JPH07155520A - 金属フィルタおよびその製造方法 - Google Patents

金属フィルタおよびその製造方法

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JPH07155520A
JPH07155520A JP24745494A JP24745494A JPH07155520A JP H07155520 A JPH07155520 A JP H07155520A JP 24745494 A JP24745494 A JP 24745494A JP 24745494 A JP24745494 A JP 24745494A JP H07155520 A JPH07155520 A JP H07155520A
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wire mesh
metal filter
powder
filter
metal
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JP24745494A
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Inventor
Kazuhiko Sonomoto
和彦 園元
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 濾過性が良好で機械的強度が大きくかつ安価
で微細孔を有する金属フィルタを提供する。 【構成】 畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下した金
属フィルタ、または畳織りまたはむしろ織りの金網を圧
下して得られる孔径5〜20μmの基板と、前記基板の
少なくとも片面上に形成された孔径5μm以下の金属粉
末焼結層とからなる金属フィルタである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種油類、ガス類およ
び水の濾過に使用する金属フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、水の濾過にはその所望される
濾過性能によって一般濾過、精密濾過、限外濾過などの
各段階に分けられている。一般濾過とは別名砂濾過とい
い、5μm程度の粒子を濾過により取り除くことができ
る程度の性能が求められ、精密濾過は0.1〜10μm
程度の粒子の濾過をできる程度の性能が求められ、公園
などの水として使用するために修景用水とも呼ばれてい
る。またさらに微細な0.001〜1μmの粒子を濾過
できる限外濾過は手で触れる程度の水とのことで親水用
水と呼ばれている。従来から精密濾過や限外濾過に使用
されるフィルタとしてはステンレス焼結フィルタ、樹脂
フィルタ、ステンレス金網フィルタ等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の従来の各
種フィルタには次のような欠点があった。まず樹脂フィ
ルタでは強度、耐熱性が劣るという問題があり、用途に
よっては実用性に欠けるという難点があった。
【0004】ステンレス焼結フィルタは繊維状のステン
レス鋼を焼結してその繊維の積み重なりの間隙をフィル
タの目とするものであり、これには長繊維をそのまま用
いるものと長繊維をカットして短繊維として用いる場合
がある。このようなステンレス焼結フィルタは金型で成
形するため製作し得る寸法に限界があるだけでなく、フ
ィルタとして使用する過程でフィルタ自体が厚いことに
よる逆洗い時の効率すなわち再生効率が悪いという問題
があり、また十分に薄膜化することができないという問
題があるほか、非常に高価であるという問題があった。
さらにステンレス金網フィルタについては針金を織るこ
とにより製造するために空孔径を超微細にすることが困
難であった。また、微細な孔径を有する金網が市販され
ているが高価であり、工業的な適用が困難であるという
問題があった。
【0005】したがって本発明は以上の従来技術におけ
る問題に鑑みてなされたものであって、濾過性が良好で
機械的強度が大きくかつ安価で微細孔を有する金属フィ
ルタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第1の
発明は畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下して得られ
る金属フィルタである。また本発明の第2の発明は畳織
りまたはむしろ織りの金網を圧下して得られる孔径5〜
