WO2022145327A1

WO2022145327A1 - 使い捨ておむつ、及び使い捨ておむつの変化検出方法

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Publication number: WO2022145327A1
Application number: PCT/JP2021/047782
Authority: WO
Inventors: 早苗相良; 優子福田; 高久山城; 真行湊崎; 啓介小泉
Original assignee: 花王株式会社
Priority date: 2020-12-28
Filing date: 2021-12-23
Publication date: 2022-07-07
Also published as: TW202233145A

Abstract

本発明の使い捨ておむつ（１）は、液保持性の吸収体（４）を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向（Ｘ）及び該縦方向に直交する横方向（Ｙ）を有する。使い捨ておむつ（１）は、非肌対向面に印（３０）が付されている。吸収体（４）は、印（３０）と重なる部分に、該部分の横方向（Ｙ）両側に位置する部分よりも通液性が高い高通液部（４３）を有している。印（３０）は、着用者の排尿を検出する排尿センサー（２０）の取り付け位置を示していることが好ましい。

Description

使い捨ておむつ、及び使い捨ておむつの変化検出方法

　本発明は、使い捨ておむつ、及び使い捨ておむつの変化検出方法に関する。

　介護負担の軽減等を目的として、使い捨ておむつの着用者の排尿を排尿センサーにより検出して通知する技術が知られている。排尿の検出方法としては、例えば、排尿により上昇した温度又は湿度を検出する方法が知られている。また、排泄物による温度や湿度等の変動を感知し得るセンサーと、該センサーが取り付けられた使い捨ておむつとが知られている。例えば、特許文献１には、使い捨ておむつ等の吸収性物品内、又はその上に配置され得るセンサーが記載されている。斯かるセンサーは、吸収性物品から分離可能であり、吸収性物品内の状態の変化を感知するように構成されている。
　特許文献２には、色変化インジケータと光学センサーとを含み、色の変化を検出するように適合された、吸収性物品が記載されている。

　また、使い捨ておむつとして、主たる吸液部位である吸収体と、該使い捨ておむつの外面を形成する外層シートとを備えたものが知られている。外層シートは、吸収体よりも非肌対向面に配されるシート部材である。
　例えば、本出願人は、先に、吸収体と外層シートとの間に、縦方向に伸縮性を発現し得る状態で同方向に延在した弾性部材が存在する伸縮領域と、該吸収体の横方向中央部に、該横方向の両側部よりも吸収性材料の単位面積当たりの質量が少ない低目付部とを有し、該伸縮領域と該低目付部とが平面視において重なっている、使い捨ておむつを提案した（特許文献３）。

　一方、特許文献１には、衣類に面する層の内側又は外側表面に対して追加的な材料を接合することによって、センサー配置用のポケットを形成することが記載されている。
　また特許文献４には、センサーを、吸収性物品の非肌対向面側に直接貼り付けて固定することが記載されている。
　また特許文献５には、インピーダンスの変化により排尿を検知するセンサーを、吸収性物品の外面側に脱着自在な吸収性物品として、吸収性物品の吸収体よりも非肌対向面側に、弾性部材が自由端に設けられた２枚のシートを、自由端側の一部が互いに重なった状態に配してセンサーの取り付け部を形成した吸収性物品が提案されている。

　使い捨ておむつ等の吸収性物品は、一般的に、尿、便、経血等の排泄物を吸収保持する吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌から近い側に配された表面シート等の内層体と、該吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された裏面シート等の外層体とを含んで構成されている。特許文献６及び７には、外層体に関する改良技術が記載されている。
　具体的には特許文献６には、着用した状態のまま外部から排泄物の吸収状態を目視確認できる展開型使い捨ておむつとして、裏面シートの一部に透明部が形成されたものが記載されている。前記透明部が形成された裏面シートは、熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂の結晶化温度以下では相分離する化合物との溶融混合物をから製造された微孔質シートに、エンボス加工を部分的に施すことによって製造されるもので、該透明部はエンボス加工が施された部分である。
　また特許文献７には、保温効果を有し、排尿により濡れた部分の温度が低下しにくい吸収性物品として、金属層を有する裏面シートを採用したものが記載されている。特許文献２に記載の吸収性物品によれば、金属層が反射する体熱を利用して、吸収体に吸収保持されている排泄物の温度を維持し得るとされている。

　また従来、使い捨ておむつ等の吸収性物品に温度や湿度を検出するセンサーを取り付けておき、該センサーから提供される着用中の吸収性物品の内部の温度や湿度の情報に基づいて、着用者による排泄の有無を検知する技術が知られている。例えば特許文献８には、斯かる技術を利用したおむつ濡れ報知装置が記載されている。

　また特許文献９には、吸収性及び通気性を向上させた吸収性物品として、裏面シートを吸収性本体の両側部よりも内側に位置するように設けるとともに、表面シートの端部面を吸収性本体の両側部から裏面側に巻き込んで裏面シートの端部外面に貼着したものが記載されている。特許文献９に記載の吸収性物品によれば、裏面シートの大きさ、及び表面シートの端部と裏面シートの端部とが重なった部分の大きさが必要最小限となるように設定されているので、吸収性及び通気性が向上するとされている。

特開２０１６－２１４９０３号公報特表２０１９－５１２６７６号公報特開２０２０－１０３８８４号公報特開２０１５－０２７３９１号公報特開２０１５－０２７３２２号公報特開平１０－８５２５７号公報特開２０１４－１８０４６１号公報特開平９－２２０２５９号公報特開２００５－６５７２９号公報

　本発明は、液保持性の吸収体を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する、使い捨ておむつに関する。
　前記使い捨ておむつの非肌対向面に、印が付されていることが好ましい。
　前記吸収体は、前記印と重なる部分に、該部分の前記横方向両側に位置する部分よりも通液性が高い高通液部を有していることが好ましい。

　本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、肌対向面側に位置する表面シート、非肌対向面側に位置する外側シート、該表面シートと該外側シートとの間に配された液保持性の吸収体を備える使い捨ておむつに関する。
　前記使い捨ておむつの非肌対向面に、印が付されていることが好ましい。
　前記吸収体は、前記印と重なる部分に、該部分の前記横方向両側に位置する部分よりも通液性が高い高通液部を有していることが好ましい。
　前記外側シートは、使い捨ておむつの最外面の構成材として、第１不織布と、第１不織布の非肌対向面側に一部又は全部を重ねた状態で配された第２不織布とを有することが好ましい。
　第１不織布と第２不織布とが重なる重複領域の一部に、第１不織布と第２不織布との間が接合されておらず、使い捨ておむつに生じる変化を検出するためのセンサーを内部に配置可能なセンサーポケットが形成されていることが好ましい。
　前記重複領域は、前記センサーポケットの周囲の三方向に、第１不織布と第２不織布とが接合された固定領域を有し、残りの一方向に、前記センサーの挿入口が形成されていることが好ましい。
　前記重複領域における前記センサーポケットが形成された領域の少なくとも一部において、第１不織布と第２不織布の伸縮性が相互に異なっていることが好ましい。

　また本発明は、使い捨ておむつの変化検出方法に関する。
　前記変化検出方法は、前記使い捨ておむつの前記センサーポケットに前記センサーを配置し、該センサーを用いて、着用者の排泄に伴い該使い捨ておむつに生じる変化を検出することが好ましい。

　本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有するとともに、着用者の股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とを有し、少なくとも該股下部に、液保持性の吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された外層体とを備える使い捨ておむつに関する。
　前記使い捨ておむつの非肌対向面に、印が付されていることが好ましい。
　前記吸収体は、前記印と重なる部分に、該部分の前記横方向両側に位置する部分よりも通液性が高い高通液部を有していることが好ましい。
　前記使い捨ておむつは、前記股下部の外面を形成する前記外層体の非肌対向面の一部に、センサーの取り付けが可能なセンサー対応領域が、前記吸収体と平面視で重なる領域を含むように設けられていることが好ましい。
　前記センサーは、前記使い捨ておむつにおける該センサーと平面視で重なる部分の温度を検出可能なものを含むことが好ましい。
　前記股下部の前記外層体では、非肌対向面に前記センサー対応領域が設けられた第１の部分の方が、非肌対向面に該センサー対応領域が設けられていない第２の部分に比べて、熱伝導性が高いことが好ましい。

　本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有するとともに、着用者の股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とを有し、少なくとも該股下部に、液保持性の吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された外層体とを備える使い捨ておむつに関する。
　前記使い捨ておむつの非肌対向面に、印が付されていることが好ましい。
　前記吸収体は、前記印と重なる部分に、該部分の前記横方向両側に位置する部分よりも通液性が高い高通液部を有していることが好ましい。
　前記使い捨ておむつは、前記股下部の外面を形成する前記外層体の非肌対向面の一部に、センサーの取り付けが可能なセンサー対応領域が、前記吸収体と平面視で重なる領域を含むように設けられていることが好ましい。
　前記センサーは、前記使い捨ておむつにおける該センサーと平面視で重なる部分の湿度を検出可能なものを含むことが好ましい。
　前記股下部の前記外層体では、非肌対向面に前記センサー対応領域が設けられた第１の部分の方が、非肌対向面に該センサー対応領域が設けられていない第２の部分に比べて、通気性が高いことが好ましい。
換言すれば、第１の部分の方が第２の部分に比べて通気抵抗が低いことが好ましい。
　第１の部分は、液不透過性又は液難透過性であることが好ましい。

　本発明は、肌対向面側に位置する表面シート、非肌対向面側に位置する外側シート、該表面シートと該外側シートとの間に配された吸収体を備える吸収性物品に関する。
　前記外側シートは、吸収性物品の最外面の構成材として、第１不織布と、第１不織布の非肌対向面側に一部又は全部を重ねた状態で配された第２不織布とを有することが好ましい。
　第１不織布と第２不織布とが重なる重複領域の一部に、第１不織布と第２不織布との間が接合されておらず、吸収性物品に生じる変化を検出するためのセンサーを内部に配置可能なセンサーポケットが形成されていることが好ましい。
　前記重複領域は、前記センサーポケットの周囲の三方向に、第１不織布と第２不織布とが接合された固定領域を有し、残りの一方向に、前記センサーの挿入口が形成されていることが好ましい。
　前記重複領域における前記センサーポケットが形成された領域の少なくとも一部において、第１不織布と第２不織布の伸縮性が相互に異なっていることが好ましい。

　また本発明は、吸収性物品の変化検出方法に関する。
　前記変化検出方法は、前記吸収性物品の前記センサーポケットに前記センサーを配置し、該センサーを用いて、着用者の排泄に伴い該吸収性物品に生じる変化を検出することが好ましい。

　また本発明は、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、少なくとも該股下部に、体液を吸収保持する吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された外層体とを備えた吸収性物品に関する。
　前記吸収性物品は、前記股下部の外面を形成する前記外層体の非肌対向面の一部に、センサーの取り付けが可能なセンサー対応領域が、前記吸収体と平面視で重なる領域を含むように設けられていることが好ましい。
　前記センサーは、該吸収性物品における該センサーと平面視で重なる部分の温度を検出可能なものを含むことが好ましい。
　前記股下部の前記外層体では、非肌対向面に前記センサー対応領域が設けられた第１の部分の方が、非肌対向面に該センサー対応領域が設けられていない第２の部分に比べて、熱伝導性が高いことが好ましい。

　あるいは、前記センサーは、該吸収性物品における該センサーと平面視で重なる部分の湿度を検出可能なものを含むことが好ましい。
　前記股下部の前記外層体では、非肌対向面に前記センサー対応領域が設けられた第１の部分の方が、非肌対向面に該センサー対応領域が設けられていない第２の部分に比べて、通気性が高いことが好ましい。
　換言すれば、第１の部分の方が第２の部分に比べて通気抵抗が低いことが好ましい。
　本発明の吸収性物品一実施形態では、第１の部分は、液不透過性又は液難透過性である。

図１は、本発明の第１実施形態である展開型の使い捨ておむつを示す斜視図である。図２は、図１に示すおむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側（内面側）を模式的に示す展開平面図である。図３は、図２のＩＩ－ＩＩ線断面図である。図４は、図１に示すおむつの展開且つ伸長状態における非肌対向面側（外面側）を模式的に示す展開平面図である。図５（ａ）及び（ｂ）は、本発明に係る吸収体の別の実施形態を備えた使い捨ておむつの図３相当図である。図６（ａ）～（ｇ）は、本発明に係る印のバリエーションを示す平面図である。図７（ａ）は、排尿センサーと印を示す平面図であり、図７（ｂ）は、印の位置に排尿センサーを取り付けたときの状態を示す平面図である。図８は、本発明の第２実施形態の使い捨ておむつを示す斜視図である。図９は、図８に示す使い捨ておむつの展開状態を肌対向面側から視た図である。図１０は、図８に示す使い捨ておむつの展開状態を非肌対向面側から視た図である。図１１は、図８に示す使い捨ておむつの外側シートを構成する下地シート、第１不織布及び第２不織布を示す平面図である。図１２は、図１０のセンサーポケット近傍の拡大図である。図１３は、図１２のＸ－Ｘ断面図であり、（ａ）はセンサー挿入前の断面図、（ｂ）はセンサー挿入後の断面図である。図１４は、本発明の第３実施形態の使い捨ておむつを示す図１０相当図である。図１５は、本発明の第４実施形態の使い捨ておむつを示す斜視図である。図１６は、本発明の第４実施形態の使い捨ておむつを示す図１０相当図である。図１７は、本発明の第５実施形態の使い捨ておむつの要部を示す図１２相当図である。図１８は、本発明の第５実施形態の使い捨ておむつの要部を示す図１３相当図である。図１９は、本発明の第６実施形態の使い捨ておむつを示す図１０相当図である。図２０は、本発明の第７実施形態の展開型使い捨ておむつの模式的な斜視図である。図２１は、図２０に示すおむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側（内層体側）の模式的な展開平面図である。図２２は、図２１のＩ－Ｉ線での厚み方向に沿う断面図であり、図２０に示すおむつの股下部の模式的な横断面図である。図２３は、本発明の第８実施形態のパンツ型使い捨ておむつの模式的な斜視図である。図２４は、図２３に示すおむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側（内層体側）を一部破断して模式的に示す展開平面図である。図２５は、図２４のＩＩ－ＩＩ線での厚み方向に沿う断面図であり、図２０に示すおむつの股下部の模式的な横断面図である。図２６（ａ）～図２６（ｆ）は、それぞれ、本発明の第７又は第８実施形態の使い捨ておむつの展開且つ伸長状態での模式的な平面図であり、センサー対応領域の配置パターンを示す図である。図２７（ａ）～図２７（ｇ）は、それぞれ、本発明の第７又は第８実施形態の使い捨ておむつにおける股下部の横方向且つ厚み方向に沿う模式的な断面図である。図２８（ａ）～図２８（ｇ）は、それぞれ、本発明の第７又は第８実施形態の使い捨ておむつにおける股下部の横方向且つ厚み方向に沿う模式的な断面図である。

発明の詳細な説明

　使い捨ておむつに排尿等の排泄を検知するセンサーを取り付ける場合、おむつにセンサー感度が良好となる構造が付与されていること、及びセンサー感度が良好となる位置にセンサーを容易に取り付けられることが望まれている。特許文献１及び２に記載の吸収性物品は、センサー感度を良好にして、排尿等の排泄を精度良く検知する点が不十分であった。特許文献３に記載の技術は、使い捨ておむつの外面にセンサー等の外付け部材を取り付ける点について特段の検討はなされていない。

　本発明の第１実施形態は、使い捨ておむつの外面に外付け部材を容易に取り付け可能であり、外付け部材がセンサーである場合に、該センサーの感度が良好となる、使い捨ておむつに関する。

　また、吸収性物品の捨ておむつの肌対向面側にセンサーを配して排尿や排便を検出する方法は、センサーが排泄物に直接触れるため、センサーを再利用するには洗浄が必要であり、衛生上の課題がある。
　センサーを使い捨ておむつの非肌対向面側に直接貼り付ける方法は、着用者の活動に伴う振動や繰り返し使用することによる接着力低下により、センサーが吸収性物品から剥がれ落ちることが懸念される。特許文献１におけるセンサーの取り付け方法も、着用者の姿勢や活動によって、センサーがポケットから脱落するおそれがある。特許文献４及び５の技術は、センサーの意図しない脱落の防止や、センサーの取り付けの容易性に関し、改善の余地があった。

　本発明の第２～第６実施形態は、上述した従来技術が有する解決課題を解消し得る吸収性物品及び吸収性物品の変化検出方法に関する。

　また、吸収性物品に温度や湿度を検出するセンサーを取り付けて着用者による排泄の有無を精度よく検知するためには、センサーの高感度化が必要不可欠である。そして、センサーの高感度化を実現するためには、センサー自体の検出性能を高めるだけでなく、センサーが取り付けられる吸収性物品にセンサーの検出感度が高まるような工夫を施すことも必要である。そのような吸収性物品側の工夫として、例えば、吸収性物品の外面を形成する外層体に温度センサーを取り付ける場合に、吸収体に吸収保持された排泄物に起因する熱が外層体を介して温度センサーに速やかに伝わるようにするために、外層体の厚みを薄くして熱伝導性を高めることが考えられる。

　さらに特許文献９に記載の技術以外にも、例えば温度や湿度を検出するセンサーを利用する技術が知られているところ、温度や湿度を検出するセンサーを取り付けて着用者による排泄の有無を精度よく検知するためには、センサーの高感度化が必要不可欠である。そして、センサーの高感度化を実現するためには、センサー自体の検出性能を高めるだけでなく、センサーが取り付けられる吸収性物品にセンサーの検出感度が高まるような工夫を施すことも必要である。そのような吸収性物品側の工夫として、例えば、吸収性物品の外面を形成する外層体に湿度センサーを取り付ける場合に、吸収体に吸収保持された排泄物に起因する湿気が外層体を介して湿度センサーに速やかに伝わるようにするために、外層体の厚みを薄くして通気性を高くする、すなわち、通気抵抗を低くすることが考えられる。

　しかしながら、吸収性物品において吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された部材である外層体は、該吸収体に吸収保持された排泄物が外部へ漏れ出すことを防止する役割を担うものであり、そのような防漏機能が期待されている外層体の厚みを一律に薄くすると、外層体の防漏機能が損なわれ、排泄物が外層体を厚み方向に透過して外部に染み出すことが懸念される。そして、このような外層体を介しての排泄物の染み出しは、吸収性物品の上に重ねて着用された衣類の汚損等の不都合を引き起こすおそれがある。

　本発明の第７及び第８実施形態は、センサーが取り付けられる吸収性物品において、排泄物の染み出しリスクを低減しつつ、センサーの高感度化を実現し得る技術を提供することに関する。

　以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。

　図１～図４には、本発明の第１実施形態である展開型の使い捨ておむつ（以下、これを単に「おむつ１００」ともいう。）が示されている。図３及び図４は、おむつ１００とともに、該おむつ１００に取り付けられた排尿センサー８０が図示されている。説明の便宜上、図４では、排尿センサー８０を透視した状態で示している。
　おむつ１００は、図１に示すように、該おむつの外面Ｓ１に印３００を有している。本実施形態において印３００は、外付け部材の取り付け位置を示す。本実施形態の外付け部材は、着用者の排尿を検出する排尿センサー８０である。
　本実施形態の印３００は、排尿センサー８０の取り付け位置を示すため、排尿前のおむつの外面Ｓ１において視認可能に表示されている。すなわち、尿と接触することにより色が変化するインジケータと異なり、印３００は、尿の接触に拘わらず視認可能である。さらに換言すると、印３００は、排尿前後のおむつの外面Ｓ１において色の変化が生じない表示である。

　排尿センサー８０は、おむつ１００において該センサー８０と平面視で重なる部分の温度及び湿度の何れか一方又は双方を検出可能なものを含む。すなわち、排尿センサー８０は、温度センサー及び湿度センサーの何れか一方又は双方を含む。排尿センサー８０は、温度及び湿度以外を検出対象とするセンサーを含むものであってもよい。例えば、排尿によるインピーダンスの変化を利用した排尿センサーや、超音波による排尿センサー等を用いることができる。

　本実施形態の排尿センサー８０は、温度を検出する温度センサー部（図示せず）及び湿度を検出する湿度センサー部（図示せず）と、これらセンサー部に給電するバッテリ（図示せず）と、これらを内蔵する函体であるハウジング８１とを備えている。ハウジング８１は、排尿センサー８０のＯＮ／ＯＦＦ操作を行う電源ボタン（図示せず）、を有している。排尿センサー８０、より具体的にはハウジング８１は、おむつ１００に排尿センサー８０を取り付けた状態において、おむつ１００と対向配置される側の面（おむつ１００の外面と接触させる側の面）とは反対側に位置するセンサー外面部８２を有している。センサー外面部８２は、排尿センサー８０の作動状態に応じて表示色や点滅パターンを変化させるインジケータ機能を有していてもよい。排尿センサー８０は、前記電源ボタンを押圧操作することでＯＮ状態となり、おむつ１００の温度や湿度、その他のおむつ１００に関する物理的変動、あるいは化学的変動を所定の周期で検出し、該変動を所定の周期あるいは検出した時点で、排尿センサー８０から離れた位置にある通信端末装置（図示せず）に送信する。前記通信端末装置は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータである。

　ハウジング８１は、前記センサー部等を内蔵するために所定の厚みを有している。排尿センサー８０の形状は特に制限されない。本実施形態では、図１及び図４に示すように、平面視において略円形形状を有し、角部の無い丸みを帯びた形状である。

　ハウジング８１は、おむつ１００の外面Ｓ１に取り付けられる際にこれと接触する面に係合部（図示せず）を有し、該係合部を介して該外面Ｓ１を構成する部材（外層シート２６の非肌対向面を形成する部材）に固定される。前記係合部は、例えば、メカニカルファスナーのオス材であり得る。

　おむつ１００は、その着用時に着用者の腹側に配される腹側部Ａ、背側に配される背側部Ｂ、及び股間部に配される股下部Ｃを有している。すなわち、腹側部Ａ及び背側部Ｂは、股下部Ｃの前後に延在している。
　おむつ１００は、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Ｘと、該縦方向Ｘに直交する横方向Ｙとを有している。縦方向Ｘは、着用時における着用者の前側から後側に向かう方向であり、使い捨ておむつにおいては、腹側部Ａから股下部Ｃを経て背側部Ｂに向かう方向である。横方向Ｙは、縦方向Ｘと直交する方向である。股下部Ｃは、おむつ１００の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部（図示せず）を有している。

　本実施形態の展開且つ伸長状態におけるおむつ１００の輪郭は、図２に示すように、縦方向Ｘの中央の部位が括れており、縦方向Ｘの両端部側が、その括れた部位よりも横方向Ｙ外方に張り出している。換言すると、本実施形態のおむつ１００は、縦方向Ｘの両端部それぞれに幅広部を有し、縦方向Ｘのこれら両幅広部間に該幅広部よりも幅が狭い括れ部を有している。斯かる２つの幅広部のうち、おむつ１００の着用時に着用者の腹側に配される方が腹側部Ａであり、着用者の背側に配される方が背側部Ｂである（図２参照）。また、前記括れ部が股下部Ｃである。

　本明細書において、「展開且つ伸長状態」とは、おむつ１００（吸収性物品）を平面状に拡げて展開状態とし、その展開状態のおむつ１００（吸収性物品）を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法（弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ）となるまで拡げた状態をいう。
　また、「肌対向面」は、おむつ（吸収性物品）又はその構成部材（例えば吸収体４）に着目したときに、おむつの着用時に着用者の肌に向けられる面であり、「非肌対向面」は、おむつの着用時に着用者の肌とは反対側に向けられる面である。つまり、肌対向面は、着用者の肌に相対的に近い側の面であり、非肌対向面は、着用者の肌から相対的に遠い側の面である。また、おむつ１００の外面Ｓ１は、おむつ１００の非肌対向面である。
　「着用時」及び「着用状態」は、おむつの適正な着用位置が維持されて着用された状態を指す。

　おむつ１００は、図４に示すように、横方向に延びる縦中心線ＣＬｘを境にして、着用時に着用者の前側（腹側）に配される前身頃Ｆと着用者の背側（後側）に配される後身頃Ｒとを有する。縦中心線ＣＬｘは、図４に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ１００の縦方向Ｘ全長を二等分して横方向Ｙに延びる仮想直線である。説明の便宜上、図２において前身頃Ｆ、後身頃Ｒ、及び縦中心線ＣＬｘの図示を省略している。

　図３に示すように、おむつ１００は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート２１と、非肌対向面を形成する液難透過性（撥水性も含む）の防漏シート２３と、これら表面シート２１及び防漏シート２３間に配された液保持性の吸収体４とを備えており、これらの部材が吸収性本体５を構成している。図３では、説明の便宜上、後述する防漏カフ６が起立した状態で図示されている。
　表面シート２１及び防漏シート２３は、それぞれ、吸収体４よりも大きな寸法を有し、吸収体４の外周縁から外方に延出している。本実施形態における防漏シート２３の各長手方向両端縁は、おむつ１００の長手方向両端縁と略一致している。

