以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る電子回路の印刷方法の実施に用いる電子回路の印刷装置の一実施の形態の要部を示す図である。
この電子回路の印刷装置は、版胴1とゴム胴2と圧胴3とを備えた印刷機100と、この印刷機100に対して設けられた駆動制御装置200と、駆動制御装置200からの指令を受けて動作するずれ量検出装置300とを備えている。
印刷機100において、版胴1,ゴム胴2および圧胴3は回転可能に支持されており、版胴1には被印刷物に電子回路を印刷するための版が装着されている。この印刷機100において、版胴1,ゴム胴2および圧胴3の構成は通常の印刷機とほゞ同じであるのでその説明は省略するが、ロールに巻かれた印刷用紙ではなく、フィルムの1枚毎に区切られた各区間に印刷された1度目の回路が被印刷物として、ゴム胴2と圧胴3との対接点Iに搬送されてくる。以下、この1度目の回路が印刷されたフィルムをウェブと呼ぶ。図1ではこのウェブを符号4で示している。
この印刷機100において、版胴1とゴム胴2とが本発明で言う印刷胴に相当し、圧胴3が本発明で言う対向胴に相当する。印刷機によっては、ゴム胴2を用いずに、版胴1と圧胴3とを対接させて印刷するタイプもある。このため、本発明では版胴とゴム胴との組み合わせを含めて印刷する側の胴を印刷胴、この印刷胴に対向する側の胴を対向胴と名付けている。
なお、図1において、5はウェブ4の搬送を案内する大小のローラであり、これらのローラ5に案内されながら前後(天地方向)に張られた状態でウェブ4が搬送され、ゴム胴2と圧胴3との対接点Iにおいて、ウェブ4上の被印刷物への電子回路(2度目の回路)の印刷が行われて行く。以下、ゴム胴2と圧胴3との対接点Iを印刷点とも呼ぶ。
また、ウェブ4は、同じ印刷機100で1度目の回路を印刷し、乾燥させた後、絶縁膜をその上に塗布した状態で、再度この印刷機100にセットされている。すなわち、ウェブ4には前処理工程で、1度目の回路の印刷や絶縁膜の塗布が行われている。
また、本実施の形態では、このウェブ4の2度目の回路の印刷を行う前の前処理工程において、1度目の回路の印刷と同時に、図2に示すように、ウェブ4上の各被印刷物(#1,#2,#3・・・・)に、基準マークとして、第1のレジスタマークRM1と、この第1のレジスタマークRM1よりも小さな第2のレジスタマークRM2とを印刷している。すなわち、第2のレジスタマークRM2よりも大きな第1のレジスタマークRM1と、第1のレジスタマークRM1よりも小さな第2のレジスタマークRM2とを、1度目の回路の印刷と同時に印刷している。
この例において、第1のレジスタマークRM1は三角形とされ、第2のレジスタマークRM2は円形とされているが、このような形のマークに限られるものではない。また、このレジスタマークRM1,RM2は、必ずしも1度目の回路の印刷と同時に印刷されたものでなくてもよく、後から塗布されたようなものであっても構わない。
なお、本発明でいう第1の基準マークは第2のレジスタマークRM2に相当し、本発明でいう第2の基準マークは第1のレジスタマークRM1に相当する。以下、本実施の形態における第1のレジスタマークRM1を第1レジスタマーク、第2のレジスタマークRM2を第2レジスタマークと呼ぶ。
また、本実施の形態では、被印刷物の印刷点I(ゴム胴2と圧胴3との対接点)への搬送経路の途中に第1のカメラ(以下、WGカメラと呼ぶ)304を設けている。また、被印刷物の印刷点Iへの搬送経路の途中のWGカメラ304よりも印刷点Iに近い位置に第2のカメラ(以下、FFカメラと呼ぶ)305を設けている。この実施の形態において、FFカメラ305が本発明でいう第1の撮像手段に相当し、WGカメラ304が本発明でいう第2の撮像手段に相当する。
WGカメラ304は、被印刷物に付加されている第1レジスタマークRM1を含む広い領域を撮像するカメラとして、撮像範囲が広いカメラ(低分解能のカメラ)が用いられている。FFカメラ305は、被印刷物に付加されている第2レジスタマークRM2を含む狭い領域を撮像するカメラとして、撮像範囲が狭いカメラ(高分解能のカメラ)が用いられている。
図3にWGカメラ304とFFカメラ305と印刷点Iとの位置関係を示す。WGカメラ304とFFカメラ305との間は、ウェブ4の搬送距離にしてL1だけ離れており、FFカメラ305と印刷点Iとの間は、ウェブ4の搬送距離にしてL2だけ離れている。
本実施の形態において、WGカメラ304とFFカメラ305との間の距離L1は、ウェブ4上の被印刷物の枚数にして4枚以上(この例では、≒4.3枚)とされ、FFカメラ305と印刷点Iとの間の距離L2は、ウェブ4上の被印刷物の枚数にして1枚以上(この例では、≒1.16枚)とされている。
図4に駆動制御装置200の要部のブロック図を示す。駆動制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、入力装置204、表示器205、出力装置(FDドライブ、プリンタ等)206、圧胴駆動用モータ207、圧胴駆動用モータドライバ208、圧胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ209、圧胴回転位相検出用カウンタ210、D/A変換器211、圧胴の原点位置検出用センサ212、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213、版胴・ゴム胴駆動用モータ214、版胴・ゴム胴駆動用モータドライバ215、版胴・ゴム胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ216、版胴・ゴム胴回転位相検出用カウンタ217、D/A変換器218、メモリ219、入出力インターフェイス(I/O,I/F)220−1〜220−8を備えている。
この駆動制御装置200において、CPU201は、インターフェイス220−1〜220−8を介して与えられる各種入力情報を得て、RAM203やメモリ219にアクセスしながら、ROM202に格納されたプログラムに従って動作する。
圧胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ209は、圧胴駆動用モータ207の所定回転角毎にクロックパルスを発生して、圧胴駆動用モータドライバ208および圧胴回転位相検出用カウンタ210に出力する。また、圧胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ209は、圧胴駆動用モータ207の所定回転角度位置毎にゼロパルスを発生して、圧胴回転位相検出用カウンタ210にゼロパルスを出力する。圧胴の原点位置検出用センサ212は、圧胴の1回転毎の原点位置を検出し、原点位置検出信号を発生して印刷機の回転回数カウント用カウンタ213に出力する。
版胴・ゴム胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ216は、版胴・ゴム胴駆動用モータ214の所定回転角毎にクロックパルスを発生して、版胴・ゴム胴駆動用モータドライバ215および版胴・ゴム胴回転位相検出用カウンタ217に出力する。また、版胴・ゴム胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ216は、版胴・ゴム胴駆動用モータ214の所定回転角度位置毎にゼロパルスを発生して、版胴・ゴム胴回転位相検出用カウンタ217にゼロパルスを出力する。
図5〜図8にメモリ219の内容を分割して示す。メモリ219にはメモリM1〜M41が設けられる。メモリM1には印刷速度Vsが記憶されている。メモリM2には基準の圧胴駆動用モータの回転速度VIrが記憶される。メモリM3には基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrが記憶される。メモリM4には第1レジスタマークによる位相偏差補正の完了の有無を示す値が記憶される。メモリM5には第2レジスタマークによる位相偏差補正の完了の有無を示す値が記憶される。
メモリM6には圧胴回転位相検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM7には圧胴の現在の回転位相ψRが記憶される。メモリM8にはWGカメラの基準撮像位置PWGrが記憶されている。メモリM9には第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1が記憶される。メモリM10には第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1が記憶される。メモリM11にはカウント値Nが記憶される。メモリM12にはWGカメラの撮像位置PWGが記憶される。メモリM13にはWGカメラ−FFカメラ間の距離L1が記憶されている。メモリM14にはFFカメラの撮像位置PFFが記憶される。
メモリM15には第1レジスタマーク間の基準距離M1Lrが記憶されている。メモリM16には印刷機の回転回数カウント用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM17には現在のウェブの巻き出し長さlが記憶される。メモリM18には補正した圧胴の現在の回転位相ψR’が記憶される。メモリM19にはあるべき版胴・ゴム胴の回転位相φmが記憶される。メモリM20には版胴・ゴム胴回転位相検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM21には版胴・ゴム胴の現在の回転位相φRが記憶される。メモリM22には版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRが記憶される。メモリM23には版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が記憶される。
メモリM24には版胴・ゴム胴の回転位相差の第1の許容値α1が記憶されている。メモリM25には版胴・ゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルが記憶されている。メモリM26には版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度の補正値ΔVが記憶される。メモリM27には補正した版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPr’が記憶される。メモリM28にはカウント値Mが記憶される。メモリM29には第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2が記憶される。メモリM30には第2レジスタマークのY方向のずれ量Δy2が記憶される。メモリM31にはFFカメラ−印刷点間の距離L2が記憶されている。メモリM32には被印刷物の印刷点到達位置PIが記憶される。メモリM33には版胴・ゴム胴の回転位相差の第2の許容値α2が記憶されている。
メモリM34にはFFカメラの撮像画像から検出される前回の第2レジスタマークの位置(以下、前の第2レジスタマークの位置と呼ぶ)PM2Fが記憶される。メモリM35にはFFカメラの撮像画像から検出される今回の第2レジスタマークの位置(以下、後の第2レジスタマークの位置と呼ぶ)PM2Rが記憶される。メモリM36には今回の第2レジスタマークの位置と前回の第2レジスタマークの位置とから求められる第2レジスタマーク間の距離M2Lが記憶される。メモリM37には第2レジスタマーク間の基準距離M2Lrが記憶されている。メモリM38には第2レジスタマーク間の距離M2Lと第2レジスタマーク間の基準距離M2Lrとから求められるFFカメラまでの第2レジスタマーク間の伸縮率ηが記憶される。メモリM39には第2レジスタマーク間の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPcが記憶される。メモリM40には最新のFFカメラの撮像位置が記憶される。メモリM41にカウント値Kが記憶される。
