JP2016124794A - W/o/w型乳化組成物 - Google Patents

W/o/w型乳化組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】高温安定性に優れたW/O/W型乳化組成物を提供する。【解決手段】親水性界面活性剤と高級アルコールとが形成するαゲルを外水相に含み、前記親水性界面活性剤として少なくともイオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、W/O/W型乳化組成物。【選択図】図1

Description

本発明はW/O/W型乳化組成物に関する。
従来、乳化化粧料としては水相に油相を分散させたO/W型乳化組成物、及び油相に水相を分散させたW/O型乳化組成物が広く用いられてきた。しかし、近年、W/O型乳化組成物をさらに水相に分散させたW/O/W型乳化組成物が化粧料に応用されている。
W/O/W型乳化組成物は、従来のO/W型乳化組成物やW/O型乳化組成物とは異なる使用感を与えることができる。
例えば、特許文献1には、内水相に電解質、外水相にアルキル変性カルボキシビニルポリマーを配合することにより、みずみずしい使用感と経時安定性を発揮するW/O/W型乳化組成物を提供することができることが開示されている。
一般的にW/O/W型の乳化系は、排液や合一が起こりやすく、経時的に不安定な系であることが知られている。特に、W/O/W型の乳化系は高温下における保存安定性に劣ることが知られている。そのため、これまでに、W/O/W型乳化組成物の安定性を向上させることを課題として様々な技術が提案されてきた。
例えば、特許文献2には、特定のエステルを含有するW/O型乳化物を、外水相にポリオキシエチレン硬化ひまし油を含有する分散したW/O/W型乳化組成物は安定性に優れていることが記載されている。
一方、O/W型の乳化系を安定化する技術として、外水相にαゲルを形成させる方法が提案されている(例えば、特許文献3)。αゲルとは、水中に形成される高級アルコールと界面活性剤が形成する水層と油層の繰り返し構造からなる会合体のことであり、O/W型乳化系の連続相に形成させることによって、分散相の合一を防止する効果を発揮する。
特開2002−275029号公報 特開2012−224598号公報 特開2001−348325号公報
上述の通り、W/O/W型乳化組成物は経時安定性、特に高温下での安定性に劣るという問題があった。乳化系を安定化させる技術として、水相にαゲルを形成させる技術が知られているが、この技術を単純にW/O/W型乳化組成物に適用しても、良好な経時安定性の向上が見られないという問題があった。特に、従来技術によるαゲルの形成は、W/O/W型乳化組成物の高温下における安定性に対してほとんど影響を与えない。
このような状況に鑑み、本発明はαゲルによってW/O/W型乳化組成物の経時安定性、特に高温安定性を向上させる技術を提供することを課題とする。
また、本発明の好ましい形態では、高温安定性に優れ、かつ、保湿感に優れたW/O/W型乳化組成物を提供することを課題とする。
また、本発明の好ましい形態では、高温安定性に優れ、かつ、べたつきが生じにくいW/O/W型乳化組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、親水性界面活性剤と高級アルコールとが形成するαゲルを外水相に含み、前記親水性界面活性剤として少なくともイオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、W/O/W型乳化組成物である。
親水性界面活性剤として少なくとも脂肪酸塩を含有することで、従来技術では達成困難であった、高温安定性に優れたW/O/W型乳化組成物を提供することができる。
本発明の好ましい形態では、前記イオン性界面活性剤が脂肪酸塩である。
脂肪酸塩を用いてαゲルを形成することで、W/O/W型乳化組成物の高温安定性をより向上させることができる。
本発明の好ましい形態では、前記親水性界面活性剤としてHLBが8以上の非イオン性界面活性剤を含有する。
このような親水性界面活性剤を用いてαゲルを形成することで、W/O/W型乳化組成物の高温安定性をより向上させることができる。
本発明の好ましい形態では、前記高級アルコールの炭素数が8〜22である。
このような高級アルコールを用いてαゲルを形成することで、W/O/W型乳化組成物の高温安定性をより向上させることができる。
本発明の好ましい形態では、前記高級アルコールの含有量が0.1〜10質量%である。
高級アルコールの含有量を前記範囲とすることによって、W/O/W型乳化組成物の高温安定性を向上させることができる。また、高級アルコールの含有量を前記範囲とすることによって、保湿感を向上させ、べたつきを抑制することができる。
本発明の好ましい形態では、親水性界面活性剤の含有量が0.01〜5質量%である。
親水性界面活性剤の含有量を前記範囲とすることによって、より高温安定性に優れたW/O/W型乳化組成物を提供することができる。
本発明の好ましい形態では、前記高級アルコールと前記親水性界面活性剤のモル比が、1:1〜20:1である。
高級アルコールと親水性界面活性剤のモル比を前記範囲とすることによって、W/O/W型乳化組成物の高温安定性をより向上させることができる。
本発明の好ましい形態では、外水相に分散するW/O粒子の含有量と、前記親水性界面活性剤と前記高級アルコールとの総量の質量比が、1:1〜10:1である。
このような形態とすることによって、外水相に分散するW/O粒子の含有量と形成するαゲルの量が好ましい範囲に制御され、W/O/W型乳化組成物の高温安定性をより向上することができる。
本発明は、上記W/O/W型乳化組成物を含有する化粧料にもある。
本発明の化粧料は、高温安定性に優れる。
