WO2014065072A1

WO2014065072A1 - 吸収性物品

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Publication number: WO2014065072A1
Application number: PCT/JP2013/075936
Authority: WO
Inventors: 亜由香南崎; 佐藤　信也; 美奈富田; 茂人柳原
Original assignee: 花王株式会社
Priority date: 2012-10-23
Filing date: 2013-09-25
Publication date: 2014-05-01
Also published as: RU2636371C2; RU2015118339A; CN104582653A; TWI600414B; TW201422213A; CN104582653B

Abstract

　本発明の実施形態であるおむつ（１Ａ）は、裏面シート（３）と吸収体（４）との間に、インジケーター（６）の塗工されたインジケーター塗工領域（６０）が配さている。吸収体（４）は、おむつ（１Ａ）全長に亘る下層吸収体（４１）と腹側部（Ａ）から股下部（Ｃ）にのみ亘る上層吸収体（４２）とからなり、上層吸収体（４２）と下層吸収体（４１）とが重なるメイン吸収領域（４Ｍ）と、それ以外のサブ吸収領域（４Ｅ）とに区分される。下層吸収体（４１）の吸収ポリマーの坪量はメイン吸収領域（４Ｍ）がサブ吸収領域（４Ｅ）よりも大きい。上層吸収体（４２）の吸収ポリマーの坪量は下層吸収体（４１）よりも小さい。インジケーター塗工領域（６０）はメイン吸収領域（４Ｍ）に配されており、インジケーター塗工領域（６０）の背側部Ｂ側の端部（６０ｂ）が、メイン吸収領域（４Ｍ）の背側部（Ｂ）側の端部（４Ｍｂ）近傍にある。

Description

吸収性物品

　本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。

　従来、着用者が排泄したか否かを色により判断するインジケーターを備えた使い捨ておむつが知られている。インジケーターを備えた使い捨ておむつとして、例えば、本出願人は先に、着用者肌面側に位置する肌側吸収体と着用者非肌面側に位置する非肌側吸収体とを備え、該非肌側吸収体と非肌当接面側の裏面シートとの間に、液との接触により視覚的に変化するインジケーターが設けられた使い捨ておむつを提案した（特許文献１参照）。特許文献１に記載の使い捨ておむつは、排泄された排尿等によって生じた変色で取り替え時期が認識し易いものである。

　従来、吸収性物品の外観を向上させる等の目的で、模様、キャラクター、数字、文字等の印刷デザインを吸収性物品の所定部位に印刷することが行われている。例えば特許文献２には、幼児用のファッション志向の使い捨ておむつとして、裏面シートにデザイン、図、写真等の上着様グラフィックが印刷された使い捨ておむつが記載されている。

　また、排尿等によって濡れた場合に取り替え時期を知らせる機能を有する使い捨ておむつが知られている。例えば特許文献３には、吸収体と裏面シートとの間に、水分との接触により視覚的に変化する親水性の剤（インジケータ）を設けると共に、該裏面シートにおける、おむつの厚み方向に関して該親水性の剤と重ならない部分に、水分と接触しても視覚的に変化せず且つ該親水性の剤が視覚的に変化する前後何れかの色の類似色を有する、模様を施すことが記載されている。特許文献３によれば、変色によって取り替え時期を知らせるインジケータに加えて、該インジケータからおむつ幅方向に離間した位置に、該インジケータの変化前あるいは変化後の色の類似色の模様が施されていることによって、インジケータの変色を観察者（おむつ着用者が乳幼児の場合は、母親等）に強く認識させることができるとされており、特許文献３には、インジケータの認識性を高める上で、インジケータと模様とがおむつの厚み方向において重なっていないことの重要性が示唆されている。

特開２０１１－２４００４９号公報特開２０１０－５０８１１６号公報特開２００４－３３７３８５号公報

　一般的に、使い捨ておむつ等の吸収性物品は、例えば排尿口にあたる股下部から腹側部にかけて排尿が吸収される割合が高く、逆に排尿口から遠い背側部まで排尿が拡散し難いものである。ここで、特許文献１に記載の使い捨ておむつは、肌側吸収体及び非肌側吸収体それぞれが腹側部から背側部に亘って配されており、インジケータも腹側部から背側部に亘って配されている。その為、排尿があった際に、背側部側に配されたインジケーターの部分が変色し難い場合があり、該部分の変色が起こっていないことを指標として取り替え判断を行ってしまうと、股下部分から排尿が漏れ出してしまうことがあり、取り替え時期の正確性に改良の余地があった。また、特許文献１には、前記効果を奏させるために、肌側吸収体と非肌側吸収体とをどのように配し、更にそれらとインジケータとをどのように配するかに関して何ら記載されていない。

　従って、本発明（第１発明）は、前述したニーズを満足し得る吸収性物品を提供することに関するものである。

　従来のインジケータを備えたおむつを着用した場合に、尿等の体液との接触によりインジケータが変色しても、その変色が観察者に認識されず、取り替え時期を逃してしまうことがあり、従来のインジケータを備えたおむつは、インジケータの視覚的変化の認識性の点で改良の余地があった。印刷デザインが施されることによって外観が向上し、且つインジケータの視覚的変化が外部から認識され易い吸収性物品は未だ提供されていない。

　従って、本発明（第２発明）は、外観が良好で、且つインジケータの視覚的変化が外部から認識され易い吸収性物品に関する。

　本発明（第１発明）は、肌対向面側に配された表面シートと、非肌対向面側に配された裏面シートと、これら両シート間に配された吸収体とを備え、腹側部、背側部及び股下部に区分された縦長の吸収性本体を有し、該吸収性本体には、該裏面シートと該吸収体との間に、色の変化により排泄を知らせるインジケーターの塗工されたインジケーター塗工領域が縦方向に配されている吸収性物品に関する。前記吸収体は、吸収ポリマー及びセルロース繊維を含む。前記吸収体は、前記腹側部から前記背側部に亘る下層吸収体と、該下層吸収体の肌対向面上に配された前記腹側部から前記股下部にのみ亘る上層吸収体とからなり、前記吸収体を平面視して、該上層吸収体と該下層吸収体とが重なるメイン吸収領域と、該メイン吸収領域以外のサブ吸収領域とに区分されている。前記下層吸収体は、前記メイン吸収領域に属する領域の前記吸収ポリマーの坪量が前記サブ吸収領域に属する領域の前記吸収ポリマーの坪量よりも大きい。前記上層吸収体は、その前記吸収ポリマーの坪量が前記下層吸収体の前記吸収ポリマーの坪量よりも小さく、又は前記吸収ポリマーを含まない。前記吸収性物品を平面視して、前記インジケーター塗工領域は前記メイン吸収領域に配されており、該インジケーター塗工領域の縦方向の背側部側の端部が、該メイン吸収領域の縦方向の背側部側の端部近傍に配されている。

　本発明（第２発明）は、吸収体と該吸収体の非肌対向面側に配された裏面シートとを備え、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、着用時に着用者の腹側に配される腹側部、股間部に配される股下部及び背側に配される背側部を該縦方向に有する吸収性物品に関する。前記裏面シートは、透湿性シートと不織布との積層構造を有し、前記股下部における該裏面シートと前記吸収体との間に、水分又は体液との接触により変色するインジケータが配されており、該インジケータの変色前後の色は、それぞれ、該透湿性シート及び該不織布の地色とは異なっている。前記透湿性シートにおける、前記吸収性物品の厚み方向に関して前記インジケータと重なるインジケータ対応領域に、該インジケータの変色後の色と同色又は類似色のデザイン要素が、１ｃｍ四方の正方形形状の領域中に複数存するように印刷されており、複数の該デザイン要素は、それぞれ、印刷が施されていない無印刷部に包囲されている。前記インジケータ対応領域における複数の前記デザイン要素のうち、任意の１個を特定デザイン要素、該特定デザイン要素から最も近い位置に存する１個を最近接デザイン要素とし、且つ該特定デザイン要素及び該最近接デザイン要素それぞれの中心を通る仮想直線を１本引いた場合、該仮想直線における該特定デザイン要素との重なり部分の長さＬ１、及び該仮想直線における該最近接デザイン要素との重なり部分の長さＬ２は、それぞれ、該仮想直線における、該特定デザイン要素と該最近接デザイン要素とに挟まれた前記無印刷部との重なり部分の長さＬ３と同じか、又は該長さＬ３よりも長い。

図１は、本発明（第１発明）の第１実施形態である展開型の使い捨ておむつを表面シート側から見た一部破断平面図である。図２は、図１のＩ－Ｉ線断面図である。図３は、図１のＩＩ－ＩＩ線断面図である。図４（ａ）～（ｅ）は、使い捨ておむつの備えるインジケーター塗工領域のその他の実施形態を説明するための図である。図５は、本発明（第１発明）の第２実施形態である展開型の使い捨ておむつの股下部を横方向に断面視した横断面図である（図２相当図）。図６は、本発明（第１発明）の第２実施形態である展開型の使い捨ておむつを縦方向に断面視した縦断面図である（図３相当図）。図７は、液透過時間の測定方法に用いる装置の図である。図８は、本発明（第２発明）の吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつを各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた展開状態を示す裏面シート側（非肌対向面側）の一部破断平面図である。図９は、図８のＩ－Ｉ線断面を模式的に示す断面図である。図１０は、図８に示すおむつにおける透湿性シートのインジケータ対応領域の一部を模式的に示す平面図であり、図１０（ａ）はインジケータの変色前の模式的な平面図、図１０（ｂ）はインジケータの変色後の模式的な平面図である。図１１は、図８に示すおむつにおける透湿性シートのデザイン要素の拡大平面図である。

発明の詳細な説明

　以下、本発明（第１発明）の吸収性物品を、その好ましい第１実施形態に基づき、図１～図３を参照しながら説明する。図１には本発明（第１発明）の第１実施形態である展開型の使い捨ておむつを表面シート側から見た一部破断平面図が示されており、図２には図１のＩ－Ｉ線断面図が示されている。また、図３には、図１のＩＩ－ＩＩ線断面図が示されている。

　第１実施形態の使い捨ておむつ１Ａ（以下、「おむつ１Ａ」ともいう。）は、図１に示すように、肌対向面側に配された表面シート２と、非肌対向面側に配された裏面シート３と、これら両シート２，３間に配された吸収体４とを備えた、腹側部Ａ、背側部Ｂ及び股下部Ｃに区分された縦長の吸収性本体１０を有している。そして、吸収性本体１０には、裏面シート３と吸収体４との間に、色の変化により排泄を知らせるインジケーター６の塗工されたインジケーター塗工領域６０が縦方向に配されている。おむつ１Ａは、図１に示すように、縦方向に延びる中心線ＣＬに対して左右対称に形成されている。

　おむつ１Ａについて、詳述すると、おむつ１Ａの吸収性本体１０は、図１に示すように、縦方向（以下「Ｙ方向」ともいう。Ｙ方向：中心線ＣＬに平行な方向をいう。）に、腹側部Ａ、背側部Ｂ及びこれらＡ，Ｂの間に位置する股下部Ｃを有している。腹側部Ａは、おむつ着用時に着用者の腹側に位置する部位であり、背側部Ｂは、着用者の背側に位置する部位であり、股下部Ｃは、着用者の股下に位置する部位である。股下部Ｃは、おむつ１Ａの縦方向（Ｙ方向）中央部に位置している。尚、縦方向（Ｙ方向）に直交する方向を、おむつ１Ａの横方向（以下「Ｘ方向」ともいう。）として説明する。
　また、本明細書において、「肌対向面」とは、おむつ１Ａを構成する表面シート２などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、「非肌対向面」とは、表面シート２などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。

　おむつ１Ａの吸収性本体１０は、図１に示すように、腹側部Ａの縦方向（Ｙ方向）に沿う左右両側縁及び背側部Ｂの縦方向（Ｙ方向）に沿う左右両側縁それぞれが股下部Ｃの縦方向（Ｙ方向）に沿う左右両側縁よりも横方向（Ｘ方向）外方に延出している。そして、股下部Ｃの左右両側縁が横方向（Ｘ方向）内方（中心線ＣＬ）に向かって凸状に湾曲しており、全体として縦方向（Ｙ方向）中央部が内方に括れた形状を有している。表面シート２及び裏面シート３はそれぞれ、吸収体４の縦方向（Ｙ方向）に沿う左右両側縁及び縦方向（Ｙ方向）の前後両端縁から外方に延出している。表面シート２は、図２に示すように、その横方向（Ｘ方向）の寸法が、裏面シート３の横方向（Ｘ方向）の寸法より小さくなっている。表面シート２及び裏面シート３はそれぞれ、吸収体４の外周縁から外方に延出した延出部において直接的に又は他の部材を介在させて互いに接合されており、吸収体４を挟持・固定している。

　おむつ１Ａの吸収性本体１０には、図１及び図２に示すように、縦方向（Ｙ方向）に沿う両側部１０ｓ，１０ｓそれぞれに、表面シート２を介してサイドシート５が配されている。サイドシート５は、図１に示すように、表面シート２の肌対向面側であって、縦方向（Ｙ方向）に沿う側部全域に亘って配設固定されている。各サイドシート５のＸ方向の内方側（中心線ＣＬ寄り）の端部は、図２に示すように、自由端となっており、自由端近傍には、股下部Ｃにおいて、立体ギャザー形成用の弾性部材５１が縦方向（Ｙ方向）に伸長状態で配設固定されており、着用時には、その弾性部材の収縮力により、自由端から所定幅の部分が表面シート２から離間して立体ギャザーを形成する。

　各サイドシート５のＸ方向の外方側の端部は、図２に示すように、裏面シート３と固定されており、各サイドシート５の外方側の端部と裏面シート３との間には、股下部Ｃにおいて、レッグギャザー形成用の弾性部材５２が縦方向（Ｙ方向）に伸長状態で配設固定されており、着用時には、その弾性部材の収縮力により、レッグギャザーが形成される。

　おむつ１Ａは、図１に示すように、いわゆる展開型のおむつであり、吸収性本体１０の背側部Ｂの左右両外方に連設された左右一対の伸縮パネル７ｂ，７ｂを有している。おむつ１Ａの一対の伸縮パネル７ｂ，７ｂは、背側部Ｂにおいて、その中心線ＣＬ寄りの端部が、裏面シート３の非肌対向面に固定されており、吸収性本体５の背側部Ｂの左右両外方に連設されている。尚、おむつ１Ａにおいては、一対の伸縮パネル７ｂ，７ｂは、裏面シート３の非肌対向面に固定されているが、表面シート２を介して配されたサイドシート５と裏面シート３との間で固定されていてもよい。各伸縮パネル７ｂには、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部７１が取り付けられたファスニングテープ７２がＸ方向外方に延出して取り付けられている。伸縮パネル７ｂは、接着剤や融着等の手段を用いて吸収性本体１０に固定されている。

　また、おむつ１Ａは、図１に示すように、吸収性本体１０の腹側部Ａの左右両外方に連設された左右一対のパネル材７ａ，７ａを有している。おむつ１Ａの一対のパネル材７ａ，７ａは、腹側部Ａにおいて、図１に示すように、その中心線ＣＬ寄りの端部が、表面シート２を介して配されたサイドシート５と裏面シート３との間で固定されており、吸収性本体５の腹側部Ａの左右両外方に連設されている。尚、おむつ１Ａにおいては、一対のパネル材７ａ，７ａは、サイドシート５と裏面シート３との間で固定されているが、裏面シート３の非肌対向面に固定されていてもよい。パネル材７ａは、接着剤や融着等の手段を用いて吸収性本体１０に固定されている。また、腹側部Ａの非肌対向面には、背側部Ｂのファスニングテープ７２の止着部７１を止着させるランディングテープ７３が、一対のパネル材７ａ，７ａどうしの間に、設けられている。

　吸収体４は、図１に示すように、腹側部Ａから背側部Ｂに亘る下層吸収体４１と、下層吸収体４１の肌対向面上に配された腹側部Ａから股下部Ｃにのみ亘る上層吸収体４２とからなる。おむつ１においては、図２及び図３に示すように、上層吸収体４２は、腹側部Ａから股下部Ｃのみに亘り、下層吸収体４１は、腹側部Ａから股下部Ｃ、さらに背側部Ｂに亘るため、長手方向（縦方向（Ｙ方向））の長さは上層吸収体４２よりも下層吸収体４１が長く形成されている。さらに好ましくは、下層吸収体４１が縦長の矩形状の場合、上層吸収体４２の幅は下層吸収体４１の幅より短くなる。上層吸収体４２を幅狭くすることで吸収体４の柔軟性が得やすくなるので、身体へのフィット性が良い。縦方向（Ｙ方向）の長さも上記のよう上層吸収体４２を短くすることで、腹側部Ａから背側部Ｂにかけて湾曲しやすくなり、身体へのフィット性が向上する。ただし、下層吸収体４１が股下部Ｃで括れた形状の場合、上層吸収体４２の幅と下層吸収体４１の幅は股下部Ｃでのみ等しい場合がある。具体的には、縦方向（Ｙ方向）の長さは、上層吸収体４２が下層吸収体４１の２０％以上好ましくは４０％以上、８０％以下好ましくは６０％以下である。幅は、上層吸収体４２が、下層吸収体４１の４０％以上好ましくは６０％以上、９５％以下好ましくは８０％以下である。

