JP2016118763A - 液晶配向膜の製造方法、液晶素子の製造方法及び光配向用重合体組成物 - Google Patents

液晶配向膜の製造方法、液晶素子の製造方法及び光配向用重合体組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】光配向法を適用する場合に、重合体組成物を基板に塗布する際の印刷性が良好であり、かつ残像特性に優れた液晶表示素子を得ることができる液晶配向膜の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)成分及び(B)成分を含有する重合体組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記重合体組成物を塗布した基板面に光照射する工程とを含む方法により製造する。(A):下記式(1−1)で表される部分構造及び下記式(1−2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体。(B):下記式(3)で表される化合物。
Figure 2016118763

(Rは水素原子又は1価の有機基、R〜Rは水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基、Xは2価の有機基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向膜の製造方法、液晶素子の製造方法及び光配向用重合体組成物に関する。
従来、液晶素子としては、電極構造や、使用する液晶分子の物性等が異なる種々の駆動方式のものが開発されており、例えばTN(Twisted Nematic)型やSTN(Super Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型、IPS(In-Plane Switching)型、FFS(fringe field switching)型、光学補償ベント型(OCB型)等の各種液晶素子が知られている。これら液晶素子は、液晶分子を配向させるための液晶配向膜を有する。液晶配向膜の材料としては、耐熱性、機械的強度、液晶との親和性等の各種特性が良好である点から、ポリアミック酸やポリイミドなどが一般に使用されている。
液晶配向剤は通常、重合体成分が溶剤に溶解された液状の組成物として調製され、この液状の組成物を基板に塗布し加熱することにより液晶配向膜が形成される。ここで、液晶配向剤の溶剤としては、重合体を均一に溶解させるべく、例えばN−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒が一般に使用される。また、溶剤としては、液晶配向剤を基板に塗布する際の液晶配向剤の塗布性(印刷性)を良好にすること等を目的として、非プロトン性極性溶媒と共に、例えばブチルセロソルブなどといった、表面張力が比較的低い有機溶媒が併用されることがある(例えば特許文献1や特許文献2参照)。近年では、N−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンに代わる溶剤として、N−エチル−2−ピロリドン、N−ペンチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を使用することが試みられている(例えば、特許文献3参照)。
液晶配向剤によって形成された高分子薄膜に液晶配向能を付与する方法として、ラビング法に代わる技術として光配向法が提案されている。この光配向法は、基板上に形成した感放射線性の有機薄膜に対し、偏光又は非偏光の放射線を照射することによって膜に異方性を与え、これにより液晶分子の配向を制御する方法である。この方法によれば、従来のラビング法に比べて、工程内でのほこりや静電気の発生を抑制することができるため、ほこり等に起因する表示不良の発生や歩留まりの低下を抑制することが可能である。また、基板上に形成された有機薄膜に対して、液晶配向能を均一に付与できるといったメリットもある。
光配向法を適用可能な液晶配向剤としては、従来、種々のものが提案されている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4には、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られるポリイミド前駆体を含む重合体溶液を用いてポリイミド膜を形成し、このポリイミド膜表面に紫外線を照射することにより膜に液晶配向能を付与することが開示されている。
特開2010−97188号公報 特開2010−156934号公報 特開2014−63133号公報 特許第3893659号公報
液晶素子を表示装置として用いる場合の重要な表示特性の一つとして、画像の焼き付きが少ないことが要求される。例えばIPS方式やFFS方式などの水平配向型の液晶表示素子は、広い視野角特性や良好なコントラスト特性を有する一方、残留電荷の蓄積による残像(画像の焼き付き)が問題になることがある。近年、液晶表示素子の高性能化に対する要求は更に高まっており、従来一般に使用されている溶剤と同等又はそれ以上に良好な塗布性(印刷性)を示しつつ、しかも残像特性が良好な液晶表示素子を得ることが可能な技術が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、光配向法を適用する場合に、重合体組成物を基板に塗布する際の印刷性が良好であり、かつ残像特性に優れた液晶素子を得ることができる液晶配向膜の製造方法を提供することを一つの目的とする。
本発明者は、上記のような従来技術の課題を達成するべく鋭意検討した結果、光配向法を用いて液晶配向膜を製造する際に、重合体組成物に含有させる溶剤成分として特定の化合物を使用することにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明により以下の液晶配向膜の製造方法、液晶素子の製造方法及び光配向用重合体組成物が提供される。
[1]下記の(A)成分及び(B)成分を含有する重合体組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記重合体組成物を塗布した基板面に光照射する工程と、を含む液晶配向膜の製造方法。
(A)成分:下記式(1−1)で表される部分構造及び下記式(1−2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体。
(B)成分:下記式(3)で表される化合物。
Figure 2016118763
(式(1−1)及び式(1−2)中、Rは、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基であり、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。Xは2価の有機基である。)
Figure 2016118763
(式(3)中、R10は、炭素数2〜5の1価の炭化水素基、又は当該炭化水素基における炭素−炭素結合間に「−O−」を有する1価の基である。)
[2]上記[1]に記載の製造方法により一対の基板上に液晶配向膜を形成する工程と、該液晶配向膜を有する一対の基板を、液晶層を介して液晶配向膜が対向するように配置して液晶セルを構築する工程と、を含む液晶素子の製造方法。
[3]上記(A)成分及び上記(B)成分を含有する光配向用重合体組成物。
上記液晶配向膜の製造方法で使用する重合体組成物は印刷性が良好であり、しかも光配向法を適用した場合に残像特性に優れた液晶素子を得ることができる。
本発明に係る液晶配向膜は、以下に示す(A)成分及び(B)成分を含有する重合体組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程(膜形成工程)と、該重合体組成物を塗布した基板面に光照射する工程(光照射工程)と、を含む方法によって製造される。以下に詳しく説明する。
<重合体組成物>
[(A)成分]
本発明に係る重合体組成物に含有される(A)成分は、下記式(1−1)で表される部分構造及び下記式(1−2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体(以下「重合体(A)」ともいう。)である。
Figure 2016118763
(式(1−1)及び式(1−2)中、Rは、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基であり、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。Xは2価の有機基である。)
上記式(1−1)及び式(1−2)中、Rの1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、フッ素原子を有する1価の基、−Si(R(ただし、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基又はアルコキシ基である。)等が挙げられる。
ここで、本明細書において「炭化水素基」は、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基を意味する。ただし、飽和でも不飽和でもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。ただし、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。ただし、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ビニル基、アシル基、エチニル基、プロピニル基等の鎖状炭化水素基;シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基;フェニル基、メチルフェニル基、ベンジル基等の芳香族炭化水素基;などを挙げることができる。Rの1価の炭化水素基は、液晶配向性の観点から、これらの中でもアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがさらに好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
のフッ素原子を有する1価の基としては、例えばフッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基、フッ化エステル基等が挙げられる。これらの1価の基は、炭素数1〜12が好ましく、炭素数1〜4がより好ましい。基「−Si(R」におけるRは、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1又は2である。なお、式(1−1)中における2個のRは、互いに同じでも異なっていてもよい。
