JP2010185064A - 単孔中空ポリマー微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非架橋ポリマーを含有する種粒子を、水を含有する分散媒中に分散させた種粒子分散液と、ラジカル重合性モノマーと、油溶性溶剤と、油溶性重合開始剤とを混合し、前記種粒子に前記ラジカル重合性モノマー、前記油溶性溶剤及び前記油溶性重合開始剤を吸収させて膨潤粒子液滴の分散液を調製する工程と、前記膨潤粒子液滴中の上記ラジカル重合性モノマーを重合させる工程とを有する単孔中空ポリマー微粒子の製造方法であって、前記ラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマーのSP値(SPp)と前記油溶性溶剤のSP値(SPs)との関係が下記式(1)を満たす単孔中空ポリマー微粒子の製造方法。
2.1≦SPp−SPs≦7.0 (1)
【選択図】なし
Description
外径を揃える目的で、篩いやメッシュ等で分級操作を実施しても、充分に均一な外径分布の中空ポリマー微粒子を得ることは困難である。また、仮に外径を揃えたとしても内径を揃えることはできない。
また、得られた中空ポリマー微粒子を、比重差等を活用した流体力学的方法により分級する方法も知られている。しかし、外径が大きく内径も大きい(中空度の高い)微粒子と、外径が小さく内径も小さい(中空度の低い)微粒子とは同様の移動性を有してしまうことから、この方法ではこれらを分級することはできなかった。
例えば、特許文献1には、架橋性モノマー、親水性モノマー及びその他のモノマーを含む重合性モノマー成分を、この重合性モノマー成分によるコポリマーとは異なる組成の異種ポリマー微粒子の存在下において水性分散媒体中で分散させて当該異種ポリマー微粒子に重合性モノマー成分を吸収させ、次いで重合性モノマー成分を重合させる工程を有する、単一の内孔を有するポリマー粒子の製造方法が記載されている。上記特許文献1において、上記異種ポリマーの例として、ポリスチレン、又は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルエステル、メタクリルエステル及びブタジエンから選択される少なくとも1種とスチレンとのコポリマーが挙げられている。また、上記架橋性モノマーの例として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられている。上記親水性モノマーの例としてアクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルピリジン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられている。その他のモノマーの例として、スチレン等が挙げられている。しかしながら、特許文献1に記載された方法では、外径及び内径が充分に均一な中空ポリマー微粒子を得ることは難しかった。特許文献1の実施例においても、概ね単孔の中空ポリマー微粒子は得られているものの、その外径、内径ともに均一でなく、また、単孔構造の微粒子だけではなく複数の孔を有する微粒子が混じっていた。
2.1≦SPp−SPs≦7.0 (1)
以下に本発明を詳述する。
上記非架橋ポリマーを構成する非架橋性モノマーは特に限定されず、例えば、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸等が挙げられる。
上記架橋性モノマーは特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
なお、上記種粒子の粒子径のCv値は、粒子径測定装置により測定される体積平均粒子径mと標準偏差σから、下記式(2)により算出することができる。
Cv=σ/m×100(%) (2)
なお、上記単孔中空ポリマー微粒子の平均外径は、走査型電子顕微鏡により、1視野に約100個の粒子が観察できる倍率で観察し、任意に選択した50個の粒子についてノギスを用いて最長径を測定し、最長径の数平均値を求めることにより算出することができる。
上記分散剤は特に限定されず、例えば、アルキル硫酸スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
δ=ΣΔF/ΣΔv (3)
δmix=φ1δ1+φ2δ2+・・・φnδn (4)
式中、ΔFは、下記表1におけるΔFを表し、Δvは、下記表1におけるモル容積Δvを表す。φは、容積分率又はモル分率を表し、φ1+φ2+・・・φn=1である。
ヘプタンは、原子団として、−CH3を2個、−CH2−を5個有する。各々の原子団について表1よりΔF、Δv値を求める。
ΣΔF=205×2+132×5=1070
ΣΔv=31.8×2+16.5×5=146.1
従って、上記式(3)よりヘプタンのδhepは、以下のように求められる。
