JP5624800B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
前記インジケータの配置において裏面シート側からの変色の視認性について工夫されたものがある。例えば、薄紙と保形シートとを用いて尿に溶け出す変色剤の拡散を防いで変色の視認性を向上させようとするおむつ(特許文献3参照)や、バックシート内側に水溶性透明樹脂層と該透明樹脂層上の水溶性インク層とを形成し排尿による色のはっきりとした消失で変化の視認性を向上させようとするおむつ(特許文献4参照)が開示されている。さらにpHが4以上で色変化がおきる親水性組成物と該親水性組成物のpHを4以下に保つ酸性化合物とを含有するインジケータを水に溶解するとアルカリ性を呈するバックシートの肌面側に塗布してなる使い捨ておむつが開示されている(特許文献5参照)。これにより、高温・高湿度下での微量の水分など吸収体の液吸収とは関係ない要因による誤った変色を防ぐができるとされる。また、特許文献6には、吸収体とインジケータの間に撥水性の材料を配することにより、高温高湿下保存状態の、未使用のおむつにおいてインジケータが変色することを防ぐ技術が開示されている。
図1は本発明の吸収性物品における一実施形態(実施形態1)としての展開型使い捨ておむつ10の展開した状態を非肌面側(裏面シート側)から模式的に示す一部切欠展開平面図である。図2(a)は図1のII−II線断面の拡大断面図であり、図2(b)はその一部の部材をさらに模式化して示した説明図である。
本実施形態1の使い捨ておむつ10は、図1に示すとおり、肌当接面側に配置される液透過性の表面シート1、非肌当接面側に配置される防水性の裏面シート2、及び該両シートの間に介在される吸収体3を具備する。さらに一対のサイドシート7,7が表面シート1の肌面側に積層し幅方向外方に延出している。肌面側のサイドシート7及び表面シート1と、非肌面側の裏面シート2とが吸収体3の幅方向外方で接合され、使い捨ておむつ10の外形をなす。該使い捨ておむつ10は、その展開状態の平面視において、着用時に着用者の腹側に配される腹側部F、着用者の股下部分に配される股下部C、着用者の背側に配される背側部Rとからなり、その全体として股下部Cが幅方向内方に括れた砂時計形の形状を有している。
本実施形態1において重要なことは、この疎水機構8の配置によってその部分における吸収体からの厚み方向への液の透過が抑えられ、これによりインジケータが液と接する機会やタイミングが制御され得ることである。換言すれば、前述のインジケータ領域6及び前記疎水機構8の配置の組み合わせ、並びに肌側吸収体31と非肌側吸収体32との積層構造との組み合わせにより、主に厚み方向以外の経路で液がインジケータを変色させ得る。これにより詳細は後述するが、従来の厚み方向からの液で生じるインジケータの早すぎる変色や吸収体の吸収容量限界ぎりぎりの変色を回避し、様々な排尿パターンに対応して排尿を時機よく知ることができる。本実施形態1のインジケータ6a及び6cにおいては、該疎水機構8の存在によって非肌側吸収体32から透過した液とインジケータとの接触が抑えられ、後述の裏側液拡散機構42からの液で優先的に変色することが可能となる。なお、本発明において疎水機構とは、独立した部材からなるもののみならず所定の部材の一部分において液拡散機能をもたせた部分を含む意味に用いる。機構という点において、後述する液拡散機構という場合も同じである。
本実施形態1の使い捨ておむつ10において、着用者が排泄する尿等を肌側吸収体31の排泄ポイントp(図1参照)付近で受け、その排泄尿は最も低い位置にある股下部Cで主に厚み方向へと移行しながら、肌側吸収体31で吸収保持される。予想外の多量の排尿や複数回の排尿などによって、液が肌側吸収体31の非肌面側に到達する。到達した液の一部は厚み方向に浸透するが(矢印a1)、平面方向に拡散(矢印a2)するものがある。図2(a)のおむつ10ではそこに配される液拡散機構41によって液が平面方向に拡散しやすくなっており好ましい。しかし、これがない場合であっても、排泄尿は、上下吸収体間における、少なくとも部分的に生じている物理的離間状態、又は吸収性能の違い等の物性的差異によって平面方向(矢印a2)へ拡散していくことが可能である。すなわち、この吸収体の積層構造が厚み方向に透過する液を迂回させるのに効果的である。厚み方向へ浸透した液は非肌側吸収体32で吸収保持されて尿漏れが効果的に抑えられる。これと同時に平面方向に拡散した液(矢印a2)の一部が幅方向又は縦方向へと拡散し、該液拡散機構41から非肌側吸収体32の側面を通って裏面シート2側へと導かれる(矢印a3)。