JP2020130442A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】排尿などにより受液した際、素早く濡れ広がることで、液透過性が改善され、且つ、吸収性物品自体の肌触り性も向上させた吸収性物品を提供する。【解決手段】本発明の吸収性物品1は、液透過性のトップシート10と、液不透過性のバックシート20と、前記トップシート10及びバックシート20の間に配置される吸収体30と、トップシート10と吸収体30との間に配置され、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルム50と、を有し、吸収性物品1が、長手方向に前部、中央部、後部としたときに、開孔フィルム50が、中央部に配置され、吸収体30は、高吸収性ポリマーが担持されたセルロースアセテートトウから構成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、開孔フィルムを具備した吸収性物品に関する。
一般的に、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等の吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シートの間に配置された吸収体と、で構成されている。これにより、尿等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収され、バックシートにより外部へ漏れないようになっている。このような吸収性物品には、体液の吸収性の向上、着用者の装着感の向上、漏れ防止等を図るために、様々な工夫がなされている。
例えば、開孔フィルムを吸収性物品の所定の位置に設けることによって、ウェットバックや吸収速度などの吸収性能を向上させる技術がある。該開孔フィルムの開口面積は肌側面と非肌側面で、肌側>非肌側とすることで、ウェットバックや吸収速度を向上するというものである。
開孔フィルムを用いた吸収性物品として、例えば、特許文献1は、液透過性の表面材、液体保持性の吸収材及び液不透過性の防漏材を有する吸収性物品において、表面材は、少なくとも、肌当接面層と非肌当接面層とを積層一体化してなる液透過性シートからなり、上記肌当接面層は、熱可塑性樹脂からなる開孔フィルム又は合成繊維からなる不織布により形成される技術が開示されている。
また、特許文献2は、高吸収性ポリマー(superabsorbent polymer,SAP)及びフラッフパルプのうち少なくとも一つを吸収体成分として含む吸収体層を有する吸収体において、吸収体は、吸収体層に接して配置され、かつ、耐水性、高通気性合成樹脂製開孔フィルムからなる吸収体被覆層を備え、吸収体被覆層は、吸収体成分の吸収体からの離脱を防止するとともに、形態安定性を保持するように構成されており、開孔フィルムは頭頂部の開孔が小さく、底部の開孔が大きい漏斗状構造の多数の突起部を有し、その突起部の頭頂部が吸収体層に接するように配置される吸収体が開示されている。
特許文献3は、トウの複数本の繊維を気体により開繊させ、吸水性の粒状物をトウに添加し、バインダをトウに添着させることによる、吸水性物品の製造方法が開示されている。本製造方法によれば、セルロースアセテートトウを開繊させて、その繊維に高吸収性ポリマーを高担持させることができる。
しかし、上記開孔フィルムを設けた特許文献1や特許文献2では、いずれもウェットバックなどの液戻り防止性に優れているものの、上記開孔フィルムは樹脂フィルムであるが故、肌触り面で硬さが感じられた。
また、特許文献3は、セルロースアセテートトウはフラッフパルプに比べて、柔らかさをもたらす吸収体であるものの、水の保持力が弱く、液戻り防止効果が不十分との欠点があった。また、液透過性が遅く、吸水性物品に使用する吸収体の性能としては不十分の欠点もあった。
また、特許文献3は、セルロースアセテートトウはフラッフパルプに比べて、柔らかさをもたらす吸収体であるものの、水の保持力が弱く、液戻り防止効果が不十分との欠点があった。また、液透過性が遅く、吸水性物品に使用する吸収体の性能としては不十分の欠点もあった。
したがって、本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、排尿などにより受液した際、素早く濡れ広がることで、液透過性が改善され、且つ、吸収性物品自体の肌触り性も向上させた吸収性物品を提供することを目的とする。
詳しくは、トップシートと吸収体の間に開孔フィルムを配置することで、排出された尿を素早く吸収性物品全体に浸透させ、液戻り防止性を向上させることができ、且つ、前記開孔フィルムを長手方向において所定の寸法とすることで、開孔フィルムの樹脂フィルムであるが故の肌触りの悪さを抑制し、更にセルロースアセテートトウとSAPからなる吸収体を配置することで、肌ざわりに優れた吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、開孔フィルムをトップシートと吸収体との間に設け、且つ、SAPが担持されたセルロールアセテートトウからなる吸収体を設けることで上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、吸収性物品であって、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置される吸収体と、前記トップシートと前記吸収体との間に配置され、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルムと、を有し、前記吸収性物品が、長手方向に前部、中央部、後部としたときに、前記開孔フィルムが、前記中央部に配置され、前記吸収体は、高吸収性ポリマーが担持されたセルロースアセテートトウから構成されていることを特徴とする吸収性物品である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)の吸収性物品であって、前記セルロースアセテートトウに担持される高吸収性ポリマーの坪量は、240g/m2以上450g/m2以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)の吸収性物品であって、前記セルロースアセテートトウは開繊されており、前記開繊されたセルロースアセテートトウの坪量は、40g/m2以上90g/m2以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)の吸収性物品であって、前記セルロースアセテートトウは開繊されており、前記開繊されたセルロースアセテートトウの坪量は、40g/m2以上90g/m2以下であることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記開孔フィルムが、長手方向の15%以上70%以下の領域の位置に配置されていることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記開孔フィルムは、開孔径が2mm以下であり、開孔の数が50個/cm2以上であり、坪量が20g/m2以上60g/m2以下であることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記開孔フィルムは、開孔径が2mm以下であり、開孔の数が50個/cm2以上であり、坪量が20g/m2以上60g/m2以下であることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の態様は、(1)から(5)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記トップシートと前記開孔フィルムとの間に、液拡散性のセカンドシートが配置されることを特徴とするものである。
(7)本発明の第7の態様は、(6)の吸収性物品であって、前記セカンドシートの坪量が10g/m2以上60g/m2以下であることを特徴とするものである。
(7)本発明の第7の態様は、(6)の吸収性物品であって、前記セカンドシートの坪量が10g/m2以上60g/m2以下であることを特徴とするものである。
したがって、本発明によれば、開孔フィルムにより、吸収体(下方向)への浸透に優れ、排尿などにより受液した際、素早く濡れ広がることで、拡散性や液透過性が改善され、液戻り防止性を向上させることができ、更に、セルロースアセテートトウとSAPの吸収体により、吸収性物品自体が柔らかくさせることができる、吸収性物品を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付する。
また、本明細書の説明において、吸収性物品1の着用時とは、吸収性物品1の着用時及び着用後の少なくとも一方をいう。吸収性物品1の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後にわたる方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品1の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。さらに、肌当接面とは、吸収体等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、非肌当接面とは、吸収体等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。さらに、吸収性物品1としては、ベビー用又は成人用を問わず、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつが例示されるが、これに限定されるものではなく、その他の吸収性物品であってもよい。
<吸収性物品>
図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品1をトップシート10側から見た平面図である。図1に示すように、吸収性物品1は、肌当接面側に配された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向して非肌当接面側に配置された液不透過性のバックシート20と、トップシート10とバックシート20との間に配置された吸収体30と、を備える。これにより、吸収体30は、トップシート10とバックシート20の間に挟まれた構造となっている。
図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品1をトップシート10側から見た平面図である。図1に示すように、吸収性物品1は、肌当接面側に配された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向して非肌当接面側に配置された液不透過性のバックシート20と、トップシート10とバックシート20との間に配置された吸収体30と、を備える。これにより、吸収体30は、トップシート10とバックシート20の間に挟まれた構造となっている。
吸収性物品1の、長手方向の寸法は100mm以上800mm以下、幅方向の寸法は50mm以上500mmであることが好ましい。吸収性物品1の寸法を上記の範囲に調整することにより、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等に適した吸収性物品1を得ることができる。
