JP2016110594A - プラント監視装置、プラント監視方法、およびプログラム - Google Patents

プラント監視装置、プラント監視方法、およびプログラム Download PDF

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【課題】プラントの状態監視の精度を向上させることが可能なプラント監視装置を提供する。【解決手段】プラント監視装置100は、しきい値取得部7と、判定部と、警報部10とを備える。しきい値取得部は、第1プロセス値のばらつきを平均して得られた値及びばらつきを示す値に基づき、第1プロセス値のばらつきの第1範囲を示す第1しきい値と、第1範囲よりもばらつきの範囲が広い第2範囲を示す第2しきい値とを予め得る。判定部は、時系列に得られた第1プロセス値と、対応する第1しきい値及び第2しきい値とを比較することで、第1プロセス値が第1しきい値及び第2しきい値のいずれかを超えたか否かを判定する。警報部は、判定部の判定結果に基づき、第1プロセス値が第1しきい値及び第2しきい値のいずれかを超えた時点の情報を少なくとも含む警報情報を発する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、プラント監視装置、プラント監視方法、およびプログラムに関する。
発電プラントなどのプラントでは、一般に、運転の事故や停止などの状態を未然に防ぐためプラントの状態が監視される。プラントを監視する場合、例えば、プラント内の監視項目に含まれる監視対象となるポイント(例えば、PIDまたはTAGと呼ばれる)を定める。さらに、監視対象のポイントに対し設定されたしきい値としての上限値と下限値と、監視対象のポイントから得られたプロセス値とを比較してプラントの状態を監視する。この場合、プロセス値が上限値と下限値を超えたか否かでプラントの異常有無の判定を行っている。
また、判定精度をあげるため、監視ポイントにおける過去のプラントデータの平均値、標準偏差などを用いてこの上限値と下限値を算出し、判定の検出精度を高める技術が導入されている。さらに、最近では監視するポイントに対する主変数ポイント(相関の強いポイント)を求め、主変数ポイントとの相関において、プラントの運転状態や変動の影響を除去した上限値と下限値を設定して監視する事が行われてきた。例えば、監視ポイントに対して主変数ポイントを求め監視帯を幾つかのクラスタに区切り、監視ポイントのデータ個数に対して重み係数を用いて監視しきい値を求めて監視する方式である。
特許第2772179号公報 特許第4738309号公報
ところが、このような方式で監視できるポイントも有るが、このクラスタ分けの方式や監視しきい値の求め方、重み係数の方式では的確に監視できない監視ポイントも有る事がわかってきた。
また、監視ポイントによっては、主変数ポイントが存在しない場合が有る事がわかってきた。即ち、主変数ポイントとの相関だけでは監視できない監視項目があり、監視項目の特性に応じた新たな監視方法が必要とされている。
また、しきい値及び監視項目の特性に応じた新たな監視方法の妥当性や有効性の検証を、プラントの運転を継続する中でおこなっていた。このため、有効なしきい値や新たな監視方法の妥当性や有効性を検証するまでに時間を要していた。
また、プラント監視装置は、警報域まで達したプラントの状態を監視するだけでなく、警報域に達する前の予兆や前兆の状態を監視することが監視項目として必要とされている。
そこで、本発明は、プラントの状態監視の精度を向上させることが可能なプラント監視装置を提供することを課題とする。
本実施形態によれば、プラント監視装置は、しきい値取得部と、判定部と、警報部とを備える。しきい値取得部は、監視対象の第1ポイントの出力値に応じた第1プロセス値のばらつきを均して得られた値及びばらつきを示す値に基づき、第1プロセス値のばらつきの第1範囲を示す第1しきい値と、第1範囲よりもばらつきの範囲が広い第2範囲を示す第2しきい値とを予め得る。判定部は、1ポイントの出力値に基づいて時系列に得られた第1プロセス値と、対応する第1しきい値及び第2しきい値とを比較することで、第1プロセス値が第1しきい値、及び第2しきい値のいずれかを超えたか否かを判定する。警報部は、判定部の判定結果に基づき、第1プロセス値が第1しきい値及び第2しきい値のいずれかを超えた時点の情報を少なくとも含む警報情報を生成する。
図1は、プラント200の構成例を示す図。 図2は、第1実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図。 図3は、第1のしきい値取得部7の詳細な構成例を示す図。 図4は、監視部9の詳細な構成例を例示する図。 図5は、監視条件情報に設定されている抽出条件を例示する図。 図6Aは、瞬時値処理を例示する図。 図6Bは、平均処理を例示する図。 図6Cは、移動平均処理を例示する図。 図6Dは、条件付き移動平均を例示する図。 図7は、監視対象のプロセス値のばらつきを例示する図。 図8は、相関監視のしきい値を例示する図。 図9は、プロセス値の分布が偏っている場合を例示する図。 図10は、ゾーン相関監視についてのしきい値を例示する図。 図11は、ゾーン毎のしきい値を例示する図。 図12は、相関3次元監視について例示する図。 図13は、経時プロセス値監視を行う場合の第2の統計処理を例示している図。 図14は、経時変化率監視を行う場合の第3の統計処理を例示している図。 図15は、経時偏差監視を行う場合の第4の統計処理を例示している図。 図16は、監視方法が相関監視(ゾーン相関監視)を指定した場合の画面例を示している図。 図17は、相関3次元監視を指定した場合の画面例を示している図。 図18は、経時プロセス値監視、経時変化率監視、経時偏差監視を指定した場合の画面例を示している図。 図19は、警報部10が生成する警報情報としての項目を例示する図。 図20は、警報部10が生成した警報情報を例示する図。 図21は、警報メッセージ(トレンド)の例を示す図。 図22は、警報メッセージ(履歴)の例を示す図。 図23は、オペレータに指示された警報メッセージに応じて表示された画面を例示する図。 図24は、第2実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図。 図25は、第3実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図。 図26は、不感帯を例示する図である。 図27は、第4実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図。 図28は、シミュレーションを実行する期間を指定する画面を例示する図。 図29は、第5実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図。 図30は、プラントの運転事故・故障発生日付・時刻を入力する画面を例示する図。 図31は、プロセス値の変遷を例示する図。 図32は、自動計算制御部21が用いる設定情報を例示する図。 図33は、第6実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図。 図34は、第7実施形態によるプラント監視装置100を含むシステムの構成例を示すブロック図。 図35は、プラント監視装置100によるプラント監視処理の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1乃至23を用いて、第1の実施形態によるプラント監視装置100の構成を説明する。図1は、プラント監視装置100により監視されるプラント200の構成例を示す図である。
まず、プラント200の構成例とポイントについて説明する。ポイントは、計測点が配置された監視対象の状態を示すプロセス量を取得するプロセス量入力点(例えば、PIDと略称される)である。例えば、ポイントには、プラント200内で監視対象となるプロセス量を取得するためのセンサが配置される。或いは、ポイントに対応する装置からプロセス量を取得する。また、複数のポイントから取得されたデータを統合として新たなデータとする場合もある。この場合、複数のポイントを統合して一つのポイントと呼ぶ場合もある。
図1中で、ボイラ410で加熱された主水蒸気の水蒸気温度はP1のセンサで取得され、主蒸気圧力はP3のセンサで取得される。また、ボイラ410で加熱された再熱蒸気の水蒸気温度はP2のセンサで取得され、再熱蒸気圧力はP4のセンサで取得される。
主水蒸気及び再熱蒸気がバルブB1,B2を介してタービン310に送られる。主水蒸気及び再熱蒸気のエネルギーを用いて回転するタービン310の回転に従い発電機300が発電する。発電機300が発電した発電量は、ポイントP7のセンサで取得される。また、復水器320へ冷却水を供給するポンプ330の冷却水温度はポイントP8のセンサで取得される。この復水器320に並列に接続されるA復水ポンプ340及びB復水ポンプ350から出される復水流量は、P9のセンサで取得される。
また、脱塩装置360及び給水加熱器370を通過した復水は、A給水ポンプ380及びB給水位ポンプ390を介して給水加熱器400に給水される。このA給水ポンプ380及びB給水位ポンプ390の給水ポンプ出口圧力は、それぞれP5、P6のセンサで取得される。
以下、実施形態におけるプロセス値とは、プラント内のポイントの出力値に基づく値を意味する。例えば、プロセス値は、ポイントから取得したプロセス量をEU校正機能を用いて変換した工学値、工学値を信号処理した値である。信号処理には、加算処理、減算処理、差分処理、除算処理、乗算処理、及びこれらの組み合わせなどが含まれる。このため、例えば、工学値をノイズ低減処理などした値もプロセス値とする。
(構成)
図2は、第1実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図である。図2を参照して、本実施形態のプラント監視装置100の構成を説明する。この説明の中で、図3及び図4も適宜参照する。
