JP2016145138A - ベータ型ゼオライトの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機構造規定剤を用いず、環境負荷を可能な限り低減できる種結晶添加法ベータ型ゼオライトの製造方法を提供すること。【解決手段】本発明のベータ型ゼオライトの製造方法は、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水を含む反応混合物と、ベータ型ゼオライトからなる種結晶とを混合して加熱する工程を有する。前記種結晶として、有機構造規定剤を使用することなしに合成され、且つレーザー回折散乱式粒度分布測定法による粒子径分布において、粒子径10μm以下の粒子が体積基準で90%以上であるベータ型ゼオライトを用いた。【選択図】図1

Description

本発明は、ベータ型ゼオライトの製造方法に関する。
合成ゼオライトは結晶性アルミノシリケートであり、その結晶構造に起因するオングストロームサイズの均一な細孔を有している。この特徴を生かして、合成ゼオライトは、特定の大きさを有する分子のみを吸着する分子ふるい吸着剤や親和力の強い分子を吸着する吸着分離剤、又は触媒基剤として工業的に利用されている。そのようなゼオライトの一つであるベータ型ゼオライトは、石油化学工業における触媒として、また自動車排気ガス処理用吸着剤として、現在世界中で多量に使用されている。ベータ型ゼオライトの特徴は、以下の非特許文献1に記載されているように、三次元方向に12員環細孔を有する点にある。また、その構造的特徴を示すX線回折図は、以下の非特許文献2に記載されている。
ベータ型ゼオライトの合成法は種々提案されているところ、一般的な方法はテトラエチルアンモニウムイオンを有機構造規定剤(以下「OSDA」と略称する。)として用いる方法である。そのような方法は例えば以下の特許文献1ないし3及び非特許文献3に記載されている。これらの方法によればSiO/Al比が10〜400のベータ型ゼオライトが得られる。しかしながら、テトラエチルアンモニウムイオンを含む化合物は高価である上に、ベータ型ゼオライト結晶化終了後はほとんどが分解してしまうため、回収して再利用することは不可能である。そのために、この方法により製造したベータ型ゼオライトは高価である。更に、結晶中にはテトラエチルアンモニウムイオンが取り込まれるため、吸着剤や触媒として使用する際には焼成除去する必要がある。その際の排ガスは環境汚染の原因となり、また、合成母液の無害化処理のためにも多くの薬剤を必要とする。このように、テトラエチルアンモニウムイオンを用いるベータ型ゼオライトの合成方法は高価であるばかりでなく、環境負荷の大きい製造方法であることから、OSDAを用いない製造方法の実現が望まれていた。
このような状況の中で、OSDAを使用しないベータ型ゼオライトの合成方法が非特許文献4において提案された。この方法においては、テトラエチルアンモニウムイオンを用いて合成したベータ型ゼオライトを焼成して有機物成分を除去したものを種結晶として用い、これを、有機物を含まないナトリウムアルミノシリケート反応混合物に添加して、水熱処理を行うことにより結晶化を行うものである。しかしながら、この方法においては、テトラエチルアンモニウムイオンを用いて合成したベータ型ゼオライトを焼成して種結晶として用いる限り、使用量は減少するものの常にOSDAとしてのテトラエチルアンモニウムイオンが必要となる。またこの同文献には一種の種結晶が記載されているのみであり、またナトリウムアルミノシリケート反応混合物の組成も数値限定された一例のみである。したがって、合成されたベータ型ゼオライトの組成は同文献に記載されていないものの、決まった値のみとなると考えられる。
一方、非特許文献4の著者による特許文献4には、種結晶のSiO/Al比が記載されており、更にナトリウムアルミノシリケート反応混合物の組成が点組成ではなく点から離れた狭い範囲が記載されている。しかしながら特許文献4に記載の技術は、基本的には非特許文献4と同じ技術であり、反応混合物組成範囲が狭いために、ベータ型ゼオライトのSiO/Al比は限られた範囲のみに限定される。多様な需要に対応するためには幅広いSiO/Al比範囲のゼオライトが望ましい。また、工業的量産化のためには、攪拌合成可能な条件の確立が望まれる。更に環境負荷を可能な限り低減するためには、焼成の必要がない種結晶を用い、OSDAを用いないベータ型ゼオライトの新しい製造方法の提案が望まれる。
