JP2016125077A - 高強度高延性厚板鋼板とその製造方法 - Google Patents

高強度高延性厚板鋼板とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強度と延性とを兼ね備えた高強度高延性厚鋼板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】所定の成分のフェライトパーライト鋼板であって、ミクロ組織が1/4厚部のフェライト面積分率が80〜95%、1/4厚部のパーライト面積分率が5〜20%で構成される組織で、1/4厚部のフェライト粒の平均アスペクト比が1.0〜1.5、
1/4厚部のフェライト粒の平均粒径が5〜20μm、1/4厚部のフェライト相中の平均転位密度が7×1012/m2以下、1mmピッチのビッカース硬さの試験で、鋼板の表面から1/4厚部まで、または3/4厚部から裏面までのビッカース硬さ平均値が、1/4厚部から3/4厚部までのビッカース硬さ平均値の80〜105%、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高強度高延性厚板鋼板およびその製造方法に関し、例えばタンカーの衝突による油流出事故に代表されるような船舶の衝突が万一起きた場合でも、船舶側面部の破口を抑制等することができる板厚5mm以上の高強度高延性厚板鋼板及びその製造方法に関する。
近年、大型タンカーの座礁や衝突による油流出による環境汚染が問題となっている。そのため、最近の造船分野においては、万一船舶同士が衝突事故を起こしてもその破壊(破口)を最小限にくい止め、タンカーからの油流出や破損部からの浸水等の被害を最小限にするための技術が検討されている。
その中でも、船体用鋼材面からの取り組みとして、衝突時のエネルギーを鋼材自体に多く吸収させ船体の破壊を抑制することが提案されている。
例えば、衝突時のエネルギー吸収能力を向上させる方法としては、鋼板の組織をフェライト(α)主体とし、かつα相を強化する技術が特許文献1に提案されている。この技術は、α分率Fが80%以上であり、かつαの硬さHについては下限値(H≧400−2.6×F)を規定することを特徴としている。
また、鋼板の表裏層に残留オーステナイト(γ)相を含ませる技術が特許文献2に提案されている。この技術は、C、Si、Mn、Alを含有し、さらに必要に応じて強化元素を含有し、鋼板の少なくとも板厚の1/8以上の表裏層に面積率で1.0〜20%の残留γを含むというものである。
これらの他に、特許文献3には、鋼板金属組織中のフェライト(α)相の分率を板厚中央部で70%以上、板厚表層部で50%以上とし、均一伸びを増加させることにより、耐衝突性を向上させる技術が開示されている。
さらに、特許文献4に、鋼板の全金属組織に占めるαの面積分率を90%以上、その平均α粒径を3〜12μm、最大α粒径を40μm以下、第2相の平均円相当径を0.8μm以下とし、均一伸びと破断応力の積を大きくすることにより、衝突吸収性を向上させる技術が提案されている。
上記の特許文献1と特許文献2では、伸びと強度の積(EL×(YP+TS)/2)を耐衝撃性を表す指標(衝撃吸収エネルギー)として、これを高める手段が開示されている。ところが、船舶同士が衝突した際の破口抑制という観点からは、上記指標よりも伸びの値そのものの方がより大きく影響することが大規模衝突シミュレーションによって明らかになりつつある。特許文献1の技術では、α粒径が5μm以下で、αの硬さはHv160〜190と高めであるため、伸び自体は必ずしも高くなく、衝突時の破口を抑制する効果はあまり期待できない。
また、特許文献2の技術では、組織に残留γを含むようにするため、合金元素が多目に添加されており、実施例として開示されている鋼は炭素当量(Ceq)が高いか、Siが高い鋼種となっている。そのため、溶接性や継手靭性を確保することが困難で、実船への適用は限定的と考えられる。
一方、特許文献3の技術では、合金元素添加量を低目に抑え、2段階の冷却により特に板厚中心部のα相の分率、硬さ、粒径を制御することにより、均一伸びの向上を図っているが、造船用のような広幅長尺鋼板を製造する際には、材質ばらつきが生じてしまい、実用的な製造方法とはいい難い。
特許文献4では、鋼材の化学成分と金属組織の情報は開示されているが、製造方法において実用上不確実な点が多い。すなわち、詳細な説明に記されている製造方法は、熱間圧延、冷却後に再加熱を推奨しているが、廉価かつ大量生産が必須の造船用鋼板において、再加熱のようなプロセスは生産コストと製造工期の観点から実用化が懸念される。
以上を鑑みると、高強度高延性厚板鋼板で、例えば、船舶が衝突したときに船舶側面部の破口を抑制等することができる強度と延性とを兼ね備えた高強度高延性厚板鋼板についての技術は、未だ確立されていないのが実情である。
特開平10−306340号公報 特開平11−246935号公報 特開2003−089841号公報 特開2007−162101号公報
本発明は、上記実情に鑑み、高強度高延性厚板鋼板、例えば衝突時の船舶側面部の破口を抑制等することができる強度と延性とを兼ね備えた高強度高延性厚板鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。
船舶が衝突したときに船舶側面部に破口が生じるメカニズムを考察する。例えば、船舶側壁部に他の船舶の舳先が衝突した場合には、船舶の舳先の全体が船舶側壁部の平らな鋼板にめり込んでくるので、船舶側壁部の鋼板は大きく曲げ変形を受け、奥に引き伸ばされて大きく引っ張られる。そして、鋼板が破壊されると、船舶側壁部の鋼板が破口することとなる。
したがって、船舶が衝突したときに船舶側面部の鋼板に破口を生じさせないようにするためには、衝突時の初期段階で鋼板が大きく曲げられた時に、その曲げに耐えられること、そして、曲がっていない部分が大きく引き伸ばされ引張り変形を起こすこととなるが、その部分が伸びて破断しないことが必要である。
船舶が衝突したときに船舶側面部の破口を抑制するには鋼板の伸びを大きくすることが本質的に重要であるが、一般に鋼板の強度を向上させると鋼板の伸びが劣化するので、強度と伸びとを両立させた高強度高延性厚板鋼板が望まれている。