本実施形態のプラント監視装置100は、プラント情報送信部1と、プラント情報受信部2と、収録要求部3と、プラント履歴データ記憶部4と、監視条件記憶部5と、設定部6と、第1のしきい値取得部7と、しきい値記憶部8と、監視部9と、警報部10と、収録部11等を備えている。
プラント情報送信部1は、プラント200のポイントで取得したプロセス値をリアルタイムに時系列データとして送信する。プラント情報受信部2は、送信されたプロセス値を時系列データとして受信する。次に、プラント情報受信部2は、受信したプロセス値を時系列データとして、収録要求部3と、オンラインで監視する監視部9に出力する。
収録要求部3は、例えば、入力されたプラント200のプロセス値の時系列データをプラントの履歴データとして収録・記録する収録要求をプラント履歴データ処理部4に出力する。プラント履歴データ記憶部4は、収録要求部3から収録要求を受けた複数のプロセス値の時系列データをプラント履歴データとして記憶する。
監視条件記憶部5は、監視条件情報を記憶している。この監視条件情報には、第1のしきい値取得部7でしきい値を計算する条件が設定されている。また、監視部9がプロセス値を監視する条件が設定されている。
設定部6は、各監視項目の監視方法、監視パラメータなどをモニタ、キーボード、マウスなどを使用して設定する。その設定結果を監視条件記憶部5に出力し、監視条件記憶部5は、監視条件情報として記憶する。
図3は、第1のしきい値取得部7の詳細な構成例を示す図である。
第1のしきい値取得部7は、監視条件記憶部5の監視条件情報に従って、監視対象のポイントの出力値に応じたプロセス値のばらつきを均して得られた値(例えば、基準値、平均値)及びばらつきを示す値(例えば、標準偏差)に基づき、プロセス値のばらつきの第1範囲を示す第1しきい値(第1上限値、第1下限値)と、第1範囲よりもばらつきの範囲が広い第2範囲を示す第2しきい値(第2上限値、第2下限値)とを計算する。
図3を参照して、第1のしきい値取得部7の構成を説明する。第1のしきい値取得部7は、抽出部71と、第1信号処理部72と、統計処理部73とを備える。抽出部71は、監視情報に従ってプラント履歴データ記憶部4から、予め定められた期間に得られた監視対象の履歴データを抽出して第1信号処理部72に出力する。第1信号処理部72は、時系列に入力されたプロセス値からノイズを低減する処理を行う。統計処理部73は、信号処理されたプロセス値を統計処理して第1しきい値、及び第2しきい値を取得(計算)する。
図2に再び戻り、しきい値記憶部8は、第1のしきい値取得部7で計算された第1しきい値、及び第2しきい値の情報を記憶する。
図4は、監視部9の詳細な構成例を例示する図である。
監視部9は、監視対象のポイントから得られたプロセス値と、第1しきい値及び第2しきい値とを比較することで、プロセス値が第1しきい値及び第2しきい値のいずれかを超えたか否かの判定を行う。監視部9は、第2信号処理部91と、第2のしきい値取得部92と、判定部93とを備える。
第2信号処理部91は、監視条件記憶部5の監視条件情報に従って、対応する第1しきい値及び第2しきい値を計算した条件と同様の条件で信号処理を行う。第1信号処理部72による信号処理と同一条件の信号処理を行うので、例えば、抽出部71と第1信号処理部72を複合した処理機能を有する。
第2のしきい値取得部92は、しきい値記憶部8に記憶される第1しきい値、及び第2しきい値の情報を取得する。また、第2のしきい値取得部92は、取得した第1しきい値、及び第2しきい値の情報に基づいて第2信号処理部91から出力されるプロセス値に対応する第1しきい値及び第2しきい値を計算してもよい。
判定部93は、第2信号処理部91から出力されるプロセス値と、第2のしきい値取得部92で得られたプロセス値に対応する第1しきい値及び第2しきい値と比較することで、プロセス値が第1しきい値及び第2しきい値のいずれかを超えたか否かの判定を行う。
再び図2に戻り、警報部10は、判定部93の判定結果に基づいて警報情報を生成する。収録部11は、警報部10で生成された警情報を収録する。収録部(表示制御部)11は、警報情報を収録するとともに表示装置12に警報情報にも基づく画像を表示してオペレータに通知する。
(作用)
図2において、プラント情報送信部1は、各種プラントのプロセス値検出箇所であるポイント(例えば図1中のP1〜P12)から、プロセスデータをリアルタイムで時々刻々と入力される。次に、プラント情報送信部1は、例えば、EU変換してプロセス値を時系列データとして送信する。
次に、プラント情報受信部2は、その各プロセス値のデータにPIDまたはTAGと呼ばれるポイントの識別子を付加する。プラント情報受信部2は、プロセス値のデータの種別、日付時刻、値、品質などの情報を付加して、収録要求部3と監視部9に出力する。
収録要求部3は、入力された各プロセス値のデータをプラント履歴データ記憶部4に出力すると共に収録要求を出力する。
プラント履歴データ記憶部4は、プロセス値のデータに、PID単位、種別単位、時刻並びなどを情報を付加して履歴データとして収録する。これにより、プラント200における監視対象のポイントから得られたプロセス値の記系列データ及び第1のしきい値取得部7での処理に必要な時系列データを少なくとも記憶する。
(1:データの抽出処理について)
図3において、抽出部71は、監視条件記憶部5の監視条件に設定されている履歴データの抽出期間を入力する。次に、プラント履歴データ記憶部4から、監視ポイントのプロセス値の時系列データである履歴データを抽出する。この抽出期間は、第1のしきい値取得部7において統計処理を用いてしきい値を求める際の基礎データとなるものであり、オペレータが指定するものである。
通常は、抽出期間として、プラントの運転状態が健全な状態の期間を指定しする。また、特定の運転モードの期間を指定してもよい。履歴データを抽出する際に、監視条件情報に設定されている抽出条件に合致しているデータを抽出する。抽出条件は監視条件記憶部5の監視条件情報に有無が定義されている。
図5は、監視条件情報に設定されている抽出条件を例示する図である。抽出部71は、監視条件に”有り”と設定されている場合、図5に例示するように、対応する条件を取得する。抽出部71は、”有り”の場合はこの条件に合致したデータだけをプラント履歴データ記憶部4から抽出する。
図5の例では、ポイントG,Lの出力の条件が132〜135に設定されている。条件には、複数のポイントのAND処理(130)、OR処理(131)を定義することができる。これにより、プラント200の状態に合わせたプロセス値を取得することが可能である。例えば、下限132、上限133の幅を狭くすると共に、下限134、上限135の幅を広くすると発電機出力が狭い範囲の状態、或いはタービン回転数が広い範囲の状態のプロセス値が取得できる。
一方、AND処理(131)が定義される欄に、情報を設定する場合には、プラントの状態をより限定することができる。このため、オペレータは、特定の運転モードのデータだけを抽出したい場合、設定部6を介して図5に例示する形式の条件を設定する。
また、データの抽出期間が長いと大量のデータを抽出する事となり、システムのリソースを圧迫する。このため、抽出部71は監視条件情報に設定されている履歴データ抽出周期の期間のデータを抽出する。周期が自動の場合、システムが許容できる最大の周期を自動計算する。一方、固定の場合には監視条件情報に設定されている周期を用いてシステムが許容できる期間分のデータを、プラント履歴データ記憶部4から抽出する。
また、抽出部71は、抽出条件に合致している場合、成立を示す情報(例えば、数値1)を出力する。一方、抽出部71は、抽出条件に合致していない場合、不成立を示す情報(例えば、数値0)を出力する。
(2:信号処理について)
図6A乃至Dは、第1信号処理部72、及び第2信号処理部91の各処理方法を説明するための図である。抽出部71で抽出したデータを第1信号処理部72に出力する。これにより、プラントにおける監視対象の第ポイントから予め定められた期間に得られたプロセス値の値を第1信号処理部72は取得する。第1信号処理部72の例で本実施形態の信号処理方法を説明するが、第2信号処理部91も同様の処理を行うので第2信号処理部91につていての信号処理の説明を省略する。
次に、第1信号処理部72は、監視条件記憶部5に監視条件情報として設定された期間、及び周期(例えば、図6B中の平均区間)で抽出したプロセス値の時系列データである履歴データにノイズ低減処理を行う。
図6Aは、瞬時値処理を例示する図である。
従来の監視プラント装置では、たとえば、図6Aに例示するように、監視するポイントのプロセス値として瞬時値を用いて監視していた。このため、監視するポイントの瞬時、瞬時のプロセス値としきい値を比較して監視する方式を取っていた。この方式では、プロセス値の瞬間の突変変化(ノイズ)を拾う場合が多々有る。このため、誤った警報を発する場合があった。このため、第1信号処理部72は、プラントのポイントから時系列に得られたプロセス値からノイズを低減する処理を行う。ただし、監視対象のポイントの特性によっては、ノイズを発生しない出力値もある。このような場合、第1信号処理部72は信号処理をせずに、入力されたデータを出力してもよい。
第1信号処理部72で行うノイズ低減のための信号処理には、平均処理、移動平均処理、条件付き移動平均処理、フィルター処理などがある。第1信号処理部72は、監視条件記憶部5の監視条件情報に従い信号処理を行う。
(2.1:平均処理について)
図6Bは、平均処理を例示する図である。平均処理では、監視条件記憶部5の監視条件情報に設定された周期で抽出したプロセス値の時系列データに平均処理を行う。このように、平均処理は、予め定められた時間範囲内のプロセス値を用いて平均値を計算するものであって、予め定められた時間間隔毎に平均値μを計算する。
(2.2:移動平均処理について)
図6Cは、移動平均処理を例示する図である。移動平均処理では、監視条件記憶部5に指定された周期で移動平均処理する。このように、移動平均処理は、予め定められた時間範囲内のプロセス値を用いて平均値μを計算するものであって、得られたプロセス値毎に平均値を計算する。
(2.3:条件付き移動平均処理について)
