JP2016147796A - 低い脆性および高い固有強度を有するホウケイ酸ガラス、その製造、およびその使用 - Google Patents

低い脆性および高い固有強度を有するホウケイ酸ガラス、その製造、およびその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】高められた強度を有するアルカリホウケイ酸ガラスの提供。【解決手段】SiO2:70〜86質量%、Al2O3:0〜5質量%、B2O3:9.0〜25質量%、Na2O:0.5〜5.0質量%、K2O:0〜1.0質量%、Li2O:0〜1.0質量%、並びに、0〜5.0質量%のさらなる成分、を含むアルカリホウケイ酸ガラス。これらの成分の割合は、重み付け架橋指数(すなわち、1原子あたりの平均拘束数n)が、2.9を超える、好ましくは2.91を超える、より好ましくは2.92を超える、最も好ましくは2.93を超える値を有するように選択される。【選択図】なし

Description

本発明は、強いアルカリホウケイ酸ガラス、ならびにその製造方法およびその使用に関する。
アルカリホウケイ酸ガラスは、それ自体公知であり、例えば、Duran、Borofloat 33、またはパイレックスなどの商標名において市販されている。例えば、Duranは、80.2質量%のSiO2、13.4質量%のB23、2.3質量%のAl23、3.5質量%のNa2O、および0.6質量%のK2Oを含有する。
アルカリホウケイ酸ガラスは、温度変化に対する低い感度、並びに高温までの形状安定性によって特徴付けられる。さらに、このタイプのガラスは、液体との接触において非常に優れた耐化学薬品性を示す。この理由から、これらのガラスは、家庭用および商業用ガラスとして多くの用途に用いられている。これらの種類のガラスは、特に実験室において利用することができるが、産業機器の構築においても利用することができる。したがって、例えば、あらゆる長さのガラスパイプラインが、廃水ガスに対して、または侵食性の化学薬品の輸送に対して使用されている。別の使用が医薬品業界において見出される。
アルカリホウケイ酸ガラスは、電気絶縁性のために電気工学においても利用することができる。
ガラスは、建物建設において(例えば、建物正面の設計、手摺り要素、屋根、ドア、または間仕切り壁などのために)、ますます幅広く使用されることになるであろう。これは、結果として、火災発生時の危険性を増加させる。従来の平板ガラスは、片面が熱に短時間晒された場合でさえ激しく破砕し、その結果、大面積の破片が落下することとなり、ならびに炎が隣接する部屋へ広がることが可能となる。これを防ぐために、ワイヤーメッシュを挿入することによってガラス板の破砕を防ぐことが、早くから既に試みられており、それにより、ガラス板が割れた場合でさえ、それらの破片は、ワイヤーメッシュによって構造内の適所に保持される。
耐火クラスGおよびF(DIN 4102 Part 13 (ISO 834))を満たす耐火性ガラスも、既に開発されている。これは、クラスG30、G60、G90、およびG120に割り当てられるために、枠および取り付け台を含む窓ガラスが、標準的な温度−時間曲線(UTTC)に従って、少なくとも30分間、または60分間、90分間、または120分間、炎および燃焼ガスの侵入を防ぐことを必要とする。類似の規定が、クラスF30、F60、F90、およびF120に当てはまる。その上、耐火クラスFの場合、ガラスは、炎に対して反対側の面において、初期温度から平均して140℃を超えて熱せられることはない。
プレストレス加工されたアルカリホウケイ酸ガラスで作製された耐火性窓ガラスも公知であり、耐火クラスGおよびF用に市販されている。これらの窓ガラスは、例えば、3.3・10-6-1の低い長手方向線熱膨張係数を有する。この低い長手方向線熱膨張係数は、火災の際にガラス内に生じる熱応力を減少させ、それにより、そのようなガラスは、より長い耐火時間と、それと同時に、より小さい端部距離または端部深さを可能にする。しかしながら、これらのガラスは、長手方向線熱膨張係数が低いという理由で、従来の空気式温度調整装置では非常に小さいプレストレスしかガラス中に導入することができず、そのため、これらのガラスは、一般的に、例えば前述のDIN 1249などの安全ガラスに課せられた所望の要件を満たさないという欠点を示す。
この理由から、3.5・10-6-1を超える熱膨張係数を有するアルカリホウケイ酸ガラスが、既に開発されている。このタイプのガラスは、例えば、独国特許出願公開第4230607(A)号に記載されている。欠点は、これらのガラスのZrO2の必要含有量である。これらのガラスは、例えば、ZrO2の非溶融残留物などが原因で、熱的プレストレス加工または焼き戻しの際に、自然発生的に破砕する傾向を示すことが見出されている。
焼き戻し可能な耐火性安全ガラスに課せられた要件を満たす、耐火性窓ガラス用のアルカリホウケイ酸ガラスが、独国特許出願公開第4325656(A)号にも記載されている。これらのガラスも、欠点が無いわけではない。これらのガラスの場合、例えば、フロート法を用いた成形プロセスの際、ガラス溶融物中に存在するZn2+は、強い還元状況(フロート浴中の酸素分圧p(O2)が10-10bar未満)に起因して、ガラスシートの表面においてZn0へと還元されることが見出されている。しかしながら、Zn0は、容易に揮発することができるので、それはガラスから昇華し、フロート浴内において構成部品(例えば、アシストローラーなど)の上で凝縮し、プロセス中に面倒な作業においてそれらを繰り返しクリーニングしなければならない。その上、昇華されない還元Znは、平板ガラスの表面上に被膜を形成し、これが、ガラスの品質を大いに損なう。
その上、このタイプのガラスは、必ず、ZrO2を含有し、これは、上記において述べられているように、少量の溶融されていないZrO2/ZrSiO4または二次的に結晶化したZrO2/ZrSiO4でさえ、焼き戻しの際の自然発生的な破砕の原因となるという、耐火性安全ガラスにおける欠点を示す。さらに、ZrO2は、溶融挙動を悪化させ、結果として、実質的により高いエネルギーコストの原因となる。
独国特許出願公開第19515608(A)号には、3.9〜4.5・10-6-1の長手方向線熱膨張係数を有するアルカリホウケイ酸ガラスについて記載されている。このガラスは、とりわけ、コールドトップ条件下での完全電気溶融に適している。しかしながら、ZrO2も、このガラスの成分として必ず必要であり、そのため、当該ガラスは、既に言及されている理由から、耐火性安全ガラスとして最適ではない。
3.39・10-6-1〜5.32・10-6-1の範囲の膨張率を有する硬度に焼き戻し可能なガラスについても、独国特許出願公開第2756555(A)号に記載されている。これらのガラスは、転移温度より高い温度での意図的に選択された高い熱膨張係数という欠点を示す。これは、例えば、転移温度より低いがそれに近い温度でのコーティングプロセスの際など、熱的応力が加えられるような場合には、寸法安定性における問題の原因となる。
高い耐化学薬品性を有するガラスが、独国特許出願公開第4430710(A)号に記載されている。しかしながら、これらのガラスは、溶融させることおよび高密度を示すことが困難である。
欧州特許出願公開第0576362(A)号には、耐火性窓ガラス用の、熱的に安定で耐化学薬品性のアルカリホウケイ酸ガラスについて記載されている。しかしながら、このガラスは、>600℃の高い転移温度のために、従来の空気式温度調整装置では焼き戻しすることができないという欠点、ならびに溶融温度範囲での低粘度(およそ1,450℃においてlog(η/cP)=2)のために、多くの清澄剤(例えば、NaClおよびKClなど)を使用することができない、という欠点を示す。
これは、塩化ナトリウムの清澄には溶融温度も低すぎる特開昭61−024344にも当てはまる。その上、フロート法での形成において必ず必要な当該比率のV25は有害であり、なぜなら、この場合、V5+イオンがフロート浴において還元されるためである。さらに、当該V25は、求められる非常に高い光透過率に対しても非常に有害な影響を有する。
最後に、良好な耐火性および耐熱衝撃性を有するアルカリホウケイ酸ガラスが、米国特許第5,776,844(A)号に記載されている。しかしながら、この場合、長手方向線熱膨張係数は、8.0・10-6-1〜9.5・10-6-1にあり、歪点は、通常のソーダ石灰ガラスよりおよそ25Kだけ高い温度にある。さらに、当該ガラスは、低含有量のSiO2を有する。このタイプのガラスは、多くの場合、高含有量のSiO2を有するアルカリホウケイ酸ガラスと比較して、比較的低い耐化学薬品性を示す。
独国特許出願公開第19643870(A)号には、イオン交換によって化学的にプレストレス化されたアルカリホウケイ酸ガラスについて記載されている。特殊なガラスで作製された誘導式レンジ台上面の応用分野への可能性が、特開2003−086337(A)、特開2003−217811、国際公開第2003/098115(A1)号、独国特許出願公開第10243500(A1)号、独国特許発明第10122718(C2)号、独国特許出願公開第10150884(A1)号、独国特許第10355160号、英国特許出願公開第2079119(A)号、米国特許第6、051、821(A)号、国際公開第2004/018944(A1)号、および国際公開第2012/146860(A1)号明細書に記載されている。
本発明の範囲内のさらなる明細書は以下の通りである:独国特許出願公開第3722130(A1)号、独国特許発明第4012288(C1)号、欧州特許第0588000(B1)号、国際公開第96/33954(A2)号、特開平8−3145637、特開平8−9093437、旧ソ連特許出願公開第1284959(A)号、独国特許発明第4428235(C1)号、独国特許出願公開第1496637(A)号、仏国特許出願公開第2389582(A1)号、特開平8−2160938、独国特許出願公開第588643(A)号、独国特許出願公開第2413552(A1)号、欧州特許第1314704(B1)号、および国際公開第2012/146860(A1)。
発明の課題
本発明の目的は、上記において説明した欠点および問題を克服すること、ならびに、熱的に高い応力が加わる用途(例えば、家庭用部門において、熱分解炉用の視界窓として、誘導式レンジ台上面として、マイクロ波機器の機能プレートとして、耐火性グレージングとして)、機械的に高い応力が加わる用途(耐圧性グレージング用の板ガラスとして、対衝撃用グレージングとして)、および建築用部門での静的に高負荷可能な建築用構成要素にとって、好適なホウケイ酸ガラスを提供することである。当該プロセスにおいて、当該ガラスは、その強度に課せられた要件を満たすために焼き戻しまたは化学的プレストレス加工を施す必要がないように形成される。
