JP6714498B2 - 設備診断装置及び設備診断方法 - Google Patents

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本発明は、設備の異常を検出する診断装置に関する。
工場や発電所あるいはプラントなどでは、設備の稼働時間が収益変化に直結する。このため、設備に異常が発生した場合は、早期に精度高く異常の検出と異常原因の絞り込みを行うことが、問題解決までの時間を短縮し収益の増加に繋がる。
設備診断精度向上のため、特許文献1に記載のように、プラントを構成する機器や配管に分割し、個別に異常検出を行う技術が知られている。更に機器や配管同士の関連付けを記憶する設計情報を有し、異常が発生した機器の上流の機器をたどることで異常原因を絞り込む。機器毎に異常検出を行うことで、高精度の異常検出が可能である。さらに、設計情報を活用して異常原因の診断を行うことで、原因の機器を絞り込むことができる。
また、特許文献2に記載のように、機器のデータを入力データと出力データに分類し、入力データに対する出力データの応答性を基に機器の異常診断を行う技術が知られている。入力データと出力データという因果関係を導入した本異常診断手法は、センサ間の相関関係を評価する設備診断手法と比べて、高精度に異常診断を実現可能である。
国際公開第2011/061793号 特開2012−128583号公報
特許文献1に記載の設備診断方法は、機器や配管同士の上流及び下流の関連付けを記録する設計情報が必要である。しかしながら、設備によっては、機器間の上流及び下流の関係を特定することが困難なケースがある。例えば、発電機の軸の振動解析においては複数の振動センサについてどれが上流であるかは、設計図からは特定は困難である。そのため、前記特許文献1の異常原因診断方法は様々な設備に対する適用が困難である。
特許文献2に記載の設備診断方法は、時系列データを分析して、入力データと出力データに分類する。しかしながら、入力データと出力データの識別は時系列間の類似する部分に時間遅れがある方を出力とするため、適用が困難なケースがある。例えば、時系列データが10分間隔のデータからは、数秒単位の時間遅れを検出することが困難である。そのため、前記特許文献1の異常原因診断方法は様々な時系列データを用いた適用が困難である。
そこで、本発明の目的は、設備の異常検出および原因診断の精度を向上させるため、設備稼働ログからセンサ間の関係性情報を抽出する。この関係性情報を用いることで設備診断精度の向上を実現する。
プロセッサとメモリを有して、センサが測定した値から設備の異常を診断する設備診断装置であって、前記設備を構成する1以上の要素と、当該要素に設置されたセンサの関係を設定した設備要素情報と、前記センサの識別子と前記値を含む時系列のセンサデータと、前記要素内のセンサのうち、入力センサを設定した入力センサ情報と、前記センサデータを入力として前記センサデータの値から異常を検出したセンサを異常原因センサとして特定し、前記設備要素情報を参照して前記異常原因センサを含む前記要素を特定する異常検出部と、前記入力センサ情報を参照して前記異常原因センサが前記特定された要素の入力センサであるか否かを判定し、前記異常原因センサが前記入力センサでない場合には当該要素を第1の異常要素に分類し、当該異常原因センサが前記入力センサである場合には当該要素を第2の異常要素に分類する異常フィルタ部と、前記入力センサ情報を設定する診断前処理部と、を有し、前記診断前処理部は、前記センサデータを入力として前記センサの値の異常度を算出する第2の異常検出部と、前記時系列のセンサデータから前記値が所定の範囲内となる正常期間を抽出し、前記正常期間における前記センサの値の異常度から前記入力センサを推定して前記入力センサ情報に設定する入力センサ推定部と、を有する。
したがって、本発明は、設備診断の際に、複数要素で異常を検出する場合でも、異常原因の要素を絞り込むことができ、診断精度を向上できる。本発明は、設計図から要素の入力または出力を特定することが困難な設備においても適用できる。また、時系列データのデータ間隔が長く、入力または出力間の時間遅れを検出できない設備にも適用できる。これにより、幅広い設備に対して精度の高い設備診断を提供できる。
本発明の実施例1を示し、診断システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例1を示し、診断装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例1を示し、診断対象としての圧延設備の構成図である。 本発明の実施例1を示し、設備稼働ログDBの一例を示す図である。 本発明の実施例1を示し、要素分割部の要素分割画面の一例を示す図である。 本発明の実施例1を示し、設備要素DBの一例を示す図である。構成図である。 本発明の実施例1を示し、異常検出部の処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施例1を示し、センサA、センサBに関する設備稼働ログDBのデータの一例を示すグラフである。 本発明の実施例1を示し、異常検出ログの一例を示すグラフである。 本発明の実施例1を示し、入力センサ推定部の処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施例1を示し、入力センサDBの一例を示す図である。 本発明の実施例1を示し、異常未発生時の診断結果表示部の表示例を示す図である。 本発明の実施例1を示し、異常発生時の診断結果表示部の表示例を示す図である。 本発明の実施例2を示し、診断対象としての発電設備の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例2を示し、設備要素DBの一例を示す図である。 本発明の実施例2を示し、入力センサDBの一例を示す図である。 本発明の実施例2を示し、診断結果表示部の表示例を示す図である。 本発明の実施例1を示し、異常度及び寄与度を算出する処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施例1を示し、異常度及び寄与度を算出する処理の一例を示すグラフである。 本発明の実施例1を示し、異常フィルタ部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<概要>