図9にずれ量検出装置300の要部のブロック図を示す。ずれ量検出装置300は、CPU301、ROM302、RAM303、WGカメラ304、FFカメラ305、メモリ306、入出力インターフェイス(I/O,I/F)307−1〜307−5を備えている。WGカメラ304およびFFカメラ305は、図1に示されるように、被印刷物の搬送経路の途中に設けられている。このWGカメラ304およびFFカメラ305については既に説明した。
このずれ量検出装置300において、CPU301は、インターフェイス307−1〜307−5を介して与えられる各種入力情報を得て、RAM303やメモリ306にアクセスしながら、ROM302に格納されたプログラムに従って動作する。
図10および図11にメモリ306の内容を分割して示す。メモリ306にはメモリM51〜M72が設けられる。メモリM51にはカウント値Yが記憶される。メモリM52にはカウント値Xが記憶される。メモリM53にはWGカメラの撮像データが記憶される。メモリM54にはWGカメラの左右方向の画素数aが記憶されている。メモリM55にはWGカメラの天地方向の画素数bが記憶されている。メモリM56にはカウント値Nが記憶される。メモリM57にはカウント値Mが記憶される。
メモリM58には第1レジスタマークの画素データが記憶されている。メモリM59には第1レジスタマークの左右方向の画素数cが記憶されている。メモリM60には第1レジスタマークの天地方向の画素数dが記憶されている。メモリM61には第1レジスタマークの測定位置が記憶される。メモリM62には第1レジスタマークの基準位置が記憶されている。メモリM63には第1レジスタマークのずれ量Δx1,Δy1が記憶される。
メモリM64にはFFカメラの撮像データが記憶される。メモリM65にはFFカメラの左右方向の画素数eが記憶されている。メモリM66にはFFカメラの天地方向の画素数fが記憶されている。メモリM67には第2レジスタマークの画素データが記憶されている。メモリM68には第2レジスタマークの左右方向の画素数gが記憶されている。メモリM69には第2レジスタマークの天地方向の画素数hが記憶されている。メモリM70には第2レジスタマークの測定位置が記憶される。メモリM71には第2レジスタマークの基準位置が記憶されている。メモリM72には第2レジスタマークのずれ量Δx2,Δy2が記憶される。
〔駆動制御装置の動作〕
次に、この電子回路の印刷装置における駆動制御装置200の動作について、ずれ量検出装置300の動作を交えながら説明する。
なお、以下の動作において、駆動制御装置200のCPU201やずれ量検出装置300のCPU301は、演算により求めた各種データのメモリMへの書き込みやメモリMからの各種データの読み込みなどを必要に応じて行うが、ここでは説明が煩雑となることを避けるために、またメモリMの名称やそのメモリM中に示した記号などからも明らかであるので、メモリMへのリードライト動作の説明を省略する場合もある。
駆動制御装置200のCPU201は、メモリM1から印刷速度Vsを読み込み(図12:ステップS101)、この読み込んだ印刷速度Vsより基準の圧胴駆動用モータの回転速度VIrを演算し(ステップS102)、この演算した基準の圧胴駆動用モータの回転速度VIrをメモリM2に書き込むと共に(ステップS102)、圧胴駆動用モータドライバ208にD/A変換器211を介して出力する(ステップS103)。これにより、圧胴3が基準の回転速度VIrで回転する。
また、CPU201は、印刷速度Vsより基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrを演算し、この演算した基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrをメモリM3に書き込むと共に(ステップS104)、版胴・ゴム胴駆動用モータドライバ215にD/A変換器218を介して出力する(ステップS105)。これにより、版胴1およびゴム胴2が基準の回転速度VPrで回転する。
また、CPU201は、初期設定として、メモリM4に第1レジスタマークによる位相偏差補正が完了していないことを示す値として「2」を書き込み(ステップS106)、メモリM5に第2レジスタマークによる位相偏差補正が完了していないことを示す値として「2」を書き込む(ステップS107)。
〔駆動制御装置からのずれ量検出装置へのWGカメラの撮像指令〕
そして、CPU201は、圧胴回転位相検出用カウンタ210よりカウント値を読み込み(図13:ステップS108)、この読み込んだ圧胴回転位相検出用カウンタ210のカウント値より圧胴の現在の回転位相ψRを演算する(ステップS109)。そして、メモリM8よりWGカメラの基準撮像位置PWGrを読み込み(ステップS110)、圧胴の現在の回転位相ψRがWGカメラの基準撮像位置PWGrにあるか否かを確認する(ステップS111)。
CPU201は、ステップS108〜S111の処理動作を繰り返し、圧胴の現在の回転位相ψRがWGカメラの基準撮像位置PWGrに達したことを確認すると(ステップS111のYES)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213にイネーブル信号およびリセット信号を出力し(ステップS112)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213へのリセット信号の出力を停止する(ステップS113)。これにより、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213が零からのカウントを開始する。
CPU201は、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213の零からのカウントの開始と同時に、ずれ量検出装置300にWGカメラの撮像指令を送信し(ステップS114)、ずれ量検出装置300からの応答を待つ(ステップS115、S117(図14))。
ここで、ずれ量検出装置300から第1レジスタマーク無しの信号が送信されてくれば(ステップS115のYES)、CPU201は、ずれ量検出装置300へ第1レジスタマーク無しの信号受信完了信号を送信し(ステップS116)、ステップS108へ戻る。
ずれ量検出装置300から第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1が送信されてくれば(ステップS117のYES)、CPU201は、ずれ量検出装置300から送信されてきた第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1をメモリM9およびM10に書き込む(ステップS118)。
〔WGカメラによる被印刷物の撮像(ずれ量検出装置での第1レジスタマークのずれ量の検出)〕
ずれ量検出装置300のCPU301は、駆動制御装置200からWGカメラの撮像指令が送られてくると(図38:ステップS301のYES)、WGカメラ304へ撮像指令を出力する(ステップS302)。これにより、駆動制御装置200からWGカメラの撮像指令が送られてきたタイミングで、すなわち圧胴の現在の回転位相ψRがWGカメラの基準撮像位置PWGrに位置しているタイミングで、WGカメラ304が搬送されてくるウェブ4上の被印刷物の撮像を行う。
CPU301は、WGカメラ304から撮像データが送られてくると(ステップS303のYES)、メモリM51中のカウント値Yを1とし(ステップS304)、メモリM52中のカウント値Xを1とし(ステップS305)、WGカメラ304からのカウント値X,Yで特定される画素位置の撮像データをメモリM53の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS306)。
そして、CPU301は、メモリM52中のカウント値Xに1を加算し(図39:ステップS307)、メモリM54中のWGカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS308)、ステップS309でカウント値XがWGカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS306〜S309の処理動作を繰り返す。
そして、カウント値XがWGカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS309のYES)、メモリM51中のカウント値Yに1を加算し(ステップS310)、メモリM55中のWGカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS311)、ステップS312でカウント値YがWGカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS305〜S312の処理動作を繰り返す。
これにより、メモリM53中に、WGカメラ304からのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、図53(a)に示すように、最初の被印刷物#1の第1レジスタマークRM1を含む広い領域の撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM53中に記憶されたものとする。
なお、メモリM58には、図53(b)に示すように、第1レジスタマークRM1のc×dの画素データがパターンマッチング用のデータとして記憶されている。また、WGカメラ304の天地方向はウェブ4の流れ方向とされ、WGカメラ304の左右方向はウェブ4の流れ方向に直交する方向とされている。
次に、CPU301は、メモリM51中のカウント値Yを1とし(ステップS313)、メモリM52中のカウント値Xを1とし(ステップS314)、メモリM56中のカウント値Nを1とし(図40:ステップS315)、メモリM57中のカウント値Mを1とする(ステップS316)。
そして、メモリM53中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置のWGカメラの撮像画素データを読み込み(ステップS317)、メモリM58中の(M,N)のアドレス位置の第1レジスタマークの画素データを読み込み(ステップS318)、この読み込んだメモリM53中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置のWGカメラの撮像画素データとメモリM58中の(M,N)のアドレス位置の第1レジスタマークの画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS319、図53(a),(b)参照)。
