検出アッセイを、概して以下のように2つの工程で実行する。この実施例において、100μMのATPの存在下、または非存在下において、AMP滴定を反応緩衝液A(40mM トリス−HCl、pH7.5、20mMのMgClおよび0.1mg/mlのBSA)を含む25μl中で実行した。25μlのAMP−Glo試薬Iを、AMP試料に添加し、この混合物を、室温(23℃)で60分間インキュベートした。AMPを検出するために、50μLのAMP検出試薬(10μlのAMP−Glo試薬IIを含む1mlのKinase−Glo(登録商標)One溶液)を添加し、発光をルミノメーターで読み取る前に、この混合物を室温(23℃)で60分間インキュベートした。図2に記載されるAMP滴定を96ウェルプレート(Corning Costar(登録商標)、cat#3912)において実行した。
実施例2:ユビキチン酵素系
ユビキチン化酵素またはユビキチン化酵素系に関与する酵素との反応は、基質としてのATPの使用を含むものである。本発明の方法を、限定するものではないが、Ube1(E1)、UbcH5c(E2)、CARP2(E3)を含む代表的なユビキチン化酵素をアッセイするために使用し、基質としてユビキチンを使用した。酵素は、一揃いのキット(E3LITE customizable Ubiquitin Ligase Kit)として購入した。各酵素を、個別におよび同時に滴定し、E3ユビキチン反応緩衝液(反応緩衝液Aに0.2MのDTTを添加したもの)中で、この反応を実行した。AMPを、AMP Glo試薬Iを使用して変換し、その後ADPをATPに変換し、AMP検出溶液を使用してATPを検出した。簡潔に述べれば、E3−リガーゼの段階希釈液(CARP2、20倍)5ulを含むE3ユビキチン反応緩衝液を、384ウェルプレートのウェルに添加した。このCARP2反応を、E3ユビキチン反応緩衝液、100μMのATP、0.15μMのユビキチンE1活性化酵素、0.6μMのユビキチンE2結合酵素、および40μMの組み換え型ヒトユビキチンを含む5μlの混合物を添加することにより開始した。23℃で、120分インキュベートした後、AMPをADPに変換する試薬10μlを添加し、軌道振盪機上で2分間混合し、その後、室温で60分間インキュベートした。試料に対して、20μlのAMP検出試薬を添加し、この試料を室温で60分間インキュベートした。その後、ルミノメーター上で発光を検出した(図3)。この反応におけるAMPの産生量がユビキチン化、複合体化および/またはリガーゼ酵素活性に比例していたことが見いだされた。ユビキチンが存在しない場合、活性は認められなかった。したがって、本発明の方法を使用して、ユビキチン化に関与するすべての酵素、またはユビキチンン化酵素系に関与する任意の酵素の活性を変える化合物をスクリーニングすることができる。
実施例3:cAMPホスホジエステラーゼ(PDE)
PDE酵素は、基質としてATPを使用せず、代わりにcAMPを基質として使用する。本発明の方法において、限定するものではないが、PDE4、PDE1、2、3、PDE10AおよびPDE11を含むPDE酵素との反応を、最大100μMのcAMPの濃度で実行したところ、生じた発光の量は、飽和となるまで基質濃度に比例し、反応の線形範囲内で酵素量に比例した。この試料中のAMPは、イソブチルメチルキサンチン(IBMX)を添加したAMP−Glo試薬Iを使用してADPに変換した。IBMXは、ほとんどのPDEを阻害し、それによりPDE反応を終了させることが知られている。IBMXをAMP Glo試薬に加えることで、PDE反応の終了および産生されたAMPのADPへの変換が生じる。その後、産生したADPを、ATPに変換し、AMP検出試薬を使用してATPを検出した。簡潔に述べれば、cAMPに特異的なPDEでのcAMP滴定(図に示される量)を、pH7.5、40mMのトリス−HCl、10mMのMgCl、および0.1mg/mlのBSAを含む反応緩衝液中で実行した。PDE反応を、23℃で60分間、5μlで実行した。インキュベーションの後、AMPをADPへと変換する試薬5ulに500μMのIBMXを添加したものを加え、軌道振盪機上で2分間混合し、その後、室温で60分間インキュベートした。この試料に対して、10ulのAMP検出試薬を添加し、再びこの試料を室温で60分間インキュベートした。その後、発光をルミノメーターで検出した(図4)。このPDE反応およびAMPのADPへの変換は、10μlの反応系にPDE、cAMPおよびAMP−Glo試薬Iを混合し、10μlのAMP添加試薬を添加する前に、室温で60分間インキュベートすることにより1工程で実行することが可能である。この反応を、384ウェルの低容量ウェルプレート(Corning Costar(登録商標)cat #3674)にて実行した。
異なるPDE 3B阻害剤を含む反応も上述のように実行したところ、本発明の方法で得られた阻害剤のIC50濃度は、文献に報告された濃度(1.5〜2.0μM)と同程度であった(図5)。このアッセイはまた、LOPACライブラリーの1280種類の化合物に対してスクリーニングした際、誤検出が非常に少なく、高いZ’値を示したことにより堅牢性も確認された。
実施例4:細菌および真核生物のDNAリガーゼ