δhep=ΣΔF/ΣΔv=1070/146.1=7.32
δmix=φhep×δhep+φtol×δtol
=0.48×7.32+0.52×9.02
=8.20
ポリスチレンは、原子団として、−CH2−を1個、>CH−(Poly)を1個、−C6H5(Poly)を1個有する。各々の原子団について表1よりΔF、Δv値を求める。
ΣΔF=132×1+28.6×1+731×1=891.6
ΣΔv=16.5×1+1.9×1+79.0×1=97.4
従って、上記式(3)よりポリスチレンのδPStは、以下のように求められる。
δPSt=891.6/97.4=9.15
δmix=φPSt×δPSt+φPMMA×δPMMA
=0.29×9.15+0.71×9.54
=9.43
これらのラジカル重合性モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、熱可塑性であり、かつ、ガスバリア性であるポリマーを形成するためには、上記ラジカル重合性モノマーとして、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマーや、塩化ビニリデン等を含有することが好ましい。熱可塑性であり、かつ、ガスバリア性であるポリマーを形成するために上記ニトリル系モノマーを用いる場合には、上記ラジカル重合性モノマー全体に占める上記ニトリル系モノマーの配合量が30重量%以上であることが好ましい。
本明細書において油溶性溶剤とは、logPow(オクタノール/水分配係数)が0以上である溶剤を意味する。溶剤のlogPowは、以下のように求められる。
n−オクタノールと水とを充分に混合した混合液を24時間放置した後、混合液に溶剤を加えてさらに混合する。その後、オクタノール相中に含まれる溶剤濃度(Co)と水相中に含まれる溶剤濃度(Cw)とをガスクロマトグラフィーにより測定し、得られたCo及びCwを用いて、下記式(5)からlogPowを算出できる。
logPow=log(Co/Cw) (5)
Co:オクタノール相中の溶剤濃度
Cw:水相中の溶剤濃度
また、上述のように上記ラジカル重合性モノマーを選択することにより、これらの油溶性溶剤を用いて、熱膨張性の単孔中空ポリマー微粒子を製造することもできる。熱膨張性の単孔中空ポリマー微粒子を製造する場合には、上記油溶性溶剤として、上記に挙げた脂肪族炭化水素又は環状炭化水素のうち、ガス化温度がシェルの軟化点温度以下である揮発性の油溶性溶剤を用いることが好ましい。
これらの油溶性溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本明細書において油溶性重合開始剤とは、logPow(オクタノール/水分配係数)が0以上である重合開始剤を意味する。重合開始剤のlogPowは、以下のように求められる。
n−オクタノールと水とを充分に混合した混合液を24時間放置した後、混合液に重合開始剤を加えてさらに混合する。その後、オクタノール相中に含まれる重合開始剤濃度(Co)と水相中に含まれる重合開始剤濃度(Cw)とをガスクロマトグラフィーにより測定し、得られたCo及びCwを用いて、下記式(6)からlogPowを算出できる。
logPow=log(Co/Cw) (6)
Co:オクタノール相中の重合開始剤濃度
Cw:水相中の重合開始剤濃度
上記ラジカル重合性モノマー、油溶性溶剤、油溶性重合開始剤は、これらの混合物の乳化液を調製して上記種粒子分散液に加えて混合してもよいし、各々の乳化液を別個に調製して上記種粒子分散液に加えて混合してもよい。上記ラジカル重合性モノマー、油溶性溶剤、油溶性重合開始剤の各々の乳化液を別個に調製した場合、各々の乳化液と上記種粒子分散液とを混合する順序は特に限定されない。
なお、本発明の単孔中空ポリマー微粒子の製造方法において、上記ラジカル重合性モノマー、油溶性溶剤及び油溶性重合開始剤を分散させた乳化液に上記種粒子分散液を加えて混合してもよい。
上記ラジカル重合性モノマー等の乳化液の分散媒は、乳化剤を含有することが好ましい。上記乳化剤は特に限定されず、例えば、アルキル硫酸スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
重合は、上記油溶性重合開始剤の種類等に従って、光を照射したり、加熱したりすることにより開始することができる。
本発明の単孔中空ポリマー微粒子の製造方法を用いて製造される単孔中空ポリマー微粒子もまた、本発明の1つである。
本発明の単孔中空ポリマー微粒子は、空洞を有する場合、外径及び内径が極めて均一であることから、ごく少量の添加で比表面積を向上させることができ、光拡散性、軽量性、断熱性、クッション性、紫外線や可視光や赤外線等の選択吸収や反射、透過性を制御することができる。
なお、本発明の単孔中空ポリマー微粒子の外径のCv値は、上記種粒子の粒子径のCv値と同様に算出することができる。