ここで、メモリM53中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置のWGカメラの撮像画素データとメモリM58中の(M,N)のアドレス位置の第1レジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS319のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでのWGカメラ304の撮像データのいずれかの画素データが第1レジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に第1レジスタマークが無いことになるので、CPU301は、メモリM52中のカウント値Xに1を加算し(図41:ステップS320)、メモリM54中のWGカメラの左右方向の画素数aとメモリM59中の第1レジスタマークの左右方向の画素数cとを読み込み(ステップS321,S322)、ステップS323でカウント値Xが「a−c+1」を超えるまで、ステップS315〜S323の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、カウント値Xが「a−c+1」を超えれば(ステップS323のYES)、WGカメラ304の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、CPU301は、メモリM51中のカウント値Yに1を加算し(ステップS324)、メモリM55中のWGカメラの天地方向の画素数bとメモリM60中の第1レジスタマークの天地方向の画素数dとを読み込み(ステップS325,S326)、ステップS327でカウント値Yが「b−d+1」を超えるまで、ステップS314〜S327の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、メモリM53中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置のWGカメラの撮像画素データとメモリM58中の(M,N)のアドレス位置の第1レジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(図40:ステップS319のYES)、CPU301は、メモリM57中のカウント値Mに1を加算し(ステップS330)、メモリM59から第1レジスタマークの左右方向の画素数cを読み込み(ステップS331)、ステップS332(図42)でカウント値Mが第1レジスタマークの左右方向の画素数cを超えるまで、ステップS317〜S332の処理動作を繰り返す。
カウント値Mが第1レジスタマークの左右方向の画素数cを超えると(ステップS332のYES)、CPU301は、メモリM56中のカウント値Nに1を加算し(ステップS333)、メモリM60から第1レジスタマークの天地方向の画素数dを読み込み(ステップS334)、ステップS335でカウント値Nが第1レジスタマークの天地方向の画素数dを超えるまで、ステップS316〜S335の処理動作を繰り返す。
このようにして、CPU301は、メモリM53中のa×bの画素の撮像データに対してメモリM58中のc×dの第1レジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Nが第1レジスタマークの天地方向の画素数dを超えると(ステップS335のYES)、メモリM53中のa×bの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの範囲にメモリM58中のc×dの第1レジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、WGカメラ304が撮像した画像の中に第1レジスタマークRM1が含まれていたと判断する。
なお、ステップS327(図41)でカウント値Yが「b−d+1」を超えた場合には(ステップS327のYES)、WGカメラ304の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU301は、WGカメラ304が撮像した画像の中には第1レジスタマークRM1が含まれていなかったと判断し、駆動制御装置200に第1レジスタマーク無しの信号を送信する(ステップS328)。そして、駆動制御装置200からの第1レジスタマーク無しの信号受信完了信号を受けて(ステップS329のYES)、ステップS301(図38)へ戻り、駆動制御装置200からの次のWGカメラの撮像指令に備える。
CPU301は、WGカメラ304が撮像した画像の中に第1レジスタマークが含まれていたと判断すると(図42:ステップS335のYES)、その時のメモリM52中のカウント値Xを読み込み(ステップS336)、その読み込んだカウント値Xより第1レジスタマークのX方向の測定位置を演算し、メモリM61中のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS337)。そして、メモリM62のX方向のアドレス位置より第1レジスタマークのX方向の基準位置を読み込み(ステップS338)、第1レジスタマークのX方向の測定位置から第1レジスタマークのX方向の基準位置を減算し、第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1を求め(図53(c)参照)、この求めた第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1をメモリM63のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS339)。
また、CPU301は、その時のメモリM51中のカウント値Yを読み込み(図43:ステップS340)、その読み込んだカウント値Yより第1レジスタマークのY方向の測定位置を演算し、メモリM61中のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS341)。そして、メモリM62のY方向のアドレス位置より第1レジスタマークのY方向の基準位置を読み込み(ステップS342)、第1レジスタマークのY方向の測定位置から第1レジスタマークのY方向の基準位置を減算し、第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1を求め(図53(c)参照)、この求めた第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1をメモリM63のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS343)。
そして、CPU301は、駆動制御装置200に、メモリM63に書き込んだ第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1を送信する(ステップS344)。そして、駆動制御装置200からの第1レジスタマークのずれ量受信完了信号を受けて(ステップS345のYES)、駆動制御装置200への第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1の送信を停止し(ステップS346)、ステップS301(図38)へ戻って、駆動制御装置200からの次のWGカメラの撮像指令に備える。
〔駆動制御装置での第1レジスタマークの位置の検出〕
駆動制御装置200のCPU201は、ずれ量検出装置300から送信されてくる第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1を受信すると(図14:ステップS117のYES)、その受信した第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1をメモリM9およびM10に書き込み(ステップS118)、ずれ量検出装置300に第1レジスタマークのずれ量受信完了信号を送信する(ステップS119)。
そして、CPU201は、メモリM11のカウント値NをN=2とし(ステップS120)、メモリM8からWGカメラの基準撮像位置PWGrを読み込み(ステップS121)、メモリM10から第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1を読み込み(ステップS122)、WGカメラの基準撮像位置PWGrおよび第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1よりWGカメラの今回の本来の撮像位置(WGカメラの撮像位置)PWG1を求め、その求めたWGカメラの撮像位置PWG1をメモリM12に書き込む(ステップS123)。
尚、上記WGカメラの今回の本来の撮像位置PWG1は第1レジスタマークがWGカメラの撮像データの中央等の基準位置に撮像されるタイミングを示し、それ以後のFFカメラでの第2レジスタマークの撮像タイミングの基準となる。
また、CPU201は、メモリM13からWGカメラ−FFカメラ間距離L1を読み込み(ステップS124)、ステップS123で求めたWGカメラの撮像位置PWG1およびWGカメラ−FFカメラ間距離L1より最初のFFカメラの撮像位置PFF1を求め、その求めた最初のFFカメラの撮像位置PFF1をメモリM14の1番目のアドレス位置に書き込む(ステップS125)。
図51に、WGカメラの基準撮像位置PWGrと、WGカメラの基準撮像位置PWGrおよび第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1より求められたWGカメラの撮像位置(WGカメラの今回の本来の撮像位置)PWG1と、WGカメラの撮像位置PWG1およびWGカメラ−FFカメラ間距離L1より求められたFFカメラの撮像位置PFF1を示す。
なお、図51において、PFFrは最初のFFカメラの基準撮像位置、PIrは最初の被印刷物の基準の印刷点到達位置であり、WGカメラの基準撮像位置PWGrとFFカメラの基準撮像位置PFFrとは被印刷物の枚数にして4枚以上(この例では、≒4.3枚)離れており、FFカメラの基準撮像位置PFFrと被印刷物の基準の印刷点到達位置PIrとは被印刷物の枚数にして1枚以上(この例では、≒1.16枚)離れている。なお、PI1は最初の被印刷物#1の印刷点到達位置であり、この最初の被印刷物#1の印刷点到達位置PI1については後述する。
CPU201は、FFカメラの撮像位置PFF1をメモリM14に書き込んだ後(図14:ステップS125)、メモリM15より第1レジスタマーク間の基準距離M1Lrを読み込み(ステップS126)、ステップS123で求めたWGカメラの撮像位置PWG1および第1レジスタマーク間の基準距離M1Lrより次のWGカメラの撮像位置PWG2nextを求め、メモリM12に上書きする(図15:ステップS127)。
そして、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213よりカウント値を読み込み(ステップS128)、また圧胴回転位相検出用カウンタ210よりカウント値を読み込み(ステップS129)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213のカウント値および圧胴回転位相検出用カウンタ210のカウント値より現在のウェブ4の巻き出し長さlを求める(ステップS130)。そして、メモリM12から次のWGカメラの撮像位置PWG2nextを読み込み(ステップS131)、現在のウェブ4の巻き出し長さlが次のWGカメラの撮像位置PWG2nextに達したか否かを確認する(ステップS132)。
〔版胴・ゴム胴の初期の粗い回転位相の調整(第1の見当合わせ)〕
CPU201は、ステップS132でウェブ4の巻き出し長さlの次のWGカメラの撮像位置PWG2nextへの到達が確認されるまでの間、ステップS133(図16)〜S152(図18)の処理動作を繰り返す。このステップS133〜S152の処理では版胴・ゴム胴の初期の粗い回転位相の調整を行う。この版胴・ゴム胴の初期の粗い回転位相の調整は次のようにして行われる。