その後、本発明者が鋭意検討したところ、特許文献5及び非特許文献5に記載されているとおり、より広い反応混合物組成範囲で合成可能な条件が見出され、得られるベータ型ゼオライトのSiO/Al比も拡大された。また、特許文献5及び非特許文献5には、種結晶を添加することで、OSDAを使用せずにベータ型ゼオライトを合成し、更に合成されたベータ型ゼオライトをリサイクルにより再度種結晶として添加することで、OSDAを全く使用しないでベータ型ゼオライトを合成する方法が開示されている。この方法は本質的にOSDAを使用せず、環境負荷が究極的に小さいグリーンプロセスなので、この方法によれば、いわゆる“グリーンベータ型ゼオライト”を合成することができる。しかしながら、これらの文献に記載の実施例の数は決して多くなく、リサイクル可能な種結晶の特徴は十分に明らかにされてはいなかった。
米国特許第3,308,069号明細書 米国特許第4,923,690号明細書 特開平9−175818号公報 CN101249968A 国際公開第2011/013560号パンフレット
Ch. Baerlocher, L.B. McCusker, D.H. Olson, Atlas of Zeolite Framework Types, Published on behalf of the Commission of the International Zeolite Association, 2007, p.72-73 M.M.J. Treacy and J.B. Higgins, Collection of Simulated XRD Powder Patterns for Zeolites, Published on behalf of the Commission of the International Zeolite Association, 2007, p.82-83及びp.480 Microporous Materials, Vol.5, p.289-297 (1996) Chemistry of Materials, Vol.20, No.14, p.4533-4535 (2008) Chemistry-An Asian Journal, Vol.5, p.2182-2191 (2010)
図1には、OSDAを用いるベータ型ゼオライトの合成法が示されている。同図に示すとおり、従来法によればベータ型ゼオライトは<1>、<2>及び<3>の順で製造される。また、特許文献4及び非特許文献4に示されている方法では、<1>、<2>、<3>、<4>、<5>、<6>及び<9>の順で製造される。この方法においては、種結晶の使用が必須であり、種結晶の製造のためにはテトラエチルアンモニウムイオンというOSDAが必須であり、また種結晶として使用するためには高温焼成によりテトラエチルアンモニウムイオンを除去する必要がある。
この方法に対して、特許文献5おいては六通りの製造方法が開示されている。その一つの方法は前記の方法と同じ<1>、<2>、<3>、<4>、<5>、<6>及び<9>の順で製造されるが、種結晶のSiO/Al比と反応混合物組成が従来法と異なるため、幅広い範囲のSiO/Al比のベータ型ゼオライトを製造することができる。二番目の方法は<1>、<2>、<3>、<4>、<5>、<7>、<6>及び<9>の順で製造され、熟成を行った後に静置加熱することにより低SiO/Al比の種結晶を有効に使用できる。三番目の方法は、<1>、<2>、<3>、<4>、<5>、<7>、<8>及び<9>の順で製造される。
更に特許文献5には、<10>、<5>、<6>及び<9>の順、<10>、<5>、<7>、<6>及び<9>、並びに<10>、<5>、<7>、<8>及び<9>の順でベータ型ゼオライトを製造することも可能であることが開示されている。これらの三通りの方法では、OSDAを全く使用しない方法によって得られたベータ型ゼオライトを種結晶として用いており、この種結晶は繰り返し使用可能なので、本質的にOSDAを使用しない製造手順である。この三通りの製造法は環境負荷が究極的に小さいグリーンプロセスによるベータ型ゼオライトの製造法ということができる。すなわち、これらの方法によって初めて、“グリーンベータ型ゼオライト”が製造される。しかしながら、繰り返し使用可能なベータ型ゼオライト種結晶の特徴はこれまで明らかでなかった。
したがって本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し、OSDAを用いず、環境負荷を可能な限り低減できる種結晶添加法ベータ型ゼオライトの製造方法を提供することにある。詳細には、図1に示す<10>、<5>、<6>及び<9>の順、<10>、<5>、<7>、<6>及び<9>の順、又は<10>、<5>、<7>、<8>及び<9>の順でベータ型ゼオライトを製造する方法において、繰り返し使用可能なベータ型ゼオライト種結晶の特徴を明らかにすることにより、環境負荷と製造コストとを同時に低減可能な、OSDAを用いない種結晶添加法ベータ型ゼオライト(以下「グリーンベータ」ともいう。)の製造方法を提供することにある。