本発明者は、高強度高延性厚板鋼板、特に衝突時の船舶側面部の破口を抑制等することができる高強度高延性厚板鋼板を得るために、鋼板の成分組成およびミクロ組織に着目して研究を進めた結果、鋼板内での強度と伸びの変動を抑制しやすいフェライト+パーライト鋼で、ミクロ組織としてα相の存在状態による延性向上と第二相であるパーライトによる強度向上を図り、かつ板厚内のPの最大濃度、ならびに板厚方向の硬さを制御すること等によって強度と延性とを兼ね備えた高強度高延性厚板鋼板が得られることを見出して、本発明を完成した。
本発明の要旨は、次の通りである。
(1) 質量%で、
C :0.050〜0.200%、
Si:0.200〜1.000%、
Mn:0.50〜2.00%、
P :0.015%以下、
S :0.003%以下、
Ti:0.003〜0.020%、
Al:0.002〜0.050%、
N :0.0010〜0.0060%、
O :0.0005〜0.0060%、
Ca、Mg、REMの1種または2種以上を添加量の合計として0.0005〜0.0080%を含有し、
さらに、
Nb:0〜0.030%、
V :0〜0.050%、
Cu:0〜0.50%、
Ni:0〜1.00%、
Cr:0〜0.50%、
Mo:0〜0.500%、
B :0〜0.0030%
を含有し、かつ、
Ti/Nが0.5〜4.0であり、
残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の鋼であって、
ミクロ組織が1/4厚部のフェライト相面積分率が80〜95%、1/4厚部のパーライト相面積分率が5〜20%で構成される組織で、
1/4厚部のフェライト粒の平均アスペクト比が1.0〜1.5、
1/4厚部のフェライト粒の平均粒径が5〜20μm、
1/4厚部のフェライト相中の平均転位密度が7×1012/m2以下、
1mmピッチのビッカース硬さの試験で、鋼板の表面から1/4厚部まで、または3/4厚部から裏面までのビッカース硬さ平均値が、1/4厚部から3/4厚部までのビッカース硬さ平均値の80〜105%、
であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
(2) 上記(1)に記載の高強度高延性厚板鋼板で、板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲で長さ5μm以上の介在物が10個/mm2以下、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
(3) 上記(1)または(2)に記載の高強度高延性厚板鋼板で、板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲でPの最大濃度が0.02〜0.20%、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
(4) 上記(1)から(3)の内の何れかに記載の高強度高延性厚板鋼板で、下記式(1)で示される冷却する際のフェライト変態開始温度Ar3が760〜820℃、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]
−55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
(5) 上記(1)から(4)の内の何れかに記載の高強度高延性厚板鋼板を製造する方法であって、鋼片を950〜1100℃の範囲で加熱し、累積圧下率が50〜75%の仕上圧延を、鋼片の表面温度がAr3−30℃以上、結晶粒の成長が始まる再結晶開始温度Trex℃以下で行い、仕上圧延された厚板鋼板を空冷により室温まで冷却することを特徴とする高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
但し、
Ar3は下記式(1)、Trexは下記式(2)で表される。
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]
−55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
rex=−91900[Nb*]2+9400[Nb*]+770 ・・・ (2)
但し、[Nb*]は、下記式(3)により求めるものとする。
Sol.Nb=(10(-6770/(T+273)+2.26))/(C+12/14×N)・・(3)
なお、式(3)のTは鋼片の加熱温度で、単位は摂氏温度(℃)とし、
[Nb]≧[Sol.Nb]の場合は、[Nb*]=[Sol.Nb]
[Nb]<[Sol.Nb]の場合は、[Nb*]=[Nb]
とする。ここで、[Nb]は、Nb含有量(質量%)を、[Sol.Nb]は式(3)で求めたSol.Nb(固溶Nb)(質量%)を表す。
(6) 上記(5)に記載の高強度高延性厚板鋼板の製造方法であって、仕上圧延された厚板鋼板を、鋼板の表面温度がAr3−150℃以上、Ar3−50℃以下の温度まで、冷却速度1℃/秒超、20℃/秒以下の水冷を行い、該水冷後、冷却速度1℃/秒以下の空冷をすることを特徴とする、高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
(7) 上記(5)または(6)に記載の高強度高延性厚板鋼板の製造方法であって、溶鋼を製造するにあたり、真空脱ガス装置により溶鋼の溶存酸素量を40ppm以下に調整し、ついで、AlをAlの最終含有量が0.002〜0.050%となるように添加して、溶鋼の溶存酸素量を10ppm以下に調整した後、Ca、Mg、REMの1種または2種以上を、Ca、Mg、REMの1種または2種以上の合計の最終含有量が0.0005〜0.0080%となるように添加することを特徴とする、高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