この液は、非肌側吸収体32と裏面シート2との間をさらに幅方向内方へと進み、先ずインジケータ6a,6cを変色させる(矢印a4)。肌側吸収体31がその吸収容量限界まで近づくと、より幅方向内側まで液が拡散するので、幅方向内側に配したインジケータが変色しやすくなる。一方、肌側吸収体31が吸収容量限界となって、前述の非肌側吸収体32で吸収された液がさらに厚み方向に浸透して疎水機構8にまで到達しても、該疎水機構8によって排泄尿の漏れが抑制され得る。ただし、疎水機構を一定の耐水圧以下に設定することで、非肌側吸収体32の下端部まで到達した排泄液が一定量に達した場合には疎水機構8を液が透過して、その下に設けられたインジケータ6bが変色するようになすことも可能である。具体的には、撥水性の不織布によって疎水機構を構成する方法が挙げられる。このような疎水機構8の設定によって、非肌側吸収体32の吸収容量の限界近くになる前にインジケータ6bが変色し得るので、最後のおむつ交換時機をよりタイミングよく知ることができ好ましい。本実施形態1において、疎水機構8によって厚み方向へ透過する液のインジケータとの接触が阻害されつつ、両吸収体の積層構造による積層面によって液が途中で迂回されて、排尿の多寡によらず時機よくインジケータに接触するようにされている。
他の例として、1回の排尿量は少ないが排尿回数の多い人や排尿量がその都度異なる場合は、何度か排尿を繰り返し漸くインジケータが変色する。この場合、長期間の着用でインジケータの確認をつい忘れ取替えのタイミングがずれてしまうことがある。従来の使い捨ておむつでは、インジケータの変色の時点で吸収保持容量の限界となり、取替えのタイミングがずれることで尿漏れとなってしまうことがある。これに対し本実施形態1の使い捨ておむつ10においては、インジケータ6a及び6cの変色の後も非肌側吸収体32が液を吸収保持するので、取替えのタイミングがずれても尿漏れを防ぐことができる。
本実施形態1の展開型おむつ10において、前述の疎水機構8の配置を、図3や図4に示す変形例1及び2としてもよい。
(疎水機構の変形例1)
図3に示す疎水機構8の変形例1は、疎水機構81が非肌側吸収体32の非肌側面において、インジケータ領域6の幅方向の両側部領域に対応する部分のみ存在し、幅方向の中央部領域に対応する部分には存在しないものである。具体的には、インジケータ6bを覆う位置には疎水機構81がなく、インジケータ6a、6cを覆う位置に疎水機構81,81が存在している。またインジケータ6bは非肌側吸収体32の非肌面側に直接当接するように配置されている。このため、両側部領域においては肌側吸収体31を透過した尿等が液拡散機構41を伝わってきた場合に視覚的変化を起こし易くなっており、中央部領域では非肌側吸収体32を透過した尿によってインジケータが視覚的変化を起こし易くなっている。さらに裏面側液拡散機構42は、そのおむつ内方の端部42a,42aの間で欠落しており、その欠落部分を埋めるよう前記疎水機構81,81が配置されて裏面シート2と接合されている。この疎水機構81の配置によって、インジケータ6a及び6cは、非肌側吸収体32の影響を受けず液拡散機構41からの液で変色し易くされている。一方、インジケータ6bは、液拡散機構41からの液の影響を受けず非肌側吸収体32からの液で変色しやすくされている。換言すると、インジケータ6a及び6cとインジケータ6bとで、変色の影響を受ける液の経路がよりはっきりと区別され、変色による取替え時期判断もより明確なものとなるので好ましい。さらに裏面側拡散部42の端部42a,42a間において、前記疎水機構81,81が裏面シート2と接合されていることにより非肌側吸収体32からの液漏れを防御するよう作用し、またそこから液がインジケータ6a及び6cと接触することを抑えるよう作用するので好ましい。このような疎水機構81と各インジケータとの対応関係がインジケータの変色の明確な時間的差異を生じさせ、この変色の時間的差異ないしは変色する順番の様々な組み合わせにより排尿の経時変化をより明確に認識し得るので好ましい。
(疎水機構の変形例2)
一方、図4に示す疎水機構8の変形例2としては、前記疎水機構8の左右両端がさらに非肌側吸収体32の側面まで立ち上がるように配設された疎水機構82であり、液拡散機構41からの液の影響のみをさらに強く受けて変色する。