CPU201は、圧胴回転位相検出用カウンタ210よりカウント値を読み込み(図16:ステップS133)、この読み込んだ圧胴回転位相検出用カウンタ210のカウント値より圧胴の現在の回転位相ψRを求める(ステップS134)。そして、メモリM10より第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1を読み込み(ステップS135)、圧胴の現在の回転位相ψRに第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1を加算し、補正した圧胴の現在の回転位相ψR’を求める(ステップS136)。
そして、CPU201は、補正した圧胴の現在の回転位相ψR’よりあるべき版胴・ゴム胴の回転位相φmを求め(ステップS137)、版胴・ゴム胴回転位相検出用カウンタ217よりカウント値を読み込み(ステップS138)、この読み込んだ版胴・ゴム胴回転位相検出用カウンタ217のカウント値より版胴・ゴム胴の現在の回転位相φRを求める(ステップS139)。そして、ステップS137で求めたあるべき版胴・ゴム胴の回転位相φmより版胴・ゴム胴の現在の回転位相φRを減算し、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRを求め、この求めた版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRをメモリM22に書き込む(ステップS140)。
次に、CPU201は、ステップS140で求めた版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRより版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値を求め(図17:ステップS141)、メモリM24より版胴・ゴム胴の回転位相差の第1の許容値α1を読み込み(ステップS142)、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が版胴・ゴム胴の回転位相差の第1の許容値α1以下であるか否かを確認する(ステップS143)。
ここで、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が版胴・ゴム胴の回転位相差の第1の許容値α1以下でなければ(ステップS143のNO)、CPU201は、メモリM25より版胴・ゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルを読み込み(ステップS144)、またメモリM22より版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRを読み込み(ステップS145)、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルを用いて版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRより回転速度の補正値ΔVを求める(ステップS146)。
そして、CPU201は、メモリM3より基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrを読み込み(ステップS147)、基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrに回転速度の補正値ΔVを加算し、補正した版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPr’を求め(ステップS148)、この求めた補正した版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPr’を版胴・ゴム胴駆動用モータドライバ215にD/A変換器218を介して出力し(ステップS149)、ステップS128(図15)に戻って、同様動作を繰り返す。
これにより、版胴・ゴム胴駆動用モータ214の回転速度が調整され、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が版胴・ゴム胴の回転位相差の第1の許容値α1以下に合わせ込まれるようになる。
そして、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が版胴・ゴム胴の回転位相差の第1の許容値α1以下になると(図17:ステップS143のYES)、CPU201は、メモリM3より基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrを読み込み(図18:ステップS150)、この読み込んだ版胴・ゴム胴駆動用モータの基準の回転速度VPrを版胴・ゴム胴駆動用モータドライバ215にD/A変換器218を介して出力し(ステップS151)、メモリM4に第1レジスタマークによる位相偏差の補正が完了したことを示す値として「1」を書き込む(ステップS152)。
CPU201は、ウェブ4の巻き出し長さlが次のWGカメラの撮像位置PWG2nextに達するまで、このステップS133〜S152の処理動作を繰り返すが、ステップS143において版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が版胴・ゴム胴の回転位相差の第1の許容値α1以下にならない場合には、ステップS150〜S152への処理には進まない。この場合、メモリM4には第1レジスタマークによる位相偏差の補正が完了していないことを示す値として「2」が書き込まれたままとなる。
CPU201は、ウェブ4の巻き出し長さlが次のWGカメラの撮像位置PWG2nextに達すると(図15:ステップS132のYES)、ずれ量検出装置300にWGカメラの撮像指令を送信し(図19:ステップS153)、ずれ量検出装置300からの応答を待つ(ステップS154)。ずれ量検出装置300のCPU301は、駆動制御装置200からのWGカメラの撮像指令を受けて、搬送されてくるウェブ4上の被印刷物をWGカメラ304によって撮像し、前述と同様にして第1レジスタマークのずれ量の検出を行う。
駆動制御装置200のCPU201は、ずれ量検出装置300から第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1が送信されてくると(ステップS154のYES)、その第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1をメモリM9およびM10に書き込み(ステップS155)、ずれ量検出装置300に第1レジスタマークのずれ量受信完了信号を送信する(ステップS156)。
そして、CPU201は、メモリM12からWGカメラの撮像位置PWG2nextを読み込み(ステップS157)、メモリM10から第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1を読み込み(ステップS158)、WGカメラの撮像位置PWG2nextおよび第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1よりWGカメラの今回の本来の撮像位置(WGカメラの撮像位置)PWG2を求め、その求めたWGカメラの撮像位置PWG2をメモリM12に上書きする(ステップS159)。
また、CPU201は、メモリM13からWGカメラ−FFカメラ間距離L1を読み込み(ステップS160)、メモリM11からカウント値N(N=2)を読み込み(ステップS161)、ステップS159で求めたWGカメラの撮像位置PWG2およびWGカメラ−FFカメラ間距離L1より次のFFカメラの撮像位置PFF2を求め、その求めた次のFFカメラの撮像位置PFF2をメモリM14のN番目(2番目)のアドレス位置に書き込む(図20:ステップS162、図55(a)参照)。
そして、メモリM15より第1レジスタマーク間の基準距離M1Lrを読み込み(ステップS163)、ステップS159で求めたWGカメラの撮像位置PWG2および第1レジスタマーク間の基準距離M1Lrより次のWGカメラの撮像位置PWG3nextを求めてメモリM12に上書きし(ステップS164)、メモリM11のカウント値Nに1を加算してN=3とする(ステップS165)。
そして、CPU201は、カウント値NがN=6であるか否かを確認し(ステップS166)、このステップS166においてN=6となるまで、ステップS128(図15)〜S166の処理動作を繰り返す。
これにより、上述と同様にして、次のWGカメラの撮像位置PWG4next,PWG5next,PWG6next、次のFFカメラの撮像位置PFF3,PFF4,PFF5が求められ、図55(b)に示すように、メモリM14の3番目のアドレス位置にFFカメラの撮像位置PFF3が、4番目のアドレス位置にFFカメラの撮像位置PFF4が、5番目のアドレス位置にFFカメラの撮像位置PFF5が書き込まれて行く。
そして、CPU201は、カウント値NがN=6になったことを確認すると(ステップS166のYES)、メモリM4に書き込まれている値を読み込み(ステップS167)、メモリM4に書き込まれている値が「1」であるか否かを確認する(ステップS168)。ここで、メモリM4に書き込まれている値が「1」でなければ(ステップS168のNO)、ステップS106(図12)に戻るが、メモリM4に書き込まれている値が「1」であれば(ステップS168のYES)、第1レジスタマークによる位相偏差の補正が完了した状態にあると判断する。
このようにして、本実施の形態では、WGカメラ304で撮像された最初の被印刷物#1の画像から第1レジスタマークRM1の位置が検出されてから(図51に示すt1点)、カウント値NがN=6に達するまでの間に(図51に示すt2点)、第1レジスタマークRM1の位置に応じて版胴・ゴム胴の初期の粗い回転位相の調整(第1の見当合わせ)が行われるものとなる。
なお、通常は、カウント値NがN=3に達する前に、すなわちウェブ4の巻き出し長さlがWGカメラの撮像位置PWG2nextに達する前に、第1の見当合わせ(版胴・ゴム胴の初期の粗い回転位相の調整)は完了する。もし、WGカメラの撮像位置PWG2nextに達する前に第1の見当合わせが完了しなけば、カウント値NがN=6に達するまでを限度として、第1の見当合わせが続けられる。
また、この実施の形態では、カウント値NがN=6に達するまでを限度として第1の見当合わせを続けるようにしているが、図52にt1点からt2点までの区間として示すように、遅くとも、ウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF1に達するまでの間に、すなわちFFカメラ305による最初の被印刷物#1の第2レジスタマークRM2を含む領域の撮像が行われるまでの間に、第1の見当合わせを完了させるようにすればよい。
〔駆動制御装置からのずれ量検出装置へのFFカメラの撮像指令〕
CPU201は、第1レジスタマークによる位相偏差の補正が完了している状態にあると判断すると(図20:ステップS168のYES)、メモリM28中のカウント値Mを1とし(ステップS169)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213よりカウント値を読み込み(図21:ステップS170)、また圧胴回転位相検出用カウンタ210よりカウント値を読み込み(ステップS171)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213のカウント値および圧胴回転位相検出用カウンタ210のカウント値より現在のウェブ4の巻き出し長さlを求める(ステップS172)。そして、メモリM12から次のWGカメラの撮像位置PWG6nextを読み込み(ステップS173)、現在のウェブ4の巻き出し長さlが次のWGカメラの撮像位置PWG6nextに達したか否かを確認する(ステップS174)。
