JP2016116658A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】親水性不織布からなるコアラップシートを用いて、柔らかな肌触りと同時に、インジケータの不要な変色等の変化を防止しインジケータの信頼性を高めて、安心して使用できる吸収性物品を提供する。【解決手段】裏面シート2と前記吸収体3との間には、液との接触により視認可能な変化をするインジケータ部6が配設され、吸収体3は親水性繊維及び高吸収性ポリマーを有する吸収性コア4と、親水性不織布からなるコアラップシート5とを備えており、コアラップシート5は、非肌当接面側において両端部による重なり部53を形成して吸収性コア4を包んでおり、重なり部53は非肌当接面側に位置する端部に不織布の繊維が起毛された起毛部7を備え、起毛部7を備える領域が、インジケータ部6と重なる配置とされており、重なり部53は接着剤で接合され、重なり部53の起毛部7を備える領域の面積に対する接着剤の塗工面積率が50%以下である吸収性物品。【選択図】図1

Description

本発明は、使い捨ておむつや尿とりパッド等の吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる吸収体として、パルプ等の親水性繊維及び高吸収性ポリマーを混合積繊した吸収性コアと、これを包んで該吸収性コアの保形性を保つ親水性のコアラップシートとからなるものがある。コアラップシートの素材には薄葉紙や親水性不織布等が用いられる。このような吸収体についてこれまでいくつかの提案がなされてきた。
例えば、特許文献1には、交換時期を知らせるインジケータ付きの吸収性物品において、吸収性コアとして高坪量部と低坪量部とを有するものが記載されている。該吸収性コアの高坪量部と低坪量部とは、少量の排泄でもインジケータが変色するよう、インジケータの延びる方向に沿って交互配置されている。
特許文献2には、吸液性混合物と不織布とをティッシュペーパーで被覆した吸収体が記載されている。前記不織布は、摩擦等で毛羽立ちが生じやすくなるよう、引張強度に異方性を有するものを用いている。
また、特許文献3には、パルプ層、高吸収ポリマーの層及び繊維シートをコアラップシートで被覆した吸収体が記載されている。該繊維シートは、高吸収ポリマーを含む吸収材料を担持するために、起毛領域を前面に分散配置させている。
特開2013−255559号公報 特開2008−142424号公報 特開2013−5880号公報
従来のインジケータ付きの吸収性物品では、吸収性コアが高吸収性ポリマーを含む場合に、物品の使用前に誤ってインジケータの変色が生じることがある。これは、高吸収性ポリマーが大気中の水分を吸湿しやすく、使用前から水分を含んでしまうことによる。吸収体内部において、高吸収性ポリマーが水分を含んだ状態で吸収性コアの積繊体からこぼれ、コアラップシートを介してインジケータに強く押し当てられると、この水分が滲み出てインジケータを変色させる。
例えば、使い捨ておむつ等は折り畳まれて包装袋に密に詰め込まれて販売されるので、吸収体がインジケータに強く押し当てられやすく、使用前にも拘らず点状の変色等の変化が生じることがある。さらに、この使い捨ておむつを包装袋から取り出した後でも、使用までの湿度状態及び保管状態によっては、同様に点状の変色等の変化が生じることがある。この変色等が極微小である場合は、インジケータの機能が損なわれるわけではない。しかし、このことが、使用者に対し、販売時点での製品の衛生上ないし品質上の誤解や不安を与えかねない。このような不安を払拭し、安心し信頼して使用してもらうためには、このような変色等は避けなければならない。
通常、コアラップシートが薄葉紙等の紙素材であればある程度の保水性を有するため、上記の水分の影響をある程度までは防ぐことができる。しかし、コアラップシートが、親水性不織布であると、透水性はあっても保水性に乏しい。
一方で、不織布は、吸収性コアを被覆するコアラップシートとしては、吸収体を組み込んだ吸収性物品の肌触りの柔らかさや破れ防止の観点から特に好まれて用いられる。そのため、親水性不織布をコアラップシートとして用いた場合に、高吸収性ポリマーに含まれる微少水分によるインジケータへの影響を防止することが強く望まれる。
したがって、本発明は、親水性不織布からなるコアラップシートを用いて、柔らかな肌触りと同時に、インジケータの不要な変色等の変化を防止しインジケータの信頼性を高めた、安心して使用できる吸収性物品に関する。
本発明は、肌当接面側に配置された表面シート、非肌当接面側に配置された裏面シート、及び両シート間に介在配置された吸収体を備えた吸収性物品であって、前記裏面シートと前記吸収体との間には、液との接触により視認可能な変化をするインジケータ部が配設され、前記吸収体は、親水性繊維及び高吸収性ポリマーを有する吸収性コアと、該吸収性コアを覆う、親水性不織布からなる1枚のコアラップシートとを備えており、前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌当接面側から側部を経て非肌当接面側を覆い、該非肌当接面側において、前記コアラップシートの両端部による重なり部を形成して前記吸収性コアを包んでおり、前記重なり部は、前記コアラップシートの両端部のうち少なくとも非肌当接面側に位置する端部に、前記不織布の繊維が起毛された起毛部を備え、前記重なり部の起毛部を備える領域が、前記インジケータ部と重なる配置とされており、コアラップシートの前記重なり部は接着剤で接合され、該重なり部の起毛部を備える領域の面積に対する前記接着剤の塗工面積率が50%以下である吸収性物品を提供する。
