JP2010138151A - 油滴分散水性担体及びそれを構成要素とする複合乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1)脂肪酸石鹸を含有する油相滴を分散すべき水性担体であって、2)水酸化レシチンを含有することを特徴とする、水性担体乃至は1)水酸化レシチンを含有する水性担体に、2)脂肪酸石鹸を含む油相滴を分散させてなる、水中油乳化物により課題が解決される。前記水中油乳化物の油滴は高級アルコールのモノグリセリルエーテルを含有することが好ましく、加えて、、燐脂質を含有することがより好ましく、N−アシル酸性アミノ酸のジエステルを含有するとさらに好ましい。
【選択図】なし
Description
<1>1)脂肪酸石鹸を含有する油相滴を分散すべき水性担体であって、2)水酸化レシチンを含有することを特徴とする、水性担体。
<2>1)水酸化レシチンを含有する水性担体に、2)脂肪酸石鹸を含む油相滴を分散させてなる、水中油乳化物。
<3>前記油相滴は、高級アルコールのモノグリセリルエーテルを含有することを特徴とする、<2>に記載の水中油乳化物。
<4>前記油相滴は、燐脂質を含有することを特徴とする、<2>又は<3>に記載の水中油乳化物。
<5>前記油相滴は、N−アシル酸性アミノ酸のジエステルを含有することを特徴とする、<2>〜<4>何れか1項に記載の水中油乳化物。
<6>前記N−アシル酸性アミノ酸のジエステルの含有量は、油相成分全量に対して、20質量%以上であることを特徴とする、<5>に記載の水中油乳化物。
<7><2>〜<6>何れか1項に記載の水中油乳化物と、1)ポリエチレングリコール(平均重合度100〜300)の脂肪酸エステルを含む水性担体に、2)油中水乳化物を分散してなる組成物とを混合してなる複合乳化組成物。
<8>皮膚外用剤であることを特徴とする、<7>に記載の複合乳化組成物。
本発明の水性担体は、1)脂肪酸石鹸を含有する油相滴を分散すべき水性担体であって、2)水酸化レシチンを含有することを特徴とする。本発明の水性担体の必須構成要素である水酸化レシチンは、前記油相滴の界面を強化し、合一を防ぎながら分散を補助する作用を有する。この様な作用を発現するためには、水性担体全量に対して、0.05〜5質量%含有されることが好ましく、0.1〜2質量%含有されることがより好ましい。又、水酸化レシチンがかかる効果を奏するためには、油相滴は次に示す構成を備えることが好ましい。
本発明の水性担体に分散されるべき油相滴には、次に示す構成を備えることが好ましい。油相滴を分散せしめ水中油乳化物と為すためには、界面活性剤が必要であり、通常この様な界面活性剤としては、親水性の界面活性剤と、親油性の界面活性剤とが組み合わされて使用されるが、前記油相滴としては、脂肪酸石鹸のみで、これを油相に含有せしめることが好ましい。かかる脂肪酸石鹸の含有量は、油相全量に対して2〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましい。又、最終的な複合乳化組成物全量に対しては0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。又、この様な脂肪酸石鹸に対して、補助的な界面活性成分として、高級アルコール乃至は高級アルコールのモノグリセリルエーテルを含有することが好ましく、特にバチルアルコールを油相全量に対して2〜10質量%含有することが好ましく、3〜8質量%がより好ましい。又、最終的な複合乳化組成物全量に対しては0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。この様な構成に加えて、油相成分は極性油剤を主とすることが好ましく、グルタミン酸等の酸性アミノ酸のN−アシル体のジエステルを含有することが、油相滴の分散安定性を向上せしめ好ましく、かかる成分の含有量は、油相に対して、10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。