(8) 上記(5)から(7)の内の何れかに記載の高強度高延性厚板鋼板の製造方法であって、溶鋼を連続鋳造する際に、鋳片の凝固末期である鋳片の中心固相率が0.2〜0.7の範囲において、鋳造ロールの間隙を、鋳造進行方向1mにつき0.2mm〜3.0mmに狭めて圧下しながら鋳造することを特徴とする、高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
本発明の高強度高延性厚鋼板を船舶に使用することにより、万一船舶同士の衝突事故が起こった場合でも、船舶の鋼板が破断して破口することを防止することができるので、タンカー等の船舶事故時における油の流出による海洋汚染、又は衝突損傷部からの浸水量を低減できる等の環境保護及び安全性の点から顕著な効果を奏する。
以下本発明について詳細に説明する。
船舶が衝突したときに船舶側面部の破口を抑制するためには船舶側面部の鋼板の伸びを大きくすることが本質的に重要である。伸びは均一伸びと局部伸びに分けることができるが、これらの支配因子は異なっており、通常両立することは困難である。すなわち、均一伸びはα自体の延性向上に加えて、第二相の硬さ増加により高めることができ、一般に複合組織とする方が有利である。一方、局部伸びは硬さ分布の均一化、第二相や介在物等の微細分散等、均一組織とする方が有利である。構造物が衝突した際の破壊を防止するという観点からは、どちらかの伸びを重点的に向上させるというよりも、両者をバランスよく向上させることが望ましい。なお、伸びの値は試験片形状によっても大きく異なることがわかっており、標準的なJISの1B号引張試験片を用いた場合、均一伸び14〜24%局部伸び9〜16%で、均一伸びと局部伸びの合計である全伸び(T.EL)(以下単に伸びとも称す)23〜40%を本発明における目標値としたが、板厚が薄くなると伸びは低下する。
具体的には、鋼板板厚が5mm以上10mm以下では、伸びが23%以上を、鋼板板厚が10mm超15mm以下では、伸びが24%以上を、鋼板板厚が15mm超20mm以下では、伸びが25%以上を、鋼板板厚が20mm超30mm以下では、伸びが26%以上を、鋼板板厚が30mm超50mm以下では、伸びが27%以上を、伸びの下限の目標値とすることが好ましい。
なお、海上技術安全研究所の解析により、鋼板の延びが一般鋼(16%)に比べて約1.5倍の23%となることで、船舶の側面から衝突された際に穴が開くまでの衝撃吸収エネルギーが約3倍となり、従来の鋼材に比べて船体に穴が開きにくくなる特徴をもつことが知られているので、本発明では伸びの下限の目標値を23%とした。また、その他の特性としては、降伏応力(YP)が355〜500MPa、引張強度(TS)が490〜620MPaで、鋼板板厚(t)が5〜50mmを目標値とした。
本発明者らは、このような目標値を達成できる高強度高延性厚板鋼板として、鋼板内での強度と伸びの変動を抑制しやすいフェライト+パーライト鋼を前提として、フェライト(αと称することがある)相の延性向上と第二相であるパーライトによる強度向上を図るという指針のもと、鋼板の化学成分、製造条件の影響について詳細な調査を行い、以下のことを知見した。
α相の延性を向上させるためには、αの清浄度をできる限り高める必要がある。ただし、鋼板の強度は担保する必要があることから、パーライトを形成するCと、置換型固溶元素であるSi、Mn等は一定量添加せざるを得ない。α中で析出物を形成するNb、Ti等の元素は必要最小限の添加にとどめ、侵入型で固溶して降伏応力を顕著に上昇させるNや、不純物元素であるP、S等を極力低減することが効果的であること。また、Ca、Mg、REM(La,Ce等の希土類元素)の単独または複合添加によりこれらを含有する硫化物を形成させ、粗大な介在物(延伸MnS等)の生成を抑制することが伸び向上に有効であること。α中の転位密度が高くなると、塑性変形により容易に増殖してαを硬化させ、伸びを低下させる原因となるため、転位密度を低減しておくこと。Pは板厚中心部に偏析して、脆化域を形成して割れを生じさせると共に局部伸びを劣化させるのでPの最大濃度を低下させることが必要であることを知見した。
また、第二相であるパーライトを分散させることで強度向上が図れるが、船舶が衝突したときに船舶側面部の破口を抑制するためには、鋼板板厚方向の組織を均一化し、鋼板板厚方向の硬さの分布を均一化することに効果があること等を知見した。
本発明では、これらの知見に基づいて、高強度高延性厚板鋼板の鋼成分およびミクロ組織を決定した。
まず、本発明鋼板の鋼成分の限定理由を説明する。なお、成分についての「%」はすべて質量%を意味する。
(C:0.050〜0.200%)
Cは、パーライトを形成して強度を高めるのに不可欠な元素であるため0.050%以上添加する。一方、C量が増えると溶接性や継手靭性確保が困難となるため0.200%を上限とする。なお、C量は0.100%以上、0.160%以下が好ましい。
(Si:0.200〜1.000%)
Siは、安価な脱酸元素であり、固溶強化に効くとともに、変態点を上昇させてα中の転位密度低減に寄与するため0.200%以上添加する。一方、Si量が1.000%を超えると溶接性と継手靭性を劣化させるため上限を1.000%とする。Si量は、0.300%以上、0.500%以下が好ましい。
(Mn:0.50〜2.00%)
Mnは、母材の強度及び靭性を向上させる元素として有効であるため0.50%以上添加する。一方、Mnを過剰に添加すると、継手靭性、溶接割れ性を劣化させるため2.00%を上限とする。Mn量は、0.80%以上、1.60%以下が好ましく、更に好ましくは、0.90%以上、1.50%以下である。
(P:0.015%以下、S:0.003%以下)
P、Sは、不可避不純物であり、伸びや靭性を確保するためにはP及びSの含有量は少ないほど望ましいので、Pは0.015%、Sは0.003%を上限とする。
(Ti:0.003〜0.020%)
Tiは、微量の添加により母材と溶接部の組織微細化を通じて靭性向上に寄与するため、0.003%以上添加する。一方、過剰に添加すると溶接部を硬化させ著しく靭性を劣化させるため、0.020%を上限とする。Ti量は、0.006〜0.013%が好ましい。
