JP2016112507A - 濾過用フィルター - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態の濾過フィルターは、複数の貫通孔を有するフィルター基材と、フィルター基材の表面を被覆するめっき層と、めっき層の表面に形成された酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素のいずれか一方または両方を含む層とから構成されている。また、めっき層には、多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体が備えられている。酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素のいずれか一方または両方を含む層は、多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体の表面に形成される。
更に酸化アルミニウムや酸化ケイ素といった親水性の材料でめっき層表面を覆うことで、フィルター表面の水に対する親和性を調整できるようになる。すなわち、固形物とフィルターの親和性よりも、水とフィルターとの親和性を高くすることで、固形物がフィルターに強固に付着するのを抑制することができ、水によるフィルター洗浄の効果を高く保つことができる。
濾過用フィルターを電子顕微鏡で観察し、縦2μm、横2μm、面積4μm2の正方形の領域内に存在する針状構造物の頂点の数を、4箇所測定する。そして、4箇所で測定した針状構造物の頂点の数を平均し、単位面積(1μm2)当たりの針状構造物の数を算出する。
濾過用フィルター1を埋め込み樹脂で固定して切断し、その切断面をイオンミリングで平滑化して、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影する。その後、撮影したフィルター基材の断面の拡大写真におけるフィルター基材の表面の略延在方向に沿って、10μm当たりの針状構造物の数を測定する。そして、測定した針状構造物の数から単位長さ(1μm)当たりの針状構造物の数を算出する。
図3に示すように、フィルター基材6の断面において隣接する針状構造物5間には、谷53が形成されている。フィルター基材6の断面において、針状構造物5を挟んで対向する谷底である基端53a、53a間を、直線51でつなぎ、その長さを針状構造物5の基端部の幅D1、D2とする。また、針状構造物5の先端52と上記の直線51との最短距離を、針状構造物5の高さH1、H2とする。
次いで、線材2の表面全面に、めっき処理を用いて、下地層4を形成する。下地層4を形成するためのめっき処理としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ニッケルまたはニッケル合金からなるめっき層3を形成する前に、ステンレスからなる線材2の表面に下地層4を形成する場合には、電解ニッケルめっき処理または無電解ニッケルめっき処理を用いて、ニッケルまたはニッケル合金からなる下地層4を形成することが好ましい。
すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて拡大した濾過用フィルター1の写真を撮影し、画像処理を行う。具体的には、多面体形状の析出物の最も大きさの大きい部分の外形寸法を、一つの写真に対して代表的な10か所を選択して測定し、その平均値を平均最大外形寸法と定義する。
すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて拡大した濾過用フィルター1の写真を撮影し、画像処理を行う。具体的には、平面視で、めっき層3の被覆された貫通孔5の内壁に接する内接円51の直径を、一つの写真に対して代表的な10か所を選択して測定し、その平均値を内接円51の直径の平均値と定義する。
図1に示す濾過用フィルター1においては、隣接する貫通孔8間の最短距離の平均値は、めっき層3によって被覆された線材2の平均線径である。このため、隣接する貫通孔8間の最短距離の平均値として、めっき層3によって被覆された線材2の平均線径を用いて、開孔率を算出する。
次いで、めっき層3に被覆された線材2の平均線径をA、内接円の直径の平均値をBとして、B2/(A+B)2(%)で算出される値を開孔率と定義する。
線材2の表面全面に、めっき処理を用いて、下地層4を形成するまでは、先に説明した例のめっき層と同様である。
濾過用フィルター1にSS粒子を含む被処理液を通過させると、まず、表面濾過および深層濾過の機構によって、SS粒子が捕捉される。濾過用フィルター1は、多面体形状の析出物または針状析出物を所定の密度で有するものであるため、濾過用フィルター1とSS粒子を含む被処理液との接触面積が大きい。このため、表面濾過および深層濾過の機構によって多面体形状の析出物または針状析出物の表面に付着したSS粒子を起点として、めっき層3の表面の複数の箇所で速やかにSS粒子の凝集物が形成される。
