JP2010138148A - 複合乳化剤形の組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1)ポリエチレングリコール(平均重合度100〜300)の脂肪酸エステルを含む水性担体に、2)油中水乳化物を分散してなる組成物により上記課題が解決される。 前記油中水乳化物は、その水相に有効成分を含有し、有機変性粘土鉱物を含有することが好ましい。さらに
該油中水乳化物を分散した水性担体からなる組成物を水相とし、これに油相を分散してなる、水中油・水中油中水複合乳化組成物がさらに好ましい。
【選択図】なし
Description
<1>1)ポリエチレングリコール(平均重合度100〜300)の脂肪酸エステルを含む水性担体に、2)油中水乳化物を分散してなる組成物。
<2>前記油中水乳化物は、その水相に有効成分を含有することを特徴とする、<1>に記載の組成物。
<3>前記油中水乳化物は、有機変性粘土鉱物を含有することを特徴とする、<1>又は<2>に記載の組成物。
<4><1>〜<3>何れか1項に記載の、油中水乳化物を分散した水性担体からなる組成物を水相とし、これに油相を分散してなる、水中油・水中油中水複合乳化組成物。
<5>予め、有機変性粘土鉱物を含む油中水乳化物を作成し、ポリエチレングリコール(平均重合度100〜300)の脂肪酸エステルを含む水性担体にこれを分散せしめ、しかる後に、油相を加えて油滴を分散せしめることを特徴とする、水中油・水中油中水複合乳化組成物の製造法。
本発明の複合乳化組成物は、平均重合度100〜300のポリエチレングリコールの脂肪酸エステルを必須成分として含有することを特徴とする。かかる成分を構成するポリエチレングリコール部分としては、ポリオキシエチレンの重合度に換算して100〜300が好ましく、120〜200がより好ましい。又、脂肪酸残基としては、特段の限定はないが、炭素数10〜30の飽和又は不飽和のものが好ましく、分岐を有することもできる。又、エステルとしてはポリエチレングリコールの片側に脂肪酸残基を有するものエステル、両側に脂肪酸残基を有するジエステルの何れでも良く、モノエステルであることが特に好ましい。具体的には、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、ベヘン酸残基、オレイン酸残基、リノール酸残基、リノレイン酸残基、イソステアリン酸残基、オクチルドデカン酸残基などが好適に例示できる。特に好ましいものはステアリン酸残基である。特に好ましい化合物としては、ポリエチレングリコール(150)モノステアリン酸エステル或いはポリエチレングリコール(150)ジステアリン酸エステルが例示できる。これらの成分に関しては既に市販されているものが存し、かかる市販品を購入して利用できる。市販品としては、ニッコールCMS6000(ポリエチレングリコール(150)モノステアリン酸エステル;日本サーファクタント株式会社製)、ニッコールCDS6000(ポリエチレングリコール(150)ジステアリン酸エステル;日本サーファクタント株式会社製)、エマレックス6300MST(ポリエチレングリコール(150)モノステアリン酸エステル;日本エマルション株式会社製)等が存する。かかる成分は、複合乳化組成物全量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。又、後記の油中水乳化組成物に対しては、1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。かかる界面活性剤を採用することにより、水性担体中に、油中水乳化組成物を均一且つ安定に分散せしめることが出来る。この様な安定性故に、安定な複合乳化組成物を調整することも出来る。
本発明の複合乳化組成物に於いて、前記平均重合度100〜300のポリエチレングリコールの脂肪酸エステルは、水性担体に含有される。かかる構成の水性担体は、油中水乳化組成物からなる乳化滴と、油相からなる油滴とをともに安定に分散させるための分散媒となるべきものであり、水に加えて、通常化粧料などの皮膚外用剤で使用される、水溶性の成分を含有することが出来る。かかる水溶性の成分としては、例えば、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、キサンタンガム、マルメロ抽出物、アルキル変性されても良いカルボキシビニルポリマーなどの増粘成分、レシチン、水添レシチン、水酸化レシチン、リゾレシチンなどの燐脂質、フェノキシエタノールやパラベンなどの防腐成分等が好適に例示でき、本発明の効果を損なわない範囲に於いて、必須成分に属しない界面活性剤なども含有することが出来る。