JP5529619B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は幅方向の両側に張出し部を有する吸収性物品に関する。
おむつなどの吸収性物品において、吸収体に排尿等が吸収保持されたことを視覚的に保護者や介護者等に知らせる技術を適用したものがある。例えば、裏面シートと吸収体との間に水分と接触すると変色するインジケータを設けて、裏面シート側から透視可能とすることで変色を視認する方法がある(例えば、特許文献1〜3)。大人用の尿とりパッドなど、おむつの吸収体上や下着等に配置するものでも、裏面シートと吸収体との間にインジケータを設けて尿とりパッドの裏面シート側から透視可能としたものがある。これに対して、外側を覆うおむつ本体の吸収体に内部の尿とりパッドのインジケータを視認し易くするための穴を設ける技術がある(特許文献4参照)。
特開平11−4852号公報 特開2004−222868号公報 実開昭58−7809号公報 特開2007−97627号公報
特許文献1〜3に開示の技術は、おむつの中央にインジケータを配設することが前提であって、尿とりパッドのように前記外側着用物品の内側に配することを考慮していない。仮にこれらの物品中央にインジケータを適用した尿とりパッドをおむつや下着、パッドホルダー等の内側に配して使用したとすると、外部からこのインジケータを視認し難い。通常おむつ等の外側の着用物をずらすかその腹回りを大きく広げて開けるかしなければ内方のインジケータを確認することができない。また、前記特許文献4の技術ではおむつ側の吸収体に穴があるためその吸収性能は不可避的に低下することとなる。吸収体本来の吸収性能を落とすことなく、しかも吸収性物品や下着等を装着したままで内部の尿とりパッドの取り替え時期を確認しやすくすることができれば、その利便性は大幅に向上する。排便と異なり排尿は日中頻繁にあることを考慮すると、利用者あるいは介護者等にとって尿とりパッドの交換に係る煩わしさを大きく改善しうるものとなる。
そこで本発明は、おむつや下着、パッドホルダー等の外側着用物品の内側に配置して用いうる尿とりパッド等の吸収性物品であって排尿があったことを確認しやすくした吸収性物品の提供を目的とする。
本発明は、肌当接面側に配置される液透過性の表面シート、非肌当接面側に配置される防水性の裏面シート、及び該両シート間に介在された吸収体を有し、腹側部から股下部を介して背側部に亘る縦方向とこれに交差する幅方向とを備えた吸収性物品であって、該吸収性物品は前記吸収体部分が外側着用物品の内側に配して使用されるものであり、該吸収性物品には幅方向外方に張り出す、前記幅方向内方へ向けて前記裏面シート側に折り返し可能な張出し部があり、該張出し部には排泄液を検知可能な標識材が配設された吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品は、おむつや下着、パッドホルダー等の外側着用物品の内側に配置して用いうる尿とりパッド等の吸収性物品であって排尿があったことを確認しやすいという優れた効果を奏する。
本発明の吸収性物品における一実施形態(実施形態1)としての尿とりパッドを展開して股下部に沿ってやや湾曲させた状態を模式的に示す一部切欠斜視図である。 図1のII−II線断面の拡大断面図であり、(a)は装着前のウィング部を伸長した状態を示し、(b)はウィング部を折り返して着衣に固定した状態を示す。 本発明の別の実施形態(実施形態2)としての尿とりパッドを展開し伸長した状態を模式的に示す平面図である。 図3のIV−IV線断面の拡大断面図である。 実施形態2の尿とりパッドにおける液拡散空間の変形例としての液拡散路を拡大して模式的に示す部分拡大平面図である。 本発明のさらに別の実施形態(実施形態3)として尿とりパッドを展開し伸長した状態を模式的に示す平面図である。 図6のVII−VII線断面の拡大断面図である。 本発明のさらに別の実施形態(実施形態4)として尿とりパッドを展開し伸長した状態を模式的に示す平面図である。 本発明のさらに別の実施形態(実施形態5)として尿とりパッドを展開し伸長した状態を模式的に示す平面図である。
[実施形態1]
図1は本発明の吸収性物品における一実施形態(実施形態1)としての尿とりパッドを展開して股下部に沿ってやや湾曲させた状態を模式的に示す一部切欠斜視図である。図2は図1のII−II線断面の拡大断面図であり、(a)は装着前のウィング部を伸長した状態を示し、(b)はウィング部を折り返して着衣wに固定した状態を示す。なお図2(b)においてウィング部5と裏面シート2との関係を説明するため着衣wは2点鎖線で示した。
本実施形態1の尿とりパッド10は、肌当接面側に配置される液透過性の表面シート1、非肌当接面側に配置される防水性の裏面シート2、該両シート間に介在された吸収体3からなる吸収本体部10aと幅方向外方に張出す張出し部としてのウィング部5とを有する。前記吸収本体部10aはその平面視において長方形状であり、着用者の腹側に配される腹側部F、股間に沿うようにわたす股下部C、及び背側に配される背側部Rの各部位からなる。