また、吸収性物品1には、図2に示すように、使用者の排泄した体液の横漏れを防止するため、吸収性物品1の長手方向に沿って、トップシート10上に、立体ギャザー用弾性部材を有する一対の立体ギャザー70を備えていてもよい。吸収性物品1の幅方向における立体ギャザー70の外端は、バックシートに固定され、その内端はトップシート10に固着され、その中央はトップシート10に固定されない自由端となるように、立体ギャザーシートが配される。立体ギャザー用弾性部材を長手方向に沿って設けることで、立体ギャザー70が起立性を有し、着用者の体型に合わせて変形可能なものとなる。立体ギャザー用弾性部材としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状又は帯状の天然ゴム等が使用され、立体ギャザーシートとしては、疎水性繊維にて形成された撥水性又は液不透過性の不織布、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布等が使用される。
<トップシート>
トップシート10は、体液が吸収体30へと移動するような液透過性を備えた基材から形成されればよく、例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。また、トップシート10には、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート10には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。
トップシート10は、体液が吸収体30へと移動するような液透過性を備えた基材から形成されればよく、例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。また、トップシート10には、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート10には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。
強度、加工性及び液戻り量の点から、トップシート10の坪量は、18g/m2以上40g/m2以下であることが好ましい。トップシート10の形状としては特に制限はないが、漏れがないように体液を吸収体30へと誘導するために必要とされる、吸収体30を覆う形状であればよい。
<バックシート>
バックシート20は、吸収体30が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
バックシート20は、吸収体30が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
強度及び加工性の点から、バックシート20の坪量は、15g/m2以上60g/m2以下であることが好ましい。また、装着時の蒸れを防止するため、バックシート20には、通気性を持たせることが好ましい。バックシート20に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート20にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
<開孔フィルム>
本発明の吸収性物品1は、図2に示すように、トップシート10と吸収体30との間に、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルム50を備える。
開孔フィルム50は、体液が吸収体30へと移動するような液透過性及び液拡散性を備えていることが好ましい。なお、開孔フィルム50と吸収体30のキャリアシートの接着は、柔らかさを維持する観点から、ホットメルト接着剤のスパイラル塗布方式が好ましい。
本発明の吸収性物品1は、図2に示すように、トップシート10と吸収体30との間に、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルム50を備える。
開孔フィルム50は、体液が吸収体30へと移動するような液透過性及び液拡散性を備えていることが好ましい。なお、開孔フィルム50と吸収体30のキャリアシートの接着は、柔らかさを維持する観点から、ホットメルト接着剤のスパイラル塗布方式が好ましい。
開孔フィルム50は、液拡散性、強度及び加工性の点で、開孔径は2mm以下であることが好ましく、0.50mm以上0.65mm以下がより好ましい。開孔径が0.50mmより小さい場合、液透過性が悪くなるため好ましくなく、0.65mmより大きい場合、フィルムの強度、加工性の点から好ましくない。なお、ここで、「開孔径」とは、開孔フィルム50を株式会社キーエンス製3D顕微鏡(VR−3100)で撮影し、任意に選んだ3つの開孔の直径を測定した平均値である。また、開孔フィルム50の開孔径は、トップシート10側と吸収体30側で同じであっても良いし、異なっても良い。
また、液透過性の点から、開孔数は50個/cm2以上が好ましい。開孔数が50個/cm2より少ない場合、フィルムの硬さが目立ち、且つ、吸収体30への液透過性が悪くなるため好ましくない。また、開孔フィルム50の開孔数は、幅方向中央部と幅方向側部で異なっていても良く、幅方向中央部>幅方向側部であることが好ましい。さらに、強度及び加工性の点から、開孔フィルム50の坪量は、20g/m2以上60g/m2以下であることが好ましく、23g/m2以上30g/m2以下であることがより好ましい。20g/m2より小さい場合、フィルムが破断しやすく好ましくない。また、60g/m2よりも大きい場合、肌触りが硬くなってしまうため好ましくない。