本実施例1は、設備の異常およびその原因を診断する診断システムである。本診断システムは、設備を複数の要素に分け、各要素を個別に異常診断することで診断精度を向上させる。さらに各要素に関連するセンサを入力センサと、その他センサに分類する。入力センサは、外部要因による影響を受けやすい、もしくは外部要因の影響を表すセンサである。この入力センサの情報を用いることで各要素に発生した異常が外部からの影響であるか、要素内の要因によるものかを切り分け、診断精度を向上させる。
<考え方>
入力センサとその他のセンサを分類するにあたり、入力を基に出力が生成される設備においては、例えば、入力の振動は出力では減衰するという特徴を利用する。具体的には、設備外で発生した異常(振動)が入力から出力まで伝播するにつれて低下するという特徴を利用し、設備を構成する要素の正常状態において異常度(または異常度の平均値)が大きいセンサを入力センサとして選択する。
<診断システム>
図1Aは、診断システムの構成の一例を示すブロック図である。
診断システムは、診断対象となる設備である被診断設備130と、被診断設備130の要素について診断を行う設備診断装置100と、被診断設備130と設備診断装置100を接続するネットワーク16を含む。
設備診断装置100は、演算処理を行うプロセッサ10と、プログラムやデータを保持するメモリ11と、プログラムやデータを格納するストレージ装置12と、ネットワーク16に接続されるインターフェース13と、キーボードやマウスあるいはタッチパネルで構成された入力装置14と、ディスプレイやタッチパネルで構成された出力装置15を含む計算機である。
メモリ11には、ログ収集部101と、診断前処理部110と、要素分割部103と、設備診断部120と、診断結果表示部106のプログラムがロードされてプロセッサ10により実行される。
プロセッサ10は、各機能部のプログラムに従って処理することによって、所定の機能を提供する機能部として稼働する。例えば、プロセッサ10は、ログ収集プログラムに従って処理することでログ収集部101として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ10は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれの機能を提供する機能部としても稼働する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。
ストレージ装置12には、設備稼働ログDB(データベース)102と、入力センサDB105と、設備要素DB106が格納されて、上記機能部からアクセスされる。設備稼働ログDB102は、被診断設備130の稼働情報が蓄積される。稼働情報は、例えば、被診断設備130のセンサのデータ等で構成される。
設備要素DB106には、被診断設備130の要素とセンサの関係が格納される。入力センサDB105には、被診断設備130の要素毎に配置された入力センサの情報が格納される。
図1Bは、設備診断装置100の機能部位の一例を示すブロック図である。本実施例1では、被診断設備130として圧延設備を用い、温度に関する異常を診断する例を示す。設備診断装置100は、被診断設備130から設備稼働ログを収集するログ収集部101がセンサのデータを収集して設備稼働ログDB102へ蓄積する。
要素分割部103は、被診断設備130の構成要素(以下、単に要素とする)を後述するように分割して、設備要素DB104へ格納する。
診断前処理部110は、データ分割部111と異常検出部112と入力センサ推定部113を有し、後述するように、設備稼働ログDB102と設備要素DB104に基づいて、各要素毎に入力センサを推定して入力センサDB105へ格納する。
設備診断部120は、データ分割部121と異常検出部122と異常フィルタ部123を有し、後述するように、設備稼働ログDB102を分析して異常の検出と、異常が発生した要素の特定を行う。診断結果表示部106は、設備診断部120の診断結果を出力装置15や外部の計算機へ出力する。
<圧延設備>
図2は、本実施例1における被診断設備130である圧延設備200の構成の一例を示す図である。
圧延設備200の入口201に材料が投入されると、材料は圧延されて圧延設備200の出口202から出てくる。入口201から出口202にかけて、材料の温度は徐々に低下する。材料温度が圧延設備内で異常に変化すると、それは圧延設備に異常が発生したと考えられる。
この異常を検出するために、圧延設備200には温度を測定する4つのセンサ203−1〜203−4を設置した例を示す。なお、以下では、センサ全体については「−」以降のない符号203を用いる。設備診断装置100では、これらセンサ203の出力について関係性を評価する。
図示の圧延設備200では、設備全体を前半207と後半208に分け、前半207の入口201の位置にセンサ203−1(センサA)を設置し、前半207の出口となる後半208との境界にセンサ203−2(センサB)を設置し、後半208の中間にセンサ203−3(センサC)を設置し、出口202にセンサ203−4(センサD)を設置する。
本実施例1では、センサ203−2の測定値は、前半207の出口の測定値となり、また、後半208の入口の測定値となる。
<設備稼働ログDB>
ログ収集部101は、被診断設備130で稼働するSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)などを利用して、被診断設備130の各センサ203のデータを設備稼働ログとして収集する。設備稼働ログは被診断設備130内のセンサ203について所定の時間間隔毎のセンサ値を記録した時系列データである。なお、被診断設備130からのセンサ203のデータの収集については、公知または周知の技術を適用すれば良いので、本実施例では詳述しない。
