JPH11189469A - 蛍石型またはその派生構造の酸化物焼結体とその製造方法 - Google Patents

蛍石型またはその派生構造の酸化物焼結体とその製造方法

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JPH11189469A
JPH11189469A JP9367208A JP36720897A JPH11189469A JP H11189469 A JPH11189469 A JP H11189469A JP 9367208 A JP9367208 A JP 9367208A JP 36720897 A JP36720897 A JP 36720897A JP H11189469 A JPH11189469 A JP H11189469A
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紀子 斎藤
Hajime Haneda
肇 羽田
Takayasu Ikegami
隆康 池上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料粉末の精製を行わずに、界面を清浄化し
た蛍石型及びその派生構造の結晶構造を有する酸化物焼
結体とその製造方法を提供する。 【解決手段】 蛍石型またはその派生構造の結晶構造を
有する酸化物焼結体の製造において、原料の酸化物粉末
を生成する際に、SiまたはAlの活性酸化物コロイド
を湿式均一添加する、または粉末生成後に均一混合する
ことによって、焼結体中のSiまたはAlの不純物を析
出物として集めて、界面から不純物を除去した蛍石型ま
たはその派生構造の結晶構造を持つ酸化物焼結体を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、蛍石型ま
たはその派生構造の結晶構造を有する酸化物焼結体とそ
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この
出願の発明は、O2 ガスセンサー、COガスセンサー、
2 ポンプ、不完全燃焼センサー、高温固体電解質燃料
電池などの酸素イオン伝導体として有用な、蛍石型また
はその派生構造の結晶構造を有する酸化物焼結体とその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、希土類金属の酸化
物の結晶形態の1つである蛍石型結晶構造、例えば、Z
rO2 、CeO2 等における結晶構造や、この構造から
誘導される類似構造を有する酸化物の、例えば、Y2
3 などのC型構造、Y2 Ti2 7 などのパイロクロア
構造は、酸素の占める空隙スペースが広く、酸素の拡散
が容易な構造を有するため、高い酸素イオン伝導性を示
すことが知られている。
【0003】しかしながら、多結晶焼結体においては、
SiやAlなどの固溶量の低い不純物が存在する場合に
は、結晶粒界にそれらの不純物が析出し、それが酸素イ
オン伝導のバリアとなって、イオン伝導性が妨げられる
という問題点があった。そこで、この問題を解決するた
めに、原料粉末を精製し、不純物を取り除くことが行わ
れてきた。しかしながら、これらの従来の方法において
は、粉末の製造条件の厳密な制御が必要とされるため、
多額の経費を要するという問題が生じていた。
【0004】そこで、この出願の発明は、以上のような
従来技術の問題点を解消し、原料粉末の精製を行わずに
製造することのできる、酸素イオン伝導性に優れた蛍石
型及びその派生構造の結晶構造を有する酸化物焼結体と
その製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、蛍石型またはその派生構
造の結晶構造を有する多結晶酸化物焼結体であって、結
晶粒界には酸素イオン伝導のバリアとなる不純物として
のSiまたはAlが存在していないことを特徴とする酸
化物焼結体(請求項1)を提供する。
【0006】また、この出願の発明は、上記の酸化物焼
結体であって、3重点にのみ不純物としてのSiまたは
Alが存在している酸化物焼結体(請求項2)も提供す
る。そして、この出願の発明は、SiとAlの1種以上
の活性酸化物のコロイドを原料化合物に混合して得た酸
化物粉末を成形し、次いで焼成することにより結晶粒界
には酸素イオン伝導のバリアとなる不純物としてのSi
またはAlが存在していない蛍石型またはその類似型の
結晶構造を有する多結晶酸化物焼結体を製造することを
特徴とする酸化物焼結体の製造方法(請求項3)を提供
する。
【0007】さらに、この発明は、添加するSiとAl
の1種以上の活性酸化物は、その量が、金属イオンに対
する比として10-3〜10-4モル%であること(請求項
4)、添加するSiとAlの1種以上の活性酸化物0.
1μm以下の粒径の表面活性な酸化物であること(請求
項5)等の態様をも提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、SiとAlの
活性酸化物のコロイドを均一添加して得た酸化物原料粉
末を用いることによって、焼結体中のSiとAlの不純
物を析出物として集め、結晶粒界としての界面を清浄化
した焼結体を得ることができるとの知見に基づいて完成
されている。
【0009】清浄化が可能なSi及びAl不純物の量と
しては、一般的な目安としては1000ppm以下を対
象としている。添加するSiとAlの活性酸化物は、清
浄化したい不純物元素としてのSiとAlの酸化物であ
って、その粒径が0.1μm以下の表面活性な酸化物コ
ロイド粒子であることが特に望ましい。
【0010】この場合の「活性」の規定は、粒子の表面
エネルギーが大きいことを意味している。添加する活性
酸化物コロイドの量は、金属イオンに対する比、つま
り、[SiまたはAl]/[M]が10-3〜10-4モル
%が適当である。それ以下では清浄化されない不純物が
界面に残ってしまい、効果が十分に現われない。また、
それ以上添加すると、界面をさらに汚してしまうので適
当でない。
【0011】蛍石型またはその派生構造の結晶構造を有
する酸化物原料粉末への活性酸化物コロイドの添加は、
均一に添加することが重要である。そのためには、原料
粉末を湿式プロセスによって合成する場合に、原料溶液
