JP2016125077A - 高強度高延性厚板鋼板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の成分のフェライトパーライト鋼板であって、ミクロ組織が1/4厚部のフェライト面積分率が80〜95%、1/4厚部のパーライト面積分率が5〜20%で構成される組織で、1/4厚部のフェライト粒の平均アスペクト比が1.0〜1.5、
1/4厚部のフェライト粒の平均粒径が5〜20μm、1/4厚部のフェライト相中の平均転位密度が7×1012/m2以下、1mmピッチのビッカース硬さの試験で、鋼板の表面から1/4厚部まで、または3/4厚部から裏面までのビッカース硬さ平均値が、1/4厚部から3/4厚部までのビッカース硬さ平均値の80〜105%、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
【選択図】 なし
Description
C :0.050〜0.200%、
Si:0.200〜1.000%、
Mn:0.50〜2.00%、
P :0.015%以下、
S :0.003%以下、
Ti:0.003〜0.020%、
Al:0.002〜0.050%、
N :0.0010〜0.0060%、
O :0.0005〜0.0060%、
Ca、Mg、REMの1種または2種以上を添加量の合計として0.0005〜0.0080%を含有し、
さらに、
Nb:0〜0.030%、
V :0〜0.050%、
Cu:0〜0.50%、
Ni:0〜1.00%、
Cr:0〜0.50%、
Mo:0〜0.500%、
B :0〜0.0030%
を含有し、かつ、
Ti/Nが0.5〜4.0であり、
残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の鋼であって、
ミクロ組織が1/4厚部のフェライト相面積分率が80〜95%、1/4厚部のパーライト相面積分率が5〜20%で構成される組織で、
1/4厚部のフェライト粒の平均アスペクト比が1.0〜1.5、
1/4厚部のフェライト粒の平均粒径が5〜20μm、
1/4厚部のフェライト相中の平均転位密度が7×1012/m2以下、
1mmピッチのビッカース硬さの試験で、鋼板の表面から1/4厚部まで、または3/4厚部から裏面までのビッカース硬さ平均値が、1/4厚部から3/4厚部までのビッカース硬さ平均値の80〜105%、
であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]
−55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
但し、
Ar3は下記式(1)、Trexは下記式(2)で表される。
−55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
但し、[Nb*]は、下記式(3)により求めるものとする。
Sol.Nb=(10(-6770/(T+273)+2.26))/(C+12/14×N)・・(3)
なお、式(3)のTは鋼片の加熱温度で、単位は摂氏温度(℃)とし、
[Nb]≧[Sol.Nb]の場合は、[Nb*]=[Sol.Nb]
[Nb]<[Sol.Nb]の場合は、[Nb*]=[Nb]
とする。ここで、[Nb]は、Nb含有量(質量%)を、[Sol.Nb]は式(3)で求めたSol.Nb(固溶Nb)(質量%)を表す。
Cは、パーライトを形成して強度を高めるのに不可欠な元素であるため0.050%以上添加する。一方、C量が増えると溶接性や継手靭性確保が困難となるため0.200%を上限とする。なお、C量は0.100%以上、0.160%以下が好ましい。
Siは、安価な脱酸元素であり、固溶強化に効くとともに、変態点を上昇させてα中の転位密度低減に寄与するため0.200%以上添加する。一方、Si量が1.000%を超えると溶接性と継手靭性を劣化させるため上限を1.000%とする。Si量は、0.300%以上、0.500%以下が好ましい。
Mnは、母材の強度及び靭性を向上させる元素として有効であるため0.50%以上添加する。一方、Mnを過剰に添加すると、継手靭性、溶接割れ性を劣化させるため2.00%を上限とする。Mn量は、0.80%以上、1.60%以下が好ましく、更に好ましくは、0.90%以上、1.50%以下である。
P、Sは、不可避不純物であり、伸びや靭性を確保するためにはP及びSの含有量は少ないほど望ましいので、Pは0.015%、Sは0.003%を上限とする。
Tiは、微量の添加により母材と溶接部の組織微細化を通じて靭性向上に寄与するため、0.003%以上添加する。一方、過剰に添加すると溶接部を硬化させ著しく靭性を劣化させるため、0.020%を上限とする。Ti量は、0.006〜0.013%が好ましい。
Alは、重要な脱酸元素であるため0.002%以上添加する。一方、Alを過剰に添加すると鋼片の表面品位を損ない、靭性に有害な介在物を形成するため0.050%を上限とする。Al量は、好ましくは0.002〜0.040%であり、更に好ましくは、0.010〜0.040%である。
