JP6453661B2 - 処理システム及び処理方法 - Google Patents

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本発明の実施形態は、処理システム及び処理方法に関する。
水中に含まれる水不溶物や不純物の粒子を分離除去する方法として、例えば、膜分離法が挙げられる。
代表的な濾過機構としては、表面濾過、深層濾過(デプス濾過)、ケーク濾過と呼ばれる機構がある。いずれの場合も、フィルターに被処理水を通過させて、被処理水中からSS粒子を除去すると、フィルターの表面にSS粒子からなるケークが形成されてケーク濾過へ移行する。
ケーク濾過での濾過性能は、ケークに依存し、ケークの厚みが増すと共に濾過流量が低下する。ケーク濾過での濾過流量を大きくする方法としては、被処理水中にマイクロバブルなどの気泡を混入することにより、ケークの形成を抑制したりケークを脆化させたりする方法が知られている。
しかしながら、被処理水中に気泡を混入させると、気泡を混入させない場合と比較して、以下に示す理由により、処理水の水質が悪化する恐れがあった。すなわち、被処理水中にマイクロバブルなどの気泡を混入させると、ケーク中で気泡が徐々に集合してケークが乱れる。このことにより、ケーク中に空隙が形成され、ケーク表面からフィルターの表面に達する流路が形成される。流路を介してフィルターに供給された被処理水の一部は、ケーク濾過の機構によってSS粒子が除去されることなくフィルターを通過し、処理水の水質を悪化させる原因となる。
特開2009−95806号公報
Tao Hang,Ming Li,Qin Fei and Dali Mao,Characterization of nickel nanocones routed by electrodeposition without any template,Nanotechnology,19(2008)035201(5pp) S.Chakraborty,Role of organic additives in nickel plating,Transactions of the Metal Finishers’Association of india,Vol.12,No.3-4(2003)
本発明が解決しようとする課題は、濾過流量を確保でき、しかも、品質の良好な処理液が得られる処理システム及び処理方法を提供することである。
実施形態の処理システムは、被処理液に気泡を供給して10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成する気泡発生装置と、前記被濾過液をフィルターで濾過する処理槽とを持つ。前記フィルターは、表面に配置された針状構造物と、平均孔径0.5〜10.0μmの貫通孔とを有する第1フィルターである。前記針状構造物の平均高さは0.2〜2.5μmである。前記針状構造物の数は単位面積当たり1.2〜10.0個/μmである。
第1の実施形態の処理システムを示す模式図。 フィルターを示す平面模式図。 図2に示すフィルターの一部を拡大して示した断面模式図。 処理システムの濾過性能を説明するための説明図。 フィルターの表面を撮影した顕微鏡写真。 第2の実施形態の処理システムを示す模式図。 洗浄試験後の実施例1のフィルターを撮影した写真。 洗浄試験後の比較例1のフィルターを撮影した写真。 ウエッジフィルターの一例を示した外観斜視図。 図9に示すウエッジフィルターを端面側から見た時の断面図。 ウエッジフィルターの他の例を端面側から見た時の断面図。 ウエッジフィルターの他の例を端面側から見た時の断面図。 ウエッジフィルターの他の例を端面側から見た時の断面図。 ウエッジフィルターの他の例を端面側から見た時の断面図。 ノッチフィルターの一例を説明するための概略図。 図15に示すノッチフィルターを端面側から見た時の断面図。 ノッチフィルターの内周面側を示す要部拡大断面図。 ノッチフィルターの線材を示した模式図。 ノッチフィルターの他の例における内周面側を示す要部拡大断面図。 ノッチフィルターの他の例を示す外観斜視図。
以下、実施形態の処理システム及び処理方法を、図面を参照して説明する。
発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討を重ね、処理槽のフィルターとして、以下に示す第1フィルターまたは第2フィルターを用いればよいことを見出した。
第1フィルターは、表面に配置された針状構造物と、平均孔径0.5〜10.0μmの貫通孔とを有し、針状構造物の平均高さが0.2〜2.5μmであり、針状構造物の数が単位面積当たり1.2〜10.0個/μmである。
第2フィルターは、表面に近接配置された複数の多面体構造物と、平均孔径1.0〜20μmの貫通孔とを有し、多面体構造物の最大外形寸法の平均値が0.5〜10μmである。
第1フィルターまたは第2フィルターは、優れた濾過機能を有している。そのため、被濾過液の一部が、ケークに形成された流路を介してケークを通過せずに第1フィルターまたは第2フィルターに供給されても、被濾過液中のSS粒子が十分に捕捉される。したがって、第1フィルターまたは第2フィルターを用いることで、気泡を含む被濾過液によって、十分な濾過流量を確保ししつつ、品質の良好な処理液を得ることができる。
(第1の実施形態)
次に、第1の実施形態の処理システムを、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態の処理システム(処理装置)を示す模式図である。図1に示す処理システム100Aは、被処理液槽111と、マイクロバブル発生装置101と、処理槽112と、処理液槽114と、濃縮汚泥タンク116と、ポンプ113、115とを有している。
被処理液槽111は、被処理液を貯留する。被処理液としては、SS粒子を含む水などが挙げられる。被処理液槽111には、被処理液槽111内を攪拌する撹拌機111aが設置されている。被処理液槽111の形状、容量、材質等は、処理システム100Aの用途などに応じて適宜決定することができ、特に制限されない。
マイクロバブル発生装置101(気泡発生装置)は、図1に示すように、配管101a内を通過する被処理液に気泡を供給して、10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成する。マイクロバブル発生装置101としては、10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成しうるものであればよく、従来公知のものを用いることができる。例えば、マイクロバブル発生装置101として、空気を被処理液中に導入する空気導入部と、導入された空気を被処理液中に気泡状に分散させる混合部とを有するものなどが挙げられる。マイクロバブル発生装置101に用いられる混合部としては、例えば、複数の小孔を有するオリフィスに被処理液および導入された空気を通過させる装置、スタティックミキサーにより被処理液と導入された空気とを混合する装置などが挙げられる。
被濾過液に含まれる気泡の大きさは、10〜100μmであり、30〜50μmであることが好ましい。被濾過液に含まれる気泡の大きさが10μm以上であると、気泡が集合してなる空隙がケーク中に容易に形成される。このため、気泡を含むことによる濾過流量を増やす効果が充分に得られる。また、被濾過液に含まれる気泡の大きさが100μm以下であると、気泡の浮上速度が速すぎず、被処理液中に気泡を容易に分散させることができる。このため、ケーク中の気泡が均一に分散し、気泡を含むことによる濾過流量を増やす効果が十分に得られる。
本実施形態において、被濾過液に含まれる気泡の大きさとは、被処理液に空気を導入した条件と同じ条件で、水道水中に空気を導入した時に得られる気泡の直径を意味する。なお、被処理液に空気を導入した条件とは、実際の装置において空気を導入する時の空気の圧力、流量、及び導入される被処理液の圧力、流量のことである。また、水道水中に空気を導入した時に得られる気泡の直径は、25℃1気圧における直径であり、例えばレーザー回折法などで測定して得られた分布の最頻値とする。
被濾過液は、25℃1気圧で換算した体積の空気を単位体積当たり0.1〜5.0体積%含むことが好ましく、0.2〜1.0体積%含むことがより好ましい。被濾過液が、25℃1気圧で換算した体積の空気を単位体積当たり0.1体積%以上含む場合、ケーク中に容易に空隙が形成されるため、気泡を含むことによる濾過流量を増やす効果がより一層向上する。また、被濾過液が、25℃1気圧で換算した体積の空気を単位体積当たり5.0体積%以下含む場合、フィルター121を通過しようとする被濾過液が気泡に妨げられることによる濾過流量の低下を抑制できる。
処理槽112は、被濾過液をフィルターで濾過し、被濾過液中からSS粒子を除去して処理液を生成する。処理槽112は、耐圧容器である本体117と、フィルター121とを有する。フィルター121は、後述する第1フィルターまたは第2フィルターを円筒状の形状にしたものである。本体117内は、円筒状のフィルターによって、フィルター121の外側が被濾過液の容れられる被処理液領域112a、フィルター121の内側が処理液領域112bに区画されている。
処理槽112内におけるフィルター121の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、上下方向(重力方向)に延在する円筒状のものであることが好ましい。このようなフィルター121では、外側から内側に向かって流入する被濾過液の方向が、略水平方向となりやすい。このため、フィルター121の外面全体から被濾過液が均一に流入しやすく、好ましい。また、フィルター121が、上下方向に延在していると、被濾過液を濾過することにより外側の表面に形成されるケークが、重力の作用によって剥離されやすく、好ましい。
処理槽112内におけるフィルター121の設置位置は、特に限定されるものではないが、フィルター121が上下方向に延在する円筒状である場合、フィルター121の外側全面が被濾過液と十分に接触するように、本体117の壁面と離間して設置されることが好ましい。
処理槽112の本体117の上部は円筒状であり、下部は底面に向かって徐々に断面形状が小さくなる逆円錐形状を有している。このことにより、本体117内に収容された被濾過液中で沈降するSS粒子の濃縮が促進される。
被処理液槽111と処理槽112とは、配管101aによって連結されている。配管101aと被処理液槽111とは、被処理液槽111の下部で接続されている。また、配管101aと処理槽112とは、処理槽112の本体117の上面で接続されている。
配管101には、ポンプ113と、マイクロバブル発生装置101とが設置されている。
ポンプ113は、被処理液槽111から処理槽112の被処理液領域112aに被処理液を圧送する。
処理液槽114は、処理液を貯留する。処理液は、処理槽112内のフィルター121を被濾過液が通過することにより生成したものである。処理液槽114の形状、容量、材質等は、処理システム100Aの用途などに応じて適宜決定することができ、特に制限されない。
処理液槽114と処理槽112とは、配管101c、101d、101e、101gによって、2つの経路で連結されている。配管101cと処理槽112とは、処理槽112の処理液領域112bで接続されている。また、配管101dと処理液槽114とは、処理液槽114の上面で接続されている。配管101gと処理液槽114とは、処理液槽114の壁面の下部で接続されている。
配管101cと配管101dと配管101eとは、三方弁105aによって接続されている。三方弁105aを切り替えることにより、配管101cと配管101dとが連通される、または配管101cと配管101eとが連通される。
配管101eと排出配管101fと配管101gとは、三方弁105aによって接続されている。三方弁105bを切り替えることにより、処理液槽114からの処理液の流出を止める、または処理液槽114と配管101eとが連通される、または処理液槽114と排出配管101fとが連通される。排出配管101fは、処理システム100Aの外部に接続されている。
配管101gには、ポンプ115が設置されている。ポンプ115は、フィルター121を洗浄する際に、処理液槽114から配管101g、配管101e、配管101cを介して処理槽112の処理液領域112bに処理液を洗浄液として圧送する。