なお、本発明の単孔中空ポリマー微粒子の内径のCv値は、上記種粒子の粒子径のCv値と同様に算出することができる。
スチレン100重量部、過硫酸カリウム3重量部、n−オクチルメルカプタン25重量部、水2500重量部を混合し、攪拌しながら70℃で24時間反応させて、体積平均粒子径0.5μm、Cv値15%、かつ、球状の非架橋のポリスチレン粒子が1.5重量%の濃度で水に分散された種粒子分散液を調製した。
得られた膨潤粒子液滴の分散液を撹拌しながら85℃で、10時間反応させることにより、コアがヘプタン、シェルがポリアクリロニトリル/トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体により形成されている、コアシェル粒子分散液を得た。
得られたコアシェル粒子を、純水を用いて繰り返して洗浄し、真空乾燥してヘプタンを揮発させて、ポリマー微粒子を得た。
ラジカル重合性モノマーをメチルメタクリレート70重量部とトリメチロールプロパントリメタクリレート30重量部(このラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマーのSP値は9.64である)とし、油溶性溶剤をイソオクタン(SP値は7.30)100重量部とした以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
ラジカル重合性モノマーをアクリロニトリル25重量部とトリメチロールプロパントリメタクリレート50重量部とエチレングリコールジメタクリレート25重量部(このラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマーのSP値は11.95である)とし、油溶性溶剤をネオペンタン(SP値は5.20)100重量部とした以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
ラジカル重合性モノマーをアクリロニトリル35重量部とジビニルベンゼン65重量部(このラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマーのSP値は11.25である)とし、油溶性溶剤をトルエン(SP値は9.02)100重量部とした以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
過硫酸カリウムの配合量を5重量部とした以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径0.2μm、Cv値15%、かつ、球状の非架橋のポリスチレン粒子が1.5重量%の濃度で水に分散された種粒子分散液を調製した。
得られた種粒子分散液を用い、乳化液の添加量をポリスチレン粒子重量の20倍の油性成分となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
過硫酸カリウムの配合量を0.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径2.0μm、Cv値15%、かつ、球状の非架橋のポリスチレン粒子が1.5重量%の濃度で水に分散された種粒子分散液を調製した。
得られた種粒子分散液を用い、乳化液の添加量をポリスチレン粒子重量の125倍の油性成分となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
過硫酸カリウム3重量部の代わりに、過硫酸カリウム0.5重量部、塩化ナトリウム0.1重量部を配合した以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径5.0μm、Cv値15%、かつ、球状の非架橋のポリスチレン粒子が1.5重量%の濃度で水に分散された種粒子分散液を調製した。
得られた種粒子分散液を用い、乳化液の添加量をポリスチレン粒子重量の125倍の油性成分となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
油溶性溶剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
ラジカル重合性モノマーをスチレン33重量部とジビニルベンゼン67重量部(このラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマーのSP値は9.20である)とし、油溶性溶剤をトルエン(SP値は9.02)100重量部とした以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
ラジカル重合性モノマーをアクリロニトリル30重量部とジビニルベンゼン70重量部(このラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマーのSP値は11.05である)とし、油溶性溶剤をトルエン(SP値は9.02)100重量部とした以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