　下層吸収体４１は、おむつ１においては、図２及び図３に示すように、下層吸収性コア４１１と下層吸収性コア４１１を包む被覆材４１２とを有し、下層吸収性コア４１１を被覆材４１２で包んで形成されている。上層吸収体４２は、被覆材を有さず、上層吸収性コア４２１のみから形成されている。下層吸収性コア４１１の坪量は、１００ｇ／ｍ²以上１０００ｇ／ｍ²以下であることが好ましく、被覆材４１２の坪量は、３ｇ／ｍ²以上２０ｇ／ｍ²以下であることが好ましい。一方、上層吸収性コア４２１の坪量は、５０ｇ／ｍ²以上５００ｇ／ｍ²以下であることが好ましい。

　下層吸収体４１について詳述すると、下層吸収性コア４１１は、おむつ１Ａにおいては、図１に示すように、腹側部Ａ側の縦方向（Ｙ方向）に沿う両側縁及び背側部Ｂ側の縦方向（Ｙ方向）に沿う両側縁それぞれが股下部Ｃの縦方向（Ｙ方向）に沿う両側縁よりも横方向（Ｘ方向）外方に延出しており、全体として縦方向（Ｙ方向）中央部から腹側部Ａ寄りの部分が内方に括れた形状に形成されている。また、下層吸収性コア４１１は、おむつ１Ａにおいては、図２及び図３に示すように、下層吸収性コア４１１の肌対向面及び非肌対向面それぞれが平坦となっている。そして、下層吸収体４１は、おむつ１Ａにおいては、図２に示すように、１枚の被覆材４１２を用いて、被覆材４１２の両側部を折り返し、下層吸収性コア４１１の非肌対向面側（裏面シート３側）に、被覆材４１２の側縁部どうしを重ねるようにして下層吸収性コア４１１を包んで形成されている。このように形成された下層吸収体４１が、腹側部Ａから背側部Ｂに亘って形成されている。尚、おむつ１Ａにおいては、前述のとおり、下層吸収体４１が下層吸収性コア４１１を１枚の被覆材４１２で包んで形成されているが、下層吸収性コア４１１の肌対向面側及び非肌対向面側に配された２枚の被覆材４１２で挟んで形成されていてもよい。

　上層吸収体４２について詳述すると、上層吸収性コア４２１は、おむつ１Ａにおいては、図１に示すように、その幅が下層吸収体４１の下層吸収性コア４１１の股下部Ｃにおける両側縁間の幅と略一致しており、腹側部Ａから股下部Ｃにのみ亘る縦方向（Ｙ方向）に長い矩形状に形成されている。また、上層吸収性コア４２１は、おむつ１Ａにおいては、図２及び図３に示すように、上層吸収性コア４２１の肌対向面及び非肌対向面それぞれが平坦となっている。そして、上層吸収体４２は、図２に示すように、上層吸収性コア４２１のみで形成されている。このように形成された上層吸収体４２が、腹側部Ａから股下部Ｃにのみに亘って形成されている。即ち、上層吸収体４２は、背側部Ｂには形成されていない。

　吸収体４は、図１に示すように、吸収体４を平面視して、上層吸収体４２と下層吸収体４１とが重なるメイン吸収領域４Ｍと、メイン吸収領域４Ｍ以外のサブ吸収領域４Ｅとに区分されている。言い換えれば、メイン吸収領域４Ｍは、上層吸収体４２及び下層吸収体４１の２層構成の領域であり、サブ吸収領域４Ｅは、下層吸収体４１のみの単層構成の領域である。さらに具体的に説明すると、おむつ１Ａにおいては、図１に示すように、上層吸収性コア４２１の幅が下層吸収体４１の最も狭い位置での幅と略一致しているので、矩形状の上層吸収性コア４２１の全体が、中央部分が内方に括れた形状の下層吸収体４１上に配されている。その為、おむつ１Ａにおいて、上層吸収性コア４２１と下層吸収体４１とが重なる２層構成のメイン吸収領域４Ｍは、上層吸収性コア４２１の配された領域を意味しており、サブ吸収領域４Ｅは、下層吸収体４１における上層吸収性コア４２１の配されていない下層吸収体４１単層のみからなる領域を意味している。

　吸収体４は、吸収ポリマー及びセルロース繊維を含んでいる。そして、下層吸収体４１は、メイン吸収領域４Ｍに属する領域の吸収ポリマーの坪量がサブ吸収領域４Ｅに属する領域の吸収ポリマーの坪量よりも大きくなっている。具体的には、下層吸収体４１の下層吸収性コア４１１は、おむつ１Ａにおいては、吸収ポリマー及びセルロース繊維から形成されている。下層吸収性コア４１１におけるメイン吸収領域４Ｍに属する領域の吸収ポリマーの坪量は、好ましくは５０ｇ／ｍ²以上、更に好ましくは１００ｇ／ｍ²以上であり、また、好ましくは５００ｇ／ｍ²以下、更に好ましくは４００ｇ／ｍ²以下であり、具体的には、５０ｇ／ｍ²以上５００ｇ／ｍ²以下であることが好ましく、１００ｇ／ｍ²以上４００ｇ／ｍ²以下であることが更に好ましい。下層吸収性コア４１１におけるメイン吸収領域４Ｍに属する領域のセルロース繊維の坪量は、好ましくは０ｇ／ｍ²以上であり、また、好ましくは３００ｇ／ｍ²以下、更に好ましくは２００ｇ／ｍ²以下であり、具体的には、０ｇ／ｍ²以上３００ｇ／ｍ²以下であることが好ましく、０ｇ／ｍ²以上２００ｇ／ｍ²以下であることが更に好ましい。一方、下層吸収性コア４１１におけるサブ吸収領域４Ｅに属する領域の吸収ポリマーの坪量は、好ましくは２０ｇ／ｍ²以上、更に好ましくは５０ｇ／ｍ²以上であり、また、好ましくは４００ｇ／ｍ²以下、更に好ましくは３００ｇ／ｍ²以下であり、具体的には、２０ｇ／ｍ²以上４００ｇ／ｍ²以下であることが好ましく、５０ｇ／ｍ²以上３００ｇ／ｍ²以下であることが更に好ましい。下層吸収性コア４１１におけるサブ吸収領域４Ｅに属する領域のセルロース繊維の坪量は、好ましくは０ｇ／ｍ²以上であり、また、好ましくは２５０ｇ／ｍ²以下、更に好ましくは２００ｇ／ｍ²以下であり、具体的には、０ｇ／ｍ²以上２５０ｇ／ｍ²以下であることが好ましく、０ｇ／ｍ²以上２００ｇ／ｍ²以下であることが更に好ましい。また、下層吸収性コア４１１におけるメイン吸収領域４Ｍに属する領域の吸収ポリマーの坪量は、下層吸収性コア４１１におけるサブ吸収領域４Ｅに属する領域の吸収ポリマーの坪量に比べて、尿を効率的に吸収する観点から、１０ｇ／ｍ²以上大きいことが好ましく、２０ｇ／ｍ²以上大きいことが更に好ましい。下層吸収性コア４１１におけるメイン吸収領域４Ｍに属する領域の吸収ポリマー及びセルロース繊維の坪量、並びにサブ吸収領域４Ｅに属する領域の吸収ポリマー及びセルロース繊維の坪量は、以下の方法により測定する。

　＜下層吸収性コア４１１におけるメイン吸収領域４Ｍに属する領域の吸収ポリマー及びセルロース繊維の坪量、並びにサブ吸収領域４Ｅに属する領域の吸収ポリマー及びセルロース繊維の坪量の測定方法＞
　先ず、吸収体４を水平な台の上に設置し、上層吸収体４２と下層吸収体４１とが重なるメイン吸収領域４Ｍにて、７０ｍｍ×７０ｍｍの大きさに裁断し、この裁断したサンプルから上層吸収体４２の部分と被覆材４１２を取り除き、これを下層吸収性コア４１１におけるメイン吸収領域４Ｍに属する領域のサンプルとする。吸収体の大きさの関係上、所定のサンプルサイズを裁断するのが困難な場合は、吸収体の大きさに合わせて裁断するサンプルサイズを変更してもよい。重量を測定したヒートシールで封じたナイロンパック（ｍｅｓｈ　ｎｏ．２５０）の袋に同じく重量を測定したサンプルを封入し、０．１％アスコルビン酸、０．０１％リボフラビン（ＶｉｔａｍｉｎＢ２）水溶液にサンプルが溶液を吸収して膨張するまで浸漬し、２０時間以上太陽光により露光する。その後、パック内のサンプルの黄色が検出されなくなるまで、あるいはパルプの白色となるまで随時水洗を行い、水溶化したポリマーを、パック外にすすぎ出す。次に、８００ｒｐｍの条件下で１０分間遠心脱水を施し、８０℃にて、１２時間～２４時間乾燥させ、サンプルからの減量分を吸収ポリマー量として算出し、また、サンプルの重量から、その減量分を差し引いた量をセルロース繊維量とする。サンプル数は３点以上とし、それらの平均値を求め、裁断したサンプルの面積から各吸収ポリマーの坪量及び各セルロース繊維の坪量を算出する。同様に、下層吸収性コア４１１におけるサブ吸収領域４Ｅに属する領域の吸収ポリマー及びセルロース繊維の坪量を測定する。

　上層吸収体４２は液をすばやく下層吸収体４１へ伝えることが好ましく、かかる点から上層吸収体４２の上層吸収性コア４２１は、少なくともセルロース繊維を用いることができ、より好ましくは架橋セルロース繊維から形成された積繊体を用いる。なお上層吸収体４２には被覆材を備えないが、吸収ポリマーが含まれる場合は、下層吸収体４１を包む被覆材４１２で上層吸収体４２も包んでもよく、下層吸収体４１とは別に上層吸収体４２のみを被覆材で包んでもよい。上層吸収体４２は、その吸収ポリマーの坪量が下層吸収体４１の吸収ポリマーの坪量よりも小さくなっているか又は吸収ポリマーを含まないものである。具体的には、おむつ１Ａにおいては、上層吸収体４２（上層吸収性コア４２１）は、架橋セルロース繊維から形成された積繊体であり、含有する吸収ポリマーの坪量は、好ましくは０ｇ／ｍ²以上であり、また、好ましくは３００ｇ／ｍ²以下、更に好ましくは２００ｇ／ｍ²以下であり、具体的には、０ｇ／ｍ²以上３００ｇ／ｍ²以下であることが好ましく、０ｇ／ｍ²以上２００ｇ／ｍ²以下であることが更に好ましい。上層吸収性コア４２１のセルロース繊維の坪量は、好ましくは５０ｇ／ｍ²以上、更に好ましくは１００ｇ／ｍ²以上であり、また、好ましくは５００ｇ／ｍ²以下、更に好ましくは３００ｇ／ｍ²以下であり、具体的には、５０ｇ／ｍ²以上５００ｇ／ｍ²以下（上述した上層吸収性コア４２１の坪量と同じ範囲）であることが好ましく、１００ｇ／ｍ²以上３００ｇ／ｍ²以下であることが更に好ましい。また、下層吸収性コア４１１の吸収ポリマーの坪量（下層吸収性コア４１１におけるメイン吸収領域４Ｍに属する領域の吸収ポリマーの坪量及びサブ吸収領域４Ｅに属する領域の吸収ポリマーの坪量の平均値）は、好ましくは１００ｇ／ｍ²以上、更に好ましくは１５０ｇ／ｍ²以上であり、また、好ましくは４００ｇ／ｍ²以下、更に好ましくは３５０ｇ／ｍ²以下であり、具体的には、１００ｇ／ｍ²以上４００ｇ／ｍ²以下であることが好ましく、１５０ｇ／ｍ²以上３５０ｇ／ｍ²以下であることが更に好ましい。また、上層吸収体４２１の吸収ポリマーの坪量は、下層吸収性コア４１１の吸収ポリマーの坪量（下層吸収性コア４１１におけるメイン吸収領域４Ｍに属する領域の吸収ポリマーの坪量及びサブ吸収領域４Ｅに属する領域の吸収ポリマーの坪量の平均値）に比べて、液拡散性を高める観点から、５０ｇ／ｍ²以上小さいことが好ましく、１００ｇ／ｍ²以上小さいことが更に好ましい。上層吸収体４２１の吸収ポリマーの坪量は、以下の方法により測定する。

　＜上層吸収体４２１の吸収ポリマー及びセルロース繊維の坪量の測定方法＞
　先ず、上層吸収体４２と下層吸収体４１とを分離して、分離した上層吸収体４２を水平な台の上に設置し、７０ｍｍ×７０ｍｍの大きさに裁断し、これを測定サンプルとする。測定は、上述した＜下層吸収性コア４１１におけるメイン吸収領域４Ｍに属する領域の吸収ポリマー及びセルロース繊維の坪量、並びにサブ吸収領域４Ｅに属する領域の吸収ポリマー及びセルロース繊維の坪量の測定方法＞に記載の方法と同様に行い、上層吸収体４２１の吸収ポリマーとセルロース繊維の坪量とする。

　吸収体４の含む吸収ポリマーについて、以下具体的に説明する。
　吸収ポリマーは、排泄物の吸収保持の観点から、その吸水量が、好ましくは１０ｇ／ｇ以上、更に好ましくは１５ｇ／ｇ以上であり、また、好ましくは５０ｇ／ｇ以下、更に好ましくは３０ｇ／ｇ以下であり、具体的には、１０ｇ／ｇ以上５０ｇ／ｇ以下であることが好ましく、１５ｇ／ｇ以上３０ｇ／ｇ以下であることが更に好ましい。吸収ポリマーの吸水量は、ＪＩＳ　Ｋ　７２２３に準拠した遠心保持量の測定方法により求めることができる。吸水性ポリマーの遠心保持量は、吸水性ポリマーの吸水量（吸水倍率）に関連する特性であり、一般に、遠心保持量の値が大きい吸水性ポリマーは、吸水量も大きい。

　＜遠心保持量（吸水量）の測定方法＞
　遠心保持量（吸水量）の測定は、ＪＩＳ　Ｋ　７２２３（１９９６）に準拠して行う。ナイロン製の織布（メッシュ開き２５５、三力製作所販売、品名：ナイロン網、規格：２５０×メッシュ巾×３０ｍ）を幅１０ｃｍ、長さ４０ｃｍの長方形に切断して長手方向中央で二つ折りにし、両端をヒートシールして幅１０ｃｍ（内寸９ｃｍ）、長さ２０ｃｍのナイロン袋を作製する。次いで、測定試料である吸収ポリマー１．００ｇを精秤し、作製したナイロン袋の底部に均一になるように入れる。次いで、試料の入ったナイロン袋を、２５℃に調温した生理食塩水（０．９質量％塩化ナトリウム水）に浸漬させる。そして浸漬開始から１時間後にナイロン袋を生理食塩水から取り出し、１時間垂直状態に吊るして水切りした後、遠心脱水器（コクサン（株）製、型式Ｈ－１３０Ｃ特型）を用いて脱水する。脱水条件は、１４３Ｇ（８００ｒｐｍ）で１０分間とする。脱水後、試料の質量を測定し、次式に従って目的とする遠心保持量（吸水量）を算出する。
　遠心保持量（ｇ／ｇ）＝（ａ’－ｂ－ｃ）／ｃ
　式中、ａ’は遠心脱水後の試料及びナイロン袋の総質量（ｇ）、ｂはナイロン袋の吸水前（乾燥時）の質量（ｇ）、ｃは試料の吸水前（乾燥時）の質量（ｇ）を表す。測定は５回行い（ｎ＝５）、上下各１点の値を削除し、残る３点の平均値を測定値とした。尚、測定は２３±２℃、湿度５０±５％で行い、測定の前に試料を同環境で２４時間以上保存した上で測定する。

　また、吸収ポリマーは、加圧時における排泄物の吸収保持の観点から、２．０ｋＰａでの加圧下吸収量が、好ましくは１０ｇ／ｇ以上、更に好ましくは１５ｇ／ｇ以上であり、また、好ましくは５０ｇ／ｇ以下、更に好ましくは３０ｇ／ｇ以下であり、具体的には、１０ｇ／ｇ以上５０ｇ／ｇ以下であることが好ましく、１５ｇ／ｇ以上３０ｇ／ｇ以下であることが更に好ましい。ここで、２．０ｋＰａという荷重は、吸収性物品を着用しているときに吸収体に加わる体圧にほぼ相当する。加圧下吸収量は、吸収性物品の着用により吸収体に圧力が加わっている状態において、吸収ポリマーが最大どのくらいまで吸収できるかを示す尺度となる。