　おむつ１００は、液保持性の吸収体４を備えている。図２に示す吸収体４は、その長手方向とおむつの縦方向Ｘとが一致するように配され、腹側部Ａから股下部Ｃを介して背側部Ｂに延びて配されている。吸収体４の長手方向両側縁は、おむつ１００の縦方向Ｘの両側縁よりも内方に位置している。

　おむつ１００は、吸収性本体５の縦方向Ｘに沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフ６，６を備えている。
　防漏カフ６は、糸状のカフ形成用弾性部材６１と、撥水性且つ通気性のカフ形成用シート６０とを含んで構成されている。防漏カフ６は、カフ形成用弾性部材６１の収縮によって、少なくとも股下部Ｃにおいて着用者の肌側に向かって起立し、それによって尿等の排泄物が、横方向Ｙの外方へ流出することを抑制する。

　おむつ１００は、図２に示すように、背側部Ｂの縦方向Ｘに沿う両側縁部に一対のファスニングテープ７，７を備えている。各ファスニングテープ７は、背側部Ｂの縦方向Ｘに沿う両側縁部から横方向Ｙ外方に延出するように設けられている。各ファスニングテープ７の横方向Ｙ内方側の一端は、おむつ１００を構成するシート部材に固定されており、好ましくは、おむつ１００を構成するシート部材どうしの間、例えば、防漏シート２３と外層シート２６との間に固定されている（図示せず）。
　本実施形態のおむつ１００は、腹側部Ａの非肌対向面に、ファスニングテープ７が着脱自在に止着可能な止着部材７８を備えている。ファスニングテープ７が止着部材７８に止着されることによって、着用者の胴が通されるウエスト開口部ＷＨ、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部ＬＨ，ＬＨが形成される（図１参照）。

　本実施形態のおむつ１００は、図３に示すように、吸収性本体５の非肌対向面側、すなわち防漏シート２３よりも非肌対向面側に配された外層シート２６を備えている。外層シート２６は、おむつ１００の外面Ｓ１（非肌対向面）を形成している。本実施形態の外層シート２６は、縦方向Ｘにおいて腹側部Ａから股下部Ｃを介して背側部Ｂに延在している。この外層シート２６は、展開且つ伸長状態のおむつ１００の外形を形作っており、該外層シート２６の周縁は、腹側部Ａ、股下部Ｃ及び背側部Ｂのそれぞれの輪郭線を形成している。

　外層シート２６は、吸収体４の縦方向Ｘに沿う両側縁から横方向Ｙの外方に延出しており、防漏シート２３及び防漏カフ６を構成するカフ形成用シート６０とともにサイドフラップ部ＳＦを形成している。サイドフラップ部ＳＦは、吸収体４の縦方向Ｘに沿う両側縁から横方向Ｙの外方に延出するシート部材からなる部分である。サイドフラップ部ＳＦを構成するシート部材は、腹側部Ａから股下部Ｃを介して背側部Ｂに延在しており、吸収体４の両側縁それぞれから横方向Ｙ外方に延出した延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。
　おむつ１００の外面Ｓ１（非肌対向面）を形成する外層シート２６には、印３００が付されている（図１参照）。本実施形態において印３００は、星形の平面視形状を有している。

　本実施形態のおむつ１００では、図２に示すように、該おむつ１００の縦方向Ｘに沿う両側部、具体的には一対のサイドフラップ部ＳＦ，ＳＦそれぞれには、レッグギャザー形成用弾性部材９１（以下、「レッグ弾性部材９１」ともいう。）が、股下部Ｃを通って縦方向Ｘに延びるように伸長状態で配されている。斯かる弾性部材９１の収縮により、着用者の脚周りに配される左右の部分、即ちおむつ１００の縦方向Ｘの両側部にレッグギャザーが形成されるようになされている。本実施形態においてレッグ弾性部材９１は、サイドフラップ部ＳＦにおけるカフ形成用シート６０と防漏シート２３との間に、縦方向Ｘに沿って伸長状態で固定されている。
　また、本実施形態のおむつ１００では、図２に示すように、背側部Ｂにおける吸収体４の縦方向Ｘ外方側に、ウエストギャザー形成用弾性部材９２（以下、「ウエスト弾性部材９２」ともいう。）が、横方向Ｙに延びるように伸長状態で配されている。斯かる弾性部材９２の収縮により、着用者のウエストに配される部分にウエストギャザーが形成されるようになされている。本実施形態においてウエスト弾性部材９２は、前記カフ形成用シート６０と防漏シート２３との間に、横方向Ｙに沿って伸長状態で固定されている。

　吸収体４は、図３に示すように、吸収性能を有する吸収性コア４０と、該吸収性コアの表面を被覆する液透過性のコアラップシート４１とを具備している。
　吸収性コア４０は、木材パルプ、親水化処理された合成繊維等の親水性繊維や吸水性ポリマー等の吸水性材料を含んで構成されている。斯かる吸水性材料を含むことにより、尿等の液体を吸収及び保持する性能を有する。

　吸収体４は、図４に示すように、印３００と重なる部分に、該部分の横方向Ｙ両側に位置する部分よりも通液性が高い高通液部４３を有している。高通液部４３の横方向Ｙ両側に位置する部分を、以下、「低通液部４４」ともいう。すなわち、高通液部４３は、横方向Ｙにおける低通液部４４どうし間（一対の低通液部４４，４４間）に位置している。「通液性が高い」とは、具体的には、肌対向面から非肌対向面に向かって、尿等の液体が吸収体４を通過するのに要する時間が短いこと、すなわち通液速度が速いことを意味する。

　本実施形態の高通液部４３は、吸収性コア４０の形成材料が存在しない貫通孔となっている。このように、高通液部４３は、前記形成材料の坪量がその他の部分に比して低い部分とすることができる。「その他の部分」は、高通液部４３以外の部分であり、例えば低通液部４４である。
　図３に示す高通液部４３は、吸収性コア４０の形成材料が欠落して、該形成材料が存在しない空間（以下、「液透過空間」ともいう）を吸収性コア４０の厚み方向全域に有している。換言すると、高通液部４３は、吸収性コア４０を貫通した貫通孔となっており、吸収性コア４０の形成材料の坪量が０ｇ／ｍ^２となっている。後述するように、高通液部４３は、貫通孔に代えて、吸収性コア４０の形成材料が存在する低坪量部であってもよい。
　このように、高通液部４３は、液透過空間を有することで、吸収性コア４０の形成材料からなる部分の厚みが、低通液部４４よりも小さい。すなわち、高通液部４３は、おむつ１００の厚み方向Ｚにおいて尿等の液体を保持する部分が、低通液部４４よりも小さい。これにより、高通液部４３では、低通液部４４よりも液体が速く通過するため、表面シート２１上に排泄された尿（液体）が優先的に高通液部４３に集まるとともに、該高通液部４３を介して素早く吸収体４の非肌対向面側へ通過しやすくなっている。

　吸収体４は、図４に示すように、おむつ１００の非肌対向面に付された印３００と重なる部分に、高通液部４３を有している。本実施形態において印３００は、着用者の排尿を検出する排尿センサー８０の取り付け位置を示している。排尿センサー８０が、おむつ１００の非肌対向面における印３００と重なる位置に取り付けられると、平面視において排尿センサー８０と高通液部４３とが重なる。高通液部４３は、前述したように、低通液部４４よりも尿等の液体の通液速度が高いので、該高通液部４３と重なる位置に取り付けられた排尿センサー８０によって、該液体による温度や湿度等の物理的な変動を迅速に且つ精度良く検知でき、排尿に対するセンサー感度を高めることができる。これにより、複数回の排尿があったとしても、各回の排尿を容易に検出することができる。
　また、おむつ１００の肌対向面（外面Ｓ１）における印３００が目印となるので、排尿センサー８０等の外付け部材の取り付け位置を容易に把握することができ、該外付け部材を容易に取り付け可能である。

　排尿に対するセンサー感度をより向上させる観点から、印３００は、股下部Ｃにおける横方向Ｙの中央に位置していることが好ましい。斯かる構成により、着用者の排泄部に近い位置に排尿センサー８０を取り付けられるので、排尿をより迅速に検知することができる。股下部Ｃにおける横方向Ｙの中央は、股下部Ｃの横方向Ｙ全幅を三等分して三領域に区分したときの中央の領域である。股下部Ｃの横方向Ｙ全幅は、股下部Ｃの横方向Ｙの最大長さである。
　上記と同様の観点から、高通液部４３も、印３００と同様に、股下部Ｃにおける横方向Ｙの中央に位置していることが好ましい。

　上記と同様の観点から、印３００は、前身頃Ｆに位置していることが好ましく、前身頃Ｆにおける股下部Ｃに位置していることがより好ましい。
　上記と同様の観点から、高通液部４３も、印３００と同様に、前身頃Ｆに位置していることが好ましく、前身頃Ｆにおける股下部Ｃに位置していることがより好ましい。
　高通液部４３と縦中心線ＣＬｘとの離間距離は、印３００と縦中心線ＣＬｘとの離間距離と同じ範囲内であることが好ましい。

　通液性をより高めるとともに、吸収体４における液保持性をより確実に確保する観点から、高通液部４３の寸法は以下の範囲内であることが好ましい。
　高通液部４３の面積は、吸収性コア４０の面積に対して好ましくは０．０５％以上、より好ましくは０．１％以上であり、また好ましくは１０％以下、より好ましくは７％以下であり、また好ましくは０．０５％以上１０％以下、より好ましくは０．１％以上７％以下である。
　高通液部４３の縦方向Ｘの最大長さＬ１（図２参照）は、吸収性コア４０の縦方向Ｘ全長Ｌ５（図２参照）に対して（Ｌ１／Ｌ５）、好ましくは１．５％以上、より好ましくは３％以上であり、また好ましくは２０％以下、より好ましくは１０％以下であり、また好ましくは１．５％以上２０％以下、より好ましくは３％以上１０％以下である。
　高通液部４３の横方向Ｙの最大長さＷ１（図２参照）は、吸収性コア４０の横方向Ｙの最大長さＷ５（図２参照）に対して（Ｗ１／Ｗ５）、好ましくは３％以上、より好ましくは５％以上であり、また好ましくは４０％以下、より好ましくは３０％以下であり、また好ましくは３％以上４０％以下、より好ましくは５％以上３０％以下である。

　高通液部４３の縦方向Ｘの最大長さＬ１（図２参照）は、好ましくは１５ｍｍ以上、より好ましくは２０ｍｍ以上であり、また好ましくは５０ｍｍ以下、より好ましくは４０ｍｍ以下であり、また好ましくは１５ｍｍ以上５０ｍｍ以下、より好ましくは２０ｍｍ以上４０ｍｍ以下である。
　高通液部４３の横方向Ｙの最大長さＷ１（図２参照）は、好ましくは１５ｍｍ以上、より好ましくは２０ｍｍ以上であり、また好ましくは５０ｍｍ以下、より好ましくは４０ｍｍ以下であり、また好ましくは１５ｍｍ以上５０ｍｍ以下、より好ましくは２０ｍｍ以上４０ｍｍ以下である。

　本実施形態のおむつ１００は、図２に示すように、高通液部４３の縦方向Ｘに隣接し、且つ縦方向Ｘに延びる細長高通液部４５を有している。細長高通液部４５は、吸収性コア４０の形成材料の坪量が横方向Ｙの両側の部位に比して低く、且つ横方向Ｙにおける幅が高通液部４３に比して狭い部分である。この細長高通液部４５は、高通液部４３と縦方向Ｘに連続している。
　高通液部４３では、低通液部４４よりも尿（液体）が速く通過するため、表面シート２１上に排泄された尿が優先的に高通液部４３に集まる。この高通液部４３に集まった尿が、幅の狭い細長高通液部４５を伝って縦方向Ｘに拡散されるので、高通液部４３における尿（液体）を吸収体４の平面方向に素早く移行できる。したがって、吸収体４において尿が局所的に集まることによる着用者の肌への負担を軽減できるとともに、２回目以降の排尿をより高精度に検知することができる。

　細長高通液部４５は、吸収性コアの形成材料の坪量が高通液部４３以外の部位に比して低い部分である。細長高通液部４５は、吸収性コア４０の形成材料が存在しない部分、すなわち貫通溝（スリット）であってもよく、該形成材料が存在する低坪量部であってもよい。
　尿を高通液部４３から縦方向Ｘにより拡散させる観点から、細長高通液部４５は、吸収性コアの形成材料の坪量が高通液部４３と同等以下であることが好ましい。例えば、高通液部４３が吸収性コアの形成材料が存在する低坪量部である場合、細長高通液部４５は、該形成材料の坪量が高通液部４３よりも低いものであることが好ましい。また、高通液部４３が吸収性コアの形成材料が存在しない貫通孔である場合、細長高通液部４５もまた、該形成材料が存在しない貫通溝であることが好ましい。

　高通液部４３及び細長高通液部４５それぞれが、吸収性コアの形成材料が存在する低坪量部である場合、高通液部４３における尿を縦方向Ｘへより素早く拡散させる観点から、細長高通液部４５における吸収性コア４０の形成材料の坪量は、高通液部４３における吸収性コア４０の形成材料の坪量に対して好ましくは８０％以下、より好ましくは７０％以下であり、また好ましくは０％以上、より好ましくは１０％以上であり、また好ましくは０％以上８０％以下、より好ましくは１０％以上７０％以下である。
　上記と同様の観点から、細長高通液部４５における吸収性コア４０の形成材料の坪量は、好ましくは０ｇ／ｍ^２以上、より好ましくは１０ｇ／ｍ^２以上であり、また好ましくは３００ｇ／ｍ^２以下、より好ましくは２００ｇ／ｍ^２以下であり、また好ましくは０ｇ／ｍ^２以上３００ｇ／ｍ^２以下、より好ましくは１０ｇ／ｍ^２以上２００ｇ／ｍ^２以下である。

　高通液部４３における尿を縦方向Ｘへより素早く拡散させる観点から、高通液部４３及び細長高通液部４５の縦方向Ｘの合計長さＬ３（図２参照）は、吸収性コア４０の縦方向Ｘ全長Ｌ５（図２参照）に対して（Ｌ３／Ｌ５）、好ましくは１％以上、より好ましくは５％以上であり、また好ましくは９５％以下、より好ましくは９０％以下であり、また好ましくは１％以上９５％以下、より好ましくは５％以上９０％以下である。
　高通液部４３に集まった尿を、細長高通液部４５を介してより拡散させる観点から、細長高通液部４５の幅Ｗ３（図２参照）は、高通液部４３の横方向Ｙの最大長さＷ１に対して（Ｗ３／Ｗ１）、好ましくは２％以上、より好ましくは５％以上であり、また好ましくは７５％以下、より好ましくは５０％以下であり、また好ましくは２％以上７５％以下、より好ましくは５％以上５０％以下である。

　本実施形態の吸収体４は、高通液部４３の縦方向Ｘの前後（腹側部Ａ側及び背側部Ｂ側）に、細長高通液部４５を有している。これに代えて、高通液部４３の縦方向Ｘの腹側部Ａ側のみに細長高通液部４５を有していてもよく、高通液部４３の縦方向Ｘの背側部Ｂ側のみに細長高通液部４５を有していてもよい。
　高通液部４３以外の位置で排泄された尿をより捕捉する観点から、高通液部４３を境に背側部Ｂ側に位置する細長高通液部４５ｂは、高通液部４３を境に腹側部Ａ側に位置する細長高通液部４５ａよりも、縦方向Ｘの長さが長いことが好ましい。

　高通液部４３の平面視形状は、特に限定されず、後述する印３００の形状と同様の形状とすることができる。

　図５（ａ）及び（ｂ）には、本発明に係る高通液部４３の別の実施形態が示されている。図５（ａ）及び（ｂ）において、前述した図１～図４に示す実施形態と同じ構成については同じ符号を付してある。同図において特に説明しない点については、前述した図１～図４に示す実施形態についての説明が適宜適用される。

　図５（ａ）に示す高通液部４３ａは、吸収性コア４０の形成材料が存在する低坪量部である。斯かる高通液部４３ａは、肌対向面側に開口を有する有底の溝となっている。すなわち、本実施形態の高通液部４３ａは、吸収性コア４０の厚み方向Ｚの一部に、該吸収性コア４０の形成材料が存在しない空間（液透過空間）を有している。斯かる高通液部４３ａは、液透過空間の厚みＤ１〔図５（ａ）参照〕が、吸収性コア４０の厚みＤ〔図５（ａ）参照〕に対して好ましくは５％以上、より好ましくは１０％以上であり、また好ましくは８０％以下、より好ましくは７０％以下であり、また好ましくは５％以上８０％以下、より好ましくは１０％以上７０％以下である。

　高通液部４３ａが、吸収性コア４０の形成材料が存在する低坪量部である場合、低通液部４４よりも高い通液性をより確実に確保する観点から、高通液部４３ａにおける吸収性コア４０の形成材料の坪量は、低通液部４４における吸収性コア４０の形成材料の坪量に対して好ましくは５％以上、より好ましくは１０％以上であり、また好ましくは８０％以下、より好ましくは７０％以下であり、また好ましくは５％以上８０％以下、より好ましくは１０％以上７０％以下である。
　上記と同様の観点から、高通液部４３ａにおける吸収性コア４０の形成材料の坪量は、好ましくは０ｇ／ｍ^２超、より好ましくは１０ｇ／ｍ^２以上であり、また好ましくは３５０ｇ／ｍ^２以下、より好ましくは２５０ｇ／ｍ^２以下であり、また好ましくは０ｇ／ｍ^２超３５０ｇ／ｍ^２以下、より好ましくは１０ｇ／ｍ^２以上２５０ｇ／ｍ^２以下である。

　高通液部４３ａが、吸収性コア４０の形成材料が存在する低坪量部である場合、通液性をより向上させる観点から、該高通液部４３ａは、吸水性ポリマーが存在しないことが好ましい。斯かる構成により、高通液部４３ａにおける尿の保持を抑制して、通液性をより向上できるとともに、温度変化に対するセンサー感度をより高めることができる。

　図５（ｂ）に示す高通液部４３ｂは、図１～図４に示す実施形態と同様に、吸収性コア４０の形成材料が存在しない貫通孔である。斯かる高通液部４３ｂは、吸収性コア４０の形成材料が存在しない空間（液透過空間）に、非吸水性材料からなる空間保持材４７が配されている。本実施形態においては、高通液部４３ｂにおける液透過空間内が空間保持材４７で充填されている。
　空間保持材４７は、高通液部４３ｂにおける液透過空間を保持するスペーサーとして機能する。本実施形態の高通液部４３ｂでは、空間保持材４７によって、液透過空間がより良好に維持されるので、該高通液部４３ｂにおける通液性をより容易に維持できる。斯かる効果は、吸収体４が低通液部４４において吸水性ポリマーを含む場合に有効であり、該吸水性ポリマーが尿を吸収して膨潤したとしても、高通液部４３ｂにおける液透過空間を良好に維持できる。また、空間保持材４７は、尿を一旦保持するストック空間として機能するので、尿が低通液部４４の吸水性材料に吸収されるまでの時間を容易に稼ぐことができ、漏れ抑制効果をより向上することができる。

　空間保持材４７には、非吸水性材料からなるものを用いる。「非吸水性」とは、水分を全く吸収しないことのみならず、少量の水分を吸収することを包含する。また、非吸水性材料は、水分を保持できるものであってもよい。より具体的には、非吸水性材料は、その自重に対して６０％以下の水分を保持する材料を意味する。斯かる非吸水性材料の自重に対する水分の保持量（水分保持量）は、以下の方法により求められる。水に浸漬する前の非吸水性材料の質量ａを前記「自重」として測定する。次いで、非吸水性材料を水に十分浸漬させた後、これを遠心分離（７００ｒｐｍ、１０分間）して、質量ｂを測定する。質量ｂから質量ａを減算した質量ｃを水分保持量とする。そして、前記質量ａに対する前記質量ｃの割合を、（ｃ／ａ）×１００で算出して、これを非吸水性材料の自重に対する水分の保持量とする。
　非吸水性材料としては、疎水性繊維を含む、繊維塊や嵩高不織布を用いることができる。非吸水性材料が疎水性繊維等の繊維からなる場合、該吸水性材料は、繊維自体が水分を吸収しない一方、該繊維間に水分を保持可能なものであってもよい。

　繊維塊は、複数の繊維がまとまって一体となった繊維集合体のことである。繊維塊の製造方法は特に限定されず、例えば、一定の大きさを有する合成繊維シート（熱可塑性繊維シート）をカッター等により切断して得られたシート片の如き、定形の繊維集合体でもよく、あるいは、特開２００２－３０１１０５号公報に記載の不織布片の如き、熱可塑性繊維（合成繊維）を主体とする不織布を細片状に粉砕し、あるいはむしり取ったり引きちぎり取ったりして製造された不定形の繊維集合体でもよい。定形の繊維集合体としては、例えば２つの対向する基本面と該２つの基本面を連結する骨格面とを備えたものが挙げられる。斯かる繊維集合体（繊維塊）は、原料となる繊維シートを定形に切断して得られる。例えば、原料となる繊維シートを賽の目状に切断した場合、複数の直方体形状の繊維塊が得られる。この繊維塊においては通常、その切断面すなわち原料の繊維シートの切断時においてカッターなどの切断手段と接触する面が、骨格面となり、非切断面すなわち該切断手段と接触しない面が、基本面となる。基本面は、前記繊維シートにおける表裏面（厚み方向Ｚと直交する面）であり、繊維塊が有する複数の面のうちで面積が最大の面である。

　嵩高不織布は、その内部に、該不織布の構成繊維によって画成される空間部（繊維等の不織布構成成分が存在していない部分）を多数有しており、不織布の全体積に占める空間部の割合（空間占有率）が９８％以上であるものを意味する。
　前記嵩高不織布は、スペーサー機能をより確実に確保する観点から、見かけ密度が、好ましくは０．０１ｇ／ｃｍ^３以上、より好ましくは０．０２ｇ／ｃｍ^３以上であり、また好ましくは０．３０ｇ／ｃｍ^３以下、より好ましくは０．２０ｇ／ｃｍ^３以下であり、また好ましくは０．０１ｇ／ｃｍ^３以上０．３０ｇ／ｃｍ^３以下、より好ましくは０．０２ｇ／ｃｍ^３以上０．２０ｇ／ｃｍ^３以下である。
　同様の観点から、前記嵩高不織布の坪量は、好ましくは１５ｇ／ｍ^２以上、より好ましくは２０ｇ／ｍ^２以上、そして、好ましくは５０ｇ／ｍ^２以下、より好ましくは４０ｇ／ｍ^２以下である。
　前記嵩高不織布としては、例えばエアスルー不織布、エアレイド不織布、レジンボンド不織布などを好適に用いることができる。
　スペーサー機能をより確実に確保する観点から、繊維塊の見かけ密度及び坪量も、前記嵩高不織布の見かけ密度及び坪量の好ましい範囲と同じ範囲であることが好ましい。

　繊維塊や嵩高不織布を構成する疎水性繊維としては、熱可塑性繊維（熱融着繊維）を用いることができる。この熱可塑性繊維の構成樹脂（熱可塑性樹脂）として例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン；ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル；ナイロン６、ナイロン６６等のポリアミド；ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられ、これらの１種を単独で又は２種以上を組み合わせて用いることができる。

　高通液部４３ｂの液透過空間において、空間保持材４７が占める空間の割合は、好ましくは５％以上、より好ましくは１０％以上であり、また好ましくは１００％以下、より好ましくは９５％以下であり、また好ましくは５％以上１００％以下、より好ましくは１０％以上９５％以下である。斯かる割合は、高通液部４３の空間容積に対する空間保持材４７の体積の割合（空間保持材４７の体積／高通液部４３の空間容積）である。

　前述した図１～図４に示す実施形態において、印３００は星形の形状を有するものであった。印３００の形態はこれに限定されない。印３００は、文字、図形、記号、又はこれらの組み合わせの形状とすることができる。文字は、ひらがな、カタカナ、英字の大文字、小文字、アラビア数字、ローマ数字、諸外国の文字、これらの組み合わせ等であってもよく、デフォルメされた文字であってもよい。印３００の平面視形状は、線状部分で囲まれた部分を有していてもよい。

　図６には、本発明に係る印３００のバリエーションが示されている。
　印３００は、図６（ａ）に示す真円形や楕円形等の円形状であってもよく、図６（ｂ）に示す四角形であってもよい。この他に、印３００は、三角形、四角形、五角形及び六角形などの多角形又は正多角形状等の幾何学形状であってもよい。印３００が多角形状である場合、角が丸いものであってもよく、角が丸くないものであつてもよい。
　印３００は、図６（ｃ）に示すように、動物の図柄であってもよい。図６（ｃ）の印３００は、動物の顔部分の輪郭となっている。この他に、乗り物、食べ物、植物、動物、文字、音符、星、虹、雲、楽器等の図柄であってもよい。
　印３００は、図６（ｄ）に示すように、複数の図柄の組み合わせであってもよい。図６（ｄ）の印３００は、黒丸とこれを指すように配された矢印の組み合わせとなっている。
　印３００は、図６（ｅ）～（ｇ）に示すように、直線や曲線等の線を複数本組み合わせたものであってもよい。図６（ｅ）の印は、二本の直線が交差した十字である。図６（ｆ）及び（ｇ）は、互いに平行に延びる二本の直線が並んだものである。