(Al:0.002〜0.050%)
Alは、重要な脱酸元素であるため0.002%以上添加する。一方、Alを過剰に添加すると鋼片の表面品位を損ない、靭性に有害な介在物を形成するため0.050%を上限とする。Al量は、好ましくは0.002〜0.040%であり、更に好ましくは、0.010〜0.040%である。
(N:0.0010〜0.0060%)
Nは、Alと共に窒化物を形成し継手靭性を向上させるため、含有量の下限を0.0010%以上、好ましくは0.002%以上とする。一方、Nの含有量が過剰であると、固溶Nによる脆化や伸びの低下が生じるため、上限を0.0060%以下とする。N量の好ましい上限は、0.0050%以下であり、更に好ましくは、0.0040%以下である。
(Ca、Mg、REMの1種または2種以上を添加量の合計として0.0005〜0.0080%)
Ca、Mg、REMは、いずれも硫化物を形成することで粗大な介在物(延伸MnS等)の生成を抑制する重要な元素である。これらの元素は同等の効果を有するため、個々の添加量は問わないが、添加量の合計としては0.0005〜0.0080%とする必要がある。添加量の合計が0.0005%未満であると伸び向上の効果が安定して得られない。一方、0.0080%を超えて過剰添加しても効果は飽和し、粗大な酸・硫化物を形成して靭性や伸びを劣化させる。したがって、添加量の合計は、0.0005〜0.0080%としたが、好ましくは0.0010〜0.0060%、更に好ましくは0.0015〜0.0040%である。
(O:0.0005〜0.0060%)
Oは、Mg、Ca、REMとともに酸化物を形成する。0.0060%を超えると酸化物が粗大化して伸びや靭性が低下するので、0.0060%以下とする。一方、Oは少ないほど良いが、Oを減らすには、例えば、RH真空脱ガス装置での還流作業が長時間となり現実的ではないので、0.0005%以上とする。
(Ti/Nが0.5〜4.0)
Ti/Nを0.5〜4.0とするのは、TiをNで固定して伸びの劣化の原因となるTiCの生成を抑制するためで、少ない方がよいが、0.5未満となるとN量が多くなり固溶Nが生じ伸びを劣化させる原因となり、さらにスラブの表面疵の発生の原因ともなる。一方、4.0を超えるとTiCが生成して伸びを劣化させる。したがって、Ti/Nは0.5〜4.0とした。
更に、強度確保のために、選択元素として、Nb:0〜0.030%、V:0〜0.050%、Cu:0〜0.50%、Ni:0〜1.00%、Cr:0〜0.50%、Mo:0〜0.50%、B:0〜0.0030%の群の内の1種又は2種以上を添加してもよい。
Nbは、微量の添加により組織微細化に寄与し、母材強度確保に有効な元素であるため、0.030%以下を添加する。0.030%超のNbを添加すると、溶接部を硬化させて著しく靭性を劣化させるため、0.030%を上限とする。Nb添加の効果を得るためには0.003%以上を添加するのが好ましいが、それ未満であっても本発明の効果を阻害しない。
Vは、析出強化により強度上昇に寄与するため0.050%以下を添加する。0.050%超のVを添加すると、継手靭性を損なうことがあるため、0.050%を上限とする。V添加の効果を得るためには0.010%以上を添加することが好ましいが、それ未満であっても本発明の効果を阻害しない。
Cu、Cr、Moは、何れも焼入れ性を向上させ、高強度化に有効であるが、過剰に添加すると、継手の硬さが上昇して靭性が低下することがあるため、Cuは0.50%以下、Crは0.50%以下、Moは0.50%以下添加することが好ましい。その効果を得るためには、Cuは0.05%以上、Crは0.05%以上、Moは0.01%以上を添加することが好ましいが、それ未満であっても本発明の効果を阻害しない。
Niは、強度確保と靭性向上に有効であるが1.00%を超えて添加するとコストが上昇するため、上限を1.00%とする。Ni添加の効果を得るためには0.05%以上を添加することが好ましいが、それ未満であっても本発明の効果を阻害しない。
Bは、微量添加により焼き入れ性を高め母材強度向上に寄与するので、0.003%以下添加する。0.003%を超えて添加すると伸びと継手靭性を劣化させる。B添加の効果を得るためには0.0003%以上を添加することが好ましいが、それ未満であっても本発明の効果を阻害しない。これらの選択元素の下限は0%であってもよい。
なお、以上に述べた成分の残部はFeおよび不可避不純物である。
次に、本発明鋼板のミクロ組織等の限定理由について説明する。
(1/4厚部のフェライト相面積分率が80〜95%、1/4厚部のパーライト相面積分率が5〜20%)
フェライト(α)相面積分率が高くなるほど均一伸び特性が向上し、α相占積率が80%以上となると、急激に伸び特性が改善される。組織は板厚方向で多少変化するが、十分な伸びを確保するために1/4厚部のフェライト相面積分率が80%以上必要である。一方、95%を超えると強度を確保できないので、1/4厚部のフェライト相面積分率を80〜95%とした。この板厚1/4厚部は、冷却時において、板厚中央部に比べて相対的に冷却速度が速くなり、硬質相が生成しやすく、均一伸びが劣化しやすい領域である。板厚全体を考慮した場合、板厚中央部との特性差を考慮する必要があるので、1/4厚部のフェライト相面積分率を80〜95%に限定したが、85〜90%が好ましい。
また、強度特性である降伏点YP、引張強度TSは、伸び特性ELとは相反する性質であって、両者を同時に向上させることは一般に困難とされていて、フェライト相面積分率を増加させることによって伸び特性が改善されるが、伸びが向上すれば引張強さが低下するので、フェライト相面積分率の増加だけでは強度特性の確保に限度がある。
そこで、本発明では、伸び特性を確保しつつ、強度特性である降伏点YP、引張強度TSを確保するために1/4厚部のパーライト(P)相面積分率を5%以上とした。しかし、20%を超えると伸びを確保できなくなるので、上限を20%とした。好ましくは、10〜15%である。