　＜加圧下吸収量の測定方法＞
　加圧下吸収量は、特開２００３－２３５８８９号公報に記載されている測定方法及び測定装置を利用して測定される。即ち、目開き６３μｍのナイロン網（ＪＩＳ　Ｚ８８０１－１：２０００を底面に貼った円筒プラスチックチューブ（内径３０ｍｍ、高さ６０ｍｍ）を用意する。次いで、試料（吸収ポリマー）０．５０ｇを精秤し、垂直にした円筒プラスチックチューブのナイロン網上に試料がほぼ均一の厚さになるように入れる。次いで、２．０ｋＰａの荷重が試料にかかるように外径２９．５ｍｍ×厚さ２２ｍｍの分銅を円筒プラスチックチューブ内に挿入する。次いで、生理食塩水６０ｍｌの入ったシャーレ（直径：１２０ｍｍ）の中に試料及び分銅の入った円筒プラスチックチューブを、ナイロン網側を下面にして垂直に浸す。そして、浸しながら６０分放置した後に、試料及び分銅の入った円筒プラスチックチューブを取り出し、１５分水切りした後に、試料及び分銅の入った円筒プラスチックチューブを計量し、試料が吸収した生理食塩水の重量を算出する。この吸収した生理食塩水の重量を０．５で除した値を加圧下吸収量（ｇ／ｇ）とする。測定は５回行い（ｎ＝５）、上下各１点の値を削除し、残る３点の平均値を測定値とする。尚、測定は２３±２℃、湿度５０±５％で行い、測定の前に試料を同環境で２４時間以上保存した上で測定する。

　また、吸収ポリマーは、加圧時における液の拡散性の観点から、２．０ｋＰａでの加圧下通液速度が、好ましくは５ｍｌ／ｍｉｎ以上、更に好ましくは１０ｍｌ／ｍｉｎ以上であり、また、好ましくは１５０ｍｌ／ｍｉｎ以下、更に好ましくは１２０ｍｌ／ｍｉｎ以下であり、具体的には、５ｍｌ／ｍｉｎ以上１５０ｍｌ／ｍｉｎ以下であることが好ましく、１０ｍｌ／ｍｉｎ以上１２０ｍｌ／ｍｉｎ以下であることが更に好ましい。加圧下通液速度は、一般的に、吸収体中の液の拡散・透過速度の指標として役立つものである。

　＜加圧下通液速度の測定方法＞
　加圧下通液速度は、特開２００３－２３５８８９号公報に記載されている測定方法及び測定装置を利用して測定される。即ち、１００ｍＬのガラスビーカーに、測定試料である吸収ポリマー０．３２±０．００５ｇを膨潤するに十分な量の生理食塩水（０．９質量％塩化ナトリウム水）、例えば吸収ポリマーの飽和吸収量の５倍以上の生理食塩水に浸して３０分間放置する。別途、垂直に立てた円筒（内径２５．４ｍｍ）の開口部の下端に、金網（目開き１５０μｍ、株式会社三商販売のバイオカラム焼結ステンレスフィルター３０ＳＵＳ）と、コック（内径２ｍｍ）付き細管（内径４ｍｍ、長さ８ｃｍ）とが備えられた濾過円筒管を用意し、コックを閉鎖した状態で該円筒管内に、膨潤した測定試料を含む前記ビーカーの内容物全てを投入する。次いで、目開きが１５０μｍで直径が２５ｍｍである金網を先端に備えた直径２ｍｍの円柱棒を濾過円筒管内に挿入して、該金網と測定試料とが接するようにし、更に測定試料に２．０ｋＰａの荷重が加わるようにおもりを載せる。この状態で１分間放置した後、コックを開いて液を流し、濾過円筒管内の液面が６０ｍＬの目盛り線から４０ｍＬの目盛り線に達する（つまり２０ｍＬの液が通過する）までの時間（Ｔ₁）（秒）を計測する。計測された時間Ｔ₁（秒）を用い、次式から２．０ｋＰａでの加圧下通液速度を算出する。尚、式中、Ｔ₀（秒）は、濾過円筒管内に測定試料を入れないで、生理食塩水２０ｍｌが金網を通過するのに要する時間を計測した値である。
　加圧下通液速度（ｍｌ／ｍｉｎ）＝２０×６０／（Ｔ₁－Ｔ₀）
　測定は５回行い（ｎ＝５）、上下各１点の値を削除し、残る３点の平均値を測定値とする。尚、測定は２３±２℃、湿度５０±５％で行い、測定の前に試料を同環境で２４時間以上保存した上で測定する。加圧下通液速度の更に詳細な測定方法は、特開２００３－２３５８８９号公報の段落〔０００８〕及び段落〔０００９〕に記載されており、また測定装置は、同公報の図１及び図２に記載されている。

　また、吸収ポリマーは、尿をすばやく吸収保持する観点から、ＤＷ法に従い測定された吸収速度が、好ましくは１０ｍｌ／（ｇ・１０分）以上、更に好ましくは２０ｍｌ／（ｇ・１０分）以上であり、また、好ましくは１００ｍｌ／（ｇ・１０分）以下、更に好ましくは７０ｍｌ／（ｇ・１０分）以下であり、具体的には、１０ｍｌ／（ｇ・１０分）以上１００ｍｌ／（ｇ・１０分）以下であることが好ましく、２０ｍｌ／（ｇ・１０分）以上７０ｍｌ／（ｇ・１０分）以下であることが更に好ましい。ＤＷ法による吸収速度は、吸収ポリマーが体液を吸い上げて吸収する挙動、あるいは隣り合う吸収ポリマーの粒子の間隙に体液を取り込む挙動を表現するもので、製造時及び体液吸収後の吸収体の保形性、特に体液吸収後の吸収体の保形性の指標として役立つものである。

　また、吸収ポリマーは、尿をすばやく吸収保持する観点から、ＤＷ法に従い測定された吸収速度が、好ましくは３ｍｌ／（ｇ・１分）以上、更に好ましくは５ｍｌ／（ｇ・１分）以上であり、また、好ましくは３０ｍｌ／（ｇ・１分）以下、更に好ましくは２０ｍｌ／（ｇ・１分）以下であり、具体的には、３ｍｌ／（ｇ・１分）以上３０ｍｌ／（ｇ・１分）以下であることが好ましく、５ｍｌ／（ｇ・１分）以上２０ｍｌ／（ｇ・１分）以下であることが更に好ましい。

　＜ＤＷ法による吸収速度の測定方法＞
　ＤＷ法による吸収速度は、Ｄｅｍａｎｄ　Ｗｅｔｔａｂｉｌｉｔｙ　Ｔｅｓｔｅｒ装置を用いて測定される。具体的には、該装置において生理食塩水の液面を、ポリマー散布台〔７０ｍｍφ、Ｎｏ，２濾紙をガラスフィルターＮｏ，１上に置いた台〕の表面と等水位にセットし、該ポリマー散布台の表面上に測定対象の吸収ポリマーを０．３ｇ散布する。吸収ポリマーを散布した時点の吸水量を０とし、１分経過後及び１０分経過後それぞれの吸水量を測定する。この吸水量は、生理食塩水の水位の低下量を示すビュレットの目盛りで測定される。得られた吸水量の値をＤＷ法による吸収速度とする。測定は５回行い（ｎ＝５）、上下各１点の値を削除し、残る３点の平均値を測定値とする。尚、測定は２３±２℃、湿度５０±５％で行い、測定の前に試料を同環境で２４時間以上保存した上で測定する。

　上述した吸収ポリマーは、自重の２０倍以上の液を吸収・保持できかつゲル化しうるものが好ましい。好ましくはその平均粒子径が、１０μｍ以上１０００μｍ以下、より好ましくは１００μｍ以上８００μｍ以下の粒子状のものである。粒子の形状には、特に制限はなく、例えば球状、塊状、ぶどう状、俵状などの種々の形状を採用することができる。

　上述した特徴を有する吸収ポリマーは、一例として、以下のモノマーから選ばれる１種類以上を重合して得ることができる。また、必要に応じて架橋処理が施される。重合方法は、特に限定されるものではなく、逆相懸濁重合法や水溶液重合法などの一般的に知られた吸収ポリマーの種々の方法を採用することができる。その後、この重合体に対して必要に応じて粉砕、分級などの操作を行い、また、必要に応じて表面処理を行う。

　吸収ポリマーを製造する際に用いられるモノマーは、水溶性で、重合性の不飽和基を有するモノマーである。具体的には、オレフィン系不飽和カルボン酸またはその塩、オレフィン系不飽和カルボン酸エステル、オレフィン系不飽和スルホン酸またはその塩、オレフィン系不飽和リン酸またはその塩、オレフィン系不飽和リン酸エステル、オレフィン系不飽和アミン、オレフィン系不飽和アンモニウム塩、オレフィン系不飽和アミドなどの重合性不飽和基を有するビニルモノマーが挙げられる。

　吸収体４の含むセルロース繊維について、以下具体的に説明する。
　セルロース繊維としては、コットン、パルプ繊維、レーヨン繊維等が挙げられる。上層吸収体４２１のセルロース繊維と下層吸収性コア４１１のセルロース繊維とは、同一の種類のものであってもよく、異なる種類のものであってもよい。上層吸収体４２１のセルロース繊維は、セルロース繊維の中でも特に、液戻り性を向上させる観点から、架橋されたセルロース繊維であることが好ましい。架橋されたセルロース繊維としては、特表２０１０－５２６６３２号公報に記載の変性（セルロース）繊維、例えば、化学的に剛化された、撚り合わされた及び／又はカールされた（カーリー）（セルロース）繊維；化学的に剛化された、撚り合わされた及び／又はカールされた架橋セルロース又は合成ポリマー繊維等が挙げられ、これらの１種を単独で又は２種以上を混合して用いることができる。市販品を用いることもできる。そのような市販品としては、例えばFederal Paper Board Co.製の「ALBACEL」（商品名）、PT Inti Indorayon Utara製の「INDORAYON」（商品名）、ITT Rayonier Inc.製の「FILTRANIER」（商品名）及び同社製の「POROSANIER」（商品名）等が挙げられる。

　下層吸収体４１を構成する被覆材４１２は、その液透過性が、拡散性を更に向上させる観点から、上層吸収体４２の液透過性よりも低いことが好ましい。液透過性は、以下の方法により測定できる液透過時間をもって評価する。以下の方法により測定できる液透過時間について、被覆材４１２の液透過時間は、上層吸収体４２の液透過時間に比べて、５秒以上遅いことが好ましく、８秒以上遅いことが更に好ましい。

　＜液透過時間の測定方法＞
　図７に示すように、上下端が開口している内径３５ｍｍの２本の円筒９１，９２を、両円筒９１，９２の軸を一致させて上下に配し、直径５５ｍｍの金属製メッシュ網、４０ｍｍ四方のカットサンプル片、およびその上側にアドバンテック社製１０１直径５５ｍｍのろ紙１枚をセットし、上下の円筒９１，９２間に挟み込む。このとき、上側の円筒９１の下端及び下側の円筒９２の上端に設けられた環状のフランジ部にクリップ９３を嵌合させ、上下の円筒９１，９２を連結させることが好ましい。符号９４は、円筒９１，９２の内径と同径同形状の貫通孔を有するゴム製等のパッキンである。このように、上下の円筒９１，９２でカットサンプル片を挟持固定した状態で、上側の円筒９１内に、図○中符合Ｗで示す人工尿を４０ｇ供給する。供給された人工尿は、カットサンプル片を透過し、下側の円筒９２内を通って該円筒９２の下端から流れ落ちる。この下側の円筒９２から流れ落ちる人工尿の重量の経時変化を、電子天秤等の重量測定手段を用いて観察し、人工尿の供給開始時から該質量が２０ｇになるまでの時間を測定し、その時間を液透過時間とする。複数回の測定においては、カットサンプル片はその都度新しいものを用意する。測定は３回行い、平均値を測定値とする。

　液透過時間の測定で使用する人工尿の組成は次の通りである。尿素１．９４質量％、塩化ナトリウム０．７９５４質量％、硫酸マグネシウム（七水和物）０．１１０５８質量％、塩化カルシウム（二水和物）０．０６２０８質量％、硫酸カリウム０．１９７８８質量％、ポリオキシエチレンラウリルエーテル０．００３５質量％及びイオン交換水（残量）。

　上述したように、吸収性本体１０には、裏面シート３と吸収体４との間に、色の変化により排泄を知らせるインジケーター６の塗工されたインジケーター塗工領域６０が縦方向に配されている。そして、図２に示すように、おむつ１Ａを平面視して、インジケーター６の塗工されたインジケーター塗工領域６０は、吸収体４のメイン吸収領域４Ｍに配されており、インジケーター塗工領域６０の縦方向（Ｙ方向）の背側部Ｂ側の端部６０ｂが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の背側部Ｂ側の端部４Ｍｂ近傍に配されている。ここで、インジケーター塗工領域６０とは、インジケーター６の塗工された部分を平面視して該部分全体を囲む領域を意味している。また、インジケーター塗工領域６０の背側部Ｂ側の端部６０ｂが、メイン吸収領域４Ｍの背側部Ｂ側の端部４Ｍｂ近傍に配されているとは、インジケーター塗工領域６０の端部６０ｂが、メイン吸収領域４Ｍの端部４Ｍｂの位置と一致して配されているのみならず、インジケーター塗工領域６０の縦方向の背側部Ｂ側の端部６０ｂが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の背側部Ｂ側の端部４Ｍｂの端縁（おむつ１Ａにおいては上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の背側部Ｂ側の端部の端縁）を基準に、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の長さ（おむつ１Ａにおいては上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の長さ）の約１割の範囲内に位置していれば良いことを意味する。例えば、おむつ１Ａにおいて、上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の長さが１００ｍｍである場合には、インジケーター塗工領域６０の端部６０ｂが、上層吸収体４２の背側部Ｂ側の端部の端縁を基準に±１０ｍｍの範囲内に配されていれば良いことを意味する。

　また、おむつ１Ａにおいては、インジケーター塗工領域６０の縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部６０ａが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部４Ｍａ近傍に配されている。ここで、インジケーター塗工領域６０の腹側部Ａ側の端部６０ａが、メイン吸収領域４Ｍの腹側部Ａ側の端部４Ｍａ近傍に配されているとは、インジケーター塗工領域６０の端部６０ａが、メイン吸収領域４Ｍの端部４Ｍａの位置と一致して配されているのみならず、インジケーター塗工領域６０の縦方向の腹側部Ａ側の端部６０ａが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部４Ｍａの端縁（おむつ１Ａにおいては上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部の端縁）を基準に、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の長さ（おむつ１Ａにおいては上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の長さ）の約１割の範囲内に位置していれば良いことを意味する。

　おむつ１Ａについて、更に詳述すると、図１に示すように、縦方向（Ｙ方向）に延びる中心線ＣＬの位置に沿って１本のインジケーター６の線６１が上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の前後端縁に亘って配されており、該１本のインジケーター６の線６１と上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）に沿う両側部の両側縁それぞれとの間に、縦方向（Ｙ方向）に中心線ＣＬに平行に延びる２本のインジケーター６の線６２，６２が上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の前後端縁に亘って配されている。従って、おむつ１Ａにおいては、図３に示すように、１本のインジケーター６の線６１及び２本のインジケーター６の線６２，６２を囲むインジケーター塗工領域６０が、上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の前後端縁に亘って配されており、インジケーター塗工領域６０の縦方向（Ｙ方向）の背側部Ｂ側の端部６０ｂが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の背側部Ｂ側の端部４Ｍｂの位置と一致して配されている。そして、おむつ１Ａにおいては、図３に示すように、インジケーター塗工領域６０の縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部６０ａが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部４Ｍａの位置と一致して配されている。

　更に、おむつ１Ａを横方向（Ｘ方向）に断面視して、インジケーター塗工領域６０の縦方向（Ｙ方向）に沿う側部６０ｓは、排尿の程度を精度良く認識できる観点からメイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）に沿う側部４Ｍｓ近傍に配されていることが好ましい。尚、図２に示すおむつ１Ａにおいては、インジケーター塗工領域６０の側部６０ｓはメイン吸収領域４Ｍの側部４Ｍｓ近傍に配されていない。インジケーター塗工領域６０の縦方向（Ｙ方向）に沿う側部６０ｓが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）に沿う側部４Ｍｓ近傍に配されているとは、インジケーター塗工領域６０の側部６０ｓが、メイン吸収領域４Ｍの側部４Ｍｓの位置と一致して配されているのみならず、インジケーター塗工領域６０の側部６０ｓが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）に沿う側部４Ｍｓの側縁（おむつ１Ａにおいては上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）に沿う側部の側縁）を基準に、メイン吸収領域４Ｍの横方向（Ｘ方向）の長さ（おむつ１Ａにおいては上層吸収体４２の横方向（Ｘ方向）の長さ）の約１割の範囲内に位置していれば良いことを意味する。例えば、おむつ１Ａにおいて、上層吸収体４２の横方向（Ｘ方向）の長さが４０ｍｍである場合には、インジケーター塗工領域６０の側部６０ｓが、上層吸収体４２の側部の側縁を基準に±４ｍｍの範囲内に配されていれば良いことを意味する。

　インジケーター塗工領域６０は、図１に示すインジケーター塗工領域６０以外に、例えば図４（ａ）～図４（ｅ）に示すように配されていても良い。図４（ａ）～図４（ｅ）には、吸収性物品を平面視したとき、インジケーター塗工領域６０が、縦方向（Ｙ方向）においては上層吸収体４２の前後端近傍に達し、横方向（Ｘ方向）においては少なくとも該塗工領域６０の一部が上層吸収体４２の両側部６０ｓ，６０ｓまで塗工されているものを例示してある。以下、図４（ａ）～図４（ｅ）について、具体的に説明する。
　図４（ａ）には、インジケーター６が縦方向（Ｙ方向）に間隔を空けて塗工されて１本の縦方向（Ｙ方向）に延びるインジケーター６の群を形成しており、このインジケーター６の群を囲むインジケーター塗工領域６０が示されている。また、図４（ｂ）には、インジケーター６が縦方向（Ｙ方向）に連続して塗工されて１本の線を形成しており、この１本のインジケーター６の線を囲むインジケーター塗工領域６０が示されている。図４（ａ）及び（ｂ）に示すインジケーター塗工領域６０は、上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の前後端縁に亘って配されており、インジケーター塗工領域６０の縦方向（Ｙ方向）の背側部Ｂ側の端部６０ｂが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の背側部Ｂ側の端部４Ｍｂの位置と一致して配されている。そして、インジケーター塗工領域６０の縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部６０ａが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部４Ｍａの位置と一致して配されている。