したがって、少なくとも400℃の耐熱性を有する材料が必要である。当該製品の1年間の使用中に、熱的に誘起された応力による破砕が生じないように、材料の強度は十分に高く、ならびに熱膨張は十分に低くなければならない。その上、関連基準(例えば、EN 60335)の強度要件が満たされるものとする。
さらに、材料は、透明で、非常にわずかの固有色しか有さないことが望まれる。
その上、材料は、さらに、酸(例えば、食品汚染によって生じる)およびアルカリ金属腐食(例えば、洗浄剤への曝露によって生じる)に対して非常に良好な耐化学薬品性を有することが望まれる。
その上、当該ガラスは、耐火性ガラスに課せられる要件も満たされるものとする。
これらの材料の上面および/または下面にコーティングを施すことも可能であり、それは、製品の耐用年数の間に、当該コーティングに対して、上記に一覧される要件も満たされるような方法においてである。
最後に、可能な限り、全ての従来のタブ組み立て品(tub assemblies)において当該ガラスを容易に溶融させることが可能であり、ならびに、タブから排出することなく、デュラン/パイレックスタイプのガラスまたは本発明によるガラスと同様の密度を有するガラスにおいて、問題を生じることなく、連続した交換を可能にすることが可能である。形成工程は、ローリング法、フロート法、アップドロー法、またはダウンドロー法によって実現可能でなければならない。
これら前述の特性を有する材料は、特殊なアルカリホウケイ酸ガラスおよび特殊なリチウムアルミノケイ酸ガラスにおいて見出されている。この意図される目的のための、アルカリホウケイ酸ガラスの使用が、既に、英国特許出願公開第207911(A)号に記載されているが、しかしながら、例えば、81.1%のSiO2、3.0%のNa2O、13.5%のB23、2.2%のAl23の組成と、3.3・10-6-1〜4.0・10-6-1の膨張係数とを有する、そこに記載の材料は、従来の空気式温度調整装置においてならび耐熱性および強度に課せられた言及された要件を満たすことができる方法において、焼き戻しすることができることが知られている。同じことが、国際公開第2012/1468600(A1)号に記載のガラスに対しても有効である。ガラス物品を後で焼き戻しまたは化学的プレストレス加工しないと、ガラスの表面強度は低すぎる。他の従来の商業的な平板ホウケイ酸ガラスは、当該要件を満たさない。
課題の解決
上記において言及した目的は、独立請求項の主題によって達成される。有利な本発明の強化は、それぞれの従属請求項において提示される。
概して、当該目的を達成するために、以下の組成:
SiO2 70〜86質量%、
Al23 0〜5.0質量%、
23 9.0〜25質量%、
Na2O 0.5〜5.0質量%、
2O 0〜1.0質量%、
Li2O 0〜1.0質量%、ならびに
0〜5.0質量%のさらなる成分
を有するアルカリホウケイ酸ガラスが使用される。
通常のアルカリホウケイ酸ガラスの概して良好な耐化学薬品性に対して、当該アプローチは、Borofloat 33などの既知のガラスとは対照的に、ガラスの脆性を減じることに焦点を合わせている。本発明の別の態様によれば、提示した目的は、固有強度を増加させることでもある。本発明のさらなる別の態様によれば、これら2つの標的パラメータ以外に、高すぎない溶融温度も、さらなる追加の標的パラメータとして目的とされる。
このために、以下の理論上の考察および計算を行ったが、これらは、強度特性をガラス基材の物理的パラメータと相関させる。
これらの考察の第一により、固有強度と熱膨張係数との間の関係を確立するが、驚くべきことに、これは、実験と比較して、その桁および予測される傾向の両方に関して妥当であることが判明する。それにより、固有強度と熱膨張係数との間の近似において反比例が適用され、それにより、例えば、これは、結果として、Borofloat 33(すなわち、33・10-7-1)から10%低い値(すなわち、30・10-7-1)への熱膨張係数の引き下げを生じ、ならびに、結果として、およそ10%の固有強度における増加を生じる。
上記の考察の第二は、脆性と1原子あたりの平均重み付け拘束数との間の関係を確立する。この平均重み付け拘束数は、追加の表値(例えば、電気陰性度および結合強度など)が含まれる一次関数により当該組成に関係付けられている。このようにして、第二の条件に到達するが、これは、1原子あたりの平均重み付け拘束数の増加を介して、脆性における所望の減少から好適な組成領域へと導く。
第三の条件は、最大に所望される溶融温度から導かれる。
以下において、上記において一般的な言葉において提示された当該考察および本発明についてさらに説明する。
強度に関して、述べたように、特に固有強度は、最初に考察されるであろうが、この場合、本発明に関して、当該強度とは、新たに製造された状態の材料によって示される強度であることは理解されたい。このパラメータの測定は、例えば、新たに形成したガラスファイバーにおいて実施することができる。ガラス表面が、その製造後に好適なコーティングによって、または一般的に、表面処理によって、微小な損傷から保護される場合、この固有強度も、その使用にとって重要である。
当該固有強度が膨張係数によって著しく影響され、そのため、可能な限り強いアルカリホウケイ酸ガラスを提供するという目的は、好適な(示されるように、可能な限り低い)膨張係数を有するアルカリホウケイ酸ガラスによって達成されることが以下において示されるであろう。
H.Foell,講演記録「Einfuehrung in die Materialwissenschaft I」(Introduction to Materials Science I),Christian Albrechts University Kielによれば、固有強度の限界は、原子が原子間ポテンシャルの変曲点までお互いに引き離されるときに達せられる。原子間ポテンシャルU(r)は、例えば、モースポテンシャルによって説明することができる。
簡潔化のため、応力の向きにおける相互作用のみを考慮し、横方向の影響は無視する。結果として、当該構造は、断面積r0 2を有する角柱に分割することができ、この場合、r0は、原子の平衡分離距離である。
外側から加えられた原子カラムあたりの力が、ポテンシャルの変曲点WP(これは、外側から加えられた応力の場合、この応力がr0 2で除された負の導関数に等しいことが必ず成立することを意味する)でのUの導関数の値の大きさを取る場合、破砕が生じる。
Figure 2016147796
さらなる計算のために、Uは、平衡位置r0の周りにおいて三次のTaylor級数へと展開され、x=r−r0である。
Figure 2016147796
すなわち、Taylor級数の異なる次元またはr0でのUの異なる導関数は、本質的に、様々な物理パラメータ、すなわち、弾性率による二階導関数ならびに熱膨張係数による三階導関数に関係している。
両方とも、最終的に、臨界応力(したがって固有強度も)と膨張係数との間の関係を得るために、以下において説明されるであろう。
正の熱膨張を得るために、ポテンシャルの三階導関数U0’’’は負でなければならない。関係の詳細については、以下において詳細に説明されるであろう。
上記において言及した講演記録によれば、以下は正当である。
Figure 2016147796
ここで、Eは弾性率であり、ならびにr0 3は1原子あたりの体積である。
本発明は、熱膨張係数が以下のように記述することができるという認識に基づいている。
Figure 2016147796
上記の講演記録において、簡素化する関係が用いられており、ここで、原子あたりおよび寸法あたりの比熱のためにボルツマン定数「k」が使用される。これと対照的に、式(4)において、本発明による計算は、(cv・ρ・r0 3/3)を用いて実施されており、この場合、cvは単位重量あたりの比熱であり、ρは密度であり、ならびにr0 3は、原子に割り当てられた体積である(係数1/3は、cvは、3つすべての空間的方向における振動に依存するが、この場合は、1方向のみが重要であるという事実に起因している)。
この関係は、熱膨張係数と比熱との間での既知のGrueneisen関係にも一致している(例えば、N.L.Vocadlo,Geoffrey D.Price,The Grueneisen parameter―computer calculations via lattice dynamics,Physics of the Earth and Planetary Interiors,82(1994)261−270を参照されたい)。
固有強度に関して、本発明は、強度またはそれに関連付けられた臨界応力と線熱膨張係数との関係を確立するために、上記において与えられた方程式を関係付けることができるという認識に基づいている。本発明によれば、下記は、この場合、臨界応力にとって正当である。
Figure 2016147796
とりわけ、当該臨界応力は、この近似において、体積あたりの比熱(cv・ρ)および膨張係数のみに依存する。この近似の品質は、ポテンシャル曲線が平衡位置付近で三次テイラー級数によって記述される場合に、ポテンシャル曲線の変曲点の位置をいかに正確に特定するかに依存する。この正確な説明は、非常に小さな三次係数の場合は提供されず、したがって、α=0の場合の特異点に起因して生じる。
しかしながら、およそ10ppm/Kの膨張係数の場合、著しく良好な値が得られる。例示的実施形態として、ソーダ石灰ガラスを考える場合(膨張係数:9ppm/K、比熱:720J/(kgK)、密度:2500kg/m3;「Mechanische und physikalische Eigenschaften von Kalk−Natron−Silikatglas und von Borosilikatglas nach EN 572−1[64] and EN 1748−1[61]」[Mechanical and Physical Properties of Soda−Lime Silicate Glass and of Borosilicate Glass according to EN 572−1[64] and EN 1748−1[61]],www.baunetzwissen.deを参照されたい)、およそ16GPaの臨界応力が得られ、これは、観察された固有強度の桁にある(C.R.Kurkjian,P.K.Gupta,R.K.Brow,N.Lower,「The intrinsic strength and fatigue of oxide glasses」,Journal of Non−Crystalline Solids 316(2003)114−124を参照されたい)。