なお、1/4厚部のフェライト相面積分率およびパーライト相面積分率の合計は、90%以上とするのが好ましく、10%未満のベイナイトが存在していても本発明の効果を阻害するものではない。また、フェライト相面積分率およびパーライト相面積分率は、光学顕微鏡により500倍の倍率でミクロ組織を撮影し、画像解析により各相の面積分率を求めたものである。
(1/4厚部のフェライト粒の平均アスペクト比が1.0〜1.5)
1/4厚部のフェライト粒の平均アスペクト比は小さいほど好ましく、1.5を超えると転位密度が高く伸びが劣化するので、上限を1.5とした。また、下限はフェライト粒が球状となる1.0とした。
(1/4厚部のフェライト粒の平均粒径が5〜20μm)
1/4厚部のフェライト粒の平均粒径が20μmを超えると強度を確保できなくなるので、上限を20μmとした。また、フェライト粒は細粒であるほど好ましいが5μm未満は工業上実現が難しいので、下限を5μmとした。
(1/4厚部のフェライト相中の平均転位密度が7×1012/m2以下)
伸びを確保するためにはフェライト(α)相中の平均転位密度を7×1012/m2以下とする必要がある。転位密度が7×1012/m2超であると、鋼板の塑性変形により転位が顕著に増殖してフェライト(α)が硬くなり、十分な全伸び(T.EL%)が得られない。転位密度は低ければ低いほどよいが、通常1×1012/m2を下回ることはほとんどない。平均転位密度の好ましい上限は6×1012/m2である。
(1mmピッチのビッカース硬さの試験で、鋼板の表面から1/4厚部まで、または3/4厚部から裏面までのビッカース硬さ平均値が、1/4厚部から3/4厚部までのビッカース硬さ平均値の80〜105%)
厚鋼板の冷却時において、板厚表裏層部は板厚中央部に比べて相対的に冷却速度が速くなり、硬質化しやすく、表層部近傍の硬さが大きすぎると伸びを劣化させる。板厚全体の伸び特性を考慮した場合、板厚表裏層部の硬質化の影響はある程度は許容できるが、板厚表裏層部と板厚中央部との硬度差が大きくなると影響を無視できなくなってくる。そのため、1mmピッチのビッカース硬さの試験で、板厚表裏層部(鋼板の表面から1/4厚部まで、または3/4厚部から裏面まで)のビッカース硬(Hv)さ平均値を、板厚中心部(板厚の1/4厚部から3/4厚部まで)のビッカース硬さ(Hv)平均値の80〜105%とすることが必要である。伸びを確保するためには、板厚表裏層部の硬さを抑えた方がよく、板厚中心部のビッカース硬さ平均値の80%が工業的に可能な下限である。また、105%を超えると伸びの確保が困難となる。したがって、(板厚表裏層部のビッカース硬さ平均値)/(板厚中心部のビッカース硬さ平均値)を80〜105%とした。
(板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲で長さ5μm以上の介在物が10個/mm2以下、)
長さ5μm以上の粗大な介在物{MnS、アルミナ(酸化アルミニュウムAl23)等の硫化物や酸化物}は延性破壊(ボイド)の起点となり、局部伸びを劣化させることがあるので、板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲で最大長5μm以上の介在物が少ない方が好ましく、特に限定するものではないが局部伸びの劣化の観点から、その存在形態を特に10個/mm2以下とすることが好ましい。なお、介在物の測定はSEMによる粒子解析による。
(板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲のPの最大濃度が0.02〜0.20%)
Pは連続鋳造時に中心偏析して板厚中心部に脆化域を形成し、割れを生じさせて局部伸びを劣化させるので、Pの最大濃度は小さい方が好ましい。Pの最大濃度の上限は特に特定するものではないが、伸びを確保するためには、板厚中心部(板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲を意味する)のPの最大濃度は0.20%以下とすることが好ましい。また、Pの最大濃度を0.02%未満とすることは現実的に困難であるので、0.02%を下限とし、0.02〜0.20%を好ましい範囲とした。
Pの最大濃度は、中心偏析を生じやすい板厚中心部の±(板厚の)10%の範囲、例えば板厚10mmであれば、板厚の中心部20%(±10%)角、すなわち2mm(±1mm)角について、EPMA(Electron Probe MicroAnalyser:電子プローブ微小分析器)により、加速電圧:15kV、ビーム径:20μm、照射時間:20ms、測定ピッチ:20μmで、上記2mm角の測定範囲を測定したときのPの濃度の最大値である。
(冷却する際のフェライト変態開始温度Ar3が760〜820℃)、
鋼を冷却する際のフェライト変態開始温度Ar3は、鋼組成としてのAr3が大きいほど高温でフェライト変態するため、フェライト粒内の転位密度が低下し、伸びが向上する。したがって、鋼のAr3が大きい方が好ましいが、820℃を超えて大きすぎるとフェライトが粗大化し強度が低下するので、上限を820℃とすることが好ましい。一方、Ar3が小さすぎるとベイナイトを形成し伸びが劣化するので、760℃を下限とすることが好ましい。
なお、冷却する際のフェライト変態開始温度Ar3は、公知の下記式(1)で示される。
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]
−55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
続いて、本発明における製造条件の限定理由を説明する。
まず、鋳造前処理として、溶鋼から炭素を除く1次精錬を行った後、溶鋼の成分調整をするにあたり、真空脱ガス処理により溶鋼の溶存酸素量を65ppm以下、好ましくは40ppm以下に調整する。溶鋼の溶存酸素量を特に40ppm以下に調整するには、例えば、RH真空脱ガス装置の真空度が1〜5torrで、溶鋼を1〜3分還流して調整する。