本発明の吸収性物品は、親水性不織布からなるコアラップシートを用いて、柔らかな肌触りと同時に、インジケータの不要な変色等の変化を防止しインジケータの信頼性を高めて、安心して使用することができる。
本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態としての展開型使い捨ておむつを展開させ伸長させた状態で非肌当接面側から見た状態を模式的に示した一部切欠平面図である。 図1のII−II線断面の断面図である。 不織布の起毛繊維の本数を測定する方法を模式的に示した説明図であり、(A)は不織布を山折りした状態を示す図であり、(B)は(A)の不織布に窓付きの黒い台紙を重ねた状態を示す図であり、(C)は黒い台紙の窓から起毛繊維を観察する様子を示す図である。 起毛部の配設領域の別の好ましい態様を裏面シート側から平面視したい状態を模式的に示した平面図である。 起毛部の配設領域のさらに別の好ましい態様を裏面シート側から平面視したい状態を模式的に示した平面図である。 起毛部の配設領域のさらに別の好ましい態様を裏面シート側から平面視したい状態を模式的に示した平面図である。 本実施形態に用いられる吸収体について別の好ましい態様を模式的に示した一部拡大断面図である。 裏面シートと吸収体とを接合する接着剤の塗工領域として好ましい態様を裏面シート側から平面視した状態を模式的に示した平面図である。 起毛部加工工程の1具体例を示す図であり、(A)は部分延伸加工を示し、(B)は部分延伸加工における一対の凹凸ロールの噛み合わせ状態を部分的に拡大して示した断面図であり、(C)は起毛加工を示し、(D)は(C)において符号d1の円で示す部分を拡大して示した模式図である。
本発明に係る吸収性物品の好ましい1実施形態として、展開型使い捨ておむつ10(以下、単におむつ10ともいう。)について図面を参照して以下に説明する。
本明細書においては、特に断らない限り、相対的に人体に接触する側を肌当接面側、肌面側又は表面といい、これと反対側を非肌当接面側、非肌面側又は裏面という。着用時に人体の腹側に位置する方向を前方、その端部を前端部といい、背側又は臀部側に位置する方向を後方、その端部を後端部という。また、吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向といいその量を厚さという。さらに、吸収性物品を展開した状態で、平面視した際の、腹側部から股下部を経て背側部に至る方向を長手方向(Y方向)といい、この長手方向と直交する方向を幅方向(X方向)という。前記長手方向は装着状態において人体の前後方向と一致する。
図1及び2に示すように、本実施形態の展開型使い捨ておむつ10は、肌当接面側に配置された液透過性の表面シート1、非肌当接面側に配置された透湿性かつ液不透過性の裏面シート2、及び該両シートの間に介在される吸収体3を具備する。さらに、裏面シート2の非肌当接面側に不織布からなる外装シート8を有する。これにより外表面を柔らかな肌触りとしている。一方、表面シート1の長手方向の両側に一対のサイドシート9,9を有する。サイドシート9の幅方向の内方自由端に弾性部材91,91を伸長状態で配置して防漏カフ92が形成されている。サイドシート9,9の幅方向外方に弾性部材93,93を配置してレックギャザーが形成されている。この構成で一体化されたおむつ10は、展開状態で長手方向(Y方向)に、着用者の腹側、股下及び背側に対応する、腹側部F、股下部C及び背側部Rに区部できる。全体として、股下部Cが幅方向内方に括れた砂時計の形状である。背側部R及び腹側部Fは、幅方向に延出した背側フラップ部17及び腹側フラップ部18を有する。背側フラップ17には、装着時の外装シート8の腹側部Fにあたる部位への固定部材であるファスニンングテープ19,19が配設されている。
本実施形態において、吸収体3と裏面シート2との間には、液との接触を調節する起毛部7に対応して配置された、液との接触により色等が視認可能な変化をするインジケータ部6を有する。このインジケータ部6の変化は、おむつ10の装着状態で外側から視認可能であり、排尿等に伴うおむつ10の交換時期を知らせることができる。なお、この「視認可能な変化」とは、液との接触で、ある色から他の色への色変化、有色から無色への色消失、無色から有色への色発現を含む意味である。
インジケータ部6は、適切なタイミングで視認可能な変化をし、外側から視認可能となるよう、股下部Cを中心に長手方向に沿って形成されている。本実施形態では、吸収体3の幅方向中央付近に3条のインジケータ部6(6a,6b,6c)が股下部Cから腹側部F及び背側部Rに及んで配されている。より具体的には、インジケータ部6bがおむつ10の幅方向(X方向)中心線C1付近に配置され、その左右幅方向へ等間隔に離間してインジケータ部6a及び6cは配置されている。このインジケータ部6aからインジケータ部6cまでが、吸収体3の幅H1に対して、幅H3の範囲で配設されている。また、各インジケータ部6は、吸収体3の長さT1よりも短く、液を最も受け取る股下部Cを中心に長さT3で配設されている。この長さT3は、おむつ10を装着した状態で外側からみてインジケータ部6を目視できる位置までの長さである。この3条のインジケータ部6aから6cが配設された領域をインジケータ領域61とする。なお、インジケータ部6の配設数や配設間隔は、本実施形態のものに限定されず、用途や物品の大きさ等により必要により任意に設定できる。この設定に合わせてインジケータ領域61の範囲も変わる。