汚泥濃縮タンク116は、処理槽112内で濃縮したSS粒子を多く含む濃縮液を貯留する。汚泥濃縮タンク116の形状、容量、材質等は、処理システム100Aの用途などに応じて適宜決定することができ、特に制限されない。
汚泥濃縮タンク116と処理槽112とは、配管101bによって連結されている。配管101bと処理槽112とは、処理槽112の本体117の底面で接続されている。また、配管101bと汚泥濃縮タンク116とは、汚泥濃縮タンク116の上部で接続されている。
配管101bには、開閉弁105cが設置されている。開閉弁105cを開けることにより、処理槽112と汚泥濃縮タンク116とが連通される。また、開閉弁105cを閉じることにより、処理槽112と汚泥濃縮タンク116との接続が遮断される。配管101bには、処理槽112から汚泥濃縮タンク116に濃縮液を輸送するために、図示しないポンプが設置されていてもよい。
処理槽112内に設置されたフィルター121は、第1フィルターまたは第2フィルターで形成されている。
第1フィルターとしては、例えば、図2および図3に示すフィルターが用いられる。図2は、フィルターを示す平面模式図である。図3は、図2に示すフィルターの一部を拡大して示した断面模式図である。図2および図3に示すフィルター1は、SS粒子を含む処理液を通過させて一定量のSS粒子を捕捉した後のものである。
図2に示すフィルター1は、図3に示すように、フィルター基材6と、フィルター基材6の表面に、電気めっき処理等によって形成されためっき層3とを有する。フィルター基材6は、線材2で形成された金網と、線材2の表面に形成された下地層4とで形成されている。めっき層3は、複数の針状構造物5で形成されている。
フィルター1では、図2に示すように、線材2が綾織されて網目状となっている。このことにより、フィルター1には、複数の貫通孔8が規則的に形成されている。フィルター1の貫通孔8の近傍には、貫通孔8をふさぐように、図3に示すケーク7が形成されている。ケーク7は、フィルター1に捕捉されたSS粒子によって形成されている。ケーク7は、被濾過液中のSS粒子を捕捉し、被濾過液中からSS粒子を分離するフィルターとして機能する。
貫通孔8の平均孔径は、0.5μm〜10μmの範囲である。貫通孔8の平均孔径が0.5μm以上であると、フィルター1の濾過流量を確保できる。貫通孔8の平均孔径が10μm以下であると、貫通孔8の近傍に、貫通孔8をふさぐように容易にケーク7が形成される。
フィルター1の貫通孔8の平均孔径は、以下に示す方法により測定したものである。まず、フィルター1の貫通孔8を真上から走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影する。この時、貫通孔8は、縦方向に略平行に延在していて表面にめっき層3が形成されている2本のフィルター基材6と、縦方向と略直交する横方向に略平行に延在していて表面にめっき層3が形成されている2本のフィルター基材6とに囲まれた、略矩形の内面形状となっている。この略矩形の貫通孔8の内面における縦方向の最短距離と横方向の最短距離とを測定し、距離の短い方の寸法を貫通孔8の孔径とした。この距離は、針状構造物5の先端の間とした。なお、縦方向の最短距離と横方向の最短距離とが同じである場合には、どちらか一方の寸法を貫通孔8の孔径とした。このようにして貫通孔8の孔径を4箇所以上測定し、その平均値をフィルター1の貫通孔8の平均孔径と定義した。
線材2の材料としては、フィルター1を用いて濾過される被濾過液中で使用できるものが用いられる。線材2の材料は、めっき処理を用いて、めっき層3、またはめっき層3および下地層4を容易に形成できるように、金属であることが好ましい。線材2に用いる金属としては、例えば、鉄、ニッケル、銅、および、これらの合金などを用いることが好ましい。その中でも特に、線材2として、耐蝕性に優れ、低コストで、加工しやすい材料であるステンレス鋼線を用いることが好ましい。
下地層4は、めっき層3の線材2への接着性を高めるために、必要に応じて設けられるものである。下地層4に用いられる材料としては、例えば、線材2の表面にニッケル合金からなるめっき層3を形成する場合、ニッケルまたはニッケル合金を用いることが好ましい。ニッケル合金としては、ホウ素、リン、亜鉛から選ばれる一種以上の元素を含有するものが挙げられる。
下地層4の厚みは、めっき層3の線材2への接着性を向上させることができる厚み以上とされている。また、下地層4の厚みは、貫通孔8の孔径が、フィルター1にSS粒子を含む処理液を通過させる際に適した大きさとなる範囲の厚みとされている。
本実施形態におけるめっき層3は、図3に示すように、複数の針状構造物5が下地層4の表面に集合してなる複合体である。各針状構造物5では、各針状構造物5の基端53aよりも線材2側の領域である基部5aが、隣接する他の針状構造物5の基部5aと一体化されている。このことにより、針状構造物5の基部5aは、下地層4の表面に連続して形成されている。
各針状構造物5は、例えば、多角錐状または円錐状の形状を有する。このような錐状の形状を有する各針状構造物5は、図3に示すように、基端53aから先端52に向けて先細りの形状を有している。このため、隣接する針状構造物5間には、断面視で基端53aに近づくにつれて幅が狭くなる谷53が形成されている。谷53は、平面視で各針状構造物5を取り囲むように形成されている。各針状構造物5を取り囲む谷53は、隣接する別の針状構造物5を取り囲む谷53と平面視で繋がって形成されている。
図2および図3に示すフィルター1において、単位面積(1μm)当たりの針状構造物5の数は、1.2〜10.0個/μmである。単位面積(1μm)当たりの針状構造物5の数が上記範囲未満であると、フィルター1と被濾過液との接触面積が不足して、深層濾過の機構によって被濾過液中のSS粒子が捕捉されにくくなる。また、単位面積(1μm)当たりの針状構造物5の数が上記範囲未満であると、針状構造物5にSS粒子が捕捉されにくくなるため、ケーク7が形成されにくくなる。しかし、単位面積(1μm)当たりの針状構造物5の数が上記範囲を超えると、洗浄を行っても針状構造物5からSS粒子が除去されにくくなり、洗浄性が不十分となる。
単位面積当たりの針状構造物5の数が1.2個/μm以上であると、フィルター1の表面積が十分に広くなり、隣接する針状構造物5間にSS粒子が引っかかりやすくなる。このため、深層濾過の機構によってSS粒子が捕捉されやすく、捕捉されたSS粒子によってケーク7が形成されやすいフィルター1となる。よって、フィルター1は、深層濾過の機構およびケーク濾過の機構を用いてSS粒子を捕捉できる優れた除去機能を有する。単位面積当たりの針状構造物5の数は、よりSS粒子の除去機能の高いフィルター1とするために、3.0個/μm以上であることが好ましい。
単位面積当たりの針状構造物5の数が10.0個/μm以下であると、隣接する針状構造物5間の隙間が狭くなりすぎることが防止される。このため、図3に示すように、隣接する針状構造物5間に形成されている谷53と、めっき層3上に形成されているケーク7とに囲まれた十分な広さの空間31が形成される。空間31は、ケーク7が形成された時に、ケーク濾過された処理液が流れる流路として機能する。このため、針状構造物5を有さないフィルターと比較すると、ケーク7を通過した処理液の得られる面積が大きくなり、濾過流量を大きくすることができる。したがって、フィルター1は、SS粒子が除去されやすく、濾過流量の大きいものとなる。単位面積当たりの針状構造物5の数は、より濾過流量の優れたフィルター1とするために、7.0個/μm以下であることが好ましい。
フィルター基材6の単位面積(1μm)当たりの針状構造物5の数は、以下に示す方法により測定したものである。
フィルターを電子顕微鏡で観察し、縦2μm横2μm面積4μmの正方形内に存在する針状構造物の頂点の数を、4箇所測定する。そして、4箇所で測定した針状構造物の頂点の数を平均し、単位面積(1μm)当たりの針状構造物の数を算出する。
フィルター基材6の断面における単位長さ(1μm)当たりの針状構造物5の数は1.0〜4.0個/μmであることが好ましい。上記の単位長さ(1μm)当たりの針状構造物5の数が上記範囲未満であると、フィルター1と被濾過液との接触面積が不足して、深層濾過の機構によって被濾過液中のSS粒子が捕捉されにくくなる。しかし、上記の単位長さ(1μm)当たりの針状構造物5の数が上記範囲を超えると、隣接する針状構造物5間に形成されている谷53と、めっき層3上に形成されているケーク7とに囲まれた空間31が狭くなるため、濾過流量が少なくなる場合がある。
上記の単位長さ当たりの針状構造物5の数が1.0個/μm以上であると、単位面積当たりの針状構造物5の数が1.2個/μm以上である場合と同様に、深層濾過の機構およびケーク濾過の機構を用いてSS粒子を捕捉できる優れた除去機能が得られる。上記の単位長さ当たりの針状構造物5の数は、よりSS粒子の除去機能の高いフィルター1とするために、1.5個/μm以上であることが好ましい。
上記の単位長さ当たりの針状構造物5の数が4.0個/μm以下であると、単位面積当たりの針状構造物5の数が10.0個/μm以下である場合と同様に、隣接する針状構造物5間の隙間が狭くなりすぎることが防止される。このため、隣接する針状構造物5間に形成されている谷53と、めっき層3上に形成されているケーク7とに囲まれた十分な広さの空間31が形成されるものとなり、濾過流量の大きなフィルター1となる。上記の単位長さ当たりの針状構造物5の数は、より一層濾過流量の優れたフィルター1とするために、3.0個/μm以下であることが好ましい。
フィルター基材6の断面における単位長さ(1μm)当たりの針状構造物5の数は、以下に示す方法により測定したものである。
フィルター1を埋め込み樹脂で固定して切断し、その切断面をイオンミリングで平滑化して、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影する。その後、撮影したフィルター基材の断面の拡大写真におけるフィルター基材の表面の略延在方向に沿って、10μm当たりの針状構造物の数を測定する。そして、測定した針状構造物の数から単位長さ(1μm)当たりの針状構造物の数を算出する。
本実施形態において、フィルター基材6の断面における針状構造物5の平均高さHおよび基端部の平均幅Dは、以下に示す部分の寸法を、以下に示す測定方法により測定したものである。
図3に示すように、フィルター基材6の断面において隣接する針状構造物5間には、谷53が形成されている。フィルター基材6の断面において、針状構造物5を挟んで対向する谷底である基端53a、53a間を、直線51でつなぎ、その長さを針状構造物5の基端部の幅D1、D2とする。また、針状構造物5の先端52と上記の直線51との最短距離を、針状構造物5の高さH1、H2とする。
フィルター基材6の断面において、2つの針状構造物57、58が一体化されている場合(図3における符号59で示す針状構造物)には、以下に示す部分の寸法を、針状構造物57、58の高さH3、H4および針状構造物57、58の基端部の幅D3、D4とする。
まず、針状構造物57、58が一体化された針状構造物59を挟んで対向する谷底である基端53a、53a間を、直線54でつなぐ。次いで、2つの針状構造物57、58間の谷55の谷底から直線54に向かって垂線56を引く。垂線56と直線54との交点から各基端53a、53aまでのそれぞれの距離を、針状構造物57、58の基端部の幅D3、D4とする。また、各針状構造物57、58の先端52a、52bと上記の直線54との最短距離を、各針状構造物57、58の高さH3、H4とする。なお、2つの針状構造物57、58が一体化されているとする基準は、垂線56の長さが針状構造物57、58の高さH3、H4のうちいずれか一方の高さの3/4以上1未満である場合とする。垂線56の長さが、針状構造物57、58の高さH3、H4の両方の高さの3/4未満である場合には、独立した2つの針状構造物とみなす。
針状構造物5の高さおよび針状構造物5の基端部の幅を測定するには、フィルター1を埋め込み樹脂で固定して切断し、その切断面をイオンミリングで研磨して、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影する。その後、撮影したフィルター基材6の断面の拡大写真におけるフィルター基材の表面の略延在方向に沿う長さ10μmの範囲を1つの測定領域とし、4箇所の測定領域に存在する全ての上記の針状構造物5の高さおよび基端部の幅を測定する。そして、測定した4箇所の針状構造物5の高さの平均値を、針状構造物5の平均高さHとする。また、測定した4箇所の針状構造物5の基端部の幅の平均値を、針状構造物5の基端部の平均幅Dとする。
