JP3146837B2 - 金属フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

金属フィルタ及びその製造方法

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JP3146837B2 JP07233794A JP7233794A JP3146837B2 JP 3146837 B2 JP3146837 B2 JP 3146837B2 JP 07233794 A JP07233794 A JP 07233794A JP 7233794 A JP7233794 A JP 7233794A JP 3146837 B2 JP3146837 B2 JP 3146837B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種油類、ガス類およ
び水の濾過すなわち精密濾過に使用する金属フィルタの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から精密濾過に使用するフィルタと
してはステンレス鋼金属フィルタ、樹脂フィルタ、ステ
ンレス金網フィルタ等が用いられている。以上のうちス
テンレス鋼金属フィルタは繊維を焼結してその繊維の積
み重なりの間隙をフィルタの目とするものであり、これ
には長繊維をそのまま用いるものと長繊維をカットして
短繊維として用いる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし以上の従来の各
種フィルタには次のような欠点があった。まず従来の樹
脂フィルタでは強度、耐熱性が劣るという問題があり実
用性に欠けるという難点があった。
【0004】またステンレス金属フィルタについては製
作し得る寸法に限界があるだけでなく、フィルタとして
使用する過程での逆洗い時の効率すなわち再生効率が悪
いという問題があり、また十分に薄膜化することができ
ないという問題があるほか、非常に高価であるという問
題があった。さらにステンレス鋼金網フィルタについて
は空孔径を超微細にすることが困難であり、たとえ技術
的に可能であったとしても高価となり、工業的な適用が
困難であるという課題があった。しかも得られるフィル
タの大きさにはその製造方法に基づく制約から限界があ
り、特に長尺物の製造ができないことから、その点でも
製造コスト上の問題を生じていた。
【0005】したがって本発明は以上の従来技術におけ
る問題に鑑みてなされたものであって、濾過性が良好で
機械的強度が大きい微細孔用の金属フィルタを極めて安
価に製造することができる金属フィルタの製造方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の金属フ
ィルタは、金網を圧下して得られる基板と、前記基板上
に形成された表面部が内部に比べ微細な空孔径を有する
粉末層とからなることを特徴とする。また本発明の金属
フィルタの製造方法は、金網を圧下し、上部に粉末を塗
布し、乾燥し、焼結し、その後に圧延を行うことを特徴
とする。また本発明の金属フィルタの製造方法は、金網
の反物ロールを巻き出しながら圧下して巻取り、その圧
下された金網を巻き取った反物ロールを巻き出しながら
粉末を塗布し、その後乾燥し焼結し、その後圧延を行う
ことを特徴とする。さらに本発明の金属フィルタの製造
方法は、金網の反物ロールを巻き出しながら圧下して巻
取り、その圧下された金網を巻き取った反物ロールを巻
き出しながら粉末を塗布し、その後乾燥し加圧下におい
て焼結することを特徴とする。加えて本発明の金属フィ
ルタの製造方法は、金網の反物ロールを巻き出しながら
圧下し、引き続いて圧下された金網に対して粉末を塗布
し、その後乾燥し焼結し、その後圧延を行うことを特徴
とする。さらにまた本発明の金属フィルタの製造方法
は、金網の反物ロールを巻き出しながら圧下し、引き続
いて圧下された金網に対して粉末を塗布し、その後乾燥
し加圧下において焼結することを特徴とする。前記金網
を畳織りまたはむしろ織りの金網とすることによって安
価にかつ効率的に高性能の金属フィルタを製造すること
ができる。
【0007】本発明にいう畳織り金網には図1に示され
