JP2016131933A - 中空粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の中空粒子の製造方法は、粒子の内部に空孔を有する中空粒子を液体中で製造する中空粒子の製造方法であって、
(A)第1の分散媒を含有する樹脂液に気体を注入する工程と、
(B)工程(A)で気体が注入された樹脂液を、第2の分散媒中に注入して、気体を内包した液滴粒子を作製し、当該液滴粒子の分散液を調製する工程と、
(C)工程(B)で作製された液滴粒子を、固体化し、さらに、第2の分散媒から単離する工程と、
を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
しかしながら、これらの技術では、基本的に不安定な構造である気泡の形成後に中空粒子の前駆体形成が行われるために、安定的に中空粒子を製造することが難しい。加えて、特許文献1に記載の技術では気化できる重合性単量体が、特許文献2に記載の技術では気泡表面に選択的に吸着する重合性物質が、特許文献3に記載の技術では気化できる触媒が、それぞれ必須であり、中空粒子の製造に用いることが可能な物質が強く限定される、という問題がある。
また、本発明者は、工程(B)で作製された液滴粒子を固体化し、さらに、第2の分散媒から単離する工程(C)を経ることで、簡略な製法で多様な組成や構造を実現した中空粒子を製造できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
(A)第1の分散媒を含有する樹脂液に気体を注入する工程と、
(B)前記工程(A)で前記気体が注入された樹脂液を、第2の分散媒中に注入して、前記気体を内包した液滴粒子を作製し、当該液滴粒子の分散液を調製する工程と、
(C)前記工程(B)で作製された液滴粒子を、固体化し、さらに、第2の分散媒から単離する工程と、
を有することを特徴とする中空粒子の製造方法。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明者は、上記工程(A)により、樹脂液に気体を注入して気泡を含む樹脂液を作製し、これを第2の分散媒に注入した場合、中空粒子の前駆体となる、気体を内包した樹脂液滴(液滴粒子)を形成しつつ、当該樹脂液滴の分散液を作製できる(上記工程(B))ことを見いだした。
そして、本発明者は、当該分散液中の、気体を内包した液滴粒子を固体化し、さらに、第2の分散媒から単離すれば(上記工程(C))、一般的に用いられている中空粒子の製造方法のような複雑な方法ではなく、簡略な製法で多様な組成や構造を実現した中空粒子を製造できることを見いだし本発明に至った。
本発明の中空粒子の製造方法は、粒子の内部に空孔を有する中空粒子を液体中で製造する中空粒子の製造方法であって、
(A)第1の分散媒を含有する樹脂液に気体を注入する工程と、
(B)前記工程(A)で前記気体が注入された樹脂液を、第2の分散媒中に注入して、前記気体を内包した液滴粒子を作製し、当該液滴粒子の分散液を調製する工程と、
(C)前記工程(B)で作製された液滴粒子を、固体化し、さらに、第2の分散媒から単離する工程と、
を有することを特徴とする。
ここで、図1に示す例において、中空粒子1は、粒子の内部に空孔3を有する。空孔とは、空気等のガス、真空空間等が存在している部分をいう。中空粒子1における空孔の外側部分は外郭(シェル2ともいう)とも呼ばれる。
工程(A)は、第1の分散媒を含有する樹脂液に気体を注入する工程である。
気体を注入させる方法は、気体を内包した液滴(樹脂液の泡)を作製できるものであれば、特に限定されず、具体的には、例えば、バブラー(アズワン株式会社製ケラミフィルター)を通して空気を注入する方法が挙げられる。また、このほか、樹脂液を撹拌して泡立てることで、気体を内包した液滴(樹脂液の泡)を作製するなどしてもよい。
樹脂液とは、樹脂を溶融や溶解によって液状化したものである。中でも、第1の分散媒を含有する樹脂液が、高温や高圧にする必要なく容易に樹脂液を調製できるので望ましい。なお、樹脂としては、当該第1の分散媒に溶解されるものであれば、高温や高圧にする必要なく容易に樹脂液を調製でき、低コストかつ安全であるため好ましい。
樹脂液は、さらに、油溶性界面活性剤を含有することが、樹脂液に気体を内包させた状態を維持しやすくなり、この結果、気体を内包しない液滴から生じる中実粒子が減少し、中空粒子の収率が上がるため好ましい。
また、樹脂液の25℃における粘度は、10mPa・s以上であることが、樹脂液に気体を内包させた状態を維持しやすくなり、この結果、中空粒子の収率が向上することから好ましく、更に好ましくは、100mPa・s以上である。
また、樹脂液の25℃における粘度の上限は、気体を内包させる装置の取り扱い粘度上限によって既定される。一般的な攪拌機を用いる場合には50万mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは75000mPa・s以下である。
粘度の測定方法は、特に限定されず、既知の方法であればよいが、共軸二重円筒型、単一円筒型回転式粘度計(B型)、コーンプレート型(E型)等の回転式粘度計が望ましく、後述の本願の実施例ではコーンプレート型粘度計を用いて測定した。