　印３００は、排尿センサー８０等の外付け部材の取り付け位置を示すことが好ましい。
　例えば、図６（ａ）及び（ｂ）に示す幾何学形状の印３００は、その形状が排尿センサー８０の平面視形状と相似形である場合、該幾何学形状の重心と排尿センサー８０の中心とが重なるように、排尿センサー８０が取り付けられることを直感的に想起させる点で好ましい。
　図６（ｄ）に示す印３００は、黒丸と排尿センサー８０の中心とが重なるように、排尿センサー８０が取り付けられることを直感的に想起させる点で好ましい。
　図６（ｅ）に示す印３００は、二本の直線の交差部分（交点）と排尿センサー８０の中心とが重なるように、排尿センサー８０が取り付けられることを直感的に想起させる点で好ましい。
　図６（ｆ）及び（ｇ）は、二本の直線と、排尿センサー８０の端縁とが重なるように、排尿センサー８０が取り付けられることを直感的に想起させる点で好ましい。

　印３００は、排尿センサー８０等の外付け部材の取り付け位置を示すものである場合、おむつ１００の印３００の位置に排尿センサー８０を取り付けた状態において、該印３００とセンサー外面部８２とが一体となって、所定の図柄を構成するように配置されることが好ましい。斯かる構成により、排尿センサー８０を取り付ける際の位置合わせがより容易になるとともに、排尿センサー８０の取り付け位置を、良好なセンサー感度にし得る適切な位置や角度にすることができる。また、おむつ１００に取り付けた排尿センサー８０の位置がずれていたとしても、そのずれを容易に認識することができる。前記構成の一例を、図７（ａ）及び（ｂ）に示す。図７（ａ）には、星形の形状の印３００と、星形の角部を除く部分がセンサー外面部８２に施された排尿センサー８０とが示されている。図７（ｂ）には、図７（ａ）に示す印３００と排尿センサー８０とを重ねた状態が示されている。おむつ１００の印３００の位置に排尿センサー８０を取り付けた状態では、印３００に排尿センサー８０が重なり、印３００の図柄と、センサー外面部８２の図柄が一体化する。これにより、印３００とセンサー外面部８２とで、１個の星形の図柄が形成される。
　前記構成は、図７（ａ）及び（ｂ）に示す形態に限定されない。例えば、印３００が動物の顔の図柄であり、センサー外面部８２の図柄が動物の顔の表情を表す図柄である組み合わせが挙げられる。斯かる組み合わせでは、印３００に排尿センサー８０が重なり、印３００の図柄と、センサー外面部８２の図柄が一体化することで、動物の顔の表情が変化するように構成されている。

　印３００の面積は特に制限されない。印３００は、高通液部４３よりも面積が大きくてもよく、面積が小さくてもよい。また、印３００は、高通液部４３と同じ面積であってもよい。

　印３００は、従来使い捨ておむつに用いられてきたインクを、フレキソ、グラビア、インクジェット方式等の公知の方法により、おむつ１００の外面Ｓ１（非肌対向面）における高通液部４３と重なる位置に印刷することによって、該外面Ｓ１に付すことができる。

　上述した実施形態におけるおむつの各部の形成材料について詳述する。表面シート２１、防漏シート２３及び吸収体４としてはそれぞれ、吸収性物品に従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。
　表面シート２１としては例えば、液透過性の不織布及び開孔フィルム等を用いることができる。
　防漏シート２３としては、液難透過性の樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
　吸収性コア４０の形成材料としては、前述した親水性繊維や吸水性ポリマーを用いることができる。すなわち、吸収性コア４０として、親水性繊維の集合体や、該集合体に吸水性ポリマーを保持させたものを用いることができる。また、コアラップシート４１としては、表面シート２１と同様のものを用いることができる。例えば、吸収体４としては、パルプ繊維等の繊維材料の積繊体から構成された吸収性コア、又は高吸収性ポリマーの粒子及びパルプ繊維等の繊維材料の混合積繊体から構成された吸収性コアを、薄葉紙又は液透過性の不織布等からなるコアラップシートで被覆したもの等を用いることができる。

　外層シート２６及びカフ形成用シート６０は、例えば各種製法による不織布を用いることができ、例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、メルトブローン不織布、又はこれらの積層不織布等を用いることができる。外層シートは、一枚のシートで構成されていてもよく、これに代えて、複数枚のシートの積層体で構成されていてもよい。また、カフ形成用シート６０としては、撥水性の不織布を用いてもよい。
　防漏カフ６におけるカフ形成用弾性部材６１や、レッグ弾性部材９１、ウエスト弾性部材９２等の弾性部材は、この種の吸収性物品に通常用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができる。弾性材料としては、例えば、スチレン－ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、ＥＶＡ、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等が挙げられる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状（糸ゴム等）若しくは紐状（平ゴム等）のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。

　ファスニングテープ７及び止着部材７８の各形成材料は、通常、展開型の使い捨ておむつに用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、ファスニングテープ７に、メカニカルファスナーのオス材を有するテープ基材を用いることができ、止着部材７８にメカニカルファスナーのメス材を用いることができる。前記メス材としては、前記オス材と係合可能な繊維シート、例えば、編物地、不織布を用いることができる。

　以上、本発明の第１実施形態をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。
　例えば、上述した第１実施形態のおむつ１００は、外面Ｓ１を外層シート２６が形成するものであったが、外面Ｓ１を防漏シート２３が形成するものであってもよい。
　また、上述した使い捨ておむつは、ファスニングテープを有するいわゆる展開型の使い捨ておむつであったが、パンツ型の使い捨ておむつであってもよい。また、乳幼児用のものであっても、成人用のものであってもよい。
　また、上述した第１実施形態の排尿センサー８０は電源ボタンを有するものであったが、電源ボタンを有しないものであってもよい。斯かる形態としては、充電式の排尿センサー８０であって、充電解除をトリガーにして作動を開始するものが挙げられる。

　次に本発明の吸収性物品（第２～６実施形態）について説明する。
　本発明の第２実施形態である使い捨ておむつ１０１（以下おむつ１０１ともいう）は、図８に示すように、パンツ型の使い捨ておむつである。
　おむつ１０１は、図９に示すように、肌対向面側に位置する表面シート２１、非肌対向面側に位置する多層構造の外側シート１８、及び表面シート２１と外側シート１８との間に配された吸収体４を備える。より具体的には、液透過性の表面シート２１、液不透過性又は撥水性の防漏シート２３、及び表面シート２１と防漏シート２３との間に配置された液保持性の吸収体４を備えている。本実施形態のおむつ１０１は、表面シート２１と吸収体４と防漏シート２３とがこの順に積層されて一体化されている吸収性本体５と、該吸収性本体５の非肌対向面側に位置して、吸収性本体５を固定している外側シート１８からなる外装体１７とを備えている。

　本実施形態のおむつ１０１は、パンツ型の使い捨ておむつであり、腹側部Ａの両側縁部と背側部Ｂの両側縁部とが互いに接合されており、それによって、一対のサイドシール部Ｓ，１６、ウエスト開口部ＷＨ及び一対のレッグ開口部ＬＨ，ＬＨが形成されている。

　おむつ１０１の外装体１７を形成する外側シート１８は、２枚以上の不織布が厚み方向に積層された多層構造を有しており、図１１に示すように、下地シート１１と、下地シート１１の非肌対向面側に配された第１不織布１２と、第１不織布１２の非肌対向面側に一部を重ねた状態で配された第２不織布１３とを有している。第１不織布１２及び第２不織布１３は、いずれも、吸収性物品の最外面の構成材である。
　より具体的には、第１不織布１２は、腹側部Ａに配された部分と股下部Ｃに配された部分とを有する一方、背側部Ｂに配された部分を有しておらず、第２不織布１３は、背側部Ｂに配された部分と股下部Ｃに配された部分とを有する一方、腹側部Ａに配された部分を有していない。そして、第２不織布１３は、腹側部Ａ側の帯状の端部領域１３ａが、第１不織布１２における背側部Ｂ側の帯状の端部領域１２ａの非肌対向面側と重なっており、この第１不織布１２と第２不織布１３との重なり部分が重複領域１４となっている。
　本実施形態において重複領域１４は、おむつの縦方向Ｘにおいて、第１不織布１２の背側部Ｂ側の縁部１２ｄと第２不織布１３の腹側部Ａ側の縁部１３ｕとの間の領域である。
　肌対向面は、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。第１不織布１２及び第２不織布１３は、ウエスト開口部ＷＨの周縁端において、外装体１７の肌対向面側に折り返された部分を有していてもよい。

　重複領域１４の一部には、図１２及び図１３に示すように、第１不織布１２と第２不織布１３との間が接合されていない部分が形成されており、該部分が、おむつ１０１（吸収性物品）に生じる変化を検出するためのセンサー８を内部に配置可能なセンサーポケット１５となっている。重複領域１４は、図１２に示すように、重複領域１４の平面視において、センサーポケット１５の周囲の三方向に、第１不織布１２と第２不織布１３との間が接合された固定領域Ｅ１～Ｅ３を有し、残りの一方向に、センサーの挿入口１５ａが形成されている。挿入口１５ａは、センサー８が該挿入口１５ａを通じてセンサーポケット１５に挿入される方向（挿入方向）と直交する方向に延びて開口している。本実施形態において前記直交する方向は横方向Ｙに一致している。すなわち、挿入口１５ａは横方向Ｙに延在している。

　本実施形態において、前記三方向は、センサーポケット１５の中央部から見て、左右二方向及び背側部Ｂ方向であり、前記残りの一方向は、センサーポケット１５の中央部から見て、腹側部Ａ方向である。また第１不織布１２は、肌対向面側の面が、下地シート１１の非肌対向面に接着剤で接合されている。他方、第２不織布１３は、重複領域１４に位置する固定領域Ｅ１～Ｅ３において、第１不織布１２の非肌対向面に接着剤で接合されており、また重複領域１４以外の部分において、下地シート１１の非肌対向面に接着剤で接合されている。接着剤は、全面に隙間なく塗工された接着剤であってもよく、スパイラルパターン、ドットパターン、Ω字パターン等のパターン塗工で塗工された接着剤であってもよい。接着剤としては、この種の物品に従来使用されている接着剤を特に制限なく用いることができ、ホットメルト型接着剤であることが好ましい。第２不織布１３を固定する接着剤は、センサーポケット１５に隣接する部分における接着力を、使用する接着剤の種類や坪量を異ならせる等の方法により、他の部分より強くすることも好ましい。

　本実施形態において、第１不織布１２は非伸縮性不織布であり、第２不織布１３は伸縮性不織布である。したがって、重複領域１４における、センサーポケット１５が形成された領域の全域において、第２不織布１３の伸縮性が第１不織布１２よりも高くなっている。伸縮性とは、引っ張ることによって伸長し且つその引張状態を解除することで収縮する性質をいい、伸長前の長さにより近い長さまで収縮するほど伸縮性が高い。

　伸縮性不織布は伸縮性を有する。この「伸縮性を有する」とは、伸縮方向の最大伸度が好ましくは５０％以上であることを指す。「最大伸度」とは、測定対象物をそれ以上伸ばせない長さ（材料破壊する直前の長さ）まで伸長したときの伸長率であり、下記式（１）によって求められる。
　最大伸度（％）＝｛（伸長後の長さ－伸長前の長さ）／伸長前の長さ｝×１００％…（１）
　最大伸度の測定は次の手順で行うことができる。測定対象の自然状態（弾性部材の収縮状態）において、当該測定対象の伸縮方向の中央部に５０ｍｍの間隔の目印を付け、この目印の間隔を測定して、「伸長前の長さ」とする。次いで、測定対象をその伸縮方向に該測定対象が材料破壊する直前まで伸長させ、斯かる伸長状態での前記目印の間隔を測定して、「伸長後の長さ」とする。そして、これらの測定値を前記式（１）に代入して最大伸度を算出する。なお、測定対象を吸収性物品から切り出したものを測定サンプルとして測定に供してもよい。

　伸縮性不織布は、少なくとも、横方向Ｙにおいては、最大伸度５０％以上且つ伸長回復率７０％以上であることが好ましい。伸縮性不織布の伸長回復率は、以下の測定方法により測定される。
＜伸長回復率の測定方法＞
　測定対象の不織布から長さ５０ｍｍ、幅２５ｍｍのサンプル片を切り出す。引張試験機（株式会社オリエンテックの「テンシロン」ＲＴＣ－１１５０Ａ）のチャック間（チャック間隔Ｋ０）にサンプル片を非伸長且つ弛みのない状態で固定し、引張速度３００ｍｍ／ｍｉｎでチャック間を拡げることでサンプル片を引っ張り、サンプル片の１００％伸長時の長さＫ２（＝Ｋ０×２）まで伸長させた後、引張速度と同速度でチャック間を狭めていき、引張応力が０になった時点でのサンプル片の長さを伸長回復後の長さＫ１とする。次式により、測定対象の不織布の１００％伸長時の伸長回復率を算出する。
　１００％伸長時の伸長回復率（％）＝〔（Ｋ２－Ｋ１）／（Ｋ２－Ｋ０）〕×１００

　伸縮性不織布としては、例えば（１）弾性繊維層の両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性不織布、（２）ネット状の弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性不織布、（３）弾性フィルムからなる弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性不織布、（４）互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、伸長可能な繊維層に一体化されてなる伸縮性不織布等を好ましく用いることができる。
　ここでいう「伸長可能な繊維層」には、弾性を有する材料と一体化する前から伸長可能である繊維層の他に、弾性を有する材料との一体化後に機械加工等により伸長可能とされた繊維層が含まれる。
　弾性繊維層と伸長可能な繊維層との一体化の方法としては、例えば、これらを積層して水流交絡又はエアスルー等により繊維を交絡させる方法、ヒートエンボス、接着剤、超音波等によって接合させる方法が挙げられる。伸縮性不織布は、例えば、特開２００９－６１７４３号公報に記載の方法に従って製造することができる。

　第１不織布１２及び第２不織布１３のうち伸縮性が低い方の不織布は、伸縮性を有する不織布でも有しない不織布であってもよい。本実施形態では、非伸縮性不織布である第１不織布１２がこれに当たる。伸縮性を有しない非伸縮性不織布の横方向Ｙの最大伸度は、通常５０％未満であり、より好ましくは４０％以下であり、０％でもよい。非伸縮性不織布としては、各種製法による不織布を用いることができる。該不織布としては例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。非伸縮性不織布は単層構造でもよく、２枚以上の層が積層された積層構造でもよい。

　センサー８をより挿入しやすくするとともに、後述するようにセンサー８を加圧した状態で該センサー８をより安定して保持する観点から、重複領域１４における第１不織布１２及び第２不織布１３の少なくとも一方は、挿入口１５ａの延在方向に伸縮性を有していることが好ましい。例えば、本実施形態において第２不織布１３として用いられる伸縮性不織布は、少なくとも挿入口１５ａの延在方向と平行な方向である横方向Ｙに伸縮性を有していることが好ましい。
　伸縮性不織布は、横方向Ｙに伸縮性を有するものであってもよいが、横方向Ｙ以外にも伸縮性を有していてもよい。第２不織布１３に代えて第１不織布１２として伸縮性不織布を用いる場合も同様である。

　センサーポケット１５が形成された領域の少なくとも一部、好ましくは全域において、第１不織布１２と第２不織布１３との伸縮性が異なることによって、挿入口１５ａからセンサーポケット１５内に挿入されたセンサー８が、第１不織布１２と第２不織布１３との間で加圧された状態となって安定にセンサーポケット１５内に保持される。第１不織布１２及び第２不織布１３のうち、厚み方向においてセンサーポケット１５より外側に配される第２不織布１３の方が、内側に配される第１不織布１２よりも伸縮性が高いと、センサーポケット１５内でセンサー８が加圧された状態が保持されやすいので好ましい。
　センサーポケット１５が形成された領域の一部において、第１不織布１２と第２不織布１３の伸縮性が異なる実施形態としては、例えば、センサーポケット１５を、その最大深さＬ１５（図１２参照）を２等分して、挿入口１５ａ側の領域１５ｂと挿入方向奥側の領域１５ｃとに区分したときの挿入口１５ａ側の領域１５ｂのみにおいて、第１不織布１２と第２不織布１３の伸縮性が異なる形態等が挙げられる。

　本実施形態のおむつ１０１によれば、吸収性物品の最外面の構成材としての第１不織布１２と第２不織布１３との重複領域１４に、センサーポケット１５が形成されているため、おむつの肌対向面側にセンサーを配する場合とは異なり、センサー８が排泄物に直接触れることがないため、衛生面や故障防止等の問題が生じにくく、センサー８の再利用が容易である。また第１不織布１２と第２不織布１３との伸縮性を異ならせて、センサー８が、第１不織布１２と第２不織布１３とに挟まれて安定的に保持されるため、センサー８を挿入しやすいことと、着用者の活動や姿勢の変化によっても、センサー８がセンサーポケット１５から脱落しにくいこととの両立が可能である。またセンサーポケット１５を、センサー８により計測する物性等に応じた好ましい部位に設けることによって、センサー８を適切な位置に容易に配置することもできる。
　このようにして、本実施形態のおむつ１０１によれば、センサーを繰り返して使用することが容易であり、センサーを適切な位置に容易に配置でき、またセンサーの脱落を防止することができる。

　第２実施形態において、センサー８としては、吸収性物品に生じる変化を検出可能な公知のセンサーを特に制限なく用いることができる。吸収性物品に生じる変化は、好ましくは、着用者の排泄により生じる変化であり、例えば排尿により上昇する温度を計測可能な温度センサー、排尿により上昇する湿度を計測可能な湿度センサー、排尿により変化するインピーダンスを計測可能なセンサー、排尿又は排便により生じる臭いを計測可能な臭いセンサー等が挙げられる。これらのセンサーは、２以上の物性を測定可能なものであってもよく、例えば温度センサーや湿度センサーは、温度及び湿度の両者を測定可能なセンサーであってもよい。
　温度センサーを用いる場合、例えば、該センサーをセンサーポケットに配置して着用中におけるおむつの温度をモニターし、着用者の排尿により生じる第１不織布１２側の温度上昇を排尿があったと判定することにより、着用者の排尿を検知することができ、おむつ１０１の交換時期の判断等に役立てることができる。湿度センサーを用いる場合、例えば、該センサーをセンサーポケットに配置して着用中のおむつの湿度をモニターし、着用者の排尿により生じる湿度上昇を排尿があったと判定することにより、着用者の排尿を検知することができる。湿度センサーを用いる場合、防漏シート２３及びそれより外側の第１不織布１２等は、透湿性を有することが好ましい。

　センサーポケット１５は、センサー８の全体を内部に配置可能な大きさを有していることが好ましい。センサー８の全体を外部に露出しないように収容できるようにすることで、センサー８の本体を着用者自身が直接触れることによる吸収性物品からのセンサー脱落を防ぐことができる。
　センサーポケット１５は、その最大深さＬ１５が、好ましくは４０ｍｍ以上、より好ましくは４５ｍｍ以上であり、また好ましくは１００ｍｍ以下、より好ましくは８０ｍｍ以下であり、また好ましくは４０ｍｍ以上１００ｍｍ以下、より好ましくは４５ｍｍ以上８０ｍｍ以下である。

　本実施形態のおむつ１０１においては、第２不織布１３がその全域に伸縮性を有しており、重複領域１４における、第１不織布１２及び第２不織布１３の少なくとも一方である第２不織布１３が、センサー８の大きさ以上の面積において伸縮性を有している。
　斯かる構成により、センサー８が配された部位の、着用者の様々な姿勢や動きに対する追従性が付与され、装着されるべきセンサー８の装着位置からのずれを防ぐことができる。

　第２不織布１３に代えて第１不織布１２が、センサー８の大きさ以上の面積に伸縮性を有する場合も同様の効果が奏されるが、センサーポケット１５よりも外側に位置する第２不織布１３が伸縮性を有する方が、センサー８のポケット内部への挿入しやすさの点から好ましい。

　本実施形態のおむつ１０１の重複領域１４においては、図１０及び図１２に示すように、センサーポケット１５の周囲の三方向に位置する固定領域Ｅ１～Ｅ３のうち、少なくともセンサーポケット１５を挟んでその両側に位置する固定領域Ｅ１，Ｅ２は、重複領域１４の端部以外にも延在している。これにより、センサー８を、より範囲が狭められた特定の位置に配置されるようになるため、センサー８による吸収性物品の物性の計測制度や吸収性物品の変化の検出精度が向上する。
　同様の観点から、重複領域１４の平面視において、センサーポケット１５の面積が重複領域１４の面積の半分以下、すなわち５０％以下であることが好ましく、４０％以下であることがより好ましい。また、センサーポケット１５の面積が重複領域１４の面積の５％以上であることが好ましく、１０％以上であることがより好ましい。なお、図１０に示す重複領域１４は、股下部Ｃにおける外装体１７の横方向Ｙの全域に連続して存在しているが、股下部Ｃの横方向Ｙの両端に達していなくてもよい。

　センサー８は、排尿による変化の情報を的確に入手可能とする観点から、おむつの排尿部位と重なる領域に取り付けることが好ましい。おむつの排尿部位とは、内部に吸収体４が存する部位である。排尿により生じる温度や湿度等の変化のより的確に検出等の観点から、センサー８は、股下部Ｃにおける、内部に吸収体４が存する部位に取り付けることが好ましく、また股下部Ｃにおける横方向Ｙの中央領域に取り付けることが好ましい。
　パンツ型のおむつ１０１０において、股下部Ｃは、左右のレッグ開口部間に位置する領域であり、パンツ型以外のおむつにおいて、股下部Ｃは、平面状に拡げた展開状態のおむつを、その縦方向Ｘの全長を５等分して５領域に分割したときの中央３領域である。
　おむつ又は股下部について横方向Ｙの中央領域Ｃ１は、図１９に示すように、股下部Ｃの横方向Ｙの長さを３等分するように、おむつを、縦方向Ｘに延びる平行な２直線で３分割したときの中央の領域Ｃ１である（図１９参照）。

　センサー８を、排尿による変化の情報を的確に入手可能な位置に配する観点から、センサーポケット１５は、吸収体４と重なる部位、すなわち上述した排尿部位に形成されていることが好ましい。

　本実施形態のおむつ１０１は、図８及び図９に示すように、ウエスト開口部ＷＨの周縁部に、ウエストギャザー形成用のウエスト弾性部材９２が配されており、レッグ開口部ＬＨの周縁部にレッグギャザー形成用のレッグ弾性部材９１が配されている。
　本実施形態のおむつ１０１においては、図１３に示すように、防漏シート２３と下地シート１１との間に、下地シート１１と略同形状の中間シート１９が配されている。ウエスト弾性部材９２及びレッグ弾性部材９１は、下地シート１１と中間シート１９との間に、両シート１１，１９間に配された接着剤等により伸長状態で固定されていてもよい。またウエスト弾性部材９２及びレッグ弾性部材９１は、中間シート１９が存在せずに、下地シート１１と第１不織布１２又は第２不織布１３との間に、両シート間に配された接着剤等により伸長状態で固定されていてもよい。下地シート１１及び中間シート１９としては、各種公知のシート材が使用可能であるが、不織布であることが好ましく、例えば、第１不織布１２及び第２不織布１３のうち伸縮性が低い方に用いる非伸縮性不織布と同様のものを用いることができる。

　次に、本発明の吸収性物品の第３～第６実施形態について説明する。
　第３～第６実施形態については、第２実施形態と異なる点について主として説明し、同様の点については、同様の部材に同一の符号を付して説明を省略する。第３実施形態～第６実施形態について特に説明しない点については、好ましい構成を含めて第２実施形態の説明を適宜適用可能である。

　図１４に示すように、第３実施形態のおむつ１０１Ａにおいては、非伸縮性不織布からなる第１不織布１２が、背側部Ｂから股下部Ｃの一部に掛けて配されており、伸縮性不織布からなる第２不織布１３が、腹側部Ａから股下部Ｃの一部に掛けて配されている。そして、股下部Ｃにおいて、第２不織布１３の背側部Ｂ側の端部領域が、第１不織布１２における腹側部Ａ側の端部領域１２ａの非肌対向面側と重なっている。この第１不織布１２と第２不織布１３との重なり部分が重複領域１４である。
　そして、その重複領域１４の横方向Ｙの中央部に、センサーポケット１５が形成されている。センサーポケット１５及びその周囲の三方向を囲む固定領域Ｅ１～Ｅ３の構成や形状は、ポケットの挿入口１５ａの位置とセンサーポケット１５の挿入方向の奥に位置する固定領域Ｅ３の位置が縦方向Ｘにおいて上下反転している。すなわち、図１４に示すように、重複領域１４の平面視において、センサーポケット１５の中央部から見て、左右二方向及び腹側部Ａ方向の三方向に、第１不織布１２と第２不織布１３との間が接合された固定領域Ｅ１～Ｅ３を有し、残りの一方向であるセンサーポケット１５の中央部から見て、背側部Ｂ方向に、センサーの挿入口１５ａが形成されている。斯かる点以外は、第２実施形態におけるものと同様である。