本発明者らは繰り返し使用可能な種結晶の特徴を鋭意検討した結果、図1における<10>、<5>、<6>及び<9>の順、<10>、<5>、<7>、<6>及び<9>の順、並びに<10>、<5>、<7>、<8>及び<9>の順で製造するグリーンベータの製造方法において、種結晶として有効に作用するベータ型ゼオライトの特徴を明らかにすることができた。
すなわち本発明は、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水を含む反応混合物と、ベータ型ゼオライトからなる種結晶とを混合して加熱する工程を有するベータ型ゼオライトの製造方法であって、
前記種結晶として、有機構造規定剤を使用することなしに合成され、且つレーザー回折散乱式粒度分布測定法による粒子径分布において、粒子径10μm以下の粒子が体積基準で 90%以上であるベータ型ゼオライトを用いた、ベータ型ゼオライトの製造方法を提供することにより、前記の課題を解決したものである。
本発明によれば、OSDAを用いず、環境負荷を可能な限り低減できる種結晶添加法ベータ型ゼオライトの製造方法が提供される。
図1は、ベータ型ゼオライトの合成法のフロー図である。 図2は、参考例1で合成した種結晶用のSiO/Al比=24.0のベータ型ゼオライトの焼成後の結晶のX線回折図である。 図3は、参考例1で合成した種結晶用のSiO/Al比=24.0のベータ型ゼオライトの焼成後の結晶の粒子径分布図である。 図4は、参考例3で合成した生成物のX線回折図である。 図5は、参考例3で合成した生成物の全結晶の粒子径分布図である。 図6は、参考例3で合成した生成物の濾別結晶の粒子径分布図である。 図7は、実施例1で合成した生成物のX線回折図である。 図8は、比較例1で合成した生成物のX線回折図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明に係るグリーンベータの製造方法は、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水を含む反応混合物と、ベータ型ゼオライトからなる種結晶とを混合して加熱する工程を有する。この方法においては、種結晶の表面からベータ型ゼオライトの結晶成長が起きていると、本発明者は推定している。したがって、活性な結晶表面積が大きいほど種結晶の添加効果が大きいと推定される。結晶表面積を大きくするためには、結晶粒子径を小さくすることが有効である。
ところで一般的に、合成ゼオライトは、大きさの異なる単一結晶体が凝集状態となっている結晶として合成されるので、単一結晶の粒子径分布を求めることは容易ではないが、凝集粒子を含む粒子径分布を求めることは可能である。そこで本発明者は、ベータ型ゼオライトの種結晶の粒子径分布と、グリーンベータの結晶化条件、結晶化度、純度及び細孔特性などとの相関性を鋭意検討した結果、種結晶として繰り返し使用可能なベータ型ゼオライトの最適な粒子径分布を求めることに成功した。
本発明で使用可能な、制御された結晶粒子径分布を有するベータ型ゼオライトの種結晶、すなわち図1中の<10>を得る方法は、例えば次に述べるとおりである。一つの方法は、前記した従来の製造方法によって得られたベータ型ゼオライト、すなわち図1中の<9>の中から、好適な結晶粒子径分布を有するベータ型ゼオライトのみを分別し、分別されたベータ型ゼオライトを種結晶(図1中の<10>)として用いる方法である。この種結晶は、OSDAを使用することなしに合成されたものである。
従来の製法に従いOSDAを使用することなしに合成されたベータ型ゼオライト、すなわち図1中の<9>の中から、好適な結晶粒子径分布を有する結晶のみを分別して種結晶(図1中の<10>)を得る方法は、例えば次に述べるとおりである。すなわち、(i)濾過の際に使用する濾布の目開きを調整することによって、小結晶粒子径のもののみを分別する方法や、(ii)結晶が分散しているスラリーを用い、沈降法によって分別する方法などが有効である。また(iii)乾式法による分別も可能である。