本実施形態1の展開型使い捨ておむつ10において、裏面側液拡散機構42と液拡散機構41とは前述の1枚の液拡散シート4からなるものであるが、これに代えて裏面側液拡散機構が液拡散機構とは独立の部材からなってもよい。図5は実施形態1の展開型使い捨ておむつにおける裏面側液拡散機構及び液拡散機構の変形例を模式的に示す図2に相当する拡大断面図である。図6では非肌側吸収体321の肌面側に形成された導水溝f1(液拡散機構の変形例1)が示されている。なお、図6では、実際には厚み方向に直接積層された肌側吸収体と非肌側吸収体とを分離して示し、その他の部材を省略している。その他の部材は実施形態1における前述の部材を用いることができ、また疎水機構を前述の変形例1又は2のいずれかとして任意に組合せることができる。
図7(a)に示すとおり、肌側吸収体31の股下部C付近で液を受け(矢印b1)、この液が前記肌側吸収体31の非肌面側に到達して漏れ出ようとする(矢印b2)。液が到達した非肌面側の部分には、図7(b)に示すとおり、非肌側吸収体321の導水溝f1が液の受け皿として配されており、液は導水溝f1へと導かれる。さらに図7(c)に示すとおり、その液の一部は厚み方向へ透過されて液漏れが生じないよう非肌側吸収体321でしっかりと吸収保持され(矢印b3)、同時に液の他の一部は該導水溝f1に沿って幅方向へと拡散する(矢印b4)。幅方向へ拡散した液は、導水溝f1の幅方向端から非肌側吸収体321の幅方向外方へと移行して(図示せず)、非肌側吸収体321の幅方向側面の一部まで覆う裏面側液拡散機構42(図5参照)に引き取られて、先ず、幅方向内方のインジケータ6a及び6cと接触し該インジケータ6a及び6cに視覚的変化が生じる。その後、幅方向中央部まで液が到達するとインジケータ6bが視覚的に変化する。その際、疎水機構8によって、厚み方向(矢印b3)へ透過する液とインジケータ6bとの接触が妨害されてインジケータの変色のタイミングが制御され得る。本実施形態において、良好な液拡散性の観点から、導水溝f1の縦方向の幅は10〜50mmが好ましく、導水溝f1の厚み方向の溝の深さは1mm〜3mmが好ましい。
図8は、本発明の別の実施形態(実施形態2)としての展開型使い捨ておむつ20の幅方向断面を模式的に示す図2に相当する拡大断面図である。本実施形態2の使い捨ておむつ20において、図2に示す実施形態1の非肌側吸収体32に代えて、パルプと高吸収性ポリマーとからなる極めて薄いシート状の非肌側吸収体322を配置する。
本実施形態2において、前記非肌側吸収体322は肌側吸収体31の補助的な吸収容量を有する。該非肌側吸収体322は、繊維集合体91と繊維ウェブ92とが一体化されたシート状の繊維構造体であって、該繊維構造体中に高吸収性ポリマー93が分散固定されている。前記非肌側吸収体322は、高吸収性ポリマー93がシート内部に確実に固定されているので、高吸収性ポリマーの脱落やゲルブロッキングが生じ難く、吸収速度や液体の固定性に優れる。非肌側吸収体322は、その厚みの薄さに比して比較的高い吸収性を有する。このように非肌側吸収体322が高い吸収性能と厚みの薄さを兼ね備えているので、本実施形態2のおむつ20全体としては装着時のゴワつき感が和らげられ良好な装着感を感じることができるので好ましい。本実施形態2においては、非肌側吸収体322が肌側吸収体31の補助的な吸収容量であり、実質的におむつの取替え時期としてインジケータ6a及び6cが変色するが、その取替えまでの間、非肌側吸収体322が液を吸収して液漏れを防ぐことができる。
本実施形態2において、前記非肌側吸収体322に代えて、パルプ繊維等の繊維を含まない、いわゆるパルプレス構造の非肌側吸収体323であってもよい。該非肌側吸収体323も前記非肌側吸収体322と同様に厚みの薄いシート状であり、肌側吸収体31の補助的な吸収容量を有する。図9は、実施形態2の展開型使い捨ておむつにおける非肌側吸収体の変形例(非肌側吸収体323)を模式的に示す図であり、(a)はその平面図であり、(b)はそのIX−IX断面図である。前記非肌側吸収体323は、多数の吸収性ポリマーを2枚の液透過性のシートの間に挟持してなる(図9(b)参照)。非肌側吸収体323の平面視において、図9(a)が示すとおり、その縦方向に直線状に延在する4条の吸収ポリマー存在領域m1〜m4と3条の非存在領域n2〜n4とが幅方向に交互に配され、存在領域m1及びm4の幅方向外方が非存在領域n1及びn5で封止されている。さらに非肌側吸収体323の縦方向の中央の股下部Cにあたる位置に非存在領域n6が幅方向に延在するように形成されている。
[吸収体]
(肌側吸収体)