本実施形態1において表面シート1は、吸収性コア(図示省略)を被覆シート(図示省略)で被覆してなる吸収体3の幅方向左右側縁部から外方に向けて延出し、その延出した部分は吸収体3の非肌面側に巻き込まれて裏面シート2に接合されている。さらに一対のサイドシート4,4が、表面シート1の縦方向に一致する長さで表面シート1の肌当接面側に積層し、吸収体3の幅方向左右側縁外方にそれぞれ延出している。サイドシート4の延出した部分と裏面シート2の幅方向に延出した部分とが積層してその幅方向外側で接合されている。該サイドシート4は、立体ギャザーとして起立性防漏カフをなす自由端縁を有し、該自由端縁に内装した立体ギャザー用弾性部材41が着用状態で尿とりパッドの縦方向に収縮して着用者の肌面に向け突出するように起立する。それにより前記自由端縁が肌にしっかりと当接し、排泄物の外部への移行を遮断して横漏れを効果的に防止する。前記立体ギャザー用弾性部材41は、少なくとも股下部Cに配されており、更に腹側部F及び/又は背側部R側にも延びて配されていることが好ましい。その接合方法は、この種のものに用いられる通常の方法を用いることができる。なお図2等の断面図では理解のため立体ギャザーが起立した状態で図示したが、伸長展開状態では起立していないことが前提となる。
本実施形態1の尿とりパッド10において、その平面視について、吸収本体部10aの股下部C付近の左右幅方向端縁外方に、そこから突出するようにウィング部5が形成されている。該ウィング部5は、吸収本体部10aとの境界であるウィング基端位置5tを底辺としてそこからゆるやかな台形状の曲線を描くようにウィング外周縁部5sを形成している。本実施形態1のウィング部5は、その厚み方向において防水性の裏面シート2が幅方向に延出した裏側シート部52と、該裏側シート部52の肌面側に積層される光透過率の高い表側シート51とからなる。本実施形態1において、表側シート51は、その平面視について、ウィング基端位置5tを越えて内方へ入り込んで、サイドシート4と裏面シート2との間で接合されている(図2参照)。このサイドシート4、表側シート51及び裏面シート2の接合部分の内方接合端kと標識材(インジケータ)6の内側先端6bとの間を特に基底部gという(図2参照)。また裏側シート部52の非肌面側には着衣固定用の粘着剤53が配設されている(図2参照)。
本実施形態1において、表側シート51と裏側シート部52との間には水分によって視覚的に変化することにより、排泄液を検知する標識剤(インジケータ)6が挟持され、このインジケータ6の視覚的変化は表側シート51を介して目視することができる。インジケータ6は排尿等の水分に反応するものであり、例えばpHの変化によって色が変化する呈色指示薬を含む親水性組成物からなるものである。また「視覚的変化」あるいは「変色」とは、水分との接触で、ある色から他の色への色変化、有色から無色への色消失、無色から有色への色出現を含む意味である。
本実施形態1において、図2(a)に示す展開状態の尿とりパッド10を、ウィング基端位置5tあるいはその周辺位置に沿ってウィング部5を物品幅方向内側へ向けて、かつ裏面シート2の存在する側へ折り曲げ、外側着用物品である着衣wのクロッチ部分等を巻き込むようにして粘着剤53で固定する。この固定された状態が尿とりパッドの使用状態であり、図2(b)に示すとおり、ウィング部5のインジケータ6と吸収本体部10a内部の吸収体3とは厚み方向に積層した位置関係となる。本実施形態1において、装着状態では表側シート51が反転して非肌当接面側に配される。該表側シート51は着衣等よりも外側に位置することになるので、着衣wの外側からでもウィング部5の表側シート51及びこれを介してインジケータ6の視覚的変化を認識することができる。つまり尿とりパッド10を着衣wに装着したままでも吸収体3に排泄尿等が吸収保持されたことを認識することができる。それによって尿漏れする前にタイミングよく尿とりパッドを取り替えることが可能となる。なお本実施形態1において、詳細は後述するが、このインジケータ6の視覚的変化は、吸収性本体10a内部で気化した排泄尿の水蒸気がウィング部5に移行しその内部で結露すること等で生じる。本実施形態1の尿とりパッドでは、吸収体3に視認のための穴を設ける必要がなく吸収体の吸収性能を落とす必要がない。また本実施形態1の尿とりパッド10において、ウィング部5,5を設けることで、着用者の排尿ポイントp(図3参照)を含む前記股下部Cをしっかりと固定できズレを抑えられる。ここで排尿ポイントpとは、着用者が尿とりパッド10を着用した際に尿が排泄される領域及びその周辺を意味し主に股下部Cを中心とする部分である。本発明の張出し部は、幅方向に関して排尿ポイントpから外方へ延びる領域を含むように配されると、時機良いインジケータの視覚的変化が得られ易い。なお、本実施形態1においては、この排尿ポイントを含む股下部Cの幅方向外方にウィング部5,5が配設されている。
本発明においては、特に断らない限り、着用者が着用した際に人体に相対的に近い方(典型的には、接触する方)の側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側ないし内側といい、これと反対側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側ないし外側という。装着時に人体の前側に位置する方向を前方といいその端部を前端部とし、後側に位置する方向を後方といいその端部を後端部として説明する。吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向という。さらに、吸収性物品の平面視において腹側部Fから股下部Cを介して背側部Rに亘る方向を縦方向といい、この縦方向と直交する方向を幅方向という。なお、前記縦方向は典型的には装着状態において人体の前後方向と一致する。また張出し部(ウィング部)については、展開伸長した状態で吸収性本体の肌面側もしくは非肌面側と一致する面方向として呼ぶ。また、外側着用物品とは、本発明の吸収性物品をその内側に配置、固定しうる着用物品を指し、具体的には下着、おむつ、又はパッドホルダーである。