OSDAを用いず、種結晶を添加する方法で合成されたベータ型ゼオライト(図1中の<9>)の結晶粒子径分布は、一般的に10nm程度から100μm以上までの幅広い範囲にある。これをそのまま種結晶として使用した場合、結晶粒子径分布のピークが小粒子径側にシフトしており、粒子の大部分が小粒子径側に存在すれば、結晶表面積が大きくなり種結晶として有効に作用する。一方、結晶粒子径分布のピークが大粒子径側にシフトしており、粒子の大部分が大粒子径側に存在すれば、結晶表面積が小さくなり種結晶としての効果は小さくなる。本発明に使用可能なベータ型ゼオライトの種結晶、例えば図1中の<10>は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による粒子径分布において、粒子径10μm以下の粒子が体積基準で90%以上であることが好ましい。すなわち累積体積90容量%における体積累積粒径D90が10μm以下であることが好ましい。特に、粒子径10μm以下の粒子が体積基準で93%以上であることが更に好ましく、93.5%以上であることが一層好ましい。このような粒子径分布を有し、且つOSDAを用いずに合成されたベータ型ゼオライトを種結晶として用い、これを上述した反応混合物と混合し加熱することで、目的とするグリーンベータを首尾よく得ることができる。
なお、先に述べた特許文献5及び非特許文献5においてもグリーンベータが生成しているが、これらの文献で採用しているグリーンベータの合成条件は本発明と相違している。これらの文献では、種結晶としてOSDAを使用することなしに合成され且つ体積基準のD90が10μm以下のベータ型ゼオライト粒子は使用していない。それにもかかわらず、これらの文献において、本発明の条件を採用しない条件でグリーンベータが生成した理由は分明ではないが、その理由として、これらの文献ではグリーンベータの合成条件として高アルカリ濃度領域を採用していることに起因して、結晶化反応中に種結晶表面が溶解し、そのことに起因して種結晶の粒子径が実質的に小さくなったためではないかと、本発明者は推測している。
レーザー回折散乱式粒度分布測定法によって種結晶の粒子径分布を測定する場合には、測定装置として例えば(株)島津製作所製のナノ粒子径分布測定装置、SALD−7500nanoを用いる。この装置を用いる場合には、測定対象物を水に分散させて測定を行う。分散液は希薄液であり、その濃度が測定対象として適しているか否かは装置が自動的に判断する。
本発明においては、種結晶としてOSDAを使用することなしに合成されたベータ型ゼオライトZ1に加えて、OSDAを使用して合成したベータ型ゼオライトの焼成済種結晶Z2を更に用いることもできる。そのような焼成済種結晶は、図1中の<4>に相当するものである。図1における<4>の種結晶は、一般的な合成方法により得られたものであれば、その結晶粒子径分布に関わらず、<9>のベータ型ゼオライトの合成に有効であることは、特許文献4、非特許文献4及び5並びに本発明者のこれまでの検討結果から明らかである。したがって、本発明に従うグリーンベータの合成においても、反応混合物に添加する種結晶は、その100%が図1における<10>の種結晶でもよく、あるいは、図1における<10>の種結晶と<4>の種結晶との混合物を用いることもできる。<4>の種結晶、すなわち焼成済種結晶の粒子径を制御し、その結晶を、OSDAを使用することなしに合成されたベータ型ゼオライトである<10>と併用することにより、グリーンベータを製造することができる。その場合、<10>の種結晶Z1と<4>の種結晶Z2との混合物に占める<10>の種結晶の割合、すなわちZ1/(Z1+Z2)×100の値は10質量%以上100質量%以下であることが好ましく、25質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。<10>の種結晶と<4>の種結晶との混合物に占める<10>の種結晶の割合が10質量%以上であれば、環境負荷と製造コストを同時に低減できる効果が認められるので、生成物はグリーンベータと呼ぶことができる。
種結晶の添加量(上述のZ2を用いる場合には、Z1とZ2との合計量)は、反応混合物に含まれるシリカ源の質量、すなわち反応混合物に含まれるケイ素をSiO換算した質量に対して、1質量%以上30質量%以下の範囲であることが好ましい。種結晶の添加量は、この範囲内において少ないことが一般に好ましいが、反応速度や不純物の抑制効果などを考慮して種結晶の添加量が決められる。この観点から、種結晶の添加量は、反応混合物に含まれるシリカ源の質量に対して、1質量%以上10質量%以下の範囲であることが更に好ましい。
種結晶Z1は固体の状態で反応混合物に添加してもよく、あるいは該種結晶を含む固液混合物の状態で反応混合物に添加してもよい。この場合、種結晶として上述の種結晶Z1に加えて種結晶Z2も用いる場合には、種結晶Z1に種結晶Z2を追加混合して得られた固液混合物を用いることができる。上述のとおり、本発明で用いる種結晶は微粒のものであることから、これを固体の状態で用いると発塵が生じる場合があり、取り扱い性に欠けることがある。これに対して種結晶を固液混合物の状態で用いればそのような不都合を容易に回避することができる。固液混合物を用いる場合の媒体としては、水を用いることが安全性及び経済性の観点から好ましい。