図6Dは、条件付き移動平均処理を例示する図である。条件付き移動平均処理は、監視条件記憶部5に指定された周期で指定された周期で移動平均をする。この場合、平均区間内に監視条件記憶部5に指定されたに個数分有効データが有った場合のみ移動平均のデータを取扱い、指定個数分有効データが無い場合はデータ無しとして扱う。例えば、抽出部71の出力条件が成立した場合のプロセス値が平均処理の対象になる。この場合、例えば、抽出部71の出力条件が、不成立から成立に変わった際には、平均処理の対処となるデータ数が、監視条件記憶部5に指定されたに個数分に達しないので平均処理を行わない。
このように、条件付き移動平均処理は、予め定められた時間範囲内のプロセス値を用い
て平均値を計算するものであって、予め定められた時間範囲内の有効なデータ数が予め定められた値を超えた場合に平均値を計算する。
ここでは、代表的なデータ処理を示したが、ノイズを除去したり特定成分を除去する事が目的であり、BUTTERWORTHフィルターなど一般的なフィルターを組み込む事により、各種の検出し易いデータに処理してもよい。
また、本実施の形態ではプロセス値の信号処理を例示した。しきい値が決定された後、しきい値に従ってプラントを監視する事になる。このため、しきい値を計算するために用いる信号処理は、プラントを監視する際の信号処理の方法と同様の方式である。この方式は、監視条件記憶部5の監視条件情報内に定義されている。このように、監視の際の信号処理と同様の方式で、監視対象のポイントから得られたプロセス値に平均処理、移動平均処理、条件付き移動平均処理、フィルター処理などを行う。このように、第1信号処理部72では、履歴データを抽出してしきい値を求める際にも、監視時と同一のデータ処理を行う。
これにより、ノイズや突変値を監視時に検出しない様なしきい値を求める事ができる。また、第1のしきい値取得部7にて予めしきい値をえる場合と、監視部9により監視の際にしきい値を用いる場合値とで統計処理のずれを生じさせないことが可能である。
(3:しきい値について)
図7は、監視対象のプロセス値のばらつきを例示する図である。
統計処理部73は、例えば、第1信号処理部72でノイズを低減したプロセス値に統計処理を行いしきい値を計算する。このため統計処理部73は、プラント履歴データ記憶部4に記憶されるプロセス値を統計処理する。
図7に例示するように、プロセス値はばらつき(例えば、分布)を有する。統計処理部73は、監視対象のポイントから予め定められた期間に得られたプロセス値を統計処理する。例えば、図7の場合、統計処理部73は、プロセス値のばらつきを均した値を取得する。例えば、らつきを均した値としてプロセス値の平均値μを計算し、平均値μを基準値とする。
次に、統計処理部73は、プロセス値のばらつきを示す値を計算する。例えば、統計処理部73は、ばらつきを示す値として基準値に基づく標準偏差を計算する。標準偏差σに第1上限係数Nを乗算した値を基準値に加算した値である第1上限値、及び標準偏差σに第1下限係数Nを乗算した値を基準値に加算した値である第1下限値を、プロセス値のばらつきの第1範囲を示す第1しきい値として計算する。
次に、統計処理部73は、標準偏差σに第2上限係数NHHを乗算した値を基準値に加算した値である第2上限値、及び標準偏差σに第2下限係数NLLを乗算した値を基準値に加算した値である第2下限値を、第1範囲よりもばらつきの範囲が広い第2範囲を示す第2しきい値として計算する。
このように、統計処理部73は、プラントにおける監視対象のポイントから予め得られたプロセス値のばらつきを均して得られた値及びばらつきを示す値に基づき、プロセス値のばらつきの第1範囲を示す第1しきい値と、第1範囲よりもばらつきの範囲が広い第2範囲を示す第2しきい値とを予め得るものである。
従来技術では、しきい値として第1上限値、第1下限値だけを用いていた。しきい値を平均値からのNΣ(Σ:標準偏差)離れた値をしきい値として設けると、データの分布にばらつきが有った際にしきい値が広くなる場合がある。広い事によりしきい値が、警報域まで達する事となる。
このため、しきい値として第1上限値、第1下限値を調整した場合であっても、予兆や前兆を検出することができない場合があった。本実施形態では、第2上限値、第2下限値を用いることで警報域の警報を設定し、且つ第1上限値、第1下限値を用いることで予兆の検出を可能とした。これにより、プラントの状態監視の精度を向上させることが可能となった。
プロセス値の発生頻度とプロセス値を取得したポイントの状態とは相関がある。このため、第1しきい値及び第2しきい値を調整することで、警報域まで達したポイントの状態を監視するだけでなく、警報域に達する前の予兆や前兆の状態を監視することを可能である。
(3.1:相関監視(第1処理)について)
図8は、相関監視のしきい値を例示する図である。図8は、監視対象PIDYの相関PIDXに対して全域にわたる統計処理を実行し、基準値近似曲線を求める場合を示している。
監視対象の第1ポイント(監視対象PIDY)から得られた第1プロセス値(Y)と、第1ポイントと異なる第2ポイント(相関PIDX)から得られ第2プロセス値(X)との関係を例示している。第1ポイントの出力値と第2ポイントから得られ出力値は、通常運転時には相関がある。第1信号処理部72でノイズを低減した第1プロセス値(Y)及び第2プロセス値(X)を、統計処理部73は入力される。このように、相関監視(第1処理)では、監視対象の第1ポイントから得られたプロセス値を第1プロセス値としている。
監視条件記憶部5の監視条件情報に相関監視が設定された場合、統計処理部73は、第2ポイントから得られた第2プロセス値に対応する第1プロセス値の平均値に基づく基準値、及び基準値に基づく第1プロセス値の標準偏差を計算する。処理部73は、例えば、第2プロセス値を均等に分割して、その範囲内の第1プロセス値の平均値μを求める。この平均値μを、例えば、多項式の近似曲線でフィティングして基準値近似曲線を得る。基準値近似曲線で得られる値が基準値である。
次に、第1プロセス値(Y)と、対応する基準値近似曲線から得られた基準値との差分値に基づいて標準偏差を計算する。統計処理部73は、第1上限係数を乗算した値を基準値に加算した値である第1上限値、及び標準偏差に第1下限係数を乗算した値を基準値に加算した値である第1下限値を第1しきい値として計算する。
第1しきい値は、図8中で基準値近似曲線に近い側の一点鎖線で示されている。第1しきい値の間の範囲が第1範囲である。また、第1しきい値の値を多項式の近似曲線でフィティングすることで第1しきい値を第2プロセス値(X)に基づいて多項式で計算する構成にしてもよい。
統計処理部73は、標準偏差に第2上限係数を乗算した値を基準値に加算した値である第2上限値、及び標準偏差に第2下限係数を乗算した値を基準値に加算した値である第2下限値を第2しきい値として計算する。第2しきい値の間の範囲が第2範囲である。また、第2しきい値の値を、例えば、多項式の近似曲線でフィティングすることで第1しきい値を第2プロセス値(X)に基づいて多項式で計算する構成にしてもよい。
統計処理部73は、しきい値記憶部8を介して監視条件記憶部5の監視条件情報にこれらの情報を設する。統計処理部73は、標準偏差の値に基づいて第1しきい値と第2しきい値を得ている。このため、第2プロセス値に対して、対応する第1プロセス値が第1範囲を逸脱する統計的頻度と、第1プロセス値が第2範囲を逸脱する統計的頻度を調整することが可能である。このため、第1範囲及び第2範囲を調整することで、警報域まで達したポイントの状態を監視するだけでなく、警報域に達する前の予兆や前兆の状態を監視することを可能である。
(3.1.1:ゾーン相関監視について)
図9は、プロセス値の分布が偏っている場合を例示する図である。図10は、ゾーン相関監視についてのしきい値を例示する図である。統計処理部73は、第2プロセス値の値を複数の範囲にわけ、それぞれの範囲毎に独立に基準値近似曲線、第1しきい値、及び第2しきい値を計算する。
プラントの特性により、全域にわたりデータが均一に分布している事は稀である。このため、偏った分布である事がよく存在する。この様な事を考慮して、幾つかのクラスタに分割して、各クラスタ毎に監視対象の重み係数を用いてしきい値の幅を調整して全体のしきい値を求める手法が用いられてきた。
しかし、プラントの運転状態・運用形態により分布が極端に偏って、集中する場合がある。図9は、プロセス値の分布が偏っている場合を例示する図である。特定の領域にデータが集中したり、データの分布が大きくなる事がある。このため、重み係数で補正するだけでは適正なしきい値が求められない事があった。
このような特性を有する監視対象のプロセス値に対しても適正な監視をする必要がある。このため、統計処理部73では相関PIDXの値、即ち横軸を、任意のゾーン数に分割する。統計処理部73が、第2プロセス値の値を複数の範囲に分けるゾーン幅は、監視条件記憶部5の監視条件情報に設定される。統計処理部73は、監視条件情報に設定されるゾーン幅に領域を分ける。
また、監視条件記憶部5の監視条件情報には、相関PIDX、及びその数、ゾーン毎のしきい値の近似式の次数などが定義される。
図11は、ゾーン毎のしきい値を例示する図である。
統計処理部73では、例えば、図11に示す様なゾーン毎のN次の多項式のしきい値の計算を行う。このように、ゾーン毎の基準値近似曲線、第1しきい値、及び第2しきい値を計算する。第1しきい値は、第1上限値、第1下限値であり、判定部93にて、第1上限しきい値、第1下限しきち値として用いられる。また、第2しきい値は、第2上限値、第2下限値であり、判定部93にて、第2上限しきい値、第2下限しきい値として用いられる。統計処理部73は、しきい値記憶部8を介して監視条件記憶部5の監視条件情報にこれらの情報を設定する。
これにより、ゾーン毎のばらつき度合いに応じたしきい値で監視をすることが可能である。また、ゾーンの幅を任意に変えれる事から、監視対象PIDYの特性に適したしきい値をとる事が可能である。このため、これまで監視できなかった監視項目に対しても有効な監視ができる。