溶鋼の溶存酸素量を40ppm以下となった後、溶鋼にAlをAlの最終含有量が0.002〜0.050%となるように添加する。溶鋼中の溶存酸素量が40ppmを超えて多い場合には、脱酸材としてAlを添加し、RH真空脱ガス装置で還流作業を行っても、溶鋼中の最終溶存酸素量を16ppm以下、特に10ppm以下に調整することができないからである。また、溶存酸素量は少ないほどよく、溶鋼の溶存酸素量の下限については設定する必要はない。
ついで、溶鋼の溶存酸素量を10ppm以下に調整した後、Ca、Mg、REMの1種または2種以上をCa、Mg、REMの1種または2種以上の合計の最終含有量が0.0005〜0.0080%となるように添加して優先的に硫化物化して、MnS生成を抑制する。
溶存酸素量が10ppmを超えて多いと、Ca、Mg、REMを添加した場合に酸化物化してしまい硫化物制御が十分にできないことがある。溶鋼の溶存酸素量を10ppm以下に調整するには、例えば、RH真空脱ガス装置の真空度が1〜5torrで、溶鋼を10〜60分還流して、溶鋼の溶存酸素量を10ppm以下に調整する。真空度が1〜5torrで、溶鋼を10〜60分還流しなければ、溶存酸素量を10ppm以下とすることができない。また、溶存酸素量は少ないほどよく、溶鋼の溶存酸素量の下限については設定する必要はない。
成分調整した溶鋼を連続鋳造して鋳片を製造する際に、鋳片の凝固末期である鋳片の中心固相率が0.2〜0.7%の範囲において、鋳造ロールの間隙を、鋳造進行方向1mにつき0.2mm〜3.0mm、好ましくは鋳造進行方向1mにつき0.5〜2.0mm、さらに好ましくは鋳造進行方向1mにつき0.7〜1.5mmに狭めて軽圧下しながら鋳造し、P等の濃化溶鋼を上流側に排出させる。それにより、有害な中心偏析を低減することが可能となる。ここでいう中心固相率とは、鋳片厚み方向の中心部で、かつ、鋳片幅方向の溶融部分の固相率と定義でき、伝熱、凝固計算によって求めることができること等が知られている。なお、軽圧下をすることが好ましいが、P含有量が低い成分の場合には軽圧下をしなくてもよい。
ついで、鋳造した鋳片(鋼片)を熱間圧延する。
熱間圧延では、鋳造した鋼片を950〜1100℃、好ましくは1000〜1050℃の範囲で低温加熱する。加熱温度を1100℃以下にして加熱するとオーステナイト(γと称することがある)粒を微細化し、フェライトを細粒化するともにγ→α変態温度を高めて転位密度を低減することができるので、1100℃を上限とした。また、950℃未満ではγ化が不十分で靭性が劣化するので950℃を下限とした。加熱した鋼片を粗圧延した後、累積圧下率が50〜75%の仕上圧延を行う。累積圧下率が50%を超えるとγ中のα核生成サイトが増え、αを細粒化するとともにγ→α変態温度を高めることができるが、75%を超えると生産性が劣化するので、累積圧下率を50〜75%としたが、好ましくは55〜65%である。
仕上圧延は、αを細粒化するために重要な工程であり、鋼片の表面温度が公知の次式(1)で示す冷却する際のフェライト変態開始温度Ar3−30℃以上、次式(2)で示す結晶粒の成長が始まる再結晶開始温度Trex℃以下で行う。温度がAr3−30℃未満では2相域圧延となり、延伸したフェライトを形成し、伸びが劣化する。また、Trex超では未再結晶域圧延とならず、フェライトが粗大化して伸びを劣化させる。
rexは通常の厚板圧延のパス間時間(10〜15秒間程度)で概ね再結晶を完了させるために必要な温度(再結晶限界温度)のことで、Nb添加量を用いて下記の式(2)で表すことができる。
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]
−55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
rex=−91900[Nb*]2+9400[Nb*]+770 ・・・ (2)
ここで、[Nb*]は、下記式(3)により求めるものとする。
Sol.Nb=10(-6770/(T+273)+2.26))/(C+12/14×N)・・ (3)
なお、(3)式のTは鋼片の加熱温度で、単位は摂氏温度(℃)とし、
[Nb]≧[Sol.Nb]の場合は、[Nb*]=[Sol.Nb]、
[Nb]<[Sol.Nb]の場合は、[Nb*]=[Nb]、
とする。ここで、[Nb]は、Nb含有量(質量%)を、[Sol.Nb]は式(3)で求めたSol.Nb(固溶Nb)(質量%)を表す。
また、Trexの式(2)は実験式で、低温加熱することで、固溶していないNbもあるので固溶Nb量(Sol.Nb量)を、固溶Nbと再結晶温度の関係から求めた式である。
仕上圧延後の冷却工程としては、仕上圧延された厚鋼板を冷却速度1℃/秒以下の空冷、または鋼板の表面温度がAr3−150℃以上、Ar3−50℃以下の温度まで冷却速度1℃/秒超、20℃/秒以下の水冷した後空冷する。なお、空冷終了温度は、室温である。
冷却速度1℃/秒以下の空冷は冷却速度が小さいためフェライト変態温度が高温化するのでフェライト粒内の転位密度が低下し、伸びを向上させることができる。空冷の冷却速度の下限は特に限定する必要がない。
圧延完了後は空冷でもよいが、強度を高めるためには鋼板の表面温度がAr3−150℃以上、Ar3−50℃以下の温度まで冷却速度1℃/秒超、20℃/秒以下の水冷後に空冷しても良い。冷却停止温度がAr3−150℃未満では変態温度が低温化し、フェライト粒内の転位密度上昇やベイナイト形成が起こり、伸びが劣化する。一方、Ar3−50℃超では効果が得られない。水冷の冷却速度が20℃/秒を超えると変態温度が低温化し伸びが劣化するので水冷の冷却速度の上限は20℃/秒とした。水冷は、空冷の冷却速度以上であれば効果があるので、水冷の冷却速度の下限は1℃/秒超とした。
以下本発明の実施例を表1〜3を参照して説明する。
表1の化学成分を有する鋼片を用いて、表2の製造条件により板厚6〜40mmの鋼板を試作した。なお、表2のCa、Mg、REM前溶存酸素量は、Ca、Mg、REMの1種または2種以上を添加する前を意味する。冷却条件の欄の冷却速度(℃/s)は、実測された表面温度から、公知の差分法による熱伝導解析により求めた1/2厚部での冷却速度である。表2の冷却パターン欄で記載の「空冷」は、水冷(加速冷却)を行わずに空冷を行った例であり、そして、「一部水冷」は圧延後、一部水冷を行った後に空冷を行った例である。