　また、図４（ｃ）には、円形状のインジケーター６が縦方向（Ｙ方向）に左右交互に間隔を空けて塗工されて縦方向（Ｙ方向）に延びるインジケーター６の群を形成しており、このインジケーター６の群を囲むインジケーター塗工領域６０が示されている。図４（ｃ）に示すインジケーター塗工領域６０は、左側の円形状のインジケーター６の最も左側の位置と上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）に沿う左側部の側縁の位置とが一致し、右側の円形状のインジケーター６の最も右側の位置と上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）に沿う右側部の側縁の位置とが一致している。更に、最も背側部Ｂ側の円形状のインジケーター６の最もＹ方向の先端の位置と上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の背側部Ｂ側の端部の端縁の位置とが一致し、最も腹側部Ａ側の円形状のインジケーター６の最もＹ方向の下端の位置と上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部の端縁の位置とが一致している。その為、図４（ｃ）に示すインジケーター塗工領域６０は、上層吸収体４２の輪郭と一致しており、吸収体４のメイン吸収領域４Ｍに一致するものである。このように、図４（ｃ）に示すインジケーター塗工領域６０は、その背側部Ｂ側の端部６０ｂがメイン吸収領域４Ｍの背側部Ｂ側の端部４Ｍｂの位置と一致して配され、その腹側部Ａ側の端部６０ａがメイン吸収領域４Ｍの腹側部Ａ側の端部４Ｍａの位置と一致して配されている。そして、図４（ｃ）に示すインジケーター塗工領域６０は、その両側部６０ｓ，６０ｓがメイン吸収領域４Ｍの両側部４Ｍｓ，４Ｍｓの位置と一致して配されている。

　また、図４（ｄ）には、上層吸収体４２の対角線の位置に２本の線からなるインジケーター６が配されており、この２本のインジケーター６を囲むインジケーター塗工領域６０が示されている。図４（ｄ）に示すインジケーター塗工領域６０は、前述の通り、上層吸収体４２の対角線の位置に２本のインジケーター６の線が配されて形成されているので、図４（ｄ）に示すインジケーター塗工領域６０は、上層吸収体４２の輪郭と一致しており、吸収体４のメイン吸収領域４Ｍに一致するものである。このように、図４（ｄ）に示すインジケーター塗工領域６０は、その背側部Ｂ側の端部６０ｂがメイン吸収領域４Ｍの背側部Ｂ側の端部４Ｍｂの位置と一致して配され、その腹側部Ａ側の端部６０ａがメイン吸収領域４Ｍの腹側部Ａ側の端部４Ｍａの位置と一致して配されている。そして、図４（ｄ）に示すインジケーター塗工領域６０は、その両側部６０ｓ，６０ｓがメイン吸収領域４Ｍの両側部４Ｍｓ，４Ｍｓの位置と一致して配されている。

　また、図４（ｅ）には、上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）に沿う両側部の両側縁の位置と、上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）に延びる中心線ＣＬの位置とに沿って、縦方向（Ｙ方向）に延びる３本のインジケーター６の線が配されており、この３本のインジケーター６の線を囲むインジケーター塗工領域６０が示されている。図４（ｅ）に示すインジケーター塗工領域６０は、左側のインジケーター６の線の位置と上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）に沿う左側部の側縁の位置とが一致し、右側のインジケーター６の線の位置と上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）に沿う右側部の側縁の位置とが一致している。更に、３本のインジケーター６の線は、最も背側部Ｂ側のＹ方向の先端の位置と上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の背側部Ｂ側の端部の端縁の位置とが一致し、最も腹側部Ａ側のＹ方向の下端の位置と上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部の端縁の位置とが一致している。その為、図４（ｅ）に示すインジケーター塗工領域６０は、上層吸収体４２の輪郭と一致しており、吸収体４のメイン吸収領域４Ｍに一致するものである。このように、図４（ｅ）に示すインジケーター塗工領域６０は、その背側部Ｂ側の端部６０ｂがメイン吸収領域４Ｍの背側部Ｂ側の端部４Ｍｂの位置と一致して配され、その腹側部Ａ側の端部６０ａがメイン吸収領域４Ｍの腹側部Ａ側の端部４Ｍａの位置と一致して配されている。そして、図４（ｅ）に示すインジケーター塗工領域６０は、その両側部６０ｓ，６０ｓがメイン吸収領域４Ｍの両側部４Ｍｓ，４Ｍｓの位置と一致して配されている。

　本実施形態のおむつ１Ａの形成材料について説明する。
　表面シート２及び裏面シート３としては、それぞれ、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート２としては、親水性且つ液透過性の不織布等を用いることができ、裏面シート３としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、該樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。下層吸収体４１を構成する被覆材４１２としては、親水性シート、例えば、透水性の薄紙（ティッシュペーパー）や透水性の不織布からなるコアラップシート等を用いることができる。立体ギャザーやレッグギャザーを形成するサイドシート５としては、それぞれ、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができ、伸縮性のフィルム、不織布、織物またはそれらの積層シート等を用いることができる。

　立体ギャザー形成用の弾性部材５１、レッグギャザー形成用の弾性部材５２としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン－ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン－ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル－エチレン等のポリエチレン－αオレフィン共重合体等からなる糸状の伸縮性材料を用いることができる。

　インジケーター６としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、裏面シート３とは別のフィルム若しくは不織布等のシート材、又は裏面シート３に直接、排泄物と接触することにより発色、変色又は消色する色材を塗布したものを用いることができる。例えば、色材としては、ｐＨ指示薬と酸化化合物の混合物等を用いることができる。

　伸縮パネル７ｂとしては、例えば、（１）弾性繊維層の両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されているシート、（２）ネット状の弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されているシート、（３）弾性フィルムからなる弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されているシートを用いることができる。パネル材６ａは、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる、例えば、液不透過性の不織布等を用いることができる。ファスニングテープ７２は、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、ファスニングテープ７２の止着部７１としては、「マジックテープ（登録商標）」（クラレ社製）、「クイックロン（登録商標）」（ＹＫＫ社製）、「マジクロス（登録商標）」（カネボウベルタッチ社製）等におけるオス部材等を用いることができる。

　表面シート２、裏面シート３、サイドシート５、ファスニングテープ７２等の固定には、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるホットメルト型接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等の融着手段が用いられる。

　上述した本発明（第１発明）の実施形態の使い捨ておむつ１Ａを使用した際の作用効果について説明する。
　おむつ１Ａは、図１及び図２に示すように、腹側部Ａから背側部Ｂに亘る下層吸収体４１と下層吸収体４１の肌対向面上に配された腹側部Ａから股下部Ｃにのみ亘る上層吸収体４２とからなる吸収体４を備え、上層吸収体４２は、その吸収ポリマーの坪量が下層吸収体４１の吸収ポリマーの坪量よりも小さい。その為、上層吸収体４２においては、尿が拡散し易い構造となっている。そして、下層吸収体４１は、上層吸収体４２と下層吸収体４１とが重なるメイン吸収領域４Ｍに属する領域の吸収ポリマーの坪量が、メイン吸収領域４Ｍ以外のサブ吸収領域４Ｅに属する領域の吸収ポリマーの坪量よりも大きいので、上層吸収体４２から移行した尿が主にメイン吸収領域４Ｍで保持され易くなっている。また、図３に示すように、おむつ１を縦方向（Ｙ方向）に断面視して、インジケーター塗工領域６０はメイン吸収領域４Ｍに配されており、インジケーター塗工領域６０の背側部Ｂ側の端部６０ｂが、メイン吸収領域４Ｍの背側部Ｂ側の端部４Ｍｂ近傍に配されている。その為、主にメイン吸収領域４Ｍで保持された尿により、インジケーター塗工領域６０のインジケーター６が正確に変色し易く、おむつ１Ａの取り替え時期の正確性が向上する。このように、おむつ１Ａは、取り替え時期の正確性が向上するので、おむつ１Ａによれば、股下部Ｃ部分から尿が漏れ出し難い。

　また、おむつ１Ａにおいては、図３に示すように、インジケーター塗工領域６０の縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部６０ａが、メイン吸収領域４Ｍの縦方向（Ｙ方向）の腹側部Ａ側の端部４Ｍａ近傍に配されている。その為、メイン吸収領域４Ｍの端部まで尿を吸収したことが一目で確認できるので取替え時期の正確性がさらに向上する。

　特に、おむつ１Ａにおいては、インジケーター塗工領域６０は、図３に示すように、その背側部Ｂ側の端部６０ｂがメイン吸収領域４Ｍの背側部Ｂ側の端部４Ｍｂの位置と一致して配され、その腹側部Ａ側の端部６０ａがメイン吸収領域４Ｍの腹側部Ａ側の端部４Ｍａの位置と一致して配されている。その為、主にメイン吸収領域４Ｍで保持された尿により、インジケーター塗工領域６０のインジケーター６が更に正確に変色し易く、おむつ１Ａの取り替え時期の正確性が更に向上する。

　次に、本発明（第１発明）の第２実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ１Ｂ（以下、「おむつ１Ｂ」とも言う。）について、図５及び図６に基づいて説明する。
　第２実施形態のおむつ１Ｂについては、第１実施形態のおむつ１Ａと異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ１Ａと同様であり、おむつ１Ａの説明が適宜適用される。

　おむつ１Ｂは、図５及び図６に示すように、吸収体４と表面シート２との間に、上層吸収体４２よりも圧縮され難い（圧縮仕事量の低い）親水性のサブレイヤーシート８が配されている。おむつ１Ｂの有するサブレイヤーシート８は、平面視して矩形状であり、図５に示すように、横方向（Ｘ方向）の長さが上層吸収体４２の横方向（Ｘ方向）の長さと同じであり、縦方向（Ｙ方向）の長さが上層吸収体４２の縦方向（Ｙ方向）の長さと同じに形成されている。即ち、おむつ１Ｂのサブレイヤー４２は、図６に示すように、吸収体４４の上層吸収体４２の肌対向面上に配設固定され、腹側部Ａから股下部Ｃにのみ亘って配されており、背側部Ｂには配されていない。

　サブレイヤーシート８は、その坪量が１０ｇ／ｍ²以上１００ｇ／ｍ²以下であることが好ましい。サブレイヤーシート８としては、親水性繊維を主体とするシート（親水性繊維の含有量が好ましくは９０質量％以上のシート）を用いることができ、該シートとしては、例えば、紙、不織布、ウエブ等が挙げられ、特にエアスルーやレジンボンドなどの不織布が好ましい。親水性繊維としては、親水性表面を有する繊維であって、その湿潤状態において、繊維どうしが互いに高い自由度を有するシートを形成できるものであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、親水化したポリエチレンやポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート、またはこれらの複合繊維を用いることが出来る。尚、サブレイヤーシート８は、親水性繊維に加えて、他の成分、例えば吸水性ポリマー、消臭剤等を含有していても良い。

　サブレイヤーシート８は、その圧縮仕事量が、好ましくは５０ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上、更に好ましくは１００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上であり、また、好ましくは５００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下、更に好ましくは４００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下であり、具体的には、５０ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上５００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下であることが好ましく、１００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上４００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下であることが更に好ましい。下層吸収体４１は、その圧縮仕事量が、好ましくは２００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上、更に好ましくは３００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上であり、また、好ましくは１２００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下、更に好ましくは９００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下であり、具体的には、２００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上１２００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下であることが好ましく、３００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上９００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下であることが更に好ましい。上層吸収体４２は、その圧縮仕事量が、好ましくは３００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上、更に好ましくは４００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上であり、また、好ましくは１２００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下、更に好ましくは８００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下であり、具体的には、３００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上１２００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下であることが好ましく、４００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上８００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以下であることが更に好ましい。特に、サブレイヤーシート８の圧縮仕事量は、上層吸収体４２の圧縮仕事量に比べて、加圧時の拡散性を向上させる観点から、５０ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上高いことが好ましく、１００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上高いことが更に好ましい。圧縮仕事量は、以下の方法により測定する。圧縮仕事量の値が高いほど圧縮され易く（潰れ易い）、値が低いほど圧縮され難い（潰れ難い）。

　＜圧縮仕事量の測定方法＞
　圧縮仕事量の測定は（株）カトーテック社製のＫＥＳ－ＦＢ３－ＡＵＴＯ－Ａの圧縮試験機を用いて、サンプルの圧縮仕事量：ＷＣ値（単位：ｇ・ｃｍ／ｃ²）を測定することで求められる。測定条件は、圧縮変形速度：０．１０ｍｍ／ｓｅｃ、圧縮最大荷重条件：５０ｇｆ／ｃｍ²で行う。測定対象物がセルロース繊維やポリマーの積繊物であり、それらが被覆材などにより被覆されておらず測定が困難な形態である場合は、坪量が１０ｇ／ｍ²～３０ｇ／ｍ²のスパンボンド不織布で被覆してサンプル片としてもよい。サンプル片の異なる点を３回測定し、その平均値を圧縮仕事量（ｇ・ｃｍ／ｃｍ²）とする。

　上述した本発明（第１発明）の第２実施形態のおむつ１Ｂを使用した際の作用効果について説明する。
　第２実施形態のおむつ１Ｂの効果については、第１実施形態のおむつ１Ａの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ１Ａの効果と同様であり、おむつ１Ａの効果の説明が適宜適用される。

　おむつ１Ｂは、図５及び図６に示すように、吸収体４と表面シート２との間に、上層吸収体４２よりも圧縮仕事量の小さいつまり、圧縮され難い（圧縮仕事量の低い）親水性のサブレイヤーシート８が配されている。その為、尿吸収能を補強し、吸収された尿が表面シート２側に戻る現象（ウエットバック）を低減できる。特に、おむつ１Ｂにおいては、図５及び図６に示すように、サブレイヤー４２が、腹側部Ａから股下部Ｃにのみ亘って配されているので、主にメイン吸収領域４Ｍで保持される尿の尿吸収能を補強できるが、背側部Ｂに配されていないので、インジケーター塗工領域６０のインジケーター６の変色に影響を与え難くなっている。

　本発明（第１発明）の吸収性物品は、上述の第１実施形態のおむつ１Ａ、上述の第２実施形態のおむつ１Ｂに何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。また、上述の第１～第２実施形態のおむつ１Ａ～１Ｂにおける各構成要件は、本発明（第１発明）の趣旨を損なわない範囲で、適宜組み合わせて実施できる。

　例えば、本発明（第１発明）の吸収性物品は、上述のおむつ１Ａ，１Ｂのような展開型の使い捨ておむつ以外に、パンツ型の使い捨ておむつであってもよく、使い捨ておむつ以外の、例えば生理用ナプキン、尿とりパッド等であってもよい。

　以下、本発明（第２発明）の吸収性物品について、その好ましい一実施形態である使い捨ておむつに基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態のおむつ１Ｃは、図８及び図９に示すように、吸収体４及び該吸収体４の非肌対向面側に配された裏面シート３を備え、着用者の前後方向に相当する縦方向Ｙとこれに直交する横方向Ｘとを有している。

　尚、本明細書において、肌対向面は、吸収性物品（おむつ１Ｃ）又はその構成部材（表面シート２、裏面シート３、吸収体４等）における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側（着衣側）に向けられる面である。また、縦方向Ｙは、吸収性物品又はその構成部材の長辺に沿う方向（長手方向）に一致し、横方向Ｘは、吸収性物品又はその構成部材の幅方向に一致する。

　更に説明すると、おむつ１Ｃは、いわゆる展開型の使い捨ておむつであり、図８及び図９に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート２、非肌対向面を形成する液不透過性ないし撥水性（以下、これらを総称して液不透過性という）の裏面シート３、及び両シート２，３間に配置された液保持性の吸収体４を具備し、図８に示す如き平面視において一方向（縦方向Ｙ）に長い形状をしており実質的に縦長である。表面シート２及び裏面シート３は、それぞれ、吸収体４よりも大きな寸法を有し、吸収体４の周縁から外方に延出している。

　おむつ１Ｃは、図８に示すように、着用時に着用者の腹側に配される腹側部Ａ、股間部に配される股下部Ｂ及び背側に配される背側部Ｃを縦方向Ｙに有している。股下部Ｂは、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を含んでいる。おむつ１Ｃは、股下部Ｂの縦方向Ｙに沿う両側縁が内向きの円弧状に湾曲しており、図８に示す如き平面視において、縦方向Ｙの中央部が内方に括れた砂時計状の形状を有している。

