JP2016116513A - ロイシンの苦味低減剤及びロイシンの苦味低減方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ロイシンの苦みを低減してロイシンを含む組成物の嗜好性を向上させるためのロイシンの苦味低減剤及びロイシンの苦味低減方法を提供すること、及び、ロイシンの苦味が低減された継続的に摂取可能な組成物を提供することを目的としている。【解決手段】ロイシンを高濃度で含みロイシン特有の苦みを有する組成物にコラーゲンペプチドを含ませることにより、該ロイシン特有の苦みを低減し、該組成物の嗜好性を向上することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ロイシンの苦味低減剤及びロイシンの苦味低減方法に関する。本発明はまた、ロイシンの苦味が低減された組成物に関する。
サルコペニアとは、加齢、疾病又は低栄養などにより、骨格筋量が減少したり、筋力が衰えたりしてしまう状態のことをいう。サルコペニアの診断は、筋肉量、筋力(又は握力)及び歩行速度を指標として行われる。アメリカでは、サルコペニアが、米国疾病予防管理センター(CDC)が、心臓病、ガン及び糖尿病と並ぶ健康リスクのトップ5の一つに認定されており、その認知度は年々上昇している。筋肉量の低下による肥満(サルコペニア肥満)が引き起こされることもあり、その結果、関節炎などを発症し、身体活動に影響を及ぼすような症状にもつながり得る。
また、ロコモティブシンドローム(又は運動器症候群)とは、加齢に伴い筋肉、骨及び関節の3つの部位に支障をきたして日常生活が困難になり、悪化すると、要介護・寝たきりになる状態のことをいう。サルコペニアとロコモティブシンドロームとは密接な関係にあり、サルコペニアはロコモティブシンドロームの入口とも考えられている。サルコペニア又はロコモティブシンドロームを患うと、転倒、骨折、肥満又は関節炎が引き起こされ、特に高齢者の場合には、要介護状態又は寝たきり状態になる危険性がある。サルコペニア又はロコモティブシンドロームに起因する医療費は年々増加しており、医療費の抑制のためにも、サルコペニアに対する日常的な対策が求められている。
ロイシンは必須アミノ酸の一つであり、筋肉のエネルギー代謝に深く関わっている。骨格筋量及び筋力を維持又は増加させ、サルコペニア又はロコモティブシンドロームを予防又は改善するための栄養素として期待されているが、ロイシンは苦味が強いため、特にこれを高濃度で配合した飲料又はゼリーなどの嗜好性は低く、高齢者などが継続的に摂取するのは難しいという問題があった。一方、苦味を有する成分の苦味を低減する技術としては、例えば特許文献1〜4に記載されている方法が知られている。
特開2003−212766号公報 特開2003−235512号公報 特開昭60−246325号公報 特開2000−300190号公報
種々の苦味低減方法が公知ではあるものの、高濃度のロイシンを含む組成物の苦味を低減するには十分ではなかった。本発明は、ロイシンの苦みを低減してロイシンを含む組成物の嗜好性を向上させるためのロイシンの苦味低減剤及びロイシンの苦味低減方法を提供すること、及び、ロイシンの苦味が低減された継続的に摂取可能な組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、コラーゲンペプチドが、ロイシンの苦味を低減することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示すロイシンの苦味低減剤及びロイシンの苦味低減方法、並びに、ロイシン及びコラーゲンペプチドを含む組成物を提供するものである。
〔1〕コラーゲンペプチドを含むことを特徴とするロイシンの苦味低減剤。
〔2〕pHが3.4〜4.6である液状又はゼリー状の組成物においてロイシンの苦味を低減するための、前記〔1〕に記載のロイシンの苦味低減剤。
〔3〕高甘味度甘味料、高甘味度甘味料以外の糖類、酸、酸の塩及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分を含む組成物においてロイシンの苦味を低減するための、又は、高甘味度甘味料、高甘味度甘味料以外の糖類、酸、酸の塩及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分をさらに含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載のロイシンの苦味低減剤。
〔4〕1.2〜1.8質量%のロイシンと、コラーゲンペプチドとを含むことを特徴とする組成物。
〔5〕前記コラーゲンペプチドの含有量が、前記組成物の全量に対して1〜4質量%である、前記〔4〕に記載の組成物。
〔6〕高甘味度甘味料、高甘味度甘味料以外の糖類、酸、酸の塩及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分をさらに含む、前記〔4〕又は〔5〕に記載の組成物。