る平畳織り金網と図2に示される綾畳織り金網がある。
平畳織り金網とは、縦線と横線が一本づつ相互に交わっ
ており、しかも縦線が横線よりも太く、その横線を互い
に相接して並べたもので、畳表の様な織り方による金網
をいう(JIS G3555DW)。また、綾畳織り金
網とは、太い縦線と横線とで織り、その横線を互いに相
接して並べ、しかも縦線横線を互いに2本以上づつ乗り
越して交わらせたものをいう。むしろ織りとは、縦に5
本程度、横に7本程度の線をそれぞれ一括して織ったむ
しろ状の織り方をいい、図3には綾むしろ織りの例を示
す。以上の畳織り金網、むしろ織り金網は平面とほぼ直
交する方向に網目が形成されている点で共通し、通常の
平織り金網(JIS G3555PW)、横織り金網
(JIS G3555TW)の網目が平面に形成されて
いるのとは異なる。本発明においてこのように平面とほ
ぼ直交する方向に網目が形成されている畳織り金網、む
しろ織り金網を適用するのは次の理由による。すなわ
ち、通常の平織り金網または綾織り金網は圧下率を大き
くしても網目を微細化するのが困難であるのに対し、畳
織り金網またはむしろ織り金網は平面とほぼ直交する方
向に網目が形成されているために圧下率が小さくても容
易に網目を微細化することが可能であるからである。網
目微細化の過程を図4に示すが、平面とほぼ直交する方
向に形成された網目が圧下率の増大につれて微細化する
ことが判る。通常の平織り金網または綾織り金網は、同
程度の圧下を施しても殆ど網目は微細化しない。
【0008】以上の各場合に畳織りまたはむしろ織りの
金網を圧下する際の圧下率は2〜50%とするのが好ま
しい。圧下率が2%未満では圧下による効果が実質的に
認められず、圧下率が50%を越える場合には圧下後に
得られる金属フィルタを透過し得る純水の水量すなわち
透過水量が低くなり、フィルタとしての使用後に逆洗い
する再生処理が困難となる。かかる圧下率はさらに好ま
しくは20〜50%とするのがよい。圧下率が20%未
満では圧下後に得られる金属フィルタを透過し得る粒体
の粒径が大きくなり、フィルタとしての性能が十分では
ないからである。また圧下率が50%を越える場合には
圧下後に得られる金属フィルタの透過水量が非実用的な
程度に低くなり、フィルタとしての使用後に逆洗いする
再生処理が容易でなくなる。なお、圧下後における縦線
と横線の交差部(圧下部)の結合が弱いため、圧下部の
結合力を向上することを目的として圧下後に加熱処理を
行う。加熱処理は、一種の焼結と考えてよく、粉末を塗
布して粉末相層を形成する場合は、その焼結行程が前記
加熱処理の役目を果たす。
【0009】本発明の金属フィルタは以上の畳織りまた
はむしろ織りの金網を圧下して得られる基板上に粉末粒
子を塗布、焼結し、その後圧延することによって相対的
に微細な空孔径を有するに至った粉末層とからなる。
【0010】このように圧延を行うことによって得られ
る金属フィルタの表面層の細孔径を一層微細化すること
ができる。その場合圧延を行うことによって、得られる
金属フィルタの表面層の細孔径を微細化し内部層に与え
る影響を少なくすることができ、得られる金属フィルタ
の表面層の細孔径を微細化して表面層を密にして濾過性
能を向上することができると同時に、内部層に与える影
響を少なくして内部層を粗にして再生効率の低下を防止
することができる。また金属フィルタに熱処理時に発生
する変形が圧延によって矯正されて全体として歪が残留
せず均質な性能を有するものとなる。
【0011】以上の圧延の圧下率は3〜30%とするの
が好ましい。圧下率が3%未満では、濾過性能の向上が
認められず、逆に圧下率が30%を越える場合には、得
られる金属フィルタの通過水量が顕著に減少して、再生
効率が悪化する。さらに本発明の金属フィルタは以上の
畳織りまたはむしろ織りの金網を圧下して得られる基板
上に粉末粒子を塗布後乾燥し加圧下において焼結して得
られる相対的に微細な空孔径を有する粉末層とからな
る。その様に加圧下において焼結することによっても前
述の圧延を行う場合と同様に得られる金属フィルタの表
面層の細孔径を微細化して表面層を密にして濾過性能を
向上することができると同時に、内部層に与える影響を