ここで提示した当該近似の利点は、この近似が、膨張係数に対する固有強度の関係を明かにすることである。これは、通常の近似には含まれない(Egon Orowan,「Die mechanischen Festigkeitseigenschaften und die Realstruktur der Kristalle」[The Mechanical Strength Properties and the Real Structure of Crystals],Zeitschrift Kristallographie,(A)89(1934),327−343、およびPrabhat Gupta,「Strength of Glalss Fibers」、M.Elices and J.Llorca(Editors),「Fiber Fracture」,Elsevier Ltd.,2000,ISBN:978−0−08−044104−7における関連する論評を参照されたい)。この結果も、実験による知見と一致しており、それによれば、非常に低い膨張係数を有するシリカガラスの固有強度は、他のガラスと比較して高い(C.R.Kurkjian,P.K.Gupta,R.K.Brow,N.Lower,「The intrinsic strength and fatigue of oxide glasses」,Journal of Non−Crystalline Solids 316(2003)114−124を参照されたい)。
したがって、本質的に高強度のガラスは、体積あたりの比熱がわずかしか変わらないような種類のガラスにおいて探求すべきであり、本発明によれば、組成を変えることによってガラスの膨張係数を低下させるか、または可能な限り小さい膨張係数を有するガラス組成が選択される。
本発明に関して、可能な限り強いホウケイ酸塩ガラスとは、特に、従来の市販のBorofloat 33ガラスと比較してさらに高められた固有強度を有するガラスを意味する。上記の記述によれば、そのようなガラスは、とりわけ、Borofloat 33と比較して減じられた膨張係数を有するホウケイ酸ガラスである。10%の膨張係数の減少は、10%の固有強度の増加に対応する。
熱膨張係数におけるそのような減少が、温度勾配が存在する場合に生じる熱応力の大きさも減少させることは、本発明の目的に一致する追加の効果である。
膨張係数は、210℃の温度での値との関連において下記において与えられ、当該文献には、そのための非常に正確な回帰関数が存在する(Alexander Fluegel,「Thermal Expansion Calculation of Silicate Glasses at 210°C,Based on the Systematic Analysis of Global Databases」,http://glassproperties.com/expansion/Expansivity_Glass_2006 .pdfを参照されたい)。この文献も、そこに一覧された係数に関して、その全てが本出願の主題に含まれる。
この回帰関数は、以下のように定義される(αはppm/K単位)。
Figure 2016147796
ここで、Cj、Ckは、ガラス組成におけるそれぞれの成分のモル濃度(モルパーセント単位)である。
関連する係数β0、βj、βj2、βjkは以下の通りである。
Figure 2016147796
回帰式による計算のための例示的実施形態として、最初に、既知のBorofloat 33の組成(すなわち、81質量%のSiO2、12.5質量%のB23、2.5質量%のAl23、3.5質量%のNa2O、0.5質量%のK2O(すなわち、換算すると、83.53mol%のSiO2、11.12mol%のB23、1.52mol%のAl23、3.5mol%のNa2O、0.33mol%のK2Oである))を有するホウケイ酸ガラスについて考察する。したがって、当該ガラスは、210℃において3.69ppm/Kの熱膨張を有する。このガラスと比較して固有強度を増加させるために、本発明に従って、熱膨張の減少が生じるようにガラス組成を変える。熱膨張における急激な減少は、可融性に対して有害であるため、この減少は、徐々に生じさせなければならない。比較のため、熱膨張における連続した減少の終了時に、石英ガラスは、210℃においておよそ0.6ppm/Kだが、融点はおよそ2700℃である。ここで、融点は、A.Fluegel,Glass viscosity calculation based on a global statistical modelling approach,Glass Technol.Eur.J.Glass Sci.Technol.A,February 2007,48(1),13−30に従って、粘度が10**1.5パスカル秒であるような温度を意味すると理解される。この融点は、ほぼ無水の石英ガラスの場合、M.L.F.Nascimento,E.D.Zanotto,Diffusion processes in vitreous silica revisited,Phys.Chem.Glasses:Eur.J.Glass Sci.Technol.B,August 2007,48(4),201−217に従って、およそ2700℃であると見積もることができる。
したがって、本発明の実施形態により、アルカリホウケイ酸ガラスにおける上記において提示された組成範囲(70〜86質量%のSiO2、0〜5質量%のAl23、9.0〜25質量%のB23、0.5〜5.0質量%のNa2O、0〜1.0質量%のK2O、0〜1.0質量%のLi2O、ならびに0〜5.0質量%のさらなる成分)から適切に選択される組成は、式(17)により210℃での熱膨張が最大で3.6ppm/K、好ましくは最大で3.5ppm/K、より好ましくは最大で3.4ppm/K、最も好ましくは最大で3.3ppm/Kであるものであろう。高い固有強度を達成するために、ガラス成分を選択することによってさらに低い膨張係数達成することも可能である。特に、線熱膨張係数は、最大で3.2ppm/K、好ましくは最大で3.1ppm/K、より好ましくは最大で3.0ppm/Kであり得る。
本発明は、特に、脆性は、近似において(実際に、重み付け架橋指数を介して)組成に起因し得るという認識に基づいている。永久的な刻み目を形成するために必要な力の大きさ(「凹み形成」、Trevor Wilantewicz,Army Research Laboratory Report ARL−TR−5180,May 2010を参照されたい)も、本発明によれば、重み付け架橋指数に起因し得る。脆性は、J.Sehgal,S.Ito,Brittleness of glass,Journal of Non−Crystalline Solids,Volume 253,Numbers 1−3,August 1999,pages 126−132の意味において、または強い試験荷重値(半圧子幅に対する平均半メジアン半径クラック長の比率)の場合にはそれに等しいc/a値において定義することができる。c/a値は、程度の差はあるが、損傷が「デッドレスト」となる損傷中心点からの正規化された距離の指標である(Trevor Wilantewicz,Crack Initiation Behaviour of Optical Glasses from Vickers Indentation,Ph.D.Thesis,Alfred University,Alfred,NY,USA,2005を参照されたく、その開示は、当該文献において開示されるc/a値の特定およびそれらの大きさに関して、その全てが本明細書に含まれる)。
この場合、本発明は、そのような架橋指数を特定する方法および脆性が低い好適なガラスを選択する方法を提供する。
本発明以前の先行技術は、例えば、P.Boolchand,「Intermediate phases,reversibility windows,stress−free and non−aging networks,and strong liquids」,Chalcogenide Letters Vol.3,No.2,March 2006,p.29−31などに実質的に記載されている。それによれば、ガラスの網目構造の原子が受ける平均拘束数が特定される場合には、重要なガラス特性を見積もることが可能である。原子が、r個の隣接原子(r=配位数)を有する場合、これらの隣接原子に対するrの分離距離拘束から、当該分離距離拘束が2つの結合相手の間で均等に分配されるのであれば、これらの原子に割り当てられるべきr/2分離距離拘束が結果として生じる。これらの隣接原子の間の結合角度から、それぞれの角度の頂点における考察される原子により、さらに、この原子に割り当てられるべき2r−3の角度拘束が結果として生じる(P.Boolchand,M.F.Thorpe,「Glass−forming tendency,percolation of rigidity,and onefold−coordinated atoms in covalent networks」,Phys.Rev.B 50,No 14(1994),pp.10366−10368、ならびにM.F.Thorpe,J.Non−Cryst.Solids 57,355(1983),H.He and F.Thorpe,Phys.Rev.Lett.54,2107(1985)を参照されたい)。
3の総拘束数に対して、1原子あたりの拘束数は、まさに、1原子あたりの自由度の数に等しい(再度、P.Boolchand,M.F.Thorpe,「Glass−forming tendency,percolation of rigidity,and onefold−coordinated atoms in covalent networks」,Phys.Rev.B 50,No 14(1994),pp.10366−10368を参照されたい)。そのような材料は、「剛性」と呼ばれる。1原子あたりの拘束数が3より小さい場合、いくつかの可能な立体配置が存在し、すなわち、当該ガラスは、立体配置的自由度を有する。ここで開発された当該単純な概念によれば、これらは、エネルギーの供給なしに(実際には、それらは、エネルギーに関していくらか異なっているが)、お互いに変換することができる。そのような系を、「フロッピー」であると呼ばれる。
これら2つの場合以外に、拘束数が自由度よりも多く、1つまたは複数の拘束を破るために系にエネルギーを供給することによってのみ実現することができるような、「過剰拘束剛性」の場合もある。