本発明によれば、優れた保湿性とハリ感を有するW/O/W型乳化組成物を提供することができる。
また、本発明の好ましい形態では、高温安定性に優れ、かつ、保湿感に優れたW/O/W型乳化組成物を提供することができる。
さらに、本発明の好ましい形態では、高温安定性に優れ、かつ、べたつきが生じにくいW/O/W型乳化組成物を提供することができる。
W/O/W型乳化組成物の概略図である。
本発明は、親水性界面活性剤と高級アルコールとが形成するαゲルを外水相に含み、前記親水性界面活性剤として少なくともイオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、W/O/W型乳化組成物である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明において、W/O/W型乳化組成物とは、W/O型乳化組成物(一次乳化物ともいう)をさらに水相に分散させた乳化組成物のことをいう。そして、W/O/W型乳化組成物における最外相である水相(外水相)中に分散する、水相(内水相)を内包する油滴のことを、W/O粒子という。
本発明においては、水相を内包しない油滴を、さらに外水相に分散させた形態としてもよい。
以下、本明細書においては、図1に示すように、内水相をW1、外水相をW2、水相を内包する油相をO1、水相を内包しない油相をO2と呼ぶ。
また、本明細書においては、水相を内包しない油滴を、さらに外水相に分散させた形態のW/O/W型乳化組成物を、特に(W/O1+O2)/W型乳化組成物という。
本発明におけるイオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸カリウムなどの脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸およびその塩、アルカロイルアルキルタウリン塩、アルカロイルグルタミン酸塩、アルカロイル乳酸塩、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドアミンおよびその塩などを好適に例示できる。
本発明の好ましい実施の形態では、イオン性界面活性剤として脂肪酸塩を含有する。
本発明のより好ましい実施の形態では、HLBが8以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは12以上、さらに好ましくは14以上、さらに好ましくは16以上の非イオン系界面活性剤を含有する。
このような親水性度の高い界面活性剤を用いることによって、よりW/O/W型乳化組成物の高温安定性を向上させることができる。
なお、本明細書におけるHLBとはグリフィン法にて計算されたHLBのことを言う。
上述した非イオン系界面活性剤としては、高級アルコールとαゲルを形成し得るものであれば特に制限されず、αゲル構造を形成しうる範囲でαゲルを形成しない親油性界面活性剤を併用することも可能であり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノアルキルエステル、ポリエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリグリセリンアルキルエステル、ピログルタミン酸エステル、ジメチコンコポリオール、ポリエーテル変性ジメチコン、等が挙げられる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記親水性界面活性剤の含有量が、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%、さらに好ましくは0.5〜2質量%である。
前記親水性界面活性剤の含有量を前記範囲とすることにより、W/O/W型乳化組成物の高温安定性を向上させることができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記高級アルコールの炭素数が、好ましくは8〜22、より好ましくは16〜22、さらに好ましくは16〜18である。
前記範囲の炭素数の高級アルコールを用いることによって、よりW/O/W型乳化組成物の高温安定性を向上させることができる。
前記高級アルコールとしては、前記親水性界面活性剤とαゲルを形成し得るものであれば特に限定されず、ラウリルアルコール、バチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セタノール等が挙げられる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記高級アルコールの含有量が0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは2〜3質量%である。
高級アルコールの含有量を前記範囲とすることによって、W/O/W型乳化組成物の高温安定性を向上させることができる。また、高級アルコールの含有量を前記範囲とすることによって、保湿感を向上させ、べたつきを抑制することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記高級アルコールと前記親水性界面活性剤のモル比が、1:1〜20:1、好ましくは1.5:1〜10:1、さらに好ましくは2:1〜5:1である。
このような実施の形態の本発明は高温安定性に優れる。
本発明の好ましい実施の形態では、外水相に分散するW/O粒子の含有量と、前記親水性界面活性剤と前記高級アルコールとの総量の質量比が、好ましくは1:1〜10:1、より好ましくは2:1〜7:1、さらに好ましくは3:1〜5:1である。
このような実施の形態の本発明は高温安定性に優れる。
本発明の実施の形態では、W/O/W型乳化組成物におけるW1とO1の質量比は、好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは5:1〜1:5、さらに好ましくは2:1〜1:2である。