前記N−アシル酸性アミノ酸ジエステルは、N−アシル(炭素数10〜30)化グルタミン酸のジアルキル(炭素数1〜30)エステルが好ましく、かかる成分を構成するアシル基としては、飽和でも、不飽和でも良く、例えば、2−エチルヘキサノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基、オレオイル基、イソステアロイル基、リノレノイル基などが好適に例示でき、特に好ましいものはラウロイル基である。又、ジアルキルエステルを構成するアルキル基としては、分岐でも、直鎖でも、環状構造を有するものでも良く、例えば、オクチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、イソステアリル基、ベヘニル基、オクチルドデシル基、カンペステリル基やシトステリル基等のフィトステリル基、コレステリル基などが好適に例示できる。具体的な化合物例としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)等が好適に例示でき、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)が特に好適に例示できる。かかるN−アシル化グルタミン酸ジエステルは、グルタミン酸とアシルクロリドをアルカリ存在下縮合させ、N−アシルグルタミン酸と為し、しかる後、塩基又は酸の存在下、所望により溶剤を存在させ、対応するアルコールと脱水縮合せしめ製造することが出来る。N−アシル化グルタミン酸のジエステルはこの様に合成したものを使用することも出来るが、既に化粧料原料などとして市販されているものも存し、この様な市販品を購入し利用することも出来る。特に好ましい市販品としては味の素株式会社より販売されている「エルデュウPS203」(N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルデシル))、「エルデュウCL−301」(N−ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル))、「エルデュウCl−202」(N−ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル))、「エルデュウPS−304」(N−ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル))などが例示でき、中でも、「エルデュウPS203」が特に好ましい。が例示できる。かかる成分は唯一種含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。
本発明の水中油乳化物は、前記水性担体に、前記油相滴を分散してなることを特徴とする。前記油相滴の分散方法は、前記水性担体と、油相滴構成成分とを70〜90℃に加温し、攪拌下徐々に水性担体を油相滴構成成分に加え、反転乳化して、しかる後に乳化粒子をホモジナイザーなどで均質化し、攪拌冷却することにより製造できる。この際に注意すべきは、脂肪酸石鹸を油相滴構成成分内に含有せしめることであり、具体的には、油相滴構成成分に脂肪酸石鹸の脂肪酸部分を予め含有せしめ、これに少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アルギニンなどの塩基を加えて、他の油相滴構成成分と一様にならしめ、しかる後に水性担体と合わせる方法が好ましく例示できる。斯くして得られた本発明の水中油乳化物は、それ自体でも皮膚外用剤などにそのまま適用できるが、分散している乳化粒子、言い換えれば分散油相滴の界面が強固であり、他の水中油乳化物や、水性担体に分散した油中水乳化滴とが合一するのを抑制するので、この様な乳化物や複合乳化物と混合することが可能であり、この様な乳化物、複合乳化物と混合して利用することが、分散滴の多様性を極めて高められる等、多くの利点を有し好ましい。この様な他の乳化物や複合乳化物と混合し、複合乳化組成物となるべきものであることを本発明の水中油乳化物は特徴とする。この様な本発明の水中油乳化物と混合すべき、乳化物や複合乳化物の内、特に好ましいものは、有機変性粘土鉱物を含有する油中水乳化物を、ポリエチレングリコール(平均重合度100〜300)の脂肪酸エステルを含有する水性担体に分散せしめた、油中水乳化滴分散水性担体である。
本発明の複合乳化組成物は、前記水中油乳化物と、1)ポリエチレングリコール(平均重合度100〜300)の脂肪酸エステルを含む水性担体に、2)油中水乳化物を分散してなる組成物とを混合してなることを特徴とする。