肌側吸収体31の形成材料としては、通常吸収性物品に用いられるものを用いることができる。具体的には例えば、吸収性コアとしては、繊維集合体又はこれと吸収性ポリマーとを併用させたもの等を用いることができる。繊維集合体を構成する繊維としては、パルプ繊維等の親水性天然繊維や、合成繊維(好ましくは親水化処理を施したもの)等を用いることができる。坪量は特に限定されないが、150g/m2〜500g/m2が好ましい。吸収性ポリマーとしては、この種の物品に通常使用されている各種のポリマー材料を用いることがでる。吸収性ポリマーは、自重の20倍以上の水又は生理食塩水を吸収し保持し得る性能を有するような超吸収性高分子化合物であることが好ましい。また吸収性コアを被覆する被覆シートとしては、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布(SMS、SMMS、SSMS等の複合不織布)からなるものを用いることができる。
非肌側吸収体32及び321としては、肌側吸収体31と同様の材料を用いることができる。また前記非肌側吸収体321は、導水溝f1形成のため、それに必要な吸収体の厚みは2〜5mmが好ましく、2〜4mmがさらに好ましい。非肌側吸収体322としては、親水性繊維又は熱溶融性接着繊維または紙力補強剤並びに高吸収性ポリマーを含む薄い高吸収性シートである。この高吸収性シートは、高吸収性ポリマーを繊維ウエブ上に散布しその上に繊維集合体を重ね合わせて乾燥し一体化させたのである。その厚みは0.3〜1.5mmと薄いものであることが好ましい(特開平8−246395号公報参照)。この高吸収性シートは、極めて薄いシート内部の繊維に高吸収性ポリマーを三次元状に分散固定したものである。これにより高吸収性ポリマーの脱落することなく、繰り返し吸収する場合でもゲルブロッキングを生じにくいので液の吸収保持性能に優れている。非肌側吸収体323の形成素材は、特開2004−275225号公報に記載のものを用いることができる。
疎水機構8の形成方法としては、部材の部分的に疎水処理する方法のほか、疎水シートを用いる方法がある。疎水シートを用いる場合、撥水性不織布、親水性不織布や紙などの表面にホットメルト接着剤を塗工し、液の透過性を下げたシート、オレフィン系フィルム(PE、PP)等が挙げられる。
標識材(インジケータ)としては、塗布に適した剤状のものや、リトマス紙のようなシート状のもの等が挙げられる。インジケータをなす親水性組成物に含有される呈色指示薬としては、pHが3〜7で色が変化するものが好ましく、その例としてはブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザリンS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの呈色指示薬のうち特に好ましいものとしては、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン及びブロモクレゾールパープル等が挙げられる。これらの呈色指示薬は、上記親水性組成物の全量(酸性化合物+呈色指示薬)に対して好ましくは0.01〜50重量%、更に好ましくは0.01〜40重量%、一層好ましくは0.01〜1重量%、最も好ましくは0.01〜0.5重量%含有される。呈色指示薬の量が0.01重量%に満たないと変色しても色が薄く、外部から視認しづらくなることがあり、50重量%を超えると親水性組成物の変色前の色が濃すぎて外観がよくなく、更にコスト高になることがあるので上記範囲内とすることが好ましい。
液拡散機構41、裏面側液拡散機構42及び側面部43を構成する液拡散シート4の形成素材として、通常の親水性シート、具体的にはレーヨン、コットン、パルプなどの親水性繊維等を含むものが挙げられる。拡散性を制御する方法としては、シートを構成する親水性繊維に加えて、(1)親水性粒子を含ませること、(2)疎水性繊維を含ませること、が挙げられる。親水性粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられ、特に酸化チタンが好ましい。疎水性繊維を加える場合には、親水性繊維を50質量%以上、特に60質量%以上、疎水性繊維を50質量%未満、特に40質量%未満の量で含むことができる。疎水性繊維としては例えば各種熱可塑性樹脂からなる繊維を用いることができる。本発明で使用される親水性繊維(不織布)の中には、疎水性の熱可塑性樹脂からなる繊維を各種親水処理した繊維や、疎水性繊維からなる不織布を各種親水化処理した不織布も含まれる。これらの繊維を含む繊維シートとしては、例えばスパンレース不織布、エアスルー不織布、紙などが挙げられる。具体的にはレーヨンとポリオレフィン系繊維とからなるスパンレース不織布が挙げられる。これらの繊維シートの坪量は15〜50g/m2、特に18〜35g/m2であることが、好ましい。