〜Rの1価の有機基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基、フッ化アルキルエステル基、−Si(R(ただし、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基又はアルコキシ基である。)等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。なお、R〜Rは互いに同じでも異なっていてもよい。
〜Rのアルキル基、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基、フッ化アルキルエステル基及び「−Si(R」については、上記Rの説明を適用することができる。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜12のものが好ましく、炭素数1〜4のものがより好ましい。
上記式(1−1)及び式(1−2)中のXは2価の有機基であり、その構造は特に限定されないが、重合体(A)が有する上記式(1−1)で表される部分構造及び上記式(1−2)で表される部分構造の少なくとも一部の部分構造におけるXが下記式(2)で表されることが好ましい。
Figure 2016118763
(式(2)中、Yは、単結合、エステル結合、−NR−、−CONR−(ただし、Rは水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基である。)、チオエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合又は炭素数2〜12の2価の有機基である。)
上記式(2)において、Rの炭素数1〜6の炭化水素基は、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれであってもよいが、好ましくはアルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
炭素数2〜12の2価の有機基としては、2価の炭化水素基、2価の炭化水素基の少なくとも1個のメチレン基をエステル結合、−NR−、−CONR−、チオエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カーボネート基、カルバメート基又はウレア結合で置き換えた基などが挙げられる。これらの中でも、Yは、下記式(2−1)で表される基、−NR−、又は、−NR−若しくはウレア結合を有する炭素数2〜12の2価の有機基であることが好ましい。
Figure 2016118763
(式(2−1)中、rは2〜12の整数である。)
上記重合体(A)は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体であり、シクロブタン環構造を主鎖に有する。こうした重合体(A)は、シクロブタン環構造を有するテトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル及びテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定テトラカルボン酸誘導体と、ジアミンとを反応させることにより得ることができる。
なお、重合体(A)及び特定テトラカルボン酸誘導体が有する「シクロブタン環構造」は、環部分に置換基を有する場合を含む意味である。上記式(1−1)及び式(1−2)中のXの2価の有機基は、ジアミンに由来する部分構造、すなわちジアミンから2つの1級アミノ基を取り除いた残基である。
(ポリアミック酸)
重合体(A)としてのポリアミック酸(以下「ポリアミック酸(A)」ともいう。)について、合成に使用するテトラカルボン酸二無水物は、シクロブタン環構造を有するテトラカルボン酸二無水物(以下「特定テトラカルボン酸二無水物」ともいう。)を含む。特定テトラカルボン酸二無水物は下記式(T−1)で表される。
Figure 2016118763
(式(T−1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。)
上記式(T−1)におけるR〜Rの1価の有機基の例示及び好ましい具体例については、上記式(1)中のR〜Rの説明を適用することができる。
上記式(T−1)で表される化合物の具体例としては、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1−メチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3−トリメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1−エチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジエチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1−エチル−3−メチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、下記式(T−1−1)〜式(T−1−16)のそれぞれで表される化合物などが挙げられる。
Figure 2016118763
上記特定テトラカルボン酸二無水物としては1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸(A)の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物は、特定テトラカルボン酸二無水物のみであってもよいが、シクロブタン環構造を有さないテトラカルボン酸二無水物(以下「その他のテトラカルボン酸二無水物」ともいう。)を併用してもよい。
その他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、下記式(T−2)
Figure 2016118763
(式(T−2)中、X及びXは、それぞれ独立に単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−、*−COO−、*−OCO−、*−CO−NR−、*−NR−CO−(ただし、Rは水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基である。「*」は、Rとの結合手を示す。)である。Rは、炭素数1〜10のアルカンジイル基、当該アルカンジイル基の炭素−炭素結合間に−O−を含む2価の基、シクロヘキシレン基、フェニレン基又はビフェニレン基である。)
などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
上記式(T−2)におけるRの炭素数1〜10のアルカンジイル基の具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基等が挙げられる。アルカンジイル基の炭素−炭素結合間の酸素原子の数は1個でもよく、2個以上であってもよい。
上記式(T−2)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(T−2−1)〜(T−2−6)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2016118763
なお、その他のテトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
合成に使用するその他のテトラカルボン酸二無水物としては、液晶との親和性や溶剤に対する溶解性等の観点から、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、ピロメリット酸二無水物、及び上記式(T−2)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。これらの好ましいテトラカルボン酸二無水物の使用量(2種以上使用する場合にはその合計量)は、ポリアミック酸(A)の合成に使用するその他のテトラカルボン酸二無水物の全量に対して、5モル%以上とすることが好ましく、10モル%以上とすることがより好ましく、20モル%以上とすることがさらに好ましい。
ポリアミック酸(A)の合成に際してその他のテトラカルボン酸二無水物を使用する場合、特定テトラカルボン酸二無水物の使用割合は、光配向法によって塗膜に液晶配向能が十分に付与されるようにする観点から、ポリアミック酸(A)の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の合計量に対して、30モル%以上とすることが好ましく、40モル%以上とすることがより好ましく、50モル%以上とすることがさらに好ましい。
(ジアミン)
ポリアミック酸(A)の合成に使用するジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサン等が挙げられる。当該合成に使用するジアミンは、上記式(2)で表される部分構造を有するジアミン(以下「特定ジアミン」ともいう。)を含むことが好ましい。特定ジアミンの好ましい具体例としては、例えば下記式(D−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016118763
(式(D−1)中、Yは上記式(2)と同義である。)
上記式(D−1)中のYの例示及び好ましい具体例の説明は上記式(2)のYの説明を適用することができる。アミノフェニル基における1級アミノ基は、他の基に対して3−位又は4−位にあることが好ましい。
特定ジアミンの具体例としては、例えば、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−エチニレンジアニリン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノスチルベン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア、ビス[2−(4−アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、下記式(D−1−1)及び式(D−1−2)
Figure 2016118763
のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。なお、特定ジアミンとしては1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸(A)の合成に使用するジアミンは、これらの中でも、上記式(2−1)で表される部分構造、−NR−又はウレア結合を有するジアミンを含むことが好ましい。好ましい具体例としては、下記式(D−2)で表される化合物、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレアが挙げられる。