〔7〕液状又はゼリー状である、前記〔4〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔8〕pHが3.4〜4.6である、前記〔7〕に記載の組成物。
〔9〕前記組成物の甘味度が10〜40であって、
前記高甘味度甘味料の含有量が、前記組成物の甘味度のうち50%以上を提供する量であり、
前記高甘味度甘味料以外の糖類の含有量が、前記組成物の甘味度のうち2.5%以上を提供する量である、前記〔6〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔10〕前記酸の含有量が、0.4〜1.2質量%であり、かつ前記酸の塩の含有量が、0.1〜0.6質量%である、前記〔6〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔11〕果物系の香料をさらに含む、前記〔4〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔12〕ロイシン以外の他のアミノ酸を含まない、前記〔4〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔13〕飲料である、前記〔4〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔14〕ロイシンの苦味低減方法であって、
1.2〜1.8質量%のロイシンを含む組成物に、コラーゲンペプチドを加配する工程を含むことを特徴とする方法。
〔15〕前記コラーゲンペプチドの加配量が、前記組成物の全量に対して1〜4質量%である、前記〔14〕に記載の方法。
〔16〕高甘味度甘味料、高甘味度甘味料以外の糖類、酸、酸の塩及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分を加配する工程をさらに含む、前記〔14〕又は〔15〕に記載の方法。
本発明に従えば、ロイシンを高濃度で含みロイシン特有の苦みを有する組成物にコラーゲンペプチドを含ませることにより、該ロイシン特有の苦みを低減し、該組成物の嗜好性を向上することができる。したがって、高濃度のロイシンを含む組成物を継続的に摂取することが可能となり、例えば、介護施設で高齢者がリハビリする際に摂取することで筋力回復を図ることができる。
本明細書に記載の「ロイシン」とは、アミノ酸であって、苦味を有するL−ロイシン又はその生理学的に許容可能な塩のことをいう。前記ロイシンは、天然由来のもの、化学合成されたもの、又は、これらを組み合わせたものであってもよい。前記ロイシンは、任意の組成物、例えば骨格筋量及び筋力を維持又は増加させ、サルコペニア又はロコモティブシンドロームを予防又は改善するための栄養を継続的に摂取することを目的とした組成物中に配合され得る。前記組成物中でのロイシンの濃度は、例えば1.2〜1.8質量%であってもよく、好ましくは1.4〜1.6質量%である。前記組成物中には、ロイシン以外の他のアミノ酸が含まれない方がよい。前記組成物の形態は、例えば、液状又はゼリー状であってもよく、好ましくは飲料である。ロイシンを含む組成物が液状又はゼリー状である場合には、該ロイシンが析出しない限度で、それを高濃度で配合することが好ましい。ロイシンを含む液状又はゼリー状の組成物のpHは、例えば3.4〜4.6に調整してもよく、好ましくは3.7〜3.9である。pHの調整においては、当技術分野で通常用いられるpH調整剤を特に制限されることなく使用することができ、また、後述の酸若しくは酸の塩を使用してもよい。
本明細書に記載の「コラーゲンペプチド」とは、豚又は牛などの哺乳類の皮又は骨などの結合組織より得られたコラーゲンを含む組成物を、酸、アルカリ又は酵素により加水分解し、必要により加熱抽出して得られるペプチドのことをいう。前記コラーゲンペプチドとしては、市販品を使用してもよい。また、前記コラーゲンペプチドは、低分子化されたものが好ましい。前記コラーゲンペプチドの平均分子量は、例えば1000〜10000であってもよく、好ましくは3000〜5000である。
