JP2011060012A - プラント監視装置およびプラント監視方法 - Google Patents
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Abstract
プラントの性能や健全性の長期の変化傾向を監視し、将来のメンテナンスに利用可能な情報を与える。
【解決手段】
プラントの各部に設けられた複数のセンサによる計測データを時系列に格納し、センサごとに所定データ数の計測データを用いて工程能力指数を算出し、時系列の工程能力指数から回帰式を求め、プラントの正常および異常を判定する前記センサごとの工程能力指数のしきい値と前記回帰式とから、前記センサごとの工程能力指数が前記プラントの異常を示す時期を予測する。
【選択図】 図1
Description
そこで、例えば特許文献1に記載のプラント監視装置では、監視対象であるプラント設備に関連の大きいプロセス状態量を履歴データとして蓄積しておき、その履歴データに基づいて監視対象であるプラント設備に関連するプロセス状態量の主成分を算出し、その寄与率を考慮に入れて異常判定のための直交座標系を作成する。そして、異常判定にあっては、一定周期で入力したプロセス状態量につき、算出した直交座標系上で履歴データとの距離に基づいて、その異常判定を行うようにしている。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、プラントの性能や健全性の長期の変化傾向を監視し、将来のメンテナンスに利用可能な情報を与えるプラント監視装置およびプラント監視方法を提供することを目的とする。
また、本発明に係るプラント監視方法によれば、プラントの各部に設けられた複数のセンサによる計測データを時系列に格納する計測データ格納手順と、前記センサごとに所定データ数の計測データを用いて工程能力指数を算出する工程能力指数算出手順と、前記工程能力指数を時系列に格納する工程能力指数格納手順と、前記時系列の工程能力指数から回帰式を求める長期化傾向算出手順と、プラントの正常および異常を判定する前記センサごとの工程能力指数の異常判定しきい値と前記回帰式とから、前記センサごとの工程能力指数が前記プラントの異常を示す時期を予測する異常予測手順と、を備えたことを特徴とする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプラント監視装置の構成図である。
PCI(t)=min[(UL−μ(t))/3σ(t) ,
(μ(t)−LL)/3σ(t)] ・・・・・・(1)
センサが出力する計測データ値の限界値が、上限界値のみの場合には、以下の式(2)を用いて工程能力指数PCI(t)を算出する。
センサが出力する計測データ値の限界値が、下限界値のみの場合には、以下の式(3)を用いて工程能力指数PCI(t)を算出する。
上記の式(1)、式(2)、式(3)で計算した工程能力指数PCI(t)は、平均値と限界値との差が大きくなるほど大きな値となる。つまり、工程能力指数PCI(t)が大きいほど限界値までの余裕が大きいことを示す。また、工程能力指数PCI(t)は、標準偏差が小さくなるほど大きな値となる。つまり、工程能力指数PCI(t)が大きいほど、計測データのバラツキが小さいことを示す。つまり、工程能力指数PCI(t)は限界値までの余裕度とバラツキを総合的に考慮した指標となっている。
具体例を用いて工程能力指数PCI(t)の算出を詳細に説明する。なお、説明を簡単にするために、表1の時系列の計測データを用いてサンプル数kを6、上限界値ULを120、下限界値LLを10とする。
式(4)は工程能力指数の長期傾向を示す回帰式である。式(4)において、xは日時、yは工程能力指数の値である。ここで、aおよびbは式(5)で定義される係数である。式(5)において、「xの平均値」は回帰式の算出に使用する工程能力指数の日時xの平均値、「yの平均値」は回帰式の算出に使用する工程能力指数yの平均値、nは回帰式の算出に使用する工程能力指数のデータの個数である。なお、回帰分析において日時xは日時データそのものを用いる必要はなく、日時xが時系列に並ぶように適切な変換をおこなった値を用いればよい。例えば、過去のデータほど小さな値となるようにすれば良い。
ステップ3(S3)では、工程能力指数算出部310にて、まず、計測データDB220に蓄積されているデータのうち、処理対象とする時系列の計測データを抽出して取得する。さらに、取得した時系列の計測データを使用して、式(1),式(2),式(3)のいずれかを選択して、ある時間tでの工程能力指数PCI(t)を算出する。なお、センサが出力する計測データ値の限界値が上限界値および下限界値のいずれも存在する場合には式(1)を、センサが出力する計測データ値の限界値が上限界値のみの場合には式(2)を、センサが出力する計測データ値の限界値が下限界値のみの場合には式(3)を、用いてある時間tでの工程能力指数PCI(t)を算出する。
ステップ5(S5)では、長期傾向算出部320にて、工程能力指数DB360に蓄積されているデータから、処理対象とするセンサの工程能力指数データを、処理対象期間分のデータだけ抽出して取得する。勿論、工程能力指数データは時系列で取得する。
200 データ収集装置
300 異常予測装置
400 プラント監視装置
Claims (6)
- プラントの各部に設けられた複数のセンサによる計測データを時系列に格納する計測データデータベースと、
前記センサごとに所定データ数の計測データを用いて工程能力指数を算出する工程能力指数算出部と、
前記工程能力指数を時系列に格納する工程能力指数データベースと、
前記時系列の工程能力指数から工程能力指数の長期傾向を示す回帰式を求める長期傾向算出部と、
前記回帰式と異常判定しきい値とから、前記センサごとの工程能力指数が前記プラントの異常を示す時期を予測する異常予測部と、
から構成されたことを特徴とするプラント監視装置。 - 請求項1に記載のプラント監視装置であって、
前記工程能力指数算出部において、
前記センサごとに前記計測データの下限界値、上限界値または両限界値が予め定められ、
前記センサの計測データに下限界値のみ定められている場合には、下限界値のみを用いた工程能力指数を求め、
前記センサの計測データに上限界値のみ規定されている場合には、上限界値のみを用いた工程能力指数を求め、
前記センサの計測データに両限界値が規定されている場合には、上限界値および下限界値を用いた工程能力指数から小さい値を工程能力指数として求めること、
を特徴とするプラント監視装置。 - 請求項1または2に記載のプラント監視装置において、
プラントの正常および異常を判定する前記センサごとの計測データの許容されるバラツキと、センサによる時系列の計測データにおける偏差が変動する予想範囲とから、前記の異常判定しきい値を計算する判定基準作成部を、備えたことを特徴とするプラント監視装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプラント監視装置において、
前記プラントは、タービンを備えた発電プラントであって、
前記センサは、前記タービンに設けられたことを特徴とするプラント監視装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプラント監視装置において、
前記工程能力指数算出部において、工程能力指数が負の値となった場合には、直ちにプラントの異常を出力することを特徴とするプラント監視装置。 - プラントの各部に設けられた複数のセンサによる計測データを時系列に格納する計測データ格納手順と、
前記センサごとに所定データ数の計測データを用いて工程能力指数を算出する工程能力指数算出手順と、
前記工程能力指数を時系列に格納する工程能力指数格納手順と、
前記時系列の工程能力指数から回帰式を求める長期化傾向算出手順と、
プラントの正常および異常を判定する前記センサごとの工程能力指数の異常判定しきい値と前記回帰式とから、前記センサごとの工程能力指数が前記プラントの異常を示す時期を予測する異常予測手順と、
を備えたことを特徴とするプラント監視方法。
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