ここで図2を参照して、インジケータ6が視覚的変化をおこす過程について説明する。本実施形態1の尿とりパッド10において、着用者の肌面側に位置する液透過性の表面シート1に排泄尿等が接触すると、液は拡散しつつ厚み方向へと浸透する。浸透した液は、パルプ繊維と高吸収性ポリマーとを有する吸収体3で吸収保持される。この吸収保持された液が吸収体3の非肌面側(裏面シート2側の面)に到達すると、防水性の裏面シート2によって液そのものの漏れは抑えられる。この液の一部は気化して水蒸気となり、おむつ内部にて移動しウィング部5内部に存在するものがある。この状態ですぐには、ウィング部5内に存在する水蒸気に変化は起きないと考えられる。しかし、その後裏面シート2の液が放置又は吸収体3によって再吸収されると液の存在していた裏面シート2の部位は急激に冷却され、ウィング5における肌当接面側と肌当接面側とには温度差が生じる。この温度差によってウィング5内の水蒸気の一部が結露し、インジケータ6に視覚的変化を起こすものと考えられる。また、裏面シート2及びウィング部5の裏側シート部52が透湿性である場合には、以下のメカニズムによってよりインジケータ6が視覚的変化を起こし易くなるものと考えられる。裏面シート2まで又はその近くまで到達した排泄尿の一部は気化して水蒸気となる。この水蒸気の一部は尿とりパッド10の内部で基底部gを介してウィング部5内に入り込む。該ウィング部5自体は着衣wよりも非肌当接面側に位置し、その内部は着用者の肌に当接する吸収性本体10a内部に比して相対的に低い温度である。そのためウィング部5内部の水蒸気は、相対的な温度差によって結露し、インジケータ6に触れることによって視覚的変化がおきると考えられる。なお前述の水蒸気の移動は吸収体3の非肌面側から図2に示す液拡散機構7である部材間の空間を介してなされるものであってもよい。
・防水性及び透湿性の好ましい数値範囲
本実施形態1において、裏面シート2及びウィング部5の裏側シート部52の防水性の程度は、液体の透過を十分に阻止する観点から、耐水圧で100mm以上が好ましく、500mm以上がさらに好ましい。また裏面シート2ないしその裏側シート部52が透湿性を有する場合、その程度は、インジケータの変色を発揮し、防水性を維持しつつ、おむつ内部のムレやそれに伴う着用者の肌のカブレを十分に防止する観点から、0.5〜4.0g/(100cm・h)が好ましく、1.0〜2.5g/(100cm・h)がさらに好ましい。この範囲にあることで裏面シート2に到達した液そのものは通過せず蒸気だけが通過するようにできる。またウィング部5の裏側シート部52において蒸気そのものは通過するが、ウィング部5内部で結露した水分は裏側シート部52を通過せず着衣側に戻るのを防ぐ。このようにすることで着衣への水分の付着を抑えることができる。なお、シート材の防水性及び透湿性の測定方法については後述する。
本実施形態1のウィング部5において、インジケータ6は裏側シート部52の肌面側に幅方向に延在するように4条塗布され、表側シート51と裏側シート部52とが接合されている。本実施形態1においてインジケータ6は、呈色指示薬を含む親水性組成物からなり、該親水組成物に結露した水分が触れることで変色する。この水分と前記親水組成物とが確実に接触する観点から、ウィング部5を折り返した状態で、該インジケータ6の外側先端6a(図2(b)参照)と吸収体の幅方向中心線との距離が20mm以内であることが好ましく、10mm以内であることが視覚的変化を起し易くなるのでさらに好ましい。同様にインジケータ6の内側先端6b(図2参照)と表側シート51と裏面シート2との内側接合端kとの距離(基底部gの距離)が5mm以内であることが好ましく、2mm以内であることがさらに好ましい。ここで「水分」というとき、単に水のみならず液分だけでなく、水に酸、塩基、有機化合物が溶解した水系組成物を含む。
本実施形態1において、ウィング部5の表側シート51は、インジケータ6の視覚的変化(変色、色消失、色出現)が視認可能とされている。透明性の指標としては、JIS P8138に準じて測定する不透明度が50%以下であることが好ましく、40%以下であることより好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。なお本実施形態1において、表側シート51は、1つのシート材をサイドシート4と接合するようにされているが、これに代えて吸収本体部10aを構成するサイドシート4などのシート材の一部が延出して表側シート51とし、部分的に不透明度を下げる処理を施してもよい。本実施形態1は、下着やおむつカバーに装着して使用するナプキンや尿とりパッドが好ましく、該下着やおむつカバーは蒸気の透過を阻害しない透湿性を有することが好ましい。
[実施形態2]
図3は本発明の別の実施形態(実施形態2)としての尿とりパッド20を展開し伸長した状態を模式的に示す平面図であり、図4は図3のIV−IV線断面の拡大断面図である。図5は液拡散機構の変形例としての液拡散路を拡大して模式的に示す部分拡大平面図である。なお図3においてインジケータ6の形状及び配列が明確となるよう、実線で外形を示し斑点模様を付した。また、図3において表面シートの外形において破線(隠れ線)による図示は省略し、これに包まれた吸収体3のみを破線で示している。