図3は、設備稼働ログDB102の構成の一例を示す図である。設備稼働ログDB102は、ログ収集部101が収集した設備稼働ログを格納する。設備稼働ログDB102は、時刻1021をインデックスとして、各センサA〜D203−1〜203−4の測定値を格納するカラム1022〜1025を一つのエントリに含む時系列データ(センサデータ)を格納する。カラム1022〜1025の名称には、センサA〜D203−1〜203−4の識別子が付与されて、時刻と識別子から特定のセンサ203のデータを検索することができる。
なお設備稼働ログDB102は、複数の被診断設備130に1つの設備稼働ログDB102であってもよいし、各被診断設備130毎に設備稼働ログDB102を用意してもよい。また、設備稼働ログDB102は、設備診断装置100とは距離的に離れた位置に設置されていても良い。
<要素分割部>
要素分割部103は、被診断設備130を1つまたは複数の要素に分割する。被診断設備130の要素の分割は、ドメイン知識に基づき設備診断装置100の利用者や被診断設備130の管理者などが決定しても良いし、設備稼働ログを基に自動的に分割してもよい。
図2の圧延設備200の場合は、前半207、後半208と工程単位に複数の要素に分割した例を示す。分割された要素は、設備要素DB104に登録される。
図4は、要素分割部103の要素分割を利用者が決定する際の要素分割画面400の一例を示す図である。要素分割画面400は、出力装置要素分割画面400は、センサ203の識別子の一覧を表示するセンサリスト401と、要素ごとのセンサ203の識別子を表示する要素(前半)402、要素(後半)403と、要素へのセンサ登録ボタン404と、要素追加ボタン405が含まれる。
センサリスト401は、被診断設備130に設置されるセンサ203の識別子を一覧表示する領域である。要素(前半)402と、要素(後半)403は、各要素に関するセンサ203の登録状況を一覧表示したものである。各要素に関するセンサ203は、一つのセンサ203が複数の要素に関するセンサとして登録されていても良い。
例えば、センサB(203−2)は、工程の前半207の出口に位置するセンサ203であり、かつ、工程の後半208の入口のセンサ203でもある。このような場合、センサ203−2は「前半」、「後半」の両要素に関するセンサ203として登録されていても良い。
要素へのセンサ登録ボタン404は、要素に関連するセンサ203を登録するためのボタンである。利用者がセンサリスト401の中からセンサ203を選択し、追加先の要素を選択しボタン404を押すと選択中のセンサを選択中の要素の関連センサとして登録される。
要素追加ボタン405は、新たな要素を登録するためのボタンである。利用者が要素追加ボタン405を押すと、新規に要素を登録する。追加された要素は、設備要素DB104に格納される。
<設備要素DB>
設備要素DB104は、要素分割部103で決定した要素およびセンサ203の関係を格納する。
図5は、設備要素DB104の構成の一例を示す図である。設備要素DB104は、要素の識別子を格納する要素1041をインデックスとして、各要素に割り当てられるセンサ203の識別子を格納するセンサ1042をカラムとするテーブルである。
要素分割部103において、センサA203−1、センサB203−2を要素の「前半」207に割り当て、センサB203−2、センサC203−3、センサD203−4を要素「後半」208に割り当てた場合、各要素とセンサ203の情報は図5のように格納される。
<診断前処理部>
診断前処理部110は、設備稼働ログDB102と、設備要素DB104を参照して、各要素の入力センサを推定する。入力センサは、各要素の外部からの入力を測定するセンサであり、この入力センサが要因で要素に異常が発生した場合、設備診断装置100は、当該異常は要素の外部に発生した異常と判定する。これにより、異常要因の切り分けを容易にし、診断精度を向上させる事ができる。
診断前処理部110は、データ分割部111と、異常検出部112と、入力センサ推定部113からなる。
データ分割部111は、設備稼働ログDB102と、設備要素DB104を参照して、センサ203のデータを要素ごとに分割する処理である。この処理は、データ分割部111が、入力装置14から期間の指定を受け付けてから開始される。データ分割部111は、指定された期間に対応する時刻1021のデータを設備稼働ログDB102から取得して、要素1041のセンサ1042毎に分類する。
なお、本実施例1では、センサ203のデータを測定した時刻をインデックスとする例を示したが、時刻に対応するシリアル番号などを時系列データのインデックスとしてもよい。
<異常検出部>
異常検出部112は、データ分割部111によって要素ごとに分類された設備稼働ログDB102のデータを分析して、異常の有無を判定し、データに異常があれば異常発生時刻と異常の原因となったセンサ203を特定する。なお、異常の原因となったセンサ203は、異常原因センサとする。図6は、異常検出部112の処理の一例を示すフローチャートである。
この処理は、異常検出部112は、まず、ステップ601で、要素ごとに分類された要素内のセンサ203のデータについて異常度を算出し、異常診断を実施して異常が発生していれば異常度の高いセンサ203を特定する。
次に、ステップ602で、異常検出部112は、異常が発生したセンサ203のデータの異常度について、各センサ203の寄与度を算出する。寄与度は、各センサ203のデータが、異常が発生したセンサ203のデータに影響を与えた度合いを示す。
上記処理により、指定された期間に対応する設備稼働ログDB102から異常が発生したセンサ203と異常度及び寄与度が算出される。
要素の異常度計算(ステップ601)と、各センサ203の異常度に対する寄与度計算ステップ602の処理は公知または周知の異常診断アルゴリズムによって実現可能である。このアルゴリズムの要件は、異常時刻とその時点での各センサ203の異常度を算出可能な異常診断アルゴリズムである点である。
具体的には、主成分分析を活用した多変量統計的プロセス管理や、マハラノビス・タグチ法といった異常診断アルゴリズムを適用可能である。多変量プロセス管理のアルゴリズムでは、設備稼働ログを入力としてHotteling T統計量を計算し、各センサのT統計量の寄与を各センサの異常度としてもよい。マハラノビス・タグチ法では、設備稼働ログを入力としてマハラノビスの距離を計算し、これを各センサの異常度としてもよい。また、設備稼働ログをタイムウインドウで分割し、各タイムウインドウでのセンサ203毎の振幅を算出し、この振幅を各センサの異常度としてもよい。
