JP3243890U - 吸収性物品及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ファスニングテープの係合力を担保しつつ、吸収性物品の風合いに優れ、包装袋から該吸収性物品を容易に取り出すことができる吸収性物品を提供すること。【解決手段】本考案の吸収性物品1は、ファスニングテープ7、及び該ファスニングテープ7を止着可能な止着領域R1を備えている。非肌対向面は、止着領域R1と止着領域以外の領域R2とを有しており、少なくとも該止着領域以外の領域R2は外層シート5により形成されている。止着領域以外の領域R2の平均摩擦係数は0.2以下である。止着領域R1における平均摩擦係数をM1とし、止着領域以外の領域R2における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM1の比率(M1/M2)が0.75以上1.25以下である。【選択図】図4

Description

本考案は、吸収性物品及び包装体に関する。
ファスニングテープと、該ファスニングテープを止着可能な止着部材とを備えた吸収性物品が知られている。斯かる吸収性物品は、縦方向の両端部を着用者の腰回りに配し、ファスニングテープと止着部材とを止着することによって、着用者の腰回りに固定された着用状態となる。
例えば特許文献1には、紙おむつの一端に取り付けられたフック部材と、該フック部材と接合性を有する上張りシートとを備える紙おむつであって、該上張りシートが紙おむつのシート材表面のほぼ全面に張り付けられているものが記載されている。
また、特許文献2には、ファスニングテープの止着位置を表示したターゲット印刷を施した帯条のシートを、吸収体の裏面側を覆うバックシートとおむつ本体の最外層を形成する外層シートとの間に配した、使い捨ておむつが記載されている。
さらに、特許文献3には、面ファスナーの雄形材となる止着テープと、前記止着テープの止着用雌形材として利用され、且つ胴回り部の外面にある外装シートとを備えた、液体吸収性物品が記載されている。
実開平01-168510号公報 特開2003-153952号公報 特開2003-220092号公報
上述した特許文献1~3に記載の吸収性物品は、該吸収性物品の外面を形成するシート自体に、ファスニングテープを止着させるものである。このような吸収性物品について、その着用状態を安定して維持させる観点から、ファスニングテープと外面を形成するシートとは確実に係合されることが望まれる。斯かる観点から、前記外面を形成するシートについて、その表面の物性を係合力の高いものにすることが考えられるが、該シートを係合力の高い物性にすると吸収性物品の外面の風合いを損なう虞があるとともに、包装袋から吸収性物品を取り出す際に引っ掛かりが生じて、該吸収性物品を該包装袋から取り出し難くなる虞があった。
したがって、本考案の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
本考案は、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有するとともに、着用者の股間部に配される股下部、並びに該股下部の前後に延在する腹側部及び背側部を有しており、該背側部の前記縦方向に沿う両側縁部に設けられたファスニングテープ、及び該腹側部に設けられ、該ファスニングテープを止着可能な止着領域を備える、吸収性物品に関する。
非肌対向面は、前記止着領域と前記止着領域以外の領域とを有しており、少なくとも該止着領域以外の領域は外層シートにより形成されていることが好ましい。
前記止着領域以外の領域の平均摩擦係数が0.20以下であることが好ましい。
前記止着領域における平均摩擦係数をM1とし、前記止着領域以外の領域における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM1の比率(M1/M2)が0.75以上1.25以下であることが好ましい。
また、本考案は、前記吸収性物品が収容されている、包装体に関する。
前記包装体は、前記止着領域どうしを接触させない状態で包装袋に複数収容されていることが好ましい。
本考案の吸収性物品によれば、ファスニングテープの係合力を担保しつつ、吸収性物品の風合いに優れ、包装袋から該吸収性物品を容易に取り出すことができる。
図1は、本考案の吸収性物品の一実施形態である展開型の使い捨ておむつを示す斜視図である。 図2は、図1に示すおむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側(内面側)を模式的に示す展開平面図である。 図3は、図2のII-II線断面図である。 図4は、図1に示すおむつの展開且つ伸長状態における非肌対向面側(外面側)を模式的に示す展開平面図である。 図5は、図1に示すおむつが包装袋に収容された状態を示す一部破断図である。 図6は、図1に示す止着領域の拡大平面図である。 図7は、実施例におけるおむつの取り出し易さの評価方法を説明するための概念図である。
以下、本考案の吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき説明する。図1~図4には、本考案の吸収性物品の一実施形態である展開型の使い捨ておむつ(以下、これを単に「おむつ」ともいう。)が示されている。
図2に示すおむつ1は、その展開且つ伸長状態において、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Xと、該縦方向Xに直交する横方向Yとを有している。おむつ1は、その着用時に着用者の腹側に配される腹側部A、背側に配される背側部B、及び股間部に配される股下部Cを有している。すなわち、腹側部A及び背側部Bは、股下部Cの前後に延在している。腹側部A,股下部C及び背側部Bは、おむつ1を、その縦方向Xの全長を三等分して区分した各領域であり、着用者の前後方向に連続して延びている。股下部Cは、おむつ1の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部(図示せず)を有している。
本明細書において、おむつ1の「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1を展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
また、「肌対向面」は、おむつ又はその構成部材(例えば吸収体)に着目したときに、おむつの着用時に着用者の肌に向けられる面であり、「非肌対向面」は、おむつの着用時に着用者の肌とは反対側に向けられる面である。つまり、肌対向面は、着用者の肌に相対的に近い側の面であり、非肌対向面は、着用者の肌から相対的に遠い側の面である。「着用時」及び「着用状態」は、おむつの適正な着用位置が維持されて着用された状態を指す。
図3に示すように、おむつ1は、液透過性の表面シート2と、液難透過性(撥水性も含む)の防漏シート3と、これら表面シート2及び防漏シート3間に配された液保持性の吸収体4とを備えており、これらの部材が吸収性本体10を構成している。図3では、説明の便宜上、後述する防漏カフ16が起立した状態で図示されている。
吸収性本体10において表面シート2は、吸収体4の肌対向面側に配されている。表面シート2は、着用状態において着用者の肌と接触する。
表面シート2及び防漏シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の外周縁から外方に延出している。本実施形態における防漏シート3の各長手方向(縦方向X)両端縁は、おむつ1の長手方向(縦方向X)両端縁と略一致している。
おむつ1は、液保持性の吸収体4を備えている。図2に示す吸収体4は、その長手方向とおむつの縦方向Xとが一致するように配され、腹側部Aから股下部Cを介して背側部Bに延びて配されている。吸収体4の長手方向両側縁は、おむつ1の縦方向Xの両側縁よりも内方に位置している。
吸収体4は、図3に示すように、吸収性能を有する吸収性コア4aが液透過性のコアラップシート4bに被覆されて形成されている。
おむつ1は、吸収性本体10の縦方向Xに沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフ16,16を備えている。
防漏カフ16は、糸状のカフ形成用弾性部材16aと、撥水性且つ通気性のカフ形成用シート16bとを含んで構成されている。カフ形成用弾性部材16aは、防漏カフ16の自由端部において縦方向Xに延びている。防漏カフ16は、カフ形成用弾性部材16aの収縮によって、少なくとも股下部Cにおいて着用者の肌側に向かって起立し、それによって尿等の排泄物が、横方向Yの外方へ流出することを抑制する。
本実施形態のおむつ1は、図3に示すように、吸収性本体10の非肌対向面側、すなわち防漏シート3よりも非肌対向面側に配された外層シート5を備えている。外層シート5は、図4に示すように、おむつ1の外面(非肌対向面)を主に形成しており、縦方向Xにおいて腹側部Aから股下部Cを介して背側部Bに延在している。この外層シート5は、展開且つ伸長状態のおむつ1の外形を形作っており、該外層シート5の周縁は、腹側部A、股下部C及び背側部Bのそれぞれの輪郭線を形成している。図4では、説明の便宜上、カフ形成用弾性部材16a及び後述するレッグギャザー形成用弾性部材15の図示を省略している。
本実施形態のおむつ1の輪郭は、図2及び図4に示すように、縦方向Xの中央側、即ち股下部C並びに腹側部A及び背側部Bにおける股下部C側の部位が括れており、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける縦方向Xの端部側が、該股下部C側の部位よりも横方向Y外方に張り出している。換言すると、本実施形態のおむつ1は、腹側部A及び背側部Bそれぞれに幅広部を有し、縦方向Xのこれら両幅広部間に該幅広部よりも幅が狭い括れ部を有している。
