以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な具体例であって、種々の好ましい技術を開示しているが、本発明の技術範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
先ず、本発明の実施形態によるゲート装置1について説明する。ゲート装置1は、図1等に示されるように、高速道路や有料道路の料金所又は有料駐車場の出入口等のゲートにおいて、車路2の脇に車路2に沿うように形成されたコンクリート製のプラットフォームであるアイランド3上に設置されている。ゲート装置1は、車路2上を進行する車両(移動体)のゲートの通行を、後述するゲートバー16の開閉によって規制する。なお、ゲート装置1の車路2側の面とアイランド3の車路2側の縁石部とは、極力接近していることが望ましく、接近しているほどゲートバー16の長さを短くすることができる。
本実施形態では、説明の便宜上、車路2上においてゲート通過前の地点からゲートを見た場合に、手前側を「前」、向こう側(奥側)を「後」、右側を「右」、左側を「左」、上側を「上」、下側を「下」と定義する。以下、本実施形態において方向を説明する場合には、この定義に従うものとする。車路2上を進行する車両は、通常、ゲート装置1の前方からゲート装置1に接近し、その後、ゲート装置1の後方へ進む。即ち、ゲート装置1の前後方向は、車路2と平行な車両進行方向(移動体進行方向)である。
ゲート装置1は、本体部11と、垂直方向に伸長する垂直回動軸12を介して本体部11の上方に回動可能に設けられた回動部13と、垂直回動軸12と直交する水平回動軸14を介して回動部13に回動可能に設けられたゲートバー基部15と、後述するリリース動作できるようにゲートバー基部15に着脱可能に取り付けられたゲートバー16とを備える。
なお、水平回動軸14が前後方向に伸長するように位置するときの回動部13の位置を「車路遮断可能位置」と称する(図1、図2(1)及び(2)、図4(1)及び(2)、図5(2)参照)。また、リリース動作したゲートバー16を復帰させる動作(リリース復帰動作)においてゲートバー16をゲートバー基部15に保持させるときの回動部13の位置(水平回動軸14が左右方向に伸長するように位置するときの回動部13の位置)を「ゲートバー迎え位置」と称する(図3(2)、図4(4)、図5(1)参照)。以下では、回動部13等の各部の説明における各方向は、特に指定のない限り、車路遮断可能位置を基準にして示している。
また、回動部13が車路遮断可能位置(通常時の位置)にあるときに、水平回動軸14を回動してゲートバー基部15及びゲートバー16を横臥・起立させることにより車路2の遮断・開放を行う動作を「車路開閉動作」(又はゲート開閉動作)と称する。このとき、ゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥する位置を「横臥位置」と称し(図1、図2(1)二点鎖線参照)、ゲートバー基部15及びゲートバー16が起立する位置を「起立位置」と称する(図2(1)実線、図5(2)実線参照)。以下では、ゲートバー基部15及びゲートバー16等の説明における各方向は、特に指定のない限り、横臥位置を基準にして示している。
先ず、本体部11について説明する。本体部11は、矩形柱状に形成された本体筐体21を備え、本体筐体21は本体ベース4を介してアイランド3上に固定されている。また、本体筐体21の後面には開閉蓋(図示せず)が開閉可能に取り付けられていて、この開閉蓋を開いたときに本体筐体21の後面のほぼ全域が開口するようになっている。
本体部11は、本体筐体21の内部に垂直回動軸12、及び垂直回動軸12を回動駆動させる回動駆動部22を備える。垂直回動軸12は、本体筐体21内のほぼ中央に配置され、垂直回動軸12の上端は、本体筐体21の上面のほぼ中央に形成された開口部を介して外部に露出し、回動部13と接続可能になっている。
回動駆動部22は、後述する回動駆動モータ55(図6参照)等を備えている。回動駆動部22は、垂直回動軸12を水平方向に回動させることにより、垂直回動軸12に接続された回動部13を、水平回動軸14、ゲートバー基部15及びゲートバー16と共に水平方向に回動させることができる。例えば、回動駆動部22は、リリース動作したゲートバー16を、リリース動作する前の状態、すなわち、車路開閉動作が可能な元の状態に復帰させる際に垂直回動軸12を回動させる。
また、本体筐体21の後面の左側には、リリース動作したゲートバー16を支持するストッパー部23が設けられている。ストッパー部23は、本体筐体21から後方へと延出したストッパーアーム24と、ストッパーアーム24の後端に設けられた受け部25とを備えている。
次に、回動部13について説明する。回動部13は、矩形柱状に形成された箱状の回動筐体31を備えている。ゲート装置1を上方から見た場合に、回動筐体31の矩形状の外形は、本体筐体21の矩形状の外形と概ね同一であることが望ましく、回動筐体31の下面のほぼ中央で垂直回動軸12と接続される。なお、回動筐体31の後面には開閉扉(図示せず)が開閉可能に取り付けられていて、この開閉扉を開いたときに回動筐体31の後面のほぼ全域が開口するようになっている。
回動部13は、回動筐体31の内部に水平回動軸14、及び水平回動軸14をゲートバー基部15及びゲートバー16と共に回動駆動させるゲートバー駆動部32を備える。水平回動軸14の先端は、回動筐体31の前面に形成された開口部を介して外部に露出し、ゲートバー基部15と接続可能になっている。水平回動軸14の先端には、ゲートバー基部15をネジ等により着脱可能に取り付けるためにフランジ33が固定されている。