図17は、異常検出部112が主成分分析と多変量統計的プロセス管理で異常診断を行う場合のフローチャートを示す。主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)と多変量統計的プロセス管理(MSPC:Multivariate Statistical Process Control)については、文献「多変量統計的プロセス管理」(http://manabukano.brilliant-future.net/research/report/Report2005_MSPC.pdf)に開示されるとおりである。
異常検出部112は、要素ごとに分類された設備稼働ログDB102のデータを正規化し(610)、主成分分析(PCA)によって次元圧縮を行う(611)。次に、異常検出部112は、上記文献「多変量統計的プロセス管理」に開示される以下の(1)式によってQ統計量を算出する。
Figure 0006714498
次に、異常検出部112は、上記文献「多変量統計的プロセス管理」に開示される以下の(2)式によって各時刻についてT統計量を異常度として算出する。
Figure 0006714498
そして、異常検出部112は、Q統計量とT統計量の双方を監視して、いずれか一方でも所定の管理限界を超えたデータが異常値であると判定する。
異常検出部112は、異常値と判定した各センサ203のデータの寄与度を以下の(3)式によって算出する。
Figure 0006714498
上記(3)式は、文献「Total PLS Based Contribution Plots for Fault Diagnosis」(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1874102908600944)に開示される手法である。
図18は、異常検出部112が主成分分析と多変量統計的プロセス管理で異常診断を行う場合のグラフである。
図17のステップ610で正規化した後の状態は、図18のグラフ631で示すように、センサ203のデータを時刻1021毎にプロットする。図中丸印及び星印がセンサ203のデータである。なお、図中変数1は、例えば時刻を示し、変数2は、例えば、温度を示す。
次に、上記図17のステップ611で、正規化したデータについて主成分分析を用いて次元圧縮を行うとグラフ632で示すように、主成分1、2が算出される。次元圧縮を行ったデータに対して、T統計量を算出した結果が図18のグラフ633となり、原点から管理限界を超えた異常度のデータが異常データとして特定できる。
図7は、センサA、センサBに関する設備稼働ログDB102のデータの一例を示すグラフである。図中グラフ701はセンサA(203−1)のデータ(センサ値)の時間推移を時系列で表したもので、図中グラフ702はセンサB(203−2)のデータ(センサ値)の時間推移を時系列で表したものである。図中横軸は時刻であり、縦軸は温度を示す。
図7では、時刻t0からt1にかけて、センサAのグラフ701に異常な温度変化が発生し、その後、時刻t2からt3にかけてセンサBのグラフ702に異常な温度変化が発生したことを示している。さらに、センサAのグラフ701における振幅の最大値d1は、センサBの振幅の最大値d2より大きいことを示している。
図8は、図17に示した異常診断アルゴリズムに、図7に示す設備稼働ログDB102のデータを入力として得られる異常検出ログである。
異常検出ログは、圧延設備200の前半207の要素の異常度の時間推移を表した時系列データを示すグラフ800と、各センサA、Bの異常度の時間推移を表した時系列データ示すグラフ801、802である。図中横軸は時刻であり、縦軸は異常度を示す。なお、要素の異常度は、当該要素内のセンサB203の異常度の最大値である。図示の例では、要素「前半」207内のセンサA203−1のデータと、センサB203−2のデータのうち各時刻の最大値が、要素「前半」207の異常度となる。
グラフ800〜802では、異常度の値が大きい時刻ほど、異常の度合いが高いことを示す。図8は、時刻t0からt1にかけて、グラフ801のセンサAに大きな異常が発生し、その後、時刻t2からt3にかけてグラフ802のセンサBに大きな異常が発生したことを示している。さらに時刻t1からt2の正常期間において、センサAの異常度811がセンサBの異常度812より大きいことを示している。
また、異常検出部112は、要素内に複数のセンサ203が存在する場合、上記寄与度が大きいセンサ203を異常原因センサとして特定することができる。
<入力センサ推定部>
入力センサ推定部113は、異常検出部112の処理結果を基に、各要素の入力センサを推定する。
図9は、入力センサ推定部113で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、異常検出部112の処理が完了した後に実行される。入力センサ推定部113で行われる処理は、正常期間を抽出するステップ901と、異常度を正常期間内の平均値で計算するステップ902と、入力センサを推定するステップ903からなる。
正常期間抽出のステップ901は、入力センサ推定部113が圧延設備200の稼働状態が正常な期間を抽出する。このステップ901は、利用者が設備稼働ログDB102に基づき正常期間を与えても良い。また、入力センサ推定部113が設備稼働ログDB102を用いて各センサ203の値の平均および分散を計算し、センサ203のデータの値が予め設定した範囲に入っている期間を正常期間としてもよい。
さらに、異常検出部112よって計算された異常度が所定のしきい値より低い期間を正常期間としてもよい。あるいは、入力センサ推定部113が、設備稼働ログDB102の時系列データをタイムウインドウで分割し、各タイムウインドウでのセンサ203毎の分散を算出し、分散値が所定のしきい値より低い期間を正常期間としてもよい。また、タイムウインドウでのセンサ203毎の分散を、各センサB203の異常度として扱うようにしてもよい。