開孔フィルム50の開孔径、開孔数、及び坪量を上記の範囲とすることにより、強度、加工性、液透過性、及び液拡散性に優れた開孔フィルム50を得ることができる。
開孔フィルム50の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、なかでも、柔らかさの観点からポリエチレンが好ましい。
開孔フィルム50の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、なかでも、柔らかさの観点からポリエチレンが好ましい。
図3に示すように、吸収性物品1は、長手方向Yに前部A、中央部B、及び後部Cから構成される。中央部Bは、長手方向Yの15%以上70%以下の領域を示す。上記の領域より広い場合、当該開孔フィルムの樹脂故の固さが際立つため好ましくなく、上記の領域より狭い場合、尿を受液する位置に開孔フィルムが配置されず、優れた吸収性能を示さないため好ましくない。
本発明における開孔フィルム50は、孔を有していないフィルム等の材料にエンボス加工で孔を貫通させて開孔させることによって作製することができる。
本発明における開孔フィルム50は、孔を有していないフィルム等の材料にエンボス加工で孔を貫通させて開孔させることによって作製することができる。
<吸収体>
本発明の吸収性物品1において、吸収体30は高吸収性ポリマーが担持されたセルロールアセテートトウにより構成される。吸収体30の長手方向の最長幅の寸法LOは、100mm以上800mm以下であることが好ましく、150mm以上500mm以下であることがより好ましい。また、吸収体30の幅方向の最長幅の寸法WOは、50mm以上500mm以下であることが好ましく、70mm以上105mm以下であることがより好ましい。また、吸収体はキャリアシート60で覆われて配置してもよく、吸収体30のキャリアシートの接着は、柔らかさを維持する観点から、ホットメルト接着剤のスパイラル塗布方式が好ましい。トウより構成される吸収体は、1層であっても複数層であってもよい。
本発明の吸収性物品1において、吸収体30は高吸収性ポリマーが担持されたセルロールアセテートトウにより構成される。吸収体30の長手方向の最長幅の寸法LOは、100mm以上800mm以下であることが好ましく、150mm以上500mm以下であることがより好ましい。また、吸収体30の幅方向の最長幅の寸法WOは、50mm以上500mm以下であることが好ましく、70mm以上105mm以下であることがより好ましい。また、吸収体はキャリアシート60で覆われて配置してもよく、吸収体30のキャリアシートの接着は、柔らかさを維持する観点から、ホットメルト接着剤のスパイラル塗布方式が好ましい。トウより構成される吸収体は、1層であっても複数層であってもよい。
(高吸収性ポリマーが担持されたセルロースアセテートトウ)
高吸収性ポリマーが担持されたセルロースアセテートトウに用いられる高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。
高吸収性ポリマーが担持されたセルロースアセテートトウに用いられる高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。
また、セルロースアセテートトウに担持されるSAPの坪量は、240g/m2以上450g/m2以下であることが好ましく、245g/m2以上445g/m2以下であることがより好ましい。上記の数値範囲内とすることで、吸収体30におけるゲルブロッキングを防止し、かつ、吸収体30において多量の体液を吸収させることができる。
セルロースアセテートトウは開繊されていることが好ましく、開繊されたセルロースアセテートトウの坪量は、40g/m2以上90g/m2以下であることが好ましく、45g/m2以上85g/m2以下であることがより好ましい。上記数値範囲内とすることで、吸収体30の形成に支障がなく、且つ、SAPの保持性能にも問題がない。
吸収体30において、セルロースアセテートトウ及びSAPの形態は、セルロースアセテートトウ中にSAP粒子を混合して形成したものでもよく、セルロースアセテートトウ間にSAP粒子を固着したSAPシートでもよい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体30の形状の安定化の目的から、吸収体30をキャリアシート60に包んでもよい。キャリアシート60の基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシート60を複数備える場合は、複数のキャリアシート60の基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
<セカンドシート>
また、図2に示すように、トップシート10と開孔フィルム50との間には、吸収性物品1の液拡散性を向上させ、かつ、開孔フィルム50の硬さを抑制し、肌触りを良くするために、液拡散性のセカンドシート40を配置することが好ましい。セカンドシート40の基材は、体液の透過速度がトップシート10より速く、体液を吸収体30へ素早く拡散するものであればよく、例えば、親水性不織布、特に、エアスルー不織布が好ましい。セカンドシート40の厚さは、0.1mm以上が好ましく、その坪量は、10g/m2以上60g/m2以下が好ましく、15g/m2以上40g/m2以下がより好ましい。厚さが0.1mm未満、又は、坪量が10g/m2未満もしくは60g/m2より大きいと、吸収体30の上面全体への液体の拡散が十分に行われない。また、セカンドシート40の形状は、特に制限はないが、体液が、くまなく吸収体30に拡散するように、吸収体30の表面を完全に覆うことができる形状であることが好ましい。