ゲートバー駆動部32は、後述するゲートバー駆動モータ52(図6参照)等を備えている。ゲートバー駆動部32は、回動部13が車路遮断可能位置にあって水平回動軸14が前後方向に伸長するように位置している間、水平回動軸14をゲートバー基部15及びゲートバー16と共に回動駆動させることにより車路開閉動作を行うことができる(図2(1)破線矢印参照)。例えば、ゲートバー駆動部32は、車路2を遮断するときにはゲートバー基部15及びゲートバー16が「横臥位置」になるように、また、車路2を開放するときにはゲートバー基部15及びゲートバー16が「起立位置」になるように水平回動軸14を回動する。なお、ゲートバー基部15及びゲートバー16の「起立位置」は、車路2(ゲート)を十分に開放するような位置であればよく、例えば、ゲートバー基部15及びゲートバー16を鉛直に直立させた位置や、85度程度に起立させた位置でよい。
次に、ゲートバー基部15及びゲートバー16について説明する。ゲートバー基部15は、前側が開口された断面コ字状に形成された長尺状の部材であり、ゲートバー16の一端側を嵌合する形状を有する。ゲートバー基部15は、長手方向一端側(右側)の後面が水平回動軸14に取り付けられていて、水平回動軸14の回動に応じて回動部13に対して回動可能になっている。一方、ゲートバー基部15の長手方向他端側(左側)は、水平回動軸14と交わる方向(本実施形態においては水平回動軸14と直交する方向)に伸長している。また、ゲートバー基部15の他端側には、短手方向(上下方向)に伸長するリリース回動軸41が備えられている。ゲートバー基部15の底部には、保持部スプリング42が装着されている(図4(2)〜(4)参照)。
ゲートバー16は、長尺に形成され、1台のゲート装置1で車両の通行を規制する場合には、車路2を遮断できる程度の長さを有する。なお、後述するゲート制御システム71のように、2台のゲート装置1L、1Rを車路2の左右にそれぞれ配置する場合には、ゲートバー16は比較的短く形成される。ゲートバー16は、長手方向一端側(右側)に設けられるゲートバー保持部43と、ゲートバー保持部43に装着されて長手方向他端側(左側)に延在するゲートバー本体44とを備える。ゲートバー本体44は、軽量な材料、例えば、アルミの中空パイプ等からなる芯部の他端側を、発泡ウレタン等からなる緩衝材で覆うことによって形成される。ゲートバー本体44を構成する緩衝材の外表部には、ドライバー等からの視認性を良くするために、赤白のストライプ等のラミネートが施されるとよい。
ゲートバー16は、ゲートバー保持部43がゲートバー基部15に嵌合するように、ゲートバー基部15に取り付けられる。このとき、ゲートバー16の中間部に位置するゲートバー保持部43の長手方向他端側が、ゲートバー基部15のリリース回動軸41に回動可能に支持される。これにより、ゲートバー16は、ゲートバー保持部43に対してリリース回動軸41周りに回動可能になる。
ゲートバー16の一端側は、ゲートバー基部15の一端側に着脱可能に保持される。具体的には、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側には、係止機構45が設けられていて、係止機構45により、ゲートバー基部15の一端側とゲートバー16の一端側とが互いに着脱可能に係止される。ゲートバー基部15及びゲートバー16は、係止機構45によって係止されることで一直線状に伸長して一体化固定され、車路開閉動作が可能な状態になる。また、ゲートバー基部15及びゲートバー16は、係止機構45による係止が外れると、一体化固定が解除され、ゲートバー16はゲートバー基部15に対してリリース回動軸41周りに回動する。本実施形態では、この回動動作を「リリース動作」と称し、リリース動作によってゲートバー16がリリース回動軸41周りに回動する方向(車路2の右側のアイランド3に配置したゲート装置1の場合には、ゲートバー16の長手方向他端部が車両進行方向へと向かう方向であって、上方から見て時計回り方向)を「リリース方向」と称する(図4(2)破線矢印参照)。
なお、係止機構45は、車路開閉動作による振動や風圧等の力が加えられても、ゲートバー基部15とゲートバー16(ゲートバー保持部43)との係止を維持する程度の保持力を有する。一方、係止機構45は、上記保持力以上の力、例えば、車両がゲートバー16に衝突する際に加わる外力によって、ゲートバー基部15とゲートバー16(ゲートバー保持部43)との係止が外れるように構成される。なお、係止機構45は、リリース動作したゲートバー16が、非リリース方向に回動して、所定の押圧力によってゲートバー基部15に嵌合されるとき、ゲートバー基部15及びゲートバー16を係止する構成を有する。
また、図示しないが、ゲートバー基部15においてリリース回動軸41の近傍にはリリース付勢部としてのトーションスプリングが設けられている。トーションスプリングは、リリース動作時にゲートバー16のリリース方向の回動を助長するようにゲートバー16に付勢力を与える。
次に、ゲート装置1におけるリリース動作及びリリース復帰動作について図2ないし図5を参照しながら説明する。図2ないし図5はゲート装置1のリリース動作とリリース復帰動作を示している。ここで、「リリース復帰動作」とは、リリース動作したゲートバー16を、リリース動作前の状態、すなわち、車路開閉動作が可能な元の状態に復帰させる動作である。
先ず、ゲート装置1のリリース動作について説明する。ゲート装置1において、通常時は、図2(1)及び図4(1)に示すように、回動部13は車路遮断可能位置にあって、水平回動軸14が前後方向に伸長するように配置されていて、ゲートバー基部15及びゲートバー16の車路開閉動作が可能な状態になっている。
正常な状態では、車路2を遮断しているゲートバー16に車両が衝突することはない。しかし、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)車載器にETCカードを装着し忘れた車両がETCのゲートを通過する場合等の正常でない状態では、車路2を遮断しているゲートバー16に車両が衝突することがある。
車路2を遮断しているゲートバー16に、車路2を進行する車両が衝突する場合、車両はゲートバー16の他端側(ゲートバー本体44の他端側)に衝突する。このように車両がゲートバー16に衝突すると、その衝突によってゲートバー16の他端側に加わる外力により、係止機構45の係止が解かれ、ゲートバー基部15の一端側からゲートバー16の一端側(ゲートバー保持部43の一端側)が離脱する。そして、図2(2)及び図4(2)に示すように、ゲートバー16がリリース回動軸41を中心に、車両進行方向(リリース方向)に回動する(図4(2)破線矢印参照)。