種結晶を固液混合物の状態で用いる場合には、まず1)図1における<9>のベータ型ゼオライトを含む反応混合物を取り出す。次に2)液体サイクロンなどの沈降分離装置、真空濾過装置などの濾過分離装置、又は遠心分離機などで10μm以上の粗粒を分離する。上述した濾布を用いた濾過も有効である。引き続き3)過剰の液相を除去し濃縮する。このようにして得られた固液混合物中には<10>の種結晶Z1が存在している。この後、必要に応じ、4)固液混合物中に種結晶Z2を追加混合して、種結晶供給源としての最終的な固液混合物が得られる。なお、このような固液混合物を種結晶供給源として使用する場合には、それに含まれるシリカ、アルミナ及びアルカリ並びに水を定量しておき、それらの分を差し引いて反応混合物を形成することが望ましい。
種結晶と反応混合物との混合方法としては種々の方法を採用することができる。例えば、初期の反応混合物に種結晶を添加して所定の温度で所定の時間にわたって加熱処理を行う方法が一般的である。あるいは、種結晶を含まない反応混合物を所定の温度で所定の時間にわたって加熱処理した後に、該反応混合物に種結晶を添加し、更に結晶化のためにその反応混合物を所定の温度で所定の時間にわたり加熱処理する方法も有効である。この場合、上述のZ2をZ1と併用する場合には、Z1及びZ2を添加しない反応混合物を所定の温度で所定の時間にわたって加熱処理した後に、該反応混合物にZ1及びZ2を添加し、更に結晶化のためにその反応混合物を所定の温度で所定の時間にわたり加熱処理すればよい。
種結晶を含まない初期の反応混合物を加熱する条件として、例えばオートクレーブ中で、温度100℃以上150℃以下に設定することが好ましい。加熱時間は、この温度範囲を条件として1時間以上10時間未満とすることが好ましい。圧力は自生圧力とする。一方、反応混合物に種結晶を添加してゼオライトを結晶化するときの加熱条件は、例えばオートクレーブ中で、温度100℃以上200℃未満に設定することが好ましい。加熱時間は、この温度範囲を条件として1時間以上80時間以下、特に1時間以上75時間以下とすることが好ましい。圧力は自生圧力とする。
本発明に従いグリーンベータを製造するときに用いられる種結晶、例えば<4>の種結晶や<10>の種結晶におけるSiO2/Al23=比は8以上30以下の範囲であることが好ましく、更に好ましくは10以上25以下の範囲である。この範囲内であれば、脱アルミニウム処理をして得られた種結晶を用いることもできる。また、種結晶に含まれる陽イオンは、有機原子団のイオン以外のイオンであればその種類に特に限定はない。
種結晶と混合される反応混合物は、以下の(a)又は(b)に示すモル比で表される組成となるように、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水を混合したものを用いればよい。
(a)
SiO2/Al23=40以上200以下、特に44以上200以下
Na2O/SiO2=0.24以上0.4以下、特に0.25以上0.35以下
2O/SiO2=10以上50、特に15以上25以下
(b)
SiO2/Al23=8以上40以下、特に10以上30以下
Na2O/SiO2=0.05以上0.3以下、特に0.1〜0.3以下
2O/SiO2=5〜50以下、特に10〜25以下
前記のモル比を有する反応混合物を得るために用いられるシリカ源としては、シリカそのもの及び水中でケイ酸イオンの生成が可能なケイ素含有化合物を用いることができる。具体的には、湿式法シリカ、乾式法シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸ナトリウム、アルミノシリケートゲルなどが挙げられる。これらのシリカ源は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのシリカ源のうち、シリカ(二酸化ケイ素)やアルミノシリケートゲルを用いることが、不要な副生物を伴わずにゼオライトを得ることができる点で好ましい。
アルミナ源としては、例えば水溶性アルミニウム含有化合物を用いることができる。具体的には、アルミン酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどが挙げられる。また、水酸化アルミニウムやアルミノシリケートゲルも好適なアルミナ源の一つである。これらのアルミナ源は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのアルミナ源のうち、アルミン酸ナトリウムやアルミノシリケートゲルを用いることが、不要な副生物(例えば硫酸塩や硝酸塩等)を伴わずにゼオライトを得ることができる点で好ましい。