インジケータ部6は、例えばpHの変化によって色が変化する呈色指示薬を含む親水性組成物を用いて形成される。また、インジケータ部6は、前記呈色指示薬と粘着性物質との混合物を含有するホットメルト組成物からなることが好ましい。前記粘着性物質によって、前記呈色指示薬が塗布面に固定化され呈色指示薬の他部材への付着や吸収体への染み込みを防止できる。インジケータ部6の配設方法は、この種の物品に用いられる方法を採用できる。例えば、前記組成物等の変色可能な剤を裏面シート2の非肌当接面に直接塗布する方法や、上記の剤を塗布又は含浸させたティッシュペーパーや親水性不織布等のシート部材を配置する方法等が挙げられる。
インジケータ部6の肌当接面側には、吸収体3が積層されており、吸収体3を構成するコアラップシート5の厚みのある重なり部53と嵩高い起毛部7が対応して配置されている。これにより、おむつ10の使用前における、インジケータ部6の不要な変色等を防止する。この構成とその作用について以下に詳述する。
吸収体3は、図2に示すように、液を吸収保持する吸収性コア4と、親水性不織布からなる1枚のコアラップシート5とからなる。吸収性コア4は親水性繊維41及び高吸収性ポリマー42を含有して混合積繊させたものである。コアラップシート5は、吸収性コア4の形状を保持するためその外面を覆っている。具体的には、コアラップシート5は、吸収性コア4の肌当接面側から側部を経て非肌当接面側を覆っている。このときコアラップシート5は、非肌当接面側において、コアラップシート5の両端部51及び52による重なり部53を形成して吸収性コア4を包んでいる。この両端部51及び52は、吸収性コア4をラップして固定するための幅を有する領域で、前述のインジケータ部6の配設領域を十分に覆い得る幅を有する。コアラップシート5が不織布からなることで、吸収体3の保形性が高まると同時に、おむつ10を表面シート1側から触ったときの柔らかさが向上する。
重なり部53は、両端部51及び52をホットメルト型等の接着剤により接合して形成されており、シート2枚分の厚みを有する。前記接着剤により、重なり部53の端部同士の積層がずれずに、吸収性コア4とインジケータ部6との間の距離を保持する。
重なり部53は、厚みのある部分として、インジケータ部6の領域61を覆っている。本実施形態では、吸収体3の幅方向の中央において幅H2で、長手方向(Y方向)に沿って形成されている。重なり部53は、コアラップシート5の長手方向(Y方向)の全長T1に亘って形成されている。この長さT1は、吸収体3の長手方向(Y方向)の全長に一致する。重なり部53の幅H2及び長手方向の長さT1は、インジケータ部6の配置される領域61を十分に覆うことができる幅及び長さである。
重なり部53は、さらに、嵩高い起毛部7を有する。起毛部7は、コアラップシート5をなす不織布の繊維が複数毛羽立った嵩高い部分である。繊維の毛羽立ちで繊維密度の粗な層となって、厚みのある重なり部53をさらに嵩高くする。これにより、吸収性コア4とインジケータ部6との間を距離がさらに広がり、インジケータ部6とコアラップシート5との接触面積が抑えられる。
起毛部7は、コアラップシート5の両端部51及び52のうち少なくとも非肌当接面側に位置する端部51に配されている(端部51に配される起毛部を他端部52の起毛部と区別して起毛部7Aともいう。)。図2に示す本実施形態では、非肌当接面側に位置する端部51に起毛部7Aが配されている。起毛部7Aは、端部51の非肌当接面及び肌当接面のいずれか一方の面でもよく両面にあってもよい。図2に示す本実施形態では、端部51の非肌当接面側に起毛部7Aが配設されている。
起毛部7は、インジケータ部6を覆う範囲に形成される。すなわち、重なり部53の起毛部7を備えた領域53Aが、インジケータ部6と重なる配置とされている。本実施形態では、起毛部7は、重なり部53の幅H2と一致する幅で、股下部Cを中心に、インジケータ部6の長手方向(Y方向)の長さT3よりやや長い長さT2で配されている。この起毛部7の配設領域が前述の領域53Aとなる。
このように、厚みのある重なり部53の、嵩高で粗な起毛部7を備えた領域53Aが、前述のインジケータ部6と重なる配置とされている。この領域53Aが、おむつ10の使用前における、微少水分のインジケータ部6への移行を防ぐ。領域53Aの作用について以下に説明する。