120μmの基板と、前記基板の少なくとも一方の面上
に形成された孔径5μm以下の金属粉末焼結層とからな
る金属フィルタである。
【0007】まず本発明の第1の発明について詳述す
る。本発明にかかわる金属フィルタは主に一般濾過又は
精密濾過に使用される。本発明にいう畳織り金網には図
1に示される平畳織り金網と図2に示される綾畳織り金
網がある。平畳織り金網とは、縦線と横線が一本づつ相
互に交わっており、しかも縦線が横線よりも太く、その
横線を互いに相接して並べたもので、畳表の様な織り方
による金網をいう(JIS G3555DW)。また、
綾畳織り金網とは、太い縦線と横線とで織り、その横線
を互いに相接して並べ、しかも縦線横線を互いに2本以
上づつ乗り越して交わらせたものをいう。むしろ織りと
は、縦に5本程度、横に6本程度の線をそれぞれ一括し
て織ったむしろ状の織り方をいい、図3には綾むしろ織
りの例を示す。
【0008】以上の畳織り金網、むしろ織り金網は平面
とほぼ直交する方向に網目が形成されている点で共通し
ており、金網の平面とほぼ直交する方向に網目が形成さ
れた他の織り方も本発明に含まれる。また図4に示すよ
うな通常の平織り金網(JIS G3555PW)、綾
織り金網(JIS G3555TW)の網目が金網の平
面に形成されているのとは異なる。本発明においてこの
ように平面とほぼ直交する方向に網目が形成されている
畳織り金網、むしろ織り金網を適用するのは次の理由に
よる。すなわち、通常の平織り金網または綾織り金網は
圧下率を大きくしても網目を微細化するのが困難である
のに対し、畳織り金網またはむしろ織り金網は平面とほ
ぼ直交する方向に網目が形成されているために圧下率が
小さくても容易に網目を微細化することが可能であるか
らである。網目微細化の過程を図5に示すが、平面とほ
ぼ直交する方向に形成された網目が圧下率の増大につれ
て微細化することが判る。通常の平織り金網または綾織
り金網は、同程度の圧下を施しても殆ど網目は微細化し
ない。
【0009】以上の各場合に畳織りまたはむしろ織りの
金網を圧下する際の圧下率は2〜50%とするのが好ま
しい。圧下率が2%未満では圧下による効果が実質的に
認められず、圧下率が50%を越える場合には圧下後に
得られる金属フィルタを透過し得る純水の水量すなわち
透過水量が低くなり、フィルタとしての使用後に逆洗い
する再生処理が困難となる。かかる圧下率はさらに好ま
しくは20〜40%とするのがよい。圧下率が20%未
満では圧下後に得られる金属フィルタを透過し得る粒体
の粒径が大きくなり、フィルタとしての性能が十分では
ないからである。また圧下率が40%を越える場合には
圧下後に得られる金属フィルタの透過水量が非実用的な
程度に低くなり、フィルタとしての使用後に逆洗いする
再生処理が容易でなくなる。また、圧下された金網の孔
径は5〜120μmとするのが好ましい。5μmより小
さい孔径を得るには圧下量が大となり、透過水量が非現
実的に低くなる。また孔径が120μmより大きいと一
般濾過用として必要とされる濾過性能が得られない。
【0010】上記したように畳織りやむしろ織りの金網
の孔径の大きい安価な金網を圧下することにより、孔径
を微細化できるためコスト的に有利となる。例えば、3
0μm程度の孔径が必要とされる場合、通常の平畳織り
の金網を用いて30%の圧下を加えると考えると1m2
当たり9,000円程度の金網で十分で、これに圧下に
伴う加工費を加えても高々20,000円程度である。
これに対し40μm程度の孔径を有する平織り金網は、
織り方が難しいために1m2当たり、40,000円と
いう高値でありことを考えると、2分の1のコストで所
望の孔径の金属フィルタを得ることが出来ることがわか
る。
【0011】なお、圧下後に縦線と横線の交差部の結合
が弱いため、圧下部の結合力の向上を目的として圧下後
に熱処理を行うと好ましい。熱処理は、一種の焼結と考
えてよく粉末を塗布して粉末相層を形成する場合は、そ
の焼結工程が前記熱処理の役目を果たす。このような構
成とすることにより、本発明の金属フィルタは上記のよ
うな水の濾過以外にたとえばディーゼルエンジンから排
出される黒煙などの微粒子物質の除去にも好適である。
【0012】さらに微細な粒子を濾過する必要がある精
密濾過や限外濾過の場合には本発明の第2の発明が用い
られる本発明の第2の発明は以上のようにして得られた
畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下して得られる孔径
5〜120μmの基板の少なくとも一方の面上に形成さ