Nは、Alと共に窒化物を形成し継手靭性を向上させるため、含有量の下限を0.0010%以上、好ましくは0.002%以上とする。一方、Nの含有量が過剰であると、固溶Nによる脆化や伸びの低下が生じるため、上限を0.0060%以下とする。N量の好ましい上限は、0.0050%以下であり、更に好ましくは、0.0040%以下である。
Ca、Mg、REMは、いずれも硫化物を形成することで粗大な介在物(延伸MnS等)の生成を抑制する重要な元素である。これらの元素は同等の効果を有するため、個々の添加量は問わないが、添加量の合計としては0.0005〜0.0080%とする必要がある。添加量の合計が0.0005%未満であると伸び向上の効果が安定して得られない。一方、0.0080%を超えて過剰添加しても効果は飽和し、粗大な酸・硫化物を形成して靭性や伸びを劣化させる。したがって、添加量の合計は、0.0005〜0.0080%としたが、好ましくは0.0010〜0.0060%、更に好ましくは0.0015〜0.0040%である。
Oは、Mg、Ca、REMとともに酸化物を形成する。0.0060%を超えると酸化物が粗大化して伸びや靭性が低下するので、0.0060%以下とする。一方、Oは少ないほど良いが、Oを減らすには、例えば、RH真空脱ガス装置での還流作業が長時間となり現実的ではないので、0.0005%以上とする。
Ti/Nを0.5〜4.0とするのは、TiをNで固定して伸びの劣化の原因となるTiCの生成を抑制するためで、少ない方がよいが、0.5未満となるとN量が多くなり固溶Nが生じ伸びを劣化させる原因となり、さらにスラブの表面疵の発生の原因ともなる。一方、4.0を超えるとTiCが生成して伸びを劣化させる。したがって、Ti/Nは0.5〜4.0とした。
なお、以上に述べた成分の残部はFeおよび不可避不純物である。
フェライト(α)相面積分率が高くなるほど均一伸び特性が向上し、α相占積率が80%以上となると、急激に伸び特性が改善される。組織は板厚方向で多少変化するが、十分な伸びを確保するために1/4厚部のフェライト相面積分率が80%以上必要である。一方、95%を超えると強度を確保できないので、1/4厚部のフェライト相面積分率を80〜95%とした。この板厚1/4厚部は、冷却時において、板厚中央部に比べて相対的に冷却速度が速くなり、硬質相が生成しやすく、均一伸びが劣化しやすい領域である。板厚全体を考慮した場合、板厚中央部との特性差を考慮する必要があるので、1/4厚部のフェライト相面積分率を80〜95%に限定したが、85〜90%が好ましい。
1/4厚部のフェライト粒の平均アスペクト比は小さいほど好ましく、1.5を超えると転位密度が高く伸びが劣化するので、上限を1.5とした。また、下限はフェライト粒が球状となる1.0とした。
1/4厚部のフェライト粒の平均粒径が20μmを超えると強度を確保できなくなるので、上限を20μmとした。また、フェライト粒は細粒であるほど好ましいが5μm未満は工業上実現が難しいので、下限を5μmとした。
伸びを確保するためにはフェライト(α)相中の平均転位密度を7×1012/m2以下とする必要がある。転位密度が7×1012/m2超であると、鋼板の塑性変形により転位が顕著に増殖してフェライト(α)が硬くなり、十分な全伸び(T.EL%)が得られない。転位密度は低ければ低いほどよいが、通常1×1012/m2を下回ることはほとんどない。平均転位密度の好ましい上限は6×1012/m2である。
厚鋼板の冷却時において、板厚表裏層部は板厚中央部に比べて相対的に冷却速度が速くなり、硬質化しやすく、表層部近傍の硬さが大きすぎると伸びを劣化させる。板厚全体の伸び特性を考慮した場合、板厚表裏層部の硬質化の影響はある程度は許容できるが、板厚表裏層部と板厚中央部との硬度差が大きくなると影響を無視できなくなってくる。そのため、1mmピッチのビッカース硬さの試験で、板厚表裏層部(鋼板の表面から1/4厚部まで、または3/4厚部から裏面まで)のビッカース硬(Hv)さ平均値を、板厚中心部(板厚の1/4厚部から3/4厚部まで)のビッカース硬さ(Hv)平均値の80〜105%とすることが必要である。伸びを確保するためには、板厚表裏層部の硬さを抑えた方がよく、板厚中心部のビッカース硬さ平均値の80%が工業的に可能な下限である。また、105%を超えると伸びの確保が困難となる。したがって、(板厚表裏層部のビッカース硬さ平均値)/(板厚中心部のビッカース硬さ平均値)を80〜105%とした。
長さ5μm以上の粗大な介在物{MnS、アルミナ(酸化アルミニュウムAl2O3)等の硫化物や酸化物}は延性破壊(ボイド)の起点となり、局部伸びを劣化させることがあるので、板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲で最大長5μm以上の介在物が少ない方が好ましく、特に限定するものではないが局部伸びの劣化の観点から、その存在形態を特に10個/mm2以下とすることが好ましい。なお、介在物の測定はSEMによる粒子解析による。