また、第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値を指定する際に、基準値(平均値)のnσ(σ:標準偏差)離れた値を用いてしきい値として用いてもよい。また、本実施の形態では、第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値を指定する際に、工学値を用いて指定することも可能としている。操作するオペレータは、標準偏差σだけでは直観的にしきい値を把握できない場合がある。このため、工学値で指定を可能とすることで、操作するオペレータの把握が容易となる。例えば、第1上限係数等の標準偏差からのばらつきを示す値を用いて、第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値を指定もよく。例えば、工学値を用いて、第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値を指定もよい。
監視条件情報に工学値が指定されていた場合、統計処理部73では、平均値μに基づいて、工学値で指定された第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値を計算する事を可能としている。このため、オペレータの把握が容易であるので、監視項目に対して適切にしきい値を設定することが可能である。
(3.1.2:相関3次元監視について)
次に、相関3次元監視について説明する。監視対象PIDYに対して相関PID1,相関PID2を設け、相関性を利用していしきい値を求めて設定している。例えば、監視対象PIDYによっては、更にもう一つ相関PIDを設けた方が判定の精度があがる場合がある。これにより、監視対象PIDの特性を引き出し、適正なしきい値を設けることが可能である。例えば、コンバインド発電プラントのガスタービン関係のプロセス値は、発電機出力との相関が高い。また、ガスタービン関係のプロセス値は、大気温度との相関も高い。このため、ガスタービン関係のプロセス値には、相関PIDとして、発電機出力及び大気温度を用いてしきい値を求めることで判定の精度をあげることになる。このように、相関PIDを二つ用いて3次元の相関監視の方が特性を引き出し有効な監視ができるポイントがある。
図12は、相関3次元監視について例示する図である。
統計処理部73では、監視条件記憶部5から監視条件情報を入力される。統計処理部73では、監視条件情報に従い、監視対象PIDYの出力値をY軸、相関PID1の出力値をX軸、相関PID2の出力値をZ軸方向とする。図12に示す様にZ軸方向に対してもゾーン分けし、ゾーン幅に従って補間計算をして基準値を求め、しきい値(第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値)を統計処理で得る。その結果が、しきい値記憶部8を介して監視条件記憶部5の監視条件情報に設定される。図12は3次元の例を示したが、同様の手法で4次元、5次元と拡張する事が可能である。
これにより、従来1PIDでの相関関係で求めていたしきい値を複数のPIDでの相関関係とする事により、監視対象PIDの特性に合致したしきい値で監視する事が可能となる。このため、これまで監視できなかった監視項目に対しても有効な監視ができる様になった。これにより、プラントの状態監視の精度を向上させることが可能である。
(3.2:経時プロセス値監視(第2処理)について)
次に、経時プロセス値監視について説明する。図13は、経時プロセス値監視を行う場合の第2の統計処理を例示している図である。従来、監視対象PIDに対して、相関関係のある相関PIDを基にしきい値を求めてきた。しかし、実際のプラントでは相関関係のあるPIDが無い場合、或いは相関が弱く監視対象PIDの特性を示さない場合がある。
このため、この様な監視対象PIDの為に、本実施の形態では第2処理として経時プロセス値監視を具備している。監視条件記憶部5の監視条件情報に経時プロセス値監視が設定された場合の処理である。この場合、統計処理部73は、監視対象の第1ポイントから時系列に得られたプロセス値を予め定められた時間間隔(例えば、図13中の指定周期)で差分処理を行い差分値を計算する。このように、第2処理方法は、第1ポイントから得られたプロセス値と、このプロセス値が得られた時点から予め定められた時間後に第1ポイントから得られたプロセス値との差分値を第1プロセス値として計算する。
次に、統計処理部73は、ばらつきを均して得られた値とし、例えば、第1プロセス値の平均値μを基準値として計算する。次に、ばらつきを示す値として、例えば、基準値に基づく標準偏差σを計算する。標準偏差σに第1上限係数Nを乗算した値を基準値に加算した値である第1上限値、及び標準偏差σに第1下限係数Nを乗算した値を基準値に加算した値である第1下限値を第1しきい値として計算する。
次に、統計処理部73は、標準偏差σに第2上限係数NHHを乗算した値を基準値に加算した値である第2上限値、及び標準偏差σに第2下限係数NLLを乗算した値を基準値に加算した値である第2下限値を第2しきい値として計算する。
このように、経時プロセス値監視は、相関PIDを指定せず、経時的な変化を統計処理してしきい値を求めるものである。抽出部71でデータを抽出し、第1信号処理部72でデータ処理した後、監視条件記憶部5の監視条件情報に経時プロセス値監視が設定されている場合、統計処理部73ではデータを経時データとして統計処理を行い、しきい値(第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値)を求める。この様に求めたしきい値をしきい値記憶部8を介して監視条件記憶部5の監視条件情報に設定する。この様にする事により、相関PIDの無い監視対象PID、または相関の弱い監視対象PIDに対しても、経時的なプロセスデータのしきい値を求める事が可能である。このため、これまで相関監視で監視できなかった監視項目に対しても有効な監視ができる。これにより、プラントの状態監視の精度を向上させることが可能である。
(3.3:経時変化率監視(第3処理)について)
次に、経時変化率監視について説明する。図14は、経時変化率監視を行う場合の第3の統計処理を例示している図である。
監視するPIDには、そのプロセス値の変化率を監視し、変化率をしきい値監視する事で異常を捉える事ができるプロセス値もある。例えば、機器の寿命の消費率、排出量積算値などは一定の運転をしている場合は、ほぼ一定の傾きで増えるものである。この様なプロセス値は、相関監視や経時プロセス値監視ではしきい値監視ができず、変化率を監視する事が有効である。この様な監視対象PIDの為に、本実施の形態では経時変化率監視を具備している。
経時変化率監視は、相関PIDを指定せず、経時的な変化率を統計処理してしきい値を求めるものである。監視条件記憶部5の監視条件情報に経時変化率監視が設定された場合、統計処理部73は、例えば、監視対象の第1ポイントから時系列に得られたプロセス値を予め定められた時間間隔(例えば、図14中の変化量時間差)で差分処理を行い差分値を計算する。次に、統計処理部73は、差分値を対応する時間間隔で除算した値の絶対値得る。
このように、第3処理方法は監視対象の第1ポイントから得られたプロセス値と、このプロセス値が得られた時点から予め定められた時間後に監視対象の第1ポイントから得られたプロセス値との差分値を、対応する時間間隔で除算した値の絶対値を第1プロセス値として計算する。
しきい値を求める処理は、経時プロセス値監視と同様の処理なので説明を省略する。このように、抽出部71でデータを抽出し、第1信号処理部72でデータ処理した後、監視条件記憶部5の情報の監視条件情報に従って統計処理部73ではデータの変化率を求める。この変化率の値を経時データとして統計処理を行い、しきい値(第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値)を求める。統計処理部73は、しきい値を、しきい値記憶部8を介して監視条件記憶部5に入力し、監視条件情報に設定する。
このようにする事により、変化率に特性を持つ監視対象PIDに対して、経時的な変化率のしきい値を求める事が可能となるので、経時プロセス値監視と同様に監視する事ができる様になる。このため、これまで相関監視で監視できなかった監視項目に対しても有効な監視ができる。これにより、プラントの状態監視の精度を向上させることが可能である。
(3.4:経時偏差監視(第4処理)について)
次に、経時偏差監視について説明する。図15は、経時偏差監視を行う場合の第4の統計処理を例示している図である。
監視するPIDには、そのプロセス値と他のプロセス値の偏差を監視し、偏差をしきい値監視する事で異常を捉える事ができるプロセス値もある。例えば、入口温度と出口温度、入口圧力と出口圧力などはその両者の偏差に特性が表れ易いものである。この様なプロセス値は、相関監視や経時プロセス値監視ではしきい値監視ができず、入口と出口の偏差を監視する事が有効である。この様な監視対象PIDの為に、本実施の形態では経時偏差監視を具備している。
経時偏差監視は、相関PIDを指定せず、経時的な偏差を統計処理してしきい値を求めるものである。統計処理部73は、監視条件記憶部5の情報の監視条件情報に経時偏差監視が設定された場合、第1ポイントと異なる第3ポイントから得られたプロセス値の関係を統計処理する。統計処理部73は、第1ポイントから時系列に得られたプロセス値と、対応する第3ポイントから時系列に得られたプロセス値との差分の絶対値を計算する。
このように、第4処理方法は、第1ポイントから得られた第1プロセス値と、第1プロセス値が得られた時点に対応する時点に第3ポイントから得られた第3プロセス値との差分の絶対値を第1プロセス値として計算する。
しきい値を求める処理は、経時プロセス値監視と同様の処理なので説明を省略する。このように、抽出部71でデータを抽出し、第1信号処理部72でデータ処理した後、監視条件記憶部5の監視条件情報に経時偏差監視が指定される場合、統計処理部73では監視対象PIDと偏差用PIDデータの偏差を求め、この偏差の値を経時データとして統計処理を行い、しきい値(第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値)を求める。この様に求めたしきい値を記憶部8を介して監視条件記憶部5に入力し、監視条件情報に設定する。