外層シート5は、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁それぞれから横方向Yの外方に延出しており、防漏シート3及び防漏カフ16を構成するカフ形成用シート16bとともにサイドフラップ部SFを形成している。サイドフラップ部SFは、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁それぞれから横方向Yの外方に延出するシート部材からなる部分である。サイドフラップ部SFを構成するシート部材は、腹側部Aから股下部Cを介して背側部Bに延在しており、吸収体4の両側縁それぞれから横方向Y外方に延出した延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。
本実施形態のおむつ1は、腹側部A及び背側部Bそれぞれの縦方向Xの端部側において、具体的には腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける幅広部の縦方向X前後端間の領域において、吸収体4の周縁から縦方向Xの外方又は横方向Yの外方に延出したウエストフラップ部WFを有している(図2参照)。ウエストフラップ部WFは、背側部Bの縦方向Xの端部側において、吸収体4の周縁よりも縦方向Xの外方又は横方向Yの外方に延出する部材からなる部分である。本実施形態においてウエストフラップ部WFは、吸収体4の周縁から外方に延出したカフ形成用シート16b、防漏シート3、及び外層シート5からなる。これらシートは、吸収体4の周縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。ウエストフラップ部WFは、おむつ1の着用時に着用者の腰周りに対応する。ウエストフラップ部WFの横方向Yの両側部は、サイドフラップ部SFの縦方向Xの前後端部でもある。
本実施形態のおむつ1では、図2に示すように、該おむつ1の縦方向Xに沿う両側部、具体的には一対のサイドフラップ部SF,SFそれぞれには、レッグギャザー形成用弾性部材15が、股下部Cを通って縦方向Xに延びるように伸長状態で配されている。斯かる弾性部材15の収縮により、着用者の脚周りに配される左右の部分、即ちおむつ1の縦方向Xの両側部にレッグギャザーが形成されるようになされている。本実施形態においてレッグギャザー形成用弾性部材15は、サイドフラップ部SFにおけるカフ形成用シート16bと防漏シート3との間に、縦方向Xに沿って伸長状態で固定されている。
おむつ1は、図1及び図2に示すように、背側部Bの縦方向Xに沿う両側縁部に一対のファスニングテープ7,7が設けられている。各ファスニングテープ7は、背側部Bの縦方向Xに沿う両側縁部から横方向Y外方に延出するように設けられている。各ファスニングテープ7の横方向Y内方側の一端は、おむつ1を構成するシート部材に固定されており、好ましくは、おむつ1を構成するシート部材どうしの間、例えば防漏シート3と外層シート5との間に固定されている(図示せず)。
本実施形態のファスニングテープ7は、テープ基材70と、該テープ基材70の肌対向面に固定された係合部71とを有している。係合部71は、その肌対向面に係合突起を有している。係合部71としては、メカニカルファスナーのオス材を用いることができる。メカニカルファスナーは、表面に多数の係合突起が配置されてなるオス材と、表面に該係合突起を直接係合可能な材料が配置されてなるメス材とからなり、オス材とメス材とを面接触させることにより、両者が係合されるようになされている止着具をいう。メカニカルファスナーとしては、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。
おむつ1は、腹側部Aの非肌対向面に、ファスニングテープ7が具備する係合部71が着脱自在に止着可能な止着領域R1を備えている。本実施形態の止着領域R1は、上述したメカニカルファスナーのメス材を含む止着部材6が外層シート5の非肌対向面に接合されて形成されている。すなわち、本実施形態の止着領域R1は、腹側部Aにおける外層シート5上の止着部材6により形成されている。この止着部材6における係合部71が止着される部分を形成する素材、すなわち前記メス材の素材は、係合部71の係合突起の形状に応じて選択することができる。前記メス材の素材としては、例えばループ部、網状部等や、係合性に富む不織布を用いることができる。
止着領域R1は、係合性に富む不織布を含んで構成された外層シート5の一部からなるものであってもよく、外層シート5とは別体の部材として該外層シート5の非肌対向面上に設けられた止着部材6であってもよい。
おむつ1の非肌対向面は、図4に示すように、平面方向において止着領域R1と止着領域以外の領域R2とを有している。以下、「止着領域以外の領域」R2を「止着外領域」R2ともいう。止着外領域R2は、着用状態においてファスニングテープ7の係合部71が配置されない領域である。止着外領域R2は、係合部71との止着能を有していてもよく、有していなくともよい。
本実施形態において止着外領域R2は、止着領域R1の周縁よりも外方側の領域となっている。
おむつ1の非肌対向面において少なくとも止着外領域R2は、外層シート5により形成されている。外層シート5は、止着領域R1及び止着外領域R2の両方を形成していてもよい。この場合、ファスニングテープ7を止着する操作をより容易にする観点から、止着領域R1と止着外領域R2とは、視覚的に判別可能になされていることが好ましい。止着領域R1と止着外領域R2とを判別可能にする手段としては、例えば止着領域R1の輪郭に沿った線や、該止着領域R1全域に印刷を施す等の手段が挙げられる。
本実施形態のおむつ1において、止着領域R1及び止着外領域R2それぞれは、平均摩擦係数が以下の範囲内となっている。以下に示す外層シート5の平均摩擦係数は、該外層シート5の非肌対向面における物性である。平均摩擦係数の測定方法については後述する。
止着外領域R2の平均摩擦係数M2は0.20以下である。平均摩擦係数は物体表面の手触りの指標、特に物体表面に触れたときの引っ掛かりの程度を示す指標とすることができる。
止着領域R1における平均摩擦係数をM1とし、止着外領域R2における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM1の比率(M1/M2)は0.75以上1.25以下である。比率M1/M2は、これが1.00に近いほど、止着領域R1及び止着外領域R2の前記引っ掛かりの程度が近似していることを意味する。
本実施形態のおむつ1は、図1に示すように、ファスニングテープ7が止着領域R1に止着されることにより、着用者の胴が通されるウエスト開口部WH、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LHが形成されて、着用者に装着される。本考案者らは、止着領域R1及び止着外領域R2の平均摩擦係数を上述した範囲内にすることで、止着領域R1におけるファスニングテープ7の係合部71との係合力を担保しつつ、外層シート5の非肌対向面の風合いを良好なものにさせることを見出した。斯かる効果が奏される理由としては、止着外領域R2を0.2以下にすること、及び前記比率M1/M2を0.75以上1.25以下とすることによって、止着領域R1と係合部71との係合力の低下を抑制しながらも、おむつ1の外面全体の手触りを滑らかに均質化するためと考えられる。このようなおむつ1では、図1に示す着用状態を安定して維持することができる。
またおむつは、一般的に、包装袋内に圧縮された状態で流通されている。この包装袋からおむつを取り出すとき、隣り合うおむつどうしがこすれ合いながら、該おむつが包装袋の外へ引っ張り出される。本実施形態のおむつ1は、その外面が滑らかであるので、包装袋内から容易に取り出すことができる。
図5に、本実施形態のおむつ1を包装袋30内に複数収容した包装体Pの一実施形態を示す。この包装体Pでは、おむつ1が、縦方向Xの全長を2等分するように、股下部Cの略中央で2つ折りに畳まれ、その折り畳まれたおむつ1が複数並んで、且つ厚み方向に圧縮された状態で包装袋30内に収容されている。斯かる状態下で隣り合うおむつ1どうしは、腹側部Aの非肌対向面と背側部Bの非肌対向面とが接触している。すなわち、おむつ1は、止着領域R1どうしを接触させない状態で包装袋に複数収容されている。斯かる構成により、止着領域R1どうしの引っ掛かりを抑制できるので、包装袋30からおむつ1をより容易に取り出すことができる。
図5に示す包装体Pでは、おむつ1を包装袋30から取り出すときの取り出し方向X1と、おむつ1の縦方向Xとが略一致している。すなわちおむつ1は、縦方向Xに概ね沿って包装袋30から取り出される。
〔平均摩擦係数の測定方法〕
先ず、外層シート5等の測定対象をおむつから取り出す。次いで、KES-FB4表面試験機(カトーテック株式会社製)を用いて、外層シート5等の測定対象上に接触子により5kPa(50gf/cm2)の荷重を加えた状態下に、該接触子を0.1cm/se
cの一定速度で水平方向に3cm移動させる。接触子は、おむつの縦方向Xに沿って移動させる。そして接触子を移動させた領域の摩擦係数(MIU)を測定する。斯かる測定を任意の3箇所で行い、その平均値をシートの平均摩擦係数とする。
おむつ1から外層シート5等の構成部材を取り出して、該構成部材の物性を測定する際、その構成部材が、接着剤、融着などによって他の構成部材に固定されている場合、その固定部分にコールドスプレーの冷風を吹き付けて他の構成部材を剥がした後、測定対象の構成部材に付着している接着剤を、有機溶剤を用いて溶解することによって除去する。この操作は、本明細書中の全ての測定において共通である。