表3に示す製造した各鋼板の組織的特徴を、以下の要領で測定した。
まず、鋼板のミクロ組織は、鋼板の幅方向垂直断面が観察できるようにサンプルを採取し、光学顕微鏡により表面から1mm、板厚1/4、板厚中心部の金属組織を500倍の倍率で撮影した。次に画像解析ソフトを用いて適切な条件で二値化処理を施した後、αと第二相(パーライト主体であるが一部ベイナイトを含む)の総面積を求め、撮影部の全面積で除することにより各相の分率(面積分率%)を求めた。
鋼板(板厚t)の表面から1/4厚部まで(表面〜t/4)、または3/4厚部から裏面まで(裏面〜3t/4)、そして、1/4厚部から3/4厚部まで(t/4〜3t/4厚部の中心部)のそれぞれのビッカース硬さ平均値は、1mmピッチのビッカース硬さの試験を、荷重98Nの条件で1〜20点測定し、平均値を求めた。
α相中の平均転位密度は、上記板厚各位置から薄膜試料を採取し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて倍率を40000倍として明視野の観察撮影を行い、得られたTEM像から任意の直線(長さ:L)と転位線との交切点の数(N)を測定し、膜厚:tの値を用いて、以下の式(4)により平均転位密度(ρ)を算出した。
ρ=2N/Lt ・・・ (4)
表3に組織的特徴と機械的性質{降伏応力(YP)、引張強度(TS)、全伸び(T.EL)}を測定した結果を示す。
機械的性質は、板厚中心部から圧延方向と直角の方向に採取したJIS Z 2241(2011)の1B号引張試験片を用いて引張強度(TS)評価した。降伏応力(YP)はJIS Z2241(2011)の永久伸び0.2%時の永久伸び法の耐力を意味し、全伸び(T.EL)は、JIS Z2241(2011)の破断時全伸びAtのことを意味し、試験片は、JIS1B号を用いた。
本発明例のNo.1〜20は化学成分、ミクロ組織、製造条件が本発明の範囲内であるため、いずれも全伸び(T.EL)23〜40%、降伏強度(YP)355〜500MPa、引張強度(TS)490〜620MPaを確保できた。なお、No.16は溶存酸素量が過剰で、連続鋳造時の軽圧下量が0.2mmを下回っていたことで、中心部のPの最大濃度が高かく、また、フェライト変態開始温度Ar3が820℃を超える825℃と高い成分の鋼を用いた場合の、請求項1の要件を満たす例である。No.17は連続鋳造時に軽圧下量を行わず、フェライト変態開始温度Ar3が822℃と高い成分の鋼を用いた場合の、請求項1および2の要件を満たす例である。No.18は溶存酸素量が過剰で、フェライト変態開始温度Ar3が826℃と高い成分の鋼を用いた場合の、請求項1および3の要件を満たす例である。No.19は真空度、還流時間が不足し、連続鋳造時の軽圧下量が0.2mmを下回っていたことで、中心部のPの最大濃度が高かい場合の、請求項1および4を満たす例である。これらの例はいずれも本発明のミクロ組織、機械的性質を確保できた。
一方、比較例のNo.21〜36は化学成分、ミクロ組織(フェライト相等)、製造条件のいずれかが本発明の範囲を逸脱していたために、本発明が目的とする機械的性質、特に十分な全伸び(T.EL)が得られなかった。
すなわち、No.21、22は加熱温度が高過ぎたため、仕上圧延でγを細粒化できずフェライト相が本発明の要件を満たしておらず、全伸び(T.EL)が低かった。No.23は仕上圧延の累積圧下率が不足し、フェライト相が本発明の要件を満たしておらず、パーライト分率も低く本発明の要件を満たしていないため、降伏強度(YP)、引張強度(TS)、全伸び(T.EL)が低かった。No.24、25は、仕上圧延の開始、終了温度が高すぎたため、フェライト相が本発明の要件を満たしておらず全伸び(T.EL)が低かった。No.26は、水冷による冷却停止温度が低すぎてフェライト相が本発明の要件を満たしておらず、表裏面平均Hv/中心部平均Hv×100%の値が高く、全伸び(T.EL)が低かった。
No.27〜28は、一部水冷時の冷却速度が速すぎて、フェライト相が本発明の要件を満たしておらず、表裏面平均Hv/中心部平均Hv×100%の値が高く、全伸び(T.EL)が低かった。
No.29は、仕上圧延の開始、終了温度が本発明範囲外であり、フェライト相が本発明の要件を満たしておらず、全伸び(T.EL)が低かった。
No.30は、Si量が不足していたため、引張強度(TS)、全伸び(T.EL)が低かった。
No.31は、S量が過剰であったため、SEMによる粒子解析による1/2厚±(板厚の)10%範囲(中心部)での最大長5μm以上の延伸した介在物が多く存在し、全伸び(T.EL)が低下していた。No.32は、P量が過剰であったため、1/2厚±(板厚の)10%範囲(中心部)でのPの最大濃度が高く、全伸び(T.EL)が低かった。No.33はNb量が過剰であったため、全伸び(T.EL)が低下していた。
No.34は、Ca+Mg+REMの量が不足していたために最大長5μm以上の延伸した介在物が多く存在し、伸び(T.EL)が低かった。No.35は、Ti/Nの値が高くTiCが生成し、1/2厚±(板厚の)10%範囲(中心部)での最大長5μm以上の粗大な介在物が多く存在することとなって全伸び(T.EL)が低かった。
No.36は、Si、P、S、Nbの含有量およびTi/Nの値が本発明外であったので、本発明で規定するフェライト相が得られず、全伸び(T.EL)が低かった。
Figure 2016125077
Figure 2016125077
Figure 2016125077

Claims (8)

  1. 質量%で、
    C :0.050〜0.200%、
    Si:0.200〜1.000%、
    Mn:0.50〜2.00%、
    P :0.015%以下、
    S :0.003%以下、
    Ti:0.003〜0.020%、
    Al:0.002〜0.050%、
    N :0.0010〜0.0060%、
    O :0.0005〜0.0060%、