このように、偏差に特性を持つ監視対象PIDに対して、経時的な偏差のしきい値を求める事ができ、経時プロセス値監視と同様に監視する事ができる様になる。このため、これまで相関監視で監視できなかった監視項目に対しても有効な監視ができる。これにより、プラントの状態監視の精度を向上させることが可能である。
以上の様に、統計処理部73は、第1乃至第4の統計処理の中の一つを監視情報に基づいて実行する。統計処理部73で計算されたしきい値は、しきい値記憶部8に送られ、しきい値として記憶される。また、しきい値はしきい値記憶部8から監視条件記憶部5の監視条件情報に設定される。
(4:対話画面について)
対話画面の例を図16〜図18に示す。設定部6は、監視条件記憶部5で保持している監視条件情報の、対話画面からオペレータが設定する項目を、CRT、K/B、マウスなどのユーザインターフェース装置から対話画面を介して入力する。図16は、監視方法が相関監視(ゾーン相関監視)を指定した場合の画面例を示している図である。図17は、相関3次元監視を指定した場合の画面例を示している図である。図18は、経時プロセス値監視、経時変化率監視、経時偏差監視を指定した場合の画面例を示している図である。これらの対話画面例から、監視条件記憶部5が保持している監視条件情報の項目の内、「対話画面からの設定」項目について設定する。
(5:判定処理について)
監視部9は、入力された監視対象のプロセス値に基づく値がしきい値を逸脱しているか否かの判定を行う。第2信号処理部91は、監視条件記憶部5から監視条件情報でを取り込む。プラント情報受信部2からリアルタイムでプラントのプロセスデータを入力する。入力されたプロセ値の時系列データが、登録されているPIDの情報であれば、監視条件情報に指定されている抽出条件に合致している場合のみプラント情報受信部2から取り込む。
次に、監視条件情報の内容に従って第2信号処理部91により信号処理を行う。この信号処理は、しきい値を計算する際の信号処理と同一の処理方法となる。即ち、検索条件に合致したデータだけ取り込むとともに、突変的な変化であるノイズを除去し第2のしきい値取得部92に送る。なお、第2信号処理部91は、第1信号処理部71を用いてもよい。この場合、第2信号処理部91、及び第1信号処理部71を信号処理部とする。
第2のしきい値取得部92では、統計処理部73で得られたしきい値の情報に基づいてしきい値の計算を行う。例えば、監視条件記憶部5の監視条件情報に相関監視が設定されている場合、第2のしきい値取得部92は、入力された監視対象のプロセス値に対応する第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値を計算する。例えば、統計処理部73で統計処理して得た第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値のN次多項式に、第2信号処理部91から送られてきた相関PIDYの値を代入する。これにより、監視対象のプロセス値に対応する、現在時刻の第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値をしきい値として求める。このしきい値を判定部93に送る。
判定部93では監視対象のポイント(監視対象PIDY)から時系列に得られたプロセス値と、対応する第1しきい値及び第2しきい値の少なくともいずれかとを比較することで、プロセス値が第1しきい値、及び前第2しきい値のいずれかを超えたか否かを判定する。また、監視条件記憶部5の監視条件情報に、経時プロセス値監視、経時変化率監視、経時偏差監視のいずれかが設定されている場合、しきい値記憶部8に予め記憶されているしきい値の情報を用いて監視対象のプロセス値が第1しきい値、第2しきい値のいずれかを逸脱した否かを判定してもよい。判定部93は、その結果を警報部10に送る。
(6:警報処理について)
このように、警報部10は、判定部93の判定結果に基づき、監視対象のプロセス値がしきい値を逸脱した方向に超えたか(警報)、逸脱した状態から逸脱していない状態(正常)に復帰したかの警報情報を生成する。警報部10では当該監視対象PIDの前回状態も記憶しており、前回と今回の状態を比較し変化が発生した際に警報または正常として出力する構成としている。また、例えば、判定部93が、監視対象のPIDの前回状態も記憶しており、前回と今回の状態を比較し変化が発生した際に警報または正常として出力する構成としてもよい。
また、警報部10は、判定部93の判定結果に基づき逸脱した状態が発生した発生時刻、及び逸脱した状態から逸脱していない状態に復帰した復帰時刻を警報情報に含める構成にしてもよい。この場合、警報情報に警報の発生時点、復帰時点が含まれるので、いつ状態が変化したかの把握を容易にすることが可能である。また、警報部10が有する判定機能を判定部93が全て有する構成にしてもよい。
図19は、警報部10が生成する警報情報としての項目を例示する図である。図20は、警報部10が生成した警報情報を例示する図である。図19に示す様な表示項目に対して警報情報を生成する。警報部10は、生成した警報情報を収録部11に送り、警報情報として収録する。例えば、警報情報の例には、レコード番号や発生時刻が付加されており、ランダムにレコードアクセスができる様に工夫されている。
(7:警報の表示処理について)
表示装置12は、収録部(表示制御部)11の収録ファイルから警報情報に基づく警報メッセージが入力される。これにより、オペレータは、表示される警報メッセージを監視することが可能である。警報メッセージの表示方法例として、「トレンド表示」と「履歴表示」の2種類がある。図21は、警報メッセージ(トレンド)の例を示す図である。図22は、警報メッセージ(履歴)の例を示す図である。これにより、図21に例示する画面を確認することでオペレータは随時発生した警報メッセージを確認する事ができる。また、図22に例示する画面を確認することでオペレータは、過去にさかのぼり警報の発生、復帰状態を確認する事ができる。
(効果)
本実施例によれば、第1信号処理部72のデータ処理でプロセス値の信号処理する事により、ノイズを低減する事が可能である。このため、より的確にプロセス値を取り込み、しきい値を求める事ができる効果がある。更に、リアルタイムで警報監視を行う際にも、リアルタイムのデータに対しても同じく第2信号処理部91でノイズを低減する。これにより、的確にプロセス値を取り込み、警報監視ができる効果がある。
また、統計処理部73で相関監視するしきい値を統計処理する際に、相関値に対してゾーン分けし、ゾーン毎に独立してしきい値を設定する事が可能である。これにより、プラントの運転状態や特性により偏ったデータに対しても、その特性に合ったしきい値を設定することが可能である、この結果、的確な警報監視を行う事を可能にできる効果がある。
更に、統計処理部73で第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値の2段階のしきい値を得ることが可能である。これにより、2段階のしきい値を用いることができるので、深刻な警報を検出する前に予兆検出として警報を出力する事が可能である。このため、予兆検出にも効果がある。
また、相関監視を行う場合に、判定に用いる相関ポントの数を増やすことができる。これにより、これまでとらえられなかった監視対象も的確に相関監視ができる効果がある。例えば、温度帯別や、圧力帯別などに分類し的確な相関監視ができる。
また、他のプロセス値と相関関係を持たない、あるいは弱い相関関係しか持たないPID(ポイント)に対しても、経時データを統計処理してしきい値を得ることが可能である。これにより、経時監視や経時変化率監視、経時偏差監視も可能である。
このため、プラントにおける多様なプロセス値、多様な特性を持ったプロセス値に対しても的確に監視を行うことができる効果がある。
本実施の形態により、しきい値監視が的確におこなわれ警報を発生させることが可能である。これにより、オペレータは安全にプラントの運転操作や監視業務ができる。この結果、プラントの安全運転、異常の早期発見に十分に貢献できるものである。
(第2実施形態)
(構成)
図23は、オペレータに指示された警報メッセージに応じて表示された画面を例示する図である。図24は、第2実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図である。第1実施形態のプラント監視装置100の構成に加え、状態値収録部13、状態値表示制御部14を有することで相違する。第1実施形態のプラント監視装置100と同様の構成には同一の番号を付して説明を省略する。
図24を用いて、第2実施形態によるプラント監視装置100の構成を説明する。
監視部9は、第2信号処理部91から出力されるデータ抽出条件を満足しているか判断した結果信号、及びノイズの除去の為にフィルターをかけて求めた信号を状態値収録部13に入力する。また、監視部9は、第2のしきい値取得部92でしきい値を取得(計算)した結果信号を状態値収録部13に入力する。
状態値収録部13は、リアルタイムに時々刻々発生するこれらの監視情報を状態値として収録する。収録したデータを状態値表示制御部14に送り監視状態値として表示装置12等に表示させる。
(作用)
第2信号処理部91は、プラント情報受信部2から送られてくるリアルタイムのプラントのプロセスデータを、監視条件記憶部5の監視条件情報の中に指定されている抽出条件に合致している場合のみ取り込む。
第2信号処理部91は、合致している場合、その値をそのまま状態値とし、合致していない場合は警報監視対象外である欠損として状態値を作成する。 更に、第2信号処理部91は、第2のしきい値取得部92その状態値を、監視条件記憶部5の監視条件情報に設定される監視方法である平均処理、移動平均処理、条件付き移動平均処理、フィルター処理のいずれかの処理を行う。その処理後の信号を第2のしきい値取得部92に送るとともに、状態値収録部13に送る。
第2のしきい値取得部92では、例えば相関監視であれば、統計処理部73で計算されたしきい値情報に基づいく多項式を用いてしきい値を計算する。このように、プラント情報受信部2から送られてくるリアルタイムのプラントのプロセスデータでその時点その時点の実際のしきい値を計算する。この計算結果であるしきい値を状態値収録部13に送る。