「剛性」の系の例は、シリカガラスである。まず最初に、それは、あたかも1原子あたりの拘束数が3を上回るように見える。ケイ素に配位数4が取られ、酸素に配位数2が取られる場合、ケイ素原子あたり4/2+2・4−3=7の拘束および酸素原子あたり2/2+2・2−3=2の拘束が得られ、したがって、11/3=3.67の1原子あたりの平均拘束数が得られる。しかしながら、M.Zhang,P.Boolchand,「The Central Role of Broken Bond−Bending Constraints in Promoting Glass Formation in the Oxides」,Science,New Series,Vol.2 66,No.5189(1994),1355−1357によれば、酸素に対する角度拘束は無視でき(さらに、Zachariasen−compare W.H.Zachariasen,J.Am.Chem.Soc.54(1932),3841のガラス形成法則に一致する)、そのため、1原子あたり、9/3=3の平均拘束数が得られる。したがって、この考察から、立体配置的自由度の数はゼロである。これは、ガラス転移の温度範囲での比熱における非常に小さい急増に一致する(R.Bruening,「On the glass transition in vitreous silica by differential thermal analysis measurements」,Journal of Non−Crystalline Solids 330(2003)13−22を参照されたい)(実際には、立体配置的自由度の数は正確にはゼロではないが、非常に小さい)。
ガラスの立体配置的自由度の「融解」は、先に述べた比熱における急増に反映され、当該立体配置的自由度は、より高い温度(すなわち、ガラス転移を超える温度)において、比熱に貢献する。この急増の大きさは、立体配置的自由度の数の指標である(Charles Austen Angell,Thermodynamic aspects of the glass transition in liquids and plastic crystals,Pure & Appl.Chem.,Vol.63,No.10,pp.1387−1392,1991、およびM.L.F.Nascimentoa,C.Aparicio,Viscosity of strong and fragile glass−forming liquids investigated by means of principal component analysis,Journal of Physics and Chemistry of Solids 68(2007)104−110を参照されたい)。
さらに、アルミニウム、ホウ素、およびアルカリ金属イオン、ならびに適切であればアルカリ土類金属イオンも含有する、多成分ガラスについてここで考察するが、ただし、酸化アルミニウムのモル比は、アルカリ金属酸化物および適切であればさらにアルカリ土類金属酸化物、のモル比の合計より小さい。この場合、アルミニウム全体は、酸素による四座配位において存在し(M.Bertmer,L.Zuechner,J.C.C.Chan,H.Eckert,J.Phys.Chem.B 104(2000)6541,J.C.C.Chan,M.Bertmer,H.Eckert,J.Am.Chem.Soc.121(1999)5238,L.Zuechner,J.C.C.Chan,W.Mueller−Warmuth,H.Eckert,J.Phys.Chem.B 102(1998)4495を参照されたい)、対応する比率は、ガラスの網目構造におけるナトリウムイオンに結合せずに分配されて存在すると仮定できる。まず最初に、対応するアルミニウム原子に対して結果として生じるのは、(上記のケイ素原子の場合と同様に)2のそれぞれの分離距離拘束および5のそれぞれの角度拘束であり、対応する酸素原子(その一部は、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物から「取られた」)に対しては、1のそれぞれの分離距離拘束である(酸素の場合の角度拘束は、上記と同様に無視できる)。
さらに、本発明により、上記において提示された組成範囲に従って、アルカリホウケイ酸ガラス(特に、この場合、カチオンとして、排他的にケイ素、ホウ素、アルミニウム、ならびにアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含有するアルカリホウケイ酸ガラス)のみが使用される。さらに、全てのアルカリ金属酸化物および適切であればさらにアルカリ土類金属酸化物の合計とAl23(モルパーセント)との差がB23(モルパーセント)の0.7倍未満である、アルカリホウケイ酸ガラスについて、下記において考察する。この場合、「アルカリホウケイ酸ガラス」についての上記において与えた定義に基づく全ての組成に対して、ならびに技術的冷却に対して、言及された差に対応するだけのモルパーセントのB23が、酸素によって四座配位されたホウ素へと転化されることが想定され得る(Y.H.Yun,P.J.Bray,「Nuclear magnetic resonance studies of the glasses in the system Na2O−B23−SiO2」,J.Non−Cryst.Solids 1978,27,363−380;W.J.Dell,P.J.Bray,S.Z.Xiao,「11B NMR studies and structural modelling of Na2O−B23−SiO2 glasses with high soda content」,J.Non−Cryst.Solids 1983,58,1−16;Hiroshi Yamashita,Kazuhiko Inoue,Takeshi Nakajin,Hyuma Inoue,Takashi Maekawa,「Nuclear magnetic resonance studies of 0.139MO(or M’2O)・ 0.673SiO2 ・(0.188−x)Al23 ・ xB23(M=Mg,Ca,Sr and Ba,M’=Na and K)glasses」; Jingshi Wu,Jonathan F.Stebbins,「Temperature and modifier cation field strength effects on aluminoborosilicate glass network structure」,Journal of Non−Crystalline Solids 362(2013)73−81を参照されたい)。
上記のケイ素および四座配位されたケイ素に対してと同様に、上記の説明に従って四座配位に転化されたホウ素原子、ならびに付随する酸素原子(その一部は、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物から取られた)に対しても、1原子あたり3の拘束が適用される。残った原子に対して、三座配位において存在するホウ素原子および付随する酸素原子(Jingshi Wu,Jonathan F.Stebbins,「Temperature and modifier cation field strength effects on aluminoborosilicate glass network structure」,Journal of Non−Crystalline Solids 362(2013)73−81を参照されたい)に対して、ホウ素原子あたり3/2+2・3−3=4.5の拘束および酸素原子あたり1の拘束(すなわち、平均で、1原子あたり(9+3)/5=2.4の拘束)が適用可能である。
アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンに関して、最初に、どれくらいの数の隣接する酸素原子を想定すべきかについての未解決の問題を残しているが、それは、イオン結合が支配的な場合、配位数は必ずしも価数に等しいわけではないためである。しかしながら、Zachariasenに従って進め、ガラス形成系のために酸素の配位数が常に「2」であることを必要とする場合、電気的中性を満たすために、アルカリ金属の場合は1つの隣接する酸素が存在すること、アルカリ土類金属の場合は2つの隣接する酸素が存在することを前提としなければならず、そのため、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物に対しては、2つのそれぞれの分離距離拘束が結果として生じ、したがって、アルカリ金属酸化物の場合は1原子あたり2/3の拘束、アルカリ土類金属酸化物の場合は1原子あたり1の拘束が生じる。アルカリ金属およびアルカリ土類金属では、イオン結合が支配的なために、角度拘束は計算されない。
上記において言及した組成範囲内の系の場合、それぞれの組成の1モルに対する拘束数を原子の数で割ることによって、モル混合比を介して1原子あたりの平均拘束数を直接計算することが可能である。
1原子あたりの拘束数が高いほど、より多くの原子がお互いに架橋されているため、この1原子あたりの平均拘束数は、架橋指数と見なすことができる。
1原子あたりの平均拘束数の増加に比例してビッカース硬度が高くなるというアプローチも公知である(Morten M.Smedskjaer,John C.Mauro,Randall E.Youngman,Carrie L.Hogue,Marcel Potuzak,and Yuanzheng Yue,「Topological Principles of Borosilicate Glass Chemistry」,J.Phys.Chem.B 2011,115,12930−12946を参照されたい)。しかしながら、この刊行物において、当該手順は、本発明による手順と比較して以下の2つの点:
・当該文献では、酸素の場合の角度拘束も、硬度の計算においてカウントされる、
・酸素がアルミニウムまたはホウ素によって「取られている」アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、網目構造の成分として有効ではなく、1原子あたりの拘束数の計算には含まれない
において異なる。
その上、上記において提示された刊行物によれば、アルカリ金属の群化傾向に起因して、アルミニウムまたはホウ素によって酸素が「取られて」いない全てのアルカリ金属について、2の拘束がさらにカウントされる。本発明による組成の中で、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から酸素が完全には取られていないものは無いので、上記のことは、本発明による手順に反しない。