異常度を正常期間の平均値で計算するステップ902では、入力センサ推定部113が、過去の設備稼働ログDB102を用いて過去の要素の異常度および各センサ203の異常度を算出する。さらに、各センサ203の異常度について、ステップ901で算出した正常期間の期間平均値を算出する。
各要素の入力センサを推定するステップ903は、上記ステップ902で算出した正常期間における各センサ203の異常度を基に、入力センサ推定部113が、各要素の入力センサを推定する。そして、入力センサ推定部113は、各要素の入力センサの推定結果を入力センサDB105に格納する。
基本的には、異常度または異常度の平均値が他のセンサ203と比べて高いセンサ203を入力センサと推定する。例えば、ある要素に関連するセンサ203が2つの場合は、最も異常度が高いセンサを入力センサとする。また、入力センサが1つとみなせる要素、例えば1入力の設備の場合についても、最も異常度が高いセンサ203を入力センサとする。要素の入力センサ数が予め特定可能な要素では、利用者が要素ごとに入力センサ数にn個を設定し、ステップ903では、異常度が高いセンサ203のうち上位n個を入力センサと推定してもよい。さらには、利用者が予め要素ごとにしきい値を設定し、異常度がしきい値を超える一つまたは複数のセンサ203を入力センサと推定してもよい。
なお、複数のセンサ203の異常度に差異が見られない場合は、入力センサを推定しなくても良い。さらに、入力センサを推定するステップ903が推定した結果(入力センサDB105)について、利用者が推定結果を確認し必要に応じて取り消しまたは修正を行ってもよい。
このように異常度という観点に基づき入力センサを推定する方法は、時間遅れに基づき入力センサを特定する方法と比べ、簡便に利用することができる。さらには時間遅れを表せられないほど長いデータ間隔をもつ時系列データを利用しても、入力センサを推定することができる。
<入力センサDB>
入力センサDB105は、診断前処理部110の処理結果である各要素の入力センサの情報を格納する。図10は、入力センサDB105の構成の一例を示す図である。入力センサDB105は要素1051をインデックスとし、入力センサ1052をカラムとしたテーブルである。診断前処理部110において、要素「前半」の入力センサをセンサA、要素「後半」の入力センサをセンサBという結果が得られた場合、この情報は図10のように格納される。
<設備診断部>
設備診断部120は、被診断設備130の異常発生時刻と異常要素を検出する処理である。設備診断部120は、データ分割部121と、異常検出部122と、異常フィルタ部123からなる。データ分割部121および異常検出部122は、それぞれ、診断前処理部110のデータ分割部111および異常検出部112と同じ処理である。
設備診断部120は、入力装置14等で指定された期間の設備稼働ログDB102からセンサ203のデータを読み込んで、データ分割部121が設備要素DB104を参照して、センサ203のデータを被診断設備130の要素毎に分割する。
次に、設備診断部120は、要素毎に分割されたデータを異常検出部112に入力しては、上述の図6や図17の異常診断アルゴリズムによって異常度に基づいて要素毎に異常を検出する。
異常フィルタ部123は、入力センサDB105に格納された要素ごとの入力センサの情報を基に、異常検出部122の出力結果のフィルタを行う。すなわち、異常検出部122がある要素で異常を検出した場合、異常発生時刻と異常原因センサの情報が異常フィルタ部123に送られる。
異常フィルタ部123は、異常原因センサが要素の入力センサと一致する場合は、その異常は要素の外部の要因によって発生したと判定し、当該要素の異常であるとは判定しない。これにより、複数要素で異常が発生した際に真の異常要因を絞り込むことができ、異常診断精度を向上できる。
図19は、異常フィルタ部123で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、異常検出部122の処理が完了すると開始される。異常フィルタ部123は、異常検出部122の検出結果を受け付ける(620)。次に、異常フィルタ部123は、設備要素DB104に設定された全ての要素について、要素毎にステップ621〜626を繰り返して実行する。
異常フィルタ部123は、設備要素DB104を参照して現在選択している要素1041のセンサ1042を特定し、センサ1042のいずれかが異常原因センサであるか否かを判定する。要素内に異常原因センサがあればステップ623へ進み、要素内に異常原因センサがなければ次の要素を選択して上記処理を繰り返す。なお、最後の要素まで到達していればステップ627へ進む。
ステップ623では、異常フィルタ部123が異常原因センサの識別子を取得し、入力センサDB105の当該要素1051の入力センサ1052が、異常原因センサの識別子と一致するか否かを判定する。
異常原因センサが当該要素の入力センサであれば、異常フィルタ部123は、ステップ624へ進んで当該要素を異常関連要素として分類する。一方、異常原因センサが当該要素の入力センサでなければ、異常フィルタ部123は、ステップ625へ進んで当該要素を異常原因要素として分類する。そして、次の要素を選択して上記処理を繰り返す。なお、最後の要素まで到達していればステップ627へ進む。
ステップ627では、異常フィルタ部123は、異常が検出された要素の分類結果を診断結果表示部106へ出力して処理を終了する。
以上のように、異常フィルタ部123は、異常原因センサが当該要素の入力センサである場合、外部(前段、または、上流)からの影響で異常が発生していると判定し、当該要素は異常関連要素であると判定する。異常関連要素は、センサ203の値は異常を示しているが、点検または修理をすべき要素は他の要素であることを示す。
また、異常フィルタ部123は、異常原因センサが当該要素の入力センサでなければ、当該要素で異常が発生していると判定し、当該要素は異常原因要素であると判定する。異常原因要素は、点検または修理をすべき要素であることを示す。
異常フィルタ部123は、異常原因センサを有する要素が複数存在する場合、点検または修理をすべき異常原因要素と、センサ203のデータに異常はあるが外部の影響が疑われる要素を異常関連要素として分類することで、点検または修理をすべき要素の優先順位を提供することができる。