本実施形態2の尿とりパッド20は、前記実施形態1の撥水性のサイドシート4が吸収体3の幅方向に廻りこみ吸収体3の非肌面側の全面を被覆している。本実施形態2の尿とりパッドは、吸収体3と裏面シート2との間で幅方向に液を拡散させる液拡散機構7としての液拡散空間71が配されている。この液拡散空間71による液の拡散によって、吸収体3に吸収された液をウィング部5のインジケータ6へと導くことができる。この液拡散空間71は、尿とりパッドが使用前に形成されている必要はなく、製品がパッケージ形態で販売されるような場合に圧縮されて空間が潰れていても、排泄液が到達した際に空間が形成されればよい。また、使用前においては材料間が親水性の固定手段によって固定されており、排泄液と接触することによって材料間の固定が解除されるようになされていてもよい。なお、液拡散機構とは独立した部材からなる液拡散シート等のみならず所定の部材の一部分において液拡散機能をもたせた部分を含む意味に用いる。
本実施形態2において、サイドシート4と裏面シート2とで形成される液拡散空間71が液拡散機構7として機能する。この液拡散空間71は、吸収性本体20aの厚み方向においてサイドシート4が吸収体3の非肌面側へ回り込んだ部分(以下、サイドシート下側平面部42という。)と裏面シート2とで挟まれた、液が幅方向外方に向かうようにされた通路である。該サイドシート下側平面部42は、撥水性のシート材からなり、その非肌面側では防水性の裏面シート2との間の空間で肌面側への液戻りを防いで液の幅方向への拡散を促す。また前記サイドシート下側平面部42は、その肌面側ではそこに配置される吸収体3内部の液が必要以上に漏れるのを防ぐ。
本実施形態2において、撥水性のサイドシート下側平面部42が吸収体の幅方向中心線付近を部分的に親水化処理等によって液透過性を高めた液易透過領域vとし、吸収体3から前記液拡散空間71への液の通路となる。前記液易透過領域vの形成方法は、孔を多数設けて液透過性を高める方法、撥水性材料に親水化剤(親水性の界面活性剤等)を付与する方法で液透過性を高める方法が挙げられる。本実施形態の尿とりパッド20は、このようなサイドシート4の配置によって液漏れを抑えつつ液の幅方向への拡散を効果的になすことができる。なお液易透過領域vは本実施形態2の形成方法に限定されず、例えば吸収体3の幅方向中心線付近がサイドシート4で被覆されていない形態であってもよく、更に幅方向中心線付近に別の親水性シート材を配するようにしてもよい。
本実施形態2において、この液拡散空間71は、吸収性本体20aの平面視において排尿ポイントpを含む股下部Cを中心に形成されることが好ましい。該液拡散空間71の幅方向外方の延長線上にはウィング部5があり、そのまま幅方向に液が伝播されてウィング部5内のインジケータ6を変化させることができる。液拡散空間71は、液拡散機能を有すれば特に本実施形態2のものに限定することなく様々な形状とすることができる。例えば、本実施形態2の変形例として、股下部Cにおいて、液拡散空間71全体を1つの空隙部とする形状、液拡散空間71内において幅方向に延びる細長い通路を複数条配設する形状などが挙げられるが、装着時のクロッチ部分の浮き感を抑える観点から前記複数条の幅方向に延在する通路とすることが好ましい。該液拡散空間71の形成方法は、この機能を有すれば特に限定されることなく様々な方法を採用でき、例えば前記両シート材の非接着部分を設ける方法であってもよく、押圧して溝を形成する方法であってもよい。また液拡散空間71の別の変形例として、前述の直線的な構造でなくとも、サイドシート下側平面部42と裏面シート2との間をスパイラル塗工によってホットメルト接着して、接着剤が粗密に塗布されることによる毛細管力を利用した液拡散路とすることもできる。この場合図5に示すように、散在するホットメルト接着剤nの粗の部分を液が矢印fのように蛇行しながらウィング部5へと向って進む形態にしてもよい。このような通液機構は先に述べた基底部gにおいて表側シート51と裏面シート部2との間で行われてもよい。
本実施形態2において、吸収体3の非肌面側まで到達した液は、吸収体3の幅方向中心線付近からサイドシート下側平面部42の液易透過領域vを通過して液拡散空間71に到達する。該液拡散空間71において、液が空間内で漏れ広がり幅方向へと拡散してシート材の接合端k付近まで移動する。この移動した液は、基底部gの表側シート51及び裏面シート2との間を通過し、ウィング部5内のインジケータ6に接触する。この液との接触でインジケータ6に視覚的変化が生じる。
本実施形態2の基底部gにおいて、表側シート51と裏面シート2とは接着されていてもされていなくてもよい。接着状態とする場合、液の通過を考量して、スパイラル塗工によってホットメルト接着剤を粗密に塗布する方法、カーテンスプレー塗工によってホットメルト接着剤をファイバー状に塗工する方法、ビード状に複数本塗工する方法等を採用することができる。一方、非接着部分を設ける場合、サイドシート4の配置が液の漏出を比較的抑えるものの、なお液防漏性の観点からインジケータ6への液受け渡しに必要な部分のみ非接着とすることが好ましい。例えば、基底部gにおいて幅方向に延びる複数の接着部を縦方向に対して間欠的に配設することで、その接着部に挟まれた非接合部分を液受け渡し部分とする方法などを採用することができる。
本実施形態2において、液拡散空間71の縦方向端は、縦方向中心線から前後に50mmの幅が好ましく、30mmの幅がさらに好ましい。本実施形態2において、ウィング部5を折り曲げた状態で液が確実に受け渡しされる観点から、インジケータ6の内側先端6bの位置は、接合端kからの距離(基底部gの距離)が20mm以内が好ましく、特に10mm以内、更には2mm以内がさらに好ましい。