アルカリ源としては、例えば水酸化ナトリウムを用いることができる。なお、シリカ源としてケイ酸ナトリウムを用いた場合やアルミナ源としてアルミン酸ナトリウムを用いた場合、そこに含まれるアルカリ金属成分であるナトリウムは同時にNaOHとみなされ、アルカリ成分でもある。したがって、前記のNaOは反応混合物中のすべてのアルカリ成分の和として計算される。
反応混合物を調製するときの各原料の添加順序は、均一な反応混合物が得られ易い方法を採用すればよい。例えば、室温下、水酸化ナトリウム水溶液にアルミナ源を添加して溶解させ、次いでシリカ源を添加して攪拌混合することにより、均一な反応混合物を得ることができる。種結晶は、シリカ源と混合しながら加えるか又はシリカ源を添加した後に加えることができる。その後、種結晶と反応混合物とが均一に分散するように攪拌混合する。アルミナ源としてアルミノシリケートゲルを用いる場合は、種結晶を分散させた水にアルミノシリケートゲルを入れてゲルスラリーとし、最後に水酸化ナトリウム水溶液を投入する方法が一般的であるが、添加順序は限定されない。反応混合物を調製するときの温度にも特に制限はなく、一般的には室温(20〜25℃)で行えばよい。
前述したとおり、ベータ型ゼオライトの種結晶(図1中の<10>)を調製した後は、図1における<10>、<5>、<6>及び<9>の順、<10>、<5>、<7>、<6>、<9>の順、並びに<10>、<5>、<7>、<8>及び<9>のうちのいずれかの順でグリーンベータを製造することができる。一般的には、攪拌することなしに静置法で加熱する。攪拌は、例えば、種結晶と反応混合物との混合物を加熱している期間中にわたり行うことができる。この場合、上述のZ2をZ1と併用するときには、Z1及びZ2と、反応混合物との混合物を加熱している期間中にわたり攪拌を行うことができる。
結晶化過程で攪拌をする場合には、熟成させた後に加熱すると、結晶化が進行し易いので好ましい。熟成とは、反応温度よりも低い温度で一定時間その温度に保持する操作を言う。熟成の効果は、不純物の副生を防止すること、不純物の副生なしに攪拌下での加熱を可能にすること、及び反応速度を上げることなどの効果が知られているが、作用機構は必ずしも明らかではない。熟成の温度と時間は、前記の効果が最大限に発揮されるように設定される。本発明の場合、室温(20℃)以上100℃以下の温度、及び5時間から1日までの範囲で行うことができる。
静置法及び攪拌法のどちらを採用する場合であっても、種結晶と反応混合物とを混合した後は、好ましくは100℃以上200℃以下、更に好ましくは120℃以上180℃以下の範囲の温度で、自生圧力下で加熱することができる。100℃以上の温度を採用することで結晶化速度を十分に速くすることができ、目的とするグリーンベータの生成効率を高めることができる。一方、200℃以下の温度を採用することで、高耐圧強度のオートクレーブを使用しなくても合成が可能になるので経済的に有利であり、また不純物が過度に発生しづらくなる。加熱時間は本製造方法において臨界的ではなく、結晶性の十分に高いベータ型ゼオライトが生成するまで加熱すればよい。一般に5時間以上150時間以下程度の加熱によって、満足すべき結晶性を有するベータ型ゼオライトが得られる。
攪拌法を採用する場合、攪拌の方法及び条件も特に限定されない。結晶化反応中は静置する方法を採用する場合であっても、昇温過程は内部温度を均一化する目的で攪拌することが好ましい。また、種結晶と反応混合物との均一化や、目的とするグリーンベータの粒子径の調整や、器壁への付着量の減少を目的として、結晶化反応中に低速度で攪拌したり、間歇攪拌したりすることも効果的である。
加熱終了後は、生成した結晶粉末を濾過によって母液と分離した後、水又は温水で洗浄して乾燥する。このようにして得られたグリーンベータは、乾燥したままの状態で有機物を含んでいないので焼成の必要はなく、脱水を行えば吸着剤などとして使用可能である。また、固体酸触媒として使用する際は、例えば、結晶内のNaイオンをNH イオンに交換した後、焼成することによってH型として使用することができる。
本製造方法で得られたグリーンベータは、その大きな細孔径と細孔容積や固体酸特性を利用して、例えば種々の工業分野における吸着分離剤や石油化学工業における触媒として好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。なお、以下の実施例及び比較例で用いた分析機器は以下のとおりである。
・湿式ジェットミル:(株)スギノマシン製、スターバスト HJT−25001E、245MPa
・粒子径分布測定装置:(株)島津製作所製、ナノ粒子径分布測定装置、SALD−7500nano、光源:半導体レーザー 405nm