Pは連続鋳造時に中心偏析して板厚中心部に脆化域を形成し、割れを生じさせて局部伸びを劣化させるので、Pの最大濃度は小さい方が好ましい。Pの最大濃度の上限は特に特定するものではないが、伸びを確保するためには、板厚中心部(板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲を意味する)のPの最大濃度は0.20%以下とすることが好ましい。また、Pの最大濃度を0.02%未満とすることは現実的に困難であるので、0.02%を下限とし、0.02〜0.20%を好ましい範囲とした。
Pの最大濃度は、中心偏析を生じやすい板厚中心部の±(板厚の)10%の範囲、例えば板厚10mmであれば、板厚の中心部20%(±10%)角、すなわち2mm(±1mm)角について、EPMA(Electron Probe MicroAnalyser:電子プローブ微小分析器)により、加速電圧:15kV、ビーム径:20μm、照射時間:20ms、測定ピッチ:20μmで、上記2mm角の測定範囲を測定したときのPの濃度の最大値である。
鋼を冷却する際のフェライト変態開始温度Ar3は、鋼組成としてのAr3が大きいほど高温でフェライト変態するため、フェライト粒内の転位密度が低下し、伸びが向上する。したがって、鋼のAr3が大きい方が好ましいが、820℃を超えて大きすぎるとフェライトが粗大化し強度が低下するので、上限を820℃とすることが好ましい。一方、Ar3が小さすぎるとベイナイトを形成し伸びが劣化するので、760℃を下限とすることが好ましい。
なお、冷却する際のフェライト変態開始温度Ar3は、公知の下記式(1)で示される。
−55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
溶鋼の溶存酸素量を40ppm以下となった後、溶鋼にAlをAlの最終含有量が0.002〜0.050%となるように添加する。溶鋼中の溶存酸素量が40ppmを超えて多い場合には、脱酸材としてAlを添加し、RH真空脱ガス装置で還流作業を行っても、溶鋼中の最終溶存酸素量を16ppm以下、特に10ppm以下に調整することができないからである。また、溶存酸素量は少ないほどよく、溶鋼の溶存酸素量の下限については設定する必要はない。
溶存酸素量が10ppmを超えて多いと、Ca、Mg、REMを添加した場合に酸化物化してしまい硫化物制御が十分にできないことがある。溶鋼の溶存酸素量を10ppm以下に調整するには、例えば、RH真空脱ガス装置の真空度が1〜5torrで、溶鋼を10〜60分還流して、溶鋼の溶存酸素量を10ppm以下に調整する。真空度が1〜5torrで、溶鋼を10〜60分還流しなければ、溶存酸素量を10ppm以下とすることができない。また、溶存酸素量は少ないほどよく、溶鋼の溶存酸素量の下限については設定する必要はない。
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]
−55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
ここで、[Nb*]は、下記式(3)により求めるものとする。
なお、(3)式のTは鋼片の加熱温度で、単位は摂氏温度(℃)とし、
[Nb]≧[Sol.Nb]の場合は、[Nb*]=[Sol.Nb]、
[Nb]<[Sol.Nb]の場合は、[Nb*]=[Nb]、
とする。ここで、[Nb]は、Nb含有量(質量%)を、[Sol.Nb]は式(3)で求めたSol.Nb(固溶Nb)(質量%)を表す。
また、Trexの式(2)は実験式で、低温加熱することで、固溶していないNbもあるので固溶Nb量(Sol.Nb量)を、固溶Nbと再結晶温度の関係から求めた式である。
No.29は、仕上圧延の開始、終了温度が本発明範囲外であり、フェライト相が本発明の要件を満たしておらず、全伸び(T.EL)が低かった。
No.30は、Si量が不足していたため、引張強度(TS)、全伸び(T.EL)が低かった。
No.31は、S量が過剰であったため、SEMによる粒子解析による1/2厚±(板厚の)10%範囲(中心部)での最大長5μm以上の延伸した介在物が多く存在し、全伸び(T.EL)が低下していた。No.32は、P量が過剰であったため、1/2厚±(板厚の)10%範囲(中心部)でのPの最大濃度が高く、全伸び(T.EL)が低かった。No.33はNb量が過剰であったため、全伸び(T.EL)が低下していた。
No.36は、Si、P、S、Nbの含有量およびTi/Nの値が本発明外であったので、本発明で規定するフェライト相が得られず、全伸び(T.EL)が低かった。
Claims (8)
- 質量%で、
C :0.050〜0.200%、
Si:0.200〜1.000%、
Mn:0.50〜2.00%、
P :0.015%以下、
S :0.003%以下、
Ti:0.003〜0.020%、
Al:0.002〜0.050%、
N :0.0010〜0.0060%、
O :0.0005〜0.0060%、
Ca、Mg、REMの1種または2種以上を添加量の合計として0.0005〜0.0080%
を含有し、さらに、
Nb:0〜0.030%、
V :0〜0.050%、
Cu:0〜0.50%、
Ni:0〜1.00%、
Cr:0〜0.50%、