止着領域R1について、平均摩擦係数等の物性を測定する場合、少なくとも係合部71が配される領域を測定対象の領域とする。すなわち、ウエスト開口部WH及びレッグ開口部LHが形成されるように、ファスニングテープ7を止着領域R1に配したときの、係合部71が配される領域である。
また、外層シート5の止着外領域R2について、平均摩擦係数等の物性を測定する場合は、少なくとも腹側部A又は背側部Bにおける縦方向Xの中央の領域を、測定対象の領域とする。
おむつ1の外面の風合いをより向上させる観点から、前記比率M1/M2は、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.80以上であり、また好ましくは1.25以下、より好ましくは1.20以下であり、また好ましくは0.75以上1.25以下、より好ましくは0.80以上1.20以下である。
おむつ1の外面の風合いと包装袋からのおむつ1の取り出し易さをより両立させる観点から、止着外領域R2の平均摩擦係数M2は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.11以上であり、また好ましくは0.20以下、より好ましくは0.19以下であり、また好ましくは0.10以上0.20以下、より好ましくは0.11以上0.19以下である。
ファスニングテープ7と止着領域R1との係合力をより確実に確保する観点から、止着領域R1における繊維間距離が、好ましくは50μm以上、より好ましくは70μm以上であり、また好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下であり、また好ましくは50μm以上250μm以下、より好ましくは70μm以上200μm以下である。斯かる構成により、ファスニングテープ7が係合する十分な空間を担保することができ、前記係合力をより確実に確保することができる。前記繊維間距離は後述する方法により測定される。
上記の効果をより確実に奏させる観点から、ファスニングテープ7の係合部71は、表面に多数の係合突起を具備していることが好ましい。
<繊維間距離の測定方法>
不織布、紙等の繊維集合体の繊維間距離(平均繊維間距離)は、Wrotnowskiの仮定に基づく下記式(1)により求められる。下記式(1)は一般に、繊維集合体の繊維間距離を求める際に用いられる。Wrotnowskiの仮定の下では、繊維は円柱状であり、それぞれの繊維は交わることなく規則正しく並んでいる。
下記式(1)により、測定対象の止着領域R1における繊維間距離を算出する。下記式(1)で用いる厚みt、坪量W、繊維の樹脂密度ρ及び繊維径Dは、軟便保持部における任意の複数の測定点における測定値の平均値である。
厚みt(mm)は以下の方法にて測定する。先ず、外層シートの止着領域R1から長手方向100mm×幅方向(該長手方向に直交する方向)100mmの切断片を切り出す。この大きさの切断片を作製できない場合は、可能な限り大きな切断片を作製する。次に、この切断片を平板上に載せ、その上に平板上のガラス板を載せ、ガラス板を含めた荷重が0.05kPaになるようにガラス板上に重りを均等に載せた上で、該切断片の厚みを測定する。測定環境は温度20±2℃、相対湿度65±5%とする。測定機器にはマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX-1000)を用いる。当該測定機器を用いて、前記切断片の切断面の拡大写真を得る。この拡大写真を撮影する際、既知の寸法のものを同時に写しこむ。次に、前記切断片の切断面の拡大写真にスケールを合わせ、該切断片の厚みを測定する。以上の操作を3回行い、3回の平均値を、止着領域R1の厚みtとする。
坪量W(g/m)は、止着領域R1を所定の大きさ(例えば100mm×100mmなど)にカットし、質量測定後に、その質量測定値を、該所定の大きさから求まる面積で除することで求められる(「坪量W(g/m)=質量÷所定の大きさから求められる面積」)。この測定を4回繰り返し、その平均値を坪量とする。
繊維の樹脂密度ρ(g/cm)は、密度勾配管を使用して、JIS L1015化学繊維ステープル試験方法に記載の密度勾配管法の測定方法に従い測定する(URLはhttp://kikakurui.com/l/L1015-2010-01.html、書籍ならJISハンドブック繊維-2000
、(日本規格協会)のP.764~765に記載)。
繊維径Dの測定方法は、後述の<繊維径の測定方法>に従う。
Figure 0003243890000002
<繊維径の測定方法>
止着領域R1を剃刀(例えばフェザー安全剃刃株式会社製片刃)で切断し、平面視四角形形状(8mm×4mm)の測定片を得る。この測定対象の切断の際には、その切断によって形成される測定片の切断面の構造が、切断時の圧力などによって破壊されないように注意する。好ましい測定対象の切断方法として、測定対象の切断に先立って、測定対象を液体窒素中に入れて十分に凍結させ、しかる後切断する方法が挙げられる。紙両面テープ(ニチバン株式会社製ナイスタックNW-15)を用いて、測定片を試料台に貼り付ける。次いで測定片を白金コーティングする。コーティングには日立那珂精器株式会社製イオンスパッタ装置E-1030型(商品名)を用い、スパッタ時間は30秒とする。測定片の切断面を、日立製作所株式会社製S-4000型電界放射型走査電子顕微鏡を用いて倍率1000倍で観察する。次いで、測定片の非肌対向面における構成繊維について、繊維の長手方向に対する幅方向の長さを10本測定し、その平均値を繊維径とする。
おむつ1の着用状態をより安定して維持する観点から、ファスニングテープ7と止着領域R1との係合強度は、好ましくは2.0N以上、より好ましくは2.5N以上であり、また好ましくは6.0N以下、より好ましくは5.5N以下であり、また好ましくは2.0N以上6.0N以下、より好ましくは2.5N以上5.5N以下である。係合強度は、後述する実施例の〔ファスニングテープと止着領域との係合力〕における係合強度の測定方法により測定できる。
おむつ1の外面(非肌対向面)における引っ掛かりをより抑制して、包装袋からのおむつ1の取り出しをより容易にする観点から、止着領域R1の面積は、外層シート5の面積に対して好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上であり、また好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下であり、また好ましくは3%以上30%以下、より好ましくは5%以上25%以下である。
外層シート5における止着領域R1及び止着外領域R2の各平均摩擦係数を上述した範囲内にする観点から、外層シート5は以下の構成(1)~(10)の何れか1つを具備していることが好ましく、これら構成(1)~(10)の2つ以上を具備していることがより好ましい。
構成(1):構成繊維の繊度が0.05dtex以上2.0dtex以下である。
構成(2):非肌対向面に凹凸が形成されている。
構成(3):複数の開孔が形成されている。
構成(4):非肌対向面において構成繊維が縦方向Xに配向している。
構成(5):非肌対向面にエンボス加工処理が施されている。
構成(6):非肌対向面に空隙閉塞処理が施されている。
構成(7):外層シート5は、柔軟剤を含んでいる。
構成(8):構成繊維として中空繊維を含んでいる。
構成(9):非肌対向面に扁平繊維が存在している。
構成(10):非肌対向面に非融着性繊維を含んでいる。
前記構成(1)に関し、繊度が小さい構成繊維を用いると、外層シート5の表面がきめ細かくなって、該表面をより滑らかにすることができる。斯かる観点から、外層シート5の構成繊維の繊度は、好ましくは0.05dtex以上、また好ましくは2.0dtex以下、より好ましくは1.5dtex以下であり、また好ましくは0.05dtex以上2.0dtex以下、より好ましくは0.05dtex以上1.5dtex以下である。
〔繊維の繊度の測定方法〕
測定対象のシートを50mm×100mm(面積5000mm)の長方形状に切り出して測定用サンプルを作製する。次いで、測定用サンプルを断面視して、測定用サンプルの非肌対向面から厚さ方向に0.05mm間隔を空けた位置での標準的な繊維10本を対象として繊維太さを、電子顕微鏡を用いて実測し、繊維太さ平均値Dn(μm)を算出する。次いで、肌対向面から厚さ方向に0.2mm間隔を空けた位置での標準的な繊維の構成樹脂を特定し、示差走査熱量測定器(DSC)を用いて、理論繊維存在密度Pn(g/cm)を求める。得られた繊維太さ平均値Dn(μm)及び理論繊維存在密度Pn(g/cm)から、繊維長さ10,000m当たりの重さ(g)を算出して、この算出された値を肌側繊維層の構成繊維の繊度(dtex)とする。
前記構成(2)に関し、外層シート5の非肌対向面に形成される凹凸は、平面視において所定のパターンで形成されている。この所定のパターンは、吸収性物品の表面シート等に採用されている公知のパターンのものを適宜採用することができる。表面に凹凸を形成することで、外層シート5の接触面積を低減して、平均摩擦係数を制御し易くする観点から、該凹凸は、横方向Yに対して角度を有する方向に形成されていることが好ましく、縦方向Xに沿う方向に形成されていることがより好ましい。シート表面の凹凸は、公知の方法により形成することができる。
前記構成(3)に関し、外層シート5に複数の開孔を形成すると、平均摩擦係数を制御し易い。斯かる観点から、複数の開孔は、平面視において外層シート5に散点状に形成されていることが好ましい。