W1とO1の質量比を前記範囲とすることにより、W/O/W型乳化組成物の保湿感を向上させることができ、また、べたつきを抑制することができる。
本発明の実施の形態では、W/O/W型乳化組成物におけるW1とW2の質量比は、好ましくは1:4〜1:10より好ましくは1:5〜1:9、さらに好ましくは1:6〜1:8である。
W1とW2の質量比を前記範囲とすることにより、W/O/W型乳化組成物の使用時における保湿感を向上させることができる。
本発明の実施の形態では、W/O/W型乳化組成物における水相の総量と油相の総量の質量比は、好ましくは20:1〜0.5:1、より好ましくは10:1〜1:1、さらに好ましくは5:1〜1.5:1である。
水相と油相の質量比を前記範囲とすることにより、W/O/W型乳化組成物の保湿感を向上させることができ、また、べたつきを抑制することができる。
本発明を(W/O1+O2)/W型乳化組成物とする場合には、O1とO2の質量比は、好ましくは5:1〜1:1、より好ましくは4:1〜1.5:1、さらに好ましくは3:1〜2:1とする。
O1とO2の質量比を前記範囲とすることによって、より保湿感に優れたW/O/W型乳化組成物を提供することができる。
油相に含まれる油分は、特に限定されず、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等を用いることができる。
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、メドウフォーム油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等が挙げられる。
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、パルミチン酸セチル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサンや、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン等が挙げられる。
油分は1種または2種以上を用いることができる。
本発明のW/O/W型乳化組成物はαゲルを形成するための必須成分として親水性界面活性剤を含有するが、その他の界面活性剤であって、乳化物の形成のために通常用いられる乳化剤を含有させてもよい。
本発明における乳化剤としては、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の何れをも制限なく用いることができる。
イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸カリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルザルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩等があげられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル型活性剤、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のエステル型活性剤、さらに、ポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレート等のエーテル・エステル型活性剤等のエチレンオキシド付加型界面活性剤、及びグリセリルモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンモノラウレート等のソルビタン脂肪酸エステル、等の多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性剤が挙げられる。また、シリコーン系界面活性剤としてポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
本発明のより好ましい実施の形態では、乳化剤としてシリコーン系界面活性剤を用いる。
本発明の実施の形態では、W/O/W型乳化組成物における界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%、さらに好ましくは0.5〜2質量%である。
界面活性剤の含有量を前記範囲とすることにより、W/O/W型乳化組成物の高温安定性を向上させることが可能になる。
本発明の実施の形態では、一次乳化物であるW/O型乳化組成物を調製する際(後述する一次乳化工程)に、W/O型乳化組成物全体に対して、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜7質量%の界面活性剤を添加する。
W/O型乳化組成物の調製の際に添加する界面活性剤の添加量を前記範囲とすることにより、W/O型乳化組成物、ひいてはW/O/W型乳化組成物の安定性を向上させることが可能になる。
本発明の実施の形態では、W/O型乳化組成物を外水相に分散させ、W/O/W型乳化組成物を調製する際(後述する二次乳化工程)に、W/O/W型乳化組成物全体に対して、好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.3〜1質量%の界面活性剤を添加する。
W/O/W型乳化組成物の調製の際に添加する界面活性剤の添加量を前記範囲とすることにより、W/O/W型乳化組成物の安定性を向上させることが可能になる。
本発明の好ましい実施の形態では、有機変性粘土鉱物を含有する。
有機変性粘土鉱物を含有することにより、W/O/W型乳化組成物の安定性をさらに向上させることが可能になる。
また、本発明のより好ましい実施の形態では、W/O粒子が有機変性粘土鉱物を含有する。
W/O粒子が有機変性粘度鉱物を含有することで、W/O/W型乳化組成物の安定性をさらに向上させることができる。