Figure 2016118763
(式(D−2)中、rは2〜12の整数である。)
ポリアミック酸(A)の合成に際し、特定ジアミンの使用割合は、ポリアミック酸(A)の合成に使用するジアミンの合計量に対して、10モル%以上とすることが好ましく、20モル%以上とすることがより好ましく、30モル%以上とすることがさらに好ましく、40モル%以上とすることが特に好ましい。
また、上記(2−1)で表される部分構造、−NR−又はウレア結合を有するジアミンの使用割合は、ポリアミック酸(A)の合成に使用するジアミンの合計量に対して、3モル%以上とすることが好ましく、5モル%以上とすることがより好ましく、10モル%以上とすることがさらに好ましく、20モル%以上とすることが特に好ましい。
ポリアミック酸の合成に使用するジアミンは、上記特定ジアミンのみであってもよいが、特定ジアミン以外のその他のジアミンを併用してもよい。その他のジアミンは、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン及びジアミノオルガノシロキサンなどを使用することができる。それらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などを;
芳香族ジアミンとして、例えばドデカノキシジアミノベンゼン、テトラデカノキシジアミノベンゼン、ペンタデカノキシジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシジアミノベンゼン、オクタデカノキシジアミノベンゼン、コレスタニルオキシジアミノベンゼン、コレステリルオキシジアミノベンゼン、ジアミノ安息香酸コレスタニル、ジアミノ安息香酸コレステリル、ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、N−(2,4−ジアミノフェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)ベンズアミド、下記式(E−1)
Figure 2016118763
(式(E−1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、−O−、*−COO−又は*−OCO−(ただし、「*」はXとの結合手を示す。)であり、Rは炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、RIIは単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、dは0又は1である。但し、a及びbが同時に0になることはない。)
で表される化合物などの配向性基含有ジアミン:
p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、4,4’−ジアミノビフェニル−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、3,6−ジアミノアクリジン、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、下記式(D−1−3)〜式(D−1−5)
Figure 2016118763
(式(D−1−4)中、「Boc」はtert−ブトキシカルボニル基を表す。)
のそれぞれで表される化合物などを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。
上記式(E−1)における「−X−(R−XII−」で表される2価の基としては、炭素数1〜3のアルカンジイル基、*−O−、*−COO−又は*−O−C−O−(ただし、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。)であることが好ましい。基「−C2c+1」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などを挙げることができ、これらは直鎖状であることが好ましい。ジアミノフェニル基における2つのアミノ基は、他の基に対して2,4−位又は3,5−位にあることが好ましい。
上記式(E−1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(E−1−1)〜(E−1−4)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2016118763
なお、その他のジアミンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
その他のジアミンとしては、本発明の効果を好適に得る観点から、上記の中でも、上記式(D−1−4)で表される化合物、パラフェニレンジアミン及び2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリンの少なくともいずれかを含むことが好ましく、上記式(D−1−4)で表される化合物を含むことがより好ましい。これら好ましいその他のジアミンの使用割合は、ポリアミック酸(A)の合成に使用するジアミンの全量に対して、1モル%以上とすることが好ましく、3モル%以上とすることがより好ましく、5モル%以上とすることがさらに好ましい。
(ポリアミック酸の合成)
ポリアミック酸(A)は、上記のようなテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、必要に応じて分子量調整剤とともに反応させることにより得ることができる。ポリアミック酸(A)の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。
分子量調整剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸などの酸一無水物、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミンなどのモノアミン化合物、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物等を挙げることができる。分子量調整剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100質量部に対して、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下とすることがより好ましい。
ポリアミック酸(A)の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は、−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。また、反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。これらの有機溶媒のうち、非プロトン性極性溶媒及びフェノール系溶媒よりなる群(第1群の有機溶媒)から選択される1種以上、又は、第1群の有機溶媒から選択される1種以上と、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素よりなる群(第2群の有機溶媒)から選択される1種以上との混合物を使用することが好ましい。後者の場合、第2群の有機溶媒の使用割合は、第1群の有機溶媒及び第2群の有機溶媒の合計量に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。
特に好ましい有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上を溶媒として使用するか、あるいはこれらの1種以上と他の有機溶媒との混合物を、上記割合の範囲で使用することが好ましい。このとき使用する他の有機溶媒としては、例えばブチルセロソルブ、2−ブトキシ−1−プロパノール、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどが挙げられる。有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して、0.1〜50質量%になる量とすることが好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸(A)を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのまま重合体組成物の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸(A)を単離したうえで重合体組成物の調製に供してもよく、又は単離したポリアミック酸(A)を精製したうえで重合体組成物の調製に供してもよい。ポリアミック酸(A)の単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
[ポリアミック酸エステル]
本発明に係るポリアミック酸エステルは、シクロブタン環構造を主鎖に有する重合体である。こうしたポリアミック酸エステルは、例えば、[I]上記合成反応により得られたポリアミック酸(A)とエステル化剤とを反応させる方法、[II]シクロブタン環構造を有するテトラカルボン酸ジエステルと、ジアミンとを反応させる方法、[III]シクロブタン環構造を有するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物と、ジアミンとを反応させる方法、[IV]テトラカルボン酸二無水物とジアミンとエステル化剤とを有機溶媒中で反応させる方法、などによって得ることができる。
なお、本明細書において「テトラカルボン酸ジエステル」とは、テトラカルボン酸が有する4個のカルボキシル基のうち2個がエステル化され、残りの2個がカルボキシル基である化合物を意味する。「テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物」とは、テトラカルボン酸が有する4個のカルボキシル基のうち2個がエステル化され、残りの2個がハロゲン化された化合物を意味する。
方法[I]で使用するエステル化剤としては、例えば水酸基含有化合物、アセタール系化合物、ハロゲン化物、エポキシ基含有化合物等が挙げられる。これらの具体例としては、水酸基含有化合物として、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール等のフェノール類などを;アセタール系化合物として、例えばN,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジエチルアセタールなどを;ハロゲン化物として、例えば臭化メチル、臭化エチル、臭化ステアリル、塩化メチル、塩化ステアリル、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタンなどを;エポキシ基含有化合物として、例えばプロピレンオキシドなどを、それぞれ挙げることができる。
方法[II]で使用するテトラカルボン酸ジエステルは、例えば上記ポリアミック酸(A)の合成で例示したテトラカルボン酸二無水物を、メタノールやエタノール等のアルコール類を用いて開環することにより得ることができる。なお、方法[II]で使用するテトラカルボン酸ジエステルは、シクロブタン環構造を有する化合物を含み、必要に応じてシクロブタン環を有さない化合物を併用してもよい。
方法[II]で使用するジアミンとしては、ポリアミック酸の合成で例示したジアミンを挙げることができる。方法[II]の反応は、有機溶媒中、適当な脱水触媒の存在下で行うことが好ましい。有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水触媒としては、例えば4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムハライド、カルボニルイミダゾール、リン系縮合剤などが挙げられる。このときの反応温度は、−20〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
方法[III]で使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、例えば上記の如くして得たテトラカルボン酸ジエステルを、塩化チオニル等の適当な塩素化剤と反応させることにより得ることができる。なお、方法[III]で使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、シクロブタン環構造を有する化合物を含み、必要に応じてシクロブタン環を有さない化合物を併用してもよい。
方法[III]で使用するジアミンとしては、ポリアミック酸の合成で例示したジアミンを挙げることができる。方法[III]の反応は、有機溶媒中、適当な塩基の存在下で行うことが好ましい。有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン等の3級アミン;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属類などを好ましく使用することができる。このときの反応温度は、−20〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
方法[IV]は、シリル系ポリアミック酸エステルを合成する場合に好ましい。このとき使用するエステル化剤としては、例えばビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、ビス(トリメチルシリル)尿素などのシリルアミド系シリル化剤が挙げられる。
上記反応に使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に使用することができる有機溶媒の説明を適用することができる。反応温度は、−20℃〜250℃が好ましく、−10〜200℃がより好ましい。また、反応時間は、1〜20時間が好ましく、2〜15時間がより好ましい。シリル化剤の使用量は、ジアミンの使用量に対して、0.1〜3モルとすることが好ましく、0.5〜2モルとすることがより好ましい。
上記で得られたポリアミック酸エステルに対して更に、重合体末端のアミノ基と反応可能な化合物を反応させることにより、末端修飾型の重合体を合成することとしてもよい。このような末端修飾剤としては、アクリロイルクロリド、メタクリロイルクロリド、イソオキサゾール−5−カルボン酸クロリド、2−フロイルクロリド等のクロロカルボニル化合物などが挙げられる。
ポリアミック酸エステルと末端修飾剤との反応は、好ましくは塩基の存在下、有機溶媒中で行うことができる。このときの末端変性剤の使用割合は、反応に使用するジアミン1モルに対して、0.005〜0.6モルとすることが好ましく、0.01〜0.2モルとすることがより好ましい。塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン等の3級アミンを好ましく使用することができる。有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に使用することができる有機溶媒の説明を適用することができ、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンなどを好ましく使用することができる。
こうして重合体(A)としてのポリアミック酸エステルを含有する反応溶液が得られる。重合体組成物に含有させるポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。なお、ポリアミック酸エステルを溶解してなる反応溶液は、そのまま重合体組成物の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸エステルを単離したうえで重合体組成物の調製に供してもよく、又は単離したポリアミック酸エステルを精製したうえで重合体組成物の調製に供してもよい。ポリアミック酸エステルの単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
[ポリイミド]
上記重合体組成物に含有させるポリイミドは、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸(A)を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸(A)が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造とが併存する部分イミド化物であってもよい。反応に使用するポリイミドは、そのイミド化率が20%以上であることが好ましく、30〜99%であることがより好ましく、40〜99%であることが更に好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸(A)の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸(A)を加熱する方法により、又はポリアミック酸(A)を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。このうち、後者の方法によることが好ましい。
ポリアミック酸(A)の溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸(A)のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸(A)の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は、好ましくは1.0〜120時間、より好ましくは2.0〜30時間である。
このようにしてポリイミドを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、そのまま重合体組成物の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで重合体組成物の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで重合体組成物の調製に供してもよく、又は単離したポリイミドを精製したうえで重合体組成物の調製に供してもよい。これらの精製操作は公知の方法に従って行うことができる。その他、ポリイミドは、ポリアミック酸エステルのイミド化により得ることもできる。
以上のようにして得られる重合体(A)としてのポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドは、これを濃度10質量%の溶液としたときに、10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドの溶液粘度(mPa・s)は、これら重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
重合体(A)としてのポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜300,000である。また、Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。このような分子量範囲にあることで、液晶表示素子の良好な配向性及び安定性を確保することができる。
[(B)成分]
本発明に係る重合体組成物は、溶剤成分として、下記式(3)で表される化合物を含有する。
Figure 2016118763
(式(3)中、R10は、炭素数2〜5の1価の炭化水素基、又は当該炭化水素基における炭素−炭素結合間に「−O−」を有する1価の基である。)
上記式(3)で表される化合物について、R10の炭素数2〜5の1価の炭化水素基は鎖状炭化水素基であることが好ましく、例えば炭素数2〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。また、当該炭化水素基における炭素−炭素結合間に「−O−」を有する1価の基としては、例えば炭素数2〜5のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
これらの具体例としては、炭素数2〜5のアルキル基として、例えばエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などを;炭素数2〜5のアルケニル基として、例えばビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基などを;炭素数2〜5のアルキニル基として、例えばエチニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基などを;炭素数2〜5のアルコキシアルキル基として、例えばメトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基など;それぞれ挙げることができ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。R10としては、上記の中でも炭素数2〜5のアルキル基又はアルコキシアルキル基であることが好ましく、エチル基が特に好ましい。