また、図2に示すように、トップシート10と開孔フィルム50との間には、吸収性物品1の液拡散性を向上させ、かつ、開孔フィルム50の硬さを抑制し、肌触りを良くするために、液拡散性のセカンドシート40を配置することが好ましい。セカンドシート40の基材は、体液の透過速度がトップシート10より速く、体液を吸収体30へ素早く拡散するものであればよく、例えば、親水性不織布、特に、エアスルー不織布が好ましい。セカンドシート40の厚さは、0.1mm以上が好ましく、その坪量は、10g/m2以上60g/m2以下が好ましく、15g/m2以上40g/m2以下がより好ましい。厚さが0.1mm未満、又は、坪量が10g/m2未満もしくは60g/m2より大きいと、吸収体30の上面全体への液体の拡散が十分に行われない。また、セカンドシート40の形状は、特に制限はないが、体液が、くまなく吸収体30に拡散するように、吸収体30の表面を完全に覆うことができる形状であることが好ましい。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
(吸収性物品の作成)
吸収体は、開繊されたセルロースアセテートトウ(坪量70g/m2)にSAP(5.0g)を分散させたものを使用し、トップシートとして、エアスルー不織布(坪量25g/m2)を用い、液不透過性のバックシートとして、通気性ポリエチレンシート(坪量32g/m2)を用い、セカンドシートとしてエアスルー不織布(坪量30g/m2)、立体ギャザーとして、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドを積層した複合不織布(坪量15g/m2)、上下キャリアシートを用いた。また、セカンドシートの下に開孔フィルム(坪量26g/m2)を長手方向寸法70mmとして配置し、吸収性物品の寸法は、長手方向が273mm、幅105mmとし、吸収体の寸法は、長手方向が220mm、幅71mmとし、これを実施例のサンプルとした。
吸収体は、開繊されたセルロースアセテートトウ(坪量70g/m2)にSAP(5.0g)を分散させたものを使用し、トップシートとして、エアスルー不織布(坪量25g/m2)を用い、液不透過性のバックシートとして、通気性ポリエチレンシート(坪量32g/m2)を用い、セカンドシートとしてエアスルー不織布(坪量30g/m2)、立体ギャザーとして、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドを積層した複合不織布(坪量15g/m2)、上下キャリアシートを用いた。また、セカンドシートの下に開孔フィルム(坪量26g/m2)を長手方向寸法70mmとして配置し、吸収性物品の寸法は、長手方向が273mm、幅105mmとし、吸収体の寸法は、長手方向が220mm、幅71mmとし、これを実施例のサンプルとした。
比較例1において、開孔フィルムを入れず、セルロースアセテートトウの代わりにフラッフパルプ7.0gを用いた以外は、実施例のサンプルと同様にして吸収性物品を作成し、比較例1のサンプルとした。また、比較例2において、セカンドシートの下に開孔フィルム(坪量26g/m2)を長手方向寸法240mmとして配置した以外は、実施例と同様にして吸収性物品を作成し、比較例2のサンプルとした。また、比較例3において、セカンドシートの下に開孔数30個/cm2とした開孔フィルム(坪量26g/m2)を配置した以外は実施例と同様にして吸収性物品を作成し、比較例3のサンプルとした。更に、比較例4において、セカンドシートの下に開孔径2.50mm、開孔数15個/cm2とした開孔フィルム(坪量26g/m2)を配置した以外は実施例と同様にして吸収性物品を作成し、比較例4のサンプルとした。
(吸収速度)
底面積16.8cm2の円柱の中央に内径19mmの穴が開いており、重さを755.6gとした測定冶具を、吸収性物品の長手方向、かつ幅方向の中央部の上に置き、上部の穴から生理食塩水それぞれ40mlを投下し、生理食塩水が吸収性物品に接触した時点から治具中央円内の円周に液体が完全に吸い込まれるところを終点として時間を計測し、結果を表1に示した。
底面積16.8cm2の円柱の中央に内径19mmの穴が開いており、重さを755.6gとした測定冶具を、吸収性物品の長手方向、かつ幅方向の中央部の上に置き、上部の穴から生理食塩水それぞれ40mlを投下し、生理食塩水が吸収性物品に接触した時点から治具中央円内の円周に液体が完全に吸い込まれるところを終点として時間を計測し、結果を表1に示した。
(液戻り量)
トップシートを上に向けた状態で、生理食塩水120mlを吸収体の中心部に向かって注水し、10分間放置した後、生理食塩水の吸収部位に、あらかじめ重量を測定したろ紙(ADVANTEC社製 No.2 ろ紙、直径55mm)を置き、その上に35kgf/cm2の錘を乗せ、30秒経過後、ろ紙の重量を測り、ろ紙の重量差を液戻り量とした。結果を表1に示した。
トップシートを上に向けた状態で、生理食塩水120mlを吸収体の中心部に向かって注水し、10分間放置した後、生理食塩水の吸収部位に、あらかじめ重量を測定したろ紙(ADVANTEC社製 No.2 ろ紙、直径55mm)を置き、その上に35kgf/cm2の錘を乗せ、30秒経過後、ろ紙の重量を測り、ろ紙の重量差を液戻り量とした。結果を表1に示した。
(濡れ広がり性)
トップシートを上に向けた状態で、生理食塩水120mlを吸収体の中心部に向かって注水し、吸収部位から製品長手方向に生理食塩水が10cm広がるまでの時間を計測し、濡れ広がり性を評価した。結果を表1に示した。
トップシートを上に向けた状態で、生理食塩水120mlを吸収体の中心部に向かって注水し、吸収部位から製品長手方向に生理食塩水が10cm広がるまでの時間を計測し、濡れ広がり性を評価した。結果を表1に示した。