DNAリガーゼは、基質としてNAD(細菌)またはATP(ウイルスおよび真核生物)を使用するが、両酵素は、産物の1つとしてAMPを産生する。大腸菌のDNAリガーゼおよび合成オリゴまたはラムダDNA Hind III断片を使用し、NAD(100μM)の存在下においてDNAの連結を実証した。大腸菌のDNAリガーゼ反応を、384ウェルプレートを使用し、pH8.0、25mMのトリス−HCl、5mMのMgCl、10mMの(NHSO、1mMのEDTAおよび異なる量のニコチンアミド(NAD、NADH、NADPおよびNADPH)を添加した0.1mg/mlのBSA、10μMのオリゴを含む緩衝液中で実行した。この大腸菌DNAリガーゼ反応は、5μlの体積での反応につき2Uを使用して実行し、この反応系を、23℃で20分間インキュベートした後、5μlの試薬Iを添加することにより、23℃で60分間反応させた。試薬Iの反応の後、10μlのAMP検出溶液を添加し、23℃で60分インキュベートした後、発光を読み取った。結果は、大腸菌のDNAリガーゼが、ニコチンアミド補因子としてNADに特異的に依存することを示している(図6)。
上述と同様のアッセイ条件を使用し、EcoRI−線形化ベクター(pBR322)を使用して、T4 DNAリガーゼ(プロメガ社)活性を検出した。pH8.0、30mMのトリス−HCl、10mMのMgCl、10mMのDTT、100μMのATPを含む緩衝液中で、60分間EcoR1で前処理した0.5μgのpBR322ベクターの存在下で、T4 DNAリガーゼ滴定を実行した。T4 DNAリガーゼ反応を、23℃で、30分間、10μlの反応系中で実行し、その後、23℃でさらに60分間、10μlの試薬Iを添加して反応させた。試薬Iの反応の後、20μlのAMP検出試薬を添加し、23℃で60分反応させた後、この発光を読み取った(図7)。
実施例5:細胞および組織の抽出物中のAMPの決定
本発明の方法は、組織抽出物中のAMPの存在および/または量を決定するためにも使用される。AMP Glo試薬Iを使用して、試料中に存在するATPがあればそれを除去し、また同試薬を用いて存在するAMPをADPに変換した後、ADPをATPに変換し、AMP検出溶液を使用してATPを検出した。その後、この試料を、AMP単独(PAPおよびAKを含む)での変換について試験し、AKのみを含む試料と比較する。この差異をAMPとして表した。
実施例6:AMP検出を介したメチルトランスフェラーゼの検出または定量
たとえば、DNAまたはタンパク質メチルトランスフェラーゼといったメチルトランスフェラーゼを使用し、基質としてS−アデノシルメチオニン(SAM)を使用して、DNAまたはタンパク質のメチル化を実行する。S−アデノシルメチオニン(SAM)は共通の基質であり、S―アデノシルホモシステイン(SAH)は、メチルトランスフェラーゼの共通の産物であるため、本発明の方法は、SAHヒドロラーゼを使用したSAHのアデノシンへの変換、およびアデノシンキナーゼを使用したアデノシンのAMPへの変換を伴うものとなる。産生されるAMPの量を、本明細書に記載される方法および組成物を使用して検出し、かつ/または決定することとなる。
異なるメチルトランスフェラーゼ活性の定量
反応緩衝液(pH8.0、20mMのトリス−HCl、50mMのNaCl、1mMのEDTA、3mMのMgCl2、1mMのDTTおよび0.1mg/mlのBSA)中で、異なる量の酵素および以下の基質/酵素の組み合わせの存在下において、メチルトランスフェラーゼ反応を実行した(図9abc):50μMのSAMおよび50μMのH3ペプチド(1−25)とEHMT2−G9a、50μMのSAMおよび50μMのH4(1−20)ペプチドとPRMT5複合体、ならびに、10μMのSAMおよび0.1μMのDNAオリゴとDNMT1。すべてのメチルトランスフェラーゼ滴定アッセイは、25μMのdGTPと変換酵素であるSAH−ヒドロラーゼおよびアデノシンキナーゼを含む5μlの反応系中で、37℃で120分間実行し、その後、5μlの試薬Iを添加して、23℃でさらに60分間反応させた。試薬Iの反応の後、20μlのAMP検出試薬を添加し、23℃で60分間反応させた後、発光を読み取った(図9)。
異なる基質とのDOT1L滴定反応を、反応緩衝液(pH8.0、20mMのトリス(Tri)−HCl、50mMのNaCl、1mMのEDTA、3mMのMgCl2、1mMのDTTおよび0.1mg/mlのBSA)中、20μMのSAM、および20μMのH3(21−44)ペプチド、ヒストンH3完全長タンパク質またはヌクレオソームのうちのいずれかの存在下で実行した。上記のメチルトランスフェラーゼアッセイと同様に、DOT1Lアッセイは、25μMのdGTPと変換酵素であるSAHヒドロラーゼおよびアデノシンキナーゼを含む5μlの反応系中、37℃で120分間実行し、その後、5μlの試薬Iを添加し、23℃で60分間さらに反応させた。試薬Iの反応の後、20μlのAMP検出試薬を添加し、23℃で60分反応させた後、この発光を読み取った(図10)。
実施例7:タンパク質中のアスパラギンの脱アミド化またはアスパラギン酸残基の再配列の検出
長期間のタンパク質の保存および操作の間、アスパラギン残基の脱アミド化およびアスパラギン酸残基の再配列は、異なるレベルで頻発し、イソアスパラギン酸塩への変換をもたらす。生物製剤の分野においては、抗体といった治療用タンパク質の非酵素的脱アミド化のレベルをモニタリングすることが非常に重要である。タンパク質上のイソアスパラギン酸塩レベルの検出を目的として、タンパク質イソアスパルチルメチルトランスフェラーゼ(PIMT)を使用して標的タンパク質中のイソアスパラギン酸残基の存在を特定的に検出することができる。PIMTは、S−アデノシル−L−メチオニン(SAM)からイソアスパラギン酸にメチル基を転移し、本発明の方法および組成物により検出することのできるS−アデノシルホモシステイン(SAH)を産生する。
実施例8:アミノアシルtRNA−シンテターゼ(ARS)アッセイ