領域53Aは、起毛部7の毛羽立ちと重なり部53とが組み合わさった厚みを有する。しかも、起毛部7では、繊維の毛羽立ちがブラシのようにして吸収性コア4と吸収体3の外側にあるインジケータ部6との距離を保つことができる。これにより、高吸収性ポリマー42の微少水分の移行(滲出)は、重なり部53の厚みと起毛部7の毛羽立ちによる物理的な距離により抑制される。その結果、おむつ10の使用前における、インジケータ部6の不要な変色等が防止できる。また、起毛部7が、外部からの押圧力による部材間の接触面積を低減し、密着を回避し得る。これはシートの平滑面が単に重なっただけでは生じえない作用である。例えば、起毛部7が重なり部53の非肌当接面側の端部51にある場合、吸収性コア4が他方の端部52に当接しても、端部52とインジケータ部6の間に距離ができる。これは起毛部7Aが端部51の非肌当接面及び肌当接面のいずれの面にあっても同様である。これにより、おむつ10が包装のために折り畳まれて圧縮される圧力がかかっても、吸収性コア4は、重なり部53を介してインジケータ部6との密着が回避される。
このように、重なり部53のシート厚みと起毛部7の毛羽立ち厚みとの組み合わせが、圧縮による微少水分の移行を妨げる距離を保持する。特に、少なくとも非肌当接面側の端部51にある起毛部7Aが、直接的にコアラップシート5の平面とインジケータ部6とを離間させ接触面積を低減できる。その結果、おむつ10の使用前に、僅かに水分を含んだ高吸収性ポリマー42が重なり部53の端部52に付着しても、この微少水分がインジケータ部6に移行し難くなる。このような起毛部7としては、非肌当接面側の端部51の起毛部7Aに加え、さらに他方の端部52に起毛部7Bがあると(図示せず)、上記の作用がさらに効果的なものとなる。この場合の起毛部7Bも起毛部7Aと同様に、端部52の非肌当接面及び肌当接面のいずれの面にあってもよい。
一方、起毛部7は、おむつ10の使用時には、通常の排尿等の透過を阻害することなく、吸収体3からタイミングよくインジケータ部6へと移行させることができる。これにより、おむつ交換時期を知らせるインジケータ部6の変色がタイミングよく生じる。これは、起毛部7が、親水性不織布を構成する繊維からなり、毛羽立ち繊維の粗な層であることにより、前述の、使用前における微少水分の移行防止と両立して実現される。すなわち、起毛部7は、使用前は、繊維の粗な層でインジケータ部6が吸収性コア4と密着しがたい物理的な距離を保ち、微少水分の移行を防ぐ。一方、おむつ10の使用時には、親水性の粗な層が使用時の多量の排尿等を特に阻害することなくインジケータ部6へと移行させる。
このような起毛部7が配設された重なり部53には、前述のとおり、端部51と端部52とがホットメルト型等の接着剤で接合されている。しかし、該接着剤の塗工面積は、前記作用を奏する起毛部7の毛羽立ちが十分維持されるよう、小さく抑えられている。具体的には、重なり部53の起毛部7を備える領域53Aの面積に対する、接着剤の塗工面積率が50%以下とされている。前記塗工面積率は、より好ましくは45%以下であり、更に好ましくは40%以下である。一方、端部51と端部52との接合強度を確保する観点から、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上が更に好ましい。
上記の塗工面積率の測定は次の方法により行う。
コアラップシート5より重なり部53全体を含むように試験片を切り取る。該試験片にトナーを散布して接着剤を色付けした後、重なり部53の一部を所定のサイズに切り取り色づけられた部分の面積を測定する。色づけされた部分の面積を切り取った所定のサイズの面積で除することで、塗工面積率が得られる。
接着剤は、上記の塗工面積率で、塗工面の領域内に非塗工部を複数介在させてパターン塗工されることが好ましい。これにより、塗工面全体の接合強度を確保しつつ、塗工面内に起毛を存続させる部分を塗工面内に残すことができる。これにより、起毛部7のある領域53Aにおいて、端部51及び52の剥離し難い強固な接合と起毛部7の毛羽立ちとを両立できる。上記の塗工パターンとしては、例えば、線状、スパイラル状、Ω字状、サミット状等が挙げられる。また、ホットメルト型接着剤の素地としてもこの種の物品に用いられるものを特に制限なく採用できる。例えば、オレフィン系、ゴム系、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系が挙げられる。
起毛部7は、上記の接着剤が塗工された状態で、後述の方法によって測定した繊維の本数が5本/cm以上となる部分である。また、起毛部7は、繊維の本数が10本/以上であることが好ましく、15本以上であることがより好ましい。また、その上限は、コアラップシート5をなす不織布が着用者の大腿部によるせん断応力にも耐え得る破断強度を保持する観点から、30本以下が好ましく、25本以下がより好ましく、20本以下が更に好ましい。
起毛した構成繊維の本数の測定は以下のように行う。
サンプリングおよび測定環境は22℃65%Rh環境下にて行う。
まず、測定する重なり部53の領域53Aを鋭利な刃物(かみそり)で、20cm×5cmの測定片を切り出し、図3(A)に示すように、測定片を起毛側が外向きになるように山折り(図3(A)の矢印の方向)して測定サンプル104を形成する。但し、起毛部7A及び/または7Bが測定する重なり部53の前記接着剤塗工面にある場合には、ドライヤー等による加熱もしくはコールドスプレー等による冷却により該接着剤の接着能力を消失させた上で重なり部53の重なり状態を解消して測定サンプル104を形成する。次に、この測定サンプル104をA4サイズの黒い台紙の上に載せ、図3(B)に示すように、さらにその上に、縦1cm×横1cmの窓107をあけたA4サイズの黒い台紙を重ねる。このとき、図3(B)に示すように、測定サンプル104の折り目105が、上側の黒い台紙の窓107から見えるように配置する。両台紙には、富士共和製紙株式会社の「ケンラン(黒)連量265g」を用いた。その後、上側の台紙の窓107の両側それぞれから、折り目105に沿って外方に5cmはなれた位置に、50gのおもりをそれぞれ載せ、測定サンプル104が完全に折りたたまれた状態を作る。