・粉末X線回折装置:(株)リガク製、UltimaIV、Cukα線使用、電圧40kV、電流30mA、スキャンステップ0.02°、スキャン速度2°/min
・組成分析装置:(株)バリアン製、ICP−AES LIBERTY SeriesII
・窒素吸着特性測定装置:カンタクローム インスツルメンツ社製、Autosorb-iQ2-MP、真空下400℃で4時間前処理後、液体窒素温度(−196℃)で吸着等温線を測定。
〔参考例1(OSDAを用いた種結晶の合成)〕
テトラエチルアンモニウムヒドロキシドをOSDAとして用い、アルミン酸ナトリウムをアルミナ源、微粉状シリカ(Cab−O−sil、M−5)をシリカ源とする従来公知の方法により、165℃で96時間にわたってこれらの混合物の攪拌加熱を行って、SiO/Al比が24.0のベータ型ゼオライトを合成した。これを電気炉中で空気を流通しながら550℃で10時間焼成して、有機物を含まない種結晶を製造した。焼成後の種結晶のX線回折図、及び粒子径分布測定装置によって測定した粒子径分布図をそれぞれ図2及び図3に示す。
〔参考例2〕
従来公知の方法(例えば特公昭63−1244号公報、特公昭63−46007号公報、 特公平2−32204号公報、特公平2−44771号公報、特公平2−47403号公報、特公平3−45009号公報、特公平3−53251号公報、特開平6−287015号公報に記載の方法)に従って、3号ケイ酸ソーダ、硫酸バンド水溶液、硫酸及び純水を用いて、SiO/Al比が13.0、14.0、及び16.0のアルミノシリケートゲルをそれぞれ調製した。合成したアルミノシリケートゲルスラリーを遠心分離機で濾過し、純水で洗浄して、含水アルミノシリケートゲルを得た。このゲルの含有水分量は68.9〜70.7質量%の範囲であった。このゲルを乾燥することなく、密閉保存して以下の参考例、実施例、及び比較例に使用した。
〔参考例3ないし9〕
参考例2で調製したアルミノシリケートゲルと種結晶を用いて、OSDAを全く使用することなしに50w/v%水酸化ナトリウム水溶液と、純水と、種結晶とを用いて表1に示した組成の反応混合物を調製し、表1に記載した条件でベータ型ゼオライトを合成した。本参考例で使用した種結晶は、(イ)参考例1で合成したベータ型ゼオライト焼成品の未粉砕品、(ロ)東ソー(株)製ベータ型ゼオライトHSZ930HOA(SiO/Al比=27.0)、及び(ハ)東ソー(株)製ベータ型ゼオライトHSZ931HOA(SiO/Al比=28.3)の3種類である。(ロ)及び(ハ)のベータ型ゼオライトは、OSDAを使用して合成されたものである。参考例3ないし9の反応混合物の総重量は2.4kgであり、合成には容量2.6Lのオートクレーブを用いた。反応終了後、生成スラリーの一部をNo.5Cの濾紙を用いて濾過し、約50℃の温水で洗浄してスラリー中のすべての結晶を回収し、80℃で乾燥した(全結晶)。生成物がベータ型ゼオライトであることをX線回折測定により確認した後、生成スラリー中の全結晶の粒子径分布を測定し、10μm以下の粒子の割合を求めた。その結果を表1に示す。参考例3の生成物のX線回折図を図4に示す。また、参考例3の生成物の全結晶の粒子径分布図を図5に示す。
残りの生成スラリーを遠心分離機により母液と結晶を分離し、約50℃の温水で結晶の洗浄を行った。このとき用いた濾布の目開きを表1に示す。母液と結晶の分離の際、及び結晶の洗浄の際に濾布から漏れた結晶を含むスラリーを回収して、その結晶の粒子径分布を測定し、10μm以下の粒子の割合を求めた。その結果を表1と図6に示す。濾布から漏れた結晶を含むスラリーは、No.5Cの濾紙を用いて濾過、約50℃の温水で洗浄してすべての結晶を回収し、80℃で乾燥した(濾別結晶)。
〔実施例1〕
純水8.145gに50w/v%水酸化ナトリウム水溶液2.993gを添加した水溶液に、参考例3で調製したSiO/Al比=16.0のアルミノシリケートゲル(含有水分量68.9質量%)20.000gを添加した。更に、参考例5で得られた濾別結晶である10μm以下の結晶粒子が95.8%、SiO/Al比=12.2のベータ型ゼオライト0.795gを種結晶として添加し、均一に攪拌して反応混合物とした。この反応混合物を60ccのステンレス製加圧容器に入れて密封し、乾燥機中で静置して140℃で67時間加熱した。生成物を濾過、洗浄、乾燥した後、X線回折装置により測定した結果、生成物は図7に示すように、ベータ型ゼオライトであった。そのSiO/Al比、窒素吸着特性測定から求めた細孔特性は表2に示すとおりであった。
〔実施例2ないし4〕
それぞれ参考例6及び7で得られた濾別結晶である10μm以下の結晶粒子が99.2%及び98.1%、SiO/Al比=12.0及び11.8であるベータ型ゼオライトを種結晶として用いた以外は実施例1と同じ原料を用いて、表2に記載した組成の反応混合物を調製し、同表に記載の条件で加熱した結果、生成物及びその組成と細孔特性は表2に記載のとおりであった。