このとき、衝突によりゲートバー16の他端側に加わる力が小さい場合には、ゲートバー16は、衝突による力と、リリース回動軸41の近傍に設けられたトーションスプリング(リリース付勢部、図示せず)の付勢力とにより回動し、比較的弱い力でストッパー部23に当たって停止する。このように、トーションスプリングによれば、リリース動作するゲートバー16をストッパー部23に確実にかつ迅速に到達させることができると共に、ゲートバー16がストッパー部23に当たって停止した状態を維持することができる。一方、衝突によりゲートバー16の他端側に加わる力が大きい場合には、ゲートバー16は、衝突による力により勢いよく回動し、比較的強い力でストッパー部23に当たるが、これによりストッパー部23が受ける衝撃は、ストッパー部23の緩衝材によって吸収される。このようにして、ゲートバー16は、例えば、上面視で時計回り(リリース方向)におよそ90度回動して停止し、ゲートバー16の向きが車路2とほぼ平行になって、リリース完了の状態になる。
次に、ゲート装置1のリリース復帰動作について説明する。上記のようなゲートバー16のリリース動作は、後述するリリース検知スイッチ58(図6参照)により検知され、これに応じて、制御部51(図6参照)により、直ちにリリース復帰動作が自動的に開始される。リリース復帰動作において、先ず、図3(1)又は図4(3)に示すように、回動駆動部22が垂直回動軸12を回動して、回動部13がゲートバー16のリリース動作の回動に追随又は後追いするように回動させる。例えば、回動駆動部22は、回動部13を車路遮断可能位置からゲートバー迎え位置まで時計回り(リリース方向)におよそ90度回動させる(図3(1)及び(2)破線矢印参照)。
このとき、ゲートバー16も、回動部13の回動に伴って時計方向に回動する。ゲートバー16は、ストッパー部23に当接しているので、回動部13が時計方向に回動する間、ゲートバー16は、ストッパー部23との当接が維持されたまま後方にスライドすることになる。そして、ゲートバー16は、ストッパー部23との当接部分を支点にしてリリース回動軸41周りを非リリース方向に回動し、ゲートバー16の一端側(ゲートバー保持部43の一端側)がゲートバー基部15の一端側に徐々に接近する。
なお、図3(1)又は図4(3)に示すように、回動部13が回動する間、ゲートバー16の他端側は車路2から離れる方向に若干移動し、ゲートバー16の向きが車路2と平行でない状態となることがあるが、このときに、ゲートバー16の他端がアイランド3上に設置された他の装置に干渉する場合には、ストッパーアーム24(本体部11から受け部25までの距離)をより長くして、ゲートバー16の他端に近い部分がストッパー部23に当接するように構成する。これにより、ゲートバー16の他端側が車路2から離れる方向に移動する量を小さくすることができるので、ゲートバー16の他端が他の装置へ干渉するのを防止することができる。
そして、図3(2)及び図4(4)に示すように、回動部13が回動してゲートバー迎え位置に到達すると、ゲートバー16の一端側(ゲートバー保持部43の一端側)がゲートバー基部15の一端側に当接し、その後、回動駆動部22が回動部13を回動する力によって、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側が時計回り方向に押圧される。また、ゲートバー16の一端側は、ゲートバー基部15の底部の保持部スプリング42から弾発力を受ける。このとき、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側には、互いに向きが反対である回動駆動部22の力と保持部スプリング42の力が作用するので、互いに接近又は接触する方向に強く押される。これにより、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側に設けられた係止機構45が互いに確実に係止される。この係止によって、ゲートバー基部15とゲートバー16とは両者が同一方向を向くように一体化固定される。
このようにして、回動部13が、ゲートバー迎え位置まで回動して、リリース動作したゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側に係止(保持)させると、回動駆動部22は回動部13の回動を停止する。
続いて、図5(1)に示すように、ゲートバー駆動部32が水平回動軸14を回動して、ゲートバー基部15及びゲートバー16を上方へ回動させる(図5(1)破線矢印参照)。このとき、一体化固定されたゲートバー基部15及びゲートバー16の向きは車路2に平行のままである。そして、上方に回動するゲートバー基部15及びゲートバー16が起立位置となった時点で、ゲートバー駆動部32は水平回動軸14の回動を停止する。
その後、図5(2)に示すように、回動駆動部22は、回動部13を車両の進行方向(リリース方向)と逆の方向(非リリース方向)に回動する(図5(2)破線矢印参照)。そして、回動部13が車路遮断可能位置に到達した時点で、回動駆動部22は回動部13の回動を停止する。例えば、回動部13は、反時計回り(非リリース方向)におよそ90度回動して車路遮断可能位置に到達する。このようにして回動部13が車路遮断可能位置に到達したとき、ゲートバー16の位置は、車路開閉動作において車路2を開放したときの位置と同じになるので、このままリリース復帰動作を完了させてもよいし、更にゲートバー16を横臥位置に回動させてからリリース復帰動作を完了させてもよい。なお、ゲートバー16を横臥位置に回動させてからリリース復帰動作を完了させる場合には、ゲートバー16を回動させる前に、安全のため、ゲートを通過する車両がないか否かを判断し、ゲートを通過する車両がない場合に限り、ゲートバー16を横臥位置に回動させる。
