JP2016108205A - 固体電解質体及びガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】低温劣化を防止することができる共に、低温での応答性に優れた固体電解質体、及びガスセンサを提供すること。【解決手段】ジルコニアが安定化剤によって安定化されてなる部分安定化ジルコニアを主成分とする固体電解質体1、及びこの固体電解質体1を備えたガスセンサ素子を有するガスセンサである。部分安定化ジルコニアからなる結晶粒子11間には、安定化剤由来の金属元素とAlとSiとを含む酸化物からなる粒界層12が存在する。粒界層12におけるAl成分とSi成分との合計含有量が酸化物換算で上記固体電解質体全量中に0.01質量%〜1質量%である。粒界層12におけるSi成分量に対するAl成分量の比が酸化物換算で0.2〜2.0である。【選択図】図3

Description

本発明は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体と該固体電解質体を備えたガスセンサ素子を有するガスセンサに関する。
酸素イオン伝導性を有する固体電解質体は、排ガス等の混合ガス中の例えば酸素等の特定のガス濃度を計測するためのガスセンサに用いられている。具体的には、固体電解質体に一対の電極を形成してなるガスセンサ素子と、該ガスセンサ素子を加熱するためのヒータ等を具備するガスセンサが用いられている。ガスセンサに用いられる固体電解質体には、使用環境下において割れ等が発生することなく、信頼性が高く、ガス濃度の変化に対する応答性の高いものが要求されている。
従来、ガスセンサに用いられる固体電解質体としては、例えば所定の配合割合で調整された酸化ジルコニウム及び酸化イットリウムよりなる酸素イオン導電体材料に対して、酸化アルミニウム及び酸化珪素を所定の割合で配合したジルコニア焼結体が開発されている(特許文献1参照)。
特開昭53−139595号公報
しかしながら、近年、省燃費に対する要求がますます高まる中で、より低温での作動に耐え、さらに応答性の高いガスセンサの開発が望まれている。従来の固体電解質体を用いたガスセンサにおいては、例えば350℃程度の低温では、固体電解質体に割れが発生したり、応答性が不十分になったりするという問題がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、低温劣化を防止することができる共に、低温での応答性に優れた固体電解質体、及びガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、ジルコニアが安定化剤によって安定化されてなる部分安定化ジルコニアを主成分とする固体電解質体であって、
上記部分安定化ジルコニアからなる結晶粒子間には、上記安定化剤由来の金属元素とAlとSiとを含む酸化物からなる粒界層が存在し、
該粒界層におけるAl成分とSi成分との合計含有量が酸化物換算で上記固体電解質体全量中に0.01質量%〜1質量%であり、
上記粒界層におけるSi成分量に対するAl成分量の比が酸化物換算で0.2〜2.0であることを特徴とする固体電解質体にある。
本発明の他の態様は、上記固体電解質体を備えたガスセンサ素子を有することを特徴とするガスセンサにある。
上記固体電解質体においては、部分安定化ジルコニアからなる結晶粒子間に存在する粒界層におけるAl成分とSi成分の組成が酸化物換算で上記範囲に調整されている。即ち、粒界層における酸化物換算のAl成分(アルミナ)とSi成分(シリカ)との合計含有量が上記のように低レベルでの所定範囲内に調整され、かつ粒界層における酸化物換算でのAl成分量とSi成分量の比(アルミナ量/シリカ量)が上記所定範囲内に調整されている。このように、粒界層に着目してその組成を上記のごとく調整することにより、固体電解質体の低温での割れを防止しつつ、低温での電気抵抗の上昇を抑制することが可能になる。そのため、上記固体電解質体を用いることにより、低温劣化を防止しつつ、低温での応答性の高いガスセンサの実現が可能になる。