上記において引用した刊行物Morten M.Smedskjaer,John C.Mauro,Randall E.Youngman,Carrie L.Hogue,Marcel Potuzak,and Yuanzheng Yue,「Topological Principles of borosilicate Glass Chemistry」,J.Phys.Chem.B 2011,115,12930−12946に従って、以下の式:
Figure 2016147796
を使用し、ここで、Hvはビッカース硬度であり、nは、1原子あたりの平均拘束数であり、ならびに2.5は、「硬質」材料の場合に著者によって見出された下限である。
当該著者は、彼らによって調査された系SiO2−B23−CaO−Na2Oのガラスの場合に想定される関係(7)を見出している。
しかしながら、この方法は、そのままでは、上記において説明したc/a値に関して、ここで取り扱う脆性に適用することができない。本発明が関与するのは、この点においてである。
硬度は、変形に対する抵抗性の指標であるが、その一方で、c/a値は、各場合において、破壊に基づいている。巨視的な破壊は、各場合において結合の微視的な破壊も含むため、結合強度は、破壊強さと相関付けることができる式に含まれなければならない。このために、本発明により、上記において提示された拘束は、結合強度によって重み付けされる。これは、両方のタイプの拘束、角度拘束、ならびに分離距離拘束に関係する。
角度拘束も、関与するカチオンに応じて、それぞれの結合のイオン結合比率の異なる大きさを考慮に入れることを必要とする。
したがって、対応する重み付け係数が導入されるであろう。角度拘束は、共有結合の結果であるので、全ての角度拘束は、共有原子価度K(1マイナスM−O結合(M=Si、Al、B、アルカリ金属、アルカリ土類金属)のそれぞれのイオン結合比、として定義される)によって重み付けされる。このイオン結合比は、結合相手がイオン化された形態で存在する可能性として解釈することができる。逆に、角度拘束は、ここで開発された方法において、結合相手が共有結合形態において存在する可能性によって重み付けされる。
各単結合のイオン結合比Iは、Linus Pauling,「The Nature of the Chemical Bond」,Cornell University Press,New York,1960により、当該文献における表のアニオン(χA)およびカチオン(χK)の電気陰性度の差から計算される。
Figure 2016147796
「強いガラス形成剤」としてのSiO2の既に認められている唯一性に関して(Charles Austen Angel1,Thermodynamic aspects of the glass transition in liquids and plastic crystals,Pure & Appl.Chem.,Vol.63,No.10,pp.1387−1392,1991を参照されたい)、SiO2ガラスの分類は、この場合、影響を受けるべきではない。この理由から、全ての共有原子価度は、それらをSi−O結合の共有原子価度で割ることによって正規化される。
結果として、まず最初に、結合が支配的にイオン性であるとして評価されるか、および支配的に共有結合であるとして評価されるかを特定することはもはや必要ではない。イオン結合が支配的であるため、角度拘束は、依然として、アルカリ金属およびアルカリ土類金属については計算されない。
第二に、全ての拘束、両方の分離距離拘束、および角度拘束は、それぞれ単M−O結合の結合強度(「単結合強度」)によって重み付けされる。それは、単Si−O結合の結合強度で割ることによって正規化される。当該結合強度は、V.Dimitrov,T.Komatsu,「An interpretation of optical properties of oxides and oxide glasses in terms of the electronic polarizability and average single bond strength(Review)」,Journal of the University of Chemical Technology and Metallurgy,45,3,2010,219−250から採用することができる。
これらの結合強度は、酸素原子の周りのカチオンの数(すなわち、配位数)によって、当該カチオンと関連している解離エネルギーedで割ることによって計算される。DimitrovおよびKomatsuに基づいたものとは異なる配位数が採用される場合、対応する変換が必要である。
そうでないなら、この変換は、ここで提示される方法により重み付けされた分離距離拘束数に影響を及ぼさず、なぜなら、それらの計算において、配位数は相殺されるためである。分離距離拘束数は、r/2であり、この場合、rは配位数であり(上記を参照されたい);重み付け係数は、ed/r/(Si−Oの結合強度)であり、したがって、カチオンの場合の重み付けされた分離距離拘束数は、ed/2/(Si−O結合の結合強度)であることが見出される。
この理由から、概して、配位数は、それぞれのカチオンの結合価に等しいことが想定され得、酸素の配位数も、Zachariasenに一致して、常に「2」である。角度拘束も、このアプローチによって合理的に処理される。角度拘束は、カチオンが共有結合している場合に対してのみ有効であり(酸素に関して電気陰性度の差が増加するほどますます少なくなるようである)、しかしながら、この場合、配位数は、概して、原子価に等しい。
例外は、配位における変化を受けることができ、新しい配位(ハイブリダイゼーションによる)においては支配的に共有結合であるカチオン(すなわち、ホウ素およびアルミニウム)である。したがって、上記の手順は受け入れられる。
単純化するために、全ての分離距離拘束は、カチオンおよび以下の1モルあたりの総拘束数N(上記において述べたように、酸化アルミニウムのモル比が、アルカリ金属酸化物および適切であればさらにアルカリ土類金属酸化物、のモル比の合計より小さい場合、カチオンとして、排他的にケイ素、ホウ素、アルミニウム、並びにアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属が存在する場合、ならびに全てのアルカリ金属酸化物および適切であればさらにアルカリ土類金属酸化物の合計とAl23(モルパーセントで)との差がB23(モルパーセントで)の比率の0.7倍より小さい場合、のみを考慮する)、に関係し得る。
Figure 2016147796
ここで、cはモル濃度を表し、Miはアルカリ金属を表し、Mjはアルカリ土類金属を表す。K(M−O)値は、それぞれM−O結合の共有原子価度であり;ed(M−O)値は、それぞれのカチオンに関連する解離エネルギーを表す。NAはアボガドロ数である。
1原子あたりの拘束数nは、個々の酸化物のモル比で分割することよってN/NAから得られ、これは、酸化物あたりの原子の数を掛けて合計される。
Figure 2016147796
Morten M.Smedskjaer,John C.Mauro,Randall E.Youngman,Carrie L.Hogue,Marcel Potuzak,and Yuanzheng Yue,「Topological Principles of Borosilicate Glass Chemistry」,J.Phys.Chem.B 2011,115,12930−12946とは対照的に、酸素の場合、角度拘束はカウントに含まれないが、アルミニウムまたはホウ素によって当該酸素が「取られた」アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、1原子あたりの拘束数の計算において考慮に入れられる。
共有原子価度および解離エネルギーは、ここで決定的である酸化物について下記の表に提示される。共有原子価度は、式(8)により、ポーリング電気陰性度(Linus Pauling,「The Nature of the Chemical Bond」,Cornell University Press,New York,1960)から計算される。V.Dimitrov,T.Komatsu,「An interpretation of optical properties of oxides and oxide glasses in terms of the electronic polarizability and average single bond strength(Review)」,Journal of the University of Chemical Technology and Metallurgy,45,3,2010,219−250、またはKuan−Han Sun,「Fundamental Condition of Glass Formation」,Journal of The American Ceramic Society 69,1947,277−281のどちらかからの解離エネルギー以外で、提示された値の特定は、形成のそれぞれの標準エンタルピーならびに関与する元素が標準状態から単原子気体へと移行するためのエンタルピーの合計として、それぞれの酸化物の解離エネルギーの計算を伴う。形成の標準エンタルピーならびに関与する元素が標準状態から単原子気体へと移行するためのエンタルピーは、ウェブサイト「http://www.chemistry−reference.com/」の表「Standard Thermodynamic Values at 25℃」(情報源として、Dean,John A.,Lange’s Handbook of Chemistry,11th ed.,McGraw−Hill,New York,New York,1979,pp.9:4−9:128ならびにLide,David R.,CRC Handbook,84th ed.,CRC Press,Boca Raton,Florida,2003;pp.5:5−5:60,5:85−5:86が提示されている)から用いることができる。
Figure 2016147796
以下に示した計算は、発明者ら自身の計算による解離エネルギーに基づいている。
このようにして特定された1原子あたりの平均拘束数は、求められる重み付け架橋指数を表す。