フィルター基材6の断面における針状構造物5の高さの変動係数は0.15〜0.50であることが好ましい。変動係数とは、上述したフィルター基材6の断面における針状構造物5の高さの分布の標準偏差を、前記針状構造物5の高さの算術平均値で除したものである。
上記の変動係数が0.15〜0.50の範囲であると、より一層SS粒子の除去機能および洗浄性の優れたフィルター1となる。上記の変動係数が0.15未満であると、フィルター1に被濾過液を通過させる際に、フィルター1の表面での被濾過液の流れが単調になり、針状構造物5にSS粒子が捕捉されにくくなる。また、上記の変動係数が0.50を超えると、高さの低い針状構造物5によってめっき層3の表面に形成されたケーク7を支える機能が得られにくくなる。
上記の変動係数が0.15以上であると、針状構造物5の高さのばらつきが十分に大きいものとなる。このため、フィルター1に被濾過液を通過させる際に、フィルター1の表面での被濾過液の流れが複雑になるとともに、高さの高い針状構造物5にSS粒子が引っかかりやすくなる。その結果、深層濾過の機構によってSS粒子が捕捉されやすくなるとともに、高さの高い針状構造物5に引っかかったSS粒子を起点として、めっき層3の表面にケーク7が形成されやすくなる。上記の変動係数は、よりSS粒子が捕捉されやすいフィルター1とするために、0.18以上であることが好ましい。
上記の変動係数が0.50以下であると、めっき層3の表面に形成されたケーク7を、高さの低い針状構造物5が支えることによって、隣接する針状構造物5間に形成されている谷53とケーク7とに囲まれた空間31の広さが確保されやすくなる。このため、濾過によってケーク7が形成された後、ケーク7を通過した処理液が空間31内を流れやすくなり、濾過流量が増大する。したがって、フィルター1は、針状構造物のないフィルターと比較して濾過流量の優れたものとなる。上記の変動係数は、より一層、濾過流量の多いフィルター1とするために、0.36以下であることが好ましい。
フィルター基材6の断面における針状構造物5の基端部の平均幅Dと平均高さHとのアスペクト比H/Dは0.5〜4.0であることが好ましい。アスペクト比H/Dが0.5以上であると、隣接する針状構造物5間に形成されている谷53と、めっき層3上に形成されたケーク7とに囲まれた十分な高さの空間31が形成されるため、濾過流量の優れたものとなる。アスペクト比H/Dは、より一層濾過流量の大きなフィルター1とするために、1.0以上であることが好ましい。アスペクト比H/Dが4.0以下であると、強度に優れた針状構造物5となり、耐久性に優れたフィルター1となる。アスペクト比H/Dは、より一層耐久性の優れたフィルター1とするために、3.0以下であることが好ましい。
フィルター基材6の断面における針状構造物5の平均高さHは、0.2〜2.5μmである。上記の針状構造物5の平均高さHが0.2μm以上であると、隣接する針状構造物5間に形成されている谷53と、めっき層3上に形成されるケーク7とに囲まれた十分な高さの空間31が形成されるため、濾過流量の優れたものとなる。上記の針状構造物5の平均高さHは、より一層濾過流量の優れたフィルター1とするために、0.4μm以上であることが好ましい。上記の針状構造物5の平均高さHが2.5μm以下であると、隣接する針状構造物5間の隙間が狭くなりすぎることが防止される。このため、針状構造物5が10.0個/μm以下である場合と同様に、空間31が十分に確保された濾過流量の優れたフィルター1となる。上記の針状構造物5の平均高さHは、より一層濾過流量の優れたフィルター1とするために、1.8μm以下であることが好ましい。
フィルター基材6の断面における針状構造物5の基端部の平均幅Dと、除去対象物質の平均粒子径(D50)b(SS粒子の平均粒子径)との関係は、b/D≧0.33を満足することが好ましい。上記b/Dが0.33以上であると、SS粒子が隣接する針状構造物5間に形成されている谷53の谷底に近傍に入り込みにくいものとなる。したがって、谷53と、めっき層3上に形成されたケーク7とに囲まれた広い空間31が形成されやすくなり、濾過流量に優れたものとなる。上記b/Dは、より一層濾過流量の多いフィルター1とするために、0.50以上であることが好ましい。また、上記b/Dは3.00以下であることが好ましい。上記b/Dが3.00以下であると、隣接する針状構造物5間にSS粒子が、より一層引っかかりやすいものとなる。このため、より一層、深層濾過の機構によってSS粒子が捕捉されやすく、捕捉されたSS粒子によってケーク7が形成されやすいフィルター1となる。上記b/Dは、よりSS粒子が捕捉されやすいフィルター1とするために、2.00以下であることがより好ましい。
ここで、平均粒子径bは、レーザー回折法により測定されたものである。具体的には、株式会社島津製作所製のSALD−DS21型測定装置(商品名)などにより測定することができる。
複数の針状構造物5で形成されためっき層3に用いられる金属としては、電気めっき等の処理によって、フィルター基材6の表面に複数の針状構造物5を析出できるものを用いる。このような金属としては、鉄、ニッケル、銅、および、これらの合金などが挙げられる。めっき層3に用いられる金属としては、上記の金属の中でも特に、針状構造物5の形状の制御がしやすく、耐食性に優れた金属であるニッケルまたはニッケル合金を用いることが好ましい。ニッケル合金としては、ホウ素、リン、亜鉛から選ばれる一種以上の元素を含有するものが挙げられる。
次に、図2および図3に示すフィルター1の製造方法について説明する。
フィルター1を製造するには、まず、綾織されて網目状とされた線材2を用意する。
次いで、線材2の表面全面に、めっき処理を用いて、下地層4を形成する。下地層4を形成するためのめっき処理としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ニッケルまたはニッケル合金からなるめっき層3を形成する前に、ステンレスからなる線材2の表面に下地層4を形成する場合には、電解ニッケルめっき処理または無電解ニッケルめっき処理を用いて、ニッケルまたはニッケル合金からなる下地層4を形成することが好ましい。
次に、下地層4の設けられた線材2の表面全面に、電気めっき処理によって、複数の針状構造物5を析出させて、線材2をめっき層3で被覆する。めっき層3を形成するための電気めっき処理としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、下地層4およびめっき層3がニッケルまたはニッケル合金からなるものである場合、下地層4の形成後、めっき浴に添加剤を添加して、連続して電解ニッケルめっき処理または無電解ニッケルめっき処理を用いて、めっき層3を形成することが好ましい。
複数の針状構造物5を析出させる電気めっき処理では、めっき浴に添加する添加剤の種類、濃度、めっき時間を変化させることにより、針状構造物5の形状および大きさを変化させることができる(例えば、非特許文献1参照)。添加剤としては、エチレンジアミン二塩酸塩(ethylenediamine dihydrochloride)、エチレンジアミン(EDA)などが挙げられる。
めっき層3を形成するためのめっき処理を行った後、必要に応じて熱処理を行って、めっき層3の結晶化を促進してもよい。
また、めっき層3を形成するためのめっき処理を行った後、必要に応じて、フィルターの耐久性を向上させるために、めっき層3の表面に、他の金属や有機物などを用いて別の被覆層を形成してもよい。
次に、図1に示す処理システム100Aを用いて被処理液を処理する処理方法について説明する。
本実施形態では、被処理液の処理を開始する前に、開閉弁105cを閉じることにより、処理槽112と汚泥濃縮タンク116との連通を遮断する。また、三方弁105aを切り替えることにより、配管101cと配管101dとを連通させ、三方弁105bを切り替えることにより、処理液槽114からの処理液の流出を止める。
次に、被処理液貯槽111に、SS粒子を含む水などの被処理液を導入し、貯留する。そして、必要に応じて撹拌機111aによって、被処理液槽111内の被処理液を攪拌する。
次に、ポンプ113を駆動して、配管101aを介して被処理液槽111から処理槽112に向かって被処理液を圧送する。また、マイクロバブル発生装置101を駆動して、配管101a内を通過する被処理液に気泡を供給する(気泡含有工程)。このことにより、10〜100μmの気泡を含む被濾過液が生成され、処理槽112の被処理液領域112aに供給される。被濾過液は、25℃1気圧で換算した体積の空気を単位体積当たり0.1〜5.0体積%含むことが好ましい。
次に、被処理液領域112aに供給された被濾過液を、円筒状のフィルター121の被処理液領域112a(外側)から処理液領域112b(内側)に通過させて濾過し、処理液を生成する(処理工程)。
生成した処理液は、配管101cと配管101dとを介して処理液槽114に供給され、貯留される。
ここで、処理槽112内に設置されたフィルター121が図2および図3に示すフィルター1である場合の図1に示す処理システム100Aの濾過性能について、図4を用いて説明する。
図2に示すフィルター1は、表面に所定の高さかつ所定の密度の複数の針状構造物5を有するため、フィルター1と被濾過液との接触面積が多い。このため、フィルター1に被濾過液を通過させると、表面濾過および深層濾過の機構によって、針状構造物5の表面にSS粒子が捕捉される。そして、針状構造物5の表面に付着したSS粒子を起点として、めっき層3の表面の複数の箇所で速やかにSS粒子の凝集物が形成される。形成された凝集物は、フィルター1への被濾過液の通過を継続させることにより速やかに成長し、貫通孔8をふさぐケーク7となる。よって、被濾過液の通過を開始してから短時間で、所定のSS粒子の除去性能が得られる。
本実施形態では、被濾過液が10〜100μmの気泡を含むため、フィルター1への被濾過液の供給を継続させると、ケーク7中で気泡が徐々に集合してケークが乱れる。その結果、ケーク7中に空隙が形成され、図4に示すように、ケーク7の表面からフィルター1の表面に達する流路7aが形成され、濾過流量が増大する。
流路7aが形成されると、流路7aを介してフィルター1に供給される被濾過液の一部が、ケーク濾過の機構によってSS粒子71が除去されることなくフィルター1に到達する。フィルター1に到達したSS粒子71は、ブラウン運動などの拡散によって、図4に示すように、フィルター1の針状構造物5の表面に物理吸着し、捕捉される。フィルター1の針状構造物5は、表面積が大きいため、SS粒子71が物理吸着しやすいものと推定される。このように、本実施形態では、ケーク7に流路7aが形成されても、SS粒子の除去性能の低下が生じにくく、優れた濾過性能が得られる。
また、本実施形態では、フィルター121が、上下方向に延在しているため、フィルター1への被濾過液の供給を継続させると、ケーク7中で気泡が集合してケーク7が剥離し、ケーク7の一部が重力によって落下する。この場合にも、流路7aが形成される場合と同様に、濾過流量が増大する。また、流路7aが形成される場合と同様に、ケーク濾過の機構によって除去されることなくフィルター1に到達したSS粒子71が、フィルター1の針状構造物5の表面に物理吸着し、捕捉される。このように、本実施形態では、ケーク7が剥離してケーク7の一部が重力によって落下しても、SS粒子の除去性能の低下が生じにくく、優れた濾過性能が得られる。
また、処理槽112の被処理液領域112aに被濾過液を圧送した場合、被濾過液に含まれる気泡がケーク7を通過して、ケーク7のフィルター1との対向面に到達すると、気泡の圧力が解放される。ここで解放された気泡の圧力は、フィルター1からのケーク7の剥離を促進するものと推定される。したがって、被処理液領域112aに被処理液を圧送した場合、ケーク7とフィルター1との間の空隙が維持されやすく、ケーク7が剥離しやすくなる。その結果、被濾過液からのSS粒子の除去に伴う濾過流量の低下がより一層生じにくくなると推定される。
その後、さらに処理工程を継続すると、フィルター1に形成されているケーク7上にさらにSS粒子が堆積し、徐々に濾過流量が低下する。このため、処理工程を中断して、フィルター1を洗浄し、濾過流量を回復させてから、処理工程を再開することが好ましい。