〔実施例5ないし7〕
参考例2で調製したSiO/Al比=14.0及び13.0のアルミノシリケートゲル(含有水分量はそれぞれ70.4質量%及び70.7質量%)を用い、それぞれ参考例7及び参考例3で得られた濾別結晶である10μm以下の結晶粒子が98.1%及び93.9%、SiO/Al比=11.8及び11.2であるベータ型ゼオライトを種結晶として用いた以外は実施例1と同じ原料を用いて、表2に記載した組成の反応混合物を調製し、同表に記載の条件で加熱した結果、生成物及びその組成と細孔特性は表2に記載のとおりであった。
〔実施例8及び9〕
参考例2で調製したSiO/Al比=16.0のアルミノシリケートゲル(含有水分量68.9質量%)を用い、それぞれ参考例7及び参考例8で得られた濾別結晶である10μm以下の結晶粒子が98.1%及び96.6%、SiO/Al比=11.8及び10.8であるベータ型ゼオライトを種結晶として用いた以外は実施例1と同じ原料を用いて、表2に記載した組成の反応混合物を調製し、同表に記載の条件で加熱した結果、生成物及びその組成と細孔特性は表2に記載のとおりであった。
〔実施例10ないし12〕
参考例2で調製したSiO/Al比=16.0及び14.0のアルミノシリケートゲル(含有水分量はそれぞれ68.9質量%及び70.4質量%)を用いて表2に記載した組成の反応混合物を調製し、種結晶としてHSZ931HOAと、それぞれ参考例3及び7で得られた濾別結晶とを、表2に記載した割合で混合して添加し、同表に記載の条件で加熱した結果、生成物及びその組成と細孔特性は同表に記載のとおりであった。
〔比較例1ないし3〕
参考例2で調製したSiO/Al比=16.0のアルミノシリケートゲル(含有水分量は68.9質量%)を用いて表3に記載した組成の反応混合物を調製し、種結晶としてそれぞれ参考例5、7及び3で得られた全結晶を10質量%添加し、表3記載の条件で加熱した結果、生成物は同表に記載のとおりであった。比較例1の生成物は図8に示すように、モルデナイトとベータ型ゼオライトの混合物であった。
〔比較例4及び5〕
参考例2で調製したSiO/Al比=16.0及び14.0のアルミノシリケートゲル(含有水分量はそれぞれ68.9質量%及び70.4質量%)を用いて表3に記載した組成の反応混合物を調製し、種結晶としてそれぞれ参考例9及び4で得られた濾別結晶を10質量%添加し、同表に記載の条件で加熱した結果、生成物は同表に記載のとおりであった。
〔比較例6〕
参考例2で調製したSiO/Al比=13.0のアルミノシリケートゲル(含有水分量は70.7質量%)を用いて表3に記載した組成の反応混合物を調製し、種結晶として参考例7で得られた全結晶を10質量%添加し、同表に記載の条件で加熱した結果、生成物は同表に記載のとおりであった。

Claims (5)

  1. シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水を含む反応混合物と、ベータ型ゼオライトからなる種結晶とを混合して加熱する工程を有するベータ型ゼオライトの製造方法であって、
    前記種結晶として、有機構造規定剤を使用することなしに合成され、且つレーザー回折散乱式粒度分布測定法による粒子径分布において、粒子径10μm以下の粒子が体積基準で90%以上であるベータ型ゼオライトを用いた、ベータ型ゼオライトの製造方法。
  2. 前記種結晶として、有機構造規定剤を使用することなしに合成された前記ベータ型ゼオライトに加えて、有機構造規定剤を使用して合成したベータ型ゼオライトの焼成済種結晶を更に用いた請求項1に記載のベータ型ゼオライトの製造方法。
  3. 前記反応混合物の組成が下記の範囲にある請求項1又は2に記載のベータ型ゼオライトの製造方法。
    SiO2/Al23=8以上40以下
    Na2O/SiO2=0.05以上0.3以下
    2O/SiO2=5以上50以下
  4. 前記種結晶として、有機構造規定剤を使用することなしに合成された前記ベータ型ゼオライトを含む固液混合物を用い、該固液混合物を前記反応混合物に添加する請求項1ないし3のいずれか一項に記載のベータ型ゼオライトの製造方法。
  5. 前記種結晶として、有機構造規定剤を使用することなしに合成された前記ベータ型ゼオライトに、有機構造規定剤を使用して合成したベータ型ゼオライトの焼成済種結晶を追加混合して得られた固液混合物を用い、該固液混合物を前記反応混合物に添加する請求項1ないし4のいずれか一項に記載のベータ型ゼオライトの製造方法。
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