判定部93でも同様に警報処理した結果をメッセージの形式でなく、警報状態を示す状態値として状態値収録部13に送る。例えば、判定部93は、監視対象の第1プロセス値が超えた第1しきい値としての第1上限値、第1下限値、第2しきい値としての第2上限値、第2下限値に応じた状態値を状態値収録部13出力する。
状態値収録部13は、第2のしきい値取得部92のリアルタイムの信号処理結果や、判定部93のリアルタイムのしきい値、判定部93の警報処理結果を収録していく。各データに対しては、PIDを付与し、予め定められた収録フォーマット形式でプラント履歴データ記憶部4と同様に収録していく。
状態値表示部(表示制御部)14では収録されたデータを取出し、図23に示す様にデータ処理結果や、警報状態などを表示装置12(CRTモタニ)にグラフ表時してオペレータに提示する。
番号1が、監視対象のポイント(第1ポイント)から得られた時系列データを示している。番号4〜7が、第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値の時系列データを示している。番号8が、監視対象のポイントに相関を有する相関ポイント(第2ポイント)から得られた時系列データを示している。番号10が、抽出条件の成立、不成立を示す時系列データを示している。番号11が、いずれのしきい値を超えたか示す状態値の時系列データを示している。このような情報を提示することで、オペレータは、プラントの状態を容易に把握することが可能である。
(効果)
従来技術では、監視対象PIDの瞬時値を情報としてグラフ表示していた。これに対し、本実施の形態では信号処理した値も収録するため、経時グラフで合わせて表示する事が可能である。
また、従来技術では、監視対象PIDが警報状態となったか復帰したかなどを、図21、図22の警報表示で警報状態か否かで認知していた。これに対し、本実施形態のプラント監視装置100は、第2信号処理部91で処理した条件結果や信号処理結果、第2のしきい値取得部92で計算したリアルタイムのしきい値、判定部93で判定した警報状態の状態値などを、監視対象PIDの値と合わせて図23に例示する様にグラフ表示する事ができる。
また、状態値収録部13は、監視条件や、信号号処理の情報(例えば、フィルター)、しきい値の多項式など、処理に関する項目等を収録する事が可能である。これにより、これらの情報を状態値表示制御14を介して表示装置12等に表示させることで、オペレータがプラントの状態が判り易くなりる。これにより、監視がスムーズにできる様になる効果がある。このため、プラント監視のための処理が複雑になっても、どの様に計算され、どの様に判定されているのかを把握することが可能である。
このように、オペレータは各データがどの様に変遷してきたのかを知る事ができるようになり、監視状態をより鮮明に認識する様になり、ブラントの安全運転に寄与できるものである。
(第3実施形態)
(構成)
図25は、第3実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図である。第1実施形態、及び第2実施形態のプラント監視装置100の構成に替え、或いは、加え、不感帯付監視条件記憶部15と、不感帯制御部16とを備えることで相違する。第1実施形態のプラント監視装置100と同様の構成には同一の番号を付して説明を省略する。第3実施形態のプラント監視装置100は、監視項目のプロセス値の微小変動を過敏に拾わず的確な監視をする為のものである。
図25を用いて、第3実施形態によるプラント監視装置100の構成を説明する。不感帯付監視条件記憶部15は、不感帯の情報を記憶する。不感帯付監視条件記憶部15は、第1のしきい値取得部7、監視部9に不感帯の情報を出力する。更に監視部9でしきい値の逸脱判定を行う場合、不感帯制御部16はその警報情報を判定部93から受け取り不感帯の判定を行い結果を判定部93に返す構成となっている。
これにより、判定部93は、監視対象のプロセス値が対応する第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値は予め定められた幅を不感帯として有している。プロセス値が逸脱したか判定する場合には、第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値の値を超えたか否かを判定し、逸脱した状態から逸脱していない状態に復帰したかを判定する場合には不感帯を超えたか否かを判定する構成となっている。
(作用)
図26は、不感帯を例示する図である。
不感帯付監視条件記憶部15では、図26に示す様に監視条件の情報に不感帯の幅の定義を有し、不感帯幅を%で記憶する。図26に不感帯幅の考え方を示す。第1上限値の場合を例に示せば、基準値から上限値までの幅に対して、定義した不感帯の幅(%)を乗算した値を不感帯幅とし、上限値の下側に設ける。 同様に第2上限値も、基準値から第2上限値までの幅のに対して、定義した不感帯の幅(%)を乗算した値を不感帯幅とし、第2上限値の下側に設ける。
実施の形態1と同様にリアルタイムで送信されるプラントのプロセスデータの監視を監視部9で行う。判定部93でしきい値判定を行う際に、不感帯制御部16はその情報を受け取り不感帯の処理を行う。図26に例示するように左側から右側に時刻が経過し、矢印の様にプロセス値が変化していく様子を示している。最初プロセス値はしきい値の第1上限より小さい値である為正常である。次に、プロセス値が増加し、第1上限値を超えると第1上限警報となる。更にプロセス値が増加して第2上限を超えると第2上限警報となる。
この後、プロセス値が減少し第2上限を下回っても第2上限警報は解消されない。一方、第2上限から不感帯の幅を下まわった時点で第2上限警報が解消される。更に減少し第1上限を下まわって、不感帯の幅を下まわった時点で第1上限警報が解消され正常状態になる。説明は、上限側で説明したが、下限側についても同様である。不感帯制御部16は、この不感帯を検出して警報管理するものである。
(効果)
不感帯制御部16が無い場合、プロセス値がしきい値の近傍で微小変化を繰り返した場合に、監視対象PIDは「警報発生」「正常復帰」を繰り返す。このため、図21、図22の警報表示画面「警報発生」「正常復帰」で埋め尽くされ、他の重要な監視対象PIDの情報が埋もれてしまう可能性がある。
これに対して、不感帯制御部16で不感帯を設ける事により、統計処理で求めたしきい値の第1上限値、第1下限値、第2上限値、第2下限値に対して、プラントのプロセス値がその近傍で微小変化を繰り返しても、不要に警報状態と正常状態を繰り返す事を防ぐことが可能である。
しかも、不感帯は、第1上限値、第2上限値に対しては下側に設定し、第1下限値、第2下限に対しては上側に設定する。これにより、警報が継続する特性を持ち、オペレータにとって重要な警報が表示されなくなる事を防ぎ、プラント監視の安全監視には影響を与えない効果がある。
(第4実施形態)
(構成)
図27は、第4実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図である。第1乃至3実施形態のプラント監視装置100の構成に替え、或いは、加え、シミュレーション設定部17と、プラント履歴データ入出力部18と、シミュレーション収録部19と、シミュレーション表示部20とを備えることで相違する。第1実施形態のプラント監視装置100と同様の構成には同一の番号を付して説明を省略する。第4実施形態のプラント監視装置100は、統計処理で求めたしきい値が有効かどうかを即座に確認できるようにするシミュレーションを可能としたものである。
図27を用いて、第4実施形態によるプラント監視装置100の構成を説明する。シミュレーション設定部17(第1設定部)は、オペレータからシミュレーションを実施する為の情報を設定される。例えば、シミュレーション設定部17は、シミュレーションに必要な過去の期間を設定する。
プラント履歴データ入出力部18(第1記憶部)は、プラントから得られた監視対象のプロセス値をすくなくとも記憶する。監視部9の判定部93は、シミュレーション設定部17で設定された過去の期間における監視対象のプロセス値に対応するしきい値を逸脱したか否かを判定する。シミュレーション収録部19は、判定部93の判定結果をシュミレーション結果として収録する。
例えば、判定部93の結果に基づき警報部10で生成したしきい値監視の結果データをシミュレーション収録部19が受けとり収録する。シミュレーション表示部20は、判定部9の結果に基づき生成した警報部10の警報情報に基づく警報メッセージをオペレータに表示装置12(CRT)などを介して表示し結果を示す構成となっている。
(作用)
図28は、シミュレーションを実行する期間を指定する画面を例示する図である。
シミュレーション設定部17では、図28に示す様な対話画面でオペレータからシミュレーションを実行する期間を指定するものである。即ち、シミュレーションの実行開始日時(30)、終了日時(31)、及びシミュレーション実行周期を指定する。 シミュレーション設定部17はこの情報をプラント履歴データ入出力部18に送る。
プラント履歴データ入出力部18は、実施例1におけるプラント履歴データ記憶部4と同様、収録要求3からの収録要求情報に従ってプラントプロセスデータを収録する。また、プラント履歴データ入出力部18は、プラント履歴データ入出力部18の情報である実行開始日時、終了日時、周期に従って、既に収録済みのプラントプロセスデータからデータを抽出し監視部9に送る。
監視部9は、実施例1と同様にリアルタイムで送られてくるプラントプロセスデータの警報監視すると共に、プラント履歴データ入出力部18から送られてきたシミュレーションのプラントデータも同様に警報監視する。即ち、シミュレーション設定部17で指定した期間・周期の収録済みプラントプロセスデータを用いて、統計処理したしきい値に対して逸脱しているか、正常であるかを監視し判定するものである。その結果を警報部10を介してシミュレーション収録部19に送る。