上記と同様の観点から、外層シート5における単位面積当たりの開孔の面積率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下であり、また好ましくは5%以上25%以下、より好ましくは10%以上20%以下である。
上記と同様の観点から、開孔の大きさ、即ち開孔の面積は、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは7mm以下であり、また好ましくは0.3mm以上10mm以下、より好ましくは0.5mm以上7mm以下である。
単位面積当たりの開孔の面積率及び開孔の面積それぞれは、後述する方法により求められる。
開孔加工には、例えば、カッターロールとアンビルロールとを備えた切断装置であって、カッターロールの外周面に、開孔の輪郭に対応する形状の切断刃を有するもの等を用いることができる。
〔単位面積当たりの開孔の面積率及び開孔の面積の測定方法〕
外層シート5の任意の3箇所において、縦方向X30mm、横方向Y30mmの測定片を切り出す。次いで、測定片における開孔の総面積を測定し、該総面積及び測定片の面積から、単位面積(10mm四方の100mm)に対する開孔の総面積の割合を算出する。斯かる測定を外層シート5の任意の3箇所で行い、それらの平均値を単位面積当たりの開孔の面積率とする。
開孔の面積は、単位面積当たりの開孔の面積率と同様の測定方法で切り出した測定片について、任意の開孔を10個選択し、これらの面積を測定する。斯かる測定を外層シート5の任意の3箇所で行い、それらの平均値を開孔の面積とする。
前記構成(4)に関し、繊維が縦方向Xに配向していると、縦方向Xに沿ってシートを触ったときの感触を滑らかにすることができる。構成繊維が縦方向Xに配向しているか否かは、構成繊維と縦方向Xとのなす角度が±30度以内であるか否かによって、判断することができる。具体的には、外層シート5の非肌対向面を電子顕微鏡で拡大して観察し、観察視野における全構成繊維のうち、70%以上の繊維が縦方向Xと±30度以内の角度をなしていれば、外層シート5の構成繊維が縦方向Xに配向していると判断することができる。
前記構成(5)に関し、シートにエンボス加工処理を施すと、該シートの接触面積が低減されて、平均摩擦係数をより容易に制御することができる。エンボス加工としては、例えば加熱しない圧縮のみのエンボス、ヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等が挙げられる。
シートの手触りをより滑らかにする観点から、エンボス加工処理により形成されるエンボス部は、外層シート5に散点状に形成されていることが好ましい。
上記と同様の観点から、外層シート5の非肌対向面において単位面積当たりのエンボス部の面積率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下であり、好ましくは5%以上25%以下、より好ましくは10%以上20%以下である。
上記と同様の観点から、外層シート5の非肌対向面においてエンボス部の面積は、好ましくは0.3mm以下、より好ましくは0.5mm以下であり、また好ましくは10mm以上、より好ましくは7mm以上であり、また好ましくは0.3mm以上10mm以下、より好ましくは0.5mm以上7mm以下である。エンボス部の面積は、1個当たりのエンボス部の面積である。
単位面積当たりのエンボス部の面積率及びエンボス部の面積は、前記〔単位面積当たりの開孔の面積率及び開孔の面積の測定方法〕における「開孔」を「エンボス部」に読み替えて測定するものとする。
前記構成(6)について、空隙閉塞処理は、シートの構成繊維間の空隙を閉塞する処理であり、これによりシート表面をより滑らかにすることができる。空隙閉塞処理としては、熱処理や、超音波処理、塗工処理等が挙げられる。塗工処理に用いられる液体には、塗工された後に該液体中の揮発性成分が揮発して、固形分のみがシートに残存するものを用いることができる。前記液体としては、例えばスキンケア剤等に含まれる天然エキス、油剤、印刷に用いられるインク等が挙げられる。前記油剤は、粘性が高いものであることが好ましい。
前記構成(7)について、柔軟剤により、シートの手触りをより向上させることができる。外層シート5における柔軟剤の含有量は、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、また好ましくは10質量%以下、より好ましくは6質量%以下であり、また好ましくは0.03質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上6質量%以下である。シートにおける柔軟剤の含有量は、以下の方法により測定される。先ず、測定対象のシートから、ホットメルト接着剤や熱融着等によるシートどうしの接合のない部位を切り取り、これを試験片とする。この試験片を、60℃の電乾にて1時間乾燥させた際の質量を測定し、これを初期質量とする。その後、試験片をアセトンに2時間漬けた後、1週間自然乾燥させ、60℃の電乾にて1時間乾燥させたのちの質量を柔軟剤なし質量とする。そして、初期質量から柔軟剤なし質量を減算した値を、該柔軟剤なし質量で除し、これを百分率(%)で表したものを柔軟剤含有量とする。
前記構成(8)について、中空繊維を含むことにより、シートが柔らかくなって肌触りを向上させることができる。斯かる観点から、外層シート5における中空繊維の坪量は、好ましくは5g/m以上、より好ましくは8g/m以上であり、また好ましくは15g/m以下、より好ましくは20g/m以下であり、また好ましくは5g/m以上20g/m以下、より好ましくは8g/m以上15g/m以下である。
前記構成(9)について、扁平繊維を含むと、シートの表面をより滑らかにすることができる。扁平繊維は、繊維の断面の扁平率(長軸長/短軸長)が1.2以上の繊維である。例えば、繊維の断面が真円形状の場合の扁平率は1であり、該断面の潰れの程度が大きくなる(楕円形状に近くなる)に従って扁平率は1より大きくなる。
外層シート5の肌触りをより滑らかにする観点から、外層シート5の非肌対向面における扁平繊維の存在率は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。この扁平繊維の存在率の上限は特に制限されず、100%であってもよい。斯かる扁平繊維の存在率は、以下の測定方法により測定される。
〔扁平繊維の存在率の測定方法〕
おむつ1から外層シート5を取り出し、任意の領域から測定片を切り出す。測定片は、平面視四角形形状(8mm×4mm)であり、剃刀(例えばフェザー安全剃刃株式会社製片刃)で外層シート5を切断することで得られる。外層シート5の切断の際には、その切断によって形成される測定片の切断面の構造が、切断時の圧力などによって破壊されないように注意する。好ましい切断方法として、外層シート5の切断に先立って、外層シート5を液体窒素中に入れて十分に凍結させ、しかる後切断する方法が挙げられる。紙両面テープ(ニチバン株式会社製ナイスタックNW-15)を用いて、測定片を試料台に貼り付ける。次いで測定片を白金コーティングする。コーティングには日立那珂精器株式会社製イオンスパッタ装置E-1030型(商品名)を用い、スパッタ時間は30秒とする。次いで、測定片の切断面を、日立製作所株式会社製S-4000型電界放射型走査電子顕微鏡を用いて倍率1000倍で観察する。この切断面において、測定片の第2面62に存在する繊維の断面を観察し、該繊維の断面の長軸長及び短軸長を測定して、長軸長を短軸長で除することで繊維の扁平率を算出する。これを繊維10本分測定し、該10本に対する、扁平率(長軸長/短軸長)が1.2以上である繊維の本数の割合を求め、これを扁平繊維の存在率(%)とする。
扁平繊維、すなわち断面の潰れの程度が大きい繊維を得る方法としては、1)所望の扁平率に対応した扁平率を有する紡糸口金を用いて紡糸する方法や、2)通常の紡糸口金(断面が真円形状又はこれに準ずる形状)を用いて得られた繊維の堆積物に対して加圧等の後加工を施す方法等の公知の方法が挙げられる。扁平な繊維の長軸方向を不織布の平面方向に確実に配向させて、外層シート5の滑らかさをより向上させる観点から、前記2)の方法が好ましい。前記2)の方法は例えば、断面真円形状の繊維を含む繊維集合体(不織布)を、必要に応じ加熱しつつ、加圧して圧密化することで実施可能である。斯かる方法は、例えばカレンダー処理によって実施可能である。
前記構成(10)に関し、非肌対向面に、熱等によって融着しない非融着性繊維を含んでいると、構成繊維を不織布化したときに未融着の部分が形成される。この未融着の部分では、構成繊維の繊維形態が維持されるので、構成繊維が外力に対して動き易くなり、摩擦を低減することができる。斯かる観点から、外層シート5における非融着性繊維の含有量は、外層シート5の全質量に対して好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、また好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下であり、また好ましくは0.1質量%以上20.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上10.0質量%以下である。
非融着性繊維としては、例えば、パルプやコットン等の天然繊維、レーヨン、リヨセル及びテンセル等のセルロース系繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
シートの滑らかさ又は柔らかさをより向上させる観点から、外層シート5がエアスルー不織布である場合、特に前記構成(8)~(10)の何れか1つを具備していることが好ましく、前記構成(8)~(10)の2つ以上を具備していることがより好ましい。