ラジカル重合性モノマーをアクリロニトリル100重量部(このラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマーのSP値は12.79である)とし、油溶性溶剤をネオペンタン(SP値は5.20)100重量部とした以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド4重量部に代えて過硫酸カリウム4重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。
ラジカル重合性モノマーとしてアクリロニトリル50重量部とトリメチロールプロパントリメタクリレート50重量部、油溶性溶剤としてヘプタン100重量部、油溶性重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド4重量部を均一に溶解し、多孔質膜を通して乳化剤と水とを含む連続層に分散させ、乳化液を調製した。
得られた乳化液を撹拌しながら85℃で、10時間反応させることにより、コアがヘプタン、シェルがポリアクリロニトリル/トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体により形成されている、コアシェル粒子分散液を得た。
得られたコアシェル粒子を、純水を用いて繰り返して洗浄し、真空乾燥してヘプタンを揮発させて、ポリマー微粒子を得た。
実施例1〜7、比較例1〜6で得られたポリマー微粒子について、以下の方法により評価を行った。結果を表2に示した。
得られたポリマー微粒子を、走査型電子顕微鏡により、1視野に約100個が観察できる倍率で観察し、任意に選択した50個の微粒子についてノギスを用いて最長径を測定し、この値の数平均値と変動係数を求め、これらを平均外径、外径Cv値とした。
得られたポリマー微粒子を、エポキシ樹脂に包埋した後、樹脂を硬化させ、マイクロトームで断面切片を切り出した。得られた切片を走査型電子顕微鏡により、1視野に約100個の断面が観察できる倍率で観察した。
単孔性について、任意に選択した50個の微粒子の断面を観察して、単一の孔が存在する粒子の数が49個以上であった場合を「◎」、45〜48個であった場合を「○」、40〜44個であった場合を「△」、39個以下であった場合を「×」と評価した。
また、任意に選択した50個の微粒子の断面について、ノギスを用いて単一の孔の最長径を計測し、この値の数平均値と変動係数を求め、これらを平均内径、内径Cv値とした。なお、単孔性の評価が「◎」又は「○」であり、かつ、単孔の孔が存在する粒子について、平均内径、内径Cv値を算出した。
スチレン100重量部、過硫酸カリウム3重量部、n−オクチルメルカプタン25重量部、水2500重量部を混合し、攪拌しながら70℃で24時間反応させて、体積平均粒子径0.5μm、Cv値15%、かつ、球状の非架橋のポリスチレン粒子が1.5重量%の濃度で水に分散された種粒子分散液を調製した。
得られた膨潤粒子液滴の分散液を撹拌しながら85℃、10時間反応させることにより、コアがイソペンタン、シェルがポリアクリロニトリル/ポリメタクリロニトリル/トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体により形成されている、コアシェル粒子分散液を得た。
得られたコアシェル粒子を、純水を用いて繰り返して洗浄し、真空乾燥して、ポリマー微粒子を得た。
ラジカル重合性モノマーをアクリロニトリル50重量部とメチルメタクリレート50重量部とトリメチロールプロパントリメタクリレート0.5重量部(このラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマーのSP値は11.66である)とし、油溶性溶剤をイソペンタン(SP値は6.99)25重量部とした以外は、実施例8と同様にしてポリマー微粒子を得た。
過硫酸カリウムの配合量を0.5重量部とした以外は実施例8と同様にして、体積平均粒子径2.0μm、Cv値15%、かつ、球状の非架橋のポリスチレン粒子が1.5重量%の濃度で水に分散された種粒子分散液を調製した。
得られた種粒子分散液を用い、乳化液の添加量をポリスチレン粒子重量の125倍の油性成分となるように添加した以外は、実施例8と同様にしてポリマー微粒子を得た。
過硫酸カリウム3重量部の代わりに、過硫酸カリウム0.5重量部、塩化ナトリウム0.1重量部を配合した以外は実施例8と同様にして、体積平均粒子径5.0μm、Cv値15%、かつ、球状の非架橋のポリスチレン粒子が1.5重量%の濃度で水に分散された種粒子分散液を調製した。