(吸収性物品表面の肌触り)
8名のパネラーが、吸収性物品の表面の肌触り感を評価した。吸収性物品の表面を触り、「表面が柔らかく感じた」評価者が6人以上8人以下のときを「○」、「表面が柔らかく感じた」評価者が3人以上5人以下のときを「△」、「表面が柔らかく感じた」評価者が1人もしくは2人のとき、又は「表面が柔らかく感じた」評価者が1人もいないときを「×」とした。結果を表1に示した。
8名のパネラーが、吸収性物品の表面の肌触り感を評価した。吸収性物品の表面を触り、「表面が柔らかく感じた」評価者が6人以上8人以下のときを「○」、「表面が柔らかく感じた」評価者が3人以上5人以下のときを「△」、「表面が柔らかく感じた」評価者が1人もしくは2人のとき、又は「表面が柔らかく感じた」評価者が1人もいないときを「×」とした。結果を表1に示した。
表1の結果から、開孔フィルムとセルロースアセテートトウを含まない比較例1は表面の肌触りが悪く、模擬尿(生理食塩水)の吸収速度が悪く、液戻り量も多かった。開孔フィルムを含むが、開孔フィルムを長手方向に長く配置した比較例2は、吸収速度、液戻り性は優れるものの、表面の肌触りが悪く、実施例よりも硬さがあるという結果となった。比較例3は、吸収速度が遅く、表面の肌触りが悪い結果となった。比較例4は、吸収速度は速いが、液戻り性が悪い結果となった。
一方、開孔フィルムを長手方向に短くして配置した実施例は、吸収速度に優れ、液戻りもしにくく、更には表面の肌触りが良いという結果だった。
一方、開孔フィルムを長手方向に短くして配置した実施例は、吸収速度に優れ、液戻りもしにくく、更には表面の肌触りが良いという結果だった。
よって、本発明によれば、排尿などにより受液した際、素早く濡れ広がることで、液透過性が改善され、液戻り防止性を向上させることができ、且つ、肌触りにも優れる、吸収性物品を提供することができる。
1 吸収性物品
10 トップシート
20 バックシート
30 吸収体
40 セカンドシート
50 開孔フィルム
60 キャリアシート
70 立体ギャザー
10 トップシート
20 バックシート
30 吸収体
40 セカンドシート
50 開孔フィルム
60 キャリアシート
70 立体ギャザー
Claims (7)
- 吸収性物品であって、
液透過性のトップシートと、
液不透過性のバックシートと、
前記トップシート及び前記バックシートの間に配置される吸収体と、
前記トップシートと前記吸収体との間に配置され、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルムと、を有し、
前記吸収性物品が、長手方向に前部、中央部、後部としたときに、前記開孔フィルムが、前記中央部に配置され、
前記吸収体は、高吸収性ポリマーが担持されたセルロースアセテートトウから構成されていることを特徴とする吸収性物品。 - 前記セルロースアセテートトウに担持される高吸収性ポリマーの坪量は、240g/m2以上450g/m2以下であることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記セルロースアセテートトウは開繊されており、
前記開繊されたセルロースアセテートトウの坪量は、40g/m2以上90g/m2以下であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。 - 前記開孔フィルムが、長手方向の15%以上70%以下の領域の位置に配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記開孔フィルムは、開孔径が2mm以下であり、開孔の数が50個/cm2以上であり、坪量が20g/m2以上60g/m2以下であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記トップシートと前記開孔フィルムとの間に、液拡散性のセカンドシートが配置されることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記セカンドシートの坪量が10g/m2以上60g/m2以下であることを特徴とする、請求項6に記載の吸収性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019025831A JP2020130442A (ja) | 2019-02-15 | 2019-02-15 | 吸収性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019025831A JP2020130442A (ja) | 2019-02-15 | 2019-02-15 | 吸収性物品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020130442A true JP2020130442A (ja) | 2020-08-31 |
Family
ID=72261853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019025831A Pending JP2020130442A (ja) | 2019-02-15 | 2019-02-15 | 吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020130442A (ja) |
-
2019
- 2019-02-15 JP JP2019025831A patent/JP2020130442A/ja active Pending
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