この場合、現在のウェブ4の巻き出し長さlは次のWGカメラの撮像位置PWG6nextにはまだ達していないので(ステップS174のNO)、CPU201は、メモリM14の1番目のアドレス位置よりFFカメラの撮像位置PFF1を読み込み(図22:ステップS175)、現在のウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF1に達したか否かを確認する(ステップS176)。
ここで、CPU201は、現在のウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF1に達していなければ(ステップS176のNO)、メモリM28中のカウント値Mを読み込み(図24:ステップS177)、カウント値Mが「2」であるか否かを確認する(ステップS178)。この場合、カウント値Mは「1」であるので(ステップS178のNO)、ステップS170(図21)へ戻り、ステップS170〜S178の処理動作を繰り返す。
CPU201は、この処理動作中、現在のウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF1に到達したことを確認すると(図22:ステップS176のYES)、ずれ量検出装置300にFFカメラの撮像指令を送信し(ステップS179)、ずれ量検出装置300からの第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2およびY方向のずれ量Δy2の送信を待つ(ステップS180)。
〔FFカメラによる被印刷物の撮像(ずれ量検出装置での第2レジスタマークのずれ量の検出)〕
ずれ量検出装置300のCPU301は、駆動制御装置200からFFカメラの撮像指令が送られてくると(図44:ステップS348のYES)、FFカメラ305へ撮像指令を出力する(ステップS349)。これにより、駆動制御装置200からFFカメラの撮像指令が送られてきたタイミングで、すなわちウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFFに達したタイミングで、FFカメラ305が搬送されてくるウェブ4上の被印刷物の撮像を行う。
CPU301は、FFカメラ305から撮像データが送られてくると(ステップS350のYES)、メモリM51中のカウント値Yを1とし(ステップS351)、メモリM52中のカウント値Xを1とし(ステップS352)、FFカメラ305からのカウント値X,Yで特定される画素位置の撮像データをメモリM64の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS353)。
そして、CPU301は、メモリM52中のカウント値Xに1を加算し(図45:ステップS354)、メモリM65中のFFカメラの左右方向の画素数eを読み込み(ステップS355)、ステップS366でカウント値XがFFカメラの左右方向の画素数eを超えるまで、ステップS353〜S356の処理動作を繰り返す。
そして、カウント値XがFFカメラの左右方向の画素数eを超えれば(ステップS356のYES)、メモリM51中のカウント値Yに1を加算し(ステップS357)、メモリM66中のFFカメラの天地方向の画素数fを読み込み(ステップS358)、ステップS359でカウント値YがFFカメラの天地方向の画素数fを超えるまで、ステップS352〜S359の処理動作を繰り返す。
これにより、メモリM64中に、FFカメラ305からのe×fの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、図54(a)に示すように、被印刷物#1の第2レジスタマークRM2を含む領域の撮像データがe×fの画素の撮像データとしてメモリM64中に記憶されたものとする。
なお、メモリM67には、図54(b)に示すように、第2レジスタマークのg×hの画素データがパターンマッチング用のデータとして記憶されている。また、FFカメラ305の天地方向はウェブ4の流れ方向とされ、FFカメラ305の左右方向はウェブ4の流れ方向に直交する方向とされている。
CPU301は、カウント値YがFFカメラの天地方向の画素数fを超えると(ステップS359のYES)、メモリM51中のカウント値Yを1とし(図46:ステップS360)、メモリM52中のカウント値Xを1とし(ステップS361)、メモリM56中のカウント値Nを1とし(ステップS362)、メモリM57中のカウント値Mを1とする(ステップS363)。
そして、メモリM64中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置のFFカメラの撮像画素データを読み込み(ステップS364)、メモリM67中の(M,N)のアドレス位置の第2レジスタマークの画素データを読み込み(ステップS365)、この読み込んだメモリM64中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置のFFカメラの撮像画素データとメモリM67中の(M,N)のアドレス位置の第2レジスタマークの画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS366、図54(a),(b)参照)。
ここで、メモリM64中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置のFFカメラの撮像画素データとメモリM67中の(M,N)のアドレス位置の第2レジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS366のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+g−1、Y+h−1)のアドレスまでのFFカメラ305の撮像データのいずれかの画素データが第2レジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に第2レジスタマークが無いことになるので、CPU301は、メモリM52中のカウント値Xに1を加算し(図47:ステップS367)、メモリM65中のFFカメラの左右方向の画素数eとメモリM68中の第2レジスタマークの左右方向の画素数gとを読み込み(ステップS368,S369)、ステップS370でカウント値Xが「e−g+1」を超えるまで、ステップS362〜S370の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、カウント値Xが「e−g+1」を超えれば(ステップS370のYES)、CPU301は、FFカメラ305の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、メモリM51中のカウント値Yに1を加算し(ステップS371)、メモリM66中のFFカメラの天地方向の画素数fとメモリM69中の第2レジスタマークの天地方向の画素数hとを読み込み(ステップS372,S373)、ステップS374でカウント値Yが「f−h+1」を超えるまで、ステップS361〜S374の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、メモリM64中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置のFFカメラの撮像画素データとメモリM67中の(M,N)のアドレス位置の第2レジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(図46:ステップS366のYES)、CPU301は、メモリM57中のカウント値Mに1を加算し(図48:ステップS376)、メモリM68から第2レジスタマークの左右方向の画素数gを読み込み(ステップS377)、ステップS378でカウント値Mが第2レジスタマークの左右方向の画素数gを超えるまで、ステップS364〜S378の処理動作を繰り返す。
カウント値Mが第2レジスタマークの左右方向の画素数gを超えると(ステップS378のYES)、メモリM56中のカウント値Nに1を加算し(ステップS379)、メモリM69から第2レジスタマークの天地方向の画素数hを読み込み(ステップS380)、ステップS381でカウント値Nが第2レジスタマークの天地方向の画素数hを超えるまで、ステップS363〜S381の処理動作を繰り返す。
このようにして、CPU301は、メモリM64中のe×fの画素の撮像データに対してメモリM67中のg×hの第2レジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Nが第2レジスタマークの天地方向の画素数hを超えると(ステップS381のYES)、メモリM64中のe×fの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+g−1、Y+h−1)のアドレスまでの範囲にメモリM67中のg×hの第2レジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、FFカメラ305が撮像した画像の中に第2レジスタマークRM2が含まれていたと判断する。
なお、ステップS374(図47)でカウント値Yが「f−h+1」を超えた場合には(ステップS374のYES)、FFカメラ305の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU301は、FFカメラ305が撮像した画像の中には第2レジスタマークが含まれていなかったと判断し、不図示の表示器に「第2レジスタマーク無し」のエラー表示を行う(ステップS375)。
CPU301は、FFカメラ305が撮像した画像の中に第2レジスタマークが含まれていたと判断すると(ステップS381のYES)、その時のメモリM52中のカウント値Xを読み込み(ステップS382)、その読み込んだカウント値Xより第2レジスタマークのX方向の測定位置を演算し、メモリM70中のX方向のアドレス位置に書き込む(図49:ステップS383)。そして、メモリM71のX方向のアドレス位置より第2レジスタマークのX方向の基準位置を読み込み(ステップS384)、第2レジスタマークのX方向の測定位置から第2レジスタマークのX方向の基準位置を減算し、第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2を求め(図54(c)参照)、この求めた第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2をメモリM72のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS385)。
また、CPU301は、その時のメモリM51中のカウント値Yを読み込み(ステップS386)、その読み込んだカウント値Yより第2レジスタマークのY方向の測定位置を演算し、メモリM70中のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS387)。そして、メモリM71のY方向のアドレス位置より第2レジスタマークのY方向の基準位置を読み込み(図50:ステップS388)、第2レジスタマークのY方向の測定位置から第2レジスタマークのY方向の基準位置を減算し、第2レジスタマークのY方向のずれ量Δy2を求め(図54(c)参照)、この求めた第2レジスタマークのY方向のずれ量Δy2をメモリM72のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS389)。