少なくして内部層を粗にして再生効率の低下を防止する
ことができる。特にこのように熱処理過程を加圧下にお
いて行うことによって金属フィルタに熱処理時に変形が
生じず全体として歪が残留せず均質な性能を有するもの
となる。前記金網をステンレスとすることにより、機械
的強度、耐食性等の性能につき良好な金属フィルタを得
ることができる。
【0012】図5に模式的に示されるようにかかる本発
明の金属フィルタ3によれば細かな網目基板4により機
械的強度を得ると共に圧力損失を減少させ、その細かな
網目基板4上に粉末粒子を塗布、焼結し、その後圧延す
ることもしくは乾燥し加圧下において焼結することによ
り所望の空孔径を有する粉末層5を形成することにより
所定の濾過性能を有する金属フィルタを得ることができ
る。図5にも示されるように粉末層5は圧延によって更
に微細化した粉末層5aと圧延の影響を受けない相対的
に粗大な粉末層5bとよりなる。かかる粉末層5aと粉
末層5bの厚さ、その比率は圧延時の圧延速度等によっ
て容易に精度良く設定することができる。前記粉末層を
ステンレス鋼粉末とすることにより、機械的強度、耐食
性等の性能につき良好な金属フィルタを得ることができ
る。前記粉末層をCuとすることにより、機械的強度、
耐食性が良好となりしかも被処理物に対する殺菌性能を
フィルタに付与することができる。前記細かな基板の孔
径は5〜20μm、前記粉末層の孔径は0.05〜5.0
μmとするのが好ましい。その様にすることにより金属
フィルタ全体として良好な機械的強度と濾過性能を同時
に得ることができるからである。
【0013】前記基板と前記粉末層を複数層設ける様に
することができ、それにより用途に応じた金属フィルタ
を得ることができる。前記粉末粒子は酸化物粉末粒子と
することができかかる酸化物粉末としては酸化ニッケル
および/または酸化銅を用いることができる。本発明で
は特に粉末層を形成するために酸化物粉末を用いること
ができ、かかる酸化物粉末では粒径の小さい粒子を容易
に得ることができる。例えば目的とする空孔径が1.0
μm程度である場合は4〜7μm程度の酸化物粉末を使用
し、0.1μm程度である場合には0.4〜0.7μm程度
の酸化物粉末を使用する。一般的には酸化物粉末の粒径
は0.2〜6.0μmの範囲とするのがよい。この使用す
る粒子の粒径が1μm以下となる場合には焼結温度を低
くする必要がある。粒径が小さいと同一条件下での焼結
の度合いが大きくなり、温度が高いと目的とする空孔径
が得られないことがあるからである。本発明によれば係
る粉末層は、原料としての酸化物粉末を還元性雰囲気中
で焼結することにより得ることができる。かかる還元性
雰囲気は例えば水素ガス又は水素を添加したN、Arガ
スもしくは真空により得ることができる。以上の操作に
より細かな網目基板と粉末層と空孔径の異なる層を積層
することにより、十分な強度を有ししかも所定の微細な
空孔径を有する金属フィルタを得ることができる。
【0014】
【作用】したがって本発明の金属フィルタによれば、焼
結すなわち熱処理後に圧延を行うもしくは加圧下におい
て熱処理を行うことによって、金属フィルタの表面層の
細孔径を微細化して表面層を密にして濾過性能を向上す
ることができると同時に、内部層に与える影響を少なく
して内部層を粗にして再生効率の低下を防止することが
できる。また金属フィルタに熱処理時に発生する変形が
圧延によって矯正されて全体として歪が残留せず均質な
性能を有するものとなり、さらに特に熱処理過程を加圧
下において行うことによって金属フィルタに熱処理時に
変形を生じさせず全体として歪が残留せず均質な性能を
有するものとすることができる。また本発明の金属フィ
ルタの製造方法によれば、金網の反物ロールを巻き出し
ながら圧下して巻取り、その圧下された金網を巻き取っ
た反物ロールを巻き出しながら圧下部を結合する加熱処
理をした後巻き取ることによって金属フィルタが製造さ
れるので容易に長尺物の製造ができ、得られる金属フィ
ルタの大きさに実質的に限界がなくなり、金属フィルタ
の製造効率が極めて向上されることから濾過性能及び再
生効率共に良好な金属フィルタを極めて安価に製造でき
る。
【0015】
【実施例】以下本発明を実施例により、より詳細に説明