次に、ゲート装置1の電気的な構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、ゲート装置1の動作を電気的に制御するための構成を示していて、更に、このゲート装置1を備えた後述のゲート制御システム71の電気的な構成も示している。
ゲート装置1は、図6に示すように、ゲート装置1を統括制御するための制御部51と、ゲートバー基部15を回動させるゲートバー駆動モータ52と、ゲートバー基部15又はゲートバー16が横臥位置に到達したことを検知する第1のリミット検知スイッチ53と、ゲートバー基部15又はゲートバー16が起立位置に到達したことを検知する第2のリミット検知スイッチ54と、回動部13を回動させる回動駆動モータ55と、回動部13が車路遮断可能位置に到達したことを検知する第3のリミット検知スイッチ56と、回動部13がゲートバー迎え位置に到達したことを検知する第4のリミット検知スイッチ57と、ゲートバー基部15及びゲートバー16の一体化固定の成立・解除を検知するリリース検知スイッチ58と、右設置用の制御プログラムと左設置用の制御プログラムとの切替を可能にする設定操作部59と、車路制御装置80等と通信を行う通信部60とを備えている。
制御部51は、本体筐体21内に設けられ、例えば、CPU(中央演算処理装置)やメモリ等で構成され、メモリには、ゲート装置1の車路開閉動作やリリース復帰動作等を制御する制御プログラムが記憶されている。
ゲートバー駆動モータ52及び回動駆動モータ55は、それぞれ例えば直流モータである。リリース検知スイッチ58は、例えば、水平回転軸14の軸孔内に取り付けられ、ゲートバー基部15とゲートバー保持部43とが十分に接近又は接触したときにOFFとなり、両者が離れたときにONとなる。設定操作部59は、例えばディップスイッチであり、本体筐体21内に設けられている。通信部60は、本体筐体21内に設けられ、例えばゲート装置1がETCゲートに設置される場合に、ETCアンテナから車路制御装置80へ送られた車両データを車路制御装置80から受信する。
次に、ゲート装置1において、上記したようにリリース動作したゲートバー16のリリース復帰動作における制御部51による各部の制御を、図7のフローチャートに沿って説明する。以下では、車路2の右側に設置されたゲート装置1において、制御部51が右設置用の制御プログラムによってリリース復帰動作を制御する例を説明する。
先ず、ゲート装置1において、ゲートバー16が、車路開閉動作中に、又は横臥位置にあり車路2を遮断しているときに、車両がゲートバー16の他端側に衝突すると、ゲートバー基部15とゲートバー16との一体化固定が解除されてゲートバー16がリリース方向に回動するリリース動作をする。ゲートバー基部15とゲートバー16との一体化固定が解除されると、リリース検知スイッチ58がONになる(ステップS1:YES)。
リリース検知スイッチ58がONになると、制御部51は、回動駆動モータ55を正転駆動させる(ステップS2)。回動駆動モータ55の正転により、車路遮断可能位置にある回動部13が車両の進行方向(ゲートバー16のリリース方向)に回動する。
そして、回動部13がゲートバー迎え位置に到達すると、第4のリミット検知スイッチ57がONになる(ステップS3:YES)。このように回動部13がゲートバー迎え位置に到達することによって、上記したようにゲートバー16がゲートバー基部15に係止されて両者間に一体化固定が成立し、リリース検知スイッチ58がOFFになる(ステップS4:YES)。この直後、制御部51は、回動駆動モータ55を停止させる(ステップS5)。
続いて、制御部51は、ゲートバー駆動モータ52を正転させる(ステップS6)。ゲートバー駆動モータ52の正転により、横臥位置にあるゲートバー基部15及びゲートバー16が起立位置に向かって回動する。ゲートバー基部15及びゲートバー16が起立位置に到達すると、第2のリミット検知スイッチ54がONになる(ステップS7:YES)。この直後、制御部51は、ゲートバー駆動モータ52を停止させる(ステップS8)。
続いて、制御部51は、回動駆動モータ55を逆転させる(ステップS9)。回動駆動モータ55の逆転により、ゲートバー迎え位置にある回動部13が、車両の進行方向(ゲートバー16のリリース方向)と逆方向に回転する。そして、回動部13が車路遮断可能位置に到達すると、第3のリミット検知スイッチ56がONになる(ステップS10:YES)。この直後、制御部51は、回動駆動モータ55を停止させる(ステップS11)。
続いて、制御部51は、車路2の遮断の可否を判定する(ステップS12)。例えば、制御部51は、車路制御装置80から遮断不可若しくは車両進入中を示す信号を受信した場合には、遮断不可と判定し、このような信号を受信していない場合には、遮断可能と判定する。
制御部51は、車路2を遮断可能と判定した場合には(ステップS12:YES)、ゲートバー駆動モータ52を逆転させる(ステップS13)。ゲートバー駆動モータ52の逆転により、起立位置にあるゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥位置に向かって回動する。続いて、ゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥位置に到達すると、第1のリミット検知スイッチ53がONになる(ステップS14:YES)。この直後、制御部51は、ゲートバー駆動モータ52を停止させる(ステップS15)。これにより、リリース復帰動作は完了する。
次に、本発明の実施形態によるゲート制御システム71について説明する。このゲート制御システム71は、例えば、高速道路や有料道路のETC車両専用レーン、ETC車両と非ETC車両との共用レーン、又は非ETC車両専用レーン等の車路2のゲートに適用されるものである。