液拡散シート4の液拡散性を示すクレム吸水高さの測定は、JIS P8141の紙及び板紙−吸水度試験方法−クレム法に順じて行うことができる。即ち、液拡散シートを幅20mm、長さ200mmの短冊状に裁断した後、縦方向を鉛直方向にして下端から15mmの部分までを水に浸し、水に浸してから10分後に水が何mm吸い上げられたかを測定する。この測定値をクレム吸水高さとする。
表面シート1、裏面シート2及びサイドシート7の形成材料としては、通常吸収性物品に使用されているものを用いることができる。
表面シート1としては、親水性不織布が好ましく、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、立体賦形不織布と呼ばれている不織布で、その繊維がポリプロピレンの単繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの複合繊維等で親水化処理が施された繊維が好ましく、その坪量15〜50g/m2のものが好適に使用できる。また、表面シート1の股下部分には、表面シート1の非肌面側に親水性穴開きフィルムや親水性不織布が部分的に重ねられていてもよい。
裏面シート2の防水性の程度は、液体の透過を十分に阻止する観点から、耐水圧で100mm以上が好ましく、500mm以上がさらに好ましい。また裏面シート2の透湿性の程度は、防水性を維持しつつ、おむつ内部のムレやそれに伴う着用者の肌のカブレを十分に防止する観点から、0.5〜4.0g/(100cm2・h)が好ましく、1.0〜2.5g/(100cm2・h)がさらに好ましい。なお、耐水圧はJIS L1092繊維製品の防水性試験方法に準じて行う方法により測定され、透湿性は温度条件を35℃としてJIS Z0208防湿包装材料の透湿試験方法に準じて行う方法により測定される。
2 裏面シート
3 吸収体
31 肌側吸収体
32,321,322,323 非肌側吸収体
4 液拡散シート
41 液拡散機構
42 裏面側液拡散機構
5 ファスニングテープ
6 標識材(インジケータ)領域
6a,6b,6c インジケータ
7 サイドシート
8,81,82,83 疎水機構
10、20 尿とりパッド
f1 導水溝
Claims (6)
- 表面シートと裏面シートと該両シートに介在された吸収体とを有し、前記表面シートを着用者肌当接面側とし裏面シートを着用者非肌当接面側として装着する、縦方向とこれに直交する幅方向を有する吸収性物品であって、
前記吸収体は少なくとも、着用者肌面側に位置する肌側吸収体と着用者非肌面側に位置する非肌側吸収体とを備えており、
前記非肌側吸収体と前記裏面シートとの間に液との接触により視覚的に変化する標識材が前記幅方向の所定長さに亘って設けられており、
該標識材の肌当接面側と前記非肌側吸収体の非肌当接面側との間には、物品厚み方向からの液の移行を阻害する疎水機構が設けられて液体透過性が低くなされている部分を備え、
前記非肌側吸収体と前記標識材との間に液を幅方向内方へと面方向に導く裏面側液拡散機構が配されており、該裏面側液拡散機構は、前記非肌側吸収体の非肌面側において前記疎水機構と前記標識材との間に介在配置されている吸収性物品。 - 非肌側吸収体の肌面側から幅方向両側面に回りこんで非肌面側までが1枚の液拡散シート4によって覆われている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記裏面側液拡散機構が液拡散シートからなる請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記標識材が面方向に広がりを持って配設されて標識材配置領域をなし、前記疎水機構が前記標識材配設領域の肌面側の全面に対応して配されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記疎水機構が前記標識材配置領域の前記幅方向において側部領域に対応する部分に設けられ、前記幅方向の中央部領域に対応する部分には設けられていない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記標識材配設領域は、縦方向に長さを持つ前記標識材が幅方向に間欠的に複数条配設されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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