JP2004196666A - スティギングを抑制した化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1)デカグリセリンモノステアレート(HLB13.5)、ペンタグリセリンモノステアレート(HLB11)、デカグリセリンイソステアレート(HLB13.5)、ペンタグリセリンモノイソステアレート(HLB11)、デカグリセリンモノオレート(HLB13)等のHLB10以上のポリグリセリンの脂肪酸エステルと2)セラミド、セラミド誘導体、スフィンゴシン、フィトステロール、フィトステロール配糖体、メタクリロイルオキシエトキシホスホリルコリン重合体等の皮膚修復素材と3)フェノキシエタノールを皮膚外用剤に含有させる。パラベンフリーとする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、敏感肌の人用の化粧料として好適な皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
乳化組成物は、親油性の成分も親水性の成分も含有可能であり、この為、油性成分と水性分の両方の成分の処置の必要な分野においては有用な剤形となっている。このような分野としては、例えば化粧料、医薬、食品などの分野が特に好適に例示できる。この様な乳化剤形のうち、油中水乳化形態や多相乳化形態などの油相を外相に有する部分を有する乳化形態は、有効成分の経皮吸収性を向上させたり、皮膚とのなじみに優れ、皮膚のバリア機能を向上させるなどの効果を有するため、特に化粧料や皮膚外用医薬用の製剤として有用であることが知られている。
【0003】
しかしながら、乳化系に於いては水性成分、油性成分が共存することから、対微生物汚染については他の剤形よりも脆弱性があり、防腐剤を使用することが通例となっている。防腐剤としては、その抗菌スペクトルと、油相水相への配向性から数種のパラベンを組み合わせて使用することが一般的になっている。確かにパラベン類は、安全性が高く、抗菌スペクトルの広い、優れた防腐剤であるが、近年の知見では、敏感肌の人に対して、一過性の刺激を感じさせやすい特質、所謂スティギング性があることが知られており、これを避けることが敏感肌用の化粧料では必要であると言われている。この様なスティギング対応としては、パラベン類が経皮吸収されるのを、高分子類で防ぐ方法(特開2001−64185、特開平11−106327、特表平11−502505)や抗菌性を有する、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオールなどの多価アルコールを利用する技術が知られている。(特開2002−212021、特開2002−145719、特開2002−128633)しかしながら、これらの技術で刺激発現物質を完全にシャットアウトすることは不可能であるし、抗菌性を多価アルコールのみで維持する為には、その使用量は、安定性に影響を与えるほど多くなってしまうのが常であった。即ち、皮膚外用剤に於いて、実際的なパラベンに依存しない防腐手段の開発が望まれていた。
【0004】
一方、セラミドを含有する敏感肌用の化粧料としては、小麦胚芽より抽出されるセラミドを利用した化粧料(特開2002−053428)、シスヘキサデセン酸と組み合わせた化粧料(特開2001-064150)等の技術が知られている。しかしながら、この様な成分の添加のみでスティギングなどの刺激発現を完全に防ぐことは出来ない。
【0005】
更に、一過性の刺激発現物質としては、ポリオキシエチレン付加型の非イオン界面活性剤が知られている。これは、親水性側鎖であるポリオキシエチレン基によって、一過性の刺激が誘起されると言われている。この様な刺激発現を防ぐ為に、例えば、特開平10−324617或いは特開平10−114643等のポリオキシエチレン基をポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基に置換する技術が開発されたが、界面活性作用の点で問題があり、安定性に課題を残し、この様な技術が汎用されるに至っていない。
【0006】
他方、1)HLB10以上のポリグリセリンの脂肪酸エステルと2)皮膚修復素材と3)フェノキシエタノールを含有する、皮膚外用剤は全く知られていない。従って、この様な構成の皮膚外用剤がスティギング抑制に優れることも全く知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、パラベンなどに起因するスティギング等の刺激発現を抑制し、敏感肌の人でも使用可能な皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【0008】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、 パラベンなどに起因するスティギング等の刺激発現を抑制し、敏感肌の人でも使用可能な皮膚外用剤を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)HLB10以上のポリグリセリンの脂肪酸エステルと2)皮膚修復素材と3)フェノキシエタノールを含有する、皮膚外用剤がその様な特性を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)1)HLB10以上のポリグリセリンの脂肪酸エステルと2)皮膚修復素材と3)フェノキシエタノールを含有する、皮膚外用剤。