[実施形態3]
図6は本発明の別の実施形態(実施形態3)としての尿とりパッド30を展開し伸長した状態を模式的に示す平面図であり、図7は図6のVII−VII線断面の拡大断面図である。なお図7においてはインジケータ6の形状及び配列が明確となるよう、実線で外形を示し斑点模様を付した。その他図示上の省略等は図3と同様である。
本実施形態3の尿とりパッド30においては、実施形態2の液拡散空間71に代えて液拡散シート72が液拡散機構7として配設されている。また本実施形態3のウィング部5内部のインジケータ6は縦方向に延在するように4条塗布されている。該4条のインジケータ6はウィング基端位置5tと平行にされている。この配置にすることで最内側に位置するインジケータ61から順に最外側のインジケータ64へと経時的に変色を目視でき液漏れを段階的に認識しやすい。また、最外側に位置するインジケータ64を疎水性のホットメルト接合されたインジケータとすることで、液漏れをさらに効果的に回避することができるので好ましい。その他の部材については実施形態1のものを採用している。本実施形態3において、接合端kとインジケータ61の内方側縁との間を基底部gという(図7参照)。
本実施形態3の液拡散シート72は、吸収体3と裏面シート2との間に配され、左右幅方向外方へと延在している。該液拡散シート72の幅方向端72a,72aは、接合端k付近で表側シート51と裏面シート2との間に介在されている。なお液拡散シート72は、このような配置に限定されず適宜変更可能である。例えば、液が基底部gを伝ってインジケータと接触可能とされるのであれば、液拡散シート72の幅方向端72aは接合端kより内方に位置していてもよく、逆にウィング基端位置5t付近まであってもよい。また液拡散シート72とインジケータ61とは必ずしも接触している必要はなく、接触していてもいなくてもよい。
本実施形態3において、液拡散シート72の液拡散性能はクレム吸水高さで示され、ウィング部5への液を素早くかつ正確に伝播させる観点から、幅方向へのクレム吸水高さが25mm以上であることが好ましく、25mm〜100mmであることがより好ましく、35mm〜80mmであることがさらに好ましい。このように液拡散性に優れた液拡散シート72を配設することによって、幅方向への液拡散を適度にかつ容易に導きやすくなりインジケータの変化に効果的である。液を幅方向へ効果的に拡散するためには、矩形の液拡散シートを股下部Cにおいて、排泄ポイント近傍に配置することで、ウィング部5のインジケータに確実に液を伝達することができる。
液拡散シート72が配設される平面視における範囲として、その縦方向端は、縦方向中心線から前後に50mmの幅が好ましく、30mmの幅がさらに好ましい。またウィング部5を折り曲げた状態で液が確実に受け渡しされる観点から、最内側に位置するインジケータ61は、接合端kからの距離(基底部gの距離)が20mm以内に配されるのが好ましく、特に10mm以内、更には2mm以内に配されるの好ましい。本実施形態3において、ウィング部5の表側シート51及び裏側シート部52は実施形態2と同様に基底部gにおいて接合されていてもされていなくてもよいが、液の受け渡しを確実にする観点から、必要最小限の非接合部分を設けることが好ましい。例えば、実施形態2で採用される受け渡し構造などが挙げられる。
[実施形態4及び5]
図8は本発明のさらに別の実施形態(実施形態4)としての尿とりパッド40を展開し伸長した状態を模式的に示す平面図である。図9は本発明のさらに別の実施形態(実施形態4)としての尿とりパッド50の展開し伸長した状態を模式的に示す平面図である。いずれの図においてもインジケータ6の形状及び配列が明確となるよう、実線で外形を示し斑点模様を付した。
図8及び図9に示すインジケータは、いずれも尿とりパッドの幅方向に複数個所存在するように配置した例であり、液漏れを段階的に認識しやすく好ましい。これらのインジケータは、実施形態1〜3の尿とりパッド10〜30に適宜適用可能である。
以下本実施形態1〜5の尿とりパッドを構成する部材の素材について説明する。
[裏面シート]
裏面シート2の形成材料としては、防水性があれば特に限定されないが、透湿性であることが、インジケータの視覚的変化を引き起こしやすく、かつ、着用物品内の蒸れが抑制しやすくなるので好ましい。例えば疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高〜低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独で又は混合して用いることができる。さらに裏面シート5あるいは少なくともその延出部分である裏側シート部52において、インジケータの視認性を向上させるよう適切な素材を採用することが好ましい。例えば、シート材の坪量を15〜70g/mとすることが好ましく、25〜50g/mとすることがさらに好ましい。シート材の配色としては、透明なものであっても有色系であってもよいが、下着等の被装着物品の色(特に年配女性が下着の色として好むベージュ等の有色系)によってインジケータの色(特に、変色後の色)が視認しにくくなることを避ける観点から、淡色系、特に薄い灰色や白色であることが好ましい。裏側シート部52にこのような配色のシート材を採用する場合には、少なくともインジケータと重なる領域において配置されていればよい。なお本実施形態において、裏側シート部52は裏面シート2の延出した部分として形成されるが、これに代えて別のシート材からなってもよい。
(耐水圧の測定)
裏面シート2の防水性を示す耐水圧の測定は、特に断らない限り、JIS L1092繊維製品の防水性試験方法に準じて行う。JISに示された耐水度試験(静水圧法、A法)は主に通気性のない繊維製品に適用されるものとして定められており、通気性のある製品に適用する場合はスプレー法を適用する。しかし、吸収性物品の場合、実使用時を想定するとスプレー状に液体の負荷がかかる場合は想定されにくく、むしろ耐水度試験の条件に即していると考えられる。
(透湿性の測定)
シート材の透湿性の測定は、特に断らない限り、JIS Z0208防湿包装材料の透湿試験方法に準じ、温度条件は35℃として行う。
具体的には、まず透湿カップ内に吸湿剤(塩化カルシウム)を入れ、この透湿カップの口に直径70mmに裁断した試験片をのせて、パッキン及びリングを蝶ナットで固定した後、透湿カップと試料の接合部をビニル粘着テープでシールして試験体とする。この試験体を35±2℃、90±5%RHの恒温恒湿装置内に所定時間放置する。1時間後に試験体を取り出し、質量を測定し、測定後再び恒温恒湿装置内に置き、4時間後に取り出して質量を測定し、次式により、透湿度を、シート(1m2当たり)を通過した水蒸気の質量(g)として求める。なお、前述の透湿度の好ましい数値範囲は、1g/100cm・h=2400g/m・24hとして示す。
透湿度(g/m・24h)=(240×m)/(t・s)
s:透湿面積(cm
t:試験を行った最後の2つのひょう量間隔の時間の合計(h)
m:試験を行った最後の2つのひょう量間隔・増加質量の合計(mg)
[インジケータ]
インジケータをなす親水性組成物に含有される呈色指示薬としては、pHが3〜7で色が変化するものが好ましく、その例としてはブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザリンS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの呈色指示薬のうち特に好ましいものとしては、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン及びブロモクレゾールパープル等が挙げられる。これらの呈色指示薬は、上記親水性組成物の全量(酸性化合物+呈色指示薬)に対して好ましくは0.01〜50質量%、更に好ましくは0.01〜40質量%、一層好ましくは0.01〜1質量%、最も好ましくは0.01〜0.5質量%含有される。呈色指示薬の量が0.01質量%に満たないと変色しても色が薄く、外部から視認しづらくなることがあり、50質量%を超えると親水性組成物の変色前の色が濃すぎて外観がよくなく、更にコスト高になることがあるので上記範囲内とすることが好ましい。
本発明において、少量の水分や高温・多湿下における排泄尿以外での変色を回避する観点から、親水性組成物に、特許第3558828号明細書に記載された、該親水性組成物のpHを保つことが可能で且つ該親水性組成物が水と接触しただけではそのpHが4を超えないように維持することが可能な酸性化合物を含有させ、またウィング部5の裏側シート部52に、水分に溶解するとアルカリ性を呈する水溶性化合物を含有させることもできる。またインジケータをなす親水性組成物は、さらに粘着性を有する親水性ポリマーを含有することもできる。親水性組成物にホットメルト接着性が付与されてウィング部5の表側シート51と裏側シート部52との接合・固定が一層強固なものになると共に、ホットメルト塗工装置があれば、ライン上で塗工可能であり、加工適性が良くなる。即ち、上記酸性化合物、上記呈色指示薬および上記親水性ポリマーを含有してなる親水性組成物は、ホットメルト接着剤として機能する。上記親水性組成物は、上述した成分に加えて酸化防止剤、紫外線吸収剤等を含有していてもよい。これらの成分は、上記親水性組成物の全量に対して0.5〜5質量%含有されることが好ましく、0.5〜3質量%含有されることが更に好ましい。なお本発明において、インジケータは、裏側シート部52に直接塗布する方法以外に、ティッシュペーパーや親水性不織布等の親水性シートに塗布したものを介在させることもできる。
[表側シート]
ウィング部5の表側シート51の素材として、インジケータの色目が視認できる程度に坪量、嵩密度、空隙量を制御したシート(不織布やフィルム、またはこれらの複合体)を用いたり、光透過性が高いシート(例えば、透明性が高いシートや部分的に孔を有するシート等)を用いたりすることができる。
ウィング部5の表側シート51の形成素材としてフィルムを用いる場合、坪量10〜40g/mの多孔性フィルムを使用すると、変化剤の視覚的変化がおむつ外部から認識し易くなると共に、柔軟な感触が得られるので好ましい。フィルム材としては、例えば、透明フィルムを用いることができる。該透明フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂からなる透明フィルム、あるいはこれらの透明フィルムを貼り合わせてなる複合フィルムで、且つ着色剤を含まないものを用いることができる。このフィルム材は透明性の高いフィルムのみで構成してもよいが、表面側シート部に不織布を配するラミネート構成とすると肌触りがよく好ましい。また撥水性の不織布(この場合、好ましくは耐水圧100mm以上)のものだけで構成してもよい。ウィング部5の表側シート51の形成素材として不織布を用いる場合、適度な光透過性が得られる坪量及び/又は厚さのものを用いることが好ましい。