おむつ1全体の風合いに統一感を持たせる観点から、該おむつ1は、その肌対向面を形成する構成部材と、非肌対向面を形成する構成部材との平均摩擦係数が近似していることが好ましい。すなわち、おむつ1の肌対向面を形成する構成部材のうち、着用状態において着用者の肌と接触し得る部分やシート部材は、平均摩擦係数が以下の範囲内であることが好ましい。「着用者の肌と接触し得る部分やシート部材」としては、カフ形成用シート16b、ウエストフラップ部WFの肌対向面を形成するシート、表面シート2等が挙げられる。
カフ形成用シート16bの平均摩擦係数をM3とし、止着外領域R2における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM3の比率(M3/M2)は、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.8以上であり、また好ましくは1.25以下、より好ましくは1.2以下であり、また好ましくは0.75以上1.25以下、より好ましくは0.8以上1.2以下である。
カフ形成用シート16bの平均摩擦係数M3は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.11以上であり、また好ましくは0.25以下、より好ましくは0.24以下であり、また好ましくは0.10以上0.25以下、より好ましくは0.11以上0.24以下である。
ウエストフラップ部WFの肌対向面における平均摩擦係数をM4とし、止着外領域R2における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM4の比率(M4/M2)は、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.8以上であり、また好ましくは1.25以下、より好ましくは1.2以下であり、また好ましくは0.75以上1.25以下、より好ましくは0.8以上1.2以下である。
ウエストフラップ部WFの肌対向面における平均摩擦係数M4は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.11以上であり、また好ましくは0.25以下、より好ましくは0.24以下であり、また好ましくは0.10以上0.25以下、より好ましくは0.11以上0.24以下である。
ウエストフラップ部WFの肌対向面における平均摩擦係数は、ウエストフラップ部WFの肌対向面を形成するシート部材の平均摩擦係数と同義である。
本実施形態においては、ウエストフラップ部WFの肌対向面は、カフ形成用シート16bにより形成されているので、ウエストフラップ部WFの肌対向面における平均摩擦係数M4は、カフ形成用シート16bの肌対向面における平均摩擦係数である。これに代えて、ウエストフラップ部WFの肌対向面は、カフ形成用シート16bとは別体のシート部材で形成されていてもよい。
表面シート2の平均摩擦係数をM5とし、止着外領域R2における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM5の比率(M5/M2)は、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.8以上であり、また好ましくは1.25以下、より好ましくは1.2以下であり、また好ましくは0.75以上1.25以下、より好ましくは0.8以上1.2以下である。
表面シート2の平均摩擦係数M5は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.11以上であり、また好ましくは0.25以下、より好ましくは0.24以下であり、また好ましくは0.10以上0.25以下、より好ましくは0.11以上0.24以下である。
平均摩擦係数が上述した範囲内となるようにする観点から、カフ形成用シート16b、ウエストフラップ部WFの肌対向面を形成するシート部材、及び表面シート2それぞれは、前述した構成(1)~(10)の何れか1つ以上を具備することが好ましく、構成(1)~(10)の何れか2つ以上を具備することが好ましい。この場合、前記構成(1)~(10)における「外層シート5」は、「カフ形成用シート16b」、「ウエストフラップ部WFの肌対向面を形成するシート部材」、又は「表面シート2」に読み替えるものとする。
前述したように、本実施形態の止着領域R1は、止着部材6からなり、該止着部材6は外層シート5の非肌対向面に接合されている(図6参照)。
止着領域R1が止着部材6からなる場合、包装袋30からのおむつ1の取り出しをより容易にする観点から、止着部材6及び外層シート5の各厚みは、以下の範囲内であることが好ましい。
止着部材6の厚みは、外層シート5の厚みに対して好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、また好ましくは10%以上80%以下、より好ましくは20%以上70%以下である。
止着部材6の厚みは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、また好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下であり、また好ましくは0.05mm以上0.5mm以下、より好ましくは0.1mm以上0.4mm以下である。
外層シート5の厚みは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、また好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.6mm以下であり、また好ましくは0.05mm以上0.7mm以下、より好ましくは0.1mm以上0.6mm以下である。
外層シート5及び止着部材6の各厚みは、非接触式レーザー変位計(例えば、KEYENCE
社製レーザーヘッドLK-2100、変位計RV 3-55 R)を用いて測定する。厚み測定時
の圧力は1.7kPaとする。測定は5回行い、その平均値を外層シート5及び止着部材6の各厚みとする。
本実施形態の止着部材6は、該止着部材6の最大厚みに対し厚みが50%未満となる低厚み領域を有している(不図示)。低厚み領域は、止着部材6に対しエンボス処理等の加圧処理を施すことによって形成することができる。
包装袋からのおむつ1の取り出しをより容易にする観点から、低厚み領域の面積は、止着部材6の面積に対して好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下であり、また好ましくは30%以上90%以下、より好ましくは35%以上85%以下である。
止着部材6の面積に対する低厚み領域の面積は以下の方法により測定される。
先ず、止着部材6から縦方向60mm×横方向30mmの大きさの測定片を切り出す。この測定片を、非肌対向面が上になるように、無加圧の状態で水平な台の上に置く。この測定片の上に透明なアクリル板を置き、さらに該アクリル板上に錘を載置して、測定片が1.7kPaで加圧されるようにする。次いで、加圧した測定片における測定対象の面の表面形状をKeyence社製、高精度形状計測システムKS-1100を用いて測定する。具体的には、測定片における位置ごとの厚みを測定する。測定条件は、測定ピッチ50μm、移動速度10cm/sとし、縦方向30mm×横方向30mmの範囲を測定する。このようにして得られた測定結果(画像)を、Keyence社製、形状解析アプリケーションKS-Analyzerを用いて解析する。そして、測定片において最大厚みとなる位置、及び該最大厚みに対する厚みが50%以上となる位置とを抽出し、これを「高厚み領域」とする。また、測定片において最大厚みに対する厚みが50%未満となる位置を「低厚み領域」とする。これら高厚み領域及び低厚み領域を二値化処理することにより、低厚み領域の面積を測定する。具体的には、前記画像を(株)日本ローパー社製、Image-Pro Plusに取り込み、コントラストの強調で、白黒コントラストを100に設定する。フィルター処理(メディアン、5×5を5回)によりノイズを除去した後、カウント処理を行い、白又は黒で表示された低厚み領域の総面積を測定する。その後、低厚み領域の総面積を、測定片の面積(縦方向30mm×横方向30mm)で除することで、止着部材6の面積に対する低厚み領域の面積を求める。
本実施形態の止着部材6は、平面視において横方向Yに長い形状を有している。止着部材6は、縦方向Xの両端部それぞれにおいて外層シート5の非肌対向面に接合されている。具体的には、図6に示すように、止着部材6は、その縦方向Xの両端部それぞれにおいて、該止着部材6と外層シート5とが接合した接合領域61,61を有している。
包装袋30からのおむつ1の取り出しをより容易にする観点から、接合領域61の横方向Yの長さL6(図6参照)は、止着部材6の横方向Yの全長に対して好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上である。止着部材6の横方向Yの全長に対する接合領域61の横方向Yの長さL6の比率について、上限は特に制限されないが、上記と同様の観点から、100%であること、すなわち止着部材6は、縦方向Xの端部が該止着部材6の横方向Y全長に連続して外層シート5に接合されていることが好ましい。
本実施形態において、外層シート5と止着部材6とは接着剤を介して接合されている。接着剤としては、ホットメルト接着剤等の公知のものを用いることができる。