この理由は次のように考えられる。即ち、固体電解質体の電気抵抗値は、部分安定化ジルコニアからなる結晶粒子間における粒界抵抗の寄与度が大きいため、低温での応答性に関しては、粒界層を構成するAl成分量及びSi成分量が少ない方が有利である。一方、低温での破損を抑制し、低温劣化を防止するという観点からは、粒界層が必要であり、特にシリカ量比が重要である。上記のように、粒界層におけるAl成分(アルミナ)とSi成分(シリカ)との合計含有量及びAl成分(アルミナ)量とSi成分(シリカ)量の比を上記所定範囲内に調整することにより、低温劣化に対する耐久性及び低温での優れた応答性を兼備する固体電解質体の実現が可能になる。
このように、本発明によれば、低温劣化を防止することができる共に、低温での応答性に優れた固体電解質体、及びガスセンサを提供することができる。
第1の実施形態におけるガスセンサの断面図。 第1の実施形態におけるガスセンサ素子の断面図。 第1の実施形態における固体電解質体の倍率200000倍の走査型透過電子顕微鏡写真を示す図。 図3における領域IVの拡大図。 第2の実施形態におけるガスセンサ素子の断面図。
(第1の実施形態)
図1に示すごとく、本実施形態におけるガスセンサ3は、自動車エンジンの排気系に設置され、エンジンの燃焼制御に利用される空燃比センサであり、固体電解質体1を備えたガスセンサ素子2を有する。図2に示すごとく、ガスセンサ素子2は、部分安定化ジルコニアを主成分とする固体電解質体1と、その上にそれぞれ設けられた基準ガス側電極(基準電極)21及び被測定ガス側電極(測定電極)22とを有する。基準電極21及び測定電極22は貴金属からなる。以下、これを詳説する。
図2に示すごとく、ガスセンサ素子2において、固体電解質体1は、有底円筒状(所謂コップ型)であり、その内部は基準ガス(大気)が導入される基準ガス室200である。固体電解質体1は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等の部分安定化ジルコニアからなり、厚みは例えば0.1〜3mmの範囲にすることができる。
コップ型の固体電解質体1の内面13には、基準ガスである大気にさらされる、Ptからなる基準電極21が形成されている。基準電極21は、固体電解質体1の内面13の全面に形成されている。また、固体電解質体1の外面14には、被測定ガスである排ガスにさらされる、Ptからなる測定電極22が形成されている。測定電極22は、固体電解質体1の外面14のうち、固体電解質体1の先端15から所定の長さの領域まで形成されている。基準電極21と測定電極22とは、固体電解質体1の相反する位置に形成されており、両者は固体電解質体2を介して互いに対向している。また、測定電極22には、固体電解質体2の後端16側に向かって伸びるリード電極が形成されており、リード電極の後端側は端子電極が電気的に接続されている。なお、リード電極及び端子電極は、図2の断面図では表示されない位置に形成されているため、図示されていない。また、測定電極22は、多孔質の保護層25で覆われている。この保護層25は、スピネル型酸化物であるMgAL24を主成分としており、被測定ガスである排ガス中の有害成分のトラップする役割を果たす。
図1に示すように、ガスセンサ3は、金属製の筒状のハウジング31と、このハウジング31内に挿入されて配置された上述のガスセンサ素子2とを有する。なお、本明細書においては、ガスセンサ3における内燃機関の排気経路等に挿入される側を先端側(図1中のF側)といい、その反対側を基端側(図1中のR側)という。ハウジング31の先端側には、ガスセンサ素子2の先端15を保護するための2重の被測定ガス側カバー321、322が設けられており、その内部が被測定ガス室300である。被測定ガス側カバー321、322の双方には、被測定ガス(排ガス)を導入するための導入穴321A、322Aが設けられている。これらの導入穴321A、322Aから被測定ガス室300内に被測定ガスが導入されて、被測定ガス雰囲気が形成される。
一方、ハウジング31の基端側には、2重の大気側カバー331、332が設けられており、その内部は、固体電解質体1の基準ガス室200に連通している。大気側カバー331、332の双方における互いに対向する位置には、基準ガス(大気)を導入するための導入穴331A、332Aがそれぞれ設けられている。導入穴332Aと導入穴331Aとの間には、撥水フィルタ335が配置されており、導入穴332Aから導入された大気は、撥水フィルタ335を通過し、さらに導入穴331Aを通って、基準ガス室200内に導入され、大気雰囲気が形成される。