　腹側部Ａは、おむつ１Ｃの縦方向Ｙの一端部１ａ（吸収性物品における、着用時に着用者の腹側に配される部位の縦方向端部）から１００～１８０ｍｍ以内の領域であり、おむつ１Ｃの縦方向Ｙの全長の２５～４０％を占める。また、背側部Ｃは、おむつ１Ｃの縦方向Ｙの他端部１ｃ（吸収性物品における、着用時に着用者の背側に配される部位の縦方向端部）から１００～１８０ｍｍ以内の領域であり、おむつ１Ｃの縦方向Ｙの全長の２５～４０％を占める。また、股下部Ｂは、腹側部Ａと背側部Ｃとに挟まれた領域であり、おむつ１Ｃの縦方向Ｙの全長の２５～４０％を占める。

　吸収体４は、図９に示すように、液保持性の吸収性コア４０と該吸収性コア４０の肌対向面及び非肌対向面をそれぞれ被覆する透水性のコアラップシート４１とを含んで構成されている。コアラップシート４１は、吸収性コア４０の肌対向面（表面シート２との対向面）を被覆する第１のコアラップシート４１ａ（親水性の不織布）と、吸収性コア４０の非肌対向面（裏面シート３との対向面）を被覆し且つ肌対向面の縦方向Ｙに沿う側縁まで巻き上げられている第２のコアラップシート４１ｂ（疎水性の不織布）とからなる。コアラップシート４１は、吸収性コア４０の保形性を維持する目的で用いられている。吸収性コア４０とコアラップシート４１との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されていても良い。

　吸収体４は、表面シート２及び裏面シート３によって挟持・固定されている。吸収体４の縦方向Ｙの前後端縁から前後方向に延出するウエスト部５，５それぞれには、ウエスト部弾性部材５１が、該ウエスト部５を構成する両シート２，３間に伸長状態で固定されており、また、吸収体４の縦方向Ｙに沿う左右側縁から横方向Ｘに延出するレッグ部６，６それぞれには、レッグ弾性部材６１が、該レッグ部６を構成する両シート２，３間に伸長状態で固定されており、おむつ１Ｃの着用時には、これらの弾性部材５１，６１の収縮によりウエストギャザー及びレッグギャザーが形成される。また、おむつ１Ｃの表面シート２側における縦方向Ｙに沿う左右両側には、それぞれ立体ガード７が設けられている。立体ガード７の自由端には、立体ガード弾性部材７１が伸長状態で固定されており、おむつ１Ｃの着用時には該弾性部材７１の収縮により立体ギャザーが形成される。

　図８に示すように、おむつ１Ｃの背側部Ｃの縦方向Ｙに沿う両側縁部には、一対のファスニングテープ８，８が設けられている。ファスニングテープ８には、機械的面ファスナーのオス部材からなる図示しない止着部が取り付けられている。また、おむつ１Ｃの腹側部Ａの非肌対向面（裏面シート３の非肌対向面）には、機械的面ファスナーのメス部材からなる被止着領域９が形成されている。被止着領域９は、裏面シート３の非肌対向面に、機械的面ファスナーのメス部材を公知の接合手段（例えば、接着剤やヒートシール等）で接合固定して形成されており、ファスニングテープ８の前記止着部を着脱自在に止着可能である。

　裏面シート３は、図８及び図９に示すように、透湿性シート３０と不織布３１との積層構造を有している。透湿性シート３０は、裏面シート３の肌対向面（吸収体４との対向面）を形成する内層シートであり、不織布３１は、裏面シート３の非肌対向面（おむつ１Ｃの外面）を形成する外層シートであり、前記積層構造は、吸収体４から近い順に、透湿性シート３０、不織布３１を含んで構成されている。図８に示すように、透湿性シート３０と不織布３１とは、縦方向Ｙの長さに関しては同じであるが、横方向Ｘの長さ（幅）に関しては透湿性シート３０の方が不織布３１よりも短く、相対的に幅狭に形成されている。透湿性シート３０お呼び不織布３１の何れも、腹側部Ａ、股下部Ｂ及び背側部Ｃに亘って配されている。透湿性シート３０は、吸収体４よりも寸法が大きく、吸収体４の非肌対向面
（裏面シート３との対向面）の全域が透湿性シート３０によって被覆されている。透湿性シート３０と不織布３１との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されていても良い。

　おむつ１Ｃを構成する以上の各構成部材としては、当該技術分野において従来公知のものを特に制限なく用いることができる。表面シート２としては、液透過性シートを用いることができ、例えば、親水性の不織布等を用いることができる。吸収性コア４０としては、例えば、木材パルプ、親水化剤により処理された合繊繊維等の親水性繊維からなる繊維集合体、又は該繊維集合体に粒子状の吸水性ポリマーを保持させたもの等を用いることができる。吸収性コア４０を被覆するコアラップシート４１（４１ａ，４１ｂ）としては、例えば、ティッシュペーパー等の紙や各種不織布、開孔フィルム等の液透過性のシートを用いることができる。弾性部材５１，６１，７１としては各種エラストマー材料を用いることができる。

　コアラップシート４１（４１ａ，４１ｂ）に関し、特に吸収性コア４０が充分に水分を吸収した後に後述するインジケータ１０を変色させる目的から、インジケータ１０と接する第２のコアラップシート４１ｂは、疎水性のシートとすることが好ましく、具体的には、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなるスパンボンド不織布、スパンボンド－メルトブローン（ＳＭ）不織布、スパンボンド－メルトブローン－スパンボンド（ＳＭＳ）不織布、スパンボンド－メルトブローン－メルトブローン－スパンボンド（ＳＭＭＳ）不織布等を用いることができる。コアラップシート４１（４１ａ，４１ｂ）の坪量は、好ましくは８～２５ｇ／ｍ²、更に好ましくは１０～２０ｇ／ｍ²である。また、コアラップシート４１ｂに用いる不織布の耐水圧の程度を選定することで、後述するインジケータ１０の変色の時期を調整することができる。このような吸収体４の一例として、肌対向面側の親水性のコアラップシート４１ａが、ポリプロピレン製のＳＭＳ不織布（坪量１５ｇ／ｍ²）に界面活性剤を塗布することで親水化処理されたものであり、且つ非肌対向面側の疎水性のコアラップシート４１ｂが、ポリプロピレン製のＳＭＳ不織布（坪量１５ｇ／ｍ²）であるものを用いることにより、肌対向面側のコアラップシート４１ａからの水分の吸水性の向上効果、及び非肌対向面側のコアラップシート４１ｂによる液止め効果が得られる。後者の液止め効果によれば、吸収性コア４０が水分を充分に吸水するまで（吸収性コア４０が使用可能な状態にある間）は、水分は非肌対向面側のコアラップシート４１ｂを通過し難く、これにより、取り替え時期に至る前のインジケータ１０の変色を効果的に防止することができる。

　裏面シート３を構成する透湿性シート３０としては、「シートを厚み方向に貫通する微細孔を備えることで透湿性を有する樹脂フィルム」を用いることができ、該樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等の樹脂からなるフィルムを用いることができる。裏面シート３を構成する不織布３１としては、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド－メルトブローン－スパンボンド（ＳＭＳ）不織布、スパンボンド－メルトブローン－メルトブローン－スパンボンド（ＳＭＭＳ）不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布等を用いることができる。裏面シート３は、該裏面シート３全体として液不透過性を有していれば良く、透湿性シート３０及び不織布３１は必ずしも液不透過性を有していなくても良い。透湿性シート３０の坪量は、好ましくは５ｇ／ｍ²以上、更に好ましくは８ｇ／ｍ²以上、そして、好ましくは５０ｇ／ｍ²以下、更に好ましくは４０ｇ／ｍ²以下、より具体的には、好ましくは１０～３０ｇ／ｍ²、更に好ましくは１５～２５ｇ／ｍ²である。また、不織布３１の坪量は、好ましくは５ｇ／ｍ²以上、更に好ましくは８ｇ／ｍ²以上、そして、好ましくは４０ｇ／ｍ²以下、更に好ましくは３０ｇ／ｍ²以下、より具体的には、好ましくは１０～２５ｇ／ｍ²、更に好ましくは１２～２０ｇ／ｍ²である。

　図８及び図９に示すように、股下部Ｂにおける裏面シート３と吸収体４との間、より具体的には透湿性シート３０とコアラップシート４１ｂとの間には、水分又は体液（尿、便、経血等）との接触により変色するインジケータ１０が配されている。インジケータ１０は、水分と接触することによって視覚的に変化する変色物質と、接着剤として機能する粘着性物質とを含む、親水性の組成物からなり、着用者（例えば乳幼児）の体液の排泄を観察者（例えば母親）に知らせるインジケータ手段としての機能に加えて、裏面シート３と吸収体４との間を接合する接合手段としての機能も有している。インジケータ１０は、透湿性シート３０の肌対向面又はコアラップシート４１ｂの非肌対向面に、前記親水性の組成物を塗布することによって配されている。インジケータ１０の変色前後の色は、それぞれ、透湿性シート３０及び不織布３１の地色とは異なっている。本実施形態において、透湿性シート３０及び不織布３１の地色は、この種の吸収性物品における裏面シートの素材の色と同様に白色であり、インジケータ１０の変色前の色（黄色）及び変色後の色（青色）は、何れも裏面シート３（透湿性シート３０及び不織布３１）を介して透けて見え、おむつ１Ｃの外部から視認可能である。

　本実施形態においては、インジケータ１０は、おむつ１Ｃの横方向Ｘの中央部において縦方向Ｙに延びる直線状に１本設けられており、股下部Ｂの縦方向Ｙの全長に亘り延出している。このように、尿等の体液の排泄を知らせるインジケータ１０が、体液が直接排泄される部位である股下部Ｂに配されていることにより、股下部Ｂでのインジケータ１０の変色が、変色が比較的起きにくい腹側部Ａや背側部Ｃとの比較によって明確に認識できるようになる。インジケータ１０の縦方向Ｙの長さは、好ましくは１００～４００ｍｍ、更に好ましくは１５０～３００ｍｍであり、横方向の長さ（幅）は、好ましくは１～１０ｍｍ、更に好ましくは２～６ｍｍである。

　インジケータ１０（親水性の組成物）に含まれる前記変色物質としては、例えばｐＨ指示薬が挙げられる。ｐＨ指示薬は、インジケータ１０が適用される吸収性物品の種類等に応じて適宜選択することができ、本実施形態のように吸収性物品が使い捨ておむつの場合には、尿との接触の前後で色が変化するものを用いることが好ましく、例えば、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザンＳ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル、レザズリン等、ｐＨが３～７で変色するものが好ましい。
　本実施形態においては、インジケータ１０は、変色前（水分又は体液との接触前）は黄色、変色後は青色であり、インジケータ１０の変色前後の色は補色の関係にある。補色の関係にある色は、色相環で正反対に位置する関係の色の組み合わせ、例えば「赤／青緑」「橙／青」「黄色／青紫」など、相補的な色のことである。補色同士の色の組み合わせは、互いの色を引き立て合う。
　変色前が黄色、変色後が青色の変色物質（ｐＨ指示薬）として、例えば、ブロモクレゾールグリーンが挙げられる。

　また、インジケータ１０（親水性の組成物）に含まれる前記粘着性物質としては、前記変色物質との相溶性の点から親水性を有するものが好ましい。そのような物質としては例えば、少なくとも水分と接触する前には裏面シート３（透湿性シート３０）と吸収体４（コアラップシート４１ｂ）との間を接合する接着剤として機能する、親水性のポリマーが挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレングリコール（ＰＥＧ）、ポリプロピレングリコール（ＰＰＧ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ）、ポリアミド、ビニルピロリドンホモポリマー等が挙げられる。

　本実施形態のおむつ１Ｃの主たる特徴部分の１つである透湿性シート３０について説明すると、図８及び図１０に示すように、透湿性シート３０における、おむつ１Ｃの厚み方向に関してインジケータ１０と重なるインジケータ対応領域３０Ａ（図８に示す如き平面視においてインジケータ１０と重なる領域）には、インジケータ１０の変色後の色と同色又は類似色のデザイン要素３５が、１ｃｍ四方の正方形形状の領域（図示せず）中に複数存するように印刷されている。複数のデザイン要素３５は、それぞれ、印刷が施されていない無印刷部３６に包囲されている。無印刷部３６は透湿性シート３０の地色であり、本実施形態では白色である。本実施形態においては、デザイン要素３５は、透湿性シート３０の非肌対向面（不織布３１との対向面）に印刷されている。

　本実施形態においては、図１０に示すように、複数のデザイン要素３５は、それぞれ、平面視ドット状（円形状）をなし、散点状に規則的なパターンで透湿性シート３０（インジケータ対応領域３０Ａ）に印刷されている。複数のデザイン要素３５の大きさは均一である。本実施形態においては、複数のデザイン要素３５とこれらを包囲する無印刷部３６とからなる印刷デザインが、透湿性シート３０の非肌対向面（不織布３１との対向面）の全域に亘って施されている。インジケータ対応領域３０Ａと透湿性シート３０におけるそれ以外の部分とで、デザイン要素３５の印刷パターン（前記印刷デザイン）は同じである。

　前述したように、本実施形態においては、インジケータ１０の変色後（水分又は体液との接触後）の色は青色であるから、透湿性シート３０に印刷されている複数のデザイン要素３５は、それぞれ、青色又はその類似色である。従って、本実施形態においては、デザイン要素３５の色とインジケータ１０の変色前の色（黄色）とは、補色の関係にある。

　本発明（第２発明）において、インジケータの変色後の色とデザイン要素の色との類似性については、通常の注意力を有する観察者が見て両色が類似していると認識し得る程度であれば良い。デザイン要素３５の色は、観察者による認識性をより高くする観点から、評価する尺度としてＬ^*Ｃ^*ｈ表色系が有効であり、ｈ値で規定することができる。具体的には、インジケータ１０の変色後の色とデザイン要素３５の色とのｈ値（直接計測）の色相角度の差（Δｈ）を０°～３０°とすることが好ましく、０°～２０°とすることが更に好ましい。前記Δｈを上記範囲とすることで、変色後のインジケータ１０とデザイン要素３５とで視覚的に差を認識しにくいようになり、観察者に両者が類似色を有するように感じさせることができる。上記Ｌ^*Ｃ^*ｈの測定は、簡易型分光色差計ＮＦ３３３（日本電色工業（株）社製、商品名）を用いて測定することができる。測定条件及び測定方法は、φ４ｍｍのＮＤ１１０センサーをを用い、光源Ｃ／２、視野角２°（３回計測の平均値））で測定することができる。インジケータ１０として例えばブロモクレゾールグリーンを変色物質（ｐＨ指示薬）として用いたもので変色前が黄色、変色後が青色の提色を示すものであれば、変色前の黄色のＬ^*Ｃ^*ｈの値が（Ｌ^*値：９０．０６、Ｃ^*値：２８．２３、ｈ値：１０４．１９°）、変色後の青色のＬ^*Ｃ^*ｈの値が（Ｌ^*値：７４．１３、Ｃ^*値：９．３９、ｈ値：１７５．９３°）のものが挙げられる。

　このように、地色が白色の透湿性シート３０のインジケータ対応領域３０Ａに、地色とは異なる色で且つインジケータ１０の変色後の色（青色）と同色又は類似色のデザイン要素３５が、１ｃｍ四方の正方形形状の領域中に複数存するように印刷されていると、そのようなデザイン要素が印刷されていない無模様のおむつに比して外観が良好になり、また、おむつ１Ｃを外部から観察する観察者にとっての「インジケータ対応領域３０Ａの色の印象」としては、地色よりもデザイン要素３５の色が目立つものとなり、ほぼ青色（青っぽい色）の印象となる。そうすると、黄色のインジケータ１０の一部が尿等の体液と接触して青色に変色した場合、図１０（ｂ）に示すように、その青色の変色部１１と、該変色部１１の外面側（非肌対向面側）を覆う青っぽい色の印象のインジケータ対応領域３０Ａ（透湿性シート３０）とのコントラストが弱まるため、観察者に対して、あたかも、縦方向Ｙに延びる黄色の直線状のインジケータ１０の一部（変色部１１）が消失したかの如き印象を与えることが可能となり、結果として、インジケータ１０の視覚的変化、即ちおむつ１Ｃの取り替え時期を観察者に強くアピールすることが可能となる。

　特に、本実施形態においては、デザイン要素３５が散点状に規則的なパターンで印刷されているため、観察者に与えるインジケータ対応領域３０Ａの色の印象が、デザイン要素３５の色と同じになり易い。そのため、デザイン要素３５の色（青色）とインジケータ１０の変色前の色（黄色）とが補色の関係にあることと相俟って、インジケータ１０の変色前においては、青っぽい色のインジケータ対応領域３０Ａと黄色のインジケータ１０とのコントラストが強くてインジケータ１０を認識し易く、またインジケータ１０の変色後においては、その変色部１１の消失感を観察者に強く印象付けることが可能となる。とりわけ、本実施形態においては、複数のデザイン要素３５とこれらを包囲する無印刷部３６とからなる印刷デザインが、透湿性シート３０の非肌対向面（不織布３１との対向面）の全域に亘って施されているため、前述した作用効果（おむつ１Ｃの外観及びインジケータ１０の視覚的変化の認識性の向上）がより一層効果的に奏される。