(2)前記皮膚修復素材が、セラミド乃至はその誘導体であることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)HLB10以上のポリグリセリンの脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基が、炭素数12〜30のアルキルカルボニルオキシ基であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)パラベンフリーであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)ポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤を実質的に含有しないことを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(6)敏感肌用であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(7)化粧料であることを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
【0009】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるHLB10以上のポリグリセリンの脂肪酸エステル
本発明の皮膚外用剤は、ポリグリセリンの脂肪酸エステルであって、HLB10以上であるものを必須成分として含有することを特徴とする。かかるポリグリセリンの脂肪酸エステルのポリグリセリン基としては、重合度が5以上であることが好ましく、特に好ましくは8〜12である。又、脂肪酸残基としては、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、ベヘン酸残基、イソステアリン酸残基、オレイン酸残基などの炭素数12〜24のものが特に好ましい。又、前記脂肪酸残基の数としては、遊離の水酸基の数より多い方が好ましく、好ましくは脂肪酸残基の数の5〜20倍遊離の水酸基が存在することが好ましい。特に好ましいものとしては、具体的には、デカグリセリンモノステアレート(HLB13.5)、ペンタグリセリンモノステアレート(HLB11)、デカグリセリンイソステアレート(HLB13.5)、ペンタグリセリンモノイソステアレート(HLB11)、デカグリセリンモノオレート(HLB13)等が好ましく例示できる。かかる成分は、本発明の皮膚外用剤に於いて、親水性界面活性剤として作用する。かかる成分は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の皮膚外用剤に於ける、かかる成分の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.1〜10重量%であり、更に好ましくは1〜5重量部である。
【0010】
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分である皮膚修復素材
本発明の皮膚外用剤は、皮膚修復素材を含有することを特徴とする。ここで、皮膚修復素材とは、皮膚構成成分と同じ乃至は類似した構造を有する成分であって、皮膚のバリア機能を高める作用を有する成分を意味し、例えば、具体的にはセラミド、セラミド誘導体、スフィンゴシン、フィトステロール、フィトステロール配糖体、メタクリロイルオキシエトキシホスホリルコリン重合体(以下ポリMPC)、メタクリロイルオキシエトキシホスホリルコリンとビニル系モノマーとの共重合体(以下、ポリMPCコポリマー)等が好ましく例示でき、セラミド、セラミド誘導体、スフィンゴシン、フィトステロール、フィトステロール配糖体、メタクリロイルオキシエトキシホスホリルコリン重合体が特に好ましく例示できる。セラミドにはサブタイプ1〜6あり、これらのいずれもが利用可能であるが、その効果よりセラミドタイプ6が特に好ましい。フィトステロールとしてはカンペステロール、シトステロール、スティグマスタノールなどが好ましく例示でき、これらのいずれもが使用可能である。その配糖体としては、グリコシド、マンノシド、マルトシド、ラムノシド、ガラクトシド、キシロビオシド等が好ましく例示でき、中でも効果の面からグルコシドとマルトシドが特に好ましい。これらは唯一種を含有させることもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることも可能である。かかる成分は、防腐力を損なうことなく、又、フェノキシエタノールの連続相への移行を助け、フェノキシエタノールの防腐効果を増強しながら、皮膚のバリア機能を修復し高めることにより、スティギング誘起物質が皮膚に作用して、刺激を起こさせることを抑制する作用を有する。本発明の皮膚外用剤における、前記皮膚保湿成分の好ましい含有量は、総量で乳化組成物全量に対して、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜5重量%が更に好ましい。これは、少なすぎると保湿効果を更に付与する作用を損なう場合があり、多すぎると安定性や感触の良さを損なう場合があるからである。
【0011】
(3)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるフェノキシエタノール
本発明の皮膚外用剤は、フェノキシエタノールを含有することを特徴とする。フェノキシエタノールはスティギング性が低い防腐剤であるが、その抗菌性も低い。これを上記ステアリン酸クエン酸グリセリルと組み合わせることにより、系全体に優れた防腐効果を付与する。本発明に於ける、かかるフェノキシエタノールの好適な含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.1〜5重量%であり、更に好ましくは0.2〜1重量%である。これは少なすぎると、防腐効果を発揮しない場合があり、多すぎると防腐効果が頭打ちになり、系の安定性などを損なう場合があるからである。
【0012】
(4)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分を含有することを特徴とする。本発明に言う、皮膚外用剤とは、皮膚外用に適用される組成物の総称であり、例えば、化粧料(医薬部外品を含む)、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が例示できる。本発明の皮膚外用剤としては化粧料が好適であり、スティギング性が低い特性から、敏感肌用の化粧料に適用することが特に好適である。本発明の皮膚外用剤に於いては、上記必須成分以外に、皮膚外用剤で使用される任意成分を、本発明の効果を損ねない範囲於いて含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等の中鎖・長鎖混合脂肪酸トリグリセライドに分類されないトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。特に好ましい形態としては、パラベンフリーの形態である。又、フェノキシエタノールの防腐力を更に高める意味で、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール等の成分を含有することは極めて有利であり、好ましい。かかる抗菌性多価アルコールは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。特に好ましい形態は1,2−ヘキシレングリコールを含有する形態である。かかる抗菌性多価アルコールの好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、1〜20重量%であり、更に好ましくは、2〜10重量%である。これは、少なすぎると添加効果が得られない場合があり、多すぎると効果が頭打ちになり、徒に系の安定性を損なう場合があるからである。更に、本発明の皮膚外用剤の剤形は、油相を外相に有する形態を含む乳化形態であることが好ましく、油中水乳化形態乃至は多相乳化形態であることが更に好ましい。これは、本発明の皮膚外用剤の必須成分である、ポリグリセリンの脂肪酸エステルがこの様な系に於いて安定なエマルションを形成する為である。又、フェノキシエタノールを連続相に配向させる性質があることから、トリ(カプリン酸/カプリル酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセライドである「サラコス334」(オイリオ株式会社製)などの中鎖・長鎖脂肪酸トリグリセライドを含有することも好ましい。かかる効果を発現する為には、前記中鎖・長鎖混合脂肪酸トリグリセライドは、本発明の皮膚外用剤において、0.01〜10重量%含有されることが好ましく、更に好ましくは、0.05〜0.5重量%含有されることが好ましい。更に、ステアリン酸クエン酸グリセリルも同様な効果があることから含有することが好ましく、本発明の皮膚外用剤における、前記ステアリン酸クエン酸グリセリルの好ましい含有量は、総量で乳化組成物全量に対して、0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは、0.5〜5重量%である。又、上記の事情から、本発明の皮膚外用剤においては、スティギングを誘起する蓋然性の高いパラベン類は含まないことが好ましく、パラベンフリー製剤が好ましい形態である。又、ポリオキシエチレン基を有する非イオン界面活性剤を含まないことも本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分及び任意成分を、常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0013】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限定されないことはいうまでもない。
【0014】
<実施例1>
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤(化粧料)1を得た。即ち、イ、ロの成分を75℃に加熱し、イの成分にロの成分を徐々に、攪拌下加えホモジナイザーにより乳化粒子を整えた後、攪拌冷却して、本発明の水中油乳化物として得た。このもののセラミド(タイプ6)をヒアルロン酸ナトリウムに置換した比較例1とフェノキシエタノールを水0.2重量部とメチルパラベン0.3重量部に置換した比較例2を、セラミド(タイプ6)をヒアルロン酸ナトリウムに、且つ、フェノキシエタノールを水0.2重量部とメチルパラベン0.3重量部に置換した比較例3を作成し、これらのスティギング性をマウス尻尾スティギングモデルを用いて評価した。即ち、ICRマウス1群5匹の尻尾をサンドペーパーで処理し、スティギングを感じやすい状態にした。このモデルに10μlの化粧料をエッペンドルフで滴下し、滴下によって跳躍する距離を求め、群ごとに平均を算出した。結果を表1に示す。これより本発明の皮膚外用剤は、スティギングを非常に誘起しにくいことがわかる。又、これらのこれらについて、微生物汚染に対する抵抗性(防腐効果)を調べた。防腐効果は、これらの化粧料20mlに対し、予備培養後、菌体乃至は分生子をPBSで1×106個/ml(終濃度)になるように菌液を加え、これをトリプトソイ寒天(TSA)培地、サブロー寒天(SDA)培地に20μl播種して、35℃で24〜48時間培養し、コロニー数をカウントした。この結果も表1にしめす。