外層シート5と止着部材6との接合強度を確保しつつ、おむつ1の非肌対向面における風合いをより向上させる観点から、外層シート5と止着部材6とを接着する接着剤の使用量は、10g/m以上、より好ましくは15g/m以上であり、また好ましくは30g/m以下、より好ましくは25g/m以下であり、また好ましくは10g/m以上30g/m以下、より好ましくは15g/m上25g/m以下である。
上述した実施形態におけるおむつの各部の形成材料について詳述する。防漏シート3及び吸収体4としてはそれぞれ、吸収性物品に従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。
防漏シート3としては、液難透過性の樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
吸収体4は、吸収性コア4aとして、木材パルプ、親水化処理された合成繊維等の親水性繊維の集合体や、該集合体に吸水性ポリマーを保持させたものを用いることができる。また、コアラップシート4bとしては、後述する表面シート2の形成材料と同様のものを用いることができる。
外層シート5、並びに表面シート2及びカフ形成用シート16b等のおむつ1の肌対向面を形成するシート部材には、各種製法による不織布を用いることができ、例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、メルトブローン不織布、又はこれらの積層不織布等を用いることができる。積層不織布としては、例えばスパンボンド不織布層(S)を含む積層不織布(SM不織布やSMS不織布)等が挙げられる。
外層シート5及び表面シート2は、一枚のシートで構成されていてもよく、これに代えて、複数枚のシートの積層体で構成されていてもよい。
カフ形成用シート16bとしては、撥水性の不織布を用いてもよい。
防漏カフ16におけるカフ形成用弾性部材16aや、レッグギャザー形成用弾性部材15等の弾性部材は、この種の吸収性物品に通常用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができる。弾性材料としては、例えば、スチレン-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等が挙げられる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状(糸ゴム等)若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。
ファスニングテープ7を形成するテープ基材70及び係合部71、並びに止着部材6の各形成材料は、通常、展開型の使い捨ておむつに用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。また、係合部71における係合突起の形状は特に制限されず、フック形、錨形、鉤形等の形状とすることができる。
例えば、ファスニングテープ7及び止着部材6、又はファスニングテープ7及び外層シート5には、「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等のメカニカルファスナーを用いることができる。係合を容易にする観点から、止着部材6に不織布を用いる場合は、エアスルー不織布であることが好ましい。
テープ基材70の形成材料としては、ポリエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート等などの合成樹脂、及びこれら合成樹脂2種以上の複合材料からなるシートや不織布等を用いることができる。
以上、本考案をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本考案は上述した実施形態に限定されない。
また、上述した吸収性物品は、止着テープを有するいわゆる展開型の使い捨ておむつであったが、例えば、おむつカバー(パッドホルダー)や胴回りで着脱する帯状体に適用可能であり、乳幼児用のものであっても、成人用のものであってもよい。本考案の吸収性物品には、人体から排出される体液(尿、軟便、経血、汗等)の吸収に用いられる物品が広く包含される。例えば、失禁パッド、生理用ナプキン、生理用ショーツ等が包含される。
上述した本考案の実施形態に関し、さらに以下の吸収性物品を開示する。
<1>
着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有するとともに、着用者の股間部に配される股下部、並びに該股下部の前後に延在する腹側部及び背側部を有しており、該背側部の前記縦方向に沿う両側縁部に設けられたファスニングテープ、及び該腹側部に設けられ、該ファスニングテープを止着可能な止着領域を備える、吸収性物品であって、
非肌対向面は、前記止着領域と前記止着領域以外の領域とを有しており、少なくとも該止着領域以外の領域は外層シートにより形成されており、
前記止着領域以外の領域の平均摩擦係数が0.20以下であり、
前記止着領域における平均摩擦係数をM1とし、前記止着領域以外の領域における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM1の比率(M1/M2)が0.75以上1.25以下である、吸収性物品。
<2>
前記止着領域以外の領域の平均摩擦係数M2は、0.10以上0.20以下、好ましくは0.11以上0.19以下である、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記止着領域における繊維間距離が、50μm以上250μm以下、好ましくは70μm以上200μm以下である、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
液保持性の吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の前記縦方向に沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフとを有しており、
前記防漏カフは、カフ形成用シートと、自由端部に前記縦方向に延びる弾性部材とを有しており、
前記カフ形成用シートの平均摩擦係数をM3とし、前記止着領域以外の領域における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM3の比率(M3/M2)が0.75以上1.25以下である、前記<1>~<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記カフ形成用シートの平均摩擦係数M3は、0.10以上0.25以下、好ましくは0.11以上0.24以下である、前記<4>又は<5>に記載の吸収性物品。
<6>
液保持性の吸収体と、前記腹側部及び前記背側部それぞれの前記縦方向の端部側において、該吸収体の周縁から前記縦方向の外方又は前記横方向の外方に延出したウエストフラップ部とを有しており、
前記ウエストフラップ部の肌対向面における平均摩擦係数をM4とし、前記止着領域以外の領域における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM4の比率(M4/M2)が0.75以上1.25以下である、前記<1>~<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>
前記ウエストフラップ部の肌対向面における平均摩擦係数M4は、0.10以上0.24以下、好ましくは0.11以上0.25以下である、前記<6>に記載の吸収性物品。
<8>
液保持性の吸収体と、該吸収体の肌対向面側に配され且つ着用状態において着用者の肌と接触する表面シートとを有しており、
前記表面シートの平均摩擦係数をM5とし、前記止着領域以外の領域における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM5の比率(M5/M2)が0.75以上1.25以下である、前記<1>~<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記表面シートの平均摩擦係数M5は、0.10以上0.25以下、好ましくは0.11以上0.24以下である、前記<8>に記載の吸収性物品。
<10>
液保持性の吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の前記縦方向に沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフとを有しており、
前記防漏カフは、カフ形成用シートと、自由端部に前記縦方向に延びる弾性部材とを有しており、
前記腹側部及び前記背側部それぞれの前記縦方向の端部側において、前記吸収体の周縁から前記縦方向の外方又は前記横方向の外方に延出したウエストフラップ部と、前記吸収体の肌対向面側に配され且つ着用状態において着用者の肌と接触する表面シートとを有しており、
前記外層シート、前記カフ形成用シート、前記ウエストフラップ部の肌対向面を形成するシート部材、及び前記表面シートの何れか1つ又は2つ以上のシートが、以下の構成(1)~(10)の何れか1つ以上を具備している、前記<1>~<9>の何れか1に記載の吸収性物品。
構成(1):構成繊維の繊度が0.05dtex以上2.0dtex以下である。
構成(2):非肌対向面に凹凸が形成されている。
構成(3):複数の開孔が形成されている。
構成(4):非肌対向面において構成繊維が前記縦方向に配向している。
構成(5):非肌対向面にエンボス加工処理が施されている。
構成(6):非肌対向面に空隙閉塞処理が施されている。
構成(7):前記シートが柔軟剤を含んでいる。
構成(8):構成繊維として中空繊維を含んでいる。
構成(9):非肌対向面に扁平繊維が存在している。