れた孔径5μm以下の金属粉末焼結層とからなる。本発
明にかかる金属フィルタは上記したように安価に製造で
きる細かな目の金網基板により機械的強度を得ると共に
圧力損失を減少させ、その細やかな金網基板上に所望の
孔径を有する金属粉末焼結相を形成することにより所定
の濾過性能を有する金属フィルタを得ることができる。
【0013】本発明において、前記細かな網目基板の孔
径は5〜120μm、前記粉末層の孔径は5.0μm以下
とする。ここで網目基板の孔径が5μmより小さいと前
記したように透過水量が非現実的に少なくなり、実際の
使用はできない。また孔径が120μmよりも大きいと
基板上に形成する金属粉末焼結層の粉末が網目から抜け
出すことを防止するために粉末の粒径を大きくする必要
があり、粉末焼結層に求められる孔径が得られない。ま
た、金属粉末焼結層の孔径が5μmより大きいと精密濾
過用としては使用できず、またこの程度の孔径であれば
金網の圧延によっても得ることができるために粉末焼結
層を形成する必要性がない。またこの様な構成にするこ
とにより金属フィルタ全体として良好な機械的強度と濾
過性能を同時に得ることができる。前記基板と前記粉末
粒子層を複数層設ける様にすることができ、それにより
用途に応じた金属フィルタを得ることができる。
【0014】前記基板としてオーステナイト系ステンレ
ス鋼を用い、粉末粒子として平均粒径3〜30μmのオ
ーステナイト系ステンレス鋼粉末をもちいれば、機械的
強度、耐食性等の性能につき良好な金属フィルタを得る
ことができる。粉末粒子の平均粒径が3μm未満では焼
結時に得られる孔径が微細になりすぎ除去できる粒径は
小さくなるが、透過水量が非現実的に少なくなるためで
ある。また平均粒径が30μmよりも大きいと焼結時に
得られる孔径が大きくなりすぎ、焼結後に圧延を加えて
も透過水量が小さくなるだけで必要とする孔径が得られ
にくい。前記粉末粒子としてCuをもちいれば、機械的
強度、耐食性が良好となりしかも被処理物に対する殺菌
性能をフィルタに付与することができる。
【0015】さらに本発明の金属フィルタを限外濾過に
使用する場合には少なくとも表面の孔径が0.5μm以
下であると好ましい。このような表面だけが微細な孔径
を有する金属フィルタは例えば粉末焼結体を圧延するこ
とや加圧下で焼結することにより得られる。
【0016】焼結体を圧延を行うことによって表面の孔
径を微細化する場合には、特に低圧下率で圧延を行う場
合には得られる金属フィルタの表面層の孔径を微細化し
内部に与える影響を少なくすることができる。このため
得られる金属フィルタの表面層を密にして濾過性能を向
上することができると同時に、内部層に与える影響を少
なくして内部層を粗にして透過水量の減少を防止するこ
とにより、再生効率の低下を防止することができる。ま
た金属フィルタに熱処理時に発生する変形が圧延によっ
て矯正されて全体として歪が発生せず均質な性能を有す
るものとなる。以上の圧延の圧下率は1〜40%とする
のが好ましい。圧下率が1%未満では濾過性能の向上が
認められず、逆に圧下率が40%を越える場合には、内
部にまで圧下の影響が及ぶために得られる金属フィルタ
の透過水量が顕著に減少して、再生効率が悪化する。
【0017】また、加圧下において焼結することによっ
ても前述の圧延を行う場合と同様に得られる金属フィル
タの表面層の孔径を微細化して表面層を密にして濾過性
能を向上することができると同時に、内部層に与える影
響を少なくして内部層を粗にして再生効率の低下を防止
することができる。特にこのように熱処理過程を加圧下
で行うことによって金属フィルタに熱処理時に変形が生
じず全体として歪が発生せず均質な性能を有するものと
なる。
【0018】
【実施例】以下本発明を実施例により、より詳細に説明
する。図6から図8は本発明の金属フィルタの製造方法
を実施するための製造装置の概念図の一例を示す。図6
の製造装置においては、金網の反物ロール10を巻き出
しながら圧延ロール11によって圧下して反物ロール1
2として巻き取り、その圧下された金網を巻き取った反
物ロール12を例えばフォークリフト13などの運搬手
段によって所定の位置に設置する。この所定位置に配置
された反物ロール12を巻き出しながら加熱炉14aに
よって処理した後反物ロール15に巻き取られて金属フ
ィルタが製造される。
【0019】また図7の製造装置のよれば、金網の反物
ロール10を巻き出しながら圧延ロール11によって圧
下して反物ロール12として巻き取り、その圧下された
金網を巻き取った反物ロール12を例えばフォークリフ
ト13などの運搬手段によって所定の位置に配置する。