有機変性粘土鉱物は、粘土鉱物の一部に有機化合物の一部を共有結合又はイオン結合を介して結合させた粘土鉱物である。粘土鉱物としては、スクメタイト系のヘクトライト、ベントナイトやモントリロナイト、カオリナイト、イライト、マリーン粘土鉱物(海泥)、デザートローズ粘土鉱物、パスカライトなどが挙げられる。
有機化合物としては、4級アミノ基を有する化合物があげられる。具体的には、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等があげられる。
本発明の実施の形態では、有機変性粘土鉱物として、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド変性ヘクトライト(ジステアリルジモニウムヘクトライト)を用いることが好ましい。
ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド変性ヘクトライトを含有することにより、W/O/W型乳化組成物の安定性がより向上する。
また、W/O/W型乳化組成物のギャップ感を向上させることが可能になる。
本発明の好ましい実施の形態では、W/O粒子がシリコーン系界面活性剤を含有する。
W/O粒子がシリコーン系界面活性剤を含有する形態とすることにより、W/O/W型乳化組成物の安定性を向上させることが可能になる。
本発明のより好ましい実施の形態では、W/O粒子が有機変性粘土鉱物及びシリコーン系界面活性剤を含有する。
W/O粒子が有機変性粘土鉱物及びシリコーン系界面活性剤を含有する形態とすることにより、W/O/W型乳化組成物の安定性を向上させることができる。
本発明の好ましい実施の形態では、水溶性高分子の含有量が、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下である。
水溶性高分子の含有量を前記範囲とすることにより、W/O/W型乳化組成物のべたつきを抑制することができる。
ここで、水溶性高分子とは粘性付与効果のあるものをいい、アラビヤガム、トラガカントガム、カラヤガム、キサンタンガム、タマリンドガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、ジェランガム、ネイティブジェランガム、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミドや、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−iso−ブトキシアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド、またはこれら重合性モノマー原料と他の重合性モノマーとの共重合体、あるいは、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、カラギーナン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、コラーゲン、キチン誘導体、ペクチン、ゼラチン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体およびこれらの塩等が挙げられる。
本発明の好ましい実施の形態では、上記水溶性高分子のうち、変性されていてもよいカルボキシビニルポリマーの含有量が、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.03質量%以下である。
また、本発明のさらに好ましい実施の形態では、変性されていてもよいカルボキシビニルポリマーを含まない。
変性されていてもよいカルボキシビニルポリマーの含有量を前記範囲とすることにより、W/O/W型乳化組成物のべたつきを抑制することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、内水相に電解質を含有しない。
内水相に電解質を含有しない形態とすることにより、W/O/W型乳化組成物のべたつきを抑制することができる。
本発明のW/O/W型乳化化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に配合される任意添加成分を配合してもよい。このような添加成分としては、例えば、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール等の保湿剤;エタノール等の低級アルコール;ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン等の酸化防止剤;安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、ヘキサクロロフェン等の抗菌剤;パラアミノ安息香酸(以下「PABA」と略記)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABA2−エチルヘキシルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;〔3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−1−メチルプロピル〕−3,4,5−トリメトキシシンナメート、〔3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチルプロピル〕−3,4,5−トリメトキシシンナメート、〔3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル〕−3,4,5−トリメトキシシンナメート、〔3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルブチル〕−3,4,5−トリメトキシシンナメート、〔3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルブチル〕−3,4,5−トリメトキシシンナメート、〔3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルブチル〕−3,4,5−トリメトキシシンナメート、〔3−トリス(トリメチルシロキシ)シリル−1−メチルプロピル〕−3,4−ジメトキシシンナメート等のシリコーン系ケイ皮酸紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3’ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等の紫外線吸収剤;アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等の有機酸;ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15およびその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のビタミン類;γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸およびその誘導体、トラネキサム酸およびその誘導体〔トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸の二量体(例えば、塩酸トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、等)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸およびその塩、等)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス−4−アミノメチルシコロヘキサンカルボン酸メチルアミドおよびその塩、トランス−4−(P−メトキシビンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、等)〕、ヒノキチオール、ビサボロール、ユーカルプトーン、チモール、イノシトール、サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等のサポニン類、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、アルブチン、セファランチン、プラセンタエキス等の各種薬剤;ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラ等の植物の抽出物;色素;多孔質および/または吸水性の粉末(例えば、トウモロコシやバレイショ等から得られるスターチ類、無水ケイ酸、タルク、カオリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、アルギン酸カルシウム等の粉末);中和剤;防腐剤;香料;顔料等が挙げられる。
本発明のW/O/W型乳化組成物の製造方法は特に限定されず、例えば以下のように撹拌混合装置を利用して製造することができる。
まず、油相成分と内水相成分をそれぞれ加熱混合して均一な混合物を調製しておく。次に、撹拌混合装置を用いて前記油相成分の混合物を撹拌した状態で、前記内水相成分の混合物を該油相成分の混合物に徐々に添加して乳化させて(一次乳化工程)、一次乳化物を調製する。
外水相成分を加熱混合して調製した均一な混合物を調製する。次に、撹拌混合装置を用いて前記外水相成分の混合物を撹拌した状態で、前記一次乳化物を該外水相成分の混合物に徐々に添加して乳化させて(二次乳化工程)、W/O/W型乳化組成物を調製する。
前記二次乳化工程の際、別途調製した油相成分の混合物をさらに添加することにより、(W/O1+O2)/W型乳化組成物を調製することができる。
この場合、本発明の必須成分の高級アルコールは、O1成分として添加しても、O2成分として添加してもよい。
また、それぞれ独立して調整したW/O1/W型乳化組成物とO2/W型乳化組成物を混合することにより、(W/O1+O2)/W型乳化組成物を調製することもできる。
本発明のW/O/W型乳化組成物におけるW/O粒子の平均粒子径は、種々の方法によって制御できるが、前記二次乳化工程における撹拌条件によって制御する方法が好ましく例示できる。
一般に、前記二次乳化工程において使用する撹拌混合装置の回転数が大きいほど、また、撹拌時間が長いほど、せん断・衝突・キャビテーションによる負荷が大きくなるので、形成されるW/O粒子は微小化する。したがって、本発明のW/O/W型乳化組成物のW/O粒子の平均粒子径は、撹拌混合装置の種類、その回転数、撹拌時間といった撹拌条件を複合的に調製することによって、目的の粒径範囲に制御することができる。
前記撹拌混合装置としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー等の高速乳化装置、ノコギリ歯状の撹拌羽根を備えるディスパーミキサー、回転羽を備えたインペラー式撹拌装置等が挙げられる。前記撹拌混合装置のいずれを用いても、本発明で特定する平均粒子径のW/O粒子を含有するW/O/W型乳化組成物を製造できるが、特にホモディスパーに代表される高速乳化装置を用いることが好ましい。
また、本発明のW/O/W型乳化組成物は、均一な孔径を有する多孔質膜を用いた膜乳化法によって製造することもできる。
つまり、分散相となる液体を、多孔質膜を通して、連続相となる液体内に窒素ガス等により圧入する方法により調製することも可能である。
本発明のW/O/W型乳化組成物は、乳液、クリーム、美容液、日焼け止め、リキッドファンデーション等の化粧料、皮膚外用剤、医薬部外品や医薬品として使用することができる。
<製造例1>