ゲート制御システム71は、図8に示すように、車路2の左右のアイランド3(3L、3R)のそれぞれにゲート装置1(左側ゲート装置1L、右側ゲート装置1R)を設けている。そして、左側ゲート装置1L及び右側ゲート装置1Rの各ゲートバー16が両開きすることで車両が通過可能となる。右側ゲート装置1Rは、上記したゲート装置1と同様の構成を有して右設置用の制御プログラムによって制御されるものであるため、その詳細な説明は省略する。また、左側ゲート装置1Lは、車路2を挟んで右側ゲート装置1Rと対称となる構成を有して左設置用の制御プログラムによって制御されるものであり、即ち、各部の配置、移動方向及び回転方向等が、右側ゲート装置1Rと対称であるが、基本的には同様の配置、移動方向及び回転方向等であるため、その詳細な説明は省略する。
また、ゲート制御システム71は、ゲートの入口側から順に、第1車両センサ72、ETCアンテナ73、第2車両センサ74、料金収受機75、ゲートバーセンサ76(検知部)、ゲート装置1L及び1R、表示装置77、カメラ78及び第3車両センサ79を備えている。更に、ゲート制御システム71は、料金収受機75に隣接して車路制御装置80を備えているが、車路制御装置80の位置は、料金収受機75の近傍に限定されず、左右のアイランド3L若しくは3Rにおける他の位置、又はアイランド3L及び3R以外の他の位置でもよい。車路制御装置80は、図6に示すように、ゲート装置1L及び1Rの通信部60に通信可能に接続され、更に、第1車両センサ72、ETCアンテナ73、第2車両センサ74、料金収受機75、ゲートバーセンサ76、表示装置77及び第3車両センサ79にも通信可能に接続されている。
更に、ゲート制御システム71は、当該システムを管理するための管理PC81(遠隔操作部)やモニター82を備える。管理PC81及びモニター82は、例えば、料金所の係員等が常駐する監視ブース83に設置され、管理PC81は、車路制御装置80と通信可能に接続されている(図6参照)。監視ブース83は、アイランド3L又は3Rの近傍に設けられてもよいが、遠隔で監視することができれば、アイランド3L及び3Rとは離れた位置に設けられてもよい。
第1車両センサ72は、ゲートの入口に進入する車両を検出するもので、第2車両センサ74は、ゲートを進行する車両を検出するもので、第3車両センサ79は、ゲートの出口から退出する車両を検出するものである。ゲートバーセンサ76は、ゲート装置1L及び1Rのゲートバー16の横臥位置から起立位置までの回動軌跡上における車両の突出物等の回動障害物を検出するものである。第1車両センサ72、第2車両センサ74、第3車両センサ79、ゲートバーセンサ76は、例えば、赤外光を発光する発光部と、発光された赤外線を受光する受光部とを、左右のアイランド3L及び3Rのそれぞれに配置して、受光部の受光状態を検出することにより、左右のアイランド3L及び3Rに渡って車路2を横切る検出エリアにおける車両の存在を検出するように構成される。あるいは、第1車両センサ72、第2車両センサ74、第3車両センサ79、ゲートバーセンサ76は、検出エリアをスキャン(走査)するレーザーエリアセンサ等で構成されてもよい。なお、第1車両センサ72、第2車両センサ74は、車両の高さを検出する機能も有する。
ETCアンテナ73は、例えば、車路2の上方に位置するように、左右のアイランド3L及び3Rに渡って架けられたガントリー84(門型柱)に設置される。ETCアンテナ73は、車路2を通行する車両に搭載されたETC車載器(図示せず)と通信(以下、ETC通信と称する)して車両の車種やETCカードの有効期限等のETC情報を取得すると共に車路制御装置80へと送信する。なお、ETCアンテナ73とETC車載器や車路制御装置80とのETC通信動作は極めて高速に行われる。
料金収受機75は、例えば、右側のアイランド3Rに設置され、車路2が非ETC車両専用レーンや共用レーンである場合に、通行料金を収受する機能や、通行券を発行する機能を有する。また、料金収受機75は、車両のドライバーや同乗者と料金所の係員とが通話するために、車路制御装置80を介して管理PC81に接続されたインターホンやスピーカを備えるとよい。なお、料金収受機75の位置は、右側のアイランド3Rに限定されず、左側のアイランド3Lでもよい。
表示装置77は、例えば、右側のアイランド3Rに設置され、多数のLEDを配列して文字や図形を表示するように構成されたものであり、車両のドライバーや同乗者に対して、「通過料金は300円」等の料金表示や、「バック禁止」等の注意文のように、様々なメッセージを適宜表示することができる。なお、表示装置77の位置は、右側のアイランド3Rに限定されず、左側のアイランド3Lでもよい。
カメラ78は、例えば、左側のアイランド3Lに設置され、車路2上を通行する車両や、車両のドライバーや同乗者の行動を撮影するものである。
車路制御装置80は、上記したように通信可能に接続されたゲート制御システム71の各部を統合的に制御するものである。車路制御装置80は、基本的には、ETCアンテナ73におけるETC通信結果に応じてゲート装置1L及び1Rを開動作し、第3車両センサ79における検出結果に応じてゲート装置1L及び1Rを閉動作するものである。例えば、車路制御装置80は、ETCアンテナ73のETC通信結果に応じて車両を通行させる場合、通常はゲートバー16を横臥位置から起立位置まで回動することでゲートバー16による車路遮断を解除するようにゲート装置1L及び1Rを制御するが(通常開動作)、本実施形態では特に、ゲートバー16の上方に回動障害物があるときには、回動部13を車路遮断可能位置からゲートバー迎え位置まで回動させることでゲートバー16による車路遮断を解除するようにゲート装置1L及び1Rを制御する(水平開動作)。
管理PC81は、料金所の係員がゲート制御システム71を管理するために用いるコンピュータであり、通信可能に接続された車路制御装置80を介して各装置を監視したり、遠隔操作する機能を有する。管理PC81は、係員等の操作者の選択操作に応じて、ゲート装置1L及び1Rのゲート開モードを通常開モード及び水平開モードの何れかから選択可能に構成されていて、ゲート装置1L及び1Rは、ゲート開モードとして通常開モードが選択されている場合には自動的に通常開動作を行い、水平開モードが選択されている場合には、自動的に水平開動作を行う。また、管理PC81は、ゲート装置1L及び1Rのゲート開モードとして通常開モードを選択している場合に、ゲートバーセンサ76によって後述のように回動障害物を検知した場合には、自動的にゲート装置1L及び1Rのゲート開モードを水平開モードに選択してもよく、又は、回動障害物の存在を報知すると共に操作者の指示操作があるまでゲート装置1L及び1Rの開動作を待機させる。