上記式(3)で表される化合物の具体例としては、例えばN−エチル−2−ピロリドン、N−(n−プロピル)−2−ピロリドン、N−イソプロピル−2−ピロリドン、N−(n−ブチル)−2−ピロリドン、N−(t−ブチル)−2−ピロリドン、N−(n−ペンチル)−2−ピロリドン、N−メトキシプロピル−2−ピロリドン、N−エトキシエチル−2−ピロリドン、N−メトキシブチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。これらの中でも、N−エチル−2−ピロリドン、N−(n−ペンチル)−2−ピロリドン、N−(t−ブチル)−2−ピロリドン、N−メトキシプロピル−2−ピロリドンを好ましく使用することができ、N−エチル−2−ピロリドンを特に好ましく使用することができる。なお、上記式(3)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合体組成物中における上記式(3)で表される化合物の含有割合は、重合体組成物に含有される重合体成分の合計量100質量部に対して、40〜2,000質量部とすることが好ましく、50〜1,500質量部とすることがより好ましい。
[その他の成分]
本発明に係る重合体組成物は、上記の(A)成分及び(B)成分を含有するが、本発明の効果を妨げない範囲で、(A)成分及び(B)成分以外のその他の成分をさらに含有していてもよい。
(その他の溶剤)
本発明に係る重合体組成物は、必要に応じて、上記式(3)で表される化合物以外のその他の溶剤を含有していてもよい。かかるその他の溶剤としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。これらのうち、その他の溶剤としては、非プロトン性極性溶媒及びフェノール系溶媒よりなる群(有機溶媒A)から選択される1種以上と、アルコール、ケトン、エステル及びエーテルよりなる群(有機溶媒B)から選択される1種以上との混合物か、あるいは有機溶媒Bから選択される1種以上を使用することが好ましい。
その他の溶剤の具体例としては、有機溶媒Aとして、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド等を;
有機溶媒Bとして、例えば4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、1−ブトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ダイアセトンアルコール、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
本発明に係る重合体組成物がその他の溶剤を含有する場合、上記式(3)で表される化合物の配合割合(2種以上含有する場合にはその合計量)は、重合体組成物に含有される溶剤の合計100質量部に対して、10質量部以上とすることが好ましく、20質量部以上とすることがより好ましく、30質量部以上とすることがさらに好ましい。また、上記式(3)で表される化合物の含有割合の上限値は、基板に対する塗布性(印刷性)を良好にする観点から、重合体組成物に含有される溶剤の合計100質量部に対して、95質量部以下とすることが好ましく、90質量部以下とすることがより好ましい。
本発明に係る重合体組成物に、有機溶媒Aから選択される1種以上を配合する場合、有機溶媒Aの含有割合は、重合体組成物の印刷性及び液晶表示素子の残像特性の観点から、有機溶媒Aと上記式(3)で表される化合物との合計量に対して、40質量%以下とすることが好ましく、30質量%以下とすることがより好ましく、20質量%以下とすることがさらに好ましく、10質量%以下とすることが特に好ましい。
なお、重合体組成物の溶剤成分として上記式(3)で表される化合物を用いた場合、基板に対する塗布性(印刷性)を良好にできる点で好ましい。特に、連続して印刷処理を行った際にも印刷機上に重合体が析出しにくく、連続印刷性が良好である点で好ましい。
重合体組成物に配合してもよいその他の成分としては、上記のほか、例えば、上記重合体(A)以外のその他の重合体(例えばポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート、上記式(1−1)で表される部分構造及び上記式(1−2)で表される部分構造のいずれも有さないポリイミド及びその前駆体など)、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物、官能性シラン化合物、分子内に少なくとも一つのオキセタニル基を有する化合物、イミド化促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、光増感剤、光重合性化合物などが挙げられる。これらその他の成分の使用割合は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜設定することができる。
本発明に係る重合体組成物は、重合体成分として、アミノ基及びウレア結合の少なくともいずれかを有する重合体(以下、「重合体(G)」ともいう。)を含むことが好ましい。こうした重合体(G)を用いた場合にも、良好な印刷性を保持しつつ、残像低減を図ることができる。重合体(G)は、(A)成分に含まれる重合体であってもよく、その他の重合体であってもよい。重合体(G)がその他の重合体である場合、重合体(G)は、好ましくは、ポリイミド及びその前駆体よりなる群から選ばれる少なくとも一種である。重合体(G)は、例えばポリイミド前駆体又はポリイミドであれば、重合に際して、−NR−又はウレア結合を有するジアミンを用いることにより得ることができる。
重合体(G)の配合割合は、重合体組成物に含まれる重合体成分の全量(重合体(A)とその他の重合体との合計量)に対して、10質量%以上とすることが好ましく、20質量%以上とすることがより好ましく、40質量%以上とすることがさらに好ましい。
重合体(A)の配合割合は、重合体(A)とその他の重合体との合計量に対して、3質量%以上とすることが好ましく、5質量%以上とすることがより好ましく、10質量%以上とすることがさらに好ましい。
重合体組成物における固形分濃度(重合体組成物の溶媒以外の成分の合計質量が重合体組成物の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10質量%の範囲である。すなわち、重合体組成物は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、固形分濃度が1質量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、重合体組成物の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に重合体組成物を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えばスピンナー法を用いる場合には、固形分濃度が1.5〜4.5質量%の範囲であることが特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9質量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5質量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。重合体組成物を調製する際の温度は、好ましくは10〜50℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
<膜形成工程>
本発明に係る膜形成工程は、上記で調製した重合体組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程である。本工程では、所望する液晶表示素子の駆動モードに応じて使用する基板が異なる。
(1−1)例えばTN型、STN型又はVA型の液晶表示素子を製造する場合、まず、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、上記で調製した重合体組成物を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法によりそれぞれ塗布する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後、フォト・エッチングによりパターンを形成する方法;透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法;などによることができる。重合体組成物の塗布に際しては、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成する面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
重合体組成物を塗布した後、塗布した重合体組成物の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱が実施される(プレベーク工程)。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、より好ましくは40〜150℃であり、特に好ましくは40〜100℃である。プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分であり、より好ましくは0.5〜5分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、プレベーク温度よりも高温であることが好ましく、具体的には、好ましくは80〜300℃、より好ましくは120〜250℃である。ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分であり、より好ましくは10〜100分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(1−2)IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板の電極形成面と、電極が設けられていない対向基板の一面とに重合体組成物をそれぞれ塗布し、次いで各塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。このとき使用される基板及び透明導電膜の材質、塗布方法、塗布後の加熱条件、透明導電膜又は金属膜のパターニング方法、基板の前処理、並びに形成される塗膜の好ましい膜厚については上記(1−1)と同様である。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。
上記(1−1)及び(1−2)のいずれの場合も、基板上に重合体組成物を塗布した後、有機溶媒を除去することによって塗膜が形成される。このとき、塗膜形成後に更に加熱することによって、重合体組成物に配合されるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドの脱水閉環反応を進行させ、よりイミド化された塗膜としてもよい。