本発明に係る樹脂液に含有される樹脂としては、有機溶媒や重合性単量体などの第1の分散媒に溶解させる等で液化することが可能な樹脂であればよく、市販、又は別途作製された高分子を用いることができ、具体的には、例えば、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリオレフィン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
また、樹脂液に含有される樹脂としては、樹脂の原料である重合性単量体の一部を気体の注入前に重合することによって作製した高分子を用いることもできる。
界面活性剤は親水基と親油基の組合せによって構成されているが、親水基及び親油基の種類は極めて多数にのぼり、その組合せによってできる界面活性剤の種類も極めて多い。本発明に係る油溶性界面活性剤としては、有機溶媒又は重合性単量体に溶解し、気体の分散安定性を発揮するものであれば、特に限定されず、好適に用いることができる。
なお、このような油溶性界面活性剤を樹脂液が含有することで、上述のように、有機溶媒又は重合性単量体中において、気体の分散安定性が向上し、好適に気体を内包した液滴粒子を作製することができ、この結果、気体を内包しない液滴から生じる中実粒子が減少し、中空粒子の収率が上がるため好ましい。
さらに、市販品も使用でき、具体的には、例えば、花王株式会社製レオドールSP−L10や、日油株式会社製モディパーF606などが挙げられる。
第1の分散媒は、上記樹脂を、溶解する等により液化できるものであれば特に限定されないが、有機溶媒又は重合性単量体であることが好ましい。
本発明に好適に使用できる有機溶媒は、上記樹脂を溶解した状態で水に分散可能なものであればよく、特に限定されず、例えば、トルエン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、2−ブタノン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、塩化メチレン等が挙げられる。
重合性単量体としては、上記樹脂を溶解した状態で水に分散可能なものであれば、特に限定されず、具体的には、例えば、以下の(1)〜(8)に示すものが挙げられる。
スチレン系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェニルアクリレートフェニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどが挙げられる。
オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどが挙げられる。
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどが挙げられる。
ビニルエーテル類としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトン類としては、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどが挙げられる。
N−ビニル化合物類としては、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
多官能ビニル単量体としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキシレングリコールジメタクリレート、ヘキシレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの3級以上のアルコールのジメタクリレート及びトリメタクリレートなどが挙げられる。
上述のもの以外にも、例えば、ブタジエン、ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、無水マレイン酸などが挙げられる。
注入可能な気体としては、工程(A)〜工程(C)の間で気体であればよいが、安定性や安全性から、例えば、空気や不活性気体(ヘリウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素など)が望ましい。
工程(B)は、工程(A)で気体が注入された樹脂液を、第2の分散媒中に注入して、気体を内包した液滴粒子を作製し、当該液滴粒子の分散液を調製する工程である。
この液滴粒子の分散液は、水溶性界面活性剤を含有することが、液滴粒子の凝集を防ぐことによって、中空粒子の収率が向上することから好ましい。
本発明に係る液滴粒子とは、第2の分散媒中に形成される、本発明に係る樹脂液の粒子である。当該液滴粒子は、上記樹脂液をシェルとして、気体を内包した状態(中空を有する状態)で、第2の分散媒中に分散できる。
上述のように、界面活性剤は、親水基と親油基の組合せによって構成されているが、親水基及び親油基の種類は極めて多数にのぼり、その組合せによってできる界面活性剤の種類も極めて多い。本発明に係る水溶性界面活性剤としては、水溶性溶媒に溶解し、液滴粒子の分散安定性を発揮するものであれば、特に限定されず、好適に用いることができる。
なお、液滴粒子の分散液が、このような水溶性界面活性剤を含有すれば、液滴粒子の分散安定性が向上し、この結果、中空粒子の収率が向上することから好ましい。
これらの界面活性剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第2の分散媒は、気体を内包させた液滴粒子を分散させることができるものであれば特に限定されないが、水溶性溶媒であることが、第1の分散媒が有機溶媒又は重合性単量体である場合に、樹脂液が過度に溶解するなどせず、ひいては、中空粒子の収率が向上することから好ましい。