一定量のSS粒子を捕捉したフィルター1を洗浄する方法としては、フィルター1の被濾過液を通過させたのと反対向きに、洗浄液を供給する方法(逆洗)が挙げられる。
フィルター1の逆洗を行う際には、三方弁105aを切り替えることにより、配管101cと配管101eとを連通させ、三方弁105bを切り替えることにより、処理液槽114と配管101eとを連通させる。
次に、ポンプ115を駆動して、配管101gと配管101eと配管101cを介して、処理液槽114からフィルター121の処理液領域112bに、洗浄液として処理液を圧送し、フィルター1を逆洗する。
フィルター1を逆洗すると、貫通孔8に形成されているケーク7が洗浄液に押し流されて除去される。このとき、貫通孔8内およびフィルター1の処理液領域112b側に存在する空間31(図3参照)には、各針状構造物5を取り囲むように形成された谷53を介して、多方向から洗浄液が流入する。このことにより、谷53の上部の少なくとも一部を覆うように形成されていたケーク7が、洗浄液に押し上げられて、ケーク7の剥離が促進される。また、針状構造物5は、基端53aから先端52に向けて先細りの形状を有している。このため、洗浄液に押し上げられたケーク7は、貫通孔8内を通過しようとする洗浄液の流れによってフィルター1から容易に剥離される。また、針状構造物5が先細りの形状を有しているので、針状構造物5に付着しているSS粒子が逆洗時に谷53に挟まりにくく、針状構造物5から容易に剥離される。
しかも、本実施形態では、被濾過液が10〜100μmの気泡を含むため、ケーク7が空隙を有する脆いものとなっている。さらに、被処理液領域112aに被処理液を圧送した場合には、ケーク7とフィルター1との間の空隙が維持されやすく、ケーク7が剥離しやすくなっている。このため、ケーク7は、洗浄液と接触することによって容易に剥離する。
さらに、図1に示すように、処理槽112内のフィルター121が上下方向に延在しているため、剥離したケーク7は、重力によって落下し、フィルター121に再付着しにくい。
これらのことから、本実施形態では、フィルター1を逆洗することにより、フィルター1に形成されていたケーク7およびフィルター1上に付着していたSS粒子が速やかに除去される。
本実施形態において処理工程で生成し、処理液槽114に貯留された処理液は、三方弁105bを切り替えて処理液槽114と排出配管101fとを連通させ、必要に応じてポンプ115によって圧送することにより、処理システム100Aの外部に間欠的に排出される。
また、処理槽112の本体117の底部には、濃縮したSS粒子が堆積する。このため、間欠的に開閉弁105cを開けることにより、処理槽112と汚泥濃縮タンク116とを連通させ、濃縮したSS粒子を含む被濾過液を、処理槽112から汚泥濃縮タンク116へと輸送する。
本実施形態の処理システム100Aは、被処理液に気泡を供給して10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成するマイクロバブル発生装置101と、被濾過液をフィルター121で濾過する処理槽112とを有し、フィルター121が、表面に配置された針状構造物5と、平均孔径0.5〜10.0μmの貫通孔8とを有するフィルター1であり、針状構造物5の平均高さが0.2〜2.5μmであり、針状構造物5の数が単位面積当たり1.2〜10.0個/μmである。この処理システム100Aを用いて、被処理液に気泡を供給して10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成する気泡含有工程と、被濾過液をフィルター1で濾過して処理液を生成する処理工程とを行うことで、濾過流量を確保でき、しかも、SS粒子が十分に除去された高品質の処理液が得られる。具体的には、本実施形態の処理システム100Aでは、被処理液中に含まれている比較的除去しにくい1μm以下のSS粒子を、凝集剤を用いることなく十分に除去できる。
上述した実施形態では、フィルター1の針状構造物5を電気めっき処理によって形成する場合を例に挙げて説明したが、針状構造物5の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、エッチングなどの微細な表面加工を行う方法などにより形成してもよい。
上述した実施形態では、処理槽112内に設置されたフィルター121が、図2および図3に示すフィルター1で形成されている場合を例に挙げて説明したが、フィルター121は第2フィルターで形成されていてもよい。
第2フィルターとしては、例えば、図5に示すフィルターが用いられる。図5は、フィルターの表面を撮影した顕微鏡写真である。
以下、図5に示すフィルターについて説明する。なお、図5に示すフィルターにおいて、図2および図3に示すフィルター1と同じ構成については、説明を省略する。
図5に示すフィルターは、図2および図3に示すフィルター1における複数の針状構造物5に代えて、表面に近接配置された複数の多面体構造物を有する。
図5に示すフィルターの有する多面体構造物は、多面体形状の析出物であり、それぞれ、3つ以上の平面が交わる頂点を複数有している。各析出物は、図5に示すように、それぞれ異なる形状および異なる大きさを有しており、下地層4の表面に密集して形成されている。その結果、多面体形状の辺に相当する部分は、不規則な方向を向いている。
多面体構造物の最大外形寸法の平均値は0.5〜10μmである。多面体構造物の平均最大外形寸法が上記範囲内であると、被濾過液中のSS粒子が引っかかりやすいものとなる。特に、被濾過液中のSS粒子の平均粒子径が0.1〜10μmである場合、めっき層3にSS粒子が引っかかりやすいものとなる。
多面体構造物の最大外形寸法の平均値が0.5μm未満であると、めっき層3の表面の凹凸が減少するとともに、多面体構造物の間の空隙を通る被濾過液の量が低下して、めっき層3へのSS粒子の付着が起こりにくくなる。多面体構造物の最大外形寸法の平均値は、2μm以上であることが好ましい。また、多面体構造物の最大外形寸法の平均値が10μmを超えると、めっき層3と被濾過液との接触面積が減少して、めっき層3へのSS粒子の付着が起こりにくくなる。多面体構造物の最大外形寸法の平均値は、8μm以下であることが好ましい。
多面体構造物の最大外形寸法の平均値は、以下に示す測定方法により測定する。すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて拡大したフィルターの写真を撮影し、画像処理を行う。具体的には、多面体構造物の最も大きさの大きい部分の外形寸法を、一つの写真に対して代表的な10か所を選択して測定し、その平均値を最大外形寸法の平均値と定義する。
図5に示すフィルターのめっき層3に用いられる金属としては、図2および図3に示すフィルター1におけるめっき層3と同様のものが挙げられる。
貫通孔8の平均孔径は1.0〜20μmである。図5に示すフィルターでは、貫通孔8の平均孔径は、下地層4およびめっき層3を形成する前の線材2間の間隔と、下地層4の厚みと、めっき層3の厚みのうち、いずれか一つ以上を変化させることによって、調整できる。
貫通孔8の平均孔径が1.0〜20μmであると、特に、被濾過液中のSS粒子の平均粒子径が0.1〜10μmである場合に、貫通孔8の大きさが適切なものとなる。したがって、フィルターに捕捉されたSS粒子によって、貫通孔8をふさぐケーク7が容易に形成され、ケーク濾過の機構を用いてSS粒子を捕捉しやすいものとなる。
貫通孔8の平均孔径が1.0μmに満たないと、フィルターを通過できる被濾過液の量が不十分となる。このため、貫通孔8の平均孔径は、2.0μm以上であることが好ましい。また、貫通孔8の平均値が20μmを超えると、表面濾過の機構によって主に捕捉される大きいSS粒子の大きさが大きいものとなる。このため、SS粒子の平均粒子径が例えば0.1〜10μmである場合、比較的大きいSS粒子が捕捉されにくくなる。また、貫通孔8の平均孔径が20μmを超えると、貫通孔8が大きくなるため、貫通孔8をふさぐケークが形成されにくくなる。したがって、貫通孔8の平均孔径は12μm以下であることが好ましく、7.0μm以下であることがさらに好ましい。貫通孔8の平均孔径が12μm以下であると、表面濾過の機構を利用して、SS粒子の平均粒子径が例えば0.1〜10μmである場合にSS粒子を効率よく捕捉できる。
図5に示すフィルターでは、被濾過液中に貫通孔8の平均孔径よりも大きい粒径のSS粒子が含まれていなくても、貫通孔8をふさぐケーク7が容易に形成される。これは、めっき層3の表面に捕捉された小さい粒径のSS粒子が、めっき層3の表面で凝集して凝集体を形成し、これが貫通孔8へ移動してケーク7を形成するためと推定される。
めっき層3の表面でのSS粒子の凝集体は、SS粒子の平均粒子径が例えば1μmである場合と比較して、平均粒子径が0.1μmである場合の方が容易に形成される。これは、SS粒子の粒径が小さい程、被濾過液に対する抵抗が小さいためと推定される。被処理液に対する抵抗が小さいSS粒子は、めっき層3の表面にとどまる時間が長くなるため、凝集体として成長しやすいものと推定される。
図5に示すフィルターにおける貫通孔8の平均孔径は、以下に示す測定方法により測定する。
すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて拡大したフィルターの写真を撮影し、画像処理を行う。具体的には、平面視で、めっき層3の被覆された貫通孔8の内壁に接する内接円の直径を、一つの写真に対して代表的な10か所を選択して測定し、その平均値を貫通孔8の平均孔径と定義する。
図5に示すフィルターにおいて、平面視で、フィルターの面積に対する貫通孔8の面積である開孔率は、0.04〜5.00であることが好ましい。フィルターの開孔率が0.04〜5.00であると、多面体構造物の間の空隙を通過して貫通孔8に向かう被濾過液の量が十分に多くなり、めっき層3の表面にSS粒子が付着しやすくなる。また、開孔率が0.04〜5.00であると、めっき層3に捕捉されたSS粒子が凝集して、フィルターの貫通孔8をふさぐケーク7が形成されやすいものとなる。フィルターの開孔率は2.50以下が好ましく、1.50以下であることがさらに好ましい。
フィルターの開孔率は、以下に示す測定方法により測定した隣接する貫通孔8間の最短距離の平均値と、上述した方法を用いて測定した貫通孔8の平均孔径とを用いて、以下に示す方法により算出する。
隣接する貫通孔8間の最短距離の平均値は、めっき層3によって被覆された線材2の平均線径である。このため、隣接する貫通孔8間の最短距離の平均値として、めっき層3によって被覆された線材2の平均線径を用いて、開孔率を算出する。
まず、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて拡大したフィルターの写真を撮影し、画像処理を行う。具体的には、めっき層3によって被覆された線材2の線径を、一つの写真に対してランダムに10か所を選択して測定し、その平均値をめっき層3に被覆された線材2の平均線径と定義する。
次いで、めっき層3に被覆された線材2の平均線径をA、貫通孔8の平均孔径をBとして、B/(A+B)で算出される値を開孔率と定義する。
図5に示すフィルターは、図2および図3に示すフィルター1を製造する際の針状構造物5を析出させる電気めっき処理の条件以外は、図2および図3に示すフィルター1と同様にして製造できる。すなわち、電気めっき処理の条件を、例えば、非特許文献2に記載の条件とすることで、針状構造物5に代えて図5に示す多面体構造物を析出させることができる。多面体構造物を析出させる電気めっき処理では、めっき浴に添加する添加剤の種類、濃度、めっき時間を変化させることにより、多面体構造物の形状および大きさを変化させることができる。添加材としては、2−ブチン−1,4−ジオールなどが挙げられる。
次に、フィルター121が図5に示すフィルターで形成されている図1に示す処理システム100Aを用いて被処理液を処理する処理方法について説明する。なお、フィルター121の濾過性能および洗浄性の他は、フィルター121が図2および図3に示すフィルター1で形成されている場合と同じであるので、同じ部分についての説明を省略する。