この所定位置に配置された反物ロール12を巻き出しな
がらスプレー17によって粉末を塗布し、その後乾燥炉
18において乾燥し、さらに焼結炉14bにおいて焼結
した後圧延ロール16によって圧延が行われ、その後反
物ロール15に巻き取られて金属フィルタが製造され
る。
【0020】さらに図8の製造装置によれば、金網の反
物ロール10を巻き出しながら圧延ロール11によって
圧下し、引き続き圧下された金網に対してスプレー17
によって粉末を塗布し、その後乾燥炉18において乾燥
し、さらに焼結炉14bにおいて焼結した後圧延ロール
15によって圧延が行われ、その後反物ロール16に巻
き取られ金属フィルタが製造される。
【0021】なお以上の図7から図8に示す製造装置に
おいては、図9に示されるように焼結炉14b内におい
て加圧手段19によって焼結中の素材Aに対して所定の
圧力を印可することより金属フィルタを製造することも
可能である。
【0022】以下に実際に製造した金属フィルタの特性
について説明する。 (実施例1)平畳織りSUS316L(#40/200
メッシュ)金網を圧下率を種々に設定して圧延して本発
明実施例の金属フィルタを得た。得られた金属フィルタ
につき通過最大粒径(μm)と純水の透過水量を測定し
た。ここで通過最大粒径とは5〜150μmの粒度分布
のアルミナ粉末を50mg/lとなるように純水中に分
布させた液を用いて濾過を行い、フィルタを通過した濾
液中の最大粒径を示している。純水の透過水量とは1m
2当たりに1時間でどれだけの純水が流れることができ
たかを示す。測定の結果を図10に示す。ここで比較例
として、従来の200メッシュの平織り金網を用いて同
様の測定を行った結果も合わせて図10に示す。図10
に示されるように本発明に関わる金属フィルタは圧下率
が20%を越えると通過最大粒径は急速に小さくなり、
孔径が次第に微細になっていくことがわかる。これに対
し従来の平織り金網は圧下率が増えても通過最大粒径は
ほとんど変化しないことがわかる。また本発明の金属フ
ィルタは圧下率が50%になると純粋の透過水量が急速
に減少するが従来の平織り金網は圧下率が増加しても純
水の透過水量は急激な変化はみられない。したがって、
本発明の金属フィルタは圧下を加えることにより簡単に
微細な孔径を有するフィルタを得ることが出来る。
【0023】(実施例2) (1)基板の製造 厚さ0.4mmで#40/200メッシュの平畳織りSU
S316L金網を圧下率40%でロール圧延して厚さ
0.28mm、網目径42μmの基板を得た。
【0024】(2)焼結層の製造 平均粒度10μmのSUS316L粉末と水とを混合し
基板上に60μm厚に塗布した。乾燥後水素雰囲気中で
1050℃、1時間焼結し粉末層を形成した。
【0025】図11に得られた金属フィルタの断面組織
図を示す。図11中符号4で示される部分が平畳織りS
US316L金網を圧下率40%でロール圧延して得ら
れた厚さ0.28mm、網目径42μmの基板であり、図中
符号5で示される部分がSUS316L粉末を焼結して
得られた粉末焼結層である。図に示されるように本発明
実施例によって得られた金属フィルタは粉末焼結層5に
よって用途に応じたフィルタ性能が達成されると共にか
かる粉末層5が基板4に担持されることによって金属フ
ィルタ全体として機械的強度が大きくなり、しかもフィ
ルタとしての使用過程では基板4側から逆洗いすること
によって効率よく再生することができる。
【0026】(実施例3) (1)基板の製造 厚さ0.4mmで#40/200メッシュの平畳織りSU
S316L金網を圧下率40%でロール圧延して厚さ
0.28mm、網目径42μmの基板を得た。 (2)焼結層の製造 平均粒度10μmのSUS316L粉末と水とを混合し
基板上に60μm厚に塗布した。乾燥後水素雰囲気中で
1050℃、1時間焼結し粉末層を形成した。この後、
圧下率10%で圧延を行い金属フィルタを得た。
【0027】(実施例4)他は実施例3と同様にして基
板製造にあたって平畳織りSUS316L金網に対する
圧下率を30%とし金属フィルタを得た。
【0028】(実施例5)他は実施例3と同様にして基
板上に塗布された粉末層の焼結温度を1100℃とし金
属フィルタを得た。
【0029】(実施例6)他は実施例5と同様にして基
板上に塗布する粉末層の厚みを40μmとして金属フィ
ルタを得た。
【0030】以上の実施例3〜実施例6の金属フィルタ
及び従来のフィルタについてフィルタ性能を調査した。
結果を図12に示す。なお図12において、阻止率とは
平均粒径0.4μmのアルミナ微粉末を50mg/lと