モニター82は、管理PC81に接続されて管理状況を表示するだけでなく、カメラ78に接続されていて、カメラ78で撮影される車路2上の車両や、車両のドライバーや同乗者の画像や映像を監視可能に表示することができる。なお、モニター82は、複数の車路2のそれぞれに複数のカメラ78が備わる場合にはそれぞれの撮影結果を表示する。
次に、ゲート制御システム71におけるゲート装置1L及び1Rの開動作及び閉動作を、図11のフローチャートに沿って説明する。ここでは、特に指定のない限り、各部の動作及び判定は車路制御装置80によって行われるものとする。また、ゲート装置1L及び1Rのゲート開モードは、初期状態では通常開モードに選択されているものとする。
先ず、ゲート制御システム71では、第1車両センサ72によって、ゲートに進入する車両を監視していて(ステップS21)、第1車両センサ72の車両検知がONになると(ステップS21:YES)、ETCアンテナ73がETC情報を取得するべく車両のETC車載器とETC通信を行う(ステップS22)。これと略同時に、第2車両センサ74によって、ゲートを通行する車両を監視し(ステップS23)、第2車両センサ74の車両検知がONになると共に、第1車両センサ72の車両検知がOFFになると、車両が通行していると判断できるので、ETC通信結果の判定処理(ステップS24)に移行する。
ETC通信結果の判定処理(ステップS24)では、車路制御装置80は、ETCアンテナ73からのETC通信結果と、車路制御装置80に予め記録された様々なデータとを照合して、通過できるETC車両か否かを判定する。通過できるETC車両とは、有効なETCカードをきちんと装着したETC車両であり、また、高速道路の出口の場合には、料金収受可能なETC車両である。そして、通過できるETC車両であると判定した場合(ステップS24:YES)、通常開動作(ステップS25)に移行する。
通常開動作(ステップS25)では、ゲート装置1L及び1Rの制御部51が、ゲートバー駆動モータ52を駆動させて水平回動軸14を回動することにより、ゲートバー基部15及びゲートバー16を横臥位置から起立位置まで回動させる。なお、このとき、回動駆動モータ55は駆動されないので、垂直回動軸12は回動せずに、回動部13は停止したままである。これにより、上記の通過できるETC車両は、開動作したゲート装置1L及び1Rをノンストップで通過可能となる。その後、第3車両センサ79によって、ゲートを退出する車両を監視し(ステップS26)、第3車両センサ79の車両検知がONになってからOFFに戻ると(ステップS26:YES)、車両が退出したと判断できるので、通常閉動作(ステップS27)に移行する。
通常閉動作(ステップS27)は、上記の通常開動作とは逆の動作であり、ゲート装置1L及び1Rの制御部51が、ゲートバー駆動モータ52を駆動させて水平回動軸14を回動することにより、ゲートバー基部15及びゲートバー16を起立位置から横臥位置まで回動させる。なお、このとき、回動駆動モータ55は駆動されないので、垂直回動軸12は回動せずに、回動部13は停止したままである。このようにしてゲート装置1L及び1Rが閉動作すると、1台の車両についてのフローが終了する。
また、上記のETC通信結果の判定処理(ステップS24)において、何らかの原因でETC車両ではないと判定され、又は正規に通過できない車両だと判定された場合(即ち、ETC通過不可車両と判定された場合)には(ステップS24:NO)、車路制御装置80は、ETC通過不可車両の到来を監視ブース83に通知し(ステップS28)、通常開動作(ステップS25)に移行することなく、横臥位置のゲートバー16によって車両の通過を規制することになる。
監視ブース83では、ETC通過不可車両の到来を示す情報が、モニター82又は管理PC1の画面に表示される。また、ETC通過不可車両は、カメラ78で撮影されていて、その映像や画像が監視ブース83のモニター82に表示される。例えば、ETC通過不可車両が停車しないと、ゲートバー16に衝突し、ゲートバー16はリリース動作を行うので、上記したようなリリース復帰動作(図7参照)に移行することになる。このとき、係員は、管理PC81又はモニター82を視認して、ゲートバー16に衝突したETC通過不可車両を確認することができる。
他方、ETC通過不可車両は、図8や図9に示すように、ゲートバー16の直前で停止することがある。このとき、係員は、管理PC81又はモニター82を視認して、停止したETC通過不可車両を確認することができる。
そして、車路制御装置80及びゲート装置1L及び1Rは、ゲートバー16の直前でETC通過不可車両が停止していると、自動的に開動作を行うことができないので、管理PC81からの遠隔操作があるまで待機状態となる(ステップS29)。このとき、係員は、ETC通過不可車両について料金収受等の所定の処置を行う待避所等の他の場所へと移動させるために、ETC通過不可車両をゲートから退出させる必要があるので、管理PC81を用いた遠隔操作を開始する(ステップS29:YES)。なお、係員は、ゲート装置1L及び1Rの開動作を行う前に、管理PC81を用いて料金収受機75のスピーカを通じて、ETC通過不可車両のドライバーに対して開動作後の行動を音声で案内してもよく、例えば、出口の先に待避所があることや、その待避所で停止すべきことを指示することができる。
管理PC81での遠隔操作によってゲート装置1L及び1Rの開動作を行う場合(ステップS29:YES)、先ず、例えば、ゲートバーセンサ76によって、ゲートバー16の上方の回動障害物の有無を監視したり、カメラ78で撮影された映像や画像を係員が確認することで回動障害物の有無を確認したりすることで、ゲート装置1L及び1Rの通常開動作を可能か否かが判定される(ステップS30)。ゲートバーセンサ76で回動障害物が検出されず、ゲート装置1L及び1Rの通常開動作が可能である場合には、(ステップS30:YES)、第1車両センサ72や第2車両センサ74の検知結果に拘らず通常開動作(ステップS27)を行うように、管理PC81によって車路制御装置80及びゲート装置1L及び1Rを制御する。