イ
スクワラン 10 重量部
ホホバ油 5 重量部
マイクロクリスタリンワックス 2 重量部
バチルアルコール 3 重量部
ソルビタンセスキステアレート 2 重量部
デカグリセリンモノステアレート 1.5重量部
ジグリセリンモノステアレート 1 重量部
フェノキシエタノール 0.5重量部
ステアリン酸クエン酸グリセリル 3 重量部
「サラコス334」 0.1重量部
セラミド(タイプ6) 0.1重量部
ロ
1,2−ヘキシレングリコール 5 重量部
イソプレングリコール 3 重量部
キサンタンガム 0.4重量部
水 64.4重量部
「サラコス334」(オイリオ株式会社製;トリ(カプリン酸・カプリル酸・ミリスチン酸・ステアリン酸)グリセライド)
【0015】
【表1】
【0016】
<実施例2>
皮膚外用剤1について、敏感肌の人(自分自身が敏感肌であると認識している人)を用いた使用テストを行い、その刺激性の少なさを確認した。同時にデカグリセリンモノステアレートをポリオキシエチレン(45)ステアリン酸に置換した比較例4も作成し同様に試験した。試験は、1群10名で、サンプルを朝晩2回14日間連続使用する形で行った。肌に異常を感じた場合にはその時点で試験を中止した。試験終了後、使用感を良い、普通、悪いの3段階で評価してもらった。結果を表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤が、安全性に優れるものであることがわかった。又、ポリオキシエチレン付加型の非イオン界面活性剤が、敏感肌の人には刺激発現に関与していることもわかった。
【0017】
【表2】
【0018】
<実施例3>
下記に示す処方に従って、本発明の乳化組成物を作成した。即ち、イ、ロをそれぞれ70℃に加熱し、イにロを徐々に加えて中間水中油乳化物1を得た。これを用いて、更にハ、ニ、ホをそれぞれ80℃に加熱し、ハにニを徐々に加え、最後にホを加え攪拌冷却して本発明の皮膚外用剤である、油中水中油乳化化粧料2を得た。このものは、更に滑らかなのび特性を有しており、化粧料として好適であった。このもののスティギング性試験の結果は、0.2±0.3cmであり、黄色ブドウ状球菌、枯草菌、酵母のコロニー形成試験結果は何れも0個であった。
イ
10%水酸化カリウム水溶液 0.1重量部
1,3−ブタンジオール 3 重量部
キサンタンガム 0.1重量部
水 15 重量部
ロ
ベヘニルアルコール 0.4重量部
ステアリン酸クエン酸グリセリル 0.5重量部
グリセリルモノステアレート 0.1重量部
スクワラン 4.5重量部
ショ糖パルミチン酸エステル 2 重量部
フェノキシエタノール 0.5重量部
ベヘン酸 0.1重量部
ステアリン酸 0.5重量部
グリセリン 3 重量部
「サラコス334」 0.1重量部
ハ
1,2−ヘキシレングリコール 5 重量部
グリセリン 5 重量部
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
水 26.88重量部
ニ
デカグリセリンモノステアレート 1 重量部
「エルデュウPS−304」 0.1重量部
マカデミア脂肪酸フィトステリル 0.5重量部
椿油 0.4重量部
セラミド(タイプ6) 0.1重量部
デカメチルシクロペンタシロキサン 4 重量部
2−エチルヘキサン酸セチル 19 重量部
「クロピュアOL」 1 重量部
イソステアリン酸ソルビット 1 重量部
δトコフェロール 0.02重量部
ホ
中間水中油乳化物1 30 重量部
トウキエキス 1 重量部
チョレイエキス 0.7重量部
トウニンエキス 0.8重量部
チンピエキス 0.5重量部
【0019】
<実施例4>
油中水中油乳化化粧料2のポリグリセリンの脂肪酸エステルの種類を変えて、皮膚外用剤3〜5を作成し、同様にスティギング性を検討した。結果を表3に示す。これより、何れのポリグリセリンの脂肪酸エステルも使用可能であり、デカグリセリンモノステアレートが好ましいこともわかる。
イ
10%水酸化カリウム水溶液 0.1重量部
1,3−ブタンジオール 3 重量部
キサンタンガム 0.1重量部
水 15 重量部
ロ
ベヘニルアルコール 0.4重量部
ステアリン酸クエン酸グリセリル 0.5重量部
グリセリルモノステアレート 0.1重量部
スクワラン 4.5重量部
ショ糖パルミチン酸エステル 2 重量部
フェノキシエタノール 0.5重量部
ベヘン酸 0.1重量部
ステアリン酸 0.5重量部
グリセリン 3 重量部
「サラコス334」 0.1重量部
ハ
1,2−ヘキシレングリコール 5 重量部
グリセリン 5 重量部
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
水 26.88重量部
ニ
表3の成分 1 重量部
「エルデュウPS−304」 0.1重量部
マカデミア脂肪酸フィトステリル 0.5重量部
椿油 0.4重量部
セラミド(タイプ6) 0.1重量部