　第３実施形態のおむつ１０１Ａの重複領域１４においても、おむつの厚み方向においてセンサーポケット１５よりも外側に位置する第２不織布１３の伸縮性が、センサーポケット１５よりも内側に位置する第１不織布１２よりも伸縮性が高くなっている。
　第３実施形態のおむつ１０１Ａにおいても、第２実施形態のおむつ１０１と同様に、センサーポケット１５を有し、そのセンサーポケット１５が形成された領域の全域において、第１不織布１２と第２不織布１３の伸縮性が異なることによって、第２実施形態のおむつ１０１と同様の効果が奏される。

　図１５及び図１６に示すように、第４実施形態のおむつ１０１Ｂにおいては、非伸縮性不織布からなる第１不織布１２が、横方向Ｙの一方の側（図１６中左側）に配されており、伸縮性不織布からなる第２不織布１３が、横方向Ｙの他方の側（図１６中右側）に配されている。そして、第２不織布１３の横方向中央側の端部領域が、第１不織布１２の横方向中央側の端部領域の非肌対向面側と重なっており、この第１不織布１２と第２不織布１３との重なり部分が重複領域１４となっている。
　そして、股下部Ｃにおける腹側部Ａ寄りの部位に、センサーポケット１５が形成されている。図１６に示すように、センサーポケット１５の周囲の三方向を囲む固定領域Ｅ１～Ｅ３として、センサーポケット１５を挟んでその上下に位置する固定領域Ｅ１，Ｅ２と、重複領域１４の横方向Ｙの一端部に形成された固定領域Ｅ３とを有しており、重複領域１４の横方向Ｙの他端部に、センサーの挿入口１５ａが形成されている。
　センサー８をより挿入しやすくするとともに、後述するようにセンサー８を加圧した状態で該センサー８をより安定して保持する観点から、第４実施形態のおむつ１０１Ｂにおいて第２不織布１３として用いられる伸縮性不織布も、少なくともセンサーの挿入口１５ａの延在方向と平行な方向である縦方向Ｘに伸縮性を有していることが好ましい。
　第４実施形態のおむつ１０１Ｂの重複領域１４においても、おむつの厚み方向においてセンサーポケット１５よりも外側に位置する第２不織布１３の伸縮性が、センサーポケット１５よりも内側に位置する第１不織布１２よりも伸縮性が高くなっている。

　第４実施形態のおむつ１０１Ｂにおいても、第２実施形態のおむつ１０１と同様に、センサーポケット１５を有し、そのセンサーポケット１５が形成された領域の全域において、第１不織布１２と第２不織布１３との伸縮性が異なることによって、第２実施形態のおむつ１０１と同様の効果が奏される。なお、図１５及び図１６に示す例においては、第１不織布１２及び第２不織布１３が、それぞれ、腹側部Ａ、股下部Ｃ及び背側部Ｂに連続して配されており、重複領域１４も、腹側部Ａ、股下部Ｃ及び背側部Ｂに連続して形成されているが、これに代えて、重複領域１４を形成する第１不織布１２及び第２不織布１３が股下部Ｃのみに配されていてもよい。

　第２実施形態のおむつ１０１は、図１０に示すように、センサーポケット１５におけるセンサーの挿入口１５ａが、重複領域１４における腹側部Ａ側に形成されているため、センサー８の挿入方向が着用者の上側から下側に向かう方向となり、着用者やセンサーにより温度や湿度等のおむつの特性を計測する者等が、センサー８を挿入するのが容易であるとともに、立位や座位等の多く状態において、センサー８が重力により落下しにくくなる。

　第３実施形態のおむつ１０１Ａは、図１４に示すように、センサーポケット１５におけるセンサーの挿入口１５ａが、重複領域１４における背側部Ｂ側に形成されているため、着用者が、センサーポケット１５に配置されたセンサー８を視覚的に意識しにくい。
　そのため、センサー８の存在により、着用者がストレスを受けることを抑制することができたり、センサーによる排尿等のモニター中に、着用者がセンサー８を取り外してしまったりすること等を抑制することもできる。

　第４実施形態のおむつ１０１Ｂは、図１５及び図１６に示すように、センサーポケット１５におけるセンサーの挿入口１５ａが、重複領域１４における横方向Ｙの一端側に形成されているため、着用者が横になっている状態、特に横臥位又は側臥位の状態の場合等に、センサー８のセンサーポケット１５への出し入れが容易である。

　上述した第１乃至第４実施形態においては、重複領域１４において、おむつの厚み方向の外側に配される第２不織布１３として伸縮性不織布を用いることによって、重複領域１４におけるセンサーポケット１５が形成された領域の全域において、第１不織布１２と第２不織布１３の伸縮性が相互に異なるようにしたが、これに代えて、図１７及び図１８に示す第５実施形態のおむつ１０１Ｃにおけるように、非伸縮性不織布からなる第２不織布１３の、センサーポケット１５のセンサー８の挿入口１５ａ側の領域１５ｂに、センサー８の長さ以上の長さの弾性部材１５ｄを配して、重複領域１４におけるセンサーポケット１５が形成された領域の一部に、第１不織布１２と第２不織布１３の伸縮性が異なる領域とすることもできる。
　斯かる構成を採用したおむつにおいても、第２実施形態のおむつ１０１と同様に、センサーポケット１５を有し、センサー８が排泄物に直接触れることがないため、衛生面や故障防止等の観点から、センサー８の再利用が容易である。また、センサーポケット１５が形成された領域の一部において、第１不織布１２と第２不織布１３の伸縮性が異なるため、センサーポケット１５に挿入されたセンサー８が、第１不織布１２と第２不織布１３との間で安定に保持される。またセンサーポケット１５を、センサー８により計測する物性等に応じた好ましい部位に設けることによって、センサー８を適切な位置に容易に配置することもできる。図１７には、重複領域１４の腹側部Ａ側の端部にセンサーの挿入口１５ａを有する例を示したが、第３実施形態や第４実施形態におけるように、センサーポケット１５が、重複領域１４の背側部Ｂ側の端部やおむつ横方向の端部にセンサーの挿入口１５ａを有する形態とすることもできる。

　弾性部材１５ｄは、センサーの挿入口１５ａが形成される重複領域１４の縁部に沿う長さＬ２が、センサーポケット１５内に配されるセンサー８の同方向の長さＬ１８に対して、好ましくは１００％超であり、より好ましくは１０５％以上であり、更に好ましくは１１０％以上である。上限は特になく、おむつの全幅又は全長と同じであってもよい。
　また弾性部材１５ｄは、センサーの挿入口１５ａが形成される重複領域１４の縁部に沿う長さＬ２が、挿入口１５ａの同方向の長さＬ１３の、好ましくは１００％以上、より好ましくは１０５％以上であり、また好ましくは１５０％以下、より好ましくは１４０％以下であり、また好ましくは１００％以上１５０％以下、より好ましくは１０５％以上１４０％以下である。
　弾性部材１５ｄは、おむつの厚み方向においてセンサーポケット１５より内側に位置する第１不織布１２に配されていてもよいが、センサーポケット１５より外側の第２不織布１３に配されていることが、センサー８のポケット内部への挿入しやすさの点から好ましい。
　弾性部材１５ｄとしては、例えば、スチレン－ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、ＥＶＡ、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等の弾性高分子を、糸状（糸ゴム等）、紐状（平ゴム等）、フィルム状に形成したもの等を好ましく用いることができる。弾性部材１５ｄの断面形状は、矩形、正方形、円形、楕円形、多角形状等であってもよい。

　センサー８を、適切な部位に配して、排尿による変化の情報を的確に入手可能とする観点から、センサーポケット１５内に、センサー８を固定するセンサー固定材料を配することも好ましい。例えば、第１不織布１２におけるセンサー８と対向させる面に、粘着剤を塗工して形成した粘着層や、センサー８に機械的面ファスナーの雄部材及び雌部材のうちの一方を固定し、他方を、第１不織布１２におけるセンサー８と対向させる面に設けることもできる。

　上述した各実施形態のおむつにおけるセンサーポケット１５に、センサー８を配置し、該センサー８を用いて、着用者の排泄に伴い該おむつに生じる変化、例えば排尿に伴う湿度の変化、温度の変化、臭いの発生、インピーダンスの変化を検出することは、本発明の変化検出方法の好ましい実施形態の一例であり、各実施形態のおむつに関する上述した好ましい構成や説明は、本発明の変化検出方法に適宜適用可能である。

　本発明の吸収性物品は、図１９に示すように、吸収性物品の最外面の構成材として、第１不織布１２の一部に第２不織布１３の全体を重ねて配置した重複領域１４を有するものであってもよい。図１９に示す第６実施形態の使い捨ておむつ１０１Ｄにおいては、重複領域１４の三方向の端部のみに、第１不織布１２と第２不織布１３とが接合された固定領域Ｅ１～Ｅ３を有し、残りの一方向の端部に、センサーの挿入口１５ａが設けられている。このような場合も、第２不織布１３として伸縮性不織布を用いたり、挿入口１５ａ側の領域に弾性部材を配したりすることによって、本発明の効果が奏されるおむつとすることができる。
　図１９には、重複領域１４の腹側部Ａ側の端部にセンサーの挿入口１５ａを有する例を示したが、第３実施形態や第４実施形態におけるように、センサーポケット１５が、重複領域１４の背側部Ｂ側の端部やおむつ横方向の端部にセンサーの挿入口１５ａを有する形態とすることもできる。

　また本発明の吸収性物品は、図１９に示すおむつのように、色の変化により排尿を知らせるインジケータ９を備えていてもよい。好ましくは、インジケータ９は、着用者の前後方向に対応する該吸収性物品の縦方向Ｘに延びており、センサーポケット１５が、インジケータ９と重なる部位に形成されてことが好ましい。インジケータ９としては、尿と接触することにより色が変化する各種公知の組成物を、吸収体４と防漏シート２３との間に配することが好ましい。
　インジケータ９は、通常、尿と接触することにより色が変化するものであるため、尿と接触しやすい部位、例えば、幅方向の中央領域Ｃ１に配されている。したがって、センサーポケット１５をインジケータ９と重なる部位に設けることにより、排尿による変化を検出するのに適切な部位に、センサー８を配置することが容易となる。

　上述した重複領域１４における第２不織布１３には、センサーポケット１５の位置を示す表示を設けることも好ましい。当該表示は、文字、図形、記号又はこれらの組み合わせであってもよく、設ける方法は、好ましくは印刷であるが、特に制限されるものではない。

　以上、本発明の第２～第６実施形態をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。
　例えば、上述した第２～第６実施形態においてセンサー８は、温度又は湿度等の計測機能及び計測したデータの記録機能を有するものであってもよいし、温度又は湿度等の計測機能及び通信機能を有し、計測した温度等のデータを、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）等の無線で外部装置に送信し、その外部装置でデータの記録や該データの分析をするものであってもよい。外部装置としては、必要なアプリやプログラムがインストールされたスマートフォン等の携帯端末や専用端末、デスクトップ又はラップトップのパソコン等が挙げられる。
　上述した第２～第６実施形態においてセンサー８の形状は、適宜決定可能であり、例えば、平面視形状は、円形のものに代えて、楕円形、三角形、四角形等の多角形、トランプのハート形等とすることもできる。またセンサー８は、平面視したときの直径又は円相当径よりも高さが小さい扁平な形状であることが好ましいが、非扁平な形状のものであってもよい。

　次に本発明の吸収性物品（第７及び第８実施形態）について説明する。
　図２０～図２２には、本発明の第７実施形態である展開型使い捨ておむつ１０２Ａが示されている。おむつ１０２Ａは、ウエスト開口部及びレッグ開口部が予め形成されておらず着用時にこれらを形成するいわゆる展開型吸収性物品である。おむつ１０２Ａは、少なくとも股下部Ｃに、体液を吸収保持する吸収体４と、吸収体４よりも着用者の肌から遠い側に配された外層体３とを備えている。

　本実施形態では、おむつ１０２Ａは、図２１に示す如き展開且つ伸長状態において、横中心線ＣＬｙを挟んで一方側と他方側とで対称に形成されている。
　腹側部Ａは、おむつ１０２Ａの前身頃Ｆの一部であり、背側部Ｂは、おむつ１０２Ａの後身頃Ｒの一部である。股下部Ｃは、縦中心線ＣＬｘを縦方向Ｘに跨いでおり、前身頃Ｆから後身頃Ｒに存在している。股下部Ｃは、典型的には、レッグ開口部ＬＨ，ＬＨ形成用の凹欠部であるレッグ縁部ＬＳ，ＬＳが形成された領域を含む。レッグ縁部ＬＳは、外層体３の縦方向Ｘに沿う両側縁部の一部である。
　本発明において、腹側部Ａ、股下部Ｃ及び背側部Ｂは、展開且つ伸長状態のおむつ１０２Ａを縦方向Ｘに三等分した場合の各領域であり得る。

　横中心線ＣＬｙは、展開且つ伸長状態のおむつ１０２Ａを横方向Ｙに二等分して縦方向Ｘに延びる仮想直線である。縦中心線ＣＬｘは、展開且つ伸長状態のおむつ１０２Ａを縦方向Ｘに二等分して横方向Ｙに延びる仮想直線である。

　本実施形態（第７実施形態）では、おむつ１０２Ａは図２２に示すように、肌対向面を形成する液透過性の内層体２、非肌対向面を形成する液不透過性の外層体３、及びこれら内層体２と外層体３との間に介在配置された吸収体４とを備えており、これらの部材２，３，４が物品本体５０を構成している。物品本体５０を構成する各部材どうしは、接着剤、融着等の接合手段により一体とされている。内層体２は、吸収体４の肌対向面の全域を被覆し、外層体３は、吸収体４の非肌対向面の全域を被覆している。内層体２及び外層体３は、それぞれ、吸収体４の縦方向Ｘの両端から外方に延出している。外層体３は、吸収体４の縦方向Ｘに沿う両側縁（横方向Ｙの両端）からも外方に延出しており、図２１に示す如き展開状態のおむつ１０２Ａの外形を形作っており、外層体３の周縁は、腹側部Ａ、股下部Ｃ及び背側部Ｂそれぞれの輪郭線を形成している。

　内層体２は、単層構造でもよく、複数の層が積層された積層構造でもよい。内層体２は、層全体として液透過性を有し、体液等の水性液が内層体２を厚み方向に透過可能なものであればよく、例えば積層構造の一部に液不透過性のシートを含んでいてもよい。内層体２は、典型的には、表面シートなどと呼ばれる液透過性のシートを含み、必要に応じ、該表面シートの非肌対向面側にサブレイヤ、セカンドシートなどと呼ばれる液透過性のシートを更に含む。内層体２としては、本発明の要旨から逸脱しないことを条件として、この種の吸収性物品において表面シート、サブレイヤ等として使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、不織布、開孔フィルム等を用いることができる。

　外層体３は、単層構造でもよく、複数の層が積層された積層構造でもよい。本実施形態では、おむつ１０２Ａの外層体３は、図２２に示すように、吸収体４に近い順に、第１外層シート３ａ及び第２外層シート３ｂを備え、二層構造である。第２外層シート３ｂは外層体３の非肌対向面（おむつ１０２Ａの外面）を形成する。両シート３ａ，３ｂはともに物品本体５０を構成する。両シート３ａ，３ｂどうしは、互いに同種でも異種でもよい。
　本明細書において、「同種のシート」とは、シートの製造プロセス、シートの構成繊維の種類、構成繊維の繊維径や長さ、シートの厚みや坪量等がすべて同じであるシートどうしを意味する。これらのうちの少なくとも１つが異なる場合には、「異種のシート」である。

　外層体３は、層全体として液不透過性（液難透過性、撥水性を含む）を有し、体液等の水性液が外層体３を厚み方向に透過し難いものであればよく、例えば積層構造の一部に液透過性のシートを含んでいてもよい。外層体３は、典型的には、裏面シート、カフ形成用シートなどと呼ばれる液不透過性のシートを含む。外層体３としては、本発明の要旨から逸脱しないことを条件として、この種の吸収性物品において裏面シート、カフ形成用シート等として使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、各種不織布、樹脂製フィルム、樹脂製フィルムと不織布とのラミネート等を用いることができる。

　本実施形態では、吸収体４は図２１に示すように、平面視において一方向に長い形状（図２１に示す形態では長方形形状）を有し、その長手方向とおむつ１０２Ａの縦方向Ｘとが一致するように配されている。吸収体４は少なくとも股下部Ｃに配され、本実施形態では、吸収体４は、腹側部Ａから股下部Ｃを介して背側部Ｂに延びて配されている。吸収体４の長手方向両側縁（縦方向Ｘに沿う両側縁）は、おむつ１０２Ａの縦方向Ｘに沿う両側縁よりも内方に位置している。

　本実施形態では、吸収体４は図２２に示すように、吸水性材料を主体とする吸収性コア４０と、吸収性コア４０の外面（肌対向面及び非肌対向面）を被覆するコアラップシート４１とを含む。前記吸水性材料としては、典型的には、木材パルプ等の繊維材料及び吸水性ポリマーから選択される１種以上が用いられる。コアラップシート４１は液透過性を有し、典型的には、紙、不織布等からなる。吸収体４は、コアラップシート４１を含まず、吸収性コア４０のみから構成されていてもよい。

　本実施形態では、おむつ１０２Ａは、物品本体５０の縦方向Ｘに沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフ６，６を備えている。各防漏カフ６は、液不透過性且つ通気性のカフ形成用シート６０を含み、カフ形成用シート６０は、横方向Ｙの一端側が他の部材（図２２に示す形態では外層体３）に固定されて固定端部、横方向Ｙの他端側が他の部材に非固定の自由端部とされている。カフ形成用シート６０の前記自由端部には、カフ形成用弾性部材６１が、縦方向Ｘに伸長状態で固定されることで同方向に伸縮可能に配置されている。おむつ１０２Ａの着用時には、弾性部材６１の収縮力により、少なくとも股下部Ｃにおいて、カフ形成用シート６０の前記自由端部側が、前記固定端部を起立基端として着用者側に起立することで一対の防漏カフ６，６が起立し、これにより尿等の排泄物の横方向Ｙの外方への流出が阻止される。なお図２２では、説明の便宜上、防漏カフ６を起立した状態で示しているが、図２１に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ１０２Ａにおいて防漏カフ６が必ずしも図２２に示すように起立するというわけではない。

　おむつ１０２Ａは、展開型吸収性物品に特有の構成として、図２０及び図２１に示すように、背側部Ｂの縦方向Ｘに沿う両側縁部に配された一対のファスニングテープ７，７と、腹側部Ａの非肌対向面（外層体３の非肌対向面）に配され、各ファスニングテープ７が有する係合部７１を着脱自在に止着可能な止着部材７８とを備えており、おむつ１０２Ａの着用時には、係合部７１を止着部材７８に止着させる。

　本実施形態では、一対のファスニングテープ７，７は、それぞれ、背側部Ｂの縦方向Ｘに沿う両側縁部から横方向Ｙの外方に延出するように設けられている。各ファスニングテープ７の横方向Ｙの内方側の一端は、おむつ１０２Ａを構成するシートに固定されており、例えば、カフ形成用シート６０と外層体３との間、あるいは外層体３が積層構造を有する場合は該積層構造を構成するシートどうしの間に固定されている。ファスニングテープ７は、テープ基材７０と、テープ基材７０の肌対向面に固定された係合部７１とを有している。係合部７１は、その肌対向面に係合突起を有している。係合部７１としては、メカニカルファスナーのオス材を用いることができる。メカニカルファスナーは、表面に多数の係合突起が配置されてなるオス材と、表面に該係合突起を直接係合可能な材料が配置されてなるメス材とからなり、オス材とメス材とを面接触させることにより、両者が係合されるようになされている止着具をいう。メカニカルファスナーとしては、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。

　本実施形態では、止着部材７８は、前記メカニカルファスナーのメス材を含んで構成されている。止着部材７８における係合部７１が止着される部分を形成する素材、すなわち前記メス材の素材は、係合部７１の係合突起の形状に応じて選択することができる。前記メス材の素材としては、例えばループ部、網状部等や、係合性に富む不織布を用いることができる。

　本実施形態では、おむつ１０２Ａは、図２１に示すように、物品本体５０（吸収体４）の周縁から外方に延出するフラップ部ＦＰを備える。フラップ部ＦＰは、物品本体５０の周縁から外方に延出した部材（内層体２、外層体３、カフ形成用シート６０等）によって構成されている。フラップ部ＦＰを構成する複数の部材どうしは、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。フラップ部ＦＰにおける、物品本体５０の縦方向Ｘに沿う両側縁及び該両側縁の仮想延長線よりも横方向Ｙの外方に位置する部分はサイドフラップ部ＳＦである。一対のサイドフラップ部ＳＦそれぞれには、股下部Ｃを通って縦方向Ｘに延びるレッグ弾性部材９１が、縦方向Ｘに伸縮可能に配されている。おむつ１０２Ａの着用時には、弾性部材９１の収縮により、レッグ縁部ＬＳ，ＬＳを構成するシート（本実施形態では外層体３及びカフ形成用シート６０）に弾性部材９１の収縮方向と交差する方向に延びる複数の襞（ギャザー）が形成され、これにより着用者の脚周りの全周にわたって該襞が実質的に連続したレッグギャザーが形成される。

　図２３～図２５には、本発明の第８実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ１０２Ｂが示されている。おむつ１０２Ｂは、ウエスト開口部及びレッグ開口部が予め形成されている。おむつ１０２Ｂについては、前述したおむつ１０２Ａと異なる構成を説明し、おむつ１０２Ａと同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。おむつ１０２Ｂにおいて特に説明しない構成は、おむつ１０２Ａについての説明が適宜適用される。

　おむつ１０２Ｂでは、図２３に示すように、腹側部Ａ及び背側部Ｂそれぞれの外層体３の縦方向Ｘに両側縁部どうしが接合されており、その接合部からなる一対のサイドシール部Ｓ，Ｓ、ウエスト開口部ＷＨ及び一対のレッグ開口部ＬＨ，ＬＨを有している。

　本実施形態では、おむつ１０２Ｂの外層体３は、図２５に示すように、吸収体４に近い順に、第１外層シート３ｃ、第２外層シート３ｄ及び第３外層シート３ｅを備え、三層構造である。第３外層シート３ｅは外層体３の非肌対向面（おむつ１０２Ｂの外面）を形成する。これらのシート３ｃ，３ｄ，３ｅどうしは、互いに同種でも異種でもよい。
　これらのシート３ｃ，３ｄ，３ｅのうち、シート３ｃは物品本体５０を構成し、シート３ｄ，３ｅはともに外包材３０を構成する。外包材３０（シート３ｄ，３ｅ）は、シート３ｄに比べて平面視における寸法が大きく、図２５に示す如き展開状態のおむつ１０２Ｂの外形を形作っており、外包材３０の周縁は、腹側部Ａ、股下部Ｃ及び背側部Ｂそれぞれの輪郭線を形成している。外包材３０を構成する各部材どうしは、接着剤、融着等の接合手段により一体とされている。

　なお、図２５に示す形態では、カフ形成用シート６０の一部が吸収体４の非肌対向面側、具体的には、第１外層シート３ｃと第２外層シート３ｄ（外包材３０）との間に配されているが、このような、「本質的に吸収体よりも着用者の肌から近い側に配され、該吸収体よりも着用者の肌から近い側にて所定の機能を発現することを期待されている部材」（以下、「肌側部材」とも言う。）の一部が、吸収体の非肌対向面側に配されていても、その肌側部材の一部は、本発明で言う「外層体」ではない。また、内層体２も前記肌側部材であるから、仮に、表面シート等の内層体２の一部が、図２５におけるカフ形成用シート６０と同様に吸収体４の非肌対向面側に配されていても、その内層体２の一部は外層体３ではない。

　外包材３０を構成するシート３ｄ，３ｅとしては、それぞれ、本発明の要旨から逸脱しないことを条件として、各種製法による不織布、樹脂製フィルムなどを用いることができ、不織布としては例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。またシート３ｄ，３ｅは、それぞれ、横方向Ｙに伸縮性を有する伸縮シートでもよく、伸縮性を有さない非伸縮シートでもよい。伸縮シートの一例として、特開２００９－６１７４３号公報に記載の「互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、非弾性繊維を含んで構成される伸長可能な不織布に接合されてなる伸縮シート」を例示できる。例えば、第３外層シート３ｅ（最外層のシート）をこの伸縮シートとし、第２外層シート３ｄを非伸縮シートとすることができる。