<光照射工程>
本発明に係る光照射工程は、重合体組成物を塗布した基板面に対して偏光又は非偏光の放射線を照射する工程である。放射線照射は、[1]ポストベーク工程後の基板面に対して照射する方法、[2]プレベーク工程後であってポストベーク工程前の基板面に対して照射する方法、[3]プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて、加熱中に基板面に対して照射する方法、などにより行うことができる。本製造方法の場合、好ましくは方法[1]である。
基板面に対して照射する放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。また、用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。放射線の照射量は、好ましくは100〜50,000J/mであり、より好ましくは300〜20,000J/mである。
<加熱工程>
本発明に係る液晶配向膜の製造方法は、基板上への塗膜の形成後であって、かつ重合体組成物を塗布した基板面への光照射後に、塗膜を加熱する工程(加熱工程)をさらに含むことが好ましい。こうした加熱工程を行うことにより、得られる液晶素子の残像特性(特に、交流電圧による残像の低減)を良好にすることができる点で好ましい。
光照射後の塗膜に対する加熱工程において、加熱温度は80℃以上とすることが好ましく、80〜300℃とすることがより好ましく、120〜250℃とすることがさらに好ましい。加熱時間は、好ましくは1〜30分であり、より好ましくは5〜15分である。なお、加熱の態様は特に制限されず、例えばホットプレート上で基板を加熱する方法、オーブン中にて基板ごと加熱する方法、などが挙げられる。
<接触工程>
本発明に係る液晶配向膜の製造方法は、基板上への塗膜の形成後であって、かつ重合体組成物を塗布した基板面への光照射後において、有機溶媒及び水よりなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤(S)と塗膜とを接触させる工程(接触工程)をさらに含むことが好ましい。こうした接触工程を行うことで、膜中の溶剤(特に上記式(3)で表される化合物)の残存量を低減でき、得られる液晶素子の残像特性を良好にできる点で好適である。また特に、上記加熱工程の前に接触工程を行うことで、加熱工程で塗膜を加熱する際の温度をさらに低く設定することが可能になる点で好ましい。
[溶剤(S)]
溶剤(S)として有機溶媒を用いる場合、該有機溶媒は、上記式(3)で表される化合物(以下「特定化合物」ともいう。)に相溶であって、かつ重合体(A)に対して貧溶又は非溶な化合物が好ましい。こうした化合物によれば、溶剤(S)との接触に起因する膜質の低下を抑制しつつ、膜中における特定化合物の残存量を低減することが可能になる。溶剤(S)としては、接触工程後の膜中での残存量をできるだけ少なくする観点から、特定化合物よりも沸点が低い化合物を好ましく使用することができる。
溶剤(S)として有機溶媒を用いる場合の具体例としては、例えばアルコール、ケトン、エステル、エーテルなどを挙げることができる。これらの好ましい具体例としては、アルコールとして、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、イソペンチルアルコール等の炭素数1〜5のアルコール;ケトンとして、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等の炭素数3〜5のケトン;エステルとして、例えば乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルメトキシプロピオネートなどの炭素数3〜5のエステル;エーテルとして、例えばジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等の炭素数4〜6のエーテル、をそれぞれ好ましい例として挙げることができる。なお、溶剤(S)は、これらの有機溶媒の1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよく、あるいは水と有機溶媒との混合溶媒を使用してもよい。
本工程で使用する溶剤(S)は、上記の中でも、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、乳酸エチル又は酢酸エチルの単一溶媒か、あるいはそれら2種以上の混合溶媒とすることが好ましい。溶剤(S)として水と有機溶媒との混合溶媒を使用する場合、溶剤(S)の全体量に対する有機溶媒の濃度を、5〜55質量%とすることが好ましく、10〜50質量%とすることがより好ましい。
基板上の液晶配向膜と溶剤(S)とを接触させる方法は特に制限されないが、例えばシャワー法、スプレー法、ディップ(浸漬)法、パドル(液盛り)法などを適用することができる。また、溶剤(S)との接触に際しては、液晶配向膜の表面の一部を溶剤(S)と接触させてもよいが、液晶配向膜の表面全体を溶剤(S)と接触させることが好ましい。このとき、液晶配向膜中の溶剤の抽出・除去の効果を高くするために、例えば基板上への溶剤(S)の供給及び接触の一連の処理を複数回行ったり、あるいはディップ法であれば溶剤(S)を撹拌又は振とうしたりすることも有効である。また、液晶配向膜と溶剤(S)とを接触させる処理を複数回行う場合には、使用する溶剤(S)を各工程で変更してもよい。例えば、接触工程として第1の接触工程及び第2の接触工程の2つの工程を実施する場合、第1の接触工程で使用する溶剤(S)よりも、第2の接触工程で使用する溶剤(S)の沸点が低くなるように溶剤(S)を選択することが好ましい。
溶剤(S)と液晶配向膜の接触時の温度は、好ましくは0〜50℃であり、より好ましくは10〜40℃である。接触時間は、好ましくは5秒〜30分であり、より好ましくは30秒〜15分である。なお、液晶配向膜との接触の際における溶剤(S)の使用量は、溶剤(S)との接触方法に応じて適宜設定することができる。
本発明に係る液晶配向膜の製造方法の具体的態様としては、例えば、[1]膜形成工程及び光照射工程を実施し、加熱工程及び接触工程を実施しない態様、[2]膜形成工程及び光照射工程の実施後、加熱工程を実施し、接触工程を実施しない態様、[3]膜形成工程及び光照射工程の実施後、接触工程を実施し、加熱工程を実施しない態様、[4]膜形成工程及び光照射工程の実施後に、加熱工程、接触工程をこの順に実施する態様、[5]膜形成工程及び光照射工程の実施後に、接触工程、加熱工程をこの順に実施する態様、などが挙げられる。これら[1]〜[5]のうち、液晶素子の残像特性をより良好にする観点から、[2]又は[5]が好ましく、[5]がより好ましい。
[液晶素子]
本発明に係る液晶素子は、上記方法を用いて形成された液晶配向膜を具備する。当該液晶素子における液晶の動作モードは特に限定されず、例えばTN型、STN型、VA型(VA−MVA型、VA−PVA型などを含む。)、IPS型、FFS型、OCB型など種々の動作モードに適用することができる。これらの中でも、IPS型やFFS型の液晶表示素子に適用した場合に交流電圧による残像の低減効果が高く、残像特性に優れた液晶表示素子が得られる点で好適である。
本発明に係る液晶素子を製造するには、まず、上記方法にて液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。第一の方法は、従来から知られている方法である。まず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせる。次いで、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、その後、注入孔を封止することにより液晶セルを製造する。
第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。この方法では、まず、液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げる。次いで、基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより液晶セルを製造する。いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
続いて、必要に応じて液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより液晶素子が得られる。液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
本発明に係る液晶素子は種々の装置に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置や、位相差フィルム、調光フィルム等に用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例及び比較例で使用した化合物の略号、及び各特性の測定方法は以下のとおりである。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
BPA:3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド
BC:ブチルセロソルブ
化合物(a−1):1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
化合物(a−2):1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
化合物(a−3):下記式(a−3)で表される化合物
化合物(a−4):上記式(T−1−7)で表される化合物
化合物(a−5):1R,2S,4S,5R−1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(下記式(a−5)で表される化合物)
化合物(b−1):1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン
化合物(b−2):上記式(D−1−4)で表される化合物
Figure 2016118763
合成例における各重合体の重量平均分子量は以下の方法により測定した。
[重合体の重量平均分子量]
重合体の重量平均分子量Mwは、以下の条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
<重合体(A)の合成>