　しかしながら、インジケータ１０の色とその外面側を覆うインジケータ対応領域３０Ａのデザイン要素３５の色とで前述の如き関係が存していても、デザイン要素３５の印刷パターン如何によっては、前述したインジケータ１０の変色部１１の視覚的な消失効果が十分に得られないおそれがある。そこで、本実施形態においては、デザイン要素３５の印刷パターンを次のように設定している。即ち、図１１に示すように、インジケータ対応領域３０Ａにおける複数のデザイン要素３５のうち、任意の１個を特定デザイン要素３５ａ、特定デザイン要素３５ａから最も近い位置に存する１個を最近接デザイン要素３５ｂとし、且つ特定デザイン要素３５ａ及び最近接デザイン要素３５ｂそれぞれの中心を通る仮想直線Ｌを１本引いた場合、仮想直線Ｌにおける特定デザイン要素３５ａとの重なり部分の長さＬ１、及び仮想直線Ｌにおける最近接デザイン要素３５ｂとの重なり部分の長さＬ２は、それぞれ、仮想直線Ｌにおける、特定デザイン要素３５ａと最近接デザイン要素３５ｂとに挟まれた無印刷部３６との重なり部分の長さＬ３と同じか、又は長さＬ３よりも長い。尚、デザイン要素（特定デザイン要素、最近接デザイン要素）の形状によっては、その「中心」が求められない場合があるが、その場合は、当該デザイン要素の「重心」を通るように前記仮想直線を引けば良い。本実施形態においては複数のデザイン要素３５の間隔は均一であり、図１１において中央に位置する特定デザイン要素３５ａに対して、これを囲む６個のデザイン要素は何れも最近接デザイン要素３５ｂとなり得る。

　これに対し、デザイン要素３５（特定デザイン要素３５ａ、最近接デザイン要素３５ｂ）との重なり長さＬ１及びＬ２が無印刷部３６との重なり長さＬ３よりも短い（Ｌ３＞Ｌ１，Ｌ２）と、インジケータ対応領域３０Ａ（透湿性シート３０）において、その地色（本実施形態では白色）が占める割合が高くなりすぎる結果、おむつ１Ｃを外部から観察する観察者にとっての「インジケータ対応領域３０Ａの色の印象」としては、デザイン要素３５の色（本実施形態では青色）よりも地色が目立つものとなり、ほぼ地色（白っぽい色）の印象となる。そうすると、インジケータ１０が尿等の体液との接触により青色に変色しても、その青色の変色部１１（図１０（ｂ）参照）は、該変色部１１の外面側（非肌対向面側）を覆う白っぽい色の印象のインジケータ対応領域３０Ａ（透湿性シート３０）とは色相が異なるため、前述した変色部１１の視覚的な消失効果は得られず、おむつ１Ｃの取り替え時期を観察者に強くアピールすることはできない。

　前述した作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、透湿性シート３０における印刷デザインの各部の寸法等は次のように設定することが好ましい。
　平面視ドット状（円形状）のデザイン要素３５の直径（図１１中の長さＬ１及びＬ２に相当する長さ）は、好ましくは０．３ｍｍ以上、更に好ましくは０．５ｍｍ以上、そして、好ましくは５ｍｍ以下、更に好ましくは４ｍｍ以下、より具体的には好ましくは０．８～３ｍｍ、更に好ましくは１～２ｍｍである。
　仮想直線Ｌにおける無印刷部３６との重なり長さＬ３（図１１参照）は、好ましくは０．２ｍｍ以上、更に好ましくは０．４ｍｍ以上、そして、好ましくは４．５ｍｍ以下、更に好ましくは３．５ｍｍ以下、より具体的には好ましくは０．５～２．５ｍｍ、更に好ましくは０．８～１．５ｍｍである。
　長さＬ１，Ｌ２が長さＬ３よりも長い場合（Ｌ３＜Ｌ１，Ｌ２）において、両者の比（Ｌ３／Ｌ１又はＬ２）は、好ましくは０．２～０．９、更に好ましくは０．５～０．８である。

　１ｃｍ四方の正方形形状の領域中に存するデザイン要素３５の数、即ち、デザイン要素３５の単位面積当たりの数（印刷密度）は、好ましくは２個以上、更に好ましくは５個以上、そして、好ましくは１００個以下、更に好ましくは５０個以下、より具体的には好ましくは８～３０個、更に好ましくは１０～２０個である。デザイン要素３５の印刷密度が高すぎると、おむつ１Ｃを外部から観察した場合に、インジケータ１０がデザイン要素３５に隠れてしまって認識し難くなるおそれがあり、逆に印刷密度が低すぎると、前述したインジケータ１０の変色部１１の視覚的な消失効果が十分に得られないおそれがある。

　本発明（第２発明）においては、デザイン要素３５の単位面積当たりの数（印刷密度）は、透湿性シート３０の全域で同じも良く、部分的に異なっていても良い。特に、本実施形態のように、透湿性シート３０が腹側部Ａ、股下部Ｂ及び背側部Ｃに亘って配されている場合において、腹側部Ａ及び背側部Ｃが、股下部Ｂに比して、デザイン要素３５の単位面積当たりの数が多い（即ち、股下部Ｂが、腹側部Ａ及び背側部Ｃに比して、デザイン要素３５の単位面積当たりの数が少ない）と、通常腹側部Ａや背側部Ｃは股下部Ｂに比して外部から観察し易い部位であるため、おむつ１Ｃを外部から観察する観察者に対して、デザイン要素３５の色（本実施形態では青色）を強くイメージさせて、おむつ１Ｃの外観の色の印象をデザイン要素３５の色と同色に印象付けることが可能となり、結果として前述したインジケータ１０の変色部１１の視覚的な消失効果が十分に得られるようになる。

　斯かる作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、腹側部Ａ又は背側部Ｃと股下部Ｂとにおけるデザイン要素３５の単位面積当たりの数の比（腹側部Ａ又は背側部Ｃにおけるデザイン要素３５の単位面積当たりの数／股下部Ｂにおけるデザイン要素３５の単位面積当たりの数）は、好ましくは１．１～２．５、更に好ましくは１．２～２．０である。尚、腹側部Ａと背側部Ｃとでは、デザイン要素３５の単位面積当たりの数は同じでも良く、異なっていても良い。

　図８に示すように、おむつ１Ｃの縦方向Ｙに沿う側縁部における、インジケータ１０の横方向Ｘの外方に位置する部分には、インジケータ１０の変色前の色（本実施形態では黄色）と同色又は類似色のマーク１５が、おむつ１Ｃの外部から視認可能に印刷されている。ここで、インジケータ１０の変色前の色とマーク１５の色との類似性については、前述した、インジケータ１０の変色後の色とデザイン要素３５の色との類似性と同じである。マーク１５は、水分又は体液と接触しても変色しないよう、耐水性のあるインク等を用いて印刷されている。本実施形態においては、マーク１５の色（黄色）とインジケータ１０の変色後の色（青色）とは、補色の関係にある。

　本実施形態においては、マーク１５は、平面視四角形形状をなし、股下部Ｂにおけるおむつ１Ｃの左右両側縁部、より具体的には、透湿性シート３０の縦方向Ｙに沿う左右両側縁部の非肌対向面（不織布３１との対向面）に一対印刷されている。即ち、マーク１５は、透湿性シート３０におけるデザイン要素３５の印刷面と同じ面に印刷されている。一対のマーク１５，１５は、それぞれ、おむつ１Ｃの縦方向Ｙに関し、おむつ１Ｃの縦方向Ｙの中央から前後３０ｍｍ以内に位置している。斯かるマーク１５の縦方向Ｙの位置は、おむつ１Ｃにおいて着用者が排泄した尿等の体液を最初に受ける部位の縦方向Ｙの位置と略同じであり、通常インジケータ１０が最初に変色する部位である。

　このように、インジケータ１０の横方向Ｘの外方（おむつ１Ｃの側縁部）にインジケータ１０の変色前の色（黄色）と同色又は類似色のマーク１５が外部から視認可能に印刷されていると、インジケータ１０の一部（特に一対のマーク１５，１５で挟まれた部分）が尿等の体液との接触により青色に変色したときに、その青色の変色部１１と該変色部１１の横方向Ｘの外方に位置する一対の黄色のマーク１５，１５との対比により、変色部１１の形成、即ち、前述した変色部１１の視覚的な消失効果が、観察者によりはっきりと認識されるようになる。インジケータ１０の変色前の色とマーク１５との間における同色又は類似色の程度は、上述したＬ^*Ｃ^*ｈ表色系で判断することができ、ｈ値で規定することができる。具体的には、インジケータ１０の変色前の色とマーク１５の色とのｈ値（直接計測）の色相角度の差（Δｈ）を０°～３０°とすることが好ましく、０°～２０°とすることがさらに好ましい。

　以上、本発明（第２発明）について説明したが、本発明（第２発明）は、前述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。例えば、インジケータは、股下部における裏面シートと吸収体との間に配されていれば良く、その配置形態（数、平面視形状、位置等）は前記実施形態に制限されない。また、デザイン要素の形状は、前記実施形態の如きドット状（円形状）に制限されず、正方形形状、長方形形状、菱形形状、六角形形状、楕円形形状、星型形状等、種々の形状とすることができる。また、前記実施形態では、複数のデザイン要素は全て同じ形状であったが、形状の異なる複数種のデザイン要素が混在していても構わない。

　また、前記実施形態では、デザイン要素及びマークは、何れも透湿性シートの非肌対向面（不織布との対向面）に印刷されていたが、肌対向面（吸収体との対向面）に印刷されていても良く、また、デザイン要素とマークとが透湿性シートの同じ面に印刷されていなくても良い。また、本発明（第２発明）の吸収性物品は、展開型の使い捨ておむつに制限されず、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含し、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツ等も包含される。

　前述した一の実施形態のみが有する部分は、各発明（第１及び第２発明）内又は各該発明間において、すべて適宜相互に利用できる。上述した実施形態に関し、さらに以下の吸収性物品を開示する。

＜１＞
　肌対向面側に配された表面シートと、非肌対向面側に配された裏面シートと、これら両シート間に配された吸収体とを備え、腹側部、背側部及び股下部に区分された縦長の吸収性本体を有し、該吸収性本体には、該裏面シートと該吸収体との間に、色の変化により排泄を知らせるインジケーターの塗工されたインジケーター塗工領域が縦方向に配されてい
る吸収性物品であって、
　前記吸収体は、吸収ポリマー及びセルロース繊維を含み、
　前記吸収体は、前記腹側部から前記背側部に亘る下層吸収体と、該下層吸収体の肌対向面上に配された前記腹側部から前記股下部に亘る上層吸収体とからなり、前記吸収体を平面視して、該上層吸収体と該下層吸収体とが重なるメイン吸収領域と、該メイン吸収領域以外のサブ吸収領域とに区分されており、
　前記下層吸収体は、前記メイン吸収領域に属する領域の前記吸収ポリマーの坪量が前記サブ吸収領域に属する領域の前記吸収ポリマーの坪量よりも大きく、
　前記上層吸収体は、その前記吸収ポリマーの坪量が前記下層吸収体の前記吸収ポリマーの坪量よりも小さく、又は前記吸収ポリマーを含まず、
　前記吸収性物品を平面視して、前記インジケーター塗工領域は前記メイン吸収領域に配されており、該インジケーター塗工領域の縦方向の背側部側の端部が、該メイン吸収領域の縦方向の背側部側の端部近傍に配されている吸収性物品。

＜２＞
　前記インジケーター塗工領域の縦方向の腹側部側の端部が、前記メイン吸収領域の縦方向の腹側部側の端部近傍に配されている前記＜１＞に記載の吸収性物品。
＜３＞
　前記インジケーター塗工領域の縦方向の背側部側の端部が、前記メイン吸収領域の縦方向の背側部側の端部の端縁を基準に、該メイン吸収領域の縦方向の長さの約１割の範囲内に位置している前記＜１＞又は＜２＞に記載の吸収性物品。
＜４＞
　前記インジケーター塗工領域の縦方向の腹側部側の端部が、前記メイン吸収領域の縦方向の腹側部側の端部の端縁を基準に、該メイン吸収領域の縦方向の長さの約１割の範囲内に位置している前記＜１＞～＜３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜５＞
　前記インジケーター塗工領域における、縦方向に延びる中心線の位置に沿って１本のインジケーターの線が前記上層吸収体の縦方向の前後端縁に亘って配されており、１本の該インジケーターの線と該上層吸収体の縦方向に沿う両側部の両側縁それぞれとの間に、縦方向に該中心線に平行に延びる２本のインジケーターの線が該上層吸収体の縦方向の前後端縁に亘って配されている前記＜１＞～＜４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜６＞
　前記インジケーター塗工領域は、前記上層吸収体の縦方向の前後端縁に亘って配されており、該インジケーター塗工領域の縦方向の背側部側の端部が、該メイン吸収領域の縦方向の背側部側の端部の位置と一致して配されており、該インジケーター塗工領域の縦方向の腹側部側の端部が、該メイン吸収領域の縦方向の腹側部側の端部の位置と一致して配されている前記＜１＞～＜５＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜７＞
　前記上層吸収体のセルロース繊維は、架橋されたセルロース繊維である前記＜１＞～＜６＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜８＞
　前記吸収体と前記表面シートとの間に、前記上層吸収体よりも圧縮仕事量の低い（圧縮されにくい）親水性のサブレイヤーシートが配されている前記＜１＞～＜７＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜９＞
　前記サブレイヤーシートは、平面視して矩形状であり、前記吸収体の前記上層吸収体の肌対向面上に配設固定され、腹側部から股下部にのみ亘って配されており、背側部には配されていない前記＜８＞に記載の吸収性物品。
＜１０＞
　前記サブレイヤーシートは、その坪量が１０ｇ／ｍ²以上１００ｇ／ｍ²以下である前記
＜８＞又は＜９＞に記載の吸収性物品。
＜１１＞
　前記サブレイヤーシートは、親水性繊維を主体とするシートであり、該親水性繊維の含有量が９０質量％以上のシートであり、該シートは、紙、不織布、ウエブの何れかである前記＜８＞～＜１０＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜１２＞
　前記サブレイヤーシートは、その圧縮仕事量が、５０ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上５００ｇ・
ｃｍ／ｃｍ²以下であり、好ましくは１００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上４００ｇ・ｃｍ／ｃｍ²
以下である前記＜８＞～＜１１＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜１３＞
　前記下層吸収体は下層吸収性コアを被覆材で包んで形成されており、
　前記被覆材は、その液透過性が、前記上層吸収体の液透過性よりも低い前記＜１＞～＜１２＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜１４＞
　前記吸収性物品を平面視したとき、前記インジケーター塗工領域が、縦方向においては前記上層吸収体の前後端近傍に達し、横方向においては少なくとも塗工領域の一部が前記上層吸収体の両側部まで塗工されている前記＜１＞～＜１３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜１５＞
　前記インジケーター塗工領域は、円形状のインジケーターが縦方向に左右交互に間隔を空けて塗工されて縦方向に延びるインジケーターの群を形成しており、該インジケーター塗工領域は、幅方向方側の円形状のインジケーターの一方側の位置と前記上層吸収体の縦方向に沿う一方側部の側縁の位置とが一致し、幅方向他方側の円形状のインジケーターの他方側の位置と該上層吸収体の縦方向に沿う他方側部の側縁の位置とが一致しており、最も背側部側の円形状のインジケーターの最も先端の位置と該上層吸収体の縦方向の背側部側の端部の端縁の位置とが一致し、最も腹側部側の円形状のインジケーターの最も下端の位置と該上層吸収体の縦方向の腹側部側の端部の端縁の位置とが一致している前記＜１４＞に記載の吸収性物品。
＜１６＞
　前記インジケーター塗工領域は、前記上層吸収体の対角線の位置に２本の線からなるインジケーターが配されており、２本の該インジケーターを囲む領域である前記＜１４＞に記載の吸収性物品。
＜１７＞
　前記インジケーター塗工領域は、前記上層吸収体の縦方向に沿う両側部の両側縁の位置と、該上層吸収体の縦方向に延びる中心線の位置とに沿って、縦方向に延びる３本のインジケーターの線が配されており、３本の該インジケーターの線を囲む範囲が前記インジケーター塗工領域であり、該インジケーター塗工領域は、一方側のインジケーターの線の位置と該上層吸収体の縦方向に沿う一方側部の側縁の位置とが一致し、他方側のインジケーターの線の位置と上層吸収体の縦方向に沿う他方側部の側縁の位置とが一致して更に、３本のインジケーターの線は、最も背側部側の先端の位置と該上層吸収体の縦方向の背側部側の端部の端縁の位置とが一致し、最も腹側部側の下端の位置と該上層吸収体の縦方向の腹側部側の端部の端縁の位置とが一致している前記＜１４＞に記載の吸収性物品。
＜１８＞
　前記上層吸収体は、上層吸収性コアのみから形成されており、
　前記上層吸収性コアの坪量は、５０ｇ／ｍ²以上５００ｇ／ｍ²以下である前記＜１＞～＜１７＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜１９＞
　前記下層吸収体は、１枚の被覆材を用いて、該被覆材の両側部を折り返し、下層吸収性コアの非肌対向面側（裏面シート側）に、該被覆材の側縁部どうしを重ねるようにして該
下層吸収性コアを包んで形成されている前記＜１＞～＜１８＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２０＞
　前記下層吸収性コアの坪量は、１００ｇ／ｍ²以上１０００ｇ／ｍ²以下であり、前記被覆材の坪量は、３ｇ／ｍ²以上２０ｇ／ｍ²以下である前記＜１９＞に記載の吸収性物品。