好ましい形態としては、必須の界面活性剤以外の界面活性剤の含有量が0.1質量%以下であり、より好ましくは実質的に含有しない形態である。又、油滴と油中水乳化滴との合一を防ぐ意味では、燐脂質を含有させて界面を強固にすることが好ましく、中でも水酸化レシチンを含有させることがより好ましい。かかる燐脂質の含有量は、複合乳化組成物全量に対して、0.01〜1質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましい。又、後記の油中水乳化組成物に対しては、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.5〜2質量%であることがより好ましい。この様な成分構成を有する本発明の組成物の必須構成要素である水性担体は、油中水乳化滴を、油滴同様に安定に均一分散できるため、油滴と油中水乳化滴とを安定に共存せしめることが出来る。かかる特性は、同じ水性担体を連続相とする、水中油中水乳化組成物と、水中油乳化組成物とを任意の割合で安定に混合できることを意味し、乳化組成物の多様性を格段に向上できる。かかる多様性は、個人個人の肌特性に合わせて、水中油中水乳化組成物と、水中油乳化組成物との混合比を変えて対応することが可能であることを意味する。本発明の組成物を、この様な製剤多様化の目的で使用する場合も本発明の技術的範囲に属する。
本発明の組成物に於いて、前記水性担体に分散されるべき油中水乳化物は、化粧料などの皮膚外用剤分野において、通常の技術で調整された油中水乳化物を用いることが出来るが、ジステアリルジモニウムクロリド変性ヘクトライト(例えば、「ベントン38V」エレメンティス社製など)などのような有機変性粘土鉱物を用いた油中水乳化組成物が好ましい。これはこの様な構成の乳化組成物では、油相界面が強固で、併存する油滴と合一が、より回避できるので好ましい。かかる油中水乳化物では、油中水乳化物全量に対し、0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%の有機変性粘土鉱物を含有し、所望により、ポリエチレンオキシド或いはポリプロピレンオキシド等で変性したジメチコンのような、ポリエーテル変性シリコーンを、油中水乳化物全量に対し、0.1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%含有する。かかる油中水乳化物に於いては、内水相に、有効成分、取り分け、水性担体で抽出或いは希釈された生薬抽出物や水溶性高分子、配糖体などの水性有効成分を含有することが好ましい。かかる水性有効成分は、通常は皮膚バリア機能に阻害されて経皮吸収することが難しいが、この様な油中水乳化滴の内水相に抱含されることにより、経皮吸収性が向上し、その効果発現が顕著になる。この様な有効成分としては、生薬抽出物であれば、例えば、クジン抽出物、ノコギリソウ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、オトギリソウ抽出物、ヨモギ抽出物、センブリ抽出物、ローズマリー抽出物、シラカバ抽出物、コウキ抽出物、ツボクサ抽出物、マージョラム抽出物、スイートマージョラム抽出物、オレガノ抽出物、バクモンドウ抽出物、チョウジ抽出物、コウライニンジン抽出物、オウレン抽出物、アルニカ抽出物、クワ抽出物、カモミール抽出物、コメなどの穀物の発酵物からの抽出物、大豆蛋白抽出物等が好ましく例示でき、水溶性高分子であれば、ポリメタクリロイルリジン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチルコポリマー、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリルコポリマー、ポリグリコシルエチルメタクリレート等の生体類似構造を有する(メタ)アクリル酸系高分子が好ましく例示でき、配糖体であれば、アスコルビン酸グルコシド及び/又は塩、グリチルリチン酸及び/又は塩、アルブチン及び/又は塩、ダイズイソフラボン配糖体等が好適に例示できる。かかる成分は、再修正剤に於ける濃度で有効量含有させることが好ましく、油中水乳化物に於いては、それぞれを油中水乳化物全量に対して、0.001〜10質量%含有させることが好ましく、0.01〜5質量%含有させることが好ましい。