ガスセンサ素子2の基準ガス室200内には、棒状のセラミック製のヒータ34が挿入配置されている。ヒータ34の側面と固体電解質体1の内面13との間には所望のクリアランスが確保されており、ヒータ34の先端は、固体電解質体1の内面13と接触している。
大気側カバー331、332の基端側には、リード線351、352、353が挿入された弾性絶縁部材35が設けられている。リード線351、352によって、被測定ガス質と基準ガス室の酸素濃度差により発生するガスセンサ素子2のセンサ起動力が外部へ取り出される。また、リード線353は、ヒータ34に対し通電を行い、これを発熱させるためのものである。
リード線351、352の先端側には、接続端子361、362が設けられている。接続端子361、362により、ガスセンサ素子2に固定したターミナル371、372との電気的導通がそれぞれ確保される。なお、ターミナル371は、ガスセンサ素子2における測定電極22に電気的に接続する端子電極に対して接触固定されている(図1及び図2参照)。また、ターミナル372は、ガスセンサ素子2における基準電極21に接触固定されている。なお、図1においては、図面作成の便宜のため、ガスセンサ素子2に形成されている基準電極21、測定電極22、保護層25等の表記を省略している。
図1及び図2に示すごとく、ガスセンサ素子2の固体電解質体1の外面14には、径方向外方に突出した凸部140が設けてあり、ハウジング31の内側面から径方向内側に突出した受部310に凸部140が支持される。凸部140の先端側と受部310との間は金属パッキン315が配置される。凸部140の基端側におけるガスセンサ素子2とハウジング31との間には、タルク等の粉末充填材からなる充填部381と絶縁碍子382とが配置されている。ハウジング2の基端側の端部319をかしめることにより、絶縁碍子382の基端側端面がかしめ用の金属リング383を介して固定されている。
次に、ガスセンサ素子2の固体電解質1について詳細に説明する。
本例の固体電解質体1は、ジルコニアをイットリアで安定化してなる部分安定化ジルコニア(YSZ)を主成分とし、部分安定化ジルコニアからなる結晶粒子11間には、安定化剤由来の金属元素(Y)とAlとSiとを含む酸化物からなる粒界層12が存在する(図3及び図4参照)。粒界層12は、金属元素(Y)とAlとSiとの複合酸化物等により形成されていると考えられる。本例においては、固体電解質体1の製造時における原料の配合や原料の平均粒子径を変えることにより、粒界組成が異なる複数の固体電解質体1(実施例1〜20及び比較例1〜5)を製造した。代表例として、実施例1の固体電解質体の製造方法を詳説する。
まず、主原料のジルコニア粉末にイットリア粉末を添加し、添加後のイットリア粉末の含有量が8質量%となるように調整した。この混合物に対し、粒界を形成するためのアルミナ粉末とシリカ粉末との混合粉をさらに乾式で混合し、混合物を粉砕することにより固体電解質体用の混合原料粉末を作製した。アルミナ粉末としては、平均粒子径0.1μmの微粒α−Al23粉末を用い、シリカ粉末としては、比表面積50m2/gの非晶質シリカ粉末を用いた。アルミナ粉末とシリカ粉末とは、事前にエアミックスにより混合され、混合状態が均一な混合粉末に調整されている。なお、平均粒子径の小さい微粒子のアルミナ粉末、シリカ粉末を選択することにより、後述の実施例のように特定組成の粒界相を形成しやすくなる。
また、事前に、アルミナ粉末とシリカ粉末との混合粉末を温度1200℃で焼成した後に粉砕することにより微細で、かつ混合状態及び粒径が均一な混合粉末を作製し、この混合粉末をジルコニア粉末とイットリア粉末に混合することにより、厚みや組成が均一な粒界層を形成することができる。なお、上述のごとくアルミナ粉末とシリカ粉末を事前に混合して焼成することにより、混合粉末の融点をさげることができる。その結果、ジルコニア粉末とイットリア粉末と混合粉末とからなる混合原料粉末の焼成時に、比較的低温領域においてアルミナやシリカが粒界層に移動しやすくなる。その結果、粒界層におけるイットリアとアルミナとシリカとの反応が促進されたり、粒界層の厚みが小さくなったり、粒界層の組成が均一になる。また、この場合には、比較的平均粒子径が大きな粗いアルミナ粉末、シリカ粉末を用いることが可能になり、安価な原料の選択が可能となる。