本発明の方法および組成物は、アミノアシルtRNAシンテターゼ(ARS)の活性をモニタリングするために使用することも可能である。それはATPおよび他の基質がこの酵素反応の成分であり、AMPがこの反応の産物であり、かつこの反応からのAMPの産生量がARS活性に比例するためである。
ここまで本発明を特定の具体的かつ例示的な実施形態により説明したが、当業者にとって、多くのさらなる変更および改変が可能であることは本開示から明白であろう。すなわち、本発明は、特に記載した以外の方法で実施してもよいことが理解される。よって、本発明の例となる実施形態は、あらゆる点において例示的なものであって限定するものではないとみなされるべきであり、本発明の範囲は、ここまでの記載ではなく、本出願により裏付けられるあらゆる特許請求の範囲、およびそれらの均等物により決定されると考えるべきである。

Claims (47)

  1. 溶液中のアデノシン一リン酸(AMP)量を決定する方法であって、
    i)AMPをアデノシン二リン酸(ADP)に変換することのできる第1の酵素を使用して、前記溶液中の実質的に全てのAMPをADPに変換する工程と、
    ii)ADPをアデノシン三リン酸(ATP)に変換することのできる第2の酵素を使用して、前記溶液中の実質的に全てのADPをATPに変換する工程と、
    iii)工程(ii)の後に、ルシフェラーゼ酵素および前記ルシフェラーゼ酵素の基質を利用する生物発光反応を使用して、前記工程(ii)において産生したATPの量を決定する工程と、
    iv)前記産生したATPの量を使用して、工程(i)の前の前記溶液中に存在したAMPの量を決定する工程と
    を含む、方法。
  2. 前記第1の酵素が、ポリリン酸:AMPホスホトランスフェラーゼ(PAP)である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶液が、工程(i)においてポリリン酸をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第2の酵素が、アデニル酸キナーゼ(AK)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程(ii)が、工程(i)と同時である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程(ii)が、工程(i)の後である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程(i)の前に、アデニル酸シクラーゼ(AC)で、前記溶液中の実質的に全てのアデノシン三リン酸(ATP)をサイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)およびピロリン酸に変換する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程(i)の前に、ホスホジエステラーゼ(PDE)で、前記溶液中のcAMPをAMPに変換する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程(i)と同時に、ホスホジエステラーゼ(PDE)を使用して、前記溶液中のcAMPをAMPに変換する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記PDEが、PDE1、PDE3、PDE4、PDE7、PDE10A、およびPDE11からなる群から選択される、請求項8または9に記載の方法。
  11. 工程(i)の前に、ユビキチン化酵素およびユビキチンで、前記溶液中のATPをAMPに変換する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記ユビキチン化酵素が、Ube1(E1)、UbcH5c(E2)およびCARP2(E3)からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 工程(i)の前に、DNAリガーゼで、前記溶液中のATPをAMPに変換する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記DNAリガーゼが、真核生物またはウイルスのDNAリガーゼである、請求項13に記載の方法。
  15. 工程(i)の前に、DNAリガーゼで、前記溶液中のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)をAMPに変換する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  16. 工程(i)と同時に、DNAリガーゼで、前記溶液中のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)をAMPに変換する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記DNAリガーゼが、大腸菌のNAD+依存型DNAリガーゼである、請求項15または16に記載の方法。
  18. a)メチルトランスフェラーゼを使用して、前記溶液中のS−アデノシルメチオニン(SAM)をS−アデノシルホモシステイン(SAH)に変換する工程と、
    b)SAHヒドロラーゼを使用して、前記SAHをアデノシンに変換する工程と、
    c)アデノシンキナーゼを使用して、前記アデノシンをAMPに変換する工程と
    をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  19. 工程i)の前に、工程a)、b)、およびc)を実行する、請求項18に記載の方法。