[合成例1:重合体(A−1)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−1)を100モル部、ジアミンとして化合物(b−1)を100モル部、をNEPに溶解させ、室温で8時間反応させた。これにより、固形分濃度15質量%のポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸を重合体(A−1)とした。重合体(A−1)の重量平均分子量Mwは60,000であった。
[合成例2:重合体(A−2)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−2)を100モル部、ジアミンとして化合物(b−1)を100モル部、をNMPに溶解させ、室温で8時間反応させた。これにより、固形分濃度15質量%のポリアミック酸溶液を得た。さらに得られたポリアミック酸を135g取り、NEPを155g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を22.22g、及びピリジンを6.86g加えて、50℃で3時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を1,100gのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、1,100gのメタノールで3回洗浄し、200gのメタノールで2回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末(これを重合体(A−2)とした。)を得た。重合体(A−2)の重量平均分子量Mwは44,000であった。
[合成例3:重合体(A−3)の合成]
ジアミンとして化合物(b−1)を100モル部、及び塩基としてピリジン220モル部を加え、NMPに溶解させた。次に、このジアミン溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−3)を100モル部加え、15℃で24時間反応させた。24時間撹拌後、アクリロイルクロライドを30モル部加えて、15℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を2−プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取した。続いて、2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末(これを重合体(A−3)とした。)を得た。重合体(A−3)の重量平均分子量Mwは32,000であった。
[合成例4:重合体(A−4)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−4)を100モル部、ジアミンとして化合物(b−1)を100モル部、をNEPに溶解させ、室温で8時間反応させた。これにより、固形分濃度15質量%のポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸を重合体(A−4)とした。重合体(A−4)の重量平均分子量Mwは53,000であった。
[合成例5:重合体(A−5)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−1)を100モル部、ジアミンとして化合物(b−1)を90モル部及び1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレアを10モル部、をNEPに溶解させ、室温で8時間反応させた。これにより、固形分濃度15質量%のポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸を重合体(A−5)とした。重合体(A−5)の重量平均分子量Mwは56,000であった。
[合成例6:重合体(A−6)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−1)を100モル部、ジアミンとして化合物(b−1)を50モル部、パラフェニレンジアミンを20モル部及び4,4’−ジアミノジフェニルアミンを30モル部、をNEPに溶解させ、室温で8時間反応させた。これにより、固形分濃度15質量%のポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸を重合体(A−6)とした。重合体(A−6)の重量平均分子量Mwは43,000であった。
[合成例7:重合体(A−7)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−1)を100モル部、ジアミンとして化合物(b−1)を70モル部及び2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリンを30モル部、をNEPに溶解させ、室温で8時間反応させた。これにより、固形分濃度15質量%のポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸を重合体(A−7)とした。重合体(A−7)の重量平均分子量Mwは31,000であった。
[合成例8:重合体(A−8)の合成]
ジアミンとして化合物(b−1)を85モル部及び化合物(b−2)を15モル部、並びに塩基としてピリジン220モル部を加え、NMPに溶解させた。次に、このジアミン溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−3)を100モル部加え、15℃で24時間反応させた。24時間撹拌後、アクリロイルクロライドを30モル部加えて、15℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、2−プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末(これを重合体(A−8)とした。)を得た。重合体(A−8)の重量平均分子量Mwは37,000であった。
[合成例9:重合体(A−9)の合成]
ジアミンとして化合物(b−1)を40モル部、化合物(b−2)を10モル部及びパラフェニレンジアミンを50モル部、並びに塩基としてピリジン220モル部を加え、NMPに溶解させた。次に、このジアミン溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−3)を100モル部加え、15℃で24時間反応させた。24時間撹拌後、アクリロイルクロライドを30モル部加えて、15℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を2−プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取した。続いて、2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末(これを重合体(A−9)とした。)を得た。重合体(A−9)の重量平均分子量Mwは41,000であった。
<その他の重合体の合成>
[合成例10:重合体(G−1)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−5)を100モル部、ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルアミン 100モル部を、NEPに溶解させ、室温で8時間反応させた。これにより、固形分濃度15質量%のポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸を重合体(G−1)とした。重合体(G−1)の重量平均分子量Mwは32,000であった。
<重合体組成物の調製>
[実施例1]
(A)成分として重合体(A−1)を15質量%含むNEP溶液40gに、(B)成分としてNEPを31.8g、及びその他の溶剤としてBCを28.2g加え、室温で1時間撹拌し重合体組成物(B−1)を得た。
[実施例2]
(A)成分として重合体(A−2)6gに、(B)成分としてNEPを65.8g、及びその他の溶剤としてBCを28.2g加え、室温で24時間撹拌し重合体組成物(B−2)を得た。
[実施例3]
(A)成分として重合体(A−3)6gに、(B)成分としてNEPを56.4g、並びにその他の溶剤としてNMPを18.8g及びBCを18.8g加え、室温で24時間撹拌し重合体組成物(B−3)を得た。
[実施例4]
(A)成分として重合体(A−4)を15質量%含むNEP溶液40gに、(B)成分としてNEPを31.8g、及びその他の溶剤としてBCを28.2g加え、室温で1時間撹拌し重合体組成物(B−4)を得た。
[実施例5]
(A)成分として重合体(A−5)を15質量%含むNEP溶液40gに、(B)成分としてNEPを41.2g、及びその他の溶剤としてBCを18.8g加え、室温で1時間撹拌し重合体組成物(B−5)を得た。
[実施例6]
(A)成分として重合体(A−6)を15質量%含むNEP溶液40gに、(B)成分としてNEPを31.8g、及びその他の溶剤としてBCを28.2g加え、室温で1時間撹拌し重合体組成物(B−6)を得た。
[実施例7]
(A)成分として重合体(A−7)を15質量%含むNEP溶液20g、及び重合体(A−8)3gに、(B)成分としてNEPを30.0g、及びその他の溶剤としてBCを47.0g加え、室温で24時間撹拌し重合体組成物(B−7)を得た。
[実施例8]
(A)成分として重合体(A−9)3g、及びその他の重合体として重合体(G−1)を15質量%含むNEP溶液20gに、(B)成分としてNEPを30.0g、及びその他の溶剤としてBCを47.0g加え、室温で24時間撹拌し重合体組成物(B−8)を得た。
[比較例1]
(A)成分として重合体(A−3)6gに、その他の溶剤としてNMPを65.8g及びBCを28.2g加え、室温で24時間撹拌し重合体組成物(R−1)を得た。
[比較例2]
(A)成分として重合体(A−3)6gに、その他の溶剤としてBPAを65.8g及びBCを28.2g加え、室温で24時間撹拌し重合体組成物(R−2)を得た。
[実施例9]
<印刷性の評価>
上記で調製した重合体組成物(B−1)を用いて、基板への印刷を長時間連続して行った場合の印刷性(連続印刷性)について評価した。評価は以下のようにして行った。まず、調製した重合体組成物につき、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機株式会社製、オングストローマー形式「S40L−532」)を用いて、アニロックスロールへの重合体組成物の滴下量を往復20滴(約0.2g)の条件にて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布した。基板への塗布は、1分間隔で新しい基板を用いながら20回実施した。続いて、重合体組成物を1分間隔でアニロックスロール上にディスペンス(片道)し、その都度、アニロックスロールと印刷版とを接触させる作業(以下、空運転という)を合計10回行った(この間、ガラス基板への印刷は行わない)。なお、この空運転は、液晶表示素子の実際の製造プロセスにおいて行われるものではなく、印刷を意図的に過酷な状況下で実施するようにするために行った操作である。