また、原料全量中に、さらに平均粒子径が0.5μm〜1.0μmのα-Al23粉末を2質量%以下混合することもできる。この場合には、焼成時にジルコニア粒子の移動が阻害され、粒成長を伴う焼結の阻害が可能になるため、焼結温度を向上させることができる。その結果、イットリアが十分に固溶分散した部分安定化ジルコニアを得ることができる。また、上述のような平均粒子径が比較的大きなα-Al23粉末は、焼成時に、微粒のアルミナ、シリカ、及びイットリア等とはほとんど反応せず、遊離したアルミナ結晶粒子として粒界中にとどまる。この遊離したアルミナ結晶粒子は、粒界内で連続性がないため、固体電解質体のイオン電導性を阻害したり、内部抵抗を増大させたりする作用をほとんど示さない。なお、本明細書においては、上述の遊離したアルミナ結晶粒子は、粒界層の組成成分には含めない。
次に、水を媒体として用いて、混合原料粉末をスラリー化し、湿式振動ミルにて、混合原料粉末を粉砕し、さらにほぐした。次いで、噴霧乾燥(スプレードライ)にてスラリーを乾燥させて顆粒状粉末を得た。その後、ラバープレス成型により顆粒状粉末をコップ型の形状に成形し、成形体を研削することにより、図2に示す固体電解質体1と同形状の成形体を得た。次に、温度1400℃にて成形体を焼成し、部分安定化ジルコニアを主成分とする固体電解質体1を得た(図2参照)。
本例においては、固体電解質体1の製造時における原料の配合や原料の平均粒子径等を適宜調整することにより、後述の表1の実施例1〜20及び比較例1〜5に示すように粒界層の組成が異なる複数の固体電解質体1を製造した。なお、本明細書において平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における体積積算値50%での粒径を意味する。
上記のようにして得られた複数の固体電解質体1(実施例1〜20及び比較例1〜5)について、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いたエネルギー分散型X線分析装置(EDS)により粒界層の組成を調べた。具体的には、まず、被測定ガスと接触する素子先端側の部分を固体電解質体1から切り出して試験片を得た。次いで、収束イオンビーム(FIB)装置(日本エフイー・アイ(株)製の「VION」)により、試験片の観察部位を加工して、厚み0.1μmの薄膜試料を得た。次いで、STEM(日本電子(株)製の「JEM−2800」)を用いて薄膜試料を観察し、SETM写真を得た。その代表例(倍率200000倍)を図3に示す。次いで、薄膜試料における任意の500nm四方の領域IVを5箇所選択した。選択された500nm四方の領域IVにおけるSTEM写真(倍率500000倍)の代表例を図4に示す。次いで、この500nm四方の領域IV内から粒界層12中の任意の10点を選択した(図4参照)。これらの10点としては、2粒子粒界から任意の5点を選択し、さらに粒界3重点から任意の5点を選択した。遊離したアルミナ結晶粒子は上述の粒界層に含めないため、アルミナ結晶粒子の存在位置からは測定点を選択しない。図4においては、2粒子粒界上の任意の点を白丸で表記し、粒界3重点上の任意の点をドットハッチングを付した丸で表記している。また、結晶3重点を明確にするために、図4においては粒界層12の位置の一部を破線にて明示してある。
次いで、EDS分析装置によりこれらの10点の測定箇所の定性及び定量分析を行い、Al成分、Si成分、Y成分の組成を酸化物換算で定量した。即ち、粒界層中の任意の各10点における、アルミナ、シリカ、イットリアの定量を行った。そして、10点の平均値を算出した。上述の5箇所の500nm四方の領域IVについてそれぞれ10点の平均値を算出すると共に、5箇所の平均値を算出した。この値を粒界層12中の各成分の含有量とし、その結果を後述の表1に示す。なお、表1における粒界層12中の各成分組成は、固体電解質体全量に対する割合(質量%)である。