図5に示すフィルターは、表面に所定の外形寸法の近接配置された複数の多面体構造物を有するため、フィルターと被濾過液との接触面積が多い。このため、フィルターへの被濾過液の通過を開始すると、多面体構造物の表面にSS粒子が付着し、速やかにSS粒子の凝集物が形成される。さらに、凝集物が速やかに成長して貫通孔8をふさぐケーク7が形成される。よって、被濾過液の通過を開始してから短時間で、所定のSS粒子の除去性能が得られる。
また、本実施形態では、被濾過液が10〜100μmの気泡を含むため、フィルターへの被濾過液の供給を継続させると、ケーク7の表面からフィルターの表面に達する流路7aが形成される。流路7aを介してフィルターに供給される被濾過液の一部は、ケーク濾過の機構によってSS粒子が除去されることなく図5に示すフィルターに到達する。このようにしてフィルターに到達したSS粒子は、ブラウン運動などの拡散によって多面体構造物の表面に物理吸着し、捕捉される。図5に示すフィルターでは、隣接する多面体構造物間に形成された直線的な空間に、その空間の大きさに近い大きさのSS粒子が入り込みやすいため、SS粒子が除去されやすいものと推定される。
また、図5に示すフィルターからケーク7が剥離し、ケーク7の一部が重力によって落下した場合にも、流路7aが形成される場合と同様に、ケーク濾過の機構によって除去されることなくフィルターに到達したSS粒子が、多面体構造物の表面に物理吸着し、捕捉される。
このように、図5に示すフィルターを用いた場合、ケーク7に流路7aが形成されたり、ケーク7が剥離してケーク7の一部が重力によって落下したりしても、SS粒子の除去性能の低下が生じにくく、優れた濾過性能が得られる。
また、ケーク7が形成されている図5に示すフィルターでは、隣接する多面体構造物間に形成されている隙間とケーク7とに囲まれた空間が形成されている。このため、図5に示すフィルターを逆洗すると、ケーク7が洗浄液に押し上げられて、ケーク7の剥離が促進される。しかも、本実施形態では、被濾過液が10〜100μmの気泡を含むため、ケーク7が空隙を有する脆いものとなっている。さらに、処理槽112内の被処理液領域112aに被処理液を圧送した場合には、ケーク7とフィルター1との間の空隙が維持されやすく、ケーク7が剥離しやすくなっている。このため、ケーク7は、洗浄液と接触することによって容易に剥離する。さらに、処理槽112内のフィルター121が上下方向に延在しているため、剥離したケーク7は、重力によって落下し、フィルターに再付着しにくい。これらのことから、図5に示すフィルターを逆洗することにより、フィルターに形成されていたケーク7およびフィルター上に付着していたSS粒子が速やかに除去される。
本実施形態の処理システム100Aにおいて、フィルター121が、表面に近接配置された複数の多面体構造物と、平均孔径1.0〜20μmの貫通孔とを有し、多面体構造物の最大外形寸法の平均値が0.5〜10μmである図5に示すフィルターで形成されている場合も、図2および図3に示すフィルター1で形成されている場合と同様に、気泡含有工程と処理工程とを行うことで、濾過流量を確保でき、しかも、SS粒子が十分に除去された高品質の処理液が得られる。具体的には、本実施形態の処理システム100Aでは、被処理液中に含まれている比較的除去しにくい1μm以下のSS粒子を、凝集剤を用いることなく十分に除去できる。
上述した実施形態では、多面体構造物を電気めっき処理によって形成する場合を例に挙げて説明したが、多面体構造物の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、エッチングなどの微細な表面加工を行う方法などにより形成してもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の処理システムを、図面を参照して説明する。
図6は、第2の実施形態の処理システム(処理装置)を示す模式図である。図6に示す処理システム100Bは、被濾過液をフィルター131の被処理液領域132a側の面に略平行に流動させながら、フィルター131で濾過するクロスフロー方式のものである。
図6に示す処理システム100Bは、被処理液槽111と、マイクロバブル発生装置101と、処理槽132と、処理液槽114と、濃縮汚泥タンク116と、ポンプ113、115とを有している。
図6に示す処理システム100Bにおいて、図1に示す処理システム100Aと同じ部材については、同じ符号を付し、説明を省略する。
図6に示す処理システム100Bにおいても、マイクロバブル発生装置101は、配管101a内を通過する被処理液に気泡を供給して、10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成する。被濾過液は、25℃1気圧で換算した体積の空気を単位体積当たり0.1〜5.0体積%含むことが好ましい。
処理槽132は、被濾過液をフィルター131で濾過し、被濾過液中からSS粒子を除去して処理液を生成する。処理槽132は、耐圧容器である扁平状の本体137と、フィルター131とを有している。処理槽132は、フィルター131として、上側フィルター131aと下側フィルター131bとを有している。上側フィルター131aおよび下側フィルター131bは、それぞれ平板状の上述した第1フィルターまたは第2フィルターで形成されている。
処理槽132の本体137内は、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bによって、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bの外側が被処理液領域132a、上側フィルター131aと下側フィルター131bとの間が処理液領域132bに区画されている。
上側フィルター131aおよび下側フィルター131bは、処理槽132内において略水平方向に延在するように設置されている。処理槽132内における上側フィルター131aおよび下側フィルター131bの設置位置は、特に限定されるものではない。例えば、上側フィルター131aと下側フィルター131bの平面視での面積が略同じであって、上側と下側の被処理液領域132aが略同じ体積となるように、設置されることが好ましい。このことにより、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bが、被濾過液と均一に接触するものとなり、効率よく被処理液を処理できる。
被処理液槽111と処理槽132とは、配管101aによって連結されている。配管101aと被処理液槽111とは、被処理液槽111の下部で接続されている。配管101aと処理槽132とは、配管101aの上下2つに分岐した接続部129a、129bを介して接続されている。上側の接続部129aは、本体137の側面における上側の被処理液領域132aと接続されている。下側の接続部129bは、本体137の側面における下側の被処理液領域132aに接続されている。
配管101には、図1に示す処理システム100Aと同様に、ポンプ113と、マイクロバブル発生装置101とが設置されている。
図6に示す処理システム100Bでは、図1に示す処理システム100Aと異なり、被処理液槽111と処理槽132とが、配管101aだけでなく、配管122と配管124とを通過する経路でも連結されている。配管122と被処理液槽111とは、被処理液槽111の上部で接続されている。また、配管124と処理槽132とは、配管124の上下2つに分岐した接続部124a、124bを介して接続されている。上側の接続部124aは、本体137の側面における上側の被処理液領域132aと接続されている。下側の接続部124bは、本体137の側面における下側の被処理液領域132aに接続されている。
処理槽132に接続された配管101aの接続部129a、129bの位置と配管124の接続部124a、124bの位置とは、平面視で離間して配置されている。このことにより、被濾過液は、処理槽132の各被処理液領域132a、132aを流路として、被処理液領域132a、132aと被処理液槽111との間を循環できるようになっている。処理槽132に接続された配管101aの接続部129a、129bの位置と配管124の接続部124a、124bの位置とは、それぞれ平面視で処理槽132の略中心位置を介して対向する位置であることが好ましい。このような位置に配管101aと配管124とを接続することで、被処理液領域132a、132a内を循環する被濾過液の流路が長くなる。その結果、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bと被濾過液との接触面積が多くなり、処理効率の良好な処理システム100Bとなる。
図6に示す処理システム100Bでは、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bが略水平方向に延在するように設置され、配管101aの接続部129a、129bおよび配管124の接続部124a、124bが本体137の側面の離れた位置に接続されている。このため、配管101aの接続部129a、129bから各被処理液領域132a、132aに被濾過液を圧送し、配管124の接続部124a、124bから排出することで、被濾過液を、フィルター131の被処理液領域132a側の面に略平行に容易に流動させることができる。したがって、被濾過液を濾過することにより上側フィルター131aおよび下側フィルター131bの被処理液領域132a側の表面に形成されるケークが、被濾過液の流れる力の作用によって剥離されやすい。よって、図6に示す処理システム100Bでは、過剰なケークが形成されにくく、濾過流量が確保されやすい。
配管122と配管124と配管123とは、三方弁105dによって接続されている。三方弁105dを切り替えることにより、配管122と配管124とが連通される、または配管124と配管123とが連通される。配管123には、汚泥濃縮タンク116が連結されている。配管123と汚泥濃縮タンク116とは、汚泥濃縮タンク116の上部で接続されている。
処理液槽114と処理槽132とは、配管125、126、127によって、2つの経路で連結されている。配管125と処理槽132、および配管126と処理槽132は、処理槽132の処理液領域132bと接続されている。また、配管125と処理液槽114とは、処理液槽114の上面で接続されている。配管127と処理液槽114とは、処理液槽114の壁面の下部で接続されている。
配管126と配管127と排出配管128とは、三方弁105bによって接続されている。三方弁105bを切り替えることにより、処理液槽114からの処理液の流出を止める、または処理液槽114と配管126とが連通される、または処理液槽114と排出配管128とが連通される。排出配管128は、処理システム100Bの外部に接続されている。
配管127には、ポンプ115が設置されている。ポンプ115は、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bを洗浄する際に、処理液槽114から配管127、配管126を介して処理槽132の処理液領域132bに、処理液を洗浄液として圧送する。
次に、図6に示す処理システム100Bを用いて被処理液を処理する処理方法について説明する。
本実施形態では、被処理液の処理を開始する前に、三方弁105dを切り替えて、配管124と配管122とを連通させ、処理槽132と汚泥濃縮タンク116との連通を遮断する。また、三方弁105bを切り替えることにより、処理液槽114からの処理液の流出を止める。
次に、被処理液貯槽111に、SS粒子を含む水などの被処理液を導入し、貯留する。そして、必要に応じて撹拌機111aによって、被処理液槽111内の被処理液を攪拌する。
次に、ポンプ113を駆動して、配管101a介して被処理液槽111から処理槽132の本体137内の被処理液領域132a、132aに被処理液を圧送する。また、マイクロバブル発生装置101を駆動して、配管101a内を通過する被処理液に気泡を供給する(気泡含有工程)。このことにより、10〜100μmの気泡を含む被濾過液が生成され、処理槽132の被処理液領域域132a、132aに供給される。被濾過液は、25℃1気圧で換算した体積の空気を単位体積当たり0.1〜5.0体積%含むことが好ましい。