そして、CPU301は、駆動制御装置200に、メモリM72に書き込んだ第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2およびY方向のずれ量Δy2を送信する(ステップS390)。そして、駆動制御装置200からの第2レジスタマークのずれ量受信完了信号を受けて(ステップS391のYES)、駆動制御装置200への第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2およびY方向のずれ量Δy2の送信を停止し(ステップS392)、ステップS301(図38)へ戻って、駆動制御装置200からの次のWGカメラの撮像指令に備える。
〔駆動制御装置での第2レジスタマークの位置の検出(前の第2レジスタマークの位置の検出)〕
駆動制御装置200のCPU201は、ずれ量検出装置300から送信されてきた第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2およびY方向のずれ量Δy2を受信すると(図22:ステップS180のYES)、その受信した第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2およびY方向のずれ量Δy2をメモリM29およびM30に書き込み(ステップS181)、ずれ量検出装置300に第2レジスタマークのずれ量受信完了信号を送信する(ステップS182)。
そして、CPU201は、メモリM14の1番目のアドレス位置よりFFカメラの撮像位置PFF1を読み込み(図23:ステップS183)、FFカメラの撮像位置PFF1および第2レジスタマークのY方向のずれ量Δy2より第2レジスタマークの位置PM21を求め、その求めた第2レジスタマークの位置PM21を前の第2レジスタマークの位置(FFカメラの撮像画像から検出された前回の第2レジスタマークの位置)PM2FとしてメモリM34に書き込む(ステップS184、図56(a)参照)。
また、CPU201は、メモリM31からFFカメラ−印刷点間距離L2を読み込み(ステップS185)、ステップS184で求めた第2レジスタマークの位置PM21およびFFカメラ−印刷点間距離L2より最初の被印刷物#1の印刷点到達位置PI1を求め、その求めた最初の被印刷物#1の印刷点到達位置PI1をメモリM32の1番目のアドレス位置に書き込む(ステップS186、図57(a)参照)。そして、メモリM28中のカウント値Mに1を加算してM=2とし、ステップS170(図21)へ戻る。
CPU201は、ステップS170へ戻ると、ステップS171〜S177を経てステップS178(図24)へ至り、メモリM28中のカウント値MがM=2であるか否かを確認する。この場合、メモリM28中のカウント値Mは先のステップS187でM=2にされているので(ステップS178のYES)、CPU201は、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213よりカウント値を読み込み(ステップS188)、また圧胴回転位相検出用カウンタ210よりカウント値を読み込み(ステップS189)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213のカウント値および圧胴回転位相検出用カウンタ210のカウント値より現在のウェブ4の巻き出し長さlを求める(ステップS190)。そして、メモリM14の1番目のアドレス位置からFFカメラの撮像位置PFF1を読み込み(ステップS191)、現在のウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF1にあるか否かを確認する(ステップS192)。
〔版胴・ゴム胴の初期の厳密な回転位相の調整(第2の見当合わせ)〕
CPU201は、ステップ192でウェブ4の巻き出し長さlのFFカメラの撮像位置PFF1にあるか否かを確認するが、ここではもう既にFFカメラの撮像位置PFF1を過ぎている。このため、CPU201は、ステップS192でのNOに応じて、ステップS193(図25)へ進む。
この場合、CPU201は、ステップS192でウェブ4の巻き出し長さlの次のFFカメラの撮像位置PFF2(後述)への到達が確認されるまでの間、ステップS193(図25)〜S212(図27)の処理動作を繰り返す。このステップS193〜S212の処理では版胴・ゴム胴の初期の厳密な回転位相の調整を行う。この版胴・ゴム胴の初期の厳密な回転位相の調整は次のようにして行われる。
CPU201は、圧胴回転位相検出用カウンタ210よりカウント値を読み込み(図25:ステップS193)、この読み込んだ圧胴回転位相検出用カウンタ210のカウント値より圧胴の現在の回転位相ψRを求める(ステップS194)。そして、メモリM30より第2レジスタマークのY方向のずれ量Δy2を読み込み(ステップS195)、圧胴の現在の回転位相ψRに第2レジスタマークのY方向のずれ量Δy2を加算し、補正した圧胴の現在の回転位相ψR’を求める(ステップS196)。
そして、CPU201は、補正した圧胴の現在の回転位相ψR’よりあるべき版胴・ゴム胴の回転位相φmを求め(ステップS197)、版胴・ゴム胴回転位相検出用カウンタ217よりカウント値を読み込み(ステップS198)、この読み込んだ版胴・ゴム胴回転位相検出用カウンタ217のカウント値より版胴・ゴム胴の現在の回転位相φRを求める(ステップS199)。そして、ステップS197で求めたあるべき版胴・ゴム胴の回転位相φmより版胴・ゴム胴の現在の回転位相φRを減算し、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRを求め。この求めた版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRをメモリM22に書き込む(図26:ステップS200)。
次に、CPU201は、ステップS200で求めた版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRより版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値を求め(ステップS201)、メモリM33より版胴・ゴム胴の回転位相差の第2の許容値α2を読み込み(ステップS202)、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が版胴・ゴム胴の回転位相差の第2の許容値α2以下であるか否かを確認する(ステップS203)。本実施の形態において、第2の許容値α2は、版胴・ゴム胴の初期の粗い回転位相の調整(第1の見当合わせ)で用いた第1の許容値α1よりも小さな値(α2<α1)として定められている。
ここで、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が版胴・ゴム胴の回転位相差の第2の許容値α2以下でなければ(ステップS203のNO)、CPU201は、メモリM25より版胴・ゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルを読み込み(ステップS204)、またメモリM22より版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRを読み込み(ステップS205)、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルを用いて版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRより回転速度の補正値ΔVを求める(ステップS206)。
そして、CPU201は、メモリM3より基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrを読み込み(ステップS207)、基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrに回転速度の補正値ΔVを加算し、補正した版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPr’を求め(ステップS208)、この求めた補正した版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPr’を版胴・ゴム胴駆動用モータドライバ215にD/A変換器218を介して出力し(ステップS209)、ステップS170(図21)に戻って、同様動作を繰り返す。
これにより、版胴・ゴム胴駆動用モータ214の回転速度が調整され、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が版胴・ゴム胴の回転位相差の第2の許容値α2以下に合わせ込まれるようになる。
そして、版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が版胴・ゴム胴の回転位相差の第2の許容値α2以下になると(図26:ステップS203のYES)、CPU201は、メモリM3より基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrを読み込み(図27:ステップS210)、この読み込んだ版胴・ゴム胴駆動用モータの基準の回転速度VPrを版胴・ゴム胴駆動用モータドライバ215に出力し(ステップS211)、メモリM5に第2レジスタマークによる位相偏差の補正が完了したことを示す値として「1」を書き込む(ステップS212)。
CPU201は、ウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF2に達するまで、このステップS193〜S212の処理動作を繰り返すが、ステップS203において版胴・ゴム胴の現在の回転位相差ΔφRの絶対値が版胴・ゴム胴の回転位相差の第2の許容値α2以下にならない場合には、ステップS210〜S212への処理には進まない。この場合、メモリM5には第2レジスタマークによる位相偏差の補正が完了していないことを示す値として「2」が書き込まれたままとなる。
CPU201は、このステップS193〜S212の処理動作をステップS170(図21)に戻りながら繰り返すが、この処理動作中にウェブ4の巻き出し長さlが次のWGカメラの撮像位置PWG6nextに達したことを確認すると(ステップS174のYES)、ずれ量検出装置300にWGカメラの撮像指令を送信し(図28:ステップS213)、ずれ量検出装置300からの応答を待つ(ステップS214)。ずれ量検出装置300のCPU301は、駆動制御装置200からのWGカメラの撮像指令を受けて、搬送されてくるウェブ4上の被印刷物をWGカメラ304により撮像し、前述と同様にして第1レジスタマークのずれ量の検出を行う。
駆動制御装置200のCPU201は、ずれ量検出装置300から第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1が送信されてくると(ステップS214のYES)、その第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1をメモリM9およびM10に書き込み(ステップS215)、ずれ量検出装置300に第1レジスタマークのずれ量受信完了信号を送信する(ステップS216)。
そして、CPU201は、メモリM12からWGカメラの撮像位置PWG6nextを読み込み(ステップS217)、メモリM10から第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1を読み込み(ステップS218)、WGカメラの撮像位置PWG6nextおよび第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1よりWGカメラの今回の本来の撮像位置(WGカメラの撮像位置)PWG6を求め、その求めたWGカメラの撮像位置PWG6をメモリM12に上書きする(ステップS219)。