水溶性溶媒としては、水に無限に溶ける溶媒であれば特に限定されず、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン等が挙げられる。この中でも、特に、水であることが環境への負荷が小さい、安全性が高い、有機溶媒や重合性単量体の溶解性が低い、などのため好ましい。なお、水は、特に限定されず、例えば、イオン交換水や、蒸留水が好適に用いられる。
工程(C)は、工程(B)で作製された液滴粒子を、固体化し、さらに、第2の分散媒から単離する工程である。
前記固体化の方法は特に限定されないが、樹脂液として、重合性単量体に樹脂を溶解させた液体を用いる場合は、熱や光などと開始剤による重合を用いることができる。また、樹脂液として、非重合性の有機溶媒(第1の分散媒)に樹脂を溶解させた液体を用いる場合は、減圧留去や水蒸気蒸留などによる、第1の分散媒を除去する方法を用いることができる。
既知の方法であればよく、具体的には、重合開始剤存在下で適当な温度に保ったり、光を照射したりする方法が代表的であるが、ガンマ線や電子線を照射する等も挙げられる。
重合開始剤は、使用する溶媒(第1の分散媒又は第2の分散媒)によって分類すれば、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤の2種類に大別される。
これらの水溶性重合開始剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの油溶性重合開始剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
固体化した液滴粒子を単離する方法は特に限定されず、公知のものを使用でき、具体的には、例えば、上記固体化された液滴粒子を含有する液体を吸引濾過した後、イオン交換水を用いた洗浄を行い、バット等に広げて乾燥させることで単離してもよい。他には、遠心分離とイオン交換水の追加を繰り返す、イオン交換水を加えながらの限外濾過を行った後の凍結乾燥などが挙げられる。
分割する方法としては、特に限定されないが、例えば、細孔を有する膜などに気体を内包した液滴粒子の分散液を通すことで、気体を内包した液滴粒子を更に分割し、より細かい気体を内包した液滴粒子を得ることができる。
さらに、その細孔が均一な場合、気体を内包した液滴粒子を分割する際に、分割後の粒径をそろえることができる。具体的な方法例としては、SPG膜(SPGテクノ株式会社製)を用いることを挙げることができる。
ポリスチレン(樹脂、DIC株式会社製HP−555)3質量部を、トルエン(第1の分散媒)12質量部に溶解させた。更に油溶性界面活性剤(花王株式会社製レオドールSP−L10)0.35質量部を加えて溶解させ、樹脂液を調製した。当該樹脂液の25℃における粘度は、1056mPa・sであった。
この樹脂液にバブラー(アズワン株式会社製ケラミフィルター)を通して空気を注入して、気泡を含んだ樹脂液を調製した(工程(A))。
その後、吸引濾過及びイオン交換水を用いた洗浄を行い、バットに広げて40℃で乾燥して、白色粉体〔1〕を得た(工程(C))。
この白色粉体〔1〕を光硬化性の包埋樹脂D−800(日本電子(株)製)中に包埋した。この包埋片を液体窒素に浸漬して割った断面を作製し、これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒径が5〜100μm程度の、内部に空間を有し緻密な表面を有する球状の中空粒子であることが観察された(図2参照。)。
シクロオレフィンポリマー(樹脂、日本ゼオン製Zeonex 330R)3質量部を、トルエン12質量部に溶解させた。さらに、油溶性界面活性剤(日油株式会社製モディパーF606)0.35質量部を加えて溶解させ、樹脂液を調製した。当該樹脂液の25℃における粘度は、960mPa・sであった。
この樹脂液にバブラー(アズワン株式会社製ケラミフィルター)を通して空気を注入して気泡を含んだ樹脂液を調製した(工程(A))。
その後、吸引濾過及びイオン交換水を用いた洗浄を行い、バットに広げて40℃で乾燥して、白色粉体〔2〕を得た(工程(C))。
ポリスチレン(樹脂、DIC株式会社製HP−555)3質量部を、重合性単量体であるスチレンモノマー(第1の分散媒、日本オキシラン株式会社製)12質量部に溶解させた。更に油溶性界面活性剤(花王ケミカル製レオドールSP−L10)0.35質量部と油溶性重合開始剤α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(関東化学株式会社製)0.183質量部を加えて溶解させ、樹脂液を調製した。当該樹脂液の25℃における粘度は、936mPa・sであった。
この樹脂液にバブラー(アズワン株式会社製ケラミフィルター)を通して窒素ガスを注入して気泡を含んだ樹脂液を調製した(工程(A))。
その後、吸引濾過及びイオン交換水を用いた洗浄を行い、バットに広げて40℃で乾燥して、白色粉体〔3〕を得た(工程(C))。
ポリスチレン(樹脂、DIC株式会社製HP−555)3質量部を、スチレンモノマー(日本オキシラン株式会社製)11.3質量部とネオペンチルグリコールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製)0.7質量部との混合溶液(第1の分散媒)に溶解させた。更に油溶性界面活性剤(花王ケミカル製レオドールSP−L10)0.35質量部と油溶性重合開始剤α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(関東化学株式会社製)0.183質量部を加えて溶解させ、樹脂液を調製した。当該樹脂液の25℃における粘度は、948mPa・sであった。