本発明の複合乳化組成物は、前記水性担体に、前記油中水乳化物の乳化滴と、油滴とが併存する形態であることを特徴とする。この様な複合乳化物は、例えば、次に列挙する方法により調整することが出来、何れの製法であっても、本発明の水性担体を連続する構成を取ることにより、安定な複合乳化物となる。中でも調整法2では、油滴と油中水乳化滴の合一が起こりにくく、且つ、油中水乳化滴の分散安定性が得られやすいので特に好ましい。
(製法)イ、ロを80℃で加熱溶解させ、非溶解分を良く攪拌して均一に為し、攪拌下イにロを徐々に加えて、乳化を行い、中間油中水乳液1を得た。
アルニカ抽出物は、ヨーロッパを原産とするキク科アルニカ属アルニカの抽出物であり、この植物は現代では世界各国で栽培され、本願発明では日本での栽培品を購入し用いて抽出物を作成した。
オウレン抽出物は、中国中南部原産であり、古くより日本でも栽培されている、キンポウゲ科オウレン属の植物の内、日本で栽培されているものを購入し抽出物を作成した。
クジン抽出物は、中国原産のクジン(S. flavescens)の日本での変種クララ(S. flavescens var. angustifolia)を購入し、作成した。
セイヨウノコギリソウ抽出物は、ヨーロッパ原産のキク科セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium L)の乾燥物を購入し、作成した。
オトギリソウ抽出物は、日本、韓国、中国を原産とするオトギリソウ科オトギリソウ属の植物(Hypericum erectum Thunb.)の抽出物であり、抽出物作成には日本に自生するものを購入し用いて作成した。
シラカバ抽出物は、ロシアを原産とするカバノキ科シラカンバ(Betula platyphylla Sukatchev var. japonica Hara)の日本へ移植され、定着した植物を購入し用いて作成した。
ローズマリー抽出物は、南欧原産のシソ科ローズマリー(Rosmarinus officinalis L)の日本へ移植され、繁殖したものを購入し用いて作成した。
ツボクサ抽出物は、インド原産のセリ科ツボクサ属の植物(Centella asiatica (L.))の日本への渡来、繁殖したものを用いて作成した。
チョウジ抽出物は、モルッカ諸島原産のフトモモ科チョウジの花蕾の乾燥物の抽出物であり、フトモモ科チョウジの花蕾の乾燥物はニューギニア産のものを購入し用いて、作成した。
対照有効成分としてチョウジエキスを選択し、オイゲノールを指標にフランツセルにミリポアフィルターを隔壁としてセットし、レセプター側に40%ポリエチレングリコール(平均分子量400)水溶液を充填し、フィルター上に検体を10mg/cm2で塗布し、1時間でのフィルター上からアクセプター側の40%ポリエチレングリコール水溶液への24時間での移動量を絶対検量線法によるHPLC分析法で計測した。結果を投与量に対する移動総量の百分率として表3に示す。これより本発明の複合乳化組成物である化粧料1は有効成分の経皮透過促進性に優れることが判る。これは水性担体中での油中水乳化物の安定性が優れるためであると考えられる。
(HPLC条件)
カラム:ODS4.6×150mm、カラム温度:40℃、検知:紫外部280nm、移動相:50%アセトニトリル水溶液、流速1ml/min
Claims (5)
- 1)ポリエチレングリコール(平均重合度100〜300)の脂肪酸エステルを含む水性担体に、2)油中水乳化物を分散してなる組成物。
- 前記油中水乳化物は、その水相に有効成分を含有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 前記油中水乳化物は、有機変性粘土鉱物を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
- 請求項1〜3何れか1項に記載の、油中水乳化物を分散した水性担体からなる組成物を水相とし、これに油相を分散してなる、水中油・水中油中水複合乳化組成物。
- 予め、有機変性粘土鉱物を含む油中水乳化物を作成し、ポリエチレングリコール(平均重合度100〜300)の脂肪酸エステルを含む水性担体にこれを分散せしめ、しかる後に、油相を加えて油滴を分散せしめることを特徴とする、水中油・水中油中水複合乳化組成物の製造法。
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