構成(10):非肌対向面に非融着性繊維を含んでいる。
<11>
前記構成(2)における前記凹凸は、前記横方向に対して角度を有する方向に形成されており、また好ましくは前記縦方向に沿う方向に形成されている、前記<10>に記載の吸収性物品。
<12>
前記構成(3)について、単位面積当たりの前記開孔の面積率は、5%以上25%以下、好ましくは10%以上20%以下である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<13>
前記構成(4)について、電子顕微鏡を用いて非肌対向面を観察したとき、その観察視野における全構成繊維に対し、前記縦方向とのなす角度が±30度以内である構成繊維が70%以上である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<14>
前記構成(5)の前記エンボス加工処理によって形成されるエンボス部について、非肌対向面における単位面積当たりの前記エンボス部の面積率は、5%以上25%以下、好ましくは10%以上20%以下である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<15>
前記構成(5)の前記エンボス加工処理によって形成されるエンボス部について、非肌対向面における前記エンボス部の面積は、0.3mm以上10mm以下、好ましくは0.5mm以上7mm以下である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<16>
前記構成(6)について、前記空隙閉塞処理は、熱処理、超音波処理、又は塗工処理である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<17>
前記塗工処理に用いられる液体は、塗工された後に該液体中の揮発性成分が揮発して、固形分のみが前記シートに残存するものである、前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>
前記液体が、天然エキス、油剤、又は印刷に用いられるインクである、前記<17>に記載の吸収性物品。
<19>
前記構成(7)について、前記シートにおける柔軟剤の含有量は、0.03質量%以上10質量%以下、好ましくは0.1質量%以上6質量%以下である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<20>
前記構成(8)について、前記シートにおける前記中空繊維の坪量は、5g/m以上20g/m以下、好ましくは8g/m以上15g/m以下である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<21>
前記構成(9)について、非肌対向面における前記扁平繊維の存在率は、60%以上、好ましくは70%以上であり、また100%以下である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<22>
前記構成(10)について、前記非融着性繊維の含有量は、前記シートの全質量に対して0.1質量%以上20.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以上10.0質量%以下である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<23>
前記非融着性繊維は、天然繊維及びセルロース系繊維の何れか一方又は双方を含んでおり、
前記天然繊維は、パルプ及びコットンの1種又は2種であり、
前記セルロース系繊維は、レーヨン、リヨセル及びテンセルの1種又は2種以上である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<24>
前記外層シート、前記カフ形成用シート、前記ウエストフラップ部の肌対向面を形成するシート部材、及び前記表面シートの何れか1つ又は2つ以上のシートが、エアスルー不織布であり、
前記構成(8)~(10)の何れか1つ、好ましくは2つ以上を具備している、前記<10>及び<20>~<22>の何れか1に記載の吸収性物品。
<25>
前記止着領域は、前記ファスニングテープが止着される止着部材からなり、
前記止着部材の厚みが、前記外層シートの厚みに対して80%以下である、前記<1>~<24>の何れか1に記載の吸収性物品。
<26>
前記止着領域は、前記ファスニングテープが止着される止着部材からなり、該止着部材は、該止着部材の最大厚みに対し厚みが50%未満となる低厚み領域を有しており、
前記低厚み領域の面積が、前記止着部材の面積に対して30%以上である、前記<1>~<25>の何れか1に記載の吸収性物品。
<27>
前記止着領域は、前記ファスニングテープが止着される止着部材からなり、該止着部材は、前記縦方向の両端部それぞれにおいて前記外層シートの非肌対向面に接合された接合領域を有しており、
前記接合領域の前記横方向の長さが、前記止着部材の前記横方向の全長に対して80%以上である、前記<1>~<26>の何れか1に記載の吸収性物品。
<28>
前記止着領域の面積が、前記外層シートの面積に対して30%以下である、前記<1>~<27>の何れか1に記載の吸収性物品。
<29>
前記止着領域の面積は、前記外層シートの面積に対して3%以上30%以下、好ましくは5%以上25%以下である、前記<28>に記載の吸収性物品。
<30>
前記<1>~<29>の何れか1に記載の吸収性物品が、前記止着領域どうしを接触させない状態で包装袋に複数収容されている、包装体。
<31>
前記吸収性物品が、前記縦方向の全長を2等分するように、前記股下部の略中央で2つ折りに畳まれており、その折り畳まれた該吸収性物品が複数並んで、且つ厚み方向に圧縮された状態で前記包装袋内に収容されており、隣り合う前記吸収性物品どうしは、前記腹側部の非肌対向面と前記背側部の非肌対向面とが接触している、前記<30>に記載の包装体。
以下、実施例により本考案をさらに詳細に説明する。しかしながら本考案の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
ポリエチレンテレフタラートとポリエチレンの複合繊維からなり、繊度1.3dtexの構成繊維からなるエアスルー不織布を用意し、該不織布の一方の面にカレンダー処理を施し、扁平繊維を有するエアスルー不織布を作製した。斯かる不織布の前記一方の面に、止着部材6を接着剤(ゴム系の汎用ホットメルト)を用いて固定して、これを止着領域R1と止着外領域R2とを有する外層シート5とした。接着剤の使用量は20g/mとした。
止着部材6には、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維からなり、繊度6.1dtexの構成繊維からなるエアスルー不織布を用いた。
カフ形成用シート16bとして、ポリプロピレンからなり、スパンボンド表層が繊度1.8dtexの構成繊維からなるSMS不織布を用意した。この不織布には、エンボス処理および柔軟剤による柔軟化処理を施した。
ウエストフラップ部WFの肌対向面を形成するシートとして、ポリプロピレンからなり、スパンボンド表層が繊度1.8dtexの構成繊維からなるSMS不織布を用意した。この不織布の一方の面には、エンボス処理および柔軟剤による柔軟化処理を施した。
ファスニングテープ7として、係合部71がポリプロピレンからなるものを用意した。
以上の外層シート5、止着部材6、カフ形成用シート16b及びファスニングテープ7を用いて、上述した図1に示す実施形態のおむつを作製した。ウエストフラップ部WFの肌対向面を形成するシートは、カフ形成用シート16bの起立部分の基端部から横方向Y外方に延出するように配し、接着剤を用いて隣り合う構成部材と接合させた。上述したこれらシート部材以外は、市販のおむつ「メリーズテープタイプSサイズ」の構成部材(吸収体等)を用いた。
〔実施例2〕
ポリエチレンテレフタラートとポリエチレンの複合繊維からなり、繊度1.8dtexの構成繊維と、非融着性繊維であるコットン(前記複合繊維の質量に対して5質量%)とを混綿することによって、該複合繊維と該コットンとを一体化させた後、これにエアスルー処理を行い、エアスルー不織布を得た。このエアスルー不織布を外層シート5とした。
止着部材6には、ポリエチレンテレフタラートとポリエチレンの複合繊維からなり、繊度4.4dtexの構成繊維からなるエアスルー不織布を用いた。
カフ形成用シート16b及びウエストフラップ部WFの肌対向面を形成するシートそれぞれには、ポリプロピレンからなり、スパンボンド表層が繊度1.4dtexの構成繊維からなるSMS不織布を用いた。
表面シート2には、ポリエチレンテレフタラートとポリエチレンの複合繊維からなり、繊度3.1dtexの構成繊維からなるエアスルー不織布を用いた。
上記の構成部材を用いた点以外は、実施例1と同様の方法によりおむつ1を作製した。実施例2で得られたおむつ1の外層シート5は、非肌対向面にコットンを含むものであった。
〔比較例1〕
ポリエチレンテレフタラートとポリエチレンの複合繊維からなり、繊度3.0dtexの構成繊維からなるエアスルー不織布を用意して、これを外層シート5とした。
止着部材6には、ポリプロピレンからなり、スパンボンド表層が繊度1.8dtexの構成繊維からなるSMS不織布を用いた。
カフ形成用シート16b及びウエストフラップ部WFの肌対向面を形成するシートには、ポリプロピレンからなり、スパンボンド表層が繊度1.8dtexの構成繊維からなるSMS不織布を用いた。
表面シート2には、ポリエチレンテレフタラートとポリエチレンの複合繊維からなり、繊度4.5dtexの構成繊維からなるエアスルー不織布を用いた。