また、任意成分の中でも、不飽和脂肪酸を2量化して得られる脂肪族2塩基酸であるダイマー酸及び/又はその誘導体を含有することが好ましく、誘導体としてはジエステルが特に好ましい。前記2量化させる不飽和脂肪酸としては、大豆等の植物から得られるオレイン酸、リノール酸を主体とするものが好ましく、ダイマー酸の構造としては、ダイマージオレイン酸、ダイマージリノール酸であることが好ましい。前記ダイマー酸のジエステルを含有させる場合は、N−アシル酸性アミノ酸ジエステルとダイマー酸ジエステルの質量比は1:2〜2:1の範囲で含有させることが好ましい。
(製法)イ、ロを80℃で加熱溶解させ、非溶解分を良く攪拌して均一に為し、攪拌下イにロを徐々に加えて、乳化を行い、中間油中水乳液1を得た。
アルニカ抽出物は、ヨーロッパを原産とするキク科アルニカ属アルニカの抽出物であり、この植物は現代では世界各国で栽培され、本願発明では日本での栽培品を購入し用いて抽出物を作成した。
オウレン抽出物は、中国中南部原産であり、古くより日本でも栽培されている、キンポウゲ科オウレン属の植物の内、日本で栽培されているものを購入し抽出物を作成した。
クジン抽出物は、中国原産のクジン(S. flavescens)の日本での変種クララ(S. flavescens var. angustifolia)を購入し、作成した。
セイヨウノコギリソウ抽出物は、ヨーロッパ原産のキク科セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium L)の乾燥物を購入し、作成した。
オトギリソウ抽出物は、日本、韓国、中国を原産とするオトギリソウ科オトギリソウ属の植物(Hypericum erectum Thunb.)の抽出物であり、抽出物作成には日本に自生するものを購入し用いて作成した。
シラカバ抽出物は、ロシアを原産とするカバノキ科シラカンバ(Betula platyphylla Sukatchev var. japonica Hara)の日本へ移植され、定着した植物を購入し用いて作成した。
ローズマリー抽出物は、南欧原産のシソ科ローズマリー(Rosmarinus officinalis L)の日本へ移植され、繁殖したものを購入し用いて作成した。
ツボクサ抽出物は、インド原産のセリ科ツボクサ属の植物(Centella asiatica (L.))の日本への渡来、繁殖したものを用いて作成した。
チョウジ抽出物は、モルッカ諸島原産のフトモモ科チョウジの花蕾の乾燥物の抽出物であり、フトモモ科チョウジの花蕾の乾燥物はニューギニア産のものを購入し用いて、作成した。
化粧料1、比較例1〜3について、その安定性を調べた。即ち、調製直後及び一日後に顕微鏡下乳化粒子の状態を顕微鏡観察し、表2の基準で判定した。結果を表3に示す。また、各評価基準の顕微鏡観察写真を図1に示す。この表より、本発明の複合乳化組成物である化粧料1の粒子の安定性が優れていることが判る。
Claims (8)
- 1)脂肪酸石鹸を含有する油相滴を分散すべき水性担体であって、2)水酸化レシチンを含有することを特徴とする、水性担体。
- 1)水酸化レシチンを含有する水性担体に、2)脂肪酸石鹸を含む油相滴を分散させてなる、水中油乳化物。
- 前記油相滴は、高級アルコールのモノグリセリルエーテルを含有することを特徴とする、請求項2に記載の水中油乳化物。
- 前記油相滴は、燐脂質を含有することを特徴とする、請求項2又は3に記載の水中油乳化物。
- 前記油相滴は、N−アシル酸性アミノ酸のジエステルを含有することを特徴とする、請求項2〜4何れか1項に記載の水中油乳化物。
- 前記N−アシル酸性アミノ酸のジエステルの含有量は、油相成分全量に対して、20質量%以上であることを特徴とする、請求項5に記載の水中油乳化物。
- 請求項2〜6何れか1項に記載の水中油乳化物と、1)ポリエチレングリコール(平均重合度100〜300)の脂肪酸エステルを含む水性担体に、2)油中水乳化物を分散してなる組成物とを混合してなる複合乳化組成物。
- 皮膚外用剤であることを特徴とする、請求項7に記載の複合乳化組成物。
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