次に、図3(C)に示すように、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−900)を用いて、30倍の倍率で、台紙の窓107内を観察し、測定サンプル104の折り目105から0.2mm上方に平行移動した位置に形成される仮想線108よりも上方に起毛している起毛した繊維の本数を計測する。このとき測定する不織布において、起毛加工の施された部位を含むように、20cm×5cmの測定片を3片切り出して計測する。以上の操作を、測定する不織布に対して3枚分計測し、計9箇所の平均値(小数第二位を四捨五入)をとり、起毛した構成繊維の本数とする。
起毛部7における起毛高さとしては、上記作用の観点から、0.4mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましく、1mm以上が更に好ましい。また、その上限は、特に制限されるものではないが、重なり部の接着強度維持および加工時のダメージ抑制の観点から、4mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、2mm以下が更に好ましい。起毛高さの測定は、上記の起毛繊維の測定方法を用いてすることができる。
起毛部7の幅H2及び長さT2は、前記作用を奏する限り適宜変更できる。例えば、図4のように、インジケータ部6の長手方向の長さT3に一致させて起毛部7を設けてもよい。また、高吸収性ポリマー42による水分の染み出し範囲を考慮して、図5のように重なり部53長手方向の長さ(吸収体の長さ)T1に起毛部7を設けてもよい。さらに幅方向についても、高吸収性ポリマー42による水分の染み出し範囲を考慮して、図6に示すようにインジケータ部6の領域61を超えて起毛部7が形成されていてもよい。図6では、起毛部7が、重なり部53の幅H2よりも両側にH4,H4だけ延出して形成されている。この場合、起毛部7は、重なり部53に加えて、重なり部53の外側にあるコアラップシート5の部分にも形成されることになる。この幅H4については、図6の態様に限らず、起毛部7の幅に合うように、重なり部53の幅を広げるようにしてもよい。なお、図6の態様において、長手方向の長さT2は適宜設定でき、図1や図5の長さを適用してもよい。
図5及び6の態様のように、起毛部7の配設領域を広げることで、高吸収性ポリマー42が含む水分のインジケータ部6への移行防止性を高められる。ただし、起毛部7の配設領域が広くなり肌当接面側までに及ぶと、おむつ10使用時における液移行性を低下させてしまいかねない。また、前記配設領域が広すぎると、接着強度が出ずに、吸収体3と裏面シート2等の他部材との固定が弱くなりおむつとしての一体性に影響してしまう。そのため、起毛部7の配設面積は、吸収体3の表面積に対して、インジケータ部6の配置領域に合わせて限定的であることが好ましい。
なお、上記の図4〜6においては、起毛部7の配置領域の理解のため、吸収体3、インジケータ部6及び裏面シート2以外の他の部材を省略し、裏面シート2側から平面視た状態として示している。これは図8においても同様である。
おむつ10は、上記の構成に加え、次の構成をさらに有することが好ましい。以下の構成は、いずれか1つを選択的におむつ10に組み込んでもよく、組み合わせておむつ10に組み込んでもよい。
第1の構成として、重なり部53及び起毛部7による微少水分の移行抑制の作用をさらに高める観点から、吸収性コア4が次のような構成であることが好ましい。
すなわち、吸収性コア4を2層以上とし、最下層(吸収性物品の非肌当接面側の層)を上側の層よりも親水性繊維41の含有率を高めることが挙げられる。図8は、上記構成の1例を示しており、吸収性コア4を2層とし下側に親水性繊維41のみからなる最下層48を備える。これは、最下層48に高吸収性ポリマー42を含有させない例を示している。このように、親水性繊維41の含有率が高いとは、高吸収性ポリマー42の比率を抑えたことを意味する。これにより、高吸収性ポリマー42が非肌当接面側のコアラップシート5と接触し難くなり、インジケータ部6の不要な変色等をより確実に抑制できる。なお、親水性繊維含有率が高い最下層48は、上層と明確に区別できる層とする場合に限らず、上層側から徐々に親水性繊維の含有率が高められた構成であってもよい。