純粋なシリカガラスSiO2の場合、設計により、「3」の重み付け架橋指数が結果として生じる。81mol%のSiO2、13mol%のB23、2mol%のAl23、および4mol%のNa2Oの組成を有するPyrex(登録商標)の場合(Trevor Wilantewicz,Crack Initiation Behaviour of Optical Glasses from Vickers Indentation,Ph.D.Thesis,Alfred University,Alfred,NY,USA,2005を参照されたい)、「2.883」の重み付け架橋指数が得られる。純粋なホウ酸ガラスB23の場合、「2.845」の重み付け架橋指数が得られる。
70.3mol%のSiO2、0.4mol%のAl23、9.3mol%のCaO、6.1mol%のMgO、13.7mol%のNa2O、0.1mol%のK2Oの組成を有するフロートガラスの場合(Trevor Wilantewicz,Crack Initiation Behaviour of Optical Glasses from Vickers Indentation,Ph.D.Thesis,Alfred University,Alfred,NY,USA,2005)、「2.449」の重み付け架橋指数が、最初に得られる。当該計算が、Morten M.Smedskjaer,John C.Mauro,Randall E.Youngman,Carrie L.Hogue,Marcel Potuzak,and Yuanzheng Yue,「Topological Principles of Borosilicate Glass Chemistry」,J.Phys.Chem.B 2011,115,12930−12946のように実施される場合、酸素が取られておらず、結果としてSmedskjaerらの意味において網目構造に属する全てのアルカリ金属に対して、アルカリ金属の群化傾向に起因して、さらに2つの拘束がカウントされる。これは、13.4mol%のNa2Oに関する(アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物に由来する酸素原子の導入によるアルミニウム原子の四面体配位への移行が、カリウム原子の犠牲においてまず第一に生じることが想定され得るが、これは、それらが全てのアルカリ金属およびアルカリ土類金属原子の中で最も低い結合エンタルピーを有するためである:前記表を参照)。同様に、この移行は、それに次いでナトリウム原子の犠牲において生じる。当該移行は徹底的であり、すなわち、存在するアルカリ金属の量が十分な場合、全てのアルミニウム原子が四座配位への移行を受ける(B.H.W.S.DeJong,C.M.Schramm,and V.Eparziale,Polymerization of silicate and aluminate tetrahedra in glasses,melts,and aqueous solutions−IV.Aluminum coordination in glasses and aqueous solutions and comments on the aluminum avoidance principle,Geochimica et Cosmochimica ActaVol.47,1983,1223−1236を参照されたい)。Al−O−Al結合を避けるという問題は、存在するアルミニウムの量が少ないために生じない。0.4mol%のAl23の移行の場合、存在する0.1mol%のK2Oは、完全に消費される。さらに、0.3mol%のNa2Oが消費され、そのため、13.4mol%のNa2Oが、網目構造成分として使い残しのまま残る。このことから、酸化物1モルあたり2*2*0.134モル=0.536モルの追加の拘束が結果として生じる。重み付け係数ed(Na−O)/(ed(Si−O)/4)による重み付けにより、これは、酸化物1モルあたり0.506モルの追加の拘束を与える。酸化物の各モルは、SiO2からの0.703*3モルの原子、Al23からの0.004*5モルの原子、CaOからの0.093*2モルの原子、MgOからの0.061*2モルの原子、Na2Oからの0.137*2モルの原子、およびK2Oからの0.001*2モルの原子、すなわち、合計2.851モルの原子を含有する。したがって、結果として、1原子あたり0.1777の追加の拘束が生じ、そのため、ここで考えられているフロートガラスの場合の重み付け架橋指数は、2.626である。
13mol%のSiO2、6mol%のAl23、22mol%のB23、58mol%のPbO組成を有する高い鉛含有量のガラスの重み付け架橋指数の計算のため(Trevor Wilantewicz,Crack Initiation Behaviour of Optical Glasses from Vickers Indentation,Ph.D.Thesis,Alfred University,Alfred,NY,USA,2005を参照されたい)、まず最初に、アルミニウム、ホウ素、および鉛の配位などの情報が必要であり、最終的に、これらの情報も、網目構造形成剤または網目構造変更剤としての性質の変化に応じて変わる。小さなモル比では、Pb2+は、イオン結合した網目構造変更剤の役割を担い、ならびに導入された酸素をアルミニウムまたはホウ素に送達し、これは、これらの原子の四面体配位を可能にするが、その一方で、大きなモル比の場合には、共有結合が支配的である(A.Sawvel,S.Chinn,W.Bourcier,R.Maxwell,Local Structure of Amorphous(PbO)x[(B231-z(Al23zy(SiO2y Dielectric Materials by Multinuclear Solid State NMR,Lawrence Livermore National Laboratory,UCRL−JRNL−200058,9/9/2003を参照されたい)。約60mol%のPbOの範囲では、四面体配位において存在するホウ素原子の比率は、およそ1/3まで減少し、PbO−B23−Al23−SiO2ガラスでは、十分なアルミニウムが存在する場合にはゼロ付近まで減少するが、これは、四面体配位への変化においてホウ素よりもアルミニウムの方が好ましいためである(A.Sawvel,S.Chinn,W.Bourcier,R.Maxwell,Local Structure of Amorphous(PbO)x[(B231-z(Al23zy(SiO2y Dielectric Materials by Multinuclear Solid State NMR,Lawrence Livermore National Laboratory,UCRL−JRNL−200058,9/9/2003を参照されたい)。Trevor Wilantewicz,Crack Initiation Behaviour of Optical Glasses from Vickers Indentation,Ph.D.Thesis,Alfred University,Alfred,NY,USA,2005において提示された、高い鉛含有量のガラスの組成の場合、アルミニウム酸化物が同時に存在することなく、22mol%のB23のおよそ1/3が、四面体配位されたホウ素へと転化されるであろうが、しかし、6mol%のAl23が存在すること、ならびに実質的にホウ素が存在しないことから、アルミニウムの全量が四面体配位されることが想定され得る。このために、イオン結合している6mol%のPbOが「消費される」。残りの52mol%は共有結合している。共有結合しているPb2+は、三座配位または四座配位においてガラス中に存在する(T.Takaishi,J.Jin,T.Uchino,and T.Yoko,Structural Study of PbO−B Glasses by X−ray Diffraction and 11B MAS NMR Techniques,J.Am.Ceram.Soc,83,2000,2543−48を参照されたい)。Trevor Wilantewicz,Crack Initiation Behaviour of Optical Glasses from Vickers Indentation,Ph.D.Thesis,Alfred University,Alfred,NY,USA,2005において提示された高い鉛含有量のガラスが、近似において、SiO2およびAl23の小さい比率ゆえに属する、ホウ酸鉛ガラスの場合、T.Takaishi,J.Jin,T.Uchino,and T.Yoko,Structural Study of PbO−B Glasses by X−ray Diffraction and 11B MAS NMR Techniques,J.Am.Ceram.Soc,83,2000,2543−48において三座配位が提示され;それらも、関連する酸素にそのような配位を与え、これが電気的中性を保持する。これに一致して、52mol%の共有結合した鉛は、三座共有結合しているとして、角度拘束の計算においてカウントされるが、その一方で、6mol%のイオン結合した鉛では、角度拘束はカウントされない。酸素における角度拘束も(この場合、Zachariasen法則は成り立たない)、ここで無視される。したがって、高い鉛含有量のガラスは、2.23の重み付け架橋指数を有し、したがって、言及された他のガラスより著しく低く、これは、まず第一に、例えばCaOと比較して、PbOのed値が非常に低いことに起因する。
ここで選択したガラスについて計算した重み付け架橋指数を、Trevor Wilantewicz,Crack Initiation Behaviour of Optical Glasses from Vickers Indentation,Ph.D.Thesis,Alfred University,Alfred,NY,USA,2005からのc/a値と比較した場合、良好な相関の「高い重み付け架橋指数−低いc/a値(すなわち、低い脆性)」が見出される。高い重み付け架橋指数を有するガラス(シリカガラス、Pyrex(登録商標)、および純粋なホウ酸ガラス)は、c/a値に関してもトップグループに属し、ここで考察されているフロートガラスは、中程度の領域に属し、高い鉛含有量のガラスは、とりわけ、脆いガラスに属する。3種のガラス:シリカガラス、Pyrex(登録商標)、および純粋なホウ酸ガラスについて、重み付け架橋指数の減少順に並び替えた結果の順序は、実際に、c/a値の増加順に並び替えたのとまったく同じである。c/a値は、ビッカース圧子および1kgの負荷による応力に関係している。
Figure 2016147796