＜２１＞
　前記下層吸収性コアにおける前記メイン吸収領域に属する領域の前記吸収ポリマーの坪量は、５０ｇ／ｍ²以上５００ｇ／ｍ²以下であり、好ましくは、１００ｇ／ｍ²以上４００ｇ／ｍ²以下であり、該下層吸収性コアにおける該メイン吸収領域に属する領域の前記セルロース繊維の坪量は、０ｇ／ｍ²以上３００ｇ／ｍ²以下であり、好ましくは、０ｇ／ｍ²以上２００ｇ／ｍ²以下である前記＜１９＞又は＜２０＞に記載の吸収性物品。
＜２２＞
　前記下層吸収性コアにおける前記サブ吸収領域に属する領域の前記吸収ポリマーの坪量は、２０ｇ／ｍ²以上４００ｇ／ｍ²以下であり、好ましくは５０ｇ／ｍ²以上３００ｇ／ｍ²以下であり、該下層吸収性コアにおける該サブ吸収領域に属する領域の前記セルロース繊維の坪量は、０ｇ／ｍ²以上２５０ｇ／ｍ²以下であり、好ましくは、０ｇ／ｍ²以上２００ｇ／ｍ²以下である前記＜１９＞～＜２１＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２３＞
　前記下層吸収性コアにおける前記メイン吸収領域に属する領域の吸収ポリマーの坪量は、該下層吸収性コアにおける前記サブ吸収領域に属する領域の吸収ポリマーの坪量に比べて、１０ｇ／ｍ²以上大きく、好ましくは２０ｇ／ｍ²以上大きい前記＜１９＞～＜２２＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２４＞
　前記吸収体に含まれる前記吸収ポリマーは、その吸水量が、１０ｇ／ｇ以上５０ｇ／ｇ以下であり、好ましくは１５ｇ／ｇ以上３０ｇ／ｇ以下である前記＜１＞～＜２３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２５＞
　前記吸収ポリマーは、２．０ｋＰａでの加圧下吸収量が、１０ｇ／ｇ以上５０ｇ／ｇ以下であり、好ましくは１５ｇ／ｇ以上３０ｇ／ｇ以下である前記＜１＞～＜２４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２６＞
　前記吸収ポリマーは、２．０ｋＰａでの加圧下通液速度が、５ｍｌ／ｍｉｎ以上１５０ｍｌ／ｍｉｎ以下であり、１０ｍｌ／ｍｉｎ以上１２０ｍｌ／ｍｉｎ以下である前記＜１＞～＜２５＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２７＞
　前記吸収ポリマーは、ＤＷ法に従い測定された吸収速度が、１０ｍｌ／（ｇ・１０分）以上１００ｍｌ／（ｇ・１０分）以下であり、好ましくは２０ｍｌ／（ｇ・１０分）以上７０ｍｌ／（ｇ・１０分）以下である前記＜１＞～＜２６＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２８＞
　前記吸収ポリマーは、ＤＷ法に従い測定された吸収速度が、３ｍｌ／（ｇ・１分）以上３０ｍｌ／（ｇ・１分）以下であり、好ましくは５ｍｌ／（ｇ・１分）以上２０ｍｌ／（ｇ・１分）以下である前記＜１＞～＜２７＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２９＞
　前記吸収ポリマーは、自重の２０倍以上の液を吸収・保持できかつゲル化しうるものであり、その平均粒子径は、１０μｍ以上１０００μｍ以下であり、好ましくは１００μｍ以上８００μｍ以下の粒子状のものであり、該粒子の形状は、球状、塊状、ぶどう状、俵状の種々の形状の何れかである前記＜１＞～＜２８＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜３０＞
　前記下層吸収体を構成する被覆材は、その液透過時間が、前記上層吸収体の液透過時間に比べて、５秒以上遅く、好ましくは、８秒以上遅い前記＜１＞～＜２９＞何れか記載の吸収性物品。
＜３１＞
　前記下層吸収体を構成する被覆材は、親水性シートであり、該親水性シートとして、透水性の薄紙（ティッシュペーパー）や透水性の不織布からなるコアラップシートを用いる前記＜１＞～＜３０＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３２＞
　前記上層吸収体を形成する上層吸収性コア及び前記下層吸収体を形成する下層吸収性コアは矩形状であり、該上層吸収性コアは該下層吸収性コアよりも縦方向の長さが短く、かつ幅方向の長さは短い前記＜１＞～＜３１＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３３＞
　前記上層吸収体を形成する上層吸収性コアは矩形状であり、前記下層吸収体を形成する下層吸収性コアは股下部で括れた形状であり、該上層吸収性コアは該下層吸収性コアよりも縦方向の長さが短く、かつ幅方向の長さは股下部において該上層吸収性コアと該下層吸収性コアとで等しい前記＜１＞～＜３１＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３４＞
　前記表面シートとしては、親水性且つ液透過性の不織布を用い、前記裏面シートとしては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、又は該樹脂フィルムと不織布の積層体を用いる前記＜１＞～＜３３＞の何れか１に記載吸収性物品。

＜３５＞
　吸収体と該吸収体の非肌対向面側に配された裏面シートとを備え、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、着用時に着用者の腹側に配される腹側部、股間部に配される股下部及び背側に配される背側部を該縦方向に有する吸収性物品であって、
　前記裏面シートは、透湿性シートと不織布との積層構造を有し、前記股下部における該裏面シートと前記吸収体との間に、水分又は体液との接触により変色するインジケータが配されており、該インジケータの変色前後の色は、それぞれ、該透湿性シート及び該不織布の地色とは異なっており、
　前記透湿性シートにおける、前記吸収性物品の厚み方向に関して前記インジケータと重なるインジケータ対応領域に、該インジケータの変色後の色と同色又は類似色のデザイン要素が、１ｃｍ四方の正方形形状の領域中に複数存するように印刷されており、複数の該デザイン要素は、それぞれ、印刷が施されていない無印刷部に包囲されており、
　前記インジケータ対応領域における複数の前記デザイン要素のうち、任意の１個を特定デザイン要素、該特定デザイン要素から最も近い位置に存する１個を最近接デザイン要素とし、且つ該特定デザイン要素及び該最近接デザイン要素それぞれの中心を通る仮想直線を１本引いた場合、該仮想直線における該特定デザイン要素との重なり部分の長さＬ１、及び該仮想直線における該最近接デザイン要素との重なり部分の長さＬ２は、それぞれ、該仮想直線における、該特定デザイン要素と該最近接デザイン要素とに挟まれた前記無印刷部との重なり部分の長さＬ３と同じか、又は該長さＬ３よりも長い、前記＜１＞～＜３
４＞の何れか１に吸収性物品。

＜３６＞
　前記デザイン要素は、散点状に規則的なパターンで印刷されている前記＜３５＞記載の吸収性物品。

＜３７＞
　複数の前記デザイン要素とこれらを包囲する前記無印刷部とからなる印刷デザインが、前記透湿性シートの全域に亘って施されている前記＜３５＞又は＜３６＞記載の吸収性物品。
＜３８＞
　前記透湿性シートは、前記腹側部、前記股下部及び前記背側部に亘って配されており、該腹側部及び該背側部は、該股下部に比して、前記デザイン要素の単位面積当たりの数が多い前記＜３５＞～＜３７＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜３９＞
　前記吸収体は、吸収性コアと該吸収性コアの肌対向面及び非肌対向面をそれぞれ被覆するコアラップシートとを含んで構成されており、該肌対向面側のコアラップシートが親水性の不織布であり、該非肌対向面側のコアラップシートが疎水性の不織布である前記＜３５＞～＜３８＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜４０＞
　前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌対向面を被覆する第１のコアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆し且つ該肌対向面の縦方向に沿う側縁まで巻き上げられている第２のコアラップシートとからなり、
　前記吸収性コアと前記コアラップシートとの間は、ホットメルト型接着剤により接合されている前記＜３９＞記載の吸収性物品。

＜４１＞
　前記吸収性物品は展開型の使い捨ておむつである前記＜３５＞～＜４０＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜４２＞
　前記吸収性物品は、前記股下部の縦方向に沿う両側縁が内向きの円弧状に湾曲しており、平面視において、縦方向の中央部が内方に括れた砂時計状の形状を有している前記＜３５＞～＜４１＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜４３＞
　前記吸収体の縦方向の前後端縁から前後方向に延出するウエスト部それぞれには、ウエスト部弾性部材が、該ウエスト部を構成する両シート間に伸長状態で固定されており、
　前記吸収体の縦方向に沿う左右側縁から横方向に延出するレッグ部それぞれには、レッグ弾性部材が、該レッグ部を構成する両シート間に伸長状態で固定されており、
　前記吸収性物品の表面シート側における縦方向に沿う左右両側には、それぞれ立体ガードが設けられ、該立体ガードの自由端には、立体ガード弾性部材が伸長状態で固定されており、該吸収性物品の着用時には該立体ガード弾性部材の収縮により立体ギャザーが形成されるようになされている前記＜３５＞～＜４２＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜４４＞
　前記背側部の縦方向に沿う両側縁部には、一対のファスニングテープが設けられ、該ファスニングテープには、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部が取り付けられており、
　前記腹側部の非肌対向面には、機械的面ファスナーのメス部材からなる被止着領域が形成され、該被止着領域は、前記裏面シートの非肌対向面に該メス部材を接合手段で接合固定して形成されており、前記ファスニングテープの前記止着部を着脱自在に止着可能である前記＜３５＞～＜４３＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜４５＞
　前記透湿性シート及び前記不織布の地色は白色であり、前記インジケータの変色前の色及び変色後の色は、何れも前記裏面シートを介して透けて見え、前記吸収性物品の外部から視認可能である前記＜３５＞～＜４４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜４６＞
　前記インジケータは、変色前（水分又は体液との接触前）は黄色、変色後は青色であり、該インジケータの変色前後の色は補色の関係にある前記＜３５＞～＜４５＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜４７＞
　前記インジケータは、前記吸収性物品の横方向の中央部において縦方向に延びる直線状に１本設けられており、前記股下部の縦方向の全長に亘り、更に前記腹側部及び前記背側部それぞれの該股下部寄りの部分に延出しており、
　前記インジケータの縦方向の長さは１００～４００ｍｍ、横方向の長さは、１～１０ｍｍである前記＜３５＞～＜４６＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜４８＞
　前記インジケータは、水分と接触することによって視覚的に変化する変色物質と、接着剤として機能する粘着性物質とを含む、親水性の組成物からなり、着用者の体液の排泄を観察者に知らせるインジケータ手段としての機能に加えて、前記裏面シートと前記吸収体との間を接合する接合手段としての機能も有している前記＜３５＞～＜４７＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜４９＞
　前記変色物質はｐＨ指示薬であり、該ｐＨ指示薬は、尿との接触の前後で色が変化し且つｐＨが３～７で変色するものである前記＜４８＞記載の吸収性物品。
＜５０＞
　前記ｐＨ指示薬は、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザンＳ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル及びレザズリンからなる群から選択される１種以上である前記＜４９＞記載の吸収性物品。
＜５１＞
　前記粘着性物質は、水分と接触する前には前記裏面シートと前記吸収体との間を接合する接着剤として機能する、親水性のポリマーであり、該親水性のポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアミド及びビニルピロリドンホモポリマーからなる群から選択される１種以上である前記＜４８＞～＜５０＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜５２＞
　複数の前記デザイン要素は、それぞれ、平面視ドット状（円形状）をなし、散点状に規則的なパターンで前記透湿性シートに印刷されており、複数の該デザイン要素の大きさは均一であり、
　複数の前記デザイン要素とこれらを包囲する前記無印刷部とからなる印刷デザインが、前記透湿性シートの非肌対向面の全域に亘って施されており、
　前記インジケータ対応領域と前記透湿性シートにおけるそれ以外の部分とで、前記デザイン要素の印刷パターン（前記印刷デザイン）が同じである前記＜３５＞～＜５１＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜５３＞
　前記透湿性シートに印刷されている複数の前記デザイン要素の色と前記インジケータの変色前の色とは、補色の関係にある前記＜３５＞～＜５２＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜５４＞
　前記インジケータの変色前後の色は補色の関係にある前記＜３５＞～＜５３＞の何れか一項に記載の吸収性物品。
＜５５＞
　前記透湿性シートに印刷されている複数の前記デザイン要素は、それぞれ、青色又はその類似色であり、前記インジケータの変色前の色は黄色である前記＜５３＞記載の吸収性物品。
＜５６＞
　前記インジケータの変色後の色と前記デザイン要素の色とのｈ値（直接計測）の色相角度の差（Δｈ）は、０°～３０°である前記＜３５＞～＜５５＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜５７＞
　平面視ドット状（円形状）の前記デザイン要素３５の直径Ｌ１，Ｌ２は、好ましくは０．３ｍｍ以上、５ｍｍ以下、更に好ましくは４ｍｍ以下であり、
　前記仮想直線における前記無印刷部との重なり長さＬ３は、好ましくは０．２ｍｍ以上、４．５ｍｍ以下であり、
　前記直径Ｌ１，Ｌ２が前記長さＬ３よりも長い場合（Ｌ３＜Ｌ１，Ｌ２）において、両者の比（Ｌ３／Ｌ１又はＬ２）は、０．２～０．９である前記＜３５＞～＜５６＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜５８＞
　１ｃｍ四方の正方形形状の領域中に存する前記デザイン要素の数〔前記デザイン要素の単位面積当たりの数（印刷密度）〕は、２個以上、１００個以下である前記＜３５＞～＜５７＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜５９＞
　前記腹側部又は前記背側部と前記股下部とにおける前記デザイン要素の単位面積当たりの数の比（腹側部又は背側部におけるデザイン要素の単位面積当たりの数／股下部におけるデザイン要素の単位面積当たりの数）は、１．１～２．５である前記＜３５＞～＜５８＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜６０＞
　前記吸収性物品の縦方向に沿う側縁部における、前記インジケータの横方向外方に位置する部分に、該インジケータの変色前の色と同色又は類似色のマークが、該吸収性物品の外部から視認可能に印刷されている前記＜３５＞～＜５９＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜６１＞
　前記インジケータの変色前の色と前記マークの色とのｈ値（直接計測）の色相角度の差（Δｈ）は、０°～３０°である前記＜６０＞記載の吸収性物品。

＜６２＞
　前記吸収性物品は使い捨ておむつである前記＜１＞～＜６１＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜６３＞
　前記使い捨ておむつは展開型の使い捨ておむつであり、レッグギャザー及び立体ギャザーを有する前記＜６２＞に記載の使い捨ておむつ。

　本発明（第１発明）の吸収性物品によれば、インジケーターが正確に変色し易く、取り替え時期の正確性が向上する。このように、取り替え時期の正確性が向上するので、本発明（第１発明）の吸収性物品によれば、取替え時期を逸することなく股下部分から排尿等の体液が漏れ出し難い。