　本実施形態では、おむつ１０２Ｂは、着用者の胴周りに配される胴周り部Ｔ（サイドシール部Ｓと縦方向Ｘにおいて同位置にある部分）は、横方向Ｙに伸縮性を有している。具体的には、胴周り部Ｔの外包材３０を構成するシート３ｄ，３ｅの間に、横方向Ｙに伸縮可能に配置された複数のウエスト弾性部材９２を含んでおり、この弾性部材９２の弾性伸縮性により、胴周り部Ｔは横方向Ｙに伸縮性を有している。複数の弾性部材９２は、胴周り部Ｔにおいて横方向Ｙに延在し、縦方向Ｘに間欠配置されている。胴周り部Ｔは、シート３ｄ，３ｅの間に弾性部材９２を横方向Ｙに伸長させた状態で固定した後、弾性部材９２を伸長状態から解放することで作製されている。おむつ１０２Ｂの着用状態では、弾性部材９２の収縮により胴周り部Ｔの表面に、弾性部材９２と交差する方向（縦方向Ｘ）に延びる複数の襞（ギャザー）が形成される。なお、胴周り部Ｔにおける平面視で吸収体４と重なる部分は、弾性部材９２が分断されるなどして、弾性部材９２の弾性伸縮性が発現しないように処理されており、したがって該部分は横方向Ｙに伸縮性を有さない。

　以下では、おむつ１０２Ａ，１Ｂを総称して、「おむつ１０２」とも言う。以下のおむつ１０２についての説明は、特に断らない限り、おむつ１０２Ａ，１Ｂの双方に適用される。

　おむつ１０２においては、図２０及び図２２に示すように、股下部Ｃの外面を形成する外層体３の非肌対向面の一部に、センサー８の取り付けが可能なセンサー対応領域１０が、吸収体４と平面視で重なる領域を含むように設けられている。なお、センサー８は本発明の吸収性物品の構成部材ではない。

　センサー８は、おむつ１０２におけるセンサー８と平面視で重なる部分の温度を検出可能なもの（温度センサー）を含むことが可能である。この場合、センサー８は、温度以外の情報を検出可能であってもよく、温度以外の情報として、例えば湿度が挙げられる。特に断らない限り、以下では、センサー８が温度を検出可能なセンサーを含むことを前提に説明する。
　センサー対応領域１０に取り付けられるセンサー８の数は特に制限されない。センサー対応領域１０に取り付けられるセンサー８の数が１個の場合、その１個のセンサー８は、少なくともおむつ１０２の温度を検出可能な温度センサーである。センサー対応領域１０に取り付けられるセンサー８の数が複数の場合、その複数のセンサー８の少なくとも１つが温度センサーとして機能し得るものであればよい。例えば、センサー対応領域１０にはセンサー８として、温度センサーと、湿度を検出する湿度センサーとを取り付けてもよい。

　本実施形態では、センサー８は、温度を検出するセンサー部（図示せず）と、該センサー部に給電するバッテリ（図示せず）と、これらを内蔵する函体であるハウジング８１とを備えている。ハウジング８１には、センサー８のＯＮ／ＯＦＦ操作を行う電源ボタン（図示せず）、センサー８の作動状態に応じて表示色や点滅パターンを変化させるインジケータ（図示せず）等が設けられている。センサー８は、前記電源ボタンを押圧操作することでＯＮ状態となり、おむつ１０２の温度その他のおむつ１０２に関する情報を所定の周期で検出し、該情報を所定の周期で、センサー８から離れた位置にある通信端末装置（図示せず）に送信する。前記通信端末装置は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータである。

　ハウジング８１は、前記センサー部等を内蔵するために所定の厚みを有している。センサー８の形状は特に制限されない。本実施形態では、図２０及び図２２に示すように、平面視で楕円形形状を有し、角部の無い丸みを帯びた形状である。またハウジング８１は、内蔵される前記センサー部等を水分から保護するために防水性を有する。

　ハウジング８１は、センサー対応領域１０に取り付けられる際にこれと接触する面に係合部（図示せず）を有し、該係合部を介してセンサー対応領域１０を構成する部材（外層体３の非肌対向面を形成する部材）に固定される。前記係合部は、例えば、前述したファスニングテープ７の係合部７１と同様のメカニカルファスナーのオス材であり得る。

　センサー対応領域１０は、前述したとおり、股下部Ｃに存在し且つ吸収体４と平面視で重なる領域を含んでおり、吸収体４を厚み方向に投影した場合の投影像と重なる。センサー対応領域１０に取り付けられるセンサー８の重要な役割の１つは、吸収体４に吸収保持された排泄物の影響を受ける温度を検出することであるから、センサー８の検出感度の向上の観点から、センサー８の取り付け位置は、股下部Ｃで且つ吸収体４と平面視で重なる領域であることが好ましく、その観点からセンサー対応領域１０は、股下部Ｃで且つ吸収体４と平面視で重なる領域を含む必要がある。ただし、センサー対応領域１０は、股下部Ｃに存在すること、及び吸収体４と平面視で重なる領域を含むことを前提として、吸収体４と平面視で重ならない領域、例えば、吸収体４と平面視で重なる領域の周辺部を含んでいてもよい。

　本実施形態では、図２０及び図２２に示すように、センサー対応領域１０の存在が視覚的に認識可能になされている。具体的には、股下部Ｃの外層体３の非肌対向面の一部であるセンサー対応領域１０の全体が、印刷等によって周辺部とは異なる色に着色されている。このようにセンサー対応領域１０の存在が視覚的に認識可能になされていると、センサー８を取り付ける際にその取り付け位置の確認に手間取ることがなくなり、センサー８の取り付け作業をスムーズに行うことが可能となる。

　本発明では、センサー対応領域１０の存在を視覚的に認識させる方法は特に制限されず、例えば、センサー対応領域１０の全体を着色せずに、センサー対応領域１０の輪郭線のみを着色してもよい。また例えば、外層体３の非肌対向面の任意の部分（センサー対応領域１０でなくてもよい）に、センサー対応領域１０の存在を示す文字、図形、絵柄等を印刷してもよい。また、着色、文字、図形、絵柄等の印刷に代えて、あるいは斯かる印刷とともに、センサー対応領域１０に本発明の要旨を逸脱しない範囲で凹部又は凸部を形成する等して、センサー対応領域１０の立体構造を周辺部と異ならせてもよい。

　おむつ１０２の主たる特徴の１つとして、股下部Ｃの外層体３では、非肌対向面にセンサー対応領域１０が設けられた第１の部分３１の方が、非肌対向面にセンサー対応領域１０が設けられていない第２の部分３２に比べて熱伝導性が高い点が挙げられる。
　第１の部分３１は、股下部Ｃの外層体３におけるセンサー対応領域１０と平面視で重なる部分全体であり、第２の部分３２は、股下部Ｃの外層体３における第１の部分３１以外の部分である。

　前記「熱伝導性」の指標として「保温電力値」を用いることができる。保温電力値は、外気に触れている物質が一定温度を保つために必要となる電力であり、下記方法により測定され、単位は「Ｗ／ｍ^２」である。保温電力値は、当該物質の保温性（物質内の熱の流れにくさ）を示す物性値であり、「対象物の一方の面の温度が、反対側の面から奪われた際に、該一方の面の温度を一定に保つために必要な単位面積当たりの電力」と定義される。保温電力値の数値が小さいほど、当該物質における熱の伝わる速さが遅く、保温性が高い、すなわち熱伝導性が低いとされる。したがって、第１の部分３１の方が第２の部分３２に比べて熱伝導性が高いおむつ１０２では、保温電力値について「第１の部分３１＞第２の部分３２」の関係が成立する。

＜保温電力値の測定方法＞
　本測定方法は、単位面積あたりに移動する熱流量の最大値であり、接触冷温感の指標として使用される「ｑ－ｍａｘ」の測定装置を用いて行う。斯かる測定装置の一例として、カトーテック株式会社製の「ＫＥＳ－Ｆ７サーモラボ」が挙げられる。具体的には、ＫＥＳ－Ｆ７を用いて、ドライコンタクト法に従って、評価対象（例えば、おむつ１０２から取り出された外層体３の第１の部分３１又は第２の部分３２）の肌対向面又は非肌対向面における任意の１２箇所の保温電力値を測定し、その算術平均値を当該評価対象の保温電力値とする。斯かる保温電力値が大きいほど、当該評価対象の熱伝導性が高い（保温性が低い）ことを意味する。

　保温電力値等、外層体の物性を測定するに際し、吸収性物品から外層体を取り出す場合に、外層体が、接着剤、融着などによって他の部材に固定されている場合には、その固定部分に有機溶媒を塗布する、コールドスプレーの冷風を吹き付ける等して、固定を解除してから取り出す。この吸収性物品から部材を取り出す手順は、本明細書中の測定において共通である。

　外層体３の熱伝導性を高める（保温電力値を大きくする）ことは、外層体３に取り付けられておむつ１０２内の熱を検出するセンサー８の検出感度を向上させる反面、外層体３の熱伝導性を高めるための具体的な手段によっては、排泄物が外層体３を介して外部に染み出す不都合を誘発することが懸念される。これに対し、本発明では前記のように、外層体３において第１の部分３１のみを選択的に第２の部分３２との比較において厚みを薄くする等して熱伝導性の高い部位としているので、外層体３（第１の部分３１）の熱伝導性を高めたことで懸念される不都合（排泄物の外層体３を介しての染み出し等）の発生を防止しつつ、センサー８の高感度化を図ることが可能であり、結果として、センサー８によるおむつ１０２の着用者の排泄の検知を高精度で行うことが可能となる。

　また本発明では、おむつ１０２における股下部Ｃの外面（外層体３の非肌対向面）にセンサー８が取り付けられるため、着用状態のおむつ１０２の上から衣類を着用した場合に、股下部Ｃと該衣類との間にセンサー８が介在し、股下部Ｃと該衣類との間に隙間が生じ得る。つまりセンサー８は、おむつ１０２とその上に重ねられた衣類との密着を防止するスペーサーとして機能し得る。このセンサー８のスペーサー機能により、仮に、股下部Ｃの外面におむつ１０２内の排泄物が外部に染み出しても、その染み出した排泄物が衣類に付着する機会が低減されるので、排泄物による衣類の汚損が防止され得る。また、センサー８を中心として股下部Ｃとその上に重ねられた衣類との間に隙間が生じると、その隙間を介してセンサー８から生じる熱気が周辺に拡散しやすくなるので、センサー８を取り付けることに起因する不都合を抑制することができる。

　股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の熱伝導性＞第２の部分３２の熱伝導性」（第１の部分３１の保温電力値＞第２の部分３２の保温電力値）の関係が成立することによる作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、外層体３の各部の保温電力値は以下のように設定することが好ましい。
　第１の部分３１の保温電力値と第２の部分３２の保温電力値との比率は、前者＞後者を前提として、前者／後者として、好ましくは１.０１以上、より好ましくは１．１以上、そして、好ましくは１０以下、より好ましくは２以下である。
　第１の部分３１の保温電力値は、第２の部分３２の保温電力値に比べて大きいことを前提として、好ましくは０．５０Ｗ／ｍ^２以上、より好ましくは０．７０Ｗ／ｍ^２以上、そして、好ましくは１．５０Ｗ／ｍ^２以下、より好ましくは１．００Ｗ／ｍ^２以下である。
　第２の部分３２の保温電力値は、第１の部分３１の保温電力値に比べて小さいことを前提として、好ましくは０．２０Ｗ／ｍ^２以上、より好ましくは０．５０Ｗ／ｍ^２以上、そして、好ましくは１．０Ｗ／ｍ^２以下、より好ましくは０．９０Ｗ／ｍ^２以下である。

　股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の熱伝導性＞第２の部分３２の熱伝導性」（第１の部分３１の保温電力値＞第２の部分３２の保温電力値）の関係を成立させる観点から、第１の部分３１は第２の部分３２に比べて厚みが薄いことが好ましい。すなわち、斯かる熱伝導性の大小関係を成立させる手段の１つとして、「第１の部分３１の厚み＜第２の部分３２の厚み」という関係を成立させることが挙げられる。

　第１の部分３１の厚みと第２の部分３２の厚みとの比率は、前者が薄くなることによるメリット（熱伝導性、伝熱速度の向上）とデメリット（第１の部分３１の強度低下等）とを考慮すると、前者＜後者を前提として、前者／後者として、好ましくは０．０１以上、より好ましくは０．０５以上、更に好ましくは０．０９以上、そして、好ましくは０．８０以下、より好ましくは０．５０以下、更に好ましくは０．４６以下である。
　第１の部分３１の厚みは、第２の部分３２の厚みに比べて薄いことを前提として、好ましくは０．０５ｍｍ以上、より好ましくは０．１ｍｍ以上、そして、好ましくは０．５０ｍｍ以下、より好ましくは０．０２ｍｍ以下である。
　第２の部分３２の厚みは、第１の部分３１の厚みに比べて厚いことを前提として、好ましくは０．１ｍｍ以上、より好ましくは０．１５ｍｍ以上、そして、好ましくは２．０ｍｍ以下、より好ましくは１．５ｍｍ以下である。
　ここでいう、外層体３（第１の部分３１、第２の部分３２）の厚みは、吸収性物品から取り出された外層体について下記方法により測定されたものである。

＜厚みの測定方法＞
　測定対象のシート（外層体３）を厚み方向に沿って切断し、その切断面を「マイクロスコープ」（株式会社キーエンス製、ＶＨＸ－１０００）を用いて観察し、その観察画像に基づいて測定対象部位（第１の部分３１、第２の部分３２）の厚みを測定する。前記測定対象部位における任意の１０箇所の厚みを測定し、それら１０箇所の厚みの算術平均値を、当該測定対象部位の厚みとする。

　股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の厚み＜第２の部分３２の厚み」の関係を成立させる方法は特に制限されず、第１の部分３１と第２の部分３２とで、本来的に（前者の厚み方向への圧縮を伴わずに）厚みを異ならせる方法の他に、例えば、厚みが均一な外層体３において第１の部分３１のみをエンボス加工等によって厚み方向に圧縮する方法が挙げられる。斯かる選択的な圧縮方法で得られた外層体３では、圧縮された第１の部分３１は、圧縮されてない第２の部分３２に比べて、厚みが薄く熱伝導性が高い（保温電力値が大きい）が、両者の組成は互いに同じである。

　股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の熱伝導性＞第２の部分３２の熱伝導性」（第１の部分３１の保温電力値＞第２の部分３２の保温電力値）の関係を成立させる手段としては、前述した両部分３１，３２に厚み差を設ける方法の他に、両部分３１，３２で組成に違いを持たせる方法が挙げられる。具体的には、熱伝導性が相対的に高くあるべき第１の部分３１に金属材料の如き熱伝導性の高い材料を含有させる方法が挙げられる。すなわち、前記の熱伝導性の大小関係を成立させる観点から、第１の部分３１は金属材料を含むことが好ましい。
　金属材料としては、例えば、アルミニウム、スズ、クロム、ニッケル、金、銀、銅、ゲルマニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化硅素、フッ化マグネシウム等が挙げられ、これらの１種を単独で又は２種以上を組み合わせて用いることができる。

　第１の部分３１における金属材料の含有量は、該第１の部分３１の全質量に対して、好ましくは０．１質量％以上、より好ましくは０．５質量％以上、更に好ましくは１質量％以上、そして、好ましくは２０質量％以下、より好ましくは１５質量％以下、更に好ましくは１０質量％以下である。
　なお、第２の部分３２は、典型的には、金属材料を実質的に含まないが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、第１の部分３１における金属材料の含有量よりも少量の金属材料を含んでいてもよい。

　第１の部分３１に金属材料を含有させる方法は特に制限されず、例えば、第１の部分３１の構成繊維の形成樹脂に金属材料を練り込む方法、第１の部分３１に金属材料を蒸着する方法、第１の部分３１に金属材料からなる金属シートをラミネートする方法等が挙げられる。すなわち金属材料は、第１の部分３１に散在していてもよく、又は第１の部分３１の肌対向面（吸収体４との対向面）若しくは第１の部分３１が積層構造である場合は該積層構造の内部に金属層として介在配置されていてもよい。

　第１の部分３１は、液不透過性を有し且つ第２の部分３２に比べて通気性が高いことが好ましい。これにより、センサー８が取り付けられるセンサー対応領域１０の通気性が高まるため、センサー８から生じる熱気を速やかに除去することが可能となるので、複数回の排尿検知に対して、検出感度の一層の向上が期待できる。
　ただし、外層体３（第１の部分３１）の通気性を高くすることは、外層体３の密度の低下、構成繊維の繊維間距離の増加につながり、場合によっては、外層体３の主要な機能の１つである防漏性が低下し、外層体３を介して排泄物がおむつ１０２の外部に染み出すことが懸念される。したがって第１の部分３１は、第２の部分３２との対比において通気性が高い場合でも、液不透過性を有していることが好ましい。

　外層体３（第１の部分３１、第２の部分３２）が液不透過性を有しているか否かの判断指標として、下記方法により測定される耐水圧を用いることができる。評価対象のシートの耐水圧が、好ましくは１０００ｍｍＡｑ．以上、より好ましくは１５００ｍｍＡｑ．以上である場合、該シートは液不透過性を有していると評価できる。

＜耐水圧の測定方法＞
　測定対象のシートの耐水圧は、ＪＩＳ　Ｌ１０９２－１９９８の耐水度試験（静水圧法）Ａ法（低水圧法）に準拠して測定する。耐水度試験の際、試験片の上にナイロンメッシュシート（ポアサイズ：１３３μｍ、厚み：１２１μｍ、倉敷紡績株式会社製、ＤＯ－ＭＬ－２０）を重ねて測定を行う。なお、試験片の大きさが規定に満たない場合は、採取できる面積の試験片に水が当たるよう測定面積を縮小した装置を組み、同様の方法で耐水圧を測定することができる。測定対象のシートにつき３枚の試験片を用意してそれぞれ測定を行い、それらの測定値の算術平均値を測定対象のシートの耐水圧とする。

　前記「通気性」の指標として「通気抵抗値」を用いることができる。通気抵抗値が小さいことは、単位時間及び単位面積当たりの空気の通過体積が大きく、通気性が高いことを意味する。逆に通気抵抗値が大きいことは、単位時間及び単位面積当たりの空気の通過体積が小さく、通気性が低いことを意味する。したがって、第１の部分３１の方が第２の部分３２に比べて通気性が高いおむつ１０２では、通気抵抗値について「第１の部分３１＜第２の部分３２」の関係が成立する。

　股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の通気抵抗値＜第２の部分３２の通気抵抗値」の関係が成立することによる作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、第１の部分３１の通気抵抗値と第２の部分３２の通気抵抗値との比率は、前者＜後者を前提として、前者／後者として、好ましくは０．００１以上、より好ましくは０．００５以上、そして、好ましくは０．５以下、より好ましくは０．１以下である。
　第１の部分３１の通気抵抗値は、好ましくは０．００５ｋＰａ・ｓ／ｍ以上、より好ましくは０．０１ｋＰａ・ｓ／ｍ以上、そして、好ましくは５ｋＰａ・ｓ／ｍ以下、より好ましくは３ｋＰａ・ｓ／ｍ以下である。
　第２の部分３２の通気抵抗値は、好ましくは０．００５ｋＰａ・ｓ／ｍ以上、より好ましくは０．０１ｋＰａ・ｓ／ｍ以上、そして、好ましくは５ｋＰａ・ｓ／ｍ以下、より好ましくは３ｋＰａ・ｓ／ｍ以下である。
　ここでいう、外層体３（第１の部分３１、第２の部分３２）の通気抵抗値は、吸収性物品から取り出された外層体について下記方法により測定されたものである。

＜通気抵抗値の測定方法＞
　測定対象のシートの通気抵抗値は、カトーテック製の通気性試験機「ＫＥＳ－Ｆ８－ＡＰ１ＡＩＲＰＥＲＭＥＡＢＩＬＩＴＹＴＥＳＴＥＲ」（商品名）を用いて測定される。具体的には、通気性試験機を用いて常法に従って測定対象のシートにおける任意の１２箇所の通気抵抗値を測定し、その算術平均値を当該シートの通気抵抗値とする。

　通気抵抗値は、外層体３の密度、構成繊維の繊維間距離などを調整することで調整可能である。股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の通気抵抗値＜第２の部分３２の通気抵抗値」の関係を成立させる方法として、第１の部分３１に高通気性の素材（例えば繊維密度が相対的に低い素材）を用いる方法、第２の部分３２に低通気性の素材（例えば繊維密度が相対的に高い素材、樹脂製フィルム）を用いる方法が挙げられ、両方法を併用してもよい。

　本発明において、センサー対応領域１０は前述したとおり、股下部Ｃの外層体３の非肌対向面の一部に吸収体４と平面視で重なるように配されていればよく、その範囲で任意に設定し得る。図２６には、おむつ１０２（おむつ１０２Ａ，１Ｂ）におけるセンサー対応領域１０（第１の部分３１）の配置パターン例が示されている。

　図２６（ａ）において、縦方向Ｘに延びる一対の直線ＶＬ，ＶＬは、おむつ１０２が備える吸収体において横方向Ｙの長さ（幅）が最大の部分の横方向Ｙの両端を通る仮想直線であり、この一対の仮想直線ＶＬ，ＶＬに挟まれた領域（以下、「吸収体幅領域」とも言う。）４２は、該吸収体と平面視で重なる領域と、該吸収体を縦方向Ｘの仮想的に延長した場合の仮想延長領域との双方からなる。
　図２６（ａ）に示す形態では、センサー対応領域１０（第１の部分３１）は、股下部Ｃの吸収体幅領域４２の一部、具体的には縦方向Ｘの中央部に位置し、且つおむつ１０２の縦方向Ｘの中央を通る縦中心線ＣＬｘを跨いでいる。

　図２６（ｂ）に示す形態は、センサー対応領域１０（第１の部分３１）が、股下部Ｃの吸収体幅領域４２の縦方向Ｘの全長にわたって連続的に延在している点以外は、図２６（ａ）に示す形態と同じである。
　図２６（ｃ）に示す形態は、センサー対応領域１０（第１の部分３１）が、股下部Ｃの横方向Ｙの全長にわたって連続的に延在しており、吸収体幅領域４２から横方向Ｙの外方に延出している部分を含む点以外は、図２６（ａ）に示す形態と同じである。

　図２６（ｄ）～図２６（ｆ）に示す形態は、それぞれ、複数の平面視楕円形形状のセンサー対応領域１０（第１の部分３１）が互いに近接配置されて１つのまとまりをもった領域１１１を形成している点以外は、図２６（ａ）～図２６（ｃ）に示す形態と同じである。領域１１１において隣り合うセンサー対応領域１０どうしの間には、センサー対応領域１０を有しない第２の部分３２が存在し得るが、この領域１１１内に存在する第２の部分３２の面積は極めて微小であり、領域１１１の熱伝導性に実質的に影響を与えないものである。図２６（ｄ）～図２６（ｆ）に示す形態では、領域１１１の任意の位置にセンサー８を取り付けることができ、例えば、１個のセンサー８を複数のセンサー対応領域１０を跨ぐように取り付けてもよい。
　図２６（ｄ）に示す形態は、図２６（ａ）の単一のセンサー対応領域１０を領域１１１に置換したものと同じであり、図２６（ａ）に示す形態に対応している。斯かる対応関係は、図２６（ｅ）に示す形態と図２６（ｂ）に示す形態、及び図２６（ｆ）に示す形態と図２６（ｃ）に示す形態にもある。

　センサー対応領域１０（第１の部分３１）の配置パターンは、吸収性物品の種類に応じて適宜選択することができる。具体的には例えば、図２０に示すおむつ１０２Ａの如き展開型吸収性物品（背側部Ｂの縦方向Ｘに沿う両側縁部に設けられたファスニングテープ７と、腹側部Ａの非肌対向面に設けられ、ファスニングテープ７を止着可能な止着部材７８とを備えた吸収性物品）と、図２２に示すおむつ１０２Ｂの如きパンツ型吸収性物品（腹側部Ａ及び背側部Ｂそれぞれの縦方向Ｘに沿う両側縁部どうしが接合されてウエスト開口部ＷＨ及びレッグ開口部ＬＨが形成されている吸収性物品）とで、センサー対応領域１０（第１の部分３１）の配置パターンを異ならせてもよい。

　図２６を参照して、おむつ１０２が展開型吸収性物品である場合、センサー対応領域１０は、(i)股下部Ｃの横方向Ｙの中央に偏在している（股下部Ｃの横方向Ｙの両側部に存在していない）ことが好ましく、(ii)吸収体幅領域４２に偏在していることがより好ましい。図２６（ａ）、図２６（ｂ）、図２６（ｄ）及び図２６（ｅ）に示す形態は、何れも前記(i)及び(ii)の双方を満たす。

　展開型吸収性物品であるおむつ１０２は、前記(i)及び(ii)に加えて更に、図２６（ａ）に示すように、(iii)センサー対応領域１０において、縦中心線ＣＬｘ（おむつ１０２の縦方向Ｘの中央）を境界として、縦中心線ＣＬｘよりも腹側部Ａ寄りに位置している部分を腹側センサー対応領域１０Ａ、縦中心線ＣＬｘよりも背側部Ｂ寄りに位置している部分を背側センサー対応領域１０Ｃとした場合、下記（１）～（３）を全て満たすことが特に好ましい。
（１）腹側センサー対応領域１０Ａの面積＞０
（２）背側センサー対応領域１０Ｃの面積≧０
（３）腹側センサー対応領域１０Ａの面積＞背側センサー対応領域１０Ｃの面積