  20. 工程i)およびii)と同時に、工程a)、b)、およびc)を実行する、請求項18に記載の方法。
  21. 前記メチルトランスフェラーゼが、ヒストン−リジン N−メチルトランスフェラーゼ、(DNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼ、タンパク質イソアスパルチルメチルトランスフェラーゼおよびタンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼからなる群から選択される、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 工程(i)の前に、アミノアシルtRNAシンテターゼを使用して、前記溶液中のATPをAMPに変換する工程を実行する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記方法が、工程(ii)、(iii)、および(iv)の前に、産生される実質的に全てのピロリン酸を除去する工程をさらに含む、請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
  24. 工程(ii)または(iii)の前に、阻害剤を含む組成物で、アデニル酸シクラーゼを阻害する工程をさらに含む、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記アデニル酸シクラーゼが、完全長の細菌アデニル酸シクラーゼの活性断片である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記アデニル酸シクラーゼが、細菌のアデニル酸シクラーゼの活性組み換え断片である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記アデニル酸シクラーゼが、細菌のアデニル酸シクラーゼである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記細菌のアデニル酸シクラーゼが、百日咳菌(Bortedella pertussis)または炭疽菌(Bacillus anthracis)由来である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記ルシフェラーゼ酵素の基質が、ルシフェリンである、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 溶液中のAMPの量を測定するキットであって、
    i)ポリリン酸:AMPホスホトランスフェラーゼ(PAP)と、
    ii)ポリリン酸と、
    iii)アデニル酸キナーゼ(AK)と、
    iv)ルシフェラーゼ酵素と、
    v)前記ルシフェラーゼ酵素の基質と
    を含む、キット。
  31. アデニル酸シクラーゼ(AC)をさらに含む、請求項30に記載のキット。
  32. ピロホスファターゼ(PPase)をさらに含む、請求項30または31に記載のキット。
  33. 塩化マグネシウムをさらに含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載のキット。
  34. カルモジュリンをさらに含む、請求項30〜33のいずれか1項に記載のキット。
  35. ATPおよびAMPをさらに含む、請求項30〜34のいずれか1項に記載のキット。
  36. ホスホジエステラーゼ(PDE)をさらに含む、請求項30〜35のいずれか1項に記載のキット。
  37. 前記PDEが、PDE1、PDE3、PDE4、PDE7、PDE10A、およびPDE11からなる群から選択される、請求項36に記載のキット。
  38. イソブチルメチルキサンチン(IBMX)をさらに含む、請求項36または37に記載のキット。
  39. ユビキチン化酵素およびユビキチンをさらに含む、請求項30〜38のいずれか1項に記載のキット。
  40. 前記ユビキチン化酵素が、Ube1(E1)、UbcH5c(E2)およびCARP2(E3)からなる群から選択される、請求項39に記載のキット。
  41. DNAリガーゼをさらに含む、請求項30〜40のいずれか1項に記載のキット。
  42. 前記DNAリガーゼが、大腸菌のDNAリガーゼである、請求項41に記載のキット。
  43. ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)をさらに含む、請求項41または42に記載のキット。
  44. 前記DNAリガーゼが、大腸菌のNAD+依存型DNAリガーゼである、請求項43に記載のキット。
  45. メチルトランスフェラーゼ、SAHヒドロラーゼ、およびアデノシンキナーゼをさらに含む、請求項30〜44のいずれか1項に記載のキット。
  46. 前記メチルトランスフェラーゼが、ヒストン−リジン N−メチルトランスフェラーゼ、(DNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼ、タンパク質イソアスパルチルメチルトランスフェラーゼおよびタンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼからなる群から選択される、請求項45に記載のキット。
  47. アミノアシルtRNAシンテターゼをさらに含む、請求項30〜46のいずれか1項に記載のキット。
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