次に、図2に示すごとく、各固体電解質体1の内面に、Ptからなる基準電極21を形成した。また、固体電解質体1の外面に、測定電極22、リード部、端子電極を形成し、さらに、保護層25を形成した。これらの電極、リード部、保護層は公知の方法により形成することができる。このようにして、ガスセンサ素子2を作製し、このガスセンサ素子2を用いて図1に示すガスセンサ3を構築した。
次に、各実施例及び比較例の固体電解質体1を用いて作製したガスセンサ3について、センサ応答性の評価を下記のようにして行い、さらに固体電解質体1の低温劣化の評価を下記のようにして行った。
「センサ応答性」
ガスセンサ3に内蔵されたヒータ34によりガスセンサ素子1の先端温度を350℃に調整した(図1参照)。温度が安定した後、ガスセンサ3に対して、空燃比(A/F)が0.97となるように、一酸化炭素(CO)と、メタン(CH4)と、プロパン(C38)と、窒素(N2)とが混合されたリッチガスを供給した。次いで、ガスセンサ3に対して、空燃比(A/F)が1.03となるように、酸素(O2)と、窒素酸化物(NO)と、窒素(N2)とが混合されたリーンガスを供給した。リッチガス及びリーンガスにおける窒素は、バランスガスである。そして、リッチガスの供給とリーンガスの供給を所定の周期で入れ替えた。リッチガスからリーンガスに切り替えた時からセンサ出力が63%変化するまでに要する時間を測定した。この時間がセンサ応答時間であり、各ガスセンサの応答時間の結果を表1に示す。また、応答時間が300秒以下の場合を「◎」と判定し、300秒を超え400秒以下の場合を「○」と判定し、400秒を超える場合を「×」と判定した。その判定結果を表1に示す。
「低温劣化」
固体電解質体を高圧水蒸気雰囲気に暴露できるオートクレーブ試験機を使用し、加速試験により評価を行った。具体的には、オートクレーブ試験機内で、温度200℃、1.55MPaの高圧水蒸気下に各固体電解質体1を10時間暴露させることにより、水熱処理を施した。その後、固体電解質体1を染色液にて染色した後水洗した。固体電解質体1を目視により観察し、染色箇所が存在していた場合には、固体電解質体の表面に亀裂や割れが発生していると判定し、「×」と評価した。一方、染色箇所が存在しなかった場合には、亀裂や割れが発生していないと判定し、「○」と評価した。その結果を表1に示す。なお、低温劣化による固体電解質体1の亀裂や割れの原因としては、粒界層12のフラックス成分にOH基がアタックし、浸食された粒界層12が緩んだためであると考えられている(図3及び図4参照)。また、フラックス成分に拘束されていた細かい粒子からなるジルコニアのM相粒子が動きやすくなって表面に析出することにより、強度が低下し、亀裂発生を引き起こしている可能性も想定される。
表1に示すごとく、実施例1〜20のように、粒界層12におけるAl成分(アルミナ)とSi成分(シリカ)との合計含有量が0.01質量%〜1質量%であり、かつ粒界層12におけるSi成分(シリカ)量に対するAl成分(アルミナ)量の比が0.2〜2.0である場合には、低温劣化が防止され、低温での応答性にも優れていた。これに対し、比較例1及び比較例2のように、Al成分(アルミナ)とSi成分(シリカ)との合計含有量が0.01質量%未満の場合や、比較例4のようにSi成分(シリカ)量に対するAl成分(アルミナ)量の比が0.2未満の場合には、固体電解質体1に低温劣化が起こっていた。また、比較例3のように、Al成分(アルミナ)とSi成分(シリカ)との合計含有量が1質量%を超える場合や、比較例5のようにSi成分(シリカ)量に対するAl成分(アルミナ)量の比が2.0を超える場合には、応答時間が長くなっており、低温でのセンサ応答性が不十分であった。
したがって、粒界層12の組成に関して、Al成分とSi成分との合計含有量を酸化物換算で0.01質量%〜1質量%に調整し、Si成分量に対するAl成分量の比を酸化物換算で0.2〜2.0に調整することにより、低温劣化を防止し、低温での応答性に優れた固体電解質体及びガスセンサの提供が可能になることがわかる。また、表1より知られるように、粒界層12におけるSi成分量に対するAl成分量の比は、酸化物換算で0.2〜1.0であることがより好ましい。この場合には、低温でのセンサ応答性をより向上させることができる。また、表1より知られるように、粒界層12におけるAl成分とSi成分との合計含有量は、酸化物換算で固体電解質体全量中に0.01質量%〜0.5質量%であることがより好ましい。この場合にも、低温でのセンサ応答性をより向上させることができる。なお、粒界層12には、安定化剤由来の金属元素であるY成分、Al成分、及びSi成分が少なくとも存在するが、これら以外の微量成分が存在していてもよい。