次に、被処理液領域132a、132aに供給された被濾過液を、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bの被処理液領域132a(外側)から処理液領域132b(内側)に通過させて濾過し、処理液を生成する(処理工程)。本実施形態では、配管101aの接続部129a、129bから各被処理液領域132a、132aに被濾過液を圧送し、配管124の接続部124a、124bから排出する。このことにより、被濾過液を、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bの被処理液領域112a側の面に略平行に流動させながら濾過する。上側フィルター131aおよび下側フィルター131bを通過して生成した処理液は、配管125を介して処理液槽114に供給され、貯留される。
本実施形態では、被処理液領域132a、132aに供給された被濾過液のうちの一部は、上側フィルター131aまたは下側フィルター131bを通過せずに、被処理液領域132a、132aから配管124の接続部124a、124bを介して排出される。被処理液領域132a、132aから排出された被濾過液は、配管124、122を介して被処理液槽111へ戻される。すなわち、被濾過液は、処理槽132の被処理液領域132a、132aと被処理液槽111との間を循環されながら濾過される。
被濾過液は、処理工程を継続すると、徐々に濃縮されてSS粒子の濃度が高くなる。濃縮したSS粒子を含む被濾過液は、被処理液領域132a、132aから配管122、123を介して汚泥濃縮タンク116に送られる。濃縮したSS粒子を含む被濾過液を汚泥濃縮タンク116に送る際には、三方弁105dを切り替えることにより、配管124と配管123とを連通させる。
その後、再び、三方弁105dを切り替えて、配管124と配管122とを連通させる。そして、被処理液貯槽111に、新たなSS粒子を含む水などの被処理液を導入し、処理工程を再開する。
本実施形態では、被濾過液が、10〜100μmの気泡を含むものであって、しかも上側フィルター131aおよび下側フィルター131bの被処理液領域132a側の面に略平行に流動する。このため、処理工程中にケーク7上にSS粒子が過剰に堆積することが防止される。よって、図6に示す処理システム100Bでは、処理工程を行うことによる濾過流量の低下が生じにくい。
また、図6に示す処理システム100Bを用いて被処理液を処理する場合、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bが、平板状の上述した第1フィルターまたは第2フィルターで形成されている。このため、被濾過液中の気泡に起因する流路7aがケーク7に形成されたり、ケーク7の一部が剥離したりしても、SS粒子の除去性能の低下が生じにくく、優れた濾過性能が得られる。
また、本実施形態においても、被処理液領域132aに被処理液を圧送した場合には、ケーク7が剥離しやすくなり、被濾過液からのSS粒子の除去に伴う濾過流量の低下がより一層生じにくくなる。
本実施形態においても、処理工程を継続すると、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bにSS粒子が堆積し、徐々に濾過流量が低下する。このため、処理工程を中断して、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bを洗浄し、濾過流量を回復させてから、処理工程を再開することが好ましい。
一定量のSS粒子を捕捉した上側フィルター131aおよび下側フィルター131bを洗浄する方法としては、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bの被濾過液を通過させたのと反対向きに、洗浄液を供給(逆洗)する方法が挙げられる。
上側フィルター131aおよび下側フィルター131bの逆洗を行う際には、ポンプ113を停止し、三方弁105dを切り替えることにより、配管124と配管123とを連通させる。また、三方弁105bを切り替えることにより、処理液槽114と配管126とを連通させる。
次に、ポンプ115を駆動して、配管127と配管126とを介して処理液槽114からフィルター131の処理液領域132bに洗浄液として処理液を圧送し、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bを逆洗する。このことにより、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bに形成されていたケーク7およびフィルター上に付着していたSS粒子が除去される。
図6に示す処理システム100Bは、被濾過液が10〜100μmの気泡を含むものであり、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bが上述した第1フィルターまたは第2フィルターで形成されている。このため、図1に示す処理システム100Aと同様に、逆洗を行うことにより、上側フィルター131aおよび下側フィルター131bに形成されていたケーク、および上側フィルター131aおよび下側フィルター131b上に付着していたSS粒子が速やかに除去される。
本実施形態の処理システム100Bは、被処理液に気泡を供給して10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成する気泡発生装置101と、被濾過液をフィルター131で濾過する処理槽とを有し、フィルター131が、上述した第1フィルターまたは第2フィルターで形成されている。この処理システム100Bを用いて、被処理液に気泡を供給して10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成する気泡含有工程と、被濾過液をフィルター131で濾過して処理液を生成する処理工程とを行うことで、濾過流量を確保でき、しかも、SS粒子が十分に除去された高品質の処理液が得られる。具体的には、本実施形態の処理システム100Bでは、被処理液中に含まれている比較的除去しにくい1μm以下のSS粒子を、凝集剤を用いることなく十分に除去できる。
図6に示す処理システム100Bでは、フィルターとして、略水平方向に延在する平板状の2つのフィルター(上側フィルター131a、下側フィルター131b)を有する場合を例に挙げて説明したが、この例に限定されるものではない。例えば、フィルターとして、略垂直方向(重力方向)に延在する平板状の2つのフィルターを設置しても良いし、筒状に成形した二重管の構造のフィルターを設置しても良い。フィルターとして、筒状に成形した二重管の構造のフィルターを設置する場合、筒状のフィルターの延在方向は、例えば、上下方向(重力方向)であってもよいし、略水平方向であってもよく、特に限定されない。
上記各実施形態では、被処理液槽と処理槽とを連結する配管にマイクロバブル発生装置が設置されている場合を例に挙げて説明したが、マイクロバブル発生装置の設置位置は、被処理液槽と処理槽とを連結する配管に限定されない。例えば、被処理液槽から採取した被処理液を再び被処理液槽に返送する流路を形成する配管を設け、この配管にマイクロバブル発生装置を設置してもよい。また、被処理液槽に被処理液を導入するための配管にマイクロバブル発生装置を設置してもよい。
上記各実施形態では、フィルターを洗浄する方法として逆洗を例に挙げて説明したが、フィルターの表面に洗浄液を流すことにより洗浄してもよい。この場合、以下に示す理由により、ケークが容易に剥離する。すなわち、被濾過液が10〜100μmの気泡を含むため、ケークが空隙を有する脆いものとなっている。また、フィルターが上述した第1フィルターまたは第2フィルターで形成されているため、ケークとフィルターとの間に空隙が形成されやすく、ケークが剥離しやすくなっている。さらに、被処理液領域に被濾過液を圧送した場合には、ケークとフィルターとの間の空隙が維持されやすく、ケークが剥離しやすくなっている。このため、フィルターの表面に洗浄液を流すことにより、フィルターに形成されていたケークおよびフィルター上に付着していたSS粒子が速やかに除去される。
上記各実施形態では、第1フィルターとして、フィルター基材6が線材2で形成された金網を有する図2および図3に示すフィルターを例に挙げて説明したが、第1フィルターは、上記の例に限定されるものではない。
例えば、第1フィルターとして、複数の貫通孔を形成してなる板状の基材と、基材のうち少なくとも被濾過液が流入する一次面側に形成された複数の針状構造物とを有するウエッジフィルターを用いてもよい。
図9は、ウエッジフィルターの一例を示した外観斜視図である。図10は、図9に示すウエッジフィルターを端面側から見た時の断面図である。
図9に示すウエッジフィルター212の有する複数の針状構造物205は、図2および図3に示すフィルター1の有する複数の針状構造物5と同じである。また、ウエッジフィルター212の有する板状の基材211は、図2および図3に示すフィルターの線材2と同じ材料で形成されたものである。以下、ウエッジフィルター212についての説明において、図2および図3に示すフィルターと同じ構成については、説明を省略する。
ウエッジフィルター212は、厚み方向に貫通する複数の貫通孔213、213…を形成してなる板状の基材211と、この基材211のうち少なくとも被濾過液が流入する一次面211a側に形成された複数の微細構造物205と備えている。図9に示すウエッジフィルター212では、針状構造物205が、被濾過液が流入する一次面(流入面)211a、処理液が流出する二次面(流出面)211b、および被処理液を通過させる貫通孔213の内壁面を覆うように形成されている。
基材211としては、金属板が用いられている。基材211を形成している金属板は、矩形板状、円筒状、円板状、楕円板状、多角形板状など、任意の形状とすることができる。
貫通孔213、213…は、基材211の一次面211aと二次面211bとを結ぶ円筒形の孔である。貫通孔213、213…は、一次面211aに沿って千鳥配列となるように配置されている。
貫通孔213の平均孔径とは、貫通孔213の内接円の直径の平均を意味する。
また、ウエッジフィルター212は、一次面211a側を平面視した場合に、一次面211a全体の面積に対する貫通孔213の面積の割合(貫通孔213の面積/一次面211a全体の面積)である開孔率が0.46以上、63.0以下であるものを用いることが好ましい。
図9に示すウエッジフィルター212は、図2および図3に示すフィルターのフィルター基材6に代えて、基材211を用いること以外は、図2および図3に示すフィルターと同様にして製造できる。
図9に示すウエッジフィルター212では、被濾過液が流入する一次面211a側が平坦面であって、複数の針状構造物201が形成されている。したがって、被濾過液の流入時の液圧が均一となり、ウエッジフィルター212の表面に液圧が局部的に集中することはない。このため、図9に示すウエッジフィルター212では、被濾過液の流入時の液圧に対するウエッジフィルター212の耐久性が高められるとともに、ケークの形成が促進される。
図9に示すウエッジフィルター212は、1枚のみで用いてもよいし、複数枚重ねて用いてもよい。
図11は、ウエッジフィルターの他の例を端面側から見た時の断面図である。図11に示すウエッジフィルター260は、第一の濾過体261、第二の濾過体271、第三の濾過体281からなる3枚のウエッジフィルターが、重ねて配置されたものである。第一の濾過体261、第二の濾過体271、第三の濾過体281としては、貫通孔263、273、283の直径をそれぞれ異ならせた図9に示すウエッジフィルター212を用いることができる。
図11に示すウエッジフィルター260では、第一の濾過体261側が、被処理液が流入する一次面261aを構成し、第三の濾過体281側が、被処理液が流出する二次面281aを構成する。第一の濾過体261、第二の濾過体271、第三の濾過体281をそれぞれ構成する基材262、272、282の表面には、複数の針状構造物205が形成されている。図11に示すウエッジフィルター260では、複数の針状構造物205が、各基材262、272、282の被濾過液が流入する側の表面と、処理液が流出する側の表面と、貫通孔213の内壁面とを覆うように形成されている。
各基材262、272、282には、複数の平面視円形の貫通孔263、273、283が形成されている。個々の貫通孔263、273、283は、同一の中心軸上に配されている。開口サイズは、貫通孔263、貫通孔273、貫通孔283の順に小さくなっている。なお、ここでの開口サイズは、各貫通孔263、273、283の平面形状における最大直径である。