本明細書に記載の「ロイシンの苦味低減剤」は、前記コラーゲンペプチドを有効成分として含み、該コラーゲンペプチドが、ロイシンを含む組成物、特に前記の各態様の組成物中において、ロイシンの苦味を低減する作用を奏する。ある態様では、前記ロイシンの苦味低減剤は、pHが3.4〜4.6である液状又はゼリー状の組成物においてロイシンの苦味を低減するために使用してもよい。また別の態様では、前記ロイシンの苦味低減剤は、後述の高甘味度甘味料、高甘味度甘味料以外の糖類、酸、酸の塩及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分を含む組成物において、より好適にロイシンの苦味を低減するために使用してもよい。また、前記ロイシンの苦味低減剤は、前記の各態様の組成物におけるロイシンの苦味の低減が達成されるように、適宜追加の成分、例えば、後述の高甘味度甘味料、高甘味度甘味料以外の糖類、酸、酸の塩及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分をさらに含んでもよい。ロイシンを含む組成物に対する前記コラーゲンペプチドの含有量は、該ロイシンの苦味を低減させるのに有効な量であれば特に制限されないが、例えば、前記組成物の全量に対して1〜4質量%であってもよく、好ましくは2〜3質量%である。
また、前記コラーゲンペプチドは、骨格筋量及び筋力を維持又は増加させ、サルコペニア又はロコモティブシンドロームを予防又は改善するためのタンパク質源としても期待され得る。この場合には、ロイシン/コラーゲンペプチドを含むタンパク質源の質量比は、0.4以上であることが好ましい。
本明細書に記載の「甘味度」とは、種々の甘味成分を含む組成物の甘味の強さを蔗糖溶液の甘味の強さに対する比率で表したものであり、100mLの水に1gの蔗糖を溶解したときの甘味度を1とした場合の相対的な甘味の強さを示す。すなわち、ロイシンを含む液状の組成物100mLに10gの蔗糖を溶解したときの甘味度は10となる(他に甘味成分を含まない場合)。また、「比甘味度」とは、甘味料の甘味の強さを蔗糖の甘味の強さに対する比率で表したものである。例えば、スクラロースの比甘味度が600の場合、100mLの水に0.0167gのスクラロースを溶解したときの溶液の甘味度は10(=600×0.0167)となる(他に甘味成分を含まない場合)。
ロイシンを含む組成物の苦味を低減するためには、該組成物の甘味度を、例えば10〜40、好ましくは15〜35、より好ましくは17.5〜32.5に調整すればよい。前記組成物の甘味度は、後述の高甘味度甘味料及び/又は高甘味度甘味料以外の糖類を加配することによって調整することができるが、ロイシンの苦味の低減のためには、特に高甘味度甘味料を使用することが好ましく、両者を併用することがさらに好ましい。
本明細書に記載の「高甘味度甘味料」とは、非糖質系甘味料であって、比甘味度が10より大きい甘味料のことをいう。前記高甘味度甘味料としては、比甘味度が100以上のものが好ましく、200以上のものがより好ましい。前記高甘味度甘味料は、天然甘味料及び/又は合成甘味料を含み、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、ステビア、グリチルリチン、モネリン、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム又はグリチルリチン酸三ナトリウムなどが挙げられる。特にスクラロース、アセスルファムカリウムが好ましい。前記高甘味度甘味料の加配量は、例えば、ロイシンを含む組成物の甘味度のうち50%以上を提供する量、好ましくは55%以上を提供する量とするのがよい。つまり、例えば甘味度が20のロイシンを含む組成物を調製する場合には、そのうち10(=20×50%)以上を高甘味度甘味料によって達成すればよい。
本明細書に記載の「高甘味度甘味料以外の糖類」とは、比甘味度が10以下の糖類のことをいう。前記高甘味度甘味料以外の糖類としては、例えば、蔗糖、ブドウ糖、果糖、オリゴ糖、異性化糖、でんぷん糖化糖又は糖アルコールなどが挙げられる。前記高甘味度甘味料以外の糖類の加配量は、例えば、ロイシンを含む組成物の甘味度のうち2.5%以上を提供する量、好ましくは5〜45%を提供する量とするのがよい。高甘味度甘味料及びそれ以外の糖類を併用する場合は、ロイシンを含む組成物の両者による甘味度のうち、高甘味度甘味料が50〜97.5%、好ましくは55〜95%を占め、残りを高甘味度甘味料以外の糖類が占めるのがよい。
本明細書に記載の「糖度」とは、日本工業規格に適合する糖度計で液状又はゼリー状の組成物を測定したときに得られる数値をいう。前記糖度には、前記高甘味度甘味料の比甘味度としての力価が反映されるわけではないので、該高甘味度甘味料が組成物中に含まれている場合には、甘味度が高くなっても、糖度が甘味度と同様に高くなるわけではない。
本明細書に記載の「酸度」とは、常法により液状又はゼリー状の組成物を中和滴定し、その滴定値をクエン酸換算したときの値(質量%)のことをいう。ロイシンを含む組成物の苦味の低減のためには、該組成物の酸度を、例えば0.6〜1.2、好ましくは0.8〜1.0に調整するのがよい。前記組成物の酸度は、酸及び/又は酸の塩を加配することにより調整することができる。
ロイシンを含む組成物中に加配され得る酸としては、当技術分野で通常用いられる酸を特に制限されることなく使用することができ、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、フマル酸などを使用すればよい。ロイシンを含む組成物に対する前記酸の加配量は、例えば0.4〜1.2質量%であってもよく、好ましくは0.45〜1.0質量%である。