得られた種粒子分散液を用い、乳化液の添加量をポリスチレン粒子重量の125倍の油性成分となるように添加した以外は、実施例8と同様にしてポリマー微粒子を得た。
油溶性溶剤を用いなかった以外は、実施例8と同様にしてポリマー微粒子を得た。
重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド1重量部に代えて過硫酸カリウム1重量部を用いた以外は、実施例8と同様にしてポリマー微粒子を得た。
ラジカル重合性モノマーとしてアクリロニトリル60重量部とメタクリロニトリル40重量部とトリメチロールプロパントリメタクリレート0.4重量部、油溶性溶剤としてイソペンタン100重量部、油溶性重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド1重量部を均一に溶解し、多孔質膜を通して乳化剤と水とを含む連続層に分散させ、乳化液を調製した。
得られた乳化液を撹拌しながら85℃、10時間反応させることにより、コアがイソペンタン、シェルがポリアクリロニトリル/ポリメタクリロニトリル/トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体により形成されている、コアシェル粒子分散液を得た。
得られたコアシェル粒子を、純水を用いて繰り返して洗浄し、真空乾燥して、ポリマー微粒子を得た。
実施例8〜11、比較例7〜9で得られたポリマー微粒子について、以下の方法により評価を行った。結果を表3に示した。
得られたポリマー微粒子を、走査型電子顕微鏡により、1視野に約100個が観察できる倍率で観察し、任意に選択した50個の微粒子についてノギスを用いて最長径を測定し、この値の数平均値と変動係数を求め、これらを平均外径、外径Cv値とした。
得られたポリマー微粒子を、エポキシ樹脂に包埋した後、樹脂を硬化させ、マイクロトームで断面切片を切り出した。得られた切片を走査型電子顕微鏡により、1視野に約100個の断面が観察できる倍率で観察した。
単孔性について、任意に選択した50個の微粒子の断面を観察して、単一の孔が存在する粒子の数が49個以上であった場合を「◎」、45〜48個であった場合を「○」、40〜44個であった場合を「△」、39個以下であった場合を「×」と評価した。
また、任意に選択した50個の微粒子の断面について、ノギスを用いて単一の孔の最長径を計測し、この値の数平均値と変動係数を求め、これらを平均内径、内径Cv値とした。なお、平均内径、内径Cv値は、単一の孔が存在する粒子について算出した。
得られたポリマー微粒子を約0.1g計量し、10mLのメスシリンダーに入れた。その後、150℃に加熱したオーブンに5分間投入し、メスシリンダー内で膨張した熱膨張性のポリマー微粒子の容積を測定した。容積が5mL以上である場合を「◎」、2mL以上5mL未満である場合を「○」、0.5mL以上2mL未満である場合を「△」、0.5mL未満である場合を「×」とした。
Claims (8)
- 非架橋ポリマーを含有する種粒子を、水を含有する分散媒中に分散させた種粒子分散液と、ラジカル重合性モノマーと、油溶性溶剤と、油溶性重合開始剤とを混合し、前記種粒子に前記ラジカル重合性モノマー、前記油溶性溶剤及び前記油溶性重合開始剤を吸収させて膨潤粒子液滴の分散液を調製する工程と、
前記膨潤粒子液滴中の上記ラジカル重合性モノマーを重合させる工程とを有する単孔中空ポリマー微粒子の製造方法であって、
前記ラジカル重合性モノマーを重合して得られるポリマーのSP値(SPp)と前記油溶性溶剤のSP値(SPs)との関係が下記式(1)を満たすことを特徴とする単孔中空ポリマー微粒子の製造方法。
2.1≦SPp−SPs≦7.0 (1) - ラジカル重合性モノマー、油溶性溶剤及び油溶性重合開始剤を、水を含有する分散媒中に分散させた乳化液と、種粒子分散液とを混合することを特徴とする請求項1記載の単孔中空ポリマー微粒子の製造方法。
- 種粒子は、粒子径のCv値が30%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の単孔中空ポリマー微粒子の製造方法。
- ラジカル重合性モノマーは、ニトリル系モノマーを含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の単孔中空ポリマー微粒子の製造方法。
- 請求項1、2、3又は4記載の単孔中空ポリマー微粒子の製造方法を用いて製造されることを特徴とする単孔中空ポリマー微粒子。
- 平均外径が0.1〜100μmであり、かつ、外径のCv値が10%以下であることを特徴とする請求項5記載の単孔中空ポリマー微粒子。
- 内径のCv値が10%以下であることを特徴とする請求項5又は6記載の単孔中空ポリマー微粒子。
- 熱膨張性であることを特徴とする請求項5、6又は7記載の単孔中空ポリマー微粒子。
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