以下の方法により、実施例1〜7並びに比較例1のW/O/W型乳化組成物を製造した。
まず、表1に示すO1成分、W1成分をそれぞれ加熱溶解した後、O1成分にW1成分を撹拌しながら徐々に加えて乳化し、冷却してW/O型の一次乳化物を作製した。
表2に示すO2成分とW2成分を加熱溶解した後、W2成分にO1成分を撹拌しながら徐々に加えて乳化し、O/W型乳化物を作製した。このO/W型乳化物と、一次乳化物を混合することによって、実施例1〜7及び比較例1のW/O/W型乳化組成物((W/O1+2)/W型乳化組成物)を調製した。
<試験例1>
以下の方法により実施例1〜7及び比較例1のW/O/W型乳化組成物の高温安定性、保湿性及びべたつきのなさを評価した。結果は表2に示す。
・高温安定性
実施例1〜7及び比較例1のW/O/W型乳化組成物を40℃下で保存し、保存試験開始前に観察されたW/O/W型の乳化系を維持している期間を調べた。
・保湿感及びべたつきのなさ
20人のパネラーに、実施例1〜7及び比較例1のW/O/W型乳化組成物を自分の肌に塗布させた。そして、以下の評価基準に従って保湿感とべたつきのなさについて評点を付けさせ、その平均値をとった。
保湿感
5点・・・非常に良好な保湿感を感じる
4点・・・良好な保湿感を感じる
3点・・・保湿感を感じる
2点・・・ほとんど保湿感を感じない
1点・・・保湿感を感じない

べたつきのなさ
5点・・・全くべたつかない
4点・・・ほとんどべたつかない
3点・・・少しべたつく
2点・・・べたつく
1点・・・非常にべたつく
表2に示す通り、ステアリン酸カリウムを含む実施例1〜7のW/O/W型乳化組成物は40℃下で3ヶ月以上の間W/O/W型の乳化形態を維持した。一方、比較例1のW/O/W型乳化組成物は1ヶ月しか乳化形態を維持することができなかった。
この結果は、親水性界面活性剤としてイオン性界面活性剤を含有することにより、W/O/W型乳化組成物の高温安定性が向上することを示している。
表2に示す通り、どのような種類の高級アルコールを使用した場合であってもイオン性界面活性剤を含有する形態であれば、W/O/W型の乳化形態を3ヶ月以上維持することができる。
またラウリルアルコール(炭素数12)を用いた実施例7のW/O/W型乳化組成物に比して、セタノール(炭素数16)、ベヘニルアルコール(炭素数22)を用いた実施例1〜3のW/O/W型乳化組成物は、より高温安定性に優れている。この結果は、炭素数が16以上の高級アルコールを用いることが好ましいことを示している。
表2に示す通り、高級アルコールの総含有量が1.3質量%の実施例4のW/O/W型乳化組成物に比して、高級アルコールの総含有量が2.6質量%、3.5質量%、2.4質量%の実施例1〜3のW/O/W型乳化組成物は、高温保湿性及び保湿感に優れる。
また、高級アルコールの総含有量が3.5質量%の実施例2のW/O/W型乳化組成物に比して、高級アルコールの総含有量が2.6質量%の実施例1は、べたつきのなさに優れている。
これらの結果は、高級アルコールの含有量が2〜3質量%であるW/O/W型乳化組成物が特に高温安定性、保湿性及びべたつきのなさにおいて優れていることを示している。
また、含有されている高級アルコールの総モル量と親水性界面活性剤の総モル量の比率が、3.1:1、4.2:1、2.7:1である実施例1〜3のW/O/W型乳化組成物は、当該比率が1.6:1、1.8:1、1.5:1、5.8:1である実施例4〜7のW/O/W型乳化組成物に比して高温安定性に優れている。
この結果は、高級アルコールと前記親水性界面活性剤のモル比が2:1〜5:1の形態のW/O/W型乳化組成物が特に高温安定性に優れていることを示している。
本発明は、W/O/W型乳化剤形の化粧料に応用できる。

Claims (9)

  1. 親水性界面活性剤と高級アルコールとが形成するαゲルを外水相に含み、前記親水性界面活性剤として少なくともイオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、W/O/W型乳化組成物。
  2. 前記イオン性界面活性剤が脂肪酸塩であることを特徴とする、請求項1に記載のW/O/W型乳化組成物。
  3. 前記親水性界面活性剤としてHLBが8以上の非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のW/O/W型乳化組成物。
  4. 前記高級アルコールの炭素数が8〜22であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のW/O/W型乳化組成物。
  5. 前記高級アルコールの含有量が0.1〜10質量%であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のW/O/W型乳化組成物。
  6. 前記親水性界面活性剤の含有量が0.01〜5質量%であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のW/O/W型乳化組成物。
  7. 前記高級アルコールと前記親水性界面活性剤のモル比が、1:1〜20:1であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のW/O/W型乳化組成物。
  8. 外水相に分散するW/O粒子の含有量と、前記親水性界面活性剤及び前記高級アルコールとの総量の質量比が、1:1〜10:1であることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のW/O/W型乳化組成物。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載のW/O/W型乳化組成物を含有する化粧料。

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