する。図6〜図8は本発明の金属フィルタの製造方法を
実施するための製造装置の概念図を示し、図6の製造装
置によれば、金網の反物ロール10を巻き出しながら圧
延ロール11によって圧下して反物ロール12として巻
取り、その圧下された金網を巻き取った反物ロール12
を例えばフォークリフト13等の搬送手段によって所定
の位置に配置し、所定に配置された反物ロール12を巻
き出しながら加熱炉14aによって加熱処理した後圧延
ロール15によって圧延が行われ、その後反物ロール1
6に巻き取られて金属フィルタが製造される。また図7
の製造装置によれば、金網の反物ロール10を巻き出し
ながら圧延ロール11によって圧下して反物ロール12
として巻取り、その圧下された金網を巻き取った反物ロ
ール12を例えばフォークリフト13等の搬送手段によ
って所定の位置に配置し、所定に配置された反物ロール
12を巻き出しながらスプレー17によって粉末を塗布
し、その後乾燥炉18において乾燥し、さらに焼結炉1
4bにおいて焼結した後圧延ロール15によって圧延が
行われ、その後反物ロール16に巻き取られて金属フィ
ルタが製造される。さらに図8の製造装置によれば、金
網の反物ロール10を巻き出しながら圧延ロール11に
よって圧下し、引き続き圧下された金網に対してスプレ
ー17によって粉末を塗布し、その後乾燥炉18におい
て乾燥し、さらに焼結炉14bにおいて焼結した後圧延
ロール15によって圧延が行われ、その後反物ロール1
6に巻き取られて金属フィルタが製造される。なお以上
の図6から図8に示す製造装置においては、図9に示さ
れるように加熱炉14aもしくは焼結炉14b内におい
て加圧手段19によって加熱もしくは焼結中の素材Aに
対して所定の圧力を印加することが可能にされている。
以下に以上の各製造装置によって実際に本発明の金属フ
ィルタの製造方法を実施して得られた金属フィルタの特
性について説明する。 実施例1 図6に示す製造装置を用い平畳織りSUS316(#4
0/200メッシュ)金網を圧下率を種々に設定して圧
下して金属フィルタを得た。得られた金属フィルタにつ
き通過最大粒径(μm)と純水の透過水量を測定した。
結果を図10に示す。図10に示されるように圧下率が
20%を越えると通過最大粒径は急速に小さくなり、さ
らに圧下率が50%になると純水の透過水量が急速に減
少する。したがって濾過性能及び再生効率の両方の観点
から考えた場合には圧下率は20〜50%とするのがよ
いことが判る。さらに圧下率を50%とし、加熱炉14
aにおける加熱後に圧延ロール15によって10〜30
%の圧延を行い金属フィルタを得た。得られた金属フィ
ルタにつき阻止率と純水の透過水量を測定した。結果を
図11に示す。なお図11において、阻止率とは平均粒
径0.4μmのアルミナ微粉末をろ過したときのろ液の
アルミを分析した結果から求めたものであり、フィルタ
で捕獲したアルミナの割合を意味する。図11に示され
るように圧下率が10%を越えると通過阻止率は急速に
大きくなり、圧下率が20%を越えると通過阻止率の増
大は認められない。一方圧下率が30%になると純水の
透過水量が0に近くなる。したがって圧下率は3〜30
%とするのがよいが特に濾過性能及び再生効率の両方の
観点から考えた場合には圧下率は10〜30%とするの
がよいことが判る。
【0016】実施例2 図7の製造装置を用いて以下(1)(2)の条件で本発
明を実施して金属フィルタを製造した。 (1)基板の製造 厚さ1.4mmで#40/200メッシュの平畳織りSU
S316金網を圧下率40%でロール圧延して厚さ0.
24mm、網目径42μmの細かな網目基板とした。
【0017】(2)粉末層の製造 粒径9.5μmのSUS317L粉末を水と混合し基板上
に60μm厚に塗布した。乾燥後水素雰囲気中で105
0℃、1時間焼結し粉末層を形成した。この操作により
空孔径が0.1〜0.3μmの粉末層が得られた。図12
に得られた金属フィルタの断面組織図を示す。図12中
符号4で示される部分が平畳織りSUS316金網を圧
下率40%でロール圧延して得られた厚さ0.24mm、
網目径42μmの基板であり、図中符号5で示される部
分がSUS317L粉末を焼結して得られた孔径が0.