<診断結果表示部>
診断結果表示部106は、設備診断部120の結果を出力する。図11および図12は、診断結果表示部106が出力する診断結果表示画面の一例である。
図11は、各要素に異常が発生していない場合の診断結果表示部106の表示例である。図11において、診断結果表示画面1100には、圧延設備200の要素として前半207と後半208のセンサ203が表示される。前半207の入力センサとしてセンサA203−1が要素内の上方に表示され、後半208の入力センサとしてセンサB203−2Bが要素内の上方に表示される。図中、センサC203−3とセンサD203−4は、診断前処理部110で入力センサとして判定されないため、センサB203−2Bの下流で並列的な関係に表示される。
圧延設備200の要素「前半」207において、入力センサはセンサA203−1のみであるため、要素「前半」207内では、外部からの異常はセンサA203−1を通じてセンサB203−2Aに伝播する。そのため、センサA203−1とセンサB203−2の間の因果関係1113を導き出せる。
要素「後半」208において、入力センサはセンサB203−2Bのみであるため、要素「後半」208内では、外部からの異常はセンサB203−2Bを通じてセンサC203−3、センサD203−4に伝播する。そのため、センサB203−2BとセンサC203−3、センサD203−4の間の因果関係1124、1125を導き出せる。さらに、センサB203−2Aは、要素「前半」207においては非入力センサ、要素「後半」208においてセンサB203−2Bは入力センサである。この情報から、要素「前半」207の異常が要素「後半」208に伝播するという因果関係1130を示唆している。
図12は、センサB203−2に急激な温度変化が発生し、異常検出部122が要素「前半」と「後半」の双方で異常を検出した場合の、診断結果表示画面1100の表示例である。診断結果表示部106は、診断結果表示画面1100のセンサB203−2A、203のデータが原因で異常が発生したため、前半207のセンサB203−2Aと、後半208のセンサB203−2Bにてアラートを表示する。
診断結果表示部106は、異常フィルタ部123の分類結果に応じて診断結果表示画面1100に表示する異常原因センサと要素の表示(出力)を実施する。診断結果表示部106は、異常原因センサを含む要素について、異常原因要素(第1の異常要素)であれば、例えば、要素の表示領域と異常原因センサの表示領域を、アラート示す表示色や明滅などの変化を加えて表示する。
一方、異常原因センサを含む要素が、異常関連要素(第2の異常要素)であれば、例えば、要素の表示領域を通常の表示として、異常原因センサの表示領域を、注意喚起を示す表示色などで表示する。
なお、異常原因要素と異常関連要素の表示形態は、異常原因センサを含む要素が異常原因要素と異常関連要素のいずれであるかを識別可能な表示形態であればよい。また、診断結果表示部106は、異常原因要素では、異常原因センサを識別可能に表示し、異常関連要素では、入力センサを識別可能に表示する形態であればよい。
ただし、要素「後半」208では、センサB203−2Bは入力センサであるため、異常関連要素と分類されセンサB203−2Bの表示領域内が、前半207のセンサB203−2Aと比べて弱いアラート(注意喚起)を示す表示色で表示される。
一方、要素「前半」208では、センサB203−2Aは非入力センサであるため、「前半」207は、異常関連要素として分類され、要素「前半」207の表示領域内がアラートを示す表示色で表示され、さらに、異常原因センサのセンサB203−2の表示領域内は警告を示す表示色で表示され、要素「前半」207に異常があることを利用者に通知する。これにより、利用者は異常原因を容易に絞り込むことが可能である。
本発明によると、設備診断装置100は、異常原因の絞込により、設備診断精度を向上可能である。特に、複数の要素で同時に異常が検出された場合においても、修理や点検を至急実施すべき異常原因要素と、異常原因センサを入力センサに含むが異常の原因が他の要素にあると思われる異常関連要素に分類することで、異常が発生した原因の要素を絞り込むため、診断精度を向上可能である。異常は、温度の急激な変化や、設備内の故障や劣化、メンテナンスによる性能回復、外気温度や材料温度など設備外要因の変動が含まれる。
設備診断装置100は、被診断設備130の稼働情報を収集できれば、被診断設備130と距離的に離れていても良い。例えば、診断装置100は、被診断設備130が設置されている工場内に設置してもよいし、クラウドサービスの一つとして提供してもよい。クラウドサービスとして提供することで、サービス提供を短期間で実現可能である。
また、設備診断装置100は、被診断設備130の設備診断をオフラインで行っても良い。すなわち、被診断設備130の稼働情報を記憶媒体等で運搬し、設備診断装置100に入力して設備稼働ログDB102に格納して、設備診断を行っても良い。これにより、診断サービス開始前のプレ診断を実現可能である。
本発明の設備診断装置100は、発電設備の異常診断にも適用可能である。本実施例2では、設備診断装置100の被診断設備として、発電設備に適用した例を示し、発電機の軸受け振動原因解析を実施する。なお、その他の構成は、前記実施例1と同様である。発電機の軸受けは、経年劣化やグリス不良などが原因で振動が発生する。振動を放置すると、軸受けの故障などを引き起こし、発電機の稼働時間の低下につながる。このような事態を防ぐために、発電設備の軸受けを監視し、異常の予兆がある場合には早期に対策を行うことができる。
図13は、本実施例2における被診断設備である発電設備1300の構成の一例を示すブロック図である。発電設備1300には、発電機1310と、増速機1320と、発電機軸1311と、主軸1321と、発電機軸の軸受け1314と、主軸の軸受け1324、が含まれる。
主軸1321の回転は、増速機1320を介して発電機軸1311を駆動し、発電機軸1311に接続された発電機1310が駆動されて発電を行う。なお、主軸1321には、図示しない風車などが結合されて駆動力を伝達する。