上記の構成部材を用いた点以外は、実施例1と同様の方法によりおむつを作製した。
〔比較例2〕
ポリエチレンテレフタラートとポリエチレンの複合繊維からなり、繊度2.3dtexの構成繊維からなるエアスルー不織布を用意して、これを外層シート5とした。
止着部材6には、ポリプロピレンからなり、繊度3.2dtexの構成繊維からなるスパンボンド不織布を用いた。
カフ形成用シート16bには、ポリプロピレンからなり、スパンボンド表層が繊度2.0dtexの構成繊維からなるSMS不織布を用いた。
ウエストフラップ部WFの肌対向面を形成するシートには、ポリプロピレンからなり、繊度2.7dtexの構成繊維からなるスパンボンド不織布を用いた。
表面シート2には、ポリエチレンテレフタラートとポリエチレンの複合繊維からなり、繊度4.4dtexの構成繊維からなるエアスルー不織布を用いた。
上記の構成部材を用いた点以外は、実施例1と同様の方法によりおむつを作製した。
各実施例及び比較例のおむつについて、外層シートの止着領域R1及び止着外領域R2、並びにカフ形成用シート16b、ウエストフラップ部WFの肌対向面、及び表面シートそれぞれの平均摩擦係数を測定した。これら測定は上述した方法に従い行った。また、各平均摩擦係数どうしの比率を求めた。測定結果を表1に示す。表1において、M1は止着領域R1における平均摩擦係数であり、M2は止着該領域R2における平均摩擦係数であり、M3はカフ形成用シート16bの平均摩擦係数であり、M4はウエストフラップ部WFの肌対向面における平均摩擦係数であり、M5は表面シートの平均摩擦係数である。
〔ファスニングテープと止着領域との係合力〕
各実施例及び比較例のおむつについて、ファスニングテープ7と止着領域R1との係合力を以下の方法により評価した。ファスニングテープ7を、止着領域R1上に載せ、該止着領域R1の上で1kgローラーを3往復させて、ファスニングテープ7を止着領域R1に止着させた。次いで、ファスニングテープ7の端縁部をクリップで挟んで、プッシュプルゲージ(RX-20、アイコーエンジニアリング社製)に繋いだ。次いで、ファスニングテープ7が止着領域R1から脱離するまで、プッシュプルゲージを引っ張り、ファスニングテープ7と止着領域R1との係合強度を測定した。そして、以下の基準により前記係合力を評価した。前記係合強度が2.0N以上であると、ファスニングテープと止着部材との係合力が十分であると判断することができる。評価結果を表1に示す。
A:係合強度が2.0N以上である。
B:係合強度が2.0N未満である。
〔包装袋からのおむつの取り出し易さ〕
各実施例及び比較例のおむつについて、包装袋からの取り出し易さを以下の方法により評価した(図7参照)。先ず、縦方向Xの全長を2等分するように、股下部Cの略中央で2つ折りに畳まれたおむつを2枚用意した。平面上に、一方のおむつ1aを背側部Bが下に向くよう載置して、該一方のおむつ1aの縦方向Xの端部をガムテープにより固定した。この一方のおむつ1aの上に、他方のおむつ1bを背側部Bが下を向くように、且つ2枚のおむつ1a,1bの股下部Cの位置が一致するように重ねた。次いで、他方のおむつ1bの止着領域R1の上に2kgの錘20を載せた。このようにして、他方のおむつ1bを、別のおむつ1aと接触させ且つ厚み方向に2kgの荷重を加えて圧縮させた状態とし、これを包装袋内におむつを収容した疑似包装状態とした(図7参照)。次いで、他方のおむつ1bにおける股下部Cの端部をクリップで挟んで、プッシュプルゲージ21(RX-20、アイコーエンジニアリング社製)に繋いだ。次いで、プッシュプルゲージ21を水平方向に引っ張り、最大引張強度を測定した。そして、以下の基準により包装袋からのおむつの取り出し易さを評価した。前記最大引張強度が10N未満であると、包装袋からおむつを取り出すときの抵抗力が低いので、おむつを取り出し易いと判断できる。評価結果を表1に示す。
A:最大引張強度が10N未満である。
B:最大引張強度が10N以上である。
Figure 0003243890000003
表1に示すとおり、各実施例のおむつは、疑似包装状態における最大引張強度が10N未満であったとともに、ファスニングテープと止着領域との係合強度が2.0N以上であった。この結果から、各実施例のおむつは、ファスニングテープと止着部材との係合力が担保されつつ、包装袋からの取り出しが容易であることが示された。また、各実施例のおむつは、外層シートの非肌対向面の肌触りが滑らかで且つ全体的に統一感があり、その風合いが良好であった。特に実施例1のおむつは、その非肌対向面及び肌対向面の両面の風合いに統一感があり良好であった。
一方、比較例1のおむつは、疑似包装状態における最大引張強度が10N以上であり、比較例2のおむつは、外層シートの非肌対向面の肌触りに統一感がなく、その風合いが良好なものではなかった。
1 吸収性物品(使い捨ておむつ)
2 表面シート
3 防漏シート
4 吸収体
6 止着部材
7 ファスニングテープ
10 吸収性本体
16 防漏カフ
61 接合領域
71 係合部
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
R1 止着領域
R2 止着外領域
SF サイドフラップ部
WF ウエストフラップ部
X 縦方向
Y 横方向
Z 厚み方向

Claims (9)

  1. 着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有するとともに、着用者の股間部に配される股下部、並びに該股下部の前後に延在する腹側部及び背側部を有しており、該背側部の前記縦方向に沿う両側縁部に設けられたファスニングテープ、及び該腹側部に設けられ、該ファスニングテープを止着可能な止着領域を備える、吸収性物品であって、
    非肌対向面は、前記止着領域と前記止着領域以外の領域とを有しており、少なくとも該止着領域以外の領域は外層シートにより形成されており、
    前記止着領域以外の領域の平均摩擦係数が0.20以下であり、
    前記止着領域における平均摩擦係数をM1とし、前記止着領域以外の領域における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM1の比率(M1/M2)が0.75以上1.25以下である、吸収性物品。
  2. 液保持性の吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の前記縦方向に沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフとを有しており、
    前記防漏カフは、カフ形成用シートと、自由端部に前記縦方向に延びる弾性部材とを有しており、
    前記カフ形成用シートの平均摩擦係数をM3とし、前記止着領域以外の領域における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM3の比率(M3/M2)が0.75以上1.25以下である、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 液保持性の吸収体と、前記腹側部及び前記背側部それぞれの前記縦方向の端部側において、該吸収体の周縁から前記縦方向の外方又は前記横方向の外方に延出したウエストフラップ部とを有しており、
    前記ウエストフラップ部の肌対向面における平均摩擦係数をM4とし、前記止着領域以外の領域における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM4の比率(M4/M2)が0.75以上1.25以下である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 液保持性の吸収体と、該吸収体の肌対向面側に配され且つ着用状態において着用者の肌と接触する表面シートとを有しており、
    前記表面シートの平均摩擦係数をM5とし、前記止着領域以外の領域における平均摩擦係数をM2としたとき、M2に対するM5の比率(M5/M2)が0.75以上1.25以下である、請求項1~3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記止着領域は、前記ファスニングテープが止着される止着部材からなり、
    前記止着部材の厚みが、前記外層シートの厚みに対して80%以下である、請求項1~4の何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記止着領域は、前記ファスニングテープが止着される止着部材からなり、該止着部材は、該止着部材の最大厚みに対し厚みが50%未満となる低厚み領域を有しており、
    前記低厚み領域の面積が、前記止着部材の面積に対して30%以上である、請求項1~5の何れか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記止着領域は、前記ファスニングテープが止着される止着部材からなり、該止着部材は、前記縦方向の両端部それぞれにおいて前記外層シートの非肌対向面に接合された接合領域を有しており、
    前記接合領域の前記横方向の長さが、前記止着部材の前記横方向の全長に対して80%以上である、請求項1~6の何れか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前記止着領域の面積が、前記外層シートの面積に対して30%以下である、請求項1~7の何れか1項に記載の吸収性物品。
  9. 請求項1~8の何れか1項に記載の吸収性物品が、前記止着領域どうしを接触させない状態で包装袋に複数収容されている、包装体。
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