尚、上記WGカメラの今回の本来の撮像位置PWG6は第1レジスタマークがWGカメラの撮像データの中央等の基準位置に撮像されるタイミングを示し、それ以後のFFカメラでの第2レジスタマークの撮像タイミングの基準となる。
また、CPU201は、メモリM13からWGカメラ−FFカメラ間距離L1を読み込み(ステップS220)、ステップS219で求めたWGカメラの撮像位置PWG6およびWGカメラ−FFカメラ間距離L1より次のFFカメラの撮像位置PFF6を求め、その求めた次のFFカメラの撮像位置PFF6をメモリM40に最新のFFカメラの撮像位置として書き込む(ステップS221)。
そして、メモリM15より第1レジスタマーク間の基準距離M1Lrを読み込み(図29:ステップS222)、ステップS221で求めたWGカメラの撮像位置PWG6および第1レジスタマーク間の基準距離M1Lrより次のWGカメラの撮像位置PWG7nextを求めてメモリM12に上書きする(ステップS223)。
そして、メモリM41中のカウント値KをK=2とし(ステップS224)、メモリM14のK=2番目のアドレス位置から2番目のFFカメラの撮像位置PFF2(図55(b)参照)を読み込み、この読み込んだ2番目のFFカメラの撮像位置PFF2をK−1=1番目のアドレス位置に上書きする(ステップS225)。
そして、メモリM41中のカウント値Kに1を加算してK=3とし(ステップS226)、ステップS227でカウント値KがK=6となるまで、ステップS225〜S227の処理を繰り返す。これにより、図55(c)に示すように、メモリM14中のFFカメラの撮像位置PFF2〜PFF5が横にずらされ、1〜4番目のアドレス位置に書き込まれる。
CPU201は、カウント値KがK=6となると(ステップS227のYES)、メモリM40に書き込まれている最新のFFカメラの撮像位置PFF6を読み込み、この読み込んだ最新のFFカメラの撮像位置PFF6をメモリM14中の5番目のアドレス位置に書き込む(ステップS228、図55(d)参照)。そして、メモリM11中のカウント値Nに1を加算してN=7とし(ステップS229)、ステップS170(図21)に戻り、ステップS170〜S174、S175〜S178(図22,図24)、S188〜S191を経てステップS192へ至り、ステップS193(図25)〜S212(図26,図27)の処理動作を続ける。この場合、ステップS191(図24)では、メモリ14の1番目のアドレス位置に書き込まれているFFカメラの撮像位置PFF2(図55(d)参照)が読み込まれる。
CPU201は、この処理動作中、ウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF2に到達したことを確認すると(図24:ステップS192のYES)、メモリM5に書き込まれている値を読み込み(ステップS230)、メモリM5に書き込まれている値が「1」であるか否かを確認する(ステップS231)。ここで、メモリM5に書き込まれている値が「1」でなければ(ステップS231のNO)、ステップS106(図12)に戻るが、メモリM5に書き込まれている値が「1」であれば(ステップS231のYES)、第2レジスタマークによる位相偏差の補正が完了した状態にあると判断する。
このようにして、本実施の形態では、FFカメラ305で撮像された最初の被印刷物#1の画像から第2レジスタマークRM2の位置が検出されてから(図51に示すt3点)、ウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF2に達するまでの間に(図51に示すt4点)、第2レジスタマークRM2の位置に応じて版胴・ゴム胴の初期の厳密な回転位相の調整(第2の見当合わせ)が行われるものとなる。
なお、この実施の形態では、ウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF2に達するまでを限度として第2の見当合わせ(版胴・ゴム胴の初期の厳密な回転位相の調整)を行うようにしているが、図52にt2点からt3点までの区間として示すように、遅くとも、ウェブ4の巻き出し長さlが最初の被印刷物#1の印刷点到達位置PI1に達するまでの間に、第2の見当合わせを完了させるようにすればよい。
〔駆動制御装置からのずれ量検出装置への次のFFカメラの撮像指令〕
CPU201は、第2レジスタマークによる位相偏差の補正が完了している状態にあると判断すると(ステップS231のYES)、ずれ量検出装置300にFFカメラの撮像指令を送信し(図30:ステップS232)、ずれ量検出装置300からの第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2およびY方向のずれ量Δy2の送信を待つ(ステップS233)。ずれ量検出装置300のCPU301は、駆動制御装置200からのFFカメラの撮像指令を受けて、搬送されてくるウェブ4上の被印刷物をFFカメラ305により撮像し、前述と同様にして第2レジスタマークのずれ量の検出を行う。
〔駆動制御装置での次の第2レジスタマークの位置の検出(後の第2レジスタマークの位置の検出)〕
駆動制御装置200のCPU201は、ずれ量検出装置300から送信されてくる第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2およびY方向のずれ量Δy2を受信すると(ステップS233のYES)、その受信した第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2およびY方向のずれ量Δy2をメモリM29およびM30に書き込み(ステップS234)、ずれ量検出装置300に第2レジスタマークのずれ量受信完了信号を送信する(ステップS235)。
そして、CPU201は、メモリM14の1番目のアドレス位置よりFFカメラの撮像位置PFF2を読み込み(ステップS236)、FFカメラの撮像位置PFF2および第2レジスタマークのY方向のずれ量Δy2より第2レジスタマークの位置PM22を求め、その求めた第2レジスタマークの位置PM22を後の第2レジスタマークの位置(FFカメラの撮像画像から検出された今回の第2レジスタマークの位置)PM2RとしてメモリM35に書き込む(ステップS237、図56(b))参照)。
〔FFカメラまでの第2レジスタマーク間の伸縮率ηの演算〕
そして、CPU201は、メモリM34から前の第2レジスタマークの位置PM2F(PM21)を読み込み(ステップS238)、ステップS237で求めた後の第2レジスタマークの位置PM2R(PM22)から前の第2レジスタマークの位置PM2F(PM21)を減算し、第2レジスタマーク間距離M2L1を求め、この求めた第2レジスタマーク間距離M2L1をメモリM36の1番目のアドレス位置に書き込む(ステップS239:図58(a)参照)。
そして、CPU201は、メモリM37から第2レジスタマーク間の基準距離M2Lrを読み込み(図31:ステップS240)、ステップS239で求めた第2レジスタマーク間距離M2L1を基準距離M2Lrで除算し、FFカメラまでの第2レジスタマーク間の伸縮率η(η=M2L1/M2Lr)を求め、メモリM38に書き込む(ステップS241)。
〔第2レジスタマーク間の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPcの演算〕
次に、CPU201は、メモリM3より基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrを読み込み(ステップS242)、基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrにステップS241で求めたFFカメラまでの第2レジスタマーク間の伸縮率ηの逆数を乗算し、第2レジスタマーク間の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPc(VPc=VPr×1/η)を求め、メモリM39に書き込む(ステップS243)。
そして、CPU201は、メモリM35から後の第2レジスタマークの位置PM2R(PM22)を読み込み(ステップS244)、メモリM31からFFカメラ−印刷点間距離L2を読み込み(ステップS245)、後の第2レジスタマークの位置PM2R(PM22)およびFFカメラ−印刷点間距離L2より次の被印刷物#2の印刷点到達位置PI2を求め、その求めた次の被印刷物#2の印刷点到達位置PI2をメモリM32の2番目のアドレス位置に書き込む(ステップS246、図57(b)参照)。そして、メモリM28中のカウント値Mに1を加算してM=3とし(ステップS247)、ステップS248(図32)へ進む。
〔印刷中の版胴・ゴム胴の回転速度の調整〕
CPU201は、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213よりカウント値を読み込み(ステップS248)、また圧胴回転位相検出用カウンタ210よりカウント値を読み込み(ステップS249)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ213のカウント値および圧胴回転位相検出用カウンタ210のカウント値より現在のウェブ4の巻き出し長さlを求める(ステップS250)。
そして、CPU201は、メモリM12からWGカメラの撮像位置PWG7nextを読み込み(ステップS251)、現在のウェブ4の巻き出し長さlがWGカメラの撮像位置PWG7nextに達したか否かを確認する(ステップS252)。また、メモリM14の1番目のアドレス位置よりFFカメラの撮像位置PFF2を読み込み(ステップS253)、現在のウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF2に達したか否かを確認する(ステップS254)。また、メモリM32の1番目のアドレス位置より被印刷物の印刷点到達位置PI1を読み込み(ステップS255)、現在のウェブ4の巻き出し長さlが次の被印刷物の印刷点到達位置PI1に達したか否かを確認する(ステップS256)。
〔印刷点到達位置への到達〕
この例では、現在のウェブ4の巻き出し長さlはすでにFFカメラの撮像位置PFF2を過ぎており、印刷点到達位置PI1<WGカメラの撮像位置PWG7nextの関係にある(図51参照)。
このため、CPU201は、ウェブ4の巻き出し長さlが印刷点到達位置PI1に到達したことを確認すると(ステップS256のYES)、すなわち最初の被印刷物#1の印刷点Iへの到達を確認すると、メモリM39から第2レジスタマーク間の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPcを読み込み(図33:ステップS257)、この読み込んだ第2レジスタマーク間の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPcをD/A変換器218を介して版胴・ゴム胴駆動用モータドライバ215に出力し(ステップS258)、ステップS248(図32)へ戻る。
この場合、第2レジスタマーク間の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPcは、先のステップS243(図31)においてVPc=VPr×1/ηとして求められており、ηは先のステップS241(図31)においてη=M2L1/M2Lrとして求められているので、最初の第2レジスタマーク間の距離M2L1より求められた伸縮率ηに応じて、すなわち最初の被印刷物#1のFFカメラまでの伸縮率ηに応じて、版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度が調整されるものとなる。