シミュレーション収録部19は、リアルタイムの収録である収録部11と同様に、指定したシミュレーション期間・周期の収録済みのプラントプロセスデータの警報状態を収録するものである。その結果をシミュレーション表示部20に送り、図27に例示するようにシミュレーション設定部17で設定した画面の下部に警報情報に基づく警報メッセージを表示するものである。
(効果)
従来、統計処理で求めたしきい値は、リアルタイムで送られてくるプラントプロセスデータで監視する方式であった。この場合、リアルタイムで警報処理した結果を待つ必要があった。しかしながら、プラントの異常の前兆や予兆を検出する為に統計処理からしきい値を求めたものであり、プラントの状態がすぐにその様な状態にならない場合が多々ある。
このため、しきい値が有効であるか、或いは意図したプラント状態で警報を出力するかを確認・検証するのが困難な場合があった。これにより、オペレータは有効かどうか判らないしきい値で、警報処理される運用を暫く継続し、意図したプラント状態になった際に、正しくしきい値が作動して警報になったかどうかを確認しなければならなかった。このように、オペレータにとっては負担が大きくなる場合があった。
本実施形態のプラント監視装置100は、統計処理で求めたしきい値を、シュミレーションしない場合と比較し短時間で確認可能である。例えば、過去のプラント運転状態のデータを用いて、しきい値警報の発生状態を確認することが可能である。このため、しきい値が有効であるか、或いは予兆や異常を確実に検出できるかをシュミレーションしない場合と比較し短時間で確認する事が可能である。異常が検出できない様であれば、しきい値の幅を見直し再度シミュレーションを実行する事で、しきい値の警報検出度合いを確認することができる。
また、過去のプラント運転に置いて、事故や故障が有った場合には、その事故や故障の期間をシミュレーション期間で指定する事が可能である。これにより、事故や故障の前にしきい値監視で検出する事ができるかどうか可能である。このため、本実施形態のプラント監視装置100は、事故や故障の未然防止に貢献する事ができる。
本実施の形態により、しきい値監視が的確に監視され警報が検出される事がわかる事により、オペレータは安心してプラントの運転操作や監視業務に専念でき、安全運転、異常の早期発見に十分に貢献できる。
(第5実施形態)
(構成)
図29は、第5実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図である。第1乃至4実施形態のプラント監視装置100の構成に替え、或いは、加え、自動計算部21と第2シミュレーション収録部22を備えることで相違する。第1実施形態のプラント監視装置100と同様の構成には同一の番号を付して説明を省略する。第5実施形態のプラント監視装置100は、プラントの事故や故障から予兆検出の為に適するしきい値を得るシミュレーションを可能としたものである。
第2シミュレーション収録部22は、収録結果を自動計算部21に出力することでシミュレーション収録部19と相違する。自動計算制御部21は、シミュレーション収録部19の出力を受けてプラント履歴データ入出力部18からの入力に従いシュミレーションに用いる設定を自動で変更する。
(作用)
図30は、プラントの運転事故・故障発生日付・時刻を入力する画面を例示する図である。自動計算制御部21は、図30に示す様にオペレータから過去に発生したプラントの運転事故・故障発生日付・時刻を入力するものである。図31は、プロセス値の変遷を例示する図である。
図31に例示するように、事故発生時には特定のプロセス値は上昇していたり、低下していたりして特異状態となっている事がある。予兆の発生する前を健全期間(T1〜T2)、それ以後事故となるまでの期間を予兆期間(T2〜T3)とする。この場合、健全期間(T1〜T2)のプロセス値から統計処理してしきい値(上限値、下限値)を作成し監視すれば、健全期間(T1〜T2)では警報は発生しない。
また、予兆期間(T2〜T3)では、しきい値を逸脱する場合が多いので警報が発生する。ただし、監視対象PIDはオペレータが指定するものであり、指定したPIDが事故とは相関の無い場合もある。この場合、この様な変遷はたどらないが、予兆監視対象外PIDとして扱う事とが可能である。
自動計算制御部21では、図30に示す様に、オペレータが過去に発生したプラントの運転事故・故障発生日付・時刻を指定する。この時刻は、図31におけるT3となる。図32は、自動計算制御部21が用いる設定情報を例示する図である。予兆検出のための設定情報として図32に示す項目を入力する。
自動計算制御部21は、健全期間のしきい値の評価をする為に、プラント履歴データ入出力部18に対してデータ抽出開始日時(T1)と、抽出終了日時(T2)を指定する。 T2はオペレータから指定された事故時刻であるT3から、図32の初期値(“2−7−1”)だけ遡った時刻となる。更にT1は、(T3―T2)の時間に指定の倍数(図32の“2−7−3”)を乗じた時間だけT2から遡った時間となる。自動計算制御部21は、このように求めたT1、T2の日時をプラント履歴データ入出力部18に送る。
プラント履歴データ入出力部18は、指定された期間のプラント履歴データを抽出して第1のしきい値取得部7とプラント履歴データ入出力部18に対して送る。第1のしきい値取得部7ではこの抽出したプラント履歴データから統計処理してしきい値を求め、しきい値記憶部8を介して監視条件記憶部5に入出力すると共に一時しきい値を設定する。監視部9は、しきい値とプラント履歴データ入出力部18から送られた健全期間のプラント履歴データのしきい値警報の評価を行うため、発生した警報発生数を 自動計算制御部21に送る。ただし、健全期間のプラント履歴データから求めたしきい値の為、警報発生の回数は少ない結果となっている。
自動計算制御部21はその警報発生数を設定情報(図32“2−7−4” )に設定する。次に、自動計算制御部21は、予兆期間であるT2、T3の日時をプラント履歴データ入出力部18に送り、プラント履歴データを抽出する。次に、その結果を監視部9で警報評価し、発生した警報発生数を 自動計算制御部21に送る。自動計算制御部21はその警報発生数を設定情報(図32“2−7−5”)に設定する。
健全期間のデータで統計処理して求めたしきい値で、健全期間の警報発生数(図32“2−7−4”)が少なく、予兆期間の警報発生数(図32“2−7−5”)が大きければ、このしきい値は事故の予兆を検出できるしきい値として適している。
T2の時間を、図32“2−7−2”の増加分だけ増加させ、上記の動作を実施し、予兆期間(T2〜T3)が、最大”2−7−3”の時間になるまで繰り返す。これにより、「健全期間」と「予兆期間」の警報発生比率が最も高い時のしきい値が、事故予兆を検出できるしきい値とすることが可能である。
このように、自動計算制御部21の制御下で事故の発生時点から事故が発生する前の第1期間(T3―T2)と、第1期間より前の第2期間(T2―T1)とを設定する第1工程と、しきい値計算部7が、第2期間の監視対象のプロセス値を用いて統計処理をする第2工程と、第1期間に判定部93で逸脱したと判定された回数を、第2期間に判定部93で逸脱したと判定された回数で除算した比率を第2シュミレーション収録部22で記憶する第3工程と、を有する。
次に、自動計算制御部21の制御下で第1期間と、第2期間の長さを変更して第1乃至第3の工程を繰り返す。次に、自動計算制御部21の制御下で比率が最大となる第2期間の監視対象のプロセス値を用いてしきい値計算部7で得られたしきい値を設定する。以上の様に過去の事故発生時のデータを用いて、予兆を検出する為のしきい値を求める事が可能となる。
なお、本実施例では、警報発生数をもって予兆検出の評価指標としたが、健全期間と予兆期間とのプラント履歴データの相関指数や、データの分布度合いなどの指標をもって判定する事も可能である。
(効果)
プラントの運転事故には予兆を有しているものと、予兆の無いものがある。(プラント運転のオペレータがボタンを間違えたために発生する様な事故には予兆は無い)予兆を有している事故については、本実施の形態の様に容易に監視用のしきい値を求めることが可能である。
これにより、過去のプラント運転に置いて、事故や故障が有った場合には、その発生日時を指定する事により、事故や故障の前にしきい値監視で検出する事ができる。本実施の形態を実行する事により、事故の未然防止や再発防止が計れ、プラント安全運転に貢献する事ができる。
(第6実施形態)
(構成)
図33は、第6実施形態によるプラント監視装置100の構成例を示すブロック図である。第1乃至5実施形態のプラント監視装置100の構成に替え、或いは、加え、全項目自動計算部23と第2シミュレーション収録部22を備えることで相違する。第1実施形態のプラント監視装置100と同様の構成には同一の番号を付して説明を省略する。
第6実施形態のプラント監視装置100は、登録された監視対象PIDのしきい値を定期的に評価することを可能としたものである。全項目自動計算制御部23は、定期的にしきい値を評価する。
全項目自動計算制御部23は、シミュレーションを開始する時点から予め定められた過去の時間範囲である第3期間を設定し、第3期間における全監視対象のプロセス値それぞれに対する判定部93の判定結果に基づき、全監視対象のプロセス値それぞれに対応するしきち値の値を調整する。
(作用)
全項目自動計算制御部23では、定期的に登録されている監視対象PIDの監視条件記憶部5の監視条件情報に従って、現在から指定された期間さかのぼった時間帯を抽出期間(第3期間)としてプラント履歴データ入出力部18に送る。プラント履歴データ入出力部18で抽出されたプラント履歴データが監視部9に送られ既に統計処理されたしきい値と警報評価を行い、その結果を第2シミュレーション収録部22に送る。シミュレーション収録部22から警報発生数が全項目自動計算制御部23に送られる。全項目自動計算制御部23はその警報発生数からしきい値の余裕度の度合い見て、しきい値の上下限を調整するものである。
(効果)
しきい値を統計処理したのちに、プラントの運転状況や外的要因などの変化により、しきい値がずれていく場合がある。本実施の形態は、経年的にしきい値がずれた項目について、しきい値を調整し監視に適したしきい値を常にオペレータに提供する効果を有する。
(第7実施形態)