該不織布はその坪量が5〜45g/m、特に10〜40g/mであることが、視覚的変化の認識性と風合いや手触りなどの官能的な性能とを両立する点から好ましい。不織布としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルからなる熱可塑性樹脂単独の繊維や、これらの樹脂の2種以上を用いてなる芯鞘型やサイドバイサイド型の構造を有する複合繊維から構成される不織布等が挙げられる。また不織布としては、その地色の透明度が高く且つ白色度が高いものを用いることが、視覚的変化の認識性が高まるので好ましい。但し不織布シートは、ウィング部5の厚み方向に関して、インジケータを配した領域との重なり部分において、当該重なり部分の大部分が白色であれば良く、当該重なり部分以外の領域に、インジケータの視覚的変化の認識性を妨げない範囲で印刷を施しても構わない。
・ウィング部5の表側シート51の透明度の測定方法
ウィング部5の表側シート51の透明度を示す指標は、前述のとおり不透明度の数値で示すことができる。この不透明度は、例えば日本電色工業(株)製の分光色差計(SE−2000、6000等)を用いて前記JIS P8138のA法あるいはB法に準じて測定し、次式により算出することができる。
不透明度(%)C=(R/R0.89)×100
:裏当て黒色板を用いたときの試料の反射率
0.89:裏当て白色板を用いたときの試料の反射率
[粘着剤]
また、裏側シート部52の非肌側面に配設された粘着剤53は、この種の物品に用いられるものを採用することができるが、インジケータの視認性向上の観点から適切な素材を採用することができる。例えば、粘着剤53の色が、インジケータの変色後の色よりも淡色か透明であることが好ましい。淡色の粘着剤53とするには、透明の被膜を形成するホットメルト粘着剤等を塗布することにより形成することができる。透明の粘着剤53の形成材料となる粘着剤としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)系、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)系、オレフィン系ホットメルト等を用いることができる。粘着剤53における粘着剤の塗布量は、10〜70g/mが好ましい。
[液拡散シート]
液拡散シート72の形成素材として、通常の親水性シート、具体的にはレーヨン、コットン、パルプなどの親水性繊維等を含むものが挙げられる。拡散シートは幅方向へのクレム吸水高さが25mm以上であることが、ウィング部5への体液情報を素早く伝える観点から好ましい。好ましくは、25mm〜100mm、特に35mm〜80mmであると、インジケータへの体液情報伝達が素早く、かつ正確になされるので好ましい。拡散性を制御する方法としては、シートを構成する親水性繊維に加えて、(1)親水性粒子を含ませること、(2)疎水性繊維を含ませること、が挙げられる。親水性粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられ、特に酸化チタンが好ましい。疎水性繊維を加える場合には、親水性繊維を50質量%以上、特に60質量%以上、疎水性繊維を50質量%未満、特に40質量%未満の量で含むことができる。疎水性繊維としては例えば各種熱可塑性樹脂からなる繊維を用いることができる。本発明で使用される親水性繊維(不織布)の中には、疎水性の熱可塑性樹脂からなる繊維を各種親水処理した繊維や、疎水性繊維からなる不織布を各種親水化処理した不織布も含まれる。これらの繊維を含む繊維シートとしては、例えばスパンレース不織布、エアスルー不織布、紙などが挙げられる。具体的にはレーヨンとポリオレフィン系繊維とからなるスパンレース不織布が挙げられる。これらの繊維シートの坪量は15〜50g/m、特に18〜35g/mであることが好ましい。
(液拡散シートのクレム吸水高さの測定方法)
液拡散シート72の液拡散性を示すクレム吸水高さの測定は、JIS P8141の紙及び板紙−吸水度試験方法−クレム法に順じて行うことができる。即ち、液拡散シートを幅20mm、長さ200mmの短冊状に裁断した後、長手方向を鉛直方向にして下端から15mmの部分までを水に浸し、水に浸してから10分後に水が何mm吸い上げられたかを測定する。この測定値をクレム吸水高さとする。
[その他の素材]
表面シート1、サイドシート4及び吸収体3の形成材料としては、通常吸収性物品に使用されているものを用いることができる。
表面シート1としては、親水性不織布が好ましく、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、立体賦形不織布と呼ばれている不織布で、その繊維がポリプロピレンの単繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの複合繊維等で親水化処理が施された繊維が好ましく、その坪量15〜50g/mのものが好適に使用できる。また、表面シート1の股下部分には、表面シート1の非肌面側に親水性穴開きフィルムや親水性不織布が部分的に重ねられていてもよい。