1〜0.3μmの粉末層である。図に示されるように本発
明実施例によって得られた金属フィルタは孔径が0.1
〜0.3μmの粉末層5によって用途に応じたフィルタ性
能が達成されると共にかかる粉末層5が基板4に担持さ
れることによって金属フィルタ全体として機械的強度が
大きくなり、しかもフィルタとしての使用過程では基板
4側から逆洗いすることによって効率よく再生すること
ができる。さらに以上の金属フィルタを焼結炉14bに
おいて焼結した後圧延ロール15によって10〜30%
の圧延を行い金属フィルタを得た。得られた金属フィル
タの表面組織写真を図13に示す。図13に示されるよ
うに10〜30%の圧延によって表面層が潰され、結果
として細孔径が微細化し緻密化している状態が窺われ
る。
【0018】実施例3 他は実施例2と同様にして基板製造にあたっての平畳織
りSUS316金網に対する圧下率を30%とすると共
に焼結後10%の圧延を加えて金属フィルタを得た。
【0019】実施例4 他は実施例2と同様にして基板上に塗布された粉末層の
焼結温度を1100℃とすると共に焼結後10%の圧延
を加えて金属フィルタを得た。
【0020】実施例5 他は実施例4と同様にして基板上に塗布する粉末層の厚
みを40μmとして金属フィルタを得た。
【0021】以上の実施例2〜実施例5の金属フィルタ
及び従来のフィルタについてフィルタ性能を調査した。
結果を図14に示す。なお図14において、阻止率とは
平均粒径0.4μmのアルミナ微粉末をろ過したときの
ろ液のアルミを分析した結果から求めたものであり、フ
ィルタで捕獲したアルミナの割合を意味し、また「樹
脂」は従来の樹脂フィルタ、「ステン繊維」はステンレ
ス鋼製繊維を焼結して得たフィルタ、「繊維カット」は
ステンレス鋼製繊維をカットした上で焼結したフィルタ
を示す。
【0022】図14に示されるように従来の孔径0.1
μmの樹脂フィルタ(比較例1)は阻止率は高いものの
透過水量が低く再生効率が悪い。また孔径3.0μmの
ステン繊維(比較例4)は透過水量が高く再生効率は良
好であるが、阻止率は低い。したがって孔径0.5μm
の樹脂フィルタ(比較例2)及び孔径0.6μmのステ
ン繊維・繊維カットフィルタ(比較例3)が阻止率及び
透過水量の両観点から好ましい性能を備えることが判
る。しかしこれらのフィルタは何れも製造コストが過大
であり、その点で実用性が低いという難点を有する。一
方、本発明の金属フィルタの製造方法を実施して得られ
た金属フィルタの中で粉末層の焼結温度を1050℃に
設定したもの(実施例2,3)は何れも比較例2,3の
孔径0.5μmの樹脂フィルタ及び孔径0.6μmのステ
ン繊維・繊維カットフィルタと同程度の阻止率及び透過
水量を示しており、濾過性能及び再生効率共に満足でき
るものであることが判る。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明の金属フィルタによ
れば、金網を圧下して得られる基板と、粉末を焼結しそ
の後圧延を加えて得られる相対的に微細な空孔径を有す
る粉末層とからなるので基板により金属フィルタ全体に
機械的強度を与え、かつ粉末層の厚さを薄くすることが
できるため、圧力損失を最小限に抑えることが可能にな
り、濾過性能及び生成効率共に良好で極めて安価であ
る。また本発明の金属フィルタの製造方法によれば、金
網の反物ロールを巻き出しながら圧下して巻取り、その
圧下された金網を巻き取った反物ロールを巻き出しなが
ら焼結し、その後圧延を加えることによって金属フィル
タが製造されるので濾過性能及び生成効率共に良好な金
属フィルタを極めて安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に適用される平畳織り金網の構造を示
す斜視図である。
【図2】 本発明に適用される綾畳織り金網の構造を示
す斜視図である。
【図3】 本発明に適用されるむしろ織り金網の構造を
示す斜視図である。
【図4】 平畳織り金網に対する圧下により生じる変化
を示す斜視図であり、 (A)圧下しない状態を示す図である。 (B)圧下率30%の場合の状態を示す図である。 (C)圧下率40%の場合の状態を示す図である。 (D)圧下率50%の場合の状態を示す図である。
【図5】 本発明の金属フィルタの概略構成を示す模式
図である。
【図6】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施する
製造装置の一例の概略構成を示す図である。
【図7】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施する
製造装置の他の例の概略構成を示す図である。
【図8】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施する
製造装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。
【図9】 図6〜図8に示される本発明の金属フィルタ
の製造方法を実施する製造装置の焼結炉の概略構成を示
す図である。
【図10】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施し
て得られた本発明の金属フィルタの特性を調査した結果
を示す図である。
【図11】 同じく本発明の金属フィルタの製造方法を
実施して得られた本発明の金属フィルタの特性を調査し
た結果を示す図である。
【図12】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施し