主軸1321及び発電機軸1311には、回転数を測定するための回転数センサA1312、回転数センサB1322、振動を検出するための加速度センサA1313、加速度センサB1323が設置されている。さらに発電設備1300の外側には、環境からの振動を検出するための加速度センサC1303が設置されている。
図14は、本実施例における設備要素DB104の構成の一例を示す図である。発電設備1300の要素は、前記実施例1と同様にして要素分割部103が、発電機1310と増速機1320、さらに両者を接続する接続部に分割した例を示す。なお、接続部は主軸1321の図示しないギアと、発電機軸1311の図示しないギアで連結される要素である。
発電機1310に関連するセンサは、外部の振動が発電機1310に伝播することを考慮し、発電機軸1311の加速度センサA1313(図中加速度A)と、発電機1310の回転数センサA1312(図中回転数A)と、外側の加速度センサC1303(図中加速度C)である。
増速機1320に関連するセンサは、外部の振動が増速機1320に伝播することを考慮して、主軸1321の加速度センサB1323(図中加速度B)と、増速機1320の回転数センサB1322(図中回転数A)と、外側の加速度センサC1303(図中加速度C)である。接続部に関するセンサは、増速機1320の回転数センサB1322(図中回転数B)および発電機1310の回転数センサA1312(図中回転数A)である。
図15は、実施例2における入力センサDB105の構成の一例を示す図である。この構成は、発電設備1300の時系列データを入力とした診断前処理部110によって算出した。
診断前処理部110の処理の内容は前記実施例1と同様であり、発電設備1300の要素「発電機」1310の入力センサ1052として回転数センサA1312(図中回転数A)と、加速度センサC1303を選択し、要素「増速機」1320の入力センサ1052として回転数センサB1322(図中回転数B)と、加速度センサC1303を選択し、「接続部」の入力センサ1052は無しとした例を示す。
図16は、図15に示す入力センサDB105の情報が与えられた場合の診断結果表示部106が出力する画面1600のイメージである。図15の情報を与えることで、設備診断部120は、軸受け1314に起因する加速度センサA1313(図中加速度A)のデータの過大な変動のみを異常と判定し、発電機1310の回転数センサA1312(図中回転数A)のデータの過大な変動や加速度センサC1303(図中加速度C)のデータに起因する加速度センサA1313(図中加速度A)のデータの過大な変動を異常とは判定せず、診断精度を向上させることができる。
なお、回転数センサA1312(図中回転数A)のデータの過大な変動に起因する異常は、要素「発電機」1620では検出せず、要素「接続部」1630にて異常を検出することができる。
以上のように、本発明の設備診断装置100は、前記実施例1の圧延設備200に加えて、発電設備1300にも適用することができ、複数の要素からなる設備や装置の異常診断を的確に実施することができる。特に、複数の要素に異常原因センサが発生した場合でも、異常フィルタ部123によって、異常原因要素と異常関連要素に分類することで、至急点検や修理を行うべき異常原因要素を特定することが可能となる。
<まとめ>
以上のように本発明では、設備や装置を複数の要素に分割し、各要素を個別に診断を行うことで設備の異常検出と異常原因を特定する。要素分割部は、設備を複数の要素に分割する。利用者が分割しても良いし、設備稼働ログを基に自動的に分割してもよい。
診断前処理部は、各要素の入力センサを推定する。診断前処理部は、入力を基に出力が生成される周知または公知の設備や装置では、入力の振動は出力では減衰する特徴に基づき、設備の外部で発生した異常は入力から出力に伝播するにつれその影響が低下すると仮定し、各要素の入力センサを推定する。具体的には、正常期間における要素の各センサの異常度を評価し、異常度が大きいセンサを入力センサと推定する。
設備診断部は、設備の要素ごとに異常検出処理を行い、要素の異常を検出した際に異常原因センサの要素内の位置によって異常原因要素と異常関連要素に分類する。異常原因が要素の入力センサである場合は、異常関連要素として分類され、センサの値は異常をしめすものの、異常の原因は当該要素外で発生したと判定する。なお、その要素にとっては偽陽性であると判別し、異常検出結果からは取り除くようにしてもよい。
このように、異常原因センサを含む要素を異常原因要素と異常関連要素に分類し、異常原因要素について修理や点検の優先度を高く設定することで、設備や装置の診断精度を向上させて、設備の稼働率を高めることが可能となる。
また、本発明は、設備診断の際に、複数の要素で異常を検出した場合でも、異常原因の要素を絞り込むことができ、診断精度を向上できる。また、本発明は、設計図から要素の入力または出力を特定することが困難な設備においても適用できる。また、時系列データのデータ間隔が長く、入力または出力間の時間遅れを検出できない設備にも適用できる。これにより、幅広い設備に対して精度の高い設備診断を提供できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、又は置換のいずれもが、単独で、又は組み合わせても適用可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、及び処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、及び機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
10 プロセッサ
11 メモリ11
12 ストレージ装置
100 設備診断装置
102 設備稼働ログDB
104 設備要素DB
105 入力センサDB
106 診断結果表示部
110 診断前処理部
113 入力センサ推定部
120 設備診断部
122 異常検出部
123 異常フィルタ部
130 被診断設備

Claims (12)

  1. プロセッサとメモリを有して、センサが測定した値から設備の異常を診断する設備診断装置であって、
    前記設備を構成する1以上の要素と、当該要素に設置されたセンサの関係を設定した設備要素情報と、