　前記(iii)の配置パターンでは、センサー対応領域１０は、縦中心線ＣＬｘよりも腹側部Ａ側に必ず存在し（前記（１））、縦中心線ＣＬｘよりも背側部Ｂ側には存在しなくてよく（前記（２））、腹側部Ａ側に偏倚している（前記（３））。
　図２６（ａ）に示す形態では、腹側センサー対応領域１０Ａと背側センサー対応領域１０Ｃとは連結して一体となっているが、両者は連結せずに縦方向Ｘに離間していてもよい。

　図２６を参照して、おむつ１０２がパンツ型吸収性物品である場合、センサー対応領域１０は、(iv)股下部Ｃの縦方向Ｘの中央に偏在している（股下部Ｃの縦方向Ｘの両端部に存在していない）ことが好ましい。図２６（ａ）、図２６（ｃ）、図２６（ｄ）及び図２６（ｆ）に示す形態は、何れも前記(iv)を満たす。パンツ型吸収性物品であるおむつ１０２は、前記(iv)に加えて更に前記(iii)を満たすことがより好ましく、前記(iv)及び(iii)に加えて更に前記(ii)を満たすことが特に好ましい。

　センサー対応領域１０（第１の部分３１）の配置パターンに関し、展開型吸収性物品において好ましいとされるものは、前記(i)の「股下部Ｃの横方向Ｙの中央に偏在している（股下部Ｃの横方向Ｙの両側部に存在していない）」を満たす点で共通し、パンツ型吸収性物品において好ましいとされるものは、前記(iv)の「股下部Ｃの縦方向Ｘの中央に偏在している（股下部Ｃの縦方向Ｘの両端部に存在していない）」を満たす点で共通する。つまり展開型吸収性物品では、センサー対応領域は吸収性物品の横方向中央に偏在していることが好ましく、パンツ型吸収性物品では、センサー対応領域は吸収性物品の縦方向中央に偏在していることが好ましい。このように、展開型吸収性物品とパンツ型吸収性物品とでセンサー対応領域１０を偏在させる方向が相違する理由は、吸収性物品の製造効率、特にセンサー対応領域を配置するための加工のしやすさに起因する。すなわち展開型吸収性物品は、典型的には、吸収性物品の縦方向を製造時の流れ方向（いわゆるＭＤ：Machine Direction）に一致させるので、吸収性物品の製造時におけるセンサー対応領域を配置するための加工は、例えばセンサー対応領域の縦方向長さを変更するといった、ＭＤに沿った縦方向でのパターン変化には比較的対応しやすい反面、横方向でのパターン変化には対応し難い場合がある。そのため、展開型吸収性物品においてセンサー対応領域を偏在させる場合は、センサー対応領域が吸収性物品の横方向中央に偏在するパターンを基本として、その基本パターンの中でセンサー対応領域の縦方向長さを変更するなどすることが好ましい。一方、パンツ型吸収性物品は、典型的には、吸収性物品の横方向をＭＤに一致させるので、前記の観点に従うと、パンツ型吸収性物品においてセンサー対応領域を偏在させる場合は、センサー対応領域が吸収性物品の縦方向中央に偏在するパターンを基本として、その基本パターンの中でセンサー対応領域の横縦方向長さを変更するなどすることが好ましいとなる。

　図２７には、おむつ１０２の変形例における股下部Ｃの厚み方向に沿う横断面が示されている。図２７に示すおむつ１０２は何れも図２６（ａ）に示す形態の変形例であり、したがって、第１の部分３１（センサー対応領域１０）は、股下部Ｃの吸収体幅領域４２の縦方向Ｘの中央部に位置し、且つおむつ１０２の縦方向Ｘの中央を通る縦中心線ＣＬｘを跨いでいる。
　図２７に示すおむつ１０２では、外層体３は、吸収体４に近い順に、第１外層シート３ｆ及び第２外層シート３ｇを備え、二層構造である。両シート３ｆ，３ｇどうしは、典型的には、接着剤、融着等の公知の接合手段によって接合されている。第２外層シート３ｇは、外層体３の非肌対向面を形成するともに、おむつ１０２の外面を形成し、第２外層シート３ｇの非肌対向面にセンサー対応領域１０が設けられる。

　図２７（ａ）に示す形態では、第１外層シート３ｆは透湿フィルム３５からなる。透湿フィルム３５は、厚みも組成も均一である。透湿フィルム３５は単層構造でも積層構造でもよい。透湿フィルム３５としては、透湿性且つ液不透過性の樹脂製フィルムを用いることができ、具体的には例えば、微多孔性フィルムを用いることができる。前記微多孔性フィルムは、例えば、疎水性の熱可塑性樹脂（ポリオレフィン系樹脂等）と、該熱可塑性樹脂と相溶性のない無機充填剤微粒子（炭酸カルシウム等）とを、溶融混練してフィルムを形成し、該フィルム一軸又は二軸延伸して得られる。このように製造される前記微多孔性フィルムにおいては、延伸により熱可塑性樹脂と無機充填剤微粒子との界面を起点として微細孔（ミクロボイド）が多数形成されている。透湿フィルム３５の坪量は、好ましくは１０ｇ／ｍ^２以上、より好ましくは１５ｇ／ｍ^２以上、そして、好ましくは３０ｇ／ｍ^２以下、より好ましくは２５ｇ／ｍ^２以下である。

　図２７（ａ）に示す形態では、第２外層シート３ｇは、第１の部分３１（センサー対応領域１０）と第２の部分３２とで、厚みは同じであるものの、組成が異なっており、その組成の違いに起因して、股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の熱伝導性＞第２の部分３２の熱伝導性」（第１の部分３１の保温電力値＞第２の部分３２の保温電力値）の関係が成立している。具体的には第２外層シート３ｇは、基材不織布３６の一部に金属材料を意図的に含有させたもので、その金属材料を含有する部分が第１の部分３１、金属材料を含有しない（あるいは第１の部分３１に比べて金属材料の含有量が少ない）部分が第２の部分３２である。金属材料については前述したとおりである。

　第２外層シート３ｇを構成する基材不織布３６としては、各種の不織布を用いることができ、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布及びスパンボンド－メルトブローン－スパンボンド（ＳＭＳ）不織布が挙げられ、これらの１種を単独で又は２種以上を組み合わせて用いることができる。第２外層シート３ｇ（基材不織布３６）は単層構造でも積層構造でもよい。外層体３が第２の部分３２にこれらの不織布を含むことで、センサー対応領域１０の熱伝導性が局所的に高まるため、センサー対応領域１０に取り付けられたセンサー８に熱を効果的に伝えることが可能となり、それにより該センサー８の検出感度が向上する。第２外層シート３ｇ（基材不織布３６）の坪量は、第１の部分３１及び第２の部分３２の何れも、好ましくは１０ｇ／ｍ^２以上、より好ましくは１２ｇ／ｍ^２以上、そして、好ましくは３０ｇ／ｍ^２以下、より好ましくは２５ｇ／ｍ^２以下である。

　図２７（ｂ）に示す形態は、第１の部分３１（センサー対応領域１０）と第２の部分３２とで厚みが異なる点以外は、図２７（ａ）に示す形態と同じである。図２７（ｂ）に示す形態では、「第１の部分３１の厚み＜第２の部分３２の厚み」という関係が成立しており、より具体的には、第１の部分３１と第２の部分３２とは、第１外層シート３ｆの厚みは同じであるが、第２外層シート３ｇ（基材不織布３６）の厚みは前者の方が後者に比べて薄い。
　このように図２７（ｂ）に示す形態では、股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の熱伝導性＞第２の部分３２の熱伝導性」（第１の部分３１の保温電力値＞第２の部分３２の保温電力値）の関係を成立させるために、第１の部分３１に金属材料を含有させることに加えて更に、第１の部分３１の厚みを第２の部分３２に比べて薄くしている。このため、図２７（ｂ）に示す形態は、第１の部分３１と第２の部分３２とで厚みに実質的な差が無い図２７（ａ）に示す形態に比べて、第１の部分３１の熱伝導性が高く、センサー８の一層の高感度化が期待できる。第１の部分３１の厚みを第２の部分３２に比べて薄くすることは、例えば、第１の部分３１のみを厚み方向に圧縮する方法によって実施できる。

　図２７（ｃ）に示す形態は、第２外層シート３ｇが、表面に凹凸を有する基材不織布３７からなり、その凹凸が外層体３の非肌対向面（おむつ１０２の外面）に形成されている点で、このような凹凸を実質的に有していない図２７（ｂ）に示す形態と異なる。このように外層体３の非肌対向面に凹凸が形成されていると、凹凸が形成されていない場合に比べて外層体３の厚みを厚くすることができるため、センサー対応領域１０と非センサー対応領域との熱伝導性の差を効果的に生み出すことでき、結果として本発明の所定の効果がより一層確実に奏されるようになる。基材不織布３７は、表面に凹凸を有する点以外は、基本的に前述した基材不織布３６と同じである。基材不織布３７の表面の凹凸を構成する凸部は、内部に繊維が充填された中実構造でもよく、内部に繊維が充填されていない一定の大きさの空間部を有する中空構造でもよい。

　図２７（ｄ）～図２７（ｇ）に示す形態は何れも、第１の部分３１がメルトブローン層３８を含む点で共通する。
　ここで言う「メルトブローン層」とは、いわゆるメルトブローン法により加熱溶融した熱可塑性樹脂を紡糸し、コンベア上で堆積させて不織布化した繊維層（紡糸直結型不織布の層）である。メルトブローン法においては、紡糸口金のノズルから吐出された溶融樹脂を高温気体のジェット流で吹き飛ばし、引きちぎるようにして極細化された綿状の繊維を形成する。そのため、得られるメルトブローン層は、典型的には、繊維径が１０μｍ以下の極細繊維からなる不織布の層である。構成する繊維は、典型的には、繊維長が３０μｍ以上の長繊維からなる。また繊維間隔も小さい。このようなメルトブローン層は、風合い及び防漏性に優れる。
　第１の部分３１がこのような特長を有するメルトブローン層３８を含んで構成されていることで、排泄物の染み出しリスクを低減しつつ、センサー対応領域１０に取り付けられるセンサー８の高感度化を図ることが一層容易になり得る。
　メルトブローン層３８は、メルトブローン層を含むことを前提として、単層構造でもよく、複数の層が積層された積層構造でもよく、後者の場合、メルトブローン層以外の層が積層されていてもよい。メルトブローン層３８の坪量は、第１の部分３１及び第２の部分３２の何れも、好ましくは５ｇ／ｍ^２以上、より好ましくは８ｇ／ｍ^２以上、そして、好ましくは２０ｇ／ｍ^２以下、より好ましくは３０ｇ／ｍ^２以下である。

　メルトブローン層３８の好ましい一例として、下記のメルトブローン不織布ｉが挙げられる。メルトブローン不織布ｉ：平均繊維径が４μｍ以下であるメルトブローン不織布であって、前記メルトブローン不織布の平面に沿い、且つ繊維の直進率が最も高い第１方向及び前記第１方向に直交する第２方向における繊維の直進率がいずれも３５％以上である、メルトブローン不織布。
　メルトブローン不織布ｉは、繊維の直進率が最も高い第１方向及びそれに直交する第２方向のいずれにおいても繊維の直進率が３５％以上であることで、変形しても繊維間に隙間が生じにくく、耐水圧の低下を抑制することができる。
　メルトブローン不織布ｉの詳細は特開２０１９－１１２７５７号公報に記載されており、本発明では、この公報に記載されているメルトブローン不織布ｉに関する技術を適宜採用することができる。

　メルトブローン層３８の好ましい他の一例として、下記のメルトブローン不織布ｉｉが挙げられる。メルトブローン不織布ｉｉ：メルトブローン層とこれに重なる保護層との積層構造を有し、該積層構造は、該保護層に入り込んでいる該メルトブローン層の繊維が２．５本／ｍｍ以上である起毛領域を有する、メルトブローン不織布。
　メルトブローン不織布ｉｉは、前記起毛領域の存在により、繊維量を過度に増やさずとも、メルトブローン層の一部の繊維が起立して、メルトブローン不織布ｉｉの繊維間空間を埋めるように配置される。したがってメルトブローン不織布ｉｉは、厚み方向の貫通孔が塞がれていて、柔らかさを損なわずに、高い防漏性を備える。

　メルトブローン不織布ｉｉにおいて、保護層は、典型的には、メルトブローン層の非肌対向面側に配され、メルトブローン不織布ｉｉをおむつ１０２の外層体３に用いた場合、保護層はメルトブローン層よりも着用者の肌から遠い側に配される。
　メルトブローン不織布ｉｉにおいて、保護層は、メルトブローン層の強度等を補強する層であり、例えば、スパンボンド層からなる。ここで言う「スパンボンド層」とは、いわゆるスパンボンド法により製造した不織布の層であり、メルトブローン層と同様に、加熱溶融した熱可塑性樹脂を紡糸し、コンベア上で堆積させた繊維層である。ただし、スパンボンド法においては、紡糸口（ノズル）から吐出された溶融樹脂に対し、冷却延伸しながら繊維を形成する。得られたスパンボンド層は、メルトブローン層の繊維よりも繊維径が大きく、繊維長が長い繊維（フィラメント）からなる繊維層である。メルトブローン層と保護層であるスパンボンド層との積層構造は、例えば、メルトブローン層にスパンボンド層を積層したのち、熱エンボス加工を施し、両者を一体とする方法によって製造することができる。
　メルトブローン不織布ｉｉは、典型的には、メルトブローン層と保護層とが接合されたエンボス部（熱エンボス加工によって繊維層の構成繊維が圧密化した領域）と、該エンボス部以外の非エンボス部とを有する。メルトブローン不織布ｉｉは、好ましくは、前記非エンボス部において非開孔領域を有し、該非開孔領域は、「メルトブローン不織布ｉｉを平面視したときに、対角線の長さ１０μｍからなる長方形の面積が２５μｍ^２以上となる領域を包含する繊維間空間が厚み方向に貫通する貫通孔」を有さない領域である。
　メルトブローン不織布ｉｉの詳細は特開２０１９－２０９１２１号公報に記載されており、本発明では、この公報に記載されているメルトブローン不織布ｉｉに関する技術を適宜採用することができる。

　図２７（ｄ）に示す形態では、第１外層シート３ｆが透湿フィルム３５からなり、第２外層シート３ｇがメルトブローン層３８からなる。第１外層シート３ｆ（透湿フィルム３５）は、第１の部分３１（センサー対応領域１０）に対応する位置に、該シート３ｆを厚み方向に貫通する貫通孔３３を有し、該貫通孔３３はその全体が、該シート３ｆの非肌対向面側に配された第２外層シート３ｇ（メルトブローン層３８）によって覆われている。したがって図２７（ｄ）に示す形態では、股下部Ｃの外層体３の非肌対向面（おむつ１０２の外面）に貫通孔３３が露出しておらず、外層体３の非肌対向面の目視観察では貫通孔３３は第２外層シート３ｇに隠れて視認できない。
　図２７（ｄ）に示す形態では、第１の部分３１は、貫通孔３３を含むため、これを含まない第２の部分３２に比べて厚みが薄く、これにより前記の「第１の部分３１の熱伝導性＞第２の部分３２の熱伝導性」（第１の部分３１の保温電力値＞第２の部分３２の保温電力値）の関係が成立している。一方で、第１の部分３１の貫通孔３３は、外層体３の非肌対向面を形成し防漏性に優れるメルトブローン層３８で覆われているため、吸収体４に吸収保持された排泄物が第１の部分３１を介して外部に染み出す不都合が効果的に防止される。
　図２７（ｄ）に示す形態では、第１の部分３１（メルトブローン層３８における第１の部分３１に対応する部分）が金属材料を含有していてもよく、その場合は、薄い厚みと金属材料の含有との相互作用により、第１の部分３１の熱伝導性が一層高まり、センサー８の一層の高感度化が期待できる。

　図２７（ｅ）～図２７（ｇ）に示す形態は、図２７（ｄ）に示す形態の変形例であり、図２７（ｄ）に示す形態に適用可能な構成は特に断らない限り、これらの形態にも適用可能である。図２７（ｅ）～図２７（ｇ）に示す形態について特に説明しない構成は、図２７（ｄ）に示す形態についての説明が適宜適用される。

　図２７（ｅ）に示す形態では、第１外層シート３ｆがメルトブローン層３８からなり、第２外層シート３ｇが、非肌対向面に凹凸を実質的に有しない基材不織布３６からなる。第２外層シート３ｇ（基材不織布３６）は、第１の部分３１（センサー対応領域１０）に対応する位置に、該シート３ｇを厚み方向に貫通する貫通孔３３を有している。この第２外層シート３ｇの貫通孔３３は露出しており、外層体３の非肌対向面の目視観察で視認可能である。しかしながら、吸収体４と貫通孔３３との間にはメルトブローン層３８が介在しているので、吸収体４に吸収保持された排泄物が第１の部分３１を介して外部に染み出す懸念が払拭されている。
　図２７（ｆ）に示す形態は、第２外層シート３ｇが、表面に凹凸を有する基材不織布３７からなり、その凹凸が外層体３の非肌対向面（おむつ１０２の外面）に形成されている点で、このような凹凸を実質的に有していない図２７（ｅ）に示す形態と異なる。
　図２７（ｇ）に示す形態は、外層体３が有する積層構造における積層順が図２７（ｆ）に示す形態とは逆であり、第１外層シート３ｆが基材不織布３７からなり、第２外層シート３ｇがメルトブローン層３８からなる。第１外層シート３ｆ（基材不織布３７）は、第１の部分３１（センサー対応領域１０）に対応する位置に、該シート３ｆを厚み方向に貫通する貫通孔３３を有し、該貫通孔３３はその全体が、該シート３ｆの非肌対向面側に配された第２外層シート３ｇ（メルトブローン層３８）によって覆われている。
　図２７（ｅ）～図２７（ｇ）に示す形態によっても、図２７（ｄ）に示す形態と同様の効果が奏される。

　第７実施形態及び第８実施形態のおむつ１０２において、センサー対応領域１０に取り付けられるセンサー８は、温度を検出可能なセンサーを含むものであった。これに代えて、センサー８は、おむつ１０２におけるセンサー８と平面視で重なる部分の湿度を検出可能なもの（湿度センサー）を含むことが可能である。斯かるセンサー８は、湿度以外の情報を検出可能であってもよい。湿度以外の情報として、例えば温度が挙げられる。特に断らない限り、以下では、センサー８が湿度を検出可能なセンサーを含む場合の、第７実施形態及び第８実施形態のおむつ１０２の好ましい構成を説明する。
　センサー８が湿度を検出可能なセンサーを含む形態について特に説明しない構成は、前述のおむつ１０２の説明が適宜適用される。

　センサー対応領域１０に取り付けられるセンサー８の数は特に制限されない。センサー対応領域１０に取り付けられるセンサー８の数が１個の場合、その１個のセンサー８は、少なくともおむつ１０２の湿度を検出可能な湿度センサーである。センサー対応領域１０に取り付けられるセンサー８の数が複数の場合、その複数のセンサー８の少なくとも１つが湿度センサーとして機能し得るものであればよい。例えば、センサー対応領域１０にはセンサー８として、湿度センサーと、温度を検出する温度センサーとを取り付けてもよい。

　センサー８が湿度を検出可能なセンサーを含む場合、センサー８は、湿度を検出するセンサー部（図示せず）と、該センサー部に給電するバッテリ（図示せず）と、これらを内蔵する函体であるハウジング８１とを備えている。センサー８は、おむつ１０２の湿度その他のおむつ１０２に関する情報を所定の周期で検出し、該情報を所定の周期で、センサー８から離れた位置にある通信端末装置（図示せず）に送信する。

　センサー８が湿度を検出可能なセンサーを含む場合、おむつ１０２は、股下部Ｃの外層体３において、非肌対向面にセンサー対応領域１０が設けられた第１の部分３１の方が、非肌対向面にセンサー対応領域１０が設けられていない第２の部分３２に比べて通気性が高いことが好ましい。通気性の指標としては、通気抵抗を用いることができる。通気抵抗が低いことは、単位時間及び単位面積当たりの空気の通過体積が大きいことを意味するため、通気性が高いことを意味する。逆に通気抵抗が高いことは、単位時間及び単位面積当たりの空気の通過体積が小さいことを意味するため、通気性が低いことを意味する。つまり、おむつ１０２においては、第１の部分３１の方が第２の部分３２に比べて通気抵抗が低い。

　外層体３の通気性を高めることは、外層体３に取り付けられておむつ１０２内の湿度を検出するセンサー８の検出感度を向上させる反面、外層体３の通気性を高めるための具体的な手段によっては、排泄物が外層体３を介して外部に染み出す不都合を誘発することが懸念される。これに対し、外層体３において第１の部分３１のみを選択的に第２の部分３２との比較において厚みを薄くする等して通気性の高い部位とすると、外層体３（第１の部分３１）の通気性を高めたことで懸念される不都合（排泄物の外層体３を介しての染み出し等）の発生を防止しつつ、センサー８の高感度化を図ることが可能であり、結果として、センサー８によるおむつ１０２の着用者の排泄の検知を高精度で行うことが可能となる。

　股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の通気性＞第２の部分３２の通気性」の関係、すなわち、前記の「第１の部分３１の通気抵抗＜第２の部分３２の通気抵抗」の関係が成立することによる作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、第１の部分３１の通気抵抗と第２の部分３２の通気抵抗値との比率や、それら通気抵抗値の範囲は上述した範囲内とすることが好ましい。

　通気性は、外層体３の密度、構成繊維の繊維間距離などを調整することで調整可能である。股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の通気性＞第２の部分３２の通気性」の関係を成立させる方法として、第１の部分３１に高通気性の素材（例えば繊維密度が相対的に低い素材）を用いる方法、第２の部分３２に低通気性の素材（例えば繊維密度が相対的に高い素材、樹脂製フィルム）を用いる方法が挙げられ、両方法を併用してもよい。

　また、第１の部分３１を、前述した伸縮シートにより構成することにより、第１の部分３１の通気性を高めることもできる。第１の部分３１を伸縮シートにより構成することにより、吸収体４が尿等の排泄物を吸収して該吸収体４が膨張したときに、膨張した該吸収体４により該伸縮シートが非肌対向面側に押され、該伸縮シートが伸長して該伸縮シートの繊維間距離が大きくなり、通気性が高まる。このように、着用者が排尿したときに、第１の部分３１の通気性が高まるので、センサー８の高感度化を図ることが一層容易になり得る。

　外層体３の第１の部分３１は、液不透過性又は液難透過性である。第１の部分３１が液不透過性又は液難透過性であることにより、第１の部分３１の通気性を高めたことで懸念される不都合の発生を効果的に防止することができる。なお、本発明においては、少なくとも第１の部分が液不透過性又は液難透過性を有していればよく、第２の部分は液不透過性又は液難透過性を有していてもよいし、有していなくてもよい。排泄物の外層体３を介しての染み出し等の発生を一層効果的に防止する観点から、第２の部分も液不透過性又は液難透過性を有していることが好ましい。

　外層体３（第１の部分３１、第２の部分３２）が液不透過性又は液難透過性を有しているか否かの判断指標として、前述した耐水圧を用いることができる。評価対象のシートの耐水圧が、好ましくは１０００ｍｍＡｑ．以上、より好ましくは１５００ｍｍＡｑ．以上である場合、該シートは液不透過性又は液難透過性を有していると評価できる。耐水圧は前述した方法により測定できる。

　股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の通気性＞第２の部分３２の通気性」の関係を成立させる観点から、第１の部分３１及び第２の部分３２が繊維シートからなり、第１の部分３１は第２の部分３２に比べて繊維の存在密度（以下、「繊維密度」とも言う。）が低いことが好ましい。すなわち、斯かる通気性の大小関係を成立させる手段の１つとして、「第１の部分３１の繊維密度＜第２の部分３２の繊維密度」という関係を成立させることが挙げられる。

　第１の部分３１の厚みと第２の部分３２の厚みとの比率は、前者が薄くなることによるメリット（通気性の向上）とデメリット（第１の部分３１の強度低下等）とを考慮すると、前者＜後者を前提として、前者／後者として、好ましくは０．０１以上、より好ましくは０．０５以上、そして、好ましくは０．８０以下、より好ましくは０．５０以下である。
　第１の部分３１の繊維密度は、好ましくは０．０１ｇ／ｃｍ^３以上、より好ましくは０．０３ｇ／ｃｍ^３以上、そして、好ましくは０．３０ｇ／ｃｍ^３以下、より好ましくは０．２０ｇ／ｃｍ^３以下である。
　第２の部分３２の繊維密度は、好ましくは０．０１ｇ／ｃｍ^３以上、より好ましくは０．０３ｇ／ｃｍ^３以上、そして、好ましくは０．３０ｇ／ｃｍ^３以下、より好ましくは０．２０ｇ／ｃｍ^３以下である。
　ここでいう、外層体３（第１の部分３１、第２の部分３２）の繊維密度は、吸収性物品から取り出された外層体について下記方法により測定されたものである。