他方、図8や図9に示すように、ゲートバー16の上方の回動障害物が検出されて、ゲート装置1L及び1Rの通常開動作が不可能である場合には(ステップS30:NO)、通常開動作を行うとゲートバー16が回動障害物に衝突するおそれがあるため、通常開動作不可と判定されて、その判定結果が監視ブース83へと通知されて管理PC81やモニター82に出力される(ステップS31)。このとき、管理PC81によって、車路制御装置80に対してゲート装置1L及び1Rのゲート開モードが水平開モードに選択される。
次に、ゲート装置1L及び1R付近及びゲートバー16の後方におけるゲート装置1L及び1Rの水平開動作を妨げる先行車両等の障害物の有無を確認して、ゲート装置1L及び1Rの水平開動作を安全に行うことが可能か否かが判定される(ステップS32)。例えば、渋滞等によりETC通過不可車両と先行車両との車間距離が短い場合には、ゲートバー16と先行車両との衝突等の危険性があるため、水平開動作を安全に行うことができないと判定される。また、例えば、第3車両センサ79の検知結果に基づいて先行車両の有無が確認され、より好ましくは、カメラ78で撮影された映像や画像を係員が確認することで、水平開動作を妨げる障害物の有無が確認される。
そして、管理PC81や車路制御装置80は、ゲート装置1L及び1Rの水平開動作が不可能と判定されている間は(ステップS32:NO)、ゲート装置1L及び1Rの水平開動作を待機させる。他方、ゲート装置1L及び1Rの水平開動作が可能と判定された場合(ステップS32:YES)、係員の管理PC81による遠隔操作によってゲート装置1L及び1Rの水平開動作を指示する。
ゲート装置1L及び1Rの水平開動作(ステップS33)は、ゲートバー基部15及びゲートバー16を横臥位置で維持したまま、回動部13が車路遮断可能位置にある図10(1)に示すような状態から、回動部13がゲートバー迎え位置にある図10(2)に示すような状態へと移行する動作である。この水平開動作は、具体的には、リリース復帰動作における回動部13の車路遮断可能位置からゲートバー迎え位置までのリリース方向の回動動作(図10(2)破線矢印、図7のステップS2参照)から、ゲートバー基部15及びゲートバー16の横臥位置から起立位置までの回動動作(図7のステップS6参照)を経て、回動部13のゲートバー迎え位置から車路遮断可能位置までの非リリース方向の回動動作(図7のステップS9参照)に至る一連の動作(図7のステップS2〜S11)で実現される。なお、このとき、ゲートバー16はリリースされていないので、リリース検知スイッチ58が常にOFFであるため、図7のステップS4のリリース検知スイッチ58のOFFの確認はスキップし、すぐさまステップS5に移行して回動駆動モータ55を停止するとよい。
これにより、ETC通過不可車両は、水平開動作したゲート装置1L及び1Rを通過可能となるので、その後、第3車両センサ79によるETC通過不可車両の退出の監視(ステップS26)に移行する。そして、第3車両センサ79の車両検知がONになってからOFFに戻ると、ETC通過不可車両が退出したと判断できるので、通常閉動作(ステップS27)に移行する。このようにしてゲート装置1L及び1Rが閉動作すると、ETC通過不可車両についてのフローが終了する。
なお、本実施形態では、上記したETC通過不可車両に対してゲート装置1の開動作を行う際に、ゲートバーセンサ76が回動障害物を検知した後、通常開動作不可の判定結果を監視ブース83へと通知し、その後、ゲート装置1L及び1Rの水平開動作が可能と判定されてから、係員の管理PC81による遠隔操作によってゲート装置1L及び1Rの水平開動作を指示する構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ゲートバーセンサ76が回動障害物を検知した後、通常開動作不可の判定結果を監視ブース83へと通知することなく、第3車両センサ79によって先行車両の有無を確認し、第3車両センサ79で先行車両が検知されない場合に自動的に、ゲート装置1L及び1Rの水平開動作を指示するように構成してもよい。
上述のように、本実施形態によれば、車路2上の車両(移動体)の通行を規制するゲート装置1は、本体部11と、回動部13と、ゲートバー基部15と、ゲートバー16と、ゲートバー駆動部32と、回動駆動部22と、ストッパー部23と、を備えている。そして、回動部13は、本体部11の上方に配置され、垂直方向に伸長する垂直回動軸12周りを回動可能となるように本体部11に支持されている。ゲートバー基部15は、一端側が回動部13に、水平方向に伸長する水平回動軸14周りを回動可能となるように支持され、他端側が水平回動軸14と交わる方向に伸長している。ゲートバー16は、中間部がゲートバー基部15の他端側に、ゲートバー基部15の伸長方向と交わる方向に伸長するリリース回動軸41周りを回動可能となるように支持され、一端側がゲートバー基部15の一端側に着脱可能に保持され、他端側がゲートバー基部15と同じ方向に伸長している。ゲートバー駆動部32は、ゲートバー基部15を、ゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥する位置である横臥位置と、ゲートバー基部15及びゲートバー16が起立する位置である起立位置との間で水平回動軸14周りを回動させる。回動駆動部22は、移動体の通行を規制するときには、横臥位置にあるゲートバー16が車路2を遮るように回動部13の位置を車路遮断可能位置に定め、また、ゲートバー16の一端側がゲートバー基部15の一端側から離脱してゲートバー16がリリース回動軸41周りを移動体の移動方向に向かうリリース方向に回動するリリース動作をしたときには、回動部13を横臥位置におけるゲートバー16の回動に追随するように回動させて、ゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側に接近又は接触させると共に、ゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側に保持させるように回動部の位置をゲートバー迎え位置に定める。ストッパー部23は、回動部13よりもリリース方向側において回動部13の回動に伴って移動するゲートバー16の移動軌跡上に配置される。また、回動駆動部22は、移動体がゲート装置1の直前に停止した際に、ゲートバー16の横臥位置から起立位置までの回動軌跡上に回動障害物がある場合は、水平開モードで動作して回動部13を車路遮断可能位置からゲートバー迎え位置までリリース方向に回動させる水平開動作を行う。