に活性酸化物コロイドを混合したものを用いて母塩を生
成し、それを仮焼して粉末とする方法によることが望ま
しい。もしくは、蛍石型またはその派生構造の結晶構造
を有する酸化物原料粉末と活性酸化物コロイド粉末を分
散液に混合し、乾燥させることによって調製する。ここ
で、原料粉末の製造方法については特に限定するもので
はないが、分散性に優れた易焼結性粉末を製造する方法
によることが好ましい。
【0012】不純物を含む粉末を成形して焼成すると、
焼結中の粒成長とともに、固溶量の低い不純物は粒子表
面へと移動し、高温で焼成すると液相化して粒界を濡ら
す。しかしながら、この発明の活性酸化物コロイドを添
加した原料粉末を用いる方法によって、蛍石型またはそ
の派生構造の結晶構造を有する酸化物焼結体を合成する
と、希土類シリケート、およびアルミネートの液相の濡
性が低いため、3重点等に添加したコロイドによる不純
物の固まりが粒界に存在していた液相を引き寄せる役割
を果たす。この効果によって、不純物は3重点等に析出
物として集まり、粒界から不純物が除去される。
【0013】なお、この発明において蛍石型結晶構造の
派生構造(DerivativeStructure)
のものとしては、従来より知られているように、たとえ
ばY2 3 などのC型構造やY2 Ti2 7 などのパイ
ロクロア構造等がある。焼結体の組成は、特に限定され
ることなく、蛍石型あるいはその派生構造の結晶構造を
持つ各種の元素酸化物の組成であってよい。
【0014】このような、この発明により提供される酸
化物焼結体では、酸素イオン伝導性が優れたものとな
り、各種センサーの材料として有用となる。イオン伝導
性についてはこれまでに知られているジルコニアに比べ
て約1桁以上向上するものとなる。以上に実施例を示
し、さらに詳しく説明する。
【0015】
【実施例】実施例1 Y量に対して50ppmのSiを不純物として含むY
(NO3)3 水溶液に、Y量に対して50ppmの平均粒
径0.02μmのコロイダルシリカを添加した。その水
溶液をNH4 HCO3 水溶液で中和して沈殿物を生成し
た。その沈殿を洗浄、乾燥した後に1100℃で仮焼し
て平均粒径0.3μmのY2 3 粉末を得た。それを成
形後、真空中、1700℃で焼成して、焼結体を得た。
【0016】焼結体の表面を研磨した後、2次イオン質
量分析計によりSiの分析を行ったところ、Siは3重
点に偏析しており、粒界には存在しなかった。実施例2 Zr量に対して50ppmのSiを不純物として含む3
mol%Y(NO3 3 添加ZrO(NO3)2 水溶液
に、Zr量に対して50ppmの平均粒径0.02μm
のコロイダルシリカを添加した。その水溶液をNH4
で中和して沈殿物を生成した。その沈殿を洗浄、乾燥し
た後で700℃で仮焼して平均粒径0.4μmのZrO
2 粉末を得た。それを成形後、空気中1500℃で焼成
して、焼結体を得た。
【0017】焼結体の表面を研磨した後、2次イオン質
量分析計により、Siの分析を行ったところ、Siは3
重点に偏析しており、粒界には存在しなかった。実施例3 Y量に対して50ppmのAlを不純物として含むY
(NO3)3 水溶液に、Y量に対して50ppmの平均粒
径0.01μmのベーマイト状アルミナコロイドを添加
した。その水溶液をNH4 HCO3 水溶液で中和して沈
殿物を生成した。その沈殿を洗浄、乾燥した後で110
0℃で仮焼して平均粒径0.3μmのY23 粉末を得
た。それを成形後、真空中1700℃で焼成して、焼結
体を得た。
【0018】焼結体の表面を研磨した後、2次イオン質
量分析計により、Alの分析を行ったところ、Alは3
重点に偏析しており、粒界には存在しなかった。比較例1 比較として、実施例1において、コロイダルシリカを添
加せずに焼結体を合成した。焼結体の表面を研磨した
後、2次イオン質量分析計により、Siの分析を行った
ところ、Siは粒界に沿って薄く存在していることが認
められた。比較例2 比較として、実施例1において、コロイダルシリカを1
%添加した場合を調べた。焼結体の表面を研磨した後、
2次イオン質量分析計により、Siの分析を行ったとこ
ろ、Siは析出物として存在してはいたが、その数が多
く、粒界を埋めてしまっていた。
【0019】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この発明に
よって、精製した蛍石型またはその派生構造の結晶構造
を持つ酸化物粉末を原料に用いなくとも、焼結体中のS
iまたはAl不純物を析出物として集めることによっ
て、界面から不純物が除去された、酸素イオン伝導性に
優れた、蛍石型またはその類似型の結晶構造を有する酸
化物焼結体を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍石型または派生構造の結晶構造を有す
    る多結晶酸化物焼結体であって、結晶粒界には酸素イオ
    ン伝導のバリアとなる不純物としてのSiまたはAlが
    存在していないことを特徴とする酸化物焼結体。
  2. 【請求項2】 請求項1の酸化物焼結体であって、3重
    点にのみ不純物としてのSiまたはAlが存在している
    酸化物焼結体。
  3. 【請求項3】 SiとAlの1種以上の活性酸化物コロ
    イドを原料化合物に混合して得た酸化物粉末を成形し、
    次いで焼成することにより結晶粒界には酸素イオン伝導
    のバリアとなる不純物としてのSiまたはAlが存在し
    ていない蛍石型またはその派生構造の結晶構造を有する
    多結晶酸化物焼結体を製造することを特徴とする。
  4. 【請求項4】 添加するSiとAlの1種以上の活性酸
    化物は、その量が、金属イオンに対する比として10-3
    〜10-4モル%である請求項1の酸化物焼結体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 添加するSiとAlの1種以上の活性酸
    化物は、その粒径が0.1μm以下の粒径の表面活性な
    酸化物である請求項3ないし4のいずれかの酸化物焼結
    体の製造方法。
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