＜繊維密度の測定に供する測定片の調製方法＞
　繊維密度の測定に供する測定片は次の手順で調製する。すなわち、２２℃６５％ＲＨ環境下にて、鋭利なカミソリで、測定するシートを機械流れ方向（Ｍａｃｈｉｎｅ　Ｄｉｒｅｃｔｉｏｎ）に１ｃｍ、該シートの機械横断方向（Ｃｒｏｓｓ　Ｄｉｒｅｃｔｉｏｎ）に１ｃｍの大きさの測定片を切り出す。そして、１枚のシートにつき２箇所から測定片を切り出す。この操作を５枚のシートについて行う。このようにして得られた１０個の測定片について、以下の方法により繊維密度を測定する。
＜繊維密度の測定方法＞
　繊維密度は次の方法で測定される。まず、上述の＜繊維密度の測定に供する測定片の調製方法＞によって得られた各測定片の厚みを「マイクロスコープ」（株式会社キーエンス製、ＶＨＸ－１０００）を用いて測定する。次に、各測定片の目付を測定し、目付／厚みの値を算出する。各測定片における目付／厚みの値の平均値を繊維密度とする。
　測定片が多層構造である場合、該測定片の目付は以下のようにして測定する。測定片が多層構造であり且つ層が明確に識別可能な場合には、コールドスプレー等を用いて層の境界で第１繊維層第１面と第１繊維層第２面とを慎重に分離するか、又は、刃物で境界を切断する。そして、各層それぞれの質量を測定後、分離した各層それぞれの面積を測定し、それらの商から各層それぞれの目付を算出する。そして、各層の目付の平均値を、測定片の目付とする。測定片が多層構造であるが、各層の境界に、視覚的に明確な違いを見出せない場合には、層を分離せずに該測定片の質量を測定し、その面積を測定後、それらの商から該測定片の目付を算出する。

　股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の繊維密度＞第２の部分３２の繊維密度」の関係を成立させる方法は特に制限されず、第１の部分３１と第２の部分３２とで、本来的に（前者の厚み方向への圧縮を伴わずに）繊維密度を異ならせる方法の他に、例えば、厚みが均一な外層体３において第２の部分３２のみをエンボス加工等によって厚み方向に圧縮する方法が挙げられる。斯かる選択的な圧縮方法で得られた外層体３では、圧縮されてない第１の部分３１は、圧縮された第２の部分３２に比べて、繊維密度が低く通気性が高いが、両者の組成は互いに同じである。

　前述したように、第１の部分３１は、第２の部分３２に比べて熱伝導性が高いことが好ましい。この関係が成立することにより、センサー８が取り付けられるセンサー対応領域１０の熱伝導性が高まり、外層体３において肌対向面側から非肌対向面側へ熱を逃がしやすくなるので、ムレを低減させることができる。更に、センサー８が湿度とともに温度を検出可能なものである場合には、その温度の検出感度を向上させることも期待できる。
　第１の部分３１が、第２の部分３２に比べて熱伝導性が高い場合、第１の部分３１と第２の部分３２との保温電力値の比率や、これら保温電力値は、前述した範囲内であることが好ましい。保温電力値は、前述した測定方法により測定できる。

　図２８には、おむつ１０２の変形例における股下部Ｃの厚み方向に沿う横断面であって、図２７相当図が示されている。図２８においては、図２７と同じ構成に同じ符号を付し、特に説明しない構成については図２７の説明が適宜適用される。
　図２８（ａ）に示す形態では、第２外層シート３ｇは、第１の部分３１（センサー対応領域１０）に対応する位置に、該シート３ｇを厚み方向に貫通する貫通孔３３を有している。この第２外層シート３ｇの貫通孔３３は露出しており、外層体３の非肌対向面の目視観察で視認可能である。しかしながら、吸収体４と貫通孔３３との間には第１外層シート３ｆが介在しているので、吸収体４に吸収保持された排泄物が第１の部分３１を介して外部に染み出す懸念が払拭されている。
　第２外層シート３ｇにおける第１の部分３１と第２の部分３２とは、該部分を構成する不織布が同じであってもよいし、異なっていてもよい。

　図２８（ｂ）に示す形態では、第２外層シート３ｇが貫通孔を有していない点以外は、図２８（ａ）に示す形態と同じである。図２８（ｂ）に示す形態では、第１の部分３１にも基材不織布３６が存在している。図２８（ｂ）に示す形態では、第１の部分３１と第２の部分３２とで繊維密度が異なっており、繊維密度の違いに起因して、股下部Ｃの外層体３において前記の「第１の部分３１の通気性＞第２の部分３２の通気性」の関係が成立している。具体的には、第１の部分３１の繊維密度が、第２の部分３２の繊維密度よりも低くなっている。

　図２８（ｃ）に示す形態は、第２外層シート３ｇが、表面に凹凸を有する基材不織布３７からなり、その凹凸が外層体３の非肌対向面（おむつ１０２の外面）に形成されている点で、このような凹凸を実質的に有していない図２８（ｂ）に示す形態と異なる。このように外層体３の非肌対向面に凹凸が形成されていることのメリットとして、凹凸により不織布に厚みをもたせることができることが挙げられる。これにより、センサー対応領域１０とセンサー対応領域１０以外の領域との熱伝導性の差を効果的に生み出すことができる。

　図２８（ｄ）～図２８（ｇ）に示す形態はいずれも、第１の部分３１がメルトブローン層３８を含む点で共通する。
　図２８（ｄ）に示す形態では、第１の部分３１は、貫通孔３３を含むため、これを含まない第２の部分３２に比べて厚みが薄く、これにより前記の「第１の部分３１の通気性＞第２の部分３２の通気性」の関係が成立している。一方で、第１の部分３１の貫通孔３３は、外層体３の非肌対向面を形成し防漏性に優れるメルトブローン層３８で覆われているため、吸収体４に吸収保持された排泄物が第１の部分３１を介して外部に染み出す不都合が効果的に防止される。

　以上、本発明の第７実施形態及び第８実施形態は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
　例えば、パンツ型使い捨ておむつ１０２Ｂでは、外包材３０は図２４に示すように、腹側部Ａ、股下部Ｃ及び背側部Ｂにわたる砂時計状等の連続した形状があるが、これに代えて外包材３０は、着用者の腹側に配される腹側外包材と、着用者の股下に配される股下外包材と、着用者の背側に配される背側外包材とを備え、各外包材どうしがその縦方向Ｘの端部で接合された構成でもよい。前記の各外包材は、構成が互いに同じでも異なっていてもよい。あるいは外包材３０は、前記腹側外包材及び前記背側外包材を有するが、前記股下外包材は有さず、物品本体５０が両外包材に架け渡して固定されていてもよい。
　前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。

　また、第１実施形態～第８実施形態の吸収性物品には、人体から排出される体液（尿、軟便、経血、汗等）の吸収に用いられる物品が広く包含され、前述した使い捨ておむつの他に例えば、生理用ナプキン、生理用ショーツ、失禁パッド等が包含される。
　さらに本発明の吸収性物品又は使い捨ておむつは、第１実施形態～第８実施形態の各構成を、単独で採用してもよく、組み合わせて採用してもよい。例えば、本発明の使い捨ておむつは、非肌対向面に印３００が付された外側シート１８と、該印３００と重なる部分に高通液部４３を有する吸収体４とを備えるとともに、該外側シート１８を構成する第１不織布１２と第２不織布１３とが重なる重複領域１４の一部にセンサーポケット１５が形成されており、該センサーポケット１５がセンサー８を取り付け可能なセンサー対応領域１０であり、外側シート１８を具備する外層体３の非肌対向面において、該センサー対応領域１０が設けられた第１の部分３１が、該センサー対応領域１０が設けられていない第２の部分３２に比して、熱伝導性又は通気性が高くてもよい。
　第２実施形態～第６実施形態の「外側シート１８」は、表面シート２１、吸収体４及び防漏シート２３を具備する吸収性本体５よりも、非肌対向面側に配された複数枚のシートの積層体からなる部材であり、第７実施形態及び第８実施形態の「外層体３」は、吸収体４よりも非肌対向面側に配された部材である。外側シート１８は、外層体３の構成部材に含まれる。

　上述した本発明の実施形態に関し、さらに以下の吸収性物品又は変化検出方法を開示する。

＜１＞
　液保持性の吸収体を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する、吸収性物品であって、
　前記吸収性物品の非肌対向面に、印が付されており、
　前記吸収体は、前記印と重なる部分に、該部分の前記横方向両側に位置する部分よりも通液性が高い高通液部を有している、吸収性物品。

＜２＞
　前記印は、着用者の排尿を検出する排尿センサーの取り付け位置を示している、前記＜１＞に記載の吸収性物品。
＜３＞
　前記吸収体は、前記高通液部よりも通液性が低い一対の低通液部を有しており、
　前記高通液部は、前記横方向における該一対の低通液部間に位置している、前記＜１＞又は＜２＞に記載の吸収性物品。
＜４＞
　着用者の股間部に配される股下部、並びに該股下部の前後に延在する腹側部及び背側部を有し、
　前記印は、
　前記股下部における前記横方向の中央に位置しており、
　前記吸収性物品の前記縦方向全長を二等分する横方向に延びる縦中心線を境にして、着用時に着用者の腹側に配される前身頃と着用者の背側に配される後身頃とに区分したとき、前記前身頃に位置している、前記＜１＞～＜３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜５＞
　前記吸収体は、吸収性コアを含んでおり、
　前記高通液部は、前記吸収性コアの形成材料が存在しない空間を該吸収性コアの厚み方向全域又は一部に有している、前記＜１＞～＜４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜６＞
　前記高通液部は、前記吸収性コアの形成材料が存在しない貫通孔となっている、前記＜５＞に記載の吸収性物品。
＜７＞
　前記高通液部は、前記吸収性コアの形成材料が存在する低坪量部となっており、該形成材料が存在しない空間の厚みＤ１が、前記吸収性コアの厚みＤに対して５％以上、好ましくは１０％以上であり、また８０％以下、好ましくは７０％以下であり、また５％以上８０％以下、好ましくは１０％以上７０％以下である、前記＜５＞に記載の吸収性物品。
＜８＞
　前記吸収体は、前記高通液部よりも通液性が低い低通液部を有しており、
　前記高通液部は、前記吸収性コアの形成材料が存在する低坪量部となっており、該前記高通液部の坪量が、前記低通液部の坪量に対して５％以上、好ましくは１０％以上であり、また８０％以下、好ましくは７０％以下であり、また５％以上８０％以下、好ましくは１０％以上７０％以下である、前記＜５＞又は＜６＞に記載の吸収性物品。
＜９＞
　前記高通液部における前記吸収性コアの形成材料の坪量は０ｇ／ｍ^２超、好ましくは１０ｇ／ｍ^２以上であり、また３５０ｇ／ｍ^２以下、好ましくは２５０ｇ／ｍ^２以下であり、また０ｇ／ｍ^２超３５０ｇ／ｍ^２以下、好ましくは１０ｇ／ｍ^２以上２５０ｇ／ｍ^２以下である、前記＜８＞に記載の吸収性物品。
＜１０＞
　前記吸収性コアの形成材料が存在しない空間に、非吸水性材料からなる空間保持材が配されている、前記＜５＞～＜９＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜１１＞
　前記空間保持材が、非吸水性材料からなるものであり、
　前記非吸水性材料が、疎水性繊維を含む繊維塊又は嵩高不織布である、前記＜１０＞に記載の吸収性物品。
＜１２＞
　前記嵩高不織布の見かけ密度が、０．０１ｇ／ｃｍ^３以上、好ましくは０．０２ｇ／ｃｍ^３以上であり、また０．３０ｇ／ｃｍ^３以下、好ましくは０．２０ｇ／ｃｍ^３以下であり、また０．０１ｇ／ｃｍ^３以上０．３０ｇ／ｃｍ^３以下、好ましくは０．０２ｇ／ｃｍ^３以上０．２０ｇ／ｃｍ^３以下である、前記＜１１＞に記載の吸収性物品。
＜１３＞
　前記繊維塊の見かけ密度が、０．０１ｇ／ｃｍ^３以上、好ましくは０．０２ｇ／ｃｍ^３以上であり、また０．３０ｇ／ｃｍ^３以下、好ましくは０．２０ｇ／ｃｍ^３以下であり、また０．０１ｇ／ｃｍ^３以上０．３０ｇ／ｃｍ^３以下、好ましくは０．０２ｇ／ｃｍ^３以上０．２０ｇ／ｃｍ^３以下である、前記＜１１＞に記載の吸収性物品。
＜１４＞
　前記高通液部の液透過空間において、前記空間保持材が占める空間の割合は、５％以上、好ましくは１０％以上であり、また１００％以下、好ましくは９５％以下であり、また５％以上１００％以下、好ましくは１０％以上９５％以下である、前記＜１０＞～＜１３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜１５＞
　前記高通液部に、吸水性ポリマーが存在しない、前記＜１＞～＜１４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜１６＞
　前記吸収体は、吸収性コアを含んでおり、
　前記吸収性コアの形成材料の坪量が前記横方向の両側の部位に比して低く、且つ前記横方向における幅が前記高通液部に比して狭い細長高通液部を有しており、
　前記細長高通液部が前記高通液部と前記縦方向に連続している、前記＜１＞～＜１５＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜１７＞
　前記高通液部が、前記吸収性コアの形成材料が存在する低坪量部であり、
　前記細長高通液部が、前記形成材料の坪量が前記高通液部よりも低いものである、前記＜１６＞に記載の吸収性物品。
＜１８＞
　前記細長高通液部が、前記吸収性コアの形成材料が存在しない貫通溝（スリット）である、前記＜１６＞又は＜１７＞に記載の吸収性物品。
＜１９＞
　前記高通液部及び前記細長高通液部それぞれが、前記吸収性コアの形成材料が存在する低坪量部であり、
　前記細長高通液部における前記吸収性コアの形成材料の坪量が、前記高通液部における前記吸収性コアの形成材料の坪量に対して８０％以下、好ましくは７０％以下であり、また０％以上、好ましくは１０％以上であり、また０％以上８０％以下、好ましくは１０％以上７０％以下である、前記＜１６＞又は＜１７＞に記載の吸収性物品。
＜２０＞
　前記細長高通液部における前記吸収性コアの形成材料の坪量が、０ｇ／ｍ^２以上、好ましくは１０ｇ／ｍ^２以上であり、また３００ｇ／ｍ^２以下、好ましくは２００ｇ／ｍ^２以下であり、また０ｇ／ｍ^２以上３００ｇ／ｍ^２以下、好ましくは１０ｇ／ｍ^２以上２００ｇ／ｍ^２以下である、前記＜１６＞、＜１７＞及び＜１９＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２１＞
　前記高通液部及び前記細長高通液部の前記縦方向の合計長さＬ３は、前記吸収性コアの前記縦方向全長Ｌ５に対して（Ｌ３／Ｌ５）、１％以上、好ましくは５％以上であり、また９５％以下、好ましくは９０％以下であり、また１％以上９５％以下、好ましくは５％以上９０％以下である、前記＜１６＞～＜２０＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜２２＞
　前記細長高通液部の幅Ｗ３は、前記高通液部の前記横方向の最大長さＷ１に対して（Ｗ３／Ｗ１）、２％以上、好ましくは５％以上であり、また７５％以下、好ましくは５０％以下であり、また２％以上７５％以下、好ましくは５％以上５０％以下である、前記＜１６＞～＜２１＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２３＞
　着用者の股間部に配される股下部、並びに該股下部の前後に延在する腹側部及び背側部を有し、
　前記吸収体は、前記高通液部の前記縦方向の前後に前記細長高通液部を有しており、
　前記高通液部を境に前記背側部側に位置する前記細長高通液部は、前記高通液部を境に前記腹側部側に位置する前記細長高通液部よりも、前記縦方向の長さが長い、前記＜１６＞～＜２２＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２４＞
　前記印は、排尿前の前記吸収性物品の外面において視認可能に表示されている、前記＜１＞～＜２３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２５＞
　前記印は、排尿前後の前記吸収性物品の外面において色の変化が生じない表示である、前記＜２４＞に記載の吸収性物品。
＜２６＞
　前記印が、文字、図形、記号、又はこれらの組み合わせの形状である、前記＜１＞～＜２５＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜２７＞
　前記文字が、ひらがな、カタカナ、英字の大文字、小文字、アラビア数字、ローマ数字、諸外国の文字、又はこれらの組み合わせである、前記＜２６＞に記載の吸収性物品。
＜２８＞
　前記文字が、デフォルメされた文字を含む、前記＜２６＞又は＜２７＞に記載の吸収性物品。
＜２９＞
　前記図形が、円形、三角形、四角形、及び多角形の何れか１種又は２種以上からなる幾何学形状を含む、前記＜２６＞～＜２８＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３０＞
　前記多角形が、角が丸い若しくは角が丸くない多角形又は正多角形である、前記＜２９＞に記載の吸収性物品。
＜３１＞
　前記印が、動物、乗り物、食べ物、植物、動物、文字、音符、星、虹、雲、及び楽器の何れか１種又は２種以上からなる図柄を含む、前記＜１＞～＜２５＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３２＞
　前記印が、複数の図柄の組み合わせである、前記＜３１＞に記載の吸収性物品。

＜３３＞
　前記印が、直線及び曲線の何れか一方又は双方を含む、前記＜１＞～＜３２＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３４＞
　前記印は、着用者の排尿を検出する排尿センサーの取り付け位置を示しており、
　前記排尿センサーは、前記吸収性物品の外面と接触させる側とは反対側にセンサー外面部を有し、
　前記吸収性物品の前記印の位置に前記排尿センサーを取り付けた状態において、該印と前記センサー外面部とが一体となって、所定の図柄を構成するように配置される、前記＜１＞～＜３３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３５＞
　前記印は、着用者の排尿を検出する排尿センサーの取り付け位置を示しており、該印の形状が前記排尿センサーの平面視形状と相似形である、前記＜１＞～＜３４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３６＞
　前記吸収体は、吸収性コアを含んでおり、
　前記高通液部の面積は、前記吸収性コアの面積に対して０．０５％以上、好ましくは０．１％以上であり、また１０％以下、好ましくは７％以下であり、また０．０５％以上１０％以下、好ましくは０．１％以上７％以下である、前記＜１＞～＜３５＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３７＞
　前記吸収体は、吸収性コアを含んでおり、
　前記高通液部の前記縦方向の最大長さＬ１は、前記吸収性コアの前記縦方向全長Ｌ５に対して（Ｌ１／Ｌ５）、１．５％以上、好ましくは３％以上であり、また２０％以下、好ましくは１０％以下であり、また１．５％以上２０％以下、好ましくは３％以上１０％以下である、前記＜１＞～＜３６＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３８＞
　前記吸収体は、吸収性コアを含んでおり、
　前記高通液部の前記横方向の最大長さＷ１は、前記吸収性コアの前記横方向の最大長さＷ５に対して（Ｗ１／Ｗ５）、３％以上、好ましくは５％以上であり、好ましくは４０％以下、好ましくは３０％以下であり、また３％以上４０％以下、好ましくは５％以上３０％以下である、前記＜１＞～＜３７＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜３９＞
　前記高通液部の前記縦方向の最大長さＬ１は、１５ｍｍ以上、好ましくは２０ｍｍ以上であり、また５０ｍｍ以下、好ましくは４０ｍｍ以下であり、また１５ｍｍ以上５０ｍｍ以下、好ましくは２０ｍｍ以上４０ｍｍ以下である、前記＜１＞～＜３８＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜４０＞
　前記高通液部の前記横方向の最大長さＷ１は、１５ｍｍ以上、好ましくは２０ｍｍ以上であり、また５０ｍｍ以下、好ましくは４０ｍｍ以下であり、また１５ｍｍ以上５０ｍｍ以下、好ましくは２０ｍｍ以上４０ｍｍ以下である、前記＜１＞～＜３９＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜４１＞
　前記吸収性物品が使い捨ておむつである、前記＜１＞～＜４０＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜Ａ１＞
　肌対向面側に位置する表面シート、及び非肌対向面側に位置する外側シートを備え、該表面シートと該外側シートとの間に前記吸収体が配されており、
　前記外側シートは、吸収性物品の最外面の構成材として、第１不織布と、第１不織布の非肌対向面側に一部又は全部を重ねた状態で配された第２不織布とを有し、
　第１不織布と第２不織布とが重なる重複領域の一部に、第１不織布と第２不織布との間が接合されておらず、吸収性物品に生じる変化を検出するためのセンサーを内部に配置可能なセンサーポケットが形成されており、
　前記重複領域は、前記センサーポケットの周囲の三方向に、第１不織布と第２不織布とが接合された固定領域を有し、残りの一方向に、前記センサーの挿入口が形成されており、
　前記重複領域における前記センサーポケットが形成された領域の少なくとも一部において、第１不織布と第２不織布との伸縮性が相互に異なっている、前記＜１＞～＜４１＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜Ａ２＞
　肌対向面側に位置する表面シート、非肌対向面側に位置する外側シート、及び該表面シートと該外側シートとの間に配された吸収体を備える吸収性物品であって、
　前記外側シートは、吸収性物品の最外面の構成材として、第１不織布と、第１不織布の非肌対向面側に一部又は全部を重ねた状態で配された第２不織布とを有し、
　第１不織布と第２不織布とが重なる重複領域の一部に、第１不織布と第２不織布との間が接合されておらず、吸収性物品に生じる変化を検出するためのセンサーを内部に配置可能なセンサーポケットが形成されており、
　前記重複領域は、前記センサーポケットの周囲の三方向に、第１不織布と第２不織布とが接合された固定領域を有し、残りの一方向に、前記センサーの挿入口が形成されており、
　前記重複領域における前記センサーポケットが形成された領域の少なくとも一部において、第１不織布と第２不織布との伸縮性が相互に異なっている、吸収性物品。

＜Ａ３＞
　前記センサーポケットは、前記センサーの全体を内部に配置可能な大きさを有している、前記＜Ａ１＞又は＜Ａ２＞に記載の吸収性物品。
＜Ａ４＞
　前記重複領域における第１不織布及び第２不織布の少なくとも一方は、前記センサーの大きさ以上の面積において伸縮性を有している、前記＜Ａ１＞～＜Ａ３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ５＞
　前記重複領域における、前記センサーポケットが形成された領域の全域において、第２不織布の伸縮性が第１不織布よりも高くなっている、前記＜Ａ１＞～＜Ａ４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ６＞
　前記挿入口は、前記センサーが該挿入口を通じて前記センサーポケットに挿入される方向と直交する方向に延びて開口しており、
　前記重複領域における第１不織布及び第２不織布の少なくとも一方は、前記挿入口の延在方向に伸縮性を有している、前記＜Ａ１＞～＜Ａ５＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ７＞
　第１不織布及び第２不織布の少なくとも一方が伸縮性不織布であり、
　該伸縮性不織布が、互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、伸長可能な繊維層に一体化されたものである、前記＜Ａ１＞～＜Ａ６＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ８＞
　第１不織布は非伸縮性不織布であり、第２不織布は伸縮性不織布である、前記＜Ａ７＞に記載の吸収性物品。
＜Ａ９＞
　着用時における着用者の前側から後側に向かう方向である縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、
　非伸縮性不織布の前記横方向の最大伸度は、５０％未満である、前記＜Ａ８＞に記載の吸収性物品。
＜Ａ１０＞
　前記重複領域における第１不織布及び第２不織布の少なくとも一方は、前記センサーポケットにおける前記挿入口側の部位に、前記センサーの長さ以上の長さの弾性部材を備えている、前記＜Ａ１＞～＜Ａ９＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ１１＞
　前記弾性部材は、前記センサーの挿入口が形成される前記重複領域の縁部に沿う長さが、前記センサーポケット内に配される前記センサーの同方向の長さに対して、好ましくは１００％超であり、より好ましくは１０５％以上であり、更に好ましくは１１０％以上である、前記＜Ａ１０＞に記載の吸収性物品。