なるように純水中に分布させた液を用いてろ過したとき
のろ液のアルミナ微粉末を分析した結果から求めたもの
であり、フィルターで捕獲したアルミナの割合を意味
し、また「樹脂」は従来の樹脂フィルタ、「ステン繊
維」はステンレス鋼製繊維を焼結して得たフィルタ、
「繊維カット」はステンレス鋼製繊維をカットした上で
焼結したフィルタを示す。
【0031】図12に示されるように従来の孔径0.1
μmの樹脂フィルタ(比較例1)は阻止率は高いものの
透過水量が低く再生効率が悪い。また孔径3.0μmの
ステン繊維(比較例4)は透過水量が高く再生効率は良
好であるが、阻止率は低い。孔径0.5μmの樹脂フィ
ルタ(比較例2)及び孔径0.6μmのステン繊維・繊維
カットフィルタ(比較例3)が阻止率及び透過水量の両
観点から好ましい性能を備えることが判る。しかしこれ
らのフィルタは何れも製造コストが過大であり、その点
で実用性が低いという難点を有する。一方、本発明の金
属フィルタの製造方法を実施して得られた金属フィルタ
の中で粉末層の焼結温度を1050℃に設定したもの
(実施例3,4)は何れも比較例2,3の孔径0.5μ
mの樹脂フィルタ及び孔径0.6μmのステン繊維・繊維
カットフィルタと同程度の阻止率及び透過水量を示して
おり、濾過性能及び再生効率共に満足できるものである
ことが判る。
【0032】(実施例7)実施例2と同様にして、焼結
粉末層を有する金属フィルタを得た。この金属フィルタ
を用いて圧下率を種々に設定して圧延して得られた金属
フィルタについて阻止率と純水の透過水量を測定した結
果を図13に示す。図13に示すように圧下率が10%
を越えると阻止率は急速に大きくなり、圧下率が20%
を越えると阻止率の増大は認められない。一方圧下率が
30%になると純水の透過水量が0に近くなる。従って
圧下率は3から30%とするのがこの場合には良いが特
に濾過性能及び再生効率の両方の観点から考えた場合に
は圧下率は10〜30%とするのがよいことが判る。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明の金属フィルタは、
畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下して得られ、濾過
性能及び生成効率共に良好で極めて安価である。また本
発明により得られる金属フィルタによれば、畳織り金網
を圧延して得られる基板と、粉末を焼結して得られる相
対的に微細な空孔径を有する粉末層とからなるので基板
により金属フィルタ全体に機械的強度を与え、かつ粉末
層の厚さを薄くすることができるため、圧力損失を最小
限に抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金属フィルタの製造方法に適用され
る平畳織り金網の構造を示す斜視図である。
【図2】 本発明の金属フィルタの製造方法に適用され
る綾畳織り金網の構造を示す斜視図である。
【図3】 本発明の金属フィルタの製造方法に適用され
るむしろ織り金網の構造を示す斜視図である。
【図4】 従来の平織り金網の構造を示す斜視図であ
る。
【図5】 平畳織り金網に対する圧下により生じる変化
を示す斜視図であり、 (A)圧下しない状態を示す図である。 (B)圧下率30%の場合の状態を示す図である。 (C)圧下率40%の場合の状態を示す図である。 (D)圧下率50%の場合の状態を示す図である。
【図6】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施する
製造装置の一例の概略構成を示す図である。
【図7】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施する
製造装置の他の例の概略構成を示す図である。
【図8】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施する
製造装置の他の例の概略構成を示す図である。
【図9】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施する
製造装置の他の例の概略構成を示す図である。
【図10】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施し
て得られた金属フィルタの特性を調査した結果を示す図
である。
【図11】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施し
て得られた金属フィルタの断面組織図であり、 (a)倍率を80倍程度としたときの図である。 (b)倍率を400倍程度としたときの図である。