この溶液にバブラー(アズワン株式会社製ケラミフィルター)を通して窒素ガスを注入して気泡を含んだ樹脂液を調製した(工程(A))。
その後、吸引濾過及びイオン交換水を用いた洗浄を行い、バットに広げて40℃で乾燥して、白色粉体〔4〕を得た。この白色粉体〔4〕を実施例(1)と同様に観察したところ、粒径が1〜2μm程度の、内部に空間を有する球状の中空粒子であることが観察された。
重合性単量体であるスチレンモノマー(日本オキシラン株式会社製)15質量部に油溶性重合開始剤α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(関東化学株式会社製)0.183質量部を加えて溶解させた。
この樹脂液に、バブラー(アズワン株式会社製ケラミフィルター)を通して窒素ガスを注入して気泡を含んだ樹脂液を調製した(工程(A))。
その後、吸引濾過及びイオン交換水を用いた洗浄を行い、バットに広げて40℃で乾燥して、白色粉体〔5〕を得た(工程(C))。
スチレンモノマー(日本オキシラン株式会社製)15質量部に、界面活性剤(花王ケミカル製レオドールSP−L10)0.35質量部と油溶性重合開始剤α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(関東化学株式会社製)0.183質量部を加えて溶解させた。この液体の25℃における粘度は、1mPa・sであった。
この溶液にバブラー(アズワン株式会社製ケラミフィルター)を通して窒素ガスを注入して気泡を含んだ液体を調製した。
その後、吸引濾過及びイオン交換水を用いた洗浄を行い、バットに広げて40℃で乾燥して、白色粉体〔6〕を得た。この白色粉体〔6〕を実施例(1)と同様に観察したところ、粒径が5〜100μm程度の、内部に空間を有さない球状の粒子であることが観察された。
スチレンモノマー(日本オキシラン株式会社製)14.3質量部とネオペンチルグリコールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製)0.7質量部の混合溶液を調製し、更に界面活性剤(花王ケミカル製レオドールSP−L10)0.35質量部と油溶性重合開始剤α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(関東化学株式会社製)0.183質量部を加えて溶解させた。この液体の25℃における粘度は、1mPa・sであった。
この溶液にバブラー(アズワン株式会社製ケラミフィルター)を通して窒素ガスを注入して気泡を含んだ液体を調製した。
その後、吸引濾過及びイオン交換水を用いた洗浄を行い、バットに広げて40℃で乾燥して、白色粉体〔7〕を得た。この白色粉体〔7〕を実施例(1)と同様に観察したところ、粒径が5〜100μm程度の、内部に空間を有さない球状の粒子であることが観察された。
2 シェル
3 空孔
Claims (9)
- 粒子の内部に空孔を有する中空粒子を液体中で製造する中空粒子の製造方法であって、
(A)第1の分散媒を含有する樹脂液に気体を注入する工程と、
(B)前記工程(A)で前記気体が注入された樹脂液を、第2の分散媒中に注入して、前記気体を内包した液滴粒子を作製し、当該液滴粒子の分散液を調製する工程と、
(C)前記工程(B)で作製された液滴粒子を、固体化し、さらに、第2の分散媒から単離する工程と、
を有することを特徴とする中空粒子の製造方法。 - 前記第1の分散媒が、有機溶媒又は重合性単量体であることを特徴とする請求項1に記載の中空粒子の製造方法。
- 前記樹脂液が、油溶性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中空粒子の製造方法。
- 前記第2の分散媒が、水溶性溶媒であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の中空粒子の製造方法。
- 前記液滴粒子の分散液が、水溶性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の中空粒子の製造方法。
- 前記樹脂液の25℃における粘度が、10mPa・s以上であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の中空粒子の製造方法。
- 前記固体化が、前記第1の分散媒を除去することで行われることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の中空粒子の製造方法。
- 前記固体化が、前記液滴粒子を重合することで行われることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の中空粒子の製造方法。
- 前記工程(B)と、前記工程(C)との間に、前記気体を内包した液滴粒子を分割する工程を更に有することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の中空粒子の製造方法。
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