さらに、永久的な刻み目を形成する(「凹み形成」)ために必要な力の大きさに関して、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、および(ソーダ石灰)フロートガラスの間において、同じヒエラルキーが得られる(Trevor Wilantewicz,Army Research Laboratory Report ARL−TR−5180,May 2010を参照されたい)。球状圧子による負荷下においてここで実験した全ての試料に対して「凹み形成」が観察される上記の閾値は、シリカガラスでは100N、ホウケイ酸ガラスでは35N、ならびにソーダ石灰フロートガラスでは30Nであった。この場合、ホウケイ酸ガラスは、Pyrex(登録商標)ではなく、むしろ、81質量%のSiO2、12.5質量%のB23、2.5質量%のAl23、3.50質量%のNa2O、および0.5質量%のK2Oの組成(すなわち、83.53%のSiO2、11.12%のB23、1.52%のAl23、3.50%のNa2O、および0.33%のK2Oのモル組成)および2.893の重み付け架橋指数を有するBorofloat 33(登録商標)であった。この場合、ソーダ石灰フロートガラスは、73.2質量%のSiO2、14.7質量%のNa2O、10.28質量%のCaO、1.44質量%のAl23、および合計で0.5質量%未満のさらなる成分、の組成を有するStarphire(登録商標)であった(Advances in Ceramic Armor VIII: Ceramic Engineering and Science Proceedings,Volume 33,Issue 5,2012,edited by J.J.Swab,Volume editors M.Halbig,S.Mathur,Wiley,Hoboken,NJ,USAを参照されたい)。この組成は、73.43%のSiO2、14.29%のNa2O、11.05%のCaO、0.85%のAl23のモルパーセントに相当する。上記において説明した、異なる組成の(ソーダ石灰)フロートガラスと同様に、重み付け架橋指数は2.67と算出される。
本発明に関して、可能な限り低い脆性を有するアルカリホウケイ酸ガラスは、特に、重み付け架橋指数(すなわち、式(9a)および(9b)による、1原子あたりの平均拘束数)が、2.9を超える、好ましくは2.91を超える、より好ましくは2.92を超える、最も好ましくは2.93を超えるものであると理解される。
これに一致して、以下の成分:
SiO2 70〜86質量パーセント
Al23 0〜5.0質量パーセント
23 9.0〜25質量パーセント
Na2O 0.5〜5.0質量パーセント
2O 0〜1.0質量パーセント
Li2O 0〜1.0質量パーセント、ならびに
さらなる成分 0〜5.0質量パーセント
を有する高強度のアルカリホウケイ酸ガラスが、本発明により提供され、この場合、これらの成分の比率は、重み付け架橋指数、すなわち、
Figure 2016147796
によって与えられる1原子あたりの平均拘束数nが、2.9を超える、好ましくは2.91を超える、より好ましくは2.92を超える、最も好ましくは2.93を超える値を有するように選択され、この場合、Nはアボガドロ数であり、c(SiO2)、c(Al23)、およびc(B23)は、SiO2、Al23、およびB23のモル濃度を意味し、c(Mi 2O)は、存在するアルカリ金属酸化物Mi 2Oのモル濃度を意味し、c(MjO)は、存在するアルカリ土類金属酸化物のモル比を意味し、ならびにN/N比は、
Figure 2016147796
によって与えられ、ここで、K(M−O)、M=Si、Al、Bは、成分SiO2/Al23、B23のそれぞれのM−O結合の共有原子価の程度であり、ed(M−O)は、成分SiO2、Al23/B23、またはアルカリ金属酸化物もしくはアルカリ土類金属酸化物のそれぞれのカチオン関連の解離エネルギーである。好ましい実施形態により、当該ガラスはさらに、210℃において3.6ppm/K未満の線熱膨張係数を有するが、これは、上記において示したように、低い熱膨張も、概して、ガラスの固有強度を増加させるためである。SiO2、B23、およびAl23の解離エネルギーed(M−O)の値および共有原子価度は、特に、上記の表における本発明者らが計算した値に基づいている。
本発明による、ガラス要素を製造する方法は、相応に、上記において提示された成分範囲内(70〜86質量パーセントのSiO2...)のホウケイ酸ガラスのガラス成分を選択する工程(これは、2.9を超える値nによって式(20)および(21)の拘束を満足し、同時に、210℃において3.6ppm/K未満の線熱膨張係数を有する)、ならびにガラス溶融物からガラス要素を形成する工程、に存する。
本発明によるガラスから製造されたガラス要素は、強度および耐熱性が特に重要である様々な使用にとって好適である。好ましい使用は、
・耐火性窓ガラス
・建物正面の要素
・特に調理用製品またはベーキングオーブン用の、耐熱性グレージング、ならびに
・ガラスパイプライン要素
である。
上記において説明したように、当該ガラスの成分は、さらに好ましくは、回帰式(17)によって3.6・10-6-1未満の線熱膨張係数α(210℃)が得られるように選択される。したがって、当該ガラスの組成は、重み付け架橋指数、すなわち、式(21)によって得られる1原子あたりの平均拘束数nが2.9を超えること、ならびに回帰式(17)の値が3.6・10-6-1未満となることの両方の条件を満たす。
本発明のさらなる態様において、さらに、溶融温度も、ガラス組成の選択において考慮に入れられる。当該溶融温度(摂氏)も、回帰式による近似において計算することができる。この式は以下の通りである:
Figure 2016147796
係数Ci,k,mは、やはり、ガラス成分の個々の割合(この場合、質量パーセント)を意味し、bi、bik、bikmは、これらの成分に対する係数または重み付け係数である。これらの重み付け係数は、European Journal of Glass Science and Technology Part A Volume 48 Number 1,February 2007において個別に記載されており、なお、当該文献の内容も、表値に関して、前述の重み付け係数を含め、その全てが本発明の主題に含まれる。
関連する係数のb0、bi、bjk、bjkmは以下の通りである。
Figure 2016147796
Figure 2016147796
例示的実施形態として、本発明による高強度のホウケイ酸ガラスを、Borofloat 33とも呼ばれるホウケイ酸ガラスと比較する。これらのガラスの組成は以下の通りである。
Figure 2016147796
まず最初に、換算された組成81.76mol%のSiO2、14.64mol%のB23、0.61mol%のAl23、2.99mol%のNa2Oと、上記において提示された式(17)に従って計算された210℃での膨張係数3.51ppm/Kとを有する本発明によるガラス(「ガラス1」と呼ばれる)は、当該膨張係数が3.6ppm/K未満でなければならないという、本発明によるガラスに課せられた条件を満たす。重み付け架橋指数は2.911である。その上、1535℃での溶融温度も、式(22)により、1600℃未満である。
比較のため、換算された組成83.53mol%のSiO2、11.12mol%のB23、1.52mol%のAl23、3.50mol%のNa2O、および0.33mol%のK2Oと、上記において提示された式(17)に従って計算された210℃での膨張係数3.69ppm/Kとを有するBorofloat 33は、当該膨張係数が3.6ppm/K未満でなければならないという、本発明によるガラスに課せられた条件を満たさない。さらに、Borofloat 33の場合、重み付け架橋指数は2.893の値を有し、しがたって、本発明により必要とされる最小値2.9を下回る。式(22)による溶融温度は、1553℃である。
本発明によるガラスの溶融温度は、Borofloat 33と比較して著しく高くなければならないわけではないが、かなり低く、本発明のさらなる態様は、式(22)による溶融温度1570℃未満、好ましくは1560℃未満、より好ましくは1550℃未満、最も好ましくは1540℃未満であることに存する。
実験的に、c/a値に対して大まかに相関があり、Trevor Wilantewicz,Crack Initiation Behaviour of Optical Glasses from Vickers Indentation,Ph.D.Thesis,Alfred University,Alfred,NY,USA,2005に従って計算された、「クラック・イニシエーション・ロード」(CIL)は、Borofloat 33の場合の6.9±0.4Nと比較して、ガラス1では12.3±1Nの値を有することが見出された。
CILは、ビッカース刻み目の場合、当該刻み目の角から平均で2つの亀裂が生じる力である。CILの特定のため、様々な刻み目力に対していくつかのビッカース刻み目を作製し、当該角に生じた亀裂をカウントした。クラックの平均数を、試験力に対してプロットし、測定点を通る階段−フィット関数を引く。このフィット関数の場合、最も小さい値は0に設定され、最も大きい値は4に設定される。当該曲線の変曲点はCILである。最大力は20Nであった。測定の間、当該試料は、一定流量の乾燥窒素を流した試験室に置いた。
本発明による方法を用いて選択したガラス組成は、70〜86質量パーセントのSiO2などの一般的な組成範囲にわたって分散されて見出されるが、これは、これらの成分が、拘束数および膨張係数に対するそれらの効果に関して、お互いに相互に影響を及ぼし合うためである。
本発明によるガラスのためのいくつかの好ましい組成範囲が以下の表に一覧される。
Figure 2016147796
その上、網目構造形成剤SiO2およびB23に関して、本発明のさらなる態様では、それらの総含有量、すなわち、SiO2およびB23の含有量の合計が、95.5質量%〜97.5質量%の範囲、好ましくは95.8質量%〜97.2質量%の範囲、この場合、より好ましくは97.1質量%までである場合が好ましい。mol%の場合は、95.5mol%〜97.5mol%の範囲、好ましくは95.7mol%〜97.2mol%の範囲、この場合、より好ましくは97.1mol%まで、の総含有量が好ましい。これらの網目構造形成剤の割合が高いほど、低い脆性にとっては有利である。その一方で、提示された上限は、それに対応して他の成分の残存する含有量が増加されるので、高い硬度を達成するために好ましい。これらのさらなる成分は、ガラスの網目構造の隙間に組み入れることができ、この方法において、ガラスの硬度を増加させることができる。換言すれば、網目構造形成剤の総含有量についての提示された範囲は、低い脆性および高い硬度の両方を達成するために好ましいということが判明した。