〔WGカメラの撮像位置への到達〕
CPU201は、ウェブ4の巻き出し長さlがWGカメラの撮像位置PWG7nextに到達したことを確認すると(図32:ステップS252のYES)、ずれ量検出装置300にWGカメラの撮像指令を送信する(図34:ステップS259)。そして、ずれ量検出装置300から撮像された被印刷物の第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1が送信されてくると(ステップS260のYES)、その第1レジスタマークのX方向のずれ量Δx1およびY方向のずれ量Δy1をメモリM9およびM10に書き込み(ステップS261)、ずれ量検出装置300に第1レジスタマークのずれ量受信完了信号を送信する(ステップS262)。
そして、CPU201は、メモリM12からWGカメラの撮像位置PWG7nextを読み込み(ステップS263)、メモリM10から第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1を読み込み(ステップS264)、WGカメラの撮像位置PWG7nextおよび第1レジスタマークのY方向のずれ量Δy1よりWGカメラの今回の本来の撮像位置(WGカメラの撮像位置)PWG7を求め、その求めたWGカメラの撮像位置PWG7をメモリM12に上書きする(ステップS265)。
尚、上記WGカメラの今回の本来の撮像位置PWG7は第1レジスタマークがWGカメラの撮像データの中央等の基準位置に撮像されるタイミングを示し、それ以後のFFカメラでの第2レジスタマークの撮像タイミングの基準となる。
また、CPU201は、メモリM13からWGカメラ−FFカメラ間距離L1を読み込み(ステップS266)、ステップS265で求めたWGカメラの撮像位置PWG7およびWGカメラ−FFカメラ間距離L1より次のFFカメラの撮像位置PFF7を求め、その求めた次のFFカメラの撮像位置PFF7をメモリM40に最新のFFカメラの撮像位置として書き込む(図35:ステップS267)。
そして、メモリM15より第1レジスタマーク間の基準距離M1Lrを読み込み(ステップS268)、ステップS265で求めたWGカメラの撮像位置PWG7および第1レジスタマーク間の基準距離M1Lrより次のWGカメラの撮像位置PWG8nextを求めてメモリM12に上書きする(ステップS269)。
そして、CPU201は、メモリM41中のカウント値KをK=2とし(ステップS227)、メモリM14のK=2番目のアドレス位置から2番目のFFカメラの撮像位置PFF3(図55(d)参照)を読み込み、この読み込んだ2番目のFFカメラの撮像位置PFF3をK−1=1番目のアドレス位置に上書きする(ステップS271)。
そして、メモリM41中のカウント値Kに1を加算してK=3とし(ステップS272)、ステップS273でカウント値KがK=6となるまで、ステップS271〜S273の処理を繰り返す。これにより、図55(e)に示すように、メモリM14中のFFカメラの撮像位置PFF3〜PFF6が横にずらされ、1〜4番目のアドレス位置に書き込まれる。
CPU201は、カウント値KがK=6となると(ステップS273のYES)、メモリM40に書き込まれている最新のFFカメラの撮像位置PFF7を読み込み、この読み込んだ最新のFFカメラの撮像位置PFF7をメモリM14の5番目のアドレス位置に書き込む(ステップS274、図55(f)参照)。そして、メモリM11中のカウント値Nに1を加算してN=8とし(ステップS275)、ステップS248(図32)に戻る。
〔FFカメラの撮像位置への到達〕
CPU201は、ウェブ4の巻き出し長さlがFFカメラの撮像位置PFF3に到達したことを確認すると(図32:ステップS254のYES)、ずれ量検出装置300にFFカメラの撮像指令を送信する(図36:ステップS276)。そして、ずれ量検出装置300からの撮像された被印刷物の第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2およびY方向のずれ量Δy2を受信すると(ステップS277のYES)、その受信した第2レジスタマークのX方向のずれ量Δx2およびY方向のずれ量Δy2をメモリM29およびM30に書き込み(ステップS278)、ずれ量検出装置300に第2レジスタマークのずれ量受信完了信号を送信する(ステップS279)。
〔次の第2レジスタマークの位置の検出(次の後の第2レジスタマークの位置の検出)〕
そして、CPU201は、メモリM35に書き込まれている後の第2レジスタマークの位置PM2R(PM22)(図56(b)参照)を読み込んで、メモリM34に前の第2レジスタマークの位置PM2Fとして書き込む(ステップS280、図56(c)参照)。そして、メモリM14の1番目のアドレス位置よりFFカメラの撮像位置PFF3(図55(f)参照)を読み込み(ステップS281)、FFカメラの撮像位置PFF3および第2レジスタマークのY方向のずれ量Δy2より今回の第2レジスタマークの位置PM23を求め、その求めた第2レジスタマークの位置PM23を後の第2レジスタマークの位置PM2RとしてメモリM35に書き込む(ステップS282、図56(d))参照)。
〔FFカメラまでの次の第2レジスタマーク間の伸縮率ηの演算〕
そして、CPU201は、メモリM34から前の第2レジスタマークの位置PM2F(PM22)を読み込み(ステップS283)、ステップS282で求めた後の第2レジスタマークの位置PM2R(PM23)から前の第2レジスタマークの位置PM2F(PM22)を減算し、次の第2レジスタマーク間距離M2L2を求め、この求めた次の第2レジスタマーク間距離M2L2をメモリM36の2番目のアドレス位置に書き込む(図37:ステップS284、図58(b)参照)。
そして、CPU201は、メモリM37から第2レジスタマーク間の基準距離M2Lrを読み込み(ステップS285)、ステップS284で求めた第2レジスタマーク間距離M2L2を基準距離M2Lrで除算し、FFカメラまでの次の第2レジスタマーク間の伸縮率η(η=M2L2/M2Lr)を求め、メモリM38に書き込む(ステップS286)。
〔次の第2レジスタマーク間の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPcの演算〕
次に、CPU201は、メモリM3より基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrを読み込み(ステップS287)、基準の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPrにステップS286で求めたFFカメラまでの次の第2レジスタマーク間の伸縮率ηの逆数を乗算し、次の第2レジスタマーク間の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPc(VPc=VPr×1/η)を求め、メモリM39に書き込む(ステップS288)。
そして、CPU201は、メモリM32の2番目のアドレス位置に書き込まれている印刷点到達位置PI2(図57(b)参照)を読み込み、メモリM32の1番目のアドレス位置に書き込む(ステップS289、図57(c)参照)。そして、メモリM35から後の第2レジスタマークの位置PM2R(PM23)を読み込み(ステップS290)、メモリM31からFFカメラ−印刷点間距離L2を読み込み(ステップS291)、後の第2レジスタマークの位置PM2R(PM23)およびFFカメラ−印刷点間距離L2より次の被印刷物#3の印刷点到達位置PI3を求め、その求めた次の被印刷物#3の印刷点到達位置PI3をメモリM32の2番目のアドレス位置に書き込み(ステップS292、図57(d)参照)、ステップS248(図32)へ戻る。
この実施の形態では、ウェブ4の巻き出し長さlは、図51に示されるように、WGカメラの基準撮像位置PWGrに達した後、PWG2next→PWG3next→PWG4next→PWG5next→PFF1→PWG6next→PFF2→PI1→PWG7next→PFF3→PI2・・・・というようにその位置が変化する。すなわち、FFカメラの撮像位置PFF2に達した後は、PI→PWG→PFF→PIという位置の変化を繰り返す。このため、図32に示したフローチャートにおいて、ステップS256、S252、S254の順番で、ウェブ4の巻き出し長さlがそのステップで確認される位置に到達する毎に、上述と同様の処理動作が繰り返されるものとなる。
以上の説明から分かるように、本実施の形態によれば、WGカメラ304で被印刷物の第1レジスタマークRM1を含む領域を撮像するようにし、FFカメラ305で被印刷物の第2レジスタマークRM2を含む領域を撮像するようにし、WGカメラ304で撮像された被印刷物の画像から第1レジスタマークRM1の位置を検出するようにし、この検出した第1レジスタマークRM1の位置に応じてFFカメラ305で被印刷物を撮像するタイミングを求めるようにしているので、撮像範囲が広いWGカメラ(低分解能のカメラ)304で被印刷物(1度目の回路)の広範囲を撮像して比較的大きい第1レジスタマークRM1の大体の位置を検出し、その検出した第1レジスタマークRM1の検出位置に応じて撮像範囲が狭いFFカメラ(高分解能のカメラ)305で被印刷物(1度目の回路)の狭い範囲を撮像して小さな第2レジスタマークRM2の位置を検出するようにして、高価な高精細のカメラを複数設けることなく、各被印刷物(1度目の回路)への電子回路(2度目の回路)の印刷を正確に行うようにすることができるようになる。
また、本実施の形態によれば、最初の被印刷物#1の第1レジスタマークRM1の位置が検出されてから遅くともその第1レジスタマークRM1の位置が検出された最初の被印刷物#1のFFカメラ305による撮像が行われるまでの間に、WGカメラ304で撮像した最初の被印刷物#1の画像から検出された第1レジスタマークRM1の大体の位置に応じて版胴・ゴム胴の回転位相が調整され(初期の粗い回転位相の調整が行われ)、第2レジスタマークRM2の位置が検出されてから遅くともその第2レジスタマークRM2の位置が検出された最初の被印刷物#1がゴム胴2と圧胴3との対接点(印刷点)Iに達するまでの間に、FFカメラ305で撮像した最初の被印刷物#1の画像から検出された第2レジスタマークRM2の位置に応じて版胴・ゴム胴の回転位相が調整され(初期の厳密な回転位相の調整が行われ)、初期の版胴・ゴム胴の回転位相の調整をスムーズに行うようにして、各被印刷物(1度目の回路)への電子回路(2度目の回路)の印刷を正確に行うようにすることができるようになる。
また、本実施の形態では、図51に示されるように、PFF1−PFF2間で得られた最初の被印刷物#1の伸縮率ηから求められたVPc=VPr×1/ηが最初の被印刷物#1の印刷中の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPcとして用いられ、PFF2−PFF3間で得られた次の被印刷物#2の伸縮率ηから求められたVPc=VPr×1/ηが次の被印刷物#2の印刷中の版胴・ゴム胴駆動用モータの回転速度VPcとして用いられるというように、FFカメラまでの被印刷物の伸縮率(印刷されようとする被印刷物の伸縮率)を考慮して版胴・ゴム胴の回転数が調整されるものとなり、基材の伸縮の度合いに拘わらず、各被印刷物(1度目の回路)への電子回路(2度目の回路)の印刷を正確に重なるようにして行わせることができるようになる。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。