サイドシート4としては、撥水性不織布が好ましく、具体的には、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等が用いられる。サイドシート4の立体ギャザー用弾性部材41としては、この種の物品に用いられる通常の弾性部材を用いることができ、例えば素材としては、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができ、形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状ないし紐状(平ゴム等)のもの、或いはマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を用いることができる。
吸収体3の形成材料としては、通常吸収性物品に用いられるものを用いることができる。具体的には例えば、吸収性コアとしては、繊維集合体又はこれと高分子吸水ポリマーとを併用させたもの等を用いることができる。繊維集合体を構成する繊維としては、パルプ繊維等の親水性天然繊維や、合成繊維(好ましくは親水化処理を施したもの)等を用いることができる。坪量は特に限定されないが、150g/m〜500g/mが好ましい。また吸収性コアを被覆する被覆シートとしては、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、親水性の不織布(SMS、SMMS、SSMS等の複合不織布)からなるものを用いることができる。
以上、具体的な実施形態として張出し部がウィング形状の場合について述べた。ウィング形状の張出し部(ウィング部)はおむつや下着、パッドホルダー等の外側着用物品の外側への露出性が高いため視認性が良好であるとの観点や、尿とりパッドとしてはおむつやパッドホルダー等の外側着用物品への固定性の観点から好ましい。一方、本発明において「張出し部」はウィング形状に限定されず、たとえば、吸収本体部から幅方向外方へ突出する1本または複数本のストリップ形状であってもよいし、縦方向に延びる複数の襞形状であってもよい。「張出し部」は、通常外側(非肌面側)に着用されて併用されるおむつや下着、パッドホルダー等の外側着用物品の内側に位置する吸収本体部に対して外側へ露出可能になされた部分であることが好ましい。但し、外側着用物品が、その脚周り部を着用者の大腿部にまで延ばす、いわゆるボクサーブリーフタイプであるような場合には、張出し部が外側着用物品の大腿部当接部分に折り返し可能にまで延びる形態であれば、外側着用物品の脚開口部を捲ることでインジケータの視覚的変化が確認できるので、張出し部が外側着用物品の外側に露出することは必要ではない。また、上記実施形態では張出し部が物品の股下部Cにおける縦方向中央部に配されていたが、腹側部寄り又は背側部寄りに偏倚していてもよい。更に、張出し部は腹側部Fや背側部Rに設けられていてもよい。
本発明の吸収性物品は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施形態1の裏面シートと実施形態2及び3の液拡散機構と組み合わせたものであってもよく、液が吸収体から液拡散機構を経由してインジケータを変化させるものであれば実施形態2及び3で用いられる部材を適宜入れ替え組み合わせたものであってもよい。本発明の吸収体物品は、上記実施形態における尿とりパッドに限らず、乳幼児用あるいは大人用の展開型使い捨ておむつやパンツ型使い捨ておむつであってもよく、また生理用ナプキン、パンティライナーや軽失禁パッドであってもよい。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
4 サイドシート
5 ウィング部
51 表側シート
52 裏側シート部
53 粘着剤
5t ウィング基端位置
6 標識材(インジケータ)
7 液拡散機構
71 液拡散空間
72 液拡散シート
10,20,30,40,50 尿とりパッド

Claims (6)

  1. 肌当接面側に配置される液透過性の表面シート、非肌当接面側に配置される防水性の裏面シート、及び該両シート間に介在された吸収体を有し、腹側部から股下部を介して背側部に亘る縦方向とこれに交差する幅方向とを備えた吸収性物品であって、
    該吸収性物品は前記吸収体部分が外側着用物品の内側に配して使用されるものであり、該吸収性物品には幅方向外方に張り出す幅方向内方へ向けて前記裏面シート側に折り返し可能な張出し部があり、該張出し部には排泄液を検知可能な標識材が配設されており、
    前記裏面シートが透湿性を有し前記張出し部にまで延在して前記標識材を覆うように構成されている吸収性物品。
  2. 前記吸収体の非肌面側と裏面シートとの間に前記吸収性物品の幅方向外方へ向け液を拡散させる液拡散機構が配されている請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収体と裏面シートとの間には前記液拡散機構としての空間があり、該空間は前記張出し部の標識材まで連繋している請求項又はに記載の吸収性物品。
  4. 前記張出し部には前記標識材を覆う肌面側の部材があり、該部材の不透明度が50%以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記標識材は、前記張出し部の平面視について幅方向に複数箇所存在するように配置されている請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収性物品が外側着用物品の内側に配置されて使用され得るものであって、前記張出し部を着用者大腿部側へ折り返して外部視認容易に着用する請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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