第2の構成として、インジケータ部6が配設された領域61の外側で、コアラップシート5と裏面シート2とが接着剤により接合されていることが好ましい。これにより、何らかの外力で、吸収体3の重なり部53とインジケータ部6の配設領域61との重なりにズレが生じるのを防ぐことができる。また、ズレによってインジケータ部6の呈色指示薬がコアラップシート5の複数個所に付着することを防ぎ、インジケータ部6の変色等の変化の程度が弱まることを防止できる。加えて、接着剤がインジケータ部6の外側にあるので、おむつ10の使用時におけるインジケータ部6と尿等との接触を阻害しない。接着剤の塗工位置として、例えば図8に示す態様が挙げられる。図8では、インジケータ部6の領域61の幅方向外方において、接着剤56,56が長手方向に塗工されている。さらにインジケータ部6とは重ならない吸収体3の前後端部において、接着剤57,57が幅方向に塗工されている。この接着剤56,57で吸収体3のコアラップシート5と裏面シート2とが接合され、位置ズレが防止される。なお、接着剤の塗工位置や幅、長さは、図8の態様に限定されるものではなく、インジケータ部6の機能を阻害せず、コアラップシート5と裏面シート2との接合強度を確保できる範囲で適宜設定できる。
さらに第3の構成として、コアラップシート5と裏面シート2とを接合する接着剤が、起毛部7と重ならないように塗工されることが好ましい。これは、例えば、起毛部7がインジケータ部6の配設領域61よりも広い領域で形成される場合に、この起毛部7の領域のさらに外側で接着剤が塗工されることを意味する。これにより、起毛部7の繊維の毛羽立ちを阻害せずに、コアラップシート5の重なり部53と裏面シート2との重なりにズレが生じるのを防ぎ、インジケータ部6の機能を阻害しない。この接着剤の塗工態様としては、図8の接着剤56、57の組み合わせの態様としてもよく、接着剤の幅や、長さを適宜変更してもよい。
上記のコアラップシート5と裏面シート2との接合に用いられる接着剤は、前述の重なり部53の接合に用いたホットメルト型等の接着剤と同様のものを用いることができる。塗工パターンは、例えば、図8の接着剤56のように線状塗工、接着剤57のように所定範囲に連続塗工、スパイラル状、Ω字状、サミット状等の間欠塗工等が挙げられる。
おむつ10において、吸収体3を構成する吸収性コア4やコアラップシート5の不織布の素材としては、この種の物品に用いられるものを特に制限なく採用できる。
吸収性コア4を構成する親水性繊維41としては、例えば、木材パルプ、コットン、麻等の天然繊維、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオフィレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の合成樹脂からなる単繊維、これらの樹脂を2種以上含む複合繊維、アセテート等の半合成繊維やレーヨン等の再生繊維を用いることができる。合成繊維からなる繊維を用いる場合、該繊維は熱によって形状が変化する熱収縮繊維であってもよい。例えば、熱によって繊度は大きくなるが繊維長は短くなるものや、熱によって繊度はほとんど変化しないが、形状がコイル状に変化することでみかけの繊維の占有する長さが短くなるものであってもよい。
高吸収性ポリマー42としては、この種の物品に通常使用されている各種のポリマー材料を用いることがでる。高吸水性ポリマーは、自重の20倍以上の水又は生理食塩水を吸収し保持し得る性能を有するような超吸収性高分子化合物であることが好ましい。
コアラップシート5に用いられる不織布は、柔らかと強度とを有する親水性不織布であり、通常の用いられる種々のものを特に限定することなく採用できる。例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、スパンボンド層とメルトブローン層とからなる積層不織布等で親水化処理したもの等が挙げられる。特に、おむつ10の使用時における尿等の透過性、柔らかさ及び吸収体3の保形性に必要な強度との観点から、スパンボンド層とメルトブローン層の積層不織布からなるものが好ましい。具体的には、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)不織布等が挙げられる。このような、積層不織布を用いると、液の透過性と同時に高い強度を有するものとなり、吸収体3の保形性に寄与する。特に積層不織布の表面層が長繊維からなるスパンボンド層であるため、後述の起毛加工が行いやすく、十分な毛足と本数の起毛部7を形成できる。また、積層不織布の目の細かさにより、吸収性コア4の高吸収性ポリマー42が外部に漏れにくくなるので好ましい。
次にコアラップシート5の起毛部7の形成方法について説明する。起毛部7は前述のとおり、不織布表面の繊維を起毛させて形成したものであり、このような起毛加工として通常用いられる方法を特に制限なく採用できる。その具体例の1つとして、図10(A)及び(C)に示す2段階起毛加工が挙げられる。この方法は、第1段階で不織布表面を部分延伸させて繊維にダメージを与えることで、次の第2段階での起毛加工が行いやすくなる。またこれにより得られた起毛部7を備えたコアラップシート5は、その構成繊維への過度のダメージが抑制されるため強度が維持され加工性に優れるものとなる。