このような構成により、本実施形態に係るゲート装置1では、ゲートバー16の通常開動作と、イレギュラーな水平開動作とを選択的に行うことが可能となっている。従って、ゲートバー16の近傍に移動体が停車した際に、移動体の前方(車両のフロント側)に出た突出物等の回動障害物があるために、ゲートバー16を上昇させることができなくても、ゲート装置1の水平開動作によってゲートバー16をリリース方向に回動させることでゲートを開き、回動障害物を有する移動体を前進させてETCレーンから退出させることができる。そのため、回動障害物へのゲートバー16の接触や、回動障害物や車両の破損等の事故が生ずるおそれを解消することができる。また、このような回動障害物に対処する際に、係員がゲートバー16の操作をするために車路2に立ち入る必要がなく、自動的に、又は係員の遠隔操作によってゲート装置1を開動作することができるので、係員の車路上での移動体との接触事故等の危険性を回避することができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1は、ゲートバー16の回動軌跡上の回動障害物の有無を検知するゲートバーセンサ76(検知部)を更に備える。
このような構成により、係員の目視等を必要とすることなく、ゲートバー16の回動を阻害する回動障害物の有無を判断でき、ゲート装置1を開動作する過程で、回動障害物の見落としをなくして、ゲートバー16が移動体の突出部に接触する等の危険性をより確実に回避することができる。
更に、本実施形態に係るゲート装置1は、ゲートバー16の回動軌跡上に回動障害物がある場合は、水平開モードで水平開動作を行うように回動駆動部22を制御し、回動部13をゲートバー迎え位置で停止させたままでゲートバー基部15を横臥状態から起立位置まで回動させるようにゲートバー駆動部32を制御し、更に、回動部13をゲートバー迎え位置から車路遮断可能位置までリリース方向とは逆方向の非リリース方向に回動させるように回動駆動部22を制御する制御部51を備える。
このような構成により、ゲート装置1は、ゲートバー16を水平開動作させた後で、ゲートバー16を車路側に出すことなく、回動部13を車路遮断可能位置に定めると共にゲートバー基部15及びゲートバー16を起立位置に定めるので、停止していた車両が進行してもゲートバー16に接触することがなく、また、ゲートバー16の通常の閉動作に移行できるので、後続の車両にゲートバー16が接触することもない。
また、本実施形態に係るゲート制御システム71では、上記したゲート装置1(1L、1R)と、ゲート装置1を遠隔操作する管理PC81(遠隔操作部)と、を備え、管理PC81は、操作者の選択操作に応じて、ゲート装置1のゲート開モードを通常開モード及び水平開モードの何れかに選択可能に構成され、通常開モードを選択している際に、ゲートバー16の回動軌跡上に回動障害物がある場合は、自動的に水平開モードを選択し、又は、操作者の指示操作があるまでゲート装置1の開動作を待機させる。
このような構成により、係員の判断でゲート装置1のゲート開モードを選択できるため、各車両センサ72、74、79やゲートセンサ76の誤検知があった場合でも、適切に対応してゲート装置1を開動作させることができる。また、上記した以外の他の要因でゲート開動作を阻害する物体があった場合でも、係員が車路2に立ち入ることなく適宜、対処することができるため、係員の車路上での移動体との接触事故等の危険性を回避することができる。
このように、本発明の実施形態によるゲート装置1及びゲート制御システム71によれば、ゲートバー16の上方に回動障害物が存在する場合のゲートバー16の開閉動作に伴う危険性を回避することができる。
また、本実施形態では、ゲートバー16の上方に回動障害物があったときのゲート装置1の開動作として、回動部13を車路遮断可能位置からゲートバー迎え位置までのリリース方向に回動する水平開動作を行い、その後で、ゲートバー基部15及びゲートバー16の横臥位置から起立位置までの回動動作を経て、回動部13のゲートバー迎え位置から車路遮断可能位置までの非リリース方向の回動動作を行うと共に、ゲート装置1の閉動作として通常閉動作を行う構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、他の実施形態では、ゲートバー16の上方に回動障害物があったときのゲート装置1の開動作として、回動部13をゲートバー迎え位置から車路遮断可能位置まで非リリース方向に回動する水平閉動作を行うように構成してもよい。これにより、ゲート装置1の開動作から閉動作への切り換えは、回動駆動部22の回動駆動モータ55を反転させるだけで、水平開動作から水平閉動作に切り換わることになるため、一連の動作の完了時間を短縮することができる。なお、このような水平閉動作を行う場合には、各車両センサ72、74、79によってゲート装置1周辺に車両がないことを確認すると共に、表示装置77等を利用して後続車両が進行しないように報知するとよい。また、後続車両が誤って進行してゲートバー16に接触し、ゲートバー16がリリース動作した場合でも、上記したリリース復帰動作を行うことができるので、運用上の安全性が確保される。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うゲート装置及びゲート制御システムもまた本発明の技術思想に含まれる。