10回の空運転の後、ガラス基板を用いて本印刷を行った。本印刷では、空運転後、基板を30秒間隔で5枚投入し、重合体組成物を塗布した後のそれぞれの基板を80℃で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、200℃で10分間加熱(ポストベーク)して、膜厚約80nmの塗膜を形成した。この塗膜を倍率20倍の顕微鏡で観察することにより印刷性を評価した。評価は、空運転後の本印刷1回目からポリイミドの析出が観察されない場合を良好(○)、空運転後の本印刷1回目ではポリイミドの析出が観察されるが、本印刷を5回実施する間にポリイミドの析出が観察されなくなる場合を可(△)、本印刷を5回繰り返した後においてもポリイミドの析出が観察される場合を不良(×) として行った。なお、印刷性が良好な液晶配向剤は、連続で基板を投入している間に重合体の析出が良化(消失)することが実験により分かっている。その評価結果、この実施例では印刷性「良好」の評価であった。
<光照射処理により配向処理した液晶表示素子の製造>
櫛歯状にパターニングされたクロムからなる2系統の金属電極(電極A及び電極B)を有し、それら電極A及び電極Bに対して独立に電圧の印加が可能なガラス基板を準備した。このガラス基板と、電極が設けられていない対向ガラス基板とを一対とし、ガラス基板の電極を有する面と対向ガラス基板の一面とに、上記で調製した重合体組成物(B−1)を、スピンコーターを用いてそれぞれ塗布した。次いで、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行い、庫内を窒素置換したオーブンにて230℃で1時間加熱(ポストベーク)した。その後、重合体組成物を塗布した側の基板表面に対し、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて偏光紫外線を10,000J/mの照射量で基板面の垂直方向から照射した。さらに、溶剤(S)との接触工程として、基板を乳酸エチルに3分間浸漬し、次いで純水中に1分間浸漬した。次いで、加熱工程として、230℃のホットプレート上で5分間加熱した。これにより、膜厚0.1μmの液晶配向膜を有する一対の基板を得た。
次いで、一対の基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、偏光紫外線を照射した際の各基板の向きが逆になるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口より基板間の間隙に、メルク社製液晶「MLC−7028」を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の偏光紫外線の光軸の基板面への射影方向と直交するように貼り合わせることにより液晶表示素子を製造した。
<AC残像の評価>
上記で製造した液晶表示素子を用いてAC残像特性(焼き付き特性)を評価した。まず、液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下におき、電極Bには電圧をかけずに、電極Aに交流電圧4Vを2時間印加した。その直後、電極A及び電極Bの双方に交流4Vの電圧を印加した。両電極に交流4Vの電圧を印加し始めた時点から、電極A及び電極Bの光透過性の差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定した。この時間が30秒未満であった場合にAC残像特性「優(◎)」、30秒以上60秒未満であった場合に焼き付き特性「良(○)」、60秒以上100秒未満であった場合に焼き付き特性「可(△)」、100秒以上であった場合に焼き付き特性「不可(×)」とした。その結果、この液晶表示素子は焼き付き特性が「優」であった。
[実施例10]
使用する重合体組成物を(B−2)に変更したほかは上記実施例9と同様にして印刷性の評価を行った。液晶表示素子の製造については、重合体組成物を塗布した側の基板表面に対し、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて偏光紫外線を20,000J/mの照射量で基板面の垂直方向から照射し、膜厚0.1μmの液晶配向膜を有する一対の基板を得た以外は上記実施例9と同様にして評価を行った。なお、この実施例10では、偏光紫外線を照射した後に塗膜を溶剤(S)に接触させる処理及びその後の加熱処理は行わなかった。この実施例における印刷性の評価は「良好」、AC残像特性の評価は「良」であった。
[実施例11,13,14,及び比較例3,4]
使用する重合体組成物を下記表1の通り変更したほかは上記実施例9と同様にして評価を行った。それらの結果を下記表1に示した。
[実施例12,15,16]
使用する重合体組成物の種類をそれぞれ下記表1のとおり変更したほかは、上記実施例9と同様にして印刷性の評価を行った。液晶表示素子の製造については、偏光紫外線の照射量を2,000J/mに変更した点、偏光紫外線を照射した後に塗膜を溶剤(S)に接触させる処理を行わなかった点、及び偏光紫外線照射後の加熱処理における加熱時間を10分間に変更した点以外は上記実施例9と同様にして液晶配向膜を作製し、各種評価を行った。それらの評価結果を下記表1に示した。
Figure 2016118763
表1中、(A)成分及びその他の重合体の欄の括弧内の数値は、重合体組成物の調製に使用した重合体成分の合計100質量部に対する各化合物の使用割合(質量部)を示す。溶剤組成の欄の数値は、重合体組成物の調製に使用した溶剤の合計100質量部に対する各化合物の使用割合(質量部)を示す。
表1に示したように、上記式(3)で表される化合物を含む重合体組成物を用いた実施例9〜16では、重合体組成物の印刷性はいずれも良好であり、また液晶表示素子の残像特性は「優」又は「良」の評価であった。特に、光照射後の溶剤(S)との接触処理、及び光照射後の加熱処理の少なくともいずれかを実施した実施例9,11〜16では、液晶表示素子の残像特性において優れた評価であった。これに対し、比較例では、印刷性及び残像特性のいずれかが実施例よりも劣っていた。

Claims (8)

  1. 下記の(A)成分及び(B)成分を含有する重合体組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記重合体組成物を塗布した基板面に光照射する工程と、を含む液晶配向膜の製造方法。
    (A)成分:下記式(1−1)で表される部分構造及び下記式(1−2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体。
    (B)成分:下記式(3)で表される化合物。
    Figure 2016118763
    (式(1−1)及び式(1−2)中、Rは、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基であり、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。Xは2価の有機基である。)
    Figure 2016118763
    (式(3)中、R10は、炭素数2〜5の1価の炭化水素基、又は当該炭化水素基における炭素−炭素結合間に「−O−」を有する1価の基である。)
  2. 前記塗膜の形成後かつ前記基板面への光照射後に前記塗膜を加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の液晶配向膜の製造方法。
  3. 前記塗膜の形成後かつ前記基板面への光照射後において、有機溶媒及び水よりなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤(S)と前記塗膜とを接触させる工程をさらに含む、請求項1に記載の液晶配向膜の製造方法。
  4. 前記塗膜の形成後かつ前記基板面への光照射後に前記塗膜を加熱する工程をさらに含み、
    前記溶剤(S)と前記塗膜とを接触させる工程は、前記塗膜の形成後かつ前記基板面への光照射後であって、前記塗膜を加熱する前に実施される工程である、請求項3に記載の液晶配向膜の製造方法。
  5. 前記Xは、下記式(2)で表される基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向膜の製造方法。
    Figure 2016118763
    (式(2)中、Yは、単結合、エステル結合、−NR−、−CONR−(ただし、Rは水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基である。)、チオエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合又は炭素数2〜12の2価の有機基である。)
  6. 前記(B)成分の含有割合は、前記重合体組成物に含まれる溶剤の合計100質量部に対して10質量部以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向膜の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により一対の基板上に液晶配向膜を形成する工程と、前記液晶配向膜を有する一対の基板を、液晶層を介して前記液晶配向膜が対向するように配置して液晶セルを構築する工程と、を含む液晶素子の製造方法。
  8. 下記の(A)成分及び(B)成分を含有する光配向用重合体組成物。
    (A)成分:下記式(1−1)で表される部分構造及び下記式(1−2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体。
    (B)成分:下記式(3)で表される化合物。
    Figure 2016118763
    (式(1−1)及び式(1−2)中、Rは、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基であり、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。Xは2価の有機基である。)
    Figure 2016118763
    (式(3)中、R10は、炭素数2〜5の1価の炭化水素基、又は当該炭化水素基における炭素−炭素結合間に「−O−」を有する1価の基である。)
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