【図12】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施し
て得られた金属フィルタの特性を調査した結果を従来の
フィルタと比較して示す図である。
【図13】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施し
て得られた金属フィルタの特性を調査した結果を従来の
フィルタと比較して示す図である。
【符号の説明】
3・・・金属フィルタ、4・・・基板、5・・・粉末層 10,12,15・・・反物ロール、11・・・圧延ロール、
14a・・・加熱炉 14b・・・焼結炉、16・・・スプレー、17・・・乾燥炉
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図9】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図13】
【図12】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下し
    て得られたことを特徴とする金属フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記金網の圧下後の孔径が5〜120μ
    mであることを特徴とする請求項1に記載の金属フィル
    タ。
  3. 【請求項3】 前記金網からの圧下率が2〜50%であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金
    属フィルタ。
  4. 【請求項4】 畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下し
    て得られる孔径5〜120μmの基板と、前記基板の少
    なくとも一方の面上に形成された孔径5μm以下の金属
    粉末焼結層とからなることを特徴とする金属フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記金属粉末焼結層の少なくとも表面の
    孔径が0.5μm以下であることを特徴とする請求項4
    に記載の金属フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記金属粉末焼結層の表面が圧下率1〜
    40%で圧下することにより孔径0.5μm以下である
    ことを特徴とする請求項4に記載の金属フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記基板の圧下率が金網に対して2〜5
    0%であることを特徴とする請求項4乃至請求項6のい
    づれかに記載の金属フィルタ。
  8. 【請求項8】 前記基板がオーステナイト系ステンレス
    鋼からなり、前記金属粉末焼結層が平均粒径3〜30μ
    mのオーステナイト系ステンレス鋼粉末の焼結体からな
    ることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに
    記載の金属フィルタ。
  9. 【請求項9】 畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下
    後、その圧下された金網の接合部を結合する熱処理を施
    すことを特徴とする金属フィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】 畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下
    した後、その圧下された金網の少なくとも片面に粉末を
    塗布し焼結したことを特徴とする金属フィルタの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下
    した後、その圧下された金網の少なくとも片面に粉末を
    塗布し焼結した後、圧延を行うことを特徴とする金属フ
    ィルタの製造方法。
  12. 【請求項12】 畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下
    した後、その圧下された金網の少なくとも片面に粉末を
    塗布し加圧下で焼結を行うことを特徴とする金属フィル
    タの製造方法。
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