　本発明（第２発明）によれば、外観が良好で、且つインジケータの視覚的変化が外部から認識され易い吸収性物品が提供される。

Claims

　肌対向面側に配された表面シートと、非肌対向面側に配された裏面シートと、これら両シート間に配された吸収体とを備え、腹側部、背側部及び股下部に区分された縦長の吸収性本体を有し、該吸収性本体には、該裏面シートと該吸収体との間に、色の変化により排泄を知らせるインジケーターの塗工されたインジケーター塗工領域が縦方向に配されてい
る吸収性物品であって、
　前記吸収体は、吸収ポリマー及びセルロース繊維を含み、
　前記吸収体は、前記腹側部から前記背側部に亘る下層吸収体と、該下層吸収体の肌対向面上に配された前記腹側部から前記股下部に亘る上層吸収体とからなり、前記吸収体を平面視して、該上層吸収体と該下層吸収体とが重なるメイン吸収領域と、該メイン吸収領域以外のサブ吸収領域とに区分されており、
　前記下層吸収体は、前記メイン吸収領域に属する領域の前記吸収ポリマーの坪量が前記サブ吸収領域に属する領域の前記吸収ポリマーの坪量よりも大きく、
　前記上層吸収体は、その前記吸収ポリマーの坪量が前記下層吸収体の前記吸収ポリマーの坪量よりも小さく、又は前記吸収ポリマーを含まず、
　前記吸収性物品を平面視して、前記インジケーター塗工領域は前記メイン吸収領域に配されており、該インジケーター塗工領域の縦方向の背側部側の端部が、該メイン吸収領域の縦方向の背側部側の端部近傍に配されている吸収性物品。
　前記インジケーター塗工領域の縦方向の腹側部側の端部が、前記メイン吸収領域の縦方向の腹側部側の端部近傍に配されている請求項１に記載の吸収性物品。
　前記インジケーター塗工領域の縦方向の背側部側の端部が、前記メイン吸収領域の縦方向の背側部側の端部の端縁を基準に、該メイン吸収領域の縦方向の長さの約１割の範囲内に位置している請求項１又は２に記載の吸収性物品。
　前記インジケーター塗工領域の縦方向の腹側部側の端部が、前記メイン吸収領域の縦方向の腹側部側の端部の端縁を基準に、該メイン吸収領域の縦方向の長さの約１割の範囲内に位置している請求項１～３の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記インジケーター塗工領域における、縦方向に延びる中心線の位置に沿って１本のインジケーターの線が前記上層吸収体の縦方向の前後端縁に亘って配されており、１本の該インジケーターの線と該上層吸収体の縦方向に沿う両側部の両側縁それぞれとの間に、縦方向に該中心線に平行に延びる２本のインジケーターの線が該上層吸収体の縦方向の前後端縁に亘って配されている請求項１～４の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記インジケーター塗工領域は、前記上層吸収体の縦方向の前後端縁に亘って配されており、該インジケーター塗工領域の縦方向の背側部側の端部が、該メイン吸収領域の縦方向の背側部側の端部の位置と一致して配されており、該インジケーター塗工領域の縦方向の腹側部側の端部が、該メイン吸収領域の縦方向の腹側部側の端部の位置と一致して配されている請求項１～５の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記上層吸収体のセルロース繊維は、架橋されたセルロース繊維である請求項１～６の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収体と前記表面シートとの間に、前記上層吸収体よりも圧縮仕事量の低い（圧縮されにくい）親水性のサブレイヤーシートが配されている請求項１～７の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記サブレイヤーシートは、平面視して矩形状であり、前記吸収体の前記上層吸収体の肌対向面上に配設固定され、腹側部から股下部にのみ亘って配されており、背側部には配されていない請求項８に記載の吸収性物品。
　前記サブレイヤーシートは、その坪量が１０ｇ／ｍ²以上１００ｇ／ｍ²以下である請求項８又は９に記載の吸収性物品。
　前記サブレイヤーシートは、親水性繊維を主体とするシートであり、該親水性繊維の含有量が９０質量％以上のシートであり、該シートは、紙、不織布、ウエブの何れかである請求項８～１０の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記サブレイヤーシートは、その圧縮仕事量が、５０ｇ・ｃｍ／ｃｍ²以上５００ｇ・
ｃｍ／ｃｍ²以下である請求項８～１１の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記下層吸収体は下層吸収性コアを被覆材で包んで形成されており、
　前記被覆材は、その液透過性が、前記上層吸収体の液透過性よりも低い請求項１～１２の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品を平面視したとき、前記インジケーター塗工領域が、縦方向においては前記上層吸収体の前後端近傍に達し、横方向においては少なくとも塗工領域の一部が前記上層吸収体の両側部まで塗工されている請求項１～１３の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記インジケーター塗工領域は、円形状のインジケーターが縦方向に左右交互に間隔を空けて塗工されて縦方向に延びるインジケーターの群を形成しており、該インジケーター塗工領域は、幅方向方側の円形状のインジケーターの一方側の位置と前記上層吸収体の縦方向に沿う一方側部の側縁の位置とが一致し、幅方向他方側の円形状のインジケーターの他方側の位置と該上層吸収体の縦方向に沿う他方側部の側縁の位置とが一致しており、最も背側部側の円形状のインジケーターの最も先端の位置と該上層吸収体の縦方向の背側部側の端部の端縁の位置とが一致し、最も腹側部側の円形状のインジケーターの最も下端の位置と該上層吸収体の縦方向の腹側部側の端部の端縁の位置とが一致している請求項１４に記載の吸収性物品。
　前記インジケーター塗工領域は、前記上層吸収体の対角線の位置に２本の線からなるインジケーターが配されており、２本の該インジケーターを囲む領域である請求項１４に記載の吸収性物品。
　前記インジケーター塗工領域は、前記上層吸収体の縦方向に沿う両側部の両側縁の位置と、該上層吸収体の縦方向に延びる中心線の位置とに沿って、縦方向に延びる３本のインジケーターの線が配されており、３本の該インジケーターの線を囲む範囲が前記インジケーター塗工領域であり、該インジケーター塗工領域は、一方側のインジケーターの線の位置と該上層吸収体の縦方向に沿う一方側部の側縁の位置とが一致し、他方側のインジケーターの線の位置と上層吸収体の縦方向に沿う他方側部の側縁の位置とが一致して更に、３本のインジケーターの線は、最も背側部側の先端の位置と該上層吸収体の縦方向の背側部側の端部の端縁の位置とが一致し、最も腹側部側の下端の位置と該上層吸収体の縦方向の腹側部側の端部の端縁の位置とが一致している請求項１４に記載の吸収性物品。
　前記上層吸収体は、上層吸収性コアのみから形成されており、
　前記上層吸収性コアの坪量は、５０ｇ／ｍ²以上５００ｇ／ｍ²以下である請求項１～１７の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記下層吸収体は、１枚の被覆材を用いて、該被覆材の両側部を折り返し、下層吸収性コアの非肌対向面側（裏面シート側）に、該被覆材の側縁部どうしを重ねるようにして該
下層吸収性コアを包んで形成されている請求項１～１８の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記下層吸収性コアの坪量は、１００ｇ／ｍ²以上１０００ｇ／ｍ²以下であり、前記被覆材の坪量は、３ｇ／ｍ²以上２０ｇ／ｍ²以下である請求項１９に記載の吸収性物品。
　前記下層吸収性コアにおける前記メイン吸収領域に属する領域の前記吸収ポリマーの坪量は、５０ｇ／ｍ²以上５００ｇ／ｍ²以下であり、該下層吸収性コアにおける該メイン吸収領域に属する領域の前記セルロース繊維の坪量は、０ｇ／ｍ²以上３００ｇ／ｍ²以下である請求項１９又は２０に記載の吸収性物品。
　前記下層吸収性コアにおける前記サブ吸収領域に属する領域の前記吸収ポリマーの坪量は、２０ｇ／ｍ²以上４００ｇ／ｍ²以下であり、該下層吸収性コアにおける該サブ吸収領域に属する領域の前記セルロース繊維の坪量は、０ｇ／ｍ²以上２５０ｇ／ｍ²以下である請求項１９～２１の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記下層吸収性コアにおける前記メイン吸収領域に属する領域の吸収ポリマーの坪量は、該下層吸収性コアにおける前記サブ吸収領域に属する領域の吸収ポリマーの坪量に比べて、１０ｇ／ｍ²以上大きく、好ましくは２０ｇ／ｍ²以上大きい請求項１９～２２の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収体に含まれる前記吸収ポリマーは、その吸水量が、１０ｇ／ｇ以上５０ｇ／ｇ以下である請求項１～２３の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収ポリマーは、２．０ｋＰａでの加圧下吸収量が、１０ｇ／ｇ以上５０ｇ／ｇ以下である請求項１～２４の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収ポリマーは、２．０ｋＰａでの加圧下通液速度が、５ｍｌ／ｍｉｎ以上１５０ｍｌ／ｍｉｎ以下である請求項１～２５の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収ポリマーは、ＤＷ法に従い測定された吸収速度が、１０ｍｌ／（ｇ・１０分）以上１００ｍｌ／（ｇ・１０分）以下である請求項１～２６の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収ポリマーは、ＤＷ法に従い測定された吸収速度が、３ｍｌ／（ｇ・１分）以上３０ｍｌ／（ｇ・１分）以下である請求項１～２７の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収ポリマーは、自重の２０倍以上の液を吸収・保持できかつゲル化しうるものであり、その平均粒子径は、１０μｍ以上１０００μｍ以下の粒子状のものであり、該粒子の形状は、球状、塊状、ぶどう状、俵状の種々の形状の何れかである請求項１～２８の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記下層吸収体を構成する被覆材は、その液透過時間が、前記上層吸収体の液透過時間に比べて、５秒以上遅く、好ましくは、８秒以上遅い請求項１～２９の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記下層吸収体を構成する被覆材は、親水性シートであり、該親水性シートとして、透水性の薄紙（ティッシュペーパー）や透水性の不織布からなるコアラップシートを用いる請求項１～３０の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記上層吸収体を形成する上層吸収性コア及び前記下層吸収体を形成する下層吸収性コアは矩形状であり、該上層吸収性コアは該下層吸収性コアよりも縦方向の長さが短く、かつ幅方向の長さは短い請求項１～３１の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記上層吸収体を形成する上層吸収性コアは矩形状であり、前記下層吸収体を形成する下層吸収性コアは股下部で括れた形状であり、該上層吸収性コアは該下層吸収性コアよりも縦方向の長さが短く、かつ幅方向の長さは股下部において該上層吸収性コアと該下層吸収性コアとで等しい請求項１～３１の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記表面シートとしては、親水性且つ液透過性の不織布を用い、前記裏面シートとしては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、又は該樹脂フィルムと不織布の積層体を用いる請求項１～３３の何れか一項に記載吸収性物品。
　吸収体と該吸収体の非肌対向面側に配された裏面シートとを備え、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、着用時に着用者の腹側に配される腹側部、股間部に配される股下部及び背側に配される背側部を該縦方向に有する吸収性物品であって、
　前記裏面シートは、透湿性シートと不織布との積層構造を有し、前記股下部における該裏面シートと前記吸収体との間に、水分又は体液との接触により変色するインジケータが配されており、該インジケータの変色前後の色は、それぞれ、該透湿性シート及び該不織布の地色とは異なっており、
　前記透湿性シートにおける、前記吸収性物品の厚み方向に関して前記インジケータと重なるインジケータ対応領域に、該インジケータの変色後の色と同色又は類似色のデザイン要素が、１ｃｍ四方の正方形形状の領域中に複数存するように印刷されており、複数の該デザイン要素は、それぞれ、印刷が施されていない無印刷部に包囲されており、
　前記インジケータ対応領域における複数の前記デザイン要素のうち、任意の１個を特定デザイン要素、該特定デザイン要素から最も近い位置に存する１個を最近接デザイン要素とし、且つ該特定デザイン要素及び該最近接デザイン要素それぞれの中心を通る仮想直線を１本引いた場合、該仮想直線における該特定デザイン要素との重なり部分の長さＬ１、及び該仮想直線における該最近接デザイン要素との重なり部分の長さＬ２は、それぞれ、該仮想直線における、該特定デザイン要素と該最近接デザイン要素とに挟まれた前記無印刷部との重なり部分の長さＬ３と同じか、又は該長さＬ３よりも長い、請求項１～３４の何れか一項に吸収性物品。
　前記デザイン要素は、散点状に規則的なパターンで印刷されている請求項３５に記載の吸収性物品。
　複数の前記デザイン要素とこれらを包囲する前記無印刷部とからなる印刷デザインが、前記透湿性シートの全域に亘って施されている請求項３５又は３６に記載の吸収性物品。
　前記透湿性シートは、前記腹側部、前記股下部及び前記背側部に亘って配されており、該腹側部及び該背側部は、該股下部に比して、前記デザイン要素の単位面積当たりの数が多い請求項３５～３７の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収体は、吸収性コアと該吸収性コアの肌対向面及び非肌対向面をそれぞれ被覆するコアラップシートとを含んで構成されており、該肌対向面側のコアラップシートが親水性の不織布であり、該非肌対向面側のコアラップシートが疎水性の不織布である請求項３５～３８の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌対向面を被覆する第１のコアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆し且つ該肌対向面の縦方向に沿う側縁まで巻き上げられている第２のコアラップシートとからなり、
　前記吸収性コアと前記コアラップシートとの間は、ホットメルト型接着剤により接合されている請求項３９に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品は展開型の使い捨ておむつである請求項３５～４０の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品は、前記股下部の縦方向に沿う両側縁が内向きの円弧状に湾曲しており、平面視において、縦方向の中央部が内方に括れた砂時計状の形状を有している請求項３５～４１の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収体の縦方向の前後端縁から前後方向に延出するウエスト部それぞれには、ウエスト部弾性部材が、該ウエスト部を構成する両シート間に伸長状態で固定されており、
　前記吸収体の縦方向に沿う左右側縁から横方向に延出するレッグ部それぞれには、レッグ弾性部材が、該レッグ部を構成する両シート間に伸長状態で固定されており、
　前記吸収性物品の表面シート側における縦方向に沿う左右両側には、それぞれ立体ガードが設けられ、該立体ガードの自由端には、立体ガード弾性部材が伸長状態で固定されており、該吸収性物品の着用時には該立体ガード弾性部材の収縮により立体ギャザーが形成されるようになされている請求項３５～４２の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記背側部の縦方向に沿う両側縁部には、一対のファスニングテープが設けられ、該ファスニングテープには、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部が取り付けられており、
　前記腹側部の非肌対向面には、機械的面ファスナーのメス部材からなる被止着領域が形成され、該被止着領域は、前記裏面シートの非肌対向面に該メス部材を接合手段で接合固定して形成されており、前記ファスニングテープの前記止着部を着脱自在に止着可能である請求項３５～４３の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記透湿性シート及び前記不織布の地色は白色であり、前記インジケータの変色前の色及び変色後の色は、何れも前記裏面シートを介して透けて見え、前記吸収性物品の外部から視認可能である請求項３５～４４の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記インジケータは、変色前（水分又は体液との接触前）は黄色、変色後は青色であり、該インジケータの変色前後の色は補色の関係にある請求項３５～４５の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記インジケータは、前記吸収性物品の横方向の中央部において縦方向に延びる直線状に１本設けられており、前記股下部の縦方向の全長に亘り、更に前記腹側部及び前記背側部それぞれの該股下部寄りの部分に延出しており、
　前記インジケータの縦方向の長さは１００～４００ｍｍ、横方向の長さは、１～１０ｍｍである請求項３５～４６の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記インジケータは、水分と接触することによって視覚的に変化する変色物質と、接着剤として機能する粘着性物質とを含む、親水性の組成物からなり、着用者の体液の排泄を観察者に知らせるインジケータ手段としての機能に加えて、前記裏面シートと前記吸収体との間を接合する接合手段としての機能も有している請求項３５～４７の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記変色物質はｐＨ指示薬であり、該ｐＨ指示薬は、尿との接触の前後で色が変化し且つｐＨが３～７で変色するものである請求項４８に記載の吸収性物品。
　前記ｐＨ指示薬は、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザンＳ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル及びレザズリンからなる群から選択される１種以上である請求項４９記載の吸収性物品。
　前記粘着性物質は、水分と接触する前には前記裏面シートと前記吸収体との間を接合する接着剤として機能する、親水性のポリマーであり、該親水性のポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアミド及びビニルピロリドンホモポリマーからなる群から選択される１種以上である請求項４８～５０の何れか一項に記載の吸収性物品。
　複数の前記デザイン要素は、それぞれ、平面視ドット状（円形状）をなし、散点状に規則的なパターンで前記透湿性シートに印刷されており、複数の該デザイン要素の大きさは均一であり、
　複数の前記デザイン要素とこれらを包囲する前記無印刷部とからなる印刷デザインが、前記透湿性シートの非肌対向面の全域に亘って施されており、
　前記インジケータ対応領域と前記透湿性シートにおけるそれ以外の部分とで、前記デザイン要素の印刷パターン（前記印刷デザイン）が同じである請求項３５～５１の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記透湿性シートに印刷されている複数の前記デザイン要素の色と前記インジケータの変色前の色とは、補色の関係にある請求項３５～５２の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記インジケータの変色前後の色は補色の関係にある請求項３５～５３の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記透湿性シートに印刷されている複数の前記デザイン要素は、それぞれ、青色又はその類似色であり、前記インジケータの変色前の色は黄色である請求項５３に記載の吸収性物品。
　前記インジケータの変色後の色と前記デザイン要素の色とのｈ値（直接計測）の色相角度の差（Δｈ）は、０°～３０°である請求項３５～５５の何れか一項に記載の吸収性物品。
　平面視ドット状（円形状）の前記デザイン要素３５の直径Ｌ１，Ｌ２は、０．３ｍｍ以上、５ｍｍ以下であり、
　前記仮想直線における前記無印刷部との重なり長さＬ３は、０．２ｍｍ以上、４．５ｍｍ以下であり、
　前記直径Ｌ１，Ｌ２が前記長さＬ３よりも長い場合（Ｌ３＜Ｌ１，Ｌ２）において、両者の比（Ｌ３／Ｌ１又はＬ２）は、０．２～０．９である請求項３５～５６の何れか一項に記載の吸収性物品。
　１ｃｍ四方の正方形形状の領域中に存する前記デザイン要素の数〔前記デザイン要素の単位面積当たりの数（印刷密度）〕は、２個以上、１００個以下である請求項３５～５７の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記腹側部又は前記背側部と前記股下部とにおける前記デザイン要素の単位面積当たりの数の比（腹側部又は背側部におけるデザイン要素の単位面積当たりの数／股下部におけるデザイン要素の単位面積当たりの数）は、１．１～２．５である請求項３５～５８の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品の縦方向に沿う側縁部における、前記インジケータの横方向外方に位置する部分に、該インジケータの変色前の色と同色又は類似色のマークが、該吸収性物品の外部から視認可能に印刷されている請求項３５～５９の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記インジケータの変色前の色と前記マークの色とのｈ値（直接計測）の色相角度の差（Δｈ）は、０°～３０°である請求項６０に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品は使い捨ておむつである請求項１～６１の何れか一項に記載の吸収性物品。
　前記使い捨ておむつは展開型の使い捨ておむつであり、レッグギャザー及び立体ギャザーを有する請求項６２に記載の使い捨ておむつ。