    前記センサの識別子と前記値を含む時系列のセンサデータと、
    前記要素内のセンサのうち、入力センサを設定した入力センサ情報と、
    前記センサデータを入力として前記センサデータの値から異常を検出したセンサを異常原因センサとして特定し、前記設備要素情報を参照して前記異常原因センサを含む前記要素を特定する異常検出部と、
    前記入力センサ情報を参照して前記異常原因センサが前記特定された要素の入力センサであるか否かを判定し、前記異常原因センサが前記入力センサでない場合には当該要素を第1の異常要素に分類し、当該異常原因センサが前記入力センサである場合には当該要素を第2の異常要素に分類する異常フィルタ部と、
    前記入力センサ情報を設定する診断前処理部と、を有し、
    前記診断前処理部は、
    前記センサデータを入力として前記センサの値の異常度を算出する第2の異常検出部と、
    前記時系列のセンサデータから前記値が所定の範囲内となる正常期間を抽出し、前記正常期間における前記センサの値の異常度から前記入力センサを推定して前記入力センサ情報に設定する入力センサ推定部と、
    を有することを特徴とする設備診断装置。
  2. 請求項1に記載の設備診断装置であって、
    前記第2の異常検出部は、
    前記時系列のセンサデータをタイムウインドウに分割し、各タイムウインドウにおいて前記センサの値の分散を異常度とすることを特徴とする設備診断装置。
  3. 請求項1に記載の設備診断装置であって、
    前記第2の異常検出部は、
    前記時系列のセンサデータを入力としてHotteling T2統計量を算出し、前記センサ毎の前記Hotteling T2統計量への寄与を異常度とすることを特徴とする設備診断装置。
  4. 請求項1に記載の設備診断装置であって、
    前記異常フィルタ部の分類結果に基づいて診断結果表示画面を生成する診断結果表示部をさらに有し、
    前記診断結果表示部は、
    前記設備要素情報に基づいて、前記要素と当該要素に設置されたセンサを前記診断結果表示画面に表示し、前記センサが異常原因センサの場合には前記分類結果に基づいて前記異常原因センサを含む要素が第1の異常要素または第2の異常要素のいずれであるかを識別可能に前記診断結果表示画面へ表示することを特徴とする設備診断装置。
  5. 請求項4に記載の設備診断装置であって、
    前記診断結果表示部は、
    前記第1の異常要素では前記異常原因センサを識別可能に前記診断結果表示画面へ表示
    し、前記第2の異常要素では前記入力センサを識別可能に前記診断結果表示画面へ表示することを特徴とする設備診断装置。
  6. 請求項3に記載の設備診断装置であって、
    前記第2の異常検出部は、
    前記センサデータを入力として寄与度を算出し、前記寄与度が大きいセンサを異常原因センサとして特定することを特徴とする設備診断装置。
  7. プロセッサとメモリを有する計算機で、センサが測定した値から設備の異常を診断する設備診断方法であって、
    前記計算機が、前記センサの識別子と前記値を含む時系列のセンサデータを入力する1のステップと、
    前記計算機が、前記センサデータの値から異常を検出したセンサを異常原因センサとして特定する第2のステップと、
    前記計算機が、前記設備を構成する1以上の要素と、当該要素に設置されたセンサの関係を設定した設備要素情報を参照して前記異常原因センサを含む前記要素を特定する第3のステップと、
    前記計算機が、前記要素内のセンサのうち、入力センサを設定した入力センサ情報を参照して前記異常原因センサが前記特定された要素の入力センサであるか否かを判定し、前記異常原因センサが前記入力センサでない場合には当該要素を第1の異常要素に分類し、当該異常原因センサが前記入力センサである場合には当該要素を第2の異常要素に分類する第4のステップと、
    前記計算機が、前記入力センサ情報を設定する第5のステップと、を含み、
    前記第5のステップは、
    前記センサデータを入力として前記センサの値の異常度を算出し、前記時系列のセンサデータから前記値が所定の範囲内となる正常期間を抽出し、前記正常期間における前記センサの値の異常度から前記入力センサを推定して前記入力センサ情報に設定することを特徴とする設備診断方法。
  8. 請求項7に記載の設備診断方法であって、
    前記第5のステップは、
    前記時系列のセンサデータをタイムウインドウに分割し、各タイムウインドウにおいて前記センサの値の分散を異常度とすることを特徴とする設備診断方法。
  9. 請求項7に記載の設備診断方法であって、
    前記第5のステップは、
    前記時系列のセンサデータを入力としてHotteling T2統計量を算出し、前記センサ毎の前記Hotteling T2統計量への寄与を異常度とすることを特徴とする設備診断方法。
  10. 請求項7に記載の設備診断方法であって、
    前記計算機が、前記分類の結果に基づいて診断結果表示画面を生成する第6のステップをさらに含み、
    前記第6のステップは、
    前記設備要素情報に基づいて、前記要素と当該要素に設置されたセンサを前記診断結果表示画面に表示し、前記センサが異常原因センサの場合には前記分類の結果に基づいて前記異常原因センサを含む要素が第1の異常要素または第2の異常要素のいずれであるかを
    識別可能に前記診断結果表示画面へ表示することを特徴とする設備診断方法。
  11. 請求項10に記載の設備診断方法であって、
    前記第6のステップは、
    前記第1の異常要素では前記異常原因センサを識別可能に前記診断結果表示画面へ表示し、前記第2の異常要素では前記入力センサを識別可能に前記診断結果表示画面へ表示することを特徴とする設備診断方法。
  12. 請求項9記載の設備診断方法であって、
    前記第5のステップは、
    前記センサデータを入力として寄与度を算出し、前記寄与度が大きいセンサを異常原因センサとして特定することを特徴とする設備診断方法。
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