て得られた本発明の金属フィルタの断面組織図であり、 (a)倍率を80倍程度としたときの図である。 (b)倍率を400倍程度としたときの図である。
【図13】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施し
て得られた本発明の金属フィルタの金属組織写真であ
る。
【図14】 本発明の金属フィルタの製造方法を実施し
て得られた本発明の金属フィルタの特性を調査した結果
を従来のフィルタと比較して示す図である。
【符号の説明】
3・・・金属フィルタ、4・・・基板、5・・・粉末層、10,
12,16・・・反物ロール、11・・・圧延ロール、14b
・・・加熱炉、14b・・・焼結炉、15・・・圧延ロール、1
7・・・スプレー、18・・・乾燥炉。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 39/20 B01D 39/00

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金網を圧下して得られる基板と、前記基
    板上に形成された表面部が内部に比べ微細な空孔径を有
    する粉末層とからなることを特徴とする金属フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記金網が畳織りまたはむしろ織りの金
    網である請求項1に記載した金属フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記金網がステンレス鋼である請求項1
    または請求項2に記載した金属フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記金網に対する圧下率が2〜50%で
    ある請求項1〜請求項3の何れか一に記載した金属フィ
    ルタ。
  5. 【請求項5】 前記基板の孔径が5〜20μmである請
    求項1〜請求項4の何れか一に記載した金属フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記粉末層がステンレスである請求項1
    〜請求項5の何れか一に記載した金属フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記粉末層がCuである請求項1〜請求
    の何れか一に記載した金属フィルタ。
  8. 【請求項8】 前記粉末層の孔径が0.05〜5.0μm
    である請求項1〜請求項7の何れか一に記載した金属フ
    ィルタ。
  9. 【請求項9】 金網を圧下し、上部に粉末を塗布し、乾
    燥し、焼結し、その後に圧延を行うことを特徴とする金
    属フィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】 金網の反物ロールを巻き出しながら圧
    下して巻取り、その圧下された金網を巻き取った反物ロ
    ールを巻き出しながら粉末を塗布し、その後乾燥し焼結
    し、その後圧延を行う請求項9に記載した金属フィルタ
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 圧延の圧下率を3〜30%とする請求
    項9又は請求項10に記載した金属フィルタの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 金網を圧下し、上部に粉末を塗布し、
    乾燥し、加圧下において焼結を行うことを特徴とする金
    属フィルタの製造方法。
  13. 【請求項13】 金網の反物ロールを巻き出しながら圧
    下して巻取り、その圧下された金網を巻き取った反物ロ
    ールを巻き出しながら粉末を塗布し、その後乾燥し加圧
    下において焼結を行う請求項12に記載した金属フィル
    タの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記金網が畳織りまたはむしろ織りの
    金網である請求項9〜請求項13の何れか一に記載した
    金属フィルタの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記金網がステンレス鋼である請求項
    9〜請求項14の何れか一に記載した金属フィルタの製
    造方法。
  16. 【請求項16】 金網に対する圧下率を2〜50%とす
    る請求項9〜請求項14の何れか一に記載した金属フィ
    ルタの製造方法。
  17. 【請求項17】 金網を圧下して得られる基板の孔径が
    5〜20μmである請求項9〜請求項16の何れか一に
    記載した金属フィルタの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記粉末がステンレス鋼粉末である請
    求項9〜請求項17の何れか一に記載した金属フィルタ
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記粉末がCuである請求項9〜請求
    項17の何れか一に記載した金属フィルタの製造方法。
  20. 【請求項20】 金網を圧下し、上部に粉末を塗布し、
    乾燥し、焼結して得られる粉末層の孔径が0.05〜5.
    0μmである請求項9〜請求項19の何れか一に記載し
    た金属フィルタの製造方法。
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