このため、濾過用フィルター1に捕捉されたSS粒子は、谷53の基端53a近傍には入り込みにくい。したがって、めっき層3の表面にケーク7が形成されている濾過用フィルター1では、図2に示すように、谷53とケーク7とに囲まれた十分な広さの空間31が形成される。空間31が形成された後、さらに濾過用フィルター1へのSS粒子を含む被処理液の通過を継続させても、空間31の上部はケーク7で形成された蓋が被せられた状態となっているため、SS粒子は空間31内に入り込みにくい。したがって、濾過用フィルター1へのSS粒子を含む被処理液の通過を継続させると、ケーク7上にさらにSS粒子が堆積される。
以上は図3の場合についての説明だが、図4、図5に示すフィルターにおいても同様の現象が起きる。
以上は図3の場合についての説明だが、図4、図5に示すフィルターにおいても同様にして逆洗が可能である。
したがって、濾過用フィルター1では、めっき層3と線材2との間に空間が存在していない。このため、例えば、めっき層3と線材2との間に空間が存在している場合と比較して、めっき層3が脱落しにくく、耐久性に優れた濾過用フィルター1となる。また、めっき層3と線材2との間に空間が存在していないので、めっき層3と線材2との間の空間に被処理液中のSS粒子が詰まることがない。したがって、濾過用フィルター1は、洗浄が容易である。
上記の実施形態では、網目状に配置された線材2の形状が平織である場合を例に挙げて説明したが、網目状に配置された線材2の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、綾織、畳織であってもよい。フィルター基材が織物である場合、線材2同士が交差して重なることによって、濾過用フィルター1の表面に凹凸が形成される。このため、濾過用フィルター1の表面にSS粒子がひっかかりやすいものとなり、より一層濾過性能の高いものとなる。
(実施例1)
ステンレス製の平織りの金網(目開き45μm,線径32μm)を用意した。これを、リンと亜鉛とニッケルとを含むめっき浴中に浸漬し、無電解ニッケルめっき処理を行った。このことにより、網目状に配置されたステンレスで形成されている線材をニッケル亜鉛合金からなる下地層で被覆した。
その後、下地層を形成しためっき浴中に、添加剤として2−ブチン−1,4−ジオールを添加して、無電解ニッケルめっき処理を行った。このことにより、下地層で被覆された線材を被覆するめっき層を形成し、実施例1の濾過用フィルターを得た。
表面改質層の形成を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の濾過用フィルターを製造した。
シリカを主成分とした親水化処理を行った濾過用フィルターの親水化評価を行った。
濾過用フィルターは多孔質である為、濡れ性評価として一般に行われる接触角を用いた評価ができない。そこで、以下のように行った。
破砕シリカ(E−1、株式会社龍森製)1gを1Lのイオン交換水に分散させ、サラダ油0.1mlを添加した後にホモジナイザー(ホモミクサーMk-II、PRIMIX)で撹拌速度5000rpm、時間10分間の条件で撹拌し、試験液を調整した。
上記操作は、親水化処理をしていない比較例1の濾過用フィルターについても行い、親水化処理の洗浄効果を比較した。結果を図6に示す。
Claims (8)
- 複数の貫通孔を有するフィルター基材と、
前記フィルター基材の表面を被覆するめっき層と、を有し、
前記めっき層の表面に、多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体が備えられ、
前記めっき層の表面に、酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素のいずれか一方または両方を含む層が形成されている濾過用フィルター。 - 前記針状析出物は、基端から先端に向けて先細りの形状である請求項1に記載の濾過用フィルター。
- 前記フィルター基材の単位面積当たりの前記針状析出物の数が1.2〜10.0個/μm2であるか、または、
前記フィルター基材の断面における単位長さ当たりの前記針状構造物の数が1.0〜4.0個/μmである請求項1または請求項2に記載の濾過用フィルター。 - 前記フィルター基材の断面における前記針状析出物の平均高さが0.2〜2.5μmである請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の濾過用フィルター。
- 前記多面体形状の析出物の最大外形寸法の平均値が0.5〜10μmであり、
前記めっき層の被覆された前記貫通孔の直径の平均が1〜20μmであり、
前記フィルター基材の面積に対する前記めっき層の被覆された前記貫通孔の面積が0.04〜5.00%である請求項1に記載の濾過用フィルター。 - 前記多面体形状の析出物の集合体または前記複数の針状析出物の集合体を含む前記めっき層が、ニッケルまたはニッケル合金からなる請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の濾過用フィルター。
- 前記フィルター基材が、金属網であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の濾過用フィルター。
- 前記フィルター基材が、複数の前記貫通孔が設けられた金属板であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の濾過用フィルター。
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