なお、図11に示すウエッジフィルター260のように、複数枚のウエッジフィルターが重ねられたものである場合、ウエッジフィルターの貫通孔の平均孔径とは、厚み方向に貫通する貫通孔の平面視で最も直径の小さい部分の内接円の直径(図11では貫通孔283の直径。)の平均を意味する。
図11に示すウエッジフィルター260では、被処理液が流入する一次面261aから二次面281aに向かって延びる貫通孔263、273、283が、段階的に狭められる形状となっている。これにより、SS粒子のサイズに応じて捕捉される貫通孔263、273、283の位置が変わる。具体的には、比較的サイズの大きいSS粒子は貫通孔263で捕捉され、比較的サイズの小さいSS粒子は貫通孔271および/または貫通孔281で捕捉される。その結果、ケークによって貫通孔263、273、283が詰まりにくくなり、より効率的に被濾過液の濾過を行うことができる。
図9および図11に示すウエッジフィルター212、260では、基材に形成する貫通孔を平面視円形とし、千鳥配列となるように配置しているが、個々の貫通孔の形状やその配置は限定されない。
例えば、図12に示すウエッジフィルター291では、平面形状が矩形を成す貫通孔292を格子状に等間隔で配列している。
また、図13に示すウエッジフィルター294では、平面形状が長方形を成す貫通孔295を千鳥配列となるように形成している。
更に、図14に示すウエッジフィルター297では、平面形状が六角形を成す貫通孔298を千鳥配列となるように形成している。
これ以外にも、基材に形成する貫通孔の平面形状としては、三角形や五角形など多角形状、楕円形状、十字形状など各種形状にすることができ、限定されるものでは無い。
また、複数の貫通孔の配列形態に関しても、例えば、図12に示す均等配列、図9、図13、図14に示す千鳥配列の他に、ランダムに配列することもでき、限定されるものでは無い。
また、第1フィルターとして、例えば、線材を面状に配列させた濾過体と、前記線材を支持する支持部材とを有し、互いに隣接する前記線材どうしの間には隙間が形成され、前記濾過体のうち、被濾過液が流入する一次面側に臨む前記線材は平坦面を成し、少なくとも前記平坦面に複数の針状構造物が形成されたノッチフィルターを用いてもよい。
図15は、円筒状に形成されたノッチフィルターの一例を説明するための概略図である。図16は、図15に示すノッチフィルターを端面側から見た時の断面図である。図17は、図15に示すノッチフィルター310の内周面側を示す要部拡大断面図である。
ノッチフィルター310の有する複数の針状構造物305は、図2および図3に示すフィルター1の有する複数の針状構造物5と同じである。また、ノッチフィルター310の有する線材311は、図2および図3に示すフィルターの線材2と同じ材料で形成されたものである。以下、ノッチフィルター310についての説明において、図2および図3に示すフィルターと同じ構成については、説明を省略する。
ノッチフィルター310は、線材311を面状に配列させた濾過体312と、線材311を支持する支持部材313とから形成されている。濾過体312は、長尺の線材311をコイル状に巻回させ、中空の筒状体に成形させたものである。
線材311は、延伸方向に対して直角な断面形状が三角形を成している。線材311は、互いに隣接する線材どうしの間を所定幅の隙間を保つように支持部材313に支持されている。これにより、円筒形の濾過体312は、その内周面312aと外周面312bとの間を貫通するスリット状の隙間316が形成される。
支持部材313は、断面が四角形を成す線材である。支持部材313は、濾過体312の外周面312b側で線材311に接合されている。支持部材313は、線材311の周回方向に沿って、例えば等間隔で4か所形成されている。支持部材313は、濾過体312の中心軸に対して平行に延び、巻回された線材311を外周面312b側から支持している。支持部材313と線材311とは、例えば、焼結によって接合されている。
濾過体312のうち、内周面312a側に臨む線材311は平坦面311fを成している。すなわち、断面形状が三角形である線材311の三角形の1辺が、内周面312aに沿うように配置されている。そして、線材311の内周面312aに沿う三角形の1辺と対向する三角形の頂点で、線材311が支持部材313に接合されている。
図15に示すノッチフィルター310では、濾過体312の内周面312aに向けて被濾過液を流入させ、隙間316を通過させて被濾過液の濾過を行い、外周面312bから濾過後の処理水を流出させる。
ノッチフィルター310では、少なくとも被濾過液が流入する内周面312a側、即ち、内周面312a側に臨む線材311の平坦面311fに、複数の針状構造物305が形成されている。
周回違いで隣接する線材311、311どうしの隙間316は、断面形状が三角形の線材311を用いることによって、被濾過液が流入する内周面(一次面)312a側から、処理液が流出する外周面(二次面)312b側に向けて幅が広がるように形成されている。
ノッチフィルター310において、貫通孔の平均孔径とは、線材311間の隙間316における最も狭い部分の平均距離を意味する。言い換えると、図17に示すノッチフィルター310における貫通孔の平均孔径とは、内周面312a側に臨む隣接する平坦面311f間の距離を意味する。
ノッチフィルター310は、図18に示すように、互いに隣接する線材311間の隙間における最も狭い部分の幅をs、線材311の配列方向に沿った前記線材311の幅をwと規定した時に、下記式(1)で表される一次面の面積に対する前記隙間316の面積を示す開孔率Gが、0.8%以上、60.0%以下であることが好ましい。
G={s/(s+w)}×100・・・(1)
図15に示すノッチフィルター310は、図2および図3に示すフィルターのフィルター基材6に代えて、コイル状に巻回した線材311と支持部材313とを焼結して結合したものを用いること以外は、図2および図3に示すフィルターと同様にして製造できる。
ノッチフィルター310では、被処理液が流入する内周面312aを構成する線材311の平坦面311fに、針状構造物305が多数形成されている。したがって、被濾過液の流入時の液圧が均一となり、ノッチフィルター310の表面に液圧が局部的に集中することはない。このため、図15に示すノッチフィルター310では、被濾過液の流入時の液圧に対するノッチフィルター310の耐久性が高められるとともに、ケークの形成が促進される。
図15に示すノッチフィルター310では、断面が三角形の線材を用いた例を示したが、断面形状が例えば台形の線材を用いてもよい。図19は、ノッチフィルターの他の例における内周面側を示す要部拡大断面図である。
図19に示すノッチフィルター370は、延伸方向に対して直角な断面形状が台形を成す線材371をコイル状に巻回させ、中空の筒状体にした濾過体372を備えている。線材371は、互いに隣接する線材371どうしの間を所定幅の隙間376を保って離間させるように、外周面372b側で支持部材373に支持されている。
図19に示すノッチフィルター370では、濾過体372の内周面372aが、被濾過液が流入する一次面とされ、外周面372bが、濾過体372によって濾過された処理水が流出する二次面とされる。濾過体372のうち、内周面372a側に臨む線材371は平坦面371fを成している。断面形状が台形の線材371の場合、台形の平行な2辺のうち長い方の一辺が内周面372aに沿うように配置され、平行な2辺のうち短い方の一辺で線材371が支持部材313に接合される。
ノッチフィルター370では、被濾過液が流入する平坦な内周面372a側と、隙間376の内表面とに、複数の針状構造物305が形成されている。
図15および図19に示すノッチフィルター310、370では、線材をコイル状に巻回させて中空の筒状体にした例を示したが、複数本の線材を一面上に配列させ、平板状としてもよい。図20は、ノッチフィルターの他の例を示す外観斜視図である。
図20に示すノッチフィルター390は、複数の線材391を面状に配列させた濾過体392と、線材391を支持する支持部材393とを備えている。濾過体392は、延伸方向に直角な断面形状が三角形を成す複数本の線材391を平面上に配列し、平板状に成形したものである。
線材391は、互いに隣接する線材391、391どうしの間を所定幅のスリット状の隙間396を保つように支持部材393に固着されている。
支持部材393は、例えば、断面が矩形や三角形の線材からなり、濾過体392の他面392b側で線材391に接合されている。支持部材393は、線材391の配列方向に沿って延在し、複数の線材391と接合している。支持部材393と線材391とは、例えば、焼結によって接合されている。
ノッチフィルター390では、図20における上側となる一面392a側に臨む線材391が平坦面391fを成している。断面形状が三角形の線材391の場合、三角形の1辺が一面392aに沿うように配置され、この一辺に対向する三角形の頂点で線材391が支持部材393に接合されている。
ノッチフィルター390では、図20における上側となる一面(一次面)392a側から被濾過液を流入させ、他面(二次面)392bから濾過後の処理水を流出させる。ノッチフィルター390では、被濾過液が流入する平坦な一面392aに、複数の針状構造物305が形成されている。
上記各実施形態では、第2フィルターとして、フィルター基材6が線材2で形成された金網を有する図5に示すフィルターを例に挙げて説明したが、第2フィルターは、上記の例に限定されるものではない。
例えば、第2フィルターとして、上述したウエッジフィルターまたはノッチフィルターにおける複数の針状構造物に代えて、表面に近接配置された複数の多面体構造物を有するものを用いてもよい。ウエッジフィルターまたはノッチフィルターの有する複数の多面体構造物は、図5に示すフィルターの有する複数の針状構造物と同じであるので、説明を省略する。
第2フィルターとして、表面に近接配置された複数の多面体構造物を有するノッチフィルターを用いる場合、上記式(1)で表される一次面の面積に対する前記隙間の面積を示す開孔率Gは、0.2%以上、60.0%以下であることが好ましい。
上記各実施形態の処理システム(処理装置)および処理方法は、被処理液として被処理水を処理する場合に好適であるが、実施形態の処理システムおよび処理方法は、被処理水を処理する処理システムおよび処理方法に限定されない。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、被処理液に気泡を供給して10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成する気泡発生装置と、前記被濾過液をフィルターで濾過する処理槽とを持ち、前記フィルターが、表面に配置された針状構造物と、平均孔径0.5〜10.0μmの貫通孔とを有する第1フィルターであり、前記針状構造物の平均高さが0.2〜2.5μmであり、前記針状構造物の数が単位面積当たり1.2〜10.0個/μmであることにより、濾過流量を確保でき、しかも、SS粒子が十分に除去された高品質の処理液が得られる。
以下、実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
ステンレス製の平織りの金網(目開き45μm,線径32μm)を用意した。これを円筒状に成形し、リンと亜鉛とニッケルとを含むめっき浴中に浸漬し、ニッケルめっき処理を行った。このことにより、ステンレス鋼線(線材)で形成された金網をニッケル亜鉛合金からなる下地層で被覆した。
その後、下地層を形成しためっき浴中に、ホウ酸と添加剤としてのエチレンジアミン(EDA)とを添加して、ニッケルめっき処理を行った。このことにより、下地層で被覆された線材を被覆するめっき層を形成し、実施例1のフィルターを得た。
実施例1のフィルターの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、表面に針状構造物が形成されているか否かを確認した。その結果、表面に複数の針状構造物が形成されていた。