以下において、いくつかの例示的実施形態を例示するが、これらは、本発明により、n>2.9およびα(210℃)<3.6・10-6-1を満たし、ならびに上記において言及した範囲内にある。この場合、ガラス1は範囲1の例示的実施形態であり、ガラス2は範囲2の例示的実施形態であり、...ガラス6は範囲6の例示的実施形態である。
Figure 2016147796
当該表のガラス1は、さらに上記において提示された例示的実施形態のガラス1と同一である。
比較例を以下の表に一覧する。
Figure 2016147796
これらの比較例の第一ガラスとして言及されるのはBorofloat 33であり、これは、既に上記において説明済みである。個々の成分の幅広い多様性も、比較例のガラスに見出される。しかしながら、比較例の場合、これらは、1原子あたりの制約が両方とも小さくかつ膨張係数が本発明によるガラスより大きいように相互作用する。
本発明によるガラスは、特に、フロート法における熱成形にとっても好適である。したがって、本発明のさらなる態様において当該方法は、好ましくはフロート法によって、ガラス溶融物からシート状ガラス要素を成形する工程を含むことが想定される。概して、本発明によるガラスは、好ましくは、様々な用途のためにシート状ガラス要素またはガラスシートへと加工される。とりわけ、シート状要素の場合、ガラスの強度は、機械的負荷下での亀裂または破壊を防ぐために特に重要である。これは、火災時の大きな温度差によって破砕を生じる応力が生じるべきではない、耐火性ガラスに対しても当てはまる。
本発明によるガラスの固有強度は、非常に高くかつ脆性は非常に低いため、多くの場合、焼き戻しまたは化学的プレストレスも省くことができる。したがって、本発明のさらなる態様において、本発明のガラスは、焼き戻し処理されない、さもなければプレストレスされないガラス要素へとさらに加工される。この場合、製造に起因するある特定の残留応力は排除することができないが、好ましくは、表面の圧縮応力は10MPa未満であるか、または表面には圧縮応力がない。対照的に、焼き戻ししたガラスは、典型的には、100MPaを超える圧縮応力を有する。
別の好ましい設計は、例えば、ガラスパイプライン用のパイプ形状のガラス要素からなる。ここで、耐化学薬品性に加えて強度も、侵食性媒体の安全な通過を確保するために重要な役割を果たす。さらに、当該ガラスは、家庭用機器、例えば調理用機器など、にとっても好適である。さらに、とりわけ好適な使用は、本発明の目的として、上記の分野において提示される。

Claims (13)

  1. 以下の組成:
    SiO2 70〜86質量%
    Al23 0〜5質量%
    23 9.0〜25質量%
    Na2O 0.5〜5.0質量%
    2O 0〜1.0質量%
    Li2O 0〜1.0質量%、ならびに
    0〜5.0質量%のさらなる成分、
    を有する、高強度のアルカリホウケイ酸ガラスであって、これらの成分の比率が、重み付け架橋指数、すなわち、
    Figure 2016147796
    によって与えられる1原子あたりの平均拘束数nが、2.9を超える、好ましくは2.91を超える、より好ましくは2.92を超える、最も好ましくは2.93を超える値を有するように選択され、
    ここでNはアボガドロ数であり、c(SiO2)、c(Al23)、およびc(B23)は、SiO2、Al23、およびB23のモル濃度を意味し、c(Mi 2O)値は、存在するアルカリ金属酸化物Mi 2Oのモル濃度を意味し、c(MjO)値は、存在するアルカリ土類金属酸化物のモル濃度を意味し、ならびにN/N比は、
    Figure 2016147796
    によって与えられ、
    ここで、K(M−O)(M=Si、Al、Bである)は、成分SiO2、Al23、B23のそれぞれのM−O結合の共有原子価度であり、すなわち、
    SiO2に対して0.5527の共有原子価度、
    23に対して0.6126の共有原子価度、および
    Al23に対して0.4329の共有原子価度、
    であり、ed(M−O)値は、成分SiO2、Al23、B23のそれぞれのカチオン関連の解離エネルギーであり、
    SiO2に対して1864kJ/mol
    23に対して1572.5kJ/mol、および
    Al23に対して1537kJ/mol
    として与えられる、前記アルカリホウケイ酸ガラス。
  2. さらに、前記ガラスが、210℃の温度において3.6ppm/K未満の線熱膨張係数を有することを特徴とする、請求項1に記載のアルカリホウケイ酸ガラス。
  3. 請求項1または2に記載のアルカリホウケイ酸ガラスであって、
    さらに、前記ガラスの成分は、以下の式:
    Figure 2016147796
    に従って特定された210℃の温度での線熱膨張係数の値が、3.6・10-6-1未満であるように選択され、ここで、Cj、Ckは、前記ガラス組成の各成分のモル濃度(モルパーセントで)であり、ならびに係数β0、βj、βj2、βjkに対して、以下:
    Figure 2016147796
    が有効であることを特徴とする、前記アルカリホウケイ酸ガラス。
  4. さらに、前記組成が、以下の組成範囲:
    Figure 2016147796
    のうちの1つから選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のアルカリホウケイ酸ガラス。
  5. さらに、SiO2およびB23の含有量の合計が、95.5質量%〜97.5質量%の範囲、好ましくは95.8質量%〜97.2質量%の範囲、より好ましくは97.1質量%までであるか、または、SiO2およびB23の含有量の合計が、95.5mol%〜97.5mol%の範囲、好ましくは95.7mol%〜97.2mol%の範囲、より好ましくは97.1mol%までであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のアルカリホウケイ酸ガラス。
  6. 好ましくはシート状のガラス要素またはパイプ状のガラス要素の形態の、請求項1から5のいずれか一項に記載のアルカリホウケイ酸ガラスによるガラス要素。
  7. さらに、10MPa未満の表面圧縮応力によって特徴付けられる、請求項6に記載のガラス要素。
  8. ガラス要素の製造方法であって、
    質量パーセント表示の以下の成分:
    SiO2 75〜86質量%
    Al23 0〜5質量%
    23 9.0〜25質量%
    Na2O 0.5〜5.0質量%
    O 0〜1.0質量%
    Li2O 0〜1.0質量%、ならびに
    0〜5.0質量%のさらなる成分
    を有する組成範囲内のホウケイ酸ガラスのガラス成分が、重み付け架橋指数、すなわち、以下:
    Figure 2016147796
    によって与えられる1原子あたりの平均拘束数nが、2.9を超える、好ましくは2.91を超える、より好ましくは2.92を超える、最も好ましくは2.93を超える値を有し、
    上記式中、Nはアボガドロ数であり、c(SiO2)、c(Al23)、およびc(B23)は、SiO2、Al23、およびB23のモル濃度を意味し、c(Mi 2O)値は、存在するアルカリ金属酸化物Mi 2Oのモル濃度を意味し、c(MjO)値は、存在するアルカリ土類金属酸化物のモル比を意味し、ならびにN/N比は、
    Figure 2016147796
    によって与えられ、
    ここで、K(M−O)値(M=Si、Al、Bである)は、成分SiO2、Al23、B23のそれぞれのM−O結合の共有原子価度であり、すなわち:
    SiO2に対して0.5527の共有原子価度、
    23に対して0.6126の共有原子価度、および
    Al23に対して0.4329の共有原子価度、
    であり、ed(M−O)値は、成分SiO2、Al23、B23のそれぞれのカチオン関連の解離エネルギーであり、
    SiO2に対して1864kJ/mol、
    23に対して1572.5kJ/mol、および
    Al23に対して1537kJ/mol、
    として与えられ、
    特定されたガラス成分のガラスが溶融され、ガラス溶融物からガラス要素が成形される、前記製造方法。
  9. さらに、前記ガラス組成が、前記ガラスが210℃の温度において3.6ppm/K未満の線熱膨張係数を有するように選択されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. さらに、前記ガラスの前記成分が、以下の式:
    Figure 2016147796
    に従って210℃の温度において特定された線熱膨張係数の値が、3.6・10-6-1未満であるように選択され、ここで、Cj、Ckは、前記ガラス組成の各成分のモル濃度(モルパーセントで)であり、ならびに係数β0、βj、βj2、βjkに対して、以下:
    Figure 2016147796
    が有効であることを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
  11. さらに、前記組成が、以下の組成範囲:
    Figure 2016147796
    から選択されることを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. さらに、ガラス要素の成形工程が、フロート法によりガラス溶融物からシート状のガラス要素を成形する工程を含むことを特徴とする、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 請求項1から5のいずれか一項に記載のガラスまたは請求項6および7のいずれか一項に記載のガラス要素の使用であって、
    ・耐火性グレージングとして、
    ・建物建築における静的に高負荷可能な建築用構成要素として、例えば、建物正面の要素として
    ・耐熱性グレージング、特に調理用製品またはベーキングオーブン用の耐熱性グレージングとして、または熱分解炉用の視界窓として、
    ・誘導式レンジ台上面として
    ・ガラスパイプライン要素として
    ・耐圧性グレージング用の板ガラスとして、
    ・対衝撃用グレージングとしての、
    前記使用。
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