ロイシンを含む組成物中に加配され得る酸の塩としては、当技術分野で通常用いられる酸の塩を特に制限されることなく使用することができ、例えば、前記酸とアルカリ金属(ナトリウム又はカリウムなど)との塩などを使用してもよい。ロイシンを含む組成物に対する前記酸の塩の加配量は、例えば0.1〜0.6質量%であってもよく、好ましくは0.3〜0.4質量%である。
ロイシンを含む組成物中には、香料を加配してもよい。前記香料としては、当技術分野で通常用いられる香料を特に制限されることなく使用することができ、例えば、果物系の香料(柑橘系の香料、りんご系の香料又はぶどう系の香料など)を使用してもよい。ロイシンの苦味の低減のために使用する香料としては、特に柑橘系の香料が好ましい。
ロイシンを含む組成物に、前記コラーゲンペプチド、前記高甘味度甘味料、前記高甘味度甘味料以外の糖類、前記酸及び前記酸の塩、又はこれらと前記香料を併せて配合すると、甘味又は酸味の調製により味質及び飲みやすさが最適化され、かつ酸味によるムセが回避されて、総合的に嗜好性の向上した組成物を調製することができる。嗜好性の向上したロイシンを含む組成物は、対象者、特に高齢者に継続的にロイシンを摂取させるために有用である。
ロイシンを含む組成物中には、上述の成分以外にも任意の添加物を加配してもよい。前記任意の添加物としては、当技術分野で通常用いられるものを特に制限されることなく使用することができ、例えば、ビタミン類、酸化防止剤などを使用してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1、2及び3並びに比較例1〕
表1に示す配合比で各成分を水に溶解し、ロイシンを高濃度で含む液状の組成物(飲料組成物)を調製した。前記組成物について官能試験を行い、苦味の有無及び風味を評価した。調製した組成物のpH、酸度及び甘味度並びに前記官能試験の結果も表1にまとめた。
Figure 2016116513
※1…株式会社ニッピ製の豚皮由来コラーゲンペプチド(平均分子量3000〜5000)。
※2…三栄源エフ・エフ・アイ社製の高甘味度甘味料(24質量%のスクラロース及び18質量%のアセスルファムカリウムを含む)。比甘味度は、スクラロースが600、アセスルファムカリウムが200である。
※3…苦味と酸味によるムセが感じられず、かつ甘味と酸味の調製により味質がよく、ボディ感のある味わいに優れ、飲みやすい総合的に嗜好性の向上した飲料組成物であった。
※4…苦味とイガイガした舌にさわる風味があり味質がわるく、非常に飲み難い飲料組成物であった。
※5…ボディ感のある味わいがあり、満足できる味質の飲料組成物であった。
実施例1、2及び3並びに比較例1の飲料組成物は、ロイシンを高濃度で含むが、該ロイシンの析出は確認されなかった。コラーゲンペプチドを含まない比較例1の飲料組成物では、苦味があり風味も好ましいものではなかったのに対し、コラーゲンペプチドを含む実施例1、2及び3の組成物では、苦味が低減されており風味も良好だった。特に実施例1の飲料組成物では、実施例2及び3の飲料組成物よりも苦味がさらに低減されていた。したがって、コラーゲンペプチドがロイシンの苦味を低減する作用を有していることがわかった。
また、コラーゲンペプチドの配合に加えて、酸度・甘味度を高く調整した実施例1の飲料組成物は、甘味と酸味が強く、実施例2及び3の飲料組成物よりもさらにロイシンの苦味を感じにくい傾向であった。酸度の低い実施例2の飲料組成物は、酸味が穏やかな傾向であった。酸度・甘味度の低い実施例3の飲料組成物は、酸味と甘味が穏やかな傾向であった。したがって、甘味と酸味の調整により、良好な味質とボディ感のある味わいが達成されることがわかった。
〔実施例4〕
実施例1と同じコラーゲンペプチド2.5質量%、グラニュー糖27.5質量%、クエン酸0.8質量%及びクエン酸ナトリウム0.34質量%を含む溶液をスプレードライにより粉末化して粉末を得た。上記の粉末は苦味低減剤となるものであった(実施例5参照)。
〔比較例2〕
粉末化する溶液からコラーゲンペプチドを除く以外は実施例4と同様にして粉末を得た。
〔実施例5〕
ロイシン1.58質量%、実施例4の苦味低減剤31.54質量%及び水残量(合計100質量%)を混合して液状の組成物(飲料組成物)を調製した。この液状の組成物はpH3.8、酸度0.95、甘味度27.5、糖度8.9であった。
実施例5の飲料組成物は、苦味と酸味によるムセが感じられず、かつ甘味と酸味の調製により味質がよく、飲みやすい総合的に嗜好性の向上した飲料組成物であった。なお、甘味と酸味のバランスがよい点では実施例1の飲料組成物の方が優れていた。
〔比較例3〕