まず、部分延伸加工71では、例えば原反ロール(図示せず)から帯状の原料不織布100を繰り出し、図9(A)に示すように、凸ロール74及び凹ロール75間に連続的に供給する。凸ロール74及び凹ロール75間では、互いの凹凸の噛み合わせにより原料不織布100を挟圧して、原料不織布100の複数個所に部分延伸加工を施し、原料不織布100にダメージを与える。帯状の原料不織布100の搬送には、例えば、凸ロール74及び凹ロール75の上流側及び下流側に設けた搬送ロール73,73によって行うことができる。凸ロール74,凹ロール75としては、不織布を部分延伸のために通常用いられるものを特に制限なく採用できる。例えば、アルミニウム合金又は鋼鉄等の金属製の円筒形状のスチールマッチングエンボスローラー等である。具体的には、凸ロール74の周面に設けられた複数個の凸部74Aと凹ロール75の周面に設けられた複数個の凹部75Aとが、互いに噛み合うように形成されたものが挙げられる。複数個の凸部74Aは、例えばロール74の回転軸方向及び周方向にそれぞれ均一に且つ規則的に配列される。これに対応するように、複数の凹部75Aが配列される。一対の凹凸ロール74,75は、何れか一方の回転軸に駆動手段(図示せず)からの駆動力が伝達されることによって噛み合って回転するようにしてもよい。
このようにして、凸ロール74が矢印G1の方向に、凹ロール75が矢印G2の方向に回転する。各ロールの回転時に互いの凸部と凹部とが原料不織布100を介在させて噛み合う。例えば図9(B)に示すように、凸ロール74の凸部74Aと凹ロール75の凹部75Aとが原料不織布100を介在させて噛み合う。これにより、原料不織布100は、部分的に搬送方向(MD:Machine Direction)及び搬送方向と直交する方向(CD:Cross Direction)に延伸される。
この部分延伸加工71により、原料不織布100にダメージが与えられて繊維が延伸し、原料不織布100に起毛の起点となる弱化点が形成される。また、搬送方向(MD)及び搬送方向に直交する方向(CD)に延伸加工を施すことによって、第1工程を経て得られる加工後の起毛不織布59の破断強度減少を方向別に抑えることができる。なお、部分延伸加工は、原料不織布100の構成繊維間で熱融着を起こさないことが柔らかさを創出する観点から好ましい。そのため、例えば、一対のロール74,75は、積極的に加熱をしないか、または原料不織布100を構成する繊維の成分のうち最も低い融点を示す成分の融点以下の温度で加工することが好ましい。特に、該融点よりさらに70℃以上低い温度で加工することがより好ましい。例えば、50℃以下の温度の条件下で行うことが好ましい。ここで、50℃以下の温度とは、凹凸ロール74,75に積極的に温度を掛けず、原料不織布100に延伸加工を施す際、常温であることを意味する。言い換えれば、原料不織布100に延伸加工を施す際に、不織布の構成繊維間で熱融着を起こしてしまい原料不織布100が硬くなることを防止する観点から、如何なる種類の構成繊維樹脂の融点よりも低い温度であることを意味する。尚、搬送方向に直交する方向(CD)は、上述したロールの回転軸方向と平行な方向であり、幅方向ともいう。
次いで起毛加工72では、図9(C)に示すように、図9(A)の工程で部分延伸加工の施された原料不織布100を、搬送ロール76,76により、周面に起毛のための突起部79を有する起毛ロール(部分起毛ロール)77に搬送する。回転する起毛ロール77により、部分延伸加工の施された原料不織布100の面101側の構成繊維が不織布の表面から起毛される。このとき前記弱化点等を基点として起毛される。これにより、起毛繊維83を搬送方向(MD)に備える起毛不織布59が連続的に製造される。(図9(D)参照)。起毛繊維83は、起毛加工72により、原料不織布100の表面繊維が、他の繊維との融着固定端83Aを残しながら一部破断されたものである。すなわち起毛繊維83は、自由端83Bと固定端83Aとを備え、不織布の面方向に対して交差する方向に起立した繊維である。
おむつ10の構成部材の素材としては、前述した吸収体3の構成部材以外についても、この種の物品に用いられるものを特に制限なく用いることができる。また、さらに機能的な構造部材やシート部材等を設けてもよい。
インジケータ部6を構成する呈色指示薬としては、例えば、pHが3〜7で色が変化するものが挙げられる。具体例としては、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザリンS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル等が挙げられる。これらの呈色指示薬のうち特に好ましいものとしては、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン及びブロモクレゾールパープル等が挙げられる。
表面シート1は、肌触りが良く液透過性の部材からなり、例えば、親水性不織布が好ましく、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、これらの不織布を積層一体化させてなるシート材等が挙げられる。その不織布を構成する繊維は、ポリプロピレンの単繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの複合繊維等で親水化処理が施された繊維が好ましい。また、表面シート1の股下部分には、表面シート1の非肌当接面側に親水性穴開きフィルムや親水性不織布が部分的に重ねられていてもよい。