    Ca、Mg、REMの1種または2種以上を添加量の合計として0.0005〜0.0080%
    を含有し、さらに、
    Nb:0〜0.030%、
    V :0〜0.050%、
    Cu:0〜0.50%、
    Ni:0〜1.00%、
    Cr:0〜0.50%、
    Mo:0〜0.500%、
    B :0〜0.0030%
    を含有し、かつ、
    Ti/Nが0.5〜4.0であり、
    残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の鋼であって、
    ミクロ組織が1/4厚部のフェライト相面積分率が80〜95%、1/4厚部のパーライト相面積分率が5〜20%で構成される組織で、
    1/4厚部のフェライト粒の平均アスペクト比が1.0〜1.5、
    1/4厚部のフェライト粒の平均粒径が5〜20μm、
    1/4厚部のフェライト相中の平均転位密度が7×1012/m2以下、
    1mmピッチのビッカース硬さの試験で、鋼板の表面から1/4厚部まで、または3/4厚部から裏面までのビッカース硬さ平均値が、1/4厚部から3/4厚部までのビッカース硬さ平均値の80〜105%、
    であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
  2. 請求項1に記載の高強度高延性厚板鋼板で、板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲で長さ5μm以上の介在物が10個/mm2以下、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の高強度高延性厚板鋼板で、板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲でPの最大濃度が0.02〜0.20%、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
  4. 請求項1から請求項3の内の何れかに記載の高強度高延性厚板鋼板で、下記式(1)で示される冷却する際のフェライト変態開始温度Ar3が760〜820℃、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
    Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]
    −55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
    但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
  5. 請求項1から請求項4の内の何れかに記載の高強度高延性厚板鋼板を製造する方法であって、鋼片を950〜1100℃の範囲で加熱し、累積圧下率が50〜75%の仕上圧延を、鋼片の表面温度がAr3−30℃以上、結晶粒の成長が始まる再結晶開始温度Trex℃以下で行い、仕上圧延された厚板鋼板を空冷により室温まで冷却する、ことを特徴とする高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
    但し、
    Ar3は下記式(1)、
    rexは下記式(2)で表される。
    Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]
    −55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
    但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
    rex=−91900[Nb*]2+9400[Nb*]+770 ・・・ (2)
    但し、[Nb*]は、下記式(3)により求めるものとする。
    Sol.Nb=(10(-6770/(T+273)+2.26))/(C+12/14×N)・・(3)
    なお、(3)式のTは鋼片の加熱温度で、単位は摂氏温度(℃)とし、
    [Nb]≧[Sol.Nb]の場合は、
    [Nb*]=[Sol.Nb]
    [Nb]<[Sol.Nb]の場合は、
    [Nb*]=[Nb]
    とする。ここで、[Nb]は、Nb含有量(質量%)を、[Sol.Nb]は式(3)で求めたSol.Nb(固溶Nb)(質量%)を表す。
  6. 請求項5に記載の高強度高延性厚板鋼板の製造方法であって、仕上圧延された厚板鋼板を、鋼板の表面温度がAr3−150℃以上、Ar3−50℃以下の温度まで、冷却速度1℃/秒超、20℃/秒以下の水冷を行い、該水冷後、冷却速度1℃/秒以下の空冷をする、ことを特徴とする高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の高強度高延性厚板鋼板の製造方法であって、溶鋼を製造するにあたり、真空脱ガス装置により溶鋼の溶存酸素量を40ppm以下に調整し、ついで、AlをAlの最終含有量が0.002〜0.050%となるように添加して、溶鋼の溶存酸素量を10ppm以下に調整した後、Ca、Mg、REMの1種または2種以上を、Ca、Mg、REMの1種または2種以上の合計の最終含有量が0.0005〜0.0080%となるように添加する、ことを特徴とする高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
  8. 請求項5から請求項7の内の何れかに記載の高強度高延性厚板鋼板の製造方法であって、溶鋼を連続鋳造する際に、鋳片の凝固末期である鋳片の中心固相率が0.2〜0.7の範囲において、鋳造ロールの間隙を、鋳造進行方向1mにつき0.2mm〜3.0mmに狭めて圧下しながら鋳造する、ことを特徴とする高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
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