Mo:0〜0.500%、
B :0〜0.0030%
を含有し、かつ、
Ti/Nが0.5〜4.0であり、
残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の鋼であって、
ミクロ組織が1/4厚部のフェライト相面積分率が80〜95%、1/4厚部のパーライト相面積分率が5〜20%で構成される組織で、
1/4厚部のフェライト粒の平均アスペクト比が1.0〜1.5、
1/4厚部のフェライト粒の平均粒径が5〜20μm、
1/4厚部のフェライト相中の平均転位密度が7×1012/m2以下、
1mmピッチのビッカース硬さの試験で、鋼板の表面から1/4厚部まで、または3/4厚部から裏面までのビッカース硬さ平均値が、1/4厚部から3/4厚部までのビッカース硬さ平均値の80〜105%、
であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。 - 請求項1に記載の高強度高延性厚板鋼板で、板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲で長さ5μm以上の介在物が10個/mm2以下、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
- 請求項1または請求項2に記載の高強度高延性厚板鋼板で、板厚の厚み方向の1/2厚±(板厚の)10%範囲でPの最大濃度が0.02〜0.20%、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
- 請求項1から請求項3の内の何れかに記載の高強度高延性厚板鋼板で、下記式(1)で示される冷却する際のフェライト変態開始温度Ar3が760〜820℃、であることを特徴とする高強度高延性厚板鋼板。
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]
−55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。 - 請求項1から請求項4の内の何れかに記載の高強度高延性厚板鋼板を製造する方法であって、鋼片を950〜1100℃の範囲で加熱し、累積圧下率が50〜75%の仕上圧延を、鋼片の表面温度がAr3−30℃以上、結晶粒の成長が始まる再結晶開始温度Trex℃以下で行い、仕上圧延された厚板鋼板を空冷により室温まで冷却する、ことを特徴とする高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
但し、
Ar3は下記式(1)、
Trexは下記式(2)で表される。
Ar3=910−310[C]+65[Si]−80[Mn]−20[Cu]
−55[Ni]−15[Cr]−80[Mo] ・・・ (1)
但し、元素記号は各元素の含有量(質量%)を表す。なお、含有されていない元素は0%とする。
Trex=−91900[Nb*]2+9400[Nb*]+770 ・・・ (2)
但し、[Nb*]は、下記式(3)により求めるものとする。
Sol.Nb=(10(-6770/(T+273)+2.26))/(C+12/14×N)・・(3)
なお、(3)式のTは鋼片の加熱温度で、単位は摂氏温度(℃)とし、
[Nb]≧[Sol.Nb]の場合は、
[Nb*]=[Sol.Nb]
[Nb]<[Sol.Nb]の場合は、
[Nb*]=[Nb]
とする。ここで、[Nb]は、Nb含有量(質量%)を、[Sol.Nb]は式(3)で求めたSol.Nb(固溶Nb)(質量%)を表す。 - 請求項5に記載の高強度高延性厚板鋼板の製造方法であって、仕上圧延された厚板鋼板を、鋼板の表面温度がAr3−150℃以上、Ar3−50℃以下の温度まで、冷却速度1℃/秒超、20℃/秒以下の水冷を行い、該水冷後、冷却速度1℃/秒以下の空冷をする、ことを特徴とする高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
- 請求項5または請求項6に記載の高強度高延性厚板鋼板の製造方法であって、溶鋼を製造するにあたり、真空脱ガス装置により溶鋼の溶存酸素量を40ppm以下に調整し、ついで、AlをAlの最終含有量が0.002〜0.050%となるように添加して、溶鋼の溶存酸素量を10ppm以下に調整した後、Ca、Mg、REMの1種または2種以上を、Ca、Mg、REMの1種または2種以上の合計の最終含有量が0.0005〜0.0080%となるように添加する、ことを特徴とする高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
- 請求項5から請求項7の内の何れかに記載の高強度高延性厚板鋼板の製造方法であって、溶鋼を連続鋳造する際に、鋳片の凝固末期である鋳片の中心固相率が0.2〜0.7の範囲において、鋳造ロールの間隙を、鋳造進行方向1mにつき0.2mm〜3.0mmに狭めて圧下しながら鋳造する、ことを特徴とする高強度高延性厚板鋼板の製造方法。
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