また、固体電解質体1においては、図3及び図4に示すごとく、部分安定化ジルコニアからなる結晶粒子11間には、安定化剤由来の金属元素とAlとSiとを含む酸化物からなる粒界層が形成されている。安定化剤由来の金属元素はYであることが好ましい。この場合には、固体電解質体のイオン伝導性が向上すると共に、強度が高いガスセンサ素子が得られる。ジルコニアの安定化剤としては、イットリアの他にも、セリア等の希土類酸化物、カルシア、マグネシア等を用いることができる。安定化剤としては、上述の化合物のうちの1種類又は2種類以上を用いることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においてはコップ型のガスセンサ素子の例について説明したが、本実施形態は、積層型(板状)のガスセンサ素子の例について説明する。図5に示すごとく、本例のガスセンサ素子2は、平板状の固体電解質体1の一方の面(第1面13)に設けられた基準電極21と、他方の面(第2面14)に設けられた測定電極22とを有している。基準電極21と測定電極22とは、固体電解質体1の相対する面13、14にそれぞれ形成されており、両電極21、22は、固体電解質体1を介して互いに対向する位置に形成されている。また、基準ガス室200を構成するスペーサ27の背面には、発熱体341を内蔵したヒータ34が設けられている。また、測定電極22は、二層構造の第1保護層251及び第2保護層252からなる保護層25によって覆われている。
本例においても、固体電解質体1として、第1の実施形態における実施例1〜20を採用することにより、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。なお、本例において、第1の実施形態と同じ符号で表された構成は、形状等が異なっていても、実質的に第1の実施形態と同様の機能を有するものであり、先行する説明を参照する。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 固体電解質体
11 結晶粒子
12 粒界層
2 ガスセンサ素子
21 基準ガス側電極
22 被測定ガス側電極
3 ガスセンサ

Claims (5)

  1. ジルコニアが安定化剤によって安定化されてなる部分安定化ジルコニアを主成分とする固体電解質体(1)であって、
    上記部分安定化ジルコニアからなる結晶粒子(11)間には、上記安定化剤由来の金属元素とAlとSiとを含む酸化物からなる粒界層(12)が存在し、
    該粒界層(12)におけるAl成分とSi成分との合計含有量が酸化物換算で上記固体電解質体全量中に0.01質量%〜1質量%であり、
    上記粒界層(12)におけるSi成分量に対するAl成分量の比が酸化物換算で0.2〜2.0であることを特徴とする固体電解質体(1)。
  2. 上記粒界層(12)におけるSi成分量に対するAl成分量の比が酸化物換算で0.2〜1.0であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質体(1)。
  3. 上記粒界層(12)におけるAl成分とSi成分との合計含有量が酸化物換算で上記固体電解質体全量中に0.01質量%〜0.5質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質体(1)。
  4. 上記安定化剤由来の金属元素がYであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質体(1)。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質体(1)を備えたガスセンサ素子(2)を有することを特徴とするガスセンサ(3)。
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