デカメチルシクロペンタシロキサン 4 重量部
2−エチルヘキサン酸セチル 19 重量部
「クロピュアOL」 1 重量部
イソステアリン酸ソルビット 1 重量部
δトコフェロール 0.02重量部
ホ
中間水中油乳化物1 30 重量部
トウキエキス 1 重量部
チョレイエキス 0.7重量部
トウニンエキス 0.8重量部
チンピエキス 0.5重量部
【0020】
【表3】
【0021】
<実施例5>
油中水中油乳化化粧料2の皮膚修復素材の種類を変えて、皮膚外用剤6〜を作成し、同様にスティギング性を検討した。結果を表4に示す。これより、何れのセラミドも使用可能であり、セラミド(タイプ6)が好ましいこともわかる。
イ
10%水酸化カリウム水溶液 0.1重量部
1,3−ブタンジオール 3 重量部
キサンタンガム 0.1重量部
水 15 重量部
ロ
ベヘニルアルコール 0.4重量部
ステアリン酸クエン酸グリセリル 0.5重量部
グリセリルモノステアレート 0.1重量部
スクワラン 4.5重量部
ショ糖パルミチン酸エステル 2 重量部
フェノキシエタノール 0.5重量部
ベヘン酸 0.1重量部
ステアリン酸 0.5重量部
グリセリン 3 重量部
「サラコス334」 0.1重量部
ハ
1,2−ヘキシレングリコール 5 重量部
グリセリン 5 重量部
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
水 26.88重量部
ニ
デカグリセリンモノステアレート 1 重量部
「エルデュウPS−304」 0.1重量部
マカデミア脂肪酸フィトステリル 0.5重量部
椿油 0.4重量部
表4に記載のセラミド 0.1重量部
デカメチルシクロペンタシロキサン 4 重量部
2−エチルヘキサン酸セチル 19 重量部
「クロピュアOL」 1 重量部
イソステアリン酸ソルビット 1 重量部
δトコフェロール 0.02重量部
ホ
中間水中油乳化物1 30 重量部
トウキエキス 1 重量部
チョレイエキス 0.7重量部
トウニンエキス 0.8重量部
チンピエキス 0.5重量部
【0022】
【表4】
【0023】
<実施例6>
実施例3と同様に本発明の皮膚外用剤12(皮膚外用医薬)を作成した。このものの平均跳躍距離は2.4±1.8cmであり、黄色ブドウ状球菌、枯草菌及び酵母のコロニー数は0であった。
イ
10%水酸化カリウム水溶液 0.1重量部
1,3−ブタンジオール 3 重量部
キサンタンガム 0.1重量部
水 15 重量部
ロ
ベヘニルアルコール 0.4重量部
ステアリン酸クエン酸グリセリル 0.5重量部
グリセリルモノステアレート 0.1重量部
スクワラン 4.5重量部
ショ糖パルミチン酸エステル 2 重量部
フェノキシエタノール 0.5重量部
「サラコス334」 0.1重量部
ベヘン酸 0.1重量部
ステアリン酸 0.5重量部
グリセリン 3 重量部
ハ
1,2−ペンタンジオール 5 重量部
グリセリン 5 重量部
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
水 26.78重量部
ニ
デカグリセリンモノステアレート 1 重量部
セラミド(タイプ6) 0.1重量部
「エルデュウPS−304」 0.1重量部
マカデミア脂肪酸フィトステリル 0.5重量部
椿油 0.5重量部
デカメチルシクロペンタシロキサン 4 重量部
2−エチルヘキサン酸セチル 17 重量部
テルビナフィン 2 重量部
「クロピュアOL」 1 重量部
イソステアリン酸ソルビット 1 重量部
δトコフェロール 0.02重量部
ホ
中間水中油乳化物1 30 重量部
トウキエキス 1 重量部
チョレイエキス 0.7重量部
トウニンエキス 0.8重量部
チンピエキス 0.5重量部
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、パラベンなどに起因するスティギングを抑制し、敏感肌の人でも使用可能な皮膚外用剤を提供することが出来る。
Claims (7)
- 1)HLB10以上のポリグリセリンの脂肪酸エステルと2)皮膚修復素材と3)フェノキシエタノールを含有する、皮膚外用剤。
- 前記皮膚修復素材が、セラミド乃至はその誘導体であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- HLB10以上のポリグリセリンの脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基が、炭素数12〜30のアルキルカルボニルオキシ基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- パラベンフリーであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- ポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤を実質的に含有しないことを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 敏感肌用であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 化粧料であることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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