(構成)
図34は、第7実施形態によるプラント監視装置100を含むシステムの構成例を示すブロック図である。
本実施形態のプラント監視装置100は、例えば、プラント32の監視室に載置されるサーバ、パソコンなどのコンピュータである。プログラムの実行によりプラント監視装置100内の構成要素40及び記憶部50の動作を制御する制御部30(CPUやMPU)を備えることが実施の形態1乃至6と相違する。
本実施の形態では、第1実施形態の構成を用いて構成及び作用を説明する。ただし、第1乃至6実施形態のプラント監視装置100も、制御部30によるプログラムの実行により制御させることが可能である。
記憶部50は、制御部30が実行する制御プログラムを格納したり、制御部30によるプログラム実行時の作業領域を提供したりする。また、記憶部50は、プラント履歴データ記憶部4と、監視条件記憶部5と、しきい値記憶部8と、収録部11等の記憶部を構成する。
磁気ディスク70は、オペレーティングシステム(OS)、周辺機器のデバイスドライブ、後述するプラント監視処理等を行うためのプログラムを含む各種アプリケーションソフト等を格納する。表示装置12は、例えばCRTモニタや液晶モニタ等であり、記憶部50からのデータに基づいて画像を表示する。上記の各構成要素は共通バス80により互いに通信可能に接続されている 発電プラントなどのプラント32からプラント情報出力部31を介してプラント内のポイント(PID)から時系列に得られたデータがプラント情報入力部21を介してプラント監視装置100に入力される。制御部30は、制御プログラムに従い、プラント監視装置100に入力されたデータを処理する。
前述した実施形態1乃至6の機能を実現するプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的は達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
(作用)
図35は、プラント監視装置100のプラント監視処理の一例を示すフローチャートである。次に、図35のフローチャートを用いて、プラント監視装置100のプラント監視処理の一例を例示する。
第1のしきい値取得部7は、プラント10における監視対象の第1ポイントから予め得られた第1プロセス値のばらつきを均して得られた値及びばらつきを示す値に基づき、第1プロセス値のばらつきの第1範囲を示す第1しきい値と、第1範囲よりもばらつきの範囲が広い第2範囲を示す第2しきい値とを予め取得する(S10)。
監視部9内の判定部93は、監視対象の第1ポイントから時系列に得られた第1プロセス値と、対応する第1しきい値及び第2しきい値とを比較することで、第1プロセス値が第1しきい値、及び第2しきい値のいずれかを超えた(s20−Yes)か否(s20−No)かを判定する(S20)。
警報部10は、判定部93の判定結果に基づき、第1プロセス値が第1しきい値及び第2しきい値のいずれかを超えた時点の情報を少なくとも含む警報情報を生成する(S30)。
このように、図35では、予め得られた第1プロセス値に基づいてしきい値を取得する。次にしきい値と監視対象の第1プロセス値を比較した結果に基づいて警報情報を生成する。このように、制御部30は、制御プログラムに従い、監視対象のポイントから入力されたプロセス値に対して、S10〜S30の処理を繰り返す。
(効果)
コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置、方法およびプログラムは、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置、方法およびプログラムの形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1 プラント情報送信部、2 プラント情報受信部、3 収録要求部、4 プラント履歴データ記憶部、5 監視条件記憶部、6 設定部、7 第1のしきい値取得部、8 しきい値記憶部、9 監視部、10 警報部、11 収録部(表示制御部)、12 表示装置、13 状態値収録部、14 状態値表示制御部、16 不感帯制御部、17 シミュレーション設定部(第1設定部)、18 プラント履歴データ入出力部(第1記憶部)、19 シミュレーション収録部、20 シミュレーション表示部、21 自動計算制御部、22 第2シミュレーション収録部、23 全項目自動計算制御部、71 抽出部、72 第1信号処理部、73 統計処理部、91 第2信号処理部、92 第2のしきい値取得部、93 判定部

Claims (9)

  1. 監視対象の第1ポイントの出力値に応じた第1プロセス値のばらつきを均して得られた値及びばらつきを示す値に基づき、前記第1プロセス値のばらつきの第1範囲を示す第1しきい値と、前記第1範囲よりもばらつきの範囲が広い第2範囲を示す第2しきい値とを予め得るしきい値取得部と、
    前記第1ポイントの出力値に基づいて時系列に得られた前記第1プロセス値と、対応する前記第1しきい値及び前記第2しきい値とを比較することで、前記第1プロセス値が前記第1しきい値及び前記第2しきい値のいずれかを超えたか否かを判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づき、前記第1プロセス値が前記第1しきい値及び前記第2しきい値のいずれかを超えた時点の情報を少なくとも含む警報情報を生成する警報部と、
    を備えるプラント監視装置。
  2. 前記しきい値取得部は、前記第1ポイントと異なる第2ポイントから得られた第2プロセス値に対応する前記第1プロセス値の平均値に基づく基準値、及び前記基準値に基づく前記第1プロセス値の標準偏差を計算し、
    前記標準偏差に第1上限係数を乗算した値を前記基準値に加算した値である第1上限値、及び前記標準偏差に第1下限係数を乗算した値を前記基準値に加算した値である第1下限値を前記第1しきい値とし、
    前記標準偏差に第2上限係数を乗算した値を前記基準値に加算した値である第2上限値、及び前記標準偏差に第2下限係数を乗算した値を前記基準値に加算した値である第2下限値を前記第2しきい値とする請求項1のプラント監視装置。
  3. 前記第2プロセス値の値を複数の範囲にわけ、それぞれの範囲毎に前記基準値、前記第1しきい値、及び前記第2しきい値を独立に計算する請求項2のプラント監視装置。
  4. 前記しきい値取得部は、前記第1ポイントから得られたプロセス値と、前記プロセス値が得られた時点から予め定められた時間後に前記第1ポイントから得られたプロセス値との差分値を前記第1プロセス値として計算し、
    前記しきい値取得部は、
    前記第1プロセス値の平均値を計算し、
    前記平均値に基づく標準偏差を計算し、
    前記標準偏差に第1上限係数を乗算した値を前記平均値に加算した値である第1上限値、及び前記標準偏差に第1下限係数を乗算した値を前記平均値に加算した値である第1下限値を前記第1しきい値とし、
    前記標準偏差に第2上限係数を乗算した値を前記平均値に加算した値である第2上限値、及び前記標準偏差に第2下限係数を乗算した値を前記平均値に加算した値である第2下限値を前記第2しきい値とする請求項1に記載のプラント監視装置。
  5. プラントのポイントから時系列に得られたプロセス値からノイズを低減する処理を行う信号処理部を更に備え、
    前記しきい値取得部及び前記判定部で用いられるプロセス値は、前記信号処理部で処理された信号である請求項1乃至4のいずれかに記載のプラント監視装置。
  6. 前記判定部は、前記第1プロセス値が超えた第1しきい値としての第1上限値、第1下限値、第2しきい値としての第2上限値、第2下限値に応じた状態値を出力し、
    出力された状態値を前記表示装置に表示させる請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプラント監視装置。
  7. 前記判定部は、前記第1プロセス値が対応する前記第1上限値、前記第1下限値、前記第2上限値、前記第2下限値は予め定められた幅を不感帯として有しており、前記第1プロセス値が逸脱したかを判定する場合には、前記第1上限値、前記第1下限値、前記第2上限値、前記第2下限値の値を超えたか否かを判定し、前記逸脱した状態から逸脱していない状態に復帰したかを判定する場合には前記不感帯を超えたか否かを判定する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプラント監視装置。
  8. プラントから得られた監視対象のプロセス値を少なくとも記憶する第1記憶部と、
    過去の期間を設定する第1設定部と、
    前記第1記憶部に記憶される前記監視対象のプロセス値に対応するしきい値を統計処理を用いて予め得るしきい値取得部と、
    前記第1設定部で設定された過去の期間における前記監視対象のプロセス値が前記対応するしきい値を逸脱したか否かを判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果をシュミレーション結果として収録するシュミレーション収録部と、
    を備えるプラント監視装置。
  9. コンピュータを、監視対象の第1ポイントの出力値に応じた第1プロセス値のばらつきを均して得られた値及びばらつきを示す値に基づき、前記第1プロセス値のばらつきの第1範囲を示す第1しきい値と、前記第1範囲よりもばらつきの範囲が広い第2範囲を示す第2しきい値とを予め得るしきい値取得部と、
    前記第1ポイントから時系列に得られた前記第1プロセス値と、対応する前記第1しきい値及び前記第2しきい値とを比較することで、前記第1プロセス値が前記第1しきい値及び前記第2しきい値のいずれかを超えたか否かを判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づき、前記第1プロセス値が前記第1しきい値及び前記第2しきい値のいずれかを超えた時点の情報を少なくとも含む警報情報を発する警報部と、
    して機能させるためのプログラム。
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