裏面シート2は、防水性があり透湿性を有していれば特に限定されないが、吸収体3の非肌当接面側で液漏れを防ぐ観点から、液難透過性の部材からなる。例えば疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラーまたは相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、フィルムを一軸または二軸延伸して得られる液不透過性の多孔性フィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。ポリオレフィンとしては、高密度ないし低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。また、ムレ防止の観点から透湿性を有することが好ましい。
外装シート8としては、例えばエアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等の各種製法による不織布、織布、編布、樹脂フィルム等が挙げられ、これらを積層一体化させてなるシート材等も用いることができる。特に、通気性、風合いを良好にする観点から、不織布から形成されているものが好ましく、また、排泄物の漏れ防止の観点から、撥水性の不織布から形成されているものが好ましい。
サイドシート9としては、撥水性の不織布が好ましく、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、ニードルパンチ不織布等の中から撥水性の物、または撥水処理した種々の不織布を用いることができる。特に好ましくは、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)、スパンボンド−スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SSMS)不織布等が用いられる。
また、おむつ10に配される各種弾性部材としては、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。その形態としては、例えば、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状ないし紐状(平ゴム等)のもの、或いはマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を用いることができる。
本発明の吸収性物品は、本実施形態の展開型使い捨ておむつに限定されない。インジケータ部と高吸収性ポリマーを含有する吸収体とを有する種々の形態に適用できる。例えば例えば、パンツ型使い捨ておむつや尿とりパッド、生理用ナプキンやパンティライナー等であってもよい。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
4 吸収性コア
5 コアラップシート
6 インジケータ部
7 起毛部
8 外装シート
9 サイドシート
10 展開型使い捨ておむつ

Claims (6)

  1. 肌当接面側に配置された表面シート、非肌当接面側に配置された裏面シート、及び両シート間に介在配置された吸収体を備えた吸収性物品であって、
    前記裏面シートと前記吸収体との間には、液との接触により視認可能な変化をするインジケータ部が配設され、前記吸収体は、親水性繊維及び高吸収性ポリマーを有する吸収性コアと、該吸収性コアを覆う、親水性不織布からなる1枚のコアラップシートとを備えており、
    前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌当接面側から側部を経て非肌当接面側を覆い、該非肌当接面側において、前記コアラップシートの両端部による重なり部を形成して前記吸収性コアを包んでおり、
    前記重なり部は、前記コアラップシートの両端部のうち少なくとも非肌当接面側に位置する端部に、前記不織布の繊維が起毛された起毛部を備え、前記重なり部の起毛部を備える領域が、前記インジケータ部と重なる配置とされており、コアラップシートの前記重なり部は接着剤で接合され、該重なり部の起毛部を備える領域の面積に対する前記接着剤の塗工面積率が50%以下である吸収性物品。
  2. 前記接着剤が、塗工面の領域内に非塗工部を複数介在させてパターン塗工されている請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収性コアが2層以上からなり、前記コアラップシートに当接する最下層の親水性繊維の含有率が上層側よりも高められた請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記起毛部は、前記重なり部を構成するコアラップシートの両端部に配されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記コアラップシートと前記裏面シートとが接着剤で接合されており、該接着剤が、前記インジケータ部の配置領域の外側で該配置領域を囲むように塗工されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記コアラップシートと前記裏面シートとを接合する接着剤が、前記起毛部と重ならないように塗工されている請求項5に記載の吸収性物品。
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