次に、実施例1のフィルターについて、貫通孔の平均孔径、単位面積(1μm)当たりの針状構造物の数、針状構造物の平均高さ、断面における単位長さ(1μm)当たりの針状構造物の数、針状構造物の高さの変動係数、断面における針状構造物の基端部の平均幅Dと平均高さHとのアスペクト比H(μm)/D(μm)を、それぞれ上述した方法により調べた。また、単位面積(1μm)当たりの針状構造物の数を算出するために4μm当たりの針状構造物の数、断面における単位長さ(1μm)当たりの針状構造物の数を算出するために10μm当たりの針状構造物の数も調べた。その結果を表1に示す。
次に、実施例1のフィルターを、図1に示す処理システムを模擬した処理槽に設置し、表2および以下に示す条件で濾過試験を行った。
水道水中に、SS粒子として平均粒子径1.0μmのアルミナ粒子(バイカロックスCR1.0)を500mg/Lの濃度で分散させ、被処理液を供給する配管を介して処理槽に圧送した。そして、処理槽に被処理液を供給する配管に設置されたマイクロバブル発生装置の空気導入部から、配管内を移動するアルミナ粒子を含む水道水に高圧空気を導入して気泡を供給し、マイクロバブル発生装置の混合部であるオリフィスにアルミナ粒子を含む水道水と気泡とを通過させて、気泡を含む被濾過液とした。
なお、アルミナ粒子を含む水道水に導入した高圧空気の導入条件は、水道水中に25℃1気圧の空気を導入した時に得られる気泡の直径が、25℃1気圧下で平均30μmとなる予め決定した導入条件とした。気泡の直径は、円筒状のフィルター121の被処理液領域112a(外側)に供給された水道水を、即時にレーザー回折法で分析した。
また、アルミナ粒子を含む水道水に導入した高圧空気の導入量(気泡含有量)は、25℃1気圧で換算した体積の空気を被処理液中に単位体積当たり0.5体積%含む量とした。
そして、ポンプの出力を調整することにより、濾過圧力を0.1MPaで一定とする濾過試験を行ない、以下に示す方法により、初期リーク、濾過速度、処理液濁度を測定した。
「初期リーク」
濾過試験により得られた処理液の濁度を、濁度計を用いて濁度を測定し、濾過試験を開始してから、処理液の濁度が20NTU以下になるまでの時間を初期リークとした。
「濾過速度」
濾過開始1分後から5分後までの間にフィルターを通過した被濾過液の量を測定し、濾過開始1分後から5分後までの平均の濾過速度を調べた。
「処理液濁度」
初期リークが終了してから5分後までの間にフィルターを通過した被濾過液の濁度を測定し、その平均値を処理液濁度とした。
(比較例1)
マイクロバブル発生装置を駆動させずに、アルミナ粒子を含む水道水を被処理液として用いたこと以外は、実施例1と同様にして濾過試験を行ない、実施例1と同様にして初期リーク、濾過速度、濁度を調べた。
(比較例2)
実施例1のフィルターと同様の円筒状の金網にニッケルめっき処理を行って、実施例1のフィルターと同じ貫通孔の平均孔径を有し、針状構造物の形成されていない比較例2のフィルターを得た。そして、比較例2のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にして濾過試験を行ない、実施例1と同様にして初期リーク、濾過速度、濁度を調べた。
(比較例3)
マイクロバブル発生装置を駆動させずに、アルミナ粒子を含む水道水を被処理液として用いたこと以外は、比較例2と同様にして濾過試験を行ない、実施例1と同様にして初期リーク、濾過速度、濁度を調べた。
(実施例2,3)
アルミナ粒子を含む水道水に導入した高圧空気の導入条件を変更して、表2に示す気泡の直径および気泡含有量としたこと以外は、実施例1と同様にして濾過試験を行ない、実施例1と同様にして初期リーク、濾過速度、濁度を調べた。
(実施例4,5)
実施例1のフィルターと、単位面積(1μm)当たりの針状構造物の数および針状構造物の形状が異なるフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にして濾過試験を行ない、実施例1と同様にして初期リーク、濾過速度、濁度を調べた。
(実施例6)
実施例1のフィルターと、貫通孔の平均粒径、単位面積(1μm)当たりの針状構造物の数および針状構造物の形状が異なるフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にして濾過試験を行ない、実施例1と同様にして初期リーク、濾過速度、濁度を調べた。
比較例1〜3、実施例1〜6の初期リーク、濾過速度、処理液濁度の結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例1〜6では、初期リークが5秒以下であり、短時間でケークが形成されていた。また、実施例1〜6では、濾過速度が1.1m/h以上であり、十分な濾過流量を確保できることが確認できた。しかも、実施例1〜6では、処理液の濁度が0.1NTU以下であり、SS粒子が十分に除去されていた。
これに対し、アルミナ粒子を含む水道水に気泡を導入せずに被処理液として用いた比較例1では、気泡を含む被濾過液を処理した実施例1と比較して、濾過速度が遅かった。
また、針状構造物の形成されていない比較例2では、針状構造物を有する実施例1と比較して、初期リークが長かった。また、比較例2では、濁度が10NTUであり、SS粒子が十分に除去されなかった。しかも、比較例2では、実施例1と比較して、濾過速度も遅かった。
比較例2と、アルミナ粒子を含む水道水に気泡を導入せずに被処理液として用いた比較例3とを比較すると、比較例2では比較例3よりも濾過速度が速かった。しかし、比較例2では、濁度が1.6NTUである比較例3と比較して、SS粒子の除去効果が劣っていた。このことから、アルミナ粒子を含む水道水に気泡を導入することで、濾過速度を速くすることはできるが、SS粒子の除去効果が低下する傾向があることが分かった。
また、比較例3では、比較例2と同様に、初期リークが長かった。
なお、実施例1〜6においては、アルミナ粒子を含む水道水に気泡を導入しているが、比較例2と異なり、SS粒子が十分に除去されていた。これは、実施例1〜6においては、フィルターが、所定の平均孔径の貫通孔と、所定の平均高さおよび数の針状構造物とを有しているためである。
また、実施例1及び比較例1において濾過試験を行った後のフィルターを取り出し、以下に示すように洗浄試験を行った。
フィルター表面の観察位置を、水平面に対して45°傾けて固定した。そして、観察位置を含む斜面における観察位置よりも約2センチ上方の位置に1L/minの水量でイオン交換水を供給し、斜面に沿ってイオン交換水を流下させた。イオン交換水の供給は、目視でケークの状態に変化が無くなるまで継続した。
洗浄試験後の実施例1及び比較例1のフィルターの表面におけるケークの状態を光学顕微鏡で観察した。その結果を図7および図8に示す。
図7は、洗浄試験後の実施例1のフィルターを撮影した写真である。図7に示すように、実施例1では、貫通孔の周辺を除く大部分のフィルターの表面にはケークが付着していなかった。
また、図8は、洗浄試験後の比較例1のフィルターを撮影した写真である。図8に示すように、比較例1では、貫通孔の周辺だけでなく、フィルターの表面の大部分にケークが付着していた。
図7および図8の結果から、気泡を含む被濾過液を圧送して処理することで、フィルターの洗浄性が向上することが分かる。これは、ケークを通過することにより解放される被処理液中の気泡の圧力が、ケークとフィルター間の空隙の維持に寄与するため、ケークが剥離しやすくなることによるものと推定される。
(実施例7)
実施例1と同様にして、ステンレス鋼線(線材)で形成された金網をニッケル亜鉛合金からなる下地層で被覆した。
その後、下地層を形成しためっき浴中に、添加剤として2−ブチン−1,4−ジオールを添加して、ニッケルめっき処理を行った。このことにより、下地層で被覆された線材を被覆するめっき層を形成し、実施例7のフィルターを得た。
実施例7のフィルターの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、表面に多面体構造物が形成されているか否かを確認した。その結果、表面に複数の多面体構造物が形成されていた。
次に、実施例7のフィルターについて、貫通孔の平均孔径、多面体構造物の平均最大外形寸法、基材の線径、開孔率を、それぞれ上述した方法により測定した。その結果を表3に示す。
そして、実施例7のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にして表4に示す条件で濾過試験を行ない、実施例1と同様にして初期リーク、濾過速度、濁度を調べた。
(実施例8)
実施例7のフィルターと貫通孔の平均孔径、多面体構造物の平均最大外形寸法、基材の線径、開孔率が異なること以外は、実施例7と同様にして濾過試験を行ない、実施例1と同様にして初期リーク、濾過速度、濁度を調べた。
実施例7〜8の初期リーク、濾過速度、濁度の結果を表4に示す。
表4に示すように、実施例7〜8では、初期リークが5秒以下であり、短時間でケークが形成されていた。また、実施例7〜8では、濾過速度が1.1m/h以上であり、十分な濾過流量を確保できることが確認できた。しかも、実施例7〜8では、処理液の濁度が0.1NTU以下であり、SS粒子が十分に除去されていた。
(実施例9)
実施例1のフィルターを、図6に示すクロスフロー方式の処理システムを模擬した処理槽に設置し、実施例1と同様にして表4に示す条件で濾過試験を行ない、実施例1と同様にして初期リーク、濾過速度、濁度を調べた。その結果を表4に示す。
表4に示すように、実施例9では、初期リークが5秒以下であり、短時間でケークが形成されていた。また、実施例9では、濾過速度が1.8m/hであり、濾過流量が非常に多いことが確認できた。しかも、実施例9では、処理液の濁度が0.1NTU以下であり、SS粒子が十分に除去されていた。
(比較例4)
マイクロバブル発生装置を駆動させずに、アルミナ粒子を含む水道水を被処理液として用いたこと以外は、実施例7と同様にして濾過試験を行ない、実施例1と同様にして初期リーク、濾過速度、濁度を調べた。その結果を表4に示す。
表4に示すように、アルミナ粒子を含む水道水に気泡を導入せずに被処理液として用いた比較例4では、気泡を含む被濾過液を処理した実施例7と比較して、濾過速度が遅かった。
以上のことから、気泡を含む被濾過液を、表面に特定の構造物を有するフィルターを用いて濾過することにより、濾過流量を確保でき、しかも、処理後に得られる処理液の品質が被処理液中に気泡を混入させない場合と同等である処理システム及び処理方法を提供できることを確認した。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…フィルター、2…線材、3…めっき層、4…下地層、5…針状構造物、6…フィルター基材、7…ケーク、8…貫通孔、100A、100B…処理システム、101…マイクロバブル発生装置、111…被処理液槽、112、132…処理槽、112a、132a…被処理液領域、112b、132b…処理液領域、113、115…ポンプ、114…処理液槽、116…濃縮汚泥タンク、117、137…本体、121、131…フィルター、212、260、291、294、297…ウエッジフィルター、310、370、390…ノッチフィルター。

Claims (4)

  1. 被処理液に気泡を供給して10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成する気泡発生装置と、
    前記被濾過液をフィルターで濾過する処理槽とを有し、
    前記フィルターが、表面に配置された針状構造物と、平均孔径0.5〜10.0μmの貫通孔とを有する第1フィルターであり、前記針状構造物の平均高さが0.2〜2.5μmであり、前記針状構造物の数が単位面積当たり1.2〜10.0個/μmである処理システム。
  2. 前記被濾過液が、25℃1気圧で換算した体積の空気を単位体積当たり0.1〜5.0体積%含む請求項1に記載の処理システム。
  3. 前記フィルターが、上下方向に延在している請求項1または請求項2に記載の処理システム。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の処理システムを用いて被処理液を処理する処理方法であって、
    被処理液に気泡を供給して10〜100μmの気泡を含む被濾過液を生成する気泡含有工程と、
    前記被濾過液をフィルターで濾過して処理液を生成する処理工程とを有する処理方法。
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