＜Ａ１２＞
　前記弾性部材は、前記センサーの挿入口が形成される前記重複領域の縁部に沿う長さが、該センサーの挿入口の同方向の長さの、好ましくは１００％以上、より好ましくは１０５％以上であり、また好ましくは１５０％以下、より好ましくは１４０％以下である、前記＜Ａ１０＞又は＜Ａ１１＞に記載の吸収性物品。
＜Ａ１３＞
　前記弾性部材は、第２不織布に配されている、前記＜Ａ１０＞～＜Ａ１２＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ１４＞
　着用時に着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及び前記腹側部と前記背側部との間に位置する股下部とを有しており、
　前記センサーポケットにおける前記センサーの挿入口が、前記重複領域における前記腹側部側に形成されている、前記＜Ａ１＞～＜Ａ１３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ１５＞
　着用時に着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及び前記腹側部と前記背側部との間に位置する股下部とを有しており、
　前記重複領域の平面視において、前記三方向は、前記センサーポケットの中央部から見て、左右二方向及び前記背側部方向であり、前記残りの一方向は、該センサーポケットの中央部から見て、前記腹側部方向である、前記＜Ａ１４＞に記載の吸収性物品。
＜Ａ１６＞
　着用時に着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及び前記腹側部と前記背側部との間に位置する股下部とを有しており、
　第１不織布は、前記腹側部に配された部分と前記股下部に配された部分とを有する一方、前記背側部に配された部分を有しておらず、
　第２不織布は、前記背側部に配された部分と前記股下部に配された部分とを有する一方、前記腹側部に配された部分を有していない、前記＜Ａ１４＞又は＜Ａ１５＞に記載の吸収性物品。
＜Ａ１７＞
　着用時に着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及び前記腹側部と前記背側部との間に位置する股下部とを有しており、
　前記センサーポケットにおける前記センサーの挿入部が、前記重複領域における前記背側部側に形成されている、前記＜Ａ１＞～＜Ａ１３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ１８＞
　着用時に着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及び前記腹側部と前記背側部との間に位置する股下部とを有しており、
　前記重複領域の平面視において、前記三方向は、前記センサーポケットの中央部から見て、左右二方向及び前記腹側部方向であり、前記残りの一方向は、該センサーポケットの中央部から見て、前記背側部方向である、前記＜Ａ１７＞に記載の吸収性物品。
＜Ａ１９＞
　着用時における着用者の前側から後側に向かう方向である縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、
　第１不織布は、前記横方向の一方の側に配された部分を有する一方、他方の側に配された部分を有しておらず、
　第２不織布は、前記横方向の他方の側に配された部分を有する一方、一方の側に配された部分を有しておらず、
　第２不織布の前記横方向中央側の端部領域が、第１不織布の前記横方向中央側の端部領域の非肌対向面側と重なっており、この該第１不織布と該第２不織布との重なり部分が前記重複領域となっている、前記＜Ａ１＞～＜Ａ１３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ２０＞
　前記重複領域における前記三方向の固定領域は、少なくとも前記センサーポケットを挟んでその両側に位置する固定領域が、該重複領域の端部以外にも延在しており、前記重複領域の平面視において、前記センサーポケットの面積が該重複領域の面積の半分以下である、前記＜Ａ１＞～＜Ａ１９＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ２１＞
　前記重複領域の平面視において、前記センサーポケットの面積が該重複領域の面積の５０％以下であることが好ましく、４０％以下であることがより好ましく、また５％以上であることが好ましく、１０％以上であることがより好ましい、前記＜Ａ１＞～＜Ａ２０＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜Ａ２２＞
　前記センサーポケットは、その最大深さが、好ましくは４０ｍｍ以上、より好ましくは４５ｍｍ以上であり、また好ましくは１００ｍｍ以下、より好ましくは８０ｍｍ以下である、前記＜Ａ１＞～＜Ａ２１＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ２３＞
　着用時に着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及び前記腹側部と前記背側部との間に位置する股下部とを有しており、
　着用時における着用者の前側から後側に向かう方向である縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、
　前記センサーは、前記股下部における、前記吸収性物品内部に前記吸収体が存する部位に取り付けることが好ましく、また該股下部における前記横方向の中央領域に取り付けることが好ましい、前記＜Ａ１＞～＜Ａ２２＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ２４＞
　前記センサーポケットが、前記吸収体と重なる部位に形成されている、前記＜Ａ１＞～＜Ａ２３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ２５＞
　前記吸収性物品は、色の変化により排尿を知らせるインジケータを備えており、該インジケータは、着用者の前後方向に対応する該吸収性物品の縦方向に延びており、前記センサーポケットが、該インジケータと重なる部位に形成されている、前記＜Ａ１＞～＜Ａ２４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ２６＞
　前記センサーポケットの内部に、前記センサーを固定するセンサー固定材料が配されている、前記＜Ａ１＞～＜Ａ２５＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ２７＞
　前記重複領域における第２不織布に、前記センサーポケットの位置を示す表示が設けられている、前記＜Ａ１＞～＜Ａ２６＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ａ２８＞
　前記＜Ａ１＞～＜Ａ２７＞の何れか１に記載の吸収性物品の前記センサーポケットに前記センサーを配置し、該センサーを用いて、着用者の排泄に伴い前記吸収性物品に生じる変化を検出する、吸収性物品の変化検出方法。

＜Ｂ１＞
　着用者の股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とを有し、
　少なくとも前記股下部に、前記吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された外層体を備えており、
　前記股下部の外面を形成する前記外層体の非肌対向面の一部に、センサーの取り付けが可能なセンサー対応領域が、前記吸収体と平面視で重なる領域を含むように設けられており、該センサーは、該吸収性物品における該センサーと平面視で重なる部分の温度を検出可能なものを含み、
　前記股下部の前記外層体では、非肌対向面に前記センサー対応領域が設けられた第１の部分の方が、非肌対向面に該センサー対応領域が設けられていない第２の部分に比べて、熱伝導性が高い、前記＜１＞～＜４１＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜Ｂ２＞
　着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、少なくとも該股下部に、体液を吸収保持する吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された外層体とを備えた吸収性物品であって、
　前記股下部の外面を形成する前記外層体の非肌対向面の一部に、センサーの取り付けが可能なセンサー対応領域が、前記吸収体と平面視で重なる領域を含むように設けられており、該センサーは、該吸収性物品における該センサーと平面視で重なる部分の温度を検出可能なものを含み、
　前記股下部の前記外層体では、非肌対向面に前記センサー対応領域が設けられた第１の部分の方が、非肌対向面に該センサー対応領域が設けられていない第２の部分に比べて、熱伝導性が高い、吸収性物品。

＜Ｂ３＞
　前記第１の部分は、前記第２の部分に比べて厚みが薄い、前記＜Ｂ１＞又は＜Ｂ２＞に記載の吸収性物品。
＜Ｂ４＞
　前記第１の部分は、アルミニウム、スズ、クロム、ニッケル、金、銀、銅、ゲルマニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化硅素及びフッ化マグネシウムからなる群から選択される１種以上の金属材料を含む、前記＜Ｂ１＞～＜Ｂ３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ｂ５＞
　前記第１の部分は、液不透過性を有し且つ前記第２の部分に比べて通気性が高い、前記＜Ｂ１＞～＜Ｂ４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ｂ６＞
　前記第１の部分はメルトブローン層を含む、前記＜Ｂ５＞に記載の吸収性物品。
＜Ｂ７＞
　前記第２の部分は、エアスルー不織布、スパンボンド不織布及びスパンボンド－メルトブローン－スパンボンド不織布からなる群から選択される１種以上を含む、前記＜Ｂ１＞～＜Ｂ６＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ｂ８＞
　前記センサー対応領域の存在が視覚的に認識可能になされている、前記＜Ｂ１＞～＜Ｂ７＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ｂ９＞
　前記吸収性物品は、前記背側部の前記縦方向に沿う両側縁部に設けられたファスニングテープと、前記腹側部の非肌対向面に設けられ、該ファスニングテープを止着可能な止着部材とを備え、
　前記センサー対応領域は、前記股下部の前記横方向の中央に偏在している、前記＜Ｂ１＞～＜Ｂ８＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ｂ１０＞
　前記センサー対応領域は、前記吸収体における前記横方向の長さが最大の部分の該横方向の両端を通って該縦方向に延びる、一対の仮想直線に挟まれた領域に偏在している、前記＜Ｂ９＞に記載の吸収性物品。
＜Ｂ１１＞
　前記センサー対応領域において、前記吸収性物品の前記縦方向の中央を境界として、該境界よりも前記腹側部寄りに位置している部分を腹側センサー対応領域、該境界よりも前記背側部寄りに位置している部分を背側センサー対応領域とした場合、下記（１）～（３）を全て満たす、前記＜Ｂ９＞又は＜Ｂ１０＞に記載の吸収性物品。
（１）前記腹側センサー対応領域の面積＞０
（２）前記背側センサー対応領域の面積≧０
（３）前記腹側センサー対応領域の面積＞前記背側センサー対応領域の面積

＜Ｂ１２＞
　前記吸収性物品は、前記腹側部及び前記背側部それぞれの前記縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されてウエスト開口部及びレッグ開口部が形成されている、パンツ型吸収性物品であり、
　前記センサー対応領域は、前記股下部の前記縦方向の中央に偏在している、前記＜Ｂ１＞～＜Ｂ８＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ｂ１３＞
　前記センサー対応領域において、前記吸収性物品の前記縦方向の中央を境界として、該境界よりも前記腹側部寄りに位置している部分を腹側センサー対応領域、該境界よりも前記背側部寄りに位置している部分を背側センサー対応領域とした場合、下記（１）～（３）を全て満たす、前記＜Ｂ１２＞に記載の吸収性物品。
（１）前記腹側センサー対応領域の面積＞０
（２）前記背側センサー対応領域の面積≧０
（３）前記腹側センサー対応領域の面積＞前記背側センサー対応領域の面積
＜Ｂ１４＞
　前記センサー対応領域は、前記吸収体における前記横方向の長さが最大の部分の該横方向の両端を通って該縦方向に延びる、一対の仮想直線に挟まれた領域に偏在している、前記＜Ｂ１２＞又は＜Ｂ１３＞に記載の吸収性物品。

＜Ｃ１＞
　着用者の股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とを有し、
　少なくとも前記股下部に、前記吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された外層体を備えており、
　前記股下部の外面を形成する前記外層体の非肌対向面の一部に、センサーの取り付けが可能なセンサー対応領域が、前記吸収体と平面視で重なる領域を含むように設けられており、該センサーは、該吸収性物品における該センサーと平面視で重なる部分の湿度を検出可能なものを含み、
　前記股下部の前記外層体では、非肌対向面に前記センサー対応領域が設けられた第１の部分の方が、非肌対向面に該センサー対応領域が設けられていない第２の部分に比べて、通気性が高く、
　第１の部分は、液不透過性又は液難透過性である、前記＜１＞～＜４１＞の何れか１に記載の吸収性物品。

＜Ｃ２＞
　着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、少なくとも該股下部に、体液を吸収保持する吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された外層体とを備えた吸収性物品であって、
　前記股下部の外面を形成する前記外層体の非肌対向面の一部に、センサーの取り付けが可能なセンサー対応領域が、前記吸収体と平面視で重なる領域を含むように設けられており、該センサーは、該吸収性物品における該センサーと平面視で重なる部分の湿度を検出可能なものを含み、
　前記股下部の前記外層体では、非肌対向面に前記センサー対応領域が設けられた第１の部分の方が、非肌対向面に該センサー対応領域が設けられていない第２の部分に比べて、通気性が高く、
　第１の部分は、液不透過性又は液難透過性である、吸収性物品。

＜Ｃ３＞
　第１の部分及び第２の部分が繊維シートからなり、
　第１の部分は、第２の部分に比べて繊維の存在密度が低い、前記＜Ｃ１＞又は＜Ｃ２＞に記載の吸収性物品。
＜Ｃ４＞
　第１の部分は、第２の部分に比べて熱伝導性が高い、前記＜Ｃ１＞～＜Ｃ３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ｃ５＞
　前記センサー対応領域は、前記股下部の前記横方向の中央に偏在している、前記＜Ｃ１＞～＜Ｃ４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ｃ６＞
　前記センサー対応領域は、前記吸収体における前記横方向の長さが最大の部分の該横方向の両端を通って該縦方向に延びる、一対の仮想直線に挟まれた領域に偏在している、前記＜Ｃ５＞に記載の吸収性物品。
＜Ｃ７＞
　前記センサー対応領域において、前記吸収性物品の前記縦方向の中央を境界として、該境界よりも前記腹側部寄りに位置している部分を腹側センサー対応領域、該境界よりも前記背側部寄りに位置している部分を背側センサー対応領域とした場合、下記（１）～（３）をすべて満たす、前記＜Ｃ６＞に記載の吸収性物品。
（１）前記腹側センサー対応領域の面積＞０
（２）前記背側センサー対応領域の面積≧０
（３）前記腹側センサー対応領域の面積＞前記背側センサー対応領域の面積
＜Ｃ８＞
　前記吸収性物品は、前記腹側部及び前記背側部それぞれの前記縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されてウエスト開口部及びレッグ開口部が形成されている、パンツ型吸収性物品であり、
　前記センサー対応領域は、前記股下部の前記縦方向の中央に偏在している、前記＜Ｃ１＞～＜Ｃ４の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ｃ９＞
　前記センサー対応領域において、前記吸収性物品の前記縦方向の中央を境界として、該境界よりも前記腹側部寄りに位置している部分を腹側センサー対応領域、該境界よりも前記背側部寄りに位置している部分を背側センサー対応領域とした場合、下記（１）～（３）をすべて満たす、前記＜Ｃ８＞に記載の吸収性物品。
（１）前記腹側センサー対応領域の面積＞０
（２）前記背側センサー対応領域の面積≧０
（３）前記腹側センサー対応領域の面積＞前記背側センサー対応領域の面積
＜Ｃ１０＞
　前記センサー対応領域は、前記吸収体における前記横方向の長さが最大の部分の該横方向の両端を通って該縦方向に延びる、一対の仮想直線に挟まれた領域に偏在している、前記＜Ｃ９＞に記載の吸収性物品。
＜Ｃ１１＞
　第１の部分はメルトブローン層を含む、前記＜Ｃ１＞～＜Ｃ１０＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜Ｃ１２＞
　第２の部分は、エアスルー不織布、スパンボンド不織布及びスパンボンド－メルトブローン－スパンボンド不織布からなる群から選択される１種以上を含む、前記＜Ｃ１＞～＜Ｃ１１＞の何れか１に記載の吸収性物品。

　本発明の使い捨ておむつ（第１実施形態）によれば、使い捨ておむつの外面に外付け部材を容易に取り付け可能であり、外付け部材がセンサーである場合に、該センサーの感度が良好となる。

　本発明の使い捨ておむつ（第２～第６実施形態）によれば、センサーを繰り返して使用することが容易であり、センサーを適切な位置に容易に配置でき、またセンサーの脱落を防止することができる。
　本発明の使い捨ておむつの変化検出方法によれば、センサーを繰り返して使用することが容易であり、センサーを適切な位置に容易に配置でき、センサーの意図しない脱落や取り外しを防止することができ、着用者の排泄に伴い吸収性物品に生じる変化を簡便に検出することができる。

　本発明の使い捨ておむつ（第７～第８実施形態）によれば、排泄物の染み出しリスクを低減しつつ、センサーの高感度化を実現し得る吸収性物品が提供される。

Claims

　液保持性の吸収体を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する、使い捨ておむつであって、
　前記使い捨ておむつの非肌対向面に、印が付されており、
　前記吸収体は、前記印と重なる部分に、該部分の前記横方向両側に位置する部分よりも通液性が高い高通液部を有している、使い捨ておむつ。
　前記印は、着用者の排尿を検出する排尿センサーの取り付け位置を示している、請求項１に記載の使い捨ておむつ。
　前記吸収体は、前記高通液部よりも通液性が低い一対の低通液部を有しており、
　前記高通液部は、前記横方向における該一対の低通液部間に位置している、請求項１又は２に記載の使い捨ておむつ。
　着用者の股間部に配される股下部、並びに該股下部の前後に延在する腹側部及び背側部を有し、
　前記印は、
　前記股下部における前記横方向の中央に位置しており、
　前記使い捨ておむつの前記縦方向全長を二等分する縦中心線を境にして、着用時に着用者の腹側に配される前身頃と着用者の背側に配される後身頃とに区分したとき、前記前身頃に位置している、請求項１～３の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記吸収体は、吸収性コアを含んでおり、
　前記高通液部は、前記吸収性コアの形成材料が存在しない空間を該吸収性コアの厚み方向全域又は一部に有している、請求項１～４の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記高通液部は、前記吸収性コアの形成材料が存在しない貫通孔となっている、請求項５に記載の使い捨ておむつ。
　前記高通液部は、前記吸収性コアの形成材料が存在する低坪量部となっており、該形成材料が存在しない空間の厚みＤ１が、前記吸収性コアの厚みＤに対して５％以上８０％以下である、請求項５に記載の使い捨ておむつ。
　前記吸収体は、前記高通液部よりも通液性が低い低通液部を有しており、
　前記高通液部は、前記吸収性コアの形成材料が存在する低坪量部となっており、該前記高通液部の坪量が、前記低通液部の坪量に対して５％以上８０％以下である、請求項５又は６に記載の使い捨ておむつ。
　前記形成材料が存在しない空間に、非吸水性材料からなる空間保持材が配されている、請求項５～８の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記空間保持材が、非吸水性材料からなるものであり、
　前記非吸水性材料が、疎水性繊維を含む繊維塊又は嵩高不織布である、請求項９に記載の使い捨ておむつ。
　前記高通液部に、吸水性ポリマーが存在しない、請求項１～１０の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記吸収体は、吸収性コアを含んでおり、
　前記吸収性コアの形成材料の坪量が前記横方向の両側の部位に比して低く、且つ前記横方向における幅が前記高通液部に比して狭い細長高通液部を有しており、
　前記細長高通液部が前記高通液部と前記縦方向に連続している、請求項１～１１の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記高通液部が、前記吸収性コアの形成材料が存在する低坪量部であり、
　前記細長高通液部が、前記形成材料の坪量が前記高通液部よりも低いものである、請求項１２に記載の使い捨ておむつ。
　前記細長高通液部が、前記吸収性コアの形成材料が存在しない貫通溝である、請求項１２又は１３に記載の使い捨ておむつ。
　着用者の股間部に配される股下部、並びに該股下部の前後に延在する腹側部及び背側部を有し、
　前記吸収体は、前記高通液部の前記縦方向の前後に前記細長高通液部を有しており、
　前記高通液部を境に前記背側部側に位置する前記細長高通液部は、前記高通液部を境に前記腹側部側に位置する前記細長高通液部よりも、前記縦方向の長さが長い、請求項１２～１４の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記印は、排尿前の前記使い捨ておむつの外面において視認可能に表示されている、請求項１～１５の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記印は、排尿前後の前記使い捨ておむつの外面において色の変化が生じない表示である、請求項１６に記載の使い捨ておむつ。
　前記印が、文字、図形、記号、又はこれらの組み合わせの形状である、請求項１～１７の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記印が、動物、乗り物、食べ物、植物、動物、文字、音符、星、虹、雲、及び楽器の何れか１種又は２種以上からなる図柄を含む、請求項１～１７の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記印が、複数の図柄の組み合わせである、請求項１９に記載の使い捨ておむつ。
　前記印は、着用者の排尿を検出する排尿センサーの取り付け位置を示しており、
　前記排尿センサーは、前記使い捨ておむつの外面と接触させる側とは反対側にセンサー外面部を有し、
　前記使い捨ておむつの前記印の位置に前記排尿センサーを取り付けた状態において、該印と前記センサー外面部とが一体となって、所定の図柄を構成するように配置される、請求項１～２０の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記印は、着用者の排尿を検出する排尿センサーの取り付け位置を示しており、該印の形状が前記排尿センサーの平面視形状と相似形である、請求項１～２１の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　肌対向面側に位置する表面シート、及び非肌対向面側に位置する外側シートを備え、該表面シートと該外側シートとの間に前記吸収体が配されており、
　前記外側シートは、使い捨ておむつの最外面の構成材として、第１不織布と、第１不織布の非肌対向面側に一部又は全部を重ねた状態で配された第２不織布とを有し、
　第１不織布と第２不織布とが重なる重複領域の一部に、第１不織布と第２不織布との間が接合されておらず、使い捨ておむつに生じる変化を検出するためのセンサーを内部に配置可能なセンサーポケットが形成されており、
　前記重複領域は、前記センサーポケットの周囲の三方向に、第１不織布と第２不織布とが接合された固定領域を有し、残りの一方向に、前記センサーの挿入口が形成されており、
　前記重複領域における前記センサーポケットが形成された領域の少なくとも一部において、第１不織布と第２不織布との伸縮性が相互に異なっている、請求項１～２２の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記センサーポケットは、前記センサーの全体を内部に配置可能な大きさを有している、請求項２３に記載の使い捨ておむつ。
　前記重複領域における第１不織布及び第２不織布の少なくとも一方は、前記センサーの大きさ以上の面積において伸縮性を有している、請求項２３又は２４に記載の使い捨ておむつ。
　前記重複領域における前記三方向の固定領域は、少なくとも前記センサーポケットを挟んでその両側に位置する固定領域が、該重複領域の端部以外にも延在しており、前記重複領域の平面視において、前記センサーポケットの面積が該重複領域の面積の半分以下である、請求項２３～２５の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記挿入口は、前記センサーが該挿入口を通じて前記センサーポケットに挿入される方向と直交する方向に延びて開口しており、
　前記重複領域における第１不織布及び第２不織布の少なくとも一方は、前記挿入口の延在方向に伸縮性を有している、請求項２３～２６の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記重複領域における第１不織布及び第２不織布の少なくとも一方は、前記センサーポケットにおける前記挿入口側の部位に、前記センサーの長さ以上の長さの弾性部材を備えている、請求項２３～２７の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　着用時に着用者の腹側に配される腹側部、着用者の背側に配される背側部、及び前記腹側部と前記背側部との間に位置する股下部とを有しており、
　前記センサーポケットにおける前記センサーの挿入口が、前記重複領域における前記腹側部側に形成されている、請求項２３～２８の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記センサーポケットが、前記吸収体と重なる部位に形成されている、請求項２３～２９の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記使い捨ておむつは、色の変化により排尿を知らせるインジケータを備えており、該インジケータは、着用者の前後方向に対応する該使い捨ておむつの縦方向に延びており、前記センサーポケットが、該インジケータと重なる部位に形成されている、請求項２３～３０の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記センサーポケットの内部に、前記センサーを固定するセンサー固定材料が配されている、請求項２３～３１の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記重複領域における第２不織布に、前記センサーポケットの位置を示す表示が設けられている、請求項２３～３２の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　請求項２３～３３の何れか１項に記載の使い捨ておむつの前記センサーポケットに前記センサーを配置し、該センサーを用いて、着用者の排泄に伴い前記使い捨ておむつに生じる変化を検出する、使い捨ておむつの変化検出方法。
　着用者の股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とを有し、
　少なくとも前記股下部に、前記吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された外層体を備えており、
　前記股下部の外面を形成する前記外層体の非肌対向面の一部に、センサーの取り付けが可能なセンサー対応領域が、前記吸収体と平面視で重なる領域を含むように設けられており、該センサーは、該使い捨ておむつにおける該センサーと平面視で重なる部分の温度を検出可能なものを含み、
　前記股下部の前記外層体では、非肌対向面に前記センサー対応領域が設けられた第１の部分の方が、非肌対向面に該センサー対応領域が設けられていない第２の部分に比べて、熱伝導性が高い、請求項１～２２の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記第１の部分は、前記第２の部分に比べて厚みが薄い、請求項３５に記載の使い捨ておむつ。
　前記第１の部分は、アルミニウム、スズ、クロム、ニッケル、金、銀、銅、ゲルマニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化硅素及びフッ化マグネシウムからなる群から選択される１種以上の金属材料を含む、請求項３５又は３６に記載の使い捨ておむつ。
　前記第１の部分は、液不透過性を有し且つ前記第２の部分に比べて通気性が高い、請求項３５～３７の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　着用者の股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とを有し、
　少なくとも前記股下部に、前記吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配された外層体を備えており、
　前記股下部の外面を形成する前記外層体の非肌対向面の一部に、センサーの取り付けが可能なセンサー対応領域が、前記吸収体と平面視で重なる領域を含むように設けられており、該センサーは、該使い捨ておむつにおける該センサーと平面視で重なる部分の湿度を検出可能なものを含み、
　前記股下部の前記外層体では、非肌対向面に前記センサー対応領域が設けられた第１の部分の方が、非肌対向面に該センサー対応領域が設けられていない第２の部分に比べて、通気性が高く、
　第１の部分は、液不透過性又は液難透過性である、請求項１～２２の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　第１の部分及び第２の部分が繊維シートからなり、
　第１の部分は、第２の部分に比べて繊維の存在密度が低い、請求項３９に記載の使い捨ておむつ。
　第１の部分は、第２の部分に比べて熱伝導性が高い、請求項３９又は４０に記載の使い捨ておむつ。
　前記第１の部分はメルトブローン層を含む、請求項３８～４１の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記第２の部分は、エアスルー不織布、スパンボンド不織布及びスパンボンド－メルトブローン－スパンボンド不織布からなる群から選択される１種以上を含む、請求項３８～４２の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記センサー対応領域の存在が視覚的に認識可能になされている、請求項３５～４３の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記センサー対応領域は、前記股下部の前記横方向の中央に偏在している、請求項３５～４４の何れか１項に記載の使い捨ておむつ。
　前記センサー対応領域は、前記吸収体における前記横方向の長さが最大の部分の該横方向の両端を通って該縦方向に延びる、一対の仮想直線に挟まれた領域に偏在している、請求項４５に記載の使い捨ておむつ。
　前記センサー対応領域において、前記使い捨ておむつの前記縦方向の中央を境界として、該境界よりも前記腹側部寄りに位置している部分を腹側センサー対応領域、該境界よりも前記背側部寄りに位置している部分を背側センサー対応領域とした場合、下記（１）～（３）をすべて満たす、請求項４６に記載の使い捨ておむつ。
（１）前記腹側センサー対応領域の面積＞０
（２）前記背側センサー対応領域の面積≧０
（３）前記腹側センサー対応領域の面積＞前記背側センサー対応領域の面積