実施例4の苦味低減剤31.54質量%に代えて比較例2の粉末29.04質量%を加配した以外は実施例5と同様にして液状の組成物(飲料組成物)を調製した。この液状の組成物はpH3.5、酸度0.90、甘味度27.5、糖度29であった。
比較例3の飲料組成物は、苦味とイガイガした舌にさわる風味があり、味質がわるく、非常に飲み難い飲料組成物であった。
〔実施例6〕
ロイシン1.58質量%、実施例1と同じコラーゲンペプチド2.5質量%、スクラロース0.042質量%、グラニュー糖2.5質量%、クエン酸0.8質量%、クエン酸ナトリウム0.34質量%及び寒天1.0質量%を水残量(合計100質量%)に加え、85℃に加熱溶解して寒天を水和させ、ゲル化剤溶液を得た。このゲル化剤溶液を冷却した後容器に充填、密封し、加熱殺菌処理を行い、冷却してゼリーを得た。このゼリーはpH3.5、酸度0.95、甘味度27.5、糖度10であった。
実施例6のゼリーは、苦味と酸味によるムセが感じられず、かつ甘味と酸味の調製により味質がよく、喫食しやすい総合的に嗜好性の向上したデザートとして好適なものであった。また、実施例6のゼリーは、容易に嚥下可能なものであり、高齢者にとっても好適なものである。
以上より、ロイシンを高濃度で含む組成物に、コラーゲンペプチドを含むロイシンの苦味低減剤を加配すると、該ロイシン特有の苦みが低減され、該組成物の嗜好性が向上することがわかった。したがって、高濃度のロイシンを含む組成物を継続的に摂取することが可能となる。

Claims (16)

  1. コラーゲンペプチドを含むことを特徴とするロイシンの苦味低減剤。
  2. pHが3.4〜4.6である液状又はゼリー状の組成物においてロイシンの苦味を低減するための、請求項1に記載のロイシンの苦味低減剤。
  3. 高甘味度甘味料、高甘味度甘味料以外の糖類、酸、酸の塩及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分を含む組成物においてロイシンの苦味を低減するための、又は、高甘味度甘味料、高甘味度甘味料以外の糖類、酸、酸の塩及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分をさらに含む、請求項1又は2に記載のロイシンの苦味低減剤。
  4. 1.2〜1.8質量%のロイシンと、コラーゲンペプチドとを含むことを特徴とする組成物。
  5. 前記コラーゲンペプチドの含有量が、前記組成物の全量に対して1〜4質量%である、請求項4に記載の組成物。
  6. 高甘味度甘味料、高甘味度甘味料以外の糖類、酸、酸の塩及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分をさらに含む、請求項4又は5に記載の組成物。
  7. 液状又はゼリー状である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. pHが3.4〜4.6である、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記組成物の甘味度が10〜40であって、
    前記高甘味度甘味料の含有量が、前記組成物の甘味度のうち50%以上を提供する量であり、
    前記高甘味度甘味料以外の糖類の含有量が、前記組成物の甘味度のうち2.5%以上を提供する量である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記酸の含有量が、0.4〜1.2質量%であり、かつ前記酸の塩の含有量が、0.1〜0.6質量%である、請求項6〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 果物系の香料をさらに含む、請求項4〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. ロイシン以外の他のアミノ酸を含まない、請求項4〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 飲料である、請求項4〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. ロイシンの苦味低減方法であって、
    1.2〜1.8質量%のロイシンを含む組成物に、コラーゲンペプチドを加配する工程を含むことを特徴とする方法。
  15. 前記コラーゲンペプチドの加配量が、前記組成物の全量に対して1〜4質量%である、請求項14に記載の方法。
  16. 高甘味度甘味料、高甘味度甘味料以外の糖類、酸、酸の塩及